魔王「おまえは女だ」ふたなり勇者「認めねえ」

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172 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 09:04:54.07 ID:dlDvZ/Ce0
>>171
虫が良すぎるは言い過ぎかも…実質前の国のお偉いさんのせいらしいし
そもそもお母さんやお父さんは仕方なく…って感じだからあまり責められないかと。
勇者からしたらふざけんなーって話だけどね。
こういう展開も普通にいいかと?
173 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/20(月) 23:55:57.96 ID:cL/2cY5BO
乙乙
174 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/21(火) 10:11:09.63 ID:OM4E90Yp0
>>172
国のお偉いさんに言われて仕方なく自分の子供捨てちゃうってまずいでしょ
175 : ◆O3m5I24fJo [sage]:2018/08/21(火) 11:43:02.38 ID:CTIvzf2M0
辛口レスも嬉しいです。ありがとうございます
ちょっとネタバレになっちゃうんですけども、親がどんな状況に追い込まれていたのかについて次回でゆっくり説明入ってるので、もうちょっとお待ちいただけたらなと
176 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 00:25:49.43 ID:eR6eDalMo
暴君に逆らったら当然ペナルティあるだろうから、仕方なく捨てるのはまずいって言っちゃうのは短絡的すぎじゃ……
177 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 08:04:04.29 ID:vITjTKHR0
それって子供より自分の安全を取ったってことじゃん
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/22(水) 08:38:00.61 ID:UgWU/I/po
具体的にどんなペナルティがあったのかわからないのにそう断定してしまうのは…
王様がプッツンだったなら、逆らったら即勇者が惨殺されてたとかありそうだし
179 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:08:15.10 ID:kXhBNlpm0

Episode 8


地の将軍「がはっ……」

岩漿「はーあーい、お久しぶりねえ」

風の将軍「き、貴様……! おのれ!」

雪氷「後ろががら空きーぃ!」

風の将軍「な……んだと……!?」

勇者(女が……2人……?)

岩漿「お嬢ちゃん、はやく逃げなさい」

銀髪少女「は、はい!」

地の将軍「くっ……ゴーレム達よ!」

岩漿「無・駄・よ」

ジョグアアァァ ボコッボコッ

銀髪少女「み、みんなマグマになっちゃった……」
180 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:08:44.19 ID:kXhBNlpm0

雪氷「あなたが勇者ローゼね! 私、雪氷の四天王、フリージア!」

岩漿「岩漿のルヴィニエよ」

村の男1「なんだなんだ、魔族が増えたぞ」

村の男2「うわ、水色っぽい子めっちゃかわいい」

村の男3「あのお色気お姉ちゃんもなかなか」

雪氷「人間のみっなっさーん! はじめまして〜!」

雪氷「今の魔王様は人間と仲良くしようと思ってるから、よろしくね〜!」

雪氷「ちなみに村を襲ってたのはぁ、魔王様のじゃなくて、もっと悪い奴の部下でーす!」
181 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:11:07.92 ID:kXhBNlpm0

風の将軍「貴様等、もう勤務時間外ではないのか……!?」

雪氷「グラン君が残業代弾むって言ってくれたからぁ〜」

風の将軍「残業代だと……? 出るのか……!?」

雪氷「そっちは出ないんだ〜! ブラックだね! かわいそ〜!」

風の将軍「く、屈辱だ……! この小娘!」

雪氷「小娘じゃないもん! もう150歳だもん!」

雪氷「パパの戦友だからって、容赦はしないよー!」

地の将軍「撤退だカテギダ! 分が悪い!」

風の将軍「ちっ」

雪氷「なんだあ、つまんないのぉ」
182 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:11:34.87 ID:kXhBNlpm0

勇者「…………」

雪氷「早く治療しなきゃね」

銀髪少女「お姉ちゃん!」

勇者(もう……意識が……)ガクッ








チュンチュン

勇者「う……」

雪氷「よかったあ! 目、覚めたんだね」

勇者「おまえは確か……えっと、フリーザ」

雪氷「フリージアだよ」
183 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:13:44.00 ID:kXhBNlpm0

雪氷「傷は治したけど、貧血はどうにもできないからしばらく無理しちゃだめだよ〜」

母「ローゼ」ガバッ

勇者「うおっ」

母「ああ、よかった、よかった……」

勇者(母様の匂い……)

勇者「…………」

勇者(ここ、ロディアの家か)

母「ありがとうございます、フリージアさん」

雪氷「いえいえ〜。じゃ、私はこれで」

雪氷「寝てた時間分も残業代もらっちゃおーっと」

岩漿「ちゃっかりしてるわねえ」

母「ローゼ、ゆっくり休んでね。落ち着いたら、ゆっくり話をしましょう?」

勇者「……世話になったな」

母「ローゼ!」

父「まだ動いては」

勇者「うるせえ! 追いかけてくんな!」
184 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:15:41.25 ID:kXhBNlpm0

銀髪少女「あ、お姉ちゃん!」タタタッ

銀髪少女「行っちゃうの? まだ寝てなきゃ駄目だよ?」

勇者「……見捨てようとして、悪かったな」

銀髪少女「お姉ちゃん!」

勇者「行くぞガリィ」

狼「…………」トボトボ
185 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:16:55.29 ID:kXhBNlpm0

昼

勇者「……血が足りねえ」フラフラ

魔王「ローゼ」ヒュン

魔王「おまえの現在地を確かめてみれば、村から外れていたのでな」

魔王「こんな所で何をしている」

勇者「次の目的地に向かって進んでんだよ、何がおかしい」

魔王「ろくに回復もしていないのにか? ふらついているではないか」

勇者「うるせー」

魔王「……まさか、親とまともに話もせずに村を出たのではないだろうな?」

勇者「あ? 何か問題でもあんのかよ!」

魔王「何故そんなことをした」

勇者「てめえには関係ねえ」

魔王「……どう接すればいいのかわからず、逃げ出したのか」

勇者「……」

魔王「……来い」ガシッ モフッ

勇者「おい、何す」

狼「?」

ヒュンッ
186 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:17:21.15 ID:kXhBNlpm0

狼「!」

勇者「ここ……さっきの村じゃねえか!」

魔王「もう1度親に会ってこい」

勇者「はーーーーーーーーーー!?」

勇者「てめえに口出しされる筋合いはねえ!」

魔王「和解しろとは言わん、親を許せと言うつもりもない」

魔王「だが、おまえの両親は、命を張っておまえを守ろうとしてくれたのだろう?」

魔王「部下から聞いたぞ」

勇者「……あんなの、自分の罪悪感から逃げたかっただけだろ」

魔王「そうとも限らぬ。少しでも話をして、分かり合うべきだ」

魔王「おまえだって、本当は親を信じたいのではないか?」

勇者「……オレぁなあ! おまえみたいな正論ぶつけてくる奴が大っ嫌いなんだよ!!」

ドカボキゴキャ

魔王「あだだだだだ!!」

勇者「オレをさっきの場所まで戻せ!!」

魔王「断る!!」
187 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:19:04.04 ID:kXhBNlpm0

村の男1「なんだなんだ」

村の男2「あれ魔族じゃね?」

村の男3「勇者と揉み合ってんな」

魔王「落ち着け!」ムニッ

勇者「うおああああどこ触ってんだよ!!」ドガッ

魔王「わ、悪い! だがやはり落ち着け!!」

勇者「なんでおまえに口出されなきゃなんねえんだよ!!」

魔王「前にも言ったはずだ。おまえ達親子を引き裂く根本的な原因を作ったのは、俺の父だと!」

魔王「おまえが恨むべきなのは“魔王”だ! 両親でも、祖国でもない!」

勇者「だから親と仲良しごっこしてこいってかぁ!?」

魔王「このままでは一生後悔することになるぞ!」

魔王「見捨てられた悲しみ、絶望はそう簡単には癒えぬだろう」

魔王「両親を信じることも難しいであろう! しかし!」

勇者「黙れ黙れ黙れ! 良い子ちゃんのおまえにオレの気持ちなんてわかんねえよ!」
188 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:19:50.32 ID:kXhBNlpm0

勇者「“魔王”がなんだ! “おまえ”は関係ねえ!」

魔王「俺はっ……父の罪を少しでも償いたいのだ!」

魔王「父が壊してしまった“縁”を、再び繋ぎたい!」

勇者「てめえの事情なんざ知るかあああああ!!」ドカッドカッ

魔王「うぐっ……ギブアップはせぬぞ……!」

魔王「おまえが家族と話をするまで、俺は何度でも蘇りおまえをここに連れ戻す!」

勇者「上等だあ! その度に殺してやるよ!」

村の男4「なんか知らないけど勇者が魔王いじめてんぞ」

村の男5「今の魔王って人間の味方なんだろ?」

村の幼女「まおうがんばえー!」

勇者「てめえらうるせえぞ!?」

魔王「おまえの両親は、本当におまえのことを愛している」

魔王「逃げるな」

勇者「……愛してるだあ? はっ」

勇者「愛してるなら、どうしてあの時は守ってくれなかったんだよ!!」

勇者「オレは、親は無条件で子供を守ってくれるもんだって……信じてたんたぜ」

魔王「その疑問は、直接親にぶつけるがいい」

魔王「当時の幼いおまえでは、理解できなかったこともたくさんあっただろう」

魔王「向き合うことから逃げるな」
189 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:20:31.52 ID:kXhBNlpm0

勇者「…………嫌だ! てめえは黙ってオレの昼飯を用意すればいいんだよ!」

勇者「さっさと今日の昼飯を出せ!」

魔王「ないぞ」

勇者「は?」

魔王「おまえが親とちゃんと話をするまで、飯は用意せぬ」

勇者「なっ……卑怯だぞ!」

魔王「貴様に言われたくはない!!」

勇者「…………ちくしょう!!」

勇者「あっ……」クラリ

魔王「無理をするからだ。まったく」

銀髪少女「お姉ちゃーん! 戻ってきてくれたんだね!」

勇者「…………明日はぜってえ美味いもん持ってこいよ!」

魔王「今日は親が作る飯を味わってこい」

魔王(食に貪欲な奴でよかった)
190 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:21:05.81 ID:kXhBNlpm0

村の女1「魔王様ってすっごい美形ね〜! 攫われたーい!」

魔王「あ」

魔王(急ぐあまりに、人間の姿に化けることを忘れていた……!)

魔王(やらかした……)

村の女2「ツノがある以外ほとんど人間ね」

村の女3「ね! 昨晩村を襲った魔族とは全然違う!」

魔王(敵意がないだけよかったな……フリージアは上手くやったようだ)

村の女4「勇者様より弱いみたいだし、猶更安心ね!」

魔王「…………」



勇者『……オレぁなあ! おまえみたいな正論ぶつけてくる奴が大っ嫌いなんだよ!!』



魔王(大っ嫌い、か……)チクッ

魔王(……帰ろう)
191 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:22:30.10 ID:kXhBNlpm0

勇者「……なあ、ロディア。おまえって……1人っ子だったんだよな」

銀髪少女「うん……そうだよ」

ガチャ

銀髪少女「お姉ちゃん帰ってきたよ! 魔王様が連れてきてくれた!」

母「!」

勇者「…………」

父「ああ、よかった……。……こっちに、座ってくれるかい」

勇者「…………」

父「……大きくなったな」

母「お昼ご飯、用意するわね」

父「信じてはもらえないかもしれないが、私達は、君が生きていてくれて良かったと、本当に嬉しく思っているんだよ」

勇者「……なあ、オレがどんな地獄を生きる羽目になったか……おまえらは想像できるか?」

勇者「のうのうと幸せに暮らしやがって! ちくしょう!」

父「……すまない」

勇者「……国に従う以外に、どうしようもなかったのかよ」

父「何を言っても言い訳にしかならないが……当時のことを、話しておこうか」
192 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:23:24.96 ID:kXhBNlpm0

――――――――

父「子供を捨てろだろ!?」

修道士「はい。新たな規定ができまして、あなたのお子さんはちょっと引っかかっちゃったんですよねえ」

修道士「奇形がある人間は全員貧民街送りです」

父「ふざけるな!」

母「どうしてそんな……!」

修道士「とはいえ、陛下は慈悲深い方ですので、1日だけお別れ期間を用意することが認められています」

修道士「ごゆっくり別れを済ませてくださいね」

父「正気かおまえは!」

修道士「私はマニュアル通りに申し上げているだけです」
193 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:23:55.72 ID:kXhBNlpm0

修道士「逆らおうだなんて、思わないでくださいねえ」

修道士「国の決まりに逆らったらどうなるか、噂を聞いたことがないわけではないでしょう?」

父「…………」

修道士「不満そうですねえ。まあ当然ですよねえ。では、ちょっと同行願えます?」

父「何処へ向かうつもりだ」

修道士「行けばわかりますよ。あ、奥様もご一緒に」

勇者「とうさま、そのひとだあれ?」トテトテ

父「……ローゼ、メイドと一緒に遊んでいなさい」





父「……どんどんスラムに近づいているじゃないか」

母「酷いにおいね」

修道士「そろそろ見えてきますねえ。道の両脇、見てくださいねえ」

父「…………!」

母「うっ……」

修道士「この道の名物、晒し首の並木道ですよ〜」
194 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:25:24.41 ID:kXhBNlpm0

修道士「スラム行きを拒絶した人と、その協力者や家族は酷い場合こうなっちゃうんですよねえ」

母「っ…………」

父「なんてものを見せるんだ!」

修道士「酷くない場合は、一族郎党全員仲良くスラム送り!」

修道士「うーん、こっちも充分酷いですよねえ」

修道士「あ、そうそう。お子さん、銀髪ですよね? いやあ、驚きました」

修道士「あなた方、ご先祖様に王族の方がおられるんじゃないですか?」

父「うっぷ……母方の祖先に、王族から嫁いできた人がいたはずだ」

母「私も、数代前に」

父「それがどうした」

修道士「隔世遺伝で、王族の血が濃く出てきちゃったんですね」

修道士「陛下は、他の何よりも身内に厳しいんです」

修道士「ちなみに、銀の髪をもって生まれてきた人は王族の中でも特別な存在でしてね、聖なる力の適性が強いんです」
195 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:26:33.02 ID:kXhBNlpm0

修道士「その銀の髪をもった王族が、陛下の定義する『不完全な存在』だと陛下が知ったら……」

修道士「前例から判断すると、体の末端から少しずつ輪切りの刑にされる可能性が高い」

父「…………」

母「…………」

修道士「大人しく従った方が犠牲が少なくて済むんですよぉ」

修道士「私、こんな煽るような口調なので誤解されやすいんですけど、犠牲者は少しでも減らしたいんです。ほんとに」

修道士「あ、なんなら処刑場に見学にでも行きます? 逆らう気が失せますよ〜」

父「……気分が悪い。帰らせてもらう」

修道士「そうそう、スラムには善良な民もたくさん追放されてますから、案外お子さん生き延びられるかもしれませんよぉ」
196 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:27:23.31 ID:kXhBNlpm0

夜中

父「親戚中に話をして、全員で夜逃げを……駄目だ、時間が足りない!」

母「…………」ガサゴソ

父「何してるんだ」

母「荷造りよ!」

母「ローゼを殺されるなんてたまったもんじゃないし、親戚に迷惑をかけるわけにもいかない」

母「これじゃ、国に従うしかないでしょう?」

母「だから、私もローゼと一緒にスラムに行くの」

父「モナルダ……」

母「大丈夫、スラムには、善良な人もたくさんいるのでしょう? きっと、住めば都よ」

父「お腹の子はどうするんだ」

母「向こうでだって産んでやるわよ」

父「……受け継いだ家と仕事より、子供が大事だな。私も行こう」

修道士「駄目ですよぉ」

父「いつからそこに!?」

修道士「すみません、こっそり監視してましたぁ」

母「どうして駄目なの」

修道士「自ら進んでスラムに行くんじゃあ、“罰”になりませんからねえ」
197 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:28:06.21 ID:kXhBNlpm0

母「ならどうすればいいの!?」

修道士「どうしようもないですよ。はあ、これじゃ仕方ないですね」

修道士「気絶《フェイント》」

母「うっ」

父「何をする!!」

修道士「明日、お子さんのスラム行きが完了するまで、奥様には眠っていていただきましょう」

修道士「逆らえば……」

兵士達「「……」」ガシャガシャ

修道士「奥様と、お腹の中のお子さんの命はありません」

父「……ちくしょう!!」
198 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:28:55.30 ID:kXhBNlpm0

翌日

勇者「かあさまは? かあさまはどこ?」

父「…………」

勇者「おでかけするの? ピクニック?」

父「……ああ、そうだよ」

勇者「おうまさんにのるんだね。かあさまは?」

父「……ちょっと用事があって、別のところにお出かけしてるんだ」

勇者「そっかぁ……」

修道士「お迎えに上がりましたあ」

不真面目な兵士1「我々は監視係です」

不真面目な兵士2「ほら、行きますよ」

勇者「?」
199 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:29:23.57 ID:kXhBNlpm0

勇者「ねえねえ、どうしてへいしさんいっしょなの?」

不真面目な兵士1「悪い子は兵士に捕まっちゃう決まりだからね」

勇者「?? ローゼ、なにもわるいことしてない!」

不真面目な兵士2「生まれてきたことが罪なんだよ、ははは」

勇者「??」

不真面目な兵士1「はは、かわいー。わかんないよねえ。ふたなりってほんと? お股見せてよ」

修道士「あなた達は黙っていなさい」

不真面目な兵士達「「へーい」」

父「…………」

勇者「とうさま? とうさまどうしたの?」
200 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:30:02.67 ID:kXhBNlpm0

父「ここからは、下を向いていなさい」

勇者「? はあい」

勇者「……なんだか、へんなにおい。このにおい、なあに?」

父(死臭だ、なんて……教えられるわけがない)

修道士「着きましたよぉ」

勇者「わあ! おおきなとびら!」

勇者「とうさま、あっちにはなにがあるの?」

父「…………」

修道士「入ったらもう二度と出られない、怖い地獄ですよ」

勇者「え?」

ギイィィィィィィィ

父「……すまない」

勇者「?」

不真面目な兵士1「はい、お馬さんから降りようね」

勇者「!? やだ!!」

不真面目な兵士2「よいしょっと」

勇者「はなしてぇー!」
201 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:30:42.42 ID:kXhBNlpm0

勇者「とうさまー!!」

父「…………」

勇者「かあさま! かあさまどこにいるの!? たすけて!!」

不真面目な兵士1「かあさまは来ないよ。もう二度と会えないんだよ〜」

不真面目な兵士2「君はもう捨て子になっちゃったからね、ははは」

勇者「うそつきー!!!! やだあああああああ!!」

勇者「なんで!? なんでー!? とうさまどうしてたすけてくれないの!?」

不真面目な兵士1「男の子でも女の子でもない子は、おうちにいられない決まりがあるからだよー」ポイッ

勇者「ひゃっ! いたい!! ふええええええええ!!」

ギィィィィィィィィ

勇者「とうさま! とうさまああああ!!」

父「っ……」

バタン
202 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:31:08.57 ID:kXhBNlpm0

父「…………」

修道士「お疲れさまでーす。もう帰っていいですよ」

父「……こんな国、いずれ滅びるぞ!」

修道士「……はあ。嫌な仕事だなあ」

修道士「国がこんなことやってばっかだから、兵士達の心も歪み切っちゃってるし」

修道士「この国の人間は信心深く、教会の人間の言うことは比較的よく聞き入れるからって、こんな仕事押し付けられちゃって」

修道士「はあ〜……」
203 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:32:14.86 ID:kXhBNlpm0







母「ローゼ! ローゼを返して!!」ガリガリ

門番「奥さん、無理ですよ。この扉は開けられません」

母「私の子供を返してよ!!」ガリガリガリガリ

門番「爪ボロボロになってるじゃないですか! もうやめてください!」

母「嫌! 嫌ああああああ!!」

父「……冷えてきたな。帰ろう。お腹の子が心配だ」
204 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:32:48.68 ID:kXhBNlpm0

数年後

父「…………」

母「…………」

父「……ははは。事業もガタガタで、どうしようもないな」

母「…………」

父「……この国から、逃げないか?」

母「……?」

父「あれから何年も経った。私達が姿を消しても、今更親戚が犠牲になることはない」

父「そして、我が子を……ローゼを、迎えに行くんだ」

母「……あの門は、開けられないでしょう?」

父「外側から回るんだ。一旦町を出て、森を抜けてスラムに侵入すれば、門番に気づかれることもない」

父「狩人ですら滅多に入らない、猛獣が棲み付いている危険な森だが……」

母「……あの子に会えるのなら、なんだってするわ」

――――――――
205 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:33:29.04 ID:kXhBNlpm0

父「……すまなかった」

父「君を捨てずに逃げる手段があったのではないかと、今でもずっと自分を責めずにはいられない」

父「そして、スラムに行った時、もっとよく探していればと……」

勇者「はは、全身細かく輪切りか。そりゃ捨てる方選ぶよな……」

勇者「……死んだ方がマシだって思えるような地獄だったけど、良い人には拾ってもらえた」

勇者「だからこうして生きてる」

父「…………」

勇者「……母様がさ、お腹に赤ちゃんがいるって教えてくれた時のこと、オレ、しっかり覚えてるんだ」

勇者「占い師に見てもらったら、きっと男の子だと言われたって、嬉しそうに話してた」

勇者「でも、ここにはいないんだな」

父「……こっちへ」

裏庭

父「死産だった。これが、君の弟の墓だ」

勇者(タイム、ここに眠る……)

父「医者からは、精神的負担が原因だと告げられた」

勇者「……そうか」
206 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:34:14.15 ID:kXhBNlpm0

勇者(わかっていたはずのことだ)

勇者(オレは確かに愛されていたし、親はオレのことを助けたくても助けられなかった)

勇者(助けられない、どうしようもない事情があった)

勇者(でも、捨てられたことがあんまりにも悲しくて、恨まずにはいられなかった)

勇者(愛されていたことを信じられなくなった)

母「ほら、できたわよ」

勇者(10年ぶりの、母様の卵焼き)

勇者(また、食べられるなんて)

勇者「…………」ジワ

勇者「うぅ……」
207 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:34:54.10 ID:kXhBNlpm0

勇者「……オレは、親に捨てられたんじゃない」

勇者「ただ、社会に引き離されただけだ」

勇者「だから、父様と母様は自分を責めなくていい」

母「……ローゼ」ギュウ

父「これから、一緒に暮らそう」

勇者「できねえよ、それは」

父「どうして」

勇者「知ってるだろ? オレは勇者だって」

母「でも、魔王様は優しいのでしょう? あなたが旅をする必要なんて」

勇者「魔王の兄貴を倒さなきゃならねえんだよ」

母「……そう」
208 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:35:20.22 ID:kXhBNlpm0

母「そうだ! 卵焼きの作り方、教えてあげる約束だったわね」

勇者「……旅が終わったらまた来るから、その時に教えてくれ」

母「わかったわ。絶対、絶対帰ってきてね!」

銀髪少女「お姉ちゃん、体が治るまではここにいてね!」

勇者「だから、お姉ちゃんじゃねえって。男でも女でもねえんだから」

銀髪少女「じゃあ、おにえちゃん!」

勇者「……好きに呼べ」







翌日

魔王「もう数日泊まればよかっただろうに」

勇者「ぬるま湯に浸かったら、戦いの世界に帰ってこられなくなっちまうだろ」

魔王「そうか」
209 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:35:51.55 ID:kXhBNlpm0

勇者「嬉しそうな顔してんな」

魔王「嬉しいからな」

勇者「そんなにか?」

魔王「ああ」

勇者「他人のことでそこまで喜べるもんか?」

魔王「ああ」

勇者「ふーん」

魔王「時々、親に手紙でも送ってやれ」

勇者「気が向いたらな」

勇者「……おまえこそ、親孝行してんだろうな?」

魔王「俺にはもう、親はいない。だから、おまえが羨ましい」

勇者(地雷踏んだ……)
210 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:36:19.81 ID:kXhBNlpm0

勇者「……そういや、礼を言いそびれてたな」

勇者「部下を寄越してくれてありがとな」

魔王「おまえが勇映の玉で姿を見ることを禁じたから、」

魔王「自動的におまえの危機を知らせてくれるよう、玉のプログラムを改造する必要があった」

魔王「苦労したんだぞ」

勇者「あっそ」

勇者(……こいつがいなかったら、オレは親と素直に話をすることもなかったんだな)

勇者(どうしてこいつは、こんなに良い奴なんだろう)

勇者(やっぱ、お姫様と関わった影響がでかいのかな)

勇者「…………」

魔王「どうした」

勇者「なんでもねえよ」

勇者(この気持ちは、一体なんなんだ)
211 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:37:09.16 ID:kXhBNlpm0

情熱の町

勇者「なんかこの町、めっちゃ音楽流れてるし踊ってる奴がえらく多いな」

魔王「情熱の町と呼ばれているだけあるな」

眼鏡男「……ローゼちゃん?」

勇者「あ? 誰だてめえ。気持ちわりぃ呼び方してんじゃねえぞ」

眼鏡男「だ、だいぶ雰囲気が変わってるけど、確かにローゼちゃんだ!」

眼鏡男「勇者に選ばれたって、本当だったんだね!」

眼鏡男「僕だよ僕、小さい頃仲が良かったミステルだよ!」

勇者「……2個上の、よく一緒に遊んでた金持ち息子」

眼鏡男「そうそう! 君の力になりたくて、君を探してたんだ」

魔王「…………」

勇者「仲間ならいらねえぞ」

眼鏡男「そう言わずに! この町を案内するよ!」

勇者「……じゃあ、頼む」

眼鏡男「会えて嬉しいよ! 僕、ずっと君に会いたかったんだ」

勇者「そうか」

魔王(ローゼが心做しか嬉しそう……だと……?)

魔王(旧友との再会だ。祝うべきだというのに……モヤモヤしてしまうな)
212 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/08/24(金) 22:37:43.36 ID:kXhBNlpm0
つづく
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/08/24(金) 23:59:31.71 ID:2hFjmUhWo
見てるぞ
214 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 00:59:46.89 ID:TJI+aR3mO
乙乙
215 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/08/25(土) 03:53:30.06 ID:1KrtC+H50
おつ!
モヤモヤいいねえ
216 : ◆O3m5I24fJo [sage]:2018/10/15(月) 20:13:25.11 ID:/5+sbpAu0
とりあえず生存報告だけ
鯖落ち中はすみませんふきのとうの小説版の書き溜めばかりやってました
ぼちぼちこっちの書き溜めもして、近い内に更新しようと思います
217 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/15(月) 20:32:29.81 ID:8Pvy0NyZo
待ってるで
218 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:41:15.07 ID:zLYT6wB50

Episode 9


勇者「ちゃん付けはやめろよな。きめえ」

眼鏡男「ああ、わかったよ、ローゼ」

魔王「…………」

眼鏡男「ランチはそこの店で取ろうか」

勇者「昼飯はこいつの弁当食うことになってんだよ」

眼鏡男「ふうん?」

勇者「でもその店からすげえ良い匂いしてんな。夜はやってんのか?」

眼鏡男「うん。流石にランチメニューはやってないけど、ディナーもなかなかだよ」

勇者「じゃあ今晩行くかー」

勇者「おい魔王、メシ」

魔王「今日はロールキャベツだぞ」

眼鏡男「ま、魔王……?」

魔王「……マオだ」

眼鏡男「そっか。よろしくね、マオ君」ガシィィィィッ

魔王(握手が……痛い……!)ミチミチ

眼鏡男「じゃあ僕はそこの売店で何か買ってくるよ」
219 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:42:01.91 ID:zLYT6wB50

勇者「ロールキャベツはやっぱ何よりも汁がうめえな」

魔王「汁……まあわからなくもないが」

眼鏡男「マオ君って何処の国の人? 名前の響き的には東の国の人かな」

眼鏡男「それにしては鼻が高いよね。この辺の国の人と変わらない顔立ちだ」

眼鏡男「でも雰囲気がちょおっと違うような気がするなあ」

魔王(……勘ぐられている。嫌な感じだ)

魔王「俺はお前達と同じペルレ系の人種だ」

眼鏡男「ふうん?」

魔王「……ただし混血だ。雰囲気の違いの原因はそれだろう」

眼鏡男「へえ? 育ったのは何処?」

魔王(下手に嘘を吐けばボロが出そうだな……だからといって正直に答えるわけにもいかぬ)

勇者「スラムでゴミ漁ってるところをオレが拾ってやったんだぜ」

眼鏡男「へーーーーー? じゃあローゼちゃんとはいつから一緒なの?」

勇者「ちゃん付けやめろっつったろぶっ殺すぞ」

眼鏡男「あはは、ごめんごめん」
220 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:42:36.18 ID:zLYT6wB50

勇者「涼しい季節だってのに、妙に暑苦しいな……この町の雰囲気のせいか」

眼鏡男「じゃあ、あそこの屋台でソフトクリームでも買おうか」

眼鏡男「バニラ、イチゴ、チョコ、ヨモギ、ドクダミ、フキノトウのどれにする?」

勇者「じゃあフキノトウ」

魔王「奇妙なメニューだな……」

眼鏡男「後ろの3つは、しばらく前に来た旅人からレシピを教わったそうだよ」

魔王「ヨモギとドクダミのミックスを頂こうか」

眼鏡男「君も物好きだね」

店主「ミステル君は何にするんだい」

眼鏡男「隠しメニューのカレー味で」
221 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:43:03.37 ID:zLYT6wB50

勇者「苦いけど意外とイケるなこれ」ペロペロ

眼鏡男「……」ジィィィィィ

魔王(やはりこやつ)

眼鏡男「ローゼ、僕のを味見してみない?」

勇者「嫌だっつの。見た目が汚すぎるだろそれ」

魔王(どう見てもとぐろを巻いた……)

眼鏡男「うんこみたいだけど味は良いから」

勇者「わかってて食ってんのかよ」

魔王「…………」

勇者「それよりお前の味見させろよ」ペロッ

魔王「っ」ビクッ

勇者「ヨモギはともかくドクダミはすげえ味だな」

魔王(ローゼの舐めた跡……間接キスをしろというのか……)

眼鏡男「……」

魔王(視線が痛い)
222 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:45:29.91 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「今日は僕の家に泊まっていってよ」

眼鏡男「一軒家を借りてるんだけど、1人で住むには広すぎてさ。部屋余ってるんだよ」

勇者「いや、それは断る」

眼鏡男「今丁度祭りの時期だから、宿は何処も埋まってると思うよ」

勇者「え……マジかよ」

勇者「くっそー、折角町に着いたってのに野宿かよ」

眼鏡男「いや、だから部屋貸すってば」

眼鏡男「ほら、路地裏見てみなよ。……町の外で野宿するより危険だよ」

勇者「うわ……」

魔王(浮浪者が多いな。宿を借りられなかったらしい旅人も多い)

勇者「仕方ねえな……」

眼鏡男「一旦僕の家に荷物を置いて、それからさっきの店に夕食を食べに行こうか」

眼鏡男「あ、マオ君も泊まってっていいよ。ローゼの仲間だからね」

魔王(今夜姿を消せば不思議に思われる。城には帰れなさそうだな)
223 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:49:05.95 ID:zLYT6wB50

飲食店

眼鏡男「そうだ。明日、ちょっと時間をくれないかな」

眼鏡男「僕達の故郷のことで、大事な話があるんだ」

勇者「……聞くだけならいいけどよ」

眼鏡男「ありがとう」

勇者「おい魔……マオ、ガリィのメシ出してくれ」

魔王「ああ」

狼「♪」

魔王「嬉しそうに食べているところを見ると、こちらも嬉しくなるな」

魔王「ペットを可愛がる者の気持ちがよくわかる」

眼鏡男「……ところで、2人ってどんな関係なの? 恋人じゃないよね?」

勇者「冗談じゃねえ、オレは男だぞ」

魔王「…………」

眼鏡男「ああ、そっか。そうなんだね。へえ」
224 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:49:40.85 ID:zLYT6wB50

勇者「オレもさ、お前に聞きたいことがあるんだ」

眼鏡男「何かな」

勇者「その……オレ、ガキの頃のこと、あんまり覚えてねえんだよ」

勇者「スラムに放り出されてからの出来事の印象が強すぎてさ」

勇者「お前はオレより年上だから、オレよりもオレのことを覚えてるんじゃねえかなって」

眼鏡男「ああ、よく覚えてるよ」

眼鏡男「なんせ、他のどんな子よりも綺麗だからね。忘れられない」

眼鏡男「ある日は女の子らしく振る舞って、かと思えば次の日には男の子の格好をしていたり」

眼鏡男「性別に囚われず、自由に生きていたよ」

魔王(……この者は俺と出会うよりずっと前のローゼを知っている。そう思うとどうしてもな……)
225 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:50:06.95 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「明るくて、この世の闇なんて知らないんじゃないかってくらい純真で」

眼鏡男「あと、僕のことが大好きで、よく後ろについて回ってたよ」

勇者「それは捏造だろ」

眼鏡男「あはは、バレちゃったか」

眼鏡男「でも仲が良かったのは本当だよ。これは覚えてるだろう?」

勇者「一応な」

魔王「…………」

眼鏡男「懐かしいな」

勇者「……オレがどんな子供だったのか、聞けてよかった」

勇者「この前親とは再会できたんだけど、他人から見てどうだったのかはわかんなかったからよ」

眼鏡男「ああ、良かったよ」
226 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:51:30.04 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「でも、今のローゼは、男としての性別を選んだんだね」

勇者「ああ」

勇者「オレのことを女として見たらぶっ殺すからな」

眼鏡男「わかったよ。正直ちょっと残念だけど、君の意思を尊重しよう」

勇者「まあ、ならいい」

魔王「…………」

魔王「ガリィ〜〜〜〜お前は良い子だな〜〜〜〜〜〜」モフモフ

狼「? ♪」ブンブン

魔王「おーよしよし!!」

勇者「どうしたんだお前」

魔王(心が落ち着かぬ! 落ち着かぬ!)
227 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:52:28.81 ID:zLYT6wB50

ミステルの自宅

勇者「そういやお前親は? 何で1人暮らしなんだよ」

眼鏡男「まだあの国にいるよ」

眼鏡男「あんなに酷い国なのに、人口は維持できてるだろう?」

眼鏡男「他国に移住しようにも、厳しい制限があってね。なかなか出てこられないんだ」

眼鏡男「僕は、両親が高い出国税を捻出してくれたから国を出られたんだよ」

勇者「……」

眼鏡男「でも、両親をこのまま放っておくつもりはない」

眼鏡男「助けるんだ。絶対に」

眼鏡男「……今日は疲れたよね。もう寝る? それともお風呂を沸かそうか」

勇者「風呂」

眼鏡男「わかったよ。あ、部屋はそこだよ」

勇者「世話んなるな」
228 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:53:12.06 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「はあーローゼちゃん、元々綺麗だったけどあんなに美人になっちゃって」

眼鏡男「胸はないみたいだけれど」

魔王「サラシで潰しているだけだぞ」

眼鏡男「え、何で知ってるの」

魔王「いやその……共に旅をしているからそのくらいはな」

眼鏡男「ふうん? まあ付き合ってるわけじゃないんだよね」

魔王「……そうだ」

眼鏡男「ってことは溜まっているだろう?」

眼鏡男「そこに置いてるエロ本使っていいよ。今度処分する奴だから」

魔王「レイプ物は好かぬ」

眼鏡男「へえ。じゃあこっちは」

魔王「リョナ物は更に好かぬ」

眼鏡男「じゃあ何が好きなんだい」

魔王「甘々らぶらぶえっち物が……何を言わせるのだ」
229 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:53:46.37 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「好きな女の子が若い男を連れ添ってるなんて、気が気じゃないからね」

眼鏡男「僕の家で間違いでも起こされたら腹が立つし、こちらとしては君に出すもの出しておいてほしいんだよ」

魔王「べっ別にエロ本があろうとなかろうと、ローゼとそういった関係になることはあああありえぬ」

眼鏡男「確かにそんな度胸なさそうだよね君には」

魔王「……」イラッ

眼鏡男「ローゼちゃんが今みたいになったのは……スラムでの暮らしのせいだろうね」

眼鏡男「強姦なんて日常茶飯事な環境だったそうじゃないか。女としての自分を否定するようになってもおかしくない」

眼鏡男「嘆かわしいよね、本当に」

眼鏡男「……彼女がスラム送りにされたって聞いたあの日から、僕は祖国を憎まずにはいられなくなった」

眼鏡男「国王の首を刎ねることが僕の夢だよ」

魔王「っ……」

眼鏡男「君だって、スラムで暮らしていたのなら、あの男のことが憎くてたまらないだろう?」

眼鏡男「それとも、何か思うところでもあるのかい」

魔王「……いや」
230 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:54:24.82 ID:zLYT6wB50

翌日

眼鏡男「悪いね、時間を取ってもらっちゃって。でも、とても大事な話なんだよ」

勇者「何処行くんだよ。おまえんちの地下の階段長すぎじゃね?」

魔王(明らかに家の敷地より外に出ているが……)

眼鏡男「ここだよ」

ギィィ……

学者風の男「へえ、本当に我等が勇者様を連れてくるなんてやるじゃないか」

筋肉男「しっかし、こんなに小さくて細っこいとはな」

格闘女「あんたみたいな大男よりずっと腕っぷしが利くって評判だけどねぇ」

魔王(狭い地下室に何人も……男が多いが、女もいるな)

眼鏡男「ようこそ、僕達の隠れ家へ」

眼鏡男「僕達はレジスタンス。祖国の平和を取り戻すために志を共にする、仲間だよ」
231 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:55:21.59 ID:zLYT6wB50

勇者「…………」

眼鏡男「君には是非仲間になってほしいんだ」

勇者「あの国王に歯向かうつもりなのか?」

眼鏡男「そうだよ」

勇者「…………」

眼鏡男「あの国は内政だけじゃなく、外交も滅茶苦茶だ。その上、宗教の教義に反する行いもたくさんしている」

眼鏡男「こっちの国で後ろ盾を得ることは案外難しくなかった」

眼鏡男「足りないのは戦力だ。君が仲間になってくれさえすれば、僕達は確実に勝つことができるだろう」

勇者「いきなり言われてもな……」

眼鏡男「君が魔王討伐の旅をしていることは百も承知だよ」

眼鏡男「でも、今、魔王を倒す必要なんてあるのかな?」

眼鏡男「魔族は現在人間を襲ってこないのに、下手に刺激すればかえって人類を危険に晒すことになる」

眼鏡男「それなら、人間の暴君を討った方がずっと良い。そうは思わないかい?」

魔王(至極真っ当な意見だ。反人間派の魔族の存在を考慮していない点を除けばだが)

勇者「そりゃあな。でもオレは――」
232 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:56:56.92 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「僕は、君が素直に旅立ったことを不思議に思ってさえいるんだよ」

眼鏡男「上級魔族を容易く葬る力をもっている今の君なら、国王に復讐することだって簡単だったはずだ」

勇者「金をたんまり渡されたからな」

勇者「それに、気持ち良かったんだよ。オレを迫害した連中がオレに頭を下げるのがさ」

眼鏡男「完全に失脚させた方が、もっと気持ちが良いよ」

勇者「確かに国は憎い……けど、わざわざ徒党を組んで復讐するほどの執着もねえんだよ」

勇者「わりぃな。オレは自由に暮らせさえすればそれでいいんだ」

眼鏡男「自分さえ良ければいいのかい!?」

勇者「ああそうだよ、オレはそういう人間だ」

勇者「それに、他に大切な約束がある」

眼鏡男「……スラム生活で、すっかり心が歪んでしまったんだね。僕は悲しいよ」

眼鏡男「こうなったら奥の手だ」パチン

筋肉男「大人しくしてもらうぞ」グイッ

学者風の男「じっとしててね」ガチャン

魔王「!?」
233 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:58:32.64 ID:zLYT6wB50

勇者「そいつに何をするつもりだ」

眼鏡男「動かないで」

学者風の男「魔術を込めた首輪をつけさせてもらった。スイッチを押せばこの男の首は……ボンッ」

眼鏡男「どうか、僕達に力を貸してほしい」

勇者「随分卑怯なやり方じゃねえか」

眼鏡男「どうしても僕達には君の力が必要なんだ。そして、僕には君が必要なんだよ」

眼鏡男「子供の頃からずっと君のことが好きだった。そんな優男やめて、僕の所に来てよ」

魔王「…………」

勇者「きめえ! そいつを木っ端微塵にしてえならしろよ! オレはもう行く!」

学者風の男「ええー……」

眼鏡男「仲間を……見捨てるのかい!?」

魔王(まあ俺は死なぬしな)

眼鏡男「そんな……君がそんな人間に育ってしまったなんて……」

勇者「てめえが好きなのはあくまでガキの頃のオレだろ。いつまでも幻想重ねられても困るっつうの」

眼鏡男「…………」
234 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:58:59.97 ID:zLYT6wB50

学者風の男「す、スイッチを、お、お、押すぞ!」

勇者「だから、やりたきゃやれっての。……やった瞬間てめえら全員皆殺しだけどな」

学者風の男「ひっ!」

眼鏡男「……こんなローゼちゃんなら、いらない」

眼鏡男「綺麗で可愛いローゼちゃんでいてくれないのなら、いっそこの手で……!」

眼鏡男「この手で引き裂いてあげるよ!!」バッ

勇者「うおっ」

眼鏡男「本当はずっと、ずっとこうしたいと思っていたんだ」

眼鏡男「赤い血が白い肌を、銀の髪を染めていく様は、きっとさぞかし綺麗なのだろうね!」

勇者(こいつ、イカれてやがる……!)

勇者「キメえ! 放せ!!」

狼「ガルルルルル!!!!」

魔王「ローゼ!」ガッ

学者風の男「ぐえっ」フラツ

魔王「その手を放せ!」ゴッ

眼鏡男「うぐっ!」
235 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 21:59:47.28 ID:zLYT6wB50

格闘女「ちょっとミステル、あんたちょっとおかしいわよ」グイ

格闘女「……でも、勇者に魔王討伐の旅を続けてもらうわけにはいかないのは事実ね」

格闘女「均衡を壊す要因だもの」

勇者「オレ、別に魔王を倒すために旅してるわけじゃねえぞ」

勇者「魔王の兄貴がわりぃ奴で」

格闘女「今魔族に剣を向ける必要なんてない!」

勇者「話を聞け!」

魔王「勇者が旅を続けなければ魔族はやがて人間を滅ぼすぞ」

筋肉男「貴様らは金が欲しいだけだろ!?」

魔王「……聞く耳は持っておらぬようだな」

格闘女「そっちこそ」
236 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 22:00:14.64 ID:zLYT6wB50

眼鏡男「ローゼちゃん……僕のローゼちゃん……!」

勇者「うわっ……」

魔王「……逃げるぞ」

シュンッ

勇者「はーきもかった……」

魔王「全くだな」

勇者「その首輪外せよ」

魔王「そうだな」パキン

勇者「……昼飯食いてえ」

魔王「少し待っていろ。城に戻って持ってきてやる」
237 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 22:01:15.93 ID:zLYT6wB50










魔王(あれ以来、世間の勇者に対する風当たりが妙に強くなった)

魔王(魔王討伐賛成派と反対派で分かれたのだ)

魔王(勇者の目的が魔王討伐でないことを知っている人間もいるが、数が少な過ぎる)

魔王(こうなった原因はレジスタンスの動きによるものだということは掴めたが、事態の収拾には至っていない)
238 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 22:01:59.20 ID:zLYT6wB50

「抑止力として加護の力を携えた勇者様は必要よ!」

「いいや、人間が強い力をもてば魔族との戦争の引き金を引くことになる。勇者を狙って上級魔族が村を襲ったのがその証拠だ!」

「勇者を止めろ!」

「勇者様の邪魔をするな!」

「勇者に我等の税金をやれるものか!」

「何かあったら勇者を旅立たせた国に責任を取らせてやる!」




勇者「……くそっ!」

魔王「情報の回るスピードが妙だな。レジスタンスの情報網がそれだけ優れているということか……?」

魔王「あの時、レジスタンスの者達を説得しておくべきだったのだろうか」

勇者「あいつらのイカれた目つきは覚えてるだろ。どうせ何話しても無駄だっただろうな」

勇者「あのタイプの連中は考えが凝り固まってて、何言ったって聞きゃしねえよ」

魔王「そうかもしれないが……」

魔王(そういえば、後ろ盾がいると言っていたな。まさか……)
239 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 22:02:34.47 ID:zLYT6wB50

勇者「あーほんっと腹立つ!」ガンガン

魔王「岩に当たるな。落ち着け」

勇者「どうしてもイライラが止まんねえんだよ!!」

魔王「……はあ」

魔王「レジスタンスについて今一度調べてみる必要がありそうだ」

勇者「オレもう関わりたくねえんだけど」

魔王「俺もだが、連中をどうにかしないことにはな」

魔王(特に、ミステルのローゼに対する執着は異常だ。再びローゼを襲おうとする可能性は否めない)

魔王(この手でローゼを守りたいと強く思った)

魔王(尤も、俺はローゼより遥かに弱いのだが)

勇者「八つ当たりせずにはいられねー!!」ゴッ ガラガラ

魔王(そういえば、ローゼのにおいがいつもと少し違う気がするな)

魔王「……!」
240 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/24(水) 22:03:06.76 ID:zLYT6wB50
つづく
遅くなって申し訳ない
241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 22:10:14.60 ID:IDQf0/Mso
>>240
お疲れ様です
気にすんな、続けてくれただけでも嬉しい
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 22:18:58.10 ID:sY4At38H0
乙です
自分のペースで書いてもええんやで(にっこり)
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/24(水) 22:58:43.01 ID:1T6KGfyPo
乙
244 : ◆O3m5I24fJo :2018/10/27(土) 18:15:50.05 ID:gPMLZ+VF0

Episode 10


魔王「…………」

勇者「おい、どうしたんだよ」

魔王「…………」

勇者「おい」

魔王「ローゼ、おま、えは……」

勇者「あ?」

魔王「…………」

勇者「おい、何だよ」

魔王「……お前は、女だ」

勇者「……は?」
245 : ◆O3m5I24fJo :2018/10/27(土) 18:16:25.50 ID:gPMLZ+VF0

勇者「何言ってんだよ」

魔王「においでわかった。お前は、遺伝上、女……だ……」

勇者「……!?」

魔王「以前はどっちつかずのにおいだったが、体は確実に女として成長しているのだ」

勇者「嘘だろ……オレ、一応……精液、出せるんだぜ。玉だってついてる」

魔王「お前の男としての機能は不完全だ」

魔王「何らかの原因で両性具有となってしまったが、本来の性別は女――」

勇者「っざっけんな!!」

勇者「てめえがオレのことを女だって思いてえだけじゃねえのか!?」

魔王「そ、それは違う!」

勇者「どうせお前だってミステルの野郎と同類なんだろ!」

魔王「あやつと一緒にするな!

勇者「オレを女として見てるんだろ!?」

魔王「っ……」

魔王(以前からローゼに惹かれていたのは事実だ)

勇者「……ほんっと、誤魔化すの下手だよな、お前」
246 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:17:13.92 ID:gPMLZ+VF0

勇者「……許さねえ」

勇者「オレが男の慰みものにされるだけの性別だなんて、認めねえ!」

魔王「ろ、ローゼ!」

勇者「…………」

ゴッ






247 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:17:44.40 ID:gPMLZ+VF0

魔王「う……」

魔王(ここは……何処かの山小屋か?)ジャラ

魔王(鎖……?)

魔王(俺の服は何処だ。何故何も着ておらぬ)

勇者「……よお」

魔王「ローゼ……?」

勇者「言っとくけど、その鎖、ぜってえてめえの力じゃ切れねえからな」

魔王(加護の力が籠められている。腕力も……封じられているようだな)

魔王(魔術も使えぬ……使えるのは不死の力だけか)

勇者「全部の加護を得なくても、このくらいのことならできるみてえだ」

魔王「何を……するつもりだ……?」

勇者「……オレが男だってことを証明してやるんだよ!!」
248 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:19:05.08 ID:gPMLZ+VF0

勇者「おら、これ舐めろよ」

魔王「っ!」

勇者「早くしろ」

魔王(ろ、ローゼのっ……)

勇者「捻じ込むからな」グッ

魔王「んぐっ……!」

勇者「間違っても歯ぁ立てるんじゃねえぞ」グチュッグチュッ

魔王「っ……っ……!」

魔王(口内が……熱いっ……!)

勇者「てめえの口マンコ、なかなかイイ具合じゃねえか」

魔王「むぐっ……んっ……ぁぇっ……」
249 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:19:51.71 ID:gPMLZ+VF0

魔王(息が……苦しい……!)

勇者「……おい、なんだよこれ」

魔王「……」

勇者「なんで半勃ちになってんだよ」

魔王「ぷはっ、はあ、はあ……」

勇者「お前、もしかしてそっちの気の奴だったのか? あ?」

魔王「……?」

勇者「男が好きなのかって聞いてんだよ!」

魔王「違う!」

勇者「じゃあなんで勃ちかけてんだ? とんだ変態だよなあ!」グニグニ

魔王「あっ……」ビクッ

勇者「うっわ、踏まれて硬くなるとか、マジねえわ。そっか、お前マゾだもんな」

魔王「はあ、はあっ……ローゼ、も、やめ……」

勇者「そんなに気持ち良いのか? あ゛!?」

魔王「っ、うっ……ああぁっ……くっ……」
250 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:22:04.69 ID:gPMLZ+VF0

勇者「我慢汁垂れ流してドッロドロじゃねえか! 変態! このド変態!」

魔王「ローゼ、ローゼっ……あああっ!」

ドクンッ とくとくとく……

勇者「うっわ、はっや」

魔王(イッてしまった……好きな女の目の前で、好きな女の足で……!)ジワ

勇者(……こんなに濃いのが普通なのか?)

勇者(ちくしょう……!)

魔王「ろーぜ……?」

勇者「てめえの精液でてめえの穴ン中犯してやるよ」

魔王「っ!?」

魔王「お、おい……やめてくれ!」

勇者「へえ、ケツの穴も人間と同じ見た目してんだな」ツプ

魔王「ひっ」
251 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:22:33.30 ID:gPMLZ+VF0

勇者「ははっ、一足先に童貞卒業させてもらうぜ」

魔王「あっ、ぐぅっ……むり、むりだっ……! はいらなっ……」

勇者「押し込めば入らねえなんてことねえだろ」ググッ

魔王「あがっ……」ピクッピクッ

勇者「ほら、すっぽりだ」

魔王(痛い……! あまりの圧迫感に息さえもままならぬ!)

勇者「スラムじゃあな、女は貴重だからって、男に走る野郎も少なくなかった」

勇者「掘られた男がどうなるか知ってるか? どんどん女になってくんだよ」

勇者「てめえも女にしてやる」グッグッグッグッ

魔王「こわれ、こわれるっ! もっ……やめてくれっ!」ポロポロ

勇者「泣いたって無駄だっつの」
252 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:22:59.78 ID:gPMLZ+VF0

ズッズッズッズッ……

魔王「んっ……」ジィン

魔王(なんだ……? 腹の奥が……熱い……!?)ピク

魔王「あっ、あっ、はあぁっ……」

魔王(声が勝手に……)

勇者「てめえ、感じてんのか? 初めてだろ?」

勇者「うっわ、傑作だな。よっぽどの才能の持ち主だぜ、お前」

魔王(嘘だろう……?)

魔王(こんな、こんな行為で、女のように感じるなど)

魔王(あり……えない……)

魔王「あああっ……あっうっ、んぐっ……」

勇者「良いザマだな魔王様よぉ! 今のお前完全に女だぜ!」

勇者「腰をよじって高い声を出して、こんなの男じゃねえよなあ!」

魔王「くっう、あっ、あ、ぁ……っはあっあっあっあっ!!」
253 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:24:08.62 ID:gPMLZ+VF0

勇者「いやらしく吸い付いてくるぜ、お前のケツ穴!」

勇者「そんなに男が欲しいのか? とんだ淫乱だよな! ははは!」

魔王「ちがっあああっ! 俺は、俺はあああっ!」

魔王(駄目だっ……もう何も考えられない)

魔王(抵抗するには、あまりにも甘すぎる……!)

魔王「あっあっあっあっあっあっ……いやだぁぁぁ……あああああっ!!」

勇者「イきそうなのか? いいぜ、イけよ! 中に出してやる!」

魔王「ああああああああああっ!!!!」

勇者「くっ……う…………はあ……」
254 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:24:35.75 ID:gPMLZ+VF0

勇者「これから毎日慰みものにしてやるよ」

勇者「どうせ旅してたって馬鹿な人間達に邪魔されるしな!」

魔王「…………」

勇者「じゃあな」

バタン

魔王「…………」

魔王「……………………」
255 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:25:02.12 ID:gPMLZ+VF0

魔王(……浅はかだった)

魔王(気が動転して喋ってしまったが、あのタイミングでローゼが女だと告げるべきではなかった)

魔王(もっとあいつの気持ちを考えてやれていれば……)

魔王「…………」

魔王(ローゼに女として傍にいてほしい想いも高ぶっていた)

魔王(俺は自分の感情を優先してしまったのだ)

魔王(だから、あいつにこれほどのことをさせてしまう結果になった)

魔王(あいつをひどく傷つけてしまった)

魔王(俺は……大馬鹿者だ)
256 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:25:29.60 ID:gPMLZ+VF0

――
――――――――

魔王(何日経ったのだろうか)

魔王(2日程度の様な気もするが、7日ほど過ぎ去っているかもしれぬ)

魔王「あっ、はっぁっ……うっ……」

勇者「今自分がどんな顔してるかわかるか?」

勇者「クソしてるのを見られてる犬みてえな顔だぜ!」

魔王「う……っ……」

勇者「ははは! クソ犬! このクソ犬!!」

魔王「ろ……ぜ…………」

魔王「……れが……おれが……わるかった……」

勇者「…………」

魔王「すまなかっ……」

勇者「今更遅えんだよ!!」グッグッ

魔王「がっあぁっ! ぐうぅっんんっ……!」
257 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:26:04.94 ID:gPMLZ+VF0

魔王「っ…………」

魔王(こんな形であっても、好きな女と繋がることができているのなら、いいではないか)

魔王「ふうっはあっ、はああっあっあっあっ……」

勇者「何素直に喘いで腰振ってんだよ!」

勇者「っとに気持ちわりぃな」

勇者「今日はもうやめだ」

魔王「そ……んなっ……」

魔王「ローゼっ、頼む、行かないでくれ! 今やめられると……体がっ……」

勇者「てめえで慰めてろ」

魔王「ローゼ、ローゼっ……!」
258 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:26:31.86 ID:gPMLZ+VF0

勇者(男の声、男の体、男の心……)

勇者「くそっ!」ダン

勇者(あいつは、オレが欲しいものを当たり前のように持っている)

勇者(許せねえ……!)







259 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:27:00.26 ID:gPMLZ+VF0

勇者(食料が尽きそうだな。麓の町に行ってくるか)

勇者(……折角だし、あいつに土産でも用意してやるか)



※分岐

 性玩具を買う

→男を呼ぶ
260 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:27:45.65 ID:gPMLZ+VF0

ガチャリ

魔王「……?」

魔王(足音が多いな……)

大男1「へえ、犯してほしい魔族ってのはこいつのことか」

大男2「顔も体もなかなかイイじゃねえか」

魔王「……!?」

魔王「ローゼ、これは」

勇者「報酬はここに置いとくからな」ジャラ

大男1「楽しませてくれよ」クイッ

魔王「っ」

勇者「……」

魔王「ローゼ、行くな! 待ってくれ! 嫌だ!!」

勇者「お前は男が大好きなメスだろ? 喜べよ」

魔王「違う! 俺はっ……俺は相手がお前だったから耐えられたんだ……!」

魔王「他の者になど」

勇者「余計きめえっての」

ガチャ

魔王「ローゼ! ローゼ!!」
261 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:28:13.97 ID:gPMLZ+VF0

勇者(今更後悔したって、遅えんだよ)

勇者(これは、オレのことを女だって言った罰だ。あいつが悪いんだ)

勇者(あいつが……悪いんだよ……!)

勇者(……オレ、なんでこんなことしてるんだ?)

勇者(裏切られた気持ちでいっぱいになって、でも、こんな酷いこと……)
262 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:28:50.26 ID:gPMLZ+VF0

どれほど叫んでも、声は届かない。
届かない言葉なんて、なくなってしまえばいい。


心が痛いのは、あいつに恋をした記憶があるからだ。
苦しみの原因となる思い出なんて、なくなってしまえばいい。


全てが白く、霞んでいく。
263 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:29:21.80 ID:gPMLZ+VF0

ガチャ

勇者「うっわ、ひでえ臭いだな、この部屋」

勇者「おい魔王、寝てんのか。起きろ」

魔王「……?」

勇者「臭くて仕方ねえから体拭いてやる」

魔王「…………?」

勇者「寝ぼけてんのか?」

魔王「??」

勇者「……なあ、オレのこと、わかるか……?」

魔王「……?」

勇者「何か言えよ、なあ」

魔王「…………」

勇者「……嘘だろ、おい」

魔王「…………?」

勇者「……壊れちまった」
264 : ◆O3m5I24fJo [saga]:2018/10/27(土) 18:30:08.43 ID:gPMLZ+VF0
tsuduku
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/27(土) 21:52:21.25 ID:Rl6QcTlw0
なんか違う方向に行っちまったな
残念
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 01:12:02.66 ID:7FaSgZQ3o
名前有りとかくっさ
ここでやる意味あんの?
なろう行けばいいのに
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 20:40:52.47 ID:+i10WvIF0
乙

最高におもろいしいつも予想の斜め上行くし凄いわ

…今日の更新はないのかな?
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/28(日) 23:57:01.46 ID:JfxxUPSK0
>>267
露骨すぎるよいしょに無駄な改行
まさか自演か?
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2018/10/29(月) 00:08:17.71 ID:VUNmsbfRo
無駄な改行があると自演の証拠になるらしい
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/29(月) 00:48:13.71 ID:OoYpFKiZo
>>268
作者のツイッター見てみなよ
ダメージ受けてるからこの調子で叩けば潰せそうだぞ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/29(月) 02:19:00.90 ID:eXxdhwK+o
わざと露骨に擁護すれば作者潰しし放題
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