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ドロシー「またハニートラップかよ…って、プリンセスに!?」
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◆b0M46H9tf98h
[sage saga]:2026/01/06(火) 02:28:33.24 ID:pjBVfdv90
…馬場…
馬係「……では、どうぞお乗り下さい」
アンジェ「ありがとう♪」
…馬係に手綱を押さえてもらい、気性の大人しい白馬に乗るアンジェ……もっとも「慎み深くあるべき」女性は『女性の部分』を傷つけないためにも大股を広げて馬に跨がるといった「はしたない」乗り方をするものではないと、サイドサドル(鞍の片側に脚を閉じたまま乗る)式の鞍が付けられている…
馬係「いかがですか、王女殿下」手綱を引いて馬場に出た……
アンジェ「ええ。ホワイトリリーはとても良い子で乗りやすいですわ」
…アンジェ自身は「ファーム」での訓練のおかげで乗馬も得意だが、オーソドックスで上品な乗り方で広い馬場を並足から速歩(トロット)で進ませ、馬の筋肉がほどよく暖まってきたところで駈足(キャンター)にして、髪を撫でる風がちょうど気持ち良い程度の速度で走らせる…
アンジェ「……よしよし」
…馬はカンの鋭い生き物だけあって、プリンセスと同じ香水や振る舞いをしていてもアンジェが別人だと分かっているらしく、ときどき頭や耳を動かして鞍上の人間を気にしている……とはいえすでに何度も入れ替わっては同じように乗っていて、なおかつ意志の強いアンジェがきちんとリードしてくれていることに安心しているのか、久しぶりであることを伝えるようなそぶり以外に目立ったことはしなかった…
アンジェ「良い子ね」
………
…数分後…
アンジェ「はっ……!」
…馬が激しく汗ばむほどではないが、いい運動になる程度の勢いで馬場を巡らせるアンジェ……白馬も大人しくアンジェの指示に従い、鞭を入れたり拍車をかけたりすることもなく、ちょっと胴体を叩いてやるとか軽く声をかけるだけで意のままに走ってくれる……アンジェ自身も任務上プリンセスの身代わりをしているとはいえ、爽快な空気とリズミカルな動きに乗馬の楽しさを感じていた…
アンジェ「それ……っ!」
アンジェ「……っ!?」
…馬の胴に軽く鞭で触れて低めの障害物を越えさせた時、不意にあぶみが外れた……金属状のつっかけスリッパのような形で鞍からぶら下がっているあぶみが外れれば、当然足を支えるとっかかりがなくなってバランスを崩す……が、アンジェは瞬時に鞍の「角」に手をかけ身体を支えると、ひらりと障害物を飛び越えさせた…
馬係「王女殿下!?」
馬係B「ご無事でいらっしゃいますか!」
アンジェ「ええ、大丈夫ですわ……あぶみが外れてしまったようね?」
馬係「申し訳ございません、私どもの手入れが行き届かないばかりに……!」慌てて踏み台を持ってきてアンジェが降りられるよう手助けする……
アンジェ「いいえ、わたくしはなんともありませんから……」
馬係B「だとしてもこのような……王女殿下のお身体になにかあったとなれば大変な事でございますから……」
アンジェ「道具ですから壊れたり外れたりすることもありましょう? さ、見つかって「不手際だ」と叱責されないうちに馬を戻しましょう♪」ちょっとしたハプニングといった様子でいたずらっぽい笑みを浮かべ、大失態に冷や汗を流している馬係が白馬を厩に戻すのを見届けると更衣室に戻った……
…更衣室…
ベアトリス「姫様、ご無事でいらっしゃいましたか……!」
アンジェ「あらベアト、着替えを持ってきてくれたのね♪ ええ、なんでもないの……誰かが鞍に細工をしていたわ」最後の部分だけ耳元に口を寄せて冷たく言った……
ベアトリス「細工を……!?」
アンジェ「声が大きい……さいわい大したことはなかったけれど、もし障害物を飛び越えている時にあぶみが外れたりしたら、落馬して首の骨を折っていたかも分からないわね」
ベアトリス「それだけの害意を持った人が宮殿にいるっていうことですか……」不安そうに周囲を見回すベアトリス……
アンジェ「どうやら手紙だけで終わらせる気はないようね……ベアトリス、私が着替え終わったら馬係のところに行って鞍とあぶみを繋いでいた革紐をもらってきて。切り口を見ればどんな刃物を使ったのか分かるかもしれない」
ベアトリス「はい」
アンジェ「それからたわいないおしゃべりのフリをして、馬係にプリンセスの噂話をしてみてちょうだい……悪い方のね」
ベアトリス「姫様の悪い噂話、ですか……?」
アンジェ「ええ。その話題にのってくるようなら馬係も共犯かもしれない。もし気乗り薄だったりあからさまに嫌な顔をしたらそれ以上やらなくていい」
ベアトリス「分かりました」
アンジェ「貴女一人に色々やらせてしまうけれど、頼むわ」
ベアトリス「はいっ」
アンジェ「良い返事ね……ありがとうベアト、汗も引いたし次の公務に当たるとするわ♪」すべきことを伝えると態度をさっとプリンセスに戻してにこやかにねぎらい、着替えを済ませて出ていった……
………
…
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