シンジ「その日、セカイが変わった」

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673 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/04(水) 23:12:55.05 ID:EZgE3ZWW0
【ネルフ本部 発令所】

ネルフ職員一同「……」ドヨドヨ

シゲル「あれって、綾波レイじゃないか?」

マコト「それに、シンジくんも?」

マヤ「シンジくん……」

ミサト「レイが初号機を操ってたってわけ? ……でも、どうして」

リツコ「(焦ったわけでなかった? 企んでたのね、あの子)」

冬月「当てが外れたな」

ユイ「タブリスが協力しているのはまず間違いないでしょう。でなければ、本部内における使徒の反応の説明がつかない」

冬月「まったくの的外れというわけでもないか。……しかし、これは困った事態になったぞ」

ユイ「……」

冬月「ネルフに所属するパイロットがエヴァを私的な理由で使用したのだ。映像で確認できる限り、目撃者の数が多すぎる」

ユイ「もみ消そうにも、相手が悪すぎる。いがみ合う関係にある戦自と政府には都合の良い材料となりました」

冬月「これを機に、キミの責任問題まで発展させ国会で論じるだろうな」

ユイ「葛城一尉」

ミサト「は、はい?」

ユイ「初号機と弐号機を速やかに回収。以降はネルフに帰還させて。パイロット達も」

ミサト「サードチルドレンはいかがなされますか?」

ユイ「事情聴取しなければならない。もちろん帰還よ」

ミサト「はっ!」ビシッ

冬月「これで疑念の余地はなくなったか。やつは力を自覚し、意図的に使用して今回の事態を引き起こした」

ユイ「やはり私に対し牙を剥くようですね」

冬月「ここまで大胆な行動にでられるとは。子供相手だと思って甘く見過ぎていたか」

ユイ「ふぅ……対応が後手後手にまわっていたと認めざるをえません。一本とられました」

冬月「……」

ユイ「ですが、行動には結果がつきものです。これで勝ったなどと思わせるべきではないし、また、そうはなりません」

冬月「報復を与えるか」

ユイ「力関係と立場はなにも変わっていないのです。軽はずみに動けばどうなるか、シンジに身をもって経験させましょう」

リツコ「……」チラ

ミサト「あんた、やけに落ち着いてるわね」

リツコ「驚いてるわよ? 表にだしてないだけで」

ミサト「レイは初号機とのシンクロ率の融和性がそんなに高くないはずでしょ? どうなってるの?」

リツコ「A10神経で接続している以上、体調、気分の高まりによってシンクロ率は上下すると考えられます。一概に低い高いの基準は定められないのよ」

ミサト「つまり、今回だけってこともありうるの?」

リツコ「なくはないわね。今回、高い数値を計測して速度をマックスにまで加速できたのは、レイが強く願ったからじゃないかしら」

ミサト「シンジくんの元に向かうために?」

リツコ「でなければ、初号機を無断で使用なんてすると思う?」

ミサト「……」

リツコ「始末書と抗議文の山が待ってるわよ。仕事ができてよかったじゃない。あなた、いつも暇そうだから」

ミサト「デスクワークが増えるのはかまわないけど。……レイはどうなるの?」

リツコ「(それはシンジくんの交渉次第ってところかしらね)」

ミサト「リツコ?」

リツコ「それよりも今は、回収が最優先事項だわ。事の経緯については、自ずと明らかになるでしょう」
674 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 02:09:06.24 ID:aNINHIXTo
金庫?なら腕力でこじ開けたと思ったけど
675 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 08:58:35.46 ID:csTyPW5AO
どうでも良すぎる
台本SSはキャラの個性があまりにも崩壊してなきゃどうだっていいよ
まぁこれはガチで話作りがしっかりしてるだけに気になってしまうてのならわからんでもないが
676 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 09:48:17.40 ID:q7Cfo4Eao
普段しっかり話が練られているからこそ、そこだけご都合主義に感じたって所はある
綾波召喚だけでユイの責任は問われるしハッタリで乗りきって欲しかったかも
677 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 09:50:22.00 ID:kBqS9txMo
で、これ何時映画化するの?
678 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/10/05(木) 13:09:51.46 ID:QClrwTCL0
【厚木基地 研究室】

シロウ「薄汚い売国奴どもめ。国に対し背信行為を……得られた資金で好き勝手に研究しやがって。連中、特に赤木リツコに必ず目にものを見せてやる、なにがエヴァだ。欠陥品だ」ブツブツ

ケイタ「博士」

シロウ「――……ん? 失礼。外で騒いでる連中を見て嫌な記憶を思い出してしまった。なにかな?」

マナ「なんの機材ですか?」

シロウ「キミたちが座っている椅子は、ジェットアローン計画の技術を流用して作成した。これから開発基盤を作る上で最初の一歩となる試作品だ」

ムサシ「この椅子が?」

シロウ「正確にはコックピットに設置予定となる。私が立案し戦自に持ち込んだものだよ」

ケイタ「コックピットって? なにを?」

シロウ「私と戦自の共通項は“対使徒”兵器完成。つまり、ネルフにとってかわる役割を担いたいと考えている」

マナ「エヴァみたいなロボットを作るんですか?」

シロウ「そうだよ。キミたちがその栄えある候補生に選出されるかもしれないという話だ。適性の結果次第になってしまうが」

ムサシ「お、俺たちがっ⁉︎」

シロウ「二言はない。俄然やる気が湧いてきたかな?」

ムサシ「(パイロットになれれば、エリートだ。マナとケイタに不自由な暮らしをさせなくて済むかも……!)」

マナ「(ロボット……それって使徒と戦のよね。私が頑張れば、ムサシやケイタはもちろん。シンジくんの助けになれるかも)」

ケイタ「(こ、こわいけど。生身で戦地に行くよりは安全なのかな……)」

シロウ「目に力が宿ってきたな。いいぞ、やはり子供はそうでなくてはいかん」

ムサシ「さ、先ほどは失礼いたしました」

シロウ「なに、気にしていない。私達は知り合ったばかりじゃないか。お互いに知らないことだらけで誤解も生まれよう」

ケイタ「座ってればいいんですか?」

シロウ「ああ。器具をセットするからそのままでいてくれ、まずは浅利隊員から」カポッ カチャカチャ

マナ「いつ頃完成予定なんですか、その、ロボットって」

シロウ「なんとも言えないなぁ。だが、できるだけ急ぐとは約束するよ。次、ムサシくん」カポッ カチャカチャ

ムサシ「ロボットができればネルフに頼らなくても使徒を倒すことが可能でありますか?」

シロウ「もちろんだ。その為に資金を投入するのだから。最後に、霧島くん」カポッ カチャカチャ

マナ「……」

シロウ「――時にキミは、なにか重要な任務を帯びていたそうだな?」

マナ「えっ?」

シロウ「自分で言ったじゃないか。事情があった、と。なにをしていたのか聞かせてくれないか?」

マナ「守秘義務に反します」

シロウ「当てようか。ネルフからきたという訓練生に関連するんじゃないか?」

マナ「いえ、それは違います」

シロウ「嘘はよくない。キミが見せている顔色が物語っている」

ムサシ&ケイタ「……」

シロウ「お友達も興味津々のようだぞ? なぁ、誰にも言わないと約束するから教えてくれないか?」

マナ「できません。例え死んでもお答えするわけには――」

シロウ「おいおい、聞いたかね。やはり興味深い。私は“教えてくれ”としか尋ねていないのに、わざわざ自分から命を賭けるといいだした。重要な機密だと自白しているようなものだ」スタスタ

マナ「……っ⁉︎」

ケイタ「博士、それぐらいで。パイロットの適性テストには関係ないでしょうし」

シロウ「判断するのはキミじゃない、この私だ」ピッ
679 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 13:22:54.19 ID:QClrwTCL0
ケイタ「……? ――……ぎゃああああああっ⁉︎」バチバチバチッ

ムサシ&マナ「ケイタっ⁉︎」

シロウ「あぁ、またうっかり言い忘れていた。ロボットの操縦士になるには過酷な環境に耐えてもらわねばならん。なにしろ、生身の体で戦闘機よりも速い箱に搭乗することになる」

マナ「博士っ!! なにをしてるんですかっ⁉︎」

シロウ「なにを慌てている? 必要なテストだよ。どこまで痛みに耐えられるかの。椅子には電流が流れる仕組みになっている」ピッ

ケイタ「」プスプス シュー ガクン

ムサシ「ケイタっ⁉︎ おいっ!! しっかりしろ! ケイタぁ!!」ガタガタ

シロウ「ふむ。気絶したか。皮膚が少々焦げているな、やりすぎてしまったようだ。はじめてで加減を間違ってしまった」

マナ「ケイタっ!! ケイタぁっ!!」ガタガタ

シロウ「では、質問を再開しようか。キミはあそこでなにをしていたんだね?」

マナ「……っ⁉︎ 申し上げられません!」

シロウ「それは誰のためにだ? 軍かね? それとも――」ピッ

ムサシ「ケイタっ! ケイっ⁉︎ ぐあああああああっ!!」バチバチバチッ

マナ「ムサシっ⁉︎」

シロウ「電圧は浅利隊員より低めに設定してある。かといってつらくないわけではないぞ」

マナ「ムサシっ!! ムサシぃっ!!」ガタガタ

シロウ「訓練生だろう? 関係しているのは」ピッ

ムサシ「うっ」シュー ガクン

マナ「ムサシ!! しっかりして!!」

ムサシ「こ、この野郎ぉっ!!」ガタガタ

シロウ「暴れたところで無駄無駄。その器具は人間の力では破壊できないからな。どうする? 霧島隊員。彼らの命運はキミが握っているぞ?」

マナ「こんなのが適性検査なんてっ! 人体実験じゃないですか!! 上官を呼んでください!」

シロウ「ふむ……まだ理解していないと」ピッ

ムサシ「まっ⁉︎ ぐううううああああっ!!」バチバチバチッ

マナ「ムサシ⁉︎ ムサシぃっ!!」

シロウ「そろそろ喚くのにも飽きてこないか? 私はとっくに飽きてる。まるで作業だ」ピッ

ムサシ「はぁ、はぁっ」シュー

マナ「なんで? なんでそこまで知りたいんですか?」

シロウ「キミが隠そうとするのが悪いのだ。興味が湧いてしまうだろう?」スッ

マナ「わかりました、言います、言いますから」

シロウ「どうぞ」

マナ「私が受けていた任務は、碇シンジくんの身の回りの世話をすることです」

シロウ「それだけか?」

マナ「はい」

シロウ「手間をとらせないでくれないか。ウソはよくない」ピッ

ムサシ「ぐあああああっ!!」バチバチバチッ

マナ「……っ! なんで、こんなひどいこと!!」
680 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 13:53:55.40 ID:QClrwTCL0
シロウ「私はね、科学が好きなんだ。人生を捧げてもいいほどに、文字通り研究だけのために生きてきた」

マナ「(どうしよう、どうしたらいいの)」

ムサシ「くっ、マナ……」

シロウ「だが、ある計画を不意にしてしまってね。みんなが私を責めた。政治的理由、責任問題。それだけ莫大な資金がかかっていたから致し方ないことだが。私はものの見事にスケープゴートにされた」

マナ「(話を引き出して時間を稼がなきゃ。でも、稼いだとしてどうしたら……考えるのよ、マナ)」

シロウ「あんまりだとは思わないかね? ひとつの失敗だけで、この国はそっぽを向いてしまうに及ばず徹底的に叩き潰す傾向にある」

マナ「博士は戦自の為に働くのではありませんか?」

シロウ「勘違いさせてしまったかな? 悪いのは国民性じゃない。ネルフなのだ。やつらさえいなければ、私は失敗する要素がなかったし、人為的被害をださずに済んだ」

マナ「エヴァがなければ使徒は倒せません。有効兵器が。かろうじて通じるのはN2のみで、それでも足止め程度の効果だけです」

シロウ「あの規格外のバケモノどもか。科学が超えるには高すぎるほどに厄介だよ」

マナ「だったら、博士だって必要性を」

シロウ「だからこそ、人類の英知を集結しなければならんのだ」

マナ「エヴァだって科学の力です!」

シロウ「その場しのぎの紛い物。あんなもの。正しい方法でやらねばその後の発展はない」

マナ「あなたは、私利私欲のために。戦自を利用するつもりですか……?」

シロウ「目的と合致していると言ってくれないか? 出資者と開発者。私と戦自の関係はイーブンだ」

マナ「研究達成のためならば、隊員は、モルモットですか?」

シロウ「私とてやりたくてやっているわけじゃないんだよ。これは早期開発にあたり、サンプルを収集するためのデータ。“不慮の事故”がおこったとしても、貢献される。安心したまえ」

マナ「そんな……っ! 上官は⁉︎ ご存知なんですかっ⁉︎」

シロウ「過酷なものになるやもしれないとは伝えてある。内容は……事後報告になるが、まぁ、問題ないだろう」

マナ「いいわけないでしょう⁉︎」

シロウ「キミは自身の価値を過大評価しているようだな。戦地で死ぬのと実験で死ぬのを比べた時、“死”という概念に違いはあるか?」

マナ「(く、狂ってる。この人)」

シロウ「答えは否。大衆が着目するのは、キミたちが志願したという動機と国のためという大義名分だ」

マナ「降ります! 私たち3名はこの任務から!」

シロウ「そうか。それは残念だ」スッ

マナ「……っ⁉︎ ま、待ってくださいっ!! なにをするつもりですか⁉︎」

シロウ「……? なにって、わかってるんじゃないか? 命令を辞退したものには罰が必要だ。戦自の規律だろう?」

ムサシ「はぁ、はぁ、な、なにをしたら、助けてくれますか……?」

シロウ「おお、まだ意識があったのか。さすが主席候補生。耐久力があるな」

ムサシ「おねがい、します……助けて、ください」

マナ「ムサシっ!!」ガタ

シロウ「ふむ、どうやらキミは物分かりも良いらしい。隣の娘に喋らせることは可能か?」

ムサシ「……マナ、頼む。ここで死ぬわけにはいかないんだ」

マナ「だめよ、ムサシ……! こんな人に屈しちゃだめ!」

ムサシ「俺一人なら我慢できる。ケイタの反応がないんだ」

マナ「……っ⁉︎」

ムサシ「俺は、俺は……! マナもケイタも守りたい! けど、今はどうすることもできない」
681 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 14:39:04.15 ID:QClrwTCL0
マナ「……」

ムサシ「安心しろ。俺がこのサイコ野郎を必ず黙らしてやる」

シロウ「それは私がいないところで発言すべきだが、聞いていないことにしてやろう。気骨がないと面白くないしな」

ムサシ「今は機会を待つべきだ。頼む……! 俺を信じてくれ……!」

マナ「で、でも……」

ムサシ「ケイタが死んじまってもいいのかよ!! なんの任務か知らないが、ケイタよりもあいつが大事なのかっ⁉︎」

マナ「……っ⁉︎」チラ

ケイタ「」

マナ「ケイタぁ……っ」

シロウ「火傷を甘く考えない方がいいぞ。手遅れになる可能性だってある」

マナ「(シンジくん、私、どうしたら……)」

ムサシ「マナっ! 頼む! ケイタを助けてやってくれ! 守秘義務を破った処罰なら俺が受けてやるから!」

シロウ「その点については心配ない。喋るつもりはないと言ったろう?」

ムサシ「こんな真似してるあんたを信用できるわけねぇよ!!」

シロウ「いやいや、約束は守る。ルールというのが私にはあるんだ」

ムサシ「ちっ、なぁっ、頼むよ、マナ……!」

マナ「……」ギュウ

シロウ「なんと薄情な娘か。友達が瀕死の状態かもしれないのに、まだ迷っているらしい」ピッ

ムサシ「ま、マナあああああああっ!!」バチバチバチッ

マナ「――……わかったっ!! 喋る!! 喋りますからもうやめてぇっ!!」ポロポロ

シロウ「(やはり、心とはたやすく折れるものだ)」スッ

ムサシ「ぐっ、はぁ、はぁ」

シロウ「なんの任務に服役していた?」

マナ「うっ、うっ、ぐすっ、潜入っ、任務、です」

シロウ「ほう。それはネルフにかね?」

マナ「学校っでしだ。サードチルドレンに、近づけって」

シロウ「なぜ?」

マナ「人事に、うっ、うっ、不審な点はないかと」

シゲル「泣きながらだと声が聞き取りずらいな。もっと普通に喋れんのかね?」ピッ

ムサシ「ぐあああああああっ!!」バチバチバチッ

マナ「……っ⁉︎ しゃ、しゃべりまず! 喋るからぁっ!」

ムサシ「」プシュー ガクン

シロウ「それで?」

マナ「サードチルドレンに対しての、潜入調査でした。目的は、人事異動に不審な点はないか調べること」

シロウ「ああ、そういえば親子だったかな。なにを掴んだ?」

マナ「な、なにも……」

シロウ「いい加減にしろ! そんなわけがあるか!」パァンッ

マナ「いつっ!」

シロウ「まだ頬を叩かれたいのか?」

マナ「……!」キッ
682 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 14:56:24.18 ID:QClrwTCL0
シロウ「口の端を切ったか、血が滲んでいるな。……これが最後の機会となる。本当のことを喋るんだ」スッ

マナ「……」

シロウ「隣の友達を目に焼き付けたか?」

マナ「私の正体は、すぐに、バレました」

シロウ「それは困ったな。どうやって乗り切った?」

マナ「サードチルドレンが尽力してくれたお陰です。私の命は彼に救われました」

シロウ「方法はどうした?」

マナ「詳しいことはわかりません……本当ですっ!! 僕にまかせてって言って、一夜明けると、もう大丈夫だよって言ってくれて」

シロウ「漫画の主人公みたいだな」

マナ「変わらず潜入を続けられました」

シロウ「ふん、身分が明らかになっているのに潜入もクソもあるまい。要するにネルフと結託して戦自を欺いてたのか?」

マナ「違います、そんなつもりは」

シロウ「サードチルドレン、か。中学生の子供だと聞き及んでいるが、やつは母親にそこまでの影響力を持っているのか?」

マナ「……わかりません、ただ、嫌っているっていうか」

シロウ「なんだ?」

マナ「立ち向かうみたいな意思を感じました」

シロウ「ほうほう。そいつは、またなんとも興味深い話だ。ウソじゃないだろうな?」

マナ「はい。誓ってウソじゃありません」

シロウ「ふむ……。ところで、キミは命を救われて、はいそうですかで終わったのかね?」

マナ「……はい?」

シロウ「なにか対価を要求されなかったのかと聞いている」

マナ「シンジくんがそんなことするわけないでしょう⁉︎」キッ

シロウ「どうやらとても紳士的な少年のようだ。キミはどう思った?」

マナ「どうって……いい人だなって」

シロウ「チッチッチッ。いい人なんて表現は適切じゃない。どうでもいい人なわけないだろう? 命を救う活躍をした同年代に対して思春期にありがちな恋心を抱いたのではないか?」

マナ「あなたにっ……! なにがわかるっていうのよ……!」

シロウ「キミが守りたい秘密だったはずだ。そこでぐったりしてる友達と天秤にかけてまで」

マナ「……」ギュウ

シロウ「くっ、くっはっはっはっはっ! まいったな、こりゃ傑作だ。キミは友達を裏切って尚、恋心を抱く相手までをも裏切ったのか?」

マナ「し、仕方なくてっ」

シロウ「中途半端が一番よろしくない。“仕方ない”を使う時は、決まって納得するための言い訳だ」

マナ「……」ポロポロ

シロウ「あぁ、これだ。女は泣けばいいと思っている。お前が裏切ったんだぞ? 友達も! サードチルドレンもっ!!」バンッ

マナ「ち、ちがうっ、私はっ、そんなつもりじゃっ」
683 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 14:59:45.54 ID:g66CSPvMo
もっと早くしゃべっておけば何も掴めませんでしたで済んだのに
変にもったいつけるから勘繰られてしまった
684 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 15:43:39.94 ID:QClrwTCL0
シロウ「とんだ茶番だな。寸劇を見ていたような気分だ……あえて聞こう。今だとサードチルドレンと大切な友達。どちらを選ぶ?」

マナ「む、むりですっ、どちらかなんて」チラ

ムサシ&ケイタ「」グッタリ

シロウ「(そうだ、いいぞ。よくみろ。目の前にあるのはリアルだ。……直面している現実だ。選択の余地などない。友達を選ばなければ死んでしまう)」

マナ「ムサシと、ケイタ、です」

シロウ「サードチルドレンを目の前にしても言えるか?」

マナ「はい……」

シロウ「では、霧島隊員。貴様に任務を言い渡す」

マナ「任務……?」

シロウ「これも言い忘れていたんだが、パイロットは一人で足りていてね。浅利隊員は予備でムサシ隊員が本命なのだよ。キミは最初から頭数に入っていなかったんだ」

マナ「それって、ケイタを最初にしたのは……っ⁉︎」

シロウ「もちろん“予備”にふさわしい扱いだ」

マナ「誰かを憎むのは嫌いです。だって、そんなことしたってなんにも生まれないから。だけど、あなたは違うっ!」

シロウ「殺したいか? 私を」

マナ「友達を傷つけるなんて許せないっ!!」

シロウ「力のない者が吠えるな。負け犬の雑草如きが」

マナ「このっ……!」ガタガタ

シロウ「出世街道を突き進んでいた私に敵うわけないだろう。権力も、知恵も、人脈も足りないお前になにができる? ん〜?」

マナ「――……殺してやるわっ!!」

シロウ「いい殺意だ。大事に大事にとっておけ。そうなると……やはり、キミは任務を遂行しなければならない。機会を得るためにだ」

マナ「なにをさせるつもり」

シロウ「サードチルドレンをここに連れてこい。私の元へ」

マナ「放送聞いてなかったんですか? 機体の回収作業に入っています。パイロットは先に――」

シロウ「学校に行けば会えるだろう?」

マナ「えっ、また転校させるつもりですか?」

シロウ「バカかね、キミは。目的は潜入じゃないんだ。そんな回りくどいやり方はしなくていい。街中で会ってこい」

マナ「……」

シロウ「これは任務であって任務ではない。人質がいるということをゆめゆめ忘れるなよ」

マナ「シンジくんと会ったら、なにをするつもり?」

シロウ「行動の予測はついている。サードチルドレンに助けてもらえたらと希望的観測を抱いているな?」

マナ「……」ギュウ

シロウ「私をこれまで会ったどの大人よりも有能だと思え。出しぬこうなど見え透いた思惑などお見通しだ。つまり、友達を殺したくないな?」

マナ「は、い……」

シロウ「よろしい。拘束を解いてやろう……っと。その前にいきなり襲われでもしたら大変だ。これを見たまえ」スッ

マナ「そ、それは?チョーカー?」

シロウ「これはね、遠隔操作可能な超小型爆弾だ。火薬を使わず化学反応により誘爆を促すシロモノで、首から上を吹き飛ばす程度の威力はある。……キミたち三人への贈り物としよう」

マナ「いらないっ! そんなのっ!」ガタガタ

シロウ「スイッチはどこにあるだろうな?」

マナ「……!」

シロウ「ここだ。奥歯に仕掛けてある。力をいれてひと噛みすれば――……ボンッ!! だ。……ああ、食事の心配はしないでくれ。私はサプリと流動食しか口にしない。必要な栄養が補給できさえすればいいんだ」カシュ

マナ「そ、そんな……」

シロウ「一度裏切ったんだ。二度目は気が楽だろう? 任務、頑張ってくれたまえ」ポンッ
685 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/10/05(木) 18:02:15.23 ID:QClrwTCL0
【ネルフ本部 執務室】

冬月「たいそうなコトをしでかしてくれたな。揉み消せないようご丁寧に大量の目撃者まで。これではメンツが丸潰れだ!」

シンジ「……」

冬月「だんまりでは済まされんぞっ!」バンッ

ユイ「――……シンジ。よく考えついたわね」

シンジ「やめてよ。母さんに褒められる為にやってるわけじゃないんだ」

ユイ「私だって親なんだけど?」

シンジ「……」プイッ

ユイ「副司令。今回の損害は?」

冬月「死傷者はでていないから外部処理的なものだ。各方面から苦情の電話が鳴りっぱなしだよ」

ユイ「世間体が悪くなり、総司令である私の責任能力にまで追求の余波は及ぶ。これがやりたかったこと?」

シンジ「……」

ユイ「狙いは達成できたんじゃないかしら。たしかに私はネルフの代表者で、なにか不都合が起きた場合、真っ先に矢面に立たされる」

冬月「我々がなにもせずただ眺めていたらの話。“トカゲの尻尾切り”をしなかった場合だがな」

ユイ「どう思う? シンジ。想定外の不始末が起こったとして……私は保身のためになにもしない?」

シンジ「わかってるよ、メンツを潰されたことに怒ってるんじゃない。余計な手間をとらせることに怒ってるんだって」

冬月「両方だ。雑務は増えるし金も使う」

シンジ「たいしてダメージじゃないんでしょ?」

ユイ「これといって。転んで擦りむいたぐらいかしら……こういう事件が何回も続けば司令交代を通達されるでしょうけど」

冬月「無策でのこのこと出頭するほどマヌケではあるまい。貴様の到達点は“この場所”ではないだろうからな」

シンジ「はい」

ユイ「当然まだなにか隠してる。どうするつもり……?」

シンジ「綾波の身の安全を保障してください」

ユイ「たしか、戦自の……名前忘れちゃったけど、あの子と伊吹二尉。そこにレイも含めると三人目よ?」

シンジ「綾波は理由が違います」

冬月「なに?」

シンジ「彼女は必要だからです。補完計画の依り代として」

ユイ「……」

シンジ「僕は夢の出来事を覚えているんだ。そして、全てを知った。父さんの死も……!」

冬月「もしやとは思っていたが……我々に告白する理由はなんだ?」

シンジ「意思表示をしっかりとしていなかったからです。僕は、計画の片棒を担ぎたくない」

ユイ「代替え案の提示なしに認められません。あなたは中心なのよ? 守りたい人がいるのならば、協力しないと」

シンジ「人質みたいなことじゃないか……いや、いいんだ。母さんはゴールまで辿り着ければ手段なんてどうでもいいんだろうから。僕はアダムの力を使える」

冬月「どの程度までだ?」

シンジ「そうですね、長い時間は無理ですが電波妨害と肉体強化は」

冬月「アダムの性質が持つ衝動については?」

シンジ「発作みたいなものです。自分ではどうすることもできません」

ユイ「そこまで私たちに教えるにあたって、何か得はあるの?」

シンジ「さっき言ったじゃないか。はっきりとした意思表示したい、それだけだよ」

ユイ「話は終わりなら、周囲にいる親しい者たちの中から何人か殺すわよ?」

シンジ「殺せない」

冬月「えらくもったいぶるな。話をしても大丈夫だと判断しているわけかね」
686 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 18:52:55.26 ID:QClrwTCL0
シンジ「騒動を起こしたきっかけは、僕の失敗に起因しています」

ユイ「シンジの? そこそこ立ち回れていたと思うけど」

シンジ「どこかでアクションを起こさなければいけないとずっと伺ってたんだ。僕の目的と母さんの目的が相入れない以上は」

ユイ「……そのせいでこの騒動が?」

シンジ「軍曹殿、彼に取り引きを持ちかけたんだ。……結果は急ぎすぎだった。見落としを警戒して、慎重に動くべきだったのに」

冬月「肩書きのまま疑うことをせず、ネルフの内通者である奴にまんまと情報提供を持ちかけたのか」

シンジ「内心、焦りました。報告される」

ユイ「口封じをすればもう暫くは時を稼げたでしょうけど、シンジはできないわよね」

シンジ「……隠すのが無理ならいっそバラしてしまえばいい。咄嗟に“ある計画”を思いついたんです」

冬月「欠損した部分には変わりとなる機能。つまり、補填が必要だ」

シンジ「僕はそれを探すため、力を使う賭けにでることとしました。母さんを窮地に立たせられるもの」

冬月「……? エヴァ出動とまた別件か?」

シンジ「そうですよ。騒動は基地内を混乱の渦に巻き込む状況を作るためのものでした。そして、この場所に立つための」

冬月「なに……?」

シンジ「これまで、“母さんに協力するしかなかった”。でも、これからは“僕に手出しをできない”状況になる」ゴソゴソ

ユイ「対等の関係にできる?」

シンジ「僕が探していたのは――」パサ

冬月「なんだ? 一枚の紙切れか?」

シンジ「母さんの個人ファイルだよ」

冬月「どんな極秘ファイルがでてくるかと思えば。個人情報は機密扱いだが優先度は低い」

シンジ「そうですね、最初に行った部屋であっさりと見つけられました」

冬月「ましてや、戦自が握っている情報などタカがしれている」

シンジ「どうして?」

冬月「改竄しているものをダミーとして流しているからだ」

シンジ「本当にそうですか? 言われなきゃ気がつかない?」

ユイ「……?」

シンジ「戦自が探しているものはなんですか?」

冬月「我々とゼーレの癒着だろう」

シンジ「じゃあ、父さんの旧姓、六分儀については」

ユイ「し、シンジっ⁉︎」ガタッ

シンジ「(よし、さすがの母さんも驚いてるな。でも、まだ油断しちゃだめだ)」
687 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/05(木) 19:14:52.44 ID:QClrwTCL0
冬月「……なんだ? どうした?」

シンジ「改竄されたダミーだと仰いましたね。母さんの経歴について偽の情報が記載されたもの」

冬月「そう言った」

シンジ「でも、改竄しようのないものもあるんです。それは先に情報が公開されていた場合。後付けで訂正してしまうと整合性がとれず疑念を招いてしまう」

冬月「それと碇の旧姓が……そうか、六分儀の性だった頃、碇はユイくんの所へ婿養子としてはいった」

シンジ「どうしてだと思います?」

ユイ「なぜ? なぜシンジがそれを知って……?」

シンジ「答えは言わないでおくよ。もう伝わったみたいだから」

冬月「……? 待て、俺はまだ理解できていない」

シンジ「戦自が知っていて、母さんが知らないもの……気がついていないものがあったんです」

冬月「しかし、碇の旧姓がわかったところで」

シンジ「どんなに情報を改竄しようと、証明できるものがそこにある。戦自や政府に言われたくなければ、手を出さないこと。これが僕の条件です」

ユイ「……ふっ、ふっふっ。なるほど。使徒の力を使い腕力に頼るかと思えば、よく気がつけたわね」

シンジ「ずっと不思議だったんだ。父さんから母さんの話を聞いた機会はないけど」

ユイ「そう」

シンジ「本当に賭けだった」

ユイ「見事、勝ったわけね。二分の一の賭けに。……戦自の訓練はどうだった?」

シンジ「きつかったよ。一日だけだったけど」

ユイ「しばらくは戦自にいたら?」

シンジ「それでもいいけど、向こうよりこっちが心配だし」

ユイ「これからは対等の立場でやっていくんでしょう?」

シンジ「とりあえずはね。でも、抜けがないわけじゃないから」

ユイ「みるみる成長してるわね。ほんと、短い期間なのに」

シンジ「糸が張り詰めてるだけ。切れたらどうなるか……」

ユイ「切れるきっかけとしては誰かの死に直面することが望ましい? やはり殺しておくべきかしら」

シンジ「そうなったら、母さんの計画も」

ユイ「ご破算ね。……わかった」

シンジ「もう帰っていい?」

ユイ「ええ、と言いたいところだけど、部屋がないのよ。どこにする?」

シンジ「コンテナでかまわないよ」

ユイ「好きな区画のものを使いなさい」

シンジ「それじゃ」クルッ

ユイ「待って」

シンジ「……」ピタ

ユイ「シンジ、よく頑張ったわね」

シンジ「……」スタスタ





688 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 20:49:27.73 ID:qTU4ZFzPo
ゾルディック家かよ
689 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 21:01:02.50 ID:RI4yCkwco
へえー、調べたがユイってゼーレ関係者の娘だったのか
知らなかったわ
690 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 21:27:26.60 ID:t+eUZiR3O
ゾクゾクきた。つづきたのしみ!
691 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/05(木) 23:02:39.00 ID:3k9zShi+O
極秘ファイルをあっさり見つけられたのはミスリードだったってわけね
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 09:36:40.62 ID:lb79a/P8o
オレ「「……? 待て、俺はまだ理解できていない」」
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/06(金) 10:18:27.29 ID:O450V/nBO
察するに今後SS中に入れてくるんじゃないか
考えてみればゼーレとユイの協力関係に深く触れてなかったからなぁ
書類と六分儀は見事な伏線だったは
694 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 20:31:00.00 ID:DDuz9gSI0
ゾルディック家吹いた
695 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 21:01:25.76 ID:DDuz9gSI0
【数十分後 同執務室】

キール「今回の事件の当事者であるリリスの器への直接尋問を拒否したそうだな、碇ユイ博士」

ユイ「はい。その必要はありません」

ゼーレ03「では聞こう、ネルフ総司令碇ユイ」

ゼーレ05「先の事件、エヴァを使用した理由についての見当はついているのかね」

ユイ「綾波レイを呼んだのはシンジのようです。イレギュラーな事件だと、推定されます」

ゼーレ06「なぜだ?」

ユイ「過酷な訓練に音をあげてしまったようです。我が子ながら情けない限りで……お恥ずかしい話ですが」

ゼーレ04「たったそれだけの理由でエヴァを無断で出撃させたのか? 度し難い」

ユイ「ご存知の通り、綾波レイに喜怒哀楽といった感情はございません。頼まれて仕方なくといったところでしょうか」

ゼーレ06「命令違反についての認識さえなかったというのか?」

ユイ「いえ、そこまでは。赤木リツコからの報告によると、調整不足で情緒不安定なタイミングが重なっていたのが要因として考えられます」

ゼーレ02「証明するものは?」

キール「エヴァのACレコーダーは作動していなかった。確認はとれまい」

ゼーレ05「綾波、レイか。キミの亡き夫の置き土産品である模造品」

ユイ「……」

ゼーレ03「人形が精神、心に興味を持つことなど本当にありえんのだろうな? 周囲の多干渉がリンクする可能性は?」

ユイ「ないと断言できます。なぜならば、魂の概念がリリスの借り物であり、成長の余地がないからです」

ゼーレ05「目撃者が多すぎる。予測されうるは戦略自衛隊と政府が連携して行う組織的動作。……日本国内の騒動について国連から助力は期待するな」

ゼーレ03「さよう。内政干渉になってしまうことはあきらかだ」

ユイ「存じております」

キール「計画に遅延はないか?」

ユイ「はい」

キール「タブリスの動向は」

ユイ「好きに動かせています。操作可能です」

キール「よかろう……。キミに期待するのは補完計画の完遂、その一点だ」

ユイ「御意に。確実に我々は歩を進めています。残された段階は――」

キール「後わずか、と言うことか」

ゼーレ03「明日、そちらの本部に三号機が到着する。色々あって予定より遅れてしまったが」

ユイ「承知いたしました。しっかりと整備、管理をさせていただきますわ」

キール「忌むべきエヴァシリーズ。“約束の時”に備えしかるべき運用を望むぞ」

ユイ「はい、全てはゼーレの皆様方のシナリオ通りに」
696 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 21:22:54.24 ID:DDuz9gSI0
ユイ「ふぅ……老人たちの相手は気疲れしますね」

冬月「その枠には俺も含まれていやしまいな?」

ユイ「ご冗談を」

冬月「ゼーレめ。その気になれば外部から圧力をかけるぐらいできるだろうに……キミへの嫌がらせだよ。アレは」

ユイ「かまいません。むしろ深くつつかれなかっただけ好都合です」

冬月「レイに手出しをしないのは、やはり先ほどあった息子とのやりとりが原因か? 器を入れ替える作業自体に問題はなかろう」

ユイ「それもありますが、ご褒美といった感じでしょうか」

冬月「我々がゼーレを欺くのと同じように、サードチルドレンもか。騙し、騙され……人間不信になってしまうよ」

ユイ「先生はこれまで嫌というほど体現なさってきているでしょう」

冬月「だからだ。慣れてしまえば、自分を保てなくなる」

ユイ「ゆっくりと心を蝕んでいきますか」

冬月「常識人とは言い難いよ。キミも、俺もな」

ユイ「所詮、ヒトの作ったルールです。型にはめる、社会を成形するための」

冬月「人間臭さを捨てきれないことを否定したくはない」

ユイ「……」

冬月「私は最後まで看取ると決めている。理想とは程遠い、人の織り成す狂想曲の行く末を――」
697 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 22:50:54.63 ID:DDuz9gSI0
【ネルフ本部 作戦課】

ミサト「……」ヒク ヒク

マヤ「よいしょっと」ドサッ

ミサト「まだあんの……?」

マヤ「あとダンボール三つ分ほど。国土交通省、農林水産省から東部電力などの民間企業と」

ミサト「わぁ〜かった! わかった!」

マヤ「た、大変ですね。今回は事前に申請されていなかった出撃でしたので」

ミサト「ったく! これだからお役所仕事やってる連中なんか嫌いなのよ! ちょぉっと違うだけで融通なんかききやしないんだから!」

マヤ「向こうも、仕事、ですから」

ミサト「だいたいねぇ! 使徒が絡んだ出撃じゃないからって……はぁ、マヤちゃんに愚痴っても仕方ないわよねぇ」

マヤ「いえ、私なら大丈夫です」

ミサト「そうもいかないのよ。上司が部下に甘えるなんて体面がね、この場合上官が下級の官職にだけどぉ」

マヤ「よかったら、手伝いましょうか?」

ミサト「いいの? 自分の仕事は?」

マヤ「先輩は自分でやった方が能率が上がるからって」

ミサト「あちゃ〜閉め出されちゃったか」

マヤ「……」

ミサト「あぁ、リツコだし! 落ち込まないで平気よ」ポンッ

マヤ「気にしてませんよ」

ミサト「そう? それはそれでなんだか肩透かしね。直属の上司から……はは〜ん。慣れた?」

マヤ「そう、ですね」

ミサト「……? ま、いっか。手が空いてるようなら手伝い頼める?」

マヤ「私から申し出たことですし、なんなりと」

ミサト「たっすかるぅ〜! リツコに話して私の部下にしちゃおっかなぁ〜」

マヤ「もう、軽口を叩いてないでとりかかりましょう」

ミサト「はいはいっ、口ぶりがリツコに似てきたんだから。やっぱり弟子は師匠に似るもんね」

マヤ「そうでしょうか」

ミサト「一緒に過ごす時間が長くなるのはもちろんだけど。お手本とするべき相手でしょ?」

マヤ「……」

ミサト「嫌な面も見えてくるもんだけどね。親と同じで」

マヤ「(たまに鋭いのよね、この人)」

ミサト「えーっと、まずはぁ〜っと」カサ

マヤ「あの、本部内に現れた使徒の行方は」

ミサト「それがぜぇ〜んぜん」

マヤ「技術部から多数の死傷者が出たって聞きました」ペラ

ミサト「そうね。でも、覚悟はしてたはずだから」

マヤ「そんな簡単に割り切れますか?」

ミサト「そうするしかないのよ。ここにいる以上は……いいえ、使徒という災厄が訪れるこの時代にはね」

マヤ「……」

ミサト「人間死ぬときゃ死ぬんだから! どーんと構えましょ!」
698 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 23:19:56.94 ID:DDuz9gSI0
【ネルフ本部 女子ロッカー室】

アスカ「どーゆーつもりっ⁉︎ なんであそこに行ったの⁉︎」バンッ

レイ「……」

アスカ「エヴァの無断使用は重罪よ! パイロットだからって許されるわけない!」

レイ「なぜ、あなたに責められなければいけないの」

アスカ「おかしいからよ! 普通の行動じゃない!」

レイ「質問の答えになってないわ」

アスカ「いい? 人形のあんたにもわかるように教えてあげる! 出撃してる間に使徒が本部内で出現してた!」

レイ「……」

アスカ「反応はすぐに消えたらしいけど、唯一の対抗手段である私たちの出番だったでしょ!」

レイ「私たちじゃないわ、エヴァの」

アスカ「どっちでも一緒! パイロットがいなきゃ動かないじゃない!」

レイ「……」

アスカ「私は、有事の際に不在でしたなんてお粗末な結果になりたくないのよ……! 役立たずなんてごめんだわ!」

レイ「……」

アスカ「今度このあたしの足を引っ張ったら、あんたのことパイロットだと認めない」

レイ「そう」

アスカ「シンジに会いに行ったの?」

レイ「……」シュルシュル パサッ

アスカ「シカトはやめなさいよ。あたしだって、シンジから話を少し聞いて――」

レイ「あなたに言う必要はないわ」カチャ

アスカ「……っ⁉︎ いい加減にしろ、この人形っ!!」

レイ「私は、人形じゃない」

アスカ「人形よ! あんたなんか!」

レイ「なぜ、そんなこと言うの」

アスカ「見るからにそのまんまじゃない! 無表情、無感情! 悲しい、楽しい、なんでもいい! 表現方法が他になんかないの⁉︎」

レイ「……」

アスカ「あぁ〜イライラする! 会話のキャッチボールがままならないなんてもんじゃない、あんたのその纏ってる空気がムカムカする」

レイ「……」スッ

アスカ「……? なによ……? うつむいてどうかした」

レイ(少女)「私もあなたが嫌い」

アスカ「えっ」

レイ(少女)「本当は寂しくて寂しくてたまらないだけのくせに。強がり。あまのじゃく。わがまま」

アスカ「ふぁ、ファースト……?」
699 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/06(金) 23:48:35.71 ID:DDuz9gSI0
レイ(少女)「背伸びをしているのだって大人達に自分を褒めてもらいたいから」

アスカ「……!」

レイ(少女)「――存在を認めさせたいから。見てもらいたいから。承認欲求」

アスカ「なに言ってるの、よ」

レイ(少女)「脆く、弱い人間。縋っているプライドと虚構を頼りにギリギリの自分を取り繕っている。あの人が言ってたわ」

アスカ「あの人……? 誰?」

レイ(少女)「加持特別監査官」

アスカ「加持さんがっ⁉︎」

レイ(少女)「色々聞いたわ。あなたのこと。……なにも知らない子供だって。背伸びをしている子供。いけすかないガキ」

アスカ「嘘よ! 加持さんがそんなこと言うわけないっ!」

レイ(少女)「本当よ? 話をしてくれた。仕事じゃなければ面倒を見ない、見たくない。うんざりしてるって」

アスカ「デタラメよ、そんなの!」ズリ ズリ

レイ(少女)「どうして後ずさるの? こわいの?」

アスカ「えっ?」

レイ(少女)「自分がいらなくなるのがこわいんでしょう? こわくてたまらないんでしょう?」

アスカ「ち、違うわ、あんたが、不気味で」

レイ(少女)「褒めてもらいたいのも結局はそう。やっとできた自分の居場所を守りたいから。母親と父親がくれなかった、その代わり」

アスカ「なっ⁉︎ な、なんでママのことを⁉︎」

レイ(少女)「全部教えてくれたのよ。加持さんが。あなたはいらないって言ってた。これからは碇くんがいればいいって。用済みなのよ、あなた」

アスカ「そんなわけ」

レイ(少女)「なんで私が知ってるの? 碇くんでさえ知らないのに」

アスカ「そ、それは……」

レイ(少女)「認められない、認めたくない。現実は残酷」

アスカ「加持さんに確認する……! 嘘だったら、どこで知ったか洗いざらい喋ってもらうからね。覚えときなさいよ」タンッ タタタッ

レイ(少女)「ええ」

レイ「もういいの?」

レイ(少女)「ネルフにいないから捕まらない」

レイ「……」

レイ(少女)「赤木ナオコと同じ手段で。少しずつ壊していく。あの女の支えているものが崩壊して死にたくなるように」
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/07(土) 01:03:29.21 ID:3OCczf/5o
こわい
701 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/10/08(日) 15:03:30.32 ID:gha0/1FZ0
【ネルフ本部 中央作戦司令室前】

アスカ「はぁっはぁっ、んっ、くっ」

リツコ「あら、アスカじゃない。そんなに息を乱して」

アスカ「ぜぇ、ぜぇ。か、加持さんの居場所知らない?」

リツコ「彼なら今、出張に出てるはずだけど」

アスカ「それなら……ねぇ、あたしの個人データって第三者が閲覧できる?」

リツコ「当たり前の話だけど権限を持つものに限られる」

アスカ「ファーストは?」

リツコ「レイ? あの子の持っている解除権限はあなたやシンジくんと同じ範囲までだからできない」

アスカ「……」

リツコ「なにかあったの?」

アスカ「いい、なんでもない」

リツコ「加持くんに依存しすぎるのはおやめなさいな」

アスカ「確認したいことがあったの」

リツコ「あなた、いつもそういって加持くんを探してはまとわりついてるじゃない」

アスカ「違うの! 本当に――」

リツコ「今回の出撃データ。後半の伸びはよかったけれど、レイにシンクロ率が負けてたのよ」

アスカ「……っ!」

リツコ「ふぅ、こんなんじゃエースなんてとてもじゃないけど任せられない。男にうつつをぬかしてる場合?」

アスカ「なんで、なんで、ファーストの名前を出すの」

リツコ「なんでって……競争相手でもあり比較対象だからよ。危機感を持ってるの? なぜ最初から本気でやらないの?」

アスカ「やってるわよっ!!」

リツコ「他パイロットと比べられると対抗意識をむき出しているけど、優越感に浸っているんではなくて?」

アスカ「あ、あたしのどこが」

リツコ「あなたは、自信がありすぎる。土台にこれまでの努力があるのは結構だけど、レイやシンジくんが自分より劣っていると見下している節があると思わない?」

アスカ「それのなにが悪いのよ⁉︎?

リツコ「学歴やテストの結果が社会に出て通用するとは限らない。アスカが培ってきたモノは、“これぐらいは最低できます”という指標程度でしかないとわかってるの?」

アスカ「……」

リツコ「優越感に浸ってないで。あなた達はチームなのよ。一歩引いて物事を見極められるように、違う方面の努力も惜しまないで」

アスカ「――うるさい、うるさいうるさいっ! もぉ! あたしは今そんなお説教をされる為に走ってたんじゃないのっ!」

リツコ「反省点を振り返る気すらないの?」

アスカ「細かいことはほっといてよ! エヴァに乗って結果を出せばいいんでしょ⁉︎」

リツコ「伴ってないから言っているのよ。私が好きで言うとでも? 命令という形でなければできないのならはっきりと言います」

アスカ「……」ギュウ

リツコ「改善を要求します。でなければ、司令と協議してパイロットから降ろす案も含めて視野にいれる」

アスカ「……っ⁉︎」

リツコ「すぐにとは言わないわ。よく、考えて行動しなさい」
702 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/09(月) 18:19:52.84 ID:qxXH+gib0
ちょい雑になってきてるんでレスしなおし
703 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/09(月) 18:42:55.42 ID:qxXH+gib0
【ネルフ本部 中央作戦司令室前】

アスカ「はぁっはぁっ、んっ、くっ」

リツコ「あら、アスカじゃない。ちょうどよかった。フィードバックの検証結果を」

アスカ「ぜぇ、ぜぇ。か、加持さんの居場所知らない?」

リツコ「彼なら出張で松代のはずだけど」

アスカ「それなら……ねぇ、あたしの個人データって第三者が閲覧できる?」

リツコ「権限を持つものに限られる」

アスカ「ファーストは?」

リツコ「レイ? あの子の持っている解除権限はあなたやシンジくんと同じよ」

アスカ「……」

リツコ「なにかあったの?」

アスカ「いい、なんでもない」

リツコ「加持くんに依存しすぎるのはおやめなさいな」

アスカ「確認したいことがあったの」

リツコ「いつもそういって加持くんを探してはまとわりついてるじゃない」

アスカ「違うの! 本当に――」

リツコ「今回の出撃データ。最後の伸びはよかったけれど、レイにシンクロ率が負けてたのよ」

アスカ「……っ!」

リツコ「こんなんじゃエースなんてとてもじゃないけど任せられない。男にうつつをぬかしてる場合?」

アスカ「なんで……なんで、ファーストの名前を出すの」

リツコ「なぜって……比較対象だからよ。危機感を持ってるの? なぜ最初から本気でやらないの?」

アスカ「やってるわよっ!!」

リツコ「他パイロットと比べられると対抗意識をむき出しているけど、優越感に浸っているのではなくて?」

アスカ「あ、あたしのどこが」

リツコ「いつも言っているでしょう。あなたは、自信がありすぎると。土台にこれまでの努力があるのは結構だけど、レイやシンジくんが自分より劣っていると見下している節があると自覚しているはずよね?」

アスカ「それのなにが悪いっていうの⁉︎」

リツコ「学歴やテストの結果が社会に出て通用するとは限らない。アスカが培ってきたモノは、“これぐらいは最低できます”という指標程度でしかないとわかってるの?」

アスカ「……」

リツコ「足りない部分を見つけて優越感に浸ってないで、チームで補い合う必要がある。一歩引いて物事を見極められるように、違う方面の努力も惜しまないで」

アスカ「――うるさい、うるさいうるさいっ! もぉ、そんなお説教をされてる場合じゃないの! そのために走ってたんじゃないのよっ!」トンッ

リツコ「あ、こら。待ちなさい」パシッ

アスカ「まだ続ける気ぃ?」

リツコ「反省点を振り返る気すらないの」

アスカ「細かいことはほっといて! エヴァに乗って結果を出せばいいんでしょ⁉︎」

リツコ「伴ってないから……はぁ、私が好きで言っているとでも? 命令されるのがお望みならはっきりと伝えます」

アスカ「……」ギュウ

リツコ「改善を要求するわ。でなければ、司令と協議してパイロットからの降格案を含めて視野にいれる」

アスカ「……っ⁉︎」

リツコ「すぐにとは言わない。よく、考えて行動しなさい」
704 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/09(月) 18:43:54.93 ID:qxXH+gib0
あらら、日本語がおかしい部分があるので再度レスしなおし
705 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/09(月) 18:45:18.53 ID:qxXH+gib0
【ネルフ本部 中央作戦司令室前】

アスカ「はぁっはぁっ、んっ、くっ」

リツコ「あら、アスカじゃない。ちょうどよかった。フィードバックの検証結果を」

アスカ「ぜぇ、ぜぇ。か、加持さんの居場所知らない?」

リツコ「彼なら出張で松代のはずだけど」

アスカ「それなら……ねぇ、あたしの個人データって第三者が閲覧できる?」

リツコ「権限を持つものに限られる」

アスカ「ファーストは?」

リツコ「レイ? あの子の持っている解除権限はあなたやシンジくんと同じよ」

アスカ「……」

リツコ「なにかあったの?」

アスカ「いい、なんでもない」

リツコ「加持くんに依存しすぎるのはおやめなさいな」

アスカ「確認したいことがあったの」

リツコ「いつもそういって加持くんを探してはまとわりついてるじゃない」

アスカ「違うの! 本当に――」

リツコ「今回の出撃データ。最後の伸びはよかったけれど、レイにシンクロ率が負けてたのよ」

アスカ「……っ!」

リツコ「こんなんじゃエースなんてとてもじゃないけど任せられない。男にうつつをぬかしてる場合?」

アスカ「なんで……なんで、ファーストの名前を出すの」

リツコ「なぜって……比較対象だからよ。危機感を持ってるの? なぜ最初から本気でやらないの?」

アスカ「やってるわよっ!!」

リツコ「他パイロットと比べられると対抗意識をむき出しているけど、優越感に浸っているのではなくて?」

アスカ「あ、あたしのどこが」

リツコ「いつも言っているでしょう。あなたは、自信がありすぎると。土台にこれまでの努力があるのは結構だけど、レイやシンジくんが自分より劣っていると見下した節の自覚があるはずよね?」

アスカ「それのなにが悪いっていうの⁉︎」

リツコ「学歴やテストの結果が社会に出て通用するとは限らない。アスカが培ってきたモノは、“これぐらいは最低できます”という指標程度でしかないとわかってるの?」

アスカ「……」

リツコ「足りない部分を見つけて優越感に浸ってないで、チームで補い合う必要がある。一歩引いて物事を見極められるように、違う方面の努力も惜しまないで」

アスカ「――うるさい、うるさいうるさいっ! もぉ、そんなお説教をされてる場合じゃないの! そのために走ってたんじゃないのよっ!」トンッ

リツコ「あ、こら。待ちなさい」パシッ

アスカ「まだ続ける気ぃ?」

リツコ「反省点を振り返る気すらないの」

アスカ「細かいことはほっといて! エヴァに乗って結果を出せばいいんでしょ⁉︎」

リツコ「伴ってないから……はぁ、私が好きで言っているとでも? 命令されるのがお望みならはっきりと伝えます」

アスカ「……」ギュウ

リツコ「改善を要求するわ。でなければ、司令と協議してパイロットからの降格案を含めて視野にいれる」

アスカ「……っ⁉︎」

リツコ「すぐにとは言わない。よく、考えて行動しなさい」
706 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/09(月) 19:13:35.02 ID:qxXH+gib0
【ネルフ本部 コンテナ】

シゲル「シンジくーん。いるかぁ?」ガチャ

シンジ「青葉さん……」

シゲル「今度はコンテナか。遊牧民みたいな生活してていいねぇ、これ、寝袋な」

シンジ「ありがとうございます」

シゲル「しっかしまぁ、こんな不自由なとこに泊まらなくても。職員の仮眠室だったらすぐ先に」

シンジ「いいんです、僕はここで」

シゲル「……そうか。よっと」ドサッ

シンジ「あの、さっき通路で話てるの聞こえたんですけど。初号機が出撃するときに死傷者がでたって」

シゲル「あぁ、そうみたいだな」

シンジ「何人ぐらい……?」

シゲル「そんなこと知ってどうしたいんだ? 自分のせいだって謝りにいくのか?」

シンジ「いえ、知っておきたくて」

シゲル「はぁん? なんでも二十数人死んだって話だぜ?」

シンジ「そ、そんなに」

シゲル「人間死ぬときゃ死ぬんだし、あいつらは運がなかっただけさ。使徒のせいだしな」

シンジ「……」

シゲル「初号機が出撃しなきゃ無駄な犠牲は少なく済んだかもしれないけどよぉ、俺たちは砦として従事してるんだ」

シンジ「……」

シゲル「戦自の訓練に音をあげたからって誰も責めやしないさ」

シンジ「えっ?」

シゲル「シンジくんがレイを呼んだんだろ? 迎えに来てくれって……ぷっ、だからと言ってエヴァを使うのはありえないんじゃね?」

シンジ「(そういうシナリオにしたのか)」

シゲル「今度からは無理な時は無理ってはっきり言えよ?」

シンジ「そう、ですよね。そうします、すいません」

シゲル「俺は別になにか被害受けてるわけじゃねーし、これが仕事。気楽にやれや」ポンッ

シンジ「はい」

シゲル「寝袋かぁ、またバイクで日本一周でもしてぇなぁ。それじゃあ、俺は」

アスカ「――シンジっ!!」バァンッ

シゲル「うっ⁉︎」ゴチーンッ

シンジ「あっ」

シゲル「」ドサッ

アスカ「あれ……? な、なんでここに?」

シンジ「……扉はそっと開けようよ」
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 03:07:44.36 ID:VT506d6fo
訓練に音を上げて、エヴァ呼んでその場(下?)にいた技術者を踏み潰したって。
味方からも刺されるんじゃね?少なくとも整備人員は総入れ替えしないとボイコットが起きそう
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 08:16:11.84 ID:PlsEXHUUo
一週間くらい耐えたならまだしも1日だしな…
相当恨まれると思うわ
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 10:46:51.26 ID:JNDP47g8O
心配になるぐらい読解力がないな
エヴァが踏み潰したんじゃなく使徒の仕業みたいなこと書いてるだろ
710 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/10(火) 12:25:23.82 ID:DKW/YuiX0
ここは少し補足いれておきます

初号機は誰かを踏み潰したり殺したりはしていません
発進の際、カヲルが職員を邪魔にならないよう殺害してまわっていたのです
なぜ足止めではなく[ピーーー]必要があったのかというと自分が使徒だというのを隠すためです
目撃者を生かすという選択肢はありません

なので青葉シゲルは使徒のせいだと言っています
シンジが初号機を呼んだことにより、使徒の対処に遅れが生じ、結果としてろくに迎撃できない状態で取り逃がしていますが
使徒の反応を感知できた時点ですでに多数の職員殺害後で、しかもすぐに反応をロストしています
したがって事前に防ぐことも、対応の遅れを責めることもできないというわけです

※重要
ただし、これらは職員が抱いている一連の出来事への感想であり、シンジが責任を感じていないというわけじゃありません


おわり
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 12:35:34.37 ID:8U289tGjO
これまでの流れを読みゃわかる
バカの相手はせんでいい
712 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/10/10(火) 14:56:35.26 ID:DKW/YuiX0
ちょと書くモチベがダウンしてるので次回レスまでしばらく時間おきます
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 15:09:05.74 ID:oTF4wfa9O
把握。再開楽しみにしてるやで。
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/10(火) 19:38:34.95 ID:L87mp+0Vo
待ってる
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/10/30(月) 22:42:26.63 ID:D2RrSDpb0
そろそろ三週間か…
716 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/02(木) 17:58:56.04 ID:e1rMDpjd0
【厚木基地】

加持「言っておくが、陣頭指揮にあたっていたのは葛城じゃなく碇ユイ司令だ」

軍曹「だろうな。お前はいつもそう言い訳を」

加持「言い訳じゃなく……事実だ。時田シロウはどうやって政府に取り入った」

軍曹「国の為と言っちゃいるが、ありゃ私怨だよ。こじらせただけ。ネルフと戦自は近々なにかあるぞ」

加持「わかっている。俺の知人も二人消された。潜入中だった」

軍曹「俺もその件は聞いた。上層部の動きが慌ただしい。奴が発案したトライデント級が出来上がる前に、行動するつもりかもしれん」

加持「だが、こういう時だからこそ俺たちが必要とされる」

軍曹「火事が起こらなければ消防は商売あがったりだしな」

加持「……」カチ シュボ

軍曹「サードチルドレンは、なにを隠している?」

加持「知ってるか。好奇心は猫をも殺すということわざを」

軍曹「からかうのはやめろ。この特別任務に就く際に要件は満たしてる。お前とは対等だ」

加持「これは失礼。軍曹殿。なにか気になることでも?」

軍曹「あいつは――……なにか重要な秘密を握っている。取り引きを持ちかけてきた時の目つきが自信に満ち溢れていた。根拠のないモノじゃない」

加持「取り繕ってるだけかもしれないじゃないか」

軍曹「よせ。さっきから言ってるだろう、俺だってこの道のプロだ」

加持「具体的なところをお聞かせ願いたいね」

軍曹「推測の域をでないが、上層部にやつは抵抗しようとしてるんじゃないのか」

加持「……」フゥー

軍曹「動機はこの際どうでもいい。だが……気がついた。司令が知られてはまずいなにかに」

加持「なにか、とは?」

軍曹「そこがわからない、肝心なところで下手をこいてしまってね。ほら、これだよ」カシャ

加持「カフスか」

軍曹「外すのを忘れていた。まさか、お前のを見ていたとは。警戒心の強いガキだ」

加持「ふっ、侮ったお前が悪い」

軍曹「そうかもな」

加持「これからどうする? サードチルドレンにお前の顔は割れてしまっているだろ」

軍曹「とんずらさせてもらうよ。適当な理由をつけて。命はなによりも大事だ」

加持「てことは、ここでお別れか」

軍曹「短い付き合いだったな」

加持「俺たちにとっちゃ日常茶飯事の光景さ」

軍曹「ああ」

加持「ひとつ聞きたい。この後は、どうする?」

軍曹「……? いや、だから」

加持「お前は秘密の片鱗を除いてしまったんだ」スッ カチャ

軍曹「……け、拳銃っ⁉︎ そ、そんなっ! ま、まてっ!」ギョ

加持「警戒心を持つべきはお前だったようだ。プロなら、与えられた仕事をきちんと最後までやり遂げるんだな」パァンッ
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 18:18:21.76 ID:+8G9/Nr0O
ktkr
718 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/02(木) 18:25:24.12 ID:e1rMDpjd0
【再び コンテナ内】

アスカ「……」ジトー

シゲル「」ピク ピク

シンジ「あの……?」

アスカ「あんたに聞きたいことがあんのよ」

シンジ「(青葉さんこのままでいいのかなぁ)」

アスカ「……」

シンジ「なに? どしたの?」

アスカ「ファースト……あいつって、加持さんと、ううんと、あんたってファーストとのことどう思う?」

シンジ「へ……?」

アスカ「なんかないのぉ? 気味が悪いとか、変なやつだなとか」

シンジ「えっと……綾波は、綾波だけど」

アスカ「だからぁっ! そうじゃなくって! あんたはさぁ、あいつとはあたし以前に知り合ってるんだし! なにか情報ないの⁉︎」

シンジ「情報。情報、ねぇ」

アスカ「……」イライラ

シンジ「あぁ、そういえば」

アスカ「なに?」

シンジ「窓拭きが上手――」

アスカ「ふんっ!!」スパーンッ

シンジ「いったぁ! なにするんだよ、いきなり頭はたいて!」

アスカ「あんたねぇ、どうしてそう察しが悪いのよ! あたしが改めて聞くってなったらなにか理由があるってもんでしょ!」

シンジ「はぁ」

アスカ「聞きたいのはそんなどーでもいいことじゃないのぉ! 来歴とかさぁ!」

シンジ「そんなの知ってどうするのさ」

アスカ「“彼を知り己を知れば百戦殆うからず”!! 敵についても味方についても情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないじゃない!」

シンジ「綾波が敵みたいな」

アスカ「少なくとも味方ではないことはたしかね。このあたしにとっては!」

シンジ「ええ? なにかあったの?」

アスカ「それは……」

シンジ「……?」

アスカ「なんであんたにそんなこと話さなくちゃいけないのよ!」

シンジ「言いたくないなら別に」

アスカ「聞きもしないわけ!」

シンジ「どっちなんだよ、もう……」

アスカ「あいつが加持さんと話してるとこ、見たことある?」

シンジ「加持さん……うぅーん、ないと思うけど」

アスカ「……」ギュウ

シンジ「アスカ……? 本当に、なにがあったの?」






719 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/02(木) 18:43:36.93 ID:e1rMDpjd0
アスカ「――……やっぱり、いい」

シンジ「え?」

アスカ「こんなの、あたしらしくない。バカシンジに頼ろうとするなんてどーかしてる」クルッ

シンジ「ま、待って!」パシッ

アスカ「離してよ」

シンジ「ためこまない方がいいよ。解決策は提示できない、かもしれないけど、誰かに話てラクになれるかもしれない」

アスカ「そう、すっかりチームリーダーのつもり?」

シンジ「……?」

アスカ「あたしは、あんたにだって負けられないのよ。弱味を見せたくない」

シンジ「なんの話をしてるのか、わけが」

アスカ「知らないからなんてことは責任の放棄よ(違う、そうじゃない)」

シンジ「……」

アスカ「あんたも一緒だわ。人に踏み込む勇気なんてないくせに……!(違うの、私が言いたいのはこうじゃない)」

シンジ「アスカ……?」

アスカ「ヒーロー気取り? エース? 自分がちやほやされたいだけでしょ! みんな、みんな自分のため!(違う、それは、私)」ツゥー

シンジ「涙、泣いてるの?」

アスカ「……っ⁉︎」ゴシゴシ

シンジ「あ、あのっ!」

アスカ「ほっといて。一人になりたい」パシッ

シンジ「……」

アスカ「もう行く。また、あした」
720 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/02(木) 19:27:31.93 ID:e1rMDpjd0
【ネルフ本部 第三通路】

リツコ「あら。シンジくん、ちょうどよかった。これからコンテナに伺おうと思っていたのよ」

シンジ「あの、綾波を見ませんでした?」

リツコ「あの子なら先程帰宅させたけど。心配してるのね」

シンジ「……」

リツコ「大丈夫よ。司令からはあなたの要求に応える形でなにも通達が降りてきてない」

シンジ「いえ、そうじゃなくて、アスカが……」

リツコ「……あぁ、そっちだったの。大方予想はついた。チームリーダーとエースの件ね」

シンジ「まさか、また僕の知らないところで」

リツコ「報告する義務はありません。指揮系統での立場でいうとシンジくんと私はこれまでと何ら変化はかいのよ」

シンジ「詳しく教えてください」

リツコ「ええ。いずれあなたにもわかることだし……私もあなたに聞きたいことがあったしね。ついてきて」

シンジ「どこにいくんですか」

リツコ「ここじゃ他の職員の目につく。安全な、私の研究室に」
721 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/02(木) 19:42:52.73 ID:e1rMDpjd0
【ネルフ本部 ラボ】

シンジ「僕達は、チームですか?」

リツコ「つまるところ、競争意識の表面化よ。エヴァはそれぞれ個として強力な力を持つ兵器だけど、戦術的運用を考慮すれば協調性が必要になります」

シンジ「だけど、これまでだってアスカは協力してきました」

リツコ「協力とはいわないわ。従っているというの」

シンジ「それのなにが違うんですか。母さんやリツコさんが好きな結果重視ですよ」

リツコ「完璧ではない。パイロットたち自らが積極的な姿勢を見せるようにするためのテコ入れ」

シンジ「アスカは、エヴァに乗ることにプライドをかけてます」

リツコ「理解してる。だからこそ、あの子は殻を破らなければならない」

シンジ「……」

リツコ「シンジくんにも言えることだけど……あなたの最近の行動を見る限り、余計なことを言う必要はなさそうだから」

シンジ「いい加減にしてくださいよ!!」

リツコ「……」

シンジ「人権をなんだと思ってるんですかっ!! 僕だけじゃなくアスカまで自分達の都合の良い駒として動かすつもりですか!!」

リツコ「当たり前よ」コト

シンジ「……っ!」ギリッ

リツコ「人情なんて生易しいものでは生き残っていけないのよ。合理主義、いらないものは容赦なく切り捨てる。私たちはその渦の中に身を投じているのですもの」

シンジ「……」

リツコ「必要ないと思うものを大なり小なり切り捨てて、取捨選択をしているはず。シンジくんは立派な偽善者ね」

シンジ「そうですよ。僕は」

リツコ「開き直るのが子供だと言ってるのがわからないの……! あなただって綱渡りしているでしょう」

シンジ「……」
722 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/02(木) 20:15:56.70 ID:e1rMDpjd0
リツコ「交渉の材料は?」

シンジ「……言いたくありません」

リツコ「忙しいから余計な時間をとりたくない。司令をうなずかせるに足る提示をした」

シンジ「……」

リツコ「問題は、その“中身”よ。それがわからない」

シンジ「リツコさんはどうしたいんですか。母さんを脅したいんですか」

リツコ「そんなことをすればたちまち私は消されてしまうでしょう。私が今すべきことは、じっと身を潜めて待つ。敵だと認識されることではない」

シンジ「……?」

リツコ「ただし、あなたの味方でもない。伝えるべきはそれだけ」

シンジ「(なんだ? 母さんとなにかあるのか……?)」

リツコ「ヒントは差し出した。次はあなたの番よ」

シンジ「僕はリツコさんと取り引きすると一言もいってません」

リツコ「つれないわね。自分だけ女の秘密を知るつもり?」

シンジ「……」

リツコ「慎重になるのもわからないでもないわ。シンジくんがエヴァ以外ではじめて有利になったであろう情報。ベラベラと喋ってしまっては価値が暴落する」

シンジ「……」

リツコ「けれど、あなたは今も選択しているのよ。私という駒を使うのか、それともこのまま放っておくのか。言っている意味が、おわかり?」

シンジ「協力するかもしれないということですか」

リツコ「状況次第ではね。確約はできない」

シンジ「コーヒー、もらってもいいですか」

リツコ「ええ、インスタントだけど」
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 21:49:04.51 ID:Df9fmtuyO
メリットが全くねえな
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/02(木) 22:01:34.38 ID:amq/g5vco
言ったタイミングが最悪だったのとアスカのメンタル弱すぎるだけで
リツコが言ったこと自体は間違ってないと思う。自信家ですぐ周りとぶつかるのは問題だし
725 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/03(金) 01:05:54.88 ID:Q20Wp4R70
シンジ「お互いの手の内を曝け出す、得られるモノはリツコさん、ですか」

リツコ「全てなんて傲慢なお願いをしているわけじゃない。形としてぼんやりと、どれほどのモノかを知りたいだけ。どうぞ」スッ

シンジ「……」

リツコ「証明は、レイを保護し手出しをさせなかった。それだけで重要度を計り知れなくもないといったところかしらね」

シンジ「僕が察することができるなんてたかがしれてますよ。情報の提供をしてほしいと遠回しに言ってるのと同じじゃないですか」

リツコ「機転は利く。このやりとりはあなたがどこまで成長しているのか、その確認でもある」

シンジ「……」

リツコ「心理学の観点から見極めているといえばわかりやすい?」

シンジ「テストを兼ねてるんですね」

リツコ「あまりにも期間が短すぎて、見定めきれないから。中学生として扱うべきか、それとも、対等の相手として見るか……私としても半信半疑なの」

シンジ「わかるような気がします」

リツコ「そう?」ギシ

シンジ「だって、年齢差を考えれば仕方のないことですから。ただ、僕は、子供のままじゃいられないだけで」

リツコ「まわりが許さないし、また、過酷な環境での成長を余儀なくしている。かわいそうね」

シンジ「心にもないことを言わないでください」

リツコ「あなたが冷静でいるのは上っ面だけ? それとも……ホンモノなの?」

シンジ「どうだろう」

リツコ「抗おうとしている流れ。それはユイ司令だけではない、背後にあるゼーレ……ひいては世界そのものを敵にまわす。シンジくんが仕切れる?」

シンジ「……」

リツコ「アスカ、レイ、ミサト、身近な存在が、いつ、誰が死んでもおかしくない状況になろうとしている。そうなったら、守るという行動理念は崩れる。最初から無理なものに挑戦しようとしているのよ、今のあなたは」
726 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/03(金) 01:37:44.89 ID:Q20Wp4R70
シンジ「無理だとは思ってません。やれるだけやってみよう、そう思ってます」

リツコ「巨大な資本に蹂躙された後に、同じセリフを吐ける? “よく頑張った”なんて誰も褒めてくれないわよ」

シンジ「僕は父さんや母さんとは違う。徹底した合理主義者になれないんです」

リツコ「……」

シンジ「個の主張という意味じゃありませんよ。……それが僕なんだ」

リツコ「若さは言い訳にならない。求められているものが違うのならば臨機応変に合わせるべきではなくて?」

シンジ「できないこと無理にをやろうとしていても、できない。またイチからのスタートになります。スポンジのように吸収する天才肌じゃないんです、僕は」

リツコ「……」

シンジ「――ただ、巻き込まれただけの凡人」

リツコ「(自己評価は適正。おごりはない、か)」

シンジ「言っている意味はわかります。必要とされている要素も。だけど、それを実現しようと考えると、残された時間がたりないし、経験値もない」

リツコ「……」

シンジ「だったら、僕はルール無用の殴りあいをしたらどうだろうって」

リツコ「なんですって……?」

シンジ「正攻法じゃ無理。さっき、最初から無理な挑戦をしようとしている、そう言いましたよね」

リツコ「……」

シンジ「でも、それは型にハメてるからだと思うんです」

リツコ「計画があると?」

シンジ「いえ、なにかするのは僕じゃありません。まわりです」

リツコ「あなた、いったい……」

シンジ「流れに一石を投じれば、水は濁るんですよ。小石では一瞬だけで、すぐにまた戻ってしまう。でも、そうじゃない、大きな石だったら……?」

リツコ「流れは、止まる」

シンジ「行き着く先が決まった流れているものに抗おうとするから、大変なんです。外部から圧力を加えるか、変化を待てばいい」

リツコ「その準備があるというの……?」

シンジ「綱渡りしてる、その指摘自体は間違っていません」

リツコ「……」

シンジ「リツコさんの目的と、母さんの目的が相反するものであり、僕の目的と近いものならば、協力はできるかもしれない」

リツコ「それで?」

シンジ「取り引きはこれだけで済むんですよ。お互いに有益になるのは、なにも対価交換のみじゃない、と思います」

リツコ「……」

シンジ「話は終わりです。僕からなにかを差し出す必要はない。もちろん、リツコさんからも。コーヒー、ごちそうさまでした」

リツコ「口ぐらいつけたら?」
727 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/03(金) 19:42:33.35 ID:Q20Wp4R70
【翌日 第壱中学校 校門前】

ケンスケ「ふぁ〜ぁ……」

トウジ「おはよーさん」ポン

ケンスケ「ああ、おはよ」

トウジ「朝っぱらからクマ作って。まぁ〜た徹夜でカメラいじりか?」

ケンスケ「違うよ」

トウジ「あん?」

ケンスケ「理由を聞いたな? ならば教えよう! これだよ! これこれ!」バッ

トウジ「なんや? かま、コレ?」ピラ

ケンスケ「そう! 今や様々なメディアで取り上げれている大人気コンテンツ!」

トウジ「ちびっこ向けか?」

ケンスケ「はぁ、これだから。いいか? 最近はこういった擬人化が常識になってきてるんだよ!」

トウジ「擬人、化? なんやリュックみたいなの背負ってるだけやないか」

ケンスケ「ノンノン! これはバックパック! このゲームは実在の艦隊がもし女の子だったらっていう設定なのさ!」

トウジ「……」

ケンスケ「僕の趣味とピッタリなゲームがこの世で流行ることがあるなんて! あぁ……生きててよかった……!」ポロリ

トウジ「なぁ、ケンスケ」

ケンスケ「ん?」

トウジ「お前なぁ、もちっと趣味を変えたらどうや? パーっと外で遊んだり」

ケンスケ「時間の浪費先は僕の勝手だろ!」

トウジ「わしはお前と友達でいられる自信がなくなってきた」

ケンスケ「またはじまったよ、いいか、だいたい……あれ?」

マナ「……」ジー

トウジ「こんな女が実在するわけないやろ。どこがええんやこんなん」

ケンスケ「霧島……?」

トウジ「霧島みたいな戦艦女が……あ? 霧島?」

運転手「ばっきゃろー! あぶねぇだろ!」ププーッ

トウジ「うわぁっ⁉︎」

ケンスケ「わぁっ⁉︎」

トウジ「うひー、あぶな……。パンフレット見ながら歩くもんやないな。おい、ケンスケ、信号変わったんならいうてくれや」

ケンスケ「……」キョロキョロ

トウジ「……?」

ケンスケ「(いない。たしかに、霧島が向かいの歩道にいたと思うんだけど)」

トウジ「誰か探しとるんか?」

ケンスケ「い、いや。なんでも」
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 05:11:04.67 ID:7RK3hDVxO
もうシンジの一物でリツコを雌奴隷にしたら解決するやろ
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/04(土) 09:09:35.12 ID:FoRL1iTro
それやっちゃうと前回の二の舞だから
730 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/04(土) 17:44:22.76 ID:s+2GFAAK0
新劇だと時折向こう見ずな行動力を見せるシンジくんですがあくまでTVシリーズや旧劇場版を参考にして
突飛な行動をさせる予定はありません

ただしそっくりそのままだと原作をなぞるだけになってしまい面白くないので、創作特有の各キャラらしからぬ行動も挟んでいると思います

当二次SSではその点にできるだけ無理がでないように気をつけて書いているつもりです
731 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/04(土) 19:16:44.19 ID:s+2GFAAK0
【厚木基地 管制塔】

オペレーター「ECTA 6-4 NEO PAN 4-0-0。応答せよ。こちら厚木基地管制塔。飛行経路上の天候状況は快晴だ」

輸送機「こちらPAN 4-0-0。確認した。気圧計は危険性がないことを示している。コースをこのまま維持する、予定どおりに到着する」

オペレーター「了解した。長旅お疲れさん。通信をアウト」

参謀官「また玩具が増えるのか。おい、そこの。窓のそばでなにをしてる」

加持「失敬。新鮮な空気を吸いたかったもので」

参謀官「お前もみない顔だな。最近のここは、やたらと人の出入りが激しくて困る」

加持「秘書官に許可はいただいておりますが……。三号機に関する渡航書類を受け取りにきました」

参謀官「二重スパイ。個人資料は読んだ」

オペレーター「す、スパイ?」

加持「衆目に晒すような真似は勘弁していただきたいのですがね」

参謀官「ふん。それで、ネルフ総司令の使いパシリで君を寄越したと」

加持「仰る通りです。よろしければ、承認の判子をいただければ」

参謀官「軍曹はどうした? まだ出頭せんのか?」

オペレーター「はい。飲み過ぎですかね」

加持「……」

参謀官「宿舎に向かい叩き起こしてこい」

オペレーター「はっ」

参謀官「時に、加持監察官」

加持「はい?」

参謀官「ネルフにはどう偽ってここにきている?」

加持「松代でライフルの試験運用が行われる予定になっています。名目はその出張です」

参謀官「兵器実験か。我らが開発した陽電子砲。やつらの研究部が改良を加えて小型化の目処がたったと聞き及んでいるが、たしか……」

シロウ「赤木リツコでしょう?」コツコツ

加持「失礼ですが、こちらは?」

シロウ「これはこれは。自己紹介が遅れて申し訳ございません。この度、戦略自衛隊兵器開発部の特別顧問に就任いたしました。……時田シロウと申します」

加持「お初にお目にかかります。光栄ですよ」

シロウ「これは異な事をおっしゃる。それは皮肉ですか?」

加持「とんでもない。あなたの輝かしい功績を考えれば礼節を欠けません」

シロウ「輝かしい……? ふむ」

加持「……」

シロウ「なるほど。あなたは賢いようだ。尻尾を掴ませまいとするように見えるのは、私の気のせいか、はたまた……」

加持「仕事柄勘ぐられるのは珍しくありませんが、どうです? 今度一杯」

シロウ「良いですね。私もこちらに着任したばかりで話し相手に困っていたところです。上等なコニャックがありますよ」
732 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/04(土) 19:48:55.14 ID:s+2GFAAK0
【第壱中学校 下駄箱】

シンジ「おはよう、トウジ、ケンスケ」

トウジ「あー……おまっシンジやないか⁉︎」

ケンスケ「なんで碇がここにいるんだぁ?」

シンジ「色々あってなくなったんだ」

トウジ「はぁ、なんやそら」

ケンスケ「てことは、霧島も?」

シンジ「マナは……戦自に残った」

ケンスケ「帰ってきてるわけじゃないのか。やっぱり見間違いなのかなぁ……?」

シンジ「……?」

トウジ「まぁ、ネルフ都合っちゅーやつやろ、いつもの。センセも振り回されてばっかやのお」

ケンスケ「これからまた元どおりなのか?」

シンジ「うん、たぶんだけど。しばらくはないと思う」

トウジ「それならまたつるめるな!」ガシッ

シンジ「わっ」

トウジ「なんやかんやわしら三人一緒のがしっくりくるわ」ワシャワシャ

シンジ「ちょっと、トウジ。犬じゃないんだから、頭撫ですぎだよ」

レイ「……」カタ

シンジ「あ。……綾波!」

レイ「……なに?」チラ

シンジ「あの、後で少し話たいんだけど。いいかな?」

レイ「ええ」

ケンスケ「ははぁ〜ん。やっぱりシンジの意中の相手は綾波なのかぁ〜?」

シンジ「ケンスケ。そんなんじゃないから」

ケンスケ「でもさぁ、霧島だって」

アスカ「……」バンッ!!

トウジ「おっ? なんや」

アスカ「朝からギャーギャーうっさいのよ、この三馬鹿!」

ケンスケ「こりゃまた、ご機嫌ナナメですな」

アスカ「ふんっ!」プイッ

ヒカリ「アスカ、おはよう」

アスカ「おはよー」

ヒカリ「あれ……? 碇くん? 戦自に入隊したはずなんじゃ……?」

アスカ「ヒカリぃ〜! 聞いてよぉ〜、シンジったら1日で逃げ帰ってきたんですってえ〜!」

トウジ「あ?」

ヒカリ「へ? そうなの?」チラ

シンジ「……」ポリポリ

アスカ「きつくてもういやだぁーって! とんだ根性なしよねぇ〜!」

トウジ「おい! ゴリラ女!」

アスカ「あぁん?」
733 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/04(土) 20:04:45.52 ID:s+2GFAAK0
トウジ「前々から思っとったが今回ばっかりははっきりと言わせてもらう!」

アスカ「最悪。ツバ飛ばすとか汚いわねぇ」

トウジ「お前男を舐めとるやろ!」ビシッ

アスカ「はぁ?」

ケンスケ「トウジ」

トウジ「だぁっとれ! こないな調子づいた女にはガツンと言ってやらなわからんのや!」

シンジ「僕はいいから」

トウジ「シンジもビシッと言ったらんかい! 甘くした結果がこれやないか!」

アスカ「舐めてるのどっち。男尊女卑」

トウジ「な、なにをぉぅ⁉︎ わしはお前限定で」

アスカ「前時代的。日本が世界からガラパコスだと言われてるのはあんたみたいなのがいるからよ」

トウジ「なんでわしが!」

アスカ「女と男に能力差なんてない。あんた達の行動があまりにガキだから言ってるだけ。言われたくなかったら言動に注意しなさいよ」

ヒカリ「あ、アスカ……」

トウジ「ぐぬぬ、この」

アスカ「ほら、言葉がでなくなりそうになったら罵倒することだけ考えてる。マウントとるのが目的なの? チンパンジー以下ね」

トウジ「ぬぬぬぬっ!」

ケンスケ「頭使うの苦手なんだからやめろって。顔真っ赤になってるぞ」

アスカ「はっ………ゴミ」

ヒカリ「(うわぁ、人を見下した目線させたらすごいな)」

トウジ「ぐ、ぐっ!」

シンジ「アスカ、言い過ぎだよ」スッ

アスカ「……なぁにぃ? 今度はシンジ様が相手になってくれるのかしらぁ? エースで無敵のシンジさまぁ〜!」クルクル

ケンスケ&ヒカリ「……?」

シンジ「そんなんじゃないってわかってるだろ」

アスカ「なによ」キッ

シンジ「僕は、エースもチームリーダーも興味は」

アスカ「命令されたら辞退すんの⁉︎」

シンジ「……」

アスカ「しないの……? へぇ、やっぱりあんただって野心持ってんじゃない」
734 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/07(火) 01:18:51.21 ID:fKwDZQ4C0
シンジ「ひとつ、ゲームをしない?」

アスカ「あんた……っ! ちょぉ〜っと運動神経よくなったからって上から見下してんじゃないでしょうねぇ⁉︎」

トウジ「どの口が言うとるんや! 見下してるのはおまえの――」

ケンスケ「……シンジの運動神経がよくなった?」

シンジ「話がこじれるから。そんなひねくれた捉え方をしないで、ただの遊びだよ」

ヒカリ「あの、碇くん。言いにくいんだけど、この状況は遊びって雰囲気じゃ」

シンジ「負けた方が勝った方の言うことをひとつ聞く」

アスカ「前々からファースト同様、あんたも変なやつだと思った時はあったけど。いや、シンジの場合はバカか。……ヒカリの言う通りよ、遊びに誘うなら状況を」

シンジ「逃げるの?」

アスカ「な、なななぁっ?」

シンジ「勝負事に対して論点をズラすなんてするはずないと思ったんだけど」

アスカ「あ、あんたバカぁっ? あたしはドイツ語じゃなく日本語を話してるつもりなんだけど!」

シンジ「やっぱり逃げてる。負けるのがこわいから乗りたくないんじゃないの」

アスカ「い、いい加減にっ……!」

シンジ「言いたいことがある、不満があるのなら勝負に勝って聞かせればいい。簡単な話じゃないか」

ケンスケ「(おぉ……)」

トウジ「(こいつシンジの言うことはある程度聞くみたいなとこあるな)」

アスカ「……いいわ。そこまで言うならやってあげる。ただし、条件はイーブンになる勝負にすること」

ヒカリ「アスカ」

アスカ「平気。そうね、例えばあたしに有利なのは学力。あんたに有利なのは運動関連。そのどちらも除外したものにしなさい」

シンジ「うん、もちろんだよ。お互いの“素の能力”が試されるゲームにする」

ケンスケ「やったことないテレビゲームにするのか?」

シンジ「ううん、それじゃコントローラーを操作してたことがあるかで有利不利があるから。キー配列だってあるし」

アスカ「あたしならそんぐらい瞬時に覚えるに決まって」

シンジ「まぁ落ち着いて。ゲームの内容は思いついてるんだ。みんなにも参加してほしい」

ケンスケ&トウジ&ヒカリ「わし(私)(僕)たちも?」
735 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 01:46:21.46 ID:fKwDZQ4C0
【第壱中学校教室 昼休み】

ケンスケ「碇、紙はくばったぞ……なにするんだ? これ」スッ

シンジ「あぁ、まだ見ちゃだめだよ」

トウジ「トランプでもない、ウノでもない……」

ヒカリ「なにかの推理ゲーム?」

シンジ「これは、人狼ゲームっていう嘘つきを暴く遊びだよ」

トウジ「どゆことや?」

シンジ「僕が書いた紙をケンスケにシャッフルをお願いして配ってもらったのはオオカミを誰が所有してるかわからなくする為だったんだ」

ヒカリ「う〜ん、それってババ抜きみたいなこと?」

シンジ「ババ抜きは最後にババを持っていたら負け。このゲームはババ=オオカミを言い当てられたら負け」

ケンスケ「つまり、オオカミの所持者は自分が知ってる状態からスタートするのか?」

シンジ「みんな見れるよ。自分の持ち札は」

トウジ「なんや、全員見れるなら誰が持っとるか一発で」

シンジ「だから、“オオカミはウソをつく”」

ヒカリ「あっ、そっかぁ。自分が持っていないって言い張るしかないもんね」

シンジ「そう。僕がこの中に紛れさせた人狼は一枚だけ。その一枚の嘘つきは誰か。それを当てるゲーム」

ケンスケ「ふ〜ん」

シンジ「本当はほかのカードにも役割があるんだけど、今回は割愛するよ。説明がめんどうだし」

アスカ「くだらない。あんたとあたしの勝負じゃないわよ、こんなの」

シンジ「一回のゲームにたいして時間はかからないんだ。こうしようよ。もし、僕かアスカに狼のカードがあった場合、言い当てられなかったら勝ちってことで」

アスカ「まだるっこしい方法ねぇ」

シンジ「とりあえず一度やってみよう。ルールを確認しながらでかまわない」

アスカ「初回は説明だったから〜なんてのはなしよね?」

シンジ「アスカはどっちがいい? 僕はテレビで見たからルールは把握してる。選んでいいよ」

アスカ「……初回から勝負」

シンジ「うん。わかった。みんなもわからないことがあったらその都度聞いて。それじゃ、持ち札を確認、あぁ、もちろんだけど、隣に見えないように」
736 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 02:08:45.47 ID:fKwDZQ4C0
シンジ「みんな、確認し終えたね? この中にオオカミがいるのは絶対だ。他のカードは村人と書いてある。これからその一人を炙り出す質疑応答の時間だよ」

ケンスケ「制限時間はあったりするんだろ?」

シンジ「5分にしておこうか。長すぎても意味はないし」

トウジ「わしはかまわへんで、村人やし、あっ」

ヒカリ「もう、言っちゃだめなんじゃない?」

シンジ「いや、言ってもかまわないよ。言わないのもありだけど。ここからは狼だけがウソをついてる。もし、トウジが狼だったら、ウソの申告をしたことになるね」

ケンスケ「なぁ〜るほど。だいたい飲み込めてきたぞ」

ヒカリ「えっ、鈴原、ウソつきなの?」

トウジ「わ、わしがウソなんかつくかぁっ! 男のすることやあらへん!」

ヒカリ「なんでどもるのよ」

シンジ「ケンスケはどう?」

ケンスケ「僕も村人と書かれてたよ。ウソをつく理由なんかないからね」

ヒカリ「私も、村人だった」

ケンスケ「てことは……」

トウジ「おいおい、いきなりかいな」

シンジ「まだ慌てる時間じゃないよ。繰り返しになるけどみんなの誰かがウソを可能性がある。そうだよね? アスカ」

アスカ「……」

ヒカリ「あ、アスカ……? まさか、アスカが」

アスカ「質問があるんだけど」

シンジ「うん?」

アスカ「最後に選ぶのは誰?」

シンジ「えっと、指名するのはってこと? それなら多数決だよ」

ケンスケ「えっ」

シンジ「全員で狼だと思う人を指差して多数決で決定される。選ばれた人が村人だった場合はオオカミの勝ち」

アスカ「ふーん。なんだ、簡単なゲームじゃない。あんたの負けよ。バカシンジ」

シンジ「どうして?」

アスカ「だって、私も村人だもの。他の連中がウソをつくとは到底思えないし」

トウジ「なんやそら、ならシンジで決まり」

シンジ「僕も持ってないよ。村人だった」

トウジ「あぁ?」

ヒカリ「えっ、ちょっと待って」

ケンスケ「委員長もトウジもにぶいなぁ。だから、今がまさにウソをついてる状態なんだろ? オオカミが」

ヒカリ「そーなんだ……。でも、それなら誰が」

アスカ「それを当てるゲーム。バカシンジに決まってるわ」

シンジ「根拠がない」

アスカ「あんたはこのゲームのルールを事前に知ってたわよね。それにさっきあんたはこう言ったじゃない。“本来なら他のカードにも役割がある”……それって自分の都合の良いようにルールを改変できるってわけでしょ」
737 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 02:27:28.23 ID:fKwDZQ4C0
トウジ「うぅ〜む、たしかにそれは」

ケンスケ「けど、シンジがオオカミって理由じゃないよな?」

シンジ「僕はただみんなが遊びやすいようにと思って。さっき言ったけど説明が手間だったんだ」

アスカ「どぉ〜かしらねぇ? オオカミを炙り出すというのが根幹にあるゲームなら、その他の役割というのがオオカミにとって不利になることだってあるんじゃない?」

ヒカリ「……?」

アスカ「それに、このカードを書いたのは? シャッフルした相田は配り終えるまでゲームの趣旨さえ理解してなかった。こいつは知ってたのよ。自分がオオカミだって」

トウジ「な、なんやとぉっ⁉︎」

アスカ「だから、余計な手間なんて言い訳をして紛れたんでしょ?」

シンジ「さすがだね、アスカ」

ヒカリ「ってことは碇くんが……!」

シンジ「はやとちりしないでよ。ウソをつくのがうまいと思ったんだ。僕はアスカがオオカミだと思う」

アスカ「……シンジ、ルールの変更をしない?」

シンジ「え?」

アスカ「これは元々あんたとあたしの勝負でしょ。ヒカリ達はなんの関係もない」

シンジ「まぁ……」ポリポリ

アスカ「だったら、他の三人には今、カードをオープンにしてもらう」

シンジ「え、えぇっ?」

アスカ「そして、他の三人が村人だった場合、あたしかあんたのどちらがオオカミか決めてもらうってのはどう?」

シンジ「そ、それじゃこのゲーム本来の楽しみ方が」

アスカ「他の役割とかなんらかの要素を削ってるんでしょ? だったらいいじゃない。それとも、自分がオオカミだから乗れない?」

シンジ「はぁ、わかったよ。乗る」

アスカ「聞こえたわよね? カード、オープン」
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/07(火) 03:27:28.08 ID:3TTAEropo
ごめん、俺おっさんだからシンジに「ゲームの時間だ」とか言われるとクるものがある
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/07(火) 07:25:32.09 ID:W0ydGzMmO
すでにシンジが上手いこと手のひらコロコロしている…
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/07(火) 13:20:20.89 ID:qzpqxPIUO
>>738
声優ネタ?
741 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/07(火) 14:44:56.67 ID:fKwDZQ4C0
トウジ「わしは言った通り、村人や」ペラッ

ヒカリ「私も……」

ケンスケ「僕も、と言いたいところだけど――」

トウジ「あ? お前さっきまで村人やってゆうとったやないか」

ケンスケ「このゲームは決められた配役にのっとって全員参加型のテーブルトークRPGだろ。よーするに、腹の探り合いをするゲームってわけ」

シンジ「うん、正解」

ケンスケ「僕は村人だけど、あえて伏せておくよ。じゃないと見ていて面白くないから」

アスカ「あんたが村人かどうか決定すれば、あたしとシンジの一騎打ちを高みの見物できのよ?」

ケンスケ「そうじゃないんだよなぁ。見た目的にはアスカとシンジの一騎打ちに見えるけど。“腹の探り合い”から“聴衆をいかに騙すか”に変化する」

アスカ「……」

ケンスケ「だって、選ぶのは僕たちなんだぜ? 舞台で演技をしている二人の内のどちらかを」

シンジ「ケンスケは、あえて自分に可能性を残したいってこと?」

ケンスケ「ああ、そうすることでアスカもシンジも疑念を抱くんじゃないかと思ってさ。僕がオオカミである可能性……最初のルールから大きく外れないんじゃないか」

アスカ「同じことよ、あたしに迷いなんかない。シンジだと当たりをつけてるんだから」

ケンスケ「なら、伏せていてもなにも問題ないだろ?」

アスカ「……わかった。あんたと相田ってグルなの? 最初から仕込んでた?」

ケンスケ「いや?」

アスカ「小賢しい真似してくれちゃって。シンジの友達だからって」

シンジ「僕はなにも」

ケンスケ「待てよ、碇。アスカが勝手に疑ってるだけだ」

アスカ「相田も引き続き参加するってことね?」

ケンスケ「このカードを伏せておくだけ。あとは黙っておくよ。だって、僕は村人だから」

トウジ「ややこしいやっちゃなぁ。わしらには教えてくれんのか?」

ケンスケ「ゲームを楽しんでるだけ。トウジや委員長にも伏せておくよ」

ヒカリ「えっと……じゃあ、村人だって判明したのはは……現時点で私と鈴原だけ、なのね」

シンジ「僕が気になってるのは、ひとつあるんだ」

トウジ「……?」

シンジ「ケンスケは普段からゲームが好きだから。ルールを尊重した遊び心を持つのはわかる。そうだよね? トウジ」

トウジ「まぁ、こいつはなぁ」

アスカ「(シンジのやつ。まわりを巻き込むつもりね。まずはバカな鈴原からか)」

ヒカリ「そうなんだ……」

アスカ「(ヒカリはこのテの騙し合いに慣れてない。頭は悪くないけど、純粋……まわりに引っ張られる)」

シンジ「なんで、アスカってここまで必死なんだろう? 村人なら、どんと構えてればいいのに」

トウジ「言われてみれば、たしかに。んー? もしかしてお前がオオカミなんか?」

アスカ「判断力の低さに呆れるわ。シンジは今、誘導しようとしてる。友達だからクセを掴んでるのは当たり前でしょ」

ヒカリ「そっか。そうよね」

シンジ「(僕とアスカを除けば、有効票は3票。満場一致の場合、最後の1票が鍵を握る)」

アスカ「(相田が余計な茶々をいれてきたけど、獲得するべき1票の重みは変わりない)」

シンジ「(僕にとって重要なのは――)」

アスカ「(あたしにとって重要なのは――)」

シンジ&アスカ「(委員長(ヒカリ)が持つ1票……!)」
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/07(火) 15:13:22.49 ID:kj3HP5m0o
この勝負でシンジが勝っちゃったらますますアスカが追い詰められそう
唯一シンジにはっきり勝ててるの頭脳だけなんだしそれで負けたらもう頼るものがない
743 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/07(火) 17:58:42.88 ID:fKwDZQ4C0
アスカ「ねぇ、時間の延長をしない?」

シンジ「えっ、また後付けで変えるの?」

アスカ「これは提案。オープンのルール改変でようやくイーブン」

シンジ「そうだね……そろそろ5分になるから承諾する」

アスカ「時間はシンジが決めていい」

シンジ「なら、昼休みが終わるまで。具体的には投票の時間を省くとして15分の延長にしよう」

アスカ「それは5分を含める?」

シンジ「うん、昼休みは45分しかないんだよ。それまでに決着をつけよう」

アスカ「(なら、あと10分。余裕ね)」

ヒカリ「な、なんか思ってた以上に真剣な雰囲気になってる?」

アスカ「……ごほん、それはそーとシンジ。なんでいきなり勝負なんて持ちかけてきたの?」

シンジ「アスカのハナをへし折るためだよ」

アスカ「聞き違いよねぇ? あんた、いまなんっつたの?」キッ

シンジ「アスカには敵わない。実際、すごいと尊敬することがたくさんあるんだ。僕ができないことを当たり前のようにやってのけるから」

アスカ「……」

シンジ「だけど、アスカは驕りがある。いつだって勝負に絶対はない。簡単に足元をすくわれることもあるんだって、一人の限界と協力する必要性を教えてやるよ」

トウジ「お、おう」

ケンスケ「ひゅ〜」

アスカ「頼もしい限りねぇ。男なら、一度吐いたセリフ、のむんじゃないわよ。負けたら罰ゲームしない?」

シンジ「いいよ」

アスカ「あんたが負けたらエヴァから降りる。二度と乗んな」

シンジ「……」

トウジ「お、おい。そらぁいくらなんでも」

アスカ「外野は黙ってて。できる? できないの?」

シンジ「うん、わかった。そのかわりアスカが負けたら僕も条件を出す」

アスカ「なに?」

シンジ「まわりを、信頼するってのはどうかな」

アスカ「はぁ?」

シンジ「僕から見た印象だけど、アスカは、その、張り詰めた時があるように感じるから」

ヒカリ「……」

アスカ「……わかった。あんたを信頼すればいいってことね」

シンジ「命令じゃないよ。自分からそう思うこと。僕は、罰ゲームなんて手段でそうしたいわけじゃないから」

ヒカリ「碇くん……」

ケンスケ「泣かせるねぇ。それに比べてアスカの血も涙もない要求って」

トウジ「シンジを勝たせた方がええんちゃうか」

アスカ「これは勝負なのよ。そんなくだらない理由で公平な審判を覆えさないでくれる?」

シンジ「アスカが正しい。僕たちはゲームをしてる。だから、みんなはあくまでどちらがオオカミかを見定めるべきだ」

アスカ「ふん、感情に訴えだしたってわけ。あんたがオオカミだから」

シンジ「本心だよ。ウソは言ってない」

アスカ「……」






744 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 18:31:10.31 ID:fKwDZQ4C0
ヒカリ「……」ソワソワ

アスカ「(ちっ、ヒカリが動揺してる。シンジがあたしのためだっていうテイできてるから……鈴原や相田はただでさえシンジ寄りだっていうのに……!)」

シンジ「僕は村人だよ。みんなはもう気がついてるんじゃない?」

トウジ「なんかあったか?」

シンジ「アスカの目的に」

ヒカリ「目的……?」

シンジ「罰ゲームにしてもそう、これまでのやりとりにしてもそう。アスカの目的は、オオカミを暴くことじゃない。僕を負かすことなんだって」

ケンスケ「そう見えるな?」

シンジ「僕が負ける条件ってなにかな」

トウジ「あー、うーん、シンジがオオカミで、ちゃうか。惣流がオオカミで、シンジを指名させた場合や! それだとオオカミの一人勝ちやもんな!」

シンジ「さすがトウジ」

トウジ「どないや! わしも捨てたもんやないやろ!」

ヒカリ「それなら、アスカが……?」

アスカ「待ってよ。あたしは最初から一貫してシンジが持つ可能性について言及してるだけ」

シンジ「おかしいよ。今もそうだけど、ケンスケだって可能性があるじゃないか。どうして僕に目星をつけたの?」

アスカ「うっ。それは……あんたと相田が最初からグルだって可能性があるから」

シンジ「僕は信じられない。アスカは僕を負かす為に計画してるんだと思う」

アスカ「(こ、こいつ……っ!)」

シンジ「ワンマンプレイなら場を支配できる。だけど、今はそうじゃないんだ。個の力は通用しない」

アスカ「待って待って。勇み足だったのは悪かったと認める」

シンジ「……どういう意味?」

アスカ「さっきあんたが言ったでしょ。驕りがあるって。その自覚は少ならからずある。だからといって、修正しないかとそうじゃないでしょ?」

シンジ「……」

アスカ「もう一度言うわ。あたしは認める。シンジの命令はこのあたしのペースを考えてない、単なる押し付け。そんなのはい・やっ!」

トウジ「こいつはほんま……」

アスカ「なんだって本音は自分のやりたいようにしたいでしょ。それで評価されたい。シンジはサイテーなことをしてるのよ。偽善者」

シンジ「(わかってるよ)」

ケンスケ「うぅ〜ん」

ヒカリ「で、でも、それがその人のためになるなら……」

アスカ「抑えつけてもいいって? こいつが今言ったのは、あたしそのものの否定なのよ? 変われっていってるのと同義。望んでないのに。てきるのに」

ヒカリ「……」

アスカ「ふぅ、ゲームから話が逸れたわね。結局、今のでますます確信を持った。こいつはみんなを騙そうとしてる。仮面を被って」
745 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 22:27:03.12 ID:fKwDZQ4C0
シンジ「(しかたない、こうなったら)」

アスカ「……」ジトー

シンジ「ケンスケ」

ケンスケ「ん?」

シンジ「ケンスケは村人なんだよね?」

ケンスケ「ああ、そうだけど」

シンジ「アスカがケンスケと僕を疑って、天秤の比重が僕に傾いてるのは見ての通りだと思うんだけど、どう?」

ケンスケ「ん? んー」

アスカ「(だいたい読めてきたわ。シンジはどーやってか知らないけど周囲の人間を使う方法を覚えはじめてる)」

シンジ「当人なら僕と口裏合わせしてないって断言できるんじゃないの?」

ケンスケ「あぁ、それなら断言できる。僕は碇と結託してない。だってこれはゲームだからさ、談合なんかしちゃつまらないじゃないか」

トウジ「ケンスケは、せやろな」

アスカ「(……普段の行動からして、この状況はあたしに数的不利。だけど、弱点がないわけじゃない)」

シンジ「その上で、僕もオオカミじゃないんだ。ウソじゃないよ」

トウジ「シンジがそう言うなら……」

ヒカリ「一度整理させて。アスカは、碇くんがオオカミだと思ってる?」

アスカ「可能性は高いわよね」

ヒカリ「碇くんも?」

シンジ「僕もこれまでの発言を考慮したらその可能性は高いと思う」

ヒカリ「あのね、碇くん。疑問なんだけどこれって碇くんにとって有利じゃない?」

シンジ「……?」

ヒカリ「あたしは、アスカぐらいしかよくわからないし。その、普段あまり話さないから。碇くんが一番接点があると思うの」

ケンスケ「ふーん、なるほど」

シンジ「……そうだね」

ヒカリ「あっ、その、碇くんがオオカミだって言ってるわけじゃないのよ? だけど、私以外の性格を熟知してるのって碇くんぐらいじゃないかって」

アスカ「(ちゃぁ〜んす)」ニヤ

シンジ「洞木さんぐらいだもんね。ここにいる輪で僕とあまり接点がないの」
746 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/07(火) 22:54:53.69 ID:fKwDZQ4C0
アスカ「姑息なやつよね。実は勝負を持ちかけた段階で自分に有利な状況を作り終えてたんじゃない?」

シンジ「……」

アスカ「(否定はなし、か。なら)……沈黙? 肯定と受け取ってもかまわないのかしらぁ〜?」

シンジ「そうじゃないよ」

アスカ「(あっさりかかってくれたわね、あんたの弱点は、経験の無さよ! この機に乗じて……!)」チラッ

ヒカリ&トウジ&ケンスケ「……」

アスカ「(オーディエンスに見せつけてやればいい! それで形勢逆転よ!)いいえ! そうよ! そうじゃないならどうして即答できなかったの⁉︎」バンッ

シンジ「……」

アスカ「無実の人間はまずやってないとはっきりと言うわ。躊躇した時点であんたに対する疑いは晴れなくなった」

シンジ「僕は……」

アスカ「言い訳なんてかっこわるぅ〜い。自分から素直に認めた方がまだ潔くていいんじゃない? 相田、シンジと結託してるなんて言って悪かったわね」

ケンスケ「いや、別に」

アスカ「これでシンジは私たちをひとつ騙してたのが決定づけられた。それは、勝負が最初からイーブンじゃなくて――」

シンジ「でも、それは僕が勝てるという条件があった場合」

アスカ「……」ピクッ

シンジ「有利=勝利にはならない。そりゃ可能性としては高まるけど、もし自分で有利な状況を作れるなら、僕はそうしないな」

ヒカリ「もっと確実に勝てるようにする?」

シンジ「うん、これまでの流れを整理すると、僕に有利な点は“ルールを事前に知っていた”“みんなとの接点が一番多く性格をある程度掴んでる”、この二点だよね?」

アスカ「ルールの改変ができたってこともね」

シンジ「そこも含めての二点だけど、僕はアスカと公平になるように変更を受け入れてるんだ」

ヒカリ「それも、そうね……」

シンジ「余裕を見せてるって受けとれるかもしれないけど。でもそれは、勝利を確信しないと僕はできない。相手は、アスカだから」

アスカ「当然! あたしはあんたなんかに……」

トウジ「つまり、シンジはそんなつもりなかったってことを言いたいんやな?」

シンジ「うん、このゲームはこうして誰かに疑いの目を向けさせるのが目的なんだ。だから、アスカの行動は正しいといえる。オオカミならね」

ケンスケ「ふぅん」

シンジ「僕は、どうしてここまで必死なのか。それだけが気になって。プライド?」

アスカ「っ⁉︎」

シンジ「プライドにさわったの? 下に見てる僕に負けるのが気に入らなくて」

アスカ「……っ!」

シンジ「支えてるものだろうから。エヴァも。だから負けたら僕に乗るなって条件を出してきたんだろ」

アスカ「(落ち着いて、こいつは今、煽ってるだけ。あたしが平静でいなきゃ)」

シンジ「――僕に負けるのが、こわいんだろ? アスカ」
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 06:02:01.98 ID:Ixj1GpkaO
急激につまんなくなってきた
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 07:16:10.25 ID:m62ahNhro
俺は楽しいよ
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 10:23:55.84 ID:rb2aenujO
俺は好きやな、この手の心理戦は読んでてゾクゾクする。
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 15:46:24.46 ID:FKmr+F0do
基本ゲームのルールって読まれないからね。
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/08(水) 16:47:26.87 ID:ww9LfPvjo
最近ちょっとシンジが強すぎる
752 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2017/11/08(水) 22:55:04.44 ID:edcYsnIa0
アスカ「な、ななな、ぬぁんですってぇっ⁉︎」バンッ

シンジ「最初から僕に目星をつけてたんだ。どんなに論点をズラそうともそれは明白」チラッ

ヒカリ&トウジ&ケンスケ「……」

シンジ「全員、最初をまず思い出してみてほしい。勝負の内容を切り出したとき、アスカは僕との一騎打ちだと思ってた。それが蓋を開けてみれば全員参加型のテーブルトーク」

アスカ「……」

シンジ「想定外だったろうね。だから、アスカの目的が“僕を負かすこと”になんの不思議もないはずなんだよ。発端を考えれば」

ヒカリ「たしかに……」

シンジ「だけど、アスカはそれを必死に否定してる。それはなぜ? どうしてなんだろう、僕はずっと観察してた。答えはやっぱり、アスカがオオカミに辿り着く」

ケンスケ「いや、でも、それじゃあ」

シンジ「ケンスケが言いたいことはわかってる。場にオープンにされてるカードは洞木さんとトウジの二枚だけ。僕も村人だから、僕にとって可能性があるとすれば、ケンスケかアスカの二択になる」

ケンスケ「あ……」

シンジ「以上のことから、ケンスケは可能性が低い。選ぶとすれば――」

トウジ「惣流っちゅーわけか? ええい、もう誰かわかるよーに説明してくれ!」ボリボリ

アスカ「(まずい、このままじゃ……! 残り時間は……うそっ⁉︎)」

シンジ「残り5分を切ってるよ。時計を気にしてるようだけど?」

ヒカリ「アスカ? あの、アスカがオオカミなの……?」

アスカ「ひ、ヒカリ? そんなわけないじゃない! どうしてそんな目で見るの?」

ヒカリ「えっ、ご、ごめんね、でも、辻褄が合ってるように思えて」

シンジ「(人を操作して、誘導する。必要だからやらなくちゃいけない。たとえ、やりたくなくても必要なら……――父さんも、そう、だったのかな)」

アスカ「違うわよ!あたしはオオカミじゃない! 信じて! ヒカリ!」

ヒカリ「う、うん……」

ケンスケ「私情を挟んじゃ公平性が崩れるんじゃなかったのか? さっき自分で僕を友達だからって理由で疑っておいて」

アスカ「くっ……!」

トウジ「せやせやっ! 筋の通ったことをせなあかんぞ!」

ケンスケ「こりゃ、アスカがオオカミっぽい。な?」

シンジ「(父さんにも、こうやって、友達と遊んでる日々があったんだろうか……。必要なもの、必要じゃないと思うものを切り捨てて、いつしか、あんな風に――)」

ケンスケ「……シンジ?」

シンジ「あ、ええと、なに?」

トウジ「満場一致で惣流がオオカミで決まりそうや」

アスカ「……こんなの、こんなの……」プルプル

シンジ「……」チラ

ヒカリ「あ、アスカ……」ギュウ

シンジ「(やっぱり、満場一致でも鍵を握るのは洞木さんだ。これは僕の予想の範囲内、感情に流されてアスカを指名しないよね)」

トウジ「ちぃーとばかし時間があまったみたいやけど、投票するか?」

シンジ「まだだよ」

ケンスケ「え?」

シンジ「委員長。誰を指名するつもり?」

ヒカリ「えっ? い、碇くん? それって事前に申告するルールなの?」
753 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/08(水) 23:18:57.32 ID:edcYsnIa0
シンジ「違う。聞き方が悪かったね、正直に指名してほしいんだ」

ヒカリ「でも……ねぇ、これってゲームなんでしょ? そろそろ、やめない? なんだか可哀想よ」

ケンスケ「まぁ……」ポリポリ

ヒカリ「碇くんの勝ちでいいじゃない。相田くんと鈴原がアスカに投票して、そこに碇くんも加われば3票が集まる。多数決はそれで決まり」

トウジ「それもそうやが……」

シンジ「遊びじゃないんだ。これは」

アスカ「……」ピクッ

シンジ「そうじゃなくしたのはアスカだ。僕に負けたらエヴァを降りるという条件を突きつけた」

アスカ「……」

シンジ「自信があったんだろうね」

ヒカリ「碇くん! あんまりよ!」

シンジ「(エゴでもいい。偽善でもいい。僕はやると決めたらやなくちゃいけない。どんな結果でも受け止める……それが僕の背負った責任だから)」

ヒカリ「ねぇっ! もういいじゃないっ!」

トウジ「……」

シンジ「アスカ、逃げるの?」

アスカ「……なに?」

シンジ「完璧な負け。現実から」

アスカ「……!」ギリッ

トウジ「なるほど! そうか! そーゆうことやったんかいな!」

ケンスケ「トウジ……? なんだぁ?」

トウジ「ワシの天才的な閃きでピーンときたんや!」

ケンスケ「いやぁ〜な予感」

トウジ「つまりや! センセは惣流にこれまでの憂さ晴らしをしたいっちゅーことやろ!」どーん

シンジ「……え?」

トウジ「いやぁ、尻に敷かれとると思う時もあったが、なかなかどーして」

ケンスケ「おい、トウジ。今は黙っとこうぜ」

トウジ「あ? 違うっちゅーんかいな! 見てみい! 惣流のうつむき加減! こらぁスカッとするで!」

シンジ「……」

アスカ「もう、いい」ぼそ

ヒカリ「アスカ……? ねぇ、大丈夫?」

アスカ「あんたなんかきらい、嫌いっ、大っ嫌いっ!!」バンッ タタタッ

シンジ「逃げられないよ!」

アスカ「……っ!」ピタッ

シンジ「向き合わなくちゃいけない、自分のしたいようにしたいなら。僕はアスカはそのままでいいと思ってるんだ!」

ヒカリ「……」ゴクリ

シンジ「なにを選んで、なにを捨てるのか。アスカが決めなくちゃいけない。それだけ」

アスカ「……」タタタッ

トウジ「あ〜あ。止まったかと思えばまた走っていきおった。変な昼休みやったな」

ヒカリ「碇くん、追いかけてあげ……」

シンジ「いいんだ。アスカにだって自分と向き合う時間は必要だから」ペラッ

ケンスケ「え……っ⁉︎」ギョ

トウジ「そ、そのカードわぁっ⁉︎」

ヒカリ「碇くんが、オオカミだったの……」
754 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/08(水) 23:32:52.17 ID:edcYsnIa0
【第壱中学校 屋上】

アスカ「……はあっ、はぁっ……はぁっ」

シンジ『逃げるの? 完璧な負け。現実から』

アスカ「……っ!」ガンッ

シンジ『逃げられないよ!』

アスカ「ちくしょう、ちくしょう、ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょうっ!」ガンッ ガンッ ガンッ

シンジ『向き合わなくちゃいけない』

アスカ「えっらそーにっ!! バカシンジのくせにっ!!」ガンッ ガンッ

シンジ『アスカ……』

アスカ「あたしはエリートなのよ! なんで……なんでなんの才能もないナナヒカリに負けなくちゃいけないの……」ずる、ずるずる ヘタリ

アスカ父『アスカ。また一番だったのか? えらいね』

アスカ「私は一番が好き! 褒められるから! みんなが私をかまってくれるからっ!」

キョウコ『アスカちゃん……』

アスカ「まま……ママぁ。なんでぇ、どうしてよぉ……」ぽろ ポロポロ
755 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/09(木) 00:02:35.87 ID:BDiPzZt70
【放課後 教室】

ヒカリ「アスカ……戻ってこなかったね」

トウジ「まぁなぁ」ポリポリ

ケンスケ「シンジに負けたのがよっぽどショックだったんだろ。下に見てたのは事実だろうからな。それに、碇とはパイロット同士だし」

ヒカリ「まだ校内に残ってるんじゃないかしら」

シンジ「僕は帰るよ」トントン

ヒカリ「ねぇ、碇くん。気にならないの? 心が痛くならない?」

シンジ「(決まってるじゃないか。だけど、表には出しちゃいけない)」

トウジ「ほっとけほっとけ! 死ぬわけじゃあるまいし、おーげさなやっちゃ」

ヒカリ「そんな言い方って……!」

ケンスケ「ああいうエリート志向は打たれ弱いからな」

トウジ「このっ、わかったよーな口をっ。ケンスケのはアニメ知識やろ」グリグリ

ケンスケ「いで、いででっ、離せよ! ……ごほん、インテリとはぁ、些細なきっかけで転げおちるものだよ! きみぃ!」ビシッ

ヒカリ「ひどい……茶化すなんて……鈴原、そんな人だと思わなかった。もっと優しい人だと思ってたのに」

トウジ「ちっ、時にはお灸も必要やろが」

ヒカリ「でもっ!」

シンジ「アスカなら、大丈夫だって友達なら信じてあげないと」

ヒカリ「……」

シンジ「数日様子を見て、それでも立ち直れないようなら声をかけるでいいんじゃない?」

ヒカリ「冷たいのね、碇くん」

トウジ「甘やかすだけが友達やないぞ!」

ヒカリ「私、やっぱり、アスカ探してくる!」タタタッ

ケンスケ「女の連帯感ってやつなのかね。ああいう時々の感情だけで動くのはどーも苦手だな」

トウジ「さっすが、わかっとるのー!」

ケンスケ「ま、だから僕らはモテないんだろうけどさ」

トウジ「うっ」タジ

ケンスケ「シンジ。本当によかったのか?」

シンジ「……うん」

ケンスケ「そっか。だったら僕から何も言わない」

トウジ「はぁ」

レイ「……碇くん」

シンジ「ん? どしたの、綾波」

レイ「朝、話があるって言ってたから」

シンジ「あ、あぁ。ごめん、忘れてた」

レイ「明日でも平気?」

シンジ「これからネルフじゃないの?」

レイ「今日は三号機の納品作業に追われているから直帰していいって」

シンジ「メール見てなかったや」

ケンスケ「三号機がきたのかっ⁉︎」ガバッ

シンジ「あ、うん」

ケンスケ「くぅ〜っ! いいなぁ! どんなやつがパイロットに選ばれるんだろ! 機体を見てみたいなぁ〜っ!」

シンジ「(ミサトさん、今頃忙しいんだろうな)」

756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 03:49:23.11 ID:T1Bk5i7Xo
続きはまだか
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 04:54:53.72 ID:VDRJzr0yO
シンジがなんか無双しすぎてなんだかなぁって感じになってきた

精神的に追い詰められたアスカが屋上から飛び降りしてシンジを追い詰めて欲しいレベル
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 05:18:48.03 ID:da20Z2RwO
シンジもゲンドウの死とか乗り越えてる流れ見るに無双ししすぎって感じしないけどな
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 08:39:53.74 ID:qHSP6m5bo
アスカワガママだしそんなに好きじゃないけど背負ってるものが重いし
追い詰められると可哀想に感じちゃうな。まだ子供だし

あとシンジは変われっていったくせに今のままでいいとか言ってどっちやねんと
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 12:04:36.12 ID:MEX0Z0EmO
>>759
自分のしたいようにするなら変わらなきゃいけないってこと
エヴァとかなんもかんも関係ないならそのままでいいってことよ
バカすぎる
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 15:08:17.32 ID:W6MDQPyDO
使徒に心折られて壊れるよりは多少傷ついてもシンジに鼻っ柱折られて自分の心を見つめ直すきっかけになる方が何倍もマシだと思うけど
エヴァに乗らないなら年を重ねて精神面の成長を待てばいいけど、使徒はアスカの心の成長を待ってはくれないしな
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 16:30:20.83 ID:ZjnPuwRaO
シンジはアニメ版でアスカが廃人になる出来事を知らないしエースとかチームリーダーの話を聞いて改善点を突きつけてるんだろ
問題はシンジはレイとアスカのやりとりを聞いてなくて既にアスカが追いつめられはじめてるのを知らないしトラウマについても知らない
さらに追いこむマネをしてしまった
どうなることやら続きが楽しみ
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 17:29:45.28 ID:ZFG3BMqso
現時点でラスボス母ちゃんの顔したよくわからん生き物の上に
いつ誰が消されるかわからん以上腹くくったホラー映画の主人公見たくなるのはしょうがないかと
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 17:54:47.34 ID:GCCS5CQco
リツコが追い込んだこと知ってるんだからシンジがやったのは単に傷口に塩塗る行為だよ
変わらなきゃいけないことはアスカだってわかってるしみんなの前で赤っ恥かかせる必要はなかった

>>760
アスカからエヴァを取るなんてあり得ないし実質追い込んだ張本人が
今のままでいいなんておかしいってこと。わかんない?バカなの?
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 18:17:38.25 ID:olpXLoC5O
>>764
シンジはアスカからエヴァを取らなくて済むように言ってるんだよ
ニートと一緒
すこしわかってるぐらいじゃ明日から本気だす止まり
シンジはこれまでの自分がそうだったから余計に何をしなくちゃいけないのかわかるんだろ
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 19:08:18.14 ID:AKGCK+Y7o
なかよし!
767 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/09(木) 22:46:09.35 ID:BDiPzZt70
これはひどい
768 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2017/11/09(木) 22:57:09.76 ID:BDiPzZt70
とりあえず今日は書きません眠いんで
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/09(木) 23:08:34.09 ID:cwaWsxCo0
ドンマイ乙
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 00:59:47.92 ID:RP9bV8HWO
どっちが正しいかのレスバトルになってるやんガキかよ
自分で書けな
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 03:23:43.07 ID:4MXjTpuTo
シンジが能力手にいれてから調子乗りすぎってことだけ分かる
自分の考えが全て正しいと思って強制させようっていうね
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/11/10(金) 03:50:58.49 ID:W2tPtK6sO
先の展開まだわからないのに過剰に反応しすぎだろw
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