疾風の自慰玩具遣い<オナホ・マスター>

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1 : ◆cfM/IKqHS2 [sage saga]:2017/06/14(水) 11:24:00.21 ID:8iy0Mk5NO



18世紀、スペイン グラナダ地方 サンタフェ郊外――



 郊外のボロい一軒家に父と娘の二人だけで住んでいるという噂は、街の人間なら誰もが知っていた。

 歴史ある城壁の街は美しくも古厳とした風情で観光目当てに訪れる者の目を楽しませるが、何十年

も同じ景色の中で暮らしている者にとってはその限りではない。怠惰でも勤勉でもないその他大勢の

市民たちにとって、他人の家の事情というものは格好の雑談のネタだった。とりわけ事情が込み入って

いればいるほど無駄話は盛り上がる。他人の不幸は蜜の味、というわけだ。

 その日も日中の仕事を終えた男たちが酒場でパンとワインと幾つかの食事で、下世話な笑い声を一層

大きくさせていた。薄暗い酒場には似たようなテーブルが両手に抱えたライムほども並んでいて、いず

れも代わり映えがしない。

「知ってるかアベラルド。なあ、酔っぱらい。お前の事だぞ」

 あごひげに白毛が何本か混じり始めている初老の男が、隣の空いた椅子に向かって話しかけている。

「ブラス。おい、くそジジイ。お前の息子はとっくの昔に死んだだろうが」

 黒い口ひげの男が溜め息と笑い混じりに吐き捨て、空のワイングラスを何度も口元に運んでいる。

「バカかセミロ。アベラルドは出て行ったんだよ。エステルライヒで大道芸人になるっつってな」

 丸い銀縁の伊達眼鏡が、口ひげの男の肩を叩いて訂正する。だが口ひげの男は隣のテーブルの似た

男であって、同卓の彼の話し相手ではなかった。見知らぬ男に肩を叩かれた口ひげの男は眼鏡の男の

頬をひっぱたいた。

 幾分か酔いの覚めた伊達眼鏡の男は頬をさすりながら、セミロとブラス――同じテーブルの口ひげ

の男と初老の男――に向き直り、本題だとばかりに重々しく語り始めた。

「いいか。お前たち。郊外にボロい一軒家があるだろう。嫁に先立たれた哀れな夫と、年頃の娘が二人

で貧乏暮らしをしてるっていう、あの屋敷さ」

「おいおいダニエル。それが今更、何だってんだ。そんな話、台所のネズミだって食わないぜ」

 その話は聞き飽きた、とばかりにセミロはクビを横にふった。大げさに呆れた仕草で伊達眼鏡のダニ

エルを小バカにしてみせる。

「なんだ。何かあるのか?」

 老ブラスは興味深げにダニエルを見た。ダニエルの目は眼鏡の奥でニヤリと歪み、下品な笑みを浮かべた。

「これはアビゲイルの婆さんから聞いた話なんだがな。その父親と娘、デキてるらしいぜ」

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