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都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13
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565 :
次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 1/5
◆John//PW6.
[sage]:2022/02/04(金) 00:52:08.12 ID:i7S41P6Po
診療所のトイレを借りて、顔を洗った
少しだけすっきりした、気がする
思えば色々話してしまった
いやでももう後には引けない
いずれやるべきことだったから
鏡越しに自分の顔を睨む
思った以上に顔に出てるな、俺
トイレから出た後、大きめの蜘蛛の姿が見えた、気がする
それも割と大きめのやつだ
診療所にも出るんだな
いや見間違いかも、なんかそれっぽい影だっただけかもしれない
(脩寿、知ってる? 蜘蛛はね――)
何故このタイミングで思い出すのか
昔々、空七に言われた台詞だ
(――知恵の神様なんだよ。だから、虐めちゃダメだよ)
思わず溜息が漏れる
空七。お前、一体どこで何やってんだよ
事と次第によっては――いや、今は考えるな
俺はほぼ無意識に
蜘蛛の幻影が見えた場所に、軽く頭を下げていた
部屋へ戻る途中、「先生」とあと一人の方――「通り悪魔」の御仁と「先生」に呼ばれていたので、ほぼ間違いないかもしれない――の声を聞いた
まだ話し中のようだ、部屋へ戻ろう
566 :
次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 2/5
◆John//PW6.
[sage]:2022/02/04(金) 00:52:45.42 ID:i7S41P6Po
「さて、と。俺達が「狐」の配下も全員殺そうとしているか、だけど」
部屋に戻り、花房君が再び音頭を取った
前々からうっすら感じていたが、花房君はこの手の進行が得意なようだ
全員が色々と教えてくれ、助言をくれた
現時点で「狐」の手勢に加わった者は魅了の被害者、基本的に殺さずの方針を取るが
それでも全員を生かしたままにするのは難しいであろうこと
それ故に、恐らく「狐」の手勢との交戦は熾烈を極める
手勢との会話は困難、会話できるとすれば「組織」に身柄を押さえられる前だということ
「なるたけ、九割殺しで抑える」
「それ本当に抑えてる?大丈夫?うっかりもう一割いかない?」
「そこまで貧弱なら、元から話ほとんど聞き出せねえだろ」
「……遥には後でよく言い聞かせとく」
「あ?」
日景からそんな物騒な返答が飛び出し、思わず突っ込んでしまった
黙って話を聞くつもりだったが、なんというか日景はちょっとみんなともどこか少しズレてるっぽいな
いや、これはあくまで俺の感想だ。わざわざ口に出すつもりはない
しかしなんか今度は日景と灰人先輩がバチバチし始めたんだけど?
何? 日景は一体何処にどんだけ地雷もってんの? ちょっと怖いんだけど
続いて花房君は(日景と灰人先輩の睨み合いを流すように)みんなの所属組織が空七の情報を握っているか、全員に確認した
おおむねどの勢力も、空七が「狐」に加わってるかどうかの情報を持ち合わせていなかった
……ちょっと先行きが不安になるな。そもそも空七のAN-Pがアレだとしたら、絶対に他勢力の注意を引くはずだ
「気になるようだったら、「先生」と鬼灯さんにも聞いとくといいよ。「先生」なら「薔薇十字団」からの情報知ってる筈だから」
「オーケー、お二人が戻ったら確認してみるよ」
花房君からありがたい提案だ
だが、花房君の厚意を無下にするつもりじゃないけど、他の勢力も情報を握ってないなら
恐らく「先生」や鬼灯さんも知らない可能性がある
てか、あの人は鬼灯さんで間違いないらしい。後で本人に直接尋ねてみよう
そうしてると、憐ちゃんの視線を感じた
見れば少しだけ顔を上げてこちらを見ている、気がする
いや、憐ちゃんの前髪の所為で実際にこっちを見ているのか分からないけど、口元が何か言いたそうな感じするぞ?
「さっきの話だけどよ」
憐ちゃんに声を掛けようとした寸前で、日景に話し掛けられた
「そもそも、魅了が解けたからっつって。手駒がお前に協力するかは何とも言えねえ
欲しい答えが返ってくるなんて期待はしない方がいいんじゃねえか」
「そこは理解してる。めぼしい情報が得られたら御の字くらいで考えてるよ」
「よし、決まりだな。こちらとしても可能な限り協力はする
でもみんなからも話が何度も出てるように、九宮空七が加わってるかを聞き出すこと自体が難しいと見ている
それでもいいなら手を貸すよ。あまり期待はするなよ?」
「分かった、協力に感謝するよ。ありがとう」
日景と俺のやり取りを聞いて、花房君がいい感じでまとめてくれた
俺からお礼の後で、具体的なプランについて話した
@「狐」の配下を確保したタイミングで俺を呼び出してもらい、俺が間に合えば配下の奴に直接空七の参加如何を聞き出す
俺の本心としてはこっちで行きたいが、何度も話が出たように難しいのは承知だ
A俺が間に合わない場合、俺に代わってみんなのうち誰かが「狐」の配下に空七の参加について尋問する
そして現場が落ち着いたタイミングで、改めて俺に情報を共有する
こちらは次点だが、現実的にはこちらで落ち着きそうだ。だがこちらにしても困難な頼みであるのには変わりない
「ま。答えがあったら儲けもん、程度で考えとけ」
567 :
次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 3/5
◆John//PW6.
[sage]:2022/02/04(金) 00:55:17.02 ID:i7S41P6Po
●
「うん? “塩の柱にする光を放つ”契約者? 迷い子の少年の幼馴染か。すまんな、そんな話は聞いていないね」
「そう、ですか」
「少なくとも『薔薇十字団』では掴んでおらんね。あの後も調べてもらってはいたんだが、今に至るまでクリスからもそういう話は入っておらん」
しばらくして「先生」と鬼灯さんが戻って来たので、早速俺はお二人に尋ねてみた
「先生」は以前俺と会ったときから、改めて状況の確認を取ってくれていたらしい
クリス、とは「先生」のお知り合いだろうか? 「薔薇十字団」――恐らくヨーロッパの勢力かもしれないが詳細は不明だ――でも空七の加担は不明だという
「俺も長いこと『狐』を追ってるが。そんな奴が加わってるって話は耳にしてないな」
「ん、んー。そも、それほどの契約者が『狐』に加わってるなら、どの勢力も真っ先に警戒するであろ?」
「だが。そいつが仮に『狐』に抱きこまれたとしたら、時期は三年前。だったな? 坊主」
「はい、可能性としてはその時期です」
鬼灯さん、そう呼ばれた方は
煙管を燻らせながら思案気の表情で空を見ていた
「そんな殺人光線ぶっ放せる奴を抱き込んでんなら、『狐』にとってもとっときの隠し玉だ。今でも隠匿してる可能性はあるんじゃ無えか?」
「んー、切り札としてはあり得るだろうが、あまりそういう可能性は考えたくないね」
「それも『狐』を潰しちまえば、自ずから明らかになるだろ」
鬼灯さんの仰る通りだ
結局は「狐」さえ仕留めれば、空七が「狐」に加わってるかどうかははっきりする
それで
もし、空七が
「狐」に加わっていなかった場合は?
魅了ではなく、自らの意志でアレをやったのだとしたら?
俺は
俺は、「先生」と鬼灯さんに頭を下げた
568 :
次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 4/5
◆John//PW6.
[sage]:2022/02/04(金) 00:56:58.63 ID:i7S41P6Po
●
「じゃ、早渡君が買ってきたロールケーキ、全員食べてね」
「俺は甘いの苦手だ」
「とにかく食べて。この量だと全員で食べないと減らないし、残りが『先生』の冷蔵庫行きになるにしても、減らさないと」
「私は構わんよ」
悪い! 広瀬(優)ちゃん!
彼女が全員に声を掛けて、俺が持ち込んだロールケーキを銘々に押し付けていた
俺が買ったのは、南区のケーキ屋で売っていた、やたら大きいと有名なフルーツロールケーキだ
大きいと評判のフルーツロールで、味は良いがお値段も中々良い感じに張っちゃう一品
そこそこの人数が集まるって聞いてたから良かれと思って買ってきたんだが
あんなヘビーな話の後だ、持ち込んだ俺の想像力不足がとっても痛い
日景は憐ちゃんの様子を気にしてたようで傍にいた
俺も憐ちゃんが気になるが、今は日景に任せよう
ちら、と横目で角田の人をうかがうと
相変わらず俺が渡したバインダーをめくりながら深刻そうな面持ちで携帯を弄っていた
その横にいる紅ちゃんは角田の人の顔色をうかがうように、一緒にバインダーを眺めているようだ
ちなみに紅ちゃんの手元にはロールケーキの三分の一、いや半分近い量が皿に盛られている
大丈夫、紅ちゃん? 胸焼けしない? いざとなったら角田の人の口に詰め込んでくれよ?
「で、坊主。話ってのは」
俺は今、鬼灯さんを前にしている
一応場の空気もいささか緩んだ頃合いだ
そう判断して、先ほどから気になっていたことを確認しようとした
「あはい、あの――不躾ですいません。鬼灯さんは、あの“鬼灯先生”でしょうか?」
「あの“鬼灯”てのは、どの鬼灯だい? この世に鬼灯を名乗る奴ァ腐るほど居るが」
鬼灯さんは優雅な手つきで煙管を弄びながら、そんなことを言う
むむむ、この雰囲気といい応じ方といい、恐らくドンピシャかもしれない
そうだな、ここはひとつ――
「俺の言う“鬼灯先生”は一人だけです
佐渡相川の『闇市』では鬼灯さんが来たと知れただけで、市中がお祭り騒ぎになって
鬼や人の子が集まって来ては鬼灯さんに遊んでもらうんだと構って貰えるまで決して離さず
沼垂の花街に足を運べば、その三味線の音色を聞きたいと誰も彼も自分の店へと引き込もうとする
それに極め付けは鍾恩屋の太夫さん、絶ッ対にお客には表情を見せないって有名な巻田さんから逆指名され
お会いしたらお会いしたで傍目からも分かるほど巻田さんの色白の顔は燃え上がるように一瞬で真っ赤になったそうじゃないですか
こんな武勇伝があるのはこの世広しと言えど貴方だけですよ、“地唄師匠”の鬼灯先生」
「な――ンで坊主が色街の話を知ってンだ」
「なんなら、まだ挙げましょうか? 鬼灯先生の武勇伝」
「分かった分かった、俺ァお前さんの謂う鬼灯だろうさ。だが此処では“先生”は止めな」
「承知しました、鬼灯さん」
569 :
次世代ーズ 「早渡、返答を受けて」 5/5
◆John//PW6.
[sage]:2022/02/04(金) 00:58:30.14 ID:i7S41P6Po
参ったと言わんばかりで俺を片手で制してきたのは、やはりあの鬼灯さんだったらしい
まさか学校町でお会いすることになるなんて、思ってもなかったぜ
「坊主、まだ名前聞いちゃいなかったな」
「あ、自己紹介がまだでしたね
今年の三月までは『北辰勾玉 庵屋』で厄介になってました、早渡脩寿と申します
今年の四月から学校町に越してきて、南区商業に通ってるんですけど」
「成程、合点がいった。お前が“七つ星のコトブキ”で、“かんのぬえ”だな?」
「――っッッ!?!? な、なんでそれを!?」
思わず周囲を見回す
が、幸いなのか誰も聞いてなかった様子だ、多分
見れば広瀬(晃)ちゃんのところに若干名集まってる様子だ
俺の携帯か? 角田の人から再び広瀬(晃)ちゃんに返された俺の携帯か?
だが今はそれどころじゃない!!
「飛騨高山で『悪魔』とやり合ったんだろ? 界隈じゃあ有名な話だ
それに穂張の若柘榴役とも仲良くなったって言うじゃねえか。で、いつ嫁に獲るんだ?」
「違うッ! 違いますッ!! 高山のアレはともかく、穂張の件は完ッッ全に誤解です!! どうか、内密にっっ!!」
全部バレてるっ!! 全部バレてやがるっ!!
この様子だと息巻いて「天使」とガチったところを瞬殺された話とかも知ってるに違いないっ!!
鬼灯さんは煙管を弄びながらくつくつと笑っている
あっ! も、も、も、もしかして揶揄われた!? もしやさっきの仕返しか!?
「そんで、コトブキ。脇本の旦那は元気かい?」
「へ? あっ! え、お、親父殿っすか? 元気ですよ、ピンピンしてますけど」
「旦那には昔少しばかり世話になってな、旨い酒をよく知ってる。昔話を聞いたりするか?」
「あの、いえ。親父殿はあんまり昔の話をしたがらないし、訊いてもとぼけちゃうんで」
「そうかい、その様子じゃ先代団三郎の前で上覧試合やった話も知らねえだろうな」
「えっ? えっ?? ちょっ、い、何時!? いつの話ですか!?」
「明治だか大正だか。まあアレだ、お前さんが成人した暁にでも聞けるだろ。楽しみにとっとけ」
「えっ!? えっ!!??」
鬼灯さん、親父殿の過去を知ってるのか!?
うわっ聞きたい! 本心を言えば今直ぐ聞きたい!!
てか俺の「七つ星」時代の恥ずかしい話も知ってる可能性高い!!
どうしよ俺!! 落ち着け俺!!
そう、そうだ。空七だ
落ち着け、今は混乱している場合じゃない。落ち着け、俺
「坊主が気負うことは無えだろ」
鬼灯さんは、まるでこれまでもそうしていたかのように煙管を燻らせていた
少しばかり――空気が張り詰めた、気がした
「柳は緑、花は紅。のさばる者は何れ滅ぶ。これが浮世の理って奴だ」
鬼灯さんの言葉はどこか楽しげで
しかし、確かに刃の切っ先じみた冷たさが滲んでいた
□■□
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