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【R-18】春の訪れ。
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1 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:09:43.18 ID:tWGyrXt50
このSSはR-18要素を含みます。
皆様からのコメントはモチベーションに繋がりますので、ぜひよろしくお願い致します。
2 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:10:11.71 ID:tWGyrXt50
春。
四月より私は学校の先生になります。
きっかけはほんの小さな憧れ。
学校の先生が羨ましかったからです。
生徒の質問に答えるあの姿。
先生は光り輝いて見えました。
ここだけの話。
「せんせいはなんでもしってるの?」
なんて。
質問をしたこともあります。あ、内緒ですよ?
まぁとにかく。
私はそんな光り輝く先生に憧れて先生を志しました。
もちろんその道は生半可な気持ちではダメでした。
次第に難しくなっていく授業内容。
ついていくのに必死で、お勉強、お勉強、お勉強。
3 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:10:39.84 ID:tWGyrXt50
学校でも家でも、高校の通学に使う電車の中でも。
ずーっとお勉強をしていました。
......あ、無理のない範囲です!
ご飯も睡眠も、部活もやっていました。
ずーっと勉強というのは語弊がありました。
ここに謝罪申し上げます。
まぁ程々に、人一倍努力しました。
明確な目標が決まっているからこそ。
中学校に通う当時の私は大学を決めていました。
なかなかいないですよね、大学まで決めるなんて。
でも、私はそれだけ必死でした。
私が教壇の上で輝けるその姿を待ち焦がれて。
他でもない私がずっと待っていました。
だから。
先生になれると決まったときは嬉しかったです。
思わず羽目を外しちゃいました。
あまり得意ではないお酒を無理矢理飲んで。
次の日に頭が酷く痛かったのは今でも忘れてません。
4 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:11:08.76 ID:tWGyrXt50
ぼんやりと、つまらない私を振り返ったところで。
ようやく始まります。
とてもとても、希望に満ち溢れた────
────私と可愛い生徒のお話が。
5 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:11:41.27 ID:tWGyrXt50
「私の名前は宮永綾音と申します」
私が青春時代を過ごした高校は黒板だったけれど。
この学校の板書はホワイトボードのようで。
黒のペンで真っ白な板に書き慣れた名前を書き綴る。
うん、我ながら綺麗な字で書けた。
書き終えると、改めて前を向く私。
目の前には約30名の男子生徒。
全員が、男子生徒である。
偶然に偶然が重なって、とかではなく。
なるべくして、このクラス構成となった。
なぜならこの学校は男子校だから。
育ち盛りな男の子の学び舎。
私は、男子高校に赴任したのです。
「大学を卒業後、そのままこの学校に来ました」
ありがたいことに声がかかったのです。
もしよければ我が校に来ませんか、と。
招かれては断れないし、至極恐縮なことで。
私は二つ返事で引き受けさせて貰いました。
6 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:12:07.51 ID:tWGyrXt50
「なので未熟な点が多々あると思いますが」
いんたーねっとを使っていっぱい調べた。
新任の先生が心得ておくべきこと、とか。
自己紹介は家で練習したから大丈夫。
今のところは完璧なはずです。
でも、これから先、慌ててしまうことがあるだろう。
初めてで慣れないことが続くのだから。
「どうぞよろしくお願い致します」
私は深々と頭を下げた。
彼らは私に教わる立場であり。
彼らは私の失敗を見守る立場でもあるのだから。
次の瞬間、盛大な拍手が私の耳に届く。
頭を上げ、辺りを見渡すと。
「......ありがとう、ございます」
それだけでもう泣きそうになってしまいます。
だって暖かい光景が広がっているのですから。
よかった、と思えた。
この学校に、このクラスを請け負えて、よかった。
7 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:12:59.36 ID:tWGyrXt50
私が再びお礼の言葉と共に頭を下げると、
「せんせー、質問いいですかー?」
と。
さっそく私に興味を持ってくれた子が。
この後で質問を受け付けようと思っていたのに。
質問がゼロの時のために心の準備をしておいたのに。
ありがたく、質問をしてくれた。
「はい、どうぞ」
私は名前も分からぬ子に、質問の許可を与える。
「趣味はなんですかー?」
ありきたりな質問。
もちろん、考えてきていますとも。
ありきたりな質問に対して、ありきたりな回答で。
「料理、とか好きです。あくまで趣味の範囲ですが」
そう私が答えると、ちょっとした歓声が湧き上がる。
今度作って来てよ、とか。
何が得意なの、とか。
私に興味を持ってくれているようで、何よりです。
でも、少しだけプレッシャーかもしれません。
興味と期待に応えられるか、どうか。
数々の声が上がる中、一際大きい声が上がりました。
8 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:13:27.08 ID:tWGyrXt50
「先生、僕からもいいですか? 質問」
さっきの子とは別の子が、質問をしてくれました。
もちろん私は許可を出します。
「先生は彼氏とかいるんですかー?」
す、少しだけ予想外でした。
出会い頭にプライベートに突っ込んでくるとは。
ふふ、でも私は割り切っているので答えます。
清廉潔白のこの身を主張します。
「残念ながら、お付き合いしている人はいません」
また、声が上がります。
ざわざわとした空気。
男の子らしい話題に、男の子らしい反応。
思わず笑みが溢れてしまいます。
「告白されたことはあるんですかー?」
「の、ノーコメントで!」
咄嗟のことで声を大きくしてしまいました。
そこはあまり触れて欲しくなかったものですので。
「告白されたことあるに決まってんだろ」
「あんなに美人なんだぜ」
「黒髪ロングの眼鏡とかよー」
「しかもスーツをピシっと着て、黒のタイツで」
「k....にゅ....で、色も白くて」
「...ろ...像でしか見たことないぜ」
耳を澄ませば、様々な声が聞こえてきました。
後ろの席の子達の話は聞こえなかったけれど。
9 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:13:55.44 ID:tWGyrXt50
褒めてくれているようで、曖昧な気持ちになります。
嬉しいような、でも少しからかわれているような。
私は苦笑いを浮かべながら。
ざわつきが収まるを待ちました。
待つといってもそれほど長い時間ではなく。
ほんの10秒程度の短時間です。
静まってきた頃合いで、
「他に質問ある子、いますか?」
私の問い掛けに、何人かの生徒が反応を見せます。
手を挙げてくれた4名。
右側の席から順に、指名していきます。
「なんの質問でもいいですかー?」
「はい、なんでもお答えします」
「怒ったりしないですか?」
「怒りません。あまりにもしつこい質問とか以外は」
「じゃあ......先生の胸は何カップですか?」
「っ!?」
ガタッと私は教壇の上を一歩下がります。
誰だってそうなると思います。
そんな質問を急にされたら。
数秒間、脳内の思考が停止しました。
10 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:14:35.92 ID:tWGyrXt50
しかしすぐに復帰した私は、
「こ、答えないとダメ......かな?」
苦笑いを浮かべながら聞いてみます。
もし彼が答えろ、と言ったら答えましょう。
可愛い生徒からの質問なのですから。
それに......男子高校生なら、それくらいは。
うん、一応私は女性だし、彼は男の子だし。
気になって貰えているのは、嬉しいことなのかな......。
健全な年頃の男の子なら、尚更。
「答えて貰えると嬉しいかなーって」
うんうん、と同調して頷く彼の周りの生徒。
それは次第に広がり。
気が付けば全員の熱い眼差しが私に突き刺さる。
「じ、Gカップ......です?」
どうしてか疑問形で。
私は正直に答えた。
我ながら、バカなことをした。
自嘲する私と、一層に大きく歓声をあげる生徒君。
なんともこの空間に居難い空気に圧倒される。
「つ、次の質問! は、何かな......?」
少しだけ声を大きくして残りの3人に聞いてみる。
11 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:15:03.13 ID:tWGyrXt50
しかし返ってきたのは、
「もう知れたので大丈夫です」
という声が3つ。
つまり質問のある4人が全員、同じ質問内容だった。
そういう訳で、より一層気まずくなってしまった。
はぁ...。どうなることやら、この教師生活。
期待に胸を膨らませていた私は何処かへ。
いつしか不安でいっぱいな、私でした。
12 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:15:45.45 ID:tWGyrXt50
「最初の挨拶は如何でしたかな、宮永先生」
初日は午前中だけで生徒さん達は帰宅。
昼食を終え、職員室の机で書類に目を通していた時。
いかにも。
といった雰囲気の男性が声をかけてきました。
「あ...教頭先生。まぁまぁ上手に出来たと思います」
若干目を逸らし気味に言ったのは。
つまり、自分でも思う節があったということです。
「男の子が考えていることは分かりませんから...」
そう付け加えると教頭先生は、
「はっはっは。先生は思いつめ過ぎですよ」
わざとらしく笑ってみせました。
「思いつめ過ぎ、とは?」
「いやなに。簡単なことですよ」
「...?」
「男子高校生は一桁の足し算より単純な生き物です」
「は、はい」
13 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:16:26.89 ID:tWGyrXt50
「思いつめず、適当にやってみてはどうでしょうか」
「......」
適当に。
その一言は私の胸の奥に大きな傷として残った。
精一杯、勉学に励む生徒の裏で。
そんな風に思っていたのか、と。
悲しく、哀しく、可哀想。
私は。
私だけでも、絶対に。
生徒と一緒に歩んで、ゴールである卒業まで。
心身ともに生徒達と一緒に在り続けることを。
ここに誓いました。
14 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:17:02.72 ID:tWGyrXt50
二日目の朝、私は校門に立っていました。
晴々しく登校してくる生徒に、挨拶をするために。
「おはようございます」
挨拶を返してくれるのは半々といったところ。
少し残念だけれど、こんなものでしょう。
むしろ半分の生徒が挨拶を返してくれただけでも。
私は恵まれているのかもしれない。
「おい、あれ...」
「あれが噂の......?」
「見ろよ、めっちゃky...にゅ...だろ?」
「...ってるとしか思えないよな」
校門を通り過ぎ、昇降口に向かう彼らの話し声。
見たところ新二年生でしょうか。
どこか初々しさを残しつつ、先輩らしい姿。
一年も通えば慣れ親しんだ足取りで歩いています。
会話の内容は聞こえませんでしたが、仲が良さそう。
なによりです。
せっかくの高校生活ですからね。
学業と両立して楽しんでいただきたいものです。
15 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:17:37.82 ID:tWGyrXt50
と、そんなところで。
朝の職員会議10分前になりました。
ここより後に来た人と挨拶できないのは心苦しい。
けれど、私も先生としての仕事を全うしなければ。
早速問題が起きたとかの報告が無ければいいけれど。
16 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:18:10.86 ID:tWGyrXt50
結果から言ってしまえば朝の会議は特別何事もなく。
今日の予定を一通り説明されて、終わった。
具体的には学校案内のスケジュール。
私のクラスは二時間目にあるらしいです。
つまりそれまでに色々と済ませておかなければ。
具体的には、
「......このくらいかな」
学校での注意や行事。
そして明日から始まる授業についての説明。
私自身が数年前に席について聞いていたことの数々。
共学と男子校ではかなりの差があると思ったけれど。
案外そうでもなく、普通なことばかりでした。
「じゃあ次は......」
思ったよりもみんなが静かに聞いてくれたおかげで。
半分以上も時間が余ってしまいました。
となると、やっぱりアレかなぁ。
17 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:18:38.92 ID:tWGyrXt50
「みんなの自己紹介の時間に、する?」
定番でしょう。
二年生や三年生はともかく。
新一年生のみんなは。
前後の席の人の名前すら分からないのですから。
しかし気が進まない人もいるでしょう。
私だってそうでしたから。
今でこそ出来るけれど、中学高校の頃は。
人前に出て話すことを苦手としていました。
でもやらないといけません。
もしかしたら自己紹介がきっかけになるかも。
「お名前と出身中学、あとは趣味とか」
もちろん名前も学校も覚えれないはずです。
でも共通の趣味を持った『誰』を見つけてくれれば。
あとは、改めて個人同士で自己紹介してくれるはず。
「じゃあ......申し訳ないけど、前から。お願いします」
私の呼び声に、出席番号一番の方が教壇に立つ。
私は、入れ替わるように後ろへと下がった。
18 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:19:18.12 ID:tWGyrXt50
そして始まる自己紹介。
一人一人の趣味を聴き漏らさず。
尚且つ、ノートにメモを取っていく。
今年度が終わる頃には。
個人のページが文字でいっぱいになってるはずです。
「じゃあ次。二番の方」
一人当たり三十秒程度。
少し短めだけれど、最初は誰でもこんなもの。
私だって...ううん、十五秒くらいだったかもしれない。
「次。三番の方」
19 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:19:55.91 ID:tWGyrXt50
次々と、自己紹介が終わっていく。
自己紹介だけでなく。
この一時間目も終わりを迎える。
そして二時間目。
生徒たちが引率の先生に学校案内を受けている間。
私は、私自身の人生史に残る一人の男性と出会う。
時には私を困らせ。
時には私を泣かせ。
時には私を笑わせ。
時には私を虐め。
時には私を犯し。
時には私を恥辱し。
時には私を凌辱をし。
ある時は、私を優しく抱きしめてくれた。
そんな素敵な男性に。
20 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:20:32.42 ID:tWGyrXt50
二時間目。
私は教師人生初めての休みの時間でした。
本来なら職員室に居るべきだと思います。
でも、気になったので許可を得て出てきました。
私が興味を持ったのは、授業風景です。
教室の扉のガラス張りになっている部分。
そこから覗ける新鮮な授業風景。
たまーに授業中に廊下を歩いて回る先生。
それを今からやろうというわけです。
二年生と三年生は早速授業。
学校案内を受けている生徒と出くわさないように。
慎重に廊下を見て回ります。
あ。
あれは...数学かな?
数字使ってるもんね。
難易度が急激に上がることを知っているからこそ。
今のうちに基礎をしっかり学んでおくと便利だよ。
と、授業中の彼らに言い出せるはずもなく。
21 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:21:06.59 ID:tWGyrXt50
私は道なりに廊下を進んでいると、
「あれ...」
ふと見てみた外。
制服姿の人影があります。
今は授業中のはずなのに...。
これは先生として、見逃せません。
私は予定を中断し、外へと向かった。
22 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:21:32.99 ID:tWGyrXt50
いわゆる校舎の裏。
人目につきにくく、人の出入りが少ない場所。
そこに彼らはいました。
制服を着崩し、髪を染め、タバコを持った三人。
もちろん私は注意をしにやってきたのです。
「授業中だよ。なにやってるの?」
サボってる、というのは目に見えて分かります。
しかし一応確認です。
「ッチ」
三人のうちの一人が舌打ちをしました。
むっとなる私。
しかし湧き上がる感情を抑え、
「...タバコは見逃してあげるから」
精一杯の譲歩をした上で、彼らを戻そうとします。
「見逃してくれんの? 珍しい」
「そうでも言わないと戻ってくれそうにないから」
「ふーん」
擁護するわけではありません。
ですが事実をここに伝えておきます。
彼らは未遂で終わりました。
タバコに火を点ける一歩手前でしたから。
23 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:22:04.42 ID:tWGyrXt50
「まだ学生なんだから」
私は手を伸ばし、一人のタバコを取り上げます。
「これはやめよう? ね?」
「結局説教じゃねぇか......」
出会い頭に舌打ちをした彼が言います。
「そのつもりはなかったんだけど...」
そのつもりはなかったけれど。
聞く側がそう感じたのなら、そうなのでしょう。
私はお説教をしてしまったようです。
「かえ...しちゃってもいいのかな」
私は取り上げたタバコを返します。
「ごめんなさい」
私は深々とお辞儀をし、誠心誠意謝罪しました。
私は悪いことをした。
なら、深く反省しなければいけません。
「......もういい。お前らは戻れ」
ここまで一言も発していなかった彼が言いました。
グループのリーダーでしょうか。
二人は私からタバコを取り返すと。
おとなしく校舎の方へと戻っていきました。
24 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:22:36.75 ID:tWGyrXt50
私はその後ろ姿を見送っていると、
「変わってるな、アンタ」
リーダーらしき男の子がそう言います。
私は振り返り、彼の目を見て話します。
「真面目であることは、変わってるのかな?」
「生真面目というか、バカらしい」
「...そんなこと言われると、傷ついちゃうよ」
学生時代、私は周りから真面目と言われ続けてきた。
世間一般から見たら私はその部類に属します。
私だって、多少の自覚はあります。
ノリが悪い、ということに。
ですが幸いなことに友人には恵まれ。
いじめられるようなことはありませんでした。
「ほんと真面目なんだから」
と、言われることは多々ありましたが。
しかし生真面目でバカらしい、とは初めてです。
馬鹿にされていることは明らかです。
25 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:23:08.44 ID:tWGyrXt50
でも一応、確認を。
「もしかして馬鹿にしてる?」
「ありのままを言っただけだが?」
キッと睨まれてしまいました。
ただ、その眼差しに怒りの感情は見られません。
少しだけ鬱陶しいとでも思ったのでしょうか。
「と、とにかく。早くあなたも教室に戻りなさい」
今更ですが、彼を教室に戻そうとします。
「あぁ、戻るよ。こんなエロい女に言われたらな」
「えっ、えっ? な、なに...!?」
「お前、噂の新入りだろ。広まってるぞ」
「噂......?」
「一年担当の教師にエロい女がいるってな」
「う、うぅ...」
反応に困ります。
なんて反応をしたらいいか、困ります。
そして私自身がどう表現していいか分かりません。
今私は、どんなことを思っているのでしょうか。
26 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:23:46.43 ID:tWGyrXt50
「う、噂って...どれくらい?」
「お前だけだろ、知らないの。知らねぇけど」
「私、だけ......」
「Gカップってことも事実として広まってるからな」
「えぇっ!?」
「聞かれたのか?」
「う、うん...」
「生真面目というか、ただのバカだな」
呆れてため息も出ない、と。
彼は項垂れてくれました。
私に、呆れて。
でも......そんなことになっていたなんて。
噂を塞きとめる、とかは現実的じゃないよね。
人の噂は七十五日、というけれど。
あと二ヶ月もこんな恥ずかしい思いをするの...?
27 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:24:14.70 ID:tWGyrXt50
「あ、ありがとう。聞かせてくれて」
「俺が言わなくても、時間の問題だっただろ」
「そうだけど...。お礼は大事、だから」
「......」
私より、低い目線で座っていた彼が。
おもむろに男の子らしい手を伸ばしました。
私の、右側の胸に。
「......!」
咄嗟のことに私は反応できませんでした。
そのせいで意識外で数回を許してしまいます。
「な、なにやって......!」
「言葉より先に手を振り払えよ」
「そ、そっか。うん、そうだ...って!」
ここでようやく彼に手を振り払い、距離を取ります。
顔が熱くなってきているのが分かります。
「立派なセクハラだよ!」
「嫌だったのか?」
「い、嫌っていうか...常識が...欠けていたというか...」
「......」
彼は私の言葉が届いていないかのように。
立ち上がり、校舎の方を向きました。
28 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:24:47.67 ID:tWGyrXt50
「そろそろ教室戻るか。うるせぇしな」
「ちょ、ちょっと! 話、まだ終わってないから...!」
「さっきは戻れって言ったのに」
「う、うぅ...」
言い負かされてしまいました。
何も言い返せません。
彼は校舎に向かって足を動かし始めました。
「あ、ちょっと待って。少しだけ!」
「なんだよ」
「髪。この学校、染めるのダメだよ?」
「地毛だよ」
「え? そ、そうなの? じゃあ...ごめんなさい」
「少しは人の言葉を疑え、生真面目巨乳バカ」
「そ、そんなこと言わないでよ!」
次第に小さくなっていく彼の背中。
そして思い返せば、私はまるで対等な立場のように。
彼と少しだけ楽しげに会話をしてしまっていた。
イジられて、馬鹿にされて、セクハラをされて。
しかし心の何処かでは。
教師と生徒の垣根を越えて。
友達になれたんじゃないかな、って。
考えてしまう私がいました。
29 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:25:22.91 ID:tWGyrXt50
翌日。
昨日通り校門に立って挨拶をしていました。
そしてなんと驚くことに。
全員が私に挨拶を返してくれるのです。
三割程度の少数派が、今や全員に。
とても向上心があって良いことです。
ただ、どうしてこの二日間で劇的に変わったのか。
その理由は不良生徒の台詞に答えがあるのでしょう。
私の存在が全校生徒に認知された。
一年を担当している、え、えろ......い女教師という噂。
確かに私自身がそれを認知することにより、
「ほんっと巨乳だよな、あの女」
「スーツの上からでも身体のエロさがわかるぜ」
「いやいや、スーツだからこそだろ」
「眼鏡と黒タイツとか」
「誘われるのを待ってるんじゃないか?」
「真面目な女と思いきや、ビッチだってか」
「ただの清純より良いじゃねぇか」
「何人とヤってきたんだろうな」
なんて話し声がヒソヒソと聞こえてきます。
心の中でため息を吐くことしかできません。
30 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:25:57.20 ID:tWGyrXt50
彼らの期待に添えるようなことは全く無いのです。
それに、それを言い出せないのが私を苦しめる。
確証のない噂がどんどん広がっていくのですから。
事実無根の噂が放課後までにどうなっているのか。
今の様子だと、......でも。
私はただ真面目に生徒に勉強を教えるだけです。
誰一人として見捨てず。
適当にやらず。
いつだって真面目に。
それが私の、信条なのですから。
31 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:26:30.66 ID:tWGyrXt50
今朝の職員会議では一つの話題が挙がった。
一人の不良男子生徒が髪を黒に染め直した噂です。
彼は三年生だそうで。
一年、二年の間に何十回と指導されてきたようです。
しかしそれでも染め直さなかった彼が、染め直した。
そしてどんな風の吹き回しか。
遅刻気味な彼が余裕を持って登校してきた。
私が校門に立つよりもずっと前のことらしいです。
昨日まで不良の象徴であった彼の変化に。
新人として入った私を含めた複数の教師以外が。
何を企んでる、などと。
勘繰り始めました。
生徒のことを疑うのは良くない。
けれど、疑わざるをえない程。
あの生徒は問題児として注目されてきたのでしょう。
うん。
確かに不良でセクハラをする問題児っぽかったです。
更生...させるのも、教師の仕事でしょう。
32 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:27:04.06 ID:tWGyrXt50
お昼休み。
私は彼の姿を外で見かけました。
人目につきにくい、校舎の裏です。
今日の彼は一人でした。
「こんにちは」
私の呼び声に、彼は反応しません。
イヤホンをつけて音楽を聴いています。
「隣、座らせて貰うね」
私は隣に座りました。
ようやく私の存在を認めざるをえなかったのか。
彼はイヤホンを外し、ため息を吐きました。
「またセクハラされにきたのか」
「改心した君とご飯を食べにきたの」
「...勝手にしろ」
そんな訳で許しを得て。
私は持参したお弁当箱を開きます。
「あれ、お昼ご飯は?」
彼の手元には自販機で買ったと思われるお茶。
炭酸ジュースとかではなく、お茶です。
33 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:27:31.49 ID:tWGyrXt50
「持ってきてねぇよ」
「お母さんが作ってくれたりしないの?」
「親父とお袋は朝から夜まで仕事仕事仕事だ」
「朝早くに作ってくれたり、とかは...」
「無いな。一度も」
「そ、そっか......」
複雑な家庭の事情が彼にはあるようです。
これ以上踏み込むのは野暮というものでしょう。
「じゃあ私のご飯、分けてあげる」
「いらねぇよ」
「食べないとダメだよ。育ち盛りなんだから」
「余計なお世話だ」
なんてやり取りを何十回と繰り返して遂に。
彼は私の要望を呑んでくれました。
「まぁ、なかなかだな」
「私、料理ちょっとだけするから」
少しだけ自慢げに言ってやりました。
それからは私のお弁当の八割を彼に分け与え。
私は二割のご飯で、昼食は終わりました。
34 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:28:11.97 ID:tWGyrXt50
残りお昼休みは、まだ三十分以上あります。
「ね、お話しよう?」
「勝手にしろ」
「ふふっ。じゃあ一つ目。髪、染めたんだね」
いきなり核心をついた話題をします。
「あぁ。誰かが染めろとか言うからな」
「これまで他の先生にも言われ続けてきたのに?」
「なんとなく思い出しただけだ」
「そう。なら、それでいいけど」
これ以上の追求はしません。
彼だって気恥ずかしいのでしょうから。
そして今度は彼から、私に質問です。
「お前、処女だろ?」
「......」
なんとなくセクハラされることは予想していました。
しかし今朝の今で、この話題。
もしかして私が複数の男性経験がある、などと。
根拠のかけらもない噂が広まっているのでしょうか。
「ノーコメントです」
「そうか。じゃあヤリマンのビッチって言いふらす」
「やり......なに?」
「ただのバカというか知識不足のバカだな」
「またバカって言った」
これで何度目でしょうか。
彼に馬鹿にされるのは。
35 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:28:37.05 ID:tWGyrXt50
しかし、それほど嫌な気持ちにはなりませんでした。
早くも耐性が出来始めているのでしょうか。
「今まで何人の男に言い寄られた」
「これもノーコメントで!」
「つまんねぇな。処女な生真面目巨乳バカ」
「や、やめてよ! 付け加えていくのっ!」
これでは半年後には大変なことになっていそうです。
と、ここで。
彼はスマートフォンを取り出しました。
私は彼のスマートフォンから目を逸らします。
他人の重要機密を覗くのはダメなことなのですから。
「あ、そうだ。彼女とかいるの?」
「少し前までな。面倒になったから捨てた」
「振られたんじゃなくて?」
「俺が捨てた。それだけだ」
「......そっか」
人付き合いはそれなりに。
しかし切り捨てる時はバッサリと切り捨てる。
人として在るべき生き方を彼はしているようです。
とは言っても度合いが分かりませんけどね。
些細な喧嘩で別れたのか、大きな喧嘩で別れたのか。
そこまで追求する資格は私にはありません。
36 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:29:15.35 ID:tWGyrXt50
「私が隣に居ることは、嫌だったりする?」
「鬱陶しいとは思うが、美人が隣に居るのは良い」
「美人......」
「今すぐにでも犯したい、って思うほどにな」
「おか...し? お菓子は持ってないかな...」
彼はスマートフォンをポケットにしまい、
「わざとやってるのか?」
ため息を吐きがちに、そう言いました。
「?」
私は首を傾げます。
と、その瞬間。
ドン、と。
彼は私を優しく押し倒しました。
そして彼は私の眼鏡を奪いました。
「ちょ、ちょっと...」
「コンタクトにはしないのか?」
彼は私に跨るような状態で、言います。
「似合うって友達から言われたから...」
「だが、こっちも可愛いぞ」
「か、かわ...」
カァーッと顔が赤くなるのが分かります。
伴って、心臓の鼓動が一段と早くなります。
彼は私の髪を撫で下ろします。
「さらさらだな」
「手入れは、してるから...」
37 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:29:42.08 ID:tWGyrXt50
そして彼は彼自身の顔を私の耳元に近づけました。
「今日の夜、時間あるか?」
この時の私の頭の中は真っ白になっていて。
なにも考えられませんでした。
「あ、空いて...ます」
「そうか」
つい敬語になってしまった私に。
彼は素っ気なく返事をし、私から離れました。
ようやく私は解放され、起き上がります。
「......眼鏡、返して」
「ほら」
無事、返して貰いました。
私は少し躊躇って、眼鏡をかけ直します。
それからはずっと気まずく。
私は彼と話すことが、出来なくなりました。
38 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:30:26.24 ID:tWGyrXt50
お昼休みの終了間際、彼と連絡先を交換しました。
夜に、彼と待ち合わせる。
この胸の高揚感は、つまり。
そういうことなのでしょう。
私は話して一時間程度の彼に恋をしてしまいました。
名前も知らない、彼に。
39 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/15(土) 15:30:58.89 ID:tWGyrXt50
今回はここまでで終了とさせていただきます。
この作品はそんなに長くさせる予定はありません。
程々に、それなりにやれればいいなって思ってます。
エロ要素は今後出していくつもりです。
感想や質問、希望の話題等も。
ぜひ、お願いします。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 15:32:03.36 ID:42McrFVC0
おつ
期待
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/15(土) 16:54:03.88 ID:0VFY9B3LO
>>1
乙やで
まだ全裸にはちと寒いからはよしてけろ
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/16(日) 21:56:53.70 ID:CZFlUbXhO
期待
43 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:33:47.84 ID:j55Q00/m0
電車を乗り継ぐこと30分程度。
ちょっとした街外れまでやってきました。
私も働くに当たって学校近辺は散策してきたけれど。
この辺りまでやって来るのは初めてです。
見たところ、居酒屋が多いようですが...。
未成年を同伴しても大丈夫なのでしょうか。
とは言っても、彼のことなら飲みかねません。
不良ですから。
うん。
などと、駅前の目立つ場所で辺りを見回していると。
「案外早かったな」
噂の彼が遅れてやってきました。
どうやら一度家に帰ったらしく、私服です。
高校生の男の子らしい...?
どうかは分かりませんが、お洒落でかっこいいです。
44 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:34:24.16 ID:j55Q00/m0
都内の大学生でも十分に通ると思います。
「あ...うん。残ってやる仕事もなかったからね」
私が事実を話すと、
「暇なんだな」
相変わらずの毒舌です。
もう慣れましたが。
彼の言うことに耳を傾ける必要はありません。
私は聞こえなかったフリをし、話します。
「それで用ってなに?」
お昼休みに言っていた『用』。
いえ、『用がある』とは言ってませんでした。
ただ『時間あるか』と聞かれただけです。
しかしそれを『用があるから呼んだ』と。
解釈しても何の不思議はありません。
誰だってそうでしょう。
「とりあえず飯でも行くか」
「ご飯? うん、そうだね」
お昼ご飯をあまり食べていなかったせいか。
午後七時前のこの時間でも空腹を感じる。
とてもお腹が空いているという訳ではないけれど。
あれば食べるし、そこそこ食べれるくらいに。
45 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:34:59.21 ID:j55Q00/m0
「案内してくれるの?」
先に行く彼の後を駆け足で追いかけ、聞いてみる。
「めちゃくちゃ卑猥な店にな」
「えぇっ!?」
私は両手で胸を隠すようにし、距離をとります。
「冗談だって気付けよ。そろそろ」
「うーん...。また...」
また騙された、と。
私は敏感になってるセンサーを切ろうと心がけます。
「ただ、お前のガードが薄かったらあり得るかもな」
「はいはい。冗談ね」
ふふん、と鼻を鳴らして、彼の冗談を見抜きます。
さぞこの私は誇らしげで、楽しそうだったでしょう。
「......ないんだけどな」
ボソッと彼の言った言葉は聞き取れず。
歩みを止めない彼にの発言に重大性は無いと判断し。
何も聞かずに、ただただ私は彼についていきました。
46 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:35:36.03 ID:j55Q00/m0
案内されたのは、小さなお店の小さな個室でした。
木製のテーブルを隔てた対面式のソファに座ります。
引き戸の扉を閉めてしまえば二人きりです。
「お洒落なお店だね」
「こういう店じゃないとゆっくり出来ないからな」
お洒落とゆっくりは接点が薄い気がするけれど。
あまり深堀はせず、メニューを開きます。
お魚の料理、お肉の料理、おつまみ、その他。
色々な需要を網羅してる、って印象を受けました。
うーん、と。
お肉も捨てがたいけど、今はお魚の気分かな。
「決まった?」
「お前待ちだ」
「あ、そうなんだ。うん、決まったよ」
店員さんを呼びます。
各々の注文を済ませると、改めて二人きりに。
料理が運ばれて来るのを待ちます。
47 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:36:02.53 ID:j55Q00/m0
何事もなく、食事会は終わりました。
しかし事が起きたのは、そのしばらく後でした。
お会計を済ませて、駅へと戻る帰路で。
私は彼の半歩後ろを歩いていた訳ですが。
彼との話に夢中で。
気が付けば薄暗い路地へと誘導されていたのです。
「ね、ねぇ...。近道、とか? 暗くない?」
いくら近くに男の子がいるとはいえ、怖いです。
複数人に襲われたらどうしようもないし。
それに、今にも怪異現象が起こりそうな雰囲気です。
私は一人で居るのが寂しく、耐えきれず。
無意識に彼の裾を手で握ってしまいます。
「その...近くに居てもいい?」
私の言葉に、彼は答えません。
ただただ真っ直ぐ歩き、時折方向を変えるだけです。
48 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:36:40.88 ID:j55Q00/m0
必然と私もそれに従い、歩き続けると。
居酒屋などが軒並む一帯から、一転して。
左も右も、その先もずっと。
ピンク色の光を灯したホテルが並んでいました。
「あ、あの! ね、あの...ここは...その...」
彼の足は止まりません。
ホテル街をガツガツと、歩いていきます。
目もくれず、ひたすらに。
対して私はチラホラと見てしまいました。
案外安い値段で泊まれることや。
ビジネスホテルのような内装の部屋があること。
テレビとかでよく見る高級な広い内装の部屋。
また、何かを売っているらしいお店もありました。
「そ、そういう...つもりなの?」
いけません。
私と彼は教師と生徒の関係なのですから。
恋に落ちるのは仕方なくても、体の関係だけは。
少なくとも良い影響を与えられるとは思えません。
49 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:37:16.71 ID:j55Q00/m0
「何か、言ってよ...」
しかし私自身が一番理解しています。
ここまで一歩も歩みを止めない私。
そういう期待があるのだと、察しています。
頭ではダメだと分かっていても体が引き返しません。
そして、もう。
そんなこんなで、あたふたしている内に。
手遅れなところまで来てしまったようです。
居酒屋街からもホテル街からも外れた路地裏で。
私は薄汚れた壁を背にして。
月の明かりでしか見えない彼の顔を見上げています。
半歩、そして半歩。
段々と迫られると、鼓動が一層に速くなりました。
胸の奥が熱く、締め付けられるように痛いです。
「......ぁ」
彼の右手がすっと上がると、私の頭を撫でました。
優しく、子供をあやすように。
何も言わずに、私に安心を与えてくれます。
50 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:37:51.03 ID:j55Q00/m0
「もう...。なにか、言って欲しいな」
「相変わらず髪、さらさらだな」
「褒めてくれてるの?」
「お前の解釈次第だ」
「...ありがと」
私は褒められていると解釈しました。
そして、おもむろに眼鏡を外します。
彼が『かわいい』と言ってくれた、その姿に。
私は自主的になろうとしました。
「本当に、か、かわ...いい?」
「あぁ、昼に言った通りだ」
「眼鏡をかけているままだと?」
「それでもかわいいよ、お前は」
「そ、そっか...」
こんな風に褒められることは初めてなので。
なんだか照れ恥ずかしく、直視できません。
「ここまでついてきたってことは」
「......うん」
「いいのか? 出会って間もない俺と」
「分からない...。けど、今はそうしたいから」
「知らない男にほいほいついていく淫乱娘だな」
「い、いん...? ごめんね、分からなくって...」
「たっぷりと教えてやる。後悔するくらいにな」
と。
51 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:38:18.09 ID:j55Q00/m0
その瞬間。
私は走馬灯のように人生を振り返りました。
私が真面目に勉強をしていた学生時代。
人付き合いが少なからずあった私は。
友人の話を聞いていた。
昨日、彼氏とデートをした話。
昨日、彼氏にコーヒーを奢ってもらった話。
昨日、彼氏とキスをした話。
昨日、彼氏と彼氏の家でエッチなことをした話。
昨日、彼氏と別れた話。
時に誇らしげに、自慢をしてくる彼女。
時に虚しそうに、涙を見せてくる彼女。
異性と付き合うということは、一筋縄ではいかない。
そう理解していた。
そう理解していたつもりで。
三十代を前にしたところで結婚を予定していました。
仕事にも慣れ始めてきた頃に付き合い、結婚を考え。
三十代前半で子供をつくれたらいいな、と。
今の私には早い。
そう思い続けてきたけれど、彼に。
その予定はめちゃくちゃにされ、この始末。
私は教師と生徒の関係でありながら。
彼に恋をしてしまっています。
予定を繰り上げるつもりはありませんが。
こんな時くらいは、自分の気持ちに正直になって。
52 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:38:49.42 ID:j55Q00/m0
想いをそのまま、行動に移しても。
「────」
私は彼に体重を預けます。
彼は私を抱きしめてくれます。
苦しいくらいに、ぎゅっと。
その苦しさは痛みとはまた異なり。
普段なら弱音をあげていたところですが。
不思議と心が暖まる、幸せなものでした。
これが異性の魅力なのでしょうか。
「外寒いし、中入ろうよ」
「いや、今日はあと少しだ」
「あと少し?」
と、私が聞き返すのとほぼ同時に。
キスをされてしまいました。
初めてのキスを、屋外で、生徒と。
人に見られているかもしれない。
そんな淫らで倫理的によろしくない行為が。
より一層、私の体を火照らせます。
「ん......」
とても長いキスです。
苦しい。
けどそれ以上に、気持ちいい。
そんな感情が湧いて出てしまうようになりました。
53 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:39:28.63 ID:j55Q00/m0
「...次は、舌を絡めるぞ」
雑誌や友達からの情報で、それは知っています。
さっきの普通のがフレンチキスに対して。
今からするのはディープキス。
さぞかし、えっちなものなのでしょう。
そして今度は。
「ね、」
私の方から背伸びをして彼の首回りに腕をやり。
少しだけ無理やり屈ませ。
自発的にキスをしてみます。
さっきのキスをしてから、口を開きます。
すると彼も合わせてくれて。
触れる舌。
彼のは少し硬いようです。
唾液と唾液が絡み合い、エッチな音が聞こえます。
「ん...ちゅ...っ...ぁむ......」
時折、普通のキスを濃厚に。
お互いの唇が相手の唾液で濡れるまで。
また、キスをしながら。
彼は空いている両手で私の肢体を触り始めました。
スーツの上に着ているコートの上からだけれど。
慣れた手つきで、いやらしく。
「あ、そこ...んちゅ...だ、だめだよ...」
「まぁ、そろそろか」
私の言葉に反応したのか。
54 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:40:00.87 ID:j55Q00/m0
彼はキスをやめ、半歩ほどの距離を置きました。
「も、もう...終わり?」
「もう終わりって言っても、20分はしていたぞ」
「えぇっ!?」
左手につけたお気に入りの時計を月光に照らします。
確かに、お店を出てから歩いた時間を計算しても。
約20分ほどの謎の時間が経っていました。
私は初めてにして、夢中になっていたのです。
「今日はここまでだ」
「そ、そう? てっきり...」
体を重ねるものだと、期待をしていました。
不安もあるけれど、それ以上に期待を。
そして頭の中に靄がかかったこの感じ。
いわゆるあれなのでしょう。
ムラムラしている、というやつです。
性的な行為をしたい、と。
体が勝手に動きます。
55 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:40:29.96 ID:j55Q00/m0
「...次はいつ、してくれる?」
私は彼に抱きつき、問います。
「明日の夜だ。空けておけよ?」
「...うん」
明日の夜までお預けです。
次は何をしてくれるのか。
次は何を教えてくれるのか。
すっかりと私の煩悩は彼のことでいっぱいでした。
「あ、そうだ」
私は抱きつくのをやめ、改めて距離をとります。
「お弁当、明日から作ってこようか?」
「...好きにしてくれ」
「ふふっ、はーい」
まるで恋人同士のようなやり取り。
幸せとはこういうことを言うのだと。
実感した初めての夜でした。
56 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/18(火) 19:41:12.89 ID:j55Q00/m0
今回は少し短めですがここまでです。
今のところは微エロ程度でしょうか。
次回はもう一、二歩踏み込んだところをやります。
感想や質問、希望のプレイや話題等も。
ぜひ、お願いします。
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/04/19(水) 12:27:48.57 ID:ln7x2AnHO
非常にエロくてよろしい
58 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:13:49.26 ID:+Sfr6DMJ0
次の日の夜。
私たちは約束通り、禁断の密会を果たしていました。
教師と生徒の関係でありながら。
淫らな関係でもあることは知られてはいけない。
昨日のような屋外では見られるのでは、という。
危機感と焦燥を帰路の電車の中で気付き。
今日は彼を私の家へ招待していました。
この辺りに引っ越してきて日も浅く。
かつ私には物欲があまり無いため必要最低限な部屋。
どちらかと言えばやはり女性らしい、けれど。
それほど女性らしくもないシンプルなお部屋です。
「じゃあ私、着替えてくるから待ってて」
いつまでも室内でコートを着てはいられません。
それにスーツもシワになってしまいます。
59 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:14:18.69 ID:+Sfr6DMJ0
彼をリビングに残し、私は私室へ。
いつもの場所にコートをかけ。
今ではもうすっかり慣れたクローゼットを開きます。
「...私服、見せるのは初めてだよね」
変に意識してしまいます。
不恰好だとか似合わないだとか。
言われないといいのだけど。
60 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:14:54.55 ID:+Sfr6DMJ0
「お待たせ」
リビングの扉を開けると、彼は本棚の前にいました。
私の数少ない趣味のうちの一つ。
読書という分野において。
私の好みがバレてしまいます。
彼は小説...特にミステリーなどを読むのでしょうか。
もし読んでいるのなら、夜通し話したいものです。
「な、なに? じーっと見て」
彼は私を穴があくほど見つめています。
その視線の中にはいやらしい物を感じました。
「その服、エロいなって」
「え、エロい言わないでっ!」
つい声を大きくしてしまいます。
いえ、誰でもこのような反応はするでしょう。
突然こんなことを言われた暁には。
61 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:15:32.85 ID:+Sfr6DMJ0
「お前がどれほど巨乳なのかがよくわかった」
「ぅ...」
確かに私の服装は明るめなニットです。
こうやって足元を見ようとすると。
胸の形がくっきりと出て、足元が見えません。
スーツの時と比べて、見えにくいというだけですが。
「わざとその服を選んだのか?」
「わざと...じゃない...」
「俺に見て欲しかったのか?」
「ち、違うもん...」
「じゃあどうして?」
「無難かな、って...思ったから」
言い寄られています。
みるみると距離を詰められ、私の背後には扉です。
逃げ場がなくなってしまいました。
62 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:16:13.12 ID:+Sfr6DMJ0
私よりもずっと背の高い彼の顔を見ようと。
見上げると、彼はじっと私の顔を見ていました。
「うぅ...」
弱音を吐き、顔を伏せてしまいます。
まともに直視することができません。
「俺を誘うためだろ?」
耳元でそんなことを口にされて。
これではそんなつもりでなかったのに。
私は自分に正直になれず。
彼の言われるがままに、白状してしまいます。
「自分の卑猥な身体を見せたかったんだろ?」
「そう...です。あなたを、意識して...見せたくって...」
「まったく。エロい女だな、お前は」
「い、いじわるしないで! もう...!」
私は彼を手で突き放そうとしましたが、
「きゃっ...」
それよりも早く抱きしめられ、頭を撫でられました。
これでは怒る気にもなれません。
63 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:16:42.88 ID:+Sfr6DMJ0
私の熱くなった心は一瞬にして鎮火してしまいます。
「ずるいよ、こんなこと...」
「お前の反応が可愛いから悪いんだ」
「...じゃあもう少し、このままでいさせて?」
「あぁ、いいよ。巨乳の感触が心地良いからな」
「馬鹿...!」
密着しているので当然私の胸は彼に当たっています。
ぎゅうっと形を歪ませています。
彼曰く、卑猥だとか。
...もしブラをしていなかったら。
もっと彼は喜んでくれたでしょうか。
そして、もっといじめてくれるでしょうか。
私は彼に、卑猥だと言われて嬉しい。
一人の女として意識されているのが嬉しい。
性的な目で見られているのが嬉しい。
そうでなくては。
私も彼のことをそういう風に見られないからです。
64 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:17:20.29 ID:+Sfr6DMJ0
「そろそろいいか?」
「んーん。まだだめ」
「年上のくせに、随分と甘えん坊だな」
「だって、あなたに抱かれていると安心するから」
「俺はお前とキスをしたいんだがな」
「き、キス...」
魅力的な提案です。
私は抱きしめられ、頭を撫でられるのが好きです。
しかしそれと同じくらいキスをするのが好きです。
ど、どちらかと言うと、えっちなやつの方が...。
「うん、じゃあ...キス、しよっか」
彼は私を離しました。
途端に感じる孤独感。
抱かれている時と、いない時では差を感じます。
彼に手を取られ、ソファへ。
二人がけのソファに並んで座るのかと思いきや。
普通に腰をかけた彼の上に私が跨ります。
彼のほうに向かって、改めて身体を密着させて。
近いです、かなり。
65 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:17:54.47 ID:+Sfr6DMJ0
「これでキスしやすいだろ?」
「そう、だけど...重くない? 大丈夫?」
「エロく実った巨乳は重そうだけどな」
「そ、そういうことを言わないで!」
はいはい、と彼は私の頭を撫でた後。
優しく唇に重ねてくれました。
頭が真っ白になって、何も考えられません。
しかしやることは身体が理解しています。
とにかく濃厚なキス。
お互いの唇が相手の唾液で濡れるまで。
そして唾液の交換さながらに、舌を絡めます。
「んっ...んち...ゅ...ん...」
少し離れると、唾液の糸が伸びます。
どちらの唾液か、それとも私たちの唾液か。
艶っぽく光に照らされたそれが落ちるよりも早く。
本能的にキスを再開しました。
くちゅくちゅと、えっちな音が響きます。
その音は心地良く、私の身体を火照らせました。
66 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:18:25.83 ID:+Sfr6DMJ0
「んっ、はぁ...それ、反則...んっ...ん...」
キスをしながら、舌を絡めながら。
頭を撫でられるのは一層の格別です。
私たちは時間を忘れてこの行為をし続けました。
違和感を感じる、この時までは。
「ん。ねぇ、あの...その...あなたの下半身がね」
キスを中止し、先程からの異変を指摘します。
ズボン越しに、太ももに触れるそれ。
跨ったときから気付いてはいたけれど。
もう無視できないほど、それは硬くなっていました。
狭いズボンの中では、とても苦しいでしょう。
「だ、大丈夫? 痛かったりしない?」
「お前がエロいから悪いのは、分かるか?」
「え? え、ぁ、う、うん? 私が、悪い...の?」
「なら、きっちり責任取らないとな」
都合良く乗せられていた気はするけれど。
それでも、それは嫌ではなかった。
愛する人のためにこの身を尽くすのは。
心の底から喜ばしく、嬉しいことなのですから。
私は床に膝立ちをし、彼のズボンを脱がせます。
手惑いながらもベルトを外し、チャックを下ろし。
まずはズボンだけを脱がせると、もう分かります。
とてもとても、大きくなっているそれに。
67 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:19:23.22 ID:+Sfr6DMJ0
私は下着の上からそれに指先で触れてみました。
すると、ピクンと反応を見せるではないですか。
私は小さな笑いが漏れるのを堪え、脱がせます。
「ぁ......」
遂に露わになった彼の生殖器。
教科書に載っていたイラストとは比べものにならず。
また、想像よりもずっと大きくて。
なんというか怖くて不思議な形をしていました。
私は恐る恐る、右手で優しく握ってみます。
「ぅ...」
彼の声が漏れました。
気持ち良かったのでしょうか。
「いや、お前の手が思ったよりも冷たくてな」
そうではなかったようです。
しかしそう言われてみると、これは熱いです。
とてもとても熱くて、火傷をしそうなくらい。
私が冷え性ということもあり。
相当冷たい思いをしたのだと思われます。
68 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:20:02.14 ID:+Sfr6DMJ0
そのお詫び、ではありませんが。
探り探り、右手を上下に摩ってみます。
「こ、こんな感じ...?」
「あぁ、上手だ」
頭を撫でられます。
上手にやったご褒美でしょうか。
私のモチベーションもこれで上がりました。
右手で摩りながら、左手は先端に触れます。
小さな穴から出てきた半透明な液体。
左手の人差し指でそれを掬うと、粘りを感じます。
匂いは、決して刺激臭というわけでもありません。
「もう少し早くしても大丈夫だぞ」
「そ、そう? 痛かったら、言ってね?」
言われた通り、右手の運動を早くします。
雑すぎず、かつ要望通りに、丁寧に。
すると先程の液体がみるみると出てきました。
いつしかくちゃくちゃと言うまでになり。
私の右手はすっかり粘液に汚れてしまいました。
「ね、下のも触っていい?」
私は興味本位で、袋に触れる許可を貰います。
二つ返事で了承してくれたので、触ってみました。
「これ...丸い、玉?」
「子供の種を作る役割だな」
「赤ちゃんの......せい...えき...だよね?」
「あぁ。お前を孕ませるやつだ」
「な...ぅぅ......」
彼の顔を直視できず、視線を落としました。
69 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:20:37.21 ID:+Sfr6DMJ0
そして何の気もなしに。
なんとなく、そうしてみたいと思ったから。
私は口を開けれるだけ開けて、咥えてみました。
「あむ...」
粘液に塗れた先端から、とても太くて長い部分まで。
苦しくない範囲までで、挿れてみました。
「んぐ...ん...ろう...? ひもひい...?」
興味本位でした行為に、彼は音をあげます。
手でしている時よりも気持ち良さそうです。
口ですることにより粘液の分泌がすぐに分かり。
また唾液によってスムーズな上下運動が可能です。
チラッと彼の方を見ると、悶えているっぽいです。
ふふ、可愛いなぁ。
ようやく私が優位に立てるところまできました。
これまではやられっぱなしだったので。
ここらで反撃です。
「ぐ...ぅ...で、出そうだ...!」
「れ、れそう? んっ...出そうって、...もしかして」
彼の言葉に、つい咥えるのをやめてしまいます。
出そうとは、つまり、私の少ない性知識によると。
「精液...だよね?」
「あぁ。たっぷりと出してやるから、また咥えろ」
命令口調でそう言われ、私は服従します。
自分の意思で改めてするのではなく。
彼が言ったからそうする。
私は脈打つそれを再び咥えました。
70 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:21:07.42 ID:+Sfr6DMJ0
また自分のペースで頑張ろうと思いきや。
彼は私の頭を両手で掴み彼のペースでし始めました。
「んっ、ぐ...んっ、ぐっ、ん、こほっ...」
息ができなくて、とても苦しいです。
でも悪い気はしません。
無理やりされて気持ち良くなっている自分がいます。
私が自分の意識でしていた頃の二倍近いペースで。
それをただただ繰り返していると、遂に。
「ぅ...出すぞ、一滴も零すなよ!」
私は頭を固定されていながらも顔を縦に振ります。
「全部口の中に残しておけ、飲むな!」
同様に、私は彼の言いなりになろうとします。
「っ...出るッ...! クッ......!」
それは大きく脈を打ちました。
先端から出てくるのは先程と違う液体。
ドロドロとしていて、熱くて、濃厚で、魅力的な。
一瞬で理性が飛んでしまいそうなほどの威力です。
女はこれで孕む。
そう考えると、考えているうちに。
ジワァっと。
下着が濡れるのを感じました。
71 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:21:45.57 ID:+Sfr6DMJ0
「まだっ、出るぞッ!」
ドロドロというより、プリプリとした。
ゼラチン質のような液体は私の口内を犯します。
私の口から溢れ出そうになる一歩手前で。
脈打つのを、それはやめました。
全部吐き出し切ったということでしょうか。
「ぅ...ふぅ。...飲んでないな? 見せてみろ」
私は口を開けます。
たっぷりと私の口に満たされた液体を確認して、
「その味を一回で覚えろよ」
コクコク、と私は頷きます。
「覚えたら、飲め」
目を閉じて、言われた通りに。
彼の子供の種の味を分析します。
なんと表現したらいいか分からない味だけど。
決して嫌ではなく。
一度味わったら忘れられられなく。
かつ癖になってしまいそうなこの味を。
私はよく堪能してから、喉を通して胃へ運ぶ。
「んっ...こく...ごく...ん...はぁ」
私は飲み切った証拠として空になった口を見せます。
彼は笑顔を見せ、私の頭を撫でてくれました。
72 :
◆rW0AlyRPYU
[saga]:2017/04/19(水) 18:22:18.09 ID:+Sfr6DMJ0
そんなことをされたら、
「ん、おい...?」
私はみるみると小さくなりつつあるそれを咥えます。
再び、自分の意思で。
「ん、ずっ...んく...これでいい?」
尿道に残った精液を吸い出します。
残ったままでは気持ち悪いかもしれない、と。
私は考えて、自主的にしてみました。
すると彼は改めて私の頭を撫でてくれました。
「ほんっとお前はエロくて、良い女だな」
「エロくて、は余計だよ」
「初めてであんなに上手だったんだ。素質あるぞ」
「褒められても...。私は、あなたにしかしないし...」
「俺専用、ってことでいいのか?」
「私専用の、だよ。少しは年上を敬いなさい」
私は年上らしく、威厳を発揮して見せました。
彼のは私専用。
誰であろうと触らせも、咥えさせたりもしません。
「だ、だからね」
「なんだ?」
「もし...その...気分になったら、私が...」
若い男の子の性欲は底無しと聞いています。
なら、すぐにそういう気分になるのでしょう。
その時は毎回私が駆けつけ、私がする。
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