シンジ「その日、セカイが変わった」

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864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/03(水) 02:33:14.49 ID:o3nVvpj1O
このSSの良いとこは原作キャラの設定を守りつつ未登場キャラに焦点を当ててるとこ
「もしユイが生きてたら」「もしマナがゲームじゃなく原作中に登場していたら」などをうまく取り入れてる
スパロボみたいな安易な熱血シンジとかスーパーシンジにいかないのもifルートっぽくていい
>>860みたいなアンチが書くものはすぐにシンジを強化しまくって終わるから底が浅い読み物になる
ユイをはじめ戦自組をここまで引っ張れるとは思わなんだ
シロウを悪役?にしてるのもアニメでめちゃくちゃ影がうすいかませ犬だったから丁度いいわ
865 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/03(水) 20:47:38.39 ID:avQrzt6a0
【ネルフ付属病院】

トウジ「センセ! 手術はうまくいったんやなかったんですか⁉︎」

医師「うまくいったよ」

トウジ「せやったらどないなって!……眼帯とってみぃ」

サクラ「うん」スッ

トウジ「見てみぃ! 片目だけ赤くなっとるやないですか! 充血なんてもんちゃうぞ!」

医師「施術自体に問題があったわけじゃないんだ」

トウジ「問題がないって、そんなわけ」

医師「アルビノ。メラニン色素が薄くなる先天性の疾患があるが、肌の色も髪の色も元のまま、しかも赤くなったのは片目だけ……。キミ、眼科のカルテを」ペラ

看護師「両目ともに差異はないそうです。極端な低下というわけでもありませんでした」

医師「色盲の検査は?」

看護師「それは、まだ……。しかし、血管に異常はなく」

医師「サクラちゃん、片目を手で隠して折り紙の鶴をを見てくれないか」コト

サクラ「はい」

医師「何色に見える?」

サクラ「青です」

医師「もっと、具体的に。濃い青? 薄い青?」

サクラ「真っ青に見えますけど」

医師「では、こっちの鶴は?」

サクラ「赤です」

医師「……色の判別もできている、か」

トウジ「サクラ、目が見えにくいとかないんか?」

サクラ「ぜんぜん。ねぇ、兄ちゃん、あんまり先生を責めんといて?」

トウジ「う……せ、せやけど、後遺症っちゅーんなら」

サクラ「私が怪我してたんは目と関係ない」

トウジ「そんなん、わからんやないか。もしかしたら、目も傷ついて」

サクラ「今までなにもなかったんよ?」

トウジ「そ、それは、そうやが」

医師「ふっ、サクラちゃんは頭がいい子だね。でも、お兄さんが心配しているのも可能性としてある」

サクラ「そうなんですか?」

医師「人体は複雑で、それまで問題のなかった部分が、突然ひょっこり顔をだすケースが往々にしてあるんだ。こういうことを言うのは医師としてどうかと思うが、我々とて限界があって、隠れていたら見過ごしてしまうことも」

サクラ「……」

医師「なにか要因があるはずだ。それを解明できるまで、私も眼科の先生と連携して全力を尽くそう」

看護師「鈴原くん。先生もこう言ってますから」

トウジ「……たのんます。まさか、一生このままなんて」

サクラ「もう、兄ちゃんは大袈裟やなぁ。見た目だけやったら別にええやないの」

トウジ「おまっ、それでええっちゅうんか」

サクラ「うちは気にして……いたっ」ピクッ

トウジ「……っ! やっぱり痛むんか! せ、先生!」

医師「目が痛むのかい?」

サクラ「あ……シンジさん?」

トウジ「シンジ……? なんでシンジが」

サクラ「兄ちゃん、どないしよ。シンジさんが、泣いてる」
866 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/03(水) 21:30:51.46 ID:avQrzt6a0
【ネルフ本部 三号機 格納庫】

放送「三号機は第3次冷却に入ります。第6ケイジ内は、フェーズ3(スリー)までの各システムを落としてください」

マヤ「先のフォースチルドレンのハーモニクス、およびシンクロテストは異常無し、数値目標をすべてクリア」

シゲル「了解。結果報告は、BALTHASARへ」

マヤ「了解」

マコト「エントリープラグのパーソナルデータは、オールレンジにてMELCHIORへコピー。データ、送ります」

オペレーター「MELCHIOR了解、回路接続。第3次冷却、スタートします」

マヤ「CBL、循環を開始」

シゲル「廃液は、第2浄水システムへ」

マコト「各蛋白壁の状態は、良好。各部、問題なし」

オペレーター「三号機の再起動実験まで、-1500分です」

リツコ「……」

マコト「なぁ、マヤちゃん」コソ

マヤ「え、なに?」

マコト「赤木博士、戻ってきてからずっと上の空って感じだけど。なにかあったのか?」

マヤ「さぁ」

シゲル「聞いてないのか? いつも先輩先輩ってべったりのくせに」

マヤ「やめてよ、そんな言い方」

マコト「めずらしいよな。ぼーっとしてるの」

マヤ「そうね……」

シゲル「あの日かな?」

マヤ「最低」

シゲル「なんだよ、男にはわからないからそう思うゆだろう。生理の悩みってのは」

マヤ「あの人は、そんなことで動じる人じゃない」

マコト「……あの人?」

マヤ「なんだっていいでしょ。私たちは自分の業務に集中していればいいのよ」

シゲル「へーへー。あいかわらずお堅いこって」

リツコ「……マヤ」

マヤ「……」ピク

マコト「おい、呼ばれてるぞ」

シゲル「……? なんで返事しないんだ?」

マヤ「……なんでしょうか?」

リツコ「あとで私の研究室にいらっしゃい。話がある」

マヤ「……はい」
867 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 01:04:25.84 ID:1S9jEfq0o
ネルフはわりとジェンダーを差別ではなく個性と捉える節はあるが、それでもこのシゲルは粛正されそう

あとオペレーターのセリフって難しくない?考えるの
868 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/04(木) 12:41:56.13 ID:KQQxGVAh0
SF映画とか小説にありふれてるセリフ回しなんで難しいとかはないですよ
エヴァの雰囲気を演出する為、合間に導入してる感じで実際にアニメで使用されているやりとりも含まれてます
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 13:16:31.63 ID:3Od4BWj3O
ストーリー考えるのは難しそう
870 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/04(木) 16:30:43.48 ID:KQQxGVAh0
難しいのはモチベ維持ですね
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/04(木) 20:04:10.19 ID:tvB/EAb+o
待っとる人が居るんやで
872 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/04(木) 20:34:32.47 ID:KQQxGVAh0
飽きたとかではなく、きちんと書ききることは約束します
873 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/04(木) 21:14:15.88 ID:KQQxGVAh0
【工業団地 マンション】

レイ「……」ギィー バタン

マナ「えっと、おかえりなさい。学校、どう? 鈴原くんたち元気にしてる?」

レイ「……」スタスタ

マナ「あ……」

レイ「……」シュルシュル

マナ「あの、お世話になるから床の拭き掃除しておいたんだ」

レイ「そう」パサ

マナ「好きな食べ物ある? よかったら、私」

レイ「なぜ、まだここにいるの?」

マナ「えっ、だ、だって」

レイ「碇くんにいつまで甘える気?」

マナ「……っ」

レイ「とっくにいなくなってたと思ってた」

マナ「そんな、私が勝手な行動をして、シンジくんの足手まといに」

レイ「あなたは碇くんを利用してるだけ」

マナ「ち、違うもん! そんなつもり……!」

レイ「なにも違わない。助けてもらって、縋るだけ。待つだけの選択しかしてない」

マナ「それが最善だと、思うから」

レイ「……」スタスタ

マナ「なによ……いきなりそんな」

レイ「……?」ピク

マナ「シンジくんの前では引き受けたくせに」

レイ「だめ。まだアダムの声に耳を傾けちゃ」

マナ「……どうしたの?」

レイ「どいて」ドン

マナ「きゃ」ドサ

レイ「……」ゴソゴソ

マナ「いったたぁ〜。ねぇ、どうしたの? 突然。なに探してるの?」

レイ「あなたには関係ない」

マナ「……そうやっていつも私ばっかり! 除け者にして、私だってシンジくんの力になりたい気持ちはあるんだから!」

レイ「……鍵、置いておくから」

マナ「待ってよ!」ガシッ

レイ「なに?」

マナ「わかるように説明して! シンジくんになにかあったの⁉︎ ムサシは⁉︎ ケイタも⁉︎」

レイ「……」グィ

マナ「行かせないよ! ちゃんと説明してくれるまで離すもんですか!」

レイ「碇くんが危険」

マナ「だからどうして!」

レイ「アダムの覚醒がはじまった。干渉を受けてる」

マナ「アダムってなに⁉︎」
874 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/04(木) 21:59:22.13 ID:KQQxGVAh0
レイ「どいてくれる?」グィ

マナ「お願い! 私だって力になりたいの!」ギュ

レイ「……」キッ

マナ「睨んだって……きゃあっ⁉︎ ……なに、今の。見えない、壁?」ペタン

レイ「……」クルッ

マナ「どうして⁉︎ どうして、私だけ! アスカだって知ってるんでしょう⁉︎」

レイ「知りたいのなら碇くんから聞いて」

マナ「私もついていく!」

レイ「……」

マナ「ムサシやケイタが心配なのよ。お願い、綾波さん」

レイ「何があっても碇くんを裏切らないと約束できる?」

マナ「それって、どういう意味……」

レイ「あなたは、敵?」

マナ「敵なんかじゃないよ! そんなわけない!」ブンブン

レイ「状況は変わるわ。仲間と碇くんだったらどっちをとるの?」

マナ「え……」

レイ「今、決めて」

マナ「仲間って……そんなの、選べないよ」

レイ「だったら、一緒にはいけない」

マナ「……っ。ねぇ、なんでそういうこと聞くの? 私には、わからない」

レイ「……」

マナ「向こうにつくまでに結論を出すんじゃだめ?」

レイ「先延ばしにしても意味はない」

マナ「……どっちも。だって、ムサシもケイタも、シンジくんだって大切な人だもん」

レイ「大切? 希望なのよ、あなたにとっての碇くんという存在は」

マナ「え……?」

レイ「現実を打開してくれる人。自分じゃできもしない、ということの」

マナ「……」

レイ「期待が最悪の形で裏切られた時、どうするの?」

マナ「最悪の、形?」

レイ「生は死のはじまり、死は現実の続き。残された者は悲しみを背負って生きなければならない」

マナ「やめてよ、さっきから不吉な感じがする。ムサシは? ケイタは? ねぇ、綾波さんはなにがわかるの……?」
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/06(土) 20:54:14.20 ID:zrLqAQt+O
全力支援
https://youtu.be/bQvTw2E_Z2c
876 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/07(日) 21:28:13.17 ID:gIyv0lw+0
【厚木基地 ゲート駅前】

放送「2番線に、第三新東京方面行き、特急リニアが参ります。危ないですから、黄色い線の内側までお下がりください」

駅員「電車は、4時20分発、厚木行きの最終列車です。工事のため、ダイヤ改正にご理解をいただき……ん?」

シンジ「……」

駅員「キミ、そろそろ最終列車が」

シンジ「はい」スッ

駅員「ちょ、おい、どこに行くんだ、ゲートはもう閉まって」

シンジ「いいんです」

駅員「いいって、帰れなくなるぞ? ……中学生か?」

シンジ「ほっといてくれませんか」

駅員「まいったな……。いいかい? 次の電車が今日の最終電車なんだ。これを乗り逃すと第三新東京都市行きはない」

シンジ「……」スタスタ

駅員「お、おい! だから待てって!」ガシ

シンジ「離してください。急いでいるので」

駅員「いや、だからだね……あぁ、ひょっとして、厚木基地に親御さんがいらっしゃるのか?」

シンジ「……」

駅員「そういうことか。すまない、早とちりして取り乱してしまった」

シンジ「いえ。それじゃ、僕はこれで」スタスタ

駅員「ゲートはしまってるからな! 電話して迎えに来てもらえよ! じゃなきゃ守衛に……ありゃ、無視して行っちまった。ったく、なんだよ、人が親切に」ブツブツ
877 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/07(日) 21:50:45.43 ID:gIyv0lw+0
シンジ「う、うぅ」ヨロヨロ

シンジ(少年)「大丈夫? 目的地はすぐそこだよ」

シンジ「気分が、悪いんだ。悪い夢を見ているみたいで」

シンジ(少年)「理性を保てないの? そうか、脆いんだね」

シンジ「さっきの駅員さんに隠すのが、精一杯だった。どうしたらいいの?」

シンジ(少年)「我慢は辛いものね。それだけでストレスになる、解放されたいと願う」

シンジ「さっき、僕の力になってくれるって言ったじゃないか。なんでもいいから教えてよ」

シンジ(少年)「クスクス。気分が悪いってどんな?」

シンジ「なんだか、モヤモヤする。なにが原因かわからなくて、でも、気分は晴れなくて。言葉ではうまく説明できない」

シンジ(少年)「あそこにカラーコーンが置いてあるよ。試しに蹴ってみたら?」

シンジ「なんで、そんな」

シンジ(少年)「抑えつけようとするから晴れないし、ストレスになるんだ。やっちゃいけないって倫理観が働いてしまうから。“衝動”に身をゆだねて」

シンジ「う……」

シンジ(少年)「ほら、解放は気持ちいいよ? 精を解放するのだって気持ち良かったでしょ?」

シンジ「なに、言って」

シンジ(少年)「ボクはキミで、キミはボク。マヤさんとの情事は気持ち良かった」

シンジ「……っ!」ゾワッ

シンジ(少年)「またしたいなぁ。なんにせよ、解き放つというのは自己の解放でもあるんだ。“したいようにする”。これほどの自由はないし、縛り付けられるいわれもない」

シンジ「だめだ、そんなの」

シンジ(少年)「どうしてヒトは我慢して生きようとするの? 社会に必要だから?」

シンジ「……」

シンジ(少年)「ルールは弱者のためにあるんだ。ボクとキミには必要ない」

シンジ「キミは、まだ産まれたばかりだからわからないんだね。人の気持ちが」

シンジ(少年)「気持ち?」

シンジ「もしかしたら、綾波もそうなのかもしれない。でも、わからないままじゃ」

シンジ(少年)「キミの目標は把握してる。だからボクが力を貸すよ」

シンジ「な、なんだ……っ? 身体が⁉︎」

シンジ(少年)「魂は溶けて混ざり合う」
878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/08(月) 03:03:44.79 ID:ROkW8DWho
C
879 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/08(月) 11:40:43.94 ID:XRFGUtRT0
【ネルフ本部 ターミナルドグマ】

リリス「……」

ユイ「母さん。もうすぐ、もうすぐよ。私の息子が新しいセカイの創造主となる」

カヲル「自分を憎むなんて憐れな生き物はリリンぐらいだ」スッ

ユイ「……」キッ

カヲル「大げさだね。聖域に踏み入られ怒っているのかい? 形だけの容れ物に対して」

ユイ「元がアダムスだからよ」

カヲル「初号機にコアを用意した。あなたの計画通りに」

リリス「……」

ユイ「ヒトは誰しもA.T.フィールドを持ってる」

カヲル「自分の居場所を守るため、拒絶しながら生きているから。呼び方を変えただけ。A.T.フィールドとは“心の壁”。だからこそヒトの形を保てる」

ユイ「産声をあげた瞬間、すでに孤独と拒絶のはじまり。他人と同じはありえない。リリス、アダム、始祖と呼ばれるこのヒト達は数億年、いいえ、もっと長い間、悠久の時を孤独と隣合わせに生きてきた」

カヲル「……」

ユイ「自己の確立……寂しいものよね。希望を信じて終わらない小石を積み上げ続ける。サイの河原のように」

カヲル「そこに幸せを見い出すヒトもいる」

ユイ「“知らなければ”、ね。無知とは罪であり、幸福。知ればすべてが色褪せてしまうから。タブリス、頼みごとがあるの」

カヲル「なに?」

ユイ「シンジの為に死んでくれない?」

カヲル「改めてお願いしているの? 元々ボクの役割はそうだった。シンジくんを完全にアダムとひとつにするため。その先に、リリスとの禁じられた融合がある。委員会の思惑とは別に」

ユイ「全ての使徒と、18番目の使徒(人類)を真の姿に。老人達が求めているのは安らぎ。魂の平穏は与えられるわ……死をもって」

カヲル「シンジくんに“聖痕”を刻む……その時がきたということか……」ピク

ユイ「……?」

カヲル「これは……! 覚醒が、はじまっている⁉︎」

ユイ「そう」

カヲル「なぜ……! まだボクはここに……はっ、ま、まさか」

ユイ「気がつくのはもっとはやくなければ」スッ カチャ

カヲル「ーー……ボクを、19番目の使徒に堕としたのか」

ユイ「あなたはこの為に生まれてきた」パァン

カヲル「うっ」ヨロヨロ

ユイ「化学の力はいかが? 銃弾すら防げない脆弱な序列に成り下がった感想は?」

カヲル「ぐっ、うぅ」ドサ

ユイ「アダムの殻へと還りなさい」パァン パァン
880 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/08(月) 12:38:28.28 ID:XRFGUtRT0
【ネルフ本部 執務室】

ユイ「……」フキフキ

冬月「ここにいたのかね? 探したぞ」

ユイ「すみません、席をはずしておりました」

冬月「日本政府と戦自に関する追加情報だ。目論見は、こちらの心臓部ともいえるMAGIの摂収だな」パサ

ユイ「……無駄なことを」

冬月「加持リョウジに掴ませた抜け道はダミー。この時点で足元から崩壊している。容易に防衛戦を突破できはすまいよ」

ユイ「……」

冬月「とはいえ、松代にMAGIの二号機がある。そちらを占拠されたら厄介だ。ゼーレに報告を」

ユイ「我々で処理した後に」

冬月「こちらの戦力は非戦闘員が多いのだぞ。MAGIは前哨戦に過ぎん。奴らの狙いは本部施設及び残るエヴァ2体。戦自が本気になれば一個大隊の投入も……」

ユイ「シンジひとりで充分です」

冬月「初号機を使うのか?」

ユイ「覚醒したばかりのあの子にはちょうどいい憂さ晴らしになるでしょう」

冬月「覚醒しただと⁉︎ ……先程拭いていたのは、もしや、血か?」

ユイ「タブリスのものです」

冬月「殺したのだな? 俺はなにも聞いちゃいないぞ」

ユイ「今、言いましたので」

冬月「……」

ユイ「先手を打ったのです。どちらにせよ、このままだとアダムは覚醒していました」

冬月「取り込まれるという話は?」

ユイ「なくはありません。ですが、私は信じています」

冬月「信じる? 息子をかね?」

ユイ「子供のもつ可能性を」

冬月「確信がもてないままに渡るには危険すぎる橋だ。まだ、なにかあるのだろう」

ユイ「槍で封印されていたリリスも解放されます」

冬月「なに? こちらのやっていることがバレたのか?」

ユイ「まさか。そうであれば中国と米国から真っ先に潰されてますよ」

冬月「……ふぅ。では、別件か」

ユイ「とりいそいで隠す必要があるのは……もうおわかりですね?」

冬月「隠蔽工作をするか」

ユイ「葛城一尉に連絡を。こちらからシンジのサポートをします」
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/22(月) 01:19:43.09 ID:QTHP7/SWo
まだなん?
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 03:02:53.98 ID:q5TXU/7B0
一気に読んだ。これは凄いわ。完結してほしい
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/01/23(火) 12:45:12.76 ID:zvCJfZt/O
これ一気読みはすごいな
数時間かかっただろう
884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/24(水) 00:25:28.16 ID:x+rQUtIDo
もう来ないのか
885 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/01/26(金) 11:45:50.76 ID:Q9lti6yr0
ボチボチやってきます
886 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 12:09:58.01 ID:Q9lti6yr0
【戦自 厚木基地】

シンジ?「……クッ」テクテク

戦自隊員A「なんだお前。今日の一般開放の時間は――」

シンジ?「クックックッ」スッ

戦自隊員A「あ……?」ゴキンッ

シンジ?「人は脆い。首を一回転させただけで、こんなにも簡単にコワレてシマウ」

戦自隊員A「」ドサッ

シンジ『や、やめてよっ! なんてことするんだよ!』

シンジ?「僕の内側から見ていればいい。君の願いをボクが叶えてあげる、クッ、クックックッ」

シンジ『僕の身体を返してっ!! くそっ! どうなってるんだよ、これっ!!』

戦自隊員B「お疲れー、交代の時間だぞー」ガチャ

シンジ?「……」スッ

戦自隊員B「お前、誰だ……? お、おい。そこで倒れてるのって」

シンジ?「邪魔だよ」シュ

戦自隊員B「な、なんだっ⁉︎ き、消えっ、あ、がっ⁉︎」

シンジ?「アハ、アハハハッ!」ググッ

戦自隊員B「がっ、ぎぎっ⁉︎」ジタバタ

シンジ『ちくしょうっ! ちくしょうっ! 動いて! 僕の意思通りに動いて! 僕の身体なのに……っ! なんで⁉︎』

戦自隊員B「……うっ」ダラン

シンジ『……っ! ちょ、ちょっとまってよ。本当に、なにしてくれちゃってるんだよ……。ふ、二人も、首を』

シンジ?「障害物だから」パッ

戦自隊員B「」ドサッ

シンジ『やめてって言ってるだろうっ!! なんでこんなマネをするんだよっ!!!』

シンジ?「僕と君は二人でひとつなんだよ。それが、導かれてきた道」

シンジ『だったら僕の言うこと聞いてよっ!!』

シンジ?「聞いてるじゃないか、こうして」

戦自隊員B「……くっ、く、そ」カチ

「緊急警報! 緊急警報! 非常警戒が発動されました! 隊員は速やかに――」ビィィィィィィィ

シンジ?「まだ息があったんだ?」

戦自隊員B「このっ、ボタンはぁ、当直に、渡されてるもんだ。押したら、瞬時に、警報が発動される……」

シンジ?「あいかわらず、群れだね」

戦自隊員B「ざまぁ、みろ」

シンジ?「ふふ、中指を立てるのが遺言かい?」ゴシャ

戦自隊員B「」ベチャ

シンジ『うっ! うっ、おぇ、おぇぇっ!』

シンジ?「血の赤。頭に穴が開いてしまったね。まだ返事はできる?」グィ

戦自隊員B「」ダラン

シンジ『おぇぇっ!』

シンジ?「意識の中で吐くなんて器用なことをするね、もう一人のボクは。大丈夫、キミがやりたくないと思うのなら――」

戦自隊員C「な、なにがあった⁉︎ 大丈夫か⁉︎」バタンッ

シンジ?「全部、やってあげるよ」ニタァ
887 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 12:28:43.25 ID:Q9lti6yr0
【数分後 厚木基地 第四区画】

戦自隊員(伍長)「撃てっ! 撃てーっ!!」

戦自隊員達「くそったれがぁぁっ!」ババババッ

シンジ?「クッ、クックックッ」パキーン

戦自隊員D「だ、ダメです。銃弾は無効! 見えない壁に遮断されています! 伍長! このままでは!」

戦自隊員E「――……そのをどけっ」カチャ

戦自隊員(伍長)「間に合ったか」

戦自隊員E「グレネードランチャー。通路にまで被害が及びますが、本当にぶっぱなしちまっていいんですね」

戦自隊員(伍長)「かまわん、やれ」

戦自隊員E「アイサー。見た目はガキだが……バケモノめ! コイツで終わりだ!」カチッ バシュゥ〜

シンジ?「……クックッ」テクテク

ドォォォンッ

戦自隊員(伍長)「やったか」ホッ

戦自隊員E「ひとたまりもありませんって。バラバラですよ」

戦自隊員(伍長)「通信室に繋げ。この区画の換気扇をフルパワー動作させろと伝えろ」

戦自隊員D「は、はいっ!」カチ

戦自隊員(伍長)「……しかし、やつはなんだったんだ? 何者なんだ?」

戦自隊員E「子供、でしたね。どこかで見た気はするんですが」

戦自隊員D「こちら第四区画、第零小隊。応答を乞う。伍長の指示により電力を……?」ポロッ

戦自隊員E「どうした?」

戦自隊員D「そ、そ、んな、ウソ、だろ。こんなこと、あっていいのか」ガタガタ

戦自隊員E「……?」

戦自隊員D「あ、あれぇっ! あれ見えないのかよ! ひ、ひぃ! こっちに、歩いてきてるじゃないかぁっ!!」

シンジ?「……」ニタァ

戦自隊員達「……っ⁉︎」ギョッ

シンジ?「やるべきことは済んだのかい?」テクテク

戦自隊員(伍長)「ば、バカなっ⁉︎ そんなっ⁉︎」

シンジ?「リリンに還れ」シュタッ
888 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 12:39:19.93 ID:Q9lti6yr0
戦自隊員D「――ごえっ⁉︎」グシャ

シンジ『動け、動け動け動け動け動けッ!! 動け動け動け動け動け動けッ!!』

戦自隊員E「助けっ、たすけてっ」ゴシャ

シンジ『動け動け動け動けッ!! 僕の意思通りに、動いてよぉ……』

戦自隊員(伍長)「ほ、本部にもっと応援をッ、ぐぁっ」ドサッ

シンジ『なんでだよ……なんでこんなこと……! もう、やめてよぉ……』

シンジ?「アッハッハッハッハッ!!」ゴシャ

シンジ『やめてって言ってるのに……みんな、逃げてよ……僕は、もう、使徒なんだ』

戦自隊員F「こ、こっちだ! うっ、ひ、ひどいなこりゃ。全隊発砲開始っ!!」ピィィィィッ
889 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 17:30:11.73 ID:Q9lti6yr0
シンジ『もう誰かが死ぬのはたくさんなんだっ! 見たくないって言ってるだろっ!!』

シンジ?「そう……」ダラン

戦自隊員F「怯むなっ! 撃てっ! 撃てーっ!!」バババッ

シンジ?「うっ」チュンッ

戦自隊員F「お、当たった……? いや、かすめたのか?」

シンジ『や、やめてくれるの……?』

シンジ?「賽は投げられた。あのヒトたちはボクを殺しにくる。躊躇なんかしない。仲間を、家族といっても過言ではない同僚を殺されてるから」

シンジ『……それが……』

シンジ?「生きたい……そう願わないの?」チュンッ チュンッ

シンジ『誰かを殺してまで生きたいなんて……!』

シンジ?「なら、ここで終わりだね」スッ

戦自隊員F「……? な、なんだ? 目の錯覚か? 見えない壁が消えたような……撃てっ!」

シンジ?「ぐはっ」ドサッ

戦自隊員達「あ……当たった」ドヨドヨ

シンジ?「う、うぅ」プルプル

シンジ『ぐっ! お腹? お腹を撃たれてたの? 僕も痛い』

戦自隊員F「なんだってんだ。一体……こりゃあ。見えない壁が消えたと思えば、普通に撃たれて倒れる」

シンジ?「ぐぅ、感覚はリンクしてる、から」ゴロン

シンジ『……そうか、死ぬの? 僕は、僕たちは……』

シンジ?「クックッ、そう言ったっ、じゃないか」

シンジ『そうか……』
890 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 17:31:33.55 ID:Q9lti6yr0
戦自隊員N「こ、この野郎! よくも仲間を!」グイッ

シンジ?「うっ」ダラン

戦自隊員N「ちゅ、中学生か? この悪魔めっ!! 化け物野郎っ!!」ゴスッ ゴスッ

シンジ?「うっ、がはっ」

シンジ『うっ、痛っ、ごめんなさい、ごめんなさい。僕のせいで、ごめんなさい』

シンジ?「キミは……どうして、生に対して執着がないの?」

戦自隊員N「……なんだ、こいつ? なに言ってるんだ?」

シンジ『僕がいたら、迷惑をかける。だったらいない方がいいんだ。僕がいなければ……』

シンジ?「くっ、クックッ……他人へ迷惑をかけないのが、優しいとでも思っているのかい?」

シンジ『みんな同じなんだっ! だからっ……僕のせいになりたくない』

シンジ?「ようやくわかった。キミは生に執着がないんじゃない。守る手段がそれなんだ。他人へのコンプレックス。自分を卑下して見てる」

戦自隊員N「イかれてるのか……」

シロウ「そこまでだ」コツコツ

戦自隊員F「あなたは、なぜ……時田博士の管轄下ではないでしょう⁉︎」

シロウ「ドンパチと花火をしているから見に来たのだよ。見物にね」

シンジ『……もう、いいんだ。僕が死ぬのなら、死んで終わるのなら、それで』

シロウ「倒れている子を私は知っている。どうだろう? 身柄をこちらに預けてほしいのだが」

戦自隊員F「ばっ、ばかなことを言うなぁっ!! こいつに何十人ヤラられたと思ってやがるっ!!」カチャ

シロウ「このまま殺してしまうのは簡単だが、裏に誰がついてるのか明らかにできないのではないか?」

戦自隊員F「裏だと?」

シロウ「そいつはネルフ所属のサードチルドレンだよ」

戦自隊員F「な、なにっ⁉︎」バッ

戦自隊員N「こ、こいつが……? たしか、この前、ここに来てたっていう」

シロウ「一日しかいなかったからねぇ。顔を知らないままだった隊員も多いだろう」ゴツン

シンジ?「うっ、はぁっ、はぁっ」ゴロン

シロウ「ふむ……。実に興味深い。さき程まではどうなって銃弾を防いでいた?」ゴソゴソ

シンジ『もう、殺してよ……』
891 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 20:02:28.07 ID:Q9lti6yr0
【シンジ 意識の中】

シンジ「……ハッ! ここは……まただ。また、電車の中……」

レイ『碇くん』

シンジ「綾波っ!!」グィ

レイ『』ドサッ

シンジ「ひっ⁉︎ し、死んで……」

アスカ『シンジ』スッ

シンジ「あ、アスカっ! よ、よかった! ここはどこ? ……なんで僕はここにいるの!」

アスカ『……』チラ

レイ『』

シンジ「か、帰りたいんだ! ここにはいたくない! ねぇ、アスカなら知ってるんだろう⁉︎ なんでもできるアスカならっ!」

アスカ『ぷっ、必死ね』ボソ

シンジ「……っ!」ビクゥ

アスカ『そうやって、いつもいつもいつもっ! 自分のやりたいことばっかり! なんで私がここにいるか考えないの?』

シンジ「い、いやなんだ。とにかく、ここには、いたくなくて」

アスカ『あたしを考えないやつに、どうして優しくしなくちゃいけないの……?』

シンジ「そっ、そんなこと言わないでよっ!! 今はいたくないんだっ!! どうしてわかってくれないんだよっ!!!」グィ
892 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/01/26(金) 20:04:09.79 ID:Q9lti6yr0
アスカ『気持ち悪い』

シンジ「……!」

アスカ『気持ち悪い、気持ち悪い……気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い』

シンジ「ひっ、や、やめてよっ、お願いだから」

アスカ『気持ち悪い……かはっ』

シンジ「やめろって言ってるだろっ!!」ググッ

アスカ『かはっ、い、息が……』

シンジ「……クッ……クックッ」ギリギリ

アスカ『うっ、がっ』キンッ

シンジ「……はぁっ、はあっ……」

アスカ『』ダラン

シンジ「……は、あ、アスカ……? アスカってば、どうしたの? ね、ねぇっ!」

アスカ『』

シンジ「な、なんでっ、首が、折れてるんじゃ……誰がこんなこと……」

シンジ(少年)「キミだよ」

シンジ「ち、違う、僕はそんなことしない。できるわけがないっ!」

ミサト『どうして?』

シンジ「だ、だってっ、僕はただの中学生で、ただの一般人で」

ミサト『一般人だったら、人殺しはできないの?』

シンジ「ち、違うんだっ! そんなつもりじゃ!」

リツコ『犯罪者はみんなそう言うわ。言い訳?』

シンジ「帰りたかっただけなんだ!!」

ミサト『人殺し』

リツコ『人殺し』

マヤ『私のことも利用してたのね! 人でなし!』

シンジ「ど、どうして、マヤさんまでそんなこと」

シンジ(少年)「ねぇ、なぜキミはヒトの常識、社会のルール、道徳観念に囚われているの?」

シンジ「だって、やっちゃいけないことだって」

シンジ(少年)「それはヒトだからでしょ? 群れからはみ出さないための」

シンジ「もう、イヤだ。ジブンが、わからなクなる」

シンジ(少年)「生物としての願いは、もっと単純なんだよ」

シンジ「いやだ、いやだ、誰か、助けてっ、僕に優しくして」

シンジ(少年)「ダメだ」ギロッ

ゲンドウ『シンジ』

シンジ「と、父さん……?」

ゲンドウ『……』

シンジ「な、なにか言ってよ。心細いんだ、もう、僕を置いていかないで。僕を、捨てないで……ね、ねぇっ、父さんっ!!」グィ

ゲンドウ『』ドサッ

シンジ「う、うわぁあああああああッ!!!」
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/01/29(月) 09:01:33.71 ID:CVsS5H4ko
まなかな
894 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/02/05(月) 11:44:31.25 ID:lupUU+ScO
【アデル城 玉座】

大臣「また夜分遅くにこんなところで。歳も歳なんですからご自愛くださいといつも申しておりますにた

王様「ふぉっふぉっ。また、あの時の夢を見てしもうての。ワインを飲み気を紛らわせておったところじゃ」

大臣「もうお忘れなさい。あれは、あの“事件”は仕方ないことだったのです」

王様「悔やんでも悔やみきれなんだ。あれから……勇者は、両親に、ワシに……いや、人間に対する目つきが変わってしまった」

大臣「普段おちゃらけてますのは、その反動でしょうな」

王様「理解者は少ないがおる。アイーダの酒場の店主、城内の兵士達の一部。だが、ワシも含めて、目の奥に宿った恐怖は、ぬぐいされるものではない」

大臣「……」

王様「恥ずべきことよの。王が、たった一人の人間に恐怖し持て余すとは。大臣よ、勇者とはなにか? そう聞かれた時になんと答える?」

大臣「人類の代表であり、女神の代弁者です」

王様「違う、違うのだ。勇者とは“孤高”であり“孤独”である。てっぺんのいただきに立つ瀬に見る景色は、そこに立たなければわからぬ」

大臣「陛下のような……?」

王様「王とはいうなれば、民達の親である。ワシもワシで孤独を感じることに否定はしない。勇者の抱えるものは、それよりもっと、異質なのだ」

大臣「人は、誰しもが心に孤独を感じて生きております。繊細であればあるほど過敏になりましょうが」

王様「だからじゃよ。あの子に対して普通の子と同じように接するべきじゃった。勇者として利用するのではなく」

大臣「……」

王様「(ワシは信じる。おぬしの帰るべき場所を用意して待っておるぞ。勇者よ)」
895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 11:50:23.43 ID:vcUJzIXHO
おいおいおい
896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 16:55:41.07 ID:QfJGAQtFo
守備範囲、広いね。w
897 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 19:12:49.92 ID:UprbQukGo
!?
898 : ◆y7//w4A.QY [sage]:2018/02/05(月) 20:07:19.39 ID:bVQN2+RkO
誤爆です。見なかったことに。。
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/05(月) 20:46:56.96 ID:e1klTmGa0
あなただったのか
うまいはずだわ
900 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/08(木) 14:50:22.17 ID:8J56SXBv0
一気読みさせてもらったけど本当に凄い
ここまで引き込ませるエヴァssはほんとうに久しぶりだ
設定を網羅しキャラを自分のシナリオで動かしてる
楽しみにしてます。
901 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/02/20(火) 01:59:47.32 ID:iJMxVNDQ0
めちゃくちゃ完成度高いんだけどなこれ
エヴァSSを読む人が少なすぎて作者のモチベ保つまではいかんか
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/02/25(日) 09:41:46.01 ID:ISlcM/D8o
はよ
903 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/04/05(木) 14:41:56.17 ID:WXlLJbKb0
先にこちらの更新を再開します
904 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/04/05(木) 14:46:51.94 ID:WXlLJbKb0
シンジ「いやだ。……いやだ、ここにいたくない。僕を、だれか助けて。助けてよ……」

ゲンドウ『シンジ』

シンジ「偽りの父さんなんていらない」

ゲンドウ『なぜだ』

シンジ「アナタは僕が望んだ父さん。本当の父さんは違うから」

ゲンドウ『お前に俺のなにがわかる』

シンジ「わからない。わかるはずもない」

ゲンドウ『では、違うと至るまでの経緯はなんだ』

シンジ「ふ……ふ、ふふっ、あははっ。やだなぁ、笑わせないでよ。僕の気が狂ったのかと思うじゃないか」

ゲンドウ『質問に答えろ』

シンジ「白々しいマネだって言ってるでしょッ!! 父さんが……父さんが、笑顔で……っ! そうやって僕に微笑みかけるわけがないじゃないかッ!!」バンッ

ゲンドウ『……』

シンジ「ヤシマ作戦決行の少し前、父さんが綾波と談笑してる姿をエスカレーター前で見かけたことがあるんだ」

ゲンドウ『……』

シンジ「羨ましい。そう思った。どうして父さんは綾波にそういう表情で話しかけるのか、疑問だった。……でも、それ以上に、父さんでも笑うことあるんだって驚いたんだ」

ゲンドウ『……』

シンジ「僕たちは親子なのに……おかしいよね。日常会話はおろか、笑っているところさえ記憶にない」

ゲンドウ『俺に認めてもらいたかったのか』

シンジ「わからない。ぼくは、僕は、アスカが言うように子供で、まわりなんかなにも見えてなくて……」

ゲンドウ『……』

シンジ「頑張ろうと、背伸びはした。でもうまくいってるか不安で、自信もなくて」

ゲンドウ『人は皆、失敗と過ち(あやまち)を繰り返し、学習する』

シンジ「自分が傷つくのがこわかったんだ。だから、傷つくことから逃げちゃだめだと思った」

ゲンドウ『鈴原トウジの妹を転院させる折、お前は俺に土下座をしたな』

シンジ「……うん、覚えてる」

ゲンドウ『今一度問おう。エヴァに乗り戦い続ける限り、犠牲はつきものだ』

シンジ「……」
905 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/04/05(木) 15:09:50.07 ID:WXlLJbKb0
ミサト『シンジくん。あなたがエヴァに乗るのよ。あたしに言われたからではダメなの?』

シンジ「ミサトさん……」

ミサト『人類を救うパイロット。希望なの……ごらんなさい。あなたが守った生活を、人々の都市を』

シンジ「……違うッ!!」

ゲンドウ『なにが違う?』

シンジ「人類とか、そんな大それたもののためじゃない! 大義なんて僕にはないッ!」

ゲンドウ『親しい者の為か。それ以外はどうなってもいいか』

シンジ「……」

ゲンドウ『この世に悪行も善行もないと、まだ理解できないのか。強者と弱者がいるのみだ』

シンジ「僕は……僕は……」

ゲンドウ『搾取される側に回ると、他人に利用される。お前の望みを、理想の手段で叶えるなど不可能だ』

シンジ「……」

リツコ『生物。その本能に従えば、“自分”という存在が最上位にくる。余計な倫理観など捨てて、正直にすればいいのに』

ミサト『リツコの言う通りよ、シンちゃん。みぃ〜んな、自分が可愛いもの』

レイ『……人でありたい?』

アスカ『あんたの身体の中にはアダムがあるんでしょ? だったらとっくに人じゃないじゃぁ〜ん!」
906 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/04/05(木) 23:31:27.98 ID:WXlLJbKb0
【シンジ 深層意識の中 校舎】

カヲル「……やぁ、また会えたね。シンジくん」

シンジ「君は……カヲルくん……。ここは、景色が……学校……?」

カヲル「魂の部屋で再開するとは思わなかったけど、こうなるのが運命(さだめ)なのかもしれない」

シンジ「父さんっ! ミサトさん! リツコさんっ!」

カヲル「無駄だよ。ここにいるのはボクとキミだけ」

シンジ「うっ……ぐすっ」

カヲル「ガラスのように脆いね。人は。……生命だけじゃない。心が、形作るに値するもの」

シンジ「だれか、だれか……」

カヲル「縋れる他人を探しているのかい? 安心するために。不安をぬぐいさってくれる」

シンジ「そうだよ! それのなにが悪いの⁉︎ 別にいいじゃないかっ!!」

カヲル「そうやって、他人を警戒して攻撃的になる。こわいから」

シンジ「うるさいッ! 僕のことなんかほっといてくれよ!」

カヲル「そうもいかない」

シンジ「なんでだよ、どうして……ミサトさんも、リツコさんも、母さんも……」

カヲル「キミは補完計画の要(かなめ)たるトリガーだから。碇シンジくん」

シンジ「……」

カヲル「さぁ……ボクとひとつになろう。ボクの肉体は碇ユイによって破棄された。シナリオは進んだんだ」

シンジ「ひとつに……? だって、カヲルくんは……まさかっ‼︎」

カヲル「気がついたかい? ボクはアダムの半身たる容れ物。それこそが母君の狙い。さまよえる魂の還るべき場所は、元あるカタチ」

シンジ(少年)『……おかえり』

カヲル「ただいま」

シンジ「そ、そんなっ‼︎ カヲルくんっ! 待って!!」

カヲル「大丈夫。なにも怖がらなくていい。僕たちはこれからずっと一緒にいられる。キミは僕となり、僕はキミなのさ」スゥー
907 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/06(金) 08:13:21.45 ID:mvKYyX/7o
おお、生きてたか。また再開するんだな?
宜しく
908 : ◆y7//w4A.QY [saga]:2018/04/07(土) 00:11:57.52 ID:KqWZk56X0
シンジ「ぐ……っ!」ドサ

シンジ(少年)「僕たちはひとつになる」スッ

シンジ「うぷっ、うぇっ、おぇぇっ」

シンジ(少年)「産みの苦しみ、誕生は苦痛を伴う。それは過去を解体し、処分し、新しい息吹に再生」

シンジ「はぁっ……はぁっ」

シンジ(少年)「渚カヲルは肉体という枷から解放され“魂”という不定義な概念へと進化した。還るべきは元あるカタチ」

シンジ「ぐぅっ」

シンジ(少年)「……僕の中にだよ。カヲルくんは、僕。僕たちはキミなんだ」

シンジ「やめ……てっ、なんで、僕の中にっ……はいって……くるんだよっ! 出ていってよ!」

シンジ(少年)「それは違う。入ってきたんじゃない。最初からひとつだったんだよ」

シンジ「そんなのっ、知らないっ」

シンジ(少年)「人は世代を紡ぎ生きている。その過程で“伝説”になり、“神話”として語り継がれ余計な尾ひれまでついてしまった」

シンジ「ぐあぁっ」ドサッ

シンジ(少年)「死海文書に記されていた原典は、神話でも、おとぎ話でもない。太古の昔、数億年前に“実際に起きた出来事”なんだ。その証拠が僕であり、使徒であり、リリス」
909 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/06/26(火) 00:50:52.82 ID:6NtLBNR7o
まーだかなっ
910 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/23(火) 11:38:22.63 ID:fqzTChWi0
復活してるぞ
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/04(月) 22:02:51.89 ID:WG+cNZ4A0
待ってるぞ
 
912 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 14:45:09.08 ID:POpJmQ500
まだ待ってるぞ!
913 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/08/13(金) 21:40:41.06 ID:tNrvFyy80
これ1番好き...もう1回書いて欲しいなぁ...
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