【バンドリ】燐子「異世界で冒険……?」【安価】

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186 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/08/21(水) 07:49:59.17 ID:eLaU+g3C0
たえ 職業:変身者 ふたなり

この世界のタエは様々な魔物や生物を合成させて出来たキメラのようなホムンクルス
様々な魔物に変身したり体から魔物の触手や牙や腕や翼などを生やす事ができる
実は過去に一度未熟なときのリンコと戦ったことがあり、そのときになんとリンコに勝利して逆レイプした
最終的には逃げられてしまったもののリンコの事を気に入り今度自分の肉棒で犯してあげたいと思うタエだった
逆レイプしたのは性欲を満たすだけではなく取り込んだ精液の持ち主の力を使うことが出来る能力があるため つまりリンコの力の一部を所持している
187 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 09:51:04.94 ID:nqhK2cjkO
花音
バーサーカー/魔物使い
「ふえぇぇ・・・」と鳴きながら巨大な剣を振り回して血の雨を降らすバーサーカーとクラゲ型のモンスターを使役する魔物使いの両方の能力を持つ
最近の悩みはクラゲ型モンスターの繁殖用の女性も自分の剣に巻き込んでしまい上手く確保が出来ない事
元の世界では最近燐子と仲良く一緒にエステや温泉に行ったりしている
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 16:47:31.42 ID:PsI+Q+KYO
元の世界での出来事

表現力を高めるという建前で友希那がTRPGにハマる
友希那グループのメンバーはつぐみ、薫、麻耶、たえ
ロゼリアには秘密にしていたが麻耶が撮影していたリプレイ動画を見られてしまいみんなにバレた
ちなみにその時は三下チンピラキャラを演じていた
189 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 21:23:20.96 ID:Mnd3skJ0O
CiRCLEでの大会から燐子が異世界に来るまでの数日間、現実世界では不穏で奇妙な事件が起こっていた

�@戸山香澄失踪事件・・・大会の次の日から香澄が数日間行方不明になる事件が起きる。ある日突然戻ってきた香澄だったが別人の様に凍りついた表情をしていた。
�ACiRCLE襲撃事件・・・CiRCLEが何者かに襲撃され新人スタッフ(プレイヤー)がまりなや客を庇って意識不明の重体になる。不思議な事にまりな達は襲撃された事は覚えているが犯人については全く覚えていなかった

何か異世界と関連するような事件を考えてみた。
190 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 21:58:14.04 ID:xl76XGMa0
こころ
戦闘での職業はドラゴンナイト
古き良きビキニアーマーを身にまといドラゴンに跨って笑顔で斧をぶん回している
このドラゴンはハーレムの一人のドラゴン娘(人間体所持)である
191 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:54:33.76 ID:4kXIjrBo0

 【設定、受け付けました。出来事設定は現実世界のものはストップ。異世界のものは募集継続します。

 それでまだ好感度を決定していないキャラがいますが、手間を減らすため……香澄、沙綾、ひまり、イヴ、はぐみ、薫の好感度未決定のキャラはここから下の>>1(私)の投稿のコンマ末尾で順番に判定します。好感度の記載をしてから、キャラ設定の募集をします。

 では本編再開です】



 見ると……立派な商会の事務所があった。
 それは一見すると豪華な2階建ての豪邸。大きな門に広い庭、その奥には赤い色の屋根のお屋敷。沢山ある窓からは忙しなく人が行き来する影が窺える。
 事務所だろうと一目で分かったのは看板にはアオバ商会事務所と書かれていたからだ。

リンコ「これは……ツルマキさんのお家を、思い出します……」

ユキナ「そうね。肩書に負けない立派な豪邸だわ」

リンコ「……ここでお仕事を?」

 問うとユキナさんは首肯。
 なるほど。大成功している商人のアオバさんなら、確かにわたし達へ回せるお仕事があるかもしれない。記憶もあるから元の世界基準でおかしな仕事をくれる可能性も低い。
 世界に慣れていないわたし達にはうってつけの窓口だ。
192 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:55:10.81 ID:4kXIjrBo0

ユキナ「場所を訊いておいてよかったわ。さ、入りましょう」

 言い、全く物怖じせずに門に手をかけるユキナさん。周りには人がいないからそうするしかないのだけど、相変わらず度胸がすごい。
 大きな門がユキナさんの細い腕であっさり開いていく。わたしはそれをちょっと離れて見ていたのだが――

メイド「お客様、ご用件はなんでしょう?」

 いつの間にかユキナさんの隣にメイドさんが立っていた。声を聞いて初めて存在に気づくわたし達。揃ってびくっと体を跳ねさせる。
 メイドさんの年齢は20代ほど、かな。薄く目を開いており、一見すると目を閉じているように見えてしまう。眠っているかのような表情で穏やかに話す――落ち着いた雰囲気の人だ。
193 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:56:01.46 ID:4kXIjrBo0

メイド「……あら? 貴女はまさか……」

 脳内の処理が追いつかず硬直するわたし達。すると、メイドさんの視線がわたしへ向く。薄っすら開いていた目を見開いて、彼女は何やら驚いた様子を見せる。

メイド「勇者様! よくぞいらしてくださいました。ささ、アオバの元へご案内します。お連れの方もどうぞ」

リンコ「……えっ? あ、用件は――」

 異様にテンションを上げたメイドさんに手を掴まれ、わたしは門の中へと連行される。それまでの落ち着いた様子はどこへやら。メイドさんは片手で門を豪快に押して開き、わたしの言葉を聞く様子もなく庭の道を突き進んでいく。

ユキナ「……まぁ、好都合よね」

 その後ろをユキナさんが肩を竦めて続く。
 勇者と気づいたらこの態度。やっぱりわたしってかなり有名人?
194 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:56:51.92 ID:4kXIjrBo0

メイド「この街に帰ってきた時には勇者様とまたお会いしたいと、モカ様は何度もお話しておりました。きっとお喜びになります」

リンコ「そ……そう、なんですか……」

 どうもそういうわけではなく、アオバさん個人のお話らしい。口振りから察するに今朝家にやって来たということは知らないみたいだ。
 あれこれとアオバさんのことを語るメイドさんに連れられ、庭を通り過ぎて事務所の中へ。中は意外と普通な印象で、豪華な装飾品があったりはせず必要最低限といった、まさに事務所な感じ。
 中はメイドさんが何人も歩いていて、それ以外のしっかりした服装の男女もあちこちに。流石は街一番のビジネスマン。お昼すぎ頃ともなると忙しい盛りだろう。
 メイドさんとすれ違う度頭を下げられ、あっという間に2階の奥へ。一際大きなドアの部屋の前で手を離される。

メイド「どうぞ中へ」

 仰々しく頭を下げ、手でドアを示す。眠るような表情は変わらず、けれどウキウキした雰囲気が漂っているのが分かる。
 なんてリアクションしたらいいか分からず、苦笑しつつわたしはドアへ。後ろのユキナさんを確認し、おずおずと開く。
195 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:57:37.07 ID:4kXIjrBo0

リンコ「し、失礼、します……」

モカ「はーい。……あれー? リンコさんにユキナさん」

 廊下と変わらず事務的な部屋の中にいたのは勿論、アオバさん。書類の置かれた大きなテーブルの前に座っており、いつもののほほんとした様子でこちらを見る。

ユキナ「こんにちは、アオバさん。ちょっとお話があって。今いいかしら」

モカ「勿論いいですけどー、どうしたんですか? 急ぎの用事で? あ、どうぞ座ってくださいー」

 ドアを閉じて部屋の中へ。アオバさんに促され、テーブルの前にあるソファに座る。その向かい側のソファにアオバさんは腰掛けた。

ユキナ「ありがとう。――それで、早速だけれど。私達へ仕事をくれないかしら」

モカ「仕事?」

リンコ「その……バンドの練習をするために……楽器を」

モカ「あぁ〜なるほど。ロゼリアは揃ってますしね」

 羨ましいなぁ、と少し寂しげに呟くアオバさん。現状、メンバーが綺麗に揃っているのはロゼリアだけ。イコール、練習できるのもロゼリアだけ。記憶がないのもイマイさんだけだから、わたし達は恵まれている方だろう。
196 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/26(月) 01:58:39.58 ID:4kXIjrBo0

ユキナ「ええ。勿論、ウタガワさんの件は急いで解決するようにするわ」

モカ「あ、そこは信頼してますからお気になさらずー。けど楽器ならあたしが――」

 と、そこで顔を上げるアオバさん。
 彼女はユキナさんの表情を数秒見つめ、フッと笑う。真っ直ぐな彼女の瞳。そこに何を読み取れるのかは、横顔しか見えないわたしにも容易に察せる。

モカ「――そういう人じゃないですよね。分かりましたー。そういうことならモカちゃん、ご協力します」

ユキナ「ありがとう。助かるわ」

 立ち上がり、アオバさんがテーブルのファイルを一冊手に取る。ソファに座りそれを開くと、彼女は数枚の書類をテーブルの上に。
197 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/26(月) 02:09:39.18 ID:4kXIjrBo0

モカ「じゃあ、この中から選んでくださいー」

リンコ「……」

 置かれた書類を見る。
 枚数は3枚。パッと見た限り、一枚にそれぞれ一つの仕事内容……つまり、紹介できるお仕事は今のところ三つらしい。
 うーん……何がいいのかな……?

 1 メイドさん一日体験
 2 密室で女の子と話すだけ(意味深)の仕事
 3 調教師のお手伝い

 ↓1 一つ選択



【と、ここで好感度判定の結果が出ましたのでまとめを

丸山彩 (すでに決定済み) 好感度10
香澄 好感度6
沙綾 好感度1
ひまり 好感度6
イヴ 好感度2
はぐみ 好感度7
薫 好感度8

以降、これらの7人のキャラ達の設定を募集します。好感度の高い(9以上)彩ちゃんは第二のパートナー設定など異世界、現世問わず親密な仲でもオーケーです。

 ただし魔王軍の仲間、悪人がこれ以上増えると大変そうなのでできれば善人寄りに。しばらくして設定が無かったり、少なかったりしたら私の方で適当にやっておきます

 キャラ設定は安価に含まず、安価を踏んだ場合は下にずれますのでご注意を】
198 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/26(月) 02:27:29.76 ID:4kXIjrBo0
【忘れてたことを追記

 今回は元の世界の記憶の有り無しも設定に含めてもらって構いません。異世界で自分が犯罪をしていたり、逆に誰かを救っていたり、それについてそのキャラがどう思っているのか、なども含めて設定とします。
 これも記載が無い場合勝手に決めます

 設定、記憶の有無は基本早いもの勝ちで採用していきますー】
199 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 06:37:13.87 ID:8Gaqde9+O
2
200 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:27:25.38 ID:WXpbTXN7O
香澄
歌姫として世界を巡っている 世界一の歌姫として名高く各国にファンがいる 
実は彼女の歌には癒しの力があってそのせいで聖女として崇められていた過去がある 癒しの歌しか求められていないことに嫌気が差して聖女の地位を捨てて旅の歌姫になった
元の世界の記憶無し 聖女だったこともあって人前では礼儀作法正しい対応が出来る
実は生まれつきふたなり 一応聖女だったのでいわゆる光魔法は使える
201 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:31:01.63 ID:OdtrosRw0
3
202 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 07:46:34.00 ID:8Gaqde9+O
薫 パラディン
記憶はないが基本は元の世界と変わらず。
大きな違いは香澄に一目惚れし、彼女が歌姫になると言って出ていこうとしたときも自分も地位を捨てて付いていってしまう。
実力は高く一人で剣・盾・魔のすべてをこなせる万能タイプ
現在は香澄の恋人であり香澄の前ではMっ気があり女性の言動になる。肉体関係あり。
203 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/08/26(月) 08:02:49.32 ID:QmIrzhs70
沙綾  クラス:傭兵
現実世界とおなじく家族でパン屋を営む村娘だった。しかし、数年前に魔王軍に襲撃されて家族は殺される
サアヤは捕まって性奴隷にされてしまい陵辱されたり実験に使われたりと辱められる
他に辱められていた女性たちとともに脱走を試みるが逃げられたのはサアヤだけだった
それ以来、復讐のために傭兵になった。主に槍と弓を使い分ける
魔物や魔王軍を当然憎んでおり、元魔王軍のアコやハーフのユキナも対象、そんな二人と仲良くしているリンコも信じられない
一度元の世界の記憶を取り戻したが、異世界の自分に対するショックが大きく再び記憶を失う。しかし、弊害として異世界の自分の幸せな生活を毎晩夢見るようになってしまう。
204 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 18:34:25.68 ID:EiDe4zDN0
ひまり

天才拳闘士として名をはせた少女だったが借金のせいで親に娼館に売られてしまう。
持ち前の明るさと身体つきで老若男女からの人気��1に上り詰める。このまま娼館ぐらしも悪くないなーと思った矢先に記憶が戻る。
処女じゃないことには落ち込んだものの、��1って凄くない!?と明るく前向きに切り替える。
すでにかなりの額のお金を稼いでいたため惜しまれつつも娼館を円満退職して、身体を鍛えつつバンドのみんなを探す旅に出ている。
205 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 20:13:03.89 ID:pBYpdPgrO
イヴ(記憶はない)

ランの義娘で呼び方は「ランママ」
ランの義娘だがランの事がお相手として大好きで狙っており、アリサとはライバル関係 またミサキのランに対する想いにも気がついている
リンコよりもランの方が勇者として相応しいと思っているのは同じ 

206 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 08:21:30.98 ID:RxANUGmZ0
はぐみ

トレジャーハンター 記憶あり 武器はダガーと鞭とボウガン お宝感知は得意だが罠解除は苦手なので他のトレジャーハンターと組んでいる
元の世界で新作コロッケ作りにハマっているので異世界で新しいコロッケを作りたいという思いがある
207 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:22:04.47 ID:phJFBtOu0
彩ちゃん

元々はそれなりに大きな地方領主の娘。あるときに魔王軍幹部(つぐみと花音とたえ)の襲撃により地方都市は壊滅、家族は花音に捕まることに。
その際に居合わせたリンコも戦闘でボロボロだったのに必死に助けてもらい、リンコに惚れる。
リンコがアコと一緒に暮らし始めるまでリンコと一緒に暮らしていた。本人は引き取り先が見つかった後に家を出ていったが、その際にお礼として身体を差し出している。
アコの事は知っているがめげずに第2のパートナーとして名乗りを上げている。
記憶はまだない様子。
208 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:38:43.32 ID:ejMHYAmY0
【設定ありがとうございます。全て採用ですー。職業の指定などがない場合は、私が決めちゃいますのであしからず】


 2 密室で女の子と話すだけ(意味深)の仕事


リンコ「あ、あの……これは何ですか?」

 書類の中でわたしが気になったのは2つ目の仕事。
 内容は密室で女の子と話すだけ。その割には給料が良くて、上の方を見る限り割の良い仕事だとしか思えない。
 こんな仕事、誰でもやりたがるだろう。とてもその日尋ねてきた友人に紹介するようなものではない。

ユキナ「それは私も気になったわね。女の子と話をするだけ……どういうことかしら?」

モカ「あ。それは……」

 やっぱり気になっちゃいます? と苦笑を浮かべるアオバさん。彼女は書類の最後の方、とある一文を指で示す。

ユキナ「『お客様との恋愛は自由』……?」

リンコ「……あ」

 なんとなく察したわたしである。

ユキナ「……さっぱり分からないわ」

モカ「紹介しておいてなんですけどー……このお仕事は風俗です」

ユキナ「ふっ――!?」

 や、やっぱり……。
 頬を赤らめて狼狽えるユキナさんを遠い目で見つつわたしは思う。
 話すだけにしては高給だし、プラス出来高なんて書いてあるし、そういうお仕事だというのはよく読めば分かる。
209 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:39:23.90 ID:ejMHYAmY0

ユキナ「……。あの、アオバさん。そういう仕事を友人に紹介するのはどうなのかしら」

モカ「いやぁ、モカちゃんそういう商人ですしー。女の子にすぐ紹介できる仕事といったら、雑用か容姿、身体を使ったお仕事になっちゃって」

ユキナ「そ、そう……ね」

 いきなり押しかけたものだから、反論はできず。頷いたユキナさんは若干肩を落とす。

リンコ「……あの。これを候補に……挙げた理由は……?」

 記憶がある彼女が選んだ仕事だ。この世界の常識はよく分からないけれど、それなりの理由はあるはず。問うと、アオバさんは指折り数えて答える。

モカ「えっとー、まず二人ともかわいくて。相手は女の子だけだからちょっとは安心で。嫌ならお話してお酒飲むだけでもいい、ってルールにはなってて――って感じです」

リンコ「あ……そうなんですか……」

 ゆるいお店、なのかな……?

ユキナ「それでも、その……するかもしれないのでしょう?」

モカ「みんなは何回か会ってから、っていうケースが殆どですしー。二人みたいに短期のつもりなら、被害もないかとー」

ユキナ「なるほど……」

 聞いているとすごく好条件な気がしてきた。この世界の仕事をし慣れていないわたしでも、なんとかでき……いや、
210 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:39:55.67 ID:ejMHYAmY0

リンコ「わたし……話せるかどうか……。それに、お酒は……」

 まずわたしのコミュニケーション能力が不安すぎた。仕事の内容に気を引かれて、そっちをすっかり忘れてしまっていた。

モカ「いやいや、リンコさんなら無言でも大人気間違いなしですよー。お酒も法律ないですし」

ユキナ「……。けど、リンコは特殊な体質で単純に一言で女性とは……」

モカ「あ。それも知ってます。記載するのでそれも、もーまんたい――」

ユキナ「何で知っているの?」

 首を傾げたユキナさんに、アオバさんが笑顔のまま静止する。
 ユキナさんは知らないだろうけれど、今朝わたしはアオバさんに事後を目撃されていて……。それを思い出したのかアオバさんはみるみるうちに顔を真っ赤にさせる。

モカ「な、なんでもないですよー。気のせい気のせい。リンコさんから聞いてー」

リンコ「は、はいっ……。言いました……」

 わたしもバレると恥ずかしい思いしかしない。アオバさんの言葉に全力で乗っかっておく。よく考えると自分の体質を不意に暴露する怪しい人物になりかけているのだが……もう言ってしまったのだから取り消せない。
211 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/28(水) 07:40:55.56 ID:ejMHYAmY0

モカ「それに女の子勇者の体質はこの世界では有名ですから〜」

ユキナ「まぁ、そうね」

 サラッと言われたけど、この世界の勇者ってそうなの……? ユキナさんが違和感なく頷いてるくらいだから、もしかしてみんな知ってる?

モカ「とにかく、何事も経験ですから、やってみますー?」

ユキナ「……そうね。今はお金が欲しいから……話すだけなら。リンコは?」

リンコ「……わ、わたしも……やってみます」

 せっかくの紹介。それに楽器を早く手にしたいというのもあって、わたしは頷いてしまう。
 喋るだけ、という点で安心してしまったのも理由の一つかもしれない。

モカ「それじゃあ、今からここに行ってくださいー。あたしの紹介って言えばすぐですから」

ユキナ「ありがとう。助かるわ」

リンコ「……ど、どうもありがとうございます……」

モカ「いやいや〜。あたしも二人みたいな即戦力が来てくれて助かりましたー」
212 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/28(水) 07:41:46.92 ID:ejMHYAmY0

 兎にも角にも、仕事は決まった。
 アオバさんがサラサラッと書いた名刺大のカードをポケットに入れ、わたし達は彼女の部屋を後にした。


 そこからはあっという間で、お店に着いたわたしたちはお風呂に入ってお化粧されて、用意された服を身に着けて――それぞれのお部屋に。
 そしてやって来たお客さんは――


 1 チサト
 2 リサ
 3 ココロ
 4 アヤ

 ↓1 一つ選択
213 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 08:07:48.29 ID:KggH0Khf0
3
214 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:56:49.11 ID:6wEZS/2C0


 3 ココロ


リンコ「落ち着かない……」

 宿屋さんみたいなお店に来てからしばらく。受付を通され、あれこれ準備させられたわたしはユキナさんと別れて、沢山ある部屋の一つに待機させられていた。
 アオバさんのお店……のおそらくは沢山の内の一つ。ここ
はすごく高級店のようだ。雰囲気が落ち着いていて、建っている場所だってほぼ一等地に近い。
 部屋のテーブルに置かれていたメニューに書かれている料理も、お酒も中々なお値段だ。そうなると当然、部屋も立派なもので。わたしの自室よりも広い部屋にはシャワーがあり、中心にピカピカに整備されたテーブルとソファー。棚にはお酒類が。そして部屋の隅――ダブルサイズ以上のベッドが置かれている。
 照明は少なめで、わたしの服装を加えてとてもいかがわしい雰囲気になっていることだろう。お店側から渡された衣装は少し薄手なネグリジェ。黒色の、肩から谷間にかけて大きく露出したデザインのものだ。
 普段のウィザード衣装とあまり露出の違いは無い。でも圧倒的に軽くて薄くて、全身スースーするような錯覚を覚えてしまう。
 ユキナさんも同じような服を着ていて……すごく、インパクトが強かった。
215 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:57:29.37 ID:6wEZS/2C0

リンコ「……誰が来るんだろう……あっ」

 女の子同士のお店とは聞いたけど……どうなることか。
 ソワソワ待機し続けること10分ほど。ついにドアがノックされた。コンコンと二回。しっかり間隔を空けて、落ち着いた叩き方である。
 まだ夕方にもなっていないのにこの待ち時間で人が……? 思ったより人気店なのかもしれない。

リンコ「ど、どうぞ……っ」

 ソファから立ち、声をかける。ドアはそのすぐ後に開いた。
216 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:58:04.46 ID:6wEZS/2C0

ココロ「――入るわね」

 声が聞こえた瞬間、わたしはハッとする。前の世界と印象は違うけれど、この声に聞き覚えがあった。
 直後、目に映るのはドアから入ってきた人物。キラキラと眩しい腰ほどまである金髪。その輝きに負けないほど輝いたクリクリとした大きな目。まだ幼さを感じさせる、人形のように整った顔立ちに大人っぽい笑みを浮かべ――どことなく、色っぽい感じ。
 私の知っているの彼女より一回りニ回り落ち着いた雰囲気の彼女は、この世界では結構な身分なのだろう。しっかりした素材の服と、きらびやかな装飾品が目を引く。
 コルセットの付いた白のミニワンピース、その上から赤いマントを羽織り、頭にはちょこんと乗った王冠。マントのせいかそのイメージは薄まるけれど露出が多めで、肩も胸元も大きく出しており、コルセットで彼女の大きめな胸が強調されてつい目がいってしまう。
 脚には長めのソックスにスカートから伸びる紐。健康的で柔らかそうな脚にぴったり張り付いたそれら。
 少女らしい可愛い服装にちらちらと散りばめられた女性の要素。思わず見惚れてしまうほど、彼女に似合っていた。

 ドアを閉め、部屋に入ってきたのは弦巻こころ。
 この世界ではツルマキ・ココロ。わたしの友人の一人だ。雰囲気から察するに、おそらく記憶が無いのだろう。
217 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:58:35.43 ID:6wEZS/2C0

リンコ「あ、あの……っ」

 初めてのお客様がまさかの知り合い。それも再会がまだの、前の世界での友人。頭が追いつかずあたふたしていると、ツルマキさんは優しげな微笑を浮かべたままわたしへと近づいてくる。

ココロ「久しぶりねっ、リンコ」

 そして聞き覚えのある口調で言い、わたしのことを抱き締めてきた。間近で香るツルマキさんのにおい。お互い薄い服から伝わる体温と感触に、わたしは反射的に身体を強張らせる。

ココロ「リンコがこのお店で働くって聞いて、お城からすぐ飛び出してきちゃったわ!」

リンコ「お、おしろ……っ?」

 裏返った声で復唱。
 お城。王冠。服装。それらの要素から考えるに……まさか、王様!? ――前の世界での印象と比べてあんまり違和感がないのがすごい。

ココロ「今日は一緒に呑んでくれるってことよね?」

リンコ「はい……そ、そうです……っ」

 抱き締めたまま、わたしの肩に頭を乗せて間近で上目遣い。うう、かわいい……。ドギマギしながら答えていると、彼女の手が私の背中を撫でた。
 色々耐えているところにくすぐったい刺激。びくっと身体を跳ねさせるわたしへ、ツルマキさんは謝って離れる。すごく嬉しそうな顔をして。
 なんでだろう。こんなにかわいいのに……何か邪なものを感じる。何故かわたしの本能が警鐘を鳴らしているような。
218 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:59:08.09 ID:6wEZS/2C0

ココロ「これがメニューね? それじゃあ、とりあえずこれを貰おうかしら」

 わたしの近くに座り、ニコニコと笑いながら注文をはじめるツルマキさん。そこにはついさっき抱いた違和感は無く、わたしのよく知るツルマキさん、といった様子。
 ホッと安心しながらわたしは部屋のドアを開け、外に待機していた従業員に注文を告げる。
 すぐに品物はカートに載せられて届き、わたしはそれを中へ。ソファの横につけた。

ココロ「さ、リンコ。隣に座って?」

リンコ「はい……」

 ツルマキさんの瞳に見つめられ、ちょっと顔が赤くなるのを感じるわたし。こんなに意識してしまうのは、わたしにあれが生えているから……?
 言われるまま隣へ。カートからお酒とグラス二つを下ろしてテーブルに置く。
 このお酒……ワインだ。それもメニューの中でも結構お高いものをボトルで。

ココロ「私が入れるわね」

リンコ「ど、どうも……」

 面識があるみたいだから遠慮はしないでおこう。てきぱきと慣れた手際でワインを二つのグラスへ入れていくツルマキさん。
 それを眺めながら、わたしはふと先程の言葉を思い返す。
219 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 04:59:59.81 ID:6wEZS/2C0

 『リンコがこのお店で働くって聞いて』。

 ……。あれ? つまりツルマキさん、わたしとそういうことがしたかったということ……?
 ツルマキさんとわたしの関係性が気になってきた。でも今ここにユキナさん、アコちゃんはいない。会話や対応から考察していくしかないだろう。
 多分、女王様相手に恋人云々は無いと思う。でもそれなりに親しくて、一緒に呑みたいと思っていてくれてたり……は、わざわざこのお店に来る理由にはならないだろう。
 や、やっぱり……エッチなことを……?

ココロ「はい、注いだわよ。 ……どうしたのかしら? リンコ。ジッと見つめて」

リンコ「っ。……な、なんでも……ないです。ありがとうございます……」

 グラスを差し出され、ハッと我に帰る。
 いけない。つい良からぬ妄想をしてしまう。改めて考えればあのツルマキさんが、記憶がないとはいえ風俗を利用しようと喜々として訪れる筈がない。
 忘れるようにしよう。すぐ間近にいる友人をそんな目で見てしまいそうだから。
220 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/30(金) 05:00:30.72 ID:6wEZS/2C0

ココロ「それじゃあ、早速――かんぱーい!」

リンコ「か、乾杯……」

 テンション高めにグラスを合わせるわたしとツルマキさん。チラチラと彼女の呑む姿を確認しながら、わたしも真似て一口。
 思ったより渋みも無く、甘さとアルコールの味が程よく主張してくる。ぶどうの香りが強く、味はぶどうジュースを大人の味に寄らせた様な感じ。飲み込む喉を中心に身体が温かくなっていくのを感じた。

リンコ「……美味しいです」

ココロ「あらリンコ、結構呑めそうじゃない。このチョコもどうぞ。一緒に食べると美味しいわよ」

リンコ「はい……いただきます……」

 ワインと一緒にテーブルへ下ろしたチョコレートを一枚頬張る。それを食べてから再びワインを。ビターなチョコにワインの甘み。若干くどかったワインの味が緩和されたような……。
 初めてだというのに呑み過ぎてしまいそう。気をつけないと。


 ↓1 リンコが酔うとどうなるか
 ↓2 ココロが――同上

   笑い上戸だったり、積極的になったり、脱いだり――暴力的なものなどは最安価。
   コンマで二桁で同時にお酒への耐性を判定
221 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/30(金) 07:15:02.86 ID:cr0GPm5QO
眠気が強くなって、ぼーっとなる
222 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/30(金) 07:20:56.77 ID:25+t8XHd0
無口だが普段以上に積極的になって脱ぐ
223 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/01(日) 07:09:12.51 ID:lV/IBH7T0
【リンコ 86 酒豪さん 眠気でぼんやり
 ココロ 77 かなり強い 無口、積極的で脱ぎ癖


 ゾロ目のボーナスはあと一回ほどゾロ目が出たら何かを考えておきます】


リンコ「……」

 二杯目に口をつけても、あまり体調に変化はない。ただ少し身体が熱いくらいで『酔い』というものは感じなかった。もしかしたらもう酔っているのかもしれない。経験がないから分かっていないだけで。

ココロ「でもびっくりしたわ! いきなりリンコが働くって聞いたんだもの」

リンコ「それは、誰から……?」

ココロ「モカよ。彼女とはよく会うの」

 まぁ、知ってる人がアオバさんくらいだからそうなるよね。グイグイとお酒を飲んでいくわたし達。ツルマキさんは本当に楽しそうだ。元の世界でもそうだったけれど、わたしといてこんなに楽しそうにされると少し不思議に思ってしまう。

ココロ「うちも働き手が欲しいし、仕事のない女の子に仕事を与えられるもの」

リンコ「なるほど……」

 身寄りの無い子に仕事を。世界が変わって記憶が無くても、ツルマキさんはツルマキさんらしい。
 幸せと笑顔を人々に与える。ハロハピらしさが感じられてわたしは少し安心する……のも束の間、ツルマキさんは見たことない緩んだ表情で笑う。
224 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/01(日) 07:09:47.43 ID:lV/IBH7T0

ココロ「あとはかわいい女の子を集めたいからかしら! おかげでハーレムもほぼ完成形ね!」

リンコ「っ!? けほっ、こほ……」

 予想外な単語が飛び出し、ワインを口にしていたわたしは咳き込む。
 ハーレム……? あ、あれ? なんだかツルマキさんがここへ駆けつけたこととか、一瞬感じた違和感の意味ってまさか――

ココロ「大丈夫? リンコ。急いで飲むと危ないわよ」

リンコ「あ、はい……ありがとうございます……」

 そうじゃないです、とは言えず。ニコニコと笑いながらわたしの口を拭いてくれる彼女へお礼を告げる。
 ツルマキさんが『わたしが驚いた』と思っていないことから察するに、以前わたしもハーレムの話を聞いていたのだろう。下手に追求すると『言ってなかったかしら?』と問われる可能性が高い。
 ツルマキさんは鋭い人だから、そういうことはできるだけ避けないと。

リンコ「は、ハーレム……ですか……」

ココロ「ええ。リンコもどう? 休日だけでもあたしのものにならない?」

リンコ「えっ……?」

 目の前、ハンカチを持ったツルマキさんはわたしをジッと見つめて小首を傾げる。
 ストレートすぎる告白にわたしは目をぱちくりさせた。
225 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/01(日) 07:10:45.04 ID:lV/IBH7T0

ココロ「リンコの体質は理解してるわ。女の子しかいないし、リンコにもお得なはずよ! ね、ね! どうっ?」

 そしてすごいグイグイくる……。しおらしい雰囲気から一変して目をキラキラ輝かせるツルマキさん。ハンカチをテーブルに置いて、わたしの肩に手を。
 この世界のツルマキさんは女の子好きで、欲望に正直みたい。

リンコ「少し、考えさせてください……」

ココロ「っ! 本当にっ? やったわ!」

 ワクワク、なんて音が聞こえてきそうな表情でツルマキさんが手を離す。そしてお祝いと言わんばかりにワインをぐいっと飲んだ。
 嗚呼……多分、前のわたしはとりつく島もない状態だったんだ。

ココロ「リンコ、もう一つ追加で注文よ!」

リンコ「は、はい……分かりました……」

 どうしよう。とても断りますとは言えない雰囲気に……。
 ひとまず従って注文を従業員さんに通す。それから再びお酒を持って席へ。

ココロ「リンコもぐいぐい飲んでっ」

リンコ「えっ……あ、はい……」

 いつの間にかツルマキさんは酔っていたみたいだ。空けたワインの半分をグラスに豪快に入れ、もう半分をわたしのグラスへ。
 ほんのりと赤くなったツルマキさんにグラスを押し付けられ、わたしも彼女にペースを合わせて飲んでいく。
226 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/01(日) 07:11:14.88 ID:lV/IBH7T0

リンコ「……」チョコチョコ

 休日だけ……ハーレムに……。
 何度か反芻し考え、頭をぶんぶんと振る。
 わたしは勇者。世界を救って元の世界に戻らないといけない。休日はないのだ。
 そう。性にうつつを抜かすことも……

リンコ「……」ボーッ

リンコ「――っ」ハッ

 あれ……? もしかして酔ってきたのかな……? 頭がぼうっとして眠くなってきた。頭の回転が遅くなってるのを自分でも感じる。ふわふわとした感覚が少し気持ちいいかもしれない。

ココロ「……流石に4本目は来るわね」

リンコ「……へっ?」

 よ、4本目? 考えることに集中してそんなに空けてたの? ツルマキさんの言葉で僅かに我に帰る。テーブルを見ると――4本以上瓶が転がってるような。
 まさかツルマキさんも相当酔ってるじゃ……と思い視線を向ける。
227 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/09/01(日) 07:12:14.74 ID:lV/IBH7T0
リンコ「――ツ、ツルマキさん……っ」

ココロ「……?」

 するとそこにはマントを脱ぎ、コルセットをゆるめボタンを限界まで外したツルマキさんがいた。
 上気した顔で首を傾げる彼女。幼い顔立ちに反し出るところは出たスタイルに、少し脚を動かせば下着が見えてしまいそうなスカート、そこから覗く脚。
 無意識に凝視してしまうわたしへ、ツルマキさんはススッと身体を寄せる。

ココロ「リンコ……考えくれた?」

リンコ「あ、あの……その……っ」

 ツルマキさんがわたしの腕を抱き締め、囁いてくる。普段と違う吐息混じりの短い言葉に背筋がぞくぞくと震えた。薄い服越しに触れる彼女の胸が、わたしの思考力を更に奪う。
 お酒の席で間違いが……なんてよく聞くけれど、これは納得ができる。頭が真っ白になるのを感じながらわたしは口を開いた。


 1 「休日だけなら……」
 2 「ツルマキさんとだけが……いいです……」
 3 「……zzz」スピー

 ↓1〜 一つ選択 先に2票入ったもので決定
228 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 07:53:26.51 ID:QsD6qS6XO
1
229 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 08:05:36.18 ID:ZyI+mWr60
1
更新早くてうれしい…
ゾロ目難しく考えずに今回の場合は、ココロの酒への強さ154(2倍)とかでもいいですよ。
230 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:33:34.75 ID:fjM80Ii40


【3選択】

リンコ「休日だけなら……」

 自然とわたしはそう口にしていた。前の世界のわたしの対応を守って断ろうとすらしていたのに。でもその答えを導いたのは自分でも簡単に分かる。何故なら――

ココロ「本当……? すごく嬉しいわ」ムギュ

リンコ「え、えへへ……」

 ツルマキさんの、恐らくは天然の誘惑にデレデレだったから。
 アコちゃんとの初経験を終え、わたしは女の子を意識し過ぎていた。今日だってユキナさんを観察してしまったし、ツルマキさんのことだって……。
 例えるなら今のわたしは、性に興味を持ち始めた未経験の男の子レベル。際どい姿を見ているだけでもドキドキしてしまうのに、こうしてトロンとした目で抱きつかれてはコロッといってしまうのが道理なのだ。
 かといって彼女の身体に手を回す度胸も、口説こうとする勇気もない。こういうの……童貞、なんて言われるのかも。女性との経験はあるけど。
231 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:34:41.37 ID:fjM80Ii40

ココロ「……それなら、練習しましょ?」

リンコ「――えっ? んむ……っ」

 腕を抱き締めたまま、不意にツルマキさんが手を伸ばす。彼女はそのままわたしに体重を預け、伸ばした手でわたしの頭を自分へと寄せる。そして口づけをした。
 腕に感じる体温と感触が強まり、眠気が急速に冷めていく。

ココロ「ちゅ、んん……っ、ん」

 ツルマキさんの舌がわたしの口内へ。口にしたもののせいか、彼女のキスの味はとても甘くアルコールの香りが理性を溶かす。
 彼女の求めるようなキスに応え、わたしも彼女の口へ舌を。アコちゃんとした時のことを思い出して、優しく丁寧に刺激する。
 ツルマキさんはぴくっと反応し、わたしの腕に身体を擦りつけるように動きはじめる。胸が、彼女の肌が腕を撫でる感触に興奮は高まり、わたしのそれが服の下から分かるほど起き上がった。
232 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:35:35.41 ID:fjM80Ii40

ココロ「ぷぁっ……はぁ、ん……♡」

 一度口を離して間近で舌先を合わせる。もどかしい気持ちよさに頭を一杯にしていると、ツルマキさんが視線を下に向けニヤッと笑った。

リンコ「――ひうっ」

 そのすぐ後、わたしのものへ快感が走る。見ればツルマキさんが手で裏筋を上下に撫でていた。

ココロ「すごく硬い……。練習をはじめるわね、リンコ。横になって」

 あ、練習ってツルマキさんが……?
 言われるままソファーに仰向けに。横の手すりに背中を預け、ツルマキさんはわたしの脚の間へ。ツルマキさんの前に硬くなりきったわたしのものが。彼女はそれを好奇心が抑えられないといった目で見つめ、スカートをわたしの捲った。

ココロ「本に出てくる通りね……硬くて……ちゅ。不思議な味」

 女の子が好きで、男性のものは未体験。だから練習なのだろう。でもツルマキさんは躊躇なく顔を近づけ、先端へ口をつける。少量出ていた先走りを口に含み、真面目な顔でそんなことを呟いた。
233 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/09/02(月) 07:36:32.87 ID:fjM80Ii40

ココロ「でも魔力が美味しいわ。リンコも可愛いし……」

リンコ「あぅっ……ぁ、ツルマキさ――っ」

 髪をかきあげ、ツルマキさんがわたしのものを舌で舐める。テラテラとしたツルマキさんの舌がわたしのものを下から上になぞる。それだけで腰がぴくぴく跳ねてしまい、キスとは違う強烈な快楽が与えられる。

リンコ「はぁー……っ、んうっ、ぁ」

ココロ「……♡」

 奉仕している間もツルマキさんはわたしの顔から目を離さず、わたしの感じている表情を見て楽しんでいるようだった。その上わたしの反応からあれこれ試行錯誤しているみたいで、段々と攻め方が変わってくる。
 女の子との性経験の豊富さ故か、それともさっき口にした本のせいか。どちらにせよあっという間に限界まで上りつめてしまう。

ココロ「これはどうかしら……ちゅっ、ちゅる……」

リンコ「あぅ、気持ち――いっ、んっ」

 根元は手で扱き、先端にキスを。時折舌で先を舐め回し……絶え間なく与えられる強弱のある刺激。緩急のある口と手による奉仕にわたしはうわ言みたいに呟く。
 余裕はなく、もういつでもいってしまいそうだ。
234 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:37:13.65 ID:fjM80Ii40

ココロ「イキそう? それなら……」

 パッと口と手を離すツルマキさん。魔力に当てられているのか若干息が荒い。彼女は手で身体を持ち上げ、わたしのお尻を膝の上に。そして、ボタンを外してはだけた胸の間にわたしのものを挟んだ。
 唾液で湿った自身へすべすべしたツルマキさんの肌が密着する。それだけでも気持ちいいのに、指で形を変えるほど柔らかく弾力のある膨らみに挟まれて感覚的にも視覚的にも興奮が煽られる。

リンコ「そっ、れは……ぁ、ううっ……っ」

ココロ「すごい反応ね。……ふふっ、リンコのちょうだい?」

 ツプッ、とツルマキさんの口へ先端が包まれる。そのまま舌で先端を舐め回し、胸を左右から手で押し付け――

リンコ「あっ、あっ――で、出るっ……出ちゃ、あぅっ」

 我慢できる筈がなかった。
 ぞくぞくと身体が震え、頭が快楽で一杯になる。体勢を変えてから数秒で果て、ツルマキさんの口へ精を放つ。一度、二度男性器が震え射精し、その間も彼女に搾りとるように胸で圧迫されて三、四度とツルマキさんの口を汚してしまった。
235 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:37:57.73 ID:fjM80Ii40

リンコ「ぁ……あぁ……っ」

 精液があそこを通る度、まるで力を抜かれたみたいに脱力感が襲い同時に頭が真っ白になりそうなほど強い快感が走る。

ココロ「ん……っ。ぷは――いっぱい出たわね、リンコ」

 出したものを全て飲み干し、うっとりとした表情のツルマキさん。口の端から漏れていた白濁を指で掬い、それも美味しそうに口にする。

ココロ「不味いって聞いたけど、そんなことないわね。リンコのはすっごく美味しいわ」

リンコ「そ、それは……よかった、です……」

 絶頂の余韻が引かず、お酒のせいもあって余計意識がぼんやりしてしまう。このままソファーに横になって眠ってしまいそうだ。

ココロ「リンコ? まだ本番が残ってるわよ?」

リンコ「……ぇ?」

 うとうとし始めたわたしの前にツルマキさんの手が。予想外に強い力で強引にわたしを起こし、ソファーから床に立たせる。
236 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/09/02(月) 07:38:42.40 ID:fjM80Ii40

リンコ「えっと……ツルマキさん……?」

ココロ「ほら……今度はリンコから来て?」

 戸惑うわたしを前に、ツルマキさんが服を脱いでソファーへとうつ伏せに寝る。セクシーな黒のガーターベルト。そのラインに彩られた脚に、形のいいお尻。黒い下着を指でずらし、その下にある濡れた秘部を見せつけてくる。
 精液の魔力にあてられたのか、見れば下着もびしょびしょで既に準備は万端なようだ。
 一度果てたわたしの男性器はすぐに元気を取り戻し、わたしは操られているかのようにふらふらとソファーの上へ。
 アコちゃんの時は動く余裕もなかった、なんて頭になく、今のわたしはツルマキさんの中へ挿れることしか考えていなかった。

リンコ「ツルマキさん……っ」

ココロ「あっ♡ リンコのが当たってるわ」

 先っぽを当てがい、ツルマキさんの横に手をついて背中に上から覆いかぶさるように挿入。お酒のせいか中の体温は熱いほど高く、今にも溶けてしまいそうだ。
237 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/09/02(月) 07:39:23.99 ID:fjM80Ii40

ココロ「熱くて大きいのが――ふぁっ♡ 入って……っ」

リンコ「……っ、んぁ。はぁ……熱い……っ」

 身体を反らせて悦ぶツルマキさんを抱き締め、押さえつけるように中へ。ツルマキさんの中は入り口がキツく、中は襞が絡みつくように優しく刺激してくる。
 全て入りきった頃にはやっぱり余裕が皆無。腰に当たるお尻の感触にすら射精してしまいそうになってしまうわたしが、挿入の快感に耐えられる筈がない。

リンコ「っ――ツルマキさん……ごめんなさ――っ!」

ココロ「えっ? あ、中で――んあぁっ!」

 ツルマキさんを抱き締め、さっきイッたばかりのわたしは再び達してしまう。中で精を放つ強い快感に思考力はなくなり、射精の度腰を突き出し、無意識に奥へと射精しようと身体が動く。

ココロ「あっ♡ も、もう出っ――ぁ、あーっ……♡」

 ツルマキさんもその動きに合わせて甘い声を上げる。ギュッとソファーの手すりを握り、びくびくと身体を震わせて中がキツく締め上げてくる。
 聞いたことのない声を上げ、精を受け入れる彼女。秘所からは蜜が溢れ射精が終わる頃には全身をぐったりさせていた。
 ツルマキさんもイッたのかな……?
238 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/09/02(月) 07:40:52.06 ID:fjM80Ii40

リンコ「はっ……ぁ。……大丈夫ですか? ツルマキさん……」

ココロ「……ぁ。大丈夫、よ。予想以上に気持ちよくて、あたしもすぐイッちゃったわ……」

 荒い呼吸のツルマキさんが、余韻混じりのふにゃっとした声で答える。
 多分、いや絶対に魔力のせい。中で出されて絶頂って、中毒性とか無いといいけど……。心配になってしまう。

ココロ「……続けて、リンコ」

リンコ「……えっ? でも連続は……」

ココロ「リンコにもっと気持ちよくしてもらいたいの……ダメかしら?」

リンコ「……は、はい……っ。頑張ります……」

 肩越しに振り向いて上目遣いにおねだりしてくるツルマキさん。彼女の身体を気遣おうとする不安感はすっ飛んで、即答するとわたしは胸を押し付けた体勢のまま腰を引く。
239 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/09/02(月) 07:41:55.88 ID:fjM80Ii40

リンコ「ん、ぅ……っ」

 愛液と精液が絡み、刺激を増した中の感触。射精直後というのに数分も持たなそうな快楽に、声が漏れてしまう。
 それでもできるだけは耐えなければ。歯をくいしばり、引いた腰を打ち付ける。卑猥な水音がはっきり立ち、ツルマキさんが嬌声を上げた。

ココロ「リンコの――っ、柔らかいおっぱいと、硬いおちんちん――あぁっ♡ おかしくなりそうっ♡」

リンコ「わたしも……です……っ」

 何度も腰の動きを繰り返し、その度に気が遠くなるほどの気持ちよさがわたしの頭を揺さぶる。それでも身体は止まらずに、ツルマキさんを貪欲に求め続けた。
 アコちゃんにされてる時は自分から動くなんてできないと思ったのに、意外と本能に任せていれば何とかなるのかもしれない。
 どんどん近づいていく絶頂に、大きくなるツルマキさんの反応。女の子を犯している感覚に私の頭から理性は消え去る。
 ただ中に、ツルマキさんに出したい。気持ちよくなりたい。
 テクニックなんて頭になくただひたすら自分が気持ちよくなるために相手を貪る。そんな行為でもツルマキさんは強く感じてくれているようで、寝たまま自分の胸を愛撫し熱に浮かされるように激しい喘ぎ声と共に身体を捩らせる。
240 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/09/02(月) 07:42:38.11 ID:fjM80Ii40

リンコ「あっ、ん――っ、また出ます……うっ」

ココロ「んあぁっ♡ 出してっ、中に――」

リンコ「は、いっ――イクッ――あ、んぅっ!」

 今度は数分は耐えられただろうか。密着したまま腰を押し付け、中へ二度目の精を吐き出す。我慢して長く快感をためていたせいか、目の前がチカチカとするかのような感覚と共に白濁が出されツルマキさんの中を埋めていく。

ココロ「熱っ――ぁ、はぅん……♡ ん、ぅ……」

リンコ「はーっ……ぁ、うぁ……」

 恍惚とした声でツルマキさんさんは射精に身体を震わせ、そして脱力させる。少しして、ようやく余韻の引いたわたしが身体を起こし中から男性器を抜くと、白濁が溢れ彼女の秘部を淫靡に彩った。
 行為を終えて冷静になってくると……大変なことをしてしまったような気しかしない。勇者と女王が肉体関係というのは。

ココロ「……お疲れ様、リンコ。こっちに来て」

 けれど彼女に手招きされて、わたしは思考をあっさり放棄してしまう。誘われるまま腕の中へ。すると彼女の胸に顔を寄せるように優しく抱き締められる。
241 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/09/02(月) 07:43:57.84 ID:fjM80Ii40
ココロ「すごく素敵だったわ。大好きな人とこんなことができるなんて、リンコの体質に感謝……しな……」

リンコ「……ツルマキさん?」

 胸の感触と、石鹸と女の子の甘い香りにどぎまぎしていると不意にツルマキさんの言葉が途切れた。
 頑張って顔を上げツルマキさんの様子を見ると、すやすやと眠っていた。酔った上でこの過激な運動だ。眠ってしまっても無理はない。
 わたしもかなり眠く――

ユキナ「リンコ!」ガチャ!

ユキナ「ここにツルマキさんが来ても話に……乗ら――」

ユキナ「……」

ユキナ「……リンコ」ヒクイコエ

 ――眠気が、一気に冷めた。


【書き溜めここまでですーまた続きは早ければ今日に】
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/02(月) 08:23:26.15 ID:AZggDJ6TO
乙
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/15(日) 08:48:37.45 ID:S3VdoMqNO
保守
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/24(火) 07:46:14.51 ID:iyFSyYae0
保守
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/26(木) 16:06:46.10 ID:MBxhvoYd0
よく見たら異世界の出来事は募集継続ってかいてあったので…

リンコたちを案内したモカのメイド

モカの商会に務めるメイド。異世界のモカの幼馴染(アフグロのポジ)で家が貧乏だったためにモカが特別に雇った。
公私混同はしないタイプのため、公の場ではモカに仕える忠実なメイドである。
モカの護衛も兼ねているので戦闘力もそれなりにある。少なくともリンコとユキナが気がついた距離なら無効化できる可能性が高い。
最近、モカの様子が変わった(別の世界の記憶が入った)事に気がついているが、そのうち話してくれるだろうと信頼して待っている
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/10/01(火) 21:52:08.91 ID:ZkGvZD0NO
待ってます 保守
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/11/02(土) 16:27:23.78 ID:Iuw77wGg0
保守
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/12/02(月) 15:49:09.06 ID:XtRW8c2K0
まってます
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/07(土) 22:37:00.84 ID:Auh9N7vu0
本当に待ってるのならsage進行のスレを上げるのはやめようね
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/02(木) 08:47:06.36 ID:hKMr03eR0
(待ってます…)
251 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:36:25.20 ID:ERGvPv7R0

 それから20分ほどして。
 場所は同じく、わたしの仕事場。

ユキナ「ツルマキさん……来たとは聞いたけれど、まさかこんなに進展が早いだなんて」

 事後から後始末、わたしとツルマキさんの身体を綺麗にして彼女をベッドに寝かせ……再びソファーに。
 わたしの向かいには同じくように座ったユキナさんが。落ち着いたところで、彼女は話をはじめた。
 何故彼女がわたしの所へ来たのか。その理由はツルマキさんの『リンコ』への対応にあるらしい。
 ツルマキさんは彼女自身が言っていた通りハーレムを作っていて、わたしのことも前からずっと誘っていた。ユキナさんはそんな彼女のことを敵視していて、母親――じゃなくて、家族のわたしを守るために頑張ってくれていたようだ。
 前のわたしもその話に乗らないようにしていたらしい。
 そこをわたしがあっさり陥落したものだから、ユキナさんは驚いたのだろう。
 
252 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:37:02.35 ID:ERGvPv7R0
 
リンコ「……ごめんなさい、ユキナさん。まさか……そんな事情があるなんて……」

ユキナ「……謝らなくてもいいわ。説明も何もしなかったもの」

 ため息を一つ。銀色の髪を手で撫で、複雑そうな視線を眠るツルマキさんへと向ける。

ユキナ「ただ彼女、ツルマキさんはリンコにリサ、マルヤマさんにアコにまで関係を知っている上で誘いをかけていたから……」

リンコ「……」

 それだけ聞くと節操がなさすぎる……。ユキナさんが敵視するのもよく分かる。コロッと落ちたわたしが言うのもなんだけれど。

ユキナ「心配だけれど、今はそうした方がいいかもしれないわね。ツルマキさんと繋がるには」

リンコ「……どういうことですか?」

ユキナ「元の世界の知り合いがこの世界にいて、ロゼリアは勇者とその仲間。無関係とは思えないでしょう?」

リンコ「なるほど……」

 確かにそうだ。その上楽器が鍵を握っているのだから、尚更。
 ツルマキさんから視線を離し、ユキナさんはわたしを見る。真剣な目だ。それだけ元の世界に戻ることを必死に考えているのだろう。
253 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:37:34.86 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「何か分かるかもしれないし、いつでも会える状態が理想ね。記憶を得たり、取り戻してくれれば協力も期待できるわ」

リンコ「そう……ですね……。まだ分からないことが、多いですけど……」

 それでも、選択肢を増やしておくというのは重要だ。

ユキナ「そういう点では今回のハーレム入りは歓迎するべき、なのかもしれないわ。アコやマルヤマさんが何て言うか分からないけれど」

リンコ「……。あの、ユキナさん」

 スッと手を顔くらいの高さに挙げる。
 さっきからちょこちょこ出てくる名前。元の世界では仲が良かった友達――丸山彩さん。彼女の名が出てくるタイミングがタイミングなだけに、わたしとの関係性が気になる。

リンコ「マルヤマさんも……この世界にいるんですか……?」

ユキナ「……ええ。リンコの第二のパートナー、ということになっているわ」

リンコ「だ、第二……!?」

 この世界のパートナー、ということは二人目の恋人。あのアイドルのマルヤマさんが、わたしとそういう関係に? ……そ、想像がつかない……。
254 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:38:07.35 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「まぁ、その……アコが来るまでは一緒に暮らしていて、わたしもお世話になったわ。今は住み込みで錬金術士として修行してて、元の世界の記憶はないみたいね」

リンコ「そ、そうなんですか……。あの……この世界で複数の恋人は普通……なんですか……?」

ユキナ「珍しいだけで、嫌悪や疑問はないわね。アコもマルヤマさんと元の世界みたいに仲良くしていたわ」

 そ、そうなんだ……。安心するようなしないような。この世界のわたし、本当にみんなから好かれててすごいなぁ……。

リンコ「……あと、ユキナさんは……誰からツルマキさんが来ることを……?」

ユキナ「あぁ、リサよ。私のところにはリサが来たの」

 腕を組みつつ微笑して、さらっと答えるユキナさん。わたしの脳内に一瞬、ユキナさんとイマイさんの絡みが妄想されるが――多分話したりお酒を飲んだだけだろう。
255 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:38:43.08 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「慌てて入ってきてツルマキさんがリンコのところへ向かってる、って伝えてきたわ。あとわたしに説教を少し」

リンコ「イマイさんがツルマキさんのことを……」

ユキナ「アオバさんから招待ついでに聞いたらしいわね」

 招待……?
 アオバさん、もしかしてわたし達のために知り合いに声をかけてくれたのかな?
 ……でも、どうしてイマイさんはわたしのところへ直接来なかったんだろう。ユキナさんのことも心配だろうけど、わたしの所に向かってるって断言するくらいなのだから。それで警告するだけで、ここには来ないなんてイマイさんらしくは……。

 少し気にかかるけど――全ては仕事を選び、そして選択をしたわたしの責任。イマイさんに疑問を抱くのはやめよう。
256 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:39:57.45 ID:ERGvPv7R0

リンコ「……ユキナさんは、大丈夫でしたか? イマイさん以外の、お客さんは……」

ユキナ「いたけれど、アオバさんの言う通り話すだけだったわ。勿論、リサの時も」

リンコ「そ、そうですか……」

 良かった。アオバさんの言ってたことは正しかったみたい。わたしがああなったのも、ツルマキさんが来たからなのだろう。
 ホッと安心。でもわたしの向かい、ユキナさんは逆に申し訳なくなってしまったようで、眉をハの字にさせてシュンとする。

ユキナ「……リンコにだけ身体をはらせてしまったわね。ごめんなさい」

リンコ「そんな……っ、謝ることなんて……」

 アオバさんを頼ったのはユキナさんだけど、そこから先は全部が全部わたしが選んだこと。手をしゃかしゃかと振り、わたしは否定する。
 アオバさんの言う通りにお酒を呑んで、話して、それで終わりということもできたのだ。それをわたしがツルマキさんとあんな……気持ち良い……ムフフな……。

リンコ「……結果的には……得しかしてないような気がしますから……」

 あんな経験できたのにお金を払わず、むしろ貰える。プラスと考えてしまうのは異常、なのかな?
257 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:40:32.45 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「そ、そう……。意外と女の子好きなのね、リンコ」

 ユキナさん、若干引いていらっしゃる。

ユキナ「でもそれなら良かったわ。……さて、そろそろバイトも上がりね」

リンコ「え……? もうそんな時間……あ、本当ですね……」

 ポケットから懐中時計を取り出し、ユキナさんが時刻を確認。わたしもそれを覗きこむと、そろそろお店の人に言われた時間を過ぎるところだった。
 結局ツルマキさんにしか接客しなかったけど……これでどれだけのお給料が貰えることやら。

ユキナ「ツルマキさんはこのままにして……帰るわよ、リンコ」

リンコ「は、はい……」

 このお店はしっかりしてるから大丈夫だろう。ぐっすり眠っているツルマキさんを置いて、わたしたちは部屋を出た。その後は再び身体を洗い、着替えて、仕事の報酬を受け取り――お礼をするべくアオバさんの事務所に向かうことになった。
258 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:41:19.70 ID:ERGvPv7R0


 そして再びアオバさんの事務所。その、彼女の自室。
 紹介してもらった時と同じシチュエーションでソファーに座り、お話モード。時刻は夜ということもあり、忙しなかった事務所内も幾分か落ち着いた雰囲気。

アオバ「へぇー、それでそんなに稼いじゃったんですかー、リンコさん」

リンコ「少し、複雑ですけど……」

 仕事の話を終え、アオバさんがふむふむと頷く。
 あの後、従業員の人にツルマキさんとのことを割と細かく説明し、お給料を貰った。お酒もそうだけれどツルマキさんとの行為はかなり高額なようで、彼女が誘ったこともありびっくりするくらいの報酬が支払われることに。
 結果が袋一杯の硬貨。楽器はこれでいくつ買えるのだろうか。
259 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:42:12.28 ID:ERGvPv7R0

アオバ「当然の報酬ですよー。でもこころちゃんが真っ先に来るなんて、ちょっと意外だったかなぁ」

ユキナ「この世界でも元の世界でもそうなると思うけど……。それで、どうして複数人に招待を出したりしたのかしら?」

 ユキナさんの目が鋭くなる。この世界のツルマキさんのことを彼女はあまりよく思っていない。ツルマキさんの性格のこともアオバさんは知っていた筈で、その上で招待をした。更にはイマイさんにも声がかかっていて、その他にも招待がいっている可能性も。
 責めるような口調になるのも仕方がない。わたしもアコちゃんやロゼリアのメンバー、友達にそれをされたらどう思うことか。
 暫しの間。バツが悪そうに苦笑したアオバさんは、ペコリと頭を下げてまずは謝罪。それから顔を上げ、ちょっとだけ真面目な表情を。

アオバ「それはー……みんなに平等にチャンスがあっていいんじゃないかなぁと思って」

 ……チャンス? 場違いに思われる単語が飛び出し、わたしは首を傾げた。わたしと話すだけでお店にお金を取られるのに、とても好機とは思えない。
260 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:42:43.06 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「……そんなところだと思ったわ」

 思えない、のだけどユキナさんは納得したようだ。肩を竦めてため息を吐く。

アオバ「ランは来ないだろうから誘ってないんですけど……それでも、元は膠着状態だったのに、ここでは既に関係が出来上がってるなんてアレですからー」

リンコ「……?」

ユキナ「分かったわ。理由があるならいいの。私達は仕事を紹介してもらった立場だから」

 ……よ、よく分からないけど、丸く収まりそうだからそれでいいのかな。わたしはあんまり嫌な気にはなってないから。

アオバ「でも……おたえちゃんとカノン先輩は行方が分からなくて、誘えなかったのがモカちゃん心残り……」

ユキナ「……仕方ないことよ」

 ユキナさんが首を横に振る。少しだけ、苦しそうな顔をして。

ユキナ「――今日はありがとう、アオバさん。お世話になったわ」

アオバ「いえいえー。また良かったら来てくださいね、二人共」

 ぺこりと会釈程度に頭を下げ、ソファーを立つユキナさんに続いて立ち上がる。なんだかんだとあっという間に一日が終わってしまった。みんな、遺跡探索の準備は終わっただろうか。
261 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:43:15.04 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「どっと疲れるわね。大したことはしてない筈なのに」

リンコ「初めての仕事で……それも、あんなお仕事ですから……仕方ないです」

 廊下に出て、出口へ向かう。夜だというのに事務所は明るく、天井から吊るされた照明が蝋燭の炎よりも眩しい光を放っている。仕組みは分からないが、お金がかかっていそうだ。
 まだまだ物珍しい光景に、わたしは話しながら視線を忙しなく動かす。そしてふと、ユキナさんの横顔が寂しげな表情をしていることに気づく。
 心配になってジッと見つめていると、ユキナさんはそれに気づいたみたいで視線を合わせる。

ユキナ「分かっていたけれど、この世界は格差が大きいわね。どうしようもない理不尽で家族を故郷を失って、人に捕まって……。その上種族による差も大きいわ」

リンコ「そう……ですね……」

 ここの人達はまだアオバさんに再起の機会を与えられているものの、他の悪い人に攫われればどうなるか。考えたくもない話である。
 少なくとも、今回のわたし達みたいな話してるだけでもいい女性相手の仕事なんてできないだろう。
262 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:43:43.06 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「改めて、感謝してるわ、リンコ。身寄りのなかった私を家族にしてくれて」

 私を見つめ返し、ユキナさんが微笑む。ユキナさんもここにいる、他の場所にもいる奴隷の人達と同じような境遇……だったのだろう。それをわたしが一緒に暮らすようユキナさんを保護して、生活を始めた。
 だから、ここやさっきの仕事場で見かけた奴隷の子達と自分とを重ねてしまったのだろう。

ユキナ「なんて言われても、リンコは困るだけよね」

リンコ「……あ、いえ……嬉しいです……」

 あたふたしながら答えると、ユキナさんはフッと楽しそうに笑う。
 母親、娘、前の世界の記憶。色々あってユキナさんとは距離感があったような気がしたけど、それも少し縮まったのかな?
 事務所を出て門をくぐり街へ。外はすっかり暗くなっていて、人気もなくなっていた。大通りに近いこの事務所の周りはまだ明るいけれど、裏道は暗く物騒な雰囲気が強い。
263 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:44:21.96 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「思ったより時間がかかったわね。楽器はまた今度にして、今日は真っ直ぐ帰りましょう」

リンコ「はい……」

 頷いて、視線を裏道から大通りへ。そこを真っ直ぐ進んで、街外れの方に行けばすぐ家に――

リンコ「――ユキナさんっ!」

 不意に近づいてくる黒い何か。大通りからわたし達のいる道へ走り込んできた人影に、月明かりを反射して鈍く輝く物を見つけ無意識に叫ぶ。
 その人影は真っ直ぐユキナさんへと向かっていた。

ユキナ「――!」

 わたしが普段出さないボリューム。故にユキナさんは反射的に反応することができたようで、驚いた表情のまま本能的に近づいてきた影を避けようと身体を反らす。
 そのすぐ横を白い刃が貫いた。ユキナさんが動いていなければ、彼女の首を突き刺していただろう。
 明らかに命を狙った襲撃。こんな街中で、まさか魔王軍……?
264 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:44:54.29 ID:ERGvPv7R0

リンコ「ユ、ユキナさん……大丈夫ですか……?」

ユキナ「ええ。助かったわ、リンコ」

 不意打ち前と変わらないトーンで言い、ユキナさんは蹴りを放つ。と同時に腰の短剣を引き抜き、蹴り飛ばした襲撃者へと突きで追撃。が、蹴りでよろけた彼が大きく後ろへ下がったことにより、武器は空振り。
 サラッと行われる反撃に、わたしは何の反応もできず見守ってしまう。

ユキナ「離れてて」

リンコ「は、はい……」

 吟遊詩人である筈のユキナさんの近接戦闘に反応できなかった。戦闘は明日訓練しようとみんな言っていたけど、わたしは本当に戦えるのだろうか。なんて危惧を抱きつつユキナさんの後ろへ。
 魔法使いが後ろに。ユキナさんはそれを守る位置に。単独の襲撃者にとって一番避けるべき状況となり、彼は怯んだ様子を見せる。
 襲撃者は黒いローブにすっぽりと身体を包んだ、見るからに怪しい雰囲気の人物であった。ちらと見えた武器を握っている手元も隠れており、性別や顔はおろか戦闘の意志の有無も分からない。
265 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:45:20.66 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「あなた、魔王軍? こんな街中で――」

 言っている途中で襲撃者が動き出した。素早い動き。でも直線的で、落ち着いて見ていれば十分対応できそうな気がした。
 ユキナさんの対応も落ち着いたものだった。振ってきた腕を、ローブで見えないというのにあっさり掴み、引き、彼の武器を手ごと壁に叩きつける。痛そうな音と金属音。地面に彼が握っていたであろうナイフが転がり落ちる。それを確認し、背中に肘打ち。
 わたしの知るユキナさんと対象的な動きに感心すると同時に、短剣を使う素振りがないことにホッとするわたしである。無防備な背中に腕ではなく、刃を突き立てることもできたであろうから。

ユキナ「答えないなら、眠ってもらうことになるわよ」

??「ぐっ……」

 跪く彼へ静かに圧をかけるユキナさん。この世界では分からないけど、NFOなら吟遊詩人はサポート職。そんな彼女に格闘戦で圧倒されているのだ。勝ち目がないことは本人もよく分かっているだろう。
 しかし意外にも襲撃者は引く様子を見せない。むしろユキナさんをフードの下から睨み、更に強い殺気を覗かせる。
266 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:45:55.14 ID:ERGvPv7R0

??「お前が……お前が、私の故郷を……」

 女性の声だった。怨嗟の込められた声にユキナさんが一歩後退る。
 故郷……? その先はわたしには聞こえなかったけど、尋常ではない空気だ。人違いだとは思えないし、闇討ちをしかけてきたのだ。それ相応の理由があるはず。
 そうなると、ユキナさんが彼女の故郷に何かをした? いや、そんなことは断じてないだろう。
 襲われるような悪行をユキナさんがするわけ――

??「この、魔族が……」

ユキナ「……」

 忌々しげに口にした襲撃者は立ち上がり、舌打ちと共に去っていく。彼女の敵意はユキナさんへと明確に向けられていた。ユキナさんの表情は背中しか見えないから知れないけれど、どんな顔をしているか……。
 少なくとも、元の世界では殺意で不意打ちなんてされることはごく限られた状況だろうし、身体のことは勿論、心のことも心配だ。
 それと、魔族とは何なのだろう。多分語感的に魔物、魔のもの――その血が入った人のことか。でもユキナさんが? 誤解だとしたらそれも問題だ。
267 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:46:24.40 ID:ERGvPv7R0

リンコ「……。行きましたね……」

 色々気になる点はあるが、今は戦いが激化しなくて済んで一安心だ。

ユキナ「――そうね。とりあえずは無事で良か――」

 ユキナさんがわたしへと振り向いて、胸を撫で下ろし……硬直する。そのまま真顔でババッと手を動かして自分のポケットを確認。

リンコ「ユキナさん……?」

ユキナ「やられたわ……」

リンコ「やられ……? ――あっ」

 少し前、事務所でユキナさんが預かってくれた、報酬の入った金貨袋を思い出す。まさか……。

ユキナ「盗まれたわ。まんまと」

リンコ「そ、そんな……」

 今日一日の頑張り――正確にはツルマキさんの豪遊の代金が……たった数分で……!

ユキナ「……。こっちは大丈夫よ」

 落ち込むわたしの前、ひょいと金貨袋を取り出す。あ、あれ? これが盗られていないということは、他に?
 安心すると同時に、お金以上に大切な物が盗られた可能性も浮かびまだ気が抜けない。
268 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:47:02.88 ID:ERGvPv7R0

リンコ「……何を盗られたんですか……?」

ユキナ「……」

 金貨袋をしまい、再確認。けれどもやはり見つからないようで嘆息をもらす。
 悲しみや戸惑い、色々な感情の混じった表情で数秒考え込み、言い辛そうに口を開く。

ユキナ「……形見よ。両親の」

リンコ「……!」

 ユキナさんの亡くなったご両親の形見。それがどれだけ大切な物なのか分からないけれど、彼女の様子を見ればお金より大事なことは察することができた。

リンコ「追いましょう……今なら……」

ユキナ「……気にしないで。もう見失ったし、顔も見ていないもの」

リンコ「でも……っ」

 でも。その先を言えずわたしは口を閉じる。見失った上に顔も見ていないし、彼女を追う手がかりも無い。そんな状況でこの時刻。目撃者もいないし、追跡は不可能だろう。
269 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:47:36.52 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「怪我が無くて良かったわ。さあ帰るわよ、リンコ」

リンコ「……は、はい」

 くるっと背を向け、何事もなかったかのように歩き出すユキナさん。形見のこと、気にしていない筈がないのに何故あんなにも簡単に諦めてしまうのだろうか。
 ユキナさんとちょっとは仲良くなれたかと思ったその日の帰り道。それから会話は無く、わたし達は静かに家路へとついた。


 『ユキナ編一話終了。選択肢の結果を集計。ユキナの好感度が1上がりました』

270 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:48:09.66 ID:ERGvPv7R0

 『メインルート、一段階進行します』


 ユキナさんとのバイトから翌朝。
 あれからいつも通りの様子のユキナさんと、イマイさん、アコちゃんと夕食をとり、お風呂に行って就寝。何事もなく一日が終わった。
 唯一、ツルマキさんとのことをアコちゃんに報告したら、むくれたアコちゃんに手と口で立て続けに容赦なく搾られた……くらいかな。やっぱり無許可でハーレム入りはまずかったみたい。

リンコ「……」ポヤー

リサ「リンコ? 大丈夫? ぼんやりしてるけど」

リンコ「……あ、はい……。大丈夫、です……」

 自宅のリビング。朝食を食べながら物思いに耽っていたわたしは、イマイさんの声で我に帰った。
 いつの間にか朝食をあらかた食べ終わっており、今はホットミルクをちょびちょび飲んでいたようだ。

ユキナ「……。アコ。夜にはしゃぎすぎじゃないかしら?」

 そんなわたしの表情をチラッと見たユキナさんが、ほんのり赤くなりながら注意する。多分、また声が聞こえていたのだろう。ぼんやりの原因もそれだと思われたみたいだ。
271 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:48:56.63 ID:ERGvPv7R0

アコ「そ、そうですかっ? アコ、そんなことないと思いますけど。ねぇ、りんりん?」

 照れながら否定しようとするアコちゃん。
 はしゃぎすぎ、という点については若干否定できない部分があるんだけど……この場でそんなことは言えず、わたしはコクコクと頷く。
 するとイマイさんがにやけて、わたしへ耳打ちを。

リサ「おー、アコは昨晩のじゃ足りないと。魔力がつくもの食べないとね☆ リンコっ」

リンコ「……えっ、あの……」アタフタ

アコ「ちょっとリサ姉っ」

 わざとみんなへ聞こえるボリュームで言い、イマイさんは嬉しそうに笑う。この世界のイマイさんは、わたしとアコちゃんが仲良くしてるのが嬉しいみたい。それをからかうのもまた、楽しいのだろう。
 なごやかな朝食風景。話が一段落したところで、タイミングよく玄関のドアがノックされる。

リサ「ん? サヨかな」

 出てくるねー、とイマイさんが小走りでドアへ。彼女が玄関を開くと、家へ入ってきたのは予想通りヒカワさん。
 きっちりした騎士姿でイマイさんへ頭を下げ、中のわたしちと視線が合うと会釈をする。
272 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:49:40.67 ID:ERGvPv7R0

サヨ「おはようございます。来るのが少し早かったですね」

ユキナ「おはよう。ちょうどいい時間よ。気にしないで」

 皆、それぞれ挨拶を交わし席へ。
 今日ヒカワさんがやって来たのは理由がある。遺跡へ遠出するにあたって、避けられないこと――戦闘。
 記憶がある他の人はともかく、わたしは戦闘の経験なんて無い。だから今日は戦闘の訓練をしようと事前に決めていたのだ。

リサ「今日はありがとね、サヨ。わざわざ預言者の騎士様に訓練つけてもらえるなんて、中々貴重だよね」

サヨ「いえ。眉唾ものかもしれませんが、基礎はしっかり固めておいた方がいいですから」

 チラ、とサヨさんの視線がわたしを捉える。それにわたしは頷くだけで返した。
 イマイさんに記憶のことがバレないように、なんとか一人でも戦えるくらいにはならないと。今日はそのためにみんなが作ってくれた絶好の機会なのだ。頑張ろう。
 
ユキナ「――そうね。みんな、朝食を食べ終えたら準備して。すぐ街の外へ向かうわよ」

 街の外……。わたしは正真正銘、この街を出るのは初めてだ。モンスターも出るらしいから気をつけよう。
 緊張するわたしと対照的に、みんなの様子は落ち着いたもの。この世界の冒険者、特に勇者のパーティにとって今回の移動なんて近所のお店に行くくらい気軽なものなのだろう。
 そう考えると、わたしはいつみんなに追いつけるのか……少し、不安になった。
 
273 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:50:12.61 ID:ERGvPv7R0

 
 朝食の残りを片付け、支度を終えるとわたし達は街の外へ。そして歩くこと数十分。街を囲む塀から出入りできる門の一つへと到着した。
 どうやって作ったのか想像すらもできない巨大な扉。その前に立つ門番の兵士とヒカワさんが一言二言話すと、その扉が開く。
 外に広がっていたのは一面の草原。遠くに見える山々。森。街の中も自然が多かったけれど、外は更に緑一色だ。穏やかな風景はゲーム序盤のフィールドといった印象。流石に街の近くには魔物の姿も無いようで、ちょっと安心。
  
リンコ「広いね……アコちゃん……」

アコ「うんっ。旅立ちの村の外を思い出すよね、りんりん」

 アコちゃんも同じようなことを思うらしい。クスッと笑い合い、みんなの背中についていく。草原の向こう、ちょっと離れた位置に見えるのは大きな森。今日はあそこで泊まり込みで訓練をする予定だ。
 キャンプ地として有名らしく、魔物の危険もほとんどなく色々と設備も整っているとのこと。街と違い気兼ねなく剣や魔法を振るうスペースもあり、まさに訓練するにはうってつけの場所だろう。
274 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:50:46.37 ID:ERGvPv7R0

ユキナ「みんな、警戒を怠らないように」

リサ「はーい☆ サヨ、頼りにしてるね」

サヨ「はい。先頭は任せてください」

 サヨさんを先頭。その左右斜め後ろにユキナさんとイマイさん。更に二人の後方にわたしとアコちゃん。何も言わずとも自然とその並びになり、移動がはじまる。
 ……考えてみると、後衛が多めなメンバーだ。これがRPGならヒカワさん以外の一人を前衛物理職に変えたいところ。あ、でもアコちゃんはわたしが格闘でも戦えるって言ってたから、魔法剣士的なポジションなのかな……?
 それで強かったらしいから、勇者のわたしは余程の実力者なのだろう。おそらくは昨晩のユキナさんよりも遥かに強いレベルで。
 ますます、追いつけるのか不安に――

リサ「リンコ、大丈夫? なんか緊張してない?」

リンコ「――えっ。あ、だ……大丈夫です……。ありがとうございます……イマイさん」

 いつの間にか振り向いたイマイさんがわたしのことを心配そうに見ていた。ネガティブな思考を繰り広げていた頭を振り、わたしは彼女へ笑みを返す。

リサ「そっ、そう? ならいいけどね」

 微妙に赤くなったイマイさん。薄い黒色の瞳を揺らし、わたしから目線を逸らす。それを誤魔化すように空笑いし自身のフードの下から流れる前髪をちょこちょこ弄ると、彼女は前へ顔を戻す。
 若干挙動不審だけど、わたしに気を遣ってくれたみたい。
275 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:51:24.92 ID:ERGvPv7R0

サヨ「……みなさん、前方に魔物が」

 ほっこりする気持ちは、足を止めたヒカワさんの言葉によって緊張感へと変わる。目を凝らして見てみれば前方、こちらへと向かってきている何かが見える。

ユキナ「――草原ウサギね。リンコ、勇者の出番よ」

リンコ「……は、はい」

 いわゆる序盤のモンスターなのだろう。みんな警戒して構えをとるものの、武器を手にする様子がない。そこで、完全未経験なわたしの出番と。

サヨ「シロガネさん。魔法ではなく剣でお願いします」

リサ「気をつけてねー、リンコ」

リンコ「……はい」コクリ

 わたしが失態を晒した場合の保険として渡された剣。腰に差したそれをチラリと横目で確認し、わたしは頷く。
 普段使わない武器を使用する縛り。イマイさんがいる場で初心者だから敵を譲るだなんて言えないから――と、サヨさんが考えてきてくれた作戦だ。
276 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:51:59.76 ID:ERGvPv7R0

アコ「頑張って、りんりん!」

リンコ「うん……やってみる……」

 今後のためにも、嘘を守り抜くためにも、強くならないと。アコちゃんへ頷いてヒカワさんの前に。
 遠くにいたはずのモンスターは、すぐ私の目にはっきりとその姿が見える距離に。
 草原ウサギ。その名の通り、どう見てもウサギな可愛らしいモンスターであった。モフモフしてて可愛らしくて、倒すのを躊躇してしまいそうだ。……わたしの腰の高さくらいの身長と、大きな鋭いツノが無ければ。

リンコ「……」スゥ

 大きく、ゆっくりと呼吸。『リンコ』のお陰か敵を前にしているというに、不思議と緊張はない。
 剣の柄を掴む。全力でこちらへと向かってくるモンスターを見据え、わたしは剣を抜いた。
 こちらを仕留めようとする殺意が込められた敵の目。それをしっかり見つめ返し、構える。
 接近。ウサギが地面を思い切り蹴り、飛び上がる。なんとかしなければ。そう思った直後、反射で身体が動き出した。
277 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:52:35.40 ID:ERGvPv7R0

リンコ「――っ」

 息を吐くと同時に剣を横に一振り。抜いた時にも思ったけど、振ろうとしても重さが殆ど感じられない。左から右へ素早く振られたそれはツノへと当たり、わたしに向かっていた先端を反らす。
 初撃はそれだけ。力を横へと流されたモンスター。その前方に剣の刃を置き、返す刀で踏み込みながら剣を前方へ押し出すように振るう。
 見た目通りウサギの身体は柔らかい。それでも前の世界とは比較にならない腕力で、わたしはあっさりとモンスターを両断してしまう。
 出血もなく肉体の断面は真っ黒。ハリボテのような姿に違和感を抱くと、地面に落ちたウサギはすぐに煙になって消えた。後に残ったのはツノが一本だけ。
 これがモンスター……。まるで作り物みたいだ。

リンコ「……」

 ヒュッと剣を払い鞘へ。敵とはいえ生き物を一匹葬ったというのに罪悪感はこれっぽっちしかない。

リンコ「終わり……ました……」

 振り向く。するとわたしをキラキラした目で見るイマイさん、アコちゃんや驚いた表情のユキナさんとヒカワさんが目に入った。
278 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2020/01/05(日) 10:53:07.52 ID:ERGvPv7R0

サヨ「勇者は武器の扱いも上手いと聞きましたが……。これは中々」

 『前の世界とのギャップが』と、小さな声で付け足すヒカワさん。他の三人と違って、この世界でのわたしを詳しく知らないからだろう。キビキビ動いて武器を振り回すわたしに違和感しかないみたいだ。
 実際動いていたわたしもそうなのだから、他人から見たら凄まじいギャップだろう。
 
ユキナ「よくやったわね、リンコ。剣は久しぶりなのに流石ね」

リサ「いやー、かっこいいね♪ 剣も本格的に練習したら?」

アコ「魔法と剣……光と闇を操る……ドーンッといいとこ取りなかっこよさだね、りんりん!」

 リンコ関連の記憶がある三人にも、今のわたしの動きは新鮮味があったらしい。恥ずかしいくらいにべた褒めしてくれる。
 昨晩ユキナさんの戦いを見ていた時は不安だったけど、これならわたしもそれなりに戦えるのかな……?
279 : ◆g5daB11lKU [saga]:2020/01/05(日) 10:53:48.47 ID:ERGvPv7R0

サヨ「……そろそろ目的地ですね。みなさん、行きましょう」

 再びヒカワさんを前に移動が再開。
 彼女の言う通り、前方に見えていた建物が大きくなってきた。川と森と木造の家々。山の麓、緑が広がる森の中に人の手で拓かれたであろう場所が見える。

 あそこが……。
 本当にキャンプ場みたいでワクワクしてしまう。
 ――あ。そういえばサヨさん、助っ人を呼んだって言ってたよね。誰だったかな……?


 ↓1〜2 キャンプ場イベントの同行者を指名
    (1レス1キャラずつで計2名。
   魔王軍、日菜、こころ、は選択肢から除きます)



 【遅れて申し訳ないっす!】
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/05(日) 11:11:28.51 ID:+xdSudP00
蘭
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/05(日) 11:13:05.64 ID:Vy3SrlckO
待ってました

香澄
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 21:44:44.42 ID:Z3XXF5Ng0
乙です
次回も楽しみにしてます
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/03(火) 23:03:55.92 ID:X6KDYlC+0
待ってます
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/22(日) 22:32:27.20 ID:kI5F86fKO
お待ちしています
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/30(月) 15:28:20.97 ID:QGOosSVh0
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