都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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626 :多分この後遥と遭遇して遥と星夜で喧嘩開始だな……  ◆7JHcQOyXBMim [sage saga]:2022/02/12(土) 02:03:01.21 ID:I4DNZI160

「うーん、一杯貰ったっすねー。せいっち」

 後輩が持っている、この日受け取ったチョコが入った紙袋を見て憐はくすくすと微笑んだ。
 紙袋を持っている星夜の方は、ややうんざりしているような表情だ。

「遥に渡しに行けない根性なしやら、灰人がいないから渡す先がなくなった奴やら。そういう連中からのもんだと思うんだが」
「もー。そういう事言っちゃ駄目。ちゃーんと、せいっちの事が好きで渡した子もいるだろうから」
「……一面だけ見られて好きになられてもな」

 嬉しくもなんともない、と言った様子だ。
 それでも、手作りじゃなければ受け取っているだけ温情だろう。
 一足先に高校生になった従弟は、手作りだろうがそうじゃなかろうが、よほど親しい者からではないとバレンタインの贈り物を受け取ろうとしない。
 ……まぁ、誰から渡されようと一応全部受け取る遥のような例もいるが。遥は遥で「受け取るが自分で全部食べるとは一言も言ってない」なので、あれはあれで酷いのか。
 そして共通して、遥も星夜もどれが誰から渡された物であるのか、どれだけ把握しているやら。
 勇気を出して渡したであろう女子生徒達に、憐は少しだけ同情する。
 きっと二人共、向けられた好意に答えるどころか、それを意識してすらいない。
 …………そういう自分も、人から向けられる好意にきちんと誠意をもって対応できるほど、人間ができてはいないのだが。

「せいっちは。こういう時贈り物もらって嬉しいと思える相手、いないんすか?」
「憐さん以外は特にいませんが?」
「なーんで、そこではるっちみたいな事言うっすかねー」

 どうして、自分の周りにそういう返答してくるのが二人もいるのか。実にわからないと憐としては悩まざるを得ない。
 星夜は基本的に冗談は言わない。いつでもマジレス直球ストレートだ。
 つまり、今の返答は決してふざけたものではなく、星夜の本心と言う事になる。
 正直、頭が痛い。

「そこでゆかっちの名前出てこないの、どうかと思うんすけど」
「紫の?…………まぁ、あいつはおかしな物は渡してこないから、そこは安心できるが」

 幼馴染、と言うか「被害者仲間」の名前を出されて、星夜は少しばかり考えて。
 あぁ、と、憐が言わんとしている事を理解したようだった。

「紫は、そういう相手じゃない。向こうだって、俺をそういう対象としちゃ見てないだろうし」
「そう?」
「そうです。あれは単に仲間みたいなもん。あいつはどっちかってと、マシューみたいな男の方がタイプだろうし」

 星夜が名前をあげたその人の姿を憐は思い浮かべ。
 ……星夜とは、だいぶタイプが違う男性だ。少なくとも、社交性はあちらの方が圧倒的に上だ。
 それに大人だし、色んな意味で星夜ずっと余裕がある……戦闘力もあちらの方が上、だろう。都市伝説の使い方にもよるが。

「あいつも、本気でマシューの事好きだって訳じゃなく憧れの類だとは思うけど。そもそもマシューも、紫みたいなちんちくりん、恋愛対象じゃないだろうしな」
「せいっち。ゆかっちに対して直でそういう事言っちゃ駄目っすよ。手遅れかもしれないけど」
「こないだ直接言ったら蹴り飛ばされかけてそのまま取っ組み合いにはなった」
「やっぱ手遅れだった」

 女子に対して何を言っているのだろう、この後輩は。
 と言うか、女子と取っ組み合いはしないでほしい。敵でもない相手ならなおさらだ。

「はるっちといいせいっちといい。女子の扱いが雑過ぎるっす」
「遥と一緒にされんのは流石にちょっと」
「なら、ちーっとは反省してほしいんすけd「俺は憐さん以外、大体等しく対応してるだけだし」うーんある意味はるっちより駄目!」

 駄目だ、将来とか考えて色々何とかしないと!!
 頭を抱えそうになる憐に、星夜はそんな憐の悩みに気付いた様子もなく。

「俺は」

 真剣に、憐を見つめる。
 それは、躾けられた猛犬が飼い主にだけ向けるような。獰猛さを押さえつけた忠犬の眼差し。

「誰であるかも意識してない奴からの贈り物より。憐さんからお褒め頂けることの方が、ずっと大事だ」
「……なら。無茶しない範囲で、俺が褒めてあげられるようにしてね?」
「はい!」

 あぁ、尻尾の幻影が見える気がする。
 何故、よりによって自分にだけこんなに懐いてきてしまっているのか。

 ……原因は一つ思い当たるけれど、それをあまり考えたくない現実に。
 星夜に気付かれぬように、憐はこっそりとため息をついた。







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