都市伝説と戦う為に、都市伝説と契約した能力者達…… Part13

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634 :平和噛み締め  ◆7JHcQOyXBMim [sage saga]:2022/02/22(火) 18:04:02.33 ID:9aanNNLJ0
(まぁ、私もその気がある自覚はあるが。迷い子の少年も、考え事をすると周囲の会話が耳に入りにくくなるタイプかね)

 合間合間、観察して感じたのはそこだった。
 考え事に集中できるのは悪い事ではあるまい。うっかり、それで情報を聞き逃したりしなければ問題はないのだろう。
 そう、うっかり聞き逃しで、知っておくべき事を聞き逃していなければ、だ。

(他に、共に会話に加わっている者がいればうまくフォローできるのであろうけど。ここは当人がどれだけ自覚できているかにもよるか)

 ひとまず、一回使い切りの「賢者の石」を体内に放り込んでの拒絶反応の気配なし。
 大きな物ならともかく、一回使い切りくらいならそうそう拒絶反応やアレルギー反応は出ないだろうから念の為のチェックではあったが、無事何事もなく幸いだ。
 ……と、声を掛けられそうな気配を感じ、そちらに意識を向ける。

「「先生」、さっきの話なんですけど、「姫君」ってやっぱりお姫様なんですかね?」
「うん?お嬢さん、気になるのかね?」
「気になります!」

 戻ってきた少女からの、どこかキラキラとした眼差し。
 自分はごく自然に使っていた「姫君」と言う表現だが、この単語は乙女心を刺激する何かがあるのだろうか。
 乙女心どころか「人の心がわかっていない」と言われたことがある自分にはきちんと理解が及ばない。

「お姫様って「薔薇十字団」の偉い人なんですか?や、やっぱりお姫様って言うからには、お付きの騎士とかが居たりするんですか!?」
「ふむ。夢を壊してしまうやかもしれないが。「姫君」は、「薔薇十字団」所属の私の古い友人の娘の事だよ。騎士のようなものは、まぁいるにはいるが」

 ある種、あれはもう「騎士」と呼んでも差支えがない……いや、「騎士」と呼ぶには少々えげつないか、あれは。
 あれを「騎士」と呼ぶと本物の「騎士」に怒られるような気もする。

「「薔薇十字団」所属の古い友人…………もしかして、クリス、って人の、ですか?」
「あぁ。友人であり、私にとっては恩人でもあるね。私は元々、彼と契約しておったし……」

 と、そうして話していた時だった。

「ちょっと、それは駄目でしょ!!」

 聞こえてきた、赤いちゃんちゃんこの少女の声。
 その声に反応した迷い子の少年。
 あっ、となんとなく察したが。察したが、たいして問題はあるまい。

「「先生」!」

 違った、問題あったらしい。

「うん?どうしたね、少年」
「俺の過去がスキャンダルに餓えた花野郎とその愉快な仲間たちの所為で危険に晒されてます!そろそろ止めないと!俺が女の子から貰った超プライベートな画像とか、そういうのが第三者に共有されたら、こりゃもう死活問題ですよ!?」

 多分、もう手遅れじゃないかなぁ、と言う予感がする。
 いっそすっぱり諦めた方が世の中楽になる事も多いが、その域に達するにはまだ早いのだろう。
 会話の様子を見てきていると、なんとも微笑ましい。
 己はこのような青春と称していいものは経験できなかった身であるが、若い者がそれを謳歌するのは実によい事だ。
 この平和が、長く続けば実にいい。


635 :平和噛み締め  ◆7JHcQOyXBMim [sage saga]:2022/02/22(火) 18:04:45.88 ID:9aanNNLJ0
「最悪の状況はギリギリ回避できたでいいんだろうか?」
「回避できてないと思う」
「アウトだと思う」
「恵おばさんとこの「スーパーハカー」が一瞬見えた時点でアウトだな」
「何もかも間に合ってなかった!!??」

 早渡が顔を覆っているが、まぁどう考えても何もかも間に合っていないだろう。
 確かに遥が言う通り、ちらっとスマホの画面に「スーパーハカー」が見えた。「マッドガッサー一味」のとこの「スーパーハカー」だったならば、あのほんの一瞬で何もかもバックアップとっていっただろう。

「っく……まさか、最終的に誰一人止めてくれていなかったとは」
「鬼灯さんが面白がってた時点で龍哉は気にしないし、灰人がツッコミ放棄した時点で憐も諦め入ったしなぁ」
「この場で一番の大人ーーーーーーっ!!??」

 鬼灯は煙管片手に、けらけらと笑っている。
 確かに年齢的にはこの場で一番の大人だが、ブレーキ役としては期待するだけ無駄だろう。
 ……かなえは止めようとしていなかった訳じゃないが、かなえでは止めるのは無理だ。「岩融」も、ある意味鬼灯より大人かもしれないがそこまで止めてはくれない。

「うーん無情無情。ちなみに私にブレーキ役を期待したとしても、この面子止めるのは諦め入るからね」
「諦めないで!?諦めたらそこで試合終了なんですよ「先生」!」
「早渡、お前は知らないかもしれないが。この白衣、憐にくそ甘いし最近は直斗にもそこそこ甘いぞ」

 確か、去年まではそこまでじゃなかった記憶があるのだが。
 何故だか、「先生」が直斗に甘くなった気がする。甘くなったというか、多少距離が近いというか。二人で何か企み事でもして仲良くなったのだろうか。仲良くなりそうな材料がそれくらいしか浮かばない。

「うぅ……もはや味方が、広瀬ちゃんしかいない……」
「多分それ晃じゃなくて私の事言ってるんでしょうけど。人の弱み握るなら当人にその気配すら察知させずに掴んだ方がいいから止めようとしただけよ」
「待って??別方面の最悪が聞こえた気がするよ?」
「だって、こっちがその情報掴んでる事を当人に知られる可能性は低い方がいいでしょ。いざと言うとき使うなら」

 優の発言に早渡が頭を抱え始めた。
 当たり前のように言われたせいか、だいぶ深刻に頭を抱えているように見えるのは気のせいか。

「大人組、一言どうぞ」
「優の言う通り、人の弱みは当人に知られず握っていざって時交渉材料にするやり方もあるな」
「優の周りの大人見てりゃ、その答えに辿り着くだろうなとは思う」
「いっそ英才教育みたいなものだからねぇ」

 優も晃も、「マッドガッサー一味」なのだ。
 そうじゃなくとも、父親がせんみつの弟子こと広瀬 辰也。母親が朝日奈 秀雄の子供で「スーパーハカー」の契約者である恵。
 情報戦のやり方はきちんとわかっているはずだ。
 晃が多少、わざとらしくあからさまに動くことでカモフラージュも平気でやってくるし、カモフラー?ジュと見せかけて本気で情報集めることもある。
 あの双子のどちらかに携帯端末触らせた時点で勝負がつく可能性も高い。

「……大丈夫。今回は、お前の知り合いからの提供。よって、悪さには使いにくい」
「それ本当に安心していい案件????」
「とりあえず、お前は情報漏洩してきたあの女きっちり〆といたほうがいいんじゃないのか」
「ウッス」

 すでに、晃が東に手に入った情報を送っている気がするぁらそれが安心に入っていいかどうかによるだろう。
 安心じゃない気がする。
 こちらは生暖かく見守る事しかできない。
 さっきまで寝ていたポチがいつの間にか目を覚まして、早渡に前足でぱっふんぱっふん触れているのは、慰めているのかそれとも小ばかにしているのか。

 ちゃり、と。ポチの首輪についている「Ⅺ」の形のチャームが揺れている。

(……どっかで見おぼえある気がするんだがな、あれ)

 「組織」絡みの資料で見おぼえある気がするのだが、どうしても思い出せず。
 ちぎれんばかりに尻尾を振り続けているその姿は、ただの仔犬にしか見えなかった。



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