【バンドリ】燐子「異世界で冒険……?」【安価】

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116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 07:15:27.25 ID:1a+n7R+j0
>>115は日菜だよね?

美竹蘭
英雄・初代ミタケの血を引く家系
赤メッシュは初代ミタケの血を引く証である(染めているわけではなくある年齢になると勝手にそうなる)
英雄の子孫としての務めを果たそうとしている。両親とは良好な関係だったが、父親は戦死してしまっている。
燐子に対して好感度が高いのは、燐子が英雄になるのにふさわしい人物だと思っているからである。
逆に友希那からは(母である)燐子の勇者としての立場を脅かす人物として嫌われているが、蘭本人は猫がじゃれている程度にしか思っていない。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 07:42:16.62 ID:BHQ1j4WsO
美咲

特定の物体に命を吹き込むという異能力を持つ
この能力の為に不気味がられて旅芸人の一座に売られた過去がある
一座では踊りを色々と仕込まれていたが魔族に襲撃されて壊滅。危なくなったところをランに助けられてそのまま仲間入り

戦闘では命を吹き込んだ着ぐるみ「ミッシェル」に前線を任せて自分は後方で味方を支援したり敵に呪いをかける特殊な踊りを踊る。その性質から常に露出の激しい踊り子の服を着ている
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 08:00:17.53 ID:QFTQYxgtO
有咲 職業:賢者

蘭の一族に代々仕える一族の出身。
蘭の事を真の勇者と信じており、恋愛感情もある
リンコに対して好感度が低いのも、蘭こそ真の勇者であるという思いから
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 08:23:00.20 ID:DWxcSVf10


この世界では 魔王>あこ 魔王に忠誠を誓っている
配下にはソイヤ暗黒騎士団が存在する
全身を黒塗りの鎧で守っており、手には魔剣を持つ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 17:09:45.02 ID:RrnrCbXLO
大和麻弥

武器屋の娘 武器マニア 神官戦士
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 14:53:39.09 ID:ngfql6K/O
りみ 忍者
手裏剣と忍者刀で闘う。駆け出しスパイ時代のリサと戦闘になり、その際に完膚なきまでに叩き潰してリサのトラウマになった。忍者の仕事のため、非処女で経験多数の強者
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 22:51:11.07 ID:7irxuzIY0
巴 あこを上回るドS
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:29:54.22 ID:u0+FjA1s0
楽しみに待ってます
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 23:43:28.94 ID:HXR+erEG0
待ってます
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/02/24(日) 01:07:33.20 ID:CfX7/mAlO
保守
126 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:12:50.28 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……話したく、ありません」

 隠す。
 それがわたしの結論だった。
 この世界の記憶だけしか持たない人の気持ちを裏切りたくはないし、シロガネリンコはもう別の人間になりかわってしまったのだと開き直るようなことはしたくなかった。
 そんなことをすれば、異世界のわたしに迷惑がかかるだろうし……それこそ、異世界のわたしの席を奪うような行為。

 だから、わたしは異世界のわたしとして、記憶の事情は隠し通そうと思う。

ユキナ「……そう」

 ユキナさんはこくりと頷いて、申し訳なさそうな顔をする。

ユキナ「ごめんなさい、リンコ。判断を押し付けてしまって」

リンコ「大丈夫……です。アコちゃんも、アオバさんも……同じ気持ちみたい、ですから……」

 わたしとしても、押し付けられただなんて思えず。むしろわたしの決断に従ってくれる優しさが嬉しかった。彼女達も巻き込まれた立場なのに。
 わたしが答えると、ユキナさんは微笑。けれど直後、目を鋭くさせる。

ユキナ「ただ、隠しておくのなら気をつけた方がいいわ」

リンコ「は、はい……。バレないように……」

ユキナ「ええ、それも大事ね。あともう一つ、バレた後のことも考えておきなさい。この余裕のない状態で、いつバレてもおかしくはないから」

リンコ「そう……ですね」

 短い異世界生活の中で、異世界での記憶しか持たず、なおかつ異世界のわたしと仲の良い人もわかった。彼女たちにわたしの状態がバレた時、うまく誤魔化せないとどうなるのか……考えたくもない。
127 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:13:35.85 ID:yn1Wo8rH0
 
ユキナ「私やアコ、サヨもフォローするけれど……土壇場で必要なのはリンコ、張本人の言葉だから」

 ユキナさんが腕を組み、真っ直ぐその眼差しを向けてくる。それは、バンドのことを話すユキナさんの表情とまったく同じ。高圧的に見えて、上手くできるだろうと期待を込めアドバイスしてくれている――不器用な優しさ。

ユキナ「特にリサ、シラサギさん、ミタケさんに対して……よく考えておいて」

リンコ「……? はい……分かりました」

ユキナ「……まぁ、いいわ」

 何故個人名が? と首を傾げつつ頷くと、ユキナさんは心配げな顔で少しの間わたしを見つめ、小さくため息を吐く。
 今、呆れられてたような……。

ユキナ「戻りましょう。リサを誤魔化さないと」

リンコ「あ……はい……」

 いつもの毅然とした雰囲気に戻り、ユキナさんはドアを開いて家に戻る。わたしもそれに続き――不審がるリサさんをなんとか納得させ、その場は無事収まった。

ユキナ「アオバさんと仲良さげ? 気のせいよ。ウタガワさんのことは以前アコから聞いていたから知っていたわ」 

リサ「んー……まぁ、それはいいけどさ、なんでリンコ連れていったの?」

ユキナ「それは……」

アコ「リ、リサ姉っ。ユキナさんもりんりんに甘えたい時があるんだよ」

ユキナ「!?」

リサ「あ、そっかー☆ ユキナもまだまだ甘えん坊なんだなぁ」

ユキナ「……そ、そうよ」

 無事……なのかな。
 アコちゃんに雷が落ちないように祈っておこう……。

128 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:14:47.89 ID:yn1Wo8rH0


 ○


 それから朝食を終え、アオバさんがお店に戻り……30分くらいが経った。

ユキナ「……というわけで、しばらく各自自由に行動する時間を取るわ」

 再びテーブルの席に座ったわたし達。遺跡攻略の準備を進めるべく、今は簡単な作戦会議中である。色々と話し合い、ユキナさんが述べたようにしばらく各々で行動することに決まった。
 理由は一つ。勇者であるわたしがこの世界に疎いから。
 土地勘無し、記憶なし、戦闘経験なし。高校生で、バンドをしていて、ゲームが好きで……といった元の世界のわたしと何ら変わらない状態で魔王軍に挑んで、どうなるかは言わずとも分かるだろう。
 イマイさんがいるから、ユキナさんとアコちゃんに遠回しにその理由を説明されたけど……すぐ分かった。確かに今のわたしだと、敵の攻撃をまともに受けて倒れかねない。それどころか、一人だと目的地に無事着けるのかすらも危うい。
 
リサ「りょーかいっ☆ アタシも食糧とか旅の準備しておくから、ユキナ達もしっかり備えてね」

ユキナ「ええ。……それと、魔王討伐のメンバーだけれど、サヨも仲間に加えるわ」

リサ「サヨ? それって、チサトの騎士さん?」

アコ「うんっ。アコもサヨさんがいいと思うなー」

リサ「騎士が仲間になってくれるなら頼もしいかもね〜。リンコは賛成?」

リンコ「はい……ヒカワさんを仲間に……したいです……」

 できるだけロゼリアで行動した方がいいだろうから、やはりヒカワさんの参加も欠かせない。この世界では初対面みたいだから、ちょっと不思議な言動に思えるだろうけど。
129 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:15:54.40 ID:yn1Wo8rH0

リサ「大人気だなー、騎士さん。でも許可は貰ってるの?」

ユキナ「それは……まだね」

リサ「じゃあ、まず話しておかないと。チサトの護衛でもあるんだから」

 これ以上ない正論である。わたし達はヒカワさんが協力してくれると確信を得ているけれど、シラサギさんのお付きの騎士なのだから、まずシラサギさんに許可を貰わないと。

リンコ「……これから、行きます……?」
 
 
130 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:16:42.09 ID:yn1Wo8rH0
undefined
131 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:17:52.17 ID:yn1Wo8rH0

 ――とのことで、会議は終了。昨日と同じく四人で城へと向かうことに。

 家を出て、街を歩き……お城の前に着くと、人だかりが目に入る。
 大きな街だからか、今まで極端に人の密度が高い場所がなかったけど……あそこは……。

リンコ「あっ……」

アコ「? りんりん、どうし――あれっ? なんだろう、あの人混み。りんりん、通れそう?」

リンコ「……な、なんとか……頑張れば……」

リサ「大丈夫? 無理そうなら時間空けるよ?」

ユキナ「……リンコ、少し覚悟をしていた方がいいわ」

リンコ「え……?」

 真面目な雰囲気の言葉に、アコちゃんから視線を前方へ。見れば人混みから五人、女の子がこちらへと歩いてきていた。
 この人たちが人混みの中心――否、それを作り上げていたのだと一目で分かった。だって、その人達は……。

ラン「こんにちは、ミナトさん。リサさん、アコ、それに……勇者さん」

 わたしの、つまり元の世界での友人達だったから。
132 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:18:40.72 ID:yn1Wo8rH0

 ミタケさんにイチガヤさん、ウシゴメさん、オクサワさん、ヤマトさん。わたしが勇者なのだ。彼女達も特別な設定を得ているのだろう。となれば知名度もあって当然。
 ミタケさんの台詞を読み取るに面識はあるみたいだけど、ミタケさん達に記憶はあるのかな?

アリサ「ランちゃん、こいつらに話しかける必要なんてないんじゃないか?」

リミ「あはは……いきなりごめんね」

ミサキ「どうもー……うちのリーダーがお騒がせしてます。いや、しますかな」

マヤ「ミタケさんもイチガヤさんも、できれば穏便に……。あっ、勇者のみなさん、お久しぶりです!」

 ……なさそう。
 察するに、ユキナさんやアコちゃん達が異世界に来てから初めて会ったのだろうと分かるけど、それについてのリアクションが何もない。
 元の世界の知り合い、ではなく、異世界での知り合いとしての挨拶が真っ先に出てくる点を考えるに、五人全員記憶は無いと考えていいだろう。
 服装とか、装備とか、異世界のぎこちなさを感じさせる様子もないから……多分、間違いない。

 どんな集まりかはさっぱりだけれど、五人はミタケさんをリーダーに活動しているらしい。それでミタケさんはわたし達に絡んできて……あれ? あまり……変わってない?
133 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:19:32.55 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「……なにをしていたの? お城の前で見世物にでもなっていたのかしら」

リンコ「……」

 ――んっ?
 言葉の節々から分かるトゲに違和感を抱くわたし。ユキナさんの方を見ると、彼女は露骨に不快そうな顔をしてミタケさん達を睨んでいた。
 対して、ミタケさんは余裕の笑み。

 ここだけ逆転してる……。

 過去にこの世界で何かあったのだろうか。困ったときのアコちゃんに話を聞こうと考えたわたしだけど、視線を動かした直後、周囲の変化に気づく。
 さっきまで前方にあった人混みが、完璧にわたしたちを中心に移動している。

リンコ「あ、あの……っ……」

 人が沢山。注目も集めている。頭が真っ白になっていくのを感じ、わたしは後退る。
 うう……強くなった筈なのに、中身は少しも変わってない。心の中で自嘲していると、意外なことに挑発していたミタケさんが素早く動く。
134 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:21:56.38 ID:yn1Wo8rH0

ラン「あ、マズ……。 はい! みんな解散! 勇者と大事な話するから!」

 どこからともなくマイクを取り出し、彼女は周りの人たちに声をかける。大ボリューム、と最初は感じた。けれど不思議とうるさくは思えず、『響いて』くる声が心地よく思えた。
 不思議な声に感心している内に、見物人がわたし達の周囲から去っていく。ほんの僅かな時間でお城の前は前日と同じ雰囲気へ。
 まるで魔法みたい。なんて思っていたもの少しの間で、ミタケさんの周りで武器を手に威圧感を放っている仲間たちを見て、ギャラリーの撤退速度に納得するわたしである。
 こんなことをする人たちが人だかりを作っているのだから、相当な力量があるのだろう。勿論魅力も必要だろうけど……それが彼女達に有るのはよく知っている。
 なにはともあれ、良かった……。あんな人数に囲まれて話だなんて、とてもできそうになかったから。
 ホッと胸を撫で下ろしてわたしはミタケさんを見る。マイクを消した彼女は、わたしの視線に気がつくと咳払い。

ラン「ごほんっ。……相変わらず、勇者さんは群衆が苦手みたいですね。そんな調子で大丈夫ですか?」

 ……現実とちょっと変わって、優しさが分かり易い。
 ミタケさんから絡んできてるからかな。怒ったような口調に真剣さが無くて、友人がちょっかいかけてくるような微笑ましさがある。
135 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:22:56.85 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「大丈夫よ。心配要らないからさっさと向こうに行きなさい」

アリサ「なんだとコラッ!」

リサ「ちょ、ユキナッ?」

マヤ「イチガヤさんも、抑えてくださいっ」

 ただ、若干名真剣だけど……。
 ユキナさんにイチガヤさん、二人とも他バンドのメンバーにこんな反応する人達じゃないのにどうしたのだろうか。特に前の世界の記憶があるユキナさんが、なんでミタケさんを敵視してるのかがよく分からない。
 状況が分からずあたふたしていると、アコちゃんがわたしの服をクイクイと引っ張る。

アコ「ランちゃん、英雄の家系で、魔王討伐を狙ってるライバルパーティのリーダーなんだ。今までも何回もこんな言い合いしてて……」

リンコ「そう……なんだ……」

 こそこそと二人で会話。ライバル……こっちの世界でもミタケさんとの関係はあんまり変わってないようだ。

ラン「ずいぶん嫌われてますね。……で、さっき言った大事な話ですけど」

リサ「あぁー、うんうん。どんな話?」

 ユキナさんの衝突を押さえようとしているのだろう。リサさんが苦笑を浮かべながら話の先を促す。ピリピリ――といっても、ユキナさんとイチガヤさんだけで、他はおろおろおどおどしているのだけれど、ミタケさんは何事もないかのように平然としていた。
136 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:24:33.59 ID:yn1Wo8rH0

ラン「魔王討伐、どんな具合ですか? あたしはこの通り、自分の『楽器』……見つけましたけど」

 パッとミタケさんの手に光が。次の瞬間彼女の手に先程のマイクが現れる。今度はスタンド付きで、ギターと服装を除けば前の世界でも見慣れた美竹蘭さんの姿がそこにあった。
 楽器……。預言では勇者とその仲間の奏でる音が鍵を握ると言っていた。
 ミタケさん――英雄と仲間達の楽器も存在し、魔王討伐に関連しえいるという話なのだろうか。もしそうだとすれば、彼女らが一歩リードしていることは間違いない。

ユキナ「だからちやほやされていたというわけね」

ミサキ「お城で報告したらあれやこれやと囲まれまして……」

リミ「困っちゃったよねぇ……」

リサ「はぇー、流石英雄さん。アタシ達も負けてられないね☆ ユキナっ」

ユキナ「――そうね」

 ……す、すごく悔しそうな顔。
 ユキナさんのそんな顔、久しぶりに見たような……。
137 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:25:40.96 ID:yn1Wo8rH0

リサ「じゃあそういうことで、アタシ達お城に――」

 ユキナさんの反応に困っているのか、リサさんが笑顔のまま話を打ち切ろうとする。ムスッとした表情のユキナさんをチラチラと見て、早足で城に向かい――

リミ「あれ? 勇者さん達……もう行くんですか?」

リサ「……」

 ウシゴメさんの一言で綺麗に足を止めた。
 ……イマイさん、なんだかさっきよりも焦ってるように見える。いや、むしろ隠してた焦りが表面化したような……。ミタケさん達が見えた時から、仕草に落ち着きがないとは思っていたけれど。

リサ「ご、ゴメンナサイ……」

 片言気味に謝ってる……。ウシゴメさんとこの世界での知り合いなのだろうか。

マヤ「そうですよ、勇者さん達。ここはお互いの理解を深めるためにもぜひ、ゆっくりお話でも……」

リミ「あ、私もシロガネさんのこと、聞きたいかも……」

 新たな因縁らしきものも見つかってしまったけれど、友好的な人もいる。にっこりと笑いながらヤマトさんが一歩前へ出て、ウシゴメさんは――ジッと意味深な視線をわたしへ向けてくる。ただの笑顔に見えるけど……どうしてだろう、何か含みを感じてしまう。

138 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:26:40.08 ID:yn1Wo8rH0

アコ「いいですね! じゃあ、お話――」

アリサ「マヤさん、リミ。そんなの必要ないですから」キッパリ

ユキナ「そうよ、アコ。すべきことは他にいくらでもあるでしょう」

 なんてことを考えている内にあっさり、親睦を深めようという提案は却下されてしまう。
 絶対話し合うべきだとわたしは思う。でもユキナさんがここまで敵意剥き出しだと、軌道修正は難しいだろう。いつもならイマイさんが宥めつつ提案してくれるのだけど……今はウシゴメさんに萎縮してしまっている。

リンコ「……」

 睨み合うユキナさんとイチガヤさん。敵対する二人におろおろするヤマトさん、アコちゃん。静観モードなオクサワさんにウシゴメさん、ミタケさん、イマイさん。
 多分、今までもこんなやり取りをしてきたのだろう。わたしもさっきまでみたいに、ただおろおろ見ていたに違いない。
 でも……魔王という共通の敵がいるのなら、協力するべき……だよね……。
 そしてそのためにはこれまでと違う動きを――わたしが、自分から動き出さないと。
 決意。自分に頷いて、わたしは勇気を出しおずおずと手を挙げ――

リンコ「……あ、あの」

ラン「なら――今ここで勝負してみません? シロガネさん。話をするより色々分かりますよ」

 ――見事なタイミングで遮られてしまった。それも衝撃的な発言で。
 堂々とした佇まいで微笑を浮かべるミタケさんは、ジッとわたしを見据える。冗談、だなんて雰囲気ではない。街中で、しかも初戦闘。てきれば避けたいところであるが……。
139 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:27:43.89 ID:yn1Wo8rH0

リサ「――ええっ!? ラン、それは流石に……ほら、みんなもそう思うよねっ?」チラッチラッ

 イマイさんも流石にこれは止めようと、必死に同意を求めている。何故かウシゴメさんをチラチラ見て。

リミ「……」

 そしてウシゴメさんは完全にスルーです。笑顔のまま不自然に微動だにしません。

リサ「ううっ。ユ、ユキナ――」

ユキナ「……これはチャンスよ、リンコ。あなた、魔法の使い方は分かる?」

リンコ「……えっ」

 ユキナさんが意外にも乗り気な様子を見せ、彼女に助けを求めようとしたイマイさんが、がっくりと項垂れた。
 ユキナさんがこんな戦いに賛成? 本人がそう言っているのに、わたしは納得ができなかった。ユキナさんはわたしとミタケさんがこの場で戦うことに何らかの価値を見出している。他人への迷惑をないがしろにして。それは彼女らしくない急いた判断であった。

アコ「ユキナさん? ここだと危ないような……」

ユキナ「大丈夫よ。市民はさっきの声でいなくなったから、余程のことをしなければ問題にはならないわ」

 心配するアコちゃんに即答するユキナさん。視線をミタケさんから逸らそうとはせず、態度もいつも通り。
 後ろめたいこと、焦った気持ち、怒り、そういった気持ちは一切なく、さっき口にしたようにこれが本当のチャンスなのだと認識しているようだ。
 ますますらしくない。
140 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:30:35.82 ID:yn1Wo8rH0

アコ「えっ、と……」

 ユキナさんがこう言ったら自分では止められそうにない。そう察したであろうアコちゃんが助けを求めるべく視線を動かす。この場をなんとかできそうな人といえば、

アコ「あ! ミサキはどう思うっ? マヤさんも!」

 オクサワさん。もしくはヤマトさん。
 前の世界ならば全力で止めてくれるだろう頼れる二人だけど……。

ミサキ「え? 物騒だなと思うけど、あたしはミタケさんの指示に従うだけなんで」

マヤ「安全ならジブン、ちょっと見てみたい気も……」

 記憶の有無って大切……と、思わず遠い目をしてしまう。

アコ「りんりん……ごめんね。止められそうにないや」

リンコ「う、うん……謝らないで……」

 これで戦いに反対する人はいなくなってしまった。つまりはわたしはこれからミタケさんと戦わないといけない。
 ……ど、どうしよう。魔法の使い方もまだ分からないのに。

アコ「大丈夫だよりんりん。りんりんなら魔法名唱えるだけでも多分強いから」

リンコ「そう……なの?」

アコ「心に浮かんだ魔法名をええと……ババーンと唱えてドーン! だよ」

 おろおろしていたわたしの心中を察したのか、アコちゃんが励ますように教えてくれる。
 魔法の詠唱、名前を唱えるだけでも発動してくれるらしい。ということは、しっかりした手順を踏んだ発動方法もあるわけで。それは少し恥ずかしくないかな……?
141 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:31:36.30 ID:yn1Wo8rH0

アコ「なんなら素手でもそこそこ戦えると思うよ」

リンコ「それは……流石に……」

ラン「――話は決まったみたいですね」

 戦いを止めようとする人物は皆無。わたし達を一周見回し、ミタケさんは一歩前へ。腰に差した剣に手をかけ、スッと彼女の纏う雰囲気が変わる。
 見知った姿の筈なのに、今はとてつもなく強そうなオーラを感じた。

アリサ「勇者なんかやっちゃえ、ランちゃん」

ラン「うん。ま、あくまで模擬戦みたいなものだけど」

 彼女の余裕がそう思わせるのか、わたしが彼女の魔力を感じ取っているのか、理由は分からないけど……魔王討伐の目標を掲げる勇者と張り合っているのだ。強者であることは間違いないだろう。

ラン「シロガネさん。前に」

リンコ「……」コクッ
 
 怖い。怖い……けど、魔物や魔王側の人間が初戦の相手じゃないことは願ったり叶ったり。この戦いはこれから先の良い経験値になってくれることだろう。
 頷いて、わたしは前へ。イマイさんの心配そうな視線に大丈夫という意味を込め小さく会釈をし、ミタケさんと対峙する。
 一歩、二歩。友達たちの視線を受けて、中心に。緊張から杖を握る手に力を込めた直後、ミタケさんが肩を竦めた。
142 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:32:32.47 ID:yn1Wo8rH0

ラン「……意外ですね。ミナトさんはともかく、シロガネさんが乗るなんて」

リンコ「……」

 呆れ、ともまた違う。ミタケさんは単にわたし――ひいてはロゼリアの仲間達が挑発に乗るとは思っていなかったようだ。
 その気持ちはわたしにもよく分かる。今さっきまで、わたしもそう思っていたのだから。でも。

リンコ「みんなに……応えたかった……から……」

 ユキナさんにイマイさん、アコちゃん。それに……ミタケさん。わたしの知らない『勇者』のわたしに少しでも追いつくために。わたしは、期待に応えたかった。
 偽者だとか、本物はいなくなっただとか、思ってほしくないから。
 だからこの機会を不安と恐怖なんてもので見逃すわけにはいかなかった。

ラン「……相変わらずですね。でも、だからあたしは……」

リンコ「……?」

ラン「いや、なんでもないです。はじめましょう」

 首を振り、ミタケさんが構える。赤いメッシュの横から真剣な眼差しがわたしを貫く。
 腰の剣に手をかける姿に、ライブ開始前の彼女の面影が重なった。どんな世界でも、みんな根っこは変わらない。怖かった筈なのにわたしはミタケさんの構えを見て、笑みを浮かべてしまう。
143 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:33:10.68 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……」スゥ

 目を閉じて、杖を握った両手を前に。何度も繰り返し取ってきたポーズ。楽器はないけれどやることは同じ。
 わたしができること全てを目の前にぶつける。頂点を目指して。
 そう。どんな世界でも、変わらない。
 自分の心が研ぎ澄まされていくのを感じる。わたしは自分が思うまま、頭に浮かんだ言葉を呟く。

リンコ「『メテオ』」

全員『――あっ』

 ……一瞬で、やってしまったとこの場にいた全員が理解した。


144 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:33:56.11 ID:yn1Wo8rH0

 ○

チサト「……それで、ノリに任せて最上級火炎魔法を発動。あわや大惨事というわけね?」

ラン・リンコ『はい……』

 ……お城の前で決闘をはじめて数分。わたしとミタケさんはついさっきまで対峙していた場所で、シラサギさんと向き合っていた。
 ただしお互い立っているわけではなく、正座と仁王立ちという立ち位置で。誰が地べたに正座し、誰が立っているのか。それは語るまでもなく分かることだろう。
 
 わたしが脳内ナレーションで盛り上がり、初手最上級魔法を発動。魔法でできた隕石がお城前に落下――しそうだったのを三人の友達が助けてくれた。

サヨ「まさかロゼリアでこんなトラブルが起きるとは……」

アリサ「私も完全に頭に血が上ってたけど、模擬戦で最上級魔法なんて。勇者はどんな教育されてるんですか?」

チサト「あはは……そんな教育したつもりはないのだけど……」

 三人。ヒカワさんとイチガヤさん、シラサギさん。
 お城からちょうど出てきたヒカワさん、シラサギさんが魔法に気づき、三人で協力してなんとかわたしの魔法は打ち消され、事なきを得た。
 多分、何らかの強化の魔法をイチガヤさんとシラサギさんがヒカワさんにかけたのだろう。隕石を小さな盾で受け止めたヒカワさんは正真正銘無傷。服に汚れ一つ付いていない。
 一人の人間が隕石を盾で受け止める。その光景を目の当たりにして、殺人を犯してしまったと血の気が引いたわたしだけど……被害がなくて心から安堵している。
 と同時に、本当にファンタジーな世界に来てしまったのだと痛感した。
145 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:34:50.47 ID:yn1Wo8rH0

マヤ「いやぁ、危険でしたけどすごいものが見られて感激です!」

アリサ「魔法名詠唱で預言者とその近衛騎士、賢者の三人がかりでやっとって……腐っても勇者ってことか」

チサト「――あなた達も少しは反省するように。お城の前でこんな騒ぎを起こすだなんて、本来なら罪に問われておかしくはないのよ」

マヤ「は、はい……ごめんなさい」

 腰に手を当て、ムッとした顔でいうシラサギさんにシュンとするマヤさん。異世界でほぼ別人の二人なのに関係性はそう変わらないようだ。

チサト「……はぁ。競い合うのは勝手だけれど、迷惑はかけないようにしなさい。お城の前で隕石降らすなんてもってのほかよ」

サヨ「すみません、シラサギさん。4人とは後で話しておきます」

チサト「……なんでサヨちゃんが謝るのかしら?」キョトン

サヨ「えっ? あっ――つい」

ミサキ「――今回はこっちも悪かったので、お互いリーダーと煽り役に注意ということで」

ラン「……すみません。無関係の人を巻き込むところでした」

リミ「アリサちゃん、あんまり勇者さん達を煽らないようにね?」

アリサ「いやいや、煽ってねーし。煽られて燃えただけだし」

マヤ「それはそれで駄目なような……」

チサト「……まぁ、勇者と英雄の一族を捕まえるわけにもいかないから今回は見逃すわ。今度は王に報告し、しかるべき罰を与えます」

アリサ「……すみませんでした」

 頭を下げる英雄のパーティ。決闘は取り止め。話も終わり。彼女らは帰るつもりらしく、正座をしていたミタケさんも立ち上がる。
146 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:35:39.97 ID:yn1Wo8rH0

ラン「……シロガネさん」スッ

リンコ「は、はい……」

 差し出された手を握ると、ミタケさんは優しくわたしを引き起こした。手を離し、彼女は真剣な顔つきでわたしをまっすぐ見てくる。

ラン「今日はどうしたんですか? いきなりあんな魔法発動して」

 『シロガネリンコはそんなことをしない』。
 ミタケさんの目が言わずともわたしへ伝えてくる。探りを入れられていることは容易に分かった。
 当然だ。
 勇者であり、預言者の元で魔法を習っていたわたしが、魔法の実力もそれなりなわたしが、本気の戦闘でもないのに全力を振るったのだ。
 まるで魔法を初めて使うような加減のできなさ。怪しまれるに決まっている。事情を知らないミタケさんのパーティ、イマイさんは心配そうな視線すら送っている。
147 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:36:19.61 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「それは……」

アコ「りんりん、ちょっとぼんやりしちゃったんだよね! ランちゃんあんまり気にしなくて大丈夫だよ」

ラン「ちゃん? ――っていうか、ぼんやりってレベルじゃないような」

ユキナ「もういいでしょう。用が済んだならさっさと帰りなさい」

 更に追求しようとするミタケさんの前に、ユキナさんが割って入る。無言で睨み合う二人。会話を遮られたからか今度はミタケさんも挑発しかねない剣呑な雰囲気が広げられるが……クルッと彼女は踵を返す。

ラン「今日のところはそうします。……けど、ミナトさん。ただ焦るだけじゃ、あたし達に置いてかれますよ。今日の勇者の状態なら、尚更」

ユキナ「……」

ラン「――期待はしてますから。頑張ってください」

 正論を言われ、反論できずに見送るユキナさん。ミタケさんの仲間はそれぞれ会釈をし彼女についていく。
 自分の楽器。それが何なのかまだ分かっていないけれど、リードされていることは確か。その上勇者であるわたしはこの世界での記憶無し。戦いの記憶も無いし、その分圧倒的に不利。
 どちらが優勢かは、簡単に分かること。言い返すことはできないだろう。
148 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:37:13.46 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……すみません、ユキナさん……。わたしが……」

ユキナ「――いえ。私が迂闊……違うわね。馬鹿だったわ。ごめんなさい」

サヨ「……何があったんですか? 勇者と英雄の一族に因縁があるのは常識ですが、まさかここで戦い始めるなんて」

リサ「あははー……まあ、さっき説明した通りかな。ユキナと向こうのアリサが煽り合って、ランが決闘を提案して」

アコ「で、りんりんがついすごい魔法を唱えちゃって」

サヨ「ええ、そこは分かります。分からないのはミナトさんです」

 ヒカワさんの視線がユキナさんに向く。謝罪し、額に手を当てていたユキナさんは苦々しい表情で息を吐いた。

ユキナ「……」

リサ「……ユキナ? いつもああだよね、ランに対しては」

サヨ「え? あ……そういえばイマイさんは記憶――」

アコ「サヨさん! ちょっとお話が!」

 わたしがこの世界での記憶がないこと。アコちゃんやユキナさん、ヒカワさん、アオバさん……前の世界の記憶を持っていること。
 それら転生の話を、この世界の記憶のみしか持たない人には隠し通すと決めた。
 朝、イマイさんに打ち明けなかったことでアコちゃんも察してくれたのだろう。慌ててヒカワさんの手を引き、耳打ちを始める。
149 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:37:54.49 ID:yn1Wo8rH0

サヨ「……なるほど。分かりました」

アコ「お願いしますね、サヨさん!」

サヨ「はい。……コホン」

 身体をアコちゃんへ傾けていたヒカワさんは頷いて、体の角度を直すと小さく咳払い。

サヨ「シロガネさんとミタケさんの因縁は聞いていますが……ミナトさん、あなたがそこまでミタケさんを敵視する理由は? 同じ目的ならばわざわざぶつかる必要はないでしょう」

 きっちり自分の立場、知り合ったばかりの騎士という要素を踏まえての問い。流石はヒカワさん。急な後出し設定も涼し気な顔でさらっとこなしてくれる。
 イマイさんも怪しんでる様子はない。一安心しつつ、わたしは会話の成り行きを眺める。記憶のないわたしとしてもヒカワさんの疑問の答えが気になった。
 イマイさん曰く、この世界のユキナさんはミタケさんのきとを敵視してたみたいだけど……前の世界の記憶がある状態でも、ユキナさんは変わらず刺々しく接していた。
 そこには何か相応の理由がある筈で。
150 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:39:24.60 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「……。……特に、理由はないわ」

 だから、ユキナさんが何かを隠しているとこの瞬間みんな理解したことだろう。
 普段はあまり感情を表情に出さないユキナさんが、今はほんのりと頬を赤らめて、自分の服の裾をギュッと握り――あれ? なんだか恥ずかしそう?
 シリアスな、重い理由だとわたしは勝手に想像していたけど、そうではないらしい。

アコ「えっと……ユキナさん、恥ずかしがってます?」

ユキナ「そ、そんなことないわ。気のせいよ」

サヨ「……。それで、結局どんな理由ですか? 話してくれると今後ミタケさんと付き合いやすくなると思いますが」

ユキナ「理由がある前提で話を進めているのは何故かしら」

 やっぱり他の仲間達にもバレバレらしい。重くない理由と分かり、追求の遠慮がなくなっている。
 必死に平静を装い、話を終わらせようとするユキナさんと質問を続ける二人。ユキナさんが怒ったりしないだろうかとわたしがハラハラしていると、三人のやり取りを微笑ましそうに見ていたイマイさんが不意に口を開いた。
151 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:44:45.88 ID:yn1Wo8rH0
リサ「もう、ユキナ。別に恥ずかしがることじゃないじゃん♪」

ユキナ「っ! ――リサ、お願いだから静かに」

 イマイさんは知っているらしく、ユキナさんがハッとし素早く反応する。けれどイマイさんの言葉を止める術はなく――

リサ「リンコが心配なんだよね、ユキナは☆」

 あっさり暴露されてしまう。

サヨ「そういうことですか。勇者の仕事を横取りされれば世間からなんて言われるか分かりませんし」

アコ「りんりん、ユキナさんのお母さんだもんね」

サヨ「そう、お母さん――えっ!?」

 そして追撃。
 顔を赤くさせ、表情からみるみる内に余裕がなくなっていくユキナさん。絶賛公開処刑中の彼女の肩にポンと優しく手を置く人物が。

チサト「姉として……分かるわ、ユキナちゃん」

 最後のトドメが突き刺さり、ユキナさんは顔を両手で覆った。同級生を母親代わり。そのダメージは思った以上に大きいのだろう。あのユキナさんがここまで翻弄されるなんて。
152 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:45:31.20 ID:yn1Wo8rH0


 撃沈したユキナさんが落ち着いてから、シラサギさんへ例の依頼を話す。

チサト「サヨちゃんを? 別にいいけど……どうして急に?」

リンコ「ヒカワさんは……多分、勇者の仲間なんです……」

 あっさり了承されて拍子抜けしつつ、わたしは答える。五人。奏でる音。やはりそれはロゼリアのことだとしか思えない。
 その辺りの事情を記憶のないシラサギさんに詳しく話せないから、直感だとしか言えないのが辛いけれど、とにかくヒカワさんには仲間に加わってもらわないと。

チサト「ふぅん……リンコちゃんがそう言うなら、多分そうなのね。勘を信じるわ」

 これまたあっさりと。
 預言者としての感覚か、それとも転生前の勇者の行いのお陰か。何にせよ話がスムーズに進むことは有り難い。
153 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:46:01.19 ID:yn1Wo8rH0

チサト「という話だけど、サヨちゃんは大丈夫? 魔王討伐の仲間になるなんて、過酷な道になるのは分かると思うけど」

サヨ「……はい。魔王討伐は私も叶えたいことですから。いつでも呼んでください」

リンコ「ありがとうございます……ヒカワさん……」

 わたしの魔法を受け止めたヒカワさん。預言者の騎士ともなれば実力も申し分ないだろう。キリリとした表情の彼女がいつもよりも頼もしく見えた。
 これで五人。ようやくスタート地点に立った。

ユキナ「一日でも早く、魔王を倒しましょう。勿論、その間各自練習を怠らないように」

アコ「そうですねっ。楽器も早く手に入れなくちゃ」

サヨ「楽器? 奏でる音のことですか」

リサ「うん。情報は掴んでるから、後は行くだけ。その時になったら声をかけるから準備しててね」

 まだまだ不安なことはいっぱいあるけど……この五人ならなんとかなる筈。
 それに五人だけじゃない。多分、他の友達たちもこの世界にいる。だからきっと大丈夫。

 魔王を倒して、少しでも早く元に戻れるように。
 わたしが勇者なんだから、頑張らないと……。
154 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/03/01(金) 03:47:47.47 ID:yn1Wo8rH0

 【遅れて申し訳ないです。
 募集していたキャラ設定などは把握しました。記載は無かったですが、設定的にそちらの方が面白そうなので、日菜は記憶なしとします。 

ここからしばらくキャラを指名してからの好感度上げ、キャラ別のストーリー進行となります

 好感度を上げ、目指せ個別エンディング!
 指名できるキャラは今のところ敵側にいる巴以外の本編に名前が出ているキャラです。日菜ちゃん含む。

 では↓1で誰のストーリーを進めるかの安価を】
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 04:12:37.66 ID:WQxn8eGeO
>>1
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:06:50.33 ID:5+AkFUhRO
友希那
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:14:15.53 ID:ssD5Ny2JO
乙です

ラン  
 
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 10:24:55.82 ID:ekQw13RZO
更新来て良かった
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/04/04(木) 23:11:02.16 ID:JgEibeSA0
保守
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 19:55:23.51 ID:FhVs5EYEO
お待ちしてます
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/05/19(日) 23:32:30.93 ID:4jHzHQDPO
保守
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/02(日) 08:11:03.39 ID:PWBrBVO00
待ってるぞ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 05:21:04.65 ID:52eq5GP20
待ってます
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/08/12(月) 06:22:47.12 ID:COcOJVACO
保守
165 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/19(月) 01:02:44.74 ID:u1gZk+FuO
 
【遅れました! 大変申し訳ない】


 ゾロ目2連続記念として高好感度のキャラが一人確定
 ↓1で未登場キャラの中から一人指名。コンマ末尾が奇数なら10。偶数なら9。ここはゾロ目関係なし



 ついでに空いている、物語上必要になる重要な役柄へつくキャラを決めておこうかと

空いている役
 1 女王(現在拠点となっている国の王。味方。記憶有無の判定をコンマ二桁目で。奇数なら無し)
 2 魔王軍のお偉いさんその1(記憶なし)
 3 魔王軍のお偉いさんその2(記憶なし)
 4 魔王軍のお偉いさんその3(記憶なし) 

 未登場キャラ一覧
 香澄、沙綾、たえ、ひまり、つぐみ、彩、イヴ、こころ、花音、はぐみ、薫

 ↓3〜↓6で未登場キャラの中から一人指名。

 ↓3が女王役につくキャラ、↓4が魔王軍のお偉いさんその1……といった具合に、上から順に決めていきます。
 同時に初期好感度の判定をコンマの一桁目で行います。

 ここで選ばれなかったキャラも、後に自由枠として設定を募集するつもりなのでご安心を
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 20:46:45.89 ID:c+bPzU5O0
彩ちゃん
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 20:51:53.30 ID:c+bPzU5O0
待ってました!
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 13:58:48.50 ID:NwIOPOq2O
こころ
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:23:09.83 ID:v+AsKzzt0
つぐみ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:24:43.30 ID:OVkL0dxCO
たえ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:28:08.30 ID:UmCADdF7O
花音
172 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/08/20(火) 23:25:39.45 ID:RlQ/ziqgO

彩ちゃん (役未定 好感度10)

女王役 こころ 記憶なし 好感度10
お偉いさん1 つぐみ 好感度3
お偉いさん2  たえ 好感度10
お偉いさん3 花音 好感度10

で、進みます。
これまでと同じように役が決定したこころ、つぐみ、たえ、花音にはキャラ設定の受付を開始します。
職業や武器、現世や異世界での燐子との関係など希望の設定があれば是非とも。なければ自分が流れで決めていきます。
173 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/08/20(火) 23:27:08.23 ID:RlQ/ziqgO


 ユキナ編 1話


 城での騒動から一時間ほど経って。
 みんなは早速遺跡捜索の準備のためそれぞれ出かけていった。イマイさんとヒカワさんは食糧や旅に必要な道具の調達。アコちゃんは……ネクロマンサーとして戦いの準備が必要らしく、わたしと別れどこかへ行った。
 見送る時は気にならなかったけど、どんな準備なんだろう……? ネクロマンサーだから……死体とか霊魂だとか、ヘビーなものは持ってこない、よね? 世界が世界だから少し不安。

リンコ「……」ペラッ
 
 ――さて。
 みんなが遠出のため思い思いの準備を始めた。そんな中、わたしは自室の中で本を読んでいた。何故か。その理由は単純明快で、やれることがないからだ。
 外に慣れていないわたしが買い出しや準備に付き合っては迷惑だろうと、イマイさんやヒカワさんの誘いを断ったけど……その後のことをよく考えていなかった。
 付いてきてくれる人がいなければわたしは何もできないのに。せめてアコちゃんがいてくれれば、街を歩いたりはできたかもしれないけど、彼女も当然準備があって。
 色々空振りした結果が自室待機。こうなってしまうと、イマイさん達の買い出しに付いていった方が良かったような気がする。
 わたしにはまだ外に慣れる以外にするべきことがたくさんあるのに。

リンコ「……」

 慣れない自室のせいか、わたしの頭の中をグルグルととめどない思考が巡る。
 すべきことがある状況で読書。落ち着かないのは当たり前で、本を捲るわたしの手は時
174 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:29:32.59 ID:RlQ/ziqgO



 ユキナ編 1話


 城での騒動から一時間ほど経って。
 みんなは早速遺跡捜索の準備のためそれぞれ出かけていった。イマイさんとヒカワさんは食糧や旅に必要な道具の調達。アコちゃんは……ネクロマンサーとして戦いの準備が必要らしく、わたしと別れどこかへ行った。
 見送る時は気にならなかったけど、どんな準備なんだろう……? ネクロマンサーだから……死体とか霊魂だとか、ヘビーなものは持ってこない、よね? 世界が世界だから少し不安。

リンコ「……」ペラッ
 
 ――さて。
 みんなが遠出のため思い思いの準備を始めた。そんな中、わたしは自室の中で本を読んでいた。何故か。その理由は単純明快で、やれることがないからだ。
 外に慣れていないわたしが買い出しや準備に付き合っては迷惑だろうと、イマイさんやヒカワさんの誘いを断ったけど……その後のことをよく考えていなかった。
 付いてきてくれる人がいなければわたしは何もできないのに。せめてアコちゃんがいてくれれば、街を歩いたりはできたかもしれないけど、彼女も当然準備があって。
 色々空振りした結果が自室待機。こうなってしまうと、イマイさん達の買い出しに付いていった方が良かったような気がする。
 わたしにはまだ外に慣れる以外にするべきことがたくさんあるのに。

リンコ「……」

 慣れない自室のせいか、わたしの頭の中をグルグルととめどない思考が巡る。
 すべきことがある状況で読書。落ち着かないのは当たり前で、本を捲るわたしの手は時折止まってしまう。
175 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:30:09.04 ID:RlQ/ziqgO

リンコ「やれること、あるよね……」

 ふと、とあることを思い出したわたしは本を閉じる。帽子を被り杖を取り、簡単な外出の用意をすると部屋の外へ。
 時刻は昼前。廊下の窓から射し込む光に目を細め、わたしは早足でリビングへ。わたしが部屋に行く前と同じなら、多分ここに。

ユキナ「……リンコ。急いでどうしたの?」

 木の香りに包まれた落ち着いた雰囲気のリビングで、大きなテーブルの席に座る人物が一人。湯気が立つカップを手に、優雅にコーヒーを飲む人物、ユキナさんはきょとんとした目をわたしへ向けた。
 改めて見てみると、ユキナさんの衣装は大胆に思える。細い身体のラインがしっかり見える水着のような上半身の服に黒の薄いタイツ。お腹、腰回りが露出していて下半身も際どいスリットが入っており、黒のガーターとスラッとした太ももが見え――ているのだけど、全体的に上品に見えるのはユキナさんの大人びた雰囲気故か。
 やっぱり記憶が大切なのかな。恥ずかしい、おかしい、露出が、なんて思わないから見ている人に違和感を与えない着こなしができるのだろう。
 わたしの服装もゲームのアバターとしてよく見てはいるものの、実際着るとなると大胆だなぁ、なんて思っちゃったりするから、鏡で見ても違和感しかないのかも……。
176 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:30:40.81 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「リンコ?」

リンコ「――あ。だ、大丈夫です……。あの……ユキナさんに、お願いが……」

 ついユキナさんの姿を観察してしまった。慌てて答え、わたしはユキナさんの向かい側へと座る。ほぼ無音のリビング。わたしから視線をそらして、ユキナさんはコーヒーを一口。自室とは違って、ここにはゆったりとした時間が流れているような気がした。
 同じ、飾り気のない落ち着いたインテリアに広々とした間取り。なのに心が落ち着くような気持ちがするのは、仲間がいるからだろうか。
 つくづくわたし一人で異世界に来る、なんてことにならなくて良かったと思う。

ユキナ「お願い?」

リンコ「……はい。街に出てみたくて……。時間、ありますか……?」

ユキナ「ええ。問題ないわ」

 言って、ユキナさんは飲み物を一口。苦かったのか、カップを置いてからテーブル上の容器から砂糖を入れてかき混ぜる。
 カップをジッと見つめつつ、彼女は口を開く。

ユキナ「今、ちょうど出かけようと思っていたところよ。リンコも誘って」

リンコ「そうなんですか……。何を……していたんですか?」

ユキナ「……少し、元の世界のことを思い出していたの」

 元の。つまり日本のことを。
 思い出すのは当然だけれど、それが外出に繋がる理由はよく分からず。わたしはユキナさんの言葉を待つ。ソーサーの上にスプーンを置き、彼女は顔を上げる。
 いつの間にかユキナさんの雰囲気が変わっていることに、そこで気がついた。さらさらと流れる銀髪をかきあげ、彼女は琥珀色の瞳をわたしへ向ける。
177 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:31:18.83 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「……さっき、ミタケさんに会った時。私が我を失った理由がもう一つあったの。それが、イチガヤさんとウシゴメさん。ミタケさんの傍にいた彼女達よ」

リンコ「……?」

ユキナ「覚えているかしら。――『CiRCLE』での大会」

リンコ「大会……あっ」

 そういえば、とわたしは『思い出す』。
 CiRCLEで開催された高校生ガールズバンドの大会。友人達のバンド以外にも沢山の人たちが集まったその大会で、各賞を総なめし圧勝としか言えない成績を残したのがPoppin'Party。

 祝福すべきことだけど……ロゼリアとして何も考える筈はなく。原因を解明して、反省すべきところがあれば改善していかなくてはいけない。大きな課題だろう。

リンコ「……」

 とそこまで考えて、わたしはふと思う。
 何故、こんなに苦い思い出を忘れてしまっていたのだろうか。思い返せば記憶が曖昧だ。その大会から先、自分がどうしていたのか正確に思い出せない。
 その辺りの時間で異世界に来た、ということだろうか。
178 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:31:46.61 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「……やっぱり、リンコも今思い出したのね」

 わたしの表情で察したのか、ユキナさんが小さく嘆息。やっぱりということはユキナさんも忘れていたのだろう。

ユキナ「私もついさっき思い出したの。ミタケさんに噛み付いた理由を考えていたら、頭に浮かんできたわ。ロゼリアを抑えて圧勝した彼女達に対して焦っていた、と」

ユキナ「……課題は多いわ。本来ならすぐにでも練習をしたいところだけれど、リサは記憶がないからそうもいかない。魔王討伐もすぐ元の世界に戻るために優先すべきこと。だから」

 だから。その先はなんとなく察しがついたわたしだ。
 おそらくはわたし達の楽器を手に入れるまでの繋ぎとして、楽器を購入――

ユキナ「働くわよ、リンコ」

リンコ「……えっ?」

 勇者だから。立派な一軒家に住んでるから。
 つい飛ばしていた前工程を口にされ、わたしは面を食らった。

 働く……。
 わたしもユキナさんも縁がなかったことだと思うけど……大丈夫かな……?


179 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:32:21.95 ID:RlQ/ziqgO

 ○


 家を出て街へ。
 元の世界と違い、街中でも自然の溢れるここは空気が美味しく景色が楽しい。広いおかげか街を歩く人もほどほどで、わたしの精神的にも優しい場所である。
 キョロキョロと視線を動かしていたわたしは、ふと前を歩くユキナさんへ目を向ける。斜め後ろから見た彼女の横顔は、こんなファンタジーな世界でも相変わらず前を痛いほど見据えていて、少し眩しい。
 この世界と元の世界の記憶。二つを持つというのにユキナさんはちっとも変わらなくて。
 アコちゃんやヒカワさんもそうだけれど、強いな、と思ってしまう。

ユキナ「リンコ」
 
 不意にユキナさんが口を開く。
 大通り。人の声で賑やかな喧騒の中、彼女の声はすっと通る。

ユキナ「音楽は庶民でも楽しめる娯楽、趣味としてこの国では親しまれているわ。楽器も比較的安価で、値段の幅も広いから、私達でも買うことには困らないと思うわ」

リンコ「そう……なんですか。す、少し……安心しました……」

 買うことには。という言葉に引っかかるものの、そこは一安心。専門的な知識に特別な材料が必要で、家や車を買うくらい高価、とか言われなくて良かった。
 これから魔王を倒すのだ。合間合間でできるレベルでないと困ってしまう。
180 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:32:57.55 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「問題は楽器代に、家賃銭湯代食費が重なることね」

リンコ「……」

 な、なるほど……『買うことは』の含みは、それ……。
 世知辛い悩みにユキナさんの表情が若干しょぼくれて見える。

リンコ「勇者に援助は……ないんですか……?」

ユキナ「勿論あるわよ。けれどあの立派な家に住んでいるから……」

 言わずもがな。ユキナさんにアコちゃん、わたし。三人が快適に暮らせるあの家は、街に並ぶ建物と比較しても立派な部類。その家賃ともなると想像に容易い。

ユキナ「今まではリンコと私、リサで魔物の討伐依頼をこなしたり、魔王軍を倒したり――特に問題はなかったわ。今もないのだけれど、楽器を買うとなると……」

リンコ「……苦しい、ですか……?」

 問うと、ユキナさんは首を横に振る。

ユキナ「楽器を5つともなると、リサが確実に文句を言ってくるわ」

 財布を握られた夫みたいなことを、ユキナさんはキリッとした顔で、前に来た後ろ髪を後ろへ流しつつ言った。
181 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:33:47.92 ID:RlQ/ziqgO

リンコ「……そ、そうなんですか?」

ユキナ「絶対よ。勇者一行の財布を預かってるのはリサだもの。理由を言ってお金を貰おうとした直後に説教されるわ」

 断言。
 まさか本当に財布を握られているとは。何か苦い思い出があるのか、ユキナさんは肩を竦める。
 イマイさんには元の世界の記憶がない。そんな彼女に楽器を買いたい、それも出会ったばかりのヒカワさんにも、なんて言っても何かに影響された衝動買いと思われるのが関の山だろう。
 それにしても、お説教……。
 わたしとユキナさん、イマイさんはこの世界では幼馴染。付き合いが長く、かつイマイさんが私生活を支えてくれているこの世界ならではなリアクションであろう。
 イマイさんの元の世界の記憶があれば、もう少し違う対応をしてくれるのかもしれないけれど。
 しかし楽器分の負担を家計にかけるというのも心苦しいもの。稼げるというのなら自分達で稼いでしまった方がいいだろう。

リンコ「だから……自分達で、工面すると……」

ユキナ「そういうことね。今も自由に動けるのは私達だから。一緒に頑張りましょう、リンコ」

リンコ「は、はい……っ」

 まさかユキナさんと一緒に働く日が来るなんて。この世界でもないと、そんな機会一回も来ないような気がする。
 わたしは海の家でちょっとお手伝いしたくらいの経験だけど……ユキナさんはどうなんだろう。すごく堂々としてて緊張もしてなさそうだけど。
182 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:34:38.55 ID:RlQ/ziqgO
リンコ「それで……候補はありますか……? 働く場所の……」

ユキナ「心配しないで。きちんと考えてきたわ」

 ユキナさんは視線を前に戻し、いつもの調子で淡々と答える。彼女の目が向けられている先、そこを見ると……。


 1 アオバさんの商会の事務所
 2 冒険者ギルド
 
 ↓1 どちらか一つ選択


183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 06:09:19.29 ID:PsI+Q+KYO
1
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 06:32:34.84 ID:xiPfui/N0
ツグミ ネクロマンサー

魔王軍にいたころのアコの師匠でアコには虐待に近い訓練を行っていた。そのためアコにとってはトラウマ
(別にアコが嫌いとかそういうわけではなく、現世と違って異世界のツグミがドSで相手を虐めることが愛情表現だったため)
アコを自分から奪った(と思いこんでいる)リンコには憎悪に近い感情を持っている。(アコの処分を理由に自分の配下に加える予定だった)
ネクロマンサーとしての技術はアコ以上で単騎で街一つを壊滅させたことも何度もある。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 07:13:55.47 ID:lt0sIZIQO
こころ

現実世界より落ち着いていて知性派
そこまで裕福でない国を支えている大黒柱
女好きなのが珠に傷で奴隷から貴族まで気に入った女の子を誘って専用の宮殿の中でハーレムを作って休日は淫らな蜜月を過ごしている
燐子も誘われたが友希那が止めた。友希那からは蘭並みに敵視されてる。こころからしたら友希那は対象外の様子
186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/08/21(水) 07:49:59.17 ID:eLaU+g3C0
たえ 職業:変身者 ふたなり

この世界のタエは様々な魔物や生物を合成させて出来たキメラのようなホムンクルス
様々な魔物に変身したり体から魔物の触手や牙や腕や翼などを生やす事ができる
実は過去に一度未熟なときのリンコと戦ったことがあり、そのときになんとリンコに勝利して逆レイプした
最終的には逃げられてしまったもののリンコの事を気に入り今度自分の肉棒で犯してあげたいと思うタエだった
逆レイプしたのは性欲を満たすだけではなく取り込んだ精液の持ち主の力を使うことが出来る能力があるため つまりリンコの力の一部を所持している
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 09:51:04.94 ID:nqhK2cjkO
花音
バーサーカー/魔物使い
「ふえぇぇ・・・」と鳴きながら巨大な剣を振り回して血の雨を降らすバーサーカーとクラゲ型のモンスターを使役する魔物使いの両方の能力を持つ
最近の悩みはクラゲ型モンスターの繁殖用の女性も自分の剣に巻き込んでしまい上手く確保が出来ない事
元の世界では最近燐子と仲良く一緒にエステや温泉に行ったりしている
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 16:47:31.42 ID:PsI+Q+KYO
元の世界での出来事

表現力を高めるという建前で友希那がTRPGにハマる
友希那グループのメンバーはつぐみ、薫、麻耶、たえ
ロゼリアには秘密にしていたが麻耶が撮影していたリプレイ動画を見られてしまいみんなにバレた
ちなみにその時は三下チンピラキャラを演じていた
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 21:23:20.96 ID:Mnd3skJ0O
CiRCLEでの大会から燐子が異世界に来るまでの数日間、現実世界では不穏で奇妙な事件が起こっていた

@戸山香澄失踪事件・・・大会の次の日から香澄が数日間行方不明になる事件が起きる。ある日突然戻ってきた香澄だったが別人の様に凍りついた表情をしていた。
ACiRCLE襲撃事件・・・CiRCLEが何者かに襲撃され新人スタッフ(プレイヤー)がまりなや客を庇って意識不明の重体になる。不思議な事にまりな達は襲撃された事は覚えているが犯人については全く覚えていなかった

何か異世界と関連するような事件を考えてみた。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 21:58:14.04 ID:xl76XGMa0
こころ
戦闘での職業はドラゴンナイト
古き良きビキニアーマーを身にまといドラゴンに跨って笑顔で斧をぶん回している
このドラゴンはハーレムの一人のドラゴン娘(人間体所持)である
191 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:54:33.76 ID:4kXIjrBo0

 【設定、受け付けました。出来事設定は現実世界のものはストップ。異世界のものは募集継続します。

 それでまだ好感度を決定していないキャラがいますが、手間を減らすため……香澄、沙綾、ひまり、イヴ、はぐみ、薫の好感度未決定のキャラはここから下の>>1(私)の投稿のコンマ末尾で順番に判定します。好感度の記載をしてから、キャラ設定の募集をします。

 では本編再開です】



 見ると……立派な商会の事務所があった。
 それは一見すると豪華な2階建ての豪邸。大きな門に広い庭、その奥には赤い色の屋根のお屋敷。沢山ある窓からは忙しなく人が行き来する影が窺える。
 事務所だろうと一目で分かったのは看板にはアオバ商会事務所と書かれていたからだ。

リンコ「これは……ツルマキさんのお家を、思い出します……」

ユキナ「そうね。肩書に負けない立派な豪邸だわ」

リンコ「……ここでお仕事を?」

 問うとユキナさんは首肯。
 なるほど。大成功している商人のアオバさんなら、確かにわたし達へ回せるお仕事があるかもしれない。記憶もあるから元の世界基準でおかしな仕事をくれる可能性も低い。
 世界に慣れていないわたし達にはうってつけの窓口だ。
192 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:55:10.81 ID:4kXIjrBo0

ユキナ「場所を訊いておいてよかったわ。さ、入りましょう」

 言い、全く物怖じせずに門に手をかけるユキナさん。周りには人がいないからそうするしかないのだけど、相変わらず度胸がすごい。
 大きな門がユキナさんの細い腕であっさり開いていく。わたしはそれをちょっと離れて見ていたのだが――

メイド「お客様、ご用件はなんでしょう?」

 いつの間にかユキナさんの隣にメイドさんが立っていた。声を聞いて初めて存在に気づくわたし達。揃ってびくっと体を跳ねさせる。
 メイドさんの年齢は20代ほど、かな。薄く目を開いており、一見すると目を閉じているように見えてしまう。眠っているかのような表情で穏やかに話す――落ち着いた雰囲気の人だ。
193 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:56:01.46 ID:4kXIjrBo0

メイド「……あら? 貴女はまさか……」

 脳内の処理が追いつかず硬直するわたし達。すると、メイドさんの視線がわたしへ向く。薄っすら開いていた目を見開いて、彼女は何やら驚いた様子を見せる。

メイド「勇者様! よくぞいらしてくださいました。ささ、アオバの元へご案内します。お連れの方もどうぞ」

リンコ「……えっ? あ、用件は――」

 異様にテンションを上げたメイドさんに手を掴まれ、わたしは門の中へと連行される。それまでの落ち着いた様子はどこへやら。メイドさんは片手で門を豪快に押して開き、わたしの言葉を聞く様子もなく庭の道を突き進んでいく。

ユキナ「……まぁ、好都合よね」

 その後ろをユキナさんが肩を竦めて続く。
 勇者と気づいたらこの態度。やっぱりわたしってかなり有名人?
194 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:56:51.92 ID:4kXIjrBo0

メイド「この街に帰ってきた時には勇者様とまたお会いしたいと、モカ様は何度もお話しておりました。きっとお喜びになります」

リンコ「そ……そう、なんですか……」

 どうもそういうわけではなく、アオバさん個人のお話らしい。口振りから察するに今朝家にやって来たということは知らないみたいだ。
 あれこれとアオバさんのことを語るメイドさんに連れられ、庭を通り過ぎて事務所の中へ。中は意外と普通な印象で、豪華な装飾品があったりはせず必要最低限といった、まさに事務所な感じ。
 中はメイドさんが何人も歩いていて、それ以外のしっかりした服装の男女もあちこちに。流石は街一番のビジネスマン。お昼すぎ頃ともなると忙しい盛りだろう。
 メイドさんとすれ違う度頭を下げられ、あっという間に2階の奥へ。一際大きなドアの部屋の前で手を離される。

メイド「どうぞ中へ」

 仰々しく頭を下げ、手でドアを示す。眠るような表情は変わらず、けれどウキウキした雰囲気が漂っているのが分かる。
 なんてリアクションしたらいいか分からず、苦笑しつつわたしはドアへ。後ろのユキナさんを確認し、おずおずと開く。
195 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:57:37.07 ID:4kXIjrBo0

リンコ「し、失礼、します……」

モカ「はーい。……あれー? リンコさんにユキナさん」

 廊下と変わらず事務的な部屋の中にいたのは勿論、アオバさん。書類の置かれた大きなテーブルの前に座っており、いつもののほほんとした様子でこちらを見る。

ユキナ「こんにちは、アオバさん。ちょっとお話があって。今いいかしら」

モカ「勿論いいですけどー、どうしたんですか? 急ぎの用事で? あ、どうぞ座ってくださいー」

 ドアを閉じて部屋の中へ。アオバさんに促され、テーブルの前にあるソファに座る。その向かい側のソファにアオバさんは腰掛けた。

ユキナ「ありがとう。――それで、早速だけれど。私達へ仕事をくれないかしら」

モカ「仕事?」

リンコ「その……バンドの練習をするために……楽器を」

モカ「あぁ〜なるほど。ロゼリアは揃ってますしね」

 羨ましいなぁ、と少し寂しげに呟くアオバさん。現状、メンバーが綺麗に揃っているのはロゼリアだけ。イコール、練習できるのもロゼリアだけ。記憶がないのもイマイさんだけだから、わたし達は恵まれている方だろう。
196 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:58:39.58 ID:4kXIjrBo0

ユキナ「ええ。勿論、ウタガワさんの件は急いで解決するようにするわ」

モカ「あ、そこは信頼してますからお気になさらずー。けど楽器ならあたしが――」

 と、そこで顔を上げるアオバさん。
 彼女はユキナさんの表情を数秒見つめ、フッと笑う。真っ直ぐな彼女の瞳。そこに何を読み取れるのかは、横顔しか見えないわたしにも容易に察せる。

モカ「――そういう人じゃないですよね。分かりましたー。そういうことならモカちゃん、ご協力します」

ユキナ「ありがとう。助かるわ」

 立ち上がり、アオバさんがテーブルのファイルを一冊手に取る。ソファに座りそれを開くと、彼女は数枚の書類をテーブルの上に。
197 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/26(月) 02:09:39.18 ID:4kXIjrBo0

モカ「じゃあ、この中から選んでくださいー」

リンコ「……」

 置かれた書類を見る。
 枚数は3枚。パッと見た限り、一枚にそれぞれ一つの仕事内容……つまり、紹介できるお仕事は今のところ三つらしい。
 うーん……何がいいのかな……?

 1 メイドさん一日体験
 2 密室で女の子と話すだけ(意味深)の仕事
 3 調教師のお手伝い

 ↓1 一つ選択



【と、ここで好感度判定の結果が出ましたのでまとめを

丸山彩 (すでに決定済み) 好感度10
香澄 好感度6
沙綾 好感度1
ひまり 好感度6
イヴ 好感度2
はぐみ 好感度7
薫 好感度8

以降、これらの7人のキャラ達の設定を募集します。好感度の高い(9以上)彩ちゃんは第二のパートナー設定など異世界、現世問わず親密な仲でもオーケーです。

 ただし魔王軍の仲間、悪人がこれ以上増えると大変そうなのでできれば善人寄りに。しばらくして設定が無かったり、少なかったりしたら私の方で適当にやっておきます

 キャラ設定は安価に含まず、安価を踏んだ場合は下にずれますのでご注意を】
198 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/26(月) 02:27:29.76 ID:4kXIjrBo0
【忘れてたことを追記

 今回は元の世界の記憶の有り無しも設定に含めてもらって構いません。異世界で自分が犯罪をしていたり、逆に誰かを救っていたり、それについてそのキャラがどう思っているのか、なども含めて設定とします。
 これも記載が無い場合勝手に決めます

 設定、記憶の有無は基本早いもの勝ちで採用していきますー】
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 06:37:13.87 ID:8Gaqde9+O
2
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:27:25.38 ID:WXpbTXN7O
香澄
歌姫として世界を巡っている 世界一の歌姫として名高く各国にファンがいる 
実は彼女の歌には癒しの力があってそのせいで聖女として崇められていた過去がある 癒しの歌しか求められていないことに嫌気が差して聖女の地位を捨てて旅の歌姫になった
元の世界の記憶無し 聖女だったこともあって人前では礼儀作法正しい対応が出来る
実は生まれつきふたなり 一応聖女だったのでいわゆる光魔法は使える
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:31:01.63 ID:OdtrosRw0
3
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:46:34.00 ID:8Gaqde9+O
薫 パラディン
記憶はないが基本は元の世界と変わらず。
大きな違いは香澄に一目惚れし、彼女が歌姫になると言って出ていこうとしたときも自分も地位を捨てて付いていってしまう。
実力は高く一人で剣・盾・魔のすべてをこなせる万能タイプ
現在は香澄の恋人であり香澄の前ではMっ気があり女性の言動になる。肉体関係あり。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/08/26(月) 08:02:49.32 ID:QmIrzhs70
沙綾  クラス:傭兵
現実世界とおなじく家族でパン屋を営む村娘だった。しかし、数年前に魔王軍に襲撃されて家族は殺される
サアヤは捕まって性奴隷にされてしまい陵辱されたり実験に使われたりと辱められる
他に辱められていた女性たちとともに脱走を試みるが逃げられたのはサアヤだけだった
それ以来、復讐のために傭兵になった。主に槍と弓を使い分ける
魔物や魔王軍を当然憎んでおり、元魔王軍のアコやハーフのユキナも対象、そんな二人と仲良くしているリンコも信じられない
一度元の世界の記憶を取り戻したが、異世界の自分に対するショックが大きく再び記憶を失う。しかし、弊害として異世界の自分の幸せな生活を毎晩夢見るようになってしまう。
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 18:34:25.68 ID:EiDe4zDN0
ひまり

天才拳闘士として名をはせた少女だったが借金のせいで親に娼館に売られてしまう。
持ち前の明るさと身体つきで老若男女からの人気1に上り詰める。このまま娼館ぐらしも悪くないなーと思った矢先に記憶が戻る。
処女じゃないことには落ち込んだものの、1って凄くない!?と明るく前向きに切り替える。
すでにかなりの額のお金を稼いでいたため惜しまれつつも娼館を円満退職して、身体を鍛えつつバンドのみんなを探す旅に出ている。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 20:13:03.89 ID:pBYpdPgrO
イヴ(記憶はない)

ランの義娘で呼び方は「ランママ」
ランの義娘だがランの事がお相手として大好きで狙っており、アリサとはライバル関係 またミサキのランに対する想いにも気がついている
リンコよりもランの方が勇者として相応しいと思っているのは同じ 

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 08:21:30.98 ID:RxANUGmZ0
はぐみ

トレジャーハンター 記憶あり 武器はダガーと鞭とボウガン お宝感知は得意だが罠解除は苦手なので他のトレジャーハンターと組んでいる
元の世界で新作コロッケ作りにハマっているので異世界で新しいコロッケを作りたいという思いがある
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:22:04.47 ID:phJFBtOu0
彩ちゃん

元々はそれなりに大きな地方領主の娘。あるときに魔王軍幹部(つぐみと花音とたえ)の襲撃により地方都市は壊滅、家族は花音に捕まることに。
その際に居合わせたリンコも戦闘でボロボロだったのに必死に助けてもらい、リンコに惚れる。
リンコがアコと一緒に暮らし始めるまでリンコと一緒に暮らしていた。本人は引き取り先が見つかった後に家を出ていったが、その際にお礼として身体を差し出している。
アコの事は知っているがめげずに第2のパートナーとして名乗りを上げている。
記憶はまだない様子。
208 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:38:43.32 ID:ejMHYAmY0
【設定ありがとうございます。全て採用ですー。職業の指定などがない場合は、私が決めちゃいますのであしからず】


 2 密室で女の子と話すだけ(意味深)の仕事


リンコ「あ、あの……これは何ですか?」

 書類の中でわたしが気になったのは2つ目の仕事。
 内容は密室で女の子と話すだけ。その割には給料が良くて、上の方を見る限り割の良い仕事だとしか思えない。
 こんな仕事、誰でもやりたがるだろう。とてもその日尋ねてきた友人に紹介するようなものではない。

ユキナ「それは私も気になったわね。女の子と話をするだけ……どういうことかしら?」

モカ「あ。それは……」

 やっぱり気になっちゃいます? と苦笑を浮かべるアオバさん。彼女は書類の最後の方、とある一文を指で示す。

ユキナ「『お客様との恋愛は自由』……?」

リンコ「……あ」

 なんとなく察したわたしである。

ユキナ「……さっぱり分からないわ」

モカ「紹介しておいてなんですけどー……このお仕事は風俗です」

ユキナ「ふっ――!?」

 や、やっぱり……。
 頬を赤らめて狼狽えるユキナさんを遠い目で見つつわたしは思う。
 話すだけにしては高給だし、プラス出来高なんて書いてあるし、そういうお仕事だというのはよく読めば分かる。
209 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:39:23.90 ID:ejMHYAmY0

ユキナ「……。あの、アオバさん。そういう仕事を友人に紹介するのはどうなのかしら」

モカ「いやぁ、モカちゃんそういう商人ですしー。女の子にすぐ紹介できる仕事といったら、雑用か容姿、身体を使ったお仕事になっちゃって」

ユキナ「そ、そう……ね」

 いきなり押しかけたものだから、反論はできず。頷いたユキナさんは若干肩を落とす。

リンコ「……あの。これを候補に……挙げた理由は……?」

 記憶がある彼女が選んだ仕事だ。この世界の常識はよく分からないけれど、それなりの理由はあるはず。問うと、アオバさんは指折り数えて答える。

モカ「えっとー、まず二人ともかわいくて。相手は女の子だけだからちょっとは安心で。嫌ならお話してお酒飲むだけでもいい、ってルールにはなってて――って感じです」

リンコ「あ……そうなんですか……」

 ゆるいお店、なのかな……?

ユキナ「それでも、その……するかもしれないのでしょう?」

モカ「みんなは何回か会ってから、っていうケースが殆どですしー。二人みたいに短期のつもりなら、被害もないかとー」

ユキナ「なるほど……」

 聞いているとすごく好条件な気がしてきた。この世界の仕事をし慣れていないわたしでも、なんとかでき……いや、
210 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:39:55.67 ID:ejMHYAmY0

リンコ「わたし……話せるかどうか……。それに、お酒は……」

 まずわたしのコミュニケーション能力が不安すぎた。仕事の内容に気を引かれて、そっちをすっかり忘れてしまっていた。

モカ「いやいや、リンコさんなら無言でも大人気間違いなしですよー。お酒も法律ないですし」

ユキナ「……。けど、リンコは特殊な体質で単純に一言で女性とは……」

モカ「あ。それも知ってます。記載するのでそれも、もーまんたい――」

ユキナ「何で知っているの?」

 首を傾げたユキナさんに、アオバさんが笑顔のまま静止する。
 ユキナさんは知らないだろうけれど、今朝わたしはアオバさんに事後を目撃されていて……。それを思い出したのかアオバさんはみるみるうちに顔を真っ赤にさせる。

モカ「な、なんでもないですよー。気のせい気のせい。リンコさんから聞いてー」

リンコ「は、はいっ……。言いました……」

 わたしもバレると恥ずかしい思いしかしない。アオバさんの言葉に全力で乗っかっておく。よく考えると自分の体質を不意に暴露する怪しい人物になりかけているのだが……もう言ってしまったのだから取り消せない。
211 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:40:55.56 ID:ejMHYAmY0

モカ「それに女の子勇者の体質はこの世界では有名ですから〜」

ユキナ「まぁ、そうね」

 サラッと言われたけど、この世界の勇者ってそうなの……? ユキナさんが違和感なく頷いてるくらいだから、もしかしてみんな知ってる?

モカ「とにかく、何事も経験ですから、やってみますー?」

ユキナ「……そうね。今はお金が欲しいから……話すだけなら。リンコは?」

リンコ「……わ、わたしも……やってみます」

 せっかくの紹介。それに楽器を早く手にしたいというのもあって、わたしは頷いてしまう。
 喋るだけ、という点で安心してしまったのも理由の一つかもしれない。

モカ「それじゃあ、今からここに行ってくださいー。あたしの紹介って言えばすぐですから」

ユキナ「ありがとう。助かるわ」

リンコ「……ど、どうもありがとうございます……」

モカ「いやいや〜。あたしも二人みたいな即戦力が来てくれて助かりましたー」
212 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/28(水) 07:41:46.92 ID:ejMHYAmY0

 兎にも角にも、仕事は決まった。
 アオバさんがサラサラッと書いた名刺大のカードをポケットに入れ、わたし達は彼女の部屋を後にした。


 そこからはあっという間で、お店に着いたわたしたちはお風呂に入ってお化粧されて、用意された服を身に着けて――それぞれのお部屋に。
 そしてやって来たお客さんは――


 1 チサト
 2 リサ
 3 ココロ
 4 アヤ

 ↓1 一つ選択
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 08:07:48.29 ID:KggH0Khf0
3
214 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:56:49.11 ID:6wEZS/2C0


 3 ココロ


リンコ「落ち着かない……」

 宿屋さんみたいなお店に来てからしばらく。受付を通され、あれこれ準備させられたわたしはユキナさんと別れて、沢山ある部屋の一つに待機させられていた。
 アオバさんのお店……のおそらくは沢山の内の一つ。ここ
はすごく高級店のようだ。雰囲気が落ち着いていて、建っている場所だってほぼ一等地に近い。
 部屋のテーブルに置かれていたメニューに書かれている料理も、お酒も中々なお値段だ。そうなると当然、部屋も立派なもので。わたしの自室よりも広い部屋にはシャワーがあり、中心にピカピカに整備されたテーブルとソファー。棚にはお酒類が。そして部屋の隅――ダブルサイズ以上のベッドが置かれている。
 照明は少なめで、わたしの服装を加えてとてもいかがわしい雰囲気になっていることだろう。お店側から渡された衣装は少し薄手なネグリジェ。黒色の、肩から谷間にかけて大きく露出したデザインのものだ。
 普段のウィザード衣装とあまり露出の違いは無い。でも圧倒的に軽くて薄くて、全身スースーするような錯覚を覚えてしまう。
 ユキナさんも同じような服を着ていて……すごく、インパクトが強かった。
215 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:57:29.37 ID:6wEZS/2C0

リンコ「……誰が来るんだろう……あっ」

 女の子同士のお店とは聞いたけど……どうなることか。
 ソワソワ待機し続けること10分ほど。ついにドアがノックされた。コンコンと二回。しっかり間隔を空けて、落ち着いた叩き方である。
 まだ夕方にもなっていないのにこの待ち時間で人が……? 思ったより人気店なのかもしれない。

リンコ「ど、どうぞ……っ」

 ソファから立ち、声をかける。ドアはそのすぐ後に開いた。
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