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【オリジナル】「治療完了、目をさますよ」2【長編小説】
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232 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:49:51.57 ID:vhS4jR9Y0
「私の……」
彼女はよろめきながら歯を噛み、絶叫した。
「パパと、ママを! お前らが殺したんだ!」
ソフィーの髪がざわつき、金色の髪が彼女の顔を覆い隠す。
病院服が長いドレスのような……白色の薄いローブに変わり、数秒後、そこには髑髏のマスクをつけた小さな影が一つあった。
「殺してやる!」
スカイフィッシュと化したソフィーは、半狂乱で絶叫し、悲鳴のような声で笑いながら拳銃の引き金を引いた。
アルバートの右手、左手が肘の部分から吹き飛ばされ、肉塊に変わる。
ダルマとなった無抵抗の老人の眉間に銃を押し当て、彼女は地面に大の字に転がった彼の胴体を足で踏みつけた。
「何千回でも殺してやる! 死んだら生き返らせて殺す! 永遠に苦しめてやる! 悪魔め! 貴様ら全員同じ目に合わせてやる!」
人が変わったように喚くソフィーの目が、白目までもが真っ黒に変色していく。
233 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:50:21.14 ID:vhS4jR9Y0
「残念だけど……それは出来ない相談よ」
そこで彼女は、背後から声をかけられ、ハッとして振り返った。
その髑髏の仮面の顔面に、いつの間に移動したのか、汀が繰り出した拳がめり込む。
彼女の風を切った拳はそのままソフィーの体を持ち上げると、人一人を重機で殴ったかのように後方に吹き飛ばした。
少し離れた砂山に、ソフィーが背後から砂煙をあげて叩きつけられる。
汀の繰り出した左手は、おかしな方向に曲がっていた。
痛みに顔をしかめた彼女に、アルバートが震える声を上げる。
「こ、殺せぇ! あのスカイフィッシュを……殺せ! 早く!」
喚いている彼を、ゴミでも見るかのように冷たい目で一瞥すると、汀は左手をダラリと下げ、潰れた右目からとめどなく血を流しながら、ゆらりと立ち上がったソフィーに向けて足を踏み出した。
「小白は危ないから、そこにいて」
ついてこようとした小白を押しとどめた汀に、ソフィーが怒鳴った。
234 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:50:59.01 ID:vhS4jR9Y0
「邪魔をするの? 邪魔をするのね、網原汀! 私の復讐の邪魔をするのね!」
「あなたはスカイフィッシュの悪夢に精神を汚染されてる。完全にスカイフィッシュになってしまえば、もう元には戻れないわ。今ならその腕を切除すれば、あなたの精神は助かる」
汀に静かに言葉をかけられ、ソフィーは歯をギリギリと噛みながら答えた。
「……何を言っているの? あなたの親も、この悪魔に! こいつらに殺されていたかもしれないのよ! あなたも、私と同じ境遇なのよ!」
「…………」
「憎くないの? 怒りが沸かないの? あなたをここまで苦しめて、私をここまで貶めて、苦痛を与え続けたのはこいつらなのよ! あなたはそれでも、あの外道を守るっていうの!」
悲痛なソフィーの叫びを聞き、汀は残った左目で、まっすぐ彼女を見た。
そこには怒りも悲しみもない。
ただ、純粋な、まっすぐ突き刺さる信念があった。
「人を治すっていうのは、そういうことなんだよ。多分」
彼女の端的な声を聞いて、ソフィーは口をつぐんだ。
235 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:52:02.41 ID:vhS4jR9Y0
汀は手に持った日本刀を、右手だけで構えて腰を落とした。
「私は人を治すわ。人を救う。だから、あなたも治療しなきゃいけない。あなたは、病人よ」
「正気? その満身創痍の体で、この体の私をどうにかできると?」
「するわ。私は医者だもの」
「違う!」
ソフィーは絶叫した。
「それはこいつらにインプラントされた強制記憶の一つよ! あなたの意思じゃない!」
「だとしても……」
汀はソフィーを見て、フッ、と小さく笑ってみせた。
「私は、人を救いたいんだ」
絞り出すような彼女の声を聞いて、ソフィーが目を見開く。
汀が地面を蹴った。
その姿が視認できない程の速度で動き、掻き消える。
236 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:52:41.26 ID:vhS4jR9Y0
地面を蹴った左足が異様な音を立てて曲がった。
残った右手で、汀は肉薄したソフィーの左手を一閃した。
肩口からそれがゴドリと地面に転がる。
肩を抑えて、激痛に悲鳴を上げてソフィーが倒れた。
汀は着地の姿勢をとれずに、そのままゴロゴロと砂山を転がった。
そしてうめきながら日本刀を掴んで立ち上がろうとし……左足の激痛に崩れ落ちた。
ソフィーの切り離された左腕が粘土のように蠢き、形を変えて膨れ上がる。
「……自我を持っちゃったか……」
吐き捨てるように呟き、汀は日本刀を砂山に刺し、杖代わりにして立ち上がった。
そして右足だけで地面を踏みしめて、ソフィーの腕が変質した「モノ」を睨みつける。
それは、一抱えもあるような巨大な「脳」だった。
人間のピンク色をしたそれが、脳髄をダラリとたらしながら空中に浮かんでいる。
異様な悪夢の形を見て、汀が顔をしかめる。
237 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:53:10.59 ID:vhS4jR9Y0
彼女は視界の端で、肩口から血を流したソフィーが意識を失ったのか、地面に突っ伏したのを確認してから、日本刀を振った。
それが大口径の拳銃に変化し、間髪をいれず脳型のスカイフィッシュに向けて引き金を引く。
真っ直ぐ飛んだ銃弾は、しかし突き刺さることはなかった。
脳が軽く脈動した途端、彼女たちの周囲の空気が、まるで強烈なマグニチュードの地震が起こったかのように揺れた。
たまらず地面に転がった汀の目に、銃弾が突き刺さる直前で爆裂し、煙を上げたのが見える。
スカイフィッシュはゆっくりと空中を浮遊しながら、アルバートに向けて進み始めた。
悲鳴を上げて喚いている老人を見て、汀が歯噛みする。
彼女は荒く息をつきながら銃を片手で構え……そこで、心臓が激しく脈動し、硬直した。
体が痙攣し、思い切りその場に血液を吐き出す。
脳が過負荷に耐えきれず、悲鳴を上げていたのだった。
視界がぐるぐると回り始め、音がハウリングしたかのように聞こえなくなる。
息を吸おうとするが、空気が肺に入ってこない。
238 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:53:39.96 ID:vhS4jR9Y0
まずい。
もう少しなんだ。
もう少しで、私は人を救えるんだ。
そして、これからなんだ。
この悪夢を抜けて、私は。
しあわせになって。
しあわせにして。
普通の人間の、普通の生活を送るんだ。
残った左目から涙が盛り上がる。
お願い。
お願い神様……。
もう少しだけ私の体を、動かして。
私に、あの人を助けさせて。
239 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:54:16.75 ID:vhS4jR9Y0
「そこじゃないよ。もう少し上」
汀は、はっきりと耳の奥で声が聞こえ、目を見開いた。
誰かが隣に立っている。
優しく、温かい感覚。
隣にいる「彼」は、手を伸ばして汀の震える手を支えた。
這いつくばった姿勢のまま拳銃を握りしめた汀の手をゆっくりと動かし、「彼」はスカイフィッシュの脳幹の部分に照準を合わせた。
「落ち着いて引き金を引くんだ。君の体力はもうもたない。限界なんだ。そろそろ君は強制的にダイブアウトする」
霞んだ視界では、「彼」の顔を見ることはできなかった。
「チャンスは一回だ。あのスカイフィッシュが、アルバート・ゴダックを殺そうとした瞬間を狙う。無防備になる時があるはずだ」
冷静な声を聞き、汀は手に持った拳銃に意識を集中させた。
240 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:55:35.78 ID:vhS4jR9Y0
ダルマになったアルバートに覆いかぶさるように、巨大な脳が蠢いていたところだった。
その中心部が割れ、中から巨大な回転ノコが現れる。
高速回転を始めたノコを見て、アルバートが金切り声の悲鳴を上げた。
それが彼の眉間を両断する……という瞬間。
「今だよ、なぎさちゃん」
その声とともに、汀は拳銃の引き金を引いた。
241 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:56:10.20 ID:vhS4jR9Y0
◇
「…………」
汀はグチャグチャに飛び散った脳漿の海の中で、もがくようによろめきながら、なんとか立ち上がった。
荒く息をつき、手に持った拳銃を取り落とす。
そして彼女は、病院服のポケットに手を入れて、一貴の精神中核を取り出した。
先程まで鈍く光っていたそれは、くすんだ真っ黒い色に変わっていた。
「…………」
残った左目でそれを見つめ、汀は胸に輝きを失った精神中核を抱きながら、折れた足を引きずって歩き出した。
彼女の足元に小白が駆け寄る。
少女と猫は、意識を失っているのか、白目をむいて倒れているアルバートの前で止まった。
汀は一貴の精神中核を大事そうにポケットに入れると、ヘッドセットのスイッチを何度か操作した。
しばらくしてノイズとハウリング音と共に、大河内の声が流れ出す。
242 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:56:41.44 ID:vhS4jR9Y0
『汀ちゃん! 通信がつながったぞ!』
ヘッドセットの奥から歓声が聞こえる。
汀はアルバートを見下ろして、囁くように言った。
「生きなさい……夢の世界に生きる化け物達。私達は生きなければいけない。犠牲にした人の上に、築いていかないといけない。それが生きるってこと……私達医者の『カルマ』だと、そう思う……」
『どうした? 汀ちゃん! 声がよく聞こえないぞ!』
大河内の声を聞いて、汀は小さく笑った。
「せんせ……」
彼女は残った左目で天を仰いだ。
砂原の上の空は、青く澄んでいた。
「治療完了。目をさますよ」
243 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:57:18.30 ID:vhS4jR9Y0
★
「先生? 先生!」
呼びかける声が聞こえた。
目を開けた。
片目から見える世界も、もうだいぶ慣れた。
左目を動かして視線をスライドさせる。
同時に指先で電動車椅子を操作し、彼女……汀は白い壁に囲まれた診察室の中で、テーブルから正面の座席の方に体を向けた。
「そろそろ会議の時間ですよ。今日はご出席できそうですか?」
看護師の女性に顔を覗き込まれ、汀は軽く微笑んでみせた。
「……ええ。何時からだったかしら」
244 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:57:52.62 ID:vhS4jR9Y0
「二時間後の十五時からです。診察は空いてらっしゃるとお聞きしましたので……」
「今日は、別の先生が担当してくださるの。大丈夫、時間になったら会議室に行きます」
二十代前半程の彼女……汀は、眼鏡の奥の左目を細めて、小さく首を傾げた。
「少し、中庭で食事をしてきてもいいかしら? 朝から何も食べてなくて……」
「あら……そうだったのですか? 駄目ですよ先生、ただでさえ細いのに、もっと痩せたら栄養失調になってしまいます」
「うふふ……そうね」
頷いて、汀は顔を上げて診察室の脇を見た。
病院の中だというのにケージがあり、ふかふかのクッションに老猫が一匹丸くなって眠っていた。
「小白が起きたら、エサをあげて、トイレの掃除をしてもらってもいいかしら?」
「分かりました。安心して何かお腹に入れてきてください」
看護師に急かすように言われ、汀は頷いた。
「ええ。それじゃ、行ってくるわね」
245 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:58:20.85 ID:vhS4jR9Y0
◇
関東赤十字病院の中庭に車椅子を進め、汀は街路樹が並んでいる隅のベンチ、その脇に停止させた。
彼女の眼鏡の奥の右目は白濁していた。
視力は完全にない。
感覚もなく、かろうじて瞼の開け閉めはできる。
左半身の麻痺に加え、首もよく動かすことができなかった。
右手で、先程病院内ストアで購入したサンドイッチの袋を慣れた手つきで開ける。
動かない左手は膝の上に置いてある。
サンドイッチを時間をかけて飲み込み、長く伸びた白髪を手でかきあげる。
看護師に、出勤した時に後頭部のあたりで三つ編みにしてもらっていた。
246 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:58:49.54 ID:vhS4jR9Y0
「元気そうだな」
そこで汀は声をかけられ、顔を上げた。
彼女の前に、スーツ姿の初老の男が立っていた。
彼は堀りが深い顔で汀を見下ろして、言った。
「座っても?」
問いかけられ、汀は軽く微笑んで頷いた。
「ええ、どうぞ」
男性が小さく会釈して、汀の脇のベンチに腰を下ろす。
彼は足が悪いのか杖を持っていた。
それを脇に置いて、懐からタバコを取り出す。
「いいかな?」
「ええ、ここには私以外誰も来ませんから。ただ、ポイ捨てはしないでくださいね」
「失敬な。私がいつそのようなマナー違反をしたというのだね」
247 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:59:25.06 ID:vhS4jR9Y0
軽口を叩いてきた汀に笑いかけ、彼はタバコに火をつけ、フーッと息を吐いた。
煙の匂いをかぎながら、汀はパックの野菜ジュースのストローを口にくわえた。
彼女の膝の上に置いてある、動かない左手の薬指には、プラチナの指輪がはまっていた。
それをしばらく見つめてから、男性は視線を青い空へと向けた。
「結婚式には行くことができなかった。君の花嫁姿を、見たかったんだがな」
「呼んでいませんもの。来れなくて当たり前です」
淡々と返した汀に、男は視線を向けずに続けた。
「彼は元気かね?」
「時折傷口がうずくとは言っていますけれど。ただ、あなたの顔を見たら傷も開きそうですね」
「違いない」
クックと小さく笑い、男性はタバコを暫くの間ふかしていた。
248 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 18:59:52.61 ID:vhS4jR9Y0
そして小さく、ポツリと言う。
「網原……いや、大河内君。私は、君に謝らなければいけないことがある」
「それはそれは。会議までに終わるかしら」
微笑んで呟く、大河内と呼ばれた汀。
男性はそれに答えず、タバコの煙を吐いて言った。
「君が、マインドスイーパーを続けてくれるとは思っていなかった。その……君はもう、人並みのしあわせを手に入れることができた女性だ」
「…………」
「大人になっても長時間のダイブができる人間は、確かに世界中で君一人かもしれない。だが……」
男性は空を見上げながら言った。
「もういいのではないか? 中萱榊の計画のために育てられた君という存在の『カルマ』は、綺麗に消えたはずだ。他ならぬ、君が成し得た戦いによって。だから……」
「医者をやめろ、というのです?」
汀に静かに問いかけられ、男は懐から携帯灰皿を取り出し、タバコを押し付けて火を消した。
249 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:00:23.28 ID:vhS4jR9Y0
「そうだ」
汀は少しの間沈黙していた。
そして、動く右手で、白濁した右目をなでた。
「その目も、精神外科の治療で治すことができるかもしれない。私は、そのサポートを……」
「この目は、このままでいいんです」
汀ははっきりと彼の言葉を否定すると、小さく首を振ってみせた。
「これは、私の大事な証なんです」
「…………」
男はベンチの背もたれに背中を預けた。
「……そうか」
「私のカルマは、消えていませんよ」
汀はそう言って、野菜ジュースのパックを膝の上に置いた。
250 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:00:49.42 ID:vhS4jR9Y0
「消えることはない。私は、一生そのカルマを背負い続け、一生苦しまなければいけないんです」
「…………」
「それはいつか、私の心を蝕み、体は朽ちて、死へと誘っていくでしょう。私は、やはり苦しみの中で死ぬのかもしれません」
汀は、しかし男の方を向いて、屈託なく笑ってみせた。
「でも……それが『生きる』ってことでしょう?」
男は目を見開いた。
彼はしばらく汀の笑顔を見ていたが、やがてそっと視線をそらし、杖を手にして立ち上がった。
「いや……その通りだな。すまない。時間をとらせた」
「いえ、いつでも」
「ああ。また来るよ」
コツ、コツ、と杖を鳴らして出口の方に向かって歩いて行く男性。
その向こうで、白衣を着た、眼鏡の女性が彼を待っていた。
女性に支えられ、男の姿が向こうの通路に消える。
251 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:01:25.94 ID:vhS4jR9Y0
「ドクター大河内!」
そこで背後から声をかけられ、汀は振り返った。
少し離れたところで、金髪の背が小さな女医が、パタパタと走ってくるところだった。
「あら……ドクターアンヌ。こちらに来てたの?」
穏やかに言われ、アンヌと呼ばれた女医……ソフィーは息をついて腰に右手を当てた。
彼女の左腕は、肩口からギプスで吊られていた。
「その呼びはやめて。ソフィーでいいわ」
「でもねえ、そっちのS級能力者を呼び捨てにするのもねえ……」
指先を顎に当てて考えた汀を見て、ソフィーはため息をついた。
「あなたに言われると嫌味にしか聞こえないわ」
「いつ日本に?」
252 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:01:55.72 ID:vhS4jR9Y0
「さっきよ。っていうか、私昨日飛行機の中からあなたにメールしたわよ。見てないの?」
「あら……ごめんなさいね。忘れてた」
屈託なく言われ、ソフィーは肩をすくめて汀の車椅子、その取っ手を掴んだ。
「押してあげる……あら?」
顔をしかめて、彼女は汀を見た。
「お線香の匂い……? あなた、ケムいわよ」
「そう? 気のせいよ」
右手だけで車椅子を慣れた手つきで操作し、ソフィーは汀と一緒に病棟に入った。
「フランスではどう? いじめられてない?」
問いかけられ、ソフィーは呆れたように鼻を鳴らした。
「私を誰だと思ってるの? 世界に二人しかいないS級能力者の一人よ。どうにかしたくても、誰にもどうにもできないわ」
253 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:02:25.55 ID:vhS4jR9Y0
「うふふ、そうね。違いないわ」
優しく彼女の言葉を肯定し、汀は小さく欠伸をした。
「ちょっと、寝ないでよ? これから会議なんだから」
「あなたがいれば問題はないでしょう? 私、ちょっと疲れちゃって……ごめんね、少し……」
そこで汀の声が途切れた。
「ちょっと……!」
咎めるような声を出したソフィーの前で、汀は車椅子に体を預け、小さく寝息を立て始めてしまった。
一旦車椅子をとめ、持っていたブランケットを彼女の膝にかけたソフィーに、パタパタと小さな子供達がかけてくるのが見えた。
小児病棟の入院棟だったらしい。
254 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:02:57.19 ID:vhS4jR9Y0
「先生! 先生見てー! 教えてくれた折り紙、うまく出来たよ!」
女の子が手にたくさんの折り紙作品を持って汀に呼びかける。
声を聞きつけて、次から次へと子供達が集まってきた。
「あれ? 先生寝ちゃってる」
「そうよ、先生ちょっと疲れちゃってるから、みんな、今は寝せてあげてね」
ソフィーが微笑んでそう言う。
そして彼女は少し子供達と話した後、車椅子を押して歩き出した。
255 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:03:26.65 ID:vhS4jR9Y0
◇
自殺病は、なくならなかった。
人々の心に蔓延したスカイフィッシュは少なくはなったが、まだ活動はしている。
十年経ち、変わったことといえば……。
医療技術が進歩し、マインドスイーパーが無駄に命を落とすことが、少なくなったこと。
そして、子供が大人になったということ。
その二点だけだった。
相変わらず自殺病で人は死に、マインドスイーパーは治療のために犠牲になっている。
テロが終わって、世間は騒がしくはなったが、数年経ちそれは、ただの「過去の出来事」になった。
子供達は、それを知らない。
そして大人になり、結婚し、子を育み、死んでいく。
自分達がいつ死ぬかも分からず。
どうやって死ぬかも分からず。
256 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:03:57.36 ID:vhS4jR9Y0
恐怖に依るエラーを心に蓄積させながら、それでも人は生きていく。
生きざるを得ない。
257 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:04:24.17 ID:vhS4jR9Y0
◇
汀は、赤十字病院のドライバーが運転する車の後部座席に腰を下ろしていた。
ぼんやりとした視線には、流れる夜の街のライトが映る。
これは現実だ。
夢ではない。
何度も確認し、何度も実感すること。
しかし……。
夢と現実の境目とは何なのだろう。
汀はいつもそう思う。
もしかして、私の生きているこの世界こそが夢で。
目覚めるところ、そこが現実なのかもしれない。
そうも思う。
258 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:04:50.09 ID:vhS4jR9Y0
しばらくしてドライバーが車を停め、郊外の一軒家の前でドアを開けた。
車椅子をセットしてくれたので、抱え上げられてそこに座らせてもらう。
「それでは、お疲れ様です。大河内先生」
「ありがとう。また、明日もよろしくね」
微笑んで若い男性ドライバーに言うと、彼は少し頬を赤らめて会釈した。
手を振って車を送り、一軒家のスロープを車椅子でのぼり、チャイムを押す。
少しして、電気がついている玄関のドアが開いた。
259 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:05:19.60 ID:vhS4jR9Y0
汀はそこから覗いた顔を見上げ……。
「ただいま」
そう、言った。
【終】
260 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:05:55.04 ID:vhS4jR9Y0
お読みくださったすべての方に感謝を。すべての幸せに祝福を
261 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:24:44.88 ID:vhS4jR9Y0
[登場人物]
・網原汀(あみはらなぎさ)=高畑汀(たかはたみぎわ)
13歳。特A級マインドスイーパー。夢の本質を見ることができる特殊な眼を持つ。
・高畑圭介=中萱榊(なかがやさかき)
汀の主治医。その実は、赤十字組織に復讐を誓った元マインドスイーパー。感情の大部分を欠落している。
・大河内裕也
赤十字病院の医師。秘密機関GDの諜報員でもある。過去圭介達と仕事をしていたマインドスイーパー。
・小白(こはく)
汀が拾った猫。マインドスイーパーの能力があり、夢の中を自由自在に行動できる。
・加原岬
汀達、第二実験体と同期の少女。後ほどテロリストに拉致され、スカイフィッシュの悪夢に覚醒、飲み込まれる。
・工藤一貴(くどういちたか)=ナンバーX
第二実験体の成功作。テロリスト側に周り、幾度も汀の前に現れる。彼女を愛している変質的な側面もある。強力なスカイフィッシュの力を持つ。
・片平理緒
赤十字病院のマインドスイーパーで汀の親友。しかし、スカイフィッシュ症候群の治療で感情の大部分を欠落させられてしまう。
・フランソワーズ・アンヌ・ソフィー
フランスのマインドスイーパー。高いIQを持つ天才少女。父と母を探している。
・結城政美
テロリストの女性。一貴達の管理をしている。
・ジュリア・エドシニア=アンリエッタ・パーカー
アメリカ特務機関の人間。圭介を昔から愛している。人工的に調整されたスカイフィッシュ変種。
・赤西忠信
第二実験体の少年。精神崩壊を起こしているスカイフィッシュ変種。
・喫煙者=スモーキン・マン
機関にも赤十字にも、更にはテロリストにも関与している謎の人物。汀と縁が深い。
・松坂真矢
圭介と相思相愛だった女性。過去の汀の治療中に死亡してしまう。その意識の断片がプログラムにされている。
・マティアス
機関の精神外科担当医。闇医者的な存在で、汀の精神真皮を切り殺してしまう。
・アルバート・ゴダック
元老院を統括していた存在。夢世界に生きている。
・坂月健吾
かつての最強のマインドスイーパー。その精神はスカイフィッシュに変わって感染を繰り返していた。
※登場順
262 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 19:32:41.39 ID:vhS4jR9Y0
[あとがき]
お読みくださり、ありがとうございますm(_ _)m
かなり時間がかかりましたが、このような形で完結させることができました。
お楽しみいただけましたら幸いです。
このお話ですが、イラストつきの同人書籍として刊行予定です。
私のツイッター(@Gemmy_FFXIV)で告知をしていきますので、その際はぜひお手にとっていただけると幸いです。
フォローなどもお気軽にどうぞ!
また、カクヨムなどで小説も連載中です。
現在は同様なサイコホラーの「アリス・イン・ザ・マサクル」というお話を随時更新しています。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883177217
こちらもお気軽にフォローなどいただけますと幸いです。
このスレはある程度時間が過ぎましたら、クローズさせていただきます。
それまでご自由にご意見、ご質問など書き込んでいただけますと嬉しいです。
それでは、今回の小説本文投稿はこれで失礼させていただきます。
今後も別の小説を投稿させていただく際には、別スレなどを建てますので、そちらでもよろしくお願いします。
天寧霧佳(天音)
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 20:35:18.62 ID:dASGJjjwO
乙
喫煙者は他の登場人物だったりするのかな?
264 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 20:42:17.63 ID:vhS4jR9Y0
>>263
ありがとうございますm(_ _)m
喫煙者は、読む方によっていろいろなとり方ができる書き方をしています。
一応私の中で定まった設定はあるのですが、作中で特に明言はしていませんので、皆様の考える設定で受け取っていただいて大丈夫です。
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 20:44:22.70 ID:ejhKRx0A0
面白かった!普通に興奮しながら読んでた。オリジナルでここまで読まされたのは久し振りだ。完結乙でした!
序盤の気の毒な寝たきり少女がラストでは歴戦の猛者の凄みでクール!
人物紹介のリクエストに応えて下さった事にも感謝です
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 20:45:35.74 ID:ejhKRx0A0
高畑は凄くて怖くて悪くて哀しくて矢尽き刀折れて尾羽打ち枯らした完璧超人という盛り過ぎの奴だったけど、やはり哀しいな
元は情味深い男だったんだろうに、後半生は生き地獄だったろう
汀を悪魔の計画に利用し倒して善人面を一片も見せず、それでいて巧妙に汀を守った。せめて最期に真矢さんのお迎えはあったと思いたいRIP
267 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:01:41.01 ID:vhS4jR9Y0
>>265
なんとか完結させることができました。
汀が最後、目を覚ますための「彼女の治療の物語」でもありました。
一応この作品の続きのプロットもあるのですが、先にお読みいただいた方から、「ここで終わるのがいい」と言われ、迷っています。
いずれにせよ書けるにしても少し先のお話になりますけれどね。
>>266
裏の主な主人公はやはり圭介でした。
彼が復讐のために総てを用意し、総てを動かした戦いの物語でもあります。
感情を欠落したがゆえ、汀達のことを理解できず苦しむ描写は序盤から少しずつ入れていました。
伝わっていたらいいなと思います。
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 21:13:18.80 ID:ejhKRx0A0
以下細かい点の解説を希望
・結城医師が何者かよくわからない。アメリカ赤十字の回し者だったのか?
・高畑とアンリエッタの過去の因果関係がよくわからない
・アンリエッタの立場がよくわからない。というか非道いよ貴重な女性キャラが…
特務という事は軍関係?精神外科技術が軍事転用されている事は想像に難くないが
・汀がロストしていた間、理緒がどこでどうしていたのかわからない
・自殺病とマインドスイーパーは卵と鶏。病気の発見とシステムの開発にはまだ裏がありそう
・自殺病の専門医である大河内が高畑のクソ発言にいちいちキレる。高畑の自殺病の後遺症をわかっているはずなのに。あれも高度な腹の読み合いだったのか?
・汀の行きつけのびっくりドンキーのクオリティが高すぎる。うちの近所のは潰れたのに
・小白かわいい。カプセル怪獣かよ
・「喫煙者」の正体………は野暮ですね。想像で納得しておきます
269 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:28:35.01 ID:vhS4jR9Y0
>>268
@結城医師について
彼女は、純粋に赤十字の妥当を目的としたテロ組織の一人です。
もともと赤十字病院の医者だったのが、テロに加担していました。
最終話で喫煙者のことを出迎えた女性は結城です。
A高畑とアンリエッタ
ここについては本編の中で一切触れていませんでした。
過去、圭介と坂月、真矢(時々大河内)はセットでマインドスイープをさせられていました。
ある日圭介は、子供の時から、後に真矢が組み込まれるロボトミーシステムのために育てられていたアンリエッタに遭遇します。
すでに感情欠乏症を発症していたアンリエッタの夢にダイブし、圭介は彼女のトラウマを破壊したことがあります。
しかしその施術で、同時にダイブしていた坂月と真矢は重症を負ってしまい、後々まで引きずる障害を持ってしまいます。
それが、アンリエッタが圭介のことを愛していて、しかし坂月や真矢に負い目があった理由です。
その後、アンリエッタはテロ対抗の特務機関に配属され、圭介を追って、汀の危機を利用してやってきます。
結局はその気持ちを利用、踏みにじられ、圭介の復讐の一部に組み込まれてしまうというわけです。
270 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:33:13.79 ID:vhS4jR9Y0
>>268
Bアンリエッタの続き
彼女はテロリスト対抗組織の一員です。
つまり、世界医師連盟が組織した軍事部のメンバーということになります。
圭介の殺害司令を出したのは、世界医師連盟の会長、アルバート・ゴダックでした。
C汀が死亡した後の理緒
マティアスに汀のオリジナルが殺された後、理緒は赤十字の別の研究機関で監禁されていました。
しかし、圭介がアンリエッタに殺される直前に残していた大河内へのメモを、喫煙者が回収。
そこに書かれていた夢座標を読み取り、彼が手回しをしてソフィーと理緒を汀の助けに向かわせました。
それゆえ、アルバート・ゴダックの精神通路内に二人は侵入してこれたというわけです。
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 21:41:06.82 ID:EqjwV8pNo
乙
汀と圭介と理緒と一貴でスカイフィッシュ討伐による喜怒哀楽の欠落が違う設定でもあるのかと思ったわ
私は喜(一貴)怒(圭介)哀(理緒)楽(汀)と感じ取った
小白が精神真皮を拾ってたんだろうなと思うと賢すぎる気がする
しかも小白が拾って保管してたのなら坂月の推論(中核部分)が全部無駄に…
272 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:41:28.85 ID:vhS4jR9Y0
>>268
D自殺病とマインドスイーパー
坂月の精神体が言っていたとおり、自殺病は人の心に蓄積した恐怖心により発症する、エラーのようなものです。
元老院達は、その病気を利用して循環ビジネスとして利用していたわけです。
それゆえ、治療するという行為を表向きは演出しながら、スカイフィッシュや自殺病ウィルスをばらまくネットワークを構築したりしていました。
つまり、汀が大人になった最終話でまだマインドスイーパーがダイブを続けているという現状。
それは自殺病ウィルスがばらまかれる現状を、解決しきれていないということにもなります。
彼女の戦いは一応の終止符を打ちましたが、世界総てのシステムを変えるには至りませんでした。
「それでも、生きざるを得ない」という言葉に彼女の想いが総て集約されています。
E大河内がキレやすい
対象的に圭介が感情をなくしているため、何を言われても動じないがゆえに大河内がいちいちキレているようにみえるのかもしれません。
大河内は感情欠乏を発症していませんが、汀を圭介から救うために動いていました。
しかしそれを圭介に利用され、結局は手の内で踊っていたということもあります。
彼自身、ばかしあいでは圭介に到底かなわないことをわかっていたので、それが苛立ちにつながっていたのだと思います。
273 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:45:52.20 ID:vhS4jR9Y0
>>268
Fびっくりドンキー
全く本編にない裏設定でしたが、びっくりドンキーのオーナーは圭介達に自殺病を治療してもらった恩がありました。
ですから特別扱いだったわけですね。
G小白について
後半の先読みしたような動きは、小白がかなり歳をとったことによる成長によるものです。
拾われた時は子猫でしたが、汀が一度岬に撃ち殺された時、彼女の時間軸が狂った精神内で長時間帰りを待っていました。
それゆえ、精神だけ妙に成長した猫になってしまったということです。
H喫煙者の正体
皆様でご想像いただいたほうがいいかもしれませんねm(_ _)m
274 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 21:52:02.43 ID:vhS4jR9Y0
>>271
そうですね、明言はしていませんが、汀達はそれぞれ感情の大事なところをそれぞれ欠落しています。
仰る通りの裏設定で間違いありません。
マティアスが捨てた精神真皮は、その時点で虚無に投げ込まれてロストしてしまいました。
つまり、汀のオリジナルは確実に死亡しています。
汀はマティアスに施術される寸前に、持っていた忠信の精神中核に自分の情報を上書きしていました。
その精神中核は、マティアスが汀の夢の中で一貴に殺された後も、汀の夢の中に残り続けていました。
小白はその中から回収したというわけです。
猫は夢と夢を自由自在に行き来できる生き物なので、この場合は坂月が小白に接触して回収したという表現の方が近いかもしれませんね。
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/25(木) 22:16:05.81 ID:ejhKRx0A0
おお、解説ありがとうございます。
このSSは視点があちこち移って少女マンガに似た構造だと思うんだが驚く程ハードボイルドで汀でさえ何を考えているのかはっきりしない。その中で個人的には高畑が一番感情移入できた気がします。
一番信用できなかったのはヒゲでしたが彼はタヌキになり切れなかったと理解しておきます。
>>267
汀の物語は美しく完結しましたが、この世界観は壮大なシリーズ化が可能でしょ!外伝でも前日譚でも爆笑パロディでも何でもできそう
このスレの存在に気付いて良かった。新たなマインドスイーパーの活躍に期待
276 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/25(木) 22:42:08.68 ID:vhS4jR9Y0
>>275
圭介はあそこまで非情な言い方をしていたのに、皆様感情移入してくださってありがたい限りですm(_ _)m
続編のプロットはできていて、汀の娘が主人公の一人の予定ではあります。
しかし、現在カクヨムで連載している小説などがありまして、書くとしてもそちらが終わってからになるとおもます。
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/26(金) 00:50:29.91 ID:fqRtAJMOo
>>274
返信&解説ありがとうございます
結論小白万能過ぎる…
汀の精神中核のコピー(忠信精神中核)についてと精神大人小白の行動については引っかかる事が多い(汗)
箇条書きにします
@マティアスは本部に忠信精神中核を持って行ってないのか?(情報だけ本部へ渡し、中核は持っていた?)
A汀の中に忠信の精神中核が放置されてるのか(コピー回収した時に崩壊か汀の中で中核放置?)
B坂月は「情報の海に動けず…」と言っているのに小白(待っているだけ)と接触(汀の夢へ行く事が)できるのか?
私は「小白が汀の精神中核を探しに夢から夢へ渡り歩いてる内に成長して、坂月と接触し何かあれば坂月の元へ行く事にする→マティアスが忠信精神中核の情報だけ本部へ渡し中核は所持。マティアスがやられた後、中核だけ残る→小白が忠信精神中核を持ち坂月の所へ行き渡す→坂月がコピーを抽出し汀へ渡す→坂月がやられ、中核もロストする」という所まで妄想した…
素人の妄言なのでムカついたりしたら申し訳ない
鮮明にイメージが出てくるのでホラー系は苦手だが楽しかったです。
278 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/26(金) 01:25:25.36 ID:9LTcwgqp0
>>277
いえいえ、考察大感謝です!!
@精神中核の行方
マティアスは、大河内と汀の監視のために彼らに同行していましたが、結論から言うと本部に忠信の精神中核を提出していません。
本編内では触れてはいませんでしたが、彼はある程度の自由行動が許されている役職でした。
それゆえ、彼自身もまた本部との交渉材料にしようとしたのか、中核を自分の中に保持したまま監視任務についていました。
A汀の内部
沖縄に向かう飛行機内で、それゆえにマティアスは中核を持ったまま汀の中にダイブしてきました。
その状態で一貴達に殺されてしまったため、無傷で残っていた忠信(汀)の中核は、他ならぬ汀の精神内に放置されることになりました。
この場合、適切な容れ物内に中核が戻されなかったため、異物とされて汀の中に戻りませんでした。
小白はそれを回収したわけです。
B坂月の移動について
彼が、「情報の海」と呼称しているのは、夢の世界の話でした。
つまり坂月の精神体は、崩壊しかけて入るものの、ある程度他者の夢に干渉するだけの力はまだ持っていました。
このあたりは本編にも全く書いていないことなのですが、小白が坂月と何らかの要因で接触し、中核を渡したという流れになっています。
この場合、精神中核は、それが存在している夢の主が死んだら崩壊、ではないところがポイントです。
もともとのその中核の保持者が死んだり、夢の中で中核が破壊されない限り自壊することはありません。
それゆえに忠信(汀)の精神中核は、複数の夢をまたいで存在することができました。
13話時点で汀の中核を理緒が持っていられたと同じ理屈ですね。
楽しんでいただけて嬉しいですm(_ _)m
他の作品も、もしよろしければお手にとっていただければ幸いです。
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/27(土) 00:37:55.35 ID:JbXixk11o
>>278
返信&解説ありがとうございます
今回の解説で全部腑に落ちたわ。
とんだ勘違いをしてた。ありがとうございます
勘違い点は
✕忠信の精神中核が残っている→小白が忠信精神中核を確保→中核から汀のコピー中核を回収した
○忠信の精神中核は自壊(忠信の死去)→汀のコピー中核だけが残る→小白が見つけて回収した
忠信は精神中核を奪われただけなので汀同様生きているのだと思っていました。勿論一貴は『敵に中核を取られたので始末された』と思っているので『多分、もうこの世にはいない』と曖昧になってますし…。考えれば忠信を生かす理由が無いか…。
喫煙者は丸わかりですな…他にモブ看護師に…居るような気はしますね…
280 :
天音
◆E9ISW1p5PY
[saga]:2017/05/27(土) 13:57:56.84 ID:lSsouRyE0
>>279
いえいえ! 細かいところまで考察していただき大感謝です!!
忠信は、マティアスに精神中核が奪われた時点で死亡しています。
何故かといいますと、汀に精神中核の情報を上書きされたことにより、「忠信」の精神中核情報が永遠にロストしてしまったからです。
つまり、やむを得ないことだったといえ、忠信は汀が殺したことになります。
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/05/29(月) 18:37:19.42 ID:a2IKmgTZo
えー、完結してる
今度は速過ぎるよwwww
板的に読者もよくて週刊、月刊季刊くらいの気持ちでチェックしてるし
地の文もあって重いからレスを返す間が無いよ
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