高垣楓「結末の顛末」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 21:33:26.23 ID:mNFXwqA5o

読み終えた雑誌の山を切り崩した。
冬物を中心としたファッション誌に紛れていたカタログをつまみ出す。

帰り際、いきなり差し出された封筒には困惑するしかなかった。
唇に指を立てながら見舞われたウィンクは目眩がするくらいに決まっていて。
詳細なんて訊けず、開封したのは結局ついさっきの事。
まろび出てきたこの本に、困惑は晴れるどころか増すばかりだった。

表紙に載っていたのはもちろんモデルさん。
楓さんには敵わないものの、なかなかの美人には違いない。
異国情緒を感じさせる顔立ちが、下着姿で笑顔を見せていた。


その、何と言うか、下着のカタログだった。


 「……」

もちろん、この本に楓さんは載っていない。載ってて堪るか。

載ってない筈なのに、どうしてこんなモノを渡されたのか。
ヒントはどうやら数カ所に貼られたこの付箋らしい。
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 21:39:20.44 ID:mNFXwqA5o

トンネルを抜けると、そこは下着だった。

思わずそう表現したくなるくらい紙面は下着にまみれている。
モデルさん達はどの方も健康的で、さしたる色気は感じさせない。

そして嫌でも付箋が目に付いてしまう。
付箋にはメモも何も記されていないが、その、ええと。


――中まで選べ、という事だろうか。


 「……いやいや」

イメクラじゃないんだから。
いや、利用した経験はないけども、とにかく。

俺好みバッチリの服装で、楓さんがやって来てくれる。

それはとんでもなく馬鹿馬鹿しい妄想で、途方も無く魅力的な提案だった。
そりゃ、妄想の中で楓さんにバニースーツやらを着せた事はあるさ。
あるけども、それはあくまで脳内の話。
単なる男の悲しい性で、本当にやってしまおうなどと思う筈もない。


けど、着てくれる。来てくれる。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 21:45:36.06 ID:mNFXwqA5o

いつの間にか鳴っていた喉を、誰に聞かせるでもない咳払いでごまかした。
少々荒くなっていた呼吸を落ち着ける。
念のために深呼吸も少々。よしオーケー。
いきなり着信音が鳴り響いて、表示されていたのは楓さんの名前だった。
ベッドから落ちて肘を痛打した。


 「……もしもし」

 『高垣です……あの、大丈夫ですか?』

 「な、何がでしょう?」

 『呼吸が荒いですけど……何をしてらしたんでしょう』

 「何むっ、何も、していません。大丈夫です」

 『そうでしたか』

通話しながらも室内を見渡してしまう。
いや、たまたまだ。有り得ない。偶然に違いない。

 「それで……どうかされました?」

 『あ、そうでした。お渡しした本についてなんですけれど』
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/17(日) 21:50:32.71 ID:mNFXwqA5o

横目を飛ばす。
雑誌の山の頂に、下着姿の女性が微笑んでいた。

 『新しく買う訳ではなくて、同じのか、似たようなのを持っていますので』


 「……は」

 『遠慮なく、お好きなものを選んでくださって大丈夫ですからね』

 「……」

 『それだけです。お休みのところ、すみませんでした』

 「あ、え、いえ、はい」

本当にそれだけで通話は切れた。
耳元から離すとオフになっていた液晶が再表示され、『高垣楓』の名が映し出される。
そりゃそうだ。間違い無い。

いま聞こえていたのは間違いなく楓さんの声で。
手渡されたカタログは間違いなく楓さんの意思で。
俺はもう、間違いなく楓さんの掌の上だった。

 「……」

崩れていた雑誌の山から一冊を拾い上げる。
机の引き出しから緑の付箋を取り出して、俺は再びページをめくり直した。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 21:51:18.71 ID:mNFXwqA5o
(明朝に続く。)
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 22:07:30.17 ID:ICRQMsqCo
もう待ちきれないよ!早く出してくれ!
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 22:38:48.05 ID:cmu/ldGjo
これはひと月かけた高度な前戯
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/17(日) 22:53:20.61 ID:yTHsV0cho
読者を惹き付ける展開誇らしくないの?
楓さんの掌の上で踊りまくりたい
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 09:47:34.50 ID:Ta/CIPb1o

 ― = ― ≡ ― = ―

 「あら」

挨拶もそこそこに、楓さんへトートバッグを差し出した。

 「お早いですね」


 「……え」

 「もっと、じっくり選んでくださってもよかったんですけれど」

 「……」

 「結構、楽しみにしてらっしゃるんですね」

あっと言う間に血が顔へと集まってくる。
両手で覆って俯いて。
一分ほどそうしている間、楓さんは含み笑いを漏らし続けていた。

 「ふふっ……落ち着きました?」

 「……はい」

 「じゃあ、拝見しますね」


 「えっ」

 「どれどれ」
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 09:58:39.47 ID:Ta/CIPb1o

主の出払っていた隣のデスクへ腰を下ろし、楓さんはトートバッグに手を突っ込んだ。
掴み取った雑誌たちからは幾つかの付箋がはみ出している。
持って帰るでもなくロッカーへしまうのでもなく。
楓さんは俺の目の前で、付箋付きのそれらを、じっくりとチェックし始めた。

 「んー、なるほど……」

 「……」

 「あ、確かに……こういうの……ふふっ♪」

 「……」

 「なるほど……こういう感じ、ですか」


一言で言えば、殺してくれ。


色を失っているだろう俺の顔と雑誌とを見比べて、楓さんは嬉しそうに笑う。
緩んだ頬がどこまでも無垢に見えて、立つ瀬は探すまでもなく消え失せていた。

雑誌を片手に、二人でお喋り。
傍から見れば特にどうという事もない光景だ。
例えその実が、どうしようもない性癖チェックの真っ最中であれ。
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/18(月) 09:59:02.96 ID:QCq+tEbvO
もう始まってる!
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 10:03:39.63 ID:Ta/CIPb1o


 「――分かりました」


体感では小一時間ほどにも感じられた五分間。
閉じられたページのぱたりという音がようやくの終わりを告げる。
俺の精神はこれ以上ない程にズタボロで、一刻も早く帰宅してしまいたかった。
何でもいいから逃げ出したかった。

 「プロデューサー」

 「…………はい」

 「こんな感じのが、お好きなんですね?」

 「……相間違い御座いません」

頷く分のエネルギーすら怪しかった。
どうにかこうにか頷いて、もうどうにでもしてほしい。

 「ふふっ……そろそろ、レッスンの時間ですね」

 「そうですね……」

 「じゃあ、行ってきます。お仕事、頑張ってくださいね?」

 「……はい」

立ち上がって伸びをして。
事務所のドアを開きかけた所で楓さんは足を止めた。
振り向いて、戻ってきて、俺の頬に唇を寄せて。


 「お楽しみに」
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/18(月) 10:04:30.43 ID:Ta/CIPb1o


もちろん、その後は仕事になる筈もなく。
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 10:06:09.27 ID:Ta/CIPb1o
次回更新は今週末予定です
もう1、2エピソード挟んだらYes! Party Time!!です
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 10:45:59.64 ID:a14Ne+VoO
食い気味な気持ち持て余しまくりなのに勝負のコスチューム万端なんだもん
曝け出して無敵にも程があるでしょうよ
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/18(月) 16:08:04.61 ID:kMd98lRfO
これは、生まれついての小悪魔は天使に見えるとか言うやつですか。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/18(月) 22:58:24.12 ID:VO8JXa/nO
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 21:55:15.68 ID:ROj2M5730
今週末だぞ(気が早い)
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 17:47:06.61 ID:eHHtcV7Qo

 ― = ― ≡ ― = ―

少しフラついて見えて、そしてそれは気のせいじゃなかった。
三船さんが覚束ない足取りでこちらへ向かってくる。
廊下のところどころに積まれた荷物にちょくちょくぶつかっている。
……新年度前に片付けておこう。

 「あの……三船さん?」

声を掛けた途端、ぴたりと動きが止まった。
俯いていた顔が上がる。
呆然とした表情のまま、三船さんは俺の顔を見つめていた。

 「プロデューサーさん……?」

 「あ、はい」

 「……プロデューサーさん」

 「何でしょう……というか、あの、大丈」

肩を掴まれた。
がしり。と確かに聞こえた。
そのままダンボール山の陰に、壁際に追い詰められた。
不覚にも少し、ときめいた。
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 17:48:56.47 ID:eHHtcV7Qo

 「ええと、ちょっと、三船さん」

 「かえ、楓さんがっ、楓さんが……おかしいんですっ……!」

 「……へ?」

唐突に飛び込んできた楓さんの名前。
楓さんは割と、おかしな何かをやる事も多い気がするが。

 「一緒にお酒、お酒を飲みませんか……って、誘ったんです……」

 「……ええ」

 「そしたら、『すみません、控えているんです』って、楓さんが……言っててっ」

 「……はい」

 「絶対ぜったい、おかしいです。変です……ライブ前でもないのに……お酒を断るなんて……!」


鬼に金棒、楓に酒瓶。


いつかの折に聞いて、うっかり頷いて、隣の楓さんに頬をつねられた事がある。
それくらい彼女とアルコールは親和性が高い。
体の半分はお酒で出来ていて、もう半分はおつまみだとも聞いた。

ともかく。
楓さんがお酒を断るのはおかしい。それは事務所での共通認識らしい。
普段、楓さんがアイドル達の間でどう扱われているのか考えると、少し頭が痛くなる。
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 17:50:38.59 ID:eHHtcV7Qo

 「プロデューサーさん、教えてください……楓さんに、いったい何が……」

 「その、何がと言うか、ええ」

 「お願いです……! 何か、あるのなら……私も、力に……」

 「待って、三船さん、待って、あの、離れて」

間近に迫られ、ぐいと壁に追い詰められ。
潤み始めた瞳と、染まり出した頬と、押し付けられた柔らかさ。
駄目だ。ダメになる。

 「私も、楓さんの……友達として……」

 「分かったから、三船さ、離れ、アイツにぶん殴られるんで、あのホント」

 「プロデューサーさんっ……!」

三船さんの優しさに感動しつつ、柔らかさにはそれ以上に感動してしまう。
俺も男だ。許してほしい。
しかしマズい。早くごまかさないと非常に非常にマズい。
万一にでもこんな状況を楓さんに見られたらと思うと。

 「あら。こんな所で、何をしてらっしゃるんですか、プロデューサー?」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 17:53:55.55 ID:eHHtcV7Qo

血の引いていく音が鮮明に聞こえた。
横を向くのも怖い。向かないのも怖い。
今ならモーフィアスの気持ちも痛い程によく分かる。

 「楓さんっ……ぁ」

 「さっきぶりですね、美優さん」

ようやく気付いたように、三船さんの身体が慌ただしく離れてゆく。
ちらりと胸元を見下ろせば、やはり少し寂しい。

 「かえ、あの、ちが、えう」

 「大丈夫です。分かってますよ、美優さん」

 「そのえと、本当に……私は」

 「プロデューサーは、そんないやらしい事をする方では、決してありませんから」

にこりと三船さんへ笑いかけたまま、後ろの尻尾で俺の耳を突き刺してくる。
心なしかいつもよりも平坦な声で。
聞いているだけで腹の奥が底冷えしてくるような。

 「でも、楓さん、お酒……どうして」

 「うーん……ヒミツ、だったんですけど……」

色違いの瞳がようやく俺の顔を捉えてくれる。
口の端が僅かに上がって、俺の背筋はそれだけで簡単に震え上がった。

 「美優さん。耳を貸してください」
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 17:57:51.79 ID:eHHtcV7Qo

 「……え?」

 「まぁまぁ、まぁまぁ」

止める間も無く三船さんの耳に手が添えられる。
色の良い唇を寄せて、楓さんは二言三言、何かを囁いた。
頷いた美優さんはハッと気付いたように眉を上げて、こちらの顔色を伺っている。


これが社会的死か。意外にあっけないものなんだな。


 「……そ、そう、だったんですね。私ったら、また……また、とんでもない早とちりを」

 「あ……え、いえ…………あ、あはは……?」

この期に及んでぺこりと下げられた小さな頭。
控えめな彼女のつむじを見つめたまま、乾いた笑いは勝手に零れていく。

 「じゃあ……お二人とも、頑張ってくださいね。応援……しています」

 「…………あ……は、どうも……」

ぺこぺこと頭を下げたまま、三船さんの背が廊下の角を曲がって消えた。
頑張ってください。
うん、温かい言葉だ。死にたい。

 「ふぅ……頑張る事になっちゃいましたね、新曲」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 18:02:02.44 ID:eHHtcV7Qo

 「…………はい?」


新曲?


 「こっそり、とびきりの新曲を練習しているんです」

 「え。いや、新曲の予定なんて」

 「だから、そういう事にしちゃいました」

 「……」

 「ひょっとして、ぜんぶ、本当の話をしてほしかったですか?」

 「いえいえいえいえいえ」

押し黙っていた心臓が久しぶりに脈打ち始める。
どっと脂汗が滲み出て、今すぐにでもシャツを替えたい。
暑くて暑くてどうにも堪らなくて、二月だと言うのにネクタイを緩めてやった。

 「心臓が止まるかと思いましたよ……」

 「ふふっ……私も、そんなに迂闊な女じゃないですよ」

身に染みるほど知っている。
高垣楓はどこまでも額面通りに――魔性の女神だ。

 「だから、美優さんの為にも、頑張っちゃいましょう」

 「……新曲、かぁ。また作曲家さんに挨拶回りしないと……それから」

 「あ、そっちもですけど」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/23(土) 18:13:51.47 ID:eHHtcV7Qo

緩めたばかりのタイを掴まれた。
何かを考える暇すら与えられず、どかりと壁に押し付けられる。
ついでとばかりに押し付けられたのは、ひどく熱くて柔らかい何かで。


気付けば、奪われていた。


 「は、ぁ……」

ちゅぷり。

離れた唇はそんな音を立てて、荷物だらけの廊下に妖しく響いた。
何かを考える余地すら与えられず。
俺はただ、2センチだけ上に輝く二粒の瞳を、馬鹿みたいに見つめていた。

 「ふふ……私も、そこまで落ち着いた女じゃありませんから」

 「……っ……あ」

 「嫉妬くらい、しますよ」

 「…………」

 「頑張りましょうね、プロデューサー」

頷く力も抜けて、壁に背を預けたまま崩れ落ちる。
動かせない視界から長い脚が消えていって、後は小さな足音だけが聞こえた。
ダンボール箱の山にもたれ、また忘れかけていた呼吸を取り戻す。


ビンタ代わりのプレゼントは、コーヒーの味がした。
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 18:34:10.36 ID:eHHtcV7Qo
次回更新は木曜日の予定です
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 19:00:18.88 ID:WBonv/8e0


木曜日…た生殺しが始まるのか…
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 19:12:18.95 ID:l9C6RqwSO
これずっと主導権握られっぱで終わりそう
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 20:04:30.00 ID:gLjEmze1O
楓さんの方が背高いのか?
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 20:08:50.73 ID:eHHtcV7Qo
>>83
Yes. 彼女の方が微妙に高い設定です
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2017/09/23(土) 20:30:29.08 ID:mXAbz5200
楓さんが本気を出したせいで(恋愛的な意味で)プロデューサー絶対殺すウーマンになってる…繰り出す攻撃全てが弱点特効クリティカルヒット…
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 20:33:42.23 ID:cYahPUS5O
楓さん172cmだしヒール履いたら男性の平均身長より高くなるよな
つらい(平均並感)
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 23:52:23.94 ID:gMaQESUW0
この生殺しさえも焦らしプレイだとして楽しもう…
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 01:38:35.04 ID:d9T6pX9qo
この楓さんはヒールを封印してる設定なんよ!
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 01:42:39.13 ID:d9T6pX9qo
ああ、木曜日って決戦は金曜日の前日やないか…
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/24(日) 03:22:32.74 ID:CfT+TvV8O
楓さんが強すぎて好きなの…
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/24(日) 04:13:50.50 ID:/B3x/SFn0
25歳で元モデルなんだからさすがに処女ではないよな
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/24(日) 04:24:43.29 ID:/B3x/SFn0
処女はさすがに引くから経験人数2〜3人であってほしい
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 06:21:10.17 ID:MvLc2mWAO
モバマスは現実じゃないんだから処女に決まってるだろ…
ちゃんと現実と向き合えよ
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/24(日) 07:39:41.99 ID:vaVneKqk0
名言ワロタ
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 07:44:53.54 ID:c2/nd5iSO
>>93
クッソwwwwww
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 08:13:36.99 ID:ATecKsNG0
まあ初期の性格知ってたら男性経験あるとは思えねえ
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 01:01:17.81 ID:4DXkhQHto
いよいよ明日か…
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/28(木) 19:31:04.28 ID:6qCtZcfNo

 ― = ― ≡ ― = ―


 「あ。プロデューサーさん」

 「再来週分のスケジュール案です。どうぞ」

 「……ありがとうございます。それと」

 「次の衣装でしたら現場帰りに見てきました。裾飾り増やす方向で修正中です」

 「…………そ、そうですか。順調そうで何よりです」


ちひろさんに書類を手渡し、再びキーボードを叩く。
用件はそれだけだったらしく、中途半端な笑顔を提げながら戻っていった。
気を取り直してメールチェック。
今日も今日とて依頼やら打診やらのメールが電子の山を成していた。

最近は営業回りに出る事も少なくなった。
こちらが何も言わずとも仕事が勝手に舞い込んでくる始末だ。
その中から楓さんの為になりそうな幾つかを選び、当人に感触を尋ねるばかりで。

 「……そろそろ、回ってみるか」

けれどどうも、楓さんは俺が獲ってきた案件の方がお気に入りのご様子。
この間の新人の子とのミニイベントなんて、それは素敵な笑顔が眩しいくらいだった。


ああ、畜生、駄目だ。
気が付いたらまた楓さんの事を考えている。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/28(木) 19:35:02.80 ID:6qCtZcfNo

この一週間は仕事しか手に付かなかった。
それ以外の時間が少しでも出来ると、頭が勝手に彼女について考え出す。
高垣楓じゃない、楓さんについての愚考を。

結局、逃げ場なんて無かったんだろう。
スカウトから丸三年、俺の生活は高垣楓を中心に回っていたと言っていい。
高垣楓は実に回りがいのある女性で、この三年は余りにも満たされ過ぎていた。
磨けば磨いただけ輝く宝石を、とにかく手元に置いておきたかった。

 「コーヒー……」

カップを手に立ち上がり、不意に柔らかな感触が蘇った。
手からカップが滑り落ちる。
カーペットがごとりと鳴って、小さな染みが幾つか出来た。


どこか遠く、蠱惑的な含み笑いが聞こえた。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 19:36:25.96 ID:6qCtZcfNo
という訳で、たいへん前置きが長くなりましたが、明日の夜は是非よろしくお願いします。
あとオチが下ネタでもどうか怒らないで
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 19:40:45.01 ID:9DDkbHISO
ヤッターマン
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 20:26:38.70 ID:lrOMVYjLO
コーヒー
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/28(木) 22:01:22.94 ID:VXvRSE4K0
ライター
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/28(木) 22:32:27.24 ID:C9eLQgxQO
パンツは明日の夜脱げばいいんだな?
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 18:02:04.31 ID:npRRxvZto

 ― = ― ≡ ― = ―


 「じゃあ、お先に準備してきますね、プロデューサー」

 「あら、今日もですか? ふふ。二人とも、本当にお好きですねぇ♪」

 「ええ。大好きですから」


ちひろさんが指で作った杯を傾ける。
楓さんはどうとでも取れるような笑みを返し、俺は更に曖昧に笑い返した。

 「みなさんお給料も入りましたし、月末ですし、良いタイミングですよね♪」

 「……そうですね」

ちひろさんの場合、月の中で一番ご機嫌になる時期なのは間違いない。
理由はよく知らない。
知ってはいけない気がしてならない。

 「……では、俺も」

 「ああ、引き留めてすみません! また来月お会いしましょう♪」

後ろ手にドアを閉めれば、自然と息が零れた。
腕時計はちょうど18時を指している。

 「……」

そして、歩き出した。
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 18:03:18.27 ID:npRRxvZto
21〜22時頃より、ガンガンいきます
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 19:45:45.75 ID:K6zVkjrC0
パンツはもう燃やした
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 19:47:58.26 ID:CeBcmiZ3o
期待
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/29(金) 21:21:58.31 ID:gH5LtMuKO
この日のために一週間禁欲してきた
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/29(金) 21:49:45.03 ID:jVKwMjkN0
ピロトークに期待
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 21:59:59.21 ID:npRRxvZto

 ― = ― ≡ ― = ―


かつてない。
かつてないほど整頓された部屋だ。
恐らく今後もないだろう。


昨夜の帰宅からすぐ取り掛かった大掃除。
一日経った今でもその精緻さは失われていない。

床はもちろん、ベッド、風呂、キッチン。
念の為、を重ねるうちに少しやり過ぎてしまった感は否めない。
お陰で自分の部屋だと言うのにどうも据わりが悪い。


自分でも驚くべき事だが、さっき食べた夕飯が何だったのかよく思い出せない。
必死に思い出そうとしても、磨いた歯からミントが香って邪魔をした。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:02:27.38 ID:npRRxvZto


 ぴんぽーん。
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:03:03.13 ID:npRRxvZto

 「っはい!」

思わず立ち上がった。
そのままつんめのめりそうになるのを何とか堪えた。

一度、深呼吸をする。
床を一歩ずつ踏みしめ、ドアノブに手を掛けた。


 「こんばんは」

 「あこ、こんばんは」

 「あこ?」

 「いえ」


こんな格好の楓さんとデートとかしてみたいなぁ。
そう考えたそのままの楓さんがそこに居た。


クリーム色のニットは毛玉一つ無い。
変装用の質素さともまた違うハットの下で、髪は編み込まれていた。
薄緑のスカートは、こう、詳しくないので分からないが、とにかくふわふわだ。
そこから伸びる脚はタイツで覆われ、長さがより強調され。
白くなった吐息は微かにバニラの匂いがした。
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:06:47.30 ID:npRRxvZto

 「こういうふわふわの格好、プロデューサーはお好きですか?」

 「……それは、もう」

 「ですよね」

何せ、選んだのだ。
全部が全部、直撃だ。
反則だ。

 「少し、今の時期には寒いですけれど」

 「あ、ああ……すみません、気が利きませんで……」

 「いえ、好きで着て来たものですから」

 「……とにかく、中へどうぞ」

 「ありがとうございます」

楓さんを招き入れて、ドアが閉じて、少し静かになる。
靴を脱いだ楓さんは部屋に入り、テーブルの前にゆっくりと腰を下ろした。
俺もその向かいに腰を落ち着ける。落ち着かない。
自分の部屋に楓さんが居るだけで、それはもうとんでもない違和感があった。

 「お茶、飲みますか」

 「どうも」
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:12:56.44 ID:npRRxvZto

見ているヤカンは沸かない。

誰の言葉か忘れたが、全くその通りだった。
ヤカンから少し目を逸らしてみると、彼女は忙しなく辺りをきょろきょろ。
正直恥ずかしい。

 「……そこまで面白い部屋でもないと思いますが」

 「いえ、面白いですよ。初めて入りましたし」

 「そりゃ、初めて入れましたからね」

 「それに、あなたの匂いがします」

ヤカンの蓋が鳴った。
手早く火を止め急須へ。
3月はもう目の前だが、それでもまだまだ冷える。

 「粗茶ですが」

 「粗茶なんですか?」

 「それはもう」

 「ふむ……美味しいですね」

上品に備前の湯呑みを啜り、楓さんは微笑んだ。
笑むだけで男は壊せるのだと、彼女はどこかで教わらなかったんだろうか。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:20:24.22 ID:npRRxvZto

二つの急須はほとんど同時に空となった。
形容し難い沈黙が室内を満たす。

 「……」

楓さんが立ち上がった。
二歩だけ歩いて、すぐにまた座る。
いつもより軽い負荷に、ベッドはいつもより小さく鳴いた。


ぽん、ぽん。


腰掛けたベッド。
そのすぐ隣を叩いて、楓さんに手招かれる。
抗う手段は無い。
最初から、どこにも。

 「……」

拳二つ分だけ間を空けて座る。
楓さんが座り直し、指一本も入らなくなった。


 「全部、済ませてきました」


バニラの香りがする。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:27:57.01 ID:npRRxvZto

 「はい」

 「お化粧も、薄めなので、大丈夫です」

 「……はい」

 「じゃあ、セックス、しましょうか」


そうか。
俺はこれから、彼女を抱くのか。


 「……あ」

肩を抱き寄せた。
あんまりに華奢なものだから、場違いな驚きに包まれてしまう。
こんな身体で、彼女はあの大舞台を踊っているのか。

改めて、近付いた小さな顔を見つめる。
精緻。端正。形容する言葉は尽きない。
しばらくにらめっこを続けていると、楓さんが首を傾げた。
そしてぽんと手を叩く。


 「召し上がれ?」


今度は、奪ってやった。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:31:32.87 ID:npRRxvZto

唇を重ねているだけなのに、ひどく興奮する。
瑞々しい感触が、弾けるように、何度も何度も伝わってくる。
行き場を失くした吐息が思い出したように零れる。

 「ちゅ、む……ん……」

上手いだとか下手だとか、俺達のキスはそんな域にすら達していなかった。
とにかくこの感触を逃したくないだけで。
多分、お互いに、与えるのではなく。
ただ求めているだけだ。

 「っ、ん……ちゅ、は……」

 「……っ、ふ……」

 「……けっこう、激しいんですね?」

 「……仕方ないでしょう」

 「どうして?」

 「だって、楓さんと、セックス……するんですよ」

口にするだけで顔が熱くなる。
付け焼き刃の真似事は、まだ俺には早かったらしい。
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:36:42.59 ID:npRRxvZto

 「ふふ……プロデューサー、すごくドキドキしてます」

楓さんの手が俺の背を撫でた。
言われるまでもなく激しい鼓動は、先程から鎮まる気配が無い。

 「楓さんは、どうなんですか」

 「私ですか? ……ほら」

手首を掴まれ、導かれる。
指先が膨らみに触れて、そこで止まった。
そこから先は、俺自身の意思が必要だった。


 「……」

 「……ぁ」

身を寄せ、指先を沈める。
包み込むようにニットの丘を掌へ収めた。
少しだけ鼓動が伝わってきた。

 「……どう、ですか?」

 「柔らかいです」

 「……」

 「あと……ドキドキしてます」

 「……逆で……ん」
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:43:03.22 ID:npRRxvZto

止まれる筈も無くて、俺は楓さんの胸を両の掌で楽しんだ。
軽く力を籠めると、衣擦れと共に柔らかな感触が伝わってくる。
ちょうど収まるくらいの温かな膨らみを、手放す事が出来ない。

 「……ふふ。つまらない身体で、んっ……ごめんなさい」

 「そっ、んな事ないです! すごく面白いで……す……」

鈍った思考が反射的に言葉を返した。
そうじゃない。
どこまでもそうじゃない。
ようやく冷えてきた鼓動を数えていると、編まれていない髪が小さく揺れた。

 「……ふ、ふふっ……」

 「あ、いや……違……」

 「……じゃあ」

 「え?」

 「たくさん、楽しんでくださいね?」


揉みしだいた。
捏ね回すように柔らかさを堪能し、首筋に鼻先を埋める。

 「……楽しいです」

 「っ……もう……」
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:53:02.74 ID:npRRxvZto

左手で鼓動と柔らかさを確かめながら、右手で彼女を撫で回す。
ニットの下はこれまた手触りの良いシャツで、裾を腰から出してやる。
どうにも冷たかったのだろうか。
指先がおなかに触れた瞬間、楓さんはぴくりと肩を跳ねさせた。

腿はタイツに包まれていて、触れる肌に確かな熱を伝えてくる。
裾に指先を潜り込ませ、そこを探り当てる。

 「あ、っ」

声のトーンが変わった。
少々乱れていた息を整えるように、楓さんは黙り込む。
沈黙をイエスと取り、ゆっくりとスカートの裾を捲り上げた。

 「え」

 「……」

タイツ越しだからか、はっきりとは分からない。
分からないが、ええと、多分。

確かめようとした指先が端を捉えるより先に。
楓さん自らの手がタイツを脚から抜き去っていく。
心なしか、俺に見せつけるように。
黒を脱ぎ去った脚はそれでも細く、長く、眩しく。
爪先から伝い着くそこは、黒のレースに包まれていた。


 「こういうのが、お好きなんですよね?」
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 22:55:10.85 ID:npRRxvZto

結局、俺はちっぽけなプライドを優先した。
あのカタログは、全ての付箋を外してから返却した。
だから、俺の希望じゃなくて、この、これは。

 「ふわふわの服と、こういう感じのギャップとか、お好きですよね?」

 「……」

 「……」

 「……好きです」

 「ですよね」

ささやかな抵抗は彼女の一息で吹き飛ばされた。
この期に及んでごまかそうと、腿の内側へ手を滑り込ませる。

既に竿はいきり立っていて、楓さんの腰の辺りへ当たっていた。
楓さんがもぞつく度に先が擦れ、すっかり湿気を帯びている。
それは、彼女も同じだったらしく。

 「っ、ゃ……」

黒のショーツは既に潤っていた。
指先でなぞる度、小さな口から吐息が漏れる。
吐息すら愛おしくなって、僅かにでも逃したくなかった。

 「んっ……」

再びキスを見舞い、指先をショーツの中へと進めた。
まず薄い毛の感触があって、その先に柔らかな窪みがあった。
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:00:33.11 ID:npRRxvZto


ぴちゃ。


そのまま中指をゆっくりと沈め込む。
離れかけた唇を、頬に添えた手で再び捕まえてやる。
唇を奪ったまま、俺は楓さんの中をじっくりと確かめた。

 「……、……」

 「……」

 「っ……ん……!」


くちゅ、ぴちゅっ、くちゅ。


入り口がますます潤って、生々しく水音を立てる。
二人きりの部屋は静かで、だからこそ響く音が耳に残った。


 「――ぷ、ぁ……」

ひとしきり確かめ終え、そっと指を抜く。
重ねっぱなしだった口を解放してやる。
楓さんの頬は少しだけ朱が差していた。

 「……プロデューサー」

 「はい」

 「気持ちよくしてくれて、ありがとうございました」

 「それは、どうも」

 「是非、お礼をさせて頂ければ」
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:04:39.59 ID:npRRxvZto

 「えっ」

 「失礼しますね」

腰掛けたベッドから降り、楓さんが床へ跪いた。
俺の両脚の間へ身を収めると、チノパンの留め具を手際よく外す。
ジッパーを下ろせば当然、まぁ、息子が現れて。
主張する竿を一度だけつつくと、彼女の指がボクサーをずり下ろした。

 「プロデューサー」

 「……はい」

 「興奮してらっしゃるんですね」

 「…………はい」

見れば分かるだろう。
そう言わんばかりに竿は硬く脈打っている。
びくり、びくりと揺れる度に、楓さんは興味深そうに観察していた。

 「ぅ、あ」

いきなり楓さんの指が触れた。
滑らかな指先に、竿が堪らず跳ねてしまう。

 「硬い……」

 「あ、楓さ、っ」

ゆっくりと、竿を手で擦られる。
くすぐったいような気持ち良いような、何とも言い難い味わいだった。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:09:39.52 ID:npRRxvZto

 「……」

 「く……うぁ、っ……」

彼女の手つきはひどく丁寧だった。
達するでもなく、かといって休ませるでもなく。
楓さんは何も言わないままで、眼差しはひどく優しくて。

 「プロデューサー」

 「……は……い」

 「いつでも、どうぞ」

 「え、な、っ……!」

先を咥え込まれる。
刺激され続けていた所に新たな快感が加わって、脳がパニックを起こしかけた。
止める暇も無いまま、瑞々しいその唇で、高まりきった竿を愛撫される。
堪らなく気持ち良かった。

 「かえ、っ……! あ……!」

 「ちゅ……ふ、ぅ……」

 「ぅ、くっ」

誰もを虜にする喉が、口が、唇が。美貌が。
欲望の象徴を舐め、扱く。
背徳感と征服欲が膨れ上がって、奥底にあった、単純な欲求を押し上げる。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:16:39.20 ID:npRRxvZto

 「出っ、楓、さんっ……! もう、うぁ……離して、くだっ」

 「……」

 「っう……楓さん、っ……」

脈打つ竿を飲み込んだまま、楓さんは愛撫を止めた。
ちらりと俺の顔を見上げると、ゆっくりと唇を引いていく。
その感触すら痺れるくらいに甘かった。

ゆっくり、ゆっくりと竿が空気に晒される。
濡れた唇が離れ、溜息を零そうとしたその直前。
楓さんの舌先が鈴口を撫で上げて、俺は為す術もなく欲望をぶち撒けた。


――びゅくっ!


 「っあ!! っ……!!」

 「あ……っ」

噴き上がった白が目の前の美貌を汚す。
驚いたような表情に再び白が飛び散って、それからようやく楓さんは手で遮った。

 「く……ぅ……」

何日ぶりだか分からない射精は勢いがあって、かなりの量をまき散らした。
堪らない余韻が遠のきかけ、ようやく俺はしでかした事態に気付く。
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:19:57.26 ID:npRRxvZto

 「すっ、すいませんっ!」

 「……」

白く汚れた掌をじっと見つめ、楓さんは小さく口を空けていた。
慌ててティッシュを引っ掴み、丁寧にその顔と手を拭う。
何度もティッシュを替える間、彼女はずっと黙ったままだった。


 「……あの……すみませんでした」

 「……」

ようやく綺麗になった彼女へ、俺は頭を下げた。
楓さんは俺の顔と、すっかり小さくなった竿を見比べる。

 「たくさん出ましたね」

 「……」

 「いつも、こんなに出るんですか?」

 「……いえ」

 「気持ち良かったんですね」

 「…………はい」


何だろう。
たぶん、いや決してわざとやっている訳ではないんだろうけれども。
何と言うか。
これは言葉責めなんだろうか。
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:28:27.18 ID:npRRxvZto

 「別に、怒っていませんよ」

 「……なら、よかったんですが」

 「むしろ、嬉しいくらいです。ご褒美をあげたいくらいに」

言い終わらない内に腰へ手をかける。
ボタンを外す音が二度聞こえると、スカートは床へと落ちた。
汚れたニットを下のシャツごと捲り上げ、頭から引き抜く。
それですっかり、彼女は下着姿になって。
揃いの黒は、白い肌にこれでもかと映えていた。

 「あ、え?」

 「いいから、任せてください」

 「いや……あの、う、ぁ」

彼女の唇が再び俺の竿を咥え込む。
出し終わったばかりで鋭敏になっていたそこへ、また快感が襲い掛かってくる。

 「ちょ、いま……今っ、いっ」

 「ちゅぷ、ちゅ……ちゅ……」

小さくなっていたのはポーズだったのか。
くすぶっていた熱を呼び起こされ、あっという間に硬く張り詰めていく。
何ともまぁ正直な奴に、思わずこちらが赤くなってしまった。

 「プロデューサー」

 「……何でしょう」

 「気持ち良かったなら、これで終わりにしましょうか?」
129 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:33:32.14 ID:npRRxvZto

女神が小悪魔のように笑ったら、きっとこんな顔に違いない。
神秘の瞳が挑むように俺を見上げている。

 「……もっと」

楓さんを抱き寄せる。
ベッドの上へ引っ張り上げて、そのまま押し倒した。
俺の頬へ楓さんが手を伸ばす。
どこかで見たような光景だが、デジャヴだろうか。

 「楓さんを……気持ち良くしてあげたいです」

引き千切るように上を脱ぎ、破り捨てるように下を投げた。
びくびくと震える竿へ、楓さんが悪戯に微笑みかける。

 「……ん」

ずれていたフロントホックを外す。
濡れそぼったショーツを抜く。
それで、俺達は生まれたままの姿になった。

 「……裸を見られちゃうのは、これで二度目ですね」

 「え?」

 「見たでしょう。スカウトの時……えっちな覗き犯さん?」

懐かしい話だった。
あの最悪なスカウトも、もう三年も前になるのか。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:36:40.39 ID:npRRxvZto

 「い……いえ、あの時は湯気でよく見えませんでしたし」

 「見えなかったって、やっぱり見たかったんですね?」

 「見、その、そうじゃなくてですね……!」

 「見ていいんですよ」


俺の顔を真っ直ぐに見つめ返す。


 「触っていいんですよ」


滑らかな手が、芸術品のような身体を撫で回す。


 「好きにして、いいんですよ」


身体中が煮え滾って、枕元に手を伸ばした。


 「ところで、先月の話ですけれど」
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:40:35.35 ID:npRRxvZto

 「……え?」

 「一緒に寝た日にですね、ちゃんと予定をしっかりかっちり確認しまして」

 「……?」

 「今日は、大丈夫な日なので、大丈夫です」


伸ばした手が震え出した。


 「ほら、そろそろ春ですし、春と言えば、そういう季節で」


急いで封を破く。
うまく破けない。


 「ねぇ」


ようやく取り出した中身を、覚束ない手で被せ終えた。


 「今だけでも、Pさんと呼ばせて頂けませんか」
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:45:52.50 ID:npRRxvZto

余裕なんて無かった。
すっかり準備も出来ていた秘所へ、一息に竿を埋めた。

 「あ……ぁっ……」

 「……っく、ぅ」

初めからこうなる事が決まってたみたいに。
沸騰した欲望を、楓さんはただ静かに受け入れてくれた。
しばらく動けないまま、荒く息を乱し合った。

 「……ズルいひとだ」

 「……何が、ですか?」

 「全部です。楓さんは、全部……ズルいです」

 「……ふふっ。ズルい女はお嫌いですか、Pさん?」

楓さんの手が髪の中へ潜る。
留め具が外されて、編み上げられていた髪がゆるりと流れた。
美しい、いつもの、楓さんだった。

 「こういうのも、お好きでしょう?」

 「もう、全部、俺の負けで、いいです」

 「はい」

 「抱かせてください」
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:50:38.26 ID:npRRxvZto

楓さんを抱き締めた。
腕を背へ回し、肌と肌とで触れ合った。
バニラが香って、温かくて、ズルくて、気持ちよくて、幸せだった。

 「Pさん」

 「はい」

 「きっと、これが、幸福なんですね」

唇で答え合わせをした。
足りなくて、舌で答えを確かめ合った。

 「ちゅ……ん、ちゅうっ……ぁ、ん……」

甘噛みのように、悪戯に、柔肉が竿を締め付ける。


 「あ……」

唇と身体を離し、楓さんを見下ろした。
寂しそうに、幸せそうに笑った。
女神がそこにいた。


 「――ん、ぁ……っ」


腰を引き、竿を突き挿れた。
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:55:29.54 ID:npRRxvZto


くちゅ、ちゅぷっ。


 「は……ん、ぁ……」

楓さんの反応は控えめなものだった。
大きな声を上げる訳でもなければ、身をよじったりする訳でもない。
ただ静かに、俺から受け取る感触を確かめるように息を乱して。
それが堪らなく興奮した。

 「っ、や……っ」

挿入する度に控えめな胸が弾む。
誘うように揺れる果実へ、矢も盾も堪らずに手を伸ばした。
服越しなんかじゃない、肌で触れる柔らかさ。
俺の掌の中で抵抗もなく崩れて、容易く形を変えた。

 「楓、さん……」

 「あ……Pさん、っ……」

 「柔らかくて……気持ち良い、です……」

弾力がある、という表現は当てはまらないかもしれない。
優しく揉みしだいてみると、沈めた分だけ指が沈む。
腰を揺らすと、揺らした分だけ掌の中で弾む。

気持ち良い。
いつまでもこうして楓さんの中を味わっていたい。

だけど、こみ上げてくる。
このまま腰を振り続ければ、すぐにこの幸福な時間は終わってしまう。
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/29(金) 23:59:08.59 ID:npRRxvZto

突き挿れるペースを緩め、その分深く、奥まで挿入する。
髪を梳いて、頬を撫でて、じっくりと膣内を竿で擦り上げる。
このままゆっくりと楓さんを堪能して、

 「P、さん」


彼女が、そんな隙を見逃す筈も無かった。


 「交代、です」


 「ん、ぇ?」

 「……えい」

 「わ」

伸ばした腕で横に引き倒される。
入れっぱなしだった竿が抜かれ、その感触すら心地良い。
抵抗は出来そうだったが、彼女の瞳がそれをさせなかった。
どの道、楓さんには逆らえっこない訳で。
なら、このまま身を任せて、楽しんでしまった方がいい。


そう考えたのが間違いだったかもしれない。
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:06:22.72 ID:0icWfCWGo

 「よい、しょ……」

天井がよく見えた。
今更だけど、電気を消した方がムードは出たかもしれない。

仰向けに寝かされる。
楓さんが俺の腹へ馬乗りになって、小ぶりなお尻をもぞつかせる。
俺の胸板に両手をついて。
楓さんは、もう女神なんだか小悪魔なんだか分からない笑みを浮かべた。

 「Pさん」

 「……あの、楓さん。あの、これ」

 「いつでも、どうぞ」

浮かせていた腰をすっと降ろす。
重力に逆らっていた竿がそのまま柔らかな感触に包まれる。
思わず腰が浮いて、声にならない声が喉を震わせた。

 「ん……んっ……」

 「う、ぁ、ぁ……っ!」


ぐちゅっ……ぐちゅん。


俺の上で楓さんが揺れる。
浮きそうになる身体を抑えつけるように、何度も何度も秘所を押し付けられる。

 「は……ぁ……」


楓さんの騎乗位は、暴力的なまでの快感だった。
137 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:11:06.76 ID:0icWfCWGo

細められた瞳はただ俺だけを捉えている。
挑発するように二つの果実が弾む。
竿と、両手の添えられた胸板だけが、灼けつくほど熱い。

 「P、さん」

 「あ……楓、さんっ……! い、」

 「気持ち、いい、ですか?」

 「は、っあ……っ!」

手で、口でされるだけで簡単に達してしまったのだ。
これで首を横に触れる野郎など存在する筈もなく。

 「んっ……はぁ、あ……」

少しでも長くこうしていたい。
やみつきになるような甘さを拒めない。

鈍った思考に輪が掛かる。
もう保たない。
駄目だ。
このまま、与えられるばかりじゃ、駄目だ。



同じ目線で、楓さんを愛したい。

138 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:15:08.98 ID:0icWfCWGo

 「……っ!」

彼女にそうされたように。
手を伸ばし、肩を掴み、引き倒す。

 「はぁ、っ……! は、ぁ……!」

再び楓さんを組み敷いた。
鼓動は破裂しそうなくらいにうるさくて。
竿は今にもはち切れそうなくらいに脈打っている。

暴発しそうな衝動を抑え込む。
忙しない脈動が収まるまでの間、俺は楓さんの上で目をつぶっていた。
そして目を開けた時。


大丈夫。ぜんぶ、分かっていますよ。


全てを見透かすような瞳で、無邪気に笑っていた。
139 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:19:53.70 ID:0icWfCWGo


――ぱんっ!


 「っ、あ……っ!」


勢い任せに竿を突き挿れる。
楓さんの喉が反って、甲高い声が漏れて、ようやく俺は間違いに気付く。
そうじゃない。これは違う。
彼女は何かを堪えるように目をつぶっていて、少しだけ頭が冷える。
最初から俺は間違っていたんだ。

 「楓さん」

 「……はい」

大切な事を伝え忘れる癖は、まだまだ治りそうにない。

 「好きです」
140 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 00:21:59.93 ID:sOHSinFv0
もう抜いた
141 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:23:47.58 ID:0icWfCWGo

 「…………ぇ」

 「好きです。以前に言ったままの意味で、以前よりずっとずっと大きな、好きです」

 「……い、今っ、それ……言いますかっ……!?」

 「言い忘れてた分、言わせてください」

 「……」

 「大好きです。貴女を心の底から愛しています、楓さん」

よそ行きの化粧でもしたみたいだった。
僅かに上気していた楓さんの頬が、見る間に、それは見事に紅葉していく。
あぁ、お酒以外でも染められるのか。
場違いな納得が頭を満たした。

 「……っ!!」

楓さんが顔を逸らし、手で俺の目線を遮った。
けれどここはベッドの上で。
俺も彼女も逃げ場なんてどこにも無くて。
指を絡ませながら、俺は彼女の弱々しい手をどけた。

 「楓さん」

ぎゅっと目を閉じて、あぁだとかうぅだとか言いながら、彼女は首を振った。

 「目を開けて」

頬に手を添えると、確かな熱を感じた。

 「貴女の、宝石みたいな瞳が、大好きです」

少しだけ間があって、それから楓さんはゆっくりと目を開ける。
ほとんど泣きそうな神秘の瞳は、やっぱり宝石めいて美しかった。
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:28:28.78 ID:0icWfCWGo

 「好きです」

 「……ぁ、ぅ」

ゆっくりと腰を引く。
再び緩やかに、でも強く。確かめるように挿入する。


くちゅ……っ。


 「んぅ……ぁ」

 「愛して、います」

 「ぁ、っ……♡」

 「大好きです」


ぱん。くちゅ、ぱちゅ、ぱんっ。


 「楓さん」

 「ぁ、Pさ、ぁ、んんっ……♡」

 「楓、さん……っ」

楓さんの中が何度も狭くなる。
きつく締め付けられて、囁く言葉が途切れそうになる。
それでも目を逸らせなかった。
きっと、もう二度と。
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:32:07.43 ID:0icWfCWGo


 「ミステリアスな瞳が、好きです」

 「ぅあ、Pさん、っ……っあ」

 「すらりと伸びる、脚が素敵、です」

 「や、んっ……あ、ぁ」

 「なびく髪が、綺麗です」

 「ん、んっ……♡ あぅ」

 「取るに、っ、取るに足らないような、駄洒落が、好きです」

 「やっ……も……い、いっ♡」

 「愛しています。大好きで、ぅ……っ、大好きです」

 「……〜っ♡」

 「綺麗……です。楓さん……ぅく」

 「っあ♡ ま、待っ、ぁ♡」

 「可愛いです。綺麗です。楓さん、大好きです」

 「い、いっ……♡ Pさ、ぁ♡ わた、っ」

 「く……あ、あっ……! 愛して、います」

 「もう、いっ♡ いって、か……ら……っ♡」

 「楓さん、っ、楓、さん……っ!」

 「Pさん、っあ、あっ……♡」
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:37:11.72 ID:0icWfCWGo

この感情を伝えるのに、言葉はひどく頼りなかった。
伝える言葉の無くなった唇を重ね、壊れそうな身体を強く抱き寄せた。


ぱんっ、ぱんっ。くちゅっ、ぱん、ぱちゅ、ぱんっ。


気持ち良いのか、気持ち良くさせられているのか、分からなかった。
ただ、ただ、この甘い感触を味わっていたくて、何度も竿を突き挿れる。
もう何をしても気持ち良くて、すぐそこまで迫っていた。

 「はぁっ……はぁ、ぁ……っ!」

 「……っ♡ んぅっ……♡」

 「く……うぁ、あ!」

快感の波が何度も押し寄せてくる。
耳元では楓さんが美しい声を零し続けて、どうにもならなかった。
もっともっと甘く蕩けた声を聞いていたい。
ずっと貴女のそばにいたい。


崩れるのは、一瞬だった。
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:41:54.47 ID:0icWfCWGo


びゅっ……どくんっ。


 「――ぅ、あ……っ!!」

 「――っ、あっ……♡」


これまでの快感をまとめて重ね上げたような、抗いようも無い甘さだった。
腰どころか身体ごと震えて、言葉も息も出てこない。
駆け抜けていく快感を、ただ歯を食いしばって噛み締めた。


どくっ。びゅ、どくん。


何度も射精を繰り返して、その度に堪らない感触が伝わってくる。
楓さんを抱きしめたまま、少しずつ射精の脈動が収まっていく。


 「P、さん」

 「……ぁ、ぇ」



 「全部――してください」

146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:46:02.22 ID:0icWfCWGo

色香を形にしたような声だった。
楓さんの腕に抱き返される。
柔らかな身体を押し付けられる。
悪戯な指が腰をするりと撫で上げる。

灰に埋もれかけた炎が、ほんの一瞬だけ燃え盛った。


――びゅくっ。


 「ッあ、うぁ……ッ!!」


全く未知の感覚が、僅かに残っていた理性を叩き壊す。
あまりの快感に獣じみた声を上げる。
思わず握った指先が安物のシーツを引き裂いた。


 「〜〜……っ!」

 「はぁっ……あっ…………ふふ」

 「かえ、でさ」

 「素敵、でした。Pさん」
147 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:50:32.50 ID:0icWfCWGo


ちゅっ。


わざとらしく音を立てて、頬にキスを見舞われた。
こういうの、大好きです。
訊かれる前にそう答えようかと思った。


 「Pさん」

 「……はい」

 「気持ち良かったですか?」

 「……答えなきゃ駄目ですか?」

 「ええ」

 「……」

わざとらしく音を立てた。
こういうのがお好きならいいなと、ぼんやりそう思った。

 「なら……よかったです」
148 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:52:26.70 ID:0icWfCWGo

身体を重ね合ったまま、しばらく、気怠くて甘い時間が続く。
そのまま眠ってしまいそうになった時、再び楓さんの指が腰を撫でた。
少しだけ意識が覚醒する。

 「Pさん」

 「はい」

 「今日は、着けて頂きましたけど」

 「……は、え、はい」

 「いつか、もっと気持ち良くさせてあげますね」

言葉が耳を素通りし、しばらく意味が飲み込めなかった。
ようやくピースが組み上がった途端、どくんと胸が脈打った。

 「あ」

 「あっ」

 「……Pさん?」

 「え、いえ、これはですね」

 「私は、今がいつかでも……構いませんよ?」

 「……」
149 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2017/09/30(土) 00:53:04.95 ID:0icWfCWGo


眠りかけた血が、巡り出した。
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/30(土) 00:53:45.96 ID:i7B/1uXr0
やったぜ。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 00:54:17.99 ID:0icWfCWGo
ふぅ……。

次回更新は朝9時ごろの予定です 宜しければもう少しだけお付き合いください
152 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2017/09/30(土) 00:57:28.04 ID:i5C1jrng0
お疲れ様です
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 00:59:43.31 ID:pDBI+wI80
さて使うか
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2017/09/30(土) 01:07:15.95 ID:A1UTkvtSo
>>116
急須じゃなくて湯呑みかな、とか野暮なツッコミを入れる賢者タイム
88.45 KB Speed:0   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 続きを読む
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)