【アイマス】春が来たなら

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181 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:08:48.82 ID:VR69VCnVo

春香ちゃんが、こちらを元気づけるように見つめてから

頑張ろ、と声をかけてスタンバイに入る。

一瞬、昨日の感覚を思い出してドキドキしてしまった。

やがて曲のイントロが静かに流れ出す。
182 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:09:23.65 ID:VR69VCnVo

春香ちゃんのあとに私のパートが来るんだよね…。

音程外さないようにしなきゃ、しっかり声出さなきゃ…。

そんな事で一杯の私の心に、歌い出した春香ちゃんの歌声がふと入り込んできた。
183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:10:21.12 ID:VR69VCnVo

愛の想いを歌った優しいラブソング。

春香ちゃんの想いが乗せられているような暖かさ。

まるで、私に語りかけてくるよう。


…そうか。

何も難しく考える事なんて、なかったんだ。
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:11:14.21 ID:VR69VCnVo

私もそれに答えるように歌い出す。

会話に答えるように自然に。

こんなにリラックスして歌うのなんて、初めて。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:11:50.60 ID:VR69VCnVo

春香ちゃんが話しかければ私が返す。

私が話しかければ春香ちゃんから返ってくる。

いつもの、遊びにいって楽しく交わす会話と変わらない。
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:12:29.90 ID:VR69VCnVo

サビに入り、二人で共に今の気持ちをのせて歌う。

春香ちゃんの気持ちが伝わってくる。

私もそれに答える。

暖かで強い春風が吹いているよう。

私はそれに乗って空を飛ぶ気分。

ああ、歌って、こんなに気持ちがいいものだったんだ。
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:13:18.29 ID:VR69VCnVo

夢中になって歌う内に、やがて曲は静かに終わっていった。

ああ、もっと歌っていたい。

曲が終わるのが残念なんて、こんな気持ちになったのは初めて。

私は心地よい余韻にひたっていた。
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:14:20.14 ID:VR69VCnVo

「…?」


私はふと異変に気づいた。

スタジオがシーンと静まり返っている。

いつもならスタッフさんのOKでーす、またはカットでーすという声が

すぐに響くのに。
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:15:32.38 ID:VR69VCnVo

パチ…パチ…


戸惑っていると、スタッフさんの一人が拍手を始めた。

そして…。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:16:22.74 ID:VR69VCnVo

パチパチパチパチ…


スタジオの中にいた全員が、私達に拍手をし始めた。

ど、どうしたんですか…?

こんなのって、今まで初めて…。
191 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:17:26.54 ID:VR69VCnVo

スタッフ「はーい、OKでーす」


思い出したように、スタッフさんの声がスタジオに響く。
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:17:56.71 ID:VR69VCnVo

スタッフ「お疲れ様でしたー。チェック入りまーす」

雪歩「え…」

春香「やった、雪歩!1発でOKだよ?」

雪歩「ほ、本当に…?本当に1回でOKですか?」
193 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:18:32.72 ID:VR69VCnVo

スタッフ「ええ、バッチリOKでーす」

雪歩「やったぁ、春香ちゃん!」

春香「やったね、雪歩!」


信じられなくって、思わず春香ちゃんの手を取る。

そのまま子供のように飛び上がってはしゃいでしまった。
194 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:19:41.58 ID:VR69VCnVo

P「お疲れ、二人とも。これまでの最高のデキだったぞ?」

雪歩「ほ、本当ですか?そんな…」

春香「もう雪歩、もっと胸張ろうよ」

P「特に雪歩。一皮剥けたな」

雪歩「そ、そんな、私なんて…。はうぅ…」

春香「雪歩ったら。最高だったよ?」


何だかとても恥かしい。
195 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:20:31.99 ID:VR69VCnVo

P「じゃあ、上がっていいぞ。少ししたら迎えにいくからな」

雪歩「はい!」

春香「はーい、プロデューサーさんあとでヨロシクねー」
196 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:21:02.37 ID:VR69VCnVo

P「…。あの様子じゃ、きっと…」

P「上手く行ったんだな春香。はぁー、良かった…」

スタッフ「Pさん、Pさん」

P「ん?」
197 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:21:48.66 ID:VR69VCnVo

スタッフ「いやー、昨日とは見違えるような出来でしたね」

スタッフ「僕、感動しちゃいましたよ。何か魔法でも使ったんですか?」

P「ん?ああ、いや…」


P「使ったんじゃなくて、むしろ魔法を解いたのかもな」

スタッフ「はぁ…?」
198 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:22:29.20 ID:VR69VCnVo

P「自信のなさや思い込みで、雪歩は今まで本来の力を出せずにいたが…」

P「その悪い魔法を、王子さまのキスで…」

P「ん?この場合王女さま?いやいやそれじゃ違うな…」

スタッフ(…何を言ってるんだこの人は)

P「ま、それはともかくとして」
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:23:10.29 ID:VR69VCnVo

P「これからあの二人…。特に、雪歩は伸びるだろうな」

P「春香と肩を並べるかも知れない」

スタッフ「え…?そ、そんなにですか…?」

P「雪歩の潜在的な力は、俺は1番だと思っている」

スタッフ「へぇー…?そこまで彼女を買ってたんですか」
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:23:43.59 ID:VR69VCnVo

P「もちろん。765プロはトップを取れる人材を選りすぐったんだから」

P「一見地味な雪歩だって、トップを狙える素質は十分に備わっているさ」

P「音楽を聞く耳を持たない連中には、仲々伝わらんがな…」

スタッフ「ぼ、僕も前から雪歩ちゃんは素晴らしいと思ってましたよ?」

P「調子のいい奴だな君は。ハッハッハ…」
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:25:15.17 ID:VR69VCnVo

P「…さーて、そろそろ迎えに行くか。未来のトップアイドル達を」

スタッフ「あ、あのチェックがまだ…」

P「ん?ああ大丈夫。そんなの一発でOKに決まってる。それに」

P「何回撮り直したって、これ以上のものは撮れんさ…」








202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:25:53.98 ID:VR69VCnVo

(765事務所)

春香「ただいまー」

雪歩「ただいま」

千早「あら?ずい分早かったわね」

やよい「お仕事、もう終わったんですかー?」
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:26:45.13 ID:VR69VCnVo

春香「うん!なんと、1発でOK出てさ」

雪歩「ええ、本当に驚きました」

千早「へぇ。春香がいるのに珍しい事もあるものね」

春香「ひどいよ千早ちゃん!?」

雪歩「いえ、本当は…」
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:27:24.30 ID:VR69VCnVo

雪歩「今日たまたま私の調子がよくて、春香ちゃんの足を引っ張らなかっただけ…」

春香「雪歩…」
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:27:57.53 ID:VR69VCnVo

春香「…雪歩。そんな事言うもんじゃないよ」

春香「今日の収録、私は雪歩から力を貰ったんだよ?」

春香「雪歩が一緒にいてくれたお陰で、今までで最高に楽しく歌えた」

雪歩「春香ちゃん…」

千早(…)
206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:28:35.17 ID:VR69VCnVo

春香「だから、これからも私を支えて欲しいんだ…」

雪歩「そ、そんな…」

やよい「ええ、いいと思いますー!」

千早(…ふぅ〜ん)
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:29:11.45 ID:VR69VCnVo

千早(萩原さん…)

千早(…)

千早(…)グッb

雪歩(…??)
208 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/02(月) 23:29:47.46 ID:855iRRiXO
b!
209 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:32:01.92 ID:VR69VCnVo

春香「ね?雪歩…」

雪歩「う、うん…。こ、これからも宜しくね、春香ちゃん」

春香「やったーあ!宜しくね、雪歩」

やよい「うっうー!」

千早(…全く)
210 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:32:40.33 ID:VR69VCnVo

千早(何が、春香の一番の笑顔は私以外に向けられてるよ)

千早(いつも、春香が最高の笑顔を向けるのは…)

千早(気付いてないのは本人だけ、ってね。…それにしても)
211 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:33:29.03 ID:VR69VCnVo

千早(二人とも、帰ってくるのが早すぎよ)

千早(折角のやよいとの二人っきりタイムが)ゴゴゴ…

雪歩(ち、千早ちゃん、さっきから何なんだろ…)
212 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:34:19.66 ID:VR69VCnVo

やがて帰る時刻。

嬉しい事に、今日も春香ちゃんと一緒だ。


春香「それじゃ、帰りますねー」

雪歩「お疲れ様でした」
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:35:02.99 ID:VR69VCnVo

P「おーう。帰り道気をつけてなー。あと、明日遅れんなよー」

春香「もう、わかってますよ」

雪歩「本当に?春香ちゃん」

春香「雪歩まで疑うー?」

雪歩「うふふ…」
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:35:52.69 ID:VR69VCnVo

二人っきりの帰り道。

いつもと同じようだけど、昨日までとは何だか風景が違う。

隣にいるのは友達じゃなくて、私の愛しい恋人だから。
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:36:22.98 ID:VR69VCnVo

春香「ねーねー、今度の休み、どっか遊びに行こうよ?」

雪歩「そうねー、どこがいいかな?」

春香「うーん、思いっきり楽しいとこ」

雪歩「うふふ…春香ちゃんと一緒なら、どこだって楽しいよ」
216 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:37:06.19 ID:VR69VCnVo

春香「えー?だって、折角の初デートなんだよ?」

春香「いつも行くようなとこじゃない所に行きたいよ」

雪歩「デッ…///」
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:37:45.83 ID:VR69VCnVo

雪歩「…そ、そうだよね、私達、こ、恋人同士なんだから…」

雪歩「で、デート…。なんだよね…?」

春香「そう、デートだよデート!だから、いいムードの所に…あっ、と!」

ドンガラガッシャーン

雪歩「きゃあ!?は、春香ちゃん?」
218 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:38:21.04 ID:VR69VCnVo

春香「いたたた…」

雪歩「だ、大丈夫?怪我してない?」

春香「うん、平気だよー、あたた…」

雪歩「ふぅ、良かった…。春香ちゃん、本当におっちょこちょいなんだから」

春香「わ、悪かったねーおっちょこちょいで」
219 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:38:48.13 ID:VR69VCnVo

雪歩「…」

春香「…」

雪歩「うふふ」

春香「えへへ」
220 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:39:26.33 ID:VR69VCnVo

雪歩「…じゃあ、春香ちゃん」

雪歩「はい、手」

春香「わぁ、雪歩優しーい」

春香「…よいしょっ」
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:39:52.62 ID:VR69VCnVo

春香「えへへ…」

雪歩「うふふ…」

春香「…」

雪歩「…」
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:40:41.74 ID:VR69VCnVo

ふと訪れる沈黙。

やがて、春香ちゃんがまっすぐな眼差しで私を見つめた。
223 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:41:23.28 ID:VR69VCnVo

春香「…雪歩」

春香「…いい?」

雪歩「…うん」
224 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:41:52.83 ID:VR69VCnVo

私の大好きな、まっすぐな瞳が近づいてくる。

このまま見つづけていたら、吸い込まれちゃいそう。
225 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:42:25.46 ID:VR69VCnVo

唇を重ねながら、私は思った。

春香ちゃんは、私の心は雪じゃないって言ってくれたけど。

けど、やっぱり私の心は雪。


だってね――――

226 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:43:01.45 ID:VR69VCnVo





春が来たならね。雪は、融けちゃうんだ…










227 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/01/02(月) 23:43:56.24 ID:VR69VCnVo
以上です
カップリングが嫌いな方は申し訳ありませんでした
依頼出して来ます
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/03(火) 04:04:23.72 ID:9fv0Qkqa0
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/01/24(火) 01:11:04.80 ID:YZjzwuzCo
おつおつ
230 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2025/02/05(水) 16:17:23.24 ID:eFheTa1ZO
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