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わたしとヒトとアライさん
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30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:16:41.63 ID:BBRlU/0B0
…
アライさんC「はっ!!」パチッ
アライさんCが目を覚ますと、そこはコンクリートの壁で覆われた無機質な空間だった。
アライさんC「ここはどこなのだ」
アライさんは周囲を見渡す。今までで見た事がない異様な光景に身構える。
本当に異常なのは自分の身体にある事に気付いたのはその瞬間だった。
アライさんC「のあ?」キョトン
アライさんC「のあぁ!?」
アライさんC「アライさんの手と足が動かないのだ!!」
腕と脚が動かない。力を入れることができない。
手足の代わりに体に四本の重りを付けられたに等しいアライさんは戸惑いながらももう一つ、自身にとって大きな発見をする。
アライさんC「でも尻尾はうごくのだぁ!!」フリフリ
だからどうした。
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:18:47.35 ID:BBRlU/0B0
飼い主「あ、起きた」ヒョコ
アライさんC「おまえー!アライさんのからだに何をしたのだ!?」
飼い主「切ったんだよ。腕と足を。アライさんの両手両脚はもう一生動かないよ」
アライさんC「切ったぁ!?嘘なのだ!アライさんの手も足もちゃんと生えてるのだ!!」
飼い主「そりゃそうだよ。残るように切ったんだから」
飼い主はアライさんが気絶している間に両腕両脚の腱を切っていた。
アライさんの反撃と逃亡を防ぐ為
アライさんのフレンズとしての能力、自己回復能力を防ぐ為
そして
この作品は、一見五体満足に見えなければ意味がないからだ。
アライさんC「お前の言ってる事がわからないのだ!切ったらくっついてるはずがないのだ!」
アライさんC「お前は馬鹿なのだ!やっぱりガイジなのだ!!アライさんの方が格上なのだ!!」
アライさんC「アライさんはなぁ!アライさんなんだぞぉ!ガイジよりよっっっっっっっっぽど偉いんだぞぉ!!!」
飼い主「ぎゃあぎゃあうるさいなぁ。もうそんなもんどうでもよくなるんだよ」ガシッ
飼い主「どうせここで死ぬんだから」
カラン、ジャリジャリジャリジャリ
部屋に入ってきた飼い主の手には、金属バットが握られていた。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:20:04.59 ID:BBRlU/0B0
力を込め振りぬいた金属バットはアライさんの顔に直撃する。
アライさんC「ぎび!!」ガォオン
アライさんC「痛いのだぁ!」
飼い主「痛いだろぉ」
飼い主「もっと痛がっていいんだよ。最期くらいめいいっぱい騒いでいいんだよ」
飼い主「騒がなくても、殺すけどね!!」ブン
アライさんC「ごげ!!」ゴォン
アライさんC「わ、わがったのだぁ…アライさんは、おまえの友達になってやるのだ!」
飼い主「…え?友達?」ヒクッ
アライさんC「アライさんはなぁ!フレンズなんだぞぉ!友達になればおまえも人生勝ち組なんだぞぉ!!」
アライさんC「馬鹿なお前にはこんなチャンスはもう二度と無いのだ!友達になるなら今なのだ!!!」
飼い主「はっ!人生勝ち組!?そんなわけないじゃん」
飼い主「ゴミみたいな命がいくつくっ付いたってね、ゴミはゴミでしかないんだよ」
飼い主「だから友達なんてね」
飼い主「友達なんてね、いらないんだよ」スウッ
飼い主「ただ、死んでくれればいい!!」ブン
アライさんC「ぶっち!!」ゴォン!
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:22:31.48 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「びぃいいい!!わがっだ!わがっだのだ!おまえはアライさんと交尾していいのだぁ!!」
飼い主「え」ピキ
アライさんC「フレンズのアライさんと交尾できるのは凄い事なんだぞぉ!!」
飼い主「………」
アライさんC「ほ、ほら!アライさんのしっぽのダンスなのだ!!特別にただで見せてやるのだ!」
アライさんC「おしーりふーりふーりしっぽーのだーんすー♪」フリフリフリフリ
アライさんC「ずぼってどびゅってアーライーさんー♪なのだぁ!!」ヘコヘコキューン☆
飼い主「………」カツカツ
アライさんC「お!その気になったのだ!?ほら、濡らしてやるからさっさとずっぽしぱんぱんどっぴゅんこっていくのだ!!」チョロッチョロッヘコヘコ
少しでも膣を濡らそうと尿を出し、腰を前後左右に揺らして誘うアライさんに近付き
その股間を爪先で蹴り上げた。
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:24:01.59 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「ぎびじい゙い゙いいいーーーーっ!?!?!?!?!」ビグンビグン
アライさんC「お゙ーーーー!!ぼぉおおおおおーーーー!!!!おぉおおおおおーーーーーーー!!!!」ビクンビクンビクンガクガクガク
悶絶して身体をごろごろと転がしながら、膀胱の中身を辺りに撒き散らす。
アンモニアと血液の赤が混ざった汚水が部屋を汚していく。
飼い主「わたしさ、死んでくれればいいって言ったよね」
飼い主「叫んでもいいとは言ったよね」
飼い主「でもそれ以外の事を、誰がやってくれって言った?」
アライさんC「おっおまえ、ホモなのか!?」
飼い主「あ?」
アライさんC「アライさんのマンコは人気者なのだ!オスが群れなしてアライさんを巡って喧嘩もするのだ!!」
アライさんC「メスのフレンズにだってメロメロなのだ。マンコしゅっしゅして気持ちいいのだ!!」
アライさんC「でもお前はアライさんと交尾しないのだ!ホモなのだ!ガイジなのだ!!」
飼い主は
にっこりと笑ながら金属バットを両手で持ち
筋肉を引き絞るかのように頭の後ろまで手を持っていく。
そして思い切り振り下ろした。
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:25:57.62 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「ぶじぇぇ!?」ガゴォン!!
金属バットの先端が、アライさんCの口の中に捻じ込まれた
アライさんC「ぶぷっぺっ!」コンコンッ
アライさんCが口から何かを吐き出し、コンクリートの上に黄ばんだ何かが転がる。
黒い穴も見えるそれは、アライさんCの歯だ。今の金属バットの一撃で何本か折れたようだ。
アライさんC「は、はば、おれびゃのだぁ…!」
ブン
アライさんC「ごび!!」ゴォン!!
またも顔面で金属バットを受けたアライさんの鼻柱がへし折れ、鼻の穴があらぬ方向を向いて変形する。
アライさんC「んぎ…なぼばぁ…がひびがぁ…がひびがはびゃびざむを…ほほふのばぁ…」
何かを喋っているようだが、飼い主には最早理解できない。
ガンガンガンガンガンガンガンガン
ゴビュッ!ボッ!オンッ!ヂッ!ダヅッ!ビュッ!ギ!ビッ!ヂッ!ヌッ!ウッ!オンッ!
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:27:25.53 ID:BBRlU/0B0
意味不明な悲鳴を上げるしかできないナマモノになったアライさんCを何度も何度も金属バットで殴った。
何発、十何発、何十発と殴るが仕留め切れない。
害獣としての生命力、フレンズとしての力が、アライさんCの命を繋ぎとめているのだ。
飼い主「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
アライさんC「」ピクピク
このままでは殺しきれない。次で決めなければ。
荒い息を吐きながら危機感を感じた飼い主は、軽い痙攣以外の動きを見せなくなったアライさんCの頭を掴み、壁側にもたれかからせる。
これでいい。そう飼い主は感じた。
この位置ならば、頭を狙える。飼い主は勝機を感じ取った。
バットを構え、力を込める。
狙いを定める。
引き絞られた力を、放つ。
ブゥン!!
ゴォオオオオオオオン…
放たれたフルスイングは、アライさんCのこめかみに直撃し、その日で一番響く音を出した。
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:29:03.87 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「」ビグンッビクンッビクビクビクッガクンッ
アライさんCが痙攣する。腱を切っているから派手に暴れまわらないが、アライさんCなりの全力で痙攣する。
十数秒後、アライさんCの痙攣が止まった。
今のはゴキガイジムーブだったのだろうか。まだ生きているのではないだろうか。
二択の判断が飼い主の頭をよぎる。だがそれをすぐに強引な論理で殴り飛ばした。
どちらでも問題はない。
どうせこの作品は、首を吊らせて完成するのだから。
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:30:19.56 ID:BBRlU/0B0
…
チュンチュンチュン
アラ信「…うーん。もう朝かぁー」
アライちゃんH「ヒトしゃんおはようなの、だぁ〜!!!」ブリブリブリブリブチュチュブッチッパッ
アラ信「おはようアライちゃん!今日も快便だね!健康の証だよ!」ニコニコ
アラ信「ほぉら、うんち拭くからちょっと大人しくしてねぇ」
アライちゃんH「ヒトしゃんのうんちふきふきしゅきなのらぁ!はやくするのらぁ!」ヒクヒクフリフリプップップー
アラ信「はいはい」ウーンクッサーイ
アラ信「ほーらふきふきふきふき」
アラ信「…おまんこもふきふきふきふきふっきふきー」
アライちゃんH「のっのぁっ///あぁっふぅっ///」
アラ信「あららーアライちゃーん。おまたびしょびしょにしちゃってるよぉー?」
アライちゃんH「そっ///それは、ヒトしゃんがくりちゃんしゅっしゅすりゅからぁ////」
アラ信「かーわいいー事いっちゃってぇ〜そーんな子には〜?」スルスルボロン
アライちゃんH「そ、そんなかわいいアライしゃんにはぁ…?」ドキドキ
アラ信「こーびするのだぁ〜!!」
アライちゃんH「あぁ〜ん!こーびなのだぁ〜!!!///」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:31:01.73 ID:BBRlU/0B0
●数十分後!●
アラ信「それじゃあ、行ってきます!!」
アライちゃんH「いってらっしゃいなのだー」プップッー
アライちゃんの声と屁の音を背中で聞き、誇らしい気持ちで扉を閉める。
彼は今幸せの海に浸かっている気分だった。
溜まったものを吐き出してスッキリしているのもあるが、彼が今世界が輝かしく見えていた。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:34:00.50 ID:BBRlU/0B0
特殊な粒子によって突然変異した動物達、フレンズがこの日本にやって来て早数年。
彼女達の魅力で人間は愛に包まれ、悪意を持つ者たちは愛の名の下に散華する定めとなった。
彼は昨日も、愛を以って悪意を持つ者に裁きを下した。
裁きを下せば下すほど、アライちゃんHと愛のある交尾をすればするほど、この世界が浄化されていくのを彼は感じていた。
今、この地球は友人達によって、争いの無い世界、優しい世界へ昇華され始めているのだと。
フレンズという存在を世に知らしめ、この現状を作り出した巽教授には感謝してもしきれない。
彼がいなければこの世界は、今も悪意が渦巻き邪悪なままだったのだから。
もしかしたら教授は神の遣いなのかもしれない。いや、なのかもしれないではない。教授は神の遣いなのだ。
金や欲にまみれた政府や財閥に支配された地球を哀れんだ神が、教授という遣いを地球に送り込んだのだ。
いや、もしかしたら神そのものなのかもしれない。あの姿、毅然とした言葉、その全てが神々しい。
今、この世界は教授という神によって正しい方向に導かれてようとしているのだ。
今、自分が見ている輝かしい世界こそが、神によってもたらされた新世界の入り口なのだ。
彼は、本気でそう信じていた。
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:34:34.95 ID:BBRlU/0B0
この世界の全てを受け入れ、愛と優しさに満ち溢れていく事が、今の人間には必要なのだ。
それを受け入れられない人間はこの世界には不必要なのだ。
愛を、全てを受け入れるのだ。
教授という神の名の下に。
この世界の全てを。
目の前にある
アライさんの死体も。
死体も。
死体。
死体!?!?!?
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:38:11.08 ID:BBRlU/0B0
アライさんC「」ブラーンブラーン
アラ信「あぁああ!!あああああああああああああああああああ!!!!あああああああああああああああああ!!!!」
アラ信は目の前の光景を受け入れられず、絶叫した。
電柱にアライさんCの死体が吊り下げられている。
身体にはおびただしい程の暴行の跡が残され、右目の眼球が零れ落ちていた。
露出した下半身には血の混じった糞便が垂れ流され、吐き気を催す臭気を周囲に発していた。
アライさんの惨殺死体。それは今の日本では鳩の死体よりは見る機会の多いものである。
アラ信「っこれが…!!」
昨日、同じような人間の死体を作り出したアラ信は目の前の光景に震えた。
アライさんCの尻尾はあるべき所から千切り取られていた。
千切られた尻尾は顎を外して無理矢理口の中に突っ込まれており、昨日の人間の死体より凄惨さを増している。
アラ信「これが!!!これがぁ!!!」
アラ信「これが人間のやる事なのかよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!!!!」
その衝撃を、愛するべきフレンズの死の悲しみを、その非道に対する怒りを、悪に対しての殺意を、言葉に乗せて叫んだ。
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:39:29.97 ID:BBRlU/0B0
アラ信「また…罪の無いフレンズが死んだ…」
アラ信「全て…全て貴様のせいだ…」
アラ信「許さん…許さんぞ…!」ワナワナワナワナ
アラ信「影川ぁあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:40:30.09 ID:BBRlU/0B0
この世界の、滅ぼすべき悪魔の名を叫びながら、彼は再び決意した。
影川の一族も、関係者も、アラアンチどもも、全て殺す。ナイフで滅多刺しにして殺す。
アライさんやフェネックをはじめとしたあらゆるフレンズが受けた苦痛を、一億倍にしてぶつけてやる。
殺してやる。
殺してやるのだ。
彼は涙を流しながら、決意を新たに仕事場に向かっていった。
愛する友の為に、信仰する神の為に、この世の害悪は全て殺しつくさなければならない。
我々人類はクルセイダーズ。神の命により神罰を執行する地上代行者。
我らの望みはこの世に蔓延る悪魔を、愚者を、一匹残らず殲滅する事。
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:41:12.36 ID:BBRlU/0B0
神の命により
死ぬがいい。愛と平和を信じぬ愚か者どもよ。
旧人類どもよ。
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/09(木) 01:45:38.48 ID:BBRlU/0B0
♪つづく♪
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 01:46:27.45 ID:9a0z4smY0
巽教授と影川w
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 01:47:30.35 ID:9a0z4smY0
乙でした素敵なアラ虐SSでした!
アライさんとアラ信すげーウザいです
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 01:51:03.90 ID:DFRcYI3A0
ここまでくるとこのSSのアラ信はエコテロリストを通り越して連合赤軍とかオウム真理教みたいなもんだな
当然取り締まられてるのかな
アライさんの脅威度もかなり高いし
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 02:41:58.67 ID:1lXzNJrLO
鳩の死骸、どんだけレアなんだよ
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 03:55:35.99 ID:kjxtD+rHO
影川と教授って元ネタあるのか……?
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 04:03:55.92 ID:9a0z4smY0
言っていいかわからんけど
影川→KAD○KAWA
巽教授→た○き監督
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 04:11:14.22 ID:kjxtD+rHO
すみません、ありがとうございます…
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 06:50:41.57 ID:QMCLBnTho
乙です
アライちゃんの群れの描写がおぞましすぎる
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 09:35:27.07 ID:QtkIdIQ1O
大きく分けるとアライさん駆除派、フレンズ自体の排除派(影川?)、フレンズ至上主義派(巽?)に分かれてる感じかな
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 11:17:56.03 ID:4jbxJU9B0
アライさんによるハンター、というか一般市民の殺害が珍しくなく銃の所持も認めているのなら
この世界で警察や自衛隊はその前段階とか今現在は何をしているのか
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 12:54:38.22 ID:20zhx0rU0
また素晴らしいSSが生まれてしまったか
おつです期待してます
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 14:01:51.06 ID:HcCo/jSvO
セルリアンの爪痕とか核戦争とかそういう何かで、政府機能は事実上麻痺してるんだろうな
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 15:10:12.42 ID:y9pQHOzqo
また人間同士のくだらない内ゲバもの?
人間側の知能が低い話ってつまんないからなぁ…
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 15:18:13.16 ID:QtkIdIQ1O
知能が高くて多様性があるから派閥が出来たり内ゲバが起こるんだろうに……
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga sage]:2017/11/09(木) 19:54:10.40 ID:BBRlU/0B0
●次回予告●
飼い主「わたしです」
飼い主「害獣による被害も種によって様々です」
飼い主「人間が肉体的に受ける被害」
飼い主「農作物や家畜が受ける被害」
飼い主「景観が受ける被害に糞尿による汚染」
飼い主「ではアライさんによる被害はこれの内どれ?」
飼い主「正解は全部。マジヤバイ。次回はそんなお話です」
次回
「わたしとぼくじょーとアライさん」
全部書き終わり次第投下します。
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 20:16:44.85 ID:eOG/ietYo
待ちます
人間の争いがクローズアップされる話は、
「アライさんのバーカバーカ アライさんの低劣知能め ○ねクズゴミ」ってしたい方の人が
皮肉られてる側かもしれないように見えることもあるから 面白く読めない人がいるのも仕方ない
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 20:46:08.38 ID:qfk3m6CiO
楽しめてるぞ
〜ってしたい方というか、それが事実なわけだし
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/11(土) 12:04:29.55 ID:jhT2ICSpO
期待
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:29:17.50 ID:71tF+K470
土と石が敷き詰められた道を一台の車が走る。
石の硬さをタイヤが受け止め、熱を帯びたエンジンがホイールを回転させる。
タイヤに弾き飛ばされた石同士がぶつかり擦れ、ざりざりと音を出す。
石に乗り上げ車体を傾かせながらも前へと進んでいく。
そのまま進んでいくと視界の端に看板が見えてきた。遠目から見ても内容が見える、その看板に男は一瞬視界を移す。
地名と矢印が記された案内に従い、ハンドルを切って道を進む。
やがて見えてきたのは白い建物と大きな柵。
車は、街はずれの牧場に到着した。
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:37:07.97 ID:71tF+K470
飼い主「着きました?」
後部座席に座っていた飼い主が身を乗り出し、男の横顔を見る。
心なしか目がきらきらと輝いているような気がすると男は感じた。
男「着いたよ」
飼い主「うし!」ガチャッ
男の返事を聞いて、飼い主は車のドアを開けて外に飛び出した。
飼い主「…わぁっいい景色!!」
大型犬「ワンッ」ガバッ
飼い主「うぁあっ」
助手席で伏せていた大型犬も、先に飛び出した飼い主に続くように車から飛び出した。
リードが付けられていない大型犬は飼い主をあっさりと追い越した。
大型犬「ワンッワンッ!!」ブンブン
飼い主「んふふっ…パスカルー!あまり離れすぎちゃダメだよー!!」
大型犬「ワンワッ…ガフッ!!」
飼い主「パスカル?」
大型犬「ガフッガフッ」
飼い主「パスカル!?パスカル!!」
飼い主「大丈夫…?」
男「多分、あれのせいだな」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:41:16.21 ID:71tF+K470
男が指差した先の光景を一言で表すならば、おぞましいもの、だった。
地面に染みこんだ血
つい先日まで命だったであろう肉片と骨片
掘り起こされた畑
散乱する土と植物の欠片
そして溜め糞。
都市部から離れ、自然に囲まれた山間部。
水のせせらぎ、伐採されずに残った森、山肌を撫でる風。
石と鉄と油とコンクリートで構成された都会では存在し得ない自然がそこにはあった。
だが、都会に溢れる二酸化炭素の代わりにそれらの悪臭が今、ここの空気を汚染している。
それを自然の一部と捉え受け入れるべきなのか、それとも悪しきものと捉え排除するべきなのか。
少なくとも、ここの主はそれを悪しきものと捉え、彼らを呼び寄せた。
その悪しきものを排除するために、駆除屋、ハンターと呼ばれる二人組は今ここにいる。
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:42:26.26 ID:71tF+K470
飼い主「酷い」
男「ほんとにな。これが全部アライさんの仕業だっていうからなぁ」
男「畑を荒らし、家畜を殺して喰って、牧草を滅茶苦茶にして、溜め糞して帰る」
男「たった一日でここまでできるなんて、こうやって見ると改めて思うよ」
男「アライグマ…アライさんってのが、どれだけやばい奴かって事を」
飼い主「害獣…」
男「あぁ。だからこその害獣。特定有害駆除対象フレンズなんだろうよ」
飼い主「…」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:44:42.05 ID:71tF+K470
男「…飼い主ちゃん。仕事がうまくいって、ここが元通りになったらまた来ればいい」
飼い主「え?」
男「アライさんを駆除できればまたここも元通りになるんだ」
男「その為にまず、俺達が頑張らなくちゃいけない」
男「だから、その、そんな悲しい顔しないで。な?」
飼い主「わたし、そんなに顔に出してました?」
男「うん。横から見てもはっきりわかるくらいには」
飼い主「やだ…見られてたんですか?ちょっと恥ずかしいです」
男「ご、ごめん。でも、ほんとに悲しそうだったから」
飼い主「こういう所結構好きだから、アライさんに滅茶苦茶にされたのを見ると…ちょっと、ね」
男「だから、俺達が頑張らなきゃいけないんだろ?」
男「アライさんを駆除できれば、ここだって元通りになるさ」
男「そうしたら、また来ようぜ。その、二人で一緒にさ」
飼い主「一緒に?」
男「だ、駄目かな!?」
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:46:50.58 ID:71tF+K470
飼い主「…」
男「」ソワソワ
飼い主「いいですね!」ニコッ
飼い主「じゃあ約束ですよ。ここが元通りになったら、また一緒に来ましょう」
男「…!!」
飼い主「よし!気合入ってきた!」グッ
飼い主「アライさん駆除頑張りましょうね。男さん!!」
男「お、おう」
飼い主「パスカルも、頑張ろうね!」ナデナデ
大型犬「ワォン!」
男(あっさり承諾されたな。もうちょっと抵抗されるかもって覚悟してたのに)
「ガキ二人で何場違いな青春してやがる」
飼い主「ん」
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:50:21.45 ID:71tF+K470
オヤジ「こんなんで本当に仕事になるのかよ?」
男(何だこのオッサン)
飼い主「仕事にするんです。わたし達三人で」
飼い主「えっと、オヤジさんでしたよね?今日は宜しくお願い致します」スッ
オヤジ「あぁ」ムニ
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:53:34.34 ID:71tF+K470
男「!?」
飼い主「…」
オヤジ「一丁前にサラシなんて巻いてやがるのか」サスサス
飼い主「っ…はい。何も巻いてないよりかは身を守れるかと思いまして」
飼い主「でもこれはアライさんからの攻撃への備えです。だからあまり触られたくないんですけど」
オヤジ「じゃあその小奇麗な顔も全部隠しちまえ。そそられちまうから」
飼い主「じゃあ今度からガスマスク用意します?溜め糞の匂いも防げるかもしれませんし」
オヤジ「生意気なガキだ」
飼い主「…ごめんなさい。でも、ほんとに止めましょう?依頼主さんも不安になりますし」
飼い主「それに仲悪くしててアライさんに足元掬われました、なんてわたし嫌ですよ」
オヤジ「…それもそうだな。じゃあ」
オヤジ「仲良くしようじゃねぇか。飼い主ちゃん」モミ
飼い主「ふっ」ビクン
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:54:48.28 ID:71tF+K470
男「おい!」グイ
オヤジ「おぉっと」
大型犬「グウウウウ…ガウッ!!」
男「大丈夫か?」
飼い主「はいっ。大丈夫です」
男「本当に何なんだよお前」
オヤジ「スキンシップだよスキンシップ。仲良くしようぜ、お互いさ」ヘラヘラ
男「スキンシップ?俺にはセクハラオヤジの言い訳にしか聞こえねぇよ」
オヤジ「言うじゃねぇか。新米の癖に」
男「空気の読めないベテラン気取りってのが大嫌いでな」
オヤジ「ほー、そうかいそうかい」
飼い主「…」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 19:58:02.93 ID:71tF+K470
牧場主「…あのー、ちょっとよろしいですか?」
飼い主「はいィッ!!!!!!!!!!」
オヤジ「」ビクッ
男「」ビクッ
牧場主「」ビクッ
飼い主「あっ…もしかしてこちらの牧場主…えぇと依頼主さんですかぁ!?」
牧場主「は…はい。そうです」
飼い主「あっ…えぇと、わたし達が今回依頼を受けて伺いましたハンターです!本じち、本日は宜しくお願いしまちゅ!!」
オヤジ(あ、噛んだ)
牧場主「いえいえ、こちらこそ。宜しくお願い致します」
牧場主「…それにしても、元気ですね」
飼い主「はい!体力勝負の仕事ですから!!バーシバシいきますよ!!!」
牧場主「ははは…では、ここで立ち話というのも何ですから。中にどうぞ」
飼い主「はい!お邪魔させていただきます!!」
飼い主「…」クルッ
飼い主「男さん、オヤジさん。行きましょう」
男「え」
飼い主「いいから!行きましょう!いいから!お仕事ですよお仕事!!」グイグイ
「「お、おう」」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:14:58.45 ID:71tF+K470
…
牧場主「数日前にアライさんの群れがこの近辺の森に移住したらしく」
牧場主「この牧場は大きな損害を受けました」
オヤジ「それが、外のあのザマって事か」
牧場主「はい。作物は荒らされ、家畜も殺され、溜め糞を残して土壌までやられてしまいました」
男「それで、すぐに依頼を出されたわけですね。今日も襲撃に来るだろうと予想して」
牧場主「昨日の襲撃で生き残れた家畜も、今日の夜生き残れるかどうか」
男「それだけじゃない。このまま野放しにしていたらここに来る人達まで襲われかねない」
牧場主「はい…牧場体験の授業で来られる小学生も来る所なので」
男はハンターになる前に見たニュース記事を思い返していた。
街中でアライちゃんに襲われ、顔を目に大きな傷を負った女の子のニュース。
アライちゃんの中でも比較的大きい部類だった事も悲劇の原因であるが、
今このコロニーを放置すればあのニュースの再現を何度も何度も繰り返す事になるだろう。
観光牧場としての役割も兼ね備えたこの牧場に来る児童を、殺して喰らうアライさんが出る事は想像に難くない。
しかも子供はアライさんに対しての警戒心が薄い。テレビで見たフレンズと同じだと勘違いしてしまっているからだ。
アライさんの所業はテレビでも報道されているが、自分が負っていない痛みを理解するには子供達は幼すぎる。
アライさんはそれを利用し、近付き、殺すか一生消えない傷を負わせる。
アライさんならやりかねない。奴らにとって他人の命は自分が利用する為だけに存在しているようなものだからだ。
飼い主「それは…このままだと危ないですね」
飼い主「でもまずはここの農作物や家畜を守る事。コロニーの排除はそれからですよね?」
オヤジ「何言ってやがる」
飼い主「え?」
オヤジ「畑や家畜を守るっつーけどよ、アライさん達は皆殺しにしても構わないんだろ?」
オヤジ「だったら来る奴全部皆殺しにしてやりゃいいってだけだ」パンッ
オヤジ「増援なんざ待つ必要もねぇ。全部ブッ殺しちまえばいい」
オヤジ「一匹たりとも逃がさず殺しちまえば、いちいちコロニー排除に出向く必要もねぇ。違うか?」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:18:14.67 ID:71tF+K470
男「…まぁ、確かに」
オヤジ「俺達はハンターだ。アライさんを殺すのが仕事だ」
オヤジ「数がどうとかは関係無ぇしあんなゴミパンダごときに遅れを取るわけがねぇ」
オヤジ「目に入った奴全部ブッ殺すだけよ」
オヤジ「その辺は、あんたもわかっているよな?」
オヤジ「たまにいるんだよなぁ。『殺す必要は無い、逃がしてやればいい』とか言う頭キラキラな奴が」
牧場主「はい。わかっています」
牧場主「貴方方に依頼したのは害獣の駆除です。アライさんが死ぬという事は、わかっているつもりです」
オヤジ「ならいい」ガタッ
オヤジ「よし行くぞお前ら!まずは罠の設置だ!昼間の内に終わらせるぞ!」
飼い主「はい!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:22:35.64 ID:71tF+K470
…
オヤジ「…よし」
オヤジ「罠の設置はこんなもんか。おい!そっちはできてんのか!?」
男「何なんだあのオヤジ…リーダー気取りやがって」ブツブツ
飼い主「はーい!できてまーす!!」
男「あの子もあの子!何で受け入れられんだよ…!」
大型犬「ガウウウウ…」
男「パスカルもそう思うか?そうだよなぁ…何だかなぁ…」
飼い主「オヤジさん凄いですね。これだけの罠を持って来て、それをこんなに綺麗に設置できるなんて」
オヤジ「あのハエガイジどもを一匹も逃がさずにブッ殺すってなったらこれくらいはしとかねぇとな」
飼い主「今度罠の使い方教えてくれませんか?」
飼い主「わたしどっちかっていうと銃専門だったから罠のちゃんとした使い方も知っておきたいんです」
オヤジ「あぁいいぜ」ニタッ
オヤジ「何なら、一緒にこっちの方も教えてやるか?」スッ
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:32:03.98 ID:71tF+K470
伸びてきたオヤジの手より先回りして飼い主の手が自分の股間を隠すように押さえた。
オヤジの手が飼い主の手の甲にぶつかり、オヤジが手を引っ込めた。
飼い主「…そこは、やめてください」
オヤジ「前は嫌か。なら後ろの方が好みか?」
男「おいアンタいい加減にしろよ!」
オヤジ「何だよ、教えてくれって言ったのはコイツだぞ」
男「それで誰がセクハラしていいっつった」
オヤジ「つーか何でお前が怒るんだよ。コイツお前の女か?」
男「な」
オヤジ「そうかそうかぁ。少なくとも片思いだな」ニヤニヤ
オヤジ「そういうの程、ヤりがいがあって燃えるんだよ俺は」
男「野朗…」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:36:07.38 ID:71tF+K470
牧場主「あの、みなさん」
牧場主「よろしかったらお昼はいかがですか?」
飼い主「お昼っ!お昼ご飯ですかぁ!?」キラキラ
牧場主「はい。勝手ですが用意させて頂きました」
飼い主「やったぁ!!」
飼い主「あっ。牧場主さん、その料理って…?」
牧場主「安心してください。アライさんの襲撃前に収穫して保管できていたもので作りましたよ」
飼い主「わぁ!それは楽しみです!!ちょうどキリのいいとこまでできたんですぐ行きますぅ!!」キラキラキラキラ
飼い主「行きましょ!早く行きましょう!?牧場産のご飯ですよ!?」
オヤジ「…」
男「…」
「「へっ!!」」プイ
飼い主「えぇ〜…」
男「…あれ?」
飼い主「どうしました?早く行きましょうよー」
男「おい…あれ、見てみなよ」クイクイ
オヤジ「はあ?」
オヤジ「…」
オヤジ「…おいおい。マジかよ」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:49:57.34 ID:71tF+K470
アライさんD「ふははははー!!」コスリコスリ
風の清らかな音が響く牧場に、不協和音が響き渡る。草原の緑の中に、腫瘍のような違和感を醸し出す青紫が蠢いている。
アライさんDが、単身で牧場に忍び込んでいた。
アライさんD「聡明なアライさんは裏をかくのだ!」
アライさんD「ヒトも他のアライさんもまさかこのタイミングでアライさんが来るとは思っていないのだ!」
アライさんD「アライさんが来るのは夜!そう思わせておいて今のうちにアライさんが支配するのだ!!」
アライさんD「夜になるまでにはこのぼくじょーちほーはアライさんの王国になるのだー!ふはははははー!!!」コスコスコスコスコスコスコス
基本アライグマ、アライさんは夜行性だ。ハンター達もそれを想定し、夜の襲撃に備えて今も準備を進めていた。
静まり返った夜、暗闇の中、群れで襲撃を行うのがアライさんの習性だ。
だが、それでは奪った作物も殺した家畜の肉も、満足いくほど手に入らない。
群れであるが故に分け合なければいけない。実際には平等に分け合うわけではないが、独り占めというわけにはいかない。
それが、アライさんDには不満だった。全てを自分のものにしたい。
それは全てのアライさんに共通した価値観であるが、アライさんDはその意志が一際強かった。
他のアライさんが寝ていたり、子供の世話をしている間に一人で牧場に忍び込み。全てを奪って去る。それがアライさんDの計画だ。
アライさん達が来た頃には、全て無くなっているのだ。アライさん達が悔しがる顔がアライさんDの目に浮かぶ。
その妄想を何度も何度も脳内で再生する事でアライさんDの気分は昂ぶっていく。
アライさんD「ふーんふーんふふーんアライさんー♪」フリフリ
昂ぶった気分を表現するかのように、即興で作った歌を歌い始めた。
アライさんD「天才聡明アライさんー♪ガーイジどもをなぎ倒しー♪」
アライさんD「天下無双のジャパリメーン♪」
アライさんD「その名もー♪その名もその名もその名もー♪」
「ゴーーーミーーーガーーーイーーージーーーー♪」
アライさんD「あーーーらーーーいーーーさーーーんーーーー♪」
アライさんD「…のだ?」
オヤジ「よう」
突然乱入してきたデュエット相手がアルカイックスマイルを浮かべながら拳を握り締めた。
アライさんD「」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:55:29.85 ID:71tF+K470
オヤジ「ふん!!」
アライさんD「きらっ!!」ブシャァッ
オヤジの正拳突きがアライさんDの顔面に叩き込まれた。
身長差もあり微妙に上から叩き込まれた、鍛えられた拳はアライさんの鼻を横に押し込み、鼻柱を折った。
アライさんD「んごご…あらいさんの…アライさんの鼻がぁ〜〜〜!!!」
アライさんD「何でなのだぁ!アライさんの策は完璧なのだ!お前ごときが破れるはずがないのだぁ!」
アライさんD「チートなのだ!チートなのだ!チートなのだぁ!」
オヤジ「チートなわけねぇだろ」
オヤジ「そのババアの服みてえな毛皮、昼間じゃ目立つってわかんねぇのかよ」
オヤジ「遠目から見てもバレバレだったぞ。緑の中にきったねぇ紫が動いてんの」
アライさんD「うぬー!!アライさんは汚くないのだぁ!!お前こそ汚いのだぁ!!」
オヤジ「汚ねぇよ。汚い上にアホだ」
アライさんD「汚くもアホでもないのだぁ!!自己紹介はそこまでにしておくのだぁ!!このアホめぇ〜〜〜!!!」クアァ!
アライさんDが歯と爪を剥き出しにして臨戦態勢を取る。
飼い主「アホだよ」バチィッ
その後ろから飼い主がスタンガンを首筋に押し付け、電流を流した。
アライさんD「あぼっ!?」
アライさんD「」ビクッビクンビクン
アライさんDは草原に倒れこみ、僅かに痙攣して動かなくなった。
その隙に飼い主は手に持った縄でアライさんをぐるぐると縛っていく。
オヤジ「やるね」
飼い主「オヤジさんが注意を引き付けてくれてましたから」グルグルグルグル
飼い主「これの処理はご飯食べてからでいいですか?」ギュッギュッ
縄をきつく結んだ後、飼い主はよしと一言呟いてから立ち上がる。
オヤジ「いっそコイツも料理してやればいいんじゃねぇか」
飼い主「嫌ですよ。調理してる間に牧場主さんが用意してくれた料理が冷めちゃうじゃないですか」
オヤジ「あはははは」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 20:57:42.26 ID:71tF+K470
アライさんD「はっ!?」ビクッ
オヤジ「うお、もう起きたのか」
飼い主「縛るのが間に合ってよかったですね」
アライさんD「うぬぬー!?何だこれはぁ!?これをほどくのだぁ!!!」
アライさんD「そうしたらアライさんの源氏の爪でズッタズタのめっちょめちょにしてやるのだ!!!」
飼い主「わぁ、それは怖いね」
アライさんD「そうなんだぞぉ!天下無双のアライさんはすっごく怖いんだぞぉ!!」
アライさんD「これをほどいて謝るなら今のうちなのだぁ!そうすれば慈母のようなアライさんはお前達を一ひっかきで許してやるのだ!!」
飼い主「やだよそんなの」
アライさんD「うぬぬぬぬ…だったらアライさんは自力で脱出してやるのだ!こんな縄、アライさんにかかれば…かかればぁ…」
アライさんD「ふんっふんっふんん!!ぬぐぐぐぐぐぅー!!!」
飼い主「…」
オヤジ「…」
アライさんD「お、お前達が油断してる隙にアライさんの爪で縄を切って脱出してやるのだ!!」
アライさんD「真っ先にお前の顔をズタズタにしてブサイクにしてやるのだ!覚悟するのだぁー!!」
飼い主「嫌だって言ってるじゃん」グイ
アライさんD「おぉ?」
飼い主「だから」
飼い主「その爪使えなくするね」
ばき、と音が鳴った気がした。オヤジの目の前で何かが折れた音がした気がした。
飼い主は、今オヤジの目の前でアライさんDの手と指を両手で掴み
その指を、チューペットアイスを折るように、一本へし折った。
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 21:03:23.90 ID:71tF+K470
アライさんD「お」
アライさんD「おんげええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?!」
アライさんDの指を、一本一本丁寧に、あらぬ方向にへし折っていく。
へし折るごとに、アライさんDが悲鳴を上げる。
アライさんD「お…おぁあ…アライさんの…お手てがぁ…」
後ろ手に縛られてアライさんDからは見えないが、アライさんDの右手の指の全てがあらぬ方向を向いていた。
紫に変色する指、骨が飛び出した指。素人目から見てももう使い物にならないとわかる骨折の仕方だ。
アライさんDの頭を片手で掴み、もう片手でナイフを掴む。
飼い主「依頼主さんがびっくりするからちょっと黙ってろ」ザクッ
アライさんD「おっ!?」
アライさんDの首にナイフの切っ先を突き刺し、僅かに横に滑らせて引き抜く。
アライさんD「は…はひゅ〜?ひゅっひゅ〜?」
飼い主のナイフはアライさんDの声帯の一部を切っていた。
これでもう二度と、アライさんDはやかましい大声を出す事はできない。
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 21:07:01.51 ID:71tF+K470
もう片手の指を全部へし折った後、近くのカゴ罠の中にアライさんDをぶち込む。
アライさんD「ひゅ〜…あらいひゅ〜…だひゅ〜…」
飼い主「よし。これで大丈夫」
飼い主「オヤジさん。ご飯に行きましょう」
オヤジ「お、おう…顔に似合わずすげえ事するな」
飼い主「顔は関係ありません!」
飼い主「わたしだってハンターですから」ニコッ
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2017/11/18(土) 21:16:44.97 ID:71tF+K470
急用が入ったのでまた後で書きます
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 22:25:04.37 ID:/mZW6xKd0
乙でしゅ
セクハラオヤジさん嫌い(直球)夜の駆除活動も楽しみです
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 22:26:16.59 ID:ot6SnVvAo
私半コテ嫌い!
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 23:51:01.39 ID:gbR5inGBo
(セクハラオヤジみたいなヘイトキャラはアライさんだけで十分なのでいら)ないです
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 07:59:06.92 ID:DxjKl1+jo
おぉ、更新来てた
どんな駆除されるのかなーwktk
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 08:52:03.11 ID:zzOxpPl9o
外でウンコして帰るのなら溜め糞とはいわないんじゃ……?
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 09:57:57.84 ID:7fsrtoeF0
セクハラオヤジさんホラー映画で真っ先に死にそう、更新乙です
92 :
>>90オラヤッチマッタダー/(^o^)\
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 17:34:47.35 ID:g41OcEhy0
…
男「」モグモグ
オヤジ「」モグモグ
飼い主「♪」モグモグ
飼い主「あぁ美味しい…♪特に、この、たまねぎ…♪噛んだ時のシャキシャキ感とざっと広がる味がぁ…」ホワァー
テレビ「…次のニュースです」
テレビ「昨日、人気アイドルユニットPPP(ペパプ)のメンバーの一人、フンボルトペンギンのフレンズのフルルさんと」
テレビ「フンボルトペンギンのワイン君の初めての結婚記念日を迎え、PPPメンバーや著名人、ファンが集まりパーティライブが開かれました」
オヤジ「PPPか…フルルも何か、人妻になってからエロくなったよなぁ」
男「人妻じゃなくてペンギン妻だけどな」
オヤジ「見ろよ。あんな可愛い顔して、やる事やってんだぜ?どう思うよ飼い主ちゃん」
飼い主「ふ、夫婦ならそういう事もすると思います…夫婦ですし」
オヤジ「アイドルがペンギンと毎日子作りセックスだぜ?」
飼い主「アライさんだってアライグマとセエッチして子供産んでるじゃないですか。フレンズならそういう事もします」
オヤジ「お?今何て言おうとした?セ?セ?」
飼い主「エッチ!エッチですよ!もう!」
男「だからいい加減にしろよセクハラオヤジ。お前の性欲アライさんかよ」
93 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 18:10:32.72 ID:g41OcEhy0
オヤジ「あぁそうだ。飼い主ちゃんは何かのフレンズなのか?」
飼い主「え?」
オヤジ「そこらのサーバル喫茶のサーバルよりよっぽど美人だと思うぜ飼い主ちゃんは」
男「セクハラから口説き落とすのにシフトしたのかエロジジイ」
オヤジ「ジジイだとふざけんじゃねぇよお前!?ダンディなおじさまだろぉ!?」
飼い主「おじさま、ありがとうございます。でもわたしは、ヒトですよ」
飼い主「お母さんも、お父さんも、普通のヒトです」
飼い主「アライさん…達に、殺されましたけど」
94 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 18:13:30.41 ID:g41OcEhy0
その一言で空気が変わった。話を振り出したオヤジでさえも、言葉に詰まった。
飼い主は食器の奥、何も無い空間を見据えながら自分の心を告白していく。
飼い主「お父さんも、お母さんも、いい人でした。少なくともわたしにとっては」
飼い主「だから、わたしはお父さんとお母さんを殺した奴らを殺したいんです」
飼い主「その為に、ハンターになりました」
そこまで言い切ると、飼い主は料理を一気に口の中に入れて飲み込む。
箸が進んでいない二人を置き去りにして、皿の中を綺麗に食べつくした。
目の前で両手を合わせた後、飼い主は席から立った。
飼い主「すみません。先に行ってますね。さっきカゴ罠に入れたアライさんが気になるので」
男「あ…うん」
95 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 18:18:47.55 ID:g41OcEhy0
飼い主がいなくなった部屋の中、料理を食べ終わるまで二人の鼓膜を揺らしていたのはテレビから聞こえる音声だけだった。
テレビ「まるで映画のような運命的な出会い」
テレビ「そして影川財閥というあまりにも大きな障害」
テレビ「卑劣な妨害を受けながらもジャパリパークから大脱出を果たし、結ばれた二人」
テレビ「これからも、末永い幸せが、二人にあり続ける事を祈っています」
96 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 18:25:47.85 ID:g41OcEhy0
テレビに映るアナウンサーがそう言い終わった直後、屋外で銃声が響き渡った。
悲鳴は聞こえない。やかましい大声も、絹を裂くような悲鳴も。
今頃ゴキガイジムーブを晒しているのだろう。そう思いながら男は料理を口に入れた。
97 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/19(日) 18:28:30.73 ID:g41OcEhy0
♪Aパートおわり♪
♪後半へつづく♪
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 18:47:33.56 ID:nTIjbjjg0
おじさんは覚醒するかゲスのまま死亡するのどっちかだな
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 18:48:28.58 ID:ACN3ywFco
乙です
飼い主ちゃんは超絶かわいいっとφ(..)メモメモ
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/19(日) 19:22:19.26 ID:H10QX9CiO
サーバル喫茶って何だよ…
101 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 21:25:50.31 ID:q60a3jy60
オヤジ「せっかく巣の場所を聞けたってのに攻め込まないのか?」
飼い主「はい。ここで待ち構えていた方がいいと思います」
銃の整備をしながら飼い主が答えた。
食事を終えた飼い主は捕らえたアライさんを拷問して巣の居場所を聞き出した後すぐさま射殺した。
先程聞こえてきた銃声は、やはりアライさんを射殺した証だったのだ。
二人が遅れてカゴ罠の場所に向かった時、そこには拳銃を握った飼い主と頭を撃ち抜かれてアへ顔を晒しているアライさんDがいて
それを見たオヤジはこの地球で一番見たくなかったアへ顔だな、とぼやいていた。
オヤジ「攻め込んだ方がよっぽど楽だと思うぜ?あのゴミパンダども、慌てふためくだろうよ」
飼い主「アライさんの言う事を信じるんですか?わたしは、あれが絶対本当の事を言うなんて思えません」
飼い主「せっかくオヤジさんがしっかり設置してくれた罠が意味無くなっちゃいますし」
飼い主「何よりアライさん探して帰ってきたらここが荒らされてました、ってのが一番最悪です」
飼い主「だからここで待ち構えていた方が確実です」
飼い主「まぁ、ちょっとそっち方面を注意しておくくらいはしますけど」
102 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 21:38:01.72 ID:q60a3jy60
飼い主「ちなみにオヤジさん。アライさん狩りの時はアライさんとアライちゃんどっち優先してます?」
オヤジ「え?俺は目に入ったもん全部ブッ殺すからなぁ。特に優先とかは無いぜ」
飼い主「じゃあ、アライさんはわたしが優先して殺します」
男「それはどうして?」
そう言葉にした後、男は飼い主と初めて出会った時の事を思い出した。あの時もアライさんを先に仕留めてから、大型犬をけしかけていた。
自分を助ける為というのもあったのだろうが。そこまで考え、飼い主の次の言葉を待った。
飼い主「アライちゃんも、確かに害獣です。でも一匹そこらだったら素人の小学生でも楽に駆除できます」
飼い主「だけどアライさんは、特に完全に成長しきったのは脅威です。野生解放でも使えば一匹だろうが簡単に人を殺せます」
飼い主「それにアライさんをそのままにしていれば、あいつらは人間かアライグマの精子で簡単に繁殖します」
飼い主「フレンズは基本多産です。繁殖を許してしまえばいつまでたっても数は減りません」
飼い主「だから、わたし達ハンターが絶対に殺さないといけない。最悪の場合、草の根を掻き分けてでも、アライさんを見つけ出して殺さなきゃいけない」
飼い主「アライさんハント…アラ虐の、本当の意義はそこにあると思います」
飼い主「アライちゃんではなく、アライさんをいかに殺すか」
飼い主「殺しやすい劣化品の紛い物で満足するのではなく、アライさんそのものを、いかにどれだけ殺すか」
飼い主「アラ虐のプロとして、そうあるべきじゃないかな…って思うんです」
オヤジ「立派な心がけだこと」
飼い主「勿論、全部殺せるのが一番いいですけどね。目の前の脅威を考えるとまずはアライさんを最優先で殺した方がいい。わたしはそう思います」
飼い主「もし万が一逃がすならアライさんよりアライちゃんの方が、後の被害的にはマシだと」
オヤジ「まぁ確かにそうか。ヨチラー一匹なら飢え死にするかカラスにでも食われて勝手に死ぬかもしれねぇしな」
男「その分アライさんは野生解放したら厄介だしな…」
飼い主「アライさん殺したから報酬を多く貰うとか言いませんし、アライさんしかいなかったらアライさんを殺してくださって構いません」
男「かと言ってアライさんだけを狙い撃ちにするわけにもいかない」
飼い主「だから、分担します。わたしはアライさんを優先して殺します。お二人には数の多いアライちゃんを優先して殺してほしいんです」
103 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 21:51:22.82 ID:q60a3jy60
男「わかった」
オヤジ「了解。でも本当にそれだけか?」
飼い主「え?」
オヤジ「確かに飼い主ちゃんの言う事は一理ある。だがな」
オヤジ「生き残ったヨチラーが妙な知恵を付けたとしたらどうなる?」
オヤジ「あの、人を不快にさせる事に関しちゃ影川以上のうんこのフレンズが知恵を得ても何もしないと思うか?」
オヤジ「例えば、今ほどぎゃあぎゃあ騒がずに畑や牧場に忍び込むようになる、とか」
オヤジ「人間の知識を身に付けて、コロニーなんて比じゃねぇ国みたいなもんを作り出す奴が出るかもしれない」
オヤジ「あいつらだって人間みてぇな姿を得たフレンズだ。ガイジだって言われてても人間並の知能レベルがあるんなら」
オヤジ「原始人…いや下手すりゃ古墳時代レベルの人間みてぇな事をし始めるかもしれねぇ。そうなりゃ厄介だぜ」
オヤジ「そうならねぇ為にも今のうちにガキのヨチラーを優先してブッ殺して未来を無くしちまう、っていう考えもできる」
オヤジ「飼い主ちゃんの言う事には一理ある、が。結論を急ぎすぎている…?まぁ、何て言ったらいいか」
オヤジ「どうもひっかかる」
104 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 21:59:49.82 ID:q60a3jy60
オヤジ「勘だけどな」
飼い主「…」
オヤジ「両親を殺された復讐がしたいのか?」
飼い主「!」
飼い主「復讐は、したいです。でもそれなら別にアライちゃんでもいいじゃないですか。同種族なんですから」
飼い主「復讐は、アライさんを優先して殺す理由にはなりませんよ」
オヤジ「じゃあ、何だ?」
男「おいオヤジ」
飼い主「…わかりました。ちゃんと言います」
飼い主「本当は」
オヤジ「…」
男「…」
飼い主「狙いやすいからです」
飼い主「わたし、力そんなに無いから銃撃つ時ブレるんです」
飼い主「だから、的が大きい方が当てやすいかな…って、思って」
男「…」
オヤジ「…」
オヤジ「ぷふっ!!」
オヤジ「なんだ!そうならそう言えばいいんだよかっこつけやがって!」パン
飼い主「ひゃぁん!」
オヤジ「いい尻だ。感動的だな」カンドモジョウジョウ
105 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 22:07:04.91 ID:q60a3jy60
飼い主「っとにかく、それでいいですか!?」モマナイデクダサイ!
オヤジ「あぁ大丈夫だぜ。お姫様の武勲の為に雑兵は俺達が排除してやろうじゃねぇか」
男「あぁーそうだな。誤射には気を付けとけよお前」
オヤジ「そりゃこっちの台詞だ。未亡人NTRってのもそれなりに興奮するしな」
飼い主「」クルッ
飼い主「二人とも、絶対に死なないでくださいね」
飼い主「死んじゃったら、わたし悲しいです」
「「…」」
男「命拾いしたなお前」
オヤジ「俺もNTRされる側にはなりたくねぇからな」
オヤジ「あぁそうだ、ならこうしよう。殺した数が多い方が飼い主ちゃんにイイコトして貰う」
男「ふざけんな」
オヤジ「何だ、自信無いのか」
男「どうやって数えるんだよ。それにあの子がそれを聞くと思うか?」
オヤジ「わがまま聞いてやったんだから一個くらいいいだろ?って言えば何とかなる気がしないか?」
男(…何とかなる、気が、しないでもない)
オヤジ「んじゃ、決まりだな?ひぃー!楽しみだなぁ!」
飼い主「…そろそろ、来ますかね。二人とも、気を付けてくださいね」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/23(木) 22:15:26.77 ID:+yTeLGgKo
一匹で人間殺せるって
ここのアライさんって危険だな
107 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 22:41:54.71 ID:q60a3jy60
…
アライさんE「ふははははー!!!」
アライさんE「ちび達よ!ここがアライさんの新たな狩り場なのだ!!」
牧場の片隅に、森の入り口に、アライさんの群れが蠢いている。
108 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 22:45:44.15 ID:q60a3jy60
アライちゃんI「おおおおおお!!!しゅごいのらああああ!!!!!」
アライちゃんJ「きょーだいなそーげんなのら!えもののにおいがたくちゃんすりゅのりゃ!!」コスコスコスコスコスコスコスコス
アライちゃんJ「あらいしゃんのひめられしやせーのちがうずくのらぁ〜〜〜!!」ブンブンブンブン
アライちゃんK「のりゃぁああああああ〜〜〜〜〜〜!!!!!ありゃいしゃんおーこくなのりゃああ〜〜〜〜!!!!」
アライちゃんL「おーきょきゅなのりゃぁああ〜〜〜!!あびゃいしゃんたちはきじょくなのりゃああああああ〜〜〜〜!!!!」
アライさんF「そうなのだちび達よ!ここはアライさんが作り上げた新たな王国」
アライさんF「新アライさん王国なのだぁ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
アライちゃんI「おぉおおおおおお〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」シッポブンブンブンブンコスリコスコスコスコスコスコスコスコス
109 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 22:56:41.81 ID:q60a3jy60
アライさんF「もうすぐアライさんのお城が見えてくるのだ!!」
アライさんFが暗闇を指差す。その指の先には確かに建物がある。
だがそれは城、ましてはアライさんのものでは決して無い。今回の依頼主、牧場主の家。そして牧舎だ。
アライさんE「あそこにはアライさん達の家来が控えているのだ!あいつらはアライさんの為に命を差し出す忠実な下民なのだ!!」
すっかり自分達の王国であると信じて疑わなくなったアライさんEは大言を吐く。この汚物に指し示された者達の意志を完全に無視して。
牧場主はアライさんの家来ではない。彼が育てている家畜も家来ではない。ましては忠実な下民では断じてない。
アライちゃんM「でもじぇんじぇんみえないのらぁ!!おかーしゃんうそつきになっちゃったのだぁ!?!?」
アライさんE「うぬぬ!?アライさんは嘘吐きではないのだ!素直ないい子なのだ!!」
アライちゃんL「でもみぇないのりゃ!!!おかーじゃんたちがうぞついているからじゃないのがぁー!?!?」
アライさんF「うぬぬぬぬ…アライさんを疑うようなちびに育てた覚えはないのだ!!そんな奴はガイジなのだ!!」
アライちゃんM「のああああああ!?!?!?!?おかーしゃんひどいのりゃあああ!?あらいしゃんがいじじゃないのだああああああああ!!!!」
アライちゃんM「ありゃいしゃんはがいじじゃないのりゃあああああ!!!!でもこいつはがいじなのだああああああああ!!!!!」
アライちゃんL「んぬあああああぁああああ!?!?!?ありゃいじゃんのがいじじゃないのだあああああああ!?!?!?!?!?!?」
アライさんE「待つのだアライさんよ!ガイジと言った奴がガイジなのだ!アライさんはガイジではないのだ!!」
アライさんE「ちびよ!目に入ってくるものだけが全てではないのだ!鼻を使って視るのだ!!」
アライちゃんM「ふんっふんっふごふご…」
アライちゃんL「ふんっ!ふんっ!ぶぅううううううううん!!!!」
アライさんEの言う事に素直に従い、アライちゃんMとLが鼻を鳴らし始めた。つまり、嗅覚で物事を探知しにかかったのだ。
そしてアライちゃんMはその、不本意にも整えられた鼻で慣れ親しんだ匂いをかすかに感じ取る。
アライちゃんM「うんちのにおいなのらぁあああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!!」ブンブンブンブンブンブンブンブン
昨日忍び込んだ時に残していったアライさん達の糞の匂い。
アライさん達が自分の、自分だけの場所であると示す為のマーキングとして残されていたのだ。
110 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:13:44.59 ID:q60a3jy60
この汚物にとって糞を残す事とは、人間の価値観で言う所の月に旗を立てる事と同意義、否それ以上の価値があると信じているのだ。
だが、所有権の証の匂いに混じって違う匂いも感じ取った。
アライちゃんM「でもなんかほかのにおいもあるのらぁ…おねーしゃんのにおいなのらぁ…」
アライさんG「はっ!?」
アライさん達の脳裏に嫌な予感が走る。そして狩りに出ると行っても姿を見せなかったアライさんDの事を思い出した。
そこに来てようやく、アライさんDの単独行動に気が付いたのだった。
アライさんG「何でそんな大事な事を早く言わないのだ!?このガイジ!!!」
アライちゃんM「のああああああ!?!?!?!?だからあらいしゃんがいじじゃないのだああああああああ!!!!」
アライさんG「ガイジなのだ!!お前のせいでアライさん王国の危機なのだ!!!ガイジ!ガイジ!!反省しろガイジ!!!」
アライちゃんM「びえぇええええええええええええええ!!!!!!!がいじじゃないのにいいいいいいいいい!!!!!!!!!!」
アライさんE「うぬぬぬぬぬぬぬぬー!!あいつめー!!どっかに消えたと思ったらまさかアライさん達の食べ物を独り占めする気なのだぁ!?」
アライさんE「許るさーん!なのだぁ!!正義の刃で退治してやるのだ!!!」コスコスコスコスコスコスコスコス
アライさんF「どうせちびも産めないクソガイジなのだ!!ここでアライさん達が始末するのが正義なのだ!!!」コスコスコスコスコスコスコスコスコス
アライちゃんK「おかーしゃんかっこいいのらぁー!!!」
アライさんF「そうなのだ!!あんなクソガイジ、内臓を引っ張り出して吊るし上げて晒し者にしつつ少しずつじわじわとかじってやるのがいいのだ!!!」
111 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:27:32.76 ID:q60a3jy60
そう叫ぶアライさん一行の目の前に、アライさんDの姿が見えた。
棒に括り付けられ、開かれた腹部から内臓を垂れ下がらせ釘で留められ、棒の先端に頭部が突き刺さったアライさんDの姿が。
先端に突き刺さった頭部の両目に、雪だるまが顔を形作るように枝が一本ずつ突き刺さっている。
耳にも枝が一本ずつ刺さっている。枝の先にはまだ葉が残っていて、昔の漫画のようなシュールさを感じさせる。
開かれた腹部の隙間にはこれでもかというほど牧草が詰め込まれている。
まるで、誰かに見せ付ける為に作り変えられたアライさんDはグロテスクな彫像、エフィジーになっていた。
飛び出し、括り付けられた内臓やアライさんのパーツの数々は、狂気を孕んだ者から見れば一種の芸術性すら感じさせるだろう。
これを作り出した飼い主の意図は芸術表現ではなく、今これを見ているアライさんの群れへの威嚇なのだが。
112 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:43:02.93 ID:q60a3jy60
アライさんF「のああああああぁああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」
アライさんFは思わず絶叫した。アライさんF自身一番残酷な処刑を思い付いたつもりが、
その数十秒後にあっさりとそれを上回る方法でアライさんDが死んでいるからだ。
発想のスケールでの敗北、そして自分で殺そうとしていたとは言え、想像していなかった家族の死に様にアライさんFは絶叫した。
アライちゃんJ「ぎょべえええええええええええええええ!?!?!?!?!?!?!?!?」ジョボオオオオオオオオオオオオオ
アライちゃんL「びいぃぃいいいいいいいいいいいいいい!?!?!?!?!?!?!?!?」ジョボオオオオオオオオオオオオオ
アライちゃんK「ひぎぁあああああああああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?」ジョボオオオオオオオオオオオオオ
アライちゃんM「こあいのだああああああああ!!!!なんにゃのらこれはああああああああ!?!?!?!?」
アライちゃん達もあまりにも衝撃的な現実を目の前に失禁した。実際汚い。
113 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:49:35.95 ID:q60a3jy60
アライさんF「そんな…アライさん王国の下僕がアライさんに歯向かう訳がないのだ」
アライさんF「アライさんは偉大なのだ…その偉大なアライさんに歯向かう下僕が、いていいはずがないのだ」
アライさんE「…人間なのだ」
アライさんE「人間が、アライさん王国を横取りする為にアライさんを処刑してここに晒したのだ」
アライさんF「人間?」
アライさんE「お母さんが言ってたのだ。人間は、アライさんの全てを奪う為に卑劣な真似をする巨悪であると!」
アライさんE「アライさんの大切な…何かを奪っていった!!巨悪であると!!!」
アライさんG「巨悪…」
アライさんEが拳を握り締める。その汚れた手の平に、全人類が載っているかのように感じながら。
114 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:51:43.59 ID:q60a3jy60
アライさんE「ちび達よ!!」
そして叫んだ。怒りを糧として。けたたましい叫び声が夜空に、草原に響き渡る。
アライさんE「怯んでは駄目なのだ!!怯えては駄目なのだ!!これは人間からの宣戦布告なのだ!!!」
アライさんE「これは人間がアライさん王国を独り占めにする為の!卑劣な策なのだぁ!!!!」
アライさんE「それに負けてはならないのだ!!屈してはならないのだ!!臆せず進むのだ!!!!」
アライさんE「人間が何なのだ!アライさんはアライさんなのだ!!」
アライさんE「天下を取るアライさんの覇道を邪魔するものは、全て殺して進むのだ!!」
アライさんE「それがアライさんなのだ!!!それが!!!!アライさんの生きる道なのだ!!!!!!!!」
アライちゃんM「おかーしゃん…」
アライちゃんJ「かっこいいのらぁ…ひっとらーみたいなのだぁ…もーたくとーみたいなのだぁ…」
アライちゃんK「はいるおかーしゃん!はいるおかーしゃん!」
アライちゃんM「は…はいるおかーしゃん!はいるおかーしゃん!」
アライちゃんL「はいるおがーじゃん!はいるおがーじゃん!」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかーしゃん!」」」」
「「「「はいるおかああああしゃああああああん!!!!」」」」
115 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:55:39.72 ID:q60a3jy60
アライさんE「総員、突撃なのだああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
手に持った槍を掲げたアライさんEを先頭に、アライさんの群れが牧場に押し寄せる。
巨悪を殺し、あそこで待っている下僕を喰らい尽くすために。
誇りと、食欲と、独占欲と、支配欲等々等
ありとあらゆる強欲を心の内に敷き詰めて、アライさんの群れが牧場に押し寄せた。
116 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/23(木) 23:56:45.15 ID:q60a3jy60
♪続きはまたこんど♪
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/23(木) 23:59:39.65 ID:cYASpBmp0
これは飼い主ちゃん相当憎んでますね・・・。
乙です
118 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/24(金) 00:00:19.37 ID:o89Vnh2m0
乙でしゅ
うわー大変だーこれは強敵だぞー(棒)
どこのアライさんも大抵は根拠のない自信を持ってるから滑稽ww
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/24(金) 04:08:05.97 ID:T+xOSkK4o
ほんとこいつらの根拠のない自信はどこから来るのか…
120 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 20:51:23.06 ID:IIcKHLWt0
男「来るか」
飼い主「来ますね」
オヤジ「来るけど、どれだけここまで来るかな?」
飼い主「罠にどれだけ引っかかるか、ですね」
男「そもそもどれだけ来ているかもこう暗くちゃわからないな。あのやかましさからして結構な数来てるみたいだけど」
男(少なくとも、初めて飼い主ちゃんと会った時よりは多いはずだ)
男(あの時のような事には絶対にならない。もう二度とあんな格好悪い所を飼い主ちゃんに見せられるか)
飼い主「とにかく、罠エリアを越えた奴から殺していきましょう」
飼い主「パスカル。大変だと思うけど、今はじっと待つんだよ」
飼い主「パスカルの出番はわたし達が動き出したその後だから」ナデナデ
大型犬「ウゥン」
121 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 20:58:24.00 ID:IIcKHLWt0
「「「「「おぉおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」」」」」
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドコスリコスリズドドドドドドド
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドコスリコスリズドドドドドドド
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドコスリコスリズドドドドドドド
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドコスリコスリズドドドドドドド
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドコスリコスリズドドドドドドド
アライさんの群れが暗闇の草原を走る。
「「「「「おぉおおおおお〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」」」」」
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
アライちゃんの群れが暗闇の草原を這う。
奇声を上げながら、自分の正義を確信しながら暗闇の草原を突き進んでいく。
だがアライさん達は気付いていない。アライさんの移動速度とアライちゃんの移動速度には差がある事を。
全速力で走るアライさんと全速力で地を這うアライちゃんの差がみるみる開いていく。
そして、アライさんの体力とアライちゃんの体力にも差がある事も気付いていない。
自分の娘、アライちゃんが息も絶え絶えになっているがアライさん達が止まる様子も無い。
アライさんには前しか見えていない。人間と家畜を殺し、作物を喰らう事しか頭に無い。
アライちゃんN「もうちゅかれたのだぁ!!」グデー
アライちゃんO「あらいしゃんはあんやくするぐんしになるのだぁ!!ここでゆっくりするのだぁ!!」グデー
そうしている内に脱落し、進むのを止めるアライちゃんが出始めた。
122 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:06:23.57 ID:IIcKHLWt0
だが昔から言い伝えられている事がある。立ち止まってこそ見えてくるものがある、と。
人間の間での言い伝えだが、同レベルの知能を手に入れたフレンズにも当てはまる言葉である。
つまり、止まったアライちゃんだからこそ視えるものも視えてくるのだ。
アライちゃんN「んっ!?んんっ!?」フンフンフンフン
アライちゃんN「あそこにおいしそうなごはんがあるのだぁ〜〜〜〜!!!」キラキラキラキラキラキラキラ
これ以上走らなくても、苦労せずに手に入る食べ物。
全速力で走るアライさん達が見落とした食べ物の存在は、走る事を止めたアライちゃんだから視える。
アライちゃんO「なんかおもしろそうなものがあるのりゃああ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」コスコスコスコスコスコスコスコスコスコスコス
遠くにあるかどうかもわからない王国よりも近場にある遊び場の存在は、走る事を止めたアライちゃんだから視える。
アライちゃんN「あんないのししむしゃなんてもうしらないのりゃぁ!!あらいしゃんはこのごはんたべるのりゃぁ!!」
アライちゃんN「あらいしゃんはくればーなのだ!ろーりすくはいりたーんがもっとおなのりゃあ!!あすよりもきょうなのりゃぁ〜!!!」
そして目的を投げ捨て、その食べ物に一直線で向かう。
アライちゃんO「あっちのほうがおもしろそうなのりゃあ〜〜〜〜〜〜〜♪」
目的を投げ捨て、その遊び場に一直線に向かう。
123 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:08:16.34 ID:IIcKHLWt0
アライちゃんN「らくしてたべるごはんはおうぃひぃ〜のりゃぁ〜♪」クッチャクッチャコンコングチュグチュグッチャグチャ
アライちゃんN「のりゃ?」ガチャン
アライちゃんN「でられないのりゃあああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?」
そしてカゴ罠で捕まる。
アライちゃんO「てがぬけないのりゃああああああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?!」
捕獲器具に手を取られる。
「「おがああああじゃああああああん!!!だじゅげでえええええええええええええええ!!!!!!!!!!」」
そして母親、自分を助ける事を義務としているに違いない存在に助けを求める。
124 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:21:39.79 ID:IIcKHLWt0
アライちゃんJ「なにやってるのらがいじーーーー!!」
アライさんG「放っておくのだ!あんなアホ晒すガイジなんて、どうせどっかで死んでいたのだ!今死んでせいせいするのだ!!」
アライさんG「神聖アライさん王国にガイジはいらないのだ!!人間に殺してもらうがいいのだぁ!!!」
アライちゃんI「ガイジのしょぶんしてくれるなんてヒトしゃんもたまにはいいことするのらぁ〜」ケラケラケラケラ
アライちゃんN「のあぁあああああああ!?!?あらいしゃんがいじじゃないのらあああああ!!!おがあああじゃあああああん!!だじゅげでええええええええ!!!!!」
アライさんH「お前みたいなガイジはアライさんの娘なんかじゃないのだ!!そこで飢え死にするのだ!!」
アライさんH「あぼ!?」ガシャ
余所見していたアライさんHが目の前に電気柵に直撃する。
そして、電流が流れ始める。
アライさんH「おぉおおおおおおぉおおおんざばあばばばばっばばばばばばあっばあああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?!?」ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ
死んだ魚か、垂れ流された糞のように垂れ下がる尻尾までびんと伸ばしながらアライさんHが痙攣する。
アライさんH「」ピクピクピクピク
痛みによる恐怖心の植え付けでなく、気絶もしくは死亡するよう調整された電気柵の洗礼を存分に受け、アライさんHは倒れた。
125 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:35:52.84 ID:IIcKHLWt0
アライさんG「い、妹おおおおおおおおおおおお!?!?!?!?!?!?」
アライさんE「落ち着くのだ!あれに触れたらああなるって事は飛び越えればいいのだ!!」
アライさんE「野生解放で!!!」
そう叫んだ途端アライさんEの身体が光りだし、特に瞳に大きな光が宿った。
野生解放。体内のサンドスターを消費して一時的に身体能力を向上させるアニマルガールの特殊能力。
これこそが、アライさんがたった一匹で人間を殺害しうる危険な害獣と認められた原因である。
フレンズ化により人間並、平均140cm台の大きさを手に入れた上、野生開放を使えば人間を凌駕する戦闘能力を得られる。
人間慣れしたアライさんはその力を使って人間を襲い、喰らう。
無遠慮に、無差別に、自分の食欲だけに従い殺戮し喰らう。そして数を増やす。人間を殺す、化物の数を増やしていく。
銃刀法が改法され、拳銃の所持が認められたのはこの野生解放したアライさんに少しでも対抗する為、護身の為であるのが大きい。
アライさんE「たぁ〜〜〜〜〜〜!!!!」シュバッ
アライさんEはその恐るべき力を使い、電気柵を飛び越えた。
「「「「たぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」」」
他のアライさんもアライさんEに続き、野生解放して飛び越える。
126 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:49:22.23 ID:IIcKHLWt0
アライさんI「ふん!」ズサッ
一際高く飛び上がったアライさんIが右足左足左手の三点を地面に着け着地する。
所謂スーパーヒーロー着地だ。膝に悪いと有名なスーパーヒーロー着地だ。でもみんなやる。
電気柵を飛び越えたアライさん達、アライさんIの身体からも光が消えていく。
サンドスターを節約する為に必要な時以外は野生解放は控えるべき、という事をアライさん達は本能的に悟っていた。
「「「「「うぬぬぬんうぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬーーーーー」」」」」ヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチヨチ
続いて脱落しなかったアライちゃん達も電気柵の下を潜り抜けてきた。
三人のハンターが設置した罠エリアは、アライさんの群れによりついに突破されてしまった。
だがしかし
アライさんI「ぼっ!!」パァン
着地の体勢のまま顔だけを正面に向けたアライさんIの顔面に穴が開き、後頭部からその軽い中身を盛大にぶちまけた。
アライさんI「」グチャァッ
アライさんI「」ビクンビクンビクッビクビクビクビクビクビクガクガクガクガクガックゥン
仰向けに倒れたアライさんIがゴキガイジムーブをする。アライさんIの脳は完全に破壊されていた。
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 21:58:27.77 ID:qEv2sC5Io
このスレのアライさん常時テンション高くて若干ゃ読みづらい
128 :
◆7Yg2t5JHRU
[saga]:2017/11/27(月) 21:59:20.04 ID:IIcKHLWt0
飼い主「まず一匹。あれだけ光ってて隙だらけなら遠くからでも当てられる」
飼い主「ただ、わたしの腕じゃもうライフルは難しいです」ガチャ
オヤジ「ちょっと近付くか。こう暗くちゃそうするしかないか」
男「あれが野生解放か。なんて力だありゃ」
オヤジ「何だ見るの初めてか?うっかり殺されるなよ?」
オヤジ「こっからが本当の勝負だからな!!」
飼い主「オヤジさん、手筈通りに」
オヤジ「了解だお姫様!でも建物に近付く奴は問答無用で殺すぜ!!」
オヤジ「あの様子じゃ、一匹でも入られたら依頼主が殺されかねないからな!!」
飼い主「はい。その時は問答無用でお願いします」
飼い主「男さん。ここにいるみんなと、お互いの命を守る為に戦いましょう」
男「…あぁ」
飼い主「パスカル、行くよ。目に入った奴、全員殺せ」
大型犬「ガァーウ!!!」
129 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 22:00:01.18 ID:fG2+WKDRo
アホでバカで害獣なアライちゃんだが
こういう罠に簡単に掛かるとこだけはアホ可愛く見える、もちろん[
ピーーー
]けど
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