咲「和ちゃんが男子になっていまいました」

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178 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:26:39.57 ID:JeB2AmVTO

―Side 和―



強い性感にわけのわからないまま腰を引き、また奥に進めた。その度に愛液が亀頭にまぶされて滑りがよくなる。咲さんの眉根がきゅっと寄せられていて、とても可憐だった。見たことのない顔。

咲「は、ぁ……う、ん……っ」

肩で息をしている。苦しそう。抱きしめてやることしか思い浮かばず、そのまま咲さんの頭を胸に抱いた。

一瞬肉襞がきゅっと締め付けてきたのは、偶然?


咲さんの頬は上気して赤い。迷うように視線を左右させていたが、やがて――私の目をじっと上目遣いで見つめ返してきた。

何もかもが繋がっている気がして、笑みがこぼれる。

すると――咲さんは下唇を噛んでいた口を僅かに開き、嬉しいのか苦しいのか、そんなどこか困ったように笑った。

膣内がぐにっと蠢いて、痛いくらいに強く締め付けてくる。

179 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:29:22.27 ID:JeB2AmVTO

咲「ん、はぁ、はぁ……」

どれくらい時間が経ったかわからない。けれど、吐息はやがて落ち着いたものになっていて、咲さんが私の肩を甘く抱き直してくれた。


咲「ひとつに、なってる」

和「……はい」

咲「っ、ぁは……。なんか、なんか感動…」

ふぅー、と涙を滲ませ、咲さんはゆっくりと息を吐いた。それだけで意外なほど締め付けられる感触が変化して、驚いてしまう。

和「すごいです、これ」

咲「それは、そうだけど……。なに、いきなり?」

和「咲さんのなか、いまちょっと動いたみたいで」

咲「え……。そうなの?」

和「はい」

咲「あはは……。お腹が動いたって、まるで赤ちゃんできたみた――ぁ」

和「ぁ……」


咲さんの「赤ちゃん」というフレーズに、二人して固まる。

この行為がまさに、その赤ちゃんを作る予行演習みたいなもので、しかも今はナマで繋がってて。だからつまり、その赤ちゃんを作るにはこの先何回も咲さんとこうして―――。


和「……」ムクムク

咲「ひゃっ、和ちゃんがなかで跳ねたっ」

和「す、すみません……でも咲さんだって、さっきからうねってて」

咲「そ、そう……。自分じゃ動かすとそういうの制御できなくて」

180 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:34:27.75 ID:JeB2AmVTO

咲さんが、再度深呼吸をする。

咲「これも?」

和「はい。とても気持ちいいですよ…」

咲「そ、そっか……。今、ちょっと楽になってきた感じがして。深呼吸したらね、あ、和ちゃんのが入ってる、わかるなー、って」

そんな言葉や呼気に合わせてまた膣襞が動いている。入れたばかりの時よりもずっと、私を受け入れてくれているように感じる。


咲「想像していたより、ずっといいかも。お腹のね、この感じ……好き、かも……?」エヘヘ

好きって言うわりには、口調は疑問形みたい。

たぶん何となく気に入ってはいるんだけど、たぶん確証は持てていなくて、でも十中八九そうなんだろうみたいな予感がしている。

和(そんな感じ。わからないけど、わかる。たぶん、そういうこと。)

和(きっと好きになれると、受け入れてもらえている)

そしてそんな可愛いことを言われて黙っていられるほど、私は理性的な人間ではなかった。


咲さんの体をゆるく抱き直して、再度腰を揺すり始める。

じゅっ、じゅぶっ、ぐちゅっ、

咲「ふぁ、あ……!」

和「痛くない?」

咲「うん……っ、もう、けっこう、慣れてきた、ような……っ」

その台詞の真偽を確かめる余裕ももうなかった。

本当だったらいいな、という都合いい方へ思考を推し進めて、咲さんに押し付けて、腰を動かし続けてしまう。

181 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:41:28.98 ID:JeB2AmVTO

咲「ぅ、あ、はぁ……! ぞくぞく、する……。あの和ちゃんが、男のコのカオ、してるよお……?」

汗がにじむ。ナマの感触は圧倒的で、すぐにでも達してしまいそうになった。柔らかくうねって、けれど強く締め付けてくる。

たとえ咲さんを想ってだとしても、独りで慰めるのとは比べものにならない。


じゅぷっ!じゅぷっ!

和「すげぇ気持ちいい……っ」

咲「ほんとう? よかったぁ……っ」

眉を寄せながらも咲さんは必死にほほ笑んでくれて、怖気にも似た満足感が訪れた。

大好きな仲間。 素直で迷子癖があって、可愛くて、いつも私のことを想ってくれる一生ものの友達。

そんな咲さんにこんなに女の子な表情をさせているんだと思うと、まるで太陽に向かって咲く花を手折るような背徳感を感じる。


――この咲さんを、自分のものにしたいという欲求が高まってくる。

182 : ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:48:44.35 ID:JeB2AmVTO

>>181

ハートが、?になっちゃいました。
気にしないでください
183 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:51:29.87 ID:JeB2AmVTO

和「咲さん……あむっ」チュッ

咲「んぅ、んっ、ふっ……ぅ、んむ…っ」レチュ

私が唇を少し前に突き出すと、咲さんも艶っぽい唇を向けてくれた。首に回された腕がきゅっと引き絞られて、咲の舌が絡みついてくる。柔らかい。気持ちいい。


和(咲さんに女を感じるから、自分の中の男を実感する)

和(咲さんがいないと、私はとても「自分は男だ」と自信を持って言えない気がする)

和(いや、言えはするんだけど、咲さんの傍がいい。咲さんと一緒にいたい。きっとそれだけ)

私は彼女の傍に居たいがために、何かにつけて理由を考え、言い訳を縦横無尽に張り巡らせる、ただの我侭っ子だ。


和(もっと、もっと感じたい。咲さんを感じたい。想いの分だけ、精一杯にがむしゃらに、私の男を感じてほしい……)

――私のことを、受け止めてほしい。受け入れてほしい。



もう何もかもから解放されて、何も考えず、本能に任せて咲さんに全てぶつけてしまいたい。

でも、それはダメ。分別をもって、相手のこともきちんと考えて、そして最後のところできちんと保っておかなくちゃ。

―――嫌われたくない。困らせたくない。

でも、感覚も感触も感動も酷く暴力的で、圧倒的で、すぐに流されてしまいそうになる。


和「咲さん……」

咲「和ちゃん……?」

名前を呼びあって、腰の動きを緩めた。肩口で額の汗を拭う。どうしたらいいのか、急にわからなくなってしまった。

184 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 02:58:52.40 ID:JeB2AmVTO

咲「大丈夫、だよ…?」

和「……?」

咲「そんなに考えないで。ちゃんと、気持ちよくなって」

咲さんのゆるいほほ笑みが、理性や思考を溶かしていく。

和「あ……っ」

途端に心の奥底まで感触が入り込んでくる。膣襞がうねって締め付けてきて、ぎゅうっと握られたような感覚が訪れる


咲「あは……切なそうな顔。ほら、こう?」

ぎゅっ、ぎゅうっ

和「え、あ――」

また同じ締め付けが訪れて、情けない声を上げてしまう。

咲「力の入れ方、ちょっとわかってきた、……かも」ウフフ

きゅっ、ぎゅっ、ぎゅうっ

和「ぅあ、それ……!」

咲さんの下腹がうねるのが視界の端に見えた。すると締め付けが強くなって襞が絡みついてくる。

185 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:01:15.16 ID:JeB2AmVTO

和「そんなこと、できるんですか……っ」

咲「あはは……私ね、自分にできることは、結構物覚えいいんだよね」

私の反応を確かめるように、きゅ、ぎゅ、断続的に締め付けが強くなる。


咲「ほら、だからね……遠慮なんかしないで。好きなだけ、していいんだよ……?」

和「あ、く……!」

目の前がちかちかして、瞼を閉じる。そして咲さんの首筋にむしゃぶりつくように抱きついた。


ダキッ

和「咲さん、咲さんっ……!」

咲「いいよ、そう、思いっきり……いっぱい、して…!」

ぴったりと肌が重なる。胸のあたりには一番柔らかい感触。でもそれ以外も肌と肌で、あたたかさと柔らかさに浸って腰が泥沼にハマっていく。

186 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:06:43.27 ID:JeB2AmVTO

咲「はぁ、んっ…!」

耳の横で漏れる吐息と、鼻腔いっぱいに広がる髪と首筋のにおい。咲さんのにおいに、ほんの微かに汗のにおいが混じっている。

腰の動きはぎこちなかった。だけど、だんだんスムーズになっていく。

―――咲さんが、私に腰を合わせてくれるから。


咲「あ―――、和ちゃ、奥……っ、ん、ぁああ……!」

和「もう、止まらな……っ」

咲「いいよ、そのまま……気持ちよくなって、ね? おねがい……」

そこで言葉を一度切って、から、咲さんが私の背中をかき抱く。




咲「……和ちゃんにいっぱい、射精されたい……っ」


和「っ、あああああ……!」パンパンッ


もう肌を合わせたまま、腰だけ振り立てる。くちゅぐちゅといやらしい音が鳴った。腰の動きがあって、ぱん、ぱん、という乾いた音もやっとなり始める。

咲「ぁ、ん、あ……! 私も、きもちい……!」

強く抱き締められて深く繋がっている。亀頭の先端で、確かに肉質の壁を突いているような感触もある。咲さんの、女の子の、一番大事な場所――。

187 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:12:46.43 ID:JeB2AmVTO

和「イく……出ますっ、咲さん……!」

咲「うん、いいよ…! このまま、中に――」


和(中に? このまま中に? 生で中出しする?)

頭の奥が一気に混乱する。そんなことが許されていいはずが――。

“でも咲さんが……”。

耳に感じる音が遠くなる。ダメ、ダメ、ダメ、ダメダメ、このまま中に出すなんて、いくら咲さんでもそのお願いだけは踏み込めない――。


和「っ、あああぁ!!」

ずちゅ!ぬちゅ!ぐちゅぐちゅ!

その瞬間、私は最後に残った理性を総動員して腰を引いた。

亀頭の先が一瞬見えて、精液の最初の迸りが咲さんのおへそのあたりまで飛び散る。

ああ、よかった、なんとか抜くことができた、すごく名残惜しいけど、これでいい、これでいいはずなんだ、と思ったところで――。



咲「だめ、中に出してほしいのっ」

和「あ――」

咲さんが半身を起こして手を伸ばし、射精途中のペニスに手を添えた。そして腰に引き付ける。先端と入り口がぴったりと合ってしまう。

188 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:18:46.44 ID:JeB2AmVTO

和「ああ――」

咲「んんっ…!」

射精しながら、咲さんの膣内に再びペニスが埋まっていく。

和「あ、咲さん、だめですっ、あ…!」

もう一度、あたたかくてぬめった壁に包まれて、射精の勢いは中途にして増した。絶頂に達している最中の敏感な雁首が、咲さんの膣内で甘く擦られ締め付けられて、全身が脱力してしまう。

そんな私のカラダを、咲さんは強く抱き締めて離さない。

無防備に腰を震わせたまま、私はただ咲さんの奥にまで挿入して射精を続けていた。


どぴゅどぴゅどぴゅっ

咲「熱い……。んっ、あ……っ。すごい、たくさん出てるよ……」

ガクガクと全身が震える。力が本当に全く入らない。とろとろと咲さんの膣内に――子宮内に、蜜が溢れるように精液を吐き出しているのがわかる。

そしてそんな私の先端に、咲さんが一滴も逃すまいと吸い付いてくる。


すごく気持ちがいい。気持ちよすぎる。

セックス中毒になんてなる人は、とんだ不摂生の自堕落者だと思っていたが、今ではその方々の気持ちが少しだけわかってしまいそう――。

和(何故だろう……とても報われた気持ちになる…)

生で膣内射精までしてしまった。その事実に、今まで生きてきた中で培ってきたはずの理性や分別、良心がすり切れていく。

189 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:22:17.76 ID:JeB2AmVTO

和「咲さん……」

咲「我慢しないで。ほら、全部だしきって……。ぎゅうって、ほら、ね?」

まぶたの裏で光が明滅する。

この状況で締め付けられると、どうしようもなく腰が跳ねてしまう。うっとりとした吐息が漏れる。


咲「ん……っ、射精って、何波かに分かれて精液出すんでしょ? ちゃんと知ってるんだから……。ほらほらもうちょっと、搾れば出るでしょ? そういうのも、全部……欲しいなぁ」

和「そんな、咲さんってば……」キュン

滅多に見られない「甘えんぼ咲さん」な表情に、うっかり精神的ガードが緩む。殲滅寸前の理性の、その残機1体がぐらつく。


咲「もう一回出しちゃってるし。今更一緒だよ。我慢しないで、最後まで、私で気持ちよくなってほしいな……」

小さく柔らかい手が、私の背中を薄く撫でる。
愛撫されているようにも、駄々っ子をあやしてるようにもとれる、そんな力加減。


咲「なにも我慢しなくていいんだよ? 考えなくていいの、ただ私のことだけ感じていればいい…」

咲「余計なことは全部忘れて、いっぱい気持ちよくなっちゃお? ね?」

甘い声に耳が蕩けて、それを処理しようとしたその先の脳まで融けていく。

190 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:28:05.78 ID:JeB2AmVTO

情けなさと快感がないまぜになって、しかも耳元で囁かれる優しい調子の言葉に、何故か癒されていくような気持ちになる。

自分で自分の状態が、まったくわからない――



咲「ひとつになるって、たいへんで、とってもすごいことだもん。だから――」



その先の言葉はもう聞き取れなかった。

ただずっと優しい言葉をかけられて、背中を撫でられていたことは覚えている。




どぷどぷどぷどぷっ

和(……ああ、私、また、、射精してる……)ブルッ

和(ただただ、融け合って、そのままで)






和「……ぁ、またイく……」ビクビクッ

ゴポォ――ッ!!!




和(ひとつになるって、とっても気持ちいい……)

和「あ、また……」ピクッ

びゅる、びゅるるるる〜〜〜!!!!




和「―――ぁ、ぁ……ぅ、っ…」ブルブルッ

ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅっ




191 :初めて ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:33:02.90 ID:JeB2AmVTO


視界の端に残ったのは、いつの間にか陽の光すら見えなくなった窓の外。

いつの間にか肩に掛けられた毛布のあたたかい感触。肌で感じる柔らかい肌。




じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぶっ


咲「……、……ちゃ……っ」


咲さんの声が聞こえる。でも、腰が震えて動くこともままならない。

波のように退いては満ちていく性感。


和(……もしかしたら私は、とんでもない人を好きになってしまったのかもしれない)

和(でも、こんなエッチな咲さんもいいな……と思ってしまうのは男の性か)




私の中の何かがはじけて、

私達の関係が確かに変わってしまうような

そんな、文明開化の音がした――


192 : ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/08/11(木) 03:52:34.91 ID:xaZP7A7V0
今回はここまでです。

明後日からわりと忙しくて、少し更新の間隔が空くかもしれません。
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 10:47:13.29 ID:vHdAjXeA0
乙です
幸せなエッチすぎて、全俺が文明開化した(意味深)

194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/11(木) 17:18:27.71 ID:4DTgtw+Wo


>>182
?よりも和のセリフの「すげぇ」の方に違和感感じた
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/12(金) 09:18:09.93 ID:Lo/3vHlQ0

和やかで自分満足
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/08/13(土) 00:03:28.87 ID:pexPZb6cO
エロの柔らかい雰囲気好き
更新待ってます乙
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/08/15(月) 16:42:24.00 ID:lpmbkXeS0
些細なことなんですけど、作者さんが男化した和に名前をつけるならどんな名前をつけるんでしょうか?
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/09(金) 15:58:03.50 ID:vNEXp/jI0
ふんふむ。乙
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2016/09/25(日) 22:28:43.36 ID:fsZ6MkbU0
だいぶ時間が空いてすみません。
この先はなるべく時間が空かないように気を付けます。
200 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:32:30.08 ID:fsZ6MkbU0


起き上がれない。

めちゃくちゃに腰が抜けている。

お尻の筋肉の痛みに加えて、じぃんと奥に響くような感覚がずっとあって、まだ気持ちいい感じがある。

顔だけ上げると、窓の外はすっかり明るくなっていた。


和「……………ん、んんっ」

和(父に連絡もせずに……ずっと、初めて)


まずいな、という焦りが倦怠感の中で淡くぐるぐる回ってる。

でも、本気で消耗するほど交わってそのまま寝てしまって――。



咲「あ……起きた?」

和「……おは、よ…ございます」

咲「うん、おはよっ」

つぶやいて咲さんが寄り添ってくる。

陽に照らされて、まるで天使のような笑顔。

サラサラと柔らかい。お互いに裸だった。

201 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:37:32.22 ID:fsZ6MkbU0

咲「私も寝ちゃってた。毛布まだ一枚しか出してなくて、寒くなかった?」

和「はい」

咲「そっか。良かった……」


部屋は本当に静かだ。

他の気配なんて何もなかった。

本当に二人きり。


それからふたりして黙りこむ。


和(こういう状況で、何を言ったらいいのかわからない……)


すると咲さんが手を伸ばしてきて私の頬を撫でた。

そのままもみあげの毛に指で触れて、ひねったり引っ張ったりして遊んでいる。

私もなんとなく彼女の髪を撫でて、房を指で梳いた。さらさらと流れる。

コシがしっかりしていて太い印象もある茶髪。


咲「和ちゃんの髪、サラサラ……」

和「……咲さんは、ちょっと猫っ毛ですね。お父様譲りでしょうか」

咲「えへ…」

和(そういえば、宮永照もサラサラヘアって感じではなかった気がする)

和(直で見たことなんてないけど、なんとなく)
202 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:40:34.93 ID:fsZ6MkbU0

咲さんは、普段より一層だらしのない笑みを浮かべる。

髪をさらに梳いて、首筋を見て思い出した。


和「あ……首筋のところとか。跡になってないでしょうか?」

咲「どうだろ。でも制服着たら多分隠れるから」

和「……だといいですけど」


和(これがピロートークってやつでしょうか)

和(でも一晩寝てるから厳密には違っていたりして…?)


いまいち思考がまとまらないまま。

睦言を交わしてるみたいで、だんだん恥ずかしくなってきた。

いや、睦言そのものなのかこれは。
203 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:43:05.36 ID:fsZ6MkbU0

咲「はー……」


咲さんは目を閉じてひとつため息を吐いてから続けた。


咲「すーっごい、きもちよかった……」

和「うそ。最初はあんなに」

咲「うん。でも、それも含めてよかったかな、って……。で、あの……和ちゃんのほうは?」

和「……無我夢中でした」


それ以外に言えることが何もなかった。


和(最後の方なんて、訳もわからないまま腰を振っていたような気がする)

和(そして、咲さんに導かれるまま、中に……///)


思い出すと手のひらに汗をかきはじめてしまう。

無意識に記憶を辿ってしまい、腰が震えた。

204 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:46:01.33 ID:fsZ6MkbU0

咲「無我夢中?」

和「え? ええ、まぁ」

咲「無我夢中……」

和「…? な、なんですか?」


『無我夢中』という言葉にやたら食いついてきた咲さん。


和(なんでしょう……何か変なことでも言ってしまったでしょうか)


咲「……ちゅー…」

和「へっ?」


半目のまま、すぼめた唇を寄せられる。

こちらからも出迎えようと顔を近づけると、お互いに触れ合う前、一瞬だけ目が合う。

すると、咲さんは恥ずかしそうに手を振りながら顔を隠した。


咲「ご、ごめんっ。ちょっと思いついただけなの! お願い忘れてっ!」

和「えっ……あ、はい…」

和(キス、したかったな…)


体を起こすことも億劫なほど疲れていて、咲さんと言葉を交わすたびにクラクラしてくる。

でもこの眩暈が、疲労によるものなのか。それとも咲さんの色香によるものなのかはわからなかった。
205 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:47:52.89 ID:fsZ6MkbU0

和「知らなかったです、咲さんが……こんな。いえ、何でもありません」

咲「……ダジャレくらい、いいじゃん…」


和(エッチだったなんて、と言おうとしたのに…)


和「いえ、あの、ダジャレのことではなくて……」

咲「そういうフォローはいりませーんっ」


そう言って私から毛布を巻き上げ、一人毛布に包まり顔を隠してしまう。

拗ねてしまった彼女を、布団越しに撫でる。


和「……想像し続けると現実になるって、本当なのかもしれません」

咲「……?」


不思議そうに、咲さんがひょこ、と布団から顔を出す。
206 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:52:17.88 ID:fsZ6MkbU0

和「咲さんの傍にいられて、こんな朝を迎えられるなんて」

和「こうだったらいいな、という想像が、最近になってことごとく叶っているんです」

和「あなたのおかげですね」

和「ありがとう、咲さん」ニコッ


咲「そんな、お礼なんて」タシタシ

和「これからはもう、恐ろしい想像はしないようにします」

咲「ふふっ、悪いことばかり起きちゃ困るもんね…」アハハ

和「はい」

咲「よしよーし…」ナデナデ


咲さんの腕が布団の隙間から伸びて、私の二の腕を撫でる。

なんだかいっぱいいっぱいな感触がある。


きっと数日は絶対に思い出してしまうだろう。数日で済まない気もかなりする。

下手したらずっと思い出し続けるくらいの――。

207 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:53:55.89 ID:fsZ6MkbU0

――傷をつけられた。

つけることができた。つけてもらえた。

多分そうなんだと思う。

これが初めての味――


和「この世界で、私だけが知ってる咲さん」

咲「うん」

和「咲さん、咲さん」ギュムッ

咲「えへへ…あったかぁい…」

208 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:57:21.04 ID:fsZ6MkbU0

コンコン


甘くて気だるげな会話を遮るように、ドアが数回ノックされる。


「咲―、もう昼だぞー。寝てるのかー? 開けるぞー?」


ガチャ

突然、ドアの金具が音を立てて開く。


和「ええっ!?」

咲「あ、やっ、ちょ、ちょっと待っておと――」

界「朝から何騒いでんだ、いいからはよ起き――ぇ」


咲「あわわ…」全裸

和「…………っ」全裸


裸のまま二人してベッドで寝そべるシーン。

咲さんは布団を被っているものの、私は咲さんに布団をはぎ取られ包み隠すものなく全裸状態。

この状態で咄嗟に、下半身と一緒に胸も隠そうと腕が動いたのは、きっと私が確かに女子であった所以――
209 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 22:58:34.27 ID:fsZ6MkbU0

和「…………」


現実逃避でどうでもいいことに思考が巡る中。

時間が凍っていた。


界「えっ……え?」

咲「はぅぅ〜」

和「……。お、おはよう、ございます…」


辛うじて朝の挨拶をしたのは、はたして正解だったのだろうか。

でも、褒めて欲しいとは思う。褒めて咲さん……!!


界「っ…す、すまん……っ!!」


けれどその一言に我に返ったお父様は、慌てた様子でドアを乱暴に締め、逃げるように去っていった。
210 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:00:32.33 ID:fsZ6MkbU0

和「…………」

咲「…………さ、最悪……」ずーん


この世のすべてに絶望したかのような顔をしている。

人生で最も幸せに包まれて目覚めた朝は、どん底と思えるような一日の始まり。


和「え、え〜と…」

咲「…………」

和「お父様にも、見られてしまいましたね……」

咲「うん、ね……」ショボーン

和「………」


フォローする振りして、傷口を抉っていくスタイル。

まるでフォローになってない言葉に、思わず頭を打ち付けたくなった。
211 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:08:31.22 ID:fsZ6MkbU0

界「……」

咲「……」

和「……」


初対面での印象が良かっただけに、この重苦しい雰囲気での朝食はキツイ。

朝食が一人当たりの量が少なく、けれどしっかり三人分として用意されている辺り、一応拒否されている訳ではないらしい。


和(いや、でも……うーん? あーもうくっそ、動いてください私の頭っ!)

和(一つ思うのは、このまま無言のまま朝食が終わってしまうのは、流石に不味いということ)

212 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:09:41.62 ID:fsZ6MkbU0

和「……。あ、あの、お父様……っ?」

界「だ、誰がお義父様だ……っ!」

咲「うぅ……」


和(…………さすがに、そこまで自惚れていません)

和(でも、ここで『そのニュアンスではありませんよ』だなんて言い返したら、きっともっと怒られそう)


咲さんのお父様はご機嫌ナナメだし、咲さんも所在無さげで今にも泣いてしまいそう。
213 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:11:28.43 ID:fsZ6MkbU0

界「ん、んんっ……」

界「あー、なんだ。二人はその、付き合って、いるのか?」

和「え、いや」

咲「……そうっ、付き合ってるの!」

和「咲さん…?」

咲「好きでもない人と、お泊りなんて…」


和(この呟きは、私の告白に対する言葉ということで捉えていいんですか……?)


懸命に私の疑惑の視線から逃げるその態度に物申したい半面、私の機嫌はもううなぎ登り。
214 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:13:22.86 ID:fsZ6MkbU0

和(今は話を合わせておいて……)

和(でも後で、しっかり咲さんを問い質して、きちんと言葉にして伝えてほしいな、とは思う)


和(たとえ咲さんが恥ずかしさから泣いてしまっても……)

和(……泣いてしまったら、許してあげないこともありませんけど)

和(そこはまぁ、その涙の意味にもよりますか)


ここまでの思考、コンマ1秒。

男になった私は、凄まじく強い(確信)。
215 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:18:17.36 ID:fsZ6MkbU0

和「……。咲さんの恋人にしていただけました、原村和と申します」

和「じぶんどきにお邪魔してしまい、申し訳ありません」

和「ふつつか者ですが、何卒、宜しくお願い致します」深々


界「あ、いえいえこちらこそ……咲を宜しくお願いします……」深々

和「ええ、こちらは結納でも入籍でも何でも……」深々

咲「ちょ、ちょっと二人していきなり何言ってんのっ!? やめてよね!?」
216 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:18:52.36 ID:fsZ6MkbU0

和(私の腕に抱き付きながら必死に何かを叫ぶ咲さんの隣で、ふと考える。)


受け入れてもらえたのかはわからない。

今の言葉ももしかしたら社交辞令かもしれない、

それでも、それが本心になってもらえるように頑張ろう。


和(女に未練はない……)

和(男として生きようと、そう決めたから――)

217 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:25:32.28 ID:fsZ6MkbU0

和「咲さん!!」


咲「えっ、あ……な、なにかな?」

和「幸せにします」

咲「えっ……///」

和「必ず、認めてもらえるように努力しますから!」


和「だから咲さん、私…………うぐぅっ!?」ゴリッ

咲「!? な、なに? どうしたの!?」


和(咲さんにプロポーズしようとしたら、真っ先に夜の営みという単語が思い浮かび)

和(ついには昨夜のセックスを思い出して勃起してしまいました……)


和(何を言ってるかわからないかもしれませんが、とりあえず私が性欲旺盛の最低男だということは間違いない……)
218 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:27:14.19 ID:fsZ6MkbU0

和「す、すみませんっ…………お手洗いを、貸してください……っ」ガクッ

咲「だ、大丈夫……? 手伝おうか?」

和「いえ……大丈夫ですから、放っておいてください……」

咲「う、うん……」


和(ひとつ、学んだことがあります……)

和(男子の性欲は思いの外、凄まじいということ)

和(昨晩、あれだけ咲さんに絞り取られたというのに……)

和(今はもう……咲さんとセックスすることばかり頭に浮かんでいる)
219 : ◆uFgKAeBDKs [saga]:2016/09/25(日) 23:35:14.26 ID:fsZ6MkbU0

和「ああっ……咲さん、咲さん……っ」シコシコ


和「うっ……」ドピュッ


どぴゅ、どぴゅ、どぴゅっ



和「ふぅ…………」


和「……」


和「……」



和「………私って、最低ですね…」ズーン
220 : ◆uFgKAeBDKs [sage saga]:2016/09/25(日) 23:37:46.10 ID:fsZ6MkbU0
とりあえずここまでです。
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 08:43:14.86 ID:dMdQo4xjo

続きも期待
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/09/26(月) 13:12:46.61 ID:hakA4f530
乙です~
咲さんちゅーかわいい
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/19(水) 01:26:18.68 ID:isKGFuTK0
待ってるよ
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/16(水) 21:28:35.68 ID:SwfBl1JHo
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/02(金) 14:17:49.04 ID:xs3WyMmv0
ほ?
226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/17(金) 23:44:49.59 ID:3f2GtiU4o
エタ...
227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/12/25(月) 08:04:46.81 ID:XQvZH4wSo
1年以上音沙汰無しか…
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