他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報R
更新
検索
全部
最新50
新東京物語
Check
Tweet
102 :
◆BRVDE48Y6OxB
:2016/08/23(火) 01:23:20.21 ID:quhSRmdf0
水曜に2話分投下します。
遅れてごめんなさい。
103 :
◆BRVDE48Y6OxB
:2016/08/25(木) 12:32:40.48 ID:1G1nvqDW0
第5話「多重能力者」
ホワイトクラウンが新東京駅の北側、新東京公園をナワバリにしているのと同じように西側の
洞巌公園は黒十字が仕切っている。
噴水広場を中心とした円状の公園にはほぼ常に
黒い服装の男らがいる。
噴水近くの大理石に腰をかけているのは牧、黒十字のアタマの男だ。
彼は常に片手に本を持っていた。
彼の顔はというと確かに綺麗な顔立ちをしていて男前だがこれといった特徴のないフツウである。
しかしホワイトクラウンのような寄せ集めとは違い黒十字は牧を崇拝するかのように硬い結束で結ばれている。
まるで一つの宗教団体だ。
これは彼の能力による。
彼の能力は接触感知というもので触れたものの
残留思念や潜在意識を把握する能力であった。
これによって部下の生い立ち、トラウマ、癖を見抜きあたかも全知全能のように崇められている。しかしこれは彼が自ら装っているわけではない。限られた人間が波動、オーラ、闘気といった同一のそれを備えているとはいえ、部下の中では皆、牧が語らないにしても何らかの能力を持っていることは解っていた。だけれども部下のほとんど、いやその全ては彼に対する強いロイヤルティを抱いているのである。
彼の能力はそれとは別にあるものがある。
精神細菌。これは対象に芽というものを感づかれずに植え付け次第にその精神世界を気づかれずに支配するというものである。
そんな業物な能力を持つ彼には今悩みがあった。
北からのホワイトクラウンの侵撃に加え、
南東からの赤木組による思惑が見え隠れしていたからだ。
これは街の顔役、島大和が突如いなくなったからである。
これによりほとんどのこの街の組織に隙が生まれまるで冷戦のように互いを睨み合うようになり始めた。
そんな中ついにホワイトクラウンから果たし状が部下数名をボロ雑巾のようにされた上に届いた。
決断のとき、といっても彼には進むことしか許されなかった。部下の皆が自分に期待している、これは彼にとって辛いと感じさせていたのである。
精神干渉系統の能力を持つ彼の悩みは実にセンチメンタルなものなのである。
三日後、ホワイトクラウンと黒十字の抗争が始まることになる。
ホワイトクラウンは足に電動制御の車輪を付け
壁を軍隊蟻のように滑り走る。
反対に黒十字の面子は彼らの縄張りを動かず
じっと構え防御の一点であった。
実力は拮抗、数で誇るホワイトクラウンに対し、黒十字は吸血鬼が十数名いるため少数精鋭型にホワイトクラウンはなぎ倒されていく。
抗争が始まり、一週間が経った頃ついに桐島と
牧の大将戦が始まろうとした。
104 :
◆BRVDE48Y6OxB
:2016/08/25(木) 12:33:23.74 ID:1G1nvqDW0
「こんにちは、マキクン」
「どうも」
たった一言交わした後、互いに攻撃を仕掛ける。
体操競技のゆかのようにアクロバットな動きを見せる牧、桐島は長袖に巻きつけたワイヤーの先の針を壁に飛ばし牧と距離をとる。
牧は着地とともに波動を固めたエネルギー弾を
桐島に飛ばしていく。
桐島は蜘蛛のように壁から壁へワイヤーにより
エネルギー弾を躱す。
桐島は知っていた。
牧の能力が精神干渉タイプでその多くが接触、
または波動に触れることでハマるものであることを。
いつになく慎重に桐島はシカケを済ましていく。おそらく牧には感づかれているだろう。
けれども技巧的に感づかれないようそれを済ませていくことよりも牧に接触しないことの方がはるかに優先順位が高かったのだ。
(そろそろか)
意味ありげに牧は思う。
その頃には少しづつ力の差が見え始めていた。
やはり近距離攻撃を主とする牧よりも中距離を
主とする桐島に軍配が上がったのだ。
牧のズボンはところどころが切り裂かれ生々しい傷が見えている。
「その傷痛そうだねぇ!
例えばこう思ったりしないの?
ワイヤーに痺れ毒や催眠毒を仕込んでないか
とかさぁ!」
「その発言が仕込んでないことを意味してるね
そういうのは考えるほど無駄じゃないか」
「流石ぁ!でもこれじゃあ
お得意の芽は使えないねぇ!」
ニヤリと桐島は笑う。
すると牧もニヤリと笑みを浮かべた。
「ああ、やっぱり勘違いしてたか。
君がどうしてそれを知ってるかは
すごく気になるけど」
「君、負けたね」
「!」
桐島の動きが止まる。
膝は地に着き、震えが始まった。
「何も手で触れるだけが条件じゃない。
例えば視覚ではめることだってできるだろ」
「君が見えていた僕の波動の色の
赤が芽なのさ。そろそろ意識が
変わる頃じゃないかな」
桐島の震えが止まった。
この時牧は一片の疑いもなく勝利を確信した。
「俺の名前は桐島、明だ」
涼とは明らかに声色が変わる。
波動の色も白から紫へと変貌する。
「想定外だ。………多重人格者か!」
105 :
◆BRVDE48Y6OxB
:2016/08/25(木) 12:33:57.07 ID:1G1nvqDW0
明と名乗る青年は桐島の本来の人格である。
これを説明するにあたって桐島涼の生い立ちを語る必要がある。
まず、桐島涼は日本人ではない。
彼は中東系の出生国不明の若者である。
かつて中東では日本国と同じく20年ほど前、
エネルギー資源の争いによる内争が頻発していた。
しかし彼ら同士が戦っていたわけではなく、
それぞれが雇ったPMCによる間接的なものだ。
桐島涼はそんな争いの中で命を授かる。
彼は文字の前に安全装置の外し方を習った。
そして本を読めるようになる前に人を殺した。
戦争による悲劇そのものである。
それから内戦が終わると彼は七つだった。
当時内戦が終わった中東では観光ブームが到来し多くの観光客が押し寄せたという。
そんな観光客の中にある博士がいた。
彼は心理学を専門としていた。
そんな彼は涼のことをほんの少しだけ不憫に思った。
しかし博士は決して人格者ではない。
まず博士がしたことは涼という実験素材による
人格の植え付けだった。
戦争の悲劇による殺人のプロをうまく隠すためにリセットしてしまおうと考えたのだ。
博士の目論見はうまくいった。
穏やかな人格は表となるようにそのままの名を名付け、かつての人格は裏となるよう新しい名前の明と名付けた。
それから博士は涼を手放し、涼は新東京に居ついた。
そんな中、精神干渉という涼の心の錠を開けるような真似がなされたことによって再び凶暴人格の明が目覚めたのだ。
明は腰からバタフライナイフを取り出すと
牧との間合いを瞬時に詰めるが如くナイフを展開させながら高速移動する。
普通、波動というものは自然現象系、身体能力系、精神干渉系、武装系、波動変化系と別れていて大体の能力者はそれらのうち二つのコンパウンドである。だが、人格が変わると能力は変わらないにしても系統が変わることがある。
涼の系統は自然現象系と波動変化系だった。
しかし明と交代することにより白い電撃から
紫電という自然現象系と身体能力系に人格と共に変化したのだ。
この勝負、こうなると明らかに牧は分が悪かった。精神干渉系という肉体攻撃をほぼ伴わない系統に対して高速移動が可能な身体能力系は相性が悪すぎる。
しかし、第三勢力の参入がこの勝負の行き先を
闇に葬る。
明のナイフが牧の首元に刺さろうとしたとき、
黒い影が明の首元を狙う。
「この勝負、ウチがもらった」
赤木組若頭、[
禁則事項です
]である。
彼はビルの上から三人を見下ろした。
明の首元を抑えるは殺し屋ウォーカーだ。
明はそのとき全てを悟った。
これは罠だったと、はじめからこの抗争は彼らの手によって構想され計られていたと。
「正解だ。クソガキ壱号、
此のシマはうちの管轄と
此のときを持って決めた。
何、少し協力してほしいことがあるんだ。
そこのクソガキ弐号もな。嫌だったらうちの
百鬼夜行と戦争だぞ」
この状態で二人はうんと頷く他ない。
互いに闘気を使って披露している上、百鬼夜行などというわけのわからない妖怪を相手にするのは生命の危機を感じるほどの馬鹿げた話だったからだ。
「クソガキにしては聞き分けがいいな。
話はそこの吸血鬼が話す。黙って聞いとけ」
この街の人間が生命の危機に侵されているのは
何らおかしくないことである。
しかし今回はちょっと、いやすごく話が違うようだということは子供でもわかった。
106 :
◆BRVDE48Y6OxB
:2016/08/25(木) 12:34:22.55 ID:1G1nvqDW0
もう一話しばらくしたら投下する
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/08/26(金) 21:43:55.42 ID:NvSVG1J3o
乙
メール欄にsagaつけた方がいいと思う
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/09/24(土) 15:47:11.43 ID:kW6kvNQWo
待ってる
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/10/28(金) 16:12:19.24 ID:2QS15/EXo
保守
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2016/12/31(土) 00:00:46.73 ID:lUZh7ahio
保守
48.82 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
新着レスを表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)