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都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13
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522 :
次世代ーズ 「一日目の夜、『あkえ縺ョ縺イ縺槭¥』」
◆John//PW6.
[sage !inaba_res]:2022/01/30(日) 19:00:13.67 ID:jrwXiB+Do
「ミスター・パッツィ、お会いできて誠に光栄です
拙者は中之条、『朱の師団』元三番隊、今は四番隊に居る者です」
「あっ……、どうも」
ヴィットリオ・パッツィは「トンカラトン」からいきなり声を掛けられた
「朱の匪賊」、「トンカラトン」のみで構成される武装都市伝説集団
彼ら「トンカラトン」自身は自らを「朱の師団」と名乗っている
彼らの一部は全身を真っ赤な包帯で身を包んでおり、それ以外の者は片腕に一巻きの赤い包帯を結んでいた
●
全身が真っ赤な包帯なのは「師団」の幹部クラス。現在は二、三名ほどだ
○
腕に赤い包帯を結んでいるだけの個体は、幹部以外の下位戦闘員だ
中之条、そう名乗る「トンカラトン」は全身を真っ赤な包帯で包んでいた
幹部、あるいはそれに相当する地位にある。そういうことになる
「『十六夜の君』にこうしてお目にかかれたことも、ひとえにパッツィ殿のお力添えによるもの。感謝してもしきれぬ……!!」
「ああ、……まあなんつーの? 良かったじゃねえか」
このとき、ヴィットリオは若干引き気味だった
全員野郎な、しかもサムライのようなむさ苦しく泥臭い雰囲気の「トンカラトン」集団だ
「あの方」に仕える同士なので、いくら野郎とはいえ邪険にする理由もヴィットリオには無い
しかしだ、そうは言ってもこの中之条、いくらなんでも顔が近いうえに圧が強い。強すぎる
「あのスマホとかいう機器で連絡を取るほかないときは心細さが勝っており、気でも狂おうかという心持ちでしたぞ……!!」
「あー。気持ちは分かる、だが結果オーライってやつだろ。合流できたしな」
とにかくこの暑苦しい雰囲気をまとい、押し殺した声で話し掛けてくる中之条さんにはなるべく早く仲間のところに戻って頂いた方がいいだろう
ヴィットリオはちらりと他の「トンカラトン」集団の方に目をやった
「ぬう、『十六夜の君』の家臣にも相当腕の立つ剣客が居ると耳にした。是非お目にかかりたいものだが」
「隊長殿、なにぶん決戦前の様相です故……」
「……ぬう」
あっちはあっちで何か話し込んでいる様子だ、こちらの状況に気づいてくれることは無いだろう――とりあえず目の前の中之条に視線を戻す
「ときにパッツィ殿! ひとつお尋ねしたいことがある! 三年前、……そう、三年前……!
我ら『師団』三番隊が『十六夜の君』に助力を求められ、憎き敵を打ち滅ぼさんと、とある町で斬り合いに至ったものの
力及ばず……三番隊は……壊滅致しました……! しかし、あの憎き敵……! あれほどの力量があるならば、まさか……まさかとは思うが
『十六夜の君』が、用心棒として招き入れているのではないかと……! 拙者はそれを疑い、早急に確認を取りたい!
『十六夜の君』についている者で、破廉恥極まりない毒婦はおらぬか!? スケスケの服を身に纏い、豊満な肢体を見せつけてきおる毒蛇のような女は!?
もれなく……別の……女子も居たような……気がするが、要はその毒婦よ!! 力だけは確かであった!! パッツィ殿!! 如何であろうか!?」
「いや、ちょっと知らんわ……」
我々同士のなかに「破廉恥極まりない毒婦」、「スケスケの服を身に纏い」、「豊満な肢体を見せつけてきおる毒蛇のような女」……
いや、居ない。断言していい。仮に「あの方」に仕える同士にそんな女がいるとしたら、色々な意味でヴィットリオ自身が見逃す筈がない
「別で動いてる連中とも考え辛いし、そんな女はいないんじゃねえかな。てかそんな話は初耳だが……」
「そうであるか……、そうであるか……! かたじけない、パッツィ殿。良かった、アレが『十六夜の君』の用心棒では無いのなら。……戦場で見つけ次第、存分に斬れるわ……!!」
独りなにやら盛り上がっている中之条から、ヴィットリオはやや距離を取る
なんというか圧が増しただけでなく、物々しい殺気めいた凄味を発し始めたからだ
「一応他の連中に心当たりがないか聞いてみるわ。でもそんな女は……加わってねえと思うんだよなあ」
「かたじけない、パッツィ殿! 貴方は良き御仁だ! この戦を乗り切った暁には、必ずやその御礼を……!」
ヴィットリオはなんとか中之条との会話を切り上げ、その場から離れることに成功した
話からするに、中之条は三番隊を壊滅させた者が同士に加わっていないか、それを確認したかったらしい
仇討ちでもする気か? いや、所詮はあちらの事情だ。今は他にすべきこともある
ヴィットリオはその場を後にする
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