ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」

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1 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/14(水) 00:28:26.58 ID:ZglLaJqo0
L「今さらながらプリンセス・プリンシパルのssだ…注意事項があるので任務開始前に読んでおけ」

7「…注意事項はこれです」


…注意事項…

主要な登場人物は百合・レズのみ(ユリ・アイズ・オンリー)

投下遅い

キャラ崩壊あり

シリアス少なめ


L「…以上だ。この内容を理解してから任務を開始しろ」

………


2 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/14(水) 01:01:06.24 ID:ZglLaJqo0
…case・ドロシー×プリンセス…

ドロシー「…は?」

L「聞こえたはずだ、『D』」

ドロシー「いや、聞こえたけど……プリンセスにハニートラップを仕掛けろ…って」

L「そうだ。今の所「チェンジリング作戦」は上手く行っている……が、この世界に『シロ』の者などいない、いるのは黒か灰色だけだ」

ドロシー「ましてや自分からこっちに加わってきたプリンセスとあらば、なおの事信用できない…か?」

L「そうだ。そこで『D』、お前がプリンセスに甘い顔を見せて本音を聞き出せ…どんな手段を使っても構わん」

ドロシー「…了解」


…部室…

プリンセス「美味しい紅茶ね…ドロシーさんもいかが?」

ドロシー「そうだなぁ、あたしは酒の方がいいけど…ま、頂くよ」

ベアトリス「珍しいですね、ドロシーさんがそんなに素直に」

ドロシー「なんだとぅ?」むにぃ…!

ベアトリス「い、いふぁいれすぅ…もう、ほっぺたがちぎれるかと思ったじゃないですか」

ドロシー「ふふ、そういう生意気な口をきくからだろ……っと、あちっ!」パチャ…!

ベアトリス「ほら、そうやってふざけているからですよ!」

ドロシー「あちゃー…なぁベアトリス、悪いけどあたしの部屋から代わりの服を取って来てくれないか?」

ベアトリス「えぇー?私はドロシーさんのメイドじゃないんですよ?」

ドロシー「仕方ないだろ…まさかこの濡れた服で帰るわけにはいかないし、ここに置いてある着替えって言ったら『活動用』の服だけなんだよ」

プリンセス「…ベアト、ドロシーさんの着替えを取って来てあげて?」

ベアトリス「姫様がおっしゃるなら……じゃあ取ってきますね」

ドロシー「頼んだぞ…クローゼットの中の服を見て鼻血を噴くなよ♪」

ベアトリス「誰がですか!…まったくもう……」

プリンセス「くすくすっ…表向きはああ言ってはいるけれど、ベアトはドロシーさんが嫌いじゃないのよ♪」

ドロシー「分かってるさ…何しろスパイだもんな?」

プリンセス「ふふ、スパイにしてはベアトは正直だけど♪」

ドロシー「かもな…って、冷たいな」

プリンセス「ティーカップ一杯分を浴びてしまったものね…ハンカチを貸してあげるわね?」

ドロシー「いや、胸元だけだし着替えも取って来てもらってるからな……よいしょ…」するっ…

プリンセス「…」

ドロシー「……ところで、プリンセス」

プリンセス「何かしら?」

ドロシー「ベアトリスもいないから言うけどさ……あたしの事、どう思ってるか…教えて欲しいんだ///」

プリンセス「それはもう、大事なお友達で『チーム白鳩』の頼れるメンバーよ?」

ドロシー「そうじゃなくて……あたしはさ、プリンセスの事が…」ずいっ…

ベアトリス「はい、取ってきましたよ……って、なんでそんな格好をして姫様に迫ってるんですか///」

ドロシー「お、悪いねぇ…って、真っ赤になってるってことはあたしに気があるのかー?」

ベアトリス「な、何いってるんですか…とにかく着替えて下さいっ!」

ドロシー「はいはい」

プリンセス「…ふふふ」

3 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/14(水) 01:33:08.43 ID:ZglLaJqo0
…夜・寝室…

ドロシー「それにしても…昼間は上手くかわされちゃったし、これからどう聞き出すか……はーい?」

プリンセス「…こんばんは、ドロシーさん♪」

ドロシー「うぇっ、プリンセス…!?」

プリンセス「ふふ…お茶の時はお答えできずじまいだったでしょう?きっと答えを早く聞きたいだろうと思って…♪」

ドロシー「いや、それは嬉しいけどさ……ネグリジェだけで来たのかよ///」

プリンセス「ええ」

ドロシー「と、とにかく中に入ってくれないか……寮監だのに見つかるとうるさいからさ」

プリンセス「そうだったわね。それでは、お邪魔します♪」

ドロシー「あー…えーと……飲み物でもだそうか?」

プリンセス「お気遣いなく♪…ベッドの上に座ってもいいかしら?」

ドロシー「あぁ、どうぞ…あたしもベッドに座るから、隣にかけなよ」

プリンセス「ありがとう♪…そういえば、ベアトはアンジェたちと一緒に監視任務に就いているのよね」

ドロシー「ああ…何でも王国側のスパイが入り浸っている部屋があるとかで……」

プリンセス「と言うことは…お昼みたいにお話が途中で止まることもないわけね♪」

ドロシー「お、おい…プリンセス……その、近いって///」

プリンセス「だって、私の事を好きって言ってくれたのはドロシーさんでしょう?」

ドロシー「いや、まぁ…それはそうだけどさ……だいたいプリンセスにはアンジェもベアトリスもい…」

プリンセス「二人きりの時に他の女の子の名前を出すのはいけないわ…♪」

ドロシー「いや、プリンセスもアンジェとベアトリスの名前を言ってたろ…」

プリンセス「だって…私はプリンセスだもの♪」

ドロシー「……横暴だな、おい」

プリンセス「ところで…私がドロシーさんの事をどう思っているか……だったわね?」

ドロシー「あ、あぁ…正直、プリンセスはあたしたちの…いや、あたしの事……どう思う///」

プリンセス「そうねぇ……食べちゃいたいわ♪」

ドロシー「…は?」

プリンセス「だって…あんな美味しそうな胸元を見せつけられたら……我慢できる人はいないんじゃないかしら///」ぐいっ…!

ドロシー「おわっ…ち、ちょっと待った!」

プリンセス「何かしら?」

ドロシー「いや、こういう物ってもう少し…その……なんか準備とかいるんじゃないか?…たとえば、ロウソクで照らされたステキなディナーとか……星空の下で告白とか……///」

プリンセス「ふふ、そうね…それじゃあ♪」

ドロシー「いや、カーテンを開けてどうするんだ…?」

プリンセス「ドロシーさん…好きよ///」

ドロシー「うえぇぇっ…!?」

プリンセス「はい「星空の下での告白」完了…では改めて♪」

ドロシー「うわっ、ちょ……待って…アンジェ、助けてくれぇ……ああぁぁっ!」

………



…翌朝…

プリンセス「ふふ、楽しかったわ…それじゃあ、また♪」

ドロシー「…ぜぇ、はぁ……死ぬかと思った…今までのケースの中で一番あの世に近づいたな……」

4 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/14(水) 01:49:35.84 ID:ZglLaJqo0
…図書館…


7「それで…?」

ドロシー「あー…プリンセスがダブル・クロスって言う可能性はない」

7「その根拠は?」

ドロシー「…プリンセスが『チーム白鳩』のメンバーを気に入っているから///」

7「それだけ?…理由にしては弱いわね」

ドロシー「いや、あたしが直接ハニートラップを仕掛けて聞き出したんだから間違いない…って、なんてこと言わせるのさ///」

7「スパイとはそういう物よ……で、どうだった?」

ドロシー「…何が」

7「夜のプリンセスよ…聞かせてちょうだい、そのためにこの作戦を『L』に提案したんだから」

ドロシー「おい」

7「こほん…いえ、今後プリンセスの寝返りを防ぐための予防線、あるいは弱点として記録しておかないと……」

ドロシー「…正直、あの状態のプリンセスは極めて危険だと思う」

7「なるほど」

ドロシー「正直、チームの全員をぶつけても勝てるかどうか……あたしは無理だと思う」

7「…つまり、プリンセスはタチ、と……とりあえずよくやってくれたわ」

ドロシー「ああ…あと、今回の件で」

7「なにかしら」

ドロシー「危険手当と傷病手当を加えておいてくれ…」



…寮の一室…

プリンセス「ふふふっ…♪」

ベアトリス「なんだか今日の姫様はとても肌艶がいいですね?」

プリンセス「そう?」

ベアトリス「はい、なんだかウキウキしていらっしゃいますし…何かいいことでもあったんですか?」

プリンセス「…かもね♪」

ベアトリス「?」


………

5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 02:32:25.26 ID:B/IhVWy3O
期待
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 03:29:26.11 ID:3cbvHMyzo
素晴らしい
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/14(水) 18:15:35.97 ID:uRN43Uieo
いいね👍
8 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/15(木) 00:51:01.30 ID:aa8L3LrH0
…case・ドロシー×ベアトリス「The perfume」(香水)…


アンジェ「さてと…今回の任務は王国防諜機関のトップ、『ノルマンディ公』の情報を提供してくれる人物と接触することにあるわ」

ドロシー「なぁアンジェ、どうして直接接触しなきゃいけないんだ?…メールドロップで受け取る「デッド・レター・ボックス」方式じゃダメなのかよ?」

アンジェ「仕方ないわ…該当の人物は情報提供の代わりにこちらへの亡命を希望しているの」

プリンセス「ロンドンの壁を越えるには私たちが手引きしてあげないといけないものね……接触場所はとある貴族の舞踏会よ」

アンジェ「当然、プリンセスと私たち『ご学友』の分の招待状は届いているわ」

ドロシー「なるほどな……じゃあ車を出そうか?」

アンジェ「ええ…接触は私とドロシー。プリンセスは動くと何かと注目を浴びるから、ベアトリスと一緒にカバーを」

プリンセス「ええ♪」

ベアトリス「はい」

ちせ「ならわしはどうすればよいのじゃ?」

アンジェ「ちせは今回の接触が罠だった時に備えて潜んでいてほしい…銃は音が大きいし、よっぽどの事態でない限り抜けない。その分刃物なら静かに処理できるから」

ちせ「…うむ、承知した」

ドロシー「それじゃあ、お洒落なドレスで行くとしますか♪」

…舞踏会…

プリンセス「あら、伯爵夫人…ごきげんよう♪」

アンジェ「…予想通りプリンセスが会場の注目を集めているわ」

ドロシー「まぁ、プリンセスだもんな…おっ、ノルマンディ公が来たぞ」

アンジェ「……プリンセスに接近しているわね」

プリンセス「ご機嫌麗しゅう……あら」

ノルマンディ公「これはこれは奇遇ですな、姫君…舞踏会は楽しんでおられますか?」

プリンセス「ええ、とっても♪」

ノルマンディ公「それは何より……では、失礼」

プリンセス「…おかしいわね」

ベアトリス「何がです、姫様?」

プリンセス「伯爵の主催とはいえ小ぶりな舞踏会なのに、ノルマンディ公が来るなんて……何かあるわ」

アンジェ「…どちらにせよ、接触の時間はもうすぐよ……場所は中庭。「舞踏会の最中に気分が悪くなって、新鮮な空気を吸いに出た」と言うことになっているわ」

ドロシー「了解……で、あたしが付き添いってことだな」

アンジェ「ええ…年齢的にもオールドミスになりかかっているし、ちょうどいいわ」

ドロシー「う、うるさい!……これも任務なんだから仕方ないだろ?」

アンジェ「冗談よ」

ドロシー「…」

アンジェ「それじゃあ、スリー、トゥー、ワン…任務開始。……あー、急に頭が痛くなってきただー」

ドロシー「…ここでその田舎者設定を使うのかよ……気分がすぐれなくていらっしゃるの?」

アンジェ「んだー、頭が痛くて割れそうだー……空気を吸いにお庭に連れて行ってくんろー……」

ドロシー「ならお手をお貸ししますわ……あと、その顔で棒読みするのはやめろよ…噴き出しそうになるだろ」

アンジェ「…いいから……ランデヴーまであと五分二十秒よ」

9 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/15(木) 01:43:34.41 ID:aa8L3LrH0
…中庭…

アンジェ「…おかげで生き返っただー」

ドロシー「おい……さっきから聞いてるけどかなり雑だろ」

アンジェ「…ドロシー、こんな時にふざけないで」

ドロシー「いや、それは私の台詞だろ……おい、向こうの女…紺のドレスに白い花のコサージュを付けているぞ。対象はあれか?」

アンジェ「間違いないわね…合言葉は『ダンスはお嫌いですか』よ」

ドロシー「で、答えが『ええ、ワルツはあんまり得意ではないので』だったな」

アンジェ「その通りよ。それじゃあ接近するわ…」

ドロシー「…待てアンジェ、もう一人来た……って、あいつ!」

アンジェ「あの時の褐色女ね」

ドロシー「『ガゼル』だったか?…ノルマンディ公の子飼いの部下っていう話だったな」

アンジェ「……まずい」

ドロシー「…あいつ、情報提供者を片づける気だぞ……どうする?」

アンジェ「仕方ないわ…」ばさっ…!

ドロシー「…やれやれ、やっぱりそうなるか」しゅるっ…!

ガゼル「おや……こんなところでお散歩ですか、それとも…誰かと密会の予定でも入っているのかしら」

情報提供者「な…何の事かさっぱりですわ……」

ガゼル「そう…なら仕方ないですね……」ナイフを抜くガゼル…と、「Cボール」の閃光がきらめく

アンジェ(潜入バージョン)「…早く」情報提供者を抱え中庭を離れるアンジェ…

情報提供者「きゃっ…!」

ガゼル「…待て!……くっ!?」

ちせ(潜入バージョン)「ふんっ!」たたたっ…と駆けより袈裟懸けに一太刀浴びせる

ガゼル「…ちっ!」パンッ!……滑らかな動きでクリーム色をしたドレスの裾をはねあげると内腿に差していたリボルバーを抜き撃ちで放った…

ちせ「む…!」

ドロシー「……っ!」パン、パンッ!…六連発、.455ブリティッシュ口径の「ウェブリー&スコット」リボルバーを抜き、二発撃つ

警備隊「銃声だ!庭の方からだぞ!」

ガゼル「ちいっ…!」パンッ、パン!…ドロシーに牽制射撃を加えながらちせと渡り合う

ちせ「くっ…!」ガキンッ…キンッ!

ドロシー「…」パァン!…ちせとガゼルが切り結んだところでバラの花壇から腕を伸ばし、精密に狙って一発放った

ガゼル「うっ!」銃弾が身に着けていた何かを弾き飛ばすと、ガゼルはパッと身を翻し、何かを放り投げてから飛びのいた…

ちせ「…待て!……くうっ!」追いかけようとした瞬間に発煙弾の煙がもうもうとたちこめる……

ドロシー「…ちせ、深追いは厳禁だ。どの道警備だの野次馬だのがうじゃうじゃやって来るからな……さ、早く逃げるぞ」

ちせ「うむ…わしとしたことが勝負を焦り過ぎた」

ドロシー「なぁに、いい腕だったじゃないか…ん?……あいつ、何か落としていったな…香水か?」

ちせ「さぁ、急ぎ撤収じゃろう?」

ドロシー「あぁ、そうだな」

10 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/15(木) 02:14:39.31 ID:aa8L3LrH0
…部室…

アンジェ「とりあえず情報提供者の身の安全は確保できたわ」

ドロシー「まずは何よりだな…しかし、あの『ガゼル』とか言う褐色女……相当な腕だ」

プリンセス「それにノルマンディ公が情報の引き渡しを察知していた…ゆゆしき事態ね」

ドロシー「あぁ、全く……あ、そう言えばあの女がこれを落としていったんだが」…コト

プリンセス「ピンクのガラス瓶……香水?」

ドロシー「あぁ、プリンセスにもそう見えるよな?」

プリンセス「ええ…アンジェはどう思う?」

アンジェ「私も香水だと思うわ。香水は女性スパイの必需品だもの…でも、どこに入れていたって?」

ドロシー「多分、ふともものガーターベルトに差していたと思う……脚を止めようとして弾を撃ちこんだときに弾き飛ばしたみたいだからな」

ベアトリス「普通は香水をそんなところに入れたりはしませんよね?」

ちせ「もしや、毒薬かも知れんの」

ベアトリス「うーん…瓶は一見普通の香水にしか見えませんが……」持ち上げてランプの灯りに透かしてみる

ドロシー「ちょっと待て、棚に試薬があったよな……あれで…」

ベアトリス「きゃっ!」…プシュ

プリンセス「ベアト!?」

ドロシー「うぷっ!…おい、何やってるんだ」

ベアトリス「だってふたが外れていて…大丈夫ですか?」

ドロシー「あ、あぁ…ベアトリス、そっちは?」

ベアトリス「私も少し浴びましたけど…まさか死んだりしないですよね?」

アンジェ「今調べるわ……一応試験紙には反応がないわ」

ドロシー「…じゃあ、ただの香水だって言うのか?」

アンジェ「確証は持てないけど、そう言うことになるわ」

ドロシー「あんな『歩く兵器庫』みたいな女が武器じゃない物を持っているなんて信じられないけど……な」

アンジェ「どうしたの、ドロシー?」

プリンセス「ドロシーさん?」

ドロシー「い、いや…ベアトリスってよく見ると……ちんまいし可愛いよな///」

アンジェ「!?」

プリンセス「ええ、そうね♪」

ベアトリス「…な、何言ってるんですか!?」

ドロシー「いや…何ていうか……こう…抱きしめて押し倒したら涙目になって抵抗するんだろうなって思ったら…はぁはぁ///」

アンジェ「…どうやらこれは、媚薬か何かのようね」

ちせ「そのようじゃな…」

ドロシー「なぁベアトリス、よかったら私の部屋で泊まっていかないか……イケナイ事なんてしないって///」

ベアトリス「うわ…絶対に嘘じゃないですか!」

ドロシー「大丈夫大丈夫、ちょっとイイコト……したいだけだから///」わきわき…♪

ベアトリス「ひぃ…!」

アンジェ「こういう物は数時間で効果が切れるものよ…それじゃ」

プリンセス「…ベアト、ドロシーさんと仲良くね♪」

ちせ「うむ、わしもぬか漬けのぬか床をかき回しに行かんとな…さらばじゃ」

ベアトリス「えっ、ちょ……ちょっと待ってくださいよ!?」

ドロシー「よーし、捕まえたぞぉ♪」

11 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/15(木) 03:07:28.24 ID:aa8L3LrH0
ベアトリス「ちょ、ちょっと待って…んぅっ!?」どさっ…!

ドロシー「んちゅぅ、ちゅぅ……ちゅっ……ぷはぁ、ベアトリスは甘くって美味しいなぁ♪」

ベアトリス「ドロシーさんっ…や、止めて下さいっ!」

ドロシー「大丈夫だって、『チーム白鳩』はいつも一緒だから…安心してあたしに任せなって♪」

ベアトリス「…誰も残ってくれませんでしたけど……って、何をする気ですか!?」

ドロシー「そりゃあもちろん…このつつましいお胸をじっくり吟味させてもらおうと思って……な♪」ふにっ…もみゅ♪

ベアトリス「きゃぁぁぁっ!?」

ドロシー「おー…可愛いなぁ、この手のひらに収まるサイズ感に……おほぉ、サクランボはピンク色かぁ……よーし、優しいドロシーお姉さんが摘まんじゃうぞぉ♪」

ベアトリス「…いい゛っ、まるっきり変態じゃないですかぁ!」

ドロシー「んふふ、ベアトリスが可愛いのがイケナイんだろ…ホント、罪作りだなぁ♪」ちゅぅぅっ♪

ベアトリス「ん、んぅぅぅっ///」

ドロシー「さてさて、お次は…と♪」するっ…手早くスカートとズロースを引き下ろす……

ベアトリス「ちょ、ちょっと…!?」

ドロシー「やっぱり下はつるつるかぁ…うんうん、そうじゃないとな♪」ちゅる…くちゅっ♪

ベアトリス「ひぐっぅっ…んぁぁっ!?」

ドロシー「おー、喘ぎ声も可愛いけど…見つかったらことだもんなぁ……よいしょ♪」キチッ…カチカチ…

ベアトリス(CV・玄田哲章)「ちょっと、どこをいじってるんですかぁ!」

ドロシー「大丈夫大丈夫…天井のシミを数えている間に終わるって♪」くちっ…ぬちゅっ、ずぶっ♪

ベアトリス「…っ!……!!」

ドロシー「それじゃあいよいよ…んっ、おぉぉ///」にちゅ…くちゅっ♪……ベアトリスを押し倒し脚を広げさせて自分の秘所と重ね合わせると、一気に腰を動かす…

ベアトリス「…んー、んーっ!!」ぐちゅっ、じゅくっ…♪

ドロシー「うわ…これ気持ち良すぎるだろ……プリンセスはいつもこんなにいい思いしてたのかよ、おっ、おほぉぉっ…♪」ずちゅっ、ぐちゅっ…ぐちゅ♪

ベアトリス「んーっ…んっ、んー///」

ドロシー「分かってるって…ドロシーお姉ちゃんと一緒に気持ち良くなりたいんだよな♪」机に両手をつかせると背中に回り込んで、広げた脚に人差し指と中指を入れてかき回す…

ベアトリス「んーっ、んっ…んんぅ///」ぐちゅっ……とろとろっ…とぽっ……ぽたっ♪

ドロシー「んっんっ、んんっ…ほぉら、こんなとろっとろに濡らしちゃって……それじゃ、失礼して♪」じゅる…じゅうぅっ、ぴちゃっ♪……今度はしゃがみこんで舌を這わすドロシー…

ベアトリス「んっ、ん゛ぅぅーっ…んぐぅぅーっ!!」とろっ、ぷしゃぁぁ…っ♪

ドロシー「おいおい、私の顔にそんなに浴びせるなよぉ……でもまぁ、温かくて気持ちいいし……よーし、もっとイっちゃえ…そーれっ♪」

ベアトリス「ん゛んんぅぅ…っ!!」がくがくっ…ぷしゃぁぁ…っ♪

ドロシー「おー…派手にイったなぁ……よしよし♪」

ベアトリス「んーっ…んぅ///」

ドロシー「なに、『もっとイかせてください、ドロシーさん』だって?…よーし、ならあたしもうんと頑張っちゃうかな♪」

ベアトリス「んぐぅぅっ…んーっ!!」

…廊下…

プリンセス「……わぁ、すごい…今度私も試してみましょう♪」


………
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/16(金) 02:53:17.80 ID:UDXs+1Nno
13 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/19(月) 01:53:20.52 ID:VUHSzbKi0
期待してコメントを下さる皆さま、ありがとうございます…引き続きがんばりますのでどうぞよろしくお願いします
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 02:12:11.29 ID:i54WDZO9o
がんば
15 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/19(月) 02:45:57.31 ID:VUHSzbKi0
…case・アンジェ×プリンセス「The codebook」(暗号表)


…中庭…

アンジェ「…みんな、新しい任務が入ったわ」

ドロシー「うぇぇ、また任務かよ?…この間の任務であんな目にあったばっかりだって言うのに……もっとも、ベッドの上で喘ぎながらよがるベアトリスは可愛かったけどな♪」

ベアトリス「ちょ、何てことをいうんですかっ!?」

ドロシー「まぁまぁ…寂しくなったらいつでもあたしが慰めてやるからさ♪」

ベアトリス「ド、ドロシーさん…///」

ドロシー「お…おい、そういう表情するなって!…その……こっちだって反応に困るだろ///」

プリンセス「まぁまぁ、二人ともかーわいい♪」

ちせ「こほん……で、任務の内容はなんなのじゃ?」

アンジェ「ええ…今回の任務はアルビオン王国海軍のコードブックを入手すること、場所は海軍省の情報部」

ドロシー「おいおい、海軍省だって?…そんなところ、あたしたちみたいな女学生がノコノコ出かけていったって入手どころか近寄ることすらできる場所じゃないだろ」

アンジェ「大丈夫、すでにコードブック自体は海軍省から持ち出されているわ」

ドロシー「…どういうことだ?」

アンジェ「海軍省内部の人間で、見返りと引き換えにこちらにコードの写しを提供した人物がいる……つまり欲得ずくでコードブックを売り払ったということね」

ドロシー「やれやれ、この世界にはそんなやつばっかりだな…で?」

アンジェ「コードブックは現在カットアウト(切り捨て可能な連絡役)の所まで来ているわ…私たちの任務はカットアウトからコードブックを受け取り、持ち帰ること」

ドロシー「そのカットアウトとはどうやって?」

アンジェ「とある貴族がダンスパーティを開く予定なんだけど、その時にカットアウトがメールドロップにコードブックを置いていくことになっている。私たちはそれを入手して持ち帰るだけ…お互い、顔も見ないで済むわ」

ドロシー「そりゃいいや…だけどアンジェ」

アンジェ「なに?」

ドロシー「ノルマンディ公のワナじゃないだろうな?」

アンジェ「可能性がないとは言えないわ…ただ、今回の情報提供者にしろカットアウトにしろ、いずれも切り捨ては可能よ」

ドロシー「なるほどな…で、その舞踏会はいつなのさ」

アンジェ「三日後よ」

ドロシー「なるほどな…それじゃあ、うんとおめかししていこうかね♪」

ちせ「うむ…」ぽりぽり…

ベアトリス「んむむ…何なんですかっ、その変なのは!?」

ちせ「『たくあん』じゃが…食うか?」

ベアトリス「いりませんよっ!」

プリンセス「ふふふっ♪」

16 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/19(月) 03:25:52.21 ID:VUHSzbKi0
…舞踏会…

ドロシー「おーおー…綺麗な会場だ……しかも壁に入れこみやカーテンのかかった場所もたくさんあるな」

プリンセス「とっさの隠れ場所には困らないわね?」

ドロシー「ご名答…もっとも、相手側にとってもそうなるけどな」

アンジェ「大丈夫、入れこみに隠れている人間はいないわ」

ドロシー「どうしてわかる」

アンジェ「人が潜んでいたらカーテンのドレープ(ひだ)にムラが出来る…でも、ここのカーテンはどれも綺麗なものよ」

ドロシー「そうだな…それじゃああたしは一杯もらってくるかな♪」

アンジェ「タダだからって飲みすぎないでよ」

ドロシー「…ばか言え、それを口実に化粧室に入るんだよ」

アンジェ「知ってるわ」

ドロシー「相変わらず食えない女だな…それじゃあ、あたしはワインでももらってくる」

プリンセス「行ってらっしゃい♪」

貴族女性「あら、これはこれは王女様…お目にかかれて光栄でございますわ!」

プリンセス「まぁ、ムーンウォーク卿の奥さま……わたくしこそ、お会いできてうれしいですわ」

貴族女性B「まぁまぁ、王女様のお召し物はいつにもましてお綺麗ですこと…!」

プリンセス「ふふ…お褒めの言葉はありがたく頂戴いたしますわ、レディ・スマイリー」

アンジェ「……ベアトリス、プリンセスをお願い。私は先に受け渡し場所を確認してくるわ」

ベアトリス「…はい」

貴族女性C「おほほほ、王女様はお上手ですわねぇ」

プリンセス「いえいえ、わたくしなどミス・チャーミングの足元にもおよびません♪」

…数十分後…

プリンセス「あら、どうかなさいましたの?」

ドロシー「ええ、わたくし少々頭が痛むんですの…」

プリンセス「まぁ、それはいけません……さ、一緒にお化粧室に参りましょう?」

ドロシー「……お願いいたしますわ」

…化粧室…

ドロシー「あぁ、頭が痛いですわ…っと、メールドロップはここだよな……」

プリンセス「ええ…左から二番目の化粧台の、化粧筆の柄の中に……どう?」

ドロシー「あー…よし、あった」

プリンセス「よかったわ…それじゃあ後はドロシーさんの頭痛がひどくなって……」

ドロシー「アンジェたちがあたしを連れ出す…と」

アンジェ「……そう言う話だったけど事情が変わったわ」

ドロシー「どうした、アンジェ?」

アンジェ「王国防諜部が来たわ……どうも海軍省の裏切り者が捕まって歌った(白状した)みたいね」

ドロシー「ちっ…それでカットアウトの所にまでたどり着いたってわけか。手が早いな」

アンジェ「そうね……そこで計画を変更するわ」

ドロシー「ああ、どうする?」

アンジェ「ドロシーは予定通り早めに出ていくことになるわ……当然、彼らからすれば「防諜部が来ていたらどんなスパイでも真っ先に出ようとする」と、考える……」

ドロシー「が、そうじゃない…と♪」

アンジェ「ええ……私とプリンセスはコードブックを持ったまま最後まで残って、パーティを楽しむわ」

ドロシー「了解、それじゃああたしはさっさと出て行くことにするよ」
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/19(月) 23:13:31.41 ID:i54WDZO9o
18 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/20(火) 00:59:32.70 ID:RK1r9fFE0
…玄関…

憲兵「お帰りの方は入り口で止まって下さい。実はこちらのお屋敷から「宝石が盗難にあった」と通報を受けまして…失礼ながら持ち物を確認させてもらいます……おや、具合が悪いようですね?」

防諜部エージェント「…」憲兵の後ろでドロシーの表情を注視している私服の男女

ドロシー「ええ、わたくし頭が痛くて……美味しいからとワインを頂きすぎてしまったようですの」

憲兵「それはそれは…お車ですか?」

ドロシー「ええ…」

憲兵「なるほど…ではハンドバッグの確認をさせてもらいます……何もありませんね、どうぞお気をつけて♪」

ドロシー「ありがとう…♪」

防諜部女エージェント「…失礼、お嬢さん」

ドロシー「まだ何か?」

防諜部女「ええ…少しこちらに来てもらえますか?」…物陰に連れて行くと胸の谷間をのぞき、コルセットを上から撫でて、さっとドロシーの身体検査を済ませる

ドロシー「もう構いませんかしら?…正直気分が悪くって、早く休みたいんですの」

防諜部女「ええ、結構です」山高帽の男の方に首を振る

防諜部男「では、お気をつけて…後は中だ、行くぞ」

ドロシー「ええ、ありがとう……ふぅ」車に乗ってからほっと息を吐くドロシー…

…邸内…

憲兵「お静かに願います!…実はこのお屋敷にあります宝石類が盗難にあったので、犯人捜索のために持ち物を調べさせてもらっております。何かと不快に感じるでしょうが、ぜひともご協力をお願いします」

貴族「ほう、君は我々のような身分の者を疑うのかね?」

貴族女性「それに男性に持ち物を見せることなどできませんわ!」

防諜部女「…無礼は重々承知しておりますが、これも犯罪取り締まりのためですので……また、女性の方は私がお調べします」

貴族女性「なら…仕方ないですわね。それにしても貴族のわたくしたちを疑うなんて……」

プリンセス「…アンジェ」

アンジェ「ええ…男のエージェントだけなら触られずに済むからあっさり持ち出せる所だったけれど……」

ベアトリス「どうします?」

アンジェ「そうね……ベアトリスはここに残って。プリンセス、もう一度化粧室に行きましょう」

プリンセス「何か策があるのね?」

アンジェ「ええ」

…化粧室…

プリンセス「それで、どうするの?」

アンジェ「…プリンセス、コードブックはカプセルに入っているわね」

プリンセス「ええ、そうよ」

アンジェ「…入れて」ドレスの裾をたくし上げ、ペチコートを下ろす…

プリンセス「アンジェ?」

アンジェ「何をしているの……いくら防諜部でも女学生のこんな所までは調べないわ」

プリンセス「分かったわ…じゃあ、入れるわね」つぷっ…くちゅ……

アンジェ「…んっ」

プリンセス「……大丈夫、入ったわ」

アンジェ「ならもういいわ…さぁ、あまりここにいると感づかれる」

プリンセス「ええ、そうね」

防諜部女「…所持品の検索終了。誰からも出ませんでした」

防諜部男「ならまだ屋敷内か……よし、捜索を続けろ」

プリンセス「…ふふっ♪」

………
19 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/03/20(火) 01:22:14.78 ID:RK1r9fFE0
…部室…

ドロシー「おう、お帰り…いやはや、さっきのはさすがに冷や汗が流れたな?」

アンジェ「別に」

ドロシー「相変わらずだな……で、上手く行ったか?」

プリンセス「ええ、みんなのおかげよ♪」

ベアトリス「そんな、姫様に褒めて頂けて光栄です…///」

ちせ「うむ、かたじけない」

ドロシー「なぁに、ちょろいもんさ♪」

プリンセス「ふふ、それじゃあ「今日の活動」はここまで……みんな、お休みなさい♪」

ドロシー「ああ、お休み」

ちせ「うむ、それでは…」

ベアトリス「私は姫様がお休みするまでお側に……ふわぁ…」

ドロシー「ほらほら、小さいベアトリスはもうねんねの時間だろ?」

ベアトリス「あー、またそうやって私の事を子供扱いして!」

プリンセス「ふふ、いいのよベアト…あとは私とアンジェさんでやるから、先にお休みなさい♪」

ベアトリス「そうですかぁ…でしたらお言葉に甘えて……ふわぁぁ……」

ドロシー「…それじゃあ、お休み」

プリンセス「ええ、お休みなさい♪」

アンジェ「…プリンセスも先に休んでいいのよ?」

プリンセス「ふふ…「シャーロット」が頑張っているのに、私だけ休むわけにもいかないでしょう?」

アンジェ「そう…ならご自由に///」

プリンセス「ええ、そうさせてもらうわ♪……さ、コードブックを取り出しましょう?」

アンジェ「ええ……んっ、く…」

プリンセス「…どうしたの、アンジェ?」

アンジェ「…出てこないわ」

プリンセス「え?」

アンジェ「カプセルが上手く出てこないわ…///」

プリンセス「え、それは困ったわね…」

アンジェ「仕方ないわ…ベアトリスの工具をつか……」

プリンセス「ダメよ、金属の工具で怪我をしたらどうするの?」

アンジェ「でも、そうでもしないと取り出せないわ」

プリンセス「なら…私が手伝ってあげる♪」

アンジェ「何ですって…?」

プリンセス「要は取り出せればいいのよね…さぁ、裾をたくし上げて?」

アンジェ「…これでいいかしら」

プリンセス「それじゃあよく見えないわ…もっとたくし上げて?」

アンジェ「ふぉれでいいふぁしあ(これでいいかしら)…?」真っ白なふとももをさらし、ドレスの裾をくわえているアンジェ…

プリンセス「ええ、これでよく見えるわ……あー、ちょっと奥まで入っちゃったのね♪」くちゅ…こりっ……

アンジェ「んっ、ん…///」

20 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/20(火) 01:50:44.53 ID:RK1r9fFE0
プリンセス「…それにしてもアンジェのふとももはすべすべね、とても触り心地がいいわ♪」

アンジェ「んぅぅ…ふざけてないで早く取り出して///」手で裾を持ちなおすと、顔を赤くしながら言った

プリンセス「だって…うまく取りだせないんですもの♪」くちっ…ちゅぷっ……

アンジェ「んっ…そんなに奥まで入っているはずがないわ///」

プリンセス「でもうまく取りだせないの……ふふ、アンジェのここってつるつるなのね♪」

アンジェ「んくっ…んぅぅ……そんなことはいいから///」

プリンセス「そうは言っても…乱暴にやってアンジェの大事な所に傷をつけたらいけないわ……あ♪」

アンジェ「…取りだせたの?」

プリンセス「いいえ…でも、何か滑りやすくするものを塗ったら取り出しやすくなるんじゃないかしら?」

アンジェ「そんなものあったかしら…んっ///」

プリンセス「ちょっと待って…これならどうかしら♪」

アンジェ「石けんね…」

プリンセス「少しお湯で溶かして…いいかしら?」

アンジェ「ええ…///」

プリンセス「わぁ…ぬるぬるになったわね、これなら滑って出てくると思うわ♪」

アンジェ「なら早くしてほしいわね…脚が冷えてきたから」

プリンセス「なら…私が温めながらやってあげる♪」

アンジェ「ちょっと……ふとももにほっぺたをこすりつけるのは止め……んくっ、んぅぅっ///」

プリンセス「何か言ったかしら♪」

アンジェ「…何でもないわ……んっ、んぅっ///」

プリンセス「うーん…なかなか出てこないわねぇ♪」くちゅくちゅっ…♪

アンジェ「んんっ、あんっ…んっ///」

プリンセス「ねぇアンジェ……アンジェったら、もしかして感じちゃってるのかしら?」

アンジェ「さぁ、何の事かしら…んんっ!」

プリンセス「ふふ『スパイは嘘をつく生き物』だったわよね…どう、気持ちいい?」

アンジェ「全然…裾を持ちあげている腕が疲れたから早く取りだして欲しいだけ……んくっ///」

プリンセス「ほんとに…そうかしら♪」くちゅっ、にちゅっ…じゅぶっ♪

アンジェ「んくっ、んんぅ…ええ……んぁぁぁっ///」

プリンセス「シャーロットは私にまで嘘をつくの?」

アンジェ「それがスパイよ……んくぅぅっ、あぁっ///」

プリンセス「ふぅん…なら、これはどうかしら♪」ぐちゅぐちゅっ…にちゅっ♪

アンジェ「んっんっ、んっ……んぅぅぅっ///」

プリンセス「あらあら…シャーロットったらこんなに濡らして……もうこれなら滑りやすくするものも要らないわね♪」

アンジェ「んっ、んんぅぅっ…///」

プリンセス「…大好きよ、シャーロット……ちゅっ♪」身体を伸ばしてアンジェの耳たぶに甘噛みするプリンセス…

アンジェ「あっあっ、あぁぁぁっ…そんなのっ…ず、ずるいっ……んあぁぁぁっ♪」ぶしゃぁぁ…っ♪

プリンセス「あっ、やっとカプセルが出てきたわ…よかったわね、アンジェ♪」

アンジェ「…はぁ、はぁ…はぁ……んあぁぁ…んっ、くぅっ///」くちゅ…くちゅっ♪

プリンセス「あら、まだし足りないの?」

アンジェ「…いいえ///」

プリンセス「ふふ…シャーロットは素直じゃないんだから♪」…くちゅくちゅっ♪

アンジェ「んっ…あぁぁぁっ♪」

………
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/20(火) 08:08:00.84 ID:VS579eDIo

見てるぞ
22 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/22(木) 01:40:11.87 ID:qNp1uz/t0
>>21 見て下さってありがとうございます、引き続きがんばります
23 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/22(木) 02:11:46.67 ID:qNp1uz/t0
…case・アンジェ×ベアトリス「The spy who loves princess」(プリンセスを愛したスパイ)…


…部室…

アンジェ「…さてと、前回の任務では上手くコードブックを入手できたわね」

ドロシー「色々ヒヤッとさせられたけどな」

アンジェ「スパイ活動なんてそういうものよ」

ドロシー「まぁね……で、また任務だって言うんじゃないだろうな?」

アンジェ「それで、新しい任務があるわ」

ドロシー「…おい」

プリンセス「まぁまぁ、それだけ私たち「チーム白鳩」が有能だって言う証拠じゃありませんか……ね、ドロシーさん♪」

ドロシー「うっ…まぁそうなんだけどさ///」

ちせ「それで、今度の任務は何なのじゃ?」

アンジェ「『7』から受けたブリーフィングによると、前回入手したコードブックのおかげでアルビオン王国海軍の動きがある程度察知できるようになったわ…とはいえ、王国側もこちらがコードを入手したかもしれないと危ぶんでいる……急に暗号を変更する可能性もある、ということね」

ベアトリス「じゃあ、また暗号表を入手しなくちゃいけないんですか?」

アンジェ「いいえ…今度は王国側に「暗号表がまだ手に入っていない」と思わせる必要がある」

ドロシー「なぁるほど…ある種のディスインフォメーション(偽情報・逆情報)ってやつか♪」

アンジェ「ええ…私たちはロンドン郊外のドックに停泊している王国海軍の空中戦艦へ侵入、わざとコードブックの奪取に失敗する」

ドロシー「で、王国の連中はこっちが「コードブックを手に入れてない」…って思ってくれるわけか」

アンジェ「ええ」

プリンセス「それで、侵入方法はどうするの?」

アンジェ「もちろん、非合法に接近して侵入することになるわ。王国がコードブックを入手できていないと思ってくれるなら、侵入に失敗しても構わない」

ドロシー「しかし相手は海軍の施設だからな……雨あられと鉛玉が飛んでくること請け合いだろ」

アンジェ「そうなるわね。なのでプリンセス…あなたは後方支援に回って」

プリンセス「ええ、分かったわ」

アンジェ「それで、ちせとドロシーが陽動…派手に暴れてくれて構わないわ」

ちせ「うむ、承知した」

ドロシー「はいよ」

アンジェ「で、私とベアトリスが侵入…ベアトリス、あなたは機械いじりが得意だから警報装置や通信設備の無力化をお願い」

ベアトリス「はい」

アンジェ「任務決行日は空中戦艦の乗員が一斉に休暇を取る訓練航海の後……二週間後になるわ。その時までに各自で相手の警備体制や装備を確認しておくこと」

………
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/22(木) 23:40:47.13 ID:sRZaUAsPo
25 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/23(金) 02:23:00.24 ID:VjluLH8N0
…二週間後…

ドロシー「さてと……それじゃあ準備に取りかかりますかね♪」…アンジェに「スパイなら絶対にこれよ」と渡された黒に紫の裏地がついたマントを羽織り、鳥打ち帽をかぶり、黒の揃いを身にまとう……

ドロシー「それから…と……」ブリティッシュ.38口径の頑丈な六連発リボルバー「ウェーブリー・スコット」4インチ銃身モデルを取り出すと中折れ式のシリンダーを開いて一発づつ弾を込め、ふともものガーターベルトや腰回りに、ナイフ、煙幕手榴弾、爆薬とベアトリスお手製の時限装置数個、細いが丈夫な絹のロープと「七つ道具」を身につけていく…

ベアトリス「私も準備しないと…」ベアトリスは黒一色のメイドのような恰好をし、形も用途も様々な工具一式の入った小さいカバンと小型のリボルバーを一丁…

ちせ「うむ」狭い艦内で取り回しがいいように脇差と小柄を差し、笠と黒備えで身を固める…

アンジェ「私はいつも通り…それで十分」オートマチック・リボルバーという珍品「ウェブリー・フォスベリー・リボルバー」に弾を込め、シリンダーのある上部をスライドさせる…後は黒のマントにシルクハット、口元を隠す黒のスカーフに裾の短いドレス風の服…そしてコントロールから渡されている秘密兵器「Cボール」を腰にぶら下げた…

プリンセス「みんなよく似合っているわね…♪」プリンセスは黒のドレスに黒のケープ、顔にヴェールをかけて、3インチ銃身の小型リボルバーをしのばせる…

アンジェ「みんな、準備はいい?」

ドロシー「もちろん…さ、乗った乗った♪」ドロシーのカスタム・カーに乗り込んで霧がかった夜のロンドンを疾駆する…


…アルビオン王国海軍・空中戦艦用ドライ・ドック…


ドロシー「さて…じゃあ上手くやれよ、アンジェ?」

アンジェ「ええ」

ちせ「では…ドロシー殿、参ろうか?」

ドロシー「はいよ♪」にっと笑ってドライ・ドックの裏手に回る……

ベアトリス「じゃあ私たちも行きましょうか?」

アンジェ「ええ…」

プリンセス「行ってらっしゃい…アンジェ♪」ちゅ…♪

アンジェ「……行ってくるわ///」

…ドロシー・ちせ組…

ドロシー「…それにしても警備が甘いな」

ちせ「うむ…まさかここに侵入するような愚か者はおらぬと思っておるのじゃろう」

ドロシー「じゃあ、あたしたちは「チーム・愚か者」ってわけか…♪」

水兵「……おい、誰かいるのか?」

ドロシー「…ちせ」

ちせ「うむ…」たたたっ…と駆けると、刀の鞘走る音もさせずに首筋を一撃した……

水兵「ぐえっ…!?」

ドロシー「ひゅー…それが「峰打ち」って言うやつか……」

ちせ「うむ。一介の兵士なのじゃ、斬るまでもあるまい」

ドロシー「かもな…さ、行こう」水兵のライフルから弾薬のクリップを弾きだし、舷窓の外にぽいと放り出す…

…アンジェ・ベアトリス組…

ベアトリス「これが電信用のコード…こっちが警報用のコード……変換機がここにあって……」手際よくコードの配線を切ったり、ちぐはぐに並び替えたりしてしまう…

アンジェ「…もういいかしら」通路を見張るアンジェ…

ベアトリス「あと少し待って下さい……はい、できました♪」

アンジェ「そう、なら行くわよ」

ベアトリス「あ、待って下さい…道具をしまわないと……」

………
26 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/24(土) 03:05:07.04 ID:JNBzrhLS0
…ドロシー・ちせ組…

ドロシー「しかしこうも綺麗に片付いちまうと、陽動にならないよな♪」

ちせ「うむむ…普段から隠密行動に慣れているせいか、つい静かにカタをつけてしまうのぉ」

ドロシー「ま、そろそろベアトリスお手製の時限爆弾が…ほぉらきた♪」…空中戦艦の武器庫や副砲のケースメイトに仕掛けた時限爆弾が炸裂した

水兵「…何だぁ!?」

水兵B「警報っ!」

ドロシー「……それじゃあいっちょう…派手にやるとしますか♪」


♪〜(劇中おなじみのピアノ曲)


水兵「…おい、誰だ!?」

ドロシー「お……悪いね、水兵さん…っ!」パンッ!

水兵「うぐっ…!」

水兵D「何だ…銃声っ!?」

ちせ「…」

水兵D「うぐっ…!」

水兵E「…こちら右舷通路、衛兵詰所どうぞ!…衛兵詰所どうぞ!?」

ドロシー「…止せばいいのに」パァン!

水兵E「ぐっ…!?」

下士官「警報!第一分隊は直ちに右舷第一甲板へ!…甲板の旋回機銃、用意急げ!」

ドロシー「おいおい…機関銃はまずいだろ!?」

水兵F「機関銃班、急げ!…装填しろ!」真っ直ぐな弾倉を上から込め、甲板の旋回銃座に装備された水冷式機銃が用意される

士官「探照灯、照射しろ!…なぜ点灯しないか!?」

水兵G「電源喪失、探照灯つきません!」

士官「ええい…破壊工作か……憲兵隊聞こえるか!」隔壁の電話に取りつき声を張りあげる…

烹炊員「…少尉どの?…こちら士官食堂ですが、何があったんです?」

士官「士官食堂だと!?…なんで貴様がこの回線に出るんだ!?」

烹炊員「なんでも何も……これは士官食堂の回線ですよ?」

士官「何!?」

水兵F「あっ…少尉どの、あそこ!」

士官「何だ!?」

水兵F「…分かりません、薄暗くてはっきりしませんが……あの影に発砲許可を!」

士官「よぉし!…構わん、撃て!」

ドロシー「……うへぇ、まるでハチの巣をつついた騒ぎだな」

ちせ「うむ…じゃが、これでアンジェたちは楽できるじゃろうな」

ドロシー「だな…!」機関銃が弾倉を交換するタイミングで身体を乗りだし、機銃手を撃ち抜く…

水兵F「うわぁ!」


………
27 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/25(日) 01:57:24.97 ID:rB+c1C+40
…アンジェ・ベアトリス組…

アンジェ「始まったわね……ベアトリス、準備はいい?」

ベアトリス「…はい」

アンジェ「…そう、なら行くわよ」艦隊司令官用の居室に閃光弾を投げ込む…

衛兵「何だ…うっ!?」

衛兵B「うわっ……!!」

アンジェ「…」パン、パンッ!

ベアトリス「…情報通り機密書類の保管庫がありますね」

アンジェ「そうね…さあ、開けて」

ベアトリス「待ってくださいね……えーと、組み合わせ鍵ですね…」

水兵H「…おい、こっちだ!」

下士官B「侵入者は司令官室にいるぞ、急げ!」

アンジェ「……ベアトリス、急いで」パン、パンッ…!

ベアトリス「待ってください!…ね、お願いだから開いてください……」

アンジェ「…っ」パンッ!

水兵I「うわっ…ぐぅっ!?」

アンジェ「…はっ!」相手の四銃身式短機関銃をもぎ取り通路を薙ぎ払う…

下士官B「うぐ……くはっ…」

士官B「…第二しょうたーいっ、整列っ!銃構え!」

アンジェ「…ふぅ、教本通りにしか動けないなんて愚かね」鮮やかな紅い上着のアルビオン王国海軍の海兵隊を掃射する

士官B「がは…っ!」

海兵「ぐわぁ…!」

アンジェ「……まだなの?」

ベアトリス「もうちょっとで……やった、やりました!」慌てて暗号表を手に取るベアトリス…

アンジェ「…ならもうここに用はないわ」海兵隊に閃光弾を放ると司令官公室の大きな窓をピストルで撃ち抜き、全力疾走したままベアトリスを抱えて飛び出した…

ベアトリス「きゃぁぁぁ…っ!?」

アンジェ「ベアトリス、うるさいわ」腰の「Cボール」が鮮やかな緑色に光り、そのままドックの可動式屋根を構成する梁に飛び移った……と同時に暗号表を放り出し、叫んでいるベアトリスの声帯をいじる…

ベアトリス「…っ!……!?」

アンジェ「さ、後は脱出あるのみね…」

…ドロシー・ちせ組…

ドロシー「…なぁ、ちせ?」

ちせ「はっ!……なんじゃ?」

ドロシー「陽動は……もういいよな?」艦内の右舷側を暴れ回りながら、次々と現れる水兵や海兵隊員を打ち倒していく…

ちせ「…と、思うがの」

ドロシー「そんじゃ……撤退としゃれこもうか♪」

ちせ「うむ…頃合いじゃろうな……やっ!」

海兵「う、ぐぅ…!」

ドロシー「それじゃあ…お先にどうぞ♪」発煙弾を放ると、束ねてあった絹のロープを船外に垂らした

ちせ「うむ…かたじけない」

ドロシー「はいよ…下からスカートの中をのぞくなよ♪」最後に奪った小銃弾薬のクリップ数個を燃えている船室に投げ込み、熱で暴発して一斉射撃のように聞こえるのを確認してから、にやっと笑って滑り降りた…

………
28 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/25(日) 02:34:59.63 ID:rB+c1C+40
…郊外・ドロシーの自動車…


ドロシー「ふぃー……なぁアンジェ、もうあんな任務は二度とやらないからな?」

アンジェ「ええ。それにその必要もないわ……予定通り暗号表は『落として』きたもの」

ベアトリス「それにしても、組み合わせ鍵の形式が変わっていたのには驚きました」

ドロシー「…誰かが暗号表を盗みに来ると思ったんだろうな」

ちせ「うむ。事実こうして「盗みに」入ったわけじゃからな」

ドロシー「まぁな…よし、ロンドン市街にはいるぞ♪」

プリンセス「まぁ、早いのね♪」

ドロシー「…とはいうものの、このまま広い道路を使って入ったら間違いなく検問か何かに引っかかるから……みんな、振り落とされるなよ♪」

ベアトリス「ちょっと、どこを走ってるんですかぁ!?」

ドロシー「見て分かるだろ、裏通りさ♪…うかつにしゃべると舌をかむぞ?」

アンジェ「十数分は早くなるわね」

ドロシー「おう。連中だって馬鹿じゃないからな、ロンドン市街まで車を走らせたときの最短時間を割り出して、それ以降に市街に入ろうとする車を取り調べるはずだ……ところがこっちはレコード破りの時間で、検問の準備が出来る前にロンドンに入っちゃおう…ってわけさ♪」

ベアトリス「ドロシーさんっ、岩…岩っ!」

ドロシー「分かってるって…踏ん張ってなよ♪」

プリンセス「…うふふっ、何だか愉快ね♪」

ちせ「ふむ…まるで「超高速ロンドン観光」じゃな」

ドロシー「それじゃあ「左手に見えますのがロンドンの壁にございます」……なんてな♪」

ベアトリス「ひゃあぁぁぁ…っ!?」

アンジェ「ドロシー、ここで右よ…運河にかかっている跳ね橋があるわ」

ドロシー「あいよ……って、おいおい!」跳ね橋が徐々にせり上がって、蒸気船に引かれた艀(はしけ)がゆっくりやってくる…

アンジェ「…ドロシー、いける?」

ドロシー「…もち♪」アクセルをふかし、開きかけた跳ね橋を踏み台にして対岸まで飛んだ…

ベアトリス「ひぃぃぃっ…!?」

プリンセス「まぁまぁ…空飛ぶ車なんて王室にもないわ♪」

ドロシー「…うっ、ぐうっ!……ふぅ、さすがにステアリングが暴れたな…スポークも何本かイったかも知れない……経費で落ちるかな?」

アンジェ「落ちるわ…ところで、車庫に着いたようね」

ドロシー「ああ…ところでアンジェ、時間は?」

アンジェ「零時五分前」

ドロシー「ってことは…十九分?……ひゅー、こりゃ史上最速記録かもな♪」

アンジェ「…大したものね」

プリンセス「ふふ、これならシンデレラの魔法も解けなくて済むわね♪」

ドロシー「ははは……それでは、どうぞカボチャの馬車から降りて下さいませ♪」

プリンセス「ええ。今日は素晴らしい舞踏会でした♪」

ドロシー「いえいえ、こちらこそ♪……ところでベアトリスはずいぶん静かだけど、途中で落っことしたかな?」

ちせ「いや、ここにおるが…ベアトリスよ、着いたぞ?」

ベアトリス「…うっぷ、話しかけないで下さい……うえぇ」

ドロシー「…やれやれ♪」
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/25(日) 12:40:51.84 ID:CKE0IEjTo
30 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/28(水) 01:35:19.56 ID:6py3deSh0
ベアトリス「うぇぇ…まだ目がぐるぐる回ってます……」

ドロシー「おいおい…だらしないな♪」

プリンセス「ふふ、ベアトはそこが可愛いのよ♪」

アンジェ「なら私は可愛くないわけね」

プリンセス「いいえ、アンジェはそうやってすぐやきもちを焼いたり、冷静なふりをして強がるところが可愛いわ♪」

アンジェ「もう……ばか///」

プリンセス「うふふっ…♪」

ちせ「…さて、それではわしは寝るとするかの…では、失礼する」

プリンセス「おやすみなさい♪…それじゃあ私もお休みしますから、ベアトは好きにしてていいわよ♪」

ベアトリス「はい、姫様…うっぷ……」

ドロシー「んじゃ、あたしは車のメンテをしに行くから…♪」

アンジェ「あまり遅くなると身体に悪いわよ、ドロシー」

ドロシー「はいはい、分かってますっての……全く口うるさい女だな」

アンジェ「……ご老体の貴女を気遣ってあげているのよ。お休み」

ドロシー「…まだ二十歳だってば!」

…廊下・アンジェの私室前…

アンジェ「それじゃあお休み……ベアトリス、どうしたの?」

ベアトリス「…いえ、さっきのアンジェさん」

アンジェ「さっきの私がどうかした?」

ベアトリス「姫様にからかわれて嬉しそうでした…」

アンジェ「そんなことないわ…だって私はプリンセスが嫌いだもの」

ベアトリス「…じゃあ私が姫様を取ってもいいんですね?」

アンジェ「そうは言ってない」

ベアトリス「なら姫様の事が好きなんじゃないですか♪」

アンジェ「そんな訳ないわ」

ベアトリス「どうしてですか?」

アンジェ「…だってプリンセスは王国の象徴で、共和国とは相いれない存在だし……」

ベアトリス「それは建前じゃないですか…本当はアンジェさんも姫様が好きなんでしょう?」

アンジェ「そんなことないわ、嫌いよ……じゃあ、もう寝るわ」

ベアトリス「あー、そうやって逃げを打つんですかぁ?」

アンジェ「……逃げなんて打つ必要はない、事実なのだから…そこまで言うなら私の部屋に来ればいいわ」

ベアトリス「ええ、そうさせてもらいます!」

アンジェ「…で、何ですって?」

ベアトリス「アンジェさんは姫様の事が好きなんでしょう?」

アンジェ「いいえ、嫌いよ」

ベアトリス「なら私と姫様で結婚してもいいんですねっ?」

アンジェ「ダメよ」

ベアトリス「なんでですか?」

アンジェ「…お互いに釣り合わないわ、一国のプリンセスとそのメイドではね……それにスパイの世界では結婚もカバー(偽装の身分)でしか与えられないものよ」

ベアトリス「だったら引退して結婚すれば…」

アンジェ「ダメよ」

ベアトリス「…やっぱりアンジェさんは姫様の事が……」

アンジェ「嫌いよ」
31 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/03/28(水) 02:10:33.39 ID:6py3deSh0
ベアトリス「素直じゃないですね、アンジェさんは…♪」

アンジェ「スパイは嘘をつく生き物よ」

ベアトリス「あー、引っかかりましたねっ♪」

アンジェ「…何が」

ベアトリス「だって嘘をついていたのだとしたら、「アンジェさんは姫様が大好き」だっていうことになりますし…かといって本当の事を言っていたのなら事実をしゃべっちゃう「二流スパイ」ってことじゃないですかぁ♪」

アンジェ「…失礼ね。スパイは嘘をつく生き物……だけど、必要のない所でまで嘘をつく「ただの嘘つき」である必要はないわ」

ベアトリス「じゃあ姫様の事が嫌いなんですね…姫様に伝えておきます♪」

アンジェ「…!」

ベアトリス「それじゃあ姫様に…んんっ!?」

アンジェ「ん、ちゅっ……れろっ、ちゅぱ…んちゅぅぅ……ちゅるっ……」

ベアトリス「んぐぅ…んんっ、んむっ……ちゅぱ…んくっ///」

アンジェ「…ぷは」

ベアトリス「い、一体何をするんですか…っ!?」

アンジェ「…これであなたは何も言えなくなった……もしあなたが「私がプリンセスの事が嫌いだと言っていた」とプリンセス本人に伝えようとしても、なぜ私の部屋にいたのか聞かれる…その時に私から「濃厚なキスをされていた」とは言えないし、もしそれを言ったとしても私と……ベアトリス、あなたとの喧嘩がこじれて、あえて私をおとしめ、プリンセスへの心証を悪くしようとしているようにしか聞こえなくなる」

ベアトリス「そ、そんな理屈で私にこんなキスをしたんですかっ…!?」

アンジェ「ええ」

ベアトリス「…って言うことは、やっぱりアンジェさんは姫様の事が好きなんじゃないですかっ!」

アンジェ「しつこいわね……今度はキス程度じゃすまないわよ?」

ベアトリス「構いませんよ、なにせ姫様の事が一番好きなのは私なんですから…素直に気持ちも言えないようなヘタレのアンジェさんなんかには負けませんっ!」

アンジェ「…ベアトリス、一つだけ言っておくことがあるわ」

ベアトリス「な、何ですか……急に改まって」

アンジェ「私が学んだスパイ養成所では「ハニートラップ」についての講義があったわ」

ベアトリス「ハニートラップ…って、確か色仕掛けの事でしたよね?」

アンジェ「ええ…ちなみに王国では若い貴族の男女が一緒にいることは「はしたない事」とされているわね」

ベアトリス「ええ、そうですね…それが?」

アンジェ「つまり……私は養成所で「一緒にいる女性を堕とすためのテクニック」を学んできた…当然、実習もあったわ」

ベアトリス「……あの、それって」

アンジェ「私は優秀なスパイであることを自覚している…優秀なスパイは常に本番に備え練習を怠らない……」じりっ…

ベアトリス「あの…アンジェさん、ちょっと待ってくだ……」

アンジェ「大丈夫、死にはしないわ」

ベアトリス「いや…ちょっと待ってくださいってば!」

アンジェ「…こうして見るとベアトリスは守ってあげたくなるよう小さい姿で可愛いわね」

ベアトリス「な、な…///」

アンジェ「もう我慢できそうにないわ…甘いいい匂いがして、身体がうずくの……」

ベアトリス「ち、ちょっと…脱がないで下さいっ!」

アンジェ「どうして?……こんなに胸が高鳴っているのに…ベアトリス……///」

ベアトリス「…アンジェさん……って、不覚にも「綺麗」って思っちゃったじゃないですかっ///」

アンジェ「…お願い、キスだけでいいの……///」

ベアトリス「う、うぅぅ…こんなの絶対おかしいです!」

アンジェ「だめ…もう耐えられないわ……はむっ、んちゅ……ちゅぷ…んちゅ、ちゅ…っ///」

ベアトリス「んんっ、んぅ…あふっ……んっんっ…ふわぁ…ぁ///」

32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/28(水) 02:30:41.82 ID:0ry3OIY0o
33 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/28(水) 02:45:54.52 ID:6py3deSh0
アンジェ「ちゅむ…ちゅるっ……ちゅぷっ…んちゅ…っ///」

ベアトリス「ぷはぁ…はぁっ、はぁっ……はぁ!!」

アンジェ「可愛いベアトリス…お願い、触って私の胸がときめいているのを確かめてみて……///」

ベアトリス「な…っ!?」

アンジェ「お願いよ…ベアトリス……私だけの愛しいベアトリス…///」

ベアトリス「うぅ…それじゃあ……さ、触りますよ…?」

アンジェ「ええ…じゃあ貴女の手を、私の手に重ねて……ね?」

ベアトリス「…わわっ……アンジェさんの胸、引き締まっているのに柔らかい…」

アンジェ「お願い…っ、もっと触って……揉みしだいて…貴女の繊細な指で私を感じてほしいの…///」

ベアトリス「アンジェさん…///」もにゅ…むにっ♪

アンジェ「はぁぁ…んんぅ……ベアトリスっ、もっと…ぉ///」

ベアトリス「うえぇ…!?」

アンジェ「…ごめんなさいベアトリス……今まで我慢してたけれど…脱がせるわね……///」ブラウスのボタンを外すとそっと胸元を開き、慎ましやかな胸に手を伸ばす……

ベアトリス「ひぁぁっ…!?」

アンジェ「んんぅ…慎ましやかで、とってもひんやりしてる……ちゅっ///」

ベアトリス「うひゃぁっ!…ど、どこにキスしてるんですかぁ!?」

アンジェ「だって…とっても綺麗な桃色で……あむっ、ちゅぅ…ちゅぅぅっ///」

ベアトリス「んっ、んぅぅぅっ…///」

アンジェ「ねぇ…ベアトリス……」

ベアトリス「な、なんですかっ…///」

アンジェ「本当は…貴女が欲しかったの……///」ちゅぅ…ちゅぷっ♪

ベアトリス「ひゃぁ…んっ、んんぅぅっ///」

アンジェ「ね…ベアトリス……ふぅぅ…っ♪」

ベアトリス「み、耳は反則っ…んっ、んあぁぁぁっ///」

アンジェ「ふふ、ひくひくしちゃって可愛いわ……」くちゅ…♪

ベアトリス「あんっ♪…って、いつの間に下着を脱がして……んくぅ///」

アンジェ「はぁぁ…とっても温かくてしっとりしてるわ……ね、ベアトリスも私のここを……触って?」

ベアトリス「あ、アンジェさん…///」

アンジェ「お願い…っ///」

ベアトリス「じ…じゃあ、行きますよ……」くちゅ…っ♪

アンジェ「んぁぁぁっ、そこ気持ちいい…っ!」

ベアトリス「わわっ…すごい濡れてきましたね……///」

アンジェ「だって…ベアトリスの指……とっても気持ちいい…んっ、あぁぁぁっ!」

ベアトリス「そ…そうですかぁ?」

アンジェ「え、ええ…もう…イきそうなの…っ……んくぅ、んっ…んんぅ///」

ベアトリス「…へぇ、アンジェさんってば「優秀なスパイ」なんて言っておきながら……私なんかにイかされちゃうんですかぁ?」

アンジェ「だって…ぇ……あぁんっ…んっんっ、んあぁぁぁっ///」

ベアトリス「アンジェさん…イっちゃいましたね♪」

アンジェ「はひぃ……ベアトリス…ぅ……もう、だめ…ぇ///」

ベアトリス「じゃあ私の勝ちでいいんですよね、それじゃあ……」

アンジェ「さてと…じゃあ今度は私が貴女を悦ばせてあげるわね」

ベアトリス「…あれ?」
34 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/30(金) 01:52:51.05 ID:lLRiExqy0
アンジェ「大丈夫、痛くはしないわ……それじゃあ行くわよ」

ベアトリス「い、嫌ですよっ…!」

アンジェ「…逃がさないわ」

ベアトリス「ひぃやぁぁ…っ!?」

アンジェ「ふふ…ベアトリスは四つん這いでされるのが好みなのね」

ベアトリス「ち、ちがいますっ///」

アンジェ「そうかしら……まぁいいわ、身体に聞けば分かる話だもの」

ベアトリス「ひぃぃ…っ……んんっ!?」

アンジェ「…なんのかのと言ってもベアトリスのここはすっかりとろとろね」

ベアトリス「ひぅっ…あうぅ……んっ、くぅぅ///」

アンジェ「どうかしら、こうやって四つん這いで中をかき回される気分は」

ベアトリス「ひうっ…あぅ……んあぁぁっ///」

アンジェ「…さてと、ベアトリスはいやらしい娘だからもっと欲しいわよね」

ベアトリス「そ、そんなことありません…っ///」

アンジェ「そうかしら…それじゃあ指を二本にしてみるわ」ぐちゅ、じゅぶっ…♪

ベアトリス「ひゃぁ…んんぅ、あふぅ……ひぅん♪」

アンジェ「あら…強がりを言っていた割にはすんなり入るし、しかもすっかり呆けたような表情を浮かべているわね」

ベアトリス「だ、だって…ぇ……あひぃぃ♪」じゅぶっ…ぐちゅり……

アンジェ「そうね…せっかくだから表情も見てあげるわ」ベアトリスの横に回って膝をつき、片手でくちゅくちゅと秘所をかき回しながら耳たぶを甘噛みする…

ベアトリス「ひぁぁぁっ…あっ、んあぁぁぁっ♪」

アンジェ「あら、ずいぶんと濡らしたわね……ストッキングがびしょびしょよ?」…じゅぶっ、ぐちゅぐちゅっ!

ベアトリス「ひうっ…はぁ、はぁ……あひぃい゛っ!?」ぶしゃぁぁ…っ♪

アンジェ「こんな所をプリンセスに見られたらどうなるかしらね…あるいはドロシーたちでもいいわ」

ベアトリス「ひぅぅっ…そんなの……絶対にダメですぅ…っ///」

アンジェ「そう…その割には入っている指をきゅうきゅう締め付けて来るわね……本当はプリンセスにはしたなくよがっている所を見せたいのじゃないかしら」

ベアトリス「そ、そんなこと…っ///」

アンジェ「別にいいのよ、私しか聞いていないのだから……プリンセスの前でメイド服をぐしゃぐしゃに濡らしたまま、スカートをたくし上げたら…なんて思った事くらいあるのでしょう?」

ベアトリス「お…思ってません///」

アンジェ「それなら…こうやってふとももまでびちゃびちゃにしながらひもと首輪を付けられて、プリンセスにお散歩させられたいとか」

ベアトリス「な、ないです…っ///」

アンジェ「いいのよ、別に…それともプリンセスからお仕置きの鞭を振るわれたい?」

ベアトリス「うぅ、アンジェさんのいじわる…ぅ///」

アンジェ「ええ、そうね…でもその「意地悪」でこんなに濡らしている貴女はとんだ変態って言うことになるわね」

ベアトリス「そ、そんなこと言わないで下さいよぉ…」

アンジェ「そうね…変態のベアトリスはそういうことを言われると感じてしまうものね……ほら、今だって私の手がべとべとになるくらい濡らして……ふーっ…♪」耳に息を吹きかける…

ベアトリス「あっあっあっ…あひっ、はひぃぃ……♪」ひくひくっ…ぶしゃぁぁ…っ♪

アンジェ「…ここまで六分…どうやら私の腕は鈍っていないようね……さ、私も寝るから帰ってちょうだい」

ベアトリス「……アンジェさぁ…ん///」

アンジェ「何?」

ベアトリス「姫様が好きなのは譲れません……でも…いやらしい私にもっとお仕置きしてくださ…い///」

アンジェ「…仕方ないわね」するりと服を脱ぎ捨てて、ベアトリスを抱えてベッドに倒れ込んだ…

………
35 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/30(金) 02:42:40.00 ID:lLRiExqy0
…case・ドロシー×ちせ「The cover story」(偽装された身分)…


…学校・屋上…

ドロシー「…ふわぁぁ、それにしても暇だなぁ……いい天気だし」

アンジェ「……ここにいたの、ドロシー」

ドロシー「あぁ、嫌な授業だったからな…すっぽかしてきた」

アンジェ「そう…ところで新しい任務の話があるわ。詳細は昼下がりに中庭で」

ドロシー「おー……ふぁぁ…」


…昼下がり…

ドロシー「…で、新しい任務って言うのは?」

アンジェ「ロンドンにある、とある『事務所』の監視よ…出入りする人物の顔と頻度を確かめることになるわ」

ドロシー「監視任務か…ってことはまた「屋根裏暮らしの貧乏な娘」だとか、「二流のヘボ芸術家」に化けたりしなきゃいけないのかよ……」

アンジェ「いいえ…周囲の屋根裏部屋は対象を監視するのに位置が悪い上、監視に適している二階の部屋は軒並み空きがないわ」

プリンセス「ならどうするの、アンジェ?」

アンジェ「実はすでに「コントロール」から指示が来ているわ…その「事務所」を監視できるちょうどいい場所につぶれたパン屋がある。資金は用意されているからそこを買い取ってしばらく「開店」しておくことになったわ」

ベアトリス「でもパン屋さんって…私たちの誰もパンなんて焼けませんよ?」

プリンセス「そうねぇ…私もクッキーくらいなら作れるけど……」

アンジェ「何も焼く必要なんてないわ。パンは事情を知らないこちらの協力者が焼いて提供してくれるから並べるだけでいいし、あまり人気のパン屋になられても監視がしづらくなるから、経営も適当でいい」

ドロシー「なるほどな…で、店員は?」

アンジェ「そのことだけど、パン屋は朝から開店していないとおかしい……でも私たちは「学生」と言う以上、学校を休み続ける訳にはいかないわ」

ちせ「うむ、もっともじゃな」

アンジェ「そこでドロシーとちせが適当な理由を付けて休学して、監視にあたる」

ドロシー「おい、ちょっと待てよアンジェ…なんであたしとちせなんだ?」

アンジェ「ドロシーは普段から不良だから、ちょっとしたトラブルを起こしたとでもすればいい……どうせ授業もサボっているわけだし」

ドロシー「…おい」

アンジェ「それで、ちせは留学生だから「ホームシックで体調を崩した」とでもいえば済むわ」

ちせ「うむ、なるほど……しかし監視にうちのような「東洋人」だと目立つんじゃないかのぉ?」

アンジェ「大丈夫…あなたには悪いけど、どうせイギリス人からしたら東洋人はどれも「毛色の変わった外国人」にしか見えないわ」

ちせ「ふむ…「さもありなん」じゃな……」

アンジェ「という訳で、ドロシーは「飲んだくれてばかりいる両親のもとから飛び出した気の強い下町娘」で、ちせは「言葉もよく分からない下働きの東洋人」と言うカバーストーリーが出来ているわ」

ドロシー「…リアルな設定で笑えるな……」

アンジェ「ええ…そうね」

ちせ「うむ……まぁ言葉が分からんふりをしていれば、何かポロリと耳に入ってくることもあるやもしれんな」

アンジェ「かもしれないわ…で、普段の連絡と報告は定期的に「パンを買いに」行くからその時に……緊急の連絡は伝書鳩か、パンの配達を装って行うこと」

ドロシー「了解」

アンジェ「任務開始は月末から。終了はコントロールが交代要員を用意するか、対象の監視を完了するまで」

ちせ「うむ、承知した」

アンジェ「以上よ……さぁプリンセス、お茶をどうぞ♪」

プリンセス「ええ、ありがとう♪」

ドロシー「……パン屋ねぇ」

………
36 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/31(土) 03:02:13.33 ID:v8Ho/nM40
…ロンドン・下町…


ドロシー「…で、買い取る店はここか……予想以上に煤けてるな」下見を兼ねて幌を張った車から店の様子を偵察する…

アンジェ「そうね…でも問題ないわ、元の持ち主はお酒ですっかりダメになって、今は借金まみれになっているし……適当な値段を出せばすぐにでも売ってくれるわ」

ちせ「なるほど…しかしアンジェどのの情報の速さには恐れ入るのぉ」

アンジェ「黒蜥蜴星では当然の資質よ」

ドロシー「でたな、黒蜥蜴星人…って、おいアンジェ」

アンジェ「あの男…またこんなところに首を突っこんでいるのね」

ドロシー「懲りないというか……つくづくタイミングの悪い奴だな」

ちせ「…どうするのじゃ?」

ドロシー「もしかしたら…あたしらがものすごくツいていて、奴の目的は他の店なのかもしれ……どうやら、そんな都合のいい話はないらしい。真っ直ぐあのパン屋に向かってるぜ…?」

アンジェ「…この店を買い取れないと困る。行くわよ」

ドロシー「お、変装は済ませたから大丈夫だ…行こうぜ♪」

…パン屋前…

フランキー(オネエ言葉の借金取り)「…で、いつになったら返してくれるのかしら?」

パン屋「フランキーさん…頼むよ、この店を売り払ってその金で……」

フランキー「アンタねぇ…こんなボロい店なんか一ポンドにだってなりはしないわよ!」

パン屋「だったら俺が……」

フランキー「そもそも借金まみれで酒浸りのアンタが何かを約束なんて出来る訳ないじゃないの…お前たち!」

ちんぴらA「うす…っ」

ちんぴらB「…たたんじまいますか、フランキーさん?」

フランキー「ええ、あばら骨の一本か二本折ればちっとは分かるでしょうよ……って、アラ?…お前たち?」
37 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/03/31(土) 03:18:57.83 ID:v8Ho/nM40
ドロシー「残念だったな…どうやらあの二人は昼飯にでも当たっちまったらしい、そこで伸びてるよ♪」

ちせ「うむ…どうやら無駄骨とあばら骨を折ったのはそこの二人らしいの」

ちんぴらA「…ぐぇぇ」

ちんぴらB「うげぇ…」

フランキー「げっ…またアンタたちなの!?」

ドロシー「ああ、その「アンタたち」さ……ちょっとこっちに来て真面目な話をしようじゃないか」

フランキー「あのねぇ…アタシだってやられっぱなしでいるわけじゃないのよ!」やたら派手な背広の内ポケットに手を伸ばした……が、その瞬間に手が止まった…

ドロシー「分かったからその豆鉄砲はしまっておけよ…な♪」ロングコートの下から、一フィート銃身のモーゼル・ピストルがぴたりと体を狙っている…

フランキー「…わ、分かったわよ」けばけばしい金メッキの入った小型リボルバーを地面に落とす…

ドロシー「オーケー、じゃあこっちでじっくりと話そうぜ?」

フランキー「仕方ないわね、アタシの負けよ……とでも言うと思った!?」裏道に入った瞬間、もう一丁隠していた小型リボルバーに手を伸ばす…その瞬間ドロシーの編み上げブーツがみぞおちに叩きこまれ、ゴミくずと一緒にレンガ塀まで吹っ飛んだ…

ドロシー「おおかたそんなことだろうと思ってたさ……ま、こうなったら落とし前をつけさせてもらおうじゃないか♪」にこにこしながらモーゼルを抜いて遊底を引いた

フランキー「ひっ…ア、アタシを殺したって何にもなりはしないわよ!?」

ドロシー「おいおい、冗談だろ?…少なくともロンドンが少し綺麗になるじゃないか♪」

ちせ「…うむ。ところで「これ」はうちがやりたいのじゃが」

ドロシー「よせよ、お前の刃物で切り刻んだらミートパイの具にだってならなくなっちゃうだろ♪」

アンジェ「…この銃、せっかくの新品だから楽しみたいと思ってたの…脳天に接射したら後ろはどんなふうに穴が開くのかしら」かちりと撃鉄を起こす…

フランキー「ひぃっ…神様お助け……!!」

ドロシー「ぷははっ、聞いたかよ♪……こいつ今になって神様に祈ってやがる…ドブネズミの祈りの方がまだ聞いてもらえるだろうよ♪」

アンジェ「ええ、ここ一番のジョークね…今度お友達と話すときに使わせてもらうわ」

ちせ「うむ、面白い奴じゃな…殺すのは最後にしてやろうかの♪」

ドロシー「あ、それじゃあ表の手下どもとこいつを山分けにするのはどうだ……一人で一人ずつ楽しめるぜ?」

アンジェ「あの二人はもう動かないわ…面白くないから却下」

フランキー「あわわわ…お願いよ、アタシなんだってするわ!」

ドロシー「よせよ、お前の命なんてあのパン屋の玄関マットの分にもならないっての♪」

アンジェ「おしゃべりはもういいわ…さ、楽しませてちょうだい」

ちせ「うむ、それがよいの」

フランキー「わ、分かったわ!…あのパン屋はアンタたちにあげるから!」

ドロシー「ふわぁぁ…おっと、あくびしたら引き金を引きそうになっちまった……で、何だって?」

フランキー「こ…今後この辺りのシマは全部あんたたちに譲るわ!」

アンジェ「…悲しいことに世の中には口約束だからって、平気で約束を破る人がいるのよね……あら…この銃、引き金がずいぶん軽いみたいね」

フランキー「あ、あのパン屋の証文ならちゃんとあるわ!……法律事務所だって文句も付けられないやつよ!」

ドロシー「そうか…それじゃあとりあえず「あの店の権利は全て放棄します」とでも書いて、ばっちりサインしてもらおうか」

フランキー「か、書くわ…っ!」

ドロシー「うん、よく書けてるな…それじゃあ、地獄の門番によろしくな♪」

フランキー「そんな…アタシはちゃんと……!?」ガツン…ッ!

ドロシー「……あーあ…せっかくの銃が汚れちまったな」重い固定弾倉の所で頭を一撃し、借金の証文をひらひらさせるドロシー

アンジェ「頭の骨が陥没しそうな勢いだったわね…生きてる?」

ドロシー「あぁ…死体を作ると後が面倒だからな。それに生かしておいてもこういう奴は警察にも駆けこめないし、沈黙しててくれるさ」

アンジェ「そうね…それじゃああの店主に、店を買い取った事を伝えましょうか」

ドロシー「ああ、そうしようぜ」
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/03/31(土) 17:04:18.12 ID:MGZoQjgeo

もし全通りの組み合わせやるならちせベアトをどうやって絡ませるか気になる
39 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/01(日) 00:53:44.14 ID:1GTaaQyP0
>>38 個人的に組み合わせやすそうなメンバーを行き当たりばったりで組み合わせているので「全カップリング作戦」は考えていませんでした…が、どうにか組み合わせてみます……多分「納豆・ぬか漬け」ネタを使うことになるでしょうから、ベアトが手をわきわきさせることになるかと…

…という訳ですので「このカップリングがまだない」と言うのをリクエストして下さればそのうちに……









40 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/01(日) 01:46:48.22 ID:1GTaaQyP0
…パン屋・店内…

ドロシー「なぁアンジェ…とりあえず「パン屋の店員らしい」格好になってみたけどさ……」えんじ色のスカートに同色の上衣、白いエプロン…と、ハウスキーパーのような恰好で、頭にはキャップまでかぶっている

アンジェ「ええ。よく似合っているわよ、ドロシー」

ドロシー「……どこが。正直全く似合ってないだろ…///」

アンジェ「そうかも知れないわね…でも、任務のためよ」

ドロシー「そうでもなきゃこんな格好をするかよ…ちせは?」

ちせ「うむ、着替えて参った…しかし、アンジェどのの持って来たこれを着てはみたのじゃが……何でこんな中華風なのじゃ」後頭部脇にお団子を二つ作った髪型にまとめ、チャイナカラー(中華風の襟)でクリーム色をした上衣に、生地のたっぷりしたズボンをはいている…

アンジェ「……こういう格好もいいと思ったけど……なかなか可愛い感じになったわね」

ドロシー「…おい、今何て言った?」

アンジェ「こほん……ちせ。あなたは日本人だけど、今ロンドンにこのくらいの年齢の日本人はどれだけいると思う?」

ちせ「まぁ…そう多くはあるまいな」

アンジェ「ええ、そうよ…と言うことは王国の防諜部が一人ずつ調べ始めたらすぐ面が割れる。だけど中華系ならうんといるし、前にも言ったように日本人と区別のつくようなイギリス人なんていやしない……となれば、中華系に化けた方がカバーとしては優れているし、格好も特徴的で目立つから、逆説的ではあるけれど顔や素性に意識を向ける者が少なくなる」

ドロシー「確かに……たとえ防諜部の奴らが「この辺で怪しい奴を見ましたか」と聞いても「はい、中国人の女が歩いていきました」となるだけだもんな」

ちせ「なるほど…さすがじゃな」

アンジェ「その通り。決して二人に色んな衣装を着せて遊んでいるわけではないわ」

ドロシー「……そういうことにしておいてやるよ」

アンジェ「それじゃあ監視は三日後から…寝泊まりには上の部屋を使って、監視は交代で一日中続けること」

ドロシー「はいよ…どうやらうんと頑張らないといけなくなりそうだな」

アンジェ「そうね…でも週末は私たちも「遊びに」やって来るから、その時にゆっくり寝だめしてちょうだい」

ちせ「うむ…それもまたよい鍛錬になろう」

ドロシー「そう言えば武器はどうする…監視任務だから必要ないって言われればそれまでだけどさ……」

アンジェ「もちろん監視には必要ないでしょうが、何もないと心細い気持ちになるのも分かるわ……こっちに来て」

…パン屋・工房…

アンジェ「……ここのレンガに…ドロシー、見える?」二つあるパン焼き窯の片方は半分崩れている。そこに四つん這いになって、ぐらぐらになっているレンガを数個抜く……

ドロシー「ああ…綺麗なふとももだな」

アンジェ「どこを見ているの……このレンガよ」

ドロシー「冗談さ…ああ、そこのレンガだな」

アンジェ「ここの奥に空間がある…貴女の銃なら充分入るわ」

ドロシー「よし…それじゃあそこに入れておこう」

ちせ「うむ…ならばうちも刀をどこかに置いておきたいのぉ……」

アンジェ「それは難しいわね…銃は誰でも使えるけど、日本刀は日本人しか持っていない物よ……中華系に化けた意味がなくなるわ」

ドロシー「おいおい、本気のちせが刀を抜いた後に、姿かたちを生きて証言できる奴がいると思うのかよ?」

アンジェ「それもそうね…なら、そこの小麦袋の中にしまっておくといいわ……粉まみれにならないように、袋か何かで覆った方がいいわね」

ちせ「うむ、助かるぞ…が、脇差と小柄だけにしておこう」

ドロシー「どうせ屋内であの長いやつは振り回せないもんな…あとは……と」

アンジェ「まだ何か武器を持っているの?」

ドロシー「ああ、武器はないよりあった方がいいからな…それに音を立てたくないときのために、スティレット(刺突用ナイフ)がある」

アンジェ「それは服の折り返しか縫い目にでも忍ばせておくのね」

ドロシー「ああ、そうするよ」

アンジェ「それじゃあ監視をよろしく……私は裏口から出ていくわ」

ちせ「うむ」

ドロシー「…それじゃあ週末にな」
41 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/01(日) 02:20:56.03 ID:1GTaaQyP0
………

ドロシー「あーあ、しっかし監視任務って言うのは身体にこたえるんだよなぁ……ま、二人っきりだし仲良くやろうよな♪」一つきりの古ぼけたベッドに寝っころがり、組んだ腕を枕に鏡を眺めている…

ちせ「うむ…しかしぬか床をかき回せないのは困るのぉ……一応アンジェどのに頼んではきたのじゃが」ガタのきた椅子に腰かけ、欠けたティーカップで緑茶をすすっている…

ドロシー「ぬか床っていうのは…あのヘンテコな和風ピクルスの入れ物か」

ちせ「うむ…ぬか漬けと言うのは面白い物での、日に一回はかき回さんと空気が通わず腐ってしまうのじゃ」

ドロシー「ほーん…そう言うもんなのか」

ちせ「うむ…とはいえ堀河公にお願いするわけにもいくまい?」

ドロシー「堀河公…確かちせの所のボスだよな?」

ちせ「うむ」

ドロシー「でも、もしそうなったら面白いだろうな…♪」

ちせ「……うむ、その場面を想像したら存外愉快であった」

ドロシー「な?……あ、客が来たぞ」

ちせ「うむ…あれは……普通の客かの?」

ドロシー「…みたいだな。あんな流行らない貿易会社から何を買うのかは知らないけどな」…古びたレースのカーテン越し、窓からの眺めが上手く映るように三面開きの化粧台を置き、それに反射して映る姿を監視する二人……

ちせ「出てきたようじゃ…あれはジャムの瓶じゃな」

ドロシー「ああ、あのブランドなら知ってる」

ちせ「…顔の特徴も当てはまらぬようじゃ」

ドロシー「ま、最初からってことはないだろ」

…数日後…

ドロシー「なんだよ、客か…?」

主婦「あ、ああ…そうだよ。パンを買いたいんだがねぇ」

ドロシー「なら買えばいいじゃねぇかよ…違うのか?」

主婦「…な、なんだい…態度の悪い娘だね!」

ドロシー「……パン屋って言うのも意外と楽だな♪」

ちせ「ふむ…客を追い帰してばかりじゃがな」

ドロシー「なに、構うもんか。どのみちカバーなんだ、ロンドン一のパン屋になる必要もないしな」

ちせ「それもそうじゃな…おや、また客がきたようじゃぞ」

ドロシー「じゃあ今度はちせの番な」

ちせ「うむ…承知した」

労働者「おっ、そこの可愛い嬢ちゃん。パンを一斤くんな」

ちせ「…何アルか?…わたし英語少ししゃべる……パンは焼きたてよ、とても美味しいネ」

労働者「おう、それじゃあなおの事そのパンをくれねぇかな…ほら、金はちゃんとあるんだからよ」

ちせ「これ一ポンドか?…主人いないからわたし分からないアルよ、パンの値段ちゃんと見るヨロシ!」

労働者「あぁ、もうじれってぇな…じゃあ今度にするぜ」

ちせ「ちょっと待つヨロシ、なんで帰る!…ここのパン不味いことない、王室御用達ヨ!……ふぅ、なかなか難しいのぉ」

ドロシー「……くっくっく…ぷっはははっ♪」

ちせ「そんなにおかしかったかのぉ…」

ドロシー「あぁ、最高におかしかった…あははっ♪…今度劇場でやってみろよ、大ウケ間違いなしだ……ひぃー…腹の皮がよじれそうだ♪」

ちせ「……そうアルか?」

ドロシー「ひぃー、もう止めろってば…ぷっはははっ♪」

………
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/02(月) 02:13:42.14 ID:Ffj7iYCmo
43 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/04(水) 01:05:33.68 ID:j0+qbPcc0
ドロシー「……とか何とか言ってかれこれ二週間はたったわけだけど…」

ちせ「…何も引っかからんのぉ」

ドロシー「ああ…王国の諜報部は開店休業中なのか、それともコントロールの入手した情報がスカだったのか……」薄汚れた天井を眺めながらぼーっとしている…

ちせ「うむ…とりあえずうちは今日の報告を準備いたそう……」

ドロシー「ああ、よろしく頼むわ…」

ちせ「うむ」…机の上に置いてある食パンの山形の部分に小さな切り込みを入れると、そこに暗号に置き換えた報告のメモを差し込む……それを油紙に包み、見分けがつくようバターの染みを二か所につける…

ドロシー「おーし、できたみたいだな…後は連絡員に渡すだけ……と」

ちせ「そうじゃな…しかしこの格好にもすっかり馴染んでしまったのぉ……」

ドロシー「ああ、こっちも…ま、あたしなんかよりも、ちせの「偽チャイナ」の方が可愛げがあると思うけどな?」

ちせ「うむむ…そう言われても嬉しいような嬉しくないような気分じゃが…」

ドロシー「まぁそう言うなよ…さてと、それじゃあパン屋を開店させますかね」

………

ドロシー「おーう…いらっしゃい……冷やかしはお断りだよ。買うならとっととしな」

連絡員「…それじゃあそこの食パン一斤を」

ドロシー「…ちっ、食パン一斤かよ…しけてんなぁ……ほらよ」

連絡員「はい…お代ね」

ドロシー「はいはい、またどーぞ……おーい、交代だぞ」

ちせ「…しーっ」

ドロシー「…どうした?」

ちせ「あそこに「本物の」客じゃ…間違いないぞ」鏡には「事務所」に入っていくハンチング帽にチェックの上衣、茶色のズボンを着た男が写っている…

ドロシー「どれどれ……ああ、確かに王国諜報部のエージェントだな」

ちせ「うむ…」

ドロシー「よし、それじゃあ「特別便」を出そうぜ…今度はあたしが書くよ♪」

ちせ「承知した…ではうちが店番をしておく」

ドロシー「ああ、頼んだぜ…それじゃあ、行ってくる♪」…いかにもパン屋の御用聞きが書きそうな単語を使った暗号文を書き起こし、伝票用紙に書きこむ…それと、紙袋に詰めた数個のパンやパイを持ち、エプロン姿で表に出た……

…ロンドン市街・コントロールの連絡所…

ドロシー「ちわー…パン屋からご注文の品を届けにきましたー…えーと、食パン二斤に「ミートパイ」一個ですね」

連絡員「…そう、「ミートパイ」ね?…はい、ありがと」

ドロシー「へいへい…いつもごひいきに……」

…しばらく後・パン屋…

ドロシー「…うーい、ただいまー……で、どうだった?」

ちせ「以後は動きなしじゃが……どうやらこれであそこが王国諜報部の事務所…あるいはセーフハウス(隠れ家)であることが分かったの」

ドロシー「ああ、安心したよ…何しろこのままパン屋住まいじゃないかと思ってたところだったからな♪」

ちせ「それは堪忍して欲しいところじゃな…まぁ、任務を完了出来て何よりじゃ」

ドロシー「だな……後は交代のエージェントが来てくれるのを待つばかり…と」

ちせ「うむ」


44 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/04(水) 01:33:53.71 ID:j0+qbPcc0
ドロシー「…で、どうしてアンジェがここに来たんだよ?」

アンジェ「コントロールはあなたたちの報告を読んだわ…だけど都合があって、同クラスのエージェントを送り込むまでにあと一日かかる……だから交代の投入まで私が監視を引き継ぐわ。…ご苦労さま、ゆっくり身体を休めてちょうだい」

ドロシー「あぁ、そうさせてもらうよ…あいたた……肩ががちがちに凝ってやがる…」

アンジェ「姿勢が悪いんじゃないかしら。さもなければ年ね」

ドロシー「……相変わらず可愛げのないやつ…全く冷血なんだからな」

アンジェ「黒蜥蜴星人だから仕方ないわ」

ドロシー「そうかよ…あ、ちょっと待てよ?」

アンジェ「何?」

ドロシー「いや、肩こりの理由さ……一つ思い当たるフシがあった♪」

アンジェ「そう、それはよかったわね…それで、その「理由」って言うのは何かしら?」

ドロシー「…これだ、これ…まぁアンジェには分からないよなぁ♪」たゆん…っ♪

アンジェ「……それは結構ね…もう寝たら?」

ドロシー「はいはい…そんじゃお休みー♪」

ちせ「うちも下がらせてもらうので…では、失礼いたす」

アンジェ「ええ」

…寝室…

ドロシー「あー…やっとゆっくりベッドに入れるなぁ……この厄介なメイド服みたいなのともおさらばだし、さばさばしていいや♪」

ちせ「うむ。うちもようやく偽チャイナから解放じゃ…ふぅ」

ドロシー「はぁぁ…そういえば、ちせ」

ちせ「何じゃ?」

ドロシー「せっかくだから一杯やらないか…本当はラムレーズン用のラムだけどさ、成功を祝って……どうだ?」

ちせ「…うむむ、酒は剣士にとっては大敵……とはいえ朋友から差しだされたねぎらいの杯を断るのもまた無礼というもの……むぅ」

ドロシー「あー…じゃあ少しだけにしておけばいいさ、あたしも寝酒に少し入れたいだけだからな」

ちせ「うむ、そう言うことなら頂戴いたそう…アンジェどのにはちと済まんがの」

ドロシー「なに、あたしたちはこの数週間ここに缶詰めだったんだ、少しくらい祝杯を挙げたってとがめられることなんてないだろ……こんなもんでいいか?」

ちせ「う、うむ…ちと多い気がするが……まぁ大丈夫じゃろう」

ドロシー「うーし…それじゃあ監視任務お疲れさん♪」

ちせ「うむ…では……ごくっ……けほけほっ!」

ドロシー「おいおい…大丈夫か?」

ちせ「う、うむ…ずいぶん強烈じゃな……」

ドロシー「ははっ、かもな……んぐっ…ごくっ、ごくっ……くーっ♪」

ちせ「…ドロシーどのはずいぶんと酒が強いんじゃな」

ドロシー「まぁ…強いって言うよりも、監視任務が終わった喜びを味わいつつ飲みたい気分なのさ……もう少しだけ飲まないか?」

ちせ「…で、では……むげに断るのも何であるし…」

………
45 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/04(水) 02:20:08.54 ID:j0+qbPcc0
ドロシー「うーい…ずいぶん気持ち良くなってきたなぁ……ちせはどうだー?」

ちせ「うむぅ…身体がぽーっと暖かいのぉ……それにふわふわと地に足がついておらん感じじゃぁ…ひくっ♪」

ドロシー「おー…それはいいや……って、どうもおしまいみたいだ…♪」コップの上で瓶を逆さに振ってみたり、瓶の中をのぞいてみる…

ちせ「そうか…それではドロシーどの、うちらは寝るとするかの……ぉ♪」

ドロシー「あー…そうだな……よいしょ♪」

ちせ「うむむ…それもロンドンに来てから驚いたことの一つじゃ……」

ドロシー「あー…寝るときの格好か?」

ちせ「うむ…日本では寝るときも何かを着ておる……裸か、そのような下着だけで寝床に入ることは想像も出来んかった……ひっく♪」

ドロシー「あぁ、かもな……でも慣れたらきっとこっちの方が楽だぜ…?」

ちせ「かもしれぬ……それにしてもドロシーどのの身体は何とも色つやがよくてきれいじゃの。酒が入っているせいか全身がほんのり桜色で…何とも柔らかそうじゃ♪」

ドロシー「…良かったら触ってみるか?」

ちせ「ふむ……しからばご免…っ♪」ふに…っ

ドロシー「…どうだ」

ちせ「おぉぉ…♪」

ドロシー「手ざわりはいいと思うけどな……これでもハニートラップだの何だのに備えて手入れはしっかりしてるんだから♪」

ちせ「……おぉ…おおぉぉ…何とも柔っこい饅頭じゃの♪」

ドロシー「なんだ…気に入ったか?」

ちせ「うむ、うちのちんまい身体ではこんな手ざわりは体験できんゆえ……おぉぉ、ドロシーどのの柔肌はすべすべでもちもちじゃ…♪」

ドロシー「おいおい、あんまり胸ばっかり触るなよ♪…やりかえしちゃうぞ?」

ちせ「かまわぬ…どうせ触る胸もありはせん」

ドロシー「おいおい、そんなこと言うなって……小さいけど引き締まってて揉みごたえがあるじゃないか♪」

ちせ「んっ、く…んん…ぅ///」

ドロシー「…お、おい…あんまりそう言う声を出すなって……なんかこっちが恥ずかしくなってくる///」

ちせ「す、済まぬ…しかしドロシーどのの手つきが……んんっ、くぅ…ぅ///」

ドロシー「あー……ちせの喘ぎ声を聞いてたら、なんだかムラムラしてきた…♪」

ちせ「…それを言ったらうちも……ドロシーどのの下着姿にのぼせておるぞ///」

ドロシー「…なぁ、この部屋ってベッドは一つだよな」

ちせ「うむ…それが何なのじゃ?」

ドロシー「いや、一緒のベッドに入ろうと思ってさ……んちゅっ♪」

ちせ「んっ…んんっ……ちゅぅ///」

ドロシー「んむっ…ちゅ……ちゅくっ…ちゅぷっ……んちゅ…♪」

ちせ「あむっ…ちゅぅぅ…んはぁ、ちゅっ……んちゅ///」

ドロシー「よーし…それじゃあこの着物の帯を解いちゃうぞ…っと。……おぉ、しっとりしてて綺麗なもんじゃないか♪」

ちせ「う…こうやって着物をはだけさせられていると……ち、ちと恥ずかしいの…///」

ドロシー「なぁに、あたしだって下着だろ…おたがいにフェアさ♪」

ちせ「そ、それはそうなのじゃが……んあぁ…っ///」

ドロシー「おー…可愛い声を上げちゃって……そーれ♪」くにっ、ちゅぷっ…♪

ちせ「んっんっんぅぅ…んあぁぁ、はぁぁ…んっ♪」

ドロシー「…何て言うかな…ちせが濡らしてる所を見てると背徳感がすごいな……最高だけど♪」

ちせ「な、何じゃ…さっきからうちがやられっぱなしではない…かぁ、あぁぁんっ///」

ドロシー「わりぃ、理性が吹き飛んだわ……そういう訳で重ねるぞ…んっ、んはぁぁ♪」

ちせ「ち、ちょっと待たれよ…んっ、あぁぁぁっ!」

………
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/04(水) 04:27:05.28 ID:HqXxip6do

わりかし真面目な任務シーンからのこの落差
47 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/06(金) 10:23:11.67 ID:Kz5GYziQ0
>>46 オン・オフははっきりさせないといけないですから…という訳で引き続き任務はかっちり、あとはただれた関係の「チーム白鳩」をお送りしていきます……また、そろそろ「カサブランカでの夏休み」編でも投下しようかと…
48 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/04/07(土) 11:16:13.05 ID:CTtIMRZB0
…翌朝…

恰幅のいいおばちゃんエージェント「…それじゃあ、あとは任せておきな……それよりそっちの二人はちょっとばかし休んだ方がいいんじゃないかねぇ?」

ドロシー「あー…昨夜はちょっとばかし睡眠不足でね」

ちせ「///」

若いエージェント「なら私たちの分まで休んでちょうだい、こっちはしばらくベッドが恋しくなりそうだもの…」

ドロシー「ご忠告どうも……ふわぁぁ…」

アンジェ「それじゃあ後は任せたわ」

おばちゃんエージェント「あいよ…それじゃあね」

アンジェ「ええ…」

…寄宿舎・部室…

ドロシー「ふぃー…やっと「休学」も終わったな」

ちせ「うむ…まずはぬか床をかきまわし、遅れた分の勉学と鍛錬を取りもどさねば……しからばご免」

アンジェ「ええ、お疲れさま……ところでドロシー、少しいいかしら?」

ドロシー「んー?」

アンジェ「昨日のことで少し言いたいことがあるの」

ドロシー「……何かドジったか?」

アンジェ「いいえ、活動そのものには問題ないわ」

ドロシー「じゃあ何だ?」

アンジェ「ええ…別にあなたがちせと何をしていようと、私は全く構わないわ……ただ、監視任務をしているその隣室で「事に及ぶ」のは、少しやり過ぎじゃないかしら」

ドロシー「あー…聞こえてたのか、悪いな……何しろほど良くラムが入って、やらしいことがしたい気分だったもんでな♪」

アンジェ「いいえ、その事はまだ許せるわ…ただ」

ドロシー「ただ…なんだ?」

アンジェ「昨夜のちせとの会話…覚えている?」

ドロシー「えーと…昨夜はちせとベッドでいちゃつきながら……あー」

…前夜…

ちせ「ほわぁぁ…何とも言えぬ愉悦であった///」

ドロシー「それはこっちもさ……ちせは肌がすべすべだもんな。どうやってこんなもっちり肌を作ってるんだ、んー?」ふにっ…♪

ちせ「そ、そうほめられると困るの…別段普段から風呂に入って石けんで洗っているだけじゃし……時折、椿油を塗ったりはするがの///」

ドロシー「ほーん…それでこのすべすべボディか、たまらないな……うりうり♪」

ちせ「あふっ…んあっ、あんっ……///」ぷしゃあぁ…♪

ドロシー「おー、ちせはイくところも可愛いな…それにしてもあの「黒蜥蜴星人」のやつ」

ちせ「アンジェどのか…?」

ドロシー「ああ…まったく、無表情でこっちの事を酷使してくれやがって……きっと血管に流れているのは氷水だぜ?」

ちせ「ふむ、そうかの……んんぅ、そんなにうちの乳房を揉むでない…んぁぁっ///」

ドロシー「なーに、遠慮するなって♪……それでだ、あの「ミス・パーフェクト」の冷血女め…何でも一人でこなして平気な顔をしてやがる…一度くらい慌てふためく顔がみてみたいぜ……まったく♪」

ちせ「ふむ……あふっ、んくっ…んあぁぁ……ドロシーどの…もっとして欲しいのじゃ…んくっ///」

ドロシー「あいよ、あたしがうんと気持ち良くしてやるよ……今度プリンセスを焚きつけてあのトカゲ女をわたわたさせたら面白いだろうな…♪」

ちせ「…ふむ、なかなか面白そうじゃの……あんっ、んっ♪」

………
49 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/07(土) 11:43:35.61 ID:CTtIMRZB0
ドロシー「あー…」

アンジェ「無表情のトカゲ女…は、まぁ良いわ」

ドロシー「…いやぁ、あれはちょっと酔った勢いで……」

アンジェ「酔った勢いで口を滑らせるような二流エージェントでないことくらい私が一番よく知っているわ……それから何だったかしら…氷の女王とか言ってたわね?」

ドロシー「…」

アンジェ「それよりも何よりも……ドロシー、あなたは「プリンセスを焚きつけて」どうするって言ってたかしら?」

ドロシー「いや、それはあくまでも「言葉のあや」っていうか……さ」

アンジェ「そう…それにしてもプリンセスをだしに使おうって言うのはいただけないわね」

ドロシー「うっ…いや、あのさ……」

アンジェ「まぁいいわ…昨日は疲れたでしょう、ドロシー……しばらく休んだら?」

ドロシー「お…おう、何かわりぃな……?」

アンジェ「そのかわりに……起きたらここと車庫の道具を手入れしてもらうから」

ドロシー「……この冷血トカゲ女」

アンジェ「何か言った?」

ドロシー「いや、何も」

アンジェ「そう…それならもう話はないわ、お休み」

ドロシー「ああ…んじゃ寝て来るわ」

アンジェ「……まったく、私のポーカーフェイスもプリンセスに関してはまだまだね……でも、プリンセスならドロシーに焚きつけられなくても…///」

プリンセス「あの…私がどうかして?」

アンジェ「…っ///」

プリンセス「どうしたの、アンジェ?」

アンジェ「な、何でもないわ……監視任務で疲れたからぼーっとしてただけよ///」

プリンセス「ふふ…アンジェは私の前だと絶望的に嘘が下手になるわね♪」

アンジェ「嘘はついていないわ」

プリンセス「ふふっ…ならそう言うことにしておくわ……ところでアンジェも疲れているのだから、少し休憩しなさいな♪」

アンジェ「いえ…まだ個人装備の後片付けが済んでないわ」

プリンセス「ふぅ……くたびれた状態で後片付けをしても、手順が狂ったりミスが増えるからいいことはないし…少し休んでからにした方がいいわ」

アンジェ「いえ、それでも…っ!?」

プリンセス「ふふ…私からの不意打ちとはいえ、キスをかわせない時点で疲れているわ……ベッドを貸してあげるから少し寝てちょうだい?」

アンジェ「…わ、分かったわ……ベッドは貸してもらわなくても結構、自室で寝るわ///」

プリンセス「ええ…お休みなさい♪」

アンジェ「…お休み///」

プリンセス「……ふふ、「シャーロット」の唇…柔らかかった♪」

………
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/07(土) 17:40:53.54 ID:ge8i8iCao
51 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/09(月) 00:51:14.15 ID:thhQe0Ab0
…case・アンジェ×ドロシー「The summer vacation」(夏休み)…


…とある日…

アンジェ「今日はみんなにニュースがあるわ…ちなみに「いいニュース」と「悪いニュース」があるけれど、どっちから聞きたいかしら?」

ドロシー「あー…それじゃあ悪いニュースからだな。「いいニュース」とやらで口直しにさせてもらうさ」

アンジェ「そう、なら悪いニュースね…実はこっちの組織に王国諜報部のモール(もぐら。潜入エージェント)が潜りこんでいたことが判明したわ」

ドロシー「おい、嘘だろ……悪いニュースどころか最悪だ」

ベアトリス「あ、あの…アンジェさん……私たちの存在も知られてしまったんでしょうか?」

アンジェ「いいえ。それは「コントロール」が食い止めたわ」

ドロシー「ふぅ…やれやれだな」

アンジェ「そしていいニュースよ……幸いにして私たち「白鳩」の事は知られずに済んだ…けれど、それが事実かどうかはまだ分からない」

プリンセス「…困ったわね」

アンジェ「ええ。そこで、コントロールとしては安全と推測できるまで私たちを活動させずにおくことを決めた……幸い、寄宿舎も夏休みに入るから「この機会にうんと羽を伸ばしていらっしゃい」とメッセージを受けとったわ」

ドロシー「ひゃっほう、コントロールにしちゃ気前がいいな♪」

ちせ「うむ…まぁ最近は商売繁盛だったからの」

プリンセス「なら私の別荘にご案内するわ…ね、アンジェ?」

アンジェ「そうね、それがいいかもしれないわ」

ベアトリス「でしたら私が姫様の旅支度を整えさせていただきますね♪」

ドロシー「あー、旅支度ね…と言っても、何にも持って行くものなんてないしな。せいぜい着替えくらいか……」

アンジェ「そうね、支度はすぐ済むわ」

ちせ「うむ…ならばうちは「ぬか床」を冷たい場所で保存しておくことにしよう……それならば数週間は持つはずじゃからの」

ベアトリス「お願いですから私の部屋とか言わないで下さいよ…?」

ちせ「そんなことは言わぬ…そうじゃな、地下室でも借りるとするかの……」

アンジェ「それは好きにするといいわ…ちなみに夏休みは一週間後よ、私はそれまでに飛行船の手配を「コントロール」にお願いしておく」

プリンセス「ふふ、楽しみね…アンジェ♪」

アンジェ「そうかもしれないわね」

………
52 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/10(火) 02:03:32.04 ID:dXmmz4Yn0
…数週間後・飛行船発着場…

アンジェ「いよいよ夏休みね…プリンセス、準備はいい?」

プリンセス「ええ。アンジェは?」

アンジェ「私はいつも通りよ…特に何も変わらないわ」すっきりした白を基調にした、黒い腰リボンつきのデイドレスと飾り付きの帽子…

ドロシー「と、言う割にはお洒落してるよな……ま、プリンセスとのハネムーンに備えた予行演習だと思っておけばいいんじゃないか♪」ドロシーはえんじ色で裾にしっかりしたドレープ(折り目)が入った大人っぽいドレスと、黒レースの長手袋…頭には黒い羽根飾り付きのボンネットをかぶっている……

アンジェ「…いつ私が「プリンセスと結婚する」なんて言ったかしら……///」

ドロシー「別に言ってないぜ?…お、そうやって赤くなったところを見ると脈ありかぁ?」

アンジェ「少しいいかしら、ドロシー……飛行船からの「不幸な墜落事故」に遭いたくないなら黙っていることね」

ドロシー「はいはい…あー、おっかない♪」

プリンセス「まぁまぁアンジェ…私は制度さえ整えばいつだっていいのよ♪」いたずらな上目遣いで両手を握りしめる……きらきらと光の加減で色が変わって見えるクリーム色のドレスに、柄に紫檀を使った優雅な同色のパラソル…

アンジェ「うっ…いえ、そう言うのは任務遂行の……///」

プリンセス「…ふふ、遠慮しないでいいのよ「シャーロット」……今度は「本番」の時に、二人だけで来ましょうね?」

アンジェ「べ、別に貴女の事が好きなわけじゃないわ……///」

プリンセス「もう、アンジェったら……ふふ、せっかくだから後で私の船室に来て…ねっ♪」

アンジェ「…そんなに飛行時間はかからないわ///」

ベアトリス「むぅぅ、アンジェさんはまた姫様といちゃいちゃして……もう、姫様には私だっているじゃないですか…///」ごくごくあっさりとまとめた淡い桃色のドレスで、頭には白いレース付きのボンネットをかぶっている…

プリンセス「ふふ、ベアト…あなたも私の大事な人よ……だから「どっちかを選べ」なんて言わないでね?」

ベアトリス「言いませんよ…姫様はどうであっても私の姫様ですから!」

プリンセス「よろしい…♪」

ちせ「おぉ、これが例の飛行船じゃな……空の上を旅するとは、ちとおっかない気もするが…それもまた鍛錬じゃ……うむ」武者震いをしながらタラップに脚をのせるちせは、暗緑色と銀ねず色の落ち着いたドレスで、腰のバスル(ふくらみ)が小ぶりで、いざと言う時にも動きやすいように仕立てられている…

アンジェ「それじゃあ乗り込みましょう、プリンセス」

プリンセス「ええ、アンジェ…嬉しいわ、久しぶりの旅行だもの♪」

アンジェ「そうね」

53 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/11(水) 02:13:36.99 ID:oy1qfslX0
…飛行中…

プリンセス「綺麗な眺めね…ところでベアト。いつもベアトが身支度を手伝ってくれるけれど、何かと疲れるでしょうし……夏休みの間は私のお世話をしなくていいですからね?」

ベアトリス「疲れるだなんて、そんな……私は姫様のお世話をするのが好きだからやっているんです///」

プリンセス「まぁ…ならこうしましょう」

ベアトリス「はい、何でしょうか?」

プリンセス「ベアトが私の、私がベアトの支度を手伝うことにしましょう♪」

ベアトリス「うわわっ、そんなの駄目ですっ…///」

プリンセス「そう?…ならさっき言ったように私のお世話はしなくていいわ……それとも命令しなくちゃダメ?」

ベアトリス「そ、そんなことないです…分かりました」

プリンセス「ふふ、よろしい…あ、島が見えてきたわね♪」

アンジェ「あれはイベリア半島よ、プリンセス」…普段かけている「ドジな田舎娘風」の眼鏡を外し、さりげなく隣に立った

プリンセス「まぁ、アンジェは物知りなのね♪」

アンジェ「プリンセスだって航路は覚えているでしょう…まだエスパーニャ(スペイン)の上空よ」

ドロシー「おー…綺麗なもんだなぁ……ところで甲板で振る舞われているポンチ酒をもらってきたらどうだ、いい味だぜ?」

アンジェ「…それはいいけど、一体何杯飲んだの?」

ドロシー「おいおい…あたしがそんなレディらしからぬほどがぶ飲みすると思ってるのかよ?」

アンジェ「ええ、ひどくお酒臭いわ」

ドロシー「相変わらず口が悪いな……ちせ、どうした?」

ちせ「いや、ずいぶんと高いのじゃが…本当に大丈夫なんじゃろうな?」

ドロシー「はは、大丈夫だって…こいつは表面に薄い金属板を張ってある硬式飛行船だから、気嚢がむき出しの軟式飛行船みたいにヤワじゃない……おまけに「ケイバーライト」のおかげで今までの飛行船よりずっと揚力が稼げるんだ…あそこの綿雲よりもふわふわ浮くって♪」

ベアトリス「そうですよ、ちせさん…あの推進器だって一ポンド当たりの推力がぐっと大きい新式ですし♪」

プリンセス「二人とも詳しいわね♪」

アンジェ「そうね…つまり安全よ、ちせ」

ちせ「うむむ、では…お、おぉ……」

ドロシー「どうだ、いい眺めだろう♪」

ちせ「うむ…で、あの陸地が……どこなのじゃ?」

アンジェ「イベリア半島よ」

ちせ「なるほど…して、目的地まではどのくらいじゃ……やはり地面の上でないと背中がむずむずしていかん」

アンジェ「約三時間ね…船室で昼寝でもしていればいいわ」

ドロシー「そうそう「雲の上で昼寝」なんて、白い羽根のついた天使さまでもなきゃ味わえないんだ…な、贅沢だろ?」

ちせ「ふむ…それではちと午睡を取ることといたそう」

ドロシー「あいよ…プリンセスは?」

プリンセス「そうねぇ…お昼寝もいいかも知れないわ♪」

ドロシー「お…そんならベアトリス、ちょっと推進器の方をのぞいてこようぜ♪」

ベアトリス「わぁ、いいですねぇ…って、機関部の辺りはお客さんが入れないんじゃ……?」

ドロシー「それが「ちょっと見てみたいのだけど、よろしいかしら♪」…ってクルーにウィンクしたら、あっという間に通してくれたぜ?」

ベアトリス「やっぱり……でも見られるなら見ておきたいですし、行きましょう♪」

ドロシー「お、いい返事だな。それじゃあ二人とも、また後で……ま、アンジェもよかったら「昼寝」して来いよ♪」

アンジェ「……余計なお世話よ///」

プリンセス「ふふ…でも「お昼寝」の時間が三時間じゃ、ちょっと少ないかもしれないわね♪」

アンジェ「///」
54 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/12(木) 02:02:45.66 ID:2+euDTsM0
…カサブランカの別荘…

ドロシー「おー…何とも綺麗な別荘だな♪」

ベアトリス「ほんとですね」

ちせ「白い壁が日光を反射して、もはや眩しいくらいじゃのぅ」

プリンセス「ふふ…ここは私の別荘だから、遠慮せずにくつろいでね♪」

ドロシー「ありがとな、プリンセス……おいアンジェ、聞いてるか?」

アンジェ「……そうね」

ちせ「アンジェどのは一体どうしたのじゃ…そんなにげっそりと疲れたような顔をして?」

ドロシー「あー…そりゃあきっと「空酔い」だろ。な、そうに決まってるよな、ベアトリス?」

ベアトリス「え?…あっ……そ、そうですよ♪」

ドロシー「ほら、ベアトリスもそう言ってるだろ?」

ちせ「ふむ……しかし「空酔い」とやらでアンジェどのがやつれているのは、まぁ分かるのじゃが……しからばなにゆえに、プリンセスどのはああもつやつやとしておるのじゃ?」

ドロシー「それはまぁ…あれだ、久しぶりに公務だの何だのから離れられたから嬉しいのさ」

ちせ「なるほど…確かに姫君の務めは何かと大変じゃろうからな……お察しいたします、プリンセスどの」

プリンセス「ええ、うふふっ…♪」

ドロシー「とにかく別荘に入ろうぜ…ここじゃ眩しくてやりきれないしな」

ベアトリス「そうですね」

プリンセス「なら私が案内するわね……ほらアンジェ、行きましょう?」

アンジェ「…え、何かしら」

プリンセス「ふふ、「行きましょう?」って言ったの…♪」

アンジェ「あ、あぁ…そうね」

ドロシー「…あのアンジェがあんなにがくがくになるって……飛行船の中でどれだけ責めまくられたんだよ……」

ベアトリス「あー…それはほかでもない姫様のことですから……///」

プリンセス「んー、二人とも何か言ったかしら?」

ドロシー「いや、何でもないって!」

ベアトリス「ひ、姫様に聞こえないようなところで何か言うはずがないじゃありませんか!」

プリンセス「ふふ…変なベアトとドロシーさん……さ、荷物を置いたら水着になって日光浴でもしましょう♪」

ドロシー「お、おう…そいつはいいや♪」

ベアトリス「で、ですねっ…わー、楽しみだなー」

ちせ「ふむ…砂浜でなら足腰によい鍛錬が出来そうじゃな」

アンジェ「あー、日光が眩しいわね……ほわぁ…」

ドロシー「……だめだこりゃ」

………
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/13(金) 05:32:06.51 ID:gtVyiD3Mo
56 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/14(土) 01:34:13.34 ID:3votnxuU0
…しばらくして・浜辺…

ドロシー「うーん、やっぱりいいもんだなぁ……ロンドンの陰鬱な空気とは大違いだ♪」パラソルの下、デッキチェアに寝そべって伸びをするドロシー…

ベアトリス「ですねぇ…はぁぁ、暖かくて気持ちいいですし」

ちせ「うむ…しかしこの婦人用の水着とやらは……ずいぶんとけったいな外見をしておるのぉ」袖口や裾回りがふくらませてあって、いわゆる「かぼちゃパンツ」のスタイルに近い全身用水着を胡散くさい目で見おろしている…

ドロシー「あー、まぁ日本から見ればそうなのかもなぁ……やっぱり泳ぐときも「キモノ」なのか?」

ちせ「まぁ、似たようなもんじゃな…それにしてもプリンセスどのとアンジェどのは遅いのぉ」

ドロシー「プリンセスなんていうものは、支度に時間がかかるのさ…ふわぁぁ…♪」

…邸内…

プリンセス「うーん…どっちがいいと思う、アンジェ?」

アンジェ「別にどっちでもいいわ、プリンセスなら何だって似合うもの…///」

プリンセス「ふふ、嬉しい……じゃあこっちの桃色の水着にしましょう♪」

アンジェ「そう、ならそうするといいわ…」

プリンセス「ところでアンジェ」

アンジェ「なに?」

プリンセス「着替えるのを手伝って下さらない?」

アンジェ「え?」

プリンセス「ふふ、聞こえなかったかしら…♪」

アンジェ「いえ、よく聞こえたわ…」

プリンセス「なら後ろに回って…背中のホックをはずして下さいな♪」

アンジェ「わ、分かったわ…」

プリンセス「ふぅ……やっぱりカラーがきついのかしら」

アンジェ「かもしれないわね」

プリンセス「うーん…とはいっても跡が残っているわけでも、擦れているわけでもないし……どう思う?」ドレスを脱ぎ、下着姿で鏡の前に座っているプリンセス…

アンジェ「別に…///」

プリンセス「…それだけ?」

アンジェ「だって私が決めることじゃないわ、プリンセスが着やすいかどうかでしょう…///」相変わらずのポーカーフェイスながら、顔を微妙にそむけている…

プリンセス「うふふ…アンジェったら恥ずかしいの?」

アンジェ「そんな訳ないわ」

プリンセス「だってそんな風に横を向いちゃって…今までだってこういうことはあったのに、今日は私の身体を見るのがそんなに恥ずかしいの?」

アンジェ「それとこれとは話が別よ。だって、こんな明るさの下で見たことはなかったもの……///」

プリンセス「なら…ここで口づけをしたら「こんな明るさの下」でした、初めてのキスになるわね♪」

アンジェ「ちょっと…何を考えているの///」

プリンセス「ふふ…さて、何を考えているでしょうか♪」

アンジェ「……こと」

プリンセス「んー?」

アンジェ「私が…考えているような事……///」

プリンセス「ふふ…正解♪」ちゅっ…♪

アンジェ「///」

プリンセス「ふふ…せっかくの夏休みですもの、いっぱい楽しみましょうね……シャーロット♪」ぐいっ…♪

アンジェ「あっ…///」

57 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/14(土) 02:28:25.60 ID:3votnxuU0
プリンセス「ほんと、シャーロットは肌が白くてすべすべしていて…とっても綺麗ね♪」するするとアンジェの着ている物を脱がしていくプリンセス…ドレスの胸元を開き、スカートはたくしあげ、ペチコートは引き下ろす……

アンジェ「…褒められても何も出ないわ///」

プリンセス「…それはどうかしら♪」むにゅ…むにっ♪

アンジェ「んんぅ…んっ///」顔をそむけて唇をかみ、声が出そうになるのをこらえるアンジェ…

プリンセス「ふふ、可愛い…♪」ちゅ…ちゅぱっ♪

アンジェ「んぅ…んくっ……はぁ、はぁ…///」

プリンセス「ふふ…そんな風に頬を赤らめて……まるで「召し上がれ」って言っているみたい♪」

アンジェ「……そんなつもりじゃないわ」

プリンセス「あら、ならどういうつもりなのかしら…普段は何があっても顔色一つ変えないのに♪」

アンジェ「あれは任務だから……それに、プリンセスは別よ///」

プリンセス「…まぁ///」

アンジェ「///」

プリンセス「まぁまぁまぁ…シャーロットったらやっと本音を言ってくれたわね、嬉しいわ♪」ちゅっ…ちゅぱ、ちゅぷっ……♪

アンジェ「んぅ…んちゅ、ちゅぱ……んふっ、ちゅぅぅ…ちゅるっ…ちゅぅ///」

プリンセス「ふふっ…ちゅっ、ちゅうぅぅ…んちゅ、ちゅる…っ……♪」

アンジェ「んはぁ…はぁ、はぁ……ちゅぅ、ちゅぱ…っ……あふっ…///」

プリンセス「あらあら、シャーロットったらすっかり表情をとろけさせちゃって…♪」

アンジェ「んはぁ…だって……プリンセスが…んくぅ///」

プリンセス「私が…何かしら♪」

アンジェ「…プリンセスが……好きだからよ…///」

プリンセス「…ごめんなさい、シャーロット……」

アンジェ「……プリンセス?」

プリンセス「あのね…私、これでも結構我慢して来たのだけど……今ので理性が振り切れちゃったわ♪」

アンジェ「え……それって、どういう…んんっ!?」

プリンセス「もう、可愛いシャーロットがイケナイのよ…そんな風に目をうるませて告白されたら、我慢なんてできっこないじゃない♪」

アンジェ「んっ、んっ、んあぁぁぁっ…!?」

プリンセス「はぁ、はぁ…愛しいシャーロット……もう、涙目になるまでイかせてあげるわね♪」くちゅっ、にちゅ…っ♪

アンジェ「んあぁっ、あん…っ♪」

プリンセス「ふふ…これでも私だって色々勉強しているんですもの、きっと気に入ってくれると思うわ♪」じゅぶじゅぶっ…ぐちゅっ♪

アンジェ「ちょっと待っ……んひぃぃっ♪」

プリンセス「ふふ、シャーロットったらもうこんなにとろっとろにして…そんなに気持ちいいの?」

アンジェ「んぁぁ…き、気持ちいいわ……腰が…抜けそう……///」

プリンセス「まぁ…でもまだ「抜けそう」なだけ?……ならもっと頑張らないとダメね♪」ぐちゅり、じゅぶっ……♪

アンジェ「んぁぁ、あっ、んんぅ…ひぅっ、んぁぁ……あ、あっ…んはぁぁっ♪」



58 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/04/17(火) 03:16:50.33 ID:jMardDIx0
…浜辺…

ちせ「それにしても遅すぎではあるまいか…いくら姫君とはいえ着替えにそこまでかかるものかのう?」

ドロシー「あ、あー……まぁ、何だ…ほら、プリンセスだから「日焼けしないように」とか…なんかあるんだろ、きっと」

ベアトリス「そ、そうですよ……私たちと違って姫様は何かと大変でいらっしゃいますし…」

ちせ「それにしてもじゃ…もしや、刺客か何かが差し向けられたのではなかろうな……こうしてはおれぬ、すぐ我が刃をもって助けに参らねば!」

ドロシー「ちょっと待てって、ちせ……プリンセスの脇にはアンジェがいるんだぜ、刺客だろうが何だろうがあの「黒蜥蜴星人」にかなうと思うか?」

ちせ「それはそうじゃが……不意を突かれれば剛の者とて敵わぬ。ましてや飛び道具をもってすれば女子供でも名人上手を屠ることができると言うもの…」

ドロシー「まぁ道理だな…ところが、アンジェはその「飛び道具」の名人上手ときてやがる……あのウェブリー・フォスベリーの銃口をのぞきこんだら、次に会うのは三途の川の渡し守「カロン」の顔…って所だろうよ♪」

ベアトリス「そうですよ、アンジェさんが勝てない相手なんている訳ないじゃありませんか」

ちせ「うむむ…二人がそうまで信用しているのならうちもとかく言うのは差し控えよう…じゃが、遅いの……」

ドロシー「まぁ、そう言うなって…ほら、これで沖合でも眺めてみろよ♪」真鍮の小さいオペラグラスを差し出す

ちせ「うむ…おぉぉ、沖合にいる汽船がよく見えるのぉ……」

ドロシー「な、ベアトリスのお手製だから視界の良さが段ちがいなんだ」

ちせ「うむぅ…見事なものじゃ……」

ドロシー「だってよ、ベアトリス?」(…二人とも早くしろよ、いい加減引き伸ばしのネタが尽きてきてるんだからさ……)

ベアトリス「よ、喜んでもらえてよかったです…」(うー…姫様、早くしてくださいよ……)

…邸内…

プリンセス「…ほぉら、シャーロットは「ふみふみ」されるのが好きなのよね♪」ベッドの上で両腕を横に伸ばして立ち、つま先でアンジェの身体をなぞりつつ、時折軽く踏みつけるプリンセス…

アンジェ「うんっ、好き…ぃ♪」

プリンセス「ふふふ、すっかり甘えんぼさんになっちゃって♪」

アンジェ「だって……あなたと二人きりだから///」

プリンセス「ふふ、素直でよろしい…それとも、それも嘘かしら?」

アンジェ「スパイは嘘をつく生き物……だけど、必要でない時まで嘘はつかないわ///」

プリンセス「そう…ふふっ♪」ぐりっ、ぬちゅ…♪

アンジェ「んあぁ…っ♪」ひくっ、とろとろ…っ♪

プリンセス「うふふ……愛しい私だけのシャーロット♪」

アンジェ「んんっ、そんなのずるい…わ♪」ぷしゃぁぁ…♪

プリンセス「ふふ、私はずるい女なの…可愛いシャーロットを独り占めしたくてたまらないわ♪」

アンジェ「大丈夫よ、私はプリンセス専用だから…///」

プリンセス「まぁ、嬉しい……それなら私の好きなようにしてもいいのね♪」

アンジェ「…ええ」

プリンセス「それじゃあ……ふふっ♪」

アンジェ「///」

プリンセス「…想像しちゃった?」小首を傾け、いたずらっぽい笑みを浮かべて見おろした…

アンジェ「別に…///」ぷいとそっぽを向くアンジェ…が、頬がわずかに赤い……

プリンセス「ふふ、いいのよ?……そろそろ浜辺に行かないと、ちせさんに怪しまれちゃうわね♪」

アンジェ「…そうね、行きましょう」

プリンセス「その前に……色々拭いた方がいい所があるんじゃないかしら?」

アンジェ「…そ、そうね」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/19(木) 14:01:03.48 ID:5XdQt2Fno
60 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/20(金) 03:37:27.16 ID:oZvHpm4V0
…浜辺…

プリンセス「遅れてごめんなさいね♪」

ベアトリス「姫様、お待ちしておりましたよ♪」

ドロシー「おー、二人とも待ちくたびれたぜ……ま、プリンセスは着替えだの何だのに時間がかかるもんだから…仕方ないよな?」意味ありげに眉を上げて見せるドロシー

プリンセス「…ふふ、そういうことです♪」

ドロシー「だから私がそう言ったろ、ちせ?」

ちせ「うむ。疑ってすまなかったの」

プリンセス「何かあったのですか、ちせさん?」

ドロシー「いや…ちせが二人の来るのがちょっと遅いから「何かあったんじゃないか」って言ってね……でも、あたしだってここまで来て刃物だのハジキ(銃)だのは見たくないしさ、アンジェがいるなら大丈夫って言ってたんだ」

プリンセス「まぁ…心配かけてごめんなさいね、ちせさん」

ちせ「いや、こちらこそ」

ドロシー「……ところでアンジェ、無事か?」ニヤニヤしながら耳元にささやいた

アンジェ「何の話」

ドロシー「おいおい、とぼけるなって…な?」

アンジェ「別に何もなかったわ…プリンセスと着替えてここに来た。それだけよ」

ドロシー「へぇー……それじゃあそのふとももの粘っこい液体は何だ?」

アンジェ「…」ちらっと自分のふとももを見おろすアンジェ…

ドロシー「ははっ、引っかかったな…おおかたそうだろうと思ってたぜ♪」

アンジェ「ふとももに「得体の知れない液体がついている」って聞いたら、誰だって気になるはずよ」

ドロシー「普通ならな…アンジェ、お前ならどうでもいいものだったら気にしないのはよく分かってるんだ……で、どうだったんだ?」

アンジェ「…言うことはないわ」

ドロシー「おいおい…まぁあのプリンセスの事だ、きっとお前がひーひー言わされてたんだろうな♪」

アンジェ「余計なお世話よ」

ドロシー「相変わらずつれない返事だことで…それがベッドの上じゃ真っ赤になってプリンセスの下敷きになってるときた……想像するだけで愉快だな♪」

アンジェ「ドロシー、あんまり人をからかうものじゃないわ」

ドロシー「へいへい…それにしても見たかったなぁ、アンジェがプリンセスに押し倒されてよがってる所……」

プリンセス「……私がどうかしましたか♪」

ドロシー「うえっ…!?」

プリンセス「あら、そんなに驚かなくても……わたくしの事をお話しているようでしたから、つい交ぜていただきたくて…ふふ♪」そっとドロシーの肩に両手をかけ、後ろからドロシーの胸元をのぞきこむようにしながら「ふーっ」と耳元に吐息を吹きかける…

ドロシー「…っ///」ぞくぞくっ…

プリンセス「ふふ……わたくしとアンジェさんは仲良く「お着替え」していただけですわ。聞きたいことはそれでよろしいかしら?」

ドロシー「え、ええまぁ…」

プリンセス「そう、ならよかったわ……でもわたくし、この休みはドロシーさんたちともいっぱい「遊び」たいですから…うふふ、楽しみです♪」

ドロシー「///」

プリンセス「それではドロシーさん、また後で……ベアト、せっかくですし隣のデッキチェアにいたしましょう♪」

ドロシー「…あれじゃ勝てっこないな」



61 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/21(土) 15:29:04.76 ID:m3f3/yJW0
…夕刻…

プリンセス「綺麗な夕日ね、アンジェ…♪」

アンジェ「そうね、ロンドンでは霧と煤煙のせいで夕日なんて見られたものではなかったものね」

プリンセス「ええ、それもそうだけれど……///」

アンジェ「…なに」

プリンセス「隣にシャーロットがいるんですもの…なおの事綺麗に見えるわ」

アンジェ「…じ、冗談は止して///」

プリンセス「私の言っていることが冗談に聞こえる…?」

アンジェ「…」

プリンセス「あのね…シャーロットとここでいっぱい楽しい事がしたいの……それで、うんと二人だけの思い出を作ろう…って///」

アンジェ「……プリンセス」夕陽に照らされてきらりと目に光るものが浮かぶ……

プリンセス「…だからえっちしましょう♪」

アンジェ「…は?」

プリンセス「聞こえなかったかしら。それじゃあもうちょっと大きい声で言うわね……すぅー…」

アンジェ「待って。待ってちょうだい…言った言葉は聞こえたわ……ただ、頭が理解するのを拒んでいるの」

プリンセス「あら、どうして?」

アンジェ「いえ…だって、その……///」

プリンセス「もしかして私が「プリンセス」だから…?」

アンジェ「いいえ、むしろ喜ばしいことだわ」

プリンセス「それじゃあ…誰か他に意中の人がいて、私とベッドに入るのが嫌?」

アンジェ「全くないわ」

プリンセス「…じゃあさっきのでヘトヘトになっちゃった?」

アンジェ「いいえ。あの程度でくたびれていたらスパイなんて務まらない」

プリンセス「じゃあどうして?」

アンジェ「……から」

プリンセス「んー?」

アンジェ「…プリンセスの前でそういうことを言うなんて恥ずかしいから///」

プリンセス「まぁ……まぁまぁまぁ♪」

アンジェ「な、何がおかしいの」

プリンセス「うふふふっ、シャーロットったらそんな可愛い事を言ってくれるなんて……ごめんなさい、もう我慢できないわ♪」

アンジェ「えっ…ちょっと待って」

プリンセス「さぁさぁシャーロット、寝室には大きなふかふかのベッドが待ってるわ♪」

アンジェ「プリンセス、待って……何で私が腕を振りほどけないの…っ」

プリンセス「ふふ、どうしてかしらね…さぁ、夜は長いんだもの。うんと愉しみましょうね♪」

アンジェ「ちょっと……ねぇ、待ってったら///」

プリンセス「いいえ、待たないわ…そーれっ♪」ベッドにアンジェを放り込み、ついで自分もダイブするプリンセス…

アンジェ「///」ぽすっ…と一つバウンドしてからベッドに「着地」する二人…

プリンセス「んふふ、可愛い……っ♪」胸元をはだけさせ、夕日に照らされる白い肌をじっくりと観察する…

アンジェ「…あなたこそ///」プリンセスの胸元に手を伸ばし、首元のブローチを外すとボタンに手をかけて胸元を開いた……

プリンセス「ふふっ…♪」

………
62 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/24(火) 01:11:15.14 ID:EkOf6jxk0
…そして夕日が沈み…

アンジェ「……あぁっ、んんっ、んぁぁ…っ///」

プリンセス「んっ、んっ……んんっ♪」

アンジェ「はぁ、はぁっ…プリンセス、脱がすわよ……」

プリンセス「ええ、私もシャーロットの事脱がしてあげ……痛っ」

アンジェ「…どうしたの」

プリンセス「あのね、アンジェのふとももの所に何か固いものがあって…膝をついたら食い込んじゃったわ……」

アンジェ「あ…ごめんなさい」気まずそうにガーターベルトのように取りつけていた革ベルトとホルスターを外すと、中身の「ウェブリー・フォスベリー」リボルバーごとナイトテーブルの上に置いた

プリンセス「ううん、いいのよ…それじゃあ脱がすわね……あら、上等な万年筆ね」二本あるうちの一本に手を伸ばした…

アンジェ「だめ、触らないで…!」

プリンセス「?」

アンジェ「…こっちのはインクが劇薬になっているの…うかつに触ると確実に死ぬ。ちなみにこの便せんは毒じゃない方のペンで書いて少し熱すると、書いた文字が化学反応で透明になる」

プリンセス「ふぅ……アンジェ、他にも「びっくりスパイ道具」があるなら自分で外してもらえるかしら?」

アンジェ「ええ、そうね…プリンセスを怪我させるわけにはいかないもの」

プリンセス「全く、私の別荘にまでそんなものを持ちこんで」

アンジェ「全てプリンセスの安全のためよ…」黒革の胴衣(ボディス)を縫っている糸の一本を抜き取り、ナイトスタンドの柄に巻きつけた…

プリンセス「それは?」

アンジェ「細い金属ワイヤー…相手の首を絞めるのに使えるわ。それから……」胴衣の型崩れを防ぐため縦に入っている「骨」の数本を引き抜いた…

プリンセス「まだあるの?」

アンジェ「ええ。こっちが刺殺用のニードル、こっちは鍵開け用のキーピック二本……あとは…」銀鎖のついた懐中時計をナイトテーブルの上に置く…

プリンセス「それは私も持っているわ…裏面の蓋を開けると粉薬が入っているのよね?」

アンジェ「ええ……故障した時計をいじるふりをしながら相手のグラスに薬を入れることができる……私の場合自白剤だけど、プリンセスは眠り薬だったわね」

プリンセス「ええ、そうよ……それは?」

アンジェ「普通のコンパクト……に見えるけど二重底になっていて手紙を隠せる。手鏡自体は外して正しい位置の窪みにはめ込むとルーペになるから、ものを拡大したり…光を反射させて合図を送ってもいい」

プリンセス「ふんふん…」

アンジェ「この印章付きの指輪は、印章の部分を半回転させておいてから相手に押し付けると小さい針が出てくる…これも触ると毒よ」

プリンセス「ずいぶんたくさん持っているのね…?」

アンジェ「ええ…この不格好な眼鏡のフレームは鉄で出来ているから、いざとなれば相手の喉を突く武器になる」

プリンセス「……まだあるの?」

アンジェ「このハンカチはなかなか破けない生地になっているし、特定の角度で日に当てながらロンドンの地図と合わせると……月ごとに変わるセーフハウス(隠れ家)の位置が分かるようになっているわ。…これはみんな持っているわね」

プリンセス「ええ…♪」

アンジェ「それから……」

プリンセス「ねえ、アンジェ」

アンジェ「なに?」

プリンセス「まだかしら…私はもう脱ぎ終わってしまったのだけど♪」白い絹の下着だけでにこにこしながら立っている…

アンジェ「…ごめんなさい、すぐ脱ぐわね///」慌てて「Cボール」を置こうとする…と、プリンセスがそれを取り上げる

プリンセス「ふふっ、これって「Cボール」よね……アンジェ♪」片手でCボールをもてあそびながら、急に意地の悪い笑みを浮かべた……

アンジェ「ええ…Cボールを手にしてどうするつもり?」

プリンセス「ふふふっ……えいっ♪」

アンジェ「えっ、ちょっと…///」二人とも寝室の天井近くまで浮き上がり、緑色の光に包まれている…


63 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/24(火) 01:44:42.40 ID:EkOf6jxk0
アンジェ「…プリンセス、Cボールで何をする気?」

プリンセス「ふふっ…♪」アンジェが下着に着ている胴衣の胸元をほどくと、空中で脱がせるプリンセス…

アンジェ「ねぇ、ちょっと…///」

プリンセス「一度空中でアンジェとえっちしてみたかったのだけど、いつもはCボールを手元から離したことがないし……ふふっ、やっとスキをみせてくれたわね♪」

アンジェ「別に意地悪でしていたわけじゃないわ…Cボールはトップ・シークレットの道具だし扱いが難しいから……って、何をしているの///」

プリンセス「んー…空中でアンジェのここを眺めるなんて新鮮な気分ね♪」

アンジェ「わ、悪ふざけはよして///」

プリンセス「もう。私は「シャーロット」の事が大好きなのに、どうしてそういうことを言うのかしら……んちゅ…っ♪」

アンジェ「プリンセス、止めて……だめ、そんなところを舐めないで…っ///」

プリンセス「んふ、んくぅ……ふふ、アンジェの味がするわ」ちゅく…っ、くちゅり……♪

アンジェ「ゆ、指も駄目……っ///」

プリンセス「でも、だとしたら……あ、分かったわ♪…アンジェは「貝合わせ」がしたいのね♪」

アンジェ「!?……プリンセス、今…か……って…///」

プリンセス「あら、間違えたかしら…お互いに「めしべ」と「めしべ」をくっつけ合うことでいいのでしょう?」

アンジェ「ええ…合っているわ///」

プリンセス「ならそれをしましょう♪…ふふ、空中だと姿勢を変えるのが難しいわね♪」くるりと一回転してしまい、アンジェの顔を胸で挟んでしまうプリンセス……

アンジェ「…っ///」

プリンセス「あら、ごめんなさい…どう、気持ちいいかしら?」

アンジェ「……い///」

プリンセス「んー?」

アンジェ「…柔らかくていい匂い///」そのまま胸元に顔をうずめるアンジェ…

プリンセス「もう、アンジェったら…ふふ♪」白く滑らかなアンジェの背中に手を回して抱きしめる…

アンジェ「んんぅ…すぅぅ……れろっ///」

プリンセス「きゃっ…もうアンジェったらどこを舐めているの♪」

アンジェ「…谷間」

プリンセス「んっ、もう……で、お味はいかが?」

アンジェ「……甘酸っぱい初恋の味///」

プリンセス「まぁまぁ…♪」

アンジェ「…もういいでしょう、遊びの道具じゃないわ」

プリンセス「だーめ、まだ空中でしてないもの♪」

アンジェ「……本当にする気なの?」

プリンセス「ええ。それじゃあ行くわね♪」くちゅ…っ♪

アンジェ「えっ、ちょっと待って…んんっ///」

プリンセス「あっ、これすごく気持ちいい…っ♪」

アンジェ「んひっ、んんぅ、んあぁぁっ…!」

プリンセス「はぁ、はぁ、はぁっ……これ…っ、アンジェの柔らかい感触だけが伝わってきて……すごく幸せ…っ♪」ぐちゅぐちゅっ、にちゅ…っ♪

アンジェ「んんっ、んひぃ…んっ、ひぐぅ……は、早く降ろして……っ…あぁぁん…っ♪」ひくっ、とろとろっ……くちゅり…っ♪

プリンセス「んっ、んっ……あぁぁ、これ癖になっちゃいそう♪」

アンジェ「そんな癖は求めてないわ…んぁぁぁっ///」ぷしゃぁぁ…っ♪

プリンセス「んっんっんっ…あぁ、アンジェのイっている顔……とっても可愛い♪」

アンジェ「…ば、ばか///」

64 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/04/26(木) 02:35:39.43 ID:Z87B3+jB0
………

アンジェ「プリンセス……んんぅ」

プリンセス「シャーロット…あむっ、んちゅ……///」

アンジェ「んふぅ…んちゅぅ、ちゅぷ……///」

プリンセス「んんっ、シャーロット……もっと、して…///」

アンジェ「ええ、行くわよ…///」くちっ…にちゅ……っ

プリンセス「あぁ、あぁぁ…んぅ……っ!?」Cボールの明るい緑の光に包まれ、空中に浮かんだままいちゃついていた二人…が、プリンセスが間違ってCボールを解除してしまった……

アンジェ「…わっ!?」ぼふっ…!

プリンセス「ごめんなさい……大丈夫、シャーロット?」

アンジェ「私は平気よ。プリンセスは?」

プリンセス「私も大丈夫よ……ところで、重くなかった?」

アンジェ「大丈夫、羽根のように軽かったわ…///」

プリンセス「もう、シャーロットったら…♪」

アンジェ「…ふふ」

プリンセス「ふふふふっ…♪」

アンジェ「ふふふっ♪」

プリンセス「あはははっ♪」

アンジェ「あははっ♪」

プリンセス「あーおかしい…自分で始めておきながら心配ばかりして♪」

アンジェ「全くね。しかも機密扱いの道具をこんなことに使うなんて…でも気持ち良かったわ……///」

プリンセス「ふふ、もう終わりのつもり?」

アンジェ「だって……もう数時間は経ったはずよ?」

プリンセス「ふぅん…でも私はまだまだ大丈夫だし、シャーロットだってもっとしたいんじゃないかしら?」

アンジェ「わ、私はそんな風に思ってないわ…///」

プリンセス「ふふ…相変わらず私の前では嘘が苦手ね?」

アンジェ「そんなことないわ……私はもう充分よ」

プリンセス「……そうかしら?」ベッドの上に両手をつくと、じりじりとアンジェに覆いかぶさるプリンセス…

アンジェ「え、ええ…だから放してちょうだい」

プリンセス「…本当は?」

アンジェ「……もっとしたいわ///」

プリンセス「ほらやっぱり♪」

アンジェ「…明日は確実に寝不足ね」

プリンセス「それなら一緒にお寝坊しましょうよ…シャーロット♪」…ちゅっ♪

アンジェ「ええ…どうやら私に選択肢はないようだものね」……ちゅ♪


………
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/04/27(金) 04:28:17.46 ID:z0vn+8vyo
66 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/28(土) 01:25:07.26 ID:eZY8j6IF0
…翌朝…

ドロシー「おー、起きてきたか……」

アンジェ「ええ…太陽が黄色いわ……」

ドロシー「…で、プリンセスは?」

プリンセス「おはよう、ドロシーさん♪」

ドロシー「うわ!」

プリンセス「どうかなさったの?」

ドロシー「い、いや…何でもない……」

プリンセス「ふふ、変なドロシーさん…おはよう、ベアト♪」

ベアトリス「おはようございます、姫様。紅茶でよろしいですか?」

プリンセス「ええ、ありがとう♪」

ドロシー「アンジェは何がいいんだ……おい、アンジェ!」

アンジェ「…なに?」

ドロシー「朝食は何がいいんだ……って言ってもこの時間だとブランチ(朝食と昼食の間)って所だけどな」

アンジェ「…任せるわ」

ベアトリス「もう、アンジェさんったら仕方ないですね……じゃあ私が適当に作ってきますから」

アンジェ「ええ、それでいいわ」

ちせ「…ふむ、規則正しい生活を送らぬと身体に悪いぞ」

アンジェ「こればかりは不可抗力よ」

ちせ「…ふむぅ?」

ドロシー「あぁ、まぁなんだ…普段頑張ってるわけだし、ちょっとくらいいいんじゃないか?」

ちせ「まぁそれもそうじゃが……しかしアンジェどのがこのような寝ぼけまなこなのは珍しいの」

ドロシー「あー…まぁ、そのぉ……あれだ…時差とか旅行疲れとかそういうのだろ」

ちせ「アンジェどのがそのようなことで、かくも疲れた様子なのはどうも奇妙じゃがの」

ドロシー「えーと…あ、アンジェはポーカーフェイスだけど、意外と旅行の前とかわくわくして寝られないタチなんだよ!」

プリンセス「ふふ、そうなの…アンジェったらはしゃぎ過ぎちゃったのね♪」

ちせ「さようか……ならばしばし休まれるとよかろう」

ドロシー「お、おう…それがいいや。ところで、よかったらこの後あたしと海岸へ遊びにでも行こうぜ?」

ちせ「ふむ、たまにはそれもよかろう……ご一緒いたそう」

ドロシー「うーし、そんじゃああたしたちはお先に…プリンセスもよかったら後からどーぞ♪」

プリンセス「ふふ、そうね♪」

ベアトリス「あれ、ドロシーさんにちせさん…お出かけですか?」

ドロシー「ばか言え、ちょっと浜辺で遊んでくるだけさ……ベアトリスも後で来いよ♪」

ベアトリス「全く、ドロシーさんは元気ですね…姫様、半熟のゆで卵にトースト、フルーツの盛り合わせです♪」

プリンセス「ありがとう、ベアト…片付けは後で構わないから海岸へ行ってらっしゃい♪」

ベアトリス「姫様、よろしいのですか?」

プリンセス「ええ、もちろん…私はアンジェさんとブランチをいただいてから浜辺に参りますから♪」

ベアトリス「分かりました、それでは失礼します」

プリンセス「はい……ふふ、それじゃあアンジェ…「あーん」してあげる♪」

アンジェ「別にいいわ、自分で食べられるもの…」

プリンセス「はい、あーん♪」

アンジェ「…あーん///」

プリンセス「はい、よくできました♪」
67 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/04/30(月) 03:12:43.10 ID:KQGGRw0c0
…浜辺…

ドロシー「そぉれ、捕まえちゃうぞぉ…♪」

ベアトリス「いやあぁぁ…なんでドロシーさんったら飲んだくれているんですかぁ!?」

ドロシー「おいおい、朝から飲んだくれる奴があるかよ。あたしはしらふだ……ただ、ちっこいベアトリスを抱きしめてあちこち触ったりしたいなぁ…ってだけさ♪」

ベアトリス「それでしらふだなんて、余計タチがわるいですよぉぉ…!?」

ドロシー「そう気にするなって…あたしら仲間だろ?」

ベアトリス「それ、「仲間」の使い方が間違ってますよ…ひぃぃ!」

ちせ「…おぉ、よい走りじゃ。鍛錬としては充分な効果があるじゃろうな」

ベアトリス「ひぃいやぁぁ…っ!?」

ドロシー「よぉーし、ベアトリスが一生懸命逃げるなら……あたしも全力で追いかけないとなぁ♪」

ベアトリス「いやぁぁぁ…!」

アンジェ「ベアトリス、うるさい」

ベアトリス「えぇぇ、私が悪いんですかぁ!?」

アンジェ「ええ…だいたい走って逃げるのに叫んでいると息が無駄になる。黙って走るべきよ」

ベアトリス「そ、そんなこと言ったってぇぇ…!」

アンジェ「それにドロシー、貴女も……ベアトリスが嫌がっているのに追い回すのはよくないわ」

ベアトリス「はぁ、よかった…そうですよドロシーさん!」

アンジェ「私は疲れているからそう言う声は聞きたくないの…ベアトリスで何かしたいなら向こうでやって」

ベアトリス「…え?」

ドロシー「あいよ……それ、つーかまーえた♪」

ベアトリス「いやぁぁぁっ!?」

アンジェ「だからうるさい」カチリ…

ベアトリス「…!……!!」

ドロシー「それじゃあまた後で…んふふ♪」

プリンセス「…あら、ドロシーさんったらベアトを抱えてどちらまで?」

ドロシー「あぁプリンセス…いやぁ、ちょっと抱きしめてなでなでしようかなぁ……なんてね?」

プリンセス「そうですか……ふむふむ」

ドロシー「あぁ、いや…もちろんプリンセスが「ベアトは私の専用です」って言うならお返しするけどな?」

プリンセス「そうですねぇ…」

ベアトリス「…!……!!」パクパク…

ドロシー「…で、どうする?」にいっ…と口の端に笑みを浮かべる

プリンセス「決まりましたわ」

ドロシー「それで、プリンセスはどうする…?」

ベアトリス「……!!」

プリンセス「わたくしも参りますわ…ふふ、ベアトとドロシーさんを一緒に味わえるなんて……なかなかそんな機会ありませんものね♪」ドロシーの耳元でささやいた…

ドロシー「…お、おい///」

ベアトリス「!?」

プリンセス「…それじゃあ参りましょう、ドロシーさん……♪」ドロシーの腕に自分の腕を絡め、にこにこと邸宅の方に戻っていく…

アンジェ「…」

ちせ「おや…プリンセスどのはせっかく水着になったと言うのに、どうして戻ってしまったのじゃろう?」

アンジェ「きっと色々あるのでしょう……まったくもう」

ちせ「?」
68 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/01(火) 09:19:14.35 ID:Ym7Nn+VP0
…その日の夕食時…

ドロシー「…なぁアンジェ」テーブルナイフで「鴨肉のロースト・オレンジソースがけ」を切りつつ声をかけた…

アンジェ「何?」

ドロシー「……ベッドの上のプリンセスっていつもああなのか?」

アンジェ「ノーコメント」

ドロシー「そうかよ…それにしても可愛い顔してとんだじゃじゃ馬……」

アンジェ「ドロシー、今なんて言った?」

ドロシー「な、何も言ってないぞ。…って言うかその表情でナイフをつかむなよ、心臓に悪いだろ……」

アンジェ「なら結構」

プリンセス「ねぇアンジェ、二人だけの内緒話も結構だけれど……せっかくですしわたくしも混ぜて?」

アンジェ「ええ」

ドロシー「……なんでプリンセスはくたびれた素振りすらないんだよ。あたしはもうヘロヘロだっていうのに…」

ベアトリス「…うぁぁ」

ドロシー「ベアトリスにいたっては…ありゃ魂が出て行った後の抜け殻だな……」

ちせ「どうしたのじゃ、ベアトリスどのはずいぶん気が抜けておるが…?」

プリンセス「…きっと日頃の雑用から離れて気が抜けているのでしょう……こんなに疲れさせていたかと思うと、わたくしも何かとベアトに頼る癖を改めなくてはなりませんね……ふふっ♪」

ベアトリス「あー……」

ちせ「それにしても疲れ切っておるな…そういう時は……」ごそごそと着物のたもとをかき回すと、何やら赤っぽいものを取り出した…

プリンセス「それは何ですか?」

ちせ「これは「梅干し」と申す酸っぱい漬物じゃ…わが国では疲労回復に効果があると伝えられておる。それ、ベアトリスどの…」

ベアトリス「ふぇ…?」

ちせ「口を大きく開けて「あーん」…じゃ」

ベアトリス「はい、わかりました……あーん…」

ちせ「ほい」

ベアトリス「………すっぱ!?」

ちせ「そういう物じゃからな」

ベアトリス「な、何を放り込んでくれたんですか!?」

ちせ「じっくり漬けた「梅干し」じゃ…疲れに効くぞ?」

ベアトリス「何か酸っぱくてぱさぱさした皮とにゅるにゅるした果肉が…うわぁぁ!」

ちせ「ふむ、見ての通りあっという間に元気になったじゃろう?」

ベアトリス「違います!おかしなものを口に放り込まれたせいでパニックなんですよっ!」

ドロシー「なら吐きだせばいいじゃないか」

ベアトリス「姫様の前でそんなこと出来る訳ないじゃありませんか、ドロシーさんじゃあるまいし!」

ドロシー「なんだとぉ?」

アンジェ「いいから静かにして…食卓で騒ぐのはマナー違反よ」

プリンセス「ふふ、相変わらずベアトは面白いわね♪」

ベアトリス「もう、姫様まで……と、とにかく口の中をゆすがせて下さいっ!?」ごく、ごくっ……

ドロシー「お、おい…それ」

ベアトリス「…きゅう///」

ドロシー「……水じゃなくて酒だぞ…」

プリンセス「あらあら…」
69 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/01(火) 09:42:55.73 ID:Ym7Nn+VP0
アンジェ「…お帰りなさい」

ドロシー「あぁ……とりあえずベッドに寝かしてきた」

プリンセス「ありがとう、ドロシーさん」

ちせ「すまなかったのぉ…まさか梅干しにあんな拒否反応を示すとは」

ドロシー「それだけ強烈だったのかもな……どんな味なんだ?」

ちせ「たべるかの?」

ドロシー「それじゃあ一つ……見た目はしわくちゃのプラムみたいだけど、もっと小っちゃいな」

プリンセス「せっかくの機会ですから…ちせさん、よかったらわたくしにも下さいな?」

ちせ「うむ、どうぞお取りになってくだされ…アンジェどのはいかがじゃ?」

アンジェ「そうね…一応味見くらいは」

ちせ「うむ、ではドロシーどのと半分こでいいかのぉ?」

アンジェ「…」

ドロシー「…あー、あたしは一個食べるつもりでいるから…そーだ、プリンセスと半分こしたらいいんじゃないのかなー?」

プリンセス「そうね、それもいいかもしれないわね…それじゃあ半分こ♪」柔らかい大粒の梅干しを手で割いて、片一方をアンジェに渡す…

アンジェ「あ、ありがとう…///」

ドロシー「それじゃあ……うわ、酸っぱいな!?」

アンジェ「…」

プリンセス「わぁ、面白いお味ね?」

ちせ「ふむ…こちらにはこのようなものが少ないからのぉ……」

ドロシー「うー、すっぱ……これはあれだ……ジンの中に放り込んでフレーバーにすれば…」ごくっ…

ちせ「ほぉ…日本では焼酎に入れることもあるが、それをご存じとは……ドロシーどのは物知りじゃな」

ドロシー「いやぁ、別にそう言うつもりじゃなかったんだけどな…おっ、こうすれば意外とすんなり飲めるな♪」

アンジェ「…」

ドロシー「おいアンジェ、さっきからやたら無表情だけどどうした…まさか酸っぱいのは苦手か?」

アンジェ「そんな訳ないわ、黒蜥蜴星人である私が酸っぱいものを食べられないはずがない……ただ」

ドロシー「…ただ?」

アンジェ「思っていたのと違う酸味を感じて驚いただけ…」

ドロシー「はぁん…それはつまり「苦手」ってことだなぁ?」

アンジェ「苦手ではないわ。少なくともベアトリスみたいに礼を失するような騒ぎ方はしない」

ドロシー「あれと比較する時点で相当苦手だろ…ちせには悪いが、嫌なら吐き出しちゃえよ」

ちせ「ふむ、貴重な梅干しとは苦手とあらば致し方ない……構わぬよ、アンジェどの」

アンジェ「大丈夫、もう飲み込んだわ」

ドロシー「しかしこの「ミス・パーフェクト」にも苦手があったとはなぁ…ふふーん♪」

アンジェ「嫌な笑い方をするわね…言っておくけれど、私に何か仕込んだりしても無駄よ」

ドロシー「おいおい、そんなことしないって……んふふ♪」

アンジェ「…もしそう言うことをしたら間違いなくやり返すから」

ドロシー「へいへい……それじゃあデザートの方に取りかかりますかね…♪」

70 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/01(火) 10:17:39.26 ID:Ym7Nn+VP0
…夏休み明け…

ドロシー「あーあ…夏休みもおわっちったなぁ……」

アンジェ「その方がいいわ、任務がないと身体がなまるし用心深さが足りなくなる……たとえば」ドロシーのそばでわざとグラスを落とす…

ドロシー「おっと…!」ぱしっ…!

アンジェ「私たちのような人間は、こういう時とっさの反応が出来るかどうかに命がかかっているわ」

ドロシー「……だからってあたしで試すなよ」

アンジェ「貴女を頼りにしているからこそよ」

ドロシー「そ、そっかぁ…アンジェに「信頼している」って言われると、なんかくすぐったいなぁ///」

アンジェ「心理戦の方もおとろえていないようね」

ドロシー「おい…それもトレーニングかよ」

アンジェ「冗談よ」

ドロシー「ははっ、こちらも同じく冗談さ……アンジェがあたしにまぁまぁ気を許してくれていることくらい分かってるって♪」

アンジェ「そうかしら」

ドロシー「あぁ、じゃなきゃナイフの届く距離にまで入ってくるわけがない…だろ?」

アンジェ「…かもね」

プリンセス「ねぇ二人ともご覧になって…イギリスが見えてきたわ♪」

ドロシー「おー、ほんとだ…こうやっていると緑豊かで綺麗なもんだな……」

プリンセス「…本当に綺麗ね♪」

アンジェ「ええ」

ドロシー「空の上から見るとなおのことな…ところでちせとベアトリスはどうしたんだ?」

プリンセス「ふふ、ちせさんは飛行船が怖いからお部屋に…ベアトは降りた後の荷物を整えているわ」

ドロシー「そっか…んじゃちょっくら「顔を出して来る」かな」

アンジェ「ええ、それがいいわ…ちせなら一人でも大丈夫だけど、ベアトリスは近接戦が未熟だから」

ドロシー「あぁ、一応形だけな……じゃあプリンセスを頼んだぜ?」

アンジェ「ええ」

プリンセス「……また二人きりになれたわね」

アンジェ「それが一番いいわ」

プリンセス「あら…ずいぶん素直な意見に聞こえるわ」

アンジェ「…か、勘違いしないで…私が言いたいのは「相互にカバーできる」という意味よ///」

プリンセス「ふふ、でも赤くなってる…♪」

アンジェ「まさか…本当に?」手鏡を取り出すアンジェ

プリンセス「ふふ……引っかかった♪」

アンジェ「…」

プリンセス「ふぅ…それにしてもアンジェ」

アンジェ「なに?」

プリンセス「この綺麗な国が二つに割れているなんて、誰が想像できるかしら…?」

アンジェ「……でも「二つに割れているから」こそ、私たちも出会えたのよ」

プリンセス「でもお互いに……ううん、何でもないの」

アンジェ「…分かっているわ。貴女こそ本当のプリンセスよ…それにたとえ何があっても、貴女は私のプリンセス……それだけは絶対に変わらない」

プリンセス「…シャーロット///」

アンジェ「さぁ、もう着くわよ。下船の準備をしましょう」

プリンセス「ええ、そうね…もっと遅い乗り物ならよかったのに……///」
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/03(木) 11:19:01.59 ID:wu0Sc/wro

絶倫ひめさま
72 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/05(土) 00:40:56.57 ID:wV+taHey0
>>71 実は「チーム白鳩」はプリンセスが夜な夜な「プリンシパル」するためのものであった……訳ではないですが、プリンセスはしとやかそうな外見に反してかなりのタチなので……



73 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/05(土) 01:27:29.35 ID:wV+taHey0
…case・プリンセス×ベアトリス「over the fence」(越境)…


…ロンドン市内・公立図書館…

アンジェ「すみません…「ブリタニアの歴史」第13巻はどこにありますか」

7「第13巻ですか?失礼ですが「ブリタニアの歴史」は12巻までしかありませんよ?……歴史書ならあちらの棚だったと思いますわ」

アンジェ「そうですか、どうもありがとう……」ずっしりと重い歴史書をどかすと、背中合わせに本のページをめくりながら書棚越しで小声のやり取りをする二人

7「それで…夏季休暇は楽しめた?」

アンジェ「おかげ様で……ところで「L」はどうしたの。連絡は彼からのはずだけど」

7「残念ながら「L」は来られなくなった」

アンジェ「そう…答えはもらえないでしょうけれど一応聞いておく。……理由は?」

7「一応答えておくわ…「L」は今度公開される劇場版「プリンセス・プリンシパル」の席を予約しに行っているの……もうかれこれ数時間は行ったきりよ」

アンジェ「……は?」

7「聞こえなかった?」

アンジェ「いえ、聞こえたわ……劇場版?」

7「ええ」

アンジェ「そう…で、今回の任務は?」

7「今回の任務はとある人物の越境を支援すること……まずはその人物に越境の意思があるかどうかを確かめる必要があるわ。詳細は追って連絡する」

アンジェ「…了解」


………

…寄宿舎・中庭…

ドロシー「…で、今度は越境の支援だって?」

アンジェ「ええ。まずは対象者に越境の意思…それに特別な条件があるかどうかを確かめる」

ドロシー「それが一番ヤバいやつだ。王国防諜部ならオーバー・ザ・フェンス(越境)を目論んでいそうな奴なんて軒並みマークしているだろうし、場合によっては連中が仕組んだ罠かもしれない……ちっ、参ったな…」

アンジェ「そうね…でもこちらも用心はしている」

ちせ「…ほう?」

アンジェ「連絡はデッド・レター・ボックス(置き手紙)方式で、メールドロップへのメッセージ投入もカットアウト(使い捨て可能なエージェント)が行う…」

ドロシー「おいおい、だとしたらどこであたしたちの出番が出てくるんだ?」

アンジェ「ドロシー、最後まで聞いて…」

ドロシー「へいへい」

アンジェ「…今回は私たちが越境を担う訳ではない」

ベアトリス「それってどういうことですか?」

アンジェ「私たちはあくまでも王国防諜部の影がないか確かめ、ないとなったら対象者の越境を支援する…」

プリンセス「それじゃあまた見張りなのね、アンジェ?」

アンジェ「そうとも言えるしそうでないともいえる…場合によっては当初のグループが陽動を行い、その隙に私たちが王国防諜部から対象者を「抽出」する必要が出てくるかもしれない」

ドロシー「いずれせよ、まずは観察あるのみ…か」

アンジェ「ええ」

………
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/06(日) 17:01:55.04 ID:Bb0iBrVNo

劇場版くるんか
75 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/07(月) 01:28:56.86 ID:lpYrGx040
>>74 2019年から六章に分けて劇場公開…「チーム白鳩」のその後の活躍をぜひスクリーンで体感しよう!(←いわゆるダイマ)

…一期を上回る豪華声優陣(おもにベアトリスのヴォイスチェンジ)にも期待ですね(笑)


……と、そこまでは素晴らしいことなのですが近隣に映画館のない人間はどうすれば……ぜひとも「コントロール」にはカバーの「文化振興局」と言う部分で頑張ってもらいたいものです…
76 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/07(月) 02:12:27.15 ID:lpYrGx040
…ロンドン・リージェント公園…


アンジェ「…それじゃあ手はず通り、ドロシーは味方のエージェントと交代を……接触する際は交代するエージェントから紙袋いっぱいのリンゴを買うことになっているけれど、もし青リンゴだったら「危険」だから何食わぬ顔で立ち去るように」

ドロシー「了解…で、赤リンゴだったら予定通り公園のベンチでリンゴをかじっていればいいんだな?」

アンジェ「ええ、その通りよ……その間私とプリンセス、ベアトリスは各所から監視を行う。…ちなみにちせはあちらのトップと会談する予定があって来られない」

ドロシー「あいよ…ところで接触するのはいいんだけど、なんで私が「リンゴを食べながら」なんだよ……」

アンジェ「合言葉がそうだからよ……ベンチの隣に座った相手が「綺麗なリンゴですね…子供の頃はよく近所の森でもいでいたものです」といったら…」

ドロシー「私が「その森って…もしかしてシャーウッドの森ですか?」って答えるんだったな」

アンジェ「その通りよ」

ドロシー「……リンゴでお腹がパンパンになる前に来てくれることを祈るよ」

アンジェ「別に頑張って食べる必要はないわ」

ドロシー「分かってるっての」



………

エージェント「……リンゴはいりませんか、新鮮なリンゴですよ!」

ドロシー「すみません、リンゴを一袋下さい」

エージェント「はい、毎度あり♪」

ドロシー「……赤リンゴか…」ベンチに腰かけるとはしたなく見えないよう……また、接触までに食べ過ぎることのないよう、小さな口でリンゴをかじる…

アンジェ「…」

プリンセス「……」

ベアトリス「…今のところ王国防諜部は見当たりませんね」

プリンセス「とはいえまだ分からないわ…」

ドロシー「…しゃく……しゃくっ…」(ちくしょう、まだなのか?……もう三つ目だぞ、おい…)

初老の紳士「…隣、よろしいですかな?」

ドロシー「ええ、どうぞ?」

アンジェ「……対象者が来たわ」

プリンセス「今の所動きはないわね…」近くの空き部屋から監視を続けるプリンセスとベアトリス…

ドロシー「…むぐっ、しゃくっ……」

紳士「…綺麗なリンゴですね…子供の頃はよく近所の森でもいでいたものです」

ドロシー「……それってもしかして、シャーウッドの森ですか?」

…監視場所…

アンジェ「…接触したわね」

プリンセス「……ドロシーさんがリンゴを渡したわね」

ベアトリス「確認できましたね」



紳士「おや、あの森をご存知ですか?…何とも懐かしいですな」

ドロシー「ええ…きっと週末にでも行きたい(予定通り越境を希望する)でしょうね?」

紳士「むろんですとも……何しろ都会は嫌になってしまいましたから」

ドロシー「何しろいい空気を吸うにもいちいち出かけないといけませんものね?」

紳士「おっしゃる通りです…」
77 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/07(月) 09:56:35.70 ID:lpYrGx040
アンジェ「……ドロシーが引き上げてくるわね」

プリンセス「じゃあ撤収しましょうか、ベアト?」

ベアトリス「はい、姫様」

アンジェ「これで二人は手はず通り裏から抜ける……プリンセス、気を付けて…」プリンセスたちが撤収する様子を観察しながら小声で祈るアンジェ…

…寄宿舎…

ドロシー「…あ゛ー、つっかれたー……おまけに酸っぱいリンゴの食べ過ぎで胃がムカムカする…」

アンジェ「ご苦労様」

ドロシー「おー…そう言えば越境の日取りは決まったのか?」

アンジェ「私はまだ聞いていないわ」

ドロシー「コントロールのやつ、ぎりぎりまで明かさないでおくつもりだな…まぁいいや」

アンジェ「夕食はどうする?」

ドロシー「いや、リンゴでお腹がふくれてるし今はいいや……っぷ」

アンジェ「つわり?」

ドロシー「そんなわけあるか、リンゴのせいだって言ってるだろ…うー、ムカムカする」

アンジェ「ご愁傷様」

ドロシー「おー…ったく、あんな酸っぱいリンゴを仕入れやがって……後で危険手当を申請してやる」

アンジェ「じゃあ夕食はパスね?」

ドロシー「あぁ、この調子じゃあ食べられそうにないしな…」

ちせ「……なら私が粥でも作ろうかの?」

ドロシー「おっ、戻ってきたのか」

ちせ「うむ…詳細は明かせぬが今後の方針について話し合ってきたのじゃ」

アンジェ「ご苦労様、すぐに夕食の時間よ」

ちせ「うむぅ…ところが向こうで遅い昼餉(ひるげ)をごちそうになって来てしまっての……今は満腹じゃぁ」

アンジェ「分かった……それじゃあまた後で」

ドロシー「あいよ……うっぷ」

ちせ「どうしたのじゃ…つわりか?」

ドロシー「だからつわりのはずないだろうが…だいたい誰との子だよ」

ちせ「……まぁ、それはそうじゃが…もしうちの子供だったらと思うと……///」

ドロシー「はぁ!?」

ちせ「べ、別に想像を巡らせるくらいよいではないか…!」

ドロシー「いや、だって女同士で…でも待てよ?…ちせとあたしの子供か……」

………



ちせ(和風美人)「うむ、うちらの子供は相変わらず可愛いの…ぉ♪」

ドロシー(貴婦人)「おー、本当だよな……それにしても眉毛はちせそっくりだ♪」

ドロちせの子供「えへへぇ…ドロシーおかあしゃま♪」たゆんっ…♪

ちせ「そしてこの年でこの身体…ここはドロシーの血じゃな……むぅぅ」

ドロシー「そうすねるなよ…後でなぐさめてやるって♪」

………

ちせ「……な、なんじゃ…いきなりニヤニヤして」

ドロシー「いや…ちせとあたしの子供……結構いいかもな♪」

ちせ「!?」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/08(火) 03:14:02.13 ID:XTJCk+auo
79 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/09(水) 01:56:26.78 ID:RVy5WGke0
…深夜・部室…

ドロシー「うー…腹減ったぁ……」ごそごそと棚やティーセットの周りをかき回すドロシー…

ドロシー「…ったく、あのリンゴのせいで胃はむかつくわ夕食は食べ損ねるわでエライ目にあった……その上いまになって腹ペコになって…」

ちせ「…誰じゃ!」

ドロシー「うわ…っ!?」

ちせ「……なんじゃ、ドロシーか?」

ドロシー「ちせ?」

ちせ「うむ、私じゃが……こんな夜更けにいったいどうしたと言うのじゃ?」

ドロシー「いや、それはあたしの台詞だって…ちせこそいつもは早寝早起きのはずだろ?こんな時間に何してるんだ?」

ちせ「そりゃあもちろん…あー、アレじゃ……」

ドロシー「いや、「アレ」って何だよ…見回りか?」

ちせ「あー……うむ!…そうじゃ、見回りじゃ。いや、とっさに英語が出てこなくての」…きゅうぅぅ

ドロシー「そうだよなぁ、ちせたんは見回りだよなぁ……ふふっ♪」

ちせ「な、何がおかしいのじゃ……むしろドロシーこそ何をしに参ったのじゃ///」

ドロシー「えっ、あたしか?……それは……何だ、まぁ言うなれば……アレだ…アレ」

ちせ「何じゃ?」

ドロシー「えーと、だな…」ぐぅぅ…

ちせ「……どうやら「見回り」の目的は同じのようじゃな」

ドロシー「ああ……なら一緒に行くか♪」

ちせ「ふむ…どこへ行くのじゃ?」

ドロシー「ここの厨房さ……いくら片づけたとしても、ちょっとした残り物くらい転がってるだろ」

ちせ「しかし、ここの寮監に見つかったらタダでは済まんぞ?」

ドロシー「おいおい……あたしたちの「本業」は何だっけ…?」

ちせ「それは…間諜じゃな」(※間諜…「かんちょう」いわゆるスパイ・工作員の事)

ドロシー「なら寮監ごときに見つかるわけがない…だろ?」にやりと不敵な笑みを浮かべると、スパイ活動用のマントを取り出した…

ちせ「ふむ……間諜としての技巧を私利私欲のために使うのははなはだ不本意ではある…が、背に腹は変えられぬ……同道いたす!」

ドロシー「おーし、それじゃあ行きますか…♪」

…廊下…

ドロシー「…よし、行け」黒マントに黒いハンチング帽で、廊下の入れこみに身を沈めて合図をする…

ちせ「うむ……」音も立てずに廊下を小走りで移動するちせ……黒に紅椿が入った着物姿で、覆面をしている…

ドロシー「…ここを右だ」

ちせ「うむ……待て、寮監じゃ」

ドロシー「ちっ、こんな時に限って仕事熱心なこった……ちせ」

ちせ「うむ…!」ひらりと開けた窓から身を躍らせる二人…

寮監「……ん?…まったく、どうして開けっ放しなのだ……ぶつぶつ…」カチン…

ドロシー「……よし、ランタンは見えなくなった」

ちせ「それはいいがの…どうやら窓の鍵を閉められたようじゃが?」

ドロシー「そこは腕の見せ所ってやつさ…♪」窓の外側にある壁の装飾に脚をかけたまま、鍵穴に細いピックを突っこんで軽く動かした…

ちせ「…どうじゃ」

ドロシー「はは、こんな鍵なんかピース・オブ・ケーク(一片のケーキ…朝飯前)だっての……ほらきた♪」カチリ…

ちせ「さすがじゃな」

ドロシー「おうよ……さ、行こう♪」
80 : ◆b0M46H9tf98h [saga]:2018/05/09(水) 02:25:55.98 ID:RVy5WGke0
…厨房…

ドロシー「おーし、鍵が開いたぞ…♪」

ちせ「うむ……かたじけない」

ドロシー「なぁに、お安い御用さ……さてと」

ちせ「何か食べ物じゃな」

ドロシー「あぁ…不思議と任務中は空腹なんか感じないのに、どうしてかいつもはすぐ腹ペコになるんだよな…」

ちせ「それはやはり任務中は集中しているからじゃろうな……おや、パンがあったぞ」

ドロシー「こりゃまたずいぶんカチカチだが……ま、ないよりはいいや」

ちせ「ふむ…とはいえパンだけではさすがに寂しいの」

ドロシー「へっへっへ……「そうおっしゃると思いました」ってやつだな♪」

ちせ「なんじゃ?」

ドロシー「チーズの切れっぱしがあった…そこそこ大きさのあるチェダーチーズだから、二人でも十分だろ?」

ちせ「おぉ…♪」

ドロシー「さらにそこへ持ってきて…ハムの残りがこんなところから…♪」

ちせ「おぉぉ…♪」

ドロシー「洋ナシも一個あった」

ちせ「おぉぉぉ…♪」

ドロシー「さて…そうなると今度はプロダクト(産物…スパイ活動での成果)を無事に運ばないとな」

ちせ「うむ、ここにぐずぐずしているのは愚の骨頂じゃからな」

ドロシー「そういうこと…♪」

ちせ「では、参ろうではないか」

ドロシー「おーし、任せておけ……」

…廊下…

ちせ「それにしてもどこでこれを食すことにいたそうかの?」

ドロシー「それはまぁ…部室だろうな」

ちせ「やはりそうかの?」

ドロシー「あぁ…あそこなら寮監だって来ないしな」

ちせ「うむ、こんな時間にあそこにいるとは夢にも思うまい」

ドロシー「それにナイフや皿もあるしな」

ちせ「確かに…しっ、また寮監じゃ」

ドロシー「今日はイヤに律儀だな……もう一度出よう」

ちせ「…うむ」

寮監「……よし、何も異常はない…と」

ドロシー「ふー…今度は外から鍵もかけてやったし、怪しまれもしなかったな」

ちせ「うむ。しかしこの調子ではいつ出くわしてもおかしくないの…」

ドロシー「仕方ない…ロープがあるからこれで部室まで登ろう」小さくたためて、目立たないよう黒染めにしてある絹のロープを取り出すと、輪っかを作ってそれを投げ上げ、上階の壁飾りにひっかけた…

ちせ「うむ、それが一番よい方策じゃろうな……よいしょ」

ドロシー「まったく…これじゃいつものスパイ活動よりきついな……」

ちせ「そう言うでない…美味しい夜食のためではないか」

ドロシー「あぁ、そうだな……♪」

81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/10(木) 09:03:55.60 ID:77naKrMoo
82 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/11(金) 00:40:50.14 ID:seBLmBr70
…部室…

ドロシー「はぁ…壁をよじ登るなんて久しぶりだったな……やれやれ」

ちせ「うむ……さすがにいい鍛錬になったのぉ…」

ドロシー「ま、「空腹は最高のスパイス」だって言うしな…ちょうどいいや」

ちせ「それでは食べることにいたそうではないか」

ドロシー「おう、それじゃあ準備してやるから待ってな?」食器棚からテーブルナイフを持ち出すとパンをスライスし、堅いチェダーチーズにハムを切って乗せる……

ドロシー「…お待たせ♪」月明かりだけが室内を照らす暗がりでニヤリと笑みを浮かべ、皿に乗せたパンと二つに切った洋ナシの片方を差しだした…

ちせ「うむ…それでは、いただきます……」

ドロシー「あいよ…んぐ、はぐっ……むしゃ…」

ちせ「んむ…んむ……」

ドロシー「なぁちせ、何かこうやってこっそり食べているとさ…いつもより美味しく感じないか?」

ちせ「その気持ち、分からんではないな……すっかり固くなってしまったパンの切れ端がこんなにも五臓六腑に沁みるとは思わなかった……」

ドロシー「な?……あぁ、うまかった♪」パンのかけらが付いた指先を舐め、洋ナシを口に放り込んだ…芯のギリギリまですっかり食べると、周囲を見渡して残った芯を食器棚に放り込んだ……

ちせ「ドロシー…芯を食器棚に放り込んでどうするのじゃ?」

ドロシー「私が明日早起きして回収する…それからバラ園にでも埋めて来るさ♪」

ちせ「うむ…かたじけない」

ドロシー「気にするなって……それよりちせはこんな時間まで起きていたら体にこたえるだろ、後は任せて寝に行けよ♪」

ちせ「うむ…しからばご免」

ドロシー「あいよ……ふわぁぁ…私も食べたら急に眠くなってきたし……とっとと寝るとしますか」


………

…翌日…

アンジェ「……それでこうなっていたわけ?」

ドロシー「あー…悪ぃ……」

アンジェ「…わざわざプリンセスのお皿に洋ナシの芯を載せておくなんて……気が利いているわね」

ちせ「済まぬ…ドロシーも私も決して意図して行ったわけではないのじゃ……!」

アンジェ「分かっているわ…それにしても深夜に二人で厨房から食べ物をくすねて来て、ここでネズミみたいに飲み食いしたと言うのはいただけないわ」

ドロシー「…悪いのは分かってるけどさ、その時は腹ペコで寝られそうになかったんだよ……な?」

アンジェ「見張りや監視任務で空腹に耐える訓練もあったはずよ、ドロシー?」

ドロシー「それはそうなんだけどさ……でもわかるだろ?」

アンジェ「いいえ」

ドロシー「…黒蜥蜴星人は腹も減らないってか?」

アンジェ「そう言うことじゃないわ……仮にも学生のふりをしている私たちがこの学園で少しでも常人離れした動きやおかしな真似をしたら、それだけで「チーム白鳩」のカバーそのものが危うくなる…ドロシー、貴女はたかが一時の空腹のために全員を危険にさらしたのよ」

ドロシー「そう言われると身もふたもないな……確かに学生気分で甘えてたよ…」

ちせ「全くじゃ…これは仕置きを受けても致し方ない真似をいたした……」

アンジェ「分かればいいわ……それに」

ドロシー「…それに?」

アンジェ「優秀なスパイはとっさの空腹時に何か食べられるよう、常に保存の効く食べ物を身近に備えておくものよ…それも美味しいものを」食器棚の皿を取り出して奥の羽目板をいじるとカシェット(隠し棚)が開いて、中からショウガ入りクッキーの袋が出てきた…

ドロシー「…は!?」

アンジェ「これに懲りたら、今後は馬鹿な真似をしないことね」二人にジンジャークッキーを一つずつ渡し、また袋をしまった…

………
83 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/11(金) 01:12:11.84 ID:seBLmBr70
…しばらくして…

アンジェ「……以前の接触で対象者の越境希望は本物であることが分かったわ。…と言うことは同時に、王国側の防諜機関が血眼になって私たちを追いかけてくる……と言うことでもあるわ」

ドロシー「…今度は残り物のパンをくすねるようにはいかないだろうな」

アンジェ「そう言うことよ……しかしこちらとしても黙ってその締め付けを甘受するつもりはない」

プリンセス「…何か策があるのね?」

アンジェ「ええ」

ベアトリス「アンジェさん…その策って言うのは何なんです?」

アンジェ「まず、スパイ活動にとって重要なのは相手に警戒を抱かせないこと…とはいえすでに相手は警戒状態に入っている…なら」

ドロシー「…「相手に警戒を解かせるか、丸っきり見当違いの方向を警戒させればいい」だな?」

アンジェ「その通りよ。王国防諜部は誰かが越境を試みようとしていることは知っている…とはいえ、それが誰なのかはまだ知らない……そこでベアトリス、あなたの出番よ」

ベアトリス「わ、私ですか?」

アンジェ「ええ。以前あなたが舞踏会で出会ったことのある人物で王国防諜部が目を付けている人物……そうした人間をコントロールに探してもらって手紙を送りつけ、上手くロンドン市内に誘い出した…」

ベアトリス「…それで?」

アンジェ「王国防諜部は「監視リストの人物に動きがあった」と、越境阻止に動くはず…そこをあなたが声色を使って防諜部のエージェントを引きずり回す」

プリンセス「…でも、ベアト一人で何かあったら……?」

アンジェ「心配はいらないわ……プリンセス、この時あなたにはロンドンでショッピングをしてもらう」

プリンセス「……ショッピング?」

アンジェ「例によって例のごとく、お役所なんていうものはお互いに縄張り意識を持っている…」



L「へっぐし…!」

7「…どうなされました、「L」?」

L「ふむ、きっと誰かに噂でもされたのだろう……」

………

アンジェ「…特にプリンセスの警護に当たるエージェントと防諜部のエージェントはどちらも玄人で、その分ライバル意識も強い……どちらかが何かをしようとしたら、「妨害」とまでは言わなくても、積極的に手助けしたりはしない……つまりベアトリスがロンドンの各所で防諜部エージェントを声色で連れ回し、そのたびにプリンセスの車とドロシーの車を乗り換えて素早く移動し、防諜部をきりきり舞いさせる」

ドロシー「…でもあたしがそっちに回ったら「抽出」する越境希望者はどうするんだ?」

アンジェ「そこは私が考えてあるし、私とちせはバックアップに回り全体を俯瞰している…何かトラブルが起きたら駆けつけるわ」

ドロシー「それは頼もしいな…期待してるぜ?」

アンジェ「ええ」

………
84 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/11(金) 11:06:33.17 ID:seBLmBr70
…越境決行日・王宮…

プリンセス「……わたくし、今日はお買いものに行きたいの♪」

女性エージェント「は…では私たちが警護いたします」日傘とシンプルなドレススタイルをまとった二十代後半のオールドミス…に見える護衛のエージェントがプリンセスの左右に付く……

プリンセス「いつもありがとう♪」

エージェント「いえ、それが務めですので…車を手配させます」

プリンセス「ええ、よろしくね」


…ロンドン市街・公園…

貴族「さて…手紙で言われた通り来てみたものの……誰もいないじゃないか」

ベアトリス(CV…石塚運昇)「……貴様が陛下の治世に異議を唱えている不満分子だな?」

貴族「な…私はそのようなこと……!?」

ベアトリス「…私を知っているかね?」

貴族「あ、あぁ…アルビオンの公安部……」

ベアトリス「ならば話が早い。貴様が王国に尽くす貴族であることを行動で示せ……まずは十五分以内にチャリング・クロス駅へ行け」

貴族「…行けば私を助けてくれるのか?」

ベアトリス「質問するのは貴様ではない…早くしろ」

貴族「わ、分かった…!」



王国エージェント(新聞売り)「……対象に動きあり」

エージェント(靴磨き)「…確認した、合図を」新聞売りは朝刊を振り、合言葉として記事にないニュースを叫ぶ…

エージェント(店の御用聞き)「追跡開始……了解」御用聞きはサボリをやめ、さも忙しそうに駆け出す…



…公園を見渡す屋根の上…

アンジェ「案の定ね……ちせ、あなたは先回りして」

ちせ「うむ」…さっと屋根裏部屋の窓から屋内に滑り込み、裏口から出て行くと何ということもなく歩き出す……

アンジェ「それじゃあ私も…」するりと屋根裏部屋から玄関へと回り、女学生らしく歴史書を不器用に抱えて出て行った…

………

…チャリング・クロス駅…

貴族「そ、それで私はどうすればいいのだ…」

ベアトリス「……新聞を買え。王国寄りの「ロンドン・デイリー・ニュース」を買って「株式市場」のページを表にしろ」

貴族「わ、分かった…」

エージェント(新聞売り)「対象は駅に入ったな…どうやって越境する気だ……」

エージェント(御用聞き)「とにかくこの格好では駅には入れん…増援を要請しよう」合図に台帳をパラパラとめくる…

エージェント(紳士風)「……奴は駅だな?」

エージェント(新聞売り)「はい、そうです」

新聞売り「おい!ここは俺たちの場所だぞ、勝手に入るなよ!」

エージェント「すんません…何しろ今日はじめたもんで!」

新聞売り「ったく、ふざけんなよ!」

エージェント(紳士)「まぁまぁ、落ち着きたまえよ。彼もおわびしていることだし、私も喧嘩など見たくない…君からも買ってあげよう」

新聞売り「どうもありがとござんす、貴族の旦那…♪」

エージェント(紳士)「なに、構わんとも……急ぎ事務所に行って増援を呼べ、対象「C」に動きあり……とな」

エージェント「…了解」

アンジェ「……それでいいわ」
85 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/11(金) 11:40:57.69 ID:seBLmBr70
プリンセス「あ、ここはチャリング・クロス駅……そう言えば近くに素敵な服地屋さんがあったわね、そこに行きたいわ♪」

エージェント「分かりました。プリンセスの言う通りに車を回して」

…駅構内…

貴族「…言う通りに新聞を買って、株式欄を開きました……」

ベアトリス「よろしい、ではそのページから「アルビオン・インペリアル貿易」の株価を調べて最初の数字と末尾の数字を並べろ」

貴族「…は、はい……数字は「15」です…」

ベアトリス「…ではホームを見て車体に「15」のつく客車を残らず探せ……そして見つけたらその最初の一等客車に乗り、15番目の駅で降りろ」

貴族「は、はい…」

ベアトリス「もし15駅なかったら折り返して15になるまで乗れ…いいな?」

貴族「わ、分かりました……15…15のつく客車…」



エージェント(紳士)「奴か…なるほど、新聞の株式欄片手にしきりに周囲を見回しているな……」

エージェント(旅行者)「…押さえますか?」

紳士「ばかを言うな。奴が共和国の連中とコンタクトした所で両方を一気に取り押さえるのだ……む、奴が目的の列車を見つけたようだぞ」

旅行者「それでは私が乗り込みます」

紳士「私もだ……いいか、君は二等に…私は一等車に乗る」

旅行者「了解…しかしここが手薄になります」

紳士「構わん、奴の動きから言ってあれが本命だ…」



…駅のそば・裏道…

ドロシー「遅いぞ、ベアトリス」

ベアトリス「ふー、遅くなりました…」

ドロシー「……まずはその声を戻せよ」

ベアトリス「あ、そうでした……はー、やっと元の声に戻れました」

ドロシー「よし、それじゃあ今度は別方面だな…」



…一方・高級百貨店…

プリンセス「まぁ、これお洒落ね♪」

支配人「わざわざお越しいただき光栄でございます」

プリンセス「いいえ…これなんてどうかしら?」

支配人「大変よろしいかと存じます」



…百貨店の裏通り…

エージェント(記者風)「…おい、タレコミのランデブー・ポイント(会合地点)だってのはこの辺りだろ?」

エージェント(貧乏人風)「……おかしいな、誰もいやがらないぜ…?」

プリンセスの警護官「…おい、そこの二人…止まれっ!」

エージェント(記者)「な、何ですか…私は「アルビオン・タイムズ」の記者ですよ!」

プリンセス警護官「それが仕事をさぼって貧乏人とひそひそ話か?…確保しろ!」

エージェント(貧乏人風)「くそ、こっちも同業者だぞ!」

警護官「ほざけ、おおかたプリンセスに危害を加えようという共和国の回し者だろう…どうだ?」

警護官B「は、やはり小型リボルバーを隠しておりました!」

警護官「そんなことだろうと思った…至急プリンセスを退避させるようにと連絡しろ!」

………
86 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/12(土) 10:51:16.02 ID:gpKb5FU20
…百貨店・店内…

警護官「…プリンセス、お買いもの中に申し訳ありませんが」

プリンセス「はい、どうかなさいまして?」きょとんと頭をかしげるプリンセス…その間にも警護官のオールドミス数人がさりげなく脇についた……

警護官「はい、ちょっとした問題が……申し訳ありませんが移動をお願いいたします」

プリンセス「分かりました…支配人さん、どうもありがとう♪」

支配人「いえ、いつでもお越しくださいませ…」

警護官「では参りましょう」



…大通り…

アンジェ「…これでさらに二人減った」

ちせ「うむ…このどたばたでちっとは「お出かけ」が楽になればよいがの」

ベアトリス「そうですね……で、肝心の「あの人」はどうやって「お出かけ」するんですか?」

アンジェ「それはまだ言えない……こちらとしてはお膳立ては整えた。あとは実行班が上手くやるのを待つだけよ」

ちせ「うむ」



…王室専用車…

プリンセス「……それで、一体何があったのです?」

警護官「わざわざプリンセスのお耳を汚すことではありませんが…我々の一員が、プリンセスがお買いものをなさっていた百貨店のそばで「怪しい人物を確保した」と」

プリンセス「そうですか……怖いことですね。ではその警護官の方々にはわたくしから「心より感謝している」とお伝えになって?」

警護官「これが務めですから…ですがそのように伝えておきます」

プリンセス「ええ、お願いします。でもせっかくのお出かけがフイになってしまったわ」

警護官「申し訳ありませんがプリンセスの安全が最優先ですので」

プリンセス「分かっております…けれど時には自由にお出かけしたりしてみたいですね……」

警護官「お察しします」

プリンセス「すみません…わたくしの安全を守って下さっている方々にこのような愚痴を言うべきではありませんね」

警護官「いえ、我々も出来うる限りでプリンセスの希望に沿えるよう尽力いたしますので…」

プリンセス「ありがとう、ミス・レモン」

警護官「はっ…私の名前を憶えておいでなのですか?」

プリンセス「もちろんですとも…だって命をかけてわたくしを守って下さる「白馬の騎士」のようなお方なのですから♪」

警護官「……期待に応えるよう全力を尽くします///」


87 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/12(土) 11:30:38.17 ID:gpKb5FU20
…国境検問所…

出入国管理官「停まれ!…身分証を!」

…アルビオン王国・共和国間を隔てる「ロンドンの壁」に数か所だけある国境検問所…その中の「チェックポイント・チャーリー」(検問所C)には、やむを得ない事情で国境を通る人たちや、「職業上」しばしば越境する人が並んで検査を待っていた……次々と車や馬車が停められてイミグレーション(出入国管理局)のチェックを受ける…

運転手「は、はい…」

管理官「壁のあちら側へいく理由は?」

運転手「…わ、私は「アルビオン・タイムズ」の配送係でして……大使館や貿易会社など、購読者の所に届ける新聞を載せています」

管理官「よろしい…では積み荷を見させてもらうぞ」数人の管理官に合図を送るとランダムに新聞の束をめくり、床板が上げ底でないか確かめる……

運転手「…」

管理官「……結構、行ってよし!」

運転手「ふぅぅ…」

管理官「…次!」

運転手「…お、お願いしやす」手には身分証が差しだされ、冷たい目をした出入国管理官を前に一般人らしいおびえ方をしている…

管理官「ふむ……葬儀屋の運転手だと?」

運転手「へ、へい…」

管理官「…どうして葬儀屋の霊柩車が越境する必要があるのだ」

運転手「ど、どうもあっしには運転手なんで細かいことは分からねぇんですが…何でも壁のあっち側からきていた実業家だかが交通事故にあって、それで向こうに持って行く必要があるらしいんで…」

管理官「ふむ…棺を開けさせてもらうから少し待っていろ」

運転手「へ、へい…」

管理官「……おい、防諜部から「越境の可能性あり」と連絡があったが…きっとこれだ」

管理官B「ああ…しかし「壁の向こう」の連中だからな、バレたとなったら強行突破しかねないぞ…ゲートはまだ開けないでおいてくれ」

管理官「…分かってる」

管理官B「よし、開けるぞ……ややっ?」…立派な棺の蓋を開けると、そこには監視対象者とは全く違う立派な身なりの人物が安らかに眠っていた……

管理官「…どうした」

管理官B「この男じゃない…まるっきり別人だ!」

管理官「それじゃあ防諜部の情報はハズレか……結構。通ってよし!」

管理官C「やれやれ、緊張していたのがバカみたいでしたね…紅茶でも淹れてきます」

管理官「うんと甘くな……はい、次!」

運転手「よろしくお願いします…」

管理官「身分証を!」

運転手「は、はい…!」
88 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/12(土) 11:58:32.12 ID:gpKb5FU20
管理官「積荷は?」

運転手「…ジャガイモです」

管理官「ジャガイモ?」背伸びをしてみると、確かにトラックの荷台一杯にジャガイモが積まれている…

運転手「ええ…コヴェントガーデン(ロンドンにある青果市場)にある卸業者から向こうに持って行くところなんです」

管理官「ふむ。どうしてジャガイモを向こうに持って行く必要があるんだ…ジャガイモならこっちでだって売れるだろう」

運転手「あ、はい…うちの卸は向こうにも事務所を持ってまして、値段がいい方に持って行って売るんで……」

管理官「なるほど…一応調べさせてもらうぞ」

運転手「…別に腐ってたり青くなったりしてない、いいジャガイモですよ?」

管理官「そんなことを調べる訳じゃない…っ!」

管理官B「ははっ……青果卸ともなると何でも野菜と関係があることだと思うんだな」

管理官「全く、からかわれた気分だ…いまいましいからしょっ引くか?」

管理官B「ばか言え、ひっくくったところでポケットからニンジンでも出てくるのがオチだぞ?」

管理官C「あの、紅茶が出来ましたよ…?」

管理官「あー分かった分かった……もういいな?」数個のジャガイモを取り上げてたが、ごく普通のジャガイモに見える……

管理官B「ああ、もういいだろう…よーし、通れ!」

管理官「それじゃあお茶にしよう……おい、ここを代わってくれ」

管理官D「了解」


………

…数十分後・アルビオン共和国大使館内…

7「……L、共和国の農務担当官から連絡が入りました」

L「ほう…どうだったのかね?」

7「はい、「本日のジャガイモ市場…イモは大ぶりで痛みもキズもなく、ポンドあたり6ペンスの値段が付いた」とのことです」

L「よし、結構だ……時間を空けて各班に作戦終了を伝達してくれ」

7「了解…♪」

L「うむ、頼むぞ」パイプをふかしつつまた書類仕事に戻る…

7「はい」残りのメンバーも黙々と作業にいそしむなか、7も通信文の原稿を起こした…

………



…その夜・部室…

アンジェ「…というわけで、コントロールから私たちにメッセージが届いているわ」

ドロシー「あぁ、何しろロンドン中を走り回ったからな…ちっとは「慰めと報酬」ぐらいあったっていいさ」

アンジェ「まぁ中にはそう言う意見もあるでしょうね」

ドロシー「……冷血人間」

アンジェ「何か言った?」

ドロシー「うんにゃ、何も…♪」

ベアトリス「…くすくすっ♪」

アンジェ「ベアトリス、何がおかしいの?」

ベアトリス「な、何でもありませんっ」

アンジェ「よろしい…ちなみにプリンセスはそろそろ戻ってくるから、それまでにお茶の支度でもしておきましょう」

ちせ「それがよかろう……疲れて戻って来るじゃろうし」

ドロシー「まったくだ」
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/05/14(月) 11:06:38.33 ID:7fsvJIzGo

スパイシーンの力の入りようがすごい
90 : ◆b0M46H9tf98h [sage saga]:2018/05/15(火) 02:15:21.90 ID:xl/WhS+80
>>89 もとよりスパイ小説は好きでしたので、あちこちから正しい用語などを探して頑張っています…えっちする場面と落差が大きいですが、メリハリをつける意味ではそれもいいかと……本当ならもっと地味に活動するのが正解なのでしょうが、あくまでもスチームパンクのスパイ活劇と言うことで……


…ちなみに越境の場面では、当初もっと冗談めかして「リボンの騎士」に出てくる「大食い大会向けの巨大パンに人を隠す」シーンを物真似しようかと考えていました…「ジャムパンだから突き刺したら剣がさびるよ?」と言うくだりがある場面です……


…お待たせしましたがそろそろプリンセスが「プリンシパル」します……
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