新東京物語

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1 : ◆BRVDE48Y6OxB [saga]:2016/07/22(金) 21:32:19.43 ID:pn4oUHVy0
この街は眠らない。
新東京は日付が変わっても夜明けが来るまでビルは青く照らさせ道路は車のハイライトで光の筋が通っていた。

街が眠らなければ当然人も
吸血鬼も眠らなかった。

この街の中心部である新東京国立公園は
午後7時、青くライトアップされていた。

公園には新型電動車輪ブーツを履いて技を磨く者や超能力を使って曲芸をする者もいた。
2 : ◆BRVDE48Y6OxB [saga]:2016/07/22(金) 21:33:00.70 ID:pn4oUHVy0

この時代においてモーターのついた靴も
身体を透明にするスーツも吸血鬼も
限度こそあるが不可能を可能にする力も不思議なことではなかった。

超能力や気功、魔法は人間の限界を超えることで可能となった。

今や炎を纏うことも怪力の持ち主になることも
努力次第では特段珍しいことではなくなった。

3 : ◆BRVDE48Y6OxB [saga]:2016/07/22(金) 21:33:38.13 ID:pn4oUHVy0

すると公園にいた誰もが一人を除き、
慌てて何かを見て公園から出て行こうとした。

公園の東側の入り口から白いジャケットを着た男たち20名ほどが入ってきた。

先頭にいる男はジャケットを着ていなくて
代わりに白いTシャツに白いズボンを履いていて髪は黒く長く後ろで結っていた。

男は正に美男子というに値するような容姿で
女と言っても信じてしまいそうなほどだった。
それが彼の周りに人が集まるカリスマの要因でもあったに違いない。
4 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:34:04.56 ID:pn4oUHVy0

公園は広く見晴らしが良かった。

ベンチに座っている男を見つけるのは
他に人もいなかったし誰でも可能であった。

「こんにちは、ヤマト君」

その綺麗な顔に笑みを浮かばせながら
新聞紙を顔に広げて寝そべっている男に話しかけた。

しかし返答がない。

寝ているのだろう、新聞紙を支えているはずの手は力尽きてベンチの下に垂れていたからそうに違いなかった。

普通ならそこで肩をたたくなり、手をつねったり、はたまた腹に一撃を加えたりする。

しかしこの美男子、涼は違った。
5 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:34:31.88 ID:pn4oUHVy0
ヤマトと呼ばれる男の腹に手を置くと、
バチィッと鞭を打ったかのような電撃を男に浴びせた。

与えるとほぼ同時にヤマトの体は瞬時に反応し
声にならない悲鳴をあげた。

「誰だよバカ!」

新聞紙を手に力を込めて顔からどけて
男は声を荒げた。

ヤマトという男はツバ付きの帽子を被っていて、涼とは対称的に精悍な顔つきで身長も192センチと大柄でかつ筋骨隆々の熊のような男だった。
6 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:34:57.25 ID:pn4oUHVy0
ヤマトは涼の顔を見ると全てを察したように
冷静になった。

「なんだよ、お前かよ。
今日は何?」

イラついた素振りを見せながらベンチの上にあったに両足を地につけ片足をあぐらをかくように曲げた。

「はい、みんな一万円」

涼が右手を上に向けると涼以外の28人が
福沢諭吉の描かれた薄黄色い紙幣をレイの右手に置いた。

「それと、俺からの2万円、
しめて30万円でコイツの彼女を
ドラッグに沈めたヤツを
俺たちのところに連れてきて
欲しいんだっちゃ」
7 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:35:24.08 ID:pn4oUHVy0
左手を頭に斜め45度の角度で押し付けると
涼はヤマトに右手を差し出した。

「あのさぁ、そういうの消し屋に
頼んだほうがいいんじゃねえの?」

ヤマトは30枚の紙幣を受け取りながら
一枚一枚丁寧に数えながらいう。
8 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:35:51.29 ID:pn4oUHVy0

「ダメダメ、だって消し屋じゃ
殺しちゃうしさ、これは俺たちが
私刑にすんの」

「まぁいいけどよ、俺たちもう22だからさ、
先のこと考えろよ」

「いや俺たちはもう就職してるよ」

涼が知らなかったの?という顔をしている。

対するヤマトも嘘だろ?俺は知らなかったぞ
という顔をする。
9 : ◆BRVDE48Y6OxB [saga]:2016/07/22(金) 21:36:24.16 ID:pn4oUHVy0
「つかさ、ヤマト君”IATA”辞めて
まだこんなことしてんの」

IATAとは
インターナショナルアンチテロリストアーミィの略で世界の秩序を乱そうとするテロリストを
人、吸血鬼関係なく殲滅する国際治安維持機関である。

ヤマトは1年前にそこを辞めた後この街のトラブルシューターとして日銭を稼いでいた。
10 : ◆BRVDE48Y6OxB [sage]:2016/07/22(金) 21:36:50.28 ID:pn4oUHVy0

「うるせえ、俺の中では辞めることを決意した
日から何も変わっちゃねぇんだよ。
あんまごちゃごちゃ言ってっとやらねえぞ」

「はいはい。じゃ、絶対捕まえてきてよ。
じゃあね」

涼はバイビーとおどけたようにヤマトに告げて公園から立ち去った。
他の白服たちはヤマトに敬意を表するように
深く頭を下げて涼とともに消えた。
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