Pの姉妹はトレーナー!【アイドルマスターシンデレラガールズ】

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1 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:27:41.04 ID:6/0ptyab0
両親が事故で亡くなってから僕の人生は変わった。

麗「今日からわたしたちは姉弟だからな」

親戚である青木さんちの長女『麗』がそう言った。

聖「私のこともお姉ちゃんって呼ぶんだぞ!」

次女の『聖』は鋭い目つきで言ったものだから、僕は怖くなって、頷いた。
聖姉ちゃんは満足げだったと思う。

明「あ、わたしも! わたしもお姉ちゃん!」

三女『明』も食いつくように身を乗り出した。
僕が呼ぶのを渋っていると泣き出しそうだったので、慌てて明姉ちゃんと呼んだ。

慶「お兄ちゃん!」

それだけ言って抱き付いてきたのが末っ子の慶ちゃんだ。
僕はよしよしと頭を撫でて、目いっぱい可愛がった。

それから月日が流れて、俺も晴れて社会人二年目を迎えた。
先日、明姉ちゃんの24歳の誕生日を祝い、暑い時期が今年も訪れる。
2 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:28:34.27 ID:6/0ptyab0
俺、『青木詠』は姉妹たちと同じ、346プロダクションで働くプロデューサーだ。
アイドル部門の担当で、元気な新人アイドルを任されることになった。

姉たちは346プロの専属トレーナーで、アイドルのレッスンを指導している。つまり嫌でも顔を合わせることになる。さすがにこの歳で姉同伴というのは恥ずかしかったりするのだが、当の姉たちは気にしていない様子。

妹の慶ちゃんも大学で勉学に励むかたわら、アルバイトとして346プロダクションに来ては姉やアイドルのサポートをしている。

会社の先輩からはシスコンとなじられたりする。正直に言うと嫌だ。
まあ、シスコンはあながち間違いではないのだが……。

それは置いといて、明日の朝も早い。
俺はたまたま、姉妹との馴れ初めを思い出して感傷に浸っていたのだが、明日の仕事のことを考えて就寝することにした。

就寝時刻は22:00だった。

夢を見ていたかもしれない。

『……て……きて……お……て……』

聞き覚えのある声が耳元に届いてきたと思ったら突風に襲われた。
3 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:29:13.69 ID:6/0ptyab0
詠「うわっ!」

突然のことに驚いて目が覚める。
目の前には掛け布団を高々と掲げる明姉ちゃんの姿。どうやら引っぺがしたらしい。
今は夏だが、これを冬にやられると寒いのだ。

明「起きた!」

布団を持ったまま小声で言うと、にこりと笑う。

詠「起きるよ!」

明姉ちゃんに合わせて小声で返事をする。

今は朝の5時。
彼女の出勤時間はなんと朝の9時。ちなみに俺はもっと遅い。

この時間に起こされる理由は明姉ちゃんの趣味と関係がある。
いや、今となっては趣味というか日課に近い。

明「30分で用意してね」

詠「りょーかい」

俺はこれから彼女と出かけるのだ。
もちろんショッピングなんかではない。店も開いてないので。

俺は言われた通り30分以内で用意を済ませる。
下はランニングタイツにハーフパンツ、上はスポーツウェア。
4 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:30:09.53 ID:6/0ptyab0
明姉ちゃんはもう準備バッチリだった。
ランニングタイツとショートパンツを穿いており、ややぴっちりしたボーダーのウェアとシンプルなデザインのキャップを着用。髪は後ろでまとめている。

2人で玄関へ行き、色違いだが同じランニングシューズを履いて外へ出る。
明姉ちゃんの指導でストレッチを行い、ランニングするのだ。
もうお分かりだろうが、明姉ちゃんの趣味とは早朝ランニングだ。

3年くらい前にこの趣味に誘われてから毎朝一緒に走ってる。
雨の日にはご丁寧に防水グッズ一式を装備させられる。
俺は、明姉ちゃんが独りで走る姿を想像してしまい、同情して一緒に走るうちに毎朝の日課となってしまった。

ところで早朝は車の通りも少なく、なかなか気持ちのいいものである。

明「詠くん」

詠「何?」

明「最近どう?」

詠「普通だよ」

明「担当してる子売れそう?」

詠「さぁ? 彼女たち次第かな」

明「詠くんもしっかり支えてあげなきゃいけないよ」

詠「そりゃあ……もちろん」

そんな仕事の話をしながらランニングをする。

鬱陶しく感じる湿気と気温。まさしく夏を告げている。
5 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:30:49.45 ID:6/0ptyab0
明「ただいま」
詠「ただいま」

帰ってきたのは朝の6時を少し過ぎた頃。

明「お帰り」
詠「お帰りなさい」

他の姉妹たちから『ただいま』の返事は無いので、俺と明姉ちゃんはお互いで返す。
ちょっとしたおふざけだ。

明「シャワー浴びてくる」

詠「おう」

明「覗かないでね!」

詠「覗かねぇよ!」

明姉ちゃんはにこにこと満足そうにバスルームに向かって行った。
俺をからかうのが好きらしい。

俺は起きてくる姉妹たちのためにも朝食作りを始める。
それと並行して弁当も作るのだ。

家事全般は青木家に引き取られたときからの、なんというか、恩返しのつもりで始めたことだった。
6 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:31:30.70 ID:6/0ptyab0
ちなみにうちは姉妹4人と俺で暮らしてる。
職場が同じなので同じ場所に住んでるのだ。
そこそこ広く、俺も一人部屋を持っている。姉妹たちは二部屋を二人ずつで使ってる。もちろん俺の部屋よりも広い。

両親はというと、栃木に住んでいる。
早く孫の顔が見たいと言っていた気がする。

俺がちょうど料理を作り終えた頃、リビングと廊下を繋ぐ扉が開かれた。

麗「おはよう、詠」

詠「麗姉ちゃん、おはよう」

一番上の姉ちゃんだ。
きちんと身だしなみを整えてからやってきた。
上はスポーツウェア、下はスパッツにショートパンツ、機能性の靴下を着用していてスポーツのインストラクターって感じだ。

麗姉ちゃんは美しい所作で椅子に腰かけると俺の方をチラッと見る。

麗「いただきます」

麗姉ちゃんの真っ直ぐな眼で見られると、いつもドキッとしてしまう。

詠「どうぞ……召し上がれ」

麗姉ちゃんは黙々と食べ始めた。
7 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:32:06.88 ID:6/0ptyab0
明「麗ちゃん、おはよう」

しばらくするとシャワーを浴びた明姉ちゃんが戻ってくる。
かかった時間からして、おそらく湯船にも浸かったらしい。明姉ちゃんの身体から湯気のほかほかが見える。
上気した頬や濡れた髪を少し色っぽいと思い、慌てて目を逸らした。

俺と明姉ちゃんも食卓を囲む。

明「いただきます」
詠「召し上がれ」

明姉ちゃんも俺の顔をチラッと見てから食べ始める。

朝食を食べていると廊下の方から扉を開閉する音が聞こえてきた。
この扉の開け方は聖姉ちゃんだろう。

聖「おはよ……」

寝ぼけ眼をこすりながら、麗姉ちゃんとは対照的な格好で入ってくる。
8 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:32:39.91 ID:6/0ptyab0
詠「おはよう……聖姉ちゃん、だらしないよ」

聖「詠〜、着替えさせてよ」

そう言って後ろから俺に抱き付いてくる。
若干はだけたパジャマが目に毒で、聖姉ちゃんの顔もすぐ横まで近づくので少なからず意識してしまう。

麗「バカ言ってないでさっさと食え」
明「自分でやりなよそのくらい」

聖「冷たくない?」

詠「とりあえず離れてくれ」

聖「しょうがないな」

渋々、といった様子で聖姉ちゃんは俺の隣に座って箸を取った。
9 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:33:24.01 ID:6/0ptyab0
聖「いただきます」

詠「どうぞ」

聖「ん、美味しい」

詠「そう、ならよかった。ところで、慶ちゃんは?」

明「いつも通り」

慶ちゃんは大学生になってから生活ペースが変わり、バイトの無い日はどこをほっつき歩いてるのか帰りが遅くなってしまった。
この前はベロベロに酔って帰ってきたりもした。まだ19歳だから心配でしょうがない。

この前なんかは携帯も繋がらなかったので、夜中にあちこち探し回った。
結局見つからず、俺が朝起きてもいなかったので本気で警察に届け出ようかと思ったものだ。
警察署に行こうと家を出たら玄関の前で慶ちゃんが寝ていたという事件は記憶に新しい。

麗「慶のやつ、たるんでるな」

詠「まあまあ、学生なんてそんなものだって」

本当は超心配だけど……。
10 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:34:03.05 ID:6/0ptyab0
聖「お前も帰り遅くなったり、生活が乱れたりでお姉ちゃんたちを泣かしてたもんな」

詠「……すみません」

聖姉ちゃんの言う通りなので俺も強く言えないわけである。

聖「別に責めてるわけじゃないんだが? お前が帰って来ないのが心配で全然眠れなかったくらいだから大したことないんだが?」

詠「ごめんって」

ねちねち責めてくる聖姉ちゃんを少し鬱陶しく思いながら、過去の出来事を改めて反省した。

無断で丸一日家に帰らなかったことがあった。
帰った時、四姉妹に泣かれて生活を改めることにしたのだったか……。

麗「もう以前のことはいいだろう」

聖「あの時は心の底から心配したな」

麗「女々しいぞ。当時も家事はある程度やってくれてただろ」

麗姉ちゃんがフォローしてくれる。女神だ。
けど、当時の俺は朝起きれなかったので家事はほとんどやってません。すみません。

明「私は、大学生って暇なんだなーって思った」

詠「おっしゃる通りです」

明姉ちゃんはフォローしてくれない。大学生の俺を見て、だらしないやつだと思ってたに違いない。きっとイライラもしてたはずだ。

麗「まあ反省してるから今の詠があるわけだし、いいじゃないか」

麗姉ちゃんはやっぱり優しい。

こうして雑談を交えつつ食事を終えた俺は食器を台所に持って行ってシンク内で洗う。
11 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:34:34.00 ID:6/0ptyab0
詠「じゃあ慶ちゃん起こしてくる。食べ終わったら食器、台所に置いといて」

明「起こすの早くない?」

詠「今日は確か1限って言ってたから」

聖「何で知ってるんだよお兄ちゃん」
明「シスコン」

詠「うるせー。聖姉ちゃんはさっさと準備しろ」

リビングから廊下に出る。
後ろから2人の、クスクスと笑う声が聞こえてきた。
またからかわれた。

俺は慶ちゃんの部屋の前で立ち止まる。
慶ちゃんは明姉ちゃんと同じ部屋だ。
その向かいの部屋が麗姉ちゃんと聖姉ちゃんの部屋。
俺の部屋はリビングに隣接してる。

俺はコンコンと2回ノックをして慶ちゃんの名前を呼ぶ。
当然というべきか、返事は無い。

詠「入るぞ」

控えめに断りを入れてドアを開ける。
12 : ◆Xx4o45zWU. [saga]:2017/11/30(木) 11:35:42.19 ID:6/0ptyab0
中断します。
続きは数日後に投下します。
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