他の閲覧方法【
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報R
更新
全部
最新50
魔王「おまえは女だ」ふたなり勇者「認めねえ」
Tweet
302 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/10/31(水) 21:32:35.50 ID:Y4CWEl4x0
農民1「この頃、魔族の動きが怪しいらしいねえ」
農民2「親人間派の魔王様がずっと行方不明で、悪い魔族が何か企んでるらしいが」
農民2「こんな田舎には大して情報も入ってこないからなあ」
勇者(……もう、時間がねえ)
勇者(オレ1人でも旅を続けるべきか? でも……)
魔王「マリア!」
魔王「俺も一緒に行く。心配だからな」
勇者「…………」
303 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/10/31(水) 21:33:33.09 ID:Y4CWEl4x0
勇者(こいつを1人でこの村に置いていくしかねえのかな)
勇者(オレは、こいつに食わせてもらったメシの分、働く約束がある)
魔王「……俺は、初めて会った時からお前のことが好きなんだ」
魔王「とはいっても、最初に目を覚ました頃のことはおぼろげにしか覚えていないのだが……」
勇者「なあ、お前は、オレにどうしてほしい?」
魔王「どうして、とは」
勇者「オレに何をしてほしい?」
魔王「……ずっと一緒にいてほしい」
魔王「お前は俺に世話を焼いてくれて、たくさんのことを教えてくれて……俺は、お前に恩返しがしたい」
魔王「だから、これからもここで共に暮らしたいんだ」
勇者「……そうか」
勇者(お前がこうなったのは、オレのせいなのにな)
304 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/10/31(水) 21:34:18.44 ID:Y4CWEl4x0
つづく
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/10/31(水) 23:42:41.03 ID:hTvqUDrPo
おつ
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/10/31(水) 23:53:14.69 ID:+LjzhiZ6O
なるほど分岐有りか
乙乙
307 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:05:55.59 ID:DyjMFreD0
Episode 12
勇者(元々オレは、世界なんてどうなろうが知ったこっちゃないって思ってたじゃねえか)
勇者(できるだけ、今の魔王の望みを叶える存在でいよう)
勇者(……父様、母様……ロディアはどうなる?)
勇者(このまま放っておいたら、オレの家族だって犠牲になるかもしれない)
勇者(この村だって、いつまで平和が続くかわかったもんじゃない)
勇者「っ……」
魔王「どうした? 何か嫌なことでもあったのか?」
勇者「お前は、何も心配しなくていいんだ」
308 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:06:22.25 ID:DyjMFreD0
農民3「魔炎帝カルなんとかかんとかが、必死こいて勇者と魔王を探してるって話知ってるか?」
農民4「物騒だねえ。……勇者様、本当に死んじまったのかねえ」
農民3「新しい勇者様が生まれたって話も聞かないし、優しい魔王様だけでも見つければなあ」
勇者「…………」
勇者(オレが馬鹿やらかしたせいで、人々の心が不安と恐怖に支配されていく……)
農民4「魔王様の直属の部下だった四天王も、その魔炎帝の部下になったってねえ」
勇者「なっ……」
勇者(そんなわけがねえ……!)
農民3「強力な洗脳の魔術を使ったんだろ?」
農民4「いよいよ、戦争になるかもしれないねえ」
309 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:13:10.09 ID:DyjMFreD0
勇者「…………」
勇者(自分で蒔いた種なんだ。自分で刈り取らねえとな)
夜
勇者「なあ、グラン。……抱いてくれないか」
魔王「そっちから誘うなんて、珍しいな」
勇者「たまにはいいだろ」
310 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:13:37.28 ID:DyjMFreD0
勇者「はあっ、くうっ……」
魔王「マリアっ……」
勇者(オレはこいつのことが好きだった)
勇者(もっと早く、自分の気持ちを認めるべきだった)
勇者「グランっ、グランっ……!」
魔王「愛している、誰よりも」
勇者「ああ、お前って、本当に純粋で……」
勇者(こいつのすべてが羨ましかった)
311 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:14:09.10 ID:DyjMFreD0
――――――――
――
勇者「……絶対、戻ってくる」
勇者「だから、少しだけ待っていてほしい」
勇者「じゃあな、グラナティウス」
魔王「……マリア?」
魔王(いない……)
狼「くぅーん……」
魔王「……手紙?」
魔王「…………!」
312 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:14:35.95 ID:DyjMFreD0
魔王(彼女は、毎日何かを考え込んでいた)
魔王(1人で抱え込まず、俺に話してほしかった)
魔王(話せない理由が何なのか、ずっと気になっていたが……)
魔王(結局、詳しいことは明かさないまま、彼女は行ってしまったのだな)
魔王「…………」グシャ
魔王(いつも、彼女が何処かへ消えてしまうような気がして、俺は怖くてたまらなかった)
魔王「……このまま大人しく待ってなどいられるものか!」
313 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:15:40.94 ID:DyjMFreD0
勇者「いっけね、あいつのツノ荷物に紛れこんでるじゃねえか」
勇者「……まあ、オレが死んだら勝手にあいつのところに帰るだろうし、」
勇者「生きてたら生きてたで、あの村に戻って渡せばいいし、今から引き返すほどのことでもねえか」
勇者(綺麗だよな、これ。まるであいつの心みてえだ)
勇者「グラン……」
314 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:16:17.42 ID:DyjMFreD0
勇者(くそっ、神殿遠いな。もう何週間も歩きっ放しだ。足がいてえ)
勇者(ガリィを置いてきちまったから癒しもねえし……)
勇者「…………!」ゾワッ
ゴオオォォォォォォォ
勇者(空気が、地面が、水面が、震えている)
勇者「……魔族の軍勢じゃねえか!」
315 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:16:46.81 ID:DyjMFreD0
ザシュッ ザンッ ガキン ゴッ
勇者「はあっ、はあ……キリがねえ」
風の将軍「やはり生きていたか、勇者よ!」
風の将軍「貴様が人間如きに殺されるわけがないからな。生きていると信じていたぞ。くくっ」
勇者「っ……」
地の将軍「一向に姿を現さぬから、町を1つ1つ潰して探し始めたところだ」
水の将軍「グラナティウスは一緒ではないのか? 尻尾を巻いて逃げ隠れたか。愚かなものよのう」
勇者「てめえ、封印されたはずなのにどうして……!」
水の将軍「我が主を誰と心得る? 魔炎帝カルブンクルス様ぞ!」
316 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:17:26.99 ID:DyjMFreD0
勇者「!」
勇者(なんだ、この巨大な魔の気は……!)
魔炎帝「……ほう、貴様が当代の勇者か」
勇者(2メートルはありそうな体躯。低く響く声。圧倒的な存在感)
勇者(僅かにあいつと似ている魔力……!)
魔炎帝「我が名はカルブンクルス。正統なる魔王の後継者だ」
魔炎帝「勇者よ、グラナティウスは何処にいる」
勇者「知らねえよ!」
魔炎帝「知っている目だな。知っていて尚、隠すことで守ろうとしている」
勇者(やべえ……こいつはマジでやべえ)
勇者(加護が3つだけじゃ足りねえ!)
317 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:17:55.89 ID:DyjMFreD0
魔炎帝「そう身構えるな。我が計画には勇者と魔王が必要なのだ」
魔炎帝「ここで葬るつもりはない」
魔炎帝「尤も、愚弟の居場所を吐かぬのなら少々痛い目を見てもらうことになるがな」
勇者「……どういうことだ。散々殺そうとしたくせによ」
魔炎帝「死ななかったからこそ利用価値を見出しただけのこと」
魔炎帝「詳しく説明する必要などない。貴様はただ我が問いに答えればいいだけだ」
魔炎帝「それとも、ここで九大天王を相手に戦うか?」
勇者「……戦ってやる」
勇者「戦ってやるよ!」
318 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:19:07.20 ID:DyjMFreD0
魔王(マリア……何処にいるのだ)
狼「……」クンクン
狼「! バウワウ!」
魔王「彼女の匂いがそこに残っているのか!?」
狼「バウ!」ダダッ
魔王「そっちの方角に続いているのだな!」
魔王(この森を抜ければ、きっと彼女に……!)
魔王「――――!」
魔王(魔物の屍の山ではないか)
魔王「うっ」
魔王(風上にいたから血のにおいに気がつかなかった)
狼「バウバウ!」
魔王「……大丈夫だ。行こう」
319 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:20:08.60 ID:DyjMFreD0
勇者「うおおおおおお!!!!」
洗脳岩漿「……」ギィン
勇者「くっ!」
勇者(弾き飛ばされた先には……奴がいる!)クルン
勇者「食らえっ!!」
勇者(加護の力を最大出力で浴びせてやる!)
魔炎帝「……ふん、この程度か」バシッ
勇者「あっ……」ゴロゴロ
魔炎帝「軽く弾いただけのつもりだったのだが、腹に大穴が開いてしまったか」
魔炎帝「もう助からぬな。人間の体がここまで脆いとは誤算であった」
魔炎帝「次の勇者が誕生するまで待たねばならぬ。まあ大した問題ではない」
勇者「っ……はっ…………」ヒクッヒクッ
魔王「…………!!」
320 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:20:58.47 ID:DyjMFreD0
魔王「ローゼ! ローゼ!!」
勇者「おま……ど……して……」
魔王「しっかりしろ!!」
勇者「その呼び方……きお、く……も……ったのか?」
魔王「記憶……」
魔王「あ……あ…………ああああ!」
勇者「…………」
魔王「そうか……俺は……俺は…………」
魔炎帝「漸く姿を現したと思ったら、なんだその姿は。人間そのものではないか」
魔王「…………」
狼「クーン……くぅぅぅ」
勇者「こ……れ……」
321 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:21:30.33 ID:DyjMFreD0
魔王「……俺の、ツノ?」
勇者「ごめ、んな……」
魔王「……俺は……」
魔王「どんな目に遭っても、お前を嫌うことができなかった。憎めなかった」
魔王「ただ悲しくて、現実から逃げてしまった」
魔王「だが、記憶と言葉を失っても、お前への恋心だけは覚えていた」
魔王「……愛している。ローゼ」
勇者「ずっと、言えなかっ……た……けど……」
勇者「オレ、ほんと……ぅは……おま……えのこと……」
勇者「…………」
勇者「――――――――」
魔王「っ…………」
狼「バウ! アウアウ! バウウウ!!」
魔炎帝「ふん、血は争えぬな」
魔炎帝「父子揃って聖なる一族の女を愛するなど」
322 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:22:00.03 ID:DyjMFreD0
魔王「……カルブンクルス」
魔炎帝「さて、どうする?」
魔王「…………」
魔炎帝「大人しく不死の力を我に渡せ。命だけは助けてやらんでもないぞ。貴様に勝機はない」
魔王「……本当に、そう思っているのか?」
魔炎帝「矮小な人間の腹から産まれた貴様が、この我に勝てるわけがなかろう」
魔王「1つだけ方法がある」
魔炎帝「何?」
魔王「その様子では、かつては正当な後継者だったというのに、父上からは知らされなかったようだな」
魔炎帝「…………」
魔王「……不死の力を反転させると、強力な死滅の力となる」
魔王「その規模がどれほどのものになるかは予測がつかぬが、少なくとも……」
魔王「お前の野望を阻止することだけはできる」
魔炎帝「……!」
323 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:23:43.38 ID:DyjMFreD0
魔王「巻き込んですまないな、ガリィ」
狼「……くぅん」
魔炎帝「やめろ愚弟!」
魔王「俺も、貴方も、仲良く地獄逝きだ――兄上」
324 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:24:43.61 ID:DyjMFreD0
その地には、白い荒野だけが残った。
BAD END
325 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/01(木) 21:25:52.51 ID:DyjMFreD0
すみません趣味に走りすぎました
次からメインルートです
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/01(木) 21:36:47.89 ID:tntOk/4ZO
乙です
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/02(金) 08:03:35.82 ID:+ppvp2gvo
嫌いじゃないぜこういうのも……!
乙
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/18(日) 20:42:52.37 ID:Wlb1pfdK0
更新はまだですか…
329 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 19:59:35.95 ID:iYmlbJZA0
Episode 13
勇者(食料が尽きそうだな。麓の町に行ってくるか)
勇者(……折角だし、あいつに土産でも用意してやるか)
※分岐
→性玩具を買う
男を呼ぶ
330 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:00:32.73 ID:iYmlbJZA0
夜
ガチャ
勇者「メシは食い終わったか」
魔王「……ローゼ……」
勇者「ほら、これ、何かわかるか?」
魔王「……!?」
勇者「流石に童貞でも知ってんだろ? 大人の玩具だぜ」
魔王(ローターに……張形……)
勇者「始まる前に、自力で取れねえようにしとかねえとな」グイ
魔王「や、やめ」
魔王(両の手に繋いだ鎖を術で連結させ……頭上の壁に固定された)
魔王(手が全く自由にならぬ)
勇者「ついでに猿ぐつわ噛ませとくか。舌を切って一時的に死ぬこともできねえからな」
魔王「むぐっ、う……」
331 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:10:05.88 ID:iYmlbJZA0
カチッ
ヴィイイイイイイイイイ
勇者「人肌に反応して吸い付いてくるから、そう簡単には取れねえぞ」
魔王「うーっ……うぐうぅう!!」
勇者「ははっ、乳首を責められただけでバッキバキに勃起してんじゃねえか」
勇者「ほら、亀頭用のもあるんだぜ。すっぽり覆ってやるよ」
魔王「!?!? んぅぅぅぅううう!!!!」
勇者「これでケツの穴犯されたらどうなっちまうんだろうな?」ズボッ
魔王「んうううう!! うーっ!!!!」
勇者「痛いのか? 気持ち良いのか? どっちだ? お?」
魔王「んぐっ、んぐうう! んんんん!!」
勇者「後者みてえだな! ははは!」
魔王(腹の中で振動が暴れている――!)ガクガクガクガク
勇者「うわ、太ももの痙攣すっげー」
魔王「う! うう! んぐううう!!」
勇者「そのまま一晩中1人で楽しんでろよ。オレが込めた魔力が尽きねえ限り止まんねえからさそれ!」
魔王「ううううう!!」
魔王(頭も体も焼き切れて壊れてしまう――!!)
バタン
332 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:10:44.68 ID:iYmlbJZA0
翌日
勇者(どうなったかなあいつ)ガチャ
魔王「…………」
勇者(よっぽど激しく暴れたんだな。傷だらけだ)
勇者(治りが遅いのは加護の力が混じったオレの魔力のせいだろう)
勇者(……体、拭いといてやるか)
魔王「……ぅ」ピク
勇者(オレも、こんな体が欲しかったな)
魔王「…………」
勇者(しばらく起きそうにねえか)
333 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:11:47.75 ID:iYmlbJZA0
勇者(そういや、昨日町から帰る途中うまそうな木の実が成ってたな)
勇者(食料は充分あるけど採りに行くか)
勇者(――きれいな青空だな)
勇者(風が気持ち良い。でも、それが心地悪い)
狼「…………」
勇者「最近元気ねえぞお前」
勇者(そりゃ、主人があんなことしてたらげんなりもするか)
勇者「お、見つけた。あの赤いやつだ。よっ、と」
勇者「やっぱ甘くてうまいな。ほら、ガリィ」
狼「……」ムシャムシャ
勇者(あいつにも……)
勇者(…………)
勇者(……なんで、食わせてやろうかななんて思っちまったんだろう)
勇者「あれ、なんか……腹いてえ……」
334 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:12:36.13 ID:iYmlbJZA0
ガチャリ
勇者「…………」
魔王「ろ……ぜ……?」
勇者「…………」
魔王「ど……ぅした……?」
魔王(あれは……俺の服か)
勇者「……ごめん」
魔王「……何かあったのか?」
勇者「はは、なんでオレの心配なんかしてんだよ。散々な目に遭わされてるくせによ」
魔王「…………」
勇者「……オレ、女だった。お前の言うとおりだった」
勇者「……ごめん」
魔王「……………………」
335 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:13:12.27 ID:iYmlbJZA0
勇者「……術、解いたから。帰れよ」
魔王「……なあ」
勇者「…………」
魔王「…………」
勇者「……さっさと帰れ」
魔王「……………………」
魔王(何も、言わない方がよさそうだな)
シュン
勇者「…………はあ」
336 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:13:51.61 ID:iYmlbJZA0
魔王城
執事「ぼっちゃま! 5日間も何処に行っていたのですか!」
魔王「……すまぬ。湯浴みの用意をしてくれ」
執事「仕事がたんまり溜まっております……が、今日はお休みになられた方がよろしいでしょうね」
魔王「…………」
魔王(ローゼ……)
337 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:14:47.18 ID:iYmlbJZA0
勇者「あー……」
勇者(オレ……メリッサをヤッた連中と同類になっちまったんだな)
勇者(やべ、死にてえって思っちまった)
勇者(何があっても生きるって誓ってんのに)
狼「くぅーん……」
勇者「……最低だ」
勇者(あいつ……大丈夫かな)
勇者(大丈夫なわけねえか。一生のトラウマになるだろ、あんなの)
勇者(もう、オレのところには来ねえだろうな)
勇者「…………」
338 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:16:04.56 ID:iYmlbJZA0
勇者「ほらガリィ、村が見えてきたぞ」
村の女「! 銀髪の髪……勇者様では?」
勇者「ああそうだよ」
村の女「助けてください! 魔物が近くの洞窟に棲みついているんです! 既に何人か襲われてしまって」
レジスタンスの男「奥さん、我々にお任せください! 勇者に頼んでも新たな厄災を生み出すだけだと言っているでしょう!」
勇者「こんな場所にまで来てるのかよ……はあ」
勇者「こっちだって金がかかってんだ。仕事を奪われるわけにはいかねえな」
レジスタンスの男「金が欲しいならくれてやる。ならば問題はないだろう?」
勇者「……」イラッ
勇者「こっちにだってプライドはあんだよ! んなもんで退くかっつの!」
レジスタンスの男「しかしだな」
勇者「あ、やっぱいいわ。やる気出ねえ。金はいらねえし仕事もくれてやる」
レジスタンスの男「え……?」
勇者「大体お前等なんでこんな場所でまでオレの邪魔すんだよ……故郷の王様倒すのが目的だろ」
レジスタンスの男「ふん。仲間探しのための旅をしているだけだ」
勇者「あっそ……」
339 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:17:49.70 ID:iYmlbJZA0
宿
勇者(だるい……何もする気になれねえ……)ボフッ
勇者「ガリィ〜……」モフリ
狼「……」
勇者(あいつに会いたい。会って、もう一度ちゃんと謝りたい)
勇者(謝ったところで許されるようなことじゃねえけど)
勇者(いいや、今更どんなツラ下げても会えねえよ)
勇者(……自分がやらかしたことをこんなに後悔するなんて、人生で初めてかもしれねえな)
勇者(良い奴だったな、あいつ)
勇者(優しくて、真面目で、そのくせノリも良くて)
勇者(あいつと一緒にいるといつも楽しかった)
勇者(あの日々がずっと昔のことのように思える)
勇者(時間戻してえ……)
340 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:18:30.30 ID:iYmlbJZA0
翌日
村の女「勇者様!」
勇者「あんだよー……何か用かぁ?」
村の女「レジスタンスの方々が……昨日からまだ村に帰ってこられないんです」
勇者「オレに様子見に行けってかあ?」
村の女「……ごめんなさい。でも……」
村長「他に頼れる人もおりませんで……」
勇者「仕方ねえな……はあ……」
341 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:18:56.97 ID:iYmlbJZA0
洞窟
レジスタンスの男「――――」
勇者「死んでらこいつら」
勇者「本来の目的を果たす前に余計なことをしてあの世に逝っちまうなんてバッカじゃねえの」
勇者(他にも人間の骨やら残骸やらが転がってるな)
勇者(棲みついた魔物ってのは……)
地竜「ガルルルル……」
勇者(小型のドラゴンか)
子地竜「ピィ、ピィ」
勇者(子育てしてて気が立ってんだな)
勇者「おい、言葉はわかるか」
地竜「ガアアアア!!」
勇者「……駄目か。小型のドラゴンなんてでっかいトカゲと同じようなもんだしな」
勇者「つうか言葉がわかるほどの知能があるなら人間襲ったりしねえか。襲わねえよう魔王に命令されてんだから」
勇者(魔王がいれば……あいつなら魔物と意思の疎通が取れたのにな)
勇者(とはいえ、こいつは既に人間を何人も食ってるんだ。情けをかける必要もねえか)
勇者(害獣は駆除しなくっちゃな)
342 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:21:00.61 ID:iYmlbJZA0
地竜「――――」
子地竜「ピィ! ピィ!」
勇者「悪いな」グシャ
勇者「……嫌だな、もう」
勇者「もう誰かを殺すのも犯すのもこりごりだ」
勇者(血だらけの手……)
勇者(オレはどれだけの罪で汚れてるんだろうな)
勇者(死んだらきっと地獄行きだ)
勇者(……生きてたってどうせ地獄にいるようなもんなんだ)
勇者(いっそ死んで詫びようか)
狼「――バウワウ!!」
勇者「ん、ごめんな。バカなことはしねえよ」
勇者(死んだところでオレの自己満足でしかねえもんな……)
勇者(あれ……あいつがいないのに、オレってこれから何を目的に旅してりゃいいんだろ……?)
343 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:22:34.62 ID:iYmlbJZA0
勇者(……空虚だ)
344 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:23:10.46 ID:iYmlbJZA0
――
――――――
――――――――――――
勇者(惰性で旅を続けて、もう1週間か)
勇者(嫌味かってくらい良い天気だ)
勇者(ピクニック日和だよなあ。弁当なんてねえんだけどさ)
勇者(あいつが弁当持ってきてくれたのは、いつも大体このくらいの時間だったな)
魔王「ふはははは勇者よ! お弁当を持ってきてやったぞ!」
勇者(そうそうこんな感じで……)
勇者「……って、ん?」
魔王「ほら、食え」
勇者「……そうか、オレいつの間にか昼寝してたんだな。嫌な夢だな……」ゴロン
魔王「夢などではないぞ。頬をつねってやろうか」
勇者「…………」
魔王「ローゼ!」
勇者「……ああああああ! なんでいるんだよ!」
魔王「折角何事もなかったように振る舞ってやっているのになんだその態度は!!」
345 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:24:11.99 ID:iYmlbJZA0
勇者「どんな神経してんだよ! 頭でも打ったんじゃねえのか!?」
魔王「ああ何度も打った! お前に殴られたからな!」
勇者「っ……」
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「…………」
魔王「……俺にはお前が必要なのだ」
勇者「うるせえ帰れ!」
魔王「昼飯は要らぬのか!?」
勇者「あー、うー……」
勇者「はあ…………」
勇者「…………帰れ……帰れよお……」ポロポロ
魔王「……お前が最も嫌がることを言ってしまって、すまなかった」
勇者(それじゃまるでオレが被害者みてえじゃねえか、馬鹿)
346 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/11/23(金) 20:24:39.80 ID:iYmlbJZA0
つづく
347 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/24(土) 07:12:10.91 ID:8a4VgBfco
待っでた
おつおつ
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/24(土) 14:06:38.68 ID:PT+caE8IO
乙乙
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/11/27(火) 06:49:44.56 ID:aW4rXjokO
勇者「…………帰れ……帰れよお……」ポロポロ
ポロポロでウサギのウンコが毎回脳裏をよぎる
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2018/11/27(火) 12:01:04.55 ID:9LQdK8SJo
漫画とかで同じ擬音が出てきてもうんこ想像しちゃうの?
かわいそう
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2018/12/22(土) 19:34:34.38 ID:24QyFUb6o
一応待ってる
352 :
◆O3m5I24fJo
[sage]:2018/12/22(土) 23:58:01.53 ID:KkedEoDm0
すみません、近い内に更新します
353 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:44:16.27 ID:xbxZRQGS0
Episode 14
勇者(鼻詰まって味わかんねえ)ガツガツ
魔王「俺は、お前と一緒にお弁当を食べるのが好きだ」
魔王「城で一人で食事をしても味気なくてな」
勇者「…………」ガツガツ
魔王「お前は心底美味そうに食べてくれるから、持ってきた甲斐がある」
勇者「…………」ガツ
勇者「…………」
勇者「……なあ」
魔王「食べ終わって早速悪いのだが、話がある」
勇者「っ」
魔王「レジスタンスのパトロンが、魔族から支援を受けていることがわかった」
魔王「潰すぞ」
勇者「!」
勇者「地獄を見せてやる」
354 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:46:03.55 ID:xbxZRQGS0
魔王「少しでも早く解決したいからな。魔術で飛ぶぞ」
大きな屋敷
シュン
魔王「ここだ」
パトロンの男「な、なんだお前達は!」
勇者「覚悟しろよな」バキボキ
パトロンの男「け、警備員! すぐに来い!」
勇者「静かにしとけ、な?」シャキン
パトロンの男「くっ」
355 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:46:29.53 ID:xbxZRQGS0
魔王「お前が魔族と取引をしていることは知っている」
魔王「ありのままを話してもらおうか」
パトロンの男「なんの話だ!」
魔王「これを見ても白を切られるか?」
パトロンの男「なんだその胡散臭い水晶玉は――!?」
――
蜥蜴男『これが約束の金だ』
パトロンの男『ふふ、ありがとうございます』
蜥蜴男『貴様の働きには感謝しているぞ。これからも勇者の行く手を阻め』
パトロンの男『はい!』
蜥蜴男『魔炎帝カルブンクルス様が支配する世となっても、貴様の命と地位の保証だけはしてやるからな』
――
勇者「映像映せるとか便利だな」
魔王「こっそり忍び込ませた部下に撮影させたのだ」
パトロンの男「ぬうううう!!」
356 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:52:55.94 ID:xbxZRQGS0
パトロンの男「仕方がないだろう! 魔王より更に強い者が人間を滅ぼそうとしているのだ!」
パトロンの男「気に入られて生き残る道を選んで何が悪い!?」
魔王「利用されるだけ利用されて捨てられるだけだぞ」
魔王「あの男は他者など道具としか思っておらぬ」
パトロンの男「うぐう……」
魔王「魔族との取引をやめ、レジスタンスに正しい情報を与えるのならば、お前の身の安全は保障してやろう」
パトロンの男「信用できるものか! カルブンクルス様より強い者などこの世にはおらぬのだぞ!?」
パトロンの男「魔王でさえもカルブンクルス様には遠く及ばないというではないか!」
魔王「うっ」
勇者「そこでダメージ受けるなよ」
357 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:53:40.68 ID:xbxZRQGS0
魔王「だが部下の強さに関してはこちらが上回っている」
パトロンの男「…………」
魔王「いざとなればこの勇者がお前を助けに現れよう」
勇者「おいオレそんな話聞いてねえぞ」
シュンッ
蜥蜴男「ほう……魔王様自らこんな所に出向かれるとは」
パトロンの男「ま、魔王だったのか!? 魔族のコスプレをしている人間かと思ったぞ」
魔王「……」
蜥蜴男「あの者達の言葉には耳を貸すな。お前を良いように利用することしか考えていないのだからな」
魔王「お前の方こそそうだろう」
358 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:54:15.34 ID:xbxZRQGS0
パトロンの男「お前のような貧弱そうな魔王の言うことなど聞くものか!」
魔王「そうか。残念だ」
勇者「なあ、いい加減あいつらぶった切っていいか?」
魔王「まあ待て。ここで彼奴等を殺めたところで、こちらの立場が悪くなるだけだ」
勇者「えーーーーーー」
魔王「…………」ボソリ
勇者(ん? 今術名唱えたか?)
蜥蜴男「退け、弱き魔王よ。……ふん、大人しくカルブンクルス様に王位を譲ればいいものを」
魔王「そちらが有利だと思っているのならば、それは間違いだぞ」
蜥蜴男「戯言を」
パトロンの男「寝言は寝て言え!」
蜥蜴男「この場で討ち滅ぼしてくれる!」
魔王「舐められたものだな」
勇者「正当防衛はしていいよな? な?」
魔王「いいぞ」
359 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:54:43.00 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「我が鞭からは逃れられんぞ!」ビュンッ
勇者「当たるかよ!」
ビュインッ
勇者「っ――!?」
魔王「気をつけろ! その鞭はただの鞭ではない!」
勇者「物理的にありえねえ動きをしてやがる!」
魔王「おそらく、魔力によって自在に操ることができるのであろう」
蜥蜴男「その通りだ」
蜥蜴男「ついでによく貼りつくぞ!」ビュン グルグル
勇者「うおっ!」
勇者「うっわなんかやらしく吸い付いてきやがる!」グニグニ
魔王「な、なんてことを」
勇者「お前には刺激が強すぎたな! うっかり勃起すんなよ! はは!」
魔王「せぬわ!!」
蜥蜴男「よく笑っていられるものだな! このまま絞め殺してくれる!」
勇者「いや風魔法ですぐ切れるしこんなの」スパスパ
蜥蜴男「なっ……!」
360 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:55:46.19 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「こうなったら――我が真の力を」
バン!
召使い「大変ですご主人! 町の住民や武装した変な連中からの問い合わせが殺到しています!」
パトロンの男「ど、どうしたというのだ」
召使い「ご主人が魔族と繋がっているとかなんとか……ひっ! 魔族!」
パトロンの男「なんだとぉ!?!?」
魔王「俺は確かに歴代の魔王に比べれば貧弱だがな」
魔王「小手先の技術に関してだけは引きを取らぬ」
蜥蜴男「何をした!?」
魔王「今までのやり取りを町中のあちらこちらに投影しているのだ」
パトロンの男「な、なんということを!!」
魔王「レジスタンスの者達は思い込みが激しく行動が過激だが、それだけ正義感も強い」
魔王「自分達が魔族に利用されていたと知れば……結果は見えているな」
ドンドンドンドンドン!
レジスタンス1「おいどういうことだ! 魔王より強い奴が人間を滅ぼそうとしてるなんて!」
レジスタンス2「俺達を騙していたのか!」
魔王「お前はもう終わりだ」
パトロンの男「よくも……よくも……!」
361 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:57:41.74 ID:xbxZRQGS0
蜥蜴男「……最早貴様に利用価値はないな」
蜥蜴男「契約は解消させてもらう」
パトロンの男「そんな……! 見捨てないでください!」
蜥蜴男「ふん」
シュンッ
勇者「あっ逃げやがった」
魔王「聞け、レジスンタンスよ!」
魔王「お前達は利用されていたのだ!」
魔王「この男に直接確かめてみるがいい!」
パトロンの男「うわあああああ!!!!」
362 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:58:23.28 ID:xbxZRQGS0
魔王「これでもう妨害に遭うこともないだろう」
勇者「暴れ足りねえー」
勇者「直接ボコってやりたかったってのに」
シュン
蜥蜴男「計画を邪魔された報復をさせてもらおう」
勇者「おっ丁度良かった。戦い足りなかったんだ」バキボキ
蜥蜴男「我が真の力を見せてやろう――!」
メキメキメキ
魔王「油断するでないぞローゼ。奴は火の五虎大将ゼストスの直属の部下」
魔王「一筋縄では倒せぬ」
蜥蜴男→恐竜男「ギャォォオオオオ!!」
勇者「なんだこれ、恐竜ってやつか?」
魔王「口からは火を噴き、爪はあらゆる物を切り裂き、鱗はどんな攻撃でも貫けぬ」
魔王「……というのが自慢の種族だ」
勇者「じゃあ自分の爪で自分の鱗攻撃したらどうなるんだよ」
魔王「矛盾しているな」
恐竜男「黙れ! 焼き尽くしてくれる!」
363 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:59:09.89 ID:xbxZRQGS0
勇者「体がでけえってことはつまり的がでけえってことだ!」
勇者「水射出砲《アクアジェット》!」
恐竜男「効かぬわ!」
勇者「うっわマジかよ」
魔王「奴はリザードマン随一の戦士。水、地、風の五虎大将以上の実力者だ」
勇者「なら剣でたたっきってやる!」
ガキイィィン
勇者「嘘だろ加護の力込めてんだぞ」
魔王「鱗の表面を魔力で強化しているようだな……この者だけの力ではない」
魔王「その首の石、カルブンクルスの力が籠められているな」
恐竜男「その通りだ! ふはははは!」
勇者(鱗はかてえし、だからといって目や口を狙えば炎を食らっちまう)
勇者(何処か脆そうなところ……ああ、あるじゃねえか)
364 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 19:59:54.76 ID:xbxZRQGS0
勇者「わかったぜ! てめえの倒し方!」
恐竜男「ほう?」
シュンッ
恐竜男「っ消えただと!?」
魔王(ほう。風の加護の力を使い、一瞬で奴の後方に回ったのか)
勇者「流石にここは脆いはずだよなあ!」グリグリグリ
恐竜男「うぐおおおおお!!」
魔王「し、尻の穴を攻撃しただと……しかもそこらへんに転がっていた枯れ木で……」
勇者「ほおーらぐーりぐーり!」
恐竜男「や゛め゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
魔王「ひどい」
魔王「……ひどい」
365 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:00:46.40 ID:xbxZRQGS0
勇者「今晩は久々にトカゲ料理だな」ジュー
魔王(……敵ながらあまりにも哀れだ)
勇者「お前も食うか?」
魔王「いや、遠慮しておこう……」
勇者「スラムじゃ肉は貴重だったからよ、よくトカゲやカエルを捕まえて食ってたんだ」
魔王「……大変だったな」
魔王「本当に魔族の肉を食らうのなら、くれぐれも生の血は口に含まぬようにな」
勇者「そういやお前の兄ちゃんの名前なんだっけ」
魔王「カルブンクルスだ」
勇者「覚えらんねえ」
魔王「カーバンクル、の方が人間には馴染みのある発音かもしれぬな」
勇者「オレの中でお前の兄ちゃんのイメージが間抜け面のウサギになっちまったんだが」
魔王「カーくんと呼べば面白いほど怒るぞ」
勇者「ははっそりゃ楽しみだな」
魔王「今日はよく戦ってくれた。俺はそろそろ城に戻る」
勇者「そうか」
シュン
勇者(あ……謝り損ねた)
勇者(……いつの間にか、すっかり元通りに喋れるようになっちまったな)
勇者「…………」
366 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:02:26.42 ID:xbxZRQGS0
数時間後
魔王「……なあ」
勇者「また来たのか。……どうしたんだよ」
魔王「その……」
勇者(……様子がおかしい)
魔王「…………」
勇者「…………」
魔王「……抱いてくれ」
勇者「はあ!?」
367 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:02:55.29 ID:xbxZRQGS0
魔王「この一週間、ずっと耐えていたのだが……今日お前と会って我慢できなくなった」
勇者「いやでもお前……」
魔王「もう、もう……俺は……」
勇者「……オレに犯されるの、嫌じゃなかったのかよ」
魔王「ショックだったし……すごく驚いたが……」
魔王「……体の方は満更でもなかった」
勇者「は……この変態!」
魔王「お前が俺をこんな体にしたのだろう!?」
勇者「そりゃそうだけど……」
勇者「……すごく、悪いことをしたと思ってる」
魔王「ならば、どうか願いを聞いてくれ」
魔王「毎晩、体が火照って眠れないのだ」
勇者「……わかったよ」
勇者(オレはもう、こいつの情けない顔なんて、見たくないのに)
368 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:03:22.47 ID:xbxZRQGS0
――
――――――――
勇者(あれ以来、昼間は以前と同じように馬鹿をやって、)
勇者(夜には体を重ねる、歪な関係が続くことになった)
勇者(……あんなことをした手前、あいつのことが好きだなんて虫の良いことは言えねえし)
勇者(あいつも、オレに気持ち悪がられるのを恐れてか、態度には出すものの言葉にはしてこない)
勇者(いつまでこんな日々が続くんだろうか)
369 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2018/12/24(月) 20:04:27.68 ID:xbxZRQGS0
続く
次回は温泉回です
370 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:01.86 ID:GxLDwBO80
Episode 15
勇者(炎の神殿くっそ遠いな……)
勇者(山は見えてんのに進んでも進んでも近づいてる気がしねえ)
勇者(風の加護の力で移動速度を上げようにも、流石に森の中じゃ危なっかしくてできねえし)
勇者「なあ魔王ー瞬間転移……」
魔王「駄目だ」
勇者「チッ」
勇者「今日はあそこの村で休むか、ガリィ」
狼「わん!」
勇者「……小さい村だってのに、えらい和気藹々としてんな」
元気な村人「おお、旅のお方! 是非この村の温泉に浸かっていきなされ!」
勇者「温泉? そりゃいいや」
勇者「この頃夜にちゃんと休めなくて疲れてんだ」
魔王「悪かったな……」
371 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:28.71 ID:GxLDwBO80
カポーン
勇者「良い湯だなー……」
魔王「ここは秘湯の村として密かに人気があるそうだな」
勇者「そりゃこんだけ良い湯が沸くんだからな」
魔王「……ここは男湯のはずなのだが」
勇者「ちんこあんのに女湯入れってのかよ」
魔王「そ、それもそうだが」
魔王「……視線は気にならぬのか?」
勇者「じろじろ見てくる奴にはガン飛ばしときゃもう見てこなくなるぞ」
魔王「そ、そうか……」
勇者「にしてもちんこと金玉がチクチクすんな」
魔王「湯に含まれる炭酸によるものだろう」
勇者「あ、そこの看板に説明書いてあんな」
勇者「この刺激に慣れりゃあ射精のコントロールも自由自在だとよ」
魔王「…………」
372 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:25:55.29 ID:GxLDwBO80
ガラ悪男「おいおいそこのねーちゃん達」
勇者「あ?」
魔王「……俺達のことか?」
ガラ悪男「なんだ、黒髪の方は男かよ。髪の毛長いから女かと思っちまった」
勇者「間違えられてやんのー」ケラケラケラ
魔王「…………」
ガラ悪男「そっちは女だろ? いけないな〜男湯に入ってきちゃ」
ガラ悪男「欲求不満なのかな? ん?」
勇者「よく見ろ! ちゃんと生えてんだぜ!」
魔王「他人に見せつけるな!」ササッ
ガラ悪男「た、確かに……でもおっぱいあんじゃねえか」
勇者「うるせえほっとけ!」
ガラ悪男「うーんやっぱり男にしては顔が可愛すぎるかな〜」
勇者「あ゛!? もっかいちんこ見せてやろうか!?」
魔王「だから見せるな!」ザバッ
ガラ悪男「うわっ……でかっ……」
勇者「こいつここだけは立派なんだよ」
魔王「見るな!!」
373 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:26:24.62 ID:GxLDwBO80
魔王「折角ぽかぽかしていたというのに……ヒヤヒヤさせられてしまった」
勇者「お前いちいち大袈裟なんだよ」
魔王「あのな……俺がどれだけお前のことを心配していると思って……」
勇者「うわっ、見ろよこのアメジストの原石。でっけえな」
魔王「鉱物の多くは熱水から析出するからな。この土地では鉱物資源が豊富なのだろう」
魔王「温泉もある意味では鉱物資源だ。湯に含まれる鉱物が治癒の力を生み出している」
勇者「詳しいなーお前」
魔王「どうやら、この近辺には他にも様々な温泉があるようだな」
勇者「オレにもそのパンフレット見せろ」
魔王「この山奥の湯に入れば魔力容量の増幅が期待できる」
勇者「明日行こうぜ」
魔王「ただし、瞬間転移や飛行生物の利用によって辿り着いても、温泉の精霊によって湯に入ることを阻まれるそうだ」
勇者「えー自分の足で行かなきゃなんねえのかよ」
魔王「強さを得るには、相応しい強さが必要というわけだな」
374 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:26:53.52 ID:GxLDwBO80
夜
勇者「あー食った食った。寝るか」
魔王「……なあ」
勇者「ヤる気満々かよ仕方ねえな」ギシ
魔王「っローゼ……ふ、くっ……」
勇者「あーなんか今日いつもより頑張れそう」
魔王「湯に浸かったことにより血行が良くなり、男性機能が向上したのだろう。ん……」
勇者「なんかお前のも普段より膨張してね?」
勇者「ムカつくからシゴいてやんねー」
魔王「そんな……うう……」ゾクゾク
勇者(やっぱこいつマゾっ気あるよな)
375 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:27:20.41 ID:GxLDwBO80
勇者「……ふう」
魔王「はあっ、はあっ……」
勇者「満足したかよ」
魔王「……ああ」
勇者「…………」
魔王「ローゼ、俺は……お前の隣にいられるのなら、女役で構わない」
勇者「……そうか」
魔王「……」ギュ
勇者(繋げられた手が熱い)
勇者(でも、心を言葉で繋げることはできない)
勇者(こいつに八つ当たりなんてしなければ……)
魔王「ローゼ……」ウトウト
勇者「…………」
376 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:27:49.33 ID:GxLDwBO80
翌朝
魔王「ううっ腰が……」
魔王(ローゼのもつ加護の力の影響だろう。節々の痛みがなかなか治らぬ……)
薬売り「ああっ、そのふらつき方は正に……」
薬売り「ちょっとそこのおにーさん!」
魔王「なんだ」ビクッ
薬売り「おにーさん、昨晩ネコちゃんやってたでしょ」ボソリ
魔王「なっ……何の話だ」
薬売り「俺わかっちゃうんだよ〜ネコちゃん特有のふらつき方」
薬売り「かくいう俺もね、お嫁さんの趣味で毎晩ネコちゃんさせられまくりでさ」
薬売り「これあげる! 俺特製の薬!」
薬売り「穴の中も含めて痛い部位にうすーく塗ったらよく効くから!」
魔王「し、しかし」
薬売り「いいのいいのお代なんて! 初回限定サービス! じゃ!」
魔王(なんだったんだ……)
377 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:28:16.25 ID:GxLDwBO80
勇者「おい、誰と喋ってたんだ」
魔王「頭から枝を生やした奇妙な男と……」
勇者「頭から枝?」
魔王「側頭部からこう、頭に巻き付くような形状で……」
勇者「人間じゃねえだろそれ」
魔王「魔族でもなかったな……」
勇者「意味わかんねえ」
魔王「……なあ、この薬を塗ってくれないか」
勇者「いいけどよ……」
378 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:28:46.45 ID:GxLDwBO80
勇者「登山つれえよ」
魔王「ふんばれ」
勇者「おんぶ」
魔王「お前の方が体力あるのを忘れてないか」
勇者「なんかお前昨晩散々ヒーヒー言ってたわりに元気じゃねえか」
魔王(薬のおかげか体が軽い)
勇者「ちくしょー」
魔王「ガリィだって自力で頑張ってるんだぞ」
勇者「うっせ」
狼「へっへっ」
ウワアアアアアアアアアアアアアアア
勇者「なんだ今の声」
魔王「行ってみるか」
379 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:29:13.18 ID:GxLDwBO80
薬売り「あああああ旅行用の体が壊れちゃうううううううう!!」
薬売り嫁「きゃああああエリウスさん!!」
勇者「イソギンチャクみてえなのが男を襲ってるぞ」
魔王「あれは水辺に住まう触手型の魔物だな」
魔王「哺乳類のオスを捕らえ、精を搾り取って自身の卵と受精させた後、捕らえたオスの腸内に卵を産みつけることで繁殖する」
勇者「だから女の方は襲われてねえのか」
魔王「あの男は今朝の……早く助けなけrうおっ」シュルッ ズルズルズルズル
魔王「ははははは放せ!!!!」
魔王「服の中に入ってくるな!!!!」
勇者「…………」
勇者「……なんでオレは襲われねえんだよ」
魔王「それは……」
勇者「どうせ種無しだよちくしょうブッ殺してやる!!!!!」
380 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:29:56.59 ID:GxLDwBO80
薬売り「いやー助かったよ」
薬売り嫁「このご恩は忘れません」
魔王「ぜー……ぜー……」
勇者「なんで頭から枝生やしてんだ」
薬売り「これ? 本体」
勇者「は?」
魔王「深く気にするな。……恐らく異界の神仏の類だ」ボソボソ
勇者「はぁ?」
薬売り「ねねねお兄さん、さっきの薬よく効いてるでしょ」
魔王「…………」
勇者「じゃあオレ達行くから」
薬売り「あああちょっと待って! 行く方向同じなら同行させて! お礼はするから!」
勇者「別にいいけどよ」
薬売り「昼飯作るよ」
薬売り嫁「彼が作る料理はとてもおいしいんですよ」
勇者「メシ……」ジュルリ
381 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:30:22.46 ID:GxLDwBO80
昼
薬売り「ほらどうだ」
勇者「うわっやべえ」ガツガツ
魔王「……うちの城で雇いたいくらいの腕前だな」
狼「♪」ガツガツ
薬売り「デザートはフキノトウアイスな」
勇者「前食ったフキノトウのソフトクリームと同じような味だな」
魔王「情熱の町だったな」
薬売り「ああ、それ俺が店主にレシピ教えたんだよ」
薬売り嫁「それにしても……」
スライム「…………」ウニョウニョ
触手「…………」クネクネ
薬売り嫁「いやらしい魔物が多くて困りますね」
魔王「この辺りは温泉に浸かって無防備になる人間や動物が多いため、生息数が多いのだろう」
薬売り嫁「気をつけてくださいね、あなたは犯され体質なんですから」
薬売り「うん……」
382 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:31:11.04 ID:GxLDwBO80
勇者「お前らはどんな温泉目当てで来たんだ」
薬売り「それはそのぉ……」
薬売り嫁「一晩中元気でいられるようになる湯があると聞いたものですから♪」
薬売り「やだもー恥ずかしいー!」
勇者「…………」
魔王「……俺達が目指している温泉のすぐ隣のようだな」
ズゴゴゴゴゴゴゴ
勇者「なんだこの音」
魔王「!」
魔王「まずいな。まさかこんな所に生息しているとは……」
勇者「うっわ、でっけースライム」
魔王「男女構わず犯し尽くし繁殖のための道具とする魔物だ」
魔王「薄い本ではよく登場するのだが、実際に見るのは初めてだな」
魔王「無数の触手を伸ばして得物を捕らえる他、体の一部を球状に飛ばすことでも得物を追いかける」
383 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:32:01.63 ID:GxLDwBO80
魔王(この俺がいても近寄ってくるとは、余程餓えているのかそれとも生殖本能しか残っておらぬのか)
勇者「来るぞ!」
魔王「あの球に呑まれるでないぞ!」
勇者「くそっ、攻撃全然効かねえ」
魔王「何処かに核があるはずだ!」
シュルルッ
薬売り「いやーん!!」
薬売り嫁「六花の守護風《アドバーススノーストーム》!」
カチコチ
勇者「あ、凍らせればいいのか」
シュルッ
狼「――!」
勇者「ガリィ!!」バッ
勇者(やべっ捕まった)
魔王「ローゼ!」
巨大スライム「……」触手ウネウネ
勇者「うおああああ! やめろ! やめっんぐううう!」
勇者(動けねえ! 魔術を使おうにも集中が)
狼「バウワウ!! バウ!!」
384 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:32:46.33 ID:GxLDwBO80
勇者「変なとこっ触んなっ! あっ」ビクウッ
勇者「動きがやらしいんだよちくしょおおおおお!」ジタバタ
勇者「えっちょっ、そこ駄目だろ! 這入ってくんな!」
魔王「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
魔王「――絶対零度《アブソリュート・ゼロ》!」
巨大スライム「キシャアアアアアアアアアア!!」
カチコチバキゴキ
薬売り「すげー、9割方凍った」
魔王「大丈夫か!?」
勇者「……なんとか」
勇者(危うくモンスター相手に非処女にされるところだった……)
魔王「核は逃げたか……まあ当分人を襲うことはできまい」
385 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:33:12.43 ID:GxLDwBO80
狼「くぅーん……」
勇者「落ち込まなくていいからな」
狼「…………」トボトボ
魔王「己の力不足を嘆いているようだな」
勇者「おー、温泉が見えてきたぞ」
魔王「精霊の力で魔物は寄ってこないようだが……一応結界を張っておくか」
勇者「おっしゃー」ヌギヌギ
魔王「ちょっと待て人の目を気にしろそしてこれを着ろ!」
勇者「水着なんていつの間に用意してたんだよ」
勇者「女物……まあいいか……どうせオレは女だしよ……」
魔王「そう拗ねるな……」
386 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:33:40.83 ID:GxLDwBO80
薬売り「湯に浸かりながら飲むフキノトウ酒は格別だな」
薬売り嫁「おかわり、注ぎますよ」
勇者「なあ、そっちの温泉効果ありそうかー?」
薬売り「なんかめっちゃ頑張れそうー!」
勇者「後であっちにも入りに行くか。この頃体力の消費量が増えて参ってたしよ」
魔王「……悪かったな」
勇者「ガリィにもかけ湯してやるからな」ジャバア
狼「♪」
狼「……!!」
狼「ワオオオォォォォォン!!」
ボォォォォォ!!
勇者「……なあ、今ガリィが口から突風を噴いたんだが」
魔王「湯がどう作用したのか、魔術を扱えるようになったようだな」
魔王「今のは魔狼がよく使う技だ」
勇者「よかったなガリィ!」
狼「♪」
387 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:34:12.24 ID:GxLDwBO80
薬売り「ねねね、お二人さんは付き合ってるの?」
勇者「ちげえよ」
魔王「即答されると傷つくんだが」
薬売り「ふうん?」
薬売り嫁「あんまり若者をからかっちゃ駄目ですよ」
勇者(そっちもどう見ても若者じゃねえか)
薬売り「そういや、まだちゃんと名乗ってなかったな」
薬売り「俺はエル=イウス。旅の薬売りだ。こっちはお嫁さんのスファエラ」
薬売り嫁「ふふ」ニコニコ
勇者「そういやお前名前何だっけ」
魔王「……グランだ」
勇者「オレは……男だったら、ローゼライト。女だったら、ローゼマリア」
勇者「結局オレの性別は女らしいから、ローゼマリアだ」
薬売り「ローズマリーっぽい響きだな」
勇者「親がもじったらしい」
388 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:34:52.60 ID:GxLDwBO80
薬売り「ローズマリー――Rosmarinus(ロス・マリヌス)。海の滴」
薬売り「花言葉は『変わらぬ愛』そして『あなたは私を蘇らせる』。ロマンチックな名前だ」
薬売り「ちなみにバラや聖母マリアとは何も関係がない」
勇者「ふーん」
薬売り「結局……ってことは、性別に関して色々あったの?」
薬売り「つっても普通の女の子よりも水着がもっこりしてるのさっき見えちゃったんだけどね」
勇者「わかってんなら訊くなよ」
勇者「……どうせお前も好奇の目でオレを見てんだろ」
薬売り「そんなことないけど」
勇者「じゃあなんだ? 同情でもするつもりか? 冗談じゃねえ」
勇者「憐れまれるのも迫害されるのももう二度とごめんだ」
勇者「……こんな体じゃ、まともな人生送れねえことくらいわかってるけどよ」
薬売り「え、俺の妹両性具有だったけど普通に結婚して普通に幸せになってたよ」
勇者「は?」
389 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:35:41.55 ID:GxLDwBO80
薬売り「しかもきょうだいの中で一番長生きした。毎日楽しそうだったな」
薬売り「もう五千年も前になるのか。懐かしいな……」
薬売り「この世界のことじゃないからあんまり参考にならないかもしれないけどさ」
勇者「……?」
薬売り嫁「エリウスさん、話についていけていらっしゃらないようですよ」
薬売り「あ、いっけね」
薬売り「まあとにかく、そんなに自分の体のことコンプレックスに思わなくていいんだよ」
勇者「…………」
薬売り「理解があって、傍にいてくれる相手がいるなら猶更だ」
390 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:36:11.98 ID:GxLDwBO80
勇者「今夜はここで野宿か」
魔王「テントを張るぞ」
勇者「えらく準備が良いなお前」
薬売り嫁「エリウスさん、私達はあちらへ」
薬売り(何時間青姦することになるだろう)
魔王「なあ、ローゼ」
魔王「俺は、お前の体の性別がどうであれ、心の性別がどうであれ……」
勇者「……」zzz
魔王「あのな」
勇者(……そんな言葉、まともに聞けるかっつの)
勇者(こいつがオレのことを許してても、オレはまだ自分ことを許せてねえんだ)
勇者(そもそもこいつ攫われたお姫様のことを愛してるっつってたじゃねえか!)
勇者(どうせ、どうせオレなんて……)
魔王「寝るふりをするな。ほら、星が綺麗だぞ」
勇者「ん……」
391 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:36:58.09 ID:GxLDwBO80
勇者「……ムラムラしてきた」
魔王「……俺もだ」
勇者「ヤるかあ、一晩中」
勇者(いつもより、少しだけ心が軽い)
魔王(それにしても、この地は淫の気に満ちているな)
魔王(淫魔が好む土地が各地に存在すると聞いたことがあるが、ここはその1つかもしれぬ)
――魔王様――
魔王(この声は……)
――聞こえる? 魔王様……――
魔王(何処かで聞いた声だ)
――ふふ。ふふふふふ!――
392 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/01/03(木) 21:37:52.88 ID:GxLDwBO80
つづく
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/01/05(土) 05:12:47.00 ID:+T0tRnwbO
おつ
世界線繋がっていたのか
あれ?でも魔王に関しては確かさくらんぼ騎士だったか勇者(5000年前)だったかが完全に封印したんじゃなかった?
別の魔族が魔王を名乗ってるとかそういうやつ?
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/01/05(土) 09:54:18.32 ID:T9/VeSFyo
この世界のことじゃないってエリウスが言ってるから繋がってないよ
395 :
◆O3m5I24fJo
[sage]:2019/03/04(月) 00:33:52.90 ID:KtP/2SVP0
更新滞っててすみません、更新の意思はあります
もう少々お待ちください
世界は前作とは別です(エリウス君夫婦は暇を持て余して異世界旅行してるだけ
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 01:13:06.42 ID:fBG12OWzO
報告乙です
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/04(月) 06:07:26.34 ID:D9VX7CDVO
異世界旅行って半端なくパワーアップしてるやんか
398 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:53:22.21 ID:apGiw0Rt0
Episode 16
魔王「……調べねばならないことができた」
勇者「なんだよそれ」
魔王「確証を得たら話そう。俺は城に戻る」
勇者「……そうか」
炎の神殿
勇者(あいつは神妙な顔をして家に帰った。それ以来姿を見せねえ)
勇者(よってオレは1人で炎の神殿を攻略しなければならない)
勇者(……心許ないって正直思っちまうけど、本当は魔王の力なんて借りずにこなさきゃいけねえんだもんな)
勇者(こんなことなら仲間を……いや、ガリィとあいつ以外の仲間がいたって煩わしいだけか)
399 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:53:50.05 ID:apGiw0Rt0
勇者(モンスターはいるが、上級魔族の気配が全くねえ。不気味なくれえだ)
勇者(水の加護のおかげですいすい進むな。暑さも術で軽減できる)
勇者(……と思ったら謎解きだ)
勇者(ああーちくしょーこんなもん力でぶっ飛ばしてえー!!)
勇者(灯台が8つ並んでいる)
勇者(火を付けたら、たくさんあるブロックの内特定のものが連動して動く仕組みみてえだ)
勇者(んで、最終的にあそこにあるスイッチをブロックで押せと)
勇者(こういうのあいつ得意なのにな……なんとか自力でやるか)
一時間後
勇者(やっと解けた。疲れた……)
400 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:55:28.11 ID:apGiw0Rt0
炎の大精霊「この我を打ち倒してみよ!」
勇者(めっちゃメラメラ燃えてやがる)
勇者(水の加護があるからって油断したら負けちまうな)
勇者「渦巻く波《ファーリング・ウェイブス》!」
炎の大精霊「この手程度の水では我を倒すことなど不可能!」
勇者「くそっ」
炎の大精霊「こちらからもいくぞ!」
勇者(でかいのが来る!)
勇者「大地の壁《アース・ウォール》!」
ピシピシ
勇者(嘘だろ……気を抜けば壁が破られる!)
401 :
◆O3m5I24fJo
[saga]:2019/03/07(木) 23:58:33.10 ID:apGiw0Rt0
勇者(火力が強すぎて水が大して効かねえ)
勇者(地属性の攻撃をしても強力すぎる炎に焼かれて威力が大幅に落ちるだろう。風は余計炎を大きくしかねない)
勇者(ちくしょう、どうすれば……)
勇者(炎の大精霊はパッと見た感じパワー型だからこっちもパワーで押せたらと思ったが、こっちの火力が足りなすぎる)
炎の大精霊「どうした。どうやら今度の勇者は知恵が足りぬようだな」
勇者(知恵……)
勇者(そういや、この部屋、妙に風通しがいいな。たくさんの穴から風が吹き込んでいる)
勇者(多分、精霊自身の力だけじゃなく、空気を使って炎を燃やしてるのかもしれねえな)
勇者(……よし)
勇者「四散する風《ディスパース》!」
ビュオオオオオオオオ!
277.12 KB
Speed:0.1
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報R
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
スポンサードリンク
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2026/05/10 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)