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Pの姉妹はトレーナー!【アイドルマスターシンデレラガールズ】
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342 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:16:49.45 ID:M/4VaMYQ0
それから三十分後くらいに自分のロッカーに常備してあるトレーニングウェアに着替えて、息抜きがてらトレーニングルームへと向かう。
346プロダクションはアイドル事業の他にも様々な事業を抱えている。
つまり何が言いたいかというと、この会社は大きいのだ。
その分様々な施設も存在し、またここに所属している者はそれらを特別価格で利用できる。
アルバイトの慶ちゃんも多分に漏れず、しっかりとその恩恵を受けられる。
さて、俺がトレーニングルームへ行くと意外や意外、所属のアイドルや社員、それに一般客も多く利用しているではないか。
何となく出遅れた気分になる俺の顔をひょっこりと覗き込んでくる女の子がいる。
慶「おにーちゃん! 珍しいね」
妹の慶ちゃんだ。
さっき瞳子さんが、妹がいると言っていたが、まだいるとは思わなかった。
詠「おー、慶ちゃん。まあ久しぶりに身体動かしたくなってね」
慶「そうなんだ。よかったら私がレクチャーしてあげようか?」
詠「姉ちゃんたちから教わったの?」
慶「やー、何となくかな? ここで働き始めてから健康とか運動とかいろいろ勉強してるし、そういうのお兄ちゃんで試そうかなって」
詠「実験台かよ」
慶「そういうことー」
343 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:17:32.77 ID:M/4VaMYQ0
実験と言ってるにもかかわらず、彼女は悪びれることなく笑顔を浮かべる。
俺も何から始めていいか分からないのでとりあえず慶ちゃんにお願いすることにした。
詠「好きに始めちゃっていいの?」
慶「え、ダメだよお兄ちゃん。まずは準備運動しないと」
詠「あ、ああ、準備運動ね。大事だよね」
頷く俺に向けられる慶ちゃんのじとーっとした視線が少しばかり痛い。
慶「もう、お兄ちゃん、準備も無しに急に激しい運動したら身体壊しちゃうから気を付けてよね。お仕事に支障が出るどころか日常生活に支障が出るよ」
慶ちゃんは何だかそれっぽいことを語り始める。
こうして見ると、アルバイトとは言えどもやはりしっかりトレーナーさんやってるんだなと実感してしまう。
彼女の成長を嬉しく思う反面、どこか寂しくもある。
慶「運動するにも、その人の目的に合わせた適度な量が必要になってくるの。この量は多くても少なくてもダメだからね」
詠「まあ、そのくらいは俺でも分かる」
慶「じゃあまずはストレッチしよ!」
慶ちゃんの話もそこそこに、早速実践しながらその都度教えてもらう。
準備運動はラジオ体操レベルの簡単な体操と、ストレッチ、補助付きで柔軟。
344 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:18:39.78 ID:M/4VaMYQ0
慶「ねえ、お兄ちゃん」
それらを一通りこなすのだが、またしても呆れたような視線が向けられる。
詠「な、何……?」
慶「それ、ふざけてるの?」
詠「ばっ、バカ言え……これで……精一杯だ……」
慶「絶対嘘だよ。だって手が足首に届くか届かないかくらいの柔軟なんて私見たことないもん」
いや『見たことないもん』じゃなくてさ……。
自分でも分かっていたことなのだが、俺はこのように嘘だと思われるほど体が固い。
慶「私が後ろから押してあげる」
そう言って慶ちゃんは俺の後ろに回って、両手で肩甲骨辺りを押してくる。
詠「あ、ちょっと、待って……痛っ! まっ! あだだだだだっ……!」
慶「え、嘘でしょ?」
力を弱める慶ちゃん。
後ろから覗き込んでくる彼女の顔は、やはりありえないといったような表情だ。
慶「まだ全然強く押してないよ」
それから慶ちゃんに手伝ってもらいながら、時間をかけて柔軟運動をする。
345 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:19:23.33 ID:M/4VaMYQ0
脚を開いた時、慶ちゃんは呆れを通り越してもはや笑っていた。
慶「あはははは……! ……じゃあお兄ちゃん、私が脚広げて開脚のお手伝いするね!」
と言うと、彼女は俺の両手を掴んでぐいっと引っ張るのと同時に自身の足裏を俺のふくらはぎあたりに押し付けてそのまま開脚を試みる。
当然、俺の股関節もどんどん広がっていくわけだ。
詠「ちょ、待って! 痛い! 痛い痛い痛いっ!! ごめんなさいっ!」
情けなくも、悶絶することしかできないのであった。
その時に盗み見た慶ちゃんの顔ときたらおぞましいもので、俺の苦しむ姿を見てニッコリ笑顔、時折見せる嗜虐の表情が次女である聖姉ちゃんの性格を彷彿とさせた。
慶「もうちょっと頑張ろうお兄ちゃん!」
詠「無理っ!」
トレーニングルームに響き渡る絶叫に部屋中の人間から熱い視線を送られ、居心地も悪くなる。
ようやく解放されて、何だかもう運動する気になれなくなってしまったり……。
詠「疲れた……」
慶「ご、ごめんね。やり過ぎた……」
慶ちゃんも反省しているものの、柔軟はまだ終わらない。
足裏をくっ付けて、股関節を解す運動でも、膝を背後から思い切り押さえつけられて痛かった。
しかも密着してくるものだから、背中に当たる胸の感触に意識がいくし、俺の表情を盗み見ては嗜虐的な笑みを浮かべてるのもばっちりチェックした。
346 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:20:05.58 ID:M/4VaMYQ0
顔を近づけて耳に息吹きかけたりして反応を楽しむ彼女はサディスティックな才能があると思いました。
詠「もう終わりにしよう」
慶「え、ええ〜! 本格的に運動するのはこれからなのに!?」
詠「いや、痛かったし疲れたし、もう今日はいいや」
慶「そっか、何かごめんね?」
本当だよ! と言いたいところだけど、ここはぐっとこらえる。
詠「いや、こっちこそ悪いね。せっかく教えてくれるってことだったのに」
うん、とにかくこれで逃げられる。
もう慶ちゃんと一緒に準備運動しちゃダメだ。
慶「じゃあまた来週やろうね」
詠「え?」
ホッとしていた俺にトンデモな提案をしてくる慶ちゃん。
一般的にトンデモではないが、俺としてはトンデモなのだ。
詠「や、大体わかったから今度からは一人でいいよ」
慶「やっぱお兄ちゃん、私に教えてもらうの鬱陶しかったの?」
347 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:20:32.46 ID:M/4VaMYQ0
悲しそうに尋ねてくる慶ちゃんに本当のことは言えない……。
俺は首を横に振った。
詠「ううん、全然そんなことないよ。やっぱり慶ちゃんに教えてもらいたいなー」
そう言った瞬間、慶ちゃんの悲しそうな顔はどこへやら。
その言葉を待ってましたとばかりに明るい顔をして、次週も約束を取り付けられてしまった。
慶「約束破ったらだめだよー」
喜々として帰っていった慶ちゃんであった。
翌日、股関節が痛くなったのは言うまでもないのだが、それとは別に噂が流れ始める。
蓮「おう、詠」
詠「おはようございます」
蓮「ところで、妹と付き合い始めたんだってな」
詠「は? 何ですかそれ?」
蓮「何ですかって、昨日トレーニングルームでお前と慶ちゃんがめっちゃイチャついてたっていう情報を聞いたんだが」
348 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:21:14.32 ID:M/4VaMYQ0
詠「あ」
思い当たるというか、昨日のことなんてそのことしか憶えていないのだが、まさか他人から見たらあれが恋人同士のイチャイチャに見えるとは……。
俺からしてみれば兄妹の戯れ程度にしか思えないんだけど……。
それにあの柔軟はマジで痛かったんだぞ。
きっとあれを喰らえばそんな甘酸っぱい一ページにすらならないと断言できよう。
とそんな噂が一人歩きを始めても、俺と慶ちゃんは特に気にすることなく毎週トレーニングルームに一緒に通うことになった。
相変わらず柔軟は辛いが、一緒に運動するのは楽しい。
達成感もあるし、身体を動かすのは健康的だし、何となく体型も引き締まって見える。
慶「おー、お兄ちゃん、ちょっとたくましくなったんじゃない?」
パチパチと小さく拍手をして、慶ちゃんも嬉しそうにしてくれている。
詠「そうか? あんまり実感は沸かないけどね」
慶「うん、かっこいいよ!」
屈託なく笑う彼女。思わず一歩後退る。
慶「どうしたの?」
詠「いや、別に……」
慶「ふーん、変なの」
349 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:21:41.21 ID:M/4VaMYQ0
それから数日が過ぎ、再びトレーニングルームで待ち合わせる日。
特に遅い時間というわけでもないのに、なぜか部屋には慶ちゃん以外誰もいない。
詠「あれ、今日少ないね」
慶「うん、少ないっていうか貸し切り状態……」
詠「マジ!? ラッキーだなぁ」
慶「そだね、珍しい」
詠「じゃあ、早速……」
俺は気が付いた。
誰もいないということは今、慶ちゃんと二人っきりだということだ。
それに慶ちゃんの様子も、いつもの溌溂とした様子とは違ってどこかよそよそしいような……。
詠「……は、始めようか」
慶「あ、うん……」
完全に慶ちゃんのことを意識してしまってる。
二人切りの静かな状況。
柔軟を始めるのだが、補助の時にお互いの身体のあちこちが密着して、その度に小さく吐息を漏らし、そして息を呑む。
バレリーナみたいに柔らかい慶ちゃんの柔軟に付き合うことも無いので、彼女のその様子をじっと見るだけなのだが、身体を前に倒すときに正面から見える胸の谷間がとても性的だ。
350 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:22:14.40 ID:M/4VaMYQ0
慶「ちょ、ちょっと、どこ見てるの〜」
たはは、と笑って茶化したように誤魔化して見せていたが、隠しきれていない恥じらいのせいでより二人でいるこの状況を強く意識してしまう。
詠「ご、ごめん……」
慶「……えっち」
ぼそっと呟くように言って、後は黙り込んでしまう。
不意にパッと立ち上がる慶ちゃん。
慶「ほら、お兄ちゃん。後ろから押してあげる」
その柔軟はさっきもやったのに、と俺はキョトンとしてしまったが、言い出せる雰囲気でもなかったのでもう一度同じ柔軟を繰り返した。
いつもは強く押して隠されたSっぷりを発揮するのに、今回はとても優しい。
彼女の整っていて美しい顔が俺のすぐ隣にあって、静かな部屋の中、すぐ隣で彼女の息遣いがハッキリと聞こえる。
後から押されるというよりも、次第に後ろから体重を預けられるといった方が表現としては近い。
腕を後ろから前に回され、優しく抱きしめられた。
急に暴れ出す自分の心臓。
その音にもう一つ重なったのは彼女の心音。
俺と同じくらい早く鼓動するそれを聞いて愛おしさを覚えた。
351 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:22:41.40 ID:M/4VaMYQ0
ゆっくりと彼女に振り返る。
切なそうな面持ちで彼女も俺を見返している。
見つめ合って、ゆっくりとゆっくりと、お互いがお互いを焦らすように顔を近づける。
見つめ合ってから数十秒ほどして、ちょん、と俺の唇が彼女の唇に触れた。
触れた唇を少しだけ離して言葉を紡ぐ。
詠「愛してる」
それだけで十分な気がした。
慶ちゃんは目尻に涙を浮かべると、何も言わないで俺にキスをした。
慶「末永くよろしくお願いします」
ようやく顔を離した彼女の一言を聞いて俺はどこかホッとした気分になるのだった。
『青木慶』 終わり
352 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:23:11.10 ID:M/4VaMYQ0
『慶アフター』
明「またぁ……?」
明姉ちゃんの呆れた声で起きるのはここ数日では毎日の出来事だ。
詠「むぉ…………おはよう」
そんな明姉ちゃんの心中をまるで無視する俺の挨拶も慣れたものである。
姉ちゃんが呆れる原因となるのは、俺のベッドに潜り込んですやすやと寝息を立てる慶ちゃんに他ならない。
慶ちゃんと付き合っていると言っても、俺のルーティーンが変わる事も無く毎朝明姉ちゃんのランニングに付き合ってるわけだが、一つだけ変わったことといえば、こうして慶ちゃんが毎日のようにベッドに潜り込んでくることだ。
いや、『潜り込んでくる』というのは正しくない。
昨夜も俺が起きてる間に彼女は俺の部屋に入ってきたのだから。
つまり付き合い始めてから毎晩一緒に寝てるということになる。
明「さっさと服着なさいよ……」
そして、姉ちゃんが呆れる最大の要因は、俺と慶ちゃんが毎日全裸でベッドに入ってることだ。
353 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:23:46.91 ID:M/4VaMYQ0
明「またやったの? 懲りないわね……」
と言って溜息を吐く。
最初見られたときは俺も酷く焦ったし、明姉ちゃんにも軽く説教をされたが、それが続くとお互いに慣れてしまうものなのだ。
明「部屋に入った時、ちょっとアレな匂いすると思ったけど……全く、鬱になりそうよ」
また溜息を吐く明姉ちゃん。
詠「ちょっと待ってて、すぐ用意する」
明「はいはい、三十分以内でよろしくね」
ここ数日で明姉ちゃんはスルースキルを磨いているご様子だった。
少しだけ目の下に浮かぶ隈が気になるが特に変わった様子も無い。
ランニングが終わってシャワーを浴びる。
その後、朝食とお弁当を作るのも大体俺の日課となっているので、テキパキとそれらを終える。
浴室から出てきたくらいで麗姉ちゃん、聖姉ちゃんが起きていることが多い。
いつもと変わらない麗姉ちゃんに対して、聖姉ちゃんも少しだけ隈が目立つようになってきた気がする。
354 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:24:15.27 ID:M/4VaMYQ0
詠「おはよう。ご飯できてるよ。お弁当そこね」
麗「ああ、いつも助かる」
詠「麗姉ちゃんも洗濯物干してくれて助かるよ」
麗「このくらいはな」
詠「聖姉ちゃん、ちゃんと寝てる? ちょっと疲れてるように見えるけど」
聖「お前な、慶とエッチする時の音が大きいぞ」
麗「それは私も気になってたところだ」
詠「え、マジ? ごめん、気を付ける」
聖「ヤるならラブホに行ってくれ……と言っても今日もどうせヤるんだろう。この性欲魔人め」
とか言いつつ聖姉ちゃんこそ、その音を聞いてオナニーしてるのを俺は知ってるぞ。
なんて言ったら恐ろしいことになりそうなので言わない。
麗「まあ付き合いたてでお互いに熱く愛し合うのも分かるが、私たちが寝てるということも忘れてはダメだからな?」
詠「うん、慶ちゃんにも言っとくよ」
俺は了承する。
彼女たちに迷惑を掛けないように、というのも忘れてはいけない。
一緒に住んでいる間はやはりそういう気を遣わないといけないのだ。
355 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:24:46.50 ID:M/4VaMYQ0
そんなこんなで姉ちゃんたちは先に出勤していき、慶ちゃんと二人きりの一時間ができる。
慶「おはよう、お兄ちゃん」
詠「おはよう」
すでに起きており、ある程度登校の準備をしていたようだ。
慶「おに〜ちゃ〜ん」
猫撫で声を出して俺に甘えるように首に手を回して、背伸びをする。
んー、とキス待ちの顔を向けてくるためだ。
俺はそれに応えて、軽くちゅっとすると、慶ちゃんは満足そうに笑った。
慶「もっと〜」
という彼女のおねだりから、ちゅっ、ちゅっ、と何度も軽いキスを重ねる。
慶「えへへ〜」
最後に抱き付いてくるまでが二人きりの時のセットになっているようだ。
慶「勃っちゃった?」
小悪魔のような瞳と笑みでそう問いかけてくる。
俺が「そりゃそうだ」と肯定すると、「どれどれ〜?」と服の上から股間を擦ってくる。
356 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:25:15.01 ID:M/4VaMYQ0
この子、付き合い始めてタガが外れるようなむっつりちゃんだったらしい、というのは付き合い始めた翌日に知った。
慶「本当だぁ」
俺の勃起したペニスを触って認めると、嬉しそうに微笑む。
俺はなぜかその笑顔が大好きで、ガッチガチに勃起した陰茎がドクドクと脈打つのをはっきりと感じるのだ。
それから慶ちゃんはズボンとパンツを脱がすと躊躇なくそれを握り、咥え、刺激する。
一生懸命な彼女から気持ちよくしてあげたいという気持ちが伝わってきて興奮が加速する。
それをされると大体、一、二分で射精してしまう。
俺は彼女の口内に射精する。
慶ちゃんは、んべ、と舌に乗っけた精子を見せてからごくっと飲み込んだ。
ちょっと顔を顰める彼女を優しく撫でると、彼女は恍惚な表情を浮かべる。
その精子を飲み込んだ口で俺にキスをする。
自分の精子の匂いに顔を顰めつつも、頭が少しクラッとするような感覚がそれなりに病みつきだ。
加えて、そんな俺の表情を見た慶ちゃん。
隠れSな彼女の、快楽に歪んだ笑みがまた興奮する要因になったりする。
……俺は断じてMじゃないです。
357 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:25:54.48 ID:M/4VaMYQ0
慶「……したくなっちゃった」
もちろん俺が射精しておしまいというわけもなく、彼女のおねだりはまだ終わらないのだ。
俺の部屋に入り、彼女をベッドに押し倒す。
切なそうな、ともすれば物欲しそうにも見える朱に染まった顔で見つめられると、理性のタガが外れそうだ。
詠「時間無いのになぁ」
なんてぼやきもするが、時間が無くてもやる。
彼女に覆いかぶさってキスをする。
さっきみたいな軽いものではなく、深く繋がるためのディープキス。
上唇を咥えて、下唇を咥えて、時折舌を軽く絡めて、いやらしく音を立てる。
それを丁寧に繰り返す。
一分ほどキスを楽しんで、顔を離す。
その過程で最後に離れたのは彼女の舌と俺の舌だ。
お互いの舌先が距離を開けても、離れたくないと言わんばかりに唾液が糸を引いていた。
俺は彼女が着ていた上着を脱がし、インナーを捲る。
引き締まった身体と、艶のある健康的な柔肌が露になる。
そんな彼女の身体をついばむように吸う。
ちゅっちゅっと音を立てながら、腰、胸、鎖骨と愛撫し、再び胸、腰へと戻る。
慶「んっ……あっ……はぁ、はぁ……んぁっ!」
358 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:26:28.14 ID:M/4VaMYQ0
ところどころで身体がピクッと可愛らしく反応する。
感じてる表情は19歳の女の子と思えないくらいに官能的だった。
ズボンを脱がして太腿を撫で、吸うように愛撫する。
ふと彼女の下着を見てみるとそこは丸く染みになっている程度ではなく、びっしょりと濡れていた。
下着を脱がして、勃起した彼女の陰核を優しく擦ると大きく腰を跳ねさせ、喘ぐ。
しばらくそのあたりを触って、愛液を溢れさせる。
その後、指を膣に突っ込んでゆっくりと動かし、喘ぎ声が止まらなくなってきたところでさらに激しく膣内をかき混ぜた。
慶「あっ! やっ! だめっ! イクッ! イクッ!! 〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
先ほどまでも腰を浮かせて、ぼたぼたと流していた愛液を今度は勢いよく吹き出させた。
ぷしっ、とベッドにぶちまけてなお、だらだらとそれを膣から垂れ流す。
詠「慶ちゃん、えっろいなぁ」
慶「あぅ……やだぁ……」
恥ずかしそうに顔を覆う彼女が愛おしくて、ぐいっと腰を持ち上げてすぐに自分のペニスを入れた。
慶「あぁぅっ!!」
慶ちゃんは短い喘ぎ声を部屋に響かせる。
俺は挿入したまま彼女を持ち上げる。
陰茎は、俺にしがみつく彼女の膣に深く刺さり、降りてきた子宮に届く。
359 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:27:06.25 ID:M/4VaMYQ0
そのまま彼女の臀部を鷲掴み、前後、上下に揺らしながら、自分も腰を彼女の腰に打ち付けるように運動する。
慶「なっ! 何これっ!! お兄ちゃんっ!! 気持ちい! 気持ちいよっ!!」
彼女自身もしがみつきながら腰を動かして積極的に快楽を貪る。
慶「〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜っ! 〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
気が付けば、慶ちゃんは言葉にならない声を発して何度も絶頂していた。
がっちりしがみついてがくがくと震え続ける彼女を優しくベッドに下ろす。
四つん這いになって腰をひくつかせている彼女の膣に後ろから陰茎を挿入した。
慶「ひゃあああぁぁぁっ!!!!」
ぎゅうっと彼女の膣が俺のペニスを締め付ける。
どうやら入れただけでオーガズムに達したようだ。
俺は彼女がイッてる最中だろうが、お構いなしに腰を動かしてパンパンと音を鳴らすほどピストン運動をする。
彼女の両の二の腕を掴み、動き続ける。
上体を起こした彼女の胸は激しく揺れて、さらに情欲をそそる。
またしても大きく絶頂する慶ちゃん。
俺は一旦動きを止めて、後ろから手を回し綺麗な胸に触れる。
密着して抱きしめるような体勢で胸を揉み、彼女の耳を舐める。
ビクビクと痙攣する彼女は嬌声をあげて身をよじり、キスを求めてくるのだ。
360 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:27:35.83 ID:M/4VaMYQ0
耳から口へ、舌を這わせて激しくキスをする。
周りが見えていないような慶ちゃんの激しさは野性的で、同時に官能的だった。
そして俺がまた動き出すと、耐えられないといった風にキスを止め、喘ぎ声を上げ続ける。
慶「〜〜〜〜っ! イッ……く……!! 〜〜〜〜〜〜〜〜っ!! ……ま……た……イッ! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
うねうねと蠢き続ける膣内は、慶ちゃんがイキ続けていることを暗に示す。
それは俺の陰茎をどんどん搾り、刺激し、やがて射精寸前の痙攣が自身の身体を覆う。
詠「あっ、慶ちゃん、イキそ……」
慶「イッ……!! ああああぁぁっ!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
声が届いているのか、届いていないのか分からないくらい彼女は喘ぎ、お互いに絶頂する。
慶ちゃんはぐったりとうつ伏せになる。
俺は彼女に覆いかぶさったまま、まだ勃起している陰茎を抜かないで射精の余韻に浸っていた。
しばらくして俺はペニスを抜き、彼女の上から退こうと身体を持ち上げる。
不意に慶ちゃんは仰向けになり、四つん這い状態の俺に向き直った。
すっと抱き付いてきて、引き寄せられる。
再びキスをしてきた。
彼女は器用に、くるっと俺との体勢を入れ替えた。
俺のマウントを取った彼女は甘えるようにしがみつき、何度も何度もキスをする。
慶「もっかいしたいな〜……えへへ……」
照れ笑いの彼女のおねだりに理性など保てるはずもなく、もう一回したところ、二人仲良く遅刻しましたとさ。
『慶アフター』 終わり
361 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:28:01.97 ID:M/4VaMYQ0
『青木麗』
詠「麗姉ちゃん、おはよう」
麗「おはよう」
これは青木家の朝の一コマ。
ランニングから帰った俺がキッチンに向かうと、すでにエプロン姿の麗姉ちゃんが食事の用意をしてくれていた。
彼女の服は基本的にスポーツウェアやジャージなどの簡易な服装とでも言うべきだろうか。
トレーナーである麗姉ちゃんはオシャレというものから割と縁遠いのだ。
しかしながら、その簡易的な服装の上から纏うエプロン姿というのはどことなく背徳感が漂う。
ある種、裸エプロンに近いニュアンスではなかろうかと思うが、姉ちゃんの均整の取れたプロポーションや美しい肢体も相まって、かなり官能的に映るのだ。
しかもハーフパンツからチラ見えしているスパッツが一部のマニアにはたまらない。
そして、どうやらその一部のマニアの中に自分も当てはまっているらしい。
詠「あー、姉ちゃん、寒くない?」
パッと見て寒そうな格好だ。
冬は明けたけれども、まだ気温が高いわけではないので半袖半ズボンの姉ちゃんの体温が気になるところである。
麗「いや、暖房も効いているし特に問題無いな」
姉ちゃんはこちらも向かずに、さらっと答えて、玉子焼きをひっくり返す。
362 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:36:14.80 ID:M/4VaMYQ0
詠「ていうか、その寒そうな格好で行くの?」
俺が指摘すると、彼女はちらりとこちらを窺った。
まさか、と軽く破顔して首を横に振る。
麗「いや、さすがに外は冷えるだろう?」
詠「まあね、ちょっと寒かったよ」
麗「上に何か羽織っていくよ」
詠「そう」
何か手伝おうかと思って台所に進もうとしたが、廊下に繋がる後ろの扉が開く。
明「麗ちゃん、おはよう」
明姉ちゃんが浴室から上がってきた。
今日は何だかやけに早い気がするが、時計を見ると普段と変わらなかったので気のせいだと分かった。
麗「ああ、おはよう。詠もシャワーを浴びてきたらどうだ?」
詠「あ、うん、手伝わなくて平気?」
問うと、麗姉ちゃんはその場でくるりとキッチン周りを見回す。
363 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:36:43.87 ID:M/4VaMYQ0
麗「もう手伝うことはないと思うが……」
思案顔をする姉ちゃんは凛々しくて綺麗だ。
やがて呆けた顔で俺に向き直って、快活な笑顔を浮かべた。
麗「うん、詠もシャワーを浴びてくるといい。ありがとう」
詠「お、おう……りょーかい」
ちょっと暖房が効きすぎてるのか、顔が熱い。
少しばかり汗もかいてきたので、姉ちゃんの言う通りさっさとシャワーを浴びるとしよう。
移動してる間も服を脱いで洗濯機に突っ込んでる間も、麗姉ちゃんの格好が脳裏に焼き付いていたのか、離れない。
ダメだ、ダメだ。純粋に動きやすい格好をしてるだけの麗姉ちゃんを性的に見ちゃダメだって……。
頭ではそう考えても身体は正直で、海綿体に血が集まって、しっかりと勃起した。
さっきまでランニングで昇華してたのに……。
俺の性癖ちょっと特殊すぎるのでは……?
そうして自分で自分を咎めつつも、やはり治まらないものは治まらない。
しかたなく、風呂場で自分のモノをしごくのだった。
いや、実際のところ仕方ないなどという表現は嘘だ。
はっきり言うと、麗姉ちゃんのことを思い浮かべてオナニーした。
あんなエロい格好するから……。
などと思って、麗姉ちゃんに責任転嫁とも、八つ当たりとも言い難い理不尽なことを考えたりもした。
364 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:37:09.61 ID:M/4VaMYQ0
詠「うっ……はぁ……はぁ……」
自分の手に付着した白濁液は、にちゃあ、と纏わりつく。
うわ、結構出たな……。昨日もオナニーしたのに。
俺は我に返るとシャワーを出して、陰茎と手、それに床に付いている精子を流す。
快感の後に湧いてくるのは、ずっしりとした虚無感と少しばかりの罪悪感だった。
それでも麗姉ちゃんのことを思い浮かべると、また俺の股間は熱を持ち始める。
詠「いや、違う違う! こういう時は円周率!? 素数!?」
必死に別のことを考えて、何とか勃起しないように耐え忍ぶ。
ていうか、抜いた直後でまた勃起して、それを鎮めるためにまたオナニーしてって調子だと、一生オナニーすることになっちゃいますよ……。
自分の並みならぬ性欲が恐ろしい。
そしてそのおかずにしてしまった麗姉ちゃんに合わせる顔が……。
とは言いつつも同棲している時点で顔を合わせないというわけにはいかないし、でも姉ちゃんに嫌われたくないなぁ。
結局、仕事のことを一生懸命考えることで勃起が治まることが判明した。
恐るべし仕事人間だと思わなくもないが、真面目に働いてる証拠なのだ。
服を着て居間に戻ると、慶ちゃん以外がすでに食卓を囲んでいた。
365 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:37:36.18 ID:M/4VaMYQ0
詠「おはよう」
聖「おはよう」
麗「さ、詠も食べろ」
詠「あ、うん……」
麗姉ちゃんはさすがにエプロンを脱いでいた。
だが半袖半ズボンの薄着には変わりなく、寒暖の感覚は大丈夫なのかと心配になる。
詠「いただきます」
とりあえず麗姉ちゃんの正面が空いていたので、そこに座って食事をいただく。
黙々と食べる麗姉ちゃんが時折視界に映る。
不意に麗姉ちゃんとぱっちり目が合った。
むぐむぐ、ごくりと食事を飲み込んだ彼女は見つめ合ったままで俺に尋ねる。
麗「どうした? 私におかしいところでもあるのか?」
キョトンとした様子で麗姉ちゃんは尋ねてくる。
詠「……」
俺が何も言わないでいると、彼女は熱でもあるのか? と立ち上がって、ずいっと顔を寄せる。
前かがみになった彼女の、シャツの中が良く見える。ちなみにグレーのスポーツブラ。
366 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:38:12.98 ID:M/4VaMYQ0
胸が揺れないように両脇から締めるタイプのそれは、麗姉ちゃんの大きめの胸をぎゅっと寄せて大きな谷間を作っている。
詠「……!」
すぐに麗姉ちゃんの顔に視線を逸らして、彼女と目を合わせるのだが、傾げた小首は可愛らしく、実年齢よりも若々しく見える上にとても魅力的だ。
吸い込まれそうになった瞳から、艶やかな桜色の唇へ視線が降りる。
ごくりと生唾を飲んだのは、キスをしたら……と考えたからではないはずだ。
邪な気持ちは抱いてないはずである。
麗「顔が赤いし、やっぱり熱があるんじゃないか?」
詠「や、大丈夫!」
麗「ちょっとおでこ出してみろ」
詠「!!」
こっちまで来て麗姉ちゃんはぴったりと俺のおでこに彼女のおでこをくっ付けた。
麗「特に熱は無いだろう……どうしたんだ?」
詠「や、何でもないんだって! 本当に大丈夫だからっ!」
麗「ならいいんだが……」
心配しながら彼女は食べ終わった自身の食器を片付ける。
367 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:38:43.20 ID:M/4VaMYQ0
突然、ゾッとした悪寒に襲われる。
すごい睨まれているような……と思い、振り向いてみる。
明「……」
聖「……」
すごい睨まれている。
じーっという効果音が聞こえてきそうだ。
詠「ごちそうさま!」
耐えきれずすぐに食事を終えて、ばっと立ち上がる。
明姉ちゃんと聖姉ちゃんの射殺すような視線は絶えず俺に向けられているかと思いきや、俺が立ち上がってすぐに外れた。
聖「詠は何でテント張ってるんだ?」
詠「は? 何だよさっきから睨んできたり……」
明「いや、詠、それ……」
明姉ちゃんが小馬鹿にしたように指を差して指摘してくる。
詠「だから、何?」
指差したあたりをきょろきょろと見渡してみるが特に変わった様子はない。
しばらく探していると突然聖姉ちゃんが俺の股間をぎゅぅっと触ってきた。
368 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:40:52.70 ID:M/4VaMYQ0
詠「うわあぁぁ!? 何っ!? ナニッ!?」
明「聖ちゃん最低……」
聖「詠、自分が勃起してるのに気が付いてなかったのか?」
言われてみれば、確かに思い切りテント張ってますねこれ。
詠「いいから手をどけろ変態」
俺が素っ気なくそう言うと、聖姉ちゃんはムッとしつつもその手を収める。
聖「まさか姉さんに欲情するとはな……」
明「悔しいわね」
詠「ちょっと二人とも何言ってるか分からないんだけど……?」
会話が噛み合わないなぁ。聖姉ちゃんとはいつも嚙み合わないけど。
明「自分でも気が付いてないってこと?」
聖「鈍感どころの話ではないな」
詠「???」
二人は大きく溜息を吐くと、食器を片付けてさっさと居間を出ていった。
出勤の準備に取り掛かるのだろう。
残された俺はぽかんと佇む他ないのだった。
369 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:41:21.90 ID:M/4VaMYQ0
もやもやとした心持ちで出勤する。
おはようございます、と同僚が挨拶をくれるので、それに答えて自分の部署まで向かった。
それから昼休憩まであっという間に時間は過ぎる。
蓮「今日はいつもより浮かない顔してるな」
葉月「何か悩んでます?」
詠「いや、葉月さん、ここのところ俺が悩んでない日ってありました?」
修羅場の渦中に絶賛飛び込み中の俺にそれ以上の悩みなんて無い。
むしろ仕事がそのことをしばらく忘れさせてくれるくらいである。
蓮「まあ飯でも食おうぜ」
詠「そうですね」
葉月「今日もお弁当ですか?」
詠「ええ、今日は姉の麗が作ってくれました」
そう言って鞄を開けるが、見当たらない。
詠「あれ?」
蓮「どうした?」
ごそごそと、鞄の中の物を全部出しひっくり返してみたがやはり何も無いみたいだ。
これはお弁当を忘れた可能性が……。というか忘れた。
370 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:41:50.27 ID:M/4VaMYQ0
詠「家に置いて来ちゃった……」
がっくりと項垂れる。
せっかく作ってくれたのに忘れるなんてのは、忘れた方はもちろん、作った方にとっても悲しいことなのである。
蓮「あれま……」
葉月「それは……残念なことですね……」
先輩も少し困ったような表情で俺を励ましてくれた。
蓮「忘れちまった物はしかたない。食堂行くか」
トンと俺の肩を叩いて蓮さんが言った。
彼のことだから奢ってくれるのだろうけど、それも申し訳ない気がする。
俺がちょっと渋っていると、不意に扉が開く。
入ってきたのは慶ちゃんで、その手にはお弁当を持っていた。
慶「お兄ちゃん、忘れ物だよー」
詠「え、慶ちゃん。どうして?」
慶「今日は休講! それでお兄ちゃんのお弁当あったから届けに来たんだ」
蓮「お、良かったな。いい妹で」
詠「ありがとう慶ちゃん!」
慶「いいよいいよ。今度お礼してね」
慶ちゃんは得意げに微笑み、蓮さんと葉月さんに『いつも兄がお世話になってます』と一礼して去って行った。
371 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:42:23.46 ID:M/4VaMYQ0
葉月「慶ちゃん、可愛いし良い子ですよね」
詠「そうですね。自慢の妹ですよ。最近は生活が乱れてますけど……」
生活態度については大学生なので、しかたないとは思う。俺もそうだったし。
ただ彼女を見ていると、あの頃の俺も姉ちゃんたちを心配させてたんだなと実感することができるのだ。
そんな物思いに耽っているところ、入れ替わるようにして事務所に入ってきたのは麗姉ちゃんだ。
詠「えっ!? 姉ちゃん、な、何でいるの……?」
彼女の存在を認めた俺はなぜだか酷く動揺した。
がたた、と二、三歩軽く後退り、デスクの書類を数枚落とす。
麗「ああ、詠、一緒にご飯でも食べないか? 私もちょうど昼休憩なのでな。……しかし、そんなに慌ててどうした?」
ちらっと蓮さんの方を見やると、ははーん、とどこか納得したような顔をしている。
次いで、葉月さんは、あらあら、といった風にどこか余裕のある眼差しで俺を微笑ましく見つめていた。
詠「……いや、何でもない! 何だっけ? ご飯食べるって? うん、いいよ。いいですよね、蓮さん」
俺が蓮さんに許可を取ろうと話を振ったところ、彼は肩を竦めて答えるのだ。
372 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:42:56.77 ID:M/4VaMYQ0
蓮「いや、たまにはお姉さんと食べるといい。俺は葉月と食うからさ」
葉月「そうですね。二人きり水入らずというのも大事だと思います。積もる話もあるでしょう」
いや、積もる話はありませんよ! いつも夜は家で一緒に過ごしてますよ!
麗「先約だったか? すまないな」
蓮「いや、別にいいですよ」
葉月「応接室が空いてますから、頑張ってくださいね」
麗「? はぁ……ありがとう」
麗姉ちゃんは二人を訝し気に見て、曖昧に返事をするがしっかりとお礼を言う。
結局、俺は先輩の圧力もかかり麗姉ちゃんと二人で応接室で食事をすることにした。
それにしても、ここの応接室って仕事であまり使われてないなぁ。
応接室とは名ばかりのフリースペースと化しているような気がする。
いや、そんなことはどうでもいい。
今は麗姉ちゃんと二人きりというこの状況が問題なのだ。
彼女の服装は家の時とはまた違う。
室内用のシューズ。
下にはウィンドブレーカーを履いており、上はジャージという姿。
少し暑いのだろうか、じんわりと滲む汗で髪の毛が額やこめかみにぴとりとくっついている。
やんわりと朱に染めた頬も手伝って、普段よりも艶めかしく映る。
彼女の顔をまともに見れない。
373 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:43:34.72 ID:M/4VaMYQ0
麗「どうだ?」
詠「ん、美味しいよ」
麗「そうか、ありがとう。だがそうではなくて、決められそうか? という意味だ」
麗姉ちゃんは姉妹の中でも、プライベートではどちらかというと寡黙な方で、言葉足らずな点があったりもする。
しかし、この言いづらそうな雰囲気から察するに、おそらく俺が6人の告白を保留にしている件だろう。
詠「……あと、ちょっと待ってほしいんだ」
俺も言うのを少し躊躇ってから、姉ちゃんにそう伝えた。
麗「そうか」
それからしばらく黙々と食事をする。
心許している麗姉ちゃんとの時間なのにどこか気まずく、もやもやした感情が渦巻く。
沈黙を破ろうとしても何と言えばいいのか分からず、口を開けど言葉が出ない。
麗「私は」
そんな中、静かに口を開いたのは麗姉ちゃんの方だった。
麗「詠のことが好きだが、一番歳が上でもう三十歳近い。詠のことを考えると……いや、私を彼女候補に入れているとは思えないが、せめて選択肢を減らして、詠の負担を減らしたいと思う。だから、私は諦めるよ……」
詠「は?」
麗姉ちゃんの言ったことに思考が追い付かない。
俺のために自分が諦めるって何だよ。言ってる意味が分からない。
374 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:44:22.37 ID:M/4VaMYQ0
それにそんな弱気な彼女を見るのは初めてで、苦しくなる。
横に座っている彼女を見ても、その横顔はやはり初めて見る表情で、目尻に浮かべた涙は零れ落ちて頬を伝っていた。
俺のお腹の奥がじわーっとなって、胸の辺りが震えるような感覚に陥った。
麗「詠には幸せになってほしい。お前がうちに引き取られてからずっとそう思ってたし、そのことだけを考えて生きてきた。だから私のために詠が苦しんでるのは……」
詠「うるさいっ!!」
俺は自分を抑えきれずに、彼女に怒鳴りつける。
麗姉ちゃんはビクッと肩を振るわせて驚きの表情で俺を見る。
詠「俺がよければ姉ちゃんはどうなってもいいのか? 俺は嫌だよ。俺だって他のみんなの幸せを願ってるし、自分のせいで姉ちゃんたちが辛い思いしてるのも知ってるけど……」
考えがまとまらず、言ってることも支離滅裂で、自分の感情をそのままぶつけるなんてひどく醜いことのように思えるのだが、それでも言わなきゃいけなかった。
詠「麗姉ちゃんがそんなこと言うなよ……」
誰よりも頑張ってる彼女が自分を否定している姿を見るのが悔しかった。
そんなの許せなかったのかもしれない。
同時に何で俺がこんなに熱くなっているのかもすぐに分かって、心が握り潰されて弾けたようだ。
全身にパッとした明るい感情が駆け巡ったように目の前が明るくなって、直後に明姉ちゃんの『自分でも気が付いてない』って言った意味に合点がいく。
そしてまたその直後、真っ暗にフェードアウトするような寒々しい感覚が全身を襲う。
それは自分へ好意を向けてくれた彼女たちの期待を裏切ることに対する後ろめたさに他ならなかった。
375 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:44:58.20 ID:M/4VaMYQ0
けれど、今は何よりも伝えなければならないことがある。
詠「俺は麗姉ちゃんが好きだ」
驚くほど自然に出た言葉は麗姉ちゃんの涙を止めるなんてできず、余計に泣かせてしまうことになった。
麗「うぅ……ぐすっ……ご、ごめん……こんな、情け……ないの……」
俺は泣きじゃくる麗姉ちゃんの肩を抱き寄せてキスをした。
さっき食べたお弁当の唐揚げの味がした。
お昼休憩は終わり姉ちゃんと手を繋いで応接室から出ると、ちょうど事務所に入ってきた蓮さんと葉月さんがぎょっとした様子でこちらを窺ってきた。
慌ててパッと手を離したので少し訝しく思われたのだろうが、それよりも麗姉ちゃんの様子がいつもと違うのに先輩たちは気が付いたようだ。
確かに麗姉ちゃんの少し赤くなった目を見れば、彼女が泣いた後だというのはすぐに察することができるだろう。
葉月「詠くん……?」
静かに問う葉月さんは返答次第じゃ、怒りますと暗に訴えているようだ。
俺は麗姉ちゃんの肩を抱き寄せてくっつく。
376 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:45:25.65 ID:M/4VaMYQ0
詠「俺たち付き合うことになりました」
笑顔で宣言した。
麗「え、詠っ!?」
蓮「はぁ!?」
葉月「ええっ!?」
三者三様、またしても驚いた表情を見せる。
詠「じゃあ姉ちゃん行ってらっしゃい。また後で」
軽く頭を撫でて、送り出す。
ぽーっとした表情だった彼女はしばらくすると、ハッとした様子でドアに向かう。
麗「じゃ、じゃあ、また後で……」
彼女は控えめに手を上げてちょこちょこと振ると、事務所を出ていった。
蓮「ま、そういうことだよなぁ……」
葉月「詳しく話を聞かせてください!」
納得した様子の蓮さんと、目を爛々と輝かせる葉月さんに迫られて事の顛末を話すと同時に、妹さんを振ることになるという旨を伝えた。
377 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:45:53.61 ID:M/4VaMYQ0
蓮「ま、しかたねぇわな」
葉月「二人の恋路を止めることはできませんからね」
蓮「それにしても、あんな麗さん初めて見たな」
葉月「ええ、何と言うか……とても素敵でした」
心のつっかえが取れたようにすっきりした俺であった。
そして終業後、麗姉ちゃんとの帰り道。
麗「あの後、アイドル達に質問攻めされて大変だったぞ」
詠「泣かせてごめんって……」
姉ちゃんが勝手に泣いた気がしなくもないが……。
麗「特に瑞樹と楓がしつこくってな……それに心もぐいぐい来るし……」
話してる内容に対してその表情は輝いている。
俺はこの先ずっと彼女と歩んでいく決意を心に秘めつつ、手を取った。
麗「……聞いてるか?」
強く手を握り返す彼女は俺の顔を覗き込んで微笑んだ。
『青木麗』 終わり
378 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:58:41.94 ID:M/4VaMYQ0
『麗アフター』
詠「久しぶりだね、帰ってくるの」
麗「そうだな」
俺と麗姉ちゃんは今栃木に来ています。
両親に結婚報告ということで実家に帰省中なのである。
閑散とした風景にぽつりと建つ大きな邸宅。
長い年月が経過しているであろう古びた木造家屋の引き戸を開ける。
カラカラと懐かしい音を響かせて開いた戸の先にはだだっ広い玄関があり、きちんと整頓された下駄箱の靴はあまり生活感が無いようだ。
詠「ただいまー」
麗「ただいま」
母「あらあら、お帰りなさい」
二人して挨拶をすると、玄関先にて居間からやって来た母さんが出迎えてくれる。
母「二人だけ?」
麗「まあ……報告することがあって」
母「え、何何? 結婚の話かしら?」
こんな時に勘の鋭いのが母親だ。
しかしながら母自身も冗談で言ったらしく、麗姉ちゃんが恥ずかしそうに押し黙ると何かを察したように首をゆっくりと縦に振っていた。
379 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:59:15.38 ID:M/4VaMYQ0
母「とりあえず上がりなさい」
詠「うん、そうだね。ほら姉ちゃん……」
麗「あ、ああ……」
とりあえず一泊する予定なので、昔それぞれの個室として扱っていた部屋を借りて荷物を置く。
リビングはその広さの割にきちんと整頓されており、俺が住んでいたころよりも清潔な様子だと感じた。
父「おう、お帰り」
リビング中央のソファに座って寛ぎながらテレビを見る父さんが、こちらを一瞥して言った。
俺と姉ちゃんは挨拶を返して、二人特に居場所も無くボケっと突っ立ていた。
父「座ったらどうだ?」
素っ気ない父の言に頷き、姉ちゃんはリビングの食卓に着く。
俺は台所へ行き、何やら夕食の準備をしている母さんの手伝いをする。
母「あら、詠は優しいねぇ。子供の頃からいっつも家事手伝ってくれてたよねぇ」
詠「そうだっけ?」
母「どうせ今でも聖や慶の世話でもしてるんでしょう」
そう言ってふぅっと溜息を吐く。
あんまり甘やかしてはいけないのだろうとは思うのだが、彼女たちが家事手伝いに疎いのだからしかたがない。
380 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 19:59:43.37 ID:M/4VaMYQ0
詠「いやいや、俺が何もしなくても聖姉ちゃんも慶ちゃんも自分のことは自分でしっかりできるよ」
……多分。
慶ちゃんは朝弱くて微妙な所ではあるが、聖姉ちゃんはしっかりできるだろう。
いやしかし、以前デイトレードで大損したという話を聞いたような……。まあ、生活習慣とは特に関係無いからその話はいいか。
そうしてゆったりと過ぎ行くと思われた実家での時間は、気が付けば父母と麗姉ちゃん、俺という四人で夕食を終えた。
しばらくテレビを見ていたが、俺が大事な話があると切り出して、テレビの電源も切った。
四人で囲んでいた食卓にピリッとした空気が流れて、直後、父さんが厳かに口を開く。
父「それで大事な話って何だ?」
母さんはある程度分かっているのだろう。
暢気にお茶を啜り、お茶請けに手を出している。
詠「俺、麗姉ちゃんと結婚します」
父「そうか。おめでとう」
母「おめでとー」
そう言うと父さんはテレビのリモコンを手に取ってまた電源を入れた。
……は? 終わり!?
あまりの呆気なさに俺と姉ちゃんは呆然と両親を交互に見るだけだ。
381 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:00:10.10 ID:M/4VaMYQ0
父「式はいつ上げるんだ?」
詠「や、それはまだ決まってない」
父「決まったらまた連絡してくれ」
母「それにしても詠が麗を選ぶなんてねぇ、てっきり歳の近い明かと思ったけど」
母さんよ、麗姉ちゃんの前でそういったことを言うのはデリカシーに欠けるのでは、と思い横の麗姉ちゃんの顔を見てみると、やはり少し面白くなさそうな表情をしていた。
詠「俺、麗姉ちゃんを愛してるから」
母「そう」
とにかく二人の反応は塩で、すっかりピリリとした空気は鳴りを潜めて俺たちは毒を抜かれてしまったような気分でいるのだった。
両親は早い時間に寝て、俺と姉ちゃんも部屋に戻る。
別々の部屋で寝るつもりだったが、母さんが『一緒に寝たら?』と言うので、そうすることにした。
麗「なんだか意外だったというか……」
詠「うん、何か言われると思ったよね」
風呂から上がり、安堵したというよりかは拍子抜けした俺たちはベッドに腰かけて話し合う。
結婚報告の後は他の三姉妹について聞かれただけだし、そんなに心配していなさそうな様子だった。
麗「気が抜けてしまった」
姉ちゃんは、ふぅ、と安堵の溜息を吐いてこてりと俺の肩に頭を預けて寄り添った。
こんな風に甘える姉ちゃんは少し珍しい。
俺はドキドキするのを誤魔化すように身振り手振りを少し交えて会話を続ける。
382 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:00:40.03 ID:M/4VaMYQ0
詠「でもさ、よかったよ。反対されるとかじゃなくって」
麗「まあな。いつ詠が誰とくっつくか楽しんでたみたいだったなからな」
詠「趣味悪いよなぁ」
麗「まったくだ」
詠「でも安心した」
麗「ああ、私もだ」
ぴとっと二人寄り添い合ったまま沈黙が訪れる。
右肩に乗せられた感触と熱がとても心地良く、同時に強く意識してしまう。
麗「詠、いいか?」
その言葉に振り向けば、ぽやっとした彼女の瞳が色っぽく、何を求められているかが一目でわかった。
唇と唇を軽くくっ付ける。
顔を離すと麗姉ちゃんは相好を崩し、俺もつられて笑んでしまう。
それから軽く触れるだけのキスを4、5回繰り返した。
俺は彼女を押し倒して、好き勝手に何度もキスをする。
どんどんとエスカレート、ヒートアップしていく自分の気持ちをありのまま、彼女にぶつけていく。
お互いの唇を重ねる時は次第に長くなり、また深くなる。
舌で彼女の口内を犯し、上下の唇を食べるように、自分の唇で挟む。
舌を吸うと、彼女が俺の背に回した腕に力が入り、離そうとすると今度は麗姉ちゃんの方から逃がすまいと追いかけるようにキスをしてくる。
彼女の口内の天井を舌で擦ると、より身体が強張るのだ。
383 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:01:06.83 ID:M/4VaMYQ0
服の上から自分のガチガチに固まった陰茎を姉ちゃんの股間に擦り付ける。
俺は自制が効かず、一心不乱に腰を動かしキスをしていた。
麗「あむっ……ちゅ、ちゅっ、んっ……ふぁっ…………!!」
麗姉ちゃんは不意に大きく身体が強張ったかと思うと、ビクビクッと腰を震えさせる。
詠「イッちゃった?」
俺が彼女の目をじっと見て悪戯っぽく聞くと、彼女はふいっと視線を横に向けて恥ずかしそうに黙りこくった。
片腕で真っ赤になった顔を軽く隠して、控えめに頷く姉ちゃん。
その返答のしかたが可愛くてたまらない。
無理矢理腕をどかした俺はより削られた理性の元、さっきの続きとばかりに激しいキスを重ねる。
麗「あっ! ん……ちゅ……ちゅぱ……んむっ……あんっ……!!」
両腕を押さえつけて身動きの取れない姉ちゃんは抵抗するどころか、脚で俺の臀部あたりを挟むと自ら股間をペニスに擦り付けてくる。
それからまた数十秒経つと、がくがくと腰を痙攣させて強く抱き付いてくる。
詠「またイッちゃった?」
これを聞くのが結構楽しい。
麗姉ちゃんの反応はやはり恥ずかしそうにするばかりで、いつも堂々としてる彼女とはまた違った一面が見れて愛おしい。
麗「はぁ……はぁ…………」
荒い息をどうにか落ち着かせて、彼女は起き上がる。
とん、と優しく俺を押し返し、今度は馬乗りにされた。
384 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:01:39.84 ID:M/4VaMYQ0
麗「詠ばっかり好きにして……」
火照って上気した顔。
とろんと蕩けた眼が俺を射抜く。
さっき俺がしたようなキス。
深く深く繋がろうと舌は侵入し、懸命に口内を探る。
天井を擦られるのがくすぐったいような気持ちいいような感覚で、ついつい力が入ってしまう。
小さく痙攣し始めた俺を見て、満足そうな笑みで顔を歪める麗姉ちゃん。
いったん顔を離すと再びキスしたのは首だ。
ちぅ〜、と思い切り吸い、ポッと吸盤が離れたような音がする。
ゾクゾクとするそれは気持ちよく、全身が強張りプルプルと震えてしまうほどだった。
しばらく首を愛撫し、俺の息も絶え絶えとなったところに追い打ちを掛けるように耳を蹂躙する。
ふぅ、と吐息を優しく漏らしたかと思えば、つつ、と舌先を耳に当て、エスカレートすれば甘噛みし、耳元で音を立てるようにキスをされる。
ちゅ、ちゅ、という音を耳のすぐそばで立てられるたびに、身体が跳ねてしまう。
やめて、と口にするものの、内心ではやめないでほしい願う。
裏腹な気持ちが伝わったかどうか知らないが、麗姉ちゃんはやめることはなかった。
麗「詠、可愛いな……ふふっ……」
と耳元で囁かれ、軽く失神しそうになるが、耳に舌をねじ込まれてかき回される快感によって意識を引き戻されるのだった。
男なのに喘ぐ、という情けない姿を晒しながら麗姉ちゃんに十分に弄ばれる。
ようやく両耳の凌辱が終わるが、ビクビクと痙攣が治まらなくて、俺は動けないでいた。
麗姉ちゃんの嗜虐的な笑みが俺の視界に映ったかと思うと、今度は服をはだけさせられる。
ぐいー、と服を捲り上げられて臍、乳首と順に晒す。
385 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:02:16.99 ID:M/4VaMYQ0
つつ、と指でお腹や脇腹をなぞられてまた俺は痙攣せざるを得なかった。
小さく喘ぎ声を発してしまい、羞恥と快感でどうしようもないほどに興奮してしまう。
それから軽く指で乳首を摘ままれ、もう片方の乳首も舌で遊ばれ吸いあげられる。
またしても快楽に襲われる。くすぐったいのが気持ちいい。
上の服は脱がされ、股間にも彼女の手は伸ばされた。
ぎゅ、ぎゅ、と程よく刺激を与えられる。
上にも下にも意識がいってしまったその瞬間に身体が跳ねる。
麗「またビクッてしてる」
悪戯っぽい顔をして姉ちゃんは俺のズボンとパンツを脱がした。
パンツについていたカウパー液の染みを、彼女は俺に向けて見せつけた。
麗「こんなにパンツ濡らしてどうしたんだ? 耳を舐められて、乳首を吸われて、興奮してるのか?」
そう問われて、また軽く失神しそうになった。
恥ずかしさと姉ちゃんの官能的な視線が俺の尊厳と理性を突き揺らして壊そうとしてくる。
カウパーが溢れガチガチに硬くなった陰茎を手で握り上下に動かす。
情けなくも声を我慢できない。
イキそうになって腰が勝手に浮いてくるのを見た姉ちゃんはいったん止め、反り返る程に勃起したちんこを口に含んで、じゅぽじゅぽといやらしい音を立てる。
手こきからフェラに変わり、いったん収まった射精感が再び込み上げてくると、姉ちゃんはまた休み、今度は亀頭を指で擦る。
カリを二本の指で挟むようにして撫でまわし、しこしこと扱かずに指先で亀頭を撫で続ける。
386 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:02:50.98 ID:M/4VaMYQ0
これが寸止めされた感覚とはまた違って、手こきやフェラの何倍もの刺激を受けているのにまったく射精する気配が無いのだ。
ただ、さっきよりも強い快感に襲われながら射精することができないという気持ち悪さが俺を狂わせそうなほどだった。
詠「ふぅっ……ぐっうぅ……あっ……うっ……ああああああっ!!」
必死に抑えてた声が我慢できなくなって大きく漏れてしまった。
慌てて口を手で押えるが、喉の奥から勝手に発声されてしまう。
ようやく手を止める麗姉ちゃんは、だらだらと漏れ出ているカウパーを舌で舐めとり、ペニス全体を口に含むフェラをして吸い取った。
ちゅぽっと音を立てて離されたそれは、勢いよく俺のお腹を叩く。
それほどガチガチに硬くなっており、暴発寸前なほど膨れていた。
麗「入れるぞ?」
朦朧とした意識の俺にそう告げて、彼女は俺の上に跨り、ガッチガチの陰茎を自身の膣内に導いた。
麗「ん、んぅ……」
艶めかしい声とともにすんなりと俺のモノを受け入れる。
しかし中は締まっており、彼女が上下するたびに搾り取られるような感覚に襲われる。
麗「あっ……あんっ……あ……いっ……きもちいっ……」
腰の振りはだんだん激しくなり、俺も早いうちに限界を迎える。
詠「うぁ! 姉ちゃんっ! やば……も……無理…………〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
さっきまで溜めに溜めた快感をぶちまけるように射精する。
姉ちゃんが優しく抱きしめてくれる。一回じゃ治まらない射精のようで、びくっびくっと震えるたびに精巣から白濁液を搾り出す。
十数回ほど精子を搾り出し、ようやく治まる。
387 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:03:27.16 ID:M/4VaMYQ0
麗「……すごいいっぱい出たな」
恍惚な表情を浮かべて彼女はペニスを抜くと、どろぉっと粘性の高い白濁液が膣内から溢れ出した。
抜いたペニスは再び俺のお腹を叩いた。
麗姉ちゃんはそれを見て、にまーっとした笑顔を浮かべるとちんぽを一舐めしてもう一度自分の膣に挿入させる。
詠「待って……」
なんていう俺の制止を、スイッチの入った麗姉ちゃんが聞いてくれるはずもなく、陰茎はずぶりと締め上げられる。
麗「私、まだイッてない」
そう言って彼女は好き勝手に動き始める。
さらに反応の薄くなってきた俺を再起動させるため、姉ちゃんはキスをはじめ、耳舐め、乳首舐めなど全身にリップサービスを施してくれる。
詠「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
言葉にならない声で俺は痙攣を続ける。
麗姉ちゃんの愛撫は愛があって気持ちが良くて、気を失いそうになる。
麗姉ちゃんの嗜虐に歪んだ表情が艶めかしく美しい。
そして先ほどあれだけ出したのに、すぐに射精しそうな感覚に襲われる。
麗「うぅん……いいっ……! 詠っ! 私も……イキそうだ…………あっ! あっ!」
詠「いっ……! 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
姉ちゃんに言われて俺も決壊したように、二回目の射精をあっけなくしてしまう。
麗「あ、あ、あ、あ……〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
同じタイミングで姉ちゃんも大きく痙攣する。
ぶるぶるっと震えてとろーっと呆けた顔を晒しながら、俺に密着する。
388 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:03:55.39 ID:M/4VaMYQ0
お互いに息を荒げ、強く跳ねる心臓の音が俺から彼女の身体に伝わり、そして彼女から俺の身体に伝わる。
このまま眠ってしまいたいほどの充足感と多幸感に包み込まれる。
麗「……詠、大丈夫か?」
しばらくして落ち着いた彼女が俺に尋ねる。
詠「ん、何とか……」
正直に言ってアラサー女性の性欲はすごい。
俺がだいぶ攻められたというのもあるけど、麗姉ちゃんはそれでもまだ物足りなそうな表情をしているのだから。
以前『今日は麗姉ちゃんの好きにしていいよ』と言ったことがあったが、その時は夜明けまで寝かせてくれなかった。
詠「まだ、する?」
麗「いいのか?」
俺のこういう部分はちょっと甘いのかもしれない。
彼女の満足していないという表情を見ると、やはり満足するまでしてほしいと思ってしまうのだ。
俺が頷くと、麗姉ちゃんはまた小悪魔みたいな笑みを浮かべた。
結局、セックスは翌朝まで続いた。
俺達が起きた時、両親はすでに起きており、朝食も用意されていた。
詠「いただきます」
うぅ、寝不足でまだ頭がぼんやりする。
珈琲を一口啜る。
母「あんたたち、子作りはほどほどにしなさいね」
さりげなく答えた母さんの言葉に俺と麗姉ちゃんは噴き出したのだった。
『麗アフター』 終わり
389 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/21(日) 20:05:51.14 ID:M/4VaMYQ0
全編終了です。
読んでくださった方、ありがとうございます。
感想や質問等あればどうぞ。
明日の夜にHTML依頼出します。
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 05:03:24.47 ID:KfOItP6P0
おっつおっつ
ポジパはPに恋はしなかったのかね?
391 :
◆Xx4o45zWU.
[saga]:2018/01/22(月) 21:07:02.22 ID:1zjTnEQ50
>>390
このお話では、彼女たちにはプロデューサーに対する恋愛感情はありませんでした。
それでは、読んでいただきありがとうございました。
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