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二宮飛鳥「背徳頽廃ダークイルミネイト」
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◆agif0ROmyg
[saga]:2016/08/28(日) 21:14:49.63 ID:VuJulVc60
アイドルマスターシンデレラガールズの二宮飛鳥と神崎蘭子のSSです。R18。地の文。レズ要素はありますが男も出ます。
誰しも、なんとなく自分の家に帰りたくない気分の時はある。
ボクはそれが他人よりちょっと多いだけさ。
なんて下らない言い訳をしながら、ボク、アイドル二宮飛鳥は今日も所属事務所に居残っていた。
この事務所はボクにとって、家よりももっと自分らしくいられる場所だ。
なにせ、普段から痛々しいことばかり言ってるボクみたいなのをわざわざ選び出すような変わったプロデューサーの拠点だからね。
プロデューサーは、普段はあんな量産型サラリーマンみたいな振る舞いをしているくせに、時折妙にこっちに波長を合わせてくる。
それは言葉の選び方であったり選好性の一致であったり……確たるものではないが、それゆえに心地良い。
あれでなかなか敏感なのだろう、ボクが会話を楽しみたいときは仕事の手を緩めて話しかけてきてくれるし、1人で黄昏ていたいときは放っておいてくれる。
そういう点でも、ここはとても落ち着ける場所だ。
……まあ、そのプロデューサーは今、外出中なのだが。
学校を終えて、用事もないのに事務所に来て、ボク1人だと分かった時には少々がっかりした。
でも、だからといってすぐに帰ったり、探しに行ったりはしない。
プロデューサーと同じくらい気の合う、彼女の言葉を借りるなら「半身」「眷属」が、そのうちやってくるだろうからね。
……と、やはり。思った通り。
事務所の扉を開き、漆黒のゴシックドレスに身を包んだ少女が明るい声とともに入室してきた。
「いまこそ魔王の降臨を祝すがいい! ……おお、我が眷属飛鳥! 闇に飲まれよ!」
「ああ、闇に飲まれよ」
彼女の流儀に合わせて挨拶を返すと、黒衣の少女は明るい笑顔を見せてくれる。
彼女はボクと同じ事務所に所属するアイドル、神崎蘭子。
黒を基調とし、フリルや細々したアクセサリーで着飾ったその佇まいはボクとはだいぶ趣が違うが、世間一般のスタンダードに背を向けているという点でボクらは仲間だ。
実際、「ダークイルミネイト」という名前でユニットを組んで活動することも最近は多い。
ファンの受けも上々で、孤独と孤立を尊んでいたボクのスタンスも若干の変更を余儀なくされつつある。
「我が眷属よ、今日この日は……魂を磨くべき時か?」
「いやいや、レッスンも仕事もないよ。ただ、まだなんとなく帰りたくない、って気分になったんだ」
「おお、我も同じよ! まだ日は高い、未だ落日の喇叭は鳴らず……!」
言葉遣いは大仰だが、別に暗号化されているわけでもない。
ある程度馴染んで、精神を蘭子ワールドに適応させれば、会話の受け答えに不自由はない。
そのまま、おしゃべりに花を咲かせることとなった。
そして、しばらく後。
そろそろ日も暮れて、いい加減帰らないといけない時間。
まだプロデューサーは戻らない。
できれば顔を合わせておきたかったが……まあ、ボクらのために外を回って働いてくれているんだ。
平日に会う機会が少ないというのは、きっと悪いことじゃあない。
物分りの良いような考えで寂しさを押し殺していると、不意に蘭子が鞄を漁りだした。
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