肇「フォークソングライン(ピーターパンと敗残兵)」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 17:57:29.99 ID:kQL/W8rg0
地の文
アイドル視点・P視点でもなく、ある男の視点からです
なので不愉快に思ったり、不快感を感じる可能性もあります
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 17:58:15.50 ID:kQL/W8rg0
いつも通り教室に入ると、男子がとある男子の机に集まっていた。
 俺は背負っていたリュックを机に置き、その集団に加わった。
「おーす。なに集まってんだ」
「おー。コレ見ろよ」
 そう言って、座っていた奴が雑誌を差し出してきた。
 俺はそれを受け取ると、雑誌の表紙をまじまじと見る。
「ヤンデレか」
 ヤンデレ。正式名称は週間ヤングシンデレラ。
 実写化やアニメ化された作品が、多数連載されている人気マンガ雑誌。
 そして、男子高校生にとってマンガと同等に、巻頭グラビアも楽しみの一つ。
 今週は誰だろうと楽しみに見ると、自分の目を疑った。
 見慣れた幼馴染が表紙を飾っていた。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 17:59:12.94 ID:kQL/W8rg0
 俺は幼馴染の横に書かれた彼女の名前を確認する。
 そこには、藤原肇と書かれていた。
 俺は再び、表紙を飾っている彼女を見た。
 黒い長い髪。白磁器の様に白い肌。パッチリとした瞳。少しぷっくりとした唇。
 子供の頃からずっと横にいた彼女だ。
「マジかよ」
 俺は、慌ててページをめくる。
 数ページにわたって、色んな幼馴染が写っていた。
 昔から変わらない少しぎこちない笑顔。見たことのないすました顔。真剣なまなざしで轆轤を回す彼女。
 他にも諸々。
 そして、最後のページには黒色のビキニを着て、見たことのない挑発的な顔をした彼女がいた。
 俺は挑発的な彼女に目を奪われてしまった。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 17:59:44.78 ID:kQL/W8rg0
「オマエ知ってた」
 無言で首を横に振り、雑誌を返した。
「そっか。俺もいつも通り取ったらおどろいたわ」
「俺にも見せて」
「あいよ」
 後から輪に加わった奴に雑誌が渡された。
「まじでアイドルやってんだな」
「そりゃな」
 俺はテキトウに相槌をうった。
「オマエは連絡取ってんの」
「一応、な」
「まじかよ。アイドルと連絡取り合うってマジあこがれんだけど」
「そっか」
「そっか。じゃねぇよ。全国の男子高校生が憧れてることだぞ」
 まるで狂犬のように噛み付いてきた。
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:00:54.57 ID:kQL/W8rg0
「って言われても、肇とはガキの時から一緒だったし」
「それが羨ましいんだよ。ナチュラルに『肇』呼びしやがって」
「お前らだって、高校途中まで同じ学校だったんだから、いいじゃねえか」
「そりゃあそうだが、オマエという幼馴染がいたせいで何ともいえねえんだよ」
「しらねえよ」
「この贅沢者が。んで、ところで最近どんなやりとりした」
 狂犬からうって変わって、ゴマをする取り巻きの様に言ってきた。「特に話すことないぞ。元気にしてる?。とか、東京についてとか、他のアイドルの話とかしか」
「あるじゃねぇか。他のアイドルの話ってどんなんだ」
 俺はいつの間にかクラスの男子に囲まれていた。
 一種の恐怖を感じる。
 俺は掻い摘んで肇から聞いた話題を話した。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:02:00.87 ID:kQL/W8rg0
「まじでか。いい話聞かせてもらったわ」
 話し終わると、野郎どもは満足そうな表情をしていた。
「おら、てめーら席につけ」
 教室に担任が入ってくるとほぼ同時に、チャイムが鳴り響き各々の席に戻った。
 担任は教卓に立つと、いつもと同じように、出席をとり
 関係有るのかわからない連絡事項を読み上げ、朝のホームルームが終わった。
 そして、授業が始まる。毎日同じ事の繰り返し。
 そして、最後の六間目の授業のチャイムが鳴り響き、学校が終わった。
「帰ろうぜ」
 友達が声をかけてきた。
「あぁ」
 生返事を返して俺は教室を見回し、ある人影を探す。
 授業中とうって変わって、教室の中は華やいでいる。
 けれど肝心の探し人の姿はない。
「どうした」
 友達が不思議そうに尋ねてきた。
「なんでもない」
 俺は立ち上がってから、机にかけていたリュックを背負った。
「帰るか」
「そだべ」
 俺達は教室を出た。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:03:08.26 ID:kQL/W8rg0
 廊下に出てから俺は教室を見回す。肇の姿はない。あたりまえだ。
 東京にいるのだから。
「なにしてんだ」
 友達が声をかけてきた。
「いや、なんでもない」
 俺は、何もなかった素振りで友達の横を歩く。
「マジで、藤原さんアイドルなんだな」
 ヤンデレを見ながら友達が感慨ぶさげに言った。
「だな」
「何度か違う雑誌とか、TVとかで見かけるけど、不思議でな」
「そうだな」
「ほんの半年ちょっと前まで同じ空間にいたなんて信じられん」
「あぁ」
「どうした、今日はやけに上の空だな」
 友達が心配そうに言ってくる。
「いつもと変わらんが」
 いつの間にか下駄箱についていた。
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:03:38.97 ID:kQL/W8rg0
「ぜってぇ。嘘だ」
「嘘ってなんだよ」
 笑いながら言った。上履きと上靴を交換する。
「だって、いつもならもうちょい元気だろ」
「もうちょい元気ってなんだよ」
 俺達は上靴を履いた。
「つうか、俺ってそこまで元気じゃないの」
「わからん」
「わからねぇのかよ」
 友達の頭を笑いながらはたいた。
 はたかれながらも友達も笑った。
「いやー、でもほんと凄いわ」
「なにが」
「そりゃあ、藤原さんだろ」
 それ以外何が有るんだと言わんばかりに、呆けた顔をしていた。
「わかるか」
 もう一度頭を軽くはたいた。
「いってぇ」
 はたいていない場所を摩りながら言った。
「痛かねぇだろ」
「ホントだ」
 けろっとした顔で言う。
「大丈夫か、あ・た・ま」
「おう、だいじょばない」
「どっちだ」
 俺達は顔を見合してから、笑った。
「とっとと帰るか」
「だな」
 駐輪場に向かう。そして、自転車に乗り学校を出た。
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:04:08.51 ID:kQL/W8rg0
「なあなあ」
 友達が軽い口調で言ってきた。
「なんだ」
「オマエ藤原さんと、そのー、ドコまでいったの」
「どこまでって何が」
 友達の言っている意味が分からない。
「そりゃぁ、あれだ、あれ」
 歯切れが悪すぎる。
「あれってだからなんだ」
 少し苛立った言葉をぶつけた。
「あれはあれだよ。ほら、そのー」
 友は少し言いよどんでから
「ちゅーしたとか、手ーつないだとか。セックスしたかとかだよ」
 恥ずかしげもなく言った。
 俺はその言葉を聞き、慌ててブレーキをかけて止まってしまった。
「なっ、何言ってんだ急に」
 自分自身でも顔が赤くなっているのが分かるほど、顔が熱い。
「ま、まさか」
 少し先に止まった友達が、少し顔を青ざめて言った。
「し、してねーよ」
 大声で否定した。
「ホントか」
「ウソ言ってどうすんだ。くだらいことで」
「くだらないって」
 憤慨だと言わんばかりな目で俺を見た。
「ホントだ、ホント」
 相変わらず俺の目を見てくる。
 野郎とこんなに視線を合わしたくはない。
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:05:13.06 ID:kQL/W8rg0
「よし」
 俺の言葉を信じたのか、それとも俺の目を信じたのか、友達は納得した表情をして
「嘘は言ってなさそうだな」と言った。
「なんだよ、オマエ」
「なんだっていいだろ。大事な事なんだから」
「意味わかんねぇよ」
「わかれよ」
 納得できないが、これ以上突っ込む気もない。
 俺は再び自転車を漕ぎ出した。
「待てよ」
 慌てながら追いかけてきた。そして、横に並ぶ。
「ホントに何も無かったんだな」
「ねぇよ」
「てことは、オマエまだ童貞」
 何も答えれない。
 ニヤニヤと俺を見てきて、笑った。
「オメェも童貞だろ」
「うっせ」
 周りは田んぼしかない。かなり昔に舗装されてから、直されていないガタガタの道を
 男二人無言で隣合って自転車を漕ぐ。
 甘酸っぱい青春から遠い、泥臭さ。
 空では鳶が悠然と飛んでいる。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:05:39.30 ID:kQL/W8rg0
「セックスしてー」
 突然、隣にいた奴が叫んだ。
 俺は驚き隣を見た。
 顔を赤くし、生暖かい気持ち悪い笑顔で俺を見る。
「なんだよ」
「オマエも叫べよ」
「なんでだよ」
「いいから」
 なにがいいから、だ。俺は。
 ヤンデレのグラビアを飾った肇が頭をよぎる。
 俺は。
 振り払うように、俺は力強くペダルを踏む。
 昔から変わらない少しぎこちない笑顔。見たことのないすました顔。
 真剣なまなざしで轆轤を回す肇を振りほどく様に、自転車のスピードが上がる。
 けれど、水着を着て、挑発的な表情をとる肇を振りほどけない。
 肇は俺を挑発してくる。
 俺も。
 勢いよく踏む。
「俺もセックスしてーーーーよっ」
 何も遮るもののない空に向かって叫んだ。
 自転車を漕ぐことを止めた。惰性で自転車は進んでいく。
 肇は俺をあざ笑うように、まだ挑発的な表情をしていた。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:06:15.90 ID:kQL/W8rg0
自転車は徐々に勢いをなくし、最終的には止まってしまった。
 少ししてから、隣に自転車が止まる。
 俺はそれを無視した。
「これやるよ」
 隣に来た奴が、自転車のカゴにヤンデレを投げ入れた。
 肇と目が合う。
「安心しろ、ズリネタに使ってないから。じゃーな」
 そう笑い残して、去っていった。
「んだよ」
 肇から目を逸らして言った。
 そして、ゆっくりとペダルを漕ぐ。
 ゆっくりと自転車は進む。
 カゴに投げ込まれたヤンデレを取った。
 また、肇と目が合う。
 俺は、目を逸らしページをめくった。
 昔から変わらない少しぎこちない笑顔。見たことのないすました顔。
 真剣なまなざしで轆轤を回す彼女。様々な肇に合う。
 そして、挑発的な肇と目が合う。
「肇。オマエかわったな」
 俺の問いかけに肇は何も答えない。
 雑誌を閉じ、しっかりと前をみた。
 青々しい山々。雲ひとつない青い空。風に穂を揺らす田んぼ。
 変わらない光景。
 そして、いままで繰り広げたくだらないやりとり。
 これが俺の日常。
 肇がいなくてっも変わらない日常。
 ただ、肇がいないだけ。
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:06:48.38 ID:kQL/W8rg0
「ただいま」
 あれから後は何もなく無事に家に着いた。
 けれど、家の中からは誰の返事も返ってこない。
「かーさん」
 台所に母親の姿がない。
「ばーちゃん」
 居間にばーちゃんの姿もない。
 取り合えす荷物を部屋に投げ入れてから家の中を探した。
「ドコいったんだ」
 頭をかきながら、台所に戻り冷蔵庫から、麦茶を取り出しコップに注ぐ。
 そして、離れにあるじーちゃんの作業場に向かった。
「じーちゃん」
 作業場に入るとじーちゃんが真剣な面持ちで、轆轤を回している。
 話しかけるのを止め、じーちゃんの手の動きをしっかりと見る。
 流れるように大きい鉢を成型させていく。
 そして、轆轤は徐々に遅くなり、止まった。
 鉢を轆轤から持ち上げると、乾燥させる棚の空いている場所に置き、一息履き捨てた。
 それを見計らって「ただいま」と声をかけた。
 祖父は俺の方を向くと「おかえり」とやさしい声をかけてきた。
「かーさんとばーちゃんは」
 不在の二人の行き先をとりあえず聞いた。
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:07:25.42 ID:kQL/W8rg0
「母さんとばあさんか。二人なら藤原のところにいってるぞ」
「肇の」
「そうだ」
 祖父の言葉に疑問符が浮かぶ。それを見てか
「肇ちゃんのことで、どうだこうだって言ってたな」
 なぜか思春期の男のように、恥ずかしそうに言った。
「なんでまた」
「そりゃあ」
 恥ずかしそうに言いよどむ。
 それを見て「まぁ、いいや」と言って作業場を後にした。
 部屋戻り、汚れていい格好に着替えてからまた直ぐに作業場に戻った。そして轆轤の前に座った。
 土に触ると安心する。
 一心不乱に轆轤を回した。
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:07:56.78 ID:kQL/W8rg0
「ふー」
 上手くできた、かな。そりゃじーちゃんや肇のじーちゃんに比べたらダメ。けど上手くできた箇所と悪かった箇所。その両方をじーちゃんのと比べて良かった所を更に良くし、悪かった所を直していく。ただそれだけ。
 けどそれだけが難しい。たぶん死ぬまで勉強なんだろう。
 じーちゃん達が口癖の様に言ってる言葉。
「どうだ」
「うわっ」
 作品とにらめっこしていたら突然後ろから、じーちゃんが声をかけてきた。俺は驚き後ろを見た。
「驚くことないだろ」
 じーちゃんは呆れるように言ってきた。
「突然後ろから声をかけれれれば驚くよ」
「そうか。ところでどうだ」
 俺は自分自身で思った良かった所と悪かった所を言った。そして自分が思いついた改善点を説明した。
「ふむ」
 じーちゃんは俺が作ったばかりの作品を見てきた。そして何点かアドバイスをくれた。
 じーちゃんのアドバイスと、自分で思いついた改善点を擦り合わせ、もう一度轆轤と向き合った。
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:08:24.23 ID:kQL/W8rg0
 さっきより良くなった気がする。
 じーちゃんに再度アドバイスを貰おうとしたが、じーちゃんは轆轤と向かい合っている。
 じーちゃんの指先を食い入るように眺めた。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:09:50.39 ID:kQL/W8rg0
「そろそろご飯よー」
 いつの間にか帰っていた、かーさんが工房にやってきた。
 もうそんな時間。俺は時計を見た。いつの間にか夜の7時を過ぎていた。
「おおそうか。なら今日は終いだな」
 じーちゃんは体を伸ばしてから片付けを始めた。
 俺も片付けを開始した。

 片付けが終わり、じーちゃんと俺は着替え台所へ向かった。
 台所につくと既に妹が椅子に座っており、テーブルの上には晩御飯が並んでいる。
「とーさんは」
「今日は取引先の社長さんと食べてくるって」
「へー」
 俺は自分の席に座った。そして全員座った事を確認してから全員で「いただきます」と言って食べ始めた。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:10:37.15 ID:kQL/W8rg0
「あっ、そうそうアンタ」
 ご飯を食べているとかーさんが問いかけてきた。
「なに」
「アンタは見たの」
「ナニが」
「ほら、やん・・・デレだっけ。漫画雑誌のグラビア」
 グラビア。
 一瞬だけ頭にハテナマークが浮かんだが、直ぐに白い水着を着て挑発的な表情をとる肇の姿を思い出してしまった。
 俺は頭を振りほどき肇を消そうとした。けれど肇は消えない。
 それどころか頭の中で、様々なグラビアのポーズをして俺を挑発してくる。
「あら、やっぱり」
 ナニかを察したのかかーさんは笑うように言ってきた。
「おかーさん。一体なんの話」
 何も知らない妹が割って入ってきた。助かった。と一瞬思ったが流れ的には助かっていない。
 かーさんはニヤニヤと俺を見てくる。
 ほれ、アンタが説明しなさい。そう目が言ってくる。
 俺はため息を吐き捨ててから「肇がヤンデレのグラビアを飾っただけ」とぶっきっらぼうに言った。
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:11:25.41 ID:kQL/W8rg0
「うっそ。マジ」
「まじ」
「ホントにホント」
「本当に本当。こんなくだらない嘘言ってどうすんだ」
「ねっねっ。おニイ」
 妹がニヤニヤと俺を見てくる。そして「どうだった」と道端て下世話な話をするおばさま連中のように言ってきた。
 俺は妹を無視してご飯を頬張った。
 お米うまいなー。
「もー。おニイつれないなー」
「つれないなって言われてもなー。ただのクラビアだからな」
「えー。全然違うでしょー」
「ナニが違うんが」
「だって肇姉だよ」
「それが」
「それがって、幼馴染がアイドルでしかもグラビアだよ」
「そう言われてもな。だって肇のグラビアってか写真嫌ってほど見たからな。
 この前だって、さぎ・・・。なんとかとのユニットでのグラビアだってあったし」
「鷺沢文香さん。ユニット名は月下氷姫」
「そう。それそれ。んで、テレビで[紅葉ゆらめく♪ くつろぎ温泉]なんてもんもあったし」
「おニイ」
 俺を呼ぶ妹の声が引いている気がした。
「なんだよ」
「なんだかんだ言って肇姉のこと気にしてんじゃん」
 このこのー。と茶化すように言ってきた。
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:11:52.51 ID:kQL/W8rg0
 母親が温かい目で見てくる。
「なんだよ。ニタニタとしまらないうすわらいなんかうかべて…。仕方ないだろ。
 俺が気にしなくっても勝手に向こうから情報が入ってくんだから」
 俺はため息を吐き捨ててから口を言った。
「どーゆうこと」
 妹が首をかしげなから言ってきた。
「どーゆうって。クラスメイトの奴らが肇が載った雑誌や出たテレビの話を逐一俺に報告してくんだよ。
 今日のヤンデレだって学校着いてからクラスメイトの奴に渡されて初めて知ったし
 結局ヤンデレだって無理やり持って帰らされたし」
「うそ。持ってんの。見せて見せて」
 妹が食い気味で言ってきた。
「後でな。ごちそうさま」
 俺はご飯の残りをかっこみ、台所からさっさと退散した。
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:12:56.98 ID:kQL/W8rg0
 部屋に戻ると、ベットに。枕に倒れ込んだ。
 肇がグラビアを飾ったヤンデレが目に入った。
 帰ってきてベットに投げたんだった。
 手を伸ばしヤンデレを取った。
 見慣れた幼馴染が表紙を飾っていた。
 俺は幼馴染の横に書かれた彼女の名前を確認する。
 そこには、藤原肇と書かれていた。
 何度見ても変わることはない。
 数ページにわたって、色んな幼馴染が写っている。
 昔から変わらない少しぎこちない笑顔。見たことのないすました顔。
 真剣なまなざしで轆轤を回す彼女。
 他にも諸々。
 そして、最後のページには黒色のビキニを着て、見たことのない挑発的な顔をした彼女がいた。
 俺は無意識にページを捲っていた。
 学校で見たグラビアなのに、広角が薄っすらと上がり、キミは変わらないね。
 幼馴染は笑うように俺を挑発してくる。
「あぁーーーー」
 俺はヤンデレを。肇を投げ捨て天井を眺めた。
 見慣れた天井。それなのにやけに天井が低く感じる。今にも届きそうな天井に手を伸ばしたが天井には届かない。
 必死に伸ばしたところで天井の高さが変わるわけがない。届かないものは届かない。
「なーにやってんだか」
 素に戻った俺は簡単に諦めてしまった。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:13:24.34 ID:kQL/W8rg0
「おニイ」
 声と共にドアが開き妹が部屋に入ってきた。ノックの音がしなかった。
「ノックぐらいしろよ」
「ノックしたよー。ところで肇姉は」
「肇?」
「そそ」
 一瞬なんのことかわからなかったが、投げ捨てたヤンデレの存在を思い出した。
 どこに投げ捨てたんだっけ。あたりを見渡したら、ヤンデレは枕元に転がっていた。
 ヤンデレを手に取り妹に渡した。
「サンキュ」
 妹はヤンデレを受け取ると、何食わぬ顔で俺のベットに横になり、そのまま読み始めた。
「自分の部屋で見ろよ」
「えー。別にいいじゃん。返しに来んの面倒だし、それに私マンガには興味ないし」
 そうですか。俺はいろいろと面倒臭くなり本棚からテキトウにマンガを取り読み始めた。
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:13:51.25 ID:kQL/W8rg0
 マンガを読んでいると「ねね」と妹が声をかけてきた。
「なんだ」
「なんか凄いね」
「ナニがだ」
「肇姉」
「そうか」
「そうだよ。だってこんな格好で写真撮られるんだよ」
「それがアイドルの仕事だろ」
「そうだけど、私にはムリ」
「そうだろうなー。お前ちんちくりんだもんな」
「うっさい」
 妹の声と同時に、俺の背中に叩かれるような痛みが走った。
「いってーな」
 後ろを振り向くと妹が睨んできていた。
「おニイのばーか。あーあ。こんなおニイなんかより、肇姉のようなお姉ちゃんが欲しかったなー」
 白々しい言い方。
「なんだよ」
「なーんでも。ところでおニイって肇姉のこと好きだったの」
 唐突すぎる。ナニ考えてんのわかんねえよ、この妹。
 俺は冷静を装って「なんだよ急に」と言ってみた。
 妹がジロジロと俺を見てくる。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:14:48.70 ID:kQL/W8rg0
「な、なんだよ」
 妹は「はぁ」っと露骨にため息を吐き捨てた。
「だからなんだよ」
「いや。こんな男、肇姉が相手するわけ無いかなって」
「お前しばくぞ」
「だって本当のことじゃん。今話題のアイドルと、こんな平凡な。
 ただの幼馴染ってだけの男が釣り合うわけ無いじゃん」
「うっせえな。てかアイドルって恋愛禁止なんだろ」
「そうだけ、いつまでも肇姉がアイドルしていくわけ無いじゃん。
 まぁ、志乃さんや礼子さん。しゅがはちゃんにマリナルと美優ちゃん。
 それに川島さんみたいな大人なアイドルも居るけどさ。
 だけどさ、いつまでも子供じゃないんだよ」
 そんなこと言われなくってもわかっている。いつか肇はアイドルの舞台から降りる。
 そのまま女優として華やかな世界で生きてくかもしれないけど。
 けどいつの日かアイドル藤原肇の終わりの日が来る。華やかな世界にいた肇の周りには沢山の男がいる。はず。
 その時俺は・・・。
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:15:31.51 ID:kQL/W8rg0
「あっ、そうそう。お母さんがお風呂入ってだって」
 考え込んでいた俺に妹が唐突に話しかけてきた。どれ位考え込んでいたんだ。
 俺は部屋の時計を見た。けど時計を見たところで前の時間を覚えていないから意味がない。
 ただ八時を過ぎてしまったことしかわからなかった。
「ありがと」
 妹が肇のグラビアを。ヤンデレを渡してきた。
「肇姉、すっごく綺麗だった。それに最後の挑発するような写真なんて
 今まで見たことのない肇姉で女の私ですらドキってしちゃった」
 妹はそう言い残し部屋から去っていった。
 部屋に残された俺はヤンデレを広げた。
 黒色のビキニを着て、もう見慣れてしまった挑発的な顔をした幼馴染が。肇がいた。
 俺は肇から逃げるようにページを閉じ、風呂へ逃げた。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:17:27.59 ID:kQL/W8rg0
あー。いい湯だった」
 風呂から戻ると直ぐにベットに倒れた。
 倒れた先に肇が居る。
 ヤンデレを手に取り、肇を見ないようにマンガだけを読んだ。
「テンドウジはやっぱ面白いな」
 俺は再びヤンデレをテキトウに投げ捨て、天井を眺めた。
 今度はやけに天井が高く感じる。
 腕を腕を伸ばしたところで届きそうにない。
 天井に手を伸ばすのを諦め、手を引っ込めた。手になにかが当たった。
 なんだろうと硬いものを取るとそれはヤンデレだった。
 見慣れた幼馴染が表紙を飾っている。
 黒い長い髪。白磁器の様に白い肌。パッチリとした瞳。少しぷっくりとした唇。
 子供の頃からずっと横にいた幼馴染だ。
 昔から変わらない少しぎこちない笑顔。見たことのないすました顔。
 見真剣なまなざしで轆轤を回す見慣れた彼女。他にも諸々。
 そして黒色のビキニを着て、見たことのない挑発的な顔をした幼馴染がいた。
 挑発的な幼馴染は俺を見下ろしてくる。
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:18:34.89 ID:kQL/W8rg0
 黒い長い髪。白磁器の様に白い肌。少しぷっくりとした唇。パッチリとした瞳がきりっとしている。
 そして黒色のビキニ。
 小さい頃のぺたんとした幼児体型でもなく、スクール水着とも違う。いやスクール水着はそれはそれでやばかったけど
 他に体を隠すものがないせいで、幼馴染の体のラインがはっきりと分かる。
 スタイルの良い他のアイドルと比べれてしまえば、ある所は物足りないかもしれない。
 けどそれでも俺にとっては違う。
 けして大きくないがちゃんと主張している胸。レッスンの賜物なのか、くびれたお腹と、しまった腰回り。
 見慣れていたはずの幼馴染の見慣れない体。
 そして見たことのない挑発的な彼女に、俺はまた目を奪われてしまった。
 触れたい。
 ちゃんと主張している胸を。レッスンで鍛えたであろうお腹を。しまった腰回りを。
 俺は舐めるように肇の体を見返す。
 おっぱいどんだけ柔らかいんだろう。
 おっぱいを揉んだら肇はどんな反応を示すんだろう。
 きっと恥ずかしがるんだろうな。けど『ばか』って恥ずかしそうにハニカミながら触らしてくれるんだろうな。
 そしてそのまま水着を脱がして、直接おっぱいを揉んで。
 かわいい声を恥ずかしそうに我慢するんだろうな。
 そして『恥ずかしい』って言っちゃたりして。
 けどおっぱいを揉んでいくたびに声が我慢できず、可愛らしい声をあげちゃったり。
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:19:17.56 ID:kQL/W8rg0
 そんで俺が『ここどう』って水着越しにさわると『イヤ』って甘い声をあげるけど、もう既に濡れてて、
 俺が触るたびに肇は『あっ、やっ・・・ん』って可愛い声をあげながらもじもじと。
 そして俺が『もう肇のココ。濡れてるね』って聞くと
『いやっ。そんなこと言わないで』
 肇は目を潤ませながら恥ずかしそうに。
 けど肇のアソコはもう水着越しでもわかる位に濡れてて、俺が水着を脱がそうとすると
 肇は『ダメ』って口では言うけど腰を浮かして水着を脱がしやすくしてくれる。
 水着を徐々にずらしていく。
 すると肇のアソコが現れた。
 肇のアソコはグラビアの為か、それとももともとなのか、陰毛は生えておらずツルッとしていた。
『これって』
 俺はまじまじと見てしまう。すると『やだ、見ないで』と肇はアソコを手で隠した。
 手で隠されてしまっては肇のアソコを見ることはできない。
『恥ずかしがんなよ、昔一緒に風呂に入っただろ』
 俺の言葉に肇は『そうだけど』と言ったが煮え切らない。
 俺は肇の手を無理やりどけた。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:20:04.91 ID:kQL/W8rg0
『やっ』
 けれど肇の手は力が入っていない。簡単にどかせた。
 子供の時のように、やはり肇のアソコには毛が生えていない。
 俺は恐る恐る肇のアソコに手を伸ばした。
 肇の膣中は白い肌とは違い淡いピンク色していた。
『やだ・・・。そんなに、見ないで』
 肇の声は恥じらいのせいかとてもか細い。
『ごめん』
 そう言ったが肇のアソコから目が離せない。俺はおそるそる指を肇のアソコに沈めた。
 指が簡単に飲み込まれていく。
『やだ・・・。待って』
 待てない。俺は指をすべて肇の膣中に埋めた。 
『あっ・・・んっ・・・』
 肇の口から苦しそうなけどどこか甘い声漏れた。
 その声より甘い声が聞きたく、一心不乱に指を肇の膣中で動かした。
『あっ・・・。やっ、待って。んっ・・・』
 肇の口から甘い声が洩れてくる。
『あっ…。うっ…。んん。あっあっ。きもち・・・いい』
 肇の白い肌が徐々に赤くなってくる。そして声も徐々に大きくなってくる。
『やっ…。ダメ。おねがい・・・。だめ・・・いっちゃう』
 肇は体を大きく震わせながらイッた。
 イッたばかりの肇は『はぁ…はぁ…』と妙に色っぽい吐息を漏らしながら息を整えている
 そのせいで肇の慎ましい胸が上下している。その動きがやらしくてたまらない。
 俺のモノは硬くなっている。
 早く挿入たい。
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:20:31.38 ID:kQL/W8rg0
 俺ははやる気持ちを抑え『気持ちよかった?』と問いかけた。
 肇は顔をそらし恥じらいながらもコクリと頷いた。
 恥じらう肇もかわいい。
 俺のモノが更に硬くなり痛いくらい。
 挿入たい。
『肇、いいかな?』
 肇はコクリと頷いてくれた。
 俺はズボンとパンツを脱ぎ捨てた。俺のモノが自由になる。
 肇は初めて見る男性器に驚いているのか、俺のモノから視線が外れない。
『そんなに見られると恥ずかしいな』
『ご、ごめん、ね。でもその、初めて…、見たから』
『子供の頃一緒にお風呂にも入っただろ』
『そうだけど、だってその時こんなに大きくなかったんだもん』
『けどコレが今から肇の膣中に入るんだよ』
 肇は少し緊張した面持ちで『う、うん』と言った。その時も、肇の視線は俺のモノから外れることはなかった。
『肇、挿入るよ』
 俺は肇のアソコに自分のモノをあてがった。
『ちょっ、ちょっと待って』
 肇は慌てながら叫んだ。
『どうした』
『その…、私、初めて、だから』
 肇は恥ずかしそうに言った。
『大丈夫。俺もだから』
『キミもなんだ』
『そうだよ』
『なら初めて同士だね』
 ハニカンだ笑みを俺に向けた。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:21:07.07 ID:kQL/W8rg0
『肇、挿入るぞ』
『う、うん』
 肇の声微かに震えていた。
 ゆっくりと俺のモノが肇の膣中に挿入っていく。
『あっ…うっ、ぅく…ぃっ…ん…あっ』
 俺のモノが挿入っていくたびに、少し苦しそうな声を上げた。
『全部挿入った。肇、大丈夫か』
『う、うん』
『ホントか。痛くないか』
『ご、ごめん。ちょっと、うそ、ついた』
 肇の目に薄っすらと涙が浮かんでいる。
『やめるか』
『う、ううん、大丈夫』
 肇は気丈に首を横に振ってから
『だって…、キミとの初めてなんだから』
 その言葉が嬉しかった。
 そしてもう一つ。俺が肇の。アイドル藤原肇の初めて。
 そう思ったら更にモノが硬くなった。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:21:34.86 ID:kQL/W8rg0
『や…。また、大きく』
『わ、わるい。抜こうか』
 肇は首を横にふるふると振った。
『ううん、もう平気だから』
『ホントか』
『うん。だから、動いて』
 俺はゆっくりと動かし始めた。
 肇の膣中は優しく俺のモノを包むように握る。
『あっ…んっ、あっ…ぁ』
 肇の口から徐々に甘い吐息がこぼれ始めた。
 俺は徐々に早くしていく。
『あっ…ぁぁ、やぅ…ぁん。ぅぅ…あっ…くふ』
 甘い吐息が徐々に嬌声へ変わっていく。
 俺のモノを強く握る。
 ヤバイくらい気持ちいい。
『もう出そう』
『いいよ。膣中に出して』
 俺のモノが大きくなる。
『肇出すぞ』
『うん。きて』
 どぴゅっ。
 俺は欲望をティッシュに吐き出した。
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:22:15.24 ID:kQL/W8rg0
 俺は尿道に残った精子をゆっくりとしごき出した。
 気持ち良かったと同時に、虚無感が襲ってくる。
 黒色のビキニを着て、見たことのない挑発的な顔をした肇と目があった。
『ねえ、気持ちよかった』
 そう問いかけてきているよう。
 気持ちよかった。けど。
 また肇で抜いてしまった罪悪感。
 欲望を吐き出したティッシュを丸めゴミ箱に捨て、肇から目を逸らしながらヤンデレを閉じた。
 そして電気を消し、布団に包まった。
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:23:39.82 ID:kQL/W8rg0
 俺は見知らぬ部屋に居や。部屋の中を見渡すがこれと言った家具がない。
 ただテーブルとパソコン。それにベットがあるだけ。ただやけにタバコくさい。
 これは夢だ、そう思った。
 なぜなら、裸の肇が目の前に居るから。
 肇の胸は妄想の時より大きい。白い白磁のような肌はほんのりと赤く上気し、体のラインもはっきりとしている。黒々とした陰毛がしっかりと生えていた。
 妙に生々しい。
 俺のモノは既に固くなっていた。
『もうガチガチですね』
 肇はなれた手付きでモノを握ると、笑うように言った。
 そして『あ〜ん』と口を大きく開け、そのままモノを咥えた。
『はむ…ん…ちゅる。あむ…んむ…ちゅぷ。くちゅ。ぐちゅ』
 肇の口の中は生暖かい。腰が砕ける。
 けれど肇は俺の事を気にする様子はない。
『ぐちゅ…ぐぽ。あむ…。んむ…、ちゅる…じゅる』
 舌をモノに絡ませてくる。
 裏筋を。カリを。尿道までも、丹念に刺激してくる。
『どうですふぁ。ひもひいいですふぁ』
『あぁ、きもちいい』
『ふふ』
 肇は褒められてのが嬉しいのかモノを咥えながら笑った。
『ぐちゅ。じゅる。じゅぽっ。じゅぽっ。ぐぽっ。』
 肇は下を絡めながら根本まで咥える。先端が肇の喉に当たる。
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:24:21.17 ID:kQL/W8rg0
『肇、やばい』
『くひのなふぁに、ふぁひてもひいふぃよ』
 肇の言葉を聞く前に頭を掴み、モノを肇に押し付けた。
 先が喉の奥の凹凸が当たる。
 肇の口の中で大きくなる。
 肇、出る
 ドピュッ、どぴゅっ。
 肇の口の中に欲望を何度も吐き出した。
 肇の下が竿に絡みつき尿道に残された精子を吸い出した。
『ちゅぽっ』
 肇の口の周りに白濁した精液がついている。けれど肇は気にする様子はない。
 肇は口の中に出された精液を、自分の手のひらに出した。
 肇の手のひらが白濁したもので汚される。
『沢山出ましたね』
 肇はどこか嬉しそう。
 肇は自分の手のひらに出した精液をまた口に含んだ。そしてゴクリと呑み込んだ。
『苦くて、喉にこびり付きそうなくらいドロってしてますね、プロデュサーさん(以降p)』
 プロデュサー、さん…。ダレだ?ソイツは。
 肇の細い指先がモノに触れる。
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:26:51.03 ID:kQL/W8rg0
『pさんの。まだ出来ますよね』
 また固いのがわかる。
 肇は枕元に置かれた箱からナニかを取り出し、モノに被せた。
『Pさんも明日はオフでしたよね。なら沢山出来ますよね』

 
 やめてくれ…。
 
 肇は男の上にまたがると、男性器を秘所に擦りつける。そしてゆっくりと、男のモノの上に腰を落とした。

 やめろーーーーー。

 
 肇は秘所は簡単に男性器を咥えた。
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:27:37.39 ID:kQL/W8rg0
 目を開くと見慣れた天井。
「ゆめ・・・だよな」
 体を起こし部屋の中を見いた。見慣れた自分の部屋。タバコ臭くもない。
「よかった」
 なぜか胸をなでおろした。
「やっぱ夢だよな」
 違う。認めたくなかったんだ。
「肇が」
 肇があんなにセックスに慣れているなんて思いたくなかった。
 だって肇はアイドルなんだから。
 やけに汗がベタつく。それにパンツの中も…。
 俺はおそるおそるパンツの中を見た。
 パンツは白濁したもので汚れていた。
「マジかよ」
 夢精していた。
「てか、今何時た」
 慌てて時計を確認した。
 7時前。
 なら、朝シャンのついでにでパンツも洗える。
 俺は急いで風呂場へ向かった。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:28:08.37 ID:kQL/W8rg0
 どうにかバレずにパンツを洗うことが出来た。
 早く起きたことに、かーさんに驚かれたが、「早起きは良いことね」と言われただけで、
 特に訝しがられることはなかった。
 早く起きたぶん、早めに学校に向かった。
 学校に向かう道中、ヤンデレを渡してきた友達に会った。
「おーす」
「おー」
「なーなー」
「なんだー」
「オマエさー、昨日肇ちゃんで抜いた」
「はぁっ」
 慌ててブレーキをかけてしまった。
「抜いたな」
「抜いてねーよ」
「ウソつけ。その反応抜いただろ」
 バレてる。
「だから抜いてねーって」
 嘘をついた。てか、肇にフェラされた夢で夢精までしたなんて口が裂けても言えない。
 友だちを無視して自転車を漕いだ。友達が急いで並走してくる。
「なーなー」
 友達の呼びかけを無視する。
「おーい」
 無視だ。
「無視すんな。てかさ、肇ちゃん岡山でライブしねーの」
 どうなんだろう。この前、岡山で開催されたのシンデレラキャラバンに肇の名前はなかった。
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:28:55.75 ID:kQL/W8rg0
「知らねー」
「幼馴染のよしみで聞けねーの」
「どーなんだか」
 確かに気になる。テレビやネット・雑誌で肇の活躍は追えるが、生のアイドル藤原肇の姿を見たことない。
 生のアイドル藤原肇を見てみたい。
 俺はスマホを取り出し
 [肇って岡山でライブしないの?皆、肇のライブ観たいって]
 肇にメッセージを送ろうとしたが、この時間では早い。と思い送るのを辞めた。
 学校までの道中くだらない話をしながら自転車を漕いだ。
 学校に着き、もうすぐ朝のHRが始まる前に、さっき送ることを辞めたメッセジーを肇に送った。
 この時間なら怪しまれることはないだろう。
 授業中先生の目を盗みながら何度もスマホを確認した。
 けれど、肇から直ぐにメッセージは来なかった。
 昼休みになり、ようやく肇から返信がきた。
[8月の中程にシンデレラパレードで岡山に戻るよ。
 私もまた、皆に会えるの楽しみ。って言っておいてね。
 PS,事務所にちゃんと許可貰ってるから安心してね]
 と書いてあった。
 肇からの返信に男共が湧き上がった。
 俺は一人優越感に浸った。
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:29:52.63 ID:kQL/W8rg0
今年の夏の前半はやけに暑かった。
 日中、外に少し立っているだけで汗が止まらない。まるでサウナの中に居るんじゃないかってくらい。
 日差しも強く、肌に当たると痛く感じる。帽子を被ってなきゃ頭が熱くてしょうがない。
 外で遊ぶ子供の声が聞こえない。それどころか、セミの鳴き声すらあまり聞かない。
 見上げた空は、青い絵の具をチューブから出してそのまま塗りたくった様に、重たい濃い青い空だった。
 8月の中程にシンデレラパレードで岡山に戻るよ。
 と、肇から聞いてから、いつの間にか8月になってしまった。
 その間、肇の姿を見ない日はなかった。
 テレビをつければ、この夏に向けての沖縄旅行のCMキャラクター5人組の一人に選ばれ
 そのCMがバンバン流れている。沖縄に行ってみたい。できれば・・・と。
 それに雑誌のグラビアにも引っ張りだこ。中には陶芸雑誌も。その中では熱く陶芸について語っていた。
 そのインタビューを読む感じ、昔の肇のままだった。
 その中で、個人的にはと前置きしながらも、備前の陶芸は日本一と語っていた。そこには同意する。
 その間、肇と違い、俺の身に彼女が出来るとかの特段変わったことはなく、平々凡々な日々を過ごしていた。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:31:45.18 ID:kQL/W8rg0
 ただ陶芸のコンクールで、若手の賞に引っかかった。陶芸雑誌の片隅に載った。
 その雑誌は肇がインタビューされた雑誌。
 けど、じーちゃんからは「まだまだ、だな」と言われた。まぁ、その通りだけど。
 こればかりは日進月歩、亀のような足取りでも前に進んでいくしかない。
 そんな感じでいつの間にか8月になってしまった。
 もちろん肇が出演する、シンデレラパレードの公演チケットは手に入れた。
 友達たち。俺含め合計4人で応募券を何通も送ったが、友達のは全滅してしまったが
 辛うじて俺のが運良く当選した。
 もし落選していたら、肇のじーちゃんに頼んで同行しようと思っていた。
 実際肇のじーちゃんに「坊。肇のコンサート。一緒に行くかい」と自慢げに誘われた。
 ちなみに俺のじーちゃんは、肇のじーちゃんと一緒に行くことになっている。
 けど俺は当選した。
 その証のチケットが俺の手元にある。かなり良い席。
 肇のじーちゃんとじーちゃんが座る、たぶん関係者席だろう。そこなんかよりずっと良い席だ。
 その事を肇のじーちゃんに言ったら「肇のグッズを頼む」とだけ言われ、お金を渡された。

 俺はチケットを眺めながら。ライブ前日までニヤついた。
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:32:56.76 ID:kQL/W8rg0
ライブ当日。
 俺は物販の列に友達と並んでいた。他の二人は物販に興味ないらしく開演ギリギリに来る。
 前半の暑さとはうって変わって、だいぶすごしやすいからっとした陽気。セミも気持ちよさそうに鳴いている。
 空の青もどかこかしら軽く感じる。
「なー。オマエ何買うの」
 隣に並んだ友達が話しかけてきた。
「肇のグッズ全部」
 肇のじーちゃんに頼まれたお使い。けど言ってからこれでは語弊があることに気づいた。
 既に友達が生温かい目で見てきている。
「俺のじゃないからな。肇のじーちゃんにお願いされてだな」
 俺の言葉は俺自身でもわかるくらい、狼狽をしていた。友達は俺の肩に手を置くと、ニンマリと笑った。
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:33:41.89 ID:kQL/W8rg0
「だからホントだって。肇のじーちゃんにお願いされたんだって」
「無理に嘘つかなくていいんだ。オマエが欲しいんだろ」
「だからちげーって」
「ウソつけ。なんで肇の家族であるじーさんが、なんでオマエに物販を頼むんだよ。
 普通貰えたり、買えたり出来るだろ」
「肇のじーさん年だから物販にならんだら倒れかねないだろ。それに複数欲しいんだと」
「複数?」
「そ、もう既に今回の肇のグッズは貰ってるらしいんだけど、一個までしか融通されないみたいで、
 肇のじーちゃんは複数欲しいらしいんだと」
「なんでまた」
「なんでも、保存用。観賞用。布教用。と要るらしい」
「わけわっかんねー」
「俺もわからん。けどオマエも居るから、お一人様2個までのが。もう一個買えるからありがたい」
「そうか。・・・ん?」
「どうした」
「結局オマエも買うんじゃねーか」
 バレた。けど大人ではないので全部は買えないけどな。
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:34:27.25 ID:kQL/W8rg0
 物販を買い終え会場に入った。
 会場の中は既にすごい熱気。今か今かと待ちわびている。
 俺たちはチケットを見ながら座席を探した。
「あった」
 座席に着き荷物を置き、前を見た。ステージが近い。
 改めて良い席なんだなと思った。
 公演が始まるまで俺たちは、有志が配っていたコール集をみながらコールの練習をした。
 会場の明かりが落ち、会場がざわめいた。ざわめく声が徐々に小さくなると、何筋もの光がステージを照らした。
 照らされた光の一つの先に肇がいた。
 肇は白いドレスのような衣装を身に纏っている。
 会場が割れんばかりの歓声で溢れた。けれど俺は歓声を上げることを忘れ、
 ただ、光り輝く肇に目を奪われてしまった。
 お願いシンデレラが流れ始め、ライブが始まった。
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:34:56.63 ID:kQL/W8rg0
「すごかったな」
 ライブはあっという間に終わってしまった。
 いつの間にか俺たちは帰宅の途に着いていた。
 始めてみたライブは俺の想像を遥かに超え、なんて表現したら良いのかわからない。
 自分の言葉が足りないのが悔しい。
「だな」
 友達を同じらしく言葉数が少ない。
 放心状態な俺達は、ライブについて多く語らず、どこにも寄り道することなくそのまま家に帰った。
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:35:45.80 ID:kQL/W8rg0
 懐かしいある日の肇との夢を見た。
 その時、肇はまだアイドルにはなっていなかった。
 ただのどこにでもいる高校生。
 そのただのどこにでもいる高校生の肇は悩んでいた。
 肇は小さい器を手に持っていた。素人には立派な器に見えるだろう。
 けど、肇のじーちゃんはその器を地味で華がないと評した。
 華はないが、質実剛健。侘び寂びがある。とか見方を、捉え方を変えれた言い方は出来る。
 俺的にはまっすぐで肇らしいと思った。
 けど、肇のじーちゃんは地味で華がないと評した。
 そう言われて、肇は落胆する様子はなかった。たぶん肇も同じことを思っていたのだろう。
 肇は手に持った器を見ながら「地味で華がない…か」と言った。
 俺は直ぐに「そうか。肇らしく、まっすぐで俺は好きだぞ」と言った。
 けど肇は俺言葉に首を振った。
「ううん。これは私。挑戦や自己表現が苦手で、無難なものを選びがちな私。
 たぶんこのまま陶芸を続けてもダメ。ううん。他のことをやっても同じ」
 肇の声が震えていた。どうしよう。
「ならさ」
 何か言わなきゃ。
「世界を。世界を変えてみればいいんだよ」
 焦った俺はわけのわからないことを言っていた。
 けど、肇が俺をまっすぐと見てくる。
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:36:41.52 ID:kQL/W8rg0
「ほら、子供の頃、肇、アイドルに憧れてただろ。アイドルは華やかな世界じゃん。
 それに色んな事を経験できるし、それに、俺たちはまだ高校生だ。
 ずっと陶芸の道を進んでも良いかもしれないけど、寄り道しながらゆっくりと肇の道を進めば良いじゃんか。
 もしかしたらアイドルの経験が陶芸に生きる可能性も」
 俺はまくしたてるように言った。
 肇はコクリと頷いたが「地味な私にアイドルなんて」と言った。
「そうか」
「そうだよ。それに私なんかにファンが」
「安心しろ。もう肇のファンはいる」
 俺は肇の言葉に被せるように大声で言った。
 肇は驚いたのか、きょとんと俺を見てきた。
「肇のファンはもう既にココに一人いる」
 そう言って俺自身を指さした。
 恥ずかしい。けど、本当のことだ。
「そっか」
 そう言って肇は笑った。
 その翌日。
 肇の口からアイドルのオーディションを受けると聞いた。
 肇の家でどんな会話がされたかわからない。
 けど、肇の新しい挑戦を応援するみたいだ。
 それからは早かった。その週末に肇はオーディションを受け、見事に受かった。
 そして次の週末には俺の前から居なくなった。


 ただ後悔だけが残った。
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:37:13.13 ID:kQL/W8rg0
 部屋に電子音が鳴り響く。もう朝か。アラームを止め、起きた。
 あまりいい目覚めとは言えない。しこりが残っている。
 とりあえず、シャワーを浴びてみた。
 さっぱりとしたが、しこりは残り続ける。
 とりあえず午前中は、溜まっている宿題を片付けた。
 午後は陶芸に向き合った。けど、しっくりいこない。
 上手くもいかない。作っては、やり直し、作っては、やり直す。何度も何度も。
 じーちゃんにアドバイスを貰いたいが、珍しく朝から姿を見かけない。
 このまま続けても土の無駄だ。俺は辞めることにした。
 工房を後にし、部屋に戻った。そしてベットに寝転がった。
 天井は高い。手を伸ばした。届かない。届くはずがない。絶対に届くはずがない。俺は諦め寝返りをうった。
 白い紙袋が目に入った。
 それは肇のじーちゃんに頼まれた、肇のライブグッズ。
 俺はベットから抜け出した。
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:37:41.10 ID:kQL/W8rg0
 ピーン、ポーーン。
 俺はある人の家の前にいた。
 俺は何度か呼び鈴を鳴らしたが、一向に家主が出てくる気配がない。また呼び鈴を押したが反応はない。
「ごめんくださーい」
 声を掛けるがやはり反応はない。
「参ったな。どうすっかな」
 手に持った白い紙袋見た。
 玄関に置いて帰るのも気が引ける。
 俺はもう一度「ごめんくださーい」と言いながら、玄関の引き戸を引いた。
 がらがら。と音をたてながら引き戸は開いた。
「不用心だな」
 けど玄関の内側に置いて帰れる。
 俺は内側に紙袋を置いて、戸を閉めた。そして家へ帰ろうとした。
 けど、なんか収まりが悪い。もし家の中で、肇のじーちゃんが一人倒れていたら。
 そう思ったが最後。俺は家の中に入った。
「じーちゃん。おーい。肇のじーちゃん」
 勝手は知ってるが、無断で入っているから罪悪感が。
 けど、もしものことがあっても嫌だ。
 俺は叫びながら部屋を一つずつ開けた。そしてある部屋の縁側で誰かが倒れていた。
「おい」
 俺は慌てて駆け寄った。
 俺は倒れていた人物に驚いた。
 なぜなら肇だったから。
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:38:34.45 ID:kQL/W8rg0
「おい、はじ・・・」
 俺は声をかけようとしたが止めた。
 肇は微かに寝息をたてている。その証拠に肇の胸が上下している。
「なんだ寝てるだけか」
 俺は胸をなでおろした。
「てかなんで肇が居るんだ」
 いや肇の家だから居てもおかしくはない。それに昨日は岡山でライブしていたのだからなおさら。
 けど、なんで肇が一人だけで、しかも寝てるんだ。いや寝ててもいいか。
 それなら肇の親が、じーちゃんが居なくては。せっかく肇が帰ってきているのだから。
 けど考えてところで答えがわかるわけでもない。
 俺はため息を吐いてから、肇を見た。
 肇は無地のTシャツに短パンを履き、お腹にはタオルケットをかけている。
 けどTシャツの裾が長いせいか短パンを履いていない様に見えてしまう。
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:40:14.81 ID:kQL/W8rg0
 ヤバイな・・・。
 俺は無意識に携帯を構えていた。
 ダメだ。俺は我に返り、シャッターを押すのを止めた。
 画面の肇は気持ちよさそうに、寝息をたてている。
 ぱしゃ。
 俺は無意識にシャターを押していた。
 やっちまった。けど・・・。言わなければ、見せなければバレないよな。俺は寝息を立てる肇を消さなかった。
「うーん」
 肇は寝返りをうった。
 その瞬間、Tシャツの首元から白い肌が覗いた。
「うーん。うーん」
 肇は何度も寝返りうつ。そのたびにTシャツから肇の白い肌がチラチラと見え、見る位置を変えればもっと奥まで見えそう。
 それにタオルもずれ、お腹も見えそう。
 もう何枚か写真を撮った。俺は辺りを見渡し、人が居ないことを確認してから、画像を保護した。
 肇はまだ気持ちよさそうに寝息をたてている。
「おじー・・・ちゃん。私の新しい器どうで、すか」
 夢の中では陶芸をしているらしい。なんだかんだ陶芸が好きなんだな。なんかホッとした。やっぱ肇は肇だ。
 こう見たらアイドルではなく、ただの16才の女の子だ。 
 けど。
 肇はアイドルだ。現に昨日、ステージで輝く肇を見たばかり。それ以外に色んな所でアイドル藤原肇の姿を見てきた。
 


 触れてみたい。
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:42:23.91 ID:kQL/W8rg0
 頬を。手を。二の腕を。ももを。お腹を。胸を。アソコを。
 ごくり。無意識につばを呑み込んでいた。
 俺は辺りを見渡した。人影はない。
 言い訳を考えればいいよ・・・な。
 俺は起こす素振りで肇の頬を触ろうとした瞬間。
「うーん…」
 肇は寝返りをうちながら、うなされた。そして
「……ぷろでゅーさーさん。せめて…きがえ……させて……」
 おじいちゃんたすけて…。と言った。
 たすけて…。助けて!?
「おい。肇。肇起きろ」
 肇の体を揺すっていた。ヤバイ。どうしよう。肇、起きないでくれ。そう思った思い通りにはならなかった。
「う〜ん」
 肇を目を擦りながら体を起こした。その時、Tシャツの隙間から、チラリと白い肌が。谷間が見えた。
 ブラジャーをしていない。
「あれ…。ぷろでゅーさー、さん」
 誰かを探している。その姿が儚く妙にエロい。
 そして、肇が動くたびに、首元がたわみ白い肌と谷間が見える。
 あと少し。あと少し、たわめば、先が。
「ぷろでゅーさーさん…。あれ?なんでキミが」
 肇が俺に気がついた。その時、肇の体が正面を向き、ほんのわずか前のめりになった。
 ピンク色の乳首が見えた。
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:43:04.68 ID:kQL/W8rg0
「なんでキミが居るの」
 すぐに体勢を直してしまった。ピンク色の乳首は見えなくなってしまった。
 けど確かに俺は、肇のピンク色の乳首を見た。
 肇が胸元を手で隠した。そして、むー、と頬を膨らましながら「あんまり…その、ジロジロ見ないで」と言ってきた。
 どうやら無意識に肇の胸をガン見してしまったらしい。
「わ、わるい」
 謝ったが、肇はまだ膨れている。
「悪かったて」
「キミもなんだかんだ、男の子なんだね」
「だから、悪かったて。謝ってるだろ」
 けど肇はまだ俺を訝しんでいたがが「あっ、そうそう」と何かを思い出したのか急に軽くなった。
 そして俺の目を真っ直ぐ見ながら「なんでキミが家に居るの」と言ってきた。
 あー。そういえば説明してなかったもんな。
 俺は肇の横に座り、肇のじーちゃんに頼まれたグッズを陶芸関連のことに変え、掻い摘んで説明した。
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:43:59.11 ID:kQL/W8rg0
「そうだったんだ。心配にさせてごめんね」
「いや、勝手に家に上がった俺も悪かったし」
 俺の言葉に「ううん」と肇は首を振ってから、
「もしキミが言う通り、本当におじいちゃんが倒れていたら」
 顔を歪ませながら言った。
 やっちまったー。肇に悲しい事を想像させてしまった。昔っから肇はおじいちゃんっ子だったからな。
「だ、大丈夫だって。ほら、俺もちょくちょく来てるし、俺のじーさんも来てるから。
 この前俺のかーさんも、来てたみたいだし。安心しろって。ってか、肇のじーちゃんと、肇のお母さんたちは」
「おじいちゃんが、ちょっと…。入院しちゃって」
「入院」
 肇のじーさんは昨日、肇のライブを俺のじーさんと一緒に楽しんでいたはず。
 なのに。
「待って。たぶんキミが考えているの様なことじゃないの。えっとね、その…」
 肇は歯切れが悪くなり、どこかバツが悪そう。
「えっとね、笑わないでね」
「あっ、あぁ」
 俺は頷いた。
「えっとね、昨日。おじいちゃん、私達のライブではしゃぎすぎちゃったみたいで、その…。
 ぎっくり腰で、入院しちゃって」
 肇の顔が赤くなっているのがわかった。
「ぷっ。あははは」
 笑ってしまった。けど笑わずにはいられない。肇のじーさんらしいっちゃ、らしいな。
「もう、笑わないっで言ったよね」
「わるい。わるい」
 肇は膨れている。けど、グラビアとかで見せることのない素の肇。
 ちょっと優越感がある。
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:45:01.08 ID:kQL/W8rg0
「ごめんって。もしかして、俺のじーちゃん。病院に来てた」
 俺は無理やり話題を変えた。
「うん。居たよ、午前中から。私達が病院着いた時にはもう来てて、おじいちゃんと将棋を打ってたよ」
 どうりで朝から見なかったわけだ。
「おばさんたちは」
「お母さん。お母さんは着替えとか持ってもう一度病院に。二、三日検査を兼ねて入院するみたいで」
「そっか。けど、大事じゃなくて良かったな」
「うん」
「てか、肇はもう一緒に行かなくて良かったのか」
「私も行くって言ったんだけど、お母さんが『お家でゆっくりしてな』って。
 それに、キミのおじいちゃんもいて退屈することはないだろって」
 確かに俺のじーさんが居れば退屈はしないだろう。
 現に将棋を持っていってるし、もしかしたら囲碁も持っていっている可能も。
「それで留守番してたと」
「うん」
「けど、鍵をかけるのを忘れて眠っちゃたと」
「う、うん」
「肇は女の子なんだから注意しろよ」
「そう、だね」
 肇は苦笑いをこぼした。
「けどまぁ、何もなくてよかったな。今度から気をつけろよ。ところで、話題変えていいか」
「うん。いいよ」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:45:36.41 ID:kQL/W8rg0
「肇。アイドル楽しいか」
 どうしても肇に聞きたかったこと。
 なぜなら、俺の些細な一言が、肇をきらめく世界に踏み込ませたきっかけなのだから。
「うん。楽しいよ」
 肇は俺をまっすぐ見ながら言った。
「そっか。良かったな」
 肇に言ったんじゃない。俺に言ったんだ。けど肇は知る由もない。
 肇は楽しそうにアイドルの活動について、事務所のみんなについて語った。
 本当に肇は楽しそうだった。けど、楽しそうに語る肇を見ていると心が苦しくなってくる。
 俺の知らない肇。もう近くにいた幼馴染の肇ではない。
「それでね、キミに会って、直接言いたかったことがあるの」
「なんだ」
「あの時、うじうじしていた私の背中を押してくれて、ありがとう。
 あの時のキミの言葉がなかったら、今の私はきっといない。だからありがとう。私のファン一号さん」
 肇はニコリと笑った。子供の頃から変わらない笑顔だった。
「そっか。でもな、今こうして輝いてるのは肇の努力があってだろ。俺は何もしてないよ」
「それでも、あの時のキミの言葉が私のアイドルの第一歩だから」
「肇がそこまで言うのならそういうことにしとく」
「ありがとう」
 肇は子供の頃から変わらない笑顔で笑った。けれどその笑顔が俺の心をかき乱した。
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:46:25.82 ID:kQL/W8rg0
「そうそう。見たよ」
 何かを思い出しらしく、肇は嬉しそうに言った。
 喜んでるから良いものなんだろうが、肇が何を見たのかがわからない。見当もつかない。
 俺は「何を」と聞いた。
「陶芸コンクール。入選おめでとう」
 肇は拍手しながら祝ってくれた。
「なんだ、そのことか」
 身構えていた俺は肩透かしを食らった気分。
「そのことかって。私、見本誌貰って驚いたんだよ。しかも、歴代最年少入選者って書かれてて」
「けどな、最年少入賞者って言われても、所詮若手部門。全体で入選すらしてない。別に凄くもないよ」
「キミは凄く思わなかったのかもしれない。けど、私からみればとても凄いこと。
 もし今の私が作ってもキミの作品に及ばない」
「そうか。肇もアイドルとして色んな経験してきただろ」
「うん。そうだけど、まだ私の物に出来てない」
 とても冷淡な口調だった。けど、どこか前を向いている。今まで見たことのない肇だ。
 アイドルとして、色んな刺激を受けてるのだろう。そう感じ取れた。
「そっか。俺も、肇に負けないようにがんばんなくちゃな」
「うん。私も頑張るからキミも頑張ってね」
「あぁ」
「あとそれと、もしキミが大きな賞獲ったら、私にインタビューさせてね」
「わかったよ」
 互いの目を真っ直ぐ見ながら誓いあった。
 その時、ピンポーン。と呼び鈴がなった。
「誰だろう」
 はーい。と肇は立ち上がり玄関に向かった。
 肇がいなくなり俺は息を吐いた。
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:47:12.04 ID:kQL/W8rg0
「やばかった」
 あのまま見つめ合ってたら、肇を押し倒してしまうところだった。
 少し潤んだ瞳。キメの細かい白い肌。そして、ぷっくりとした桜色の唇。
 初めてのキスはレモン味というが、たぶん桜味だろう。わけわかんねーけどたぶん。
 しばらくして肇が戻ってきた。その横にスーツを着た見知らぬ男。どこかで嗅いだことのあるタバコの臭い。
 それにしても、妙に肇との距離が近いし、馴れ馴れしい。
 ダレだ。
「えっとね、この人は、私が所属している事務所のプロデューサーさん」
「始めまして肇のプロデュースをしている、Pと言います」
「ども」
 Pと名乗った男はナチュラルに肇を藤原でも、肇さんでもなく、肇と呼んだ。
 そして俺を不審者を見るように見てくる。
「彼は陶芸の」
「あぁ、キミが」
 肇は俺の事を説明しようしたが、肇の説明を聞く前に合点したのか納得の声を上げた。
「けど、なんでキミがココに」
 と言ってきた。まぁ、そうなるよな。アイドルの家。実家といえど、関係ない男が居れば警戒はする。
 ましてや肇の事務所の関係者なら余計に。
 俺は弁明するように顛末を話した。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:48:16.45 ID:kQL/W8rg0
 俺の話を聞き、Pと呼ばれた男はため息をついてから
「実家でゆっくりするのもいいが、注意する所は注意しろよな」
 肇に向かって言った。
「はい」
 肇はしょんぼりと言った。
「それとキミ」
 俺を見てきた。
「なんですか」
 俺は身構えた。
「肇に変なことしてないよな」
 どきっ。変なことはしてない。が、変なことは考えたし、寝ている姿を撮った。
「してませんよ。居ないはずの肇が、縁側で倒れてて驚いたんですから」
 嘘をついた。けど驚いたことには変わりない。
「そう…、だったな。疑ってすまん」
 子供の俺の言葉を信じ、簡単に頭を下げ謝った。
「いえ、気にしないでください」
 拍子抜けも良いところだ。けどまぁ、子供の俺に頭を下げれるんだからいい人なんだろう。
 それに、肇も信頼してるみたいだし。
 俺は立ち上がり「もう帰るわ」と言った。
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2018/10/16(火) 18:48:43.24 ID:kQL/W8rg0
 正直言うと、肇ともう少し話したかったが、事務所の人間が肇の家に来たんだ。
 何か話したいことがあるのだろう。そこに部外者の俺が居たら話が出来るはずがない。
「あっ、そうだ」
 俺はPに問いかけた。
「なんだ」
「外にパパラッチなんて居ませんよね」
「あぁ、安心しろ。そんなのは見なかったよ」
 Pは笑いながら言った。
「じゃぁ肇。俺もう帰るから、頑張れよ」
「うん。ありがと。キミも頑張ってね」
「あぁ」
 そして、俺はまたPを見た。そして
「肇をお願いします」
 頭を下げた。きっかけがどうあれ、肇を華やかな世界へ背中を押したのは俺だ。
「あぁ、わかった」
 Pは何も察してるのか聞いてこない。ありがたい。
「じゃあ、またな」
 肇に手を振って肇の家を後にした。
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