【モバマスSS】Feel Invisible(仮)

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1 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 10:54:43.83 ID:UFC3q0kH0
Rの界隈の皆様初めまして。
この小説にはごく一部、過激な表現が含まれております。
全年齢か悩みましたが、こちらで投稿させていただきます。
これくらいなら、というのであれば、全年齢にも投稿しようと思います。
では次レスからスタートです。
2 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 10:55:31.60 ID:UFC3q0kH0
「何者だ?我の目覚めを妨げるものは?」


 地響きとともにどこからともなく聞こえる声。男性的な声で威厳のある低い声。


「お、お前を倒しに来た!もう、お、お前の好きにはさせない!」


 小梅は震える声で誰もいない空間に言い放つ。


「ほう。随分な口のきき方だな。小娘。お前にどの程度の力があろうとも、私には勝てまい。そう思ってしまった罪、その身を持って味わうが良い……」


 さらに揺れが強まり、地面から湧き上がるように一人の人間と、四足の獣が現れる。


 人間は、背はそれこそ成人男性と同じくらいの背だが、白い布を左肩から全身を隠すように身に着けている。やや縮毛かかった茶色の髪。素足と言ったいでたち。そして目は不審な、けがらわしいものを見るように細く小梅をねめつける。


 動物は、牛のように腹回りが太く金色の角を持つ。体毛は薄い灰色が短く生えている。目つきが鋭く赤い目で、馬のように今にも飛びかからんと地面を蹴っている。


「あ、あれが神……」


 小梅の隣にいる美鈴は息を飲んだ。


「貴様は我をどういった認識で見ていたのだ?――ふむ。もっと偉大で父性を感じるような人物か。すまぬな。ご期待に応えられずに」


「こ、こいつ!あたしの頭を……!」


「我を誰だと思っている?全知全能なる神!愚かで矮小な人間一人の思考も覗きこめず何が出来る?ちなみにお前は我と対峙するのを恐れているな?」


「そ、そんなことはないっ!お前なんか、絶対に滅ぼしてやるんだっ!」
3 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 10:56:21.44 ID:UFC3q0kH0
 美鈴の言葉に紙は声高らかに笑う。


「無駄な繕いはよせ。お前は立っているのもやっとであろう。その証拠に、ほれ。脚が震えているぞ?本当は逃げ出したくてしょうがないのだろう?」


 小梅は美鈴を見る。顔こそ噛みつかんとばかりに睨みつけているが、それを支える両脚は震えている。


「怖気ついて逃げ出すなら、今のうちよ?充数えてやる。その前に尻尾を巻いて逃げ出せば、敵として見ぬ。行くぞ?一つ。二つ――」


 神のゆっくりとしたテンカウントが始まる。


 ――大丈夫。小梅と美鈴の力を合わせれば、必ず奴に勝てるわ。


 あの子の声に小梅は小さく頷き、それが聞こえる美鈴も大きく深呼吸をして両手の拳を力強く握る。


「十!――ふむ。まだ逃げ出しておらんのか?小娘は我を恐れぬか?」


「お前を滅ぼす!」


 力強く言い切った小梅を、神は今まで以上の威圧感で睨みつけ、笑みをこぼす。


「これより待つ責め苦を、お前の持つ身で味あわせるとなると、楽しみで仕方がない……。泣いて許しを請わぬようにな!」


 神は宙に浮きながら小梅に突っ込む。右手で小梅の首を掴もうとしたが、すぐにサイドステップでかわし、護符を投げつける。青白い炎をまとったそれは神の身体に命中し火だるまにする。


「くっ!猪口才な!」


 左手一本で身体の炎を吹き消す。


「マジかよ……」


「これくらい出来ぬ神なぞ神ではない!」


 今度は美鈴に向かって突進する。そのまま動けない美鈴を見て神は笑う。
4 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 10:57:24.91 ID:UFC3q0kH0
「小娘!お前の実力は所詮こけおどしにもならぬか!」


 首に向かって右手を付きだした瞬間、美鈴の右手に持ったスマートフォンが黄色く光った。


「ぬ!この光は……!」


「こっちだって無策で来たりしない!お前の弱点は全て分かっているんだぞっ!」


 黄色い光を受けて神は両手で顔を隠す。


「貴様ら、一体それをどこで?それはとうの昔に封印されていた技術!我がそれを持つ一族を根絶やしにしたはず……!」


「その根絶やした一族の生き残りだっ!お前に殺され、責め苦で廃人になりながら死を待つだけの御先祖様が、残した技術だっ!」


 ようやく手で覆っていた顔を露わにすると、その表情に先程までの余裕はなく、殺気に満ち満ちていた。


「くっ……。油断した……。生きるだけしか価値のない人間ごときが、我に楯突こうというのか!」


「お、お前の絶対的な独裁は、もう終わらせる。悪霊を支配するお前を、滅ぼす……!」


 小梅の言葉を聞いた神のしわがさらに険しくなる。


「お前のその言い回し、聞いたことがある。お前も我が殺した一族の末裔か!」


「わ、私は違う。でも、おまえを倒すと誓った人がいる……」


「くそっ!人間ごときが!来い!テオス!」


 神はテオスと呼ばれた四足の獣を呼び、小梅に向かって突っ込ませる。早いがただ一直線に突っ込むテオスを簡単によけようとしたが、よけようとした直前にテオスの姿が忽然と消える。


「えっ……?」
5 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 10:58:53.75 ID:UFC3q0kH0
 消えたテオスの姿を見つけるため四方を見渡すがどこにもその巨体は見つからない。


「どこを見ておる?」


 神の声でハッとした小梅は上を見上げる。視界一杯に広がるテオスの巨体が小梅の身体を押しつぶした。


「小梅っ……!」


 土煙で前が見えない美鈴は、小梅の名前を叫ぶ。ようやくそれが見えると、テオスの巨体が小梅の身体を仰向けにしてを押しつぶしていた。


「だ、大丈夫……!まだやれる……」


「さて、お楽しみの時間だ」


 神は宙に浮きながら小梅を勝ち誇った表情で見下す。


 その直後、神から二本の管が伸び、テオスのせいで身動きが取れない小梅はなすすべもなくその管が小梅の鼻の中への侵入を許してしまう。


「な、なにをする気だっ!この変態っ!」


「貴様はどこまで耐えきれるかな?」


 管の中から黄色い液体が流れ込む。それは徐々に小梅の鼻に近づく。


「止めろ……。やめろぉ……!」


 美鈴の叫び声にも液体は止まらず、手で引き抜こうとするが管は全く動かない。


「大人しく見ておれ。下衆が」


「があっ!」


 神の平手打ちを食らい美鈴はその場に倒れ込まれる。


「ああああ……!」
6 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:00:12.22 ID:UFC3q0kH0
 液体が小梅の鼻の中に入る。異物の侵入を許し、体外に出そうと小梅は抵抗するが、テオスの巨体はピクリとも動かず、液体は次々と彼女の体の中に入っていく。


「いいぞ!もっと叫べ!もっと絶望しろ!我をこけにした罪、その身体で贖わせてやる!」


「ああああああああ!」


 鼻から入ってくる液体は小梅の身体に蓄積していくが、その液体の出所がない。身体は押しつぶされただでさえ小さい小梅の体積をさらに小さくさせている。


「あ、あ、あ……」


 叫んでていた声もか弱くなり、声を出すこともままならない状況になっている。


「小梅っ!小梅っ!しっかりしろ!」


 今にも白目をむきそうな小梅に向かって美鈴は意識を保たせようと叫び続ける。


「もう限界だな。その小さき身体ではこの量が限界か。最後だ」


 男が指を鳴らすと、それまでゆっくり流れていた液体が速度を上げて小梅の身体へ侵入する。先ほどとは入ってくる量は段違いで、今までの三倍強の量が小梅の鼻から胃へ流し込まれる。


「うぼおおおおおおおお!」


「ははは!良いぞ!実に良い!力なきことは罪!お前はその罪を身を持って味わったのだ!」


 流し込まれた液体は小梅の身体の容量をオーバーし、出所を求めた結果、口から大きな弧を描いて液体を吐き出す。それらは大きな水たまりを作り一面を液体まみれにさせるほどの量だった。


「小梅っ!小梅っ!」


 鼻に通されていた管が消え、テオスの巨体が離れ、ようやく自由となった小梅だが、華奢で小柄な体格の小梅には異様と言える腹部のふくらみが残っていた。そして今も口と鼻から液体を吐き出している。


「これくらいで終わったと思うなよ?と言いたいが、このまま死なれてはつまらぬ」


 神はもう一度指を鳴らす。すると小梅の腹部のふくらみは消え、液体にまみれた地面は一瞬のうちに消え去った。


「あ、あれ……?私は……?」
7 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:01:22.32 ID:UFC3q0kH0
 異物が消えたことにより小梅は意識を取り戻しゆっくりと身体を起こす。


「お前は、神の野郎の拷問を受けて気を失っていたんだ……」


「記憶はあるぞ?受けとれい」


 もう一度神が指を鳴らす。すると先程受けていた拷問の俯瞰が小梅の脳に入り込んだ。


「あ、あああああああ……!」


 それを見て小梅は青白い顔をさらに青白くさせてその場に座り込んだ。


「良いぞその絶望。その表情!もっと我を愉しませろ!貴様らの苦痛と切望こそが我の最高の愉悦なのだ!」


 高笑いする神の声に、美鈴は野獣のような眼光で睨みつけた。


「ふむ。貴様にも受けさせてやらねばならぬな。その技術、二度とこの地で、地上にて使われぬよう封印に封印を重ねて沈めてやらねばな」


「うるさいっ!黙れえっ!」


 美鈴は目にもとまらぬスピードで神に接近しスマートフォンを出して光を浴びせる。


「バカの一つ覚えが……!」


 すぐに手で光を遮り、顔を光から背けて直撃を避ける。しかし、異変にすぐに気付いた。


「この光はっ……!」


 すぐに手を払い顔を上げた瞬間、


「ぐわああああああああ……!」


 本命である退魔の光を至近距離からの直撃を受ける。


「へへんっ!馬鹿だってきちんと頭を使っているって証拠だっ!小梅の分まで食らいやがれ!」


「があああああああああああああ!」


 小梅の護符で四肢の抵抗を失った神は、その光を受け続けた。
8 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:05:20.26 ID:UFC3q0kH0
 ――今よ!あいつの力が弱まっているうちに使い魔を!


 あの子の助言で小梅が動き、たじろっている一瞬の隙にテオスの体中に護符を張り付ける。


「んも!んもおおおおおお!」


 青白い光がテオスを包み、消え去った。


「この……!小娘の分際が……!」


 力で護符を打ち破り、腕で美鈴の身体は薙ぎ払われたが、地面の直撃は小梅が受け止めて避けることが出来た。


「これがあたしたちの力だ!」


 完全に形成を五分、それ以上に戻した美鈴たちは余裕の表情に、片や余裕だったはずの神が劣勢に追い込まれていた。


「小娘だと甘く見てしまっていたな……。その力、我を滅するに十分に値するとみた……」


「へっ!今更気づいたって遅いんだよっ!――小梅この調子であいつを」


「調子に乗るな!」


 神の一喝で小梅と美鈴の身体が止まってしまった。しかし、それに二人も気づいていない。完全なる時間停止。それは物理法則すら歪める神の御業だった。


「小梅!――どうして離れているんだ?」


「それは我が本気を出したにすぎぬ……」


 神の声が上から聞えたことで、初めて美鈴は今の状況に気付いた。暴れようとしたが、四肢は拘束され抵抗できない。


「お前、どうやって……!」


「神の御業をもってすれば、物理法則すら歪める。時間の停止すら、容易い……」


「美鈴ちゃん!」
9 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:06:31.64 ID:UFC3q0kH0
「小娘ぇ!取引だ。今から十数える。今からこの娘に拷問をかける。お前が受けたものよりもさらに激しいものだ。貴様らの末裔だか何だか知らぬが、死んだ者はすべてこの拷問を受けた。お前が受けるか、この娘が受けるか選ばせてやる!」


 カウントが始まった。


 ――ねえ。その拷問って何?


 小梅はあの子に問いかける。


 ――あれは強烈な光を脳に焼き付け続けさせるもの。暗い部屋で強い光刺激を受けた人間が吐き気や頭痛を訴えるんだけど、それはそんな生易しいものじゃない。五感全てに刺激を受けるの。私もそれを受けて全てを失ったわ……。


 ――死んじゃう?


 ――分からない。良くてももう一生、口も目も耳も聞こえない、ただ生きているだけの廃人。それこそ死んだ方がましというその時の映像だけが鮮明に浮かぶだけ。苦しんで苦しみぬいた末、発狂しながら息絶える。


 あの子の話を聞いて、小梅は震え上がる。そんなものを食らってしまえば、もう人として生きてはいけなくなるものだ。


「七つ!八つ!」


「小梅ぇ!そんなちんけな拷問!あたしが受け切って見せるさっ!」


 美鈴は笑みを浮かべて軽口を叩いているが、その表情は薄っぺらい笑みで恐怖が支配していた。


「九つ!とお――」


「私が!私が受ける!」


「小梅!」


 その言葉を聞いた神は美鈴の身体と小梅の身体をワープさせた。
10 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:08:23.09 ID:UFC3q0kH0
「始めからそう言えばよいものを……。まあ、良かろう。死よりも苦しく、絶望という単語すらも浮かばぬように苦しみ、苦しみぬいたうえで死ぬがよい」


「小梅え!」


 美鈴が今にも泣きそうな表情で小梅を見ていた。


「美鈴ちゃん……。大丈夫。戻ってくるから」


 笑みを浮かべて美鈴を見た瞬間、視界がなくなり、五感をすべて失った。無重力状態で無限の闇を漂っている。


 次の瞬間、強烈という言葉すら生ぬるい光が小梅を襲う。光の刺激は眼球を通って脳に伝わり感覚として生じる。それが強すぎると体調不良を引き起こす原因になる。今小梅が受けているのは脳に直接強烈な光の刺激を与え続けている。簡単に言えば光過敏性発作を起こすよりもさらに強く永続的に受けている状態だ。


「……!」


 人間の受け切れる刺激のはるか上の刺激を浴び続け、脳の回路が焼き切れ言葉すらも浮かばず四肢はブランと垂れ下がった状態である。


「小梅っ!小梅っ!こうめーーーーーー!」
11 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:11:00.70 ID:UFC3q0kH0
 ――それから一か月が過ぎ去った。


 小梅は生きていた。あれだけの刺激を受け続けたにもかかわらず一命は取り留めた。医者からもなぜ生きているのか分からない。と言わしめるほどだった。


 だが、生きているという言葉は同時に見ている物に絶望を落とし込んだ。小梅の姿は焦点が定まらず、言葉は吃音だけを力なく発し、口は開きっぱなし。言葉にも光にも音にも反応しない。意識のない植物状態ではなく、意識はあるがもう人間として生きてはいない状態だった。生命維持装置で何とか持っているようなものだ。


 小梅は背もたれにもたれかかり、太陽の光を浴びているが、それは全く意味がない状態だ。テーブルには幼児用の視覚問題のカードが置いてあったが、全く手つかずだ。


「小梅。今日も元気そうだなっ!」


 美鈴が制服姿で現れる。


「今日も悪霊が現れたよ。もう毎日酷い有様だ……。あたしたちが何とか頑張ってるけどさ、全然間に合わない……。被害は増える一方だ……」


 暗い話でも小梅は全く反応しない。話も聞けない状態だ。


「で、でもな!良いニュースがあるんだ!お前とアタシが戦ったあいつがさ、高校入学したんだよっ!この前、挨拶に来てくれてさ、『これからは誘惑に負けないように頑張ります』ってさ!長年こういう仕事やってるけどさ、こう言ってもらえると嬉しいよな!」


 明るい話でも小梅は全く反応しない。


「…やっぱりあたしたちだけであいつに立ち向かったのって、無謀だったのかな?」


 ――そうだ。ようやくそのことに気付いたか愚か者め。


「!」
12 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:11:53.40 ID:UFC3q0kH0
 美鈴は気配に気づき、病室の隅の天井を睨みつけた。手にはスマートフォンを持って。


「人は愚かだ。尊大な神の力を知らずに、どうして戦おうとする?知らぬからだ。無知だからだ。だから、お前たちは同じ過ちを繰り返す。過ちと気づくころにはもう遅すぎるがな」


「あたしたちが倒せなくても!あたしたちの子どもが!」


「経験談を聞かせてやろう。お前たちは忘れる。お前がいくら神の畏怖を子孫に残したところで、その身に受けてない子孫はそれを信じないだろう」


 ――小梅。聞こえているかしら?


「知らぬからだ。それがどれほどのものなのかを。だから、人は同じ過ちを繰り返す。お前の子孫も今の小娘の姿になる。それは抗えぬ未来の画だ」


「うるさい!小梅が倒せなくてもアタシがっ!」


 ――私の力をあなたに授けます。


「それにもう一つ。最近霊の活動が活発になってきておるだろう?もう不毛な争いは止めようではないか」


「おまえ、まさかっ!」


 ――あなたが気づくころには、もう私の声は聞こえないでしょう。


「そうだ。この現世にいる人間には死んでもらう。この世界は我々のものになる」


「ふざけるな!小梅がいなくても、アタシもが、他の仲間がいる!お前の望むままにはさせないっ!」


 ――でも、それは別れではありません。あなたと共に生きるということです


「最近の犠牲は人間は百万単位。それに仇なす者も死んでいる」


 ――さあ、再び目覚めなさい!ネクロマンサー!
13 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:12:46.35 ID:UFC3q0kH0
 小梅の指が動く。目が見える。風の音が聞こえる。美鈴が言い争っている。テーブルに置きっぱなしの視覚問題がある。ご飯は、白い。


「頑張ってみろ。その力でどこまで頑張れるか。せいぜい私を愉しませて――」


「その必要はないわ」


 この言葉に美鈴と神は驚いた。ここにいる人物は全部で三人。だが、言葉を話せる者は二人しかいない。


 いないはずだった。


 目の前に小梅の姿があった。一か月前に責め苦を味あわせ、廃人となったはずの少女が目の前で、冷たい表情で見つめられていた。


「な、なんで!どうしてっ!あれを受けてそんな目をした奴は誰ひとり……!」


「私は、一人じゃない。あの子と私。二人で白坂小梅なの」


 美鈴が呆気にとられている間に、神の身体は護符にまみれ、身動きが取れなくなっていた。


「んーーー!んーーー!」


「今までの苦しみ、その身を持って味わいなさい」


 指を鳴らした瞬間、青白い炎が光となって、


 儚く散った――
14 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:13:32.38 ID:UFC3q0kH0
エピローグ


 あれから。悪霊による被害報告は目に見えて減っていった。悪霊をつかさどる神が消え、統率力も増長させるものも消えた悪霊たちに対し、奇跡の復活を遂げた小梅を知った仲間たちがそれに呼応し、数でこそ押されていた状況を見事に盛り返すほどになっていた。


 だが、まだまだ悪霊の仕業は後を絶たない。だからと言って絶望してはいけない。


「きゃあ!」


 ――お前の身体をいただくぜぇー!


 あなたのそばには仲間がいる。そして――


「消えなさい。悪霊」


 ――なんで!どこに?うぎゃあ――


「もう大丈夫よ」


「あ、ありがとうございます!あ、あのお名前は?」


 あなたの近くに悪霊を許さないネクロマンサーがいる。


「白坂小梅……。ネクロマンサーよ」


 白坂小梅がいる。
15 :オリP [saga]:2016/11/06(日) 11:14:39.77 ID:UFC3q0kH0
以上でございます。
こういう系統(バトル・グロ?)のSSを書くのは初めてだったので、いろいろ教えて頂けたらと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 12:10:08.46 ID:PBMOQMJho
形容詞
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/06(日) 23:23:44.24 ID:KsqPyPZBo
えっちな拷問だと思った私の心は汚れていた
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2016/11/07(月) 17:01:15.68 ID:4qgiTSCvO
この英語力よ
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