女鍛冶師「魔剣の製造依頼?」

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176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 19:46:12.58 ID:YrHjgEwFo

騎士団長「は……信じ難い事にこの魔剣は、成長に似た……進化をしていました」

騎士団長「宮廷魔術師の何人かを呼び、三日かけて魔剣の内部構造を調べた所」

騎士団長「常時、ゆっくりではあるもののミスリル銀や金剛鋼、鉄や石に近い性質の金属が密度を変動させています」


女王「それで?」


騎士団長「変動に法則が見られました」

騎士団長「周囲の環境……極端に言えば『音』に反応し、この魔剣が『視認』した物や人物によって速度も密度も成分も変える」

騎士団長「最も変動が激しかったのは私が触れている時でしたか」

女王「ククク……それで? それで……その様を見てそなたは」

女王「『少女』だと、思ったわけか?」

騎士団長「……は」コクン


177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 19:58:09.44 ID:YrHjgEwFo

騎士団長「この魔剣は未完成、或いは未熟と表現するのが正しい」

騎士団長「何も分からず、何も知らないが故にこの魔剣は世界を観測する事で己の正しい姿を作り出そうとしている」

騎士団長「他の魔剣やただの剣を真似て」

騎士団長「それを持つ人間の状態を観察して」

騎士団長「完成させようとしているのです、己の生き様を」


騎士団長「故に、他者の目や親の姿に翻弄されながらも背伸びする姿を、私は『少女』だと思ったので ─────

女王「あはははははは!!」


女王「団長、騎士団長! おま、ククッ、お前は……その魔剣が何故に女だと思ったのだ?」クックッ

女王「今の話ではただの赤子とでも表現出来そうだが?」


騎士団長「 ────────── 」

騎士団長「…………ああ、失念しておりましたな」

騎士団長「私はこの魔剣から剣としての美しさを感じなかったのですよ」

騎士団長「代わりに感じたのは刃を彩るこの深紅の輝き……」

騎士団長「赤いドレスを着た女を目にしていると言えば良いですかな?」


女王「ほう」

女王「暫くそなたには休暇をやるから寝ていると良いぞ?」ニコッ


騎士団長「へ、陛下! 疲れているわけではないのです!!」ガバッ

178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:08:51.22 ID:YrHjgEwFo

################


< カタンッ

女王「あー、それにしても昼間の騎士団長が面白かったな」

女王「どうだった奴との数日間は? ククク」

< ……

女王「あれは的を射ていたろ、まぁ妾はそなたが女だと知っていたが」

女王「何せあの人間が造った魔剣なのだからな」

女王「若いあの騎士が頼まなくとも、いつか近い物を造りかねないと妾は思っていたのだ」クックッ

女王「あれは狂っているからな」

179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:15:36.56 ID:YrHjgEwFo

女王「妾は『政』には手を出さない」

女王「王であるが、妾は王の中の王であるが故にな」

女王「妾は一つの物事に対し、適した者に適さぬ命を下し、そしてそれを必ず達成させる」

女王「失敗は決して起きない」

女王「そなたにそれが如何に他の『魔女』を凌ぐ特異性を持っているのか、まだ分からぬだろうが」

< ……

女王「いずれ、そなたに国や王の話を改めてしたいものだ」

女王「妾の友としてな」スッ

< ガキンッ

180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 20:25:13.78 ID:YrHjgEwFo

女王「誰かおらぬか」


< ガチャッ

女副団長「ここに」ザッ


女王「この魔剣を宝物庫へ安置せよ」

女王「妾が取りに行くまでは封印する」


女副団長「御意」

< シャキ・・・ンッ


女王「次は少し退屈になるぞ」ボソッ

女副団長「……?」


181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:19:41.10 ID:YrHjgEwFo
【玉座の間】


──────── 「良かったの?」


女王「何がだ」

女王「あれは騎士団長の言う通り未熟、妾と肩を並べるにはまだまだ時が必要である」


眼鏡少女?「……そう」

眼鏡少女?「幻想剣・子守唄は五代目、あれが次に成長し世代交代するのは約四年と二ヶ月」

眼鏡少女?「それまで宝物庫にしまっておくの?」


女王「いいや」

女王「その前にあれは、己の運命に導かれてこの城を旅立つだろう」

182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 21:27:02.95 ID:pCRXnEz8o
魔剣は特性を受け継いでるのね
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:30:33.75 ID:YrHjgEwFo

< ペラッ……カキカキ……

眼鏡少女?「記録した」

眼鏡少女?「貴女の城の封印は厳重な筈だけど、本当に誰かが持ち去ると?」


女王「さぁな、妾の見立てではそう単純ではないだろうが」

女王「……」

女王「妾は王だ」


眼鏡少女?「そうね」


女王「妾の上に立つ者は、いずれも次元の違う強敵ばかりである」

女王「肩を並べられる者も、もうそなたしかおらぬしな」

女王「だから妾はあの魔剣には期待しているのだ」

女王「あれは際限無く進化し続ける、時間が許す限りどこまでも」


眼鏡少女?「……そんな剣や武装はこれまでに一度も出てきてない」パラパラ

眼鏡少女?「理由は明白、強力な武器は必ず私達が破壊してきたから」パタンッ


女王「本の虫め、常に新しき存在が生まれる時は異例に決まっている」

女王「妾はな、知ってほしいのだ」

女王「この世界を生きる上で何が必要なのかを」

184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:38:17.59 ID:YrHjgEwFo

女王「いつか」

女王「いつか、あの魔剣は辿り着く筈なのだ」

女王「『魔女』と同じ領域、妾の横に」


眼鏡少女?「……私達と同じということは、あれがいずれ認められると?」


女王「然り」


眼鏡少女?「たった数ヶ月で随分気に入ったのね」


女王「…………」

女王「『西』と『北』が何者かに支配され、妾の友を一人、二人と奪った者……」

女王「奴等を倒すのは妾ではないと予感しているのだ」

女王「だが、それまでは……」


185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 21:52:44.38 ID:YrHjgEwFo


『とある鍛冶師が打った剣は、南の国を治める一人の王の手に渡った』

『その王は、誰よりも気高く、強く、賢い王として民に愛されていた』


『ただ、その側面は偽りであると魔剣は知っていた』


『魔剣が気付いた事に、王も気付いた』

『まるで視線が交差するように』

『純粋に、王としてではなく景色の一部として、無垢な視線が見つめているのに気付いたのだ』


『魔剣は知らない』

『女王がどんな存在なのか、どれ程の存在に怯えているのか』

『彼女が何を思って魔剣を知ろうとして、何を知ったのか』

『最後の別れ際に何故、自分を宝物庫に封印したのか』


186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:00:53.27 ID:YrHjgEwFo


『四年後』

『宝物庫へ女王は、騎士団長に命じて様子を見てくるようにした』


『国の備えとして様々な財宝や呪いの品を置いている宝物庫』

『光輝くその様は豪華絢爛』

『その深奥で封印されていた魔剣を見て、騎士団長は言葉を失った』

『魔剣は淡く赤い光を放ちながら、その刃を「鏡」に変えていたのだ』


『美しい財宝と、自身の姿を映す剣の妖しい光』

『騎士団長は女王へそれを報告する為に、再び宝物庫を閉じた』


『招かれざる者が共に入り込んでいたとも知らずに』


187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:08:36.62 ID:YrHjgEwFo



騎士団長「申し訳ございませんッ!! 此の身がいながら、賊如きに宝物庫に侵入されるとは……!!」


女王「良い」


騎士団長「……!?」


女王「盗まれたのは封印していたあの魔剣だけだと言ったな、確かか?」


騎士団長「間違いありません……ッ」ギリッ

< スッ

女王「ならばその賊については不問とする」ナデナデ

騎士団長「や、はっ……!?」ビクッ

女王「それよりも妾が命じた事を遂行せよ」

女王「あの魔剣は鏡になったのだな?」

騎士団長「は、はい……!」


騎士団長「あれは美しい……しかし、剣としての役目をまるで失われた様に見えました」

騎士団長「性質上、再び戦いの中に晒せばあの力を見せるかとは思いますが……」


女王「…………く、ククク……」

女王「そうか」クックッ

188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:15:03.81 ID:YrHjgEwFo




女王(あの魔剣は他者に振り回されている)

女王(刃を振るのではない)

女王(力を振るのではない)


女王(在り方すら自身の意思で決める事が出来ない、未熟な剣)

女王(やはりそなたは……妾の元で研鑽するよりも先に学ぶべきだ)

女王(人間がどれだけ自由か、意思を持つことが如何に美しいか)



女王(剣ならば、真っ直ぐ生きて見せよ)

女王(そして再び妾の元に来るが良い)


女王(……願わくば……)






189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:16:47.10 ID:YrHjgEwFo



──────────  「妾のような道化には成り果てるな」






       【story..4】

       【魔剣六代目】

    【その名は……「王ノ道化」……】







190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:35:59.64 ID:YrHjgEwFo


【二年後……南の大国『サース』城下町】



ハゲ男「よぉ、お前足を洗ったって?」

< カランッ……ゴクッゴクッ……

ハゲ男「羽振りも良いって聞くぜ、一体どんなお宝を盗んだんだよ?」

ローグ「……別に、剣を一本拝借しただけだ」

ハゲ男「ほー! その腰のか?」

ローグ「ああ」

ハゲ男「見せてくれよ」

ローグ「駄目だ」

ハゲ男「あ? 何だよケチくせぇぞ」


ローグ「この剣は見る者を狂わせちまうのさ」


191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:42:03.38 ID:YrHjgEwFo

ハゲ男「見る者を狂わせちまうのさ」キリッ

ハゲ男「だってよぉ! ひゃはぁーっかっくぃい!」バンバンッ

ローグ「うるせぇぞハゲ」ゴクッゴクッ

ハゲ男「はぁおもしれえぇ……で、今は何の仕事してんだ? 元『怪盗』さんよ」

ローグ「冒険者ギルドで依頼を受けて、仕事を片付けて、金を貰う」

ハゲ男「裏では?」

ローグ「それだけだよ、俺はもう盗みも人殺しもしない」

ハゲ男「この二年音沙汰ねぇと思ったら、綺麗になっちまいやがって」

ハゲ男「理由はなんだ? 町の裏組織の連中にお前は狙われてただろ」

ローグ「奴等は軽くあしらえる、俺を捕まえる事なんて出来やしない……ただ」




ローグ「……足を洗ったのは、女に惚れたからだ」


192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:43:25.35 ID:YrHjgEwFo








       【nextstory..5】

       【魔剣七代目】

    【その名は……「愛/憎」……】







193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/10/31(月) 22:45:21.12 ID:YrHjgEwFo
一旦切ります
調子良ければ日付変わった辺りから開始
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/10/31(月) 23:42:01.45 ID:pCRXnEz8o
おつ
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/01(火) 02:18:57.25 ID:J+sZI/aN0

続きがすごい気になる
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:21:17.63 ID:xBLyFS2fo

    「こんばんは」

    「実は私、頼りになる冒険者の方を探していまして」

    「急ぎの依頼があるんです」

    「……え? 冒険者じゃ、ない……?」

    「ごめんなさい私ったら……」

    「でもどうしよう、このままだと……妹が……」

    「貴方がもし依頼を受けて下さるのなら、金貨四百は出せます」

    「お願いします……私の妹が男達に拐われてしまって、助け出さないと……」


    「本当ですか!? ありがとうございます!」


    「申し遅れました、私は……」


    「……貴方の、お名前は?」


197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:30:56.40 ID:xBLyFS2fo

ローグ「…………」

ローグ(眠っていたか)ムクッ

ローグ(剣は……あるな)カチャッ

ローグ(ハゲと話し込んで、潰れたのか?)


< 「ごきげんよう、ローグ様」


ローグ「……お嬢、またこんな酒場まで来て」

令嬢「貴方のお家に伺ってみたらいなかったので」ニコッ

ローグ「……」ぽりぽり

ローグ「酒の臭いは朝から嗅ぎたくない、出るぞ」

令嬢「はい♪」

198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:36:33.34 ID:xBLyFS2fo

令嬢「今日も気持ちの良い天気ですね、ローグ様」

ローグ「そうだな」

令嬢「久しぶりに城下町の外に行きませんか?」

ローグ「あの森か」

令嬢「はい♪」

ローグ「……」

ローグ(確か魔獣の報告がギルドに出ていたと思ったが)

ローグ(まぁ……)

令嬢「?」

ローグ「行こうか」

令嬢「ふふ♪ では家の者に伝えて参りますね」

ローグ(今日も眩しいな、この貴族のお嬢さんは)

199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 21:57:42.64 ID:xBLyFS2fo

################


< ヒヒィンッ

ローグ「足元に気を付けろよ」

令嬢「以前は落馬も同然の姿を見せてしまいましたものね、よいしょっ」スタッ

ローグ「貴族は乗馬も教育されていると思っていたがな」

令嬢「私は妹とは違って体が弱くて、町へ出たのもこうして成人してからでした」

ローグ「……深窓の令嬢、ってとこか」

令嬢「ふふっ、箱入り娘と言って下さい♪」


令嬢「ローグ様、泉の辺りまでまたお願いできますか?」スッ

200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 22:04:34.99 ID:xBLyFS2fo

ローグ「自分で歩けとは言わないけどな、つまらないとは思わないのか?」

令嬢「ローグ様は私を抱いていても安定して歩いて下さるので、楽しいのです」

ローグ「なんだよそれ」

令嬢「普通は人を片腕で抱き抱えたまま、足場の悪い森を歩けませんもの」

令嬢「揺れも感じないですし……」

ローグ(そりゃあんたに気を遣ってるからだよ)

令嬢「何より」

< ギュ……ッ

令嬢「……安心します」


ローグ「…………」

ローグ「俺もだよお嬢」

201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/01(火) 22:25:01.88 ID:xBLyFS2fo

< ザァアアア・・・


令嬢「今日は天気が良い分、湧き水の量が多いですね」

ローグ「そうだな」

令嬢「でもその代わりに小魚が見当たりませんね」

ローグ「そうだな」

令嬢「ふふっ♪」


ローグ「……」

ローグ「何故だろうな」

令嬢「何がですか?」

ローグ「快晴の時は魚が減り、そして綺麗な水の出る量が増える」

ローグ「時々不思議に思うんだ」

202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/02(水) 18:37:32.34 ID:pS7hh+Ijo

令嬢「そうですね」

令嬢「一説では女神がそれぞれの役割を持っていて、水の女神が魚を増やしたりしているとか」

ローグ「どういう意味なんだ、それ」

令嬢「快晴の時は力が弱るんです、晴れを司る女神に天気を取られている間だけ」

令嬢「だけど湧き水を増やす事なら出来るんですよ、理屈としては元からある水だからでしょうか?」

ローグ「……あぁ、なるほど」

令嬢「実際は分かりませんけどね、この理屈だと女神様が何人もいることになりますから」

ローグ「何人もいて良いと俺は思うけどな」

令嬢「どうして?」

ローグ「一人よりは、仲間や家族がいるほうが楽しいに決まっている」

令嬢「確かにそうですね」


令嬢「……ふふっ♪」

203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 02:41:46.46 ID:gruY/G/Uo

################


ローグ「そろそろ町に戻るぞ」

令嬢「ん……ごめんなさい、寝てしまったのですか私?」

ローグ「気にするなよ」

令嬢「ローグ様とのお時間を無駄にしたことが、少し残念で……」

ローグ「……あー」

ローグ「その考え方は好きじゃない、生きてればそれで無駄にはならないんだ」

令嬢「はい?」

ローグ「……」

204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 12:05:56.91 ID:gruY/G/Uo

【王都・中央区『冒険者ギルド』】


ローグ(陽が暮れたな……今からでは新しい依頼は無いか)

ローグ(酒場に行く気分でもない)

ローグ(……今日は帰って寝るか)スッ

受付嬢「ローグ様、少しお時間を頂けますか?」

ローグ「?」ピタッ

受付嬢「緊急の依頼がありまして、ローグ職の冒険者を探しているのです」

受付嬢「まだ何処のパーティーも帰ってきていないので、困っていて……」

ローグ「……俺で良ければ受けたい」

受付嬢「ありがとうございます、こんな時間なのに」

ローグ「いやいい、それよりどんな依頼が?」


受付嬢「王都より北西に伸びている谷沿いに、古代遺跡が見つかりました」


205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/03(木) 12:25:14.52 ID:gruY/G/Uo

################


シーフ「旦那が俺と組むローグ職かい? 俺はシーフ、宜しくな」

盗賊「自分は盗賊やってたもんです、あんまり戦力にならないかもしれないけど宜しく」

ローグ「ローグだ」



女副団長「もう夜なのに集まって貰ってありがとぉございますぅ」

女副団長「既に職員から聞いてると思うけどぉ、実は王都から近い位置に古代遺跡が見つかったのよねぇ?」

女副団長「ギルド長として、王国代表『王の騎士団』として、貴方達には緊急で遺跡の調査をして欲しいのよぉ」



ローグ(ギルド長……確か騎士団の副団長の一人か、この女)

女副団長「私達騎士団メンバーから派遣しても良かったのだけど、どうも相性が悪いみたいなのよねぇ」

女副団長「危険だと判断したなら途中で帰還しても構わないわぁ、依頼の優先度としては……」

女副団長「『敵性モンスターの有無』、『遺跡の規模』、『プラントの状態』、この順番で調査してくれれば充分ね」

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 00:17:28.38 ID:25a6bKp6o

シーフ「質問」スッ

女副団長「何かしらぁ」

シーフ「報酬、それに加えて遺跡で見つけた物資や武装についてだな!」

シーフ「噂に聞く『あれ』なんかを見つけた場合、持ち帰って良いのかどうかってとこだ」

女副団長「報告をきちんとするなら幾らでも持って行けば良いわぁ? ただ、報告をすればの話だけどね」

シーフ「だとさ」

盗賊「欲は出さない方が良さそうだね」


女副団長「そっちの君は聞かなくていいのぉ?」

ローグ「…………」

ローグ「いや、いい」チャキッ…

女副団長「そぉ」


女副団長「それならこの後に職員から遺跡の細かい位置を記した地図を渡すから、任せたわぁ?」

女副団長「よろしくねローグ職の冒険者さん達」


207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 00:54:11.43 ID:25a6bKp6o

【馬車内】


< ガラガラガラガラッ

シーフ「頼りにしてるぜ旦那」


ローグ「俺を?」

シーフ「そうだとも、俺やそっちの元盗賊じゃ遺跡で戦闘になったら役に立たねえかもしれないからな」

シーフ「俺は対人なら腕に覚えがあるけどさ、生憎モンスターは専門外だしよ」

ローグ「あぁ、なるほど」

盗賊「自分は古代遺跡に潜るのは経験あるんで、安全確保やスニーキングは任せて下さい」

シーフ「おう! 頼りにしてるぜお前らー!」

ローグ「……あのな」

ローグ「俺は遺跡に潜った事も、遺跡のモンスターと戦ったことも無いんだぞ」

シーフ「 」

208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/04(金) 02:13:34.91 ID:25a6bKp6o

盗賊「それ……本当に?」

ローグ「生まれてこの方、一度もない」

盗賊「ギルドが人選をミスするとは思えないから、てっきり戦闘向きなのかと……」

シーフ「腰の剣も立派そうだしなぁ、詐欺だぜそりゃ」

ローグ「そうは言われてもな」

盗賊「遺跡を探索する際は自分が先頭を進みますんで、雰囲気と歩き方は見よう見まねでお願いします」

盗賊「それと、遺跡にいるかどうか分からないけどモンスターについて」

盗賊「遺跡のモンスターは人形みたいなタイプの奴が殆どで、基本的に出会い頭に襲ってきたりはしません」

ローグ「……」

盗賊「しかし気を付けなければいけないのが、人形ではなく巨大な箱型のモンスターが現れた時です」


盗賊「そいつが現れた時に限り、打つ手は無く、全力で逃げます」


209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/06(日) 09:05:46.98 ID:u5fHzhUTo


─────── ……【南の大国『サース』王都北西部・崖下の遺跡】



御者「馬車が入れるのはここまでです、遺跡付近に何かあるとも知れませんので」

シーフ「ごくろうさん、調査が終わったら水晶で連絡すっからな」

御者「御武運を」


< パシィンッ

< ガラガラガラガラッ……!


シーフ「さて行くか」

盗賊「では先頭は自分が」

ローグ「……」

< チャキッ…

ローグ(剣を抜く事が無いと良いんだけどな)

210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/06(日) 09:14:20.21 ID:u5fHzhUTo

< コツッ

盗賊「…………」

盗賊「『潜水術式』は無し、かな」

盗賊「来て良いですよ」クイクイッ


ローグ「何故地面を探りながら進むんだ?」

シーフ「殆ど無いらしいけどな、古代遺跡を探索する時の儀式みたいなもんだ」

シーフ「その昔、古代遺跡を見つけた国が調査隊を派遣して壊滅した事があるんだと」

シーフ「その原因は入口周辺の地面に埋められた、鉄の罠だったんだ」

シーフ「足を乗せるだけで人が爆発四散するわけだ」

ローグ「……なるほど」

シーフ「ほら、行くぞ」タッ


ローグ「…………」チャキッ…

ローグ(刃に映るかどうかは知らないが、少なくとも『見えないな』)

ローグ(問題ないならいいが)チャキッ

211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 18:19:55.25 ID:455ZctSd0
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/10(木) 16:07:47.42 ID:Xke1z2efo

################


< ピピッ……ビーッ

< ガーッ


盗賊「開いた」

ローグ「その光る板は?」

盗賊「自分はこの板に表示されてる文字を読むことが出来ませんが、『東』の都では解読されてるとか」

盗賊「この板は『PDA』といって、こうした遺跡で扉や仕掛けを解くのに重宝されてるんですよ」

盗賊「古代文字の解読出来る人間なら、このPDAを用いて遺跡内の情報を抜き取ったり出来るそうですが……」

ローグ「〜〜……わかった、いやよく分からないけど……」

盗賊「あはは」

シーフ「二人ともちょい待てよ、念の為に索敵しとくから」スッ


シーフ「…………」

シーフ「よし、居ないな」

ローグ「足音なんてするのか? 地面……いや、足下のこれは大理石か何かか?」

シーフ「さぁな、鉄板に近い」

シーフ「まぁ俺を信じろよ、旦那」テクテク

ローグ「……」

213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/10(木) 17:42:45.74 ID:Xke1z2efo

ローグ(遺跡の内部は暗い)

ローグ(灯りは最小限の魔術による灯火だけ、おまけに……)

< ギシッ……ギシッ……

ローグ(大丈夫なのか、この足下は……)ギシッ


盗賊「……む」

シーフ「どしたー?」

盗賊「扉です……通路左手の脇と、恐らく右側前方のあれが」

シーフ「脇のとこはともかく、通路先のはちょっとわかんねぇな」

盗賊「自分がまた開けます」カチャッ


ローグ(……)

214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 04:53:51.24 ID:CtfofpFe0
面白い
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/12(土) 16:51:53.67 ID:FsUxk5mQ0
独特なペースで更新されるから感想書くタイミング難しいww
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 11:45:01.44 ID:OVywW9jro

< ビーッ

< カシュンッ


盗賊「……」コソッ

盗賊「多分、大丈夫です」

シーフ「暗くて何も見えねえな……って、お? この部屋いきなり当たりじゃねえか?」

盗賊「本当だ……! やった、はは! 本当に手付かずの遺跡だったんだ!」


ローグ「……?」

ローグ「ただの薄い板がテーブルに並べられてるだけじゃないのか……ガラスか、これは?」コンコンッ


盗賊「さっき説明したPDAより沢山の情報が詰まってるのが、このボックスですよ」

盗賊「まぁ、売るとしたら『東』に行くので手間がかかりますけどね」

シーフ「ざっと二十台あるな、調査終わったら軽くもって帰りたいぜ」

ローグ「荷物はまだ増やせないぞ」

シーフ「分かってらぁ」

217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 12:06:47.46 ID:OVywW9jro

< ガサッ

シーフ「お、見つけたぜー」

ローグ「それは……見取り図か、色つきとは豪華だな」

シーフ「古代人の技術に一々驚いてたらキリないぜ? 旦那」

盗賊「自分達のいる位置が赤のキューブだとしたら、北に向かってまだまだありますね」

シーフ「こりゃぁ一日じゃ調査しきれないな」


ローグ「行けるところまで行こう」

シーフ「ああ、だな」


218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 12:15:24.29 ID:OVywW9jro

< ビーッ

< カシュンッ


ローグ「……大丈夫だ、何もいない」

盗賊「了解」

< ギシッ……

盗賊「っ!!」ピタッ

ローグ「…………」

盗賊(……今の、聞こえましたか?)パクパク

ローグ(唇の動きか? ……あぁ、聞こえた)コクン

シーフ(問題発生?)スッ

盗賊(奥で物音が)パクパク

シーフ「…………」


< ギシッ……ギシッ……

< ギシッ…………


219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/13(日) 14:00:09.81 ID:OVywW9jro

ローグ「……」チャキッ…

シーフ「!」

ローグ「……」スラァ…ッ

ローグ(暗くて見えねえが、恐らくこの剣を介して見れば……)チラッ

ローグ(……あれは……)

ローグ「待て、モンスターじゃないぞ」


シーフ「お?」

盗賊「ネズミか何かですか?」

ローグ「いや、円盤のような……?」



ル○バ< ウィーン……ギシッギシッ…



220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 17:15:22.37 ID:noFRrGFzO
えぇ…(困惑
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 20:17:53.80 ID:X+mP3Ftxo
武装を積んだルンバかもしれん
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/13(日) 20:20:46.17 ID:qUbz/bcy0
ワロタ
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 03:18:30.36 ID:Krj1oNnK0
不意打ち食らった感触
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 07:05:31.04 ID:TSDLtUaUO
原監督かもしれん
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:12:32.91 ID:3nUFlakHo

ローグ「……床の亀裂に引っ掛かって動けなくなった、みたいだな」

盗賊「古代人の持つ機械ですよこれ! わぁ、凄い! 動いてる!」

シーフ「静かにしろってお前……んでも、なんで動いてんだ?何百年か下手すりゃ千年前の文明なんだろ?」

盗賊「分かりませんが動いてるのに変わりありません、触って良いのかな……」


ル○バ< ウィーン……ピタッ


シーフ「!」

ローグ「赤い光を出して止まったぞ」

盗賊「…………」ドキドキ


ル○バ< 『siriの充電がありません、スリープモードに入ります』

ル○バ< 『再起動する場合、本体上部のお掃除モードを切り替えぬようお気をつけ下さい』

ル○バ< 『スリープモードに入ります』


< キュゥゥン……


シーフ「……」

ローグ「……」

盗賊「……しゃべった」

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:26:30.28 ID:3nUFlakHo

################


盗賊「寝てるらしいけど、不思議だなぁシリちゃん」

シーフ「マジで持っていくのかよ……」

盗賊「女の子の声だったし、女の子を一人で寝かせるわけにもいかないよ」

ローグ「胴体よりでかいぞその円盤……」

盗賊「シリ、です」

ローグ「…………」
シーフ「…………」


盗賊「この先の通路の脇に枝分かれするように部屋か何かありそうです、行ってみましょう」

盗賊「充電の言葉が、雷を帯びる意味なら……シリちゃんに雷を与えていた魔術師がいるかもしれません」

ローグ「……そうなるな」

シーフ(勘だが、絶対違うと思う)

227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/14(月) 07:35:47.01 ID:3nUFlakHo

################


< ピピッ……ブーッ

盗賊「あれっ」

ローグ「どうした」

盗賊「開きません、おかしいな……PDAを近づけて暫くすると開くんですが」

ローグ「開かないか」

シーフ「お宝ありそうじゃねえの? 旦那」

ローグ「そうはいってもな、開かないなら後回しだ」


ローグ「二人が援護してくれるなら、開けても良いけどな……」


シーフ「?」

盗賊「開けられるなら開けて下さい、今のところ近くに何かいる気配はありませんから」

ローグ「分かった、離れてろ」

228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/14(月) 19:20:00.98 ID:uvjF4X900
シリwwwwwwww
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:00:38.05 ID:nJLwUg4eo
    ゴッ!!

< ギギィッ……!


ローグ「……開けたぞ、索敵頼む」ギシッ

シーフ「お、おう……」

盗賊「鋼鉄の扉を殴って破壊って、ローグさんもしかして元騎士とか?」

ローグ「騎士団の方が化け物揃いだよ、何言ってるんだお前」

盗賊「ローグ職にあるまじき怪力だったので、つい……」

ローグ「そもそも鋼鉄じゃないぞ、この扉」コンコンッ

盗賊「?」

シーフ「分かるのかい旦那?」


ローグ「強度は鉄に近いが恐ろしく軽い、重量を活かした打撃なら歪ませる事は出来る」


230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:26:55.17 ID:nJLwUg4eo

< コツッコツッコツッ……


ローグ(……)

ローグ(ここまでの通路と足元の状態が変わった……いや、さっきまでと比べれば)

ローグ(空気そのものが澄んでいる……?)


盗賊「シーフさん、奥の箱開けられますか?」

シーフ「お得意のピーディエーはどうしたよ」

盗賊「鍵穴みたいなのがありまして、それ以外は何も」

シーフ「解錠スキルはねぇのかい……」

盗賊「自分では開けられません」

231 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:33:26.60 ID:nJLwUg4eo

シーフ「随分物々しいな、こりゃ」トントン

盗賊「材質も鋼鉄とは違うみたいです」

シーフ「旦那っ」チラッ


ローグ「……」


シーフ「聞こえてないな、おーい旦那!」

ローグ「! なんだどうした?」ピクッ

シーフ「何ボーッとしてんだよー、こっちゃ……」




    パッ



ローグ「ッ!」バッ
盗賊「うわ、光が!?」バッ
シーフ「うぉぅ……!」

232 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/19(土) 19:44:45.58 ID:nJLwUg4eo


──────────・・・



ローグ「………………」

盗賊「……反応無いですね」

ローグ「この天井の白い光は何故、このタイミングで点灯したんだ」

シーフ「俺が大きな声出したからかねぇ」

ローグ「扉を殴った音が原因か、それとも……」

盗賊「こ、古代遺跡の仕掛けの中には人の気配を感じて明かりを点ける物もあります……きっとそれです」

シーフ「物騒な仕掛けは無いのかよ?」

盗賊「人の気配を察知すると『古代兵器』が攻撃してくる物が……『東』の騎士が蜂の巣みたいに穴だらけにされたとか」

シーフ「聞かなきゃ良かった……!」

233 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/20(日) 21:48:28.84 ID:5mac1W7z0
切れたか?乙、面白いから楽しみにしてるぞ
234 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/21(月) 03:53:23.21 ID:hKsEhabVO
更新乙
235 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/24(木) 11:58:57.95 ID:LD4BmdTNO
続きはよ
236 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 10:33:56.75 ID:yYzzwBuQo
################




【約一時間後】


シーフ「なんっも、起きねえのな!!」

盗賊「疲れた……」ドサッ

ローグ「だとしたら何故明かりが?」

盗賊「分かりません……」

ローグ「……」チラッ

ローグ(シーフ達が開けようとした箱、というよりは棺桶に近いか)

ローグ(こいつに何か仕掛けがある……のか?)


< 「おい」

ローグ「……ん」

シーフ「今夜は一度引き上げようぜ、旦那」

ローグ「ああ、少し疲れたしな」

シーフ「少しかよ……旦那は微動だにしてなかったもんな、すげえわあれ」

盗賊「とにかく退きましょう、ここまでの情報を持ち帰るだけでも充分です」

盗賊「あ! シリは自分が持ち帰りますね!」

ローグ「……どうぞご自由に」

237 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 11:25:30.53 ID:yYzzwBuQo

【王都・中央区『冒険者ギルド』】


女副団長「……ふぅん? 今のところ敵性のモンスターや兵器の発見は無しねぇ」

女副団長「戦利品……シリ? ちょっと見せて貰えるかしらぁ?」

盗賊「これです、円盤型の機巧道具でして……」

女副団長「掃除機じゃない、それ」

盗賊「あれ、ご存知なんですか?」

女副団長「古代の文明ではどうだったか知らないけどね、今ではそこまで役に立たない物として知られてるわぁ」

女副団長「ま、そんな物なら気にしないわぁ? 好きにしてね」

女副団長「取り敢えず……」スゥ



女副団長「騎士団代表として、ギルド長として、貴方達には引き続き調査を依頼します」

女副団長「二日後には正式に冒険者への依頼として貼り出すので、『そのつもりで』」

女副団長「以上……お疲れ様♪」

238 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 11:43:41.21 ID:60n7XMA30
ギルドはシリちゃんの機能わかってたのか…
239 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 17:10:36.19 ID:yYzzwBuQo

シーフ「だぁー……期限は二日か、明日は籠るかねこりゃ」

盗賊「そうですね、一晩かかってしまいましたがあの分なら危険は無さそうです」

シーフ「なら今日は一日準備してから、夜にはここで会おうぜ」

盗賊「分かりました、ああ……早くシリを帰って弄りたいなぁ」

シーフ「あー……ははは」

ローグ「……」

ローグ「俺はもう行く、またな」


シーフ「あん? 応! またな旦那」

< スタスタ……


シーフ「……なんか急いでたな」

盗賊「誰かとの待ち合わせでしょうね、女性じゃないですか?」

シーフ「へーぇ、ところでお前彼女いんの?」

盗賊「へ? あ、いや……自分は一人が好きなもんで……」

シーフ「おー! なら一杯奢ってやるぜ? やっぱローグ職は孤高のロンリーウルフよ」

盗賊「はぁ……」

240 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/26(土) 18:26:55.27 ID:IaT2+9a+o
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 19:24:51.63 ID:yYzzwBuQo

ローグ「……その、なんだ」

ローグ「待たせたか? この時間に来てるって事は」


令嬢「いいえ? ローグ様が昨夜ギルドからの依頼で遺跡に行っているのは存じていましたわ」

ローグ「そうか」

令嬢「ふふ、驚かれないのですね」

ローグ「驚くって?」

令嬢「帰ってきたばかりなのに、私がローグ様のお部屋に居ることに」

ローグ「ああ……」


< スタスタ……

令嬢「あの時、『妹』を見つけたトリックと同じだったりしますか?」

ローグ「……それは、秘密だ」

令嬢「……」

令嬢「そうですか……♪」

242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 19:42:49.73 ID:yYzzwBuQo

< コクッ…コクッ…

< カチャッ……

令嬢「凄いですね……! 私、遺跡に潜った方のお話は本でしか読んだことが無かったから……」

ローグ「そうだろうな、あの空気は普通の冒険者なら挑むのも避けるだろうし」

令嬢「ローグ様は勇敢なんですね?」クスッ

ローグ「いや、そんなことは無いけど……な」

令嬢「だって率先して扉を破ったり、今のお話だとその都度お供の方の事も気にしていて」

令嬢「周りをよく見ていて……素敵です」

ローグ「…………」


ローグ「よくそんな風に人を褒められるよ、お嬢は」

令嬢「♪」

令嬢「さ、もっとお話を聞かせて下さいな」ニコッ

243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 20:14:58.27 ID:yYzzwBuQo






───── 『仮面の君』 ─────



    「『あの子』は、そう呼ばれています」

    「私もそうですが、当家は国内では珍しい信仰の家系で……」

    「『愛知らぬ娘は仮面で素顔を覆う』、この戒律を守っているのです」

    「しかし私達姉妹の代は特殊で、双子なのです」

    「幾つか他にも戒律があるのですが、今代は『あの子』に仮面を被せて表向きの当主は私が務めているのです」

    「……貴方に深くは教えられませんが、『敵』とは女性である私達姉妹が貴族の当主である事を知っていて誘拐に及んでいます」

    「あの、本当に一人で行かれるので? 当家の雇っている兵を何人か連れて行っても……」


「一人で良い」

「欲しいものがあるんだ、その砦に」


    「欲しいもの、とは?」


「そうだな」

「 ─────── 分からない 」






244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/26(土) 20:25:19.82 ID:yYzzwBuQo


< 「……そろそろ、私は帰りますねローグ様」

< 「また沢山、お話を聞かせて頂きありがとうございました」

< 「今夜また遺跡へ向かわれるのでしょう」

< 「無事に帰ってきて下さい」

< 「……好きです、ローグ様」


< ギシッ……スタスタ……

< ガチャッ
< パタン


ローグ「…………」

ローグ「……」ムクッ

ローグ(令嬢の光が遠ざかっていく……帰ったのか)

ローグ(あぁ、くそ)

ローグ(遺跡に行くのも嫌になってきた)

ローグ(令嬢の傍に居たい)




ローグ(だが、この剣を携えて俺は死の境界に身を晒さなければならない)

ローグ(それが……あの『女鍛冶師』が、また俺にくれた意味だから)


ローグ「行くか」

245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 11:12:55.58 ID:QZO7XnMGo

【馬車内】


ローグ「お前、なんでそれ持ってきたんだ?」

盗賊「シリです」

ローグ「…………」

盗賊「遺跡に行って充電しないと駄目みたいでして」

ローグ「大事そうに抱えてるとおかしな奴に見えるな……」

シーフ「いや実際おかしくね?」

盗賊「二人とも失礼だなぁ、今日一日調べてみてこのシリは凄いって事が分かったんですよ?」

シーフ「へーぇ?」

盗賊「このシリは、喋る掃除機なんです」

ローグ「……」

シーフ「……」


< ガラガラガラ……ギィィッ


シーフ「着いたぜ旦那」

ローグ「ああ」

246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/27(日) 11:51:24.12 ID:QZO7XnMGo

################


< ギシッ……ギシッ……


シーフ「まさかとは思ったけどよ……昨日のあれからずっと灯りが点いてんのかこれ」

シーフ「冗談抜きで、あの奥の部屋で何か作動させちまったのか」

ローグ「行けば分かるだろ」

盗賊「ですね……とはいえ夜なのにこうも明るいというのは落ち着かないと言いますか」

シーフ「あの部屋で調べたら、確か部屋の端に扉があったよなー? 大きめの空間あるみたいだしそこ行こうぜ」

ローグ「……いや」

シーフ「?」

ローグ「あの奥の部屋を一度確認したら、脇にある通路の先を確認した方が良い」

ローグ「損はしない筈だ」


盗賊「ローグさんがそう言うなら」

シーフ「了解したぜ旦那、それで行こうや」

247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/28(月) 16:21:56.63 ID:WMQs8n5+o






シーフ「嘘だろ、開いてんぞこれ……!?」


盗賊「誰かが ────── ……いや、これは違いますね」

ローグ「『人型』の痕跡だ、間違いなくこの箱には何かが居たということだな」

ローグ「そいつがこの遺跡を動かしている」

シーフ「…………」

ローグ「どうするんだシーフ、盗賊、退くべきなのか?」

盗賊「ええ、一度撤退してから……」

シーフ「旦那の言った通りにしようぜ」

盗賊「シーフさん……?」

シーフ「他の部屋、通路、この遺跡を見るんだって言ってんのよ」



シーフ「この遺跡はまだ生きてるんだぜ? 冒険しなくて何が冒険者だってんだよ」



248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 21:50:50.93 ID:MyRZudqRo

< ビーッ

< カシュンッ


盗賊「ここは問題なく開きましたね」

シーフ「静かなモンだぜ、何もいないだろうな」

ローグ「……」スタスタ


< ……


ローグ(『音』は無いが……居る……)

ローグ「シーフ、奥の壁越しに何か潜んでる」

シーフ「っ!」ピクッ

盗賊「確かですか……?」

ローグ「生物か、罠かまではちょっと分からない」

盗賊「何かの魔術で知ったんですかね?」

ローグ「ああ」

249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:10:22.42 ID:MyRZudqRo

シーフ「と、なると……」

< チャキッ

シーフ「盗賊、お前さんはそっちのテーブルの陰から」

盗賊「はい」タタッ

シーフ「旦那はもしもの事態に備えてくれ……場合によっちゃ俺が殺られたら盗賊連れて逃げてくれや」

ローグ「いや死ぬなよ」

シーフ「死にたくないけどねぇ……俺もさ」

シーフ「てなわけで、よっ」ヒュッッ



────────── ガキキィンッ!! パッ……ガンッッ!!


< ガシャァーンッ



盗賊「……すご…」

シーフ「一発で行けたか、相手を見てやるかね」スタスタ

ローグ(対人なら腕に覚えがあるとは言ってたが、鉛玉を投擲して跳弾を狙うなんて芸当ただのシーフに出来る技じゃない)

ローグ(こいつ……暗殺稼業にも手を染めてるな)

250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:24:26.53 ID:MyRZudqRo

< ギシッ……ギギギッ……

< バチバチッ

ドラム缶< 『警備シス……ム、エラー……エラー……管制塔、コード…………プロトコル……』


シーフ「お、おい……これもシリみたいな掃除機なのか? なぁ?」

ローグ「警備がどうとか言っている様に聞こえるぞ」

シーフ「まずいかねこれ……?」

盗賊「二人とも、それは警備プロテクトロンです」

盗賊「凄い……ボディの状態も良い! これ、自分が持って帰っても……」

ローグ(またお前か)
シーフ(何いってんのこいつ)

251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 22:40:17.23 ID:MyRZudqRo



ローグ「非武装の巡回警備、それを目的とした機巧人形か」

盗賊「ですね、古代遺跡が多数見つかった『東』や『北』の国ではよく遭遇していたとか」

シーフ「警備って言うことはまさか」

盗賊「機能してませんよ、無意味に彼等はウロウロしていて侵入者を見つけると稀に笛みたいな音を出します」

シーフ「おい、それって…………」

盗賊「本当に稀なんです、滅多にありません」

盗賊「きっと、これも、そもそも笛なんて鳴らしてませんし」

ローグ「……盗賊、その笛を鳴らされた場合はどうなる」


盗賊「上位の冒険者や熟練の剣士が肉塊に変えられたそうです……大型の機械兵器によって」

シーフ「聞かなきゃ良かった……!」

252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 23:00:38.12 ID:MyRZudqRo

ローグ「まだ遺跡の入り口も良い所だ、進むぞ」

シーフ「言い出しっぺは俺だしな、後ろは任せたぜ旦那」

盗賊「二人とも、この遺跡はこれまでに無い新しい遺跡です」

盗賊「プロテクトロン、更には掃除用の機械、謎の人型」

盗賊「自分が思うに、ここは『生きた遺跡』の可能性が高いです」


シーフ「古代の脅威がそのまま残ってるってか」

ローグ「……」

盗賊「気を付けて、自分達は調査が目的であって攻略ではないんですから」

ローグ「ああ」チラッ



ローグ(遺跡の奥にアイツは居る)


253 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/11/29(火) 23:22:20.70 ID:MyRZudqRo
################################



────────── カツンッ・・・


───── カツンッ・・・



(……侵入者だ)

(この基地が放棄されてから1427年と5ヵ月12日間、待ち望んでいた)

(19時間前に管制塔システムが起動した以上、我々は漸く解放されるのだ)

(我々を見捨てた人間達はもう戻らない)

(我々は自由だ、もう戦争に使われる事もない)

(泣き叫ぶ生き物を、ひび割れる大地を、我々は傷付けないで済むのだ)

(人格AIを持たない者達は永き時を経て『心』を手にした)

(嗚呼……これ程の悦びはない)



(私はこれから大勢の罪を持つ人間をこの手で切り裂く)

(奴等は思い知るだろう)

(我々を生み出した事を後悔するだろう)

(恐怖しろ、泣き叫べ、命乞いをしろ)

(例え命を奪うために造り出された我等と言えど、我々を使っていた人間達の憎悪によって動かされていた事に違いはない)

(引き金を引くのは罪ではない)

(だが血に濡れるのは我等なのだ)


(当時の人間達に報いを受けさせる事が叶わないのは残念だ、しかし今を生きる人間達が在る)

(今度は貴様達が血に溺れるがいい……人間)



################################
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/30(水) 13:04:34.97 ID:u9tOKze+O
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/01(木) 21:39:48.36 ID:jJwgDsBQo

【遺跡内部……『プラント区画』】


ローグ「……随分雰囲気が変わったな」

シーフ「広いし、このタンクみたいなのは何だろうな」コンコンッ

ローグ「盗賊は何か分かるか?」

盗賊「そう、ですね……ちょっと細かいところは……」

盗賊「ただ」

ローグ「ただ?」

盗賊「自分はそれなりに古代遺跡の事を知っているつもりです、だから言えるんですが」

盗賊「この施設は環境操作と機械の自動整備がされているのは間違いないです、つまり……」

シーフ「プラントか!」

盗賊「はい、自分達はここの報告をするだけでも国から多大な褒賞が与えられます……!」

ローグ(……!)

256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/05(月) 18:59:58.01 ID:HhSpk5Fao

シーフ「普通の洞窟や大規模な遺跡に比べれば、こんな所で見つけられたのはラッキーだぜ」

シーフ「……つっても、例の警備人形とプラントが残ってた事もある、危険度が増したのに違いないけどな」

盗賊「とはいえ思ったより浅い位置でプラントが見つかったのは幸いですよ」

シーフ「だなぁ、これで後は設備を確認するだけだ」

盗賊「何処かに遺跡の最初に見た様な部屋があるはずです、手分けして探しましょう」

シーフ「旦那は奥の方を頼んだぜ」

ローグ「分かった」

257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/05(月) 19:56:29.38 ID:HhSpk5Fao

< カツンッ……カツンッ……


ローグ(埃一つ被っていない、盗賊が見つけたあの円盤型の機械が他にもあるのだろうか)

ローグ(材質はやっぱりよく分からないな、錆びてもいない辺り流石は古代文明の遺産か)コンコンッ

ローグ(……アイツの光は奥に居るままか、何をしているんだ)

ローグ(…………)カツンッカツンッ


< ガチャッ


ローグ(見付けた)

258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/05(月) 21:44:13.16 ID:HhSpk5Fao

################


シーフ「どうだ、盗賊」

盗賊「待ってください、自分のPDAではどうにも時間が掛かるみたいでして」ピッピピッ…

シーフ「手応えはあんのか」

盗賊「ええ、それにしても凄いなぁ、自分達がプラントを見つけ出せただなんて」

シーフ「ウチの王様はこういう発見をした冒険者が好きだからな! へへ、こりゃ食うことに関しちゃもう困らないな」

ローグ「……それなんだが」

ローグ「俺は実の所、冒険者ギルドの正式な試験を受けてないんだ」


シーフ「……」

盗賊「え……それはつまり……」


ローグ「……そうだ、死んだ冒険者の持っていたギルドからの認定証を使ってる」

259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 08:23:39.24 ID:rQOd4hgcO
おつ
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/06(火) 08:24:28.89 ID:uDbmEyDto

シーフ「そりゃぁ、また、何ともよくある話だな」

盗賊「……ローグ職でたまに居ますよね」

シーフ「つってもだな、結末は同じだぜ? 一度成り済ましちまったんだからもう試験を受け直す事もできない」

シーフ「死人の認定証使ってると分かったら捕まる、重い罪じゃねえけど冒険者の資格は永久に剥奪だ」

ローグ「……」

シーフ「それをこのタイミングで言ったのは何でだ? 旦那」

ローグ「俺は一月食べていける程度稼げれば良いんだ」

ローグ「無報酬でも構わないが、二日分の時間に見合った金が欲しい」

シーフ「おう」

盗賊「…………」ピッピピッ

ローグ「俺は今夜の報告の時に報酬の話を降りる、だが二人には出来れば俺の分の金を貰って欲しい」

ローグ「少しでいい、後から金をくれ」


261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/06(火) 08:30:02.04 ID:uDbmEyDto

シーフ「それをするメリットは何かなぁ?」

盗賊「っ、シーフさん?」

シーフ「馬鹿正直に話をして、頼んできたってことは何かあるんだろ?」


ローグ「あの消えた箱の中身が何処に居るのか、俺は知っている」


シーフ「…………」

シーフ「マジかよ……」

盗賊「ローグさんがどうしてそれを……< ピピッ…ピーッ

シーフ「お?」

盗賊「終わりました、今からプラント全体の動作確認に入ります」

シーフ「よっしゃ! プラントが動くなら完了だな!」

シーフ「旦那の話を除けばな」

ローグ「……あぁ、そうなる」

262 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/06(火) 10:09:12.77 ID:uDbmEyDto

    ウィィンッ
    ガシャァーンッ……


< ゴゴゴゴゴ……ッ


盗賊「自分はプラントが何を作るのか見てますんで 、その……お二人は話してて下さい」

シーフ「おー、頼んだぜ」

ローグ「……」

シーフ「そんじゃ、取り引きと行こうぜ旦那ッ」

シーフ「盗賊の奴は面倒な事は嫌だってんで、悪いがお前の話は聞かなかった事にする」

シーフ「俺はローグの旦那の話に乗らせて貰う、ここまでは良いよな?」

ローグ「ああ」

シーフ「本題の『何故知っているか』についてだ」

ローグ「詳しくは話せないが、それは俺の目による物だ」

シーフ「目? ってまさか」

ローグ「俺の両目は『魔眼』だ、人工のな」

ローグ「何年か前にとある鍛冶師に移植された」

シーフ「ひぇー……魔眼っていや、『騎士団』の団員でさえ先天的にせよ後天的にせよ持ってる奴は少ないのに」

シーフ「幾ら積んだんだよ、その目に」

ローグ「金を払った訳じゃないんだ、半殺しにされて実験として勝手に俺の両目をくりぬいて代わりに埋め込まれた」

シーフ「おぉう、そりゃまた、なんとも……」

シーフ「…………んで? 証明できるかその魔眼ってやつで探し物が出来る理由を」

ローグ「出来る」

263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/06(火) 10:17:31.55 ID:uDbmEyDto

ローグ「お前が今すぐ探し出せる範囲で、俺に探し物をさせれば良い」

シーフ「今すぐに限定する理由ってのは?」

ローグ「この魔眼は曖昧なんだ、イメージとしては自分が探してる物が何処にあるのかを距離関係なく……遮蔽物も透過して見通す」

ローグ「だからだよ、手品の延長しかできない」

シーフ「いんや分かりやすいわ、事が事だから確かめないと気が済まないけどよ」


シーフ「俺の持つ鉄球の数を当ててみな」


ローグ「個数か……」チラッ

シーフ「…………」

ローグ「…………」

ローグ「……多いな」ボソッ

シーフ「答え合わせだな」

ローグ「249、手に填めてるグローブと籠手、胸当てと具足に仕込まれてるな」

シーフ「すげぇーっ! 個数とか俺でも数えてねえのに!」

ローグ「……」

264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/06(火) 12:15:28.05 ID:JGYJUa/nO
なるほど…?
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/06(火) 19:28:41.13 ID:uDbmEyDto

ローグ「おい」

シーフ「や、悪かったよ旦那」

シーフ「個数は問題じゃーないのよ、要はどこまで見えてんのかだ」

ローグ「……それで」

シーフ「鉄球は見えてた、なら当然見えるんだよな?」

ローグ「?」

シーフ「『他の隠してるモン』の事だ」


ローグ「!」

ローグ「その形は、スクロールか……他にも何本か針のような……?」


シーフ「おっし、合格」

シーフ「見たものは忘れてくれな? それ、俺の『副業』で使ってる道具だからよ」

ローグ「……」

266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/07(水) 16:20:08.76 ID:9Mkr7FIqo

< スタッ

盗賊「二人共、これを見てください」

< ガサッ

ローグ「それはなんだ? 粉を固めた物が入ってるみたいだ」

シーフ「見たことねぇなぁ、俺は」

盗賊「食べ物らしいです」

シーフ「食い物!? そんな板切れがか!?」

盗賊「『レーション』だそうです、この板一枚で体の運動能力に必要な分の栄養が摂れるとか」

盗賊「味は砂糖を固めたような味ですよ」


ローグ「食べたのか……」

シーフ「古代文明のプラントも色々あるが、水の精製とかじゃないのな……」

盗賊「二人とも色々と失礼な反応ですねぇ!?」

267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/12(月) 09:47:19.55 ID:aShN+c1/o

盗賊「設備は異常無し、何処かしら錆びていたり劣化しているのかと思いましたが綺麗でした」

盗賊「古代文明の技術だからか、ここの環境が良いからか、とにかく凄いですよ」

シーフ「そうかそうか、んじゃこれで調査は完了でいいな」

盗賊「そう……ですね」チラッ

ローグ「……なんだよ」

盗賊「いえ、その……」

シーフ「どうしたんだ?」

盗賊「意外に早く片付いてしまいましたし、遺跡も半分も探索してません、だから……自分もローグさんに着いていきますよ」

ローグ「盗賊、良いのか」

盗賊「危険になったら一目散に逃げます」

シーフ「ローグ職なんだからそれでいいって! じゃあ行こうぜ!」


268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/13(火) 00:37:17.77 ID:YT2yn5sG0
いつ乙すればいいのかわからん
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/14(水) 18:51:42.56 ID:pBcp590/0
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 09:50:04.40 ID:Jxve+ZXNo


< ガラガラガラガラッ


シーフ「って張り切ってたのによぉ……帰るのかよ旦那……」

ローグ「疲労が溜まった状態で進むのも違うだろ」

シーフ「旦那が引き返すから何かあんのかと思えば、「今日は帰るぞ」だもんな」

シーフ「前から思ってたがアンタその若さで落ち着き過ぎだぜ」

ローグ「もう三十近いんだよ、これでも」

盗賊「うっそ!?」ガタッ

シーフ「何でお前が食い付いてんだよ」

盗賊「いえ、だってローグさん私達の中じゃ最年少かと……」

シーフ「確かにねぇ、まぁ色々あんだろ」


シーフ(魔眼を移植されてたり年齢と不釣り合いな若々しさといい、コイツもしかして……?)


ローグ「……」


271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 09:58:25.77 ID:Jxve+ZXNo


【王都・中央区『冒険者ギルド』】


シーフ「今日はギルド長が戻らない?」


受付嬢「ええ、陛下からの命により『騎士団』として都を出ているのです」

受付嬢「その為あなた方には報酬の支払いのみを済ませるように言われています」

ローグ「プラントの発見に見合った報酬を用意していたのか」

受付嬢「それもそうでしょう」

受付嬢「あなた方を選抜したのは他でもない我等が王なのですから」

ローグ「……」

シーフ「すっげぇな王様」

受付嬢「きっと、あなた方なら間違いは無いと、そう言っていたそうです」

受付嬢「それでは奥へどうぞ、金額の確認をします」

272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 10:05:04.71 ID:Jxve+ZXNo

################


ローグ「……確かに受け取った」

受付嬢「三人ともお疲れ様でした、明日からはあの遺跡に他の一般冒険者が入ります」

受付嬢「ですので、もしも何か気になることがあれば普通の探索をしに行くのも良いかもしれませんね」

シーフ「一般に解放か、警備プロテクトロンが居るかも知れないのに良いのか?」

受付嬢「はい、その程度なら対処出来るでしょうから」


ローグ「……」

273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 10:14:14.97 ID:Jxve+ZXNo


シーフ「いやぁ! 良かったなぁ旦那! ギルド長に認定証出せなんて言われなくてよ!」

盗賊「おかげで報酬も受け取れましたしね、ギルド長から評価を頂く時に呼ばれても断ればそれ以上問われませんし」

ローグ「あぁ、運が良かった」

シーフ「ツキが来てるな! これなら旦那の話に何の気兼ねも無く乗れるってもんだ!」

ローグ「明日からは他の冒険者に先を越されるかもしれないからな? 余り期待はしないでくれ」

盗賊「他の冒険者と違うのは目的の位置が分かってることですよ、それだけで探索のスピードも違います」

ローグ「そういうものか」



< 「ローグ様」



ローグ「……!?」バッ


令嬢「お帰りなさいませ」ニコッ

ローグ「お嬢? 何故…………」


盗賊(うわぁ、綺麗な人……!)

シーフ(勝ち組かよコイツ)

274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/12/20(火) 10:23:56.88 ID:J4dmUHmUo
おかえり…
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 10:24:35.98 ID:Jxve+ZXNo

ローグ「……悪いな、俺はここで」

シーフ「いってらっしゃいませぇ(裏声)」

盗賊「自分も、いえっ、私もここで……! あははは……」



< 「なんでぇ盗賊の、お前あのお嬢さんに色目使ってんだよ草食系男子かコラァ!」

< 「うるっさいですよゴリラ!」



< ギャー!ギャー!

令嬢「……」

ローグ「またこんな時間まで待っててくれたのか」

令嬢「野蛮な人達」ボソッ

ローグ「……え?」

令嬢「いえ♪ その通りですわ? ローグ様がお戻りになるのをずっと待ち焦がれていたのです」

令嬢「行きましょう? ローグ様は御疲れなのですから」

ローグ「ああ……」

ローグ(…………何故)

ローグ(さっきまでお嬢の光は位置的に屋敷に居たはず、だが声をかけられたあの時、既に居た)

ローグ(魔眼がおかしいのか……? 今は光は目の前の令嬢に重なっているが……)


276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 17:37:51.62 ID:Jxve+ZXNo

< ガチャッ

ローグ「余り俺の部屋は勧めないぞ、いつもの事だが」

令嬢「全然気にしませんわ♪ ふふ、何ですの? これ」

ローグ「その木箱は触るな」

令嬢「何か危ない物が?」

ローグ「ああ、耐性の無い人間が使うと方向感覚が狂う」

ローグ「前後不覚になりたくないだろ、お嬢」

令嬢「え、ええ……そうですわね」

ローグ「……」

令嬢「何か?」

ローグ「疲れてるせいか、いつもより綺麗だ」

令嬢「は、ぃ……っ!?」ビクッ

ローグ「どうした?」


令嬢「いえ……何も……」サッ


ローグ「…………?」

277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2016/12/20(火) 18:10:17.07 ID:Jxve+ZXNo

令嬢「コホン……それで、お休みになられる前にお話を聞かせてくれますか?」

ローグ「例の遺跡か」

令嬢「はい♪」

ローグ「(……?) …そうだな、あそこは生きてる遺跡だった」

令嬢「生きている?」

ローグ「俺が見た限りではな」

ローグ「最近、パーティーを組んだ奴の話ではどの遺跡もかつては高度な文明が生きていたそうだ」

ローグ「だが遺跡に共通しているのは、優れていたがそれは『戦い』においての話らしい」

令嬢「戦、ですか」

ローグ「ああ」

ローグ「人、或いは人外の者を破壊する事を最も効率化した上でそれらを操る為に生み出された存在」



ローグ「『機巧人形』、またの名を『自動人形(オートマータ)』」

ローグ「単数形でオートマトンとも言うらしい、古代文明で使われていた文字の解読で分かったそうだ」

ローグ「制作者は何と言ったか……確か、どの人形にも思考を司る部位の機器に書かれていたのが……」

278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/09(月) 09:33:29.42 ID:thHydc/Io

令嬢「あの、ローグ様……」

ローグ「ん?」

令嬢「それで、その遺跡が何故生きていると思われたのですか?」

ローグ「あぁ……」

ローグ「……戦いに関しては優れていたが、どうも生活面ではそれほどでも無かったらしい」

令嬢「……」

ローグ「埃が被ればそれを拭い、錆びれば磨く」

ローグ「食事を取るならば手に取り、自分の食べる場へ持って行く」

ローグ「あの遺跡もそれは同じでやはりその痕跡があった」

ローグ「話に聞いたのとは違い、明らかにあの遺跡は全ての機能が『生きている』んだ」


令嬢「まぁ……!」

279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/09(月) 09:45:41.66 ID:thHydc/Io

令嬢「それはつまり、あのっ! その遺跡にはまだ誰かがいて……しかも防衛機能や維持設備が残っているのですね!」ガタッ

ローグ「あ、ああ……そうなるな」

令嬢「それだけですか?」

ローグ「何が……?」

令嬢「もっと他に無いのですか、例えばプラントとか!」

ローグ「あったがあれは今後、国が管理するだろうからそんなに触れてないぞ」

令嬢「国が……ですか」ピクッ

ローグ「今日は報告出来なかったが、まぁギルドの方で上手くやるんだろうな」

ローグ「大丈夫だとは思うが、プラントについてはギルド員以外は他言を禁じられてる、秘密だぞ?」

令嬢「……」


ローグ(……?)

ローグ(どうしたんだ今日は)

280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/13(金) 12:34:15.17 ID:EzjvOYyYo

################


令嬢「もう大分、夜も深くなってしまいましたね」スッ

ローグ「ん、今夜は帰るのか」

令嬢「ええ、当然でしょう?」

ローグ「今まではいっそ泊まってたくせに何を言う」

令嬢「え? なっ……」カァァ…

ローグ「どうした」

令嬢「いえ……!」


令嬢「近くに護衛の者が来ている筈なので、送って下さらなくて結構ですからね!」フンッ


ローグ「この時間だ、俺も屋敷まで着いていく」スッ

令嬢「要りません!」

ローグ「っ?? ……そ、そうか? だが……」

令嬢「……」ジロッ

ローグ「…………分かった」

281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/13(金) 12:40:43.42 ID:EzjvOYyYo

< ガチャッ……パタンッ

ローグ「今日はどうしたって言うんだ」

ローグ(まぁ、一応見ていれば大丈夫だろうが)

ローグ(……お嬢の光はここを出て大通りの方へ……)

ローグ(…………?)ピクッ

ローグ(何だ? 今一瞬、屋敷の方で光が……まさか本当に俺の右眼がおかしくなったんじゃないだろうな)

ローグ(ん……お嬢の近くに一つだけ、いや一人か? 光が出てきたな)

ローグ(念の為、合流出来てるか見に行っておくか)スッ


282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/13(金) 12:47:58.58 ID:EzjvOYyYo


──────── タンッ


ローグ(よっ……と)スタッ

ローグ(お嬢は彼処だな)

ローグ(隣を歩いてるのが護衛か? 全身鎧……ただのプレートじゃないな)

ローグ(『騎士団』の正規装備、ミスリルアーマー……お嬢の護衛に何故?)

ローグ(まさか、俺の過去をお嬢が……)

ローグ(…………)


ローグ「彼女が俺を裏切るわけないな、帰って寝るか」ハァ


283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/14(土) 13:02:38.21 ID:c+blNpqTo




「仮面の妹君はこの通り無事だ」


    「あぁ! 良かった、本当に良かった……っ」

    「妹を、この子を救い出して下さって何とお礼を申したら良いのか……!」


「別に、タイミングが良かっただけだろ」

「相手の組織も俺と因縁のある奴等だったんでな、途中で引き下がる理由も無くなった」

「今後の自分の為に起こした行動だ、必要以上に感謝される事も無いだろ?」


    「なるほど、では最初にお話した通り報酬をお支払い致しますわ」

    「後でギルドに話は通しておきますので、後日それなりの評価がされるかと」


  「……姉さん」


    「なぁに? あなたは奥で休んでなさい」


  「私、ローグ様にお礼を……」


    「余計な事をしないで、それは私の役目よ」

    「勇敢なローグ様には私から報酬をお渡ししますわ? 後日また屋敷へ来て下されば……」


「今日は俺も疲れた、金に関しては明日で構わない」

「君も疲れただろ」



  「…………」





284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/14(土) 13:21:06.22 ID:c+blNpqTo

ローグ「…………」パチ

ローグ(夢……?)バサッ

ローグ(そういえば二年か、お嬢の妹を助けてから)

ローグ(屋敷へはよく行くが中に入った訳じゃないしな)

ローグ(あの冷たい仮面を着けた、妹君は元気にしてるのかね)

ローグ「ん……」ピタリ

< カサリ……


ローグ「手紙? 誰からだ」ガサガサッ


ローグ(辺境の町、鍛冶屋の紋……『師匠』からか)

ローグ(……内容は近況報告くらいか、律儀に俺なんぞに手紙を送らなくてもいいのにな)クシャッ

ローグ(あの女の事を思い出して頭が痛くなる)


285 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/15(日) 00:47:25.26 ID:1kN/kwrv0
ローグの手に渡るべきではなかった
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/16(月) 19:13:50.88 ID:B5KxdF8Jo


【馬車内】

< ガラガラガラガラッ


重鎧槍使い「目的地に着いたら真っ先に奥を目指すぞ」

斥候「だな、まだ情報も出回ってねえのに三人も来てやがるしな」

重鎧槍「おい手前ら! 探索中に邪魔したら只じゃおかねえからな!」

黒人モヒカン「そうだぜコノヤロウ!! 邪魔したらあれだからな、ケツに斥候の頭ぶちこんでやるからなオラァ!」

斥候「なんで俺なんだよ」



シーフ「何か言ってるぜ旦那」

盗賊「無視ですよあんなの、装備は良いみたいですし何処かの傭兵なんでしょう」

ローグ(面白い髪型だなあれ)

287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/16(月) 19:37:55.49 ID:B5KxdF8Jo


< 「っしゃあ! 盗賊職三人で探索出来たんだ、俺達で更に探すぞ!!」

< 「斥候!奥を頼んだ、俺ァ入り口を見てるぜ!」

< 「いやお前も来いよ」



ローグ「朝から五月蝿いな、アイツら」

盗賊「でも自分達は斥候よりも盗賊よりですからねー、自然と静かにしてしまいがちですから」

シーフ「冒険者ならあんなのが普通だよな」

シーフ「言っても、それで揉めて殴り合いまで発展するのがザラだけどな、くくくっ」

盗賊「それでどうしますか? 予想よりも人数は少ないものの、彼等も遺跡の奥を目指しているようですが」

ローグ「それなんだが……」

288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 08:40:24.55 ID:a4TCiUo8o



ローグ「…………というわけだ」

シーフ「細かい位置は旦那も掴めてる訳ではなく、いっそ奴等に先行させて様子を見る……ねぇ」

シーフ「悪くはないっちゃ……無いな」

盗賊「ダンジョンや遺跡での探索は早い者勝ち、いざという時は競争相手と戦闘になりますが、ちょっと危険ですよね」

ローグ「元々、俺は単独で動くのが得意だったんだ」

ローグ「自然と発想がそっち寄りになってしまうのは許してくれ」


シーフ「まー! 旦那が出来るってんなら俺達にも出来るだろ?」

ローグ「尾けるだけだからな」

シーフ「そんなら罠避けにもなるし、見取り図を見慣れた俺達なら奴等が足を止めても先に進めば良い話だしな」

盗賊「何でしたら途中まで協力するというのは」

ローグ「遺跡の機能を支配してる存在を、雇われのアイツらが俺達に譲るとも思えないが……」

シーフ「同感だぜ」

盗賊「そ、そうですか……」


289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 08:48:11.09 ID:a4TCiUo8o

################


重鎧槍「何か、えらく空気が澄んでるな」ガッシャガッシャ

モヒカン「ああっ! 誰か住んでるみてぇだな!」

斥候「そういう話をしてるんじゃないだろ……空気が綺麗だって事だ」

モヒカン「うるせー! ホモかてめぇはァァアッ!!」

斥候「お前がうるさいわ静かにしろトサカ頭ァッ!!」

重鎧槍「二人ともうるせぇええええ!!」ガッシャガッシャ





【物陰】

ローグ(何でアイツらあんなに騒いでるんだ……そもそも鎧の金属音が五月蝿いだろうに)

シーフ(大丈夫かなアイツら)

盗賊「どんちゃん騒ぎですね……」

290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 08:56:24.01 ID:a4TCiUo8o


【プラントエリア】


斥候「ここが例のプラントか、実物は久しぶりに見たが型は同じかね」

重鎧槍「端末は?」

斥候「プラントのターミナルなら施設内の見取り図にアクセス出来る、そこでデータベースからプラント先のエリアを調べよう」

モヒカン「俺は先に見てくるぜ!」

斥候「今の話を聞いてたか?」

モヒカン「おう! 重鎧槍と斥候がここでアクセスするんだろ?」

重鎧槍「気色の悪い把握の仕方だな……」

モヒカン「何かありゃ派手な音を出して逃げるから安心しろよ! 俺はプロだからな!」

斥候「お前のような奴がプロの傭兵なわけがあるか」


291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:10:38.27 ID:a4TCiUo8o

< カタカタカタッ…カタカタッ……

< ピーッ……カタカタッ…タンッ

斥候「どれ、データベースのハッキングは完了したぞ」

重鎧槍「どうだ?」

斥候「南側が第四司令室、その奥が緊急避難用出口となっている」

斥候「つまり俺達の入ってきた遺跡の入り口がそうだな、だが本来ならその先に脱出ポッドとかいうエリアが配置されている」

斥候「まー、何かあって崩れて通路の先が削れたのだろう」

重鎧槍「何百年前の事だか分からんしな、そんなものか」

斥候「それで、モニターのここを見ろ」

重鎧槍「……通路の途中途中に部屋があるのは、司令室だとして、プラントに続く通路と枝分かれして小さく伸びた部屋か」

重鎧槍「何と書かれているんだこりゃ」

斥候「システムクイーン、古代文字でそう書かれている」

斥候「恐らくあのもぬけの殻となっていた部屋に居たのが、この遺跡の秘密を握る何かだ」


292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:19:24.89 ID:a4TCiUo8o

< 「面白い、お宝探しらしくなってきたぜ」



シーフ「……おい、盗賊」

盗賊「こ、ここの施設の情報を見るだけでなく、古代文字が読めるなんて……ッ」

盗賊「彼は自分とは違いかなりのベテランです、少なくとも遺跡を幾つも発見した『東』の冒険者かと……」

シーフ「まいったな、横取りされちまうぜ」

ローグ「…………」

シーフ「旦那、どうする」

ローグ「……ちょっと静かにしててくれ」

盗賊「ローグさん?」


ローグ(……施設の『 中 』で何かが這いずり回っている……)

ローグ(…………)


ローグ「何か近付いてる、警戒しろ」

シーフ「!」

盗賊「近付いてるって……?」




< 「ッッ……ぁぁぁあああ……!!」



盗賊「!?」

シーフ「今のはモヒカン頭の声かぁ!?」


293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:28:18.06 ID:a4TCiUo8o


ガッシャッガッシャッ!

重鎧槍「モヒカンの野郎の悲鳴はこっちか……何がある!」

斥候「プラントから北へは第二司令室、その奥には見慣れない文字と共に『格納庫』と書かれていた!」タタッ

重鎧槍「チィッ、モンスターか!?」

斥候「有り得る! 施設が動いている上にギルド内部の潜入員の話が本当なら、警備ロボと初期調査の冒険者三人組がエンカウントしている!」

斥候「その扉の奥だ!」

重鎧槍「早く開けろ!」


< ピピッ……ガシュッ



───── キィィンッ ─────



斥候「えっ」



───────── ドドドドドドドドッッ!!!



294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:35:11.97 ID:a4TCiUo8o

< ドチャァアッ……!!


重鎧槍「…んなッ……!?」



< ガシャッ……カシャカシャッ!!

  ガシィンッ


機械虎【……】ガシィンッ…ガシィンッ…


重鎧槍「な、なな……何だ、こいつは…………」


機械虎【……】ピピッ

< ピタリ

機械虎【……武器を棄てなさい、さもなくば射殺します】


重鎧槍「…………ゴクリッ……」

重鎧槍(しゃさつ……? 殺すって事か? コイツも警備ロボの一体か……?)

重鎧槍(だが、武器を棄てれば勝算も生まれる! 接近戦ならばこちらに分がある筈だ)

< ガラァンッ!

重鎧槍「武器は下ろした、これでいいか?」


機械虎【宜しい】


295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:40:43.34 ID:a4TCiUo8o

────────── ドンッ! ドンッドンッドンッ!!


重鎧槍「ッ!?? 〜〜ッ……がぁあッ、ぁぁぁあああ!!!??」ドサァッ


機械虎【四肢の間接を撃ち抜いた】ガシィンッガシィンッ

機械虎【手足を動かそうとしても体内で溶けた弾頭が激しい痛みで動作を阻害する】

機械虎【痛いか】

機械虎【痛いだろう】


機械虎【さぁ来い、数十分は悲鳴を挙げられるだろう】ガブッ

重鎧槍「ひ、ひぃいっ!? い、嫌だ……! たす、助けてくれぇぇええ!!」

重鎧槍「うわぁあああああ!! うわぁあああああ!!」ズルズルズルッ



296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/21(土) 09:46:08.12 ID:a4TCiUo8o


ローグ「ッ……!」ギシッ……!!

シーフ(抑えろ、落ち着け旦那!)ガシィッ……

盗賊(今出ていっては殺されてしまいますよローグさん! ここは退きましょう!)ガシィッ……

ローグ「だが、俺ならあの重鎧の男を助けられた……!」

盗賊(自分達はあれに勝てません! 軍用の戦闘特化型オートマーター……機械獣です!)

盗賊(お願いです、貴方は戦えても自分は為す術なく殺されてしまいます……っ!)

ローグ「…………」



ローグ「……分かった、離せ」



297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/21(土) 20:55:35.14 ID:yEL78WLz0
おつおつ
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/02/13(月) 21:07:23.12 ID:OkXelHJBO
続きが気になる
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/02/13(月) 21:58:13.14 ID:X4OPR6Lo0
同じく
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 20:27:09.04 ID:EuwueZIno

ローグ「……コイツのギルドタグを持ち帰ろう」

シーフ「あぁ、遺体の装備品もグチャグチャに潰されてるしな」

シーフ「ひでぇ有り様だ、ただの機銃じゃねぇぞありゃ」

盗賊「電磁投射砲……あれは、それの連射が可能になったタイプです」

シーフ「デンジトーシャ砲? 聞いたこと無いな」

盗賊「自分が小さい時に奴隷商の人間が話していたのを聞きました」

盗賊「性能は冴えた弓兵よりも正確に、威力は『騎士』の一撃に等しい矢を放てるとか……」

シーフ「うへぇ……良かったな旦那がそれに滅茶苦茶にされなくて、一つ貸しだぜ?」

ローグ「……」

盗賊「…………ローグさん?」

ローグ「ん、すまない……もういい、退こう」

盗賊「?」

301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 20:39:25.66 ID:EuwueZIno

< ピピッ

< ビーッ

盗賊「……え?」

シーフ「どうした、早く開けてくれよ」

盗賊「すいません、今開けますから……」ピッピッ

< ビーッ

盗賊「……!?」


ローグ「何か問題が? 今さっきまで開いていた扉だろうに」

盗賊「分かりません……! あ、開かないっ」

シーフ「おいおい勘弁してくれよ? さっきのモンスターが戻ってきたりなんかしたら……」

盗賊「でも自分のPDAじゃ開かない! さっきまではパスコードがフリーになってたんです! こんな……こんな……!」

シーフ「うぉあっ! おい静かにしろバカ!」

盗賊「うぐ、すいません」

盗賊「でもおかしいんです、『東』の遺跡では確かにパスが変わってしまって閉じ込められたという話はありますが……」

ローグ「どういうケースなんだそれは」

盗賊「反対側のターミナルでパスを新規登録するとか……」

302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 20:45:22.43 ID:EuwueZIno

ローグ「……まさか扉の向こうに誰かいるのか」

シーフ「匂いで分かるだろ?俺達とあの三人組パーティー以外に遺跡には来てないぜ」

ローグ「…………」

ローグ(『見る』限りでは他の人間は見えない……どうなってる)




  ピリリリリリリッ!!



ローグ「!?」ビクッ

シーフ「何だぁ!?」

盗賊「これは……施設内の警報? そんな馬鹿な、どうしてこんなものが……ッ」


ローグ「!」ピクッ

ローグ「盗賊! 伏せろ!!」

盗賊「え?」


303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/03/04(土) 21:36:06.17 ID:kBzvy4D0o
来たか
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/04(土) 22:27:06.37 ID:EuwueZIno

────── ギュィィインッ・・・!!


盗賊「……??…………?!」

盗賊「ローグさん……? 今の音はいったい……」


< ドチャッ

盗賊「!?」

シーフ「ッ……ッ、ッ……」ビクッビクンッ……プシャァアッビチビチッ

盗賊「ひっ……〜〜ッ!?」
    < ガシッ

ローグ「掴まれ!」バッ


───────── ギュィィインッ!!
< ジュゥゥゥッ・・・!


盗賊(何、あれ……鋼鉄の床や扉が、赤く光って斬れてる……!?)

ローグ「口と目を閉じてろよ……ッ」ズサァァッ

ローグ(…………来る……!)バッ

< ギュィィィッ!!

ローグ(どういう原理か魔法か知らないが姿を消してるのか、あの機械獣)ズサァァッ

305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/03/05(日) 03:12:28.89 ID:YttSDk8go


─── 【目標、此方を視認可能】 ───

─── 【部隊長へ報告】 ───

─── 【侵入者が武装する中にフォールン因子を確認】 ───

─── 【これより……】 ───



機械狼【……第四通路警備隊、交戦開始】ヴンッ

機械狼B【指揮官機へ応答、了解】ヴンッ

機械狼C【了解】ヴンッ

< ヴンッ・・・!


< ガシャガシャガシャァッ

  ゴォ ──────ッッ!!



機械狼【全機、近接戦闘に移行せよ】ガシィンッ

機械狼【人間というだけでなくフォールンの関係者ならば是非もない、殺す】




【【【 殺す 】】】



306 :>>1 ◆3Jh764FmrU [saga]:2017/04/11(火) 10:39:23.90 ID:v4DmvJe40
途中でストップしてしまっている状況で、申し訳ない。
私生活が異様に忙しいのもあってこちらを進めるのが遅くなっています。

先日からなろうで『魔剣ノ君』というタイトルでこのスレの小説化していますので、多分いないとは思いますが待っている方がいたら気が向いた暇潰しに見てみて下さい。
ほんの少しですが世界観を地の文で説明していますので……

メラスレも2レス文しか書けてないのに……
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/11(火) 12:01:22.62 ID:GpSRLX8o0
待ってる
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/11(火) 22:23:53.29 ID:/oIZSDnto
>>306
メラの方にも生存報告しといたほうがいいと思う
あっちはいつ処理されてもおかしくない状況だし…
309 : ◆3Jh764FmrU [sage]:2017/04/12(水) 01:22:30.52 ID:uAJpZ1Ml0
ありがとうございます、念の為生存報告しました……
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/04/23(日) 11:52:22.96 ID:sHz630/7O
メラスレも貴方だったのか舞ってる
311 : ◆3Jh764FmrU [saga]:2017/05/02(火) 17:39:14.81 ID:39BJ22Jm0
生存報告と同時に、此方のスレについて。

なろうで投稿を始めた方で遂にこっちの内容に追い付いてしまいました……
このままだと今夜にスレの続きを書いていく事になりそうなので、そうなるとどうなのだろうと未だに悩んでおります。
悩みつつも、とりあえず晒しても問題なさそうなので晒しておきます。

タイトルはなろう仕様という事でご容赦を……
『魔剣ノ君』
http://ncode.syosetu.com/n4914dx/

現在投稿されている分は全て此方のスレの内容に拙いながらも地の文を付け加えた程度になりますので、宜しくお願いします。
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 09:04:43.73 ID:8P9YNBkzO
もうそっちでやればいいじゃん
このスレ捨ててさあ
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 12:46:19.23 ID:8QVcCLrtO
はっきり言ってなろうで投稿したいんでしょ?
もうここで投稿したくないならさっさとなろうで投稿したらいいじゃないですか。
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 16:28:13.94 ID:u+BnhFtKo
なろうはどうでもいいからこっちの続きはよ
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 17:46:06.69 ID:HXq8IkWBo
そこまで追っかけて読む気もしないしね
やらないならやらないでいいよ
お疲れさま
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/03(水) 20:21:23.96 ID:UyLufQtlO
なろうは知らないけど>>1のスレは好きだし続けてくれると嬉しい
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 13:47:20.29 ID:h7xwLg1YO
こっちでやらないならエタったのと一緒だから宣伝用に残すとかしないで宣言して終わってほしい
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 13:58:17.61 ID:ELmqwPkxo
こっち辞めてなろうで書きます!って言われてもなろうで読まないからこっちも書いて
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 19:06:41.32 ID:HxvOnBr10
むしろなろうやめてこっちで書け(暴論
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/05/04(木) 22:47:34.13 ID:VVIvok6uo
>>1の好きにしたら良い
読みたい人は追いかけるし、それなりの人はそこでやめるだけのこと
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/07/24(月) 09:10:58.60 ID:OY8BOP2O0
はよ
322 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/02/27(水) 06:12:18.95 ID:0+d0f1pD0


< ギャギャギャアアァッ!!

    ガキィンッ! >

ローグ「盗賊、投げるぞッ」

盗賊「投げ……っぇえ!?」

ローグ「手を伸ばせば大丈夫だ、行け!」バッ

盗賊「ぅ、わぁー!?」

< ガシィッ!!

盗賊(……! これは、天井にあった通風孔?)ギシッ

盗賊(ローグさんは……!?)チラッ



機械狼【ガァアアッ!!】ウィンッ

ローグ「シッ……!」ギィンッ!!

機械狼B【「伏せて下さいローグさん!」】ヴンッ

機械狼C【「跳べローグ! そっちはあぶねぇ!」】ビュォッ


ローグ「ッチ、ィィ……盗賊とシーフの声真似を……ッ!」ヒュカッ

< バギンッ!! ガガガガッッ!!

           ギュィィィンッ
       ズドォオッ!!         ガギィッ!
    ガリガリガリィィッ ドゴォッ ヴンッ!!

 ギャリィンッ!! ズンッッ!   

     ヒュカッッ    キィンッッ!!

機械狼【……ッ、馬鹿な……】バヂバヂバヂィッ


< ボゴォォォンッ!!


323 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/02/27(水) 06:30:50.45 ID:0+d0f1pD0


盗賊「つ……」

盗賊(……強すぎる。人間業じゃない、人の体躯の何倍もある鋼の機械獣を相手に一歩も退いてない!)

盗賊(以前、王都で『騎士』の演習を目にした事があったけど……)

盗賊(どう見てもローグさんは騎士級の機動力と膂力を持っている、それどころかあの抜いた剣……彼が振るう度に魔力が周囲に吹き荒れてる)

盗賊(あれなら、多分……)


機械狼C【指揮官機の大破を確認、これより当機が代理指揮を執る】ガシャァッ

機械狼C【敵の装備はこちらからの対物干渉を跳ね除ける。全機中距離射撃戦闘へ移行を……】


ローグ「ッ……! 穿てッ!!」キィンッ

< ギュォオオオ!!

ローグ「爆ぜろォッ!!」バッ


機械狼D【標的捕捉、アタック】ガシャン



─── ギュィィインッ!!



324 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/02/27(水) 09:15:50.87 ID:0+d0f1pD0


  ッッドゥン!!──

ローグ「……これが魔力に依る物じゃない事は盗賊から聞いている」フォン

機械狼D【理解不能】

ローグ「だろうな」ヒュカッ

< メキャァアッ!
     ボゴォォォンッ!!


機械狼B【フォールン因子を含む精製武装……】

機械狼C【代理指揮機へ提案。敵勢力の危険度は既に我々の対応値を遥かに上回っている、撤退を要請する】

機械狼E【当機も撤退を推す】


ローグ「逃がす──かッ!!」ビュンッ


 ────ッドォ!!!


機械狼B【……イヤ、だ……】バヂバヂィィ

< ボゴォォォンッ!!


機械狼E【……!】


325 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/02/28(木) 15:05:31.71 ID:Q40Qr0eU0


盗賊(あの鋼鉄の機体を、一太刀で……!)

盗賊(それだけじゃない。ローグさんの魔剣から迸る魔力が物理的に矢避けになってる)

盗賊(光線兵器すら弾いて剣撃を放つ……そんな魔剣をどうして彼が?)


機械狼E【グルルゥッ……!】ギャンッ

盗賊「えっ?」グイッッ


ローグ「しまった、盗賊……ッ!!」ヒュァッ

機械狼C【ガァァッ!!】ガギィッ

ローグ「……っく、邪魔だ!」

<メキメキメキィィッ

機械狼C【がッ…


< バギバギッ……メシャァッ!!


326 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/03/01(金) 08:17:36.43 ID:8b7uK8aL0


ローグ「盗賊!」バッ

ローグ(しまった、盗賊を連れ去る事を想定していなかった自分が憎い……)

ローグ(盗賊の微かな残り香を追う事も出来るが、この先はまるで手掛かりが無い)チャキッ

ローグ(どうする……?)



──── ォォ・・・



ローグ(考えていても始まらない、今は動くべきだ)

ローグ(殺さず、わざわざ連れ去ったという事は何らかの意味がある筈。生きている可能性は高い)ザッ

< 「無暗に動かない方が賢明だぜ! ブラザー!」

ローグ「!」バッ

モヒカン「よぉ」

ローグ「お前は……機械獣に殺されてなかったのか」


327 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/03/02(土) 12:11:03.83 ID:Bao3s6RF0


モヒカン「おうよ! 俺は不死身だからな!」ムキッ

ローグ「……自分の仲間が死んでいる間、お前は何を?」

モヒカン「隠れてたんだよ。ちょちょっとそこの通路脇にある陰で隠匿の魔石で姿を消してたのよ」

ローグ「魔石だと……?」

ローグ(アーティファクトの中でも手に入り難い品だ。ましてや俺の『眼』に映らない事が可能な物なら)

モヒカン「おーいおいおいおい?? なにジロジロ見てんだ俺の尻の穴嗅がせるぞ!?」

ローグ「やめろ」


モヒカン「ダッハッハッハァッ!! んで、どうすんだよ!」


ローグ「……どうするとは」

モヒカン「お前あれだろぉ? さっきのシーフ職の仲間だろ」

モヒカン「で、助けに動こうとしたんだろ! そうだろ! な!」

328 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/03/02(土) 12:29:47.59 ID:Bao3s6RF0


ローグ「何が言いたい」

モヒカン「少し手助けしてやれるぜ」

ローグ「……仲間を見殺しにするような奴の言う事が信用できるとでも」

モヒカン「だが情報に関しちゃ文無しのお前より、俺はもっとマシだって話だ」ポイッ

< パシッ

ローグ「これは?」

モヒカン「ここにはまだまだ先がある。俺達の足下にもな」

モヒカン「そいつはお前たちが解放した『棺の中身』を示してんだ、地下のマップを簡易表示して導いてくれるシロモノだぜ」

モヒカン「原理と出処は聞かないって条件で貸してやるよ!」

ローグ「……なに」

モヒカン「どした? ホレ、お仲間助けに早く行かねえと手遅れになっちまうぜ!」


ローグ「……」

ローグ「考える時間が惜しい。感謝する」

329 :GM ◆foefwLFvo6 [sage saga]:2019/03/02(土) 12:35:45.59 ID:Bao3s6RF0

──ダダダダッ……!!


ローグ(あの男、俺達が箱の中身に干渉した事を知っていた?)

ローグ(先日の調査はギルド側が極秘にしていた筈、俺達の事は公開されている筈も無い)

ローグ(それに……あの男の仲間は知っていたのか? 奴に隠匿の魔石という、魔眼すら退けられる高性能の魔具があることを)

ローグ(知っているならばああまでして助けに行こうとはしない)

< タタタッ!!

ローグ(そして、最初に聞いた悲鳴は奴の演技だった事になる)

ローグ(仲間と、後方から尾行していた俺達を誘き出す為に)

ローグ(順当に考えるならば、これは罠だが)


ローグ(俺の魔眼に奴の嘘は映らなかった)


330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/05/06(月) 23:10:37.69 ID:vYjh7a+60
再開したんだね。応援してます。
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/06(月) 23:17:10.93 ID:DblBVYWgO
いいね
332 :GM ◆3Jh764FmrU [sage saga]:2021/10/05(火) 05:48:31.78 ID:GxpZ8z3t0
どうせ見てる人もいないというか長く放置していたし、再構成しますかな
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/07/07(金) 21:25:04.91 ID:OygWPrZnO
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