【バンドリ】燐子「異世界で冒険……?」【安価】

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86 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:30:58.38 ID:kaaTwu240
リンコ「あ、あのっ……アコちゃん、んっう――早く起きないと……っ」

アコ「早く? あ、もう朝ごはんの時間だよね。でもその前に……アコに朝のご飯(魔力)ちょうだいっ!」

リンコ「だ、ぁ……駄目、だよアコちゃ……くぁっ……」

 だ、ダメ……頭がぼんやりしてきた。ちょっと擦られただけで抵抗できなくなっちゃうなんて。でもアコちゃんの技術もすごくて、何も考えられなくなってしまう。

アコ「じゅぷっ……れろ……あむ、ん」

リンコ「ひゃうっ! あっ、アコちゃん……っ!」

 ……その後、すぐ達したわたしの精液を綺麗にアコちゃんは平らげ、また続けようとする彼女をなんとか制止することに成功。急いで家の簡易的な水浴び場で身体を洗い……リビングへ向かうのだった。
87 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:32:36.20 ID:kaaTwu240
 
 
ユキナ「……来たわね、二人とも」

リサ「おっはよー☆ アコ、うまくいったみたいだね」

 リビングに行くとそこには既に二人……と、

モカ「さっきはどうもー」

 微妙にぎくしゃくした動作のアオバさんがいた。無かったことにしてくれているのか、冷静な風を装ってくれる彼女にわたしも多くは語らず会釈。
 記憶のないイマイさんが彼女がいることを受け入れているってことは、二人はこの世界では知り合いなのかな……?
 アオバさんは前の世界の記憶がありそうだけど。
 階段を降りた先で観察していると、アコちゃんが小走りでイマイさんのところへ向かっていく。

アコ「リサ姉のアドバイス、すっごい効いちゃったよ! ありがとう、リサ姉」

リサ「どういたしましてっ。けど、ユキナに聴こえちゃうくらい賑やかだったのは気をつけた方がいいかもね〜」

アコ「えっ? あはは……ごめんなさい、二人とも」

ユキナ「私は……別にいいわ。お母――リンコが幸せなら」

モカ「えーと、話を再開しませんかー?」

 わたしの部屋で目撃した関連の話を蒸し返され、困った様子のアオバさん。わたしとしても真面目な話をしたいところだけど……声、聞こえちゃってたんだ。
 昨晩のはわたしの方が声、大きかっただろうし……ユキナさん、色々複雑な気分なんじゃ……。
 バンドの仲間で、この世界では母親代わりの女性の夜の営み。……うん、言葉にしただけでも複雑さがよく分かる。
88 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:33:25.41 ID:kaaTwu240
ユキナ「……そうね。リンコ、アコ。適当に座って」

リサ「じゃ、アタシご飯持ってくるね」

リンコ「はい……ありがとう、こざいます……」

 着席。イマイさんがわたしとアコちゃんの朝食、パンとスープをテーブルに並べ、席に座ってからユキナさんは話をはじめた。

ユキナ「……今日は、情報をもらうためアオバさんに来てもらったの」

モカ「どうもー。アオバモカです。この世界では奴隷商人やってます」

リンコ・アコ『!?』

 緩い口調で言い放たれた、ゆるくない単語。不意打ちみたいに叩きつけられた言葉に、わたしとアコちゃんは驚愕する。
 ど、奴隷商人……? それって、ファンタジーでは悪役なイメージが……。
 何秒かかけて脳内で処理していくと、段々と彼女が気の毒に思えてきてしまった。目を覚ましたらこの世界の自分は悪役でした、なんてどんな気持ちになるのだろうか。

リサ「あ。心配しないで二人とも。アオバさんってすごくいい人だからさ。そうですよねっ、アオバさん」

モカ「あははー……敬語はちょっと調子狂うなぁ」

 硬直するわたしとアコちゃんへ、アオバさんのフォローを入れるイマイさん。どうやら二人は知り合いみたいだ。イマイさんの前の世界の記憶はないし、商人のモカさんと面識があるということ。
 不思議に思っていると、それを察したのかユキナさんが語る。
89 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/08(火) 04:34:36.35 ID:kaaTwu240

ユキナ「アオバさんはやり手の商人として有名人なのよ。奴隷商人だけではなく、レストランや店の経営をしていて……この国随一の富豪と言っても過言ではないわ」

アコ「んー……あ、そういえばそんな話聞いたような」

モカ「まぁ、奴隷なんて言っているけど人材派遣みたいなものでアフターケアも万全ですしー」

リサ「うんうんっ」

 人材派遣……。身寄りがなかったり、仕事につけない人に仕事を与えるってことだろう。それだけじゃなくてアオバさん自身も多岐に渡る事業をしていて、自ら仕事を作っている……のだろう。
 よかった。単なる悪人、なんてことはなくて。

モカ「というわけで、リサさんに呼ばれてここに来た次第で〜。魔王情報大量入荷してますよー」

リサ「アオバさん、仕事柄情報通だからさ。何か知ってるかなって思って」

ユキナ「それはいいのだけれど……。リサ、どこでアオバさんと知り合ったの?」

 多分、ユキナさんは単純な疑問でその質問を投げかけたのだろう。元の世界の記憶もないのに、どうして奴隷商人などという職業のアオバさんに接点があるのか、と。
 何気なくされた問いかけに意外な反応を見せたのはイマイさんだった。

リサ「えっ? それはそのー……」

 ……怪しい。この場にいる全員――いや、アオバさんを除く全員がそう思っただろう。あたふたと視線を泳がせる彼女は笑顔を浮かべたままおれこれと言い淀む。
 知り合ったきっかけもそうだけれど、わたしはイマイさんとアオバさんの迅速すぎる対応にも違和感を覚えていた。預言を貰った昨日の今日で朝から来るだなんて。
 わたしが勇者だからかな……? やっぱりみんなも早く元の世界へ帰りたいのだろう。
90 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/08(火) 04:35:16.72 ID:kaaTwu240

モカ「それはー、あたしの方から持ちかけたんです。やっぱり勇者さんに魔王を倒してもらいたいので。預言者のところへ行ったのは知ってたから、今日がいいかなーっとモカちゃん自慢の情報網で」

ユキナ「……なるほど、そうだったのね」

リンコ「……」

 確かに有り得なくはない。でも、心底ホッとしてるイマイさんを見るとそれだけじゃないような気も……。
 追求したい気持ちを抑え、わたしはパンをかじる。訊かれたくないことのようだから、話してくれるまで待つとしよう。

モカ「そしたら、イマイさんが大切な人、特にミナトさんとリンコさんのためにって――」

リサ「ちょ、アオバさんっ!」

モカ「あははー。冗談冗談」

 リサさん、照れてる……。ユキナさんを大切な人、って他の人に言われてもあんなに取り乱すイメージはなかったから意外である。

モカ「というわけで、まず第一の情報から」

 飄々と、その話は終わりと言わんばかりに話題を切り込む。ゆるい空気のままアオバさんは語る。

アオバ「この街の近く。魔王の仲間、↓1が守る遺跡に↓2があるらしいです」


 ↓1 登場済み以外のキャラで一人指名
    コンマ一桁で好感度を判定。記憶は強制的になし
 ↓2 楽器(マイク、ギター、ベース、キーボード、ドラムの内一つ指定)
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 15:02:13.14 ID:fxtwA8ahO
巴
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/01/08(火) 15:41:36.97 ID:hcgz/AUp0
ベース
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 15:56:12.14 ID:fxtwA8ahO
設定を何か書いた方が良かった?
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/08(火) 16:08:44.55 ID:fxtwA8ahO
間に合うなら『職業:暗黒騎士』でお願いいたします
95 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/09(水) 03:41:36.78 ID:YJN6gR4f0

【キャラと楽器決定。職業も採用です。巴の好感度は4
   執筆に入るので、その間また登場済みのキャラの設定を募集します。
   異世界だけでなく現実世界の出来事なども大丈夫です

 間が空いて申し訳ないです】
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 08:35:22.92 ID:wuNalFhA0
リンコが来る数日前、現実世界ではCiRCLEで大会が開催された。
Roseliaや多くのグループが参加したがPoppin`Partyが優勝やベストボーカル賞などを総ナメした
97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 09:49:16.50 ID:cCFV516VO
紗夜

異世界のサヨとヒナとの関係は互いに憎しみあう程最悪
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 17:38:43.86 ID:3d2oe03MO
リサが底辺奴隷だった頃にモカに拾われてモカの屋敷でメイドとして使えていた頃がある(スパイになる前)。モカには感謝をしており今でも使えるべきご主人様だと思っているがスパイになるため勝手に飛び出した事に対する罪悪感もかなりある。
99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/09(水) 23:51:53.99 ID:HxXHCjf00
ユキナ
母親は猫娘のような猫系の魔族
マゾの気が強い
満月の夜12時から2時までの間、魔族として覚醒して猫娘の様に猫耳と猫尻尾が生え、爪が伸びて猫のような目になる。ほぼ二重人格の様な状態で、普段の本人は知らないし気づいてもいない。この時の性格は明朗快活だがサドになる。
100 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 02:59:46.07 ID:d/x7VjDG0

【各種設定ありがとうございます。全部取り入れていきますのでので】


モカ「ともちんが守る遺跡にベースの楽器があるらしいです」

 トモエさんが守る遺跡に……?
 ベース、ということは預言からわたし達が予想したことは外れていなそうだ。勇者のわたしを含めたロゼリアの奏でる音が鍵を握る……まずはベース、イマイさんの楽器。
 トモエさんはそれが祀られている遺跡の守護者、といったところだろうか。
 
ユキナ「ウタガワさん……?」

アコ「おねーちゃんっ!? モカちん、どういうこと!?」

リサ「ちん!? すみません、モカさん! アコ、ちょっと世間知らずというか――」

 ああ……記憶のないイマイさんが戸惑ってる。突拍子もなく偉い人をあだ名呼びしてタメ口で話し始めたら、わたしも絶対慌てるだろうなぁ……。

モカ「あーあー、だいじょーぶ大丈夫。モカちゃんはフレンドリー大歓迎ですので」

ユキナ「……それで、詳細は」

モカ「聖なる楽器が祀られた古代の遺跡に、暗黒騎士ともちんが陣取ってる感じでー……」

リンコ「え……敵?」

 暗黒騎士という響きに呟くと、アオバさんは首肯。
 敵……トモエさんは魔王側の人ということ。今までの友達たちは味方でいい人ばかりだったのに、こういうケースもあるらしい。
101 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 03:00:24.02 ID:d/x7VjDG0

アコ「暗黒騎士……おねーちゃん、かっこいいジョブに就いてる……。流石異世界」

ユキナ「驚いたわね。ウタガワさんが敵に……」

リサ「……? ウタガワ? あれっ、アコと一緒の苗字?」

アコ「うん……おねーちゃんとは小さい頃に別れちゃったんだけど……」

リサ「あー。アコ、魔王軍幹部だったし……色々あったんでしょ?」

アコ「……おねーちゃんもあこも強かったから、別の隊に分けられてそれっきりで」

 アコちゃんが少し暗い表情で答える。元の世界ではアコちゃんはトモエさんにべったりで、仲良しな姉妹だった。その記憶と異世界の記憶のギャップ……苦悩は計り知れない。自分が魔王軍にいたとなれば尚更――

リンコ「えっ!?」

 ま、魔王軍幹部!? それこそどういうことなのアコちゃん!

アコ「あ、説明してなかったよね、りんりん」

 驚いたわたしに気づいたアコちゃんはそっと耳打ち。

アコ「アコね、前はりんりんの敵で、失敗して魔王軍に処分されそうなところをりんりんに助けられたんだ。それから、ずっと一緒で……パートナーになったり……えへへ」

リンコ「そ……そうなんだ……」

 ありがちと言えばありがちな展開……。
 前の世界の友達が敵側にいる……アコちゃん、トモエさん、二人もいるのだから、彼女達以外にも有り得るかもしれない。

モカ「……とまぁ、今のところはこんな感じでー。最初から強敵なので気をつけてほしいですけど……できれば、早く目を覚ましてあげてほしいなぁーと」

ユキナ「……ええ。その気持ちは分かるわ」

アコ「うん! すぐ助けるよモカちん! おねーちゃんが敵役なんて絶対嫌がるだろうしっ」

リンコ「そう……だね。任せてください……アオバさん」

モカ「……ありがとー、みんな」

 前の世界の記憶が戻るのか。まだ分からないことだらけたけど、音を集めるしかないのが現状。それにトモエさんが大きな罪を犯す前に止めてあげないと。トモエさんが悪い人じゃないのははっきりしているから。
102 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 03:01:15.02 ID:d/x7VjDG0

リサ「……あの、さ」

 みんなで一致団結、という雰囲気の中、不意に不安げな声が上がる。そちらへ視線を向けると、イマイさんが苦笑を浮かべてみんなを順番に見回していた。
 この中で唯一、記憶がないイマイさん。ずっと違和感はあった筈だ。今朝の会話でそれがある程度の確信に変わってしまったのだろう。

リサ「みんな知り合いなの? 仲良さそうだけど……」

モカ「……」チラ
アコ「……」チラ
ユキナ「……」チラ

 あ、あれ……? なんでみんなしてわたしを見るの?
 急な連携を見せる仲間達に戸惑っていると、ユキナさんが立ち上がる。

ユキナ「少しリンコを借りるわよ」

リンコ「えっ? あ、ユキナさん……?」

 そしてそのまま手を掴み、家の外へわたしを連れて行く。ぽかんとした顔の三人を取り残し、わたしとユキナさんはドアの向こうへ。
 ユキナさんは手を離すとわたしへと振り向いた。

ユキナ「……私達はリンコの決断に従うわ」

 そして一言、簡潔に告げた。

リンコ「……」

 さっきの視線の意味はそういうことらしい。
 わたしの決断に……。

リンコ「どうして……ですか?」

ユキナ「それが道理だと思ったからよ。今、前の世界での記憶がないと分かっているのはリサとシラサギさん。そしてこの世界での記憶がないのはリンコ、あなた一人だけ」

ユキナ「転生……なのかは正確には分からないけれど、前の世界でのことを話すと決めて一番影響を受け、与えるのが――」

 ……わたし。
 そこで台詞は切られたけど、すぐにわかった。
103 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/15(火) 03:07:02.90 ID:d/x7VjDG0

 話すと決めれば、わたしだけこの世界の記憶がない事実が発覚する。色々やりやすくなるだろうし、誤魔化す必要もなくなる。でもそれは、この世界のわたしと別人のわたしが入れ替わったのだと言っているようなもの。

 逆に、話さないと決めれば嘘をつく必要が出てくる。うまくいけばいいけど、それがバレた時は……。

 イマイさんから問われたのだ。もう曖昧にはしておけない。ここで決めておかないと……。
 ユキナさんから託された選択。打ち明けるか隠し通すか。

リンコ「わたしは……」


 1 打ち明ける
 2 隠す

 ↓1 一つ選択



 そしてついでに、ロゼリアパーティのライバルパーティ的なメンバーを決めようかと思います。

 ↓2から6でキャラ名を指定。 ↓2のキャラがパーティのリーダーに。
 未登場のキャラに限ります。その投稿のコンマで好感度判定。ライバル位置なので記憶は強制的に無し。ボーカルやギターなど、演奏の担当は関係なし。

 指名安価後の投稿でこれまでのような設定の追加も受け付けます。但し好感度準拠で、既に出ている設定と矛盾しそうなのは省いたりします
 
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:04:43.85 ID:zTvWg+ctO
2
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:06:29.19 ID:s+ubjPibo
美竹さん
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:15:19.21 ID:iYKwMOBj0
有咲
設定はまた後でってことでいいのかな?
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:18:37.37 ID:eM8xySNxO
牛込りみ
忍者(アサシン系)
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 07:47:22.43 ID:/Zse0jdnO
美咲
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 08:11:09.47 ID:LSueL8zT0
やまとまや
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 12:07:08.92 ID:9/+hmGYvO
ところで、このライバルパーティは人間側?魔王側?
111 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/15(火) 12:56:35.77 ID:PUHwTogGO
選択肢、キャラ把握です

パーティさんは人間側です。魔王討伐を狙う競争相手的な感じで
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/15(火) 16:36:32.66 ID:9/+hmGYvO
もう設定追加オッケー?
113 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/01/16(水) 03:50:56.32 ID:89ZObEs50

選択肢 2 「隠す」

ライバルパーティ
リーダー 美竹蘭(好感度9)
メンバー 市ヶ谷有咲(好感度1)
     牛込りみ(好感度7)
     奥沢美咲(好感度3)
     大和麻弥(好感度7)


 と決定。りみの職業は一応フライングなので外しておきました。何も投稿がなければ付け直しておきます
 これから本編をまた書くので、その間よろしかったら設定があれば受け付けます
114 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/01/16(水) 04:07:01.74 ID:89ZObEs50

・登場済みキャラクターと簡単な設定

 白金燐子 
(主人公で勇者。生えてる。唯一の異世界記憶なし。魔法がかなり強く、物理面も並程度な万能型)

 宇田川あこ
 (ネクロマンサー。今のところ唯一のパートナー。元魔王軍。ドSさん。好感度9)
 
 湊友希那
 (吟遊詩人。種族は魔族。両親はおらず燐子と同棲。母親は猫系統の魔族で、魔族狩りにより亡くなる。普段はMでSな時も。好感度3)

 今井リサ
 (僧侶(ヒーラー)。元世界の記憶なし。友希那と燐子の幼馴染。元奴隷、現スパイ。過去にモカを主人としていたが、現在は燐子のため多重スパイとして暗躍。好感度9)

 氷川紗夜
 (ナイト。この世界では燐子らと初対面。千聖のお付きの騎士。異世界日菜と憎しみ合っている? 好感度8)

 白鷺千聖
 (預言者。燐子の魔法の師匠で義理のお姉さん。元世界の記憶なし。好感度9)

 青葉モカ
 (やり手の奴隷商人。リサとは元主従関係。好感度8)


・現在設定のみのキャラクター

 宇田川巴
 (暗黒騎士。元世界の記憶なし。魔王サイドの人間。好感度4)

 氷川日菜
 (詳細不明。異世界紗夜と憎しみ合っている)


・元の世界での出来事
「ガールズバンドの大会で他グループを抑えポピパが圧勝」



 設定に名前が出ただけの氷川日菜ですが、よかったら職業や過去やら彼女の設定もどうぞ。ちょっと前の設定追加の投稿にゾロ目がありましたし、ボーナスとして好感度も自由に。
 設定、登場キャラの見落としあったらすみません
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 05:07:25.30 ID:9+1t9bMxO
調教師
ぱっとみ普通なようにみえてネジのとんだ狂人
魔族を調教して奴隷としてモカに引き渡している


姉に対する歪んだ愛情から一時期姉を監禁調教してたが逃げられたことで一転してにくみあうなかに

友希那も魔族狩りの際に彼女に捕まり、沙夜が逃げるときのどさくさに紛れて逃げて燐子に保護されるが調教され歪んだsm性癖を植え付けられ彼女には本能的に逆らえない

好感度1
沙夜や友希那には執着があるが燐子にたいしてはよくもわるくも一切興味がない他人
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 07:15:27.25 ID:1a+n7R+j0
>>115は日菜だよね?

美竹蘭
英雄・初代ミタケの血を引く家系
赤メッシュは初代ミタケの血を引く証である(染めているわけではなくある年齢になると勝手にそうなる)
英雄の子孫としての務めを果たそうとしている。両親とは良好な関係だったが、父親は戦死してしまっている。
燐子に対して好感度が高いのは、燐子が英雄になるのにふさわしい人物だと思っているからである。
逆に友希那からは(母である)燐子の勇者としての立場を脅かす人物として嫌われているが、蘭本人は猫がじゃれている程度にしか思っていない。
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 07:42:16.62 ID:BHQ1j4WsO
美咲

特定の物体に命を吹き込むという異能力を持つ
この能力の為に不気味がられて旅芸人の一座に売られた過去がある
一座では踊りを色々と仕込まれていたが魔族に襲撃されて壊滅。危なくなったところをランに助けられてそのまま仲間入り

戦闘では命を吹き込んだ着ぐるみ「ミッシェル」に前線を任せて自分は後方で味方を支援したり敵に呪いをかける特殊な踊りを踊る。その性質から常に露出の激しい踊り子の服を着ている
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 08:00:17.53 ID:QFTQYxgtO
有咲 職業:賢者

蘭の一族に代々仕える一族の出身。
蘭の事を真の勇者と信じており、恋愛感情もある
リンコに対して好感度が低いのも、蘭こそ真の勇者であるという思いから
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 08:23:00.20 ID:DWxcSVf10
巴

この世界では 魔王>あこ 魔王に忠誠を誓っている
配下にはソイヤ暗黒騎士団が存在する
全身を黒塗りの鎧で守っており、手には魔剣を持つ
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/16(水) 17:09:45.02 ID:RrnrCbXLO
大和麻弥

武器屋の娘 武器マニア 神官戦士
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/17(木) 14:53:39.09 ID:ngfql6K/O
りみ 忍者
手裏剣と忍者刀で闘う。駆け出しスパイ時代のリサと戦闘になり、その際に完膚なきまでに叩き潰してリサのトラウマになった。忍者の仕事のため、非処女で経験多数の強者
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/21(月) 22:51:11.07 ID:7irxuzIY0
巴 あこを上回るドS
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/28(月) 23:29:54.22 ID:u0+FjA1s0
楽しみに待ってます
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/02/14(木) 23:43:28.94 ID:HXR+erEG0
待ってます
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/02/24(日) 01:07:33.20 ID:CfX7/mAlO
保守
126 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:12:50.28 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……話したく、ありません」

 隠す。
 それがわたしの結論だった。
 この世界の記憶だけしか持たない人の気持ちを裏切りたくはないし、シロガネリンコはもう別の人間になりかわってしまったのだと開き直るようなことはしたくなかった。
 そんなことをすれば、異世界のわたしに迷惑がかかるだろうし……それこそ、異世界のわたしの席を奪うような行為。

 だから、わたしは異世界のわたしとして、記憶の事情は隠し通そうと思う。

ユキナ「……そう」

 ユキナさんはこくりと頷いて、申し訳なさそうな顔をする。

ユキナ「ごめんなさい、リンコ。判断を押し付けてしまって」

リンコ「大丈夫……です。アコちゃんも、アオバさんも……同じ気持ちみたい、ですから……」

 わたしとしても、押し付けられただなんて思えず。むしろわたしの決断に従ってくれる優しさが嬉しかった。彼女達も巻き込まれた立場なのに。
 わたしが答えると、ユキナさんは微笑。けれど直後、目を鋭くさせる。

ユキナ「ただ、隠しておくのなら気をつけた方がいいわ」

リンコ「は、はい……。バレないように……」

ユキナ「ええ、それも大事ね。あともう一つ、バレた後のことも考えておきなさい。この余裕のない状態で、いつバレてもおかしくはないから」

リンコ「そう……ですね」

 短い異世界生活の中で、異世界での記憶しか持たず、なおかつ異世界のわたしと仲の良い人もわかった。彼女たちにわたしの状態がバレた時、うまく誤魔化せないとどうなるのか……考えたくもない。
127 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:13:35.85 ID:yn1Wo8rH0
 
ユキナ「私やアコ、サヨもフォローするけれど……土壇場で必要なのはリンコ、張本人の言葉だから」

 ユキナさんが腕を組み、真っ直ぐその眼差しを向けてくる。それは、バンドのことを話すユキナさんの表情とまったく同じ。高圧的に見えて、上手くできるだろうと期待を込めアドバイスしてくれている――不器用な優しさ。

ユキナ「特にリサ、シラサギさん、ミタケさんに対して……よく考えておいて」

リンコ「……? はい……分かりました」

ユキナ「……まぁ、いいわ」

 何故個人名が? と首を傾げつつ頷くと、ユキナさんは心配げな顔で少しの間わたしを見つめ、小さくため息を吐く。
 今、呆れられてたような……。

ユキナ「戻りましょう。リサを誤魔化さないと」

リンコ「あ……はい……」

 いつもの毅然とした雰囲気に戻り、ユキナさんはドアを開いて家に戻る。わたしもそれに続き――不審がるリサさんをなんとか納得させ、その場は無事収まった。

ユキナ「アオバさんと仲良さげ? 気のせいよ。ウタガワさんのことは以前アコから聞いていたから知っていたわ」 

リサ「んー……まぁ、それはいいけどさ、なんでリンコ連れていったの?」

ユキナ「それは……」

アコ「リ、リサ姉っ。ユキナさんもりんりんに甘えたい時があるんだよ」

ユキナ「!?」

リサ「あ、そっかー☆ ユキナもまだまだ甘えん坊なんだなぁ」

ユキナ「……そ、そうよ」

 無事……なのかな。
 アコちゃんに雷が落ちないように祈っておこう……。

128 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:14:47.89 ID:yn1Wo8rH0


 ○


 それから朝食を終え、アオバさんがお店に戻り……30分くらいが経った。

ユキナ「……というわけで、しばらく各自自由に行動する時間を取るわ」

 再びテーブルの席に座ったわたし達。遺跡攻略の準備を進めるべく、今は簡単な作戦会議中である。色々と話し合い、ユキナさんが述べたようにしばらく各々で行動することに決まった。
 理由は一つ。勇者であるわたしがこの世界に疎いから。
 土地勘無し、記憶なし、戦闘経験なし。高校生で、バンドをしていて、ゲームが好きで……といった元の世界のわたしと何ら変わらない状態で魔王軍に挑んで、どうなるかは言わずとも分かるだろう。
 イマイさんがいるから、ユキナさんとアコちゃんに遠回しにその理由を説明されたけど……すぐ分かった。確かに今のわたしだと、敵の攻撃をまともに受けて倒れかねない。それどころか、一人だと目的地に無事着けるのかすらも危うい。
 
リサ「りょーかいっ☆ アタシも食糧とか旅の準備しておくから、ユキナ達もしっかり備えてね」

ユキナ「ええ。……それと、魔王討伐のメンバーだけれど、サヨも仲間に加えるわ」

リサ「サヨ? それって、チサトの騎士さん?」

アコ「うんっ。アコもサヨさんがいいと思うなー」

リサ「騎士が仲間になってくれるなら頼もしいかもね〜。リンコは賛成?」

リンコ「はい……ヒカワさんを仲間に……したいです……」

 できるだけロゼリアで行動した方がいいだろうから、やはりヒカワさんの参加も欠かせない。この世界では初対面みたいだから、ちょっと不思議な言動に思えるだろうけど。
129 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:15:54.40 ID:yn1Wo8rH0

リサ「大人気だなー、騎士さん。でも許可は貰ってるの?」

ユキナ「それは……まだね」

リサ「じゃあ、まず話しておかないと。チサトの護衛でもあるんだから」

 これ以上ない正論である。わたし達はヒカワさんが協力してくれると確信を得ているけれど、シラサギさんのお付きの騎士なのだから、まずシラサギさんに許可を貰わないと。

リンコ「……これから、行きます……?」
 
 
130 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:16:42.09 ID:yn1Wo8rH0
undefined
131 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:17:52.17 ID:yn1Wo8rH0

 ――とのことで、会議は終了。昨日と同じく四人で城へと向かうことに。

 家を出て、街を歩き……お城の前に着くと、人だかりが目に入る。
 大きな街だからか、今まで極端に人の密度が高い場所がなかったけど……あそこは……。

リンコ「あっ……」

アコ「? りんりん、どうし――あれっ? なんだろう、あの人混み。りんりん、通れそう?」

リンコ「……な、なんとか……頑張れば……」

リサ「大丈夫? 無理そうなら時間空けるよ?」

ユキナ「……リンコ、少し覚悟をしていた方がいいわ」

リンコ「え……?」

 真面目な雰囲気の言葉に、アコちゃんから視線を前方へ。見れば人混みから五人、女の子がこちらへと歩いてきていた。
 この人たちが人混みの中心――否、それを作り上げていたのだと一目で分かった。だって、その人達は……。

ラン「こんにちは、ミナトさん。リサさん、アコ、それに……勇者さん」

 わたしの、つまり元の世界での友人達だったから。
132 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:18:40.72 ID:yn1Wo8rH0

 ミタケさんにイチガヤさん、ウシゴメさん、オクサワさん、ヤマトさん。わたしが勇者なのだ。彼女達も特別な設定を得ているのだろう。となれば知名度もあって当然。
 ミタケさんの台詞を読み取るに面識はあるみたいだけど、ミタケさん達に記憶はあるのかな?

アリサ「ランちゃん、こいつらに話しかける必要なんてないんじゃないか?」

リミ「あはは……いきなりごめんね」

ミサキ「どうもー……うちのリーダーがお騒がせしてます。いや、しますかな」

マヤ「ミタケさんもイチガヤさんも、できれば穏便に……。あっ、勇者のみなさん、お久しぶりです!」

 ……なさそう。
 察するに、ユキナさんやアコちゃん達が異世界に来てから初めて会ったのだろうと分かるけど、それについてのリアクションが何もない。
 元の世界の知り合い、ではなく、異世界での知り合いとしての挨拶が真っ先に出てくる点を考えるに、五人全員記憶は無いと考えていいだろう。
 服装とか、装備とか、異世界のぎこちなさを感じさせる様子もないから……多分、間違いない。

 どんな集まりかはさっぱりだけれど、五人はミタケさんをリーダーに活動しているらしい。それでミタケさんはわたし達に絡んできて……あれ? あまり……変わってない?
133 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:19:32.55 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「……なにをしていたの? お城の前で見世物にでもなっていたのかしら」

リンコ「……」

 ――んっ?
 言葉の節々から分かるトゲに違和感を抱くわたし。ユキナさんの方を見ると、彼女は露骨に不快そうな顔をしてミタケさん達を睨んでいた。
 対して、ミタケさんは余裕の笑み。

 ここだけ逆転してる……。

 過去にこの世界で何かあったのだろうか。困ったときのアコちゃんに話を聞こうと考えたわたしだけど、視線を動かした直後、周囲の変化に気づく。
 さっきまで前方にあった人混みが、完璧にわたしたちを中心に移動している。

リンコ「あ、あの……っ……」

 人が沢山。注目も集めている。頭が真っ白になっていくのを感じ、わたしは後退る。
 うう……強くなった筈なのに、中身は少しも変わってない。心の中で自嘲していると、意外なことに挑発していたミタケさんが素早く動く。
134 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:21:56.38 ID:yn1Wo8rH0

ラン「あ、マズ……。 はい! みんな解散! 勇者と大事な話するから!」

 どこからともなくマイクを取り出し、彼女は周りの人たちに声をかける。大ボリューム、と最初は感じた。けれど不思議とうるさくは思えず、『響いて』くる声が心地よく思えた。
 不思議な声に感心している内に、見物人がわたし達の周囲から去っていく。ほんの僅かな時間でお城の前は前日と同じ雰囲気へ。
 まるで魔法みたい。なんて思っていたもの少しの間で、ミタケさんの周りで武器を手に威圧感を放っている仲間たちを見て、ギャラリーの撤退速度に納得するわたしである。
 こんなことをする人たちが人だかりを作っているのだから、相当な力量があるのだろう。勿論魅力も必要だろうけど……それが彼女達に有るのはよく知っている。
 なにはともあれ、良かった……。あんな人数に囲まれて話だなんて、とてもできそうになかったから。
 ホッと胸を撫で下ろしてわたしはミタケさんを見る。マイクを消した彼女は、わたしの視線に気がつくと咳払い。

ラン「ごほんっ。……相変わらず、勇者さんは群衆が苦手みたいですね。そんな調子で大丈夫ですか?」

 ……現実とちょっと変わって、優しさが分かり易い。
 ミタケさんから絡んできてるからかな。怒ったような口調に真剣さが無くて、友人がちょっかいかけてくるような微笑ましさがある。
135 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:22:56.85 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「大丈夫よ。心配要らないからさっさと向こうに行きなさい」

アリサ「なんだとコラッ!」

リサ「ちょ、ユキナッ?」

マヤ「イチガヤさんも、抑えてくださいっ」

 ただ、若干名真剣だけど……。
 ユキナさんにイチガヤさん、二人とも他バンドのメンバーにこんな反応する人達じゃないのにどうしたのだろうか。特に前の世界の記憶があるユキナさんが、なんでミタケさんを敵視してるのかがよく分からない。
 状況が分からずあたふたしていると、アコちゃんがわたしの服をクイクイと引っ張る。

アコ「ランちゃん、英雄の家系で、魔王討伐を狙ってるライバルパーティのリーダーなんだ。今までも何回もこんな言い合いしてて……」

リンコ「そう……なんだ……」

 こそこそと二人で会話。ライバル……こっちの世界でもミタケさんとの関係はあんまり変わってないようだ。

ラン「ずいぶん嫌われてますね。……で、さっき言った大事な話ですけど」

リサ「あぁー、うんうん。どんな話?」

 ユキナさんの衝突を押さえようとしているのだろう。リサさんが苦笑を浮かべながら話の先を促す。ピリピリ――といっても、ユキナさんとイチガヤさんだけで、他はおろおろおどおどしているのだけれど、ミタケさんは何事もないかのように平然としていた。
136 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:24:33.59 ID:yn1Wo8rH0

ラン「魔王討伐、どんな具合ですか? あたしはこの通り、自分の『楽器』……見つけましたけど」

 パッとミタケさんの手に光が。次の瞬間彼女の手に先程のマイクが現れる。今度はスタンド付きで、ギターと服装を除けば前の世界でも見慣れた美竹蘭さんの姿がそこにあった。
 楽器……。預言では勇者とその仲間の奏でる音が鍵を握ると言っていた。
 ミタケさん――英雄と仲間達の楽器も存在し、魔王討伐に関連しえいるという話なのだろうか。もしそうだとすれば、彼女らが一歩リードしていることは間違いない。

ユキナ「だからちやほやされていたというわけね」

ミサキ「お城で報告したらあれやこれやと囲まれまして……」

リミ「困っちゃったよねぇ……」

リサ「はぇー、流石英雄さん。アタシ達も負けてられないね☆ ユキナっ」

ユキナ「――そうね」

 ……す、すごく悔しそうな顔。
 ユキナさんのそんな顔、久しぶりに見たような……。
137 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:25:40.96 ID:yn1Wo8rH0

リサ「じゃあそういうことで、アタシ達お城に――」

 ユキナさんの反応に困っているのか、リサさんが笑顔のまま話を打ち切ろうとする。ムスッとした表情のユキナさんをチラチラと見て、早足で城に向かい――

リミ「あれ? 勇者さん達……もう行くんですか?」

リサ「……」

 ウシゴメさんの一言で綺麗に足を止めた。
 ……イマイさん、なんだかさっきよりも焦ってるように見える。いや、むしろ隠してた焦りが表面化したような……。ミタケさん達が見えた時から、仕草に落ち着きがないとは思っていたけれど。

リサ「ご、ゴメンナサイ……」

 片言気味に謝ってる……。ウシゴメさんとこの世界での知り合いなのだろうか。

マヤ「そうですよ、勇者さん達。ここはお互いの理解を深めるためにもぜひ、ゆっくりお話でも……」

リミ「あ、私もシロガネさんのこと、聞きたいかも……」

 新たな因縁らしきものも見つかってしまったけれど、友好的な人もいる。にっこりと笑いながらヤマトさんが一歩前へ出て、ウシゴメさんは――ジッと意味深な視線をわたしへ向けてくる。ただの笑顔に見えるけど……どうしてだろう、何か含みを感じてしまう。

138 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:26:40.08 ID:yn1Wo8rH0

アコ「いいですね! じゃあ、お話――」

アリサ「マヤさん、リミ。そんなの必要ないですから」キッパリ

ユキナ「そうよ、アコ。すべきことは他にいくらでもあるでしょう」

 なんてことを考えている内にあっさり、親睦を深めようという提案は却下されてしまう。
 絶対話し合うべきだとわたしは思う。でもユキナさんがここまで敵意剥き出しだと、軌道修正は難しいだろう。いつもならイマイさんが宥めつつ提案してくれるのだけど……今はウシゴメさんに萎縮してしまっている。

リンコ「……」

 睨み合うユキナさんとイチガヤさん。敵対する二人におろおろするヤマトさん、アコちゃん。静観モードなオクサワさんにウシゴメさん、ミタケさん、イマイさん。
 多分、今までもこんなやり取りをしてきたのだろう。わたしもさっきまでみたいに、ただおろおろ見ていたに違いない。
 でも……魔王という共通の敵がいるのなら、協力するべき……だよね……。
 そしてそのためにはこれまでと違う動きを――わたしが、自分から動き出さないと。
 決意。自分に頷いて、わたしは勇気を出しおずおずと手を挙げ――

リンコ「……あ、あの」

ラン「なら――今ここで勝負してみません? シロガネさん。話をするより色々分かりますよ」

 ――見事なタイミングで遮られてしまった。それも衝撃的な発言で。
 堂々とした佇まいで微笑を浮かべるミタケさんは、ジッとわたしを見据える。冗談、だなんて雰囲気ではない。街中で、しかも初戦闘。てきれば避けたいところであるが……。
139 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:27:43.89 ID:yn1Wo8rH0

リサ「――ええっ!? ラン、それは流石に……ほら、みんなもそう思うよねっ?」チラッチラッ

 イマイさんも流石にこれは止めようと、必死に同意を求めている。何故かウシゴメさんをチラチラ見て。

リミ「……」

 そしてウシゴメさんは完全にスルーです。笑顔のまま不自然に微動だにしません。

リサ「ううっ。ユ、ユキナ――」

ユキナ「……これはチャンスよ、リンコ。あなた、魔法の使い方は分かる?」

リンコ「……えっ」

 ユキナさんが意外にも乗り気な様子を見せ、彼女に助けを求めようとしたイマイさんが、がっくりと項垂れた。
 ユキナさんがこんな戦いに賛成? 本人がそう言っているのに、わたしは納得ができなかった。ユキナさんはわたしとミタケさんがこの場で戦うことに何らかの価値を見出している。他人への迷惑をないがしろにして。それは彼女らしくない急いた判断であった。

アコ「ユキナさん? ここだと危ないような……」

ユキナ「大丈夫よ。市民はさっきの声でいなくなったから、余程のことをしなければ問題にはならないわ」

 心配するアコちゃんに即答するユキナさん。視線をミタケさんから逸らそうとはせず、態度もいつも通り。
 後ろめたいこと、焦った気持ち、怒り、そういった気持ちは一切なく、さっき口にしたようにこれが本当のチャンスなのだと認識しているようだ。
 ますますらしくない。
140 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:30:35.82 ID:yn1Wo8rH0

アコ「えっ、と……」

 ユキナさんがこう言ったら自分では止められそうにない。そう察したであろうアコちゃんが助けを求めるべく視線を動かす。この場をなんとかできそうな人といえば、

アコ「あ! ミサキはどう思うっ? マヤさんも!」

 オクサワさん。もしくはヤマトさん。
 前の世界ならば全力で止めてくれるだろう頼れる二人だけど……。

ミサキ「え? 物騒だなと思うけど、あたしはミタケさんの指示に従うだけなんで」

マヤ「安全ならジブン、ちょっと見てみたい気も……」

 記憶の有無って大切……と、思わず遠い目をしてしまう。

アコ「りんりん……ごめんね。止められそうにないや」

リンコ「う、うん……謝らないで……」

 これで戦いに反対する人はいなくなってしまった。つまりはわたしはこれからミタケさんと戦わないといけない。
 ……ど、どうしよう。魔法の使い方もまだ分からないのに。

アコ「大丈夫だよりんりん。りんりんなら魔法名唱えるだけでも多分強いから」

リンコ「そう……なの?」

アコ「心に浮かんだ魔法名をええと……ババーンと唱えてドーン! だよ」

 おろおろしていたわたしの心中を察したのか、アコちゃんが励ますように教えてくれる。
 魔法の詠唱、名前を唱えるだけでも発動してくれるらしい。ということは、しっかりした手順を踏んだ発動方法もあるわけで。それは少し恥ずかしくないかな……?
141 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:31:36.30 ID:yn1Wo8rH0

アコ「なんなら素手でもそこそこ戦えると思うよ」

リンコ「それは……流石に……」

ラン「――話は決まったみたいですね」

 戦いを止めようとする人物は皆無。わたし達を一周見回し、ミタケさんは一歩前へ。腰に差した剣に手をかけ、スッと彼女の纏う雰囲気が変わる。
 見知った姿の筈なのに、今はとてつもなく強そうなオーラを感じた。

アリサ「勇者なんかやっちゃえ、ランちゃん」

ラン「うん。ま、あくまで模擬戦みたいなものだけど」

 彼女の余裕がそう思わせるのか、わたしが彼女の魔力を感じ取っているのか、理由は分からないけど……魔王討伐の目標を掲げる勇者と張り合っているのだ。強者であることは間違いないだろう。

ラン「シロガネさん。前に」

リンコ「……」コクッ
 
 怖い。怖い……けど、魔物や魔王側の人間が初戦の相手じゃないことは願ったり叶ったり。この戦いはこれから先の良い経験値になってくれることだろう。
 頷いて、わたしは前へ。イマイさんの心配そうな視線に大丈夫という意味を込め小さく会釈をし、ミタケさんと対峙する。
 一歩、二歩。友達たちの視線を受けて、中心に。緊張から杖を握る手に力を込めた直後、ミタケさんが肩を竦めた。
142 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:32:32.47 ID:yn1Wo8rH0

ラン「……意外ですね。ミナトさんはともかく、シロガネさんが乗るなんて」

リンコ「……」

 呆れ、ともまた違う。ミタケさんは単にわたし――ひいてはロゼリアの仲間達が挑発に乗るとは思っていなかったようだ。
 その気持ちはわたしにもよく分かる。今さっきまで、わたしもそう思っていたのだから。でも。

リンコ「みんなに……応えたかった……から……」

 ユキナさんにイマイさん、アコちゃん。それに……ミタケさん。わたしの知らない『勇者』のわたしに少しでも追いつくために。わたしは、期待に応えたかった。
 偽者だとか、本物はいなくなっただとか、思ってほしくないから。
 だからこの機会を不安と恐怖なんてもので見逃すわけにはいかなかった。

ラン「……相変わらずですね。でも、だからあたしは……」

リンコ「……?」

ラン「いや、なんでもないです。はじめましょう」

 首を振り、ミタケさんが構える。赤いメッシュの横から真剣な眼差しがわたしを貫く。
 腰の剣に手をかける姿に、ライブ開始前の彼女の面影が重なった。どんな世界でも、みんな根っこは変わらない。怖かった筈なのにわたしはミタケさんの構えを見て、笑みを浮かべてしまう。
143 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:33:10.68 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……」スゥ

 目を閉じて、杖を握った両手を前に。何度も繰り返し取ってきたポーズ。楽器はないけれどやることは同じ。
 わたしができること全てを目の前にぶつける。頂点を目指して。
 そう。どんな世界でも、変わらない。
 自分の心が研ぎ澄まされていくのを感じる。わたしは自分が思うまま、頭に浮かんだ言葉を呟く。

リンコ「『メテオ』」

全員『――あっ』

 ……一瞬で、やってしまったとこの場にいた全員が理解した。


144 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:33:56.11 ID:yn1Wo8rH0

 ○

チサト「……それで、ノリに任せて最上級火炎魔法を発動。あわや大惨事というわけね?」

ラン・リンコ『はい……』

 ……お城の前で決闘をはじめて数分。わたしとミタケさんはついさっきまで対峙していた場所で、シラサギさんと向き合っていた。
 ただしお互い立っているわけではなく、正座と仁王立ちという立ち位置で。誰が地べたに正座し、誰が立っているのか。それは語るまでもなく分かることだろう。
 
 わたしが脳内ナレーションで盛り上がり、初手最上級魔法を発動。魔法でできた隕石がお城前に落下――しそうだったのを三人の友達が助けてくれた。

サヨ「まさかロゼリアでこんなトラブルが起きるとは……」

アリサ「私も完全に頭に血が上ってたけど、模擬戦で最上級魔法なんて。勇者はどんな教育されてるんですか?」

チサト「あはは……そんな教育したつもりはないのだけど……」

 三人。ヒカワさんとイチガヤさん、シラサギさん。
 お城からちょうど出てきたヒカワさん、シラサギさんが魔法に気づき、三人で協力してなんとかわたしの魔法は打ち消され、事なきを得た。
 多分、何らかの強化の魔法をイチガヤさんとシラサギさんがヒカワさんにかけたのだろう。隕石を小さな盾で受け止めたヒカワさんは正真正銘無傷。服に汚れ一つ付いていない。
 一人の人間が隕石を盾で受け止める。その光景を目の当たりにして、殺人を犯してしまったと血の気が引いたわたしだけど……被害がなくて心から安堵している。
 と同時に、本当にファンタジーな世界に来てしまったのだと痛感した。
145 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:34:50.47 ID:yn1Wo8rH0

マヤ「いやぁ、危険でしたけどすごいものが見られて感激です!」

アリサ「魔法名詠唱で預言者とその近衛騎士、賢者の三人がかりでやっとって……腐っても勇者ってことか」

チサト「――あなた達も少しは反省するように。お城の前でこんな騒ぎを起こすだなんて、本来なら罪に問われておかしくはないのよ」

マヤ「は、はい……ごめんなさい」

 腰に手を当て、ムッとした顔でいうシラサギさんにシュンとするマヤさん。異世界でほぼ別人の二人なのに関係性はそう変わらないようだ。

チサト「……はぁ。競い合うのは勝手だけれど、迷惑はかけないようにしなさい。お城の前で隕石降らすなんてもってのほかよ」

サヨ「すみません、シラサギさん。4人とは後で話しておきます」

チサト「……なんでサヨちゃんが謝るのかしら?」キョトン

サヨ「えっ? あっ――つい」

ミサキ「――今回はこっちも悪かったので、お互いリーダーと煽り役に注意ということで」

ラン「……すみません。無関係の人を巻き込むところでした」

リミ「アリサちゃん、あんまり勇者さん達を煽らないようにね?」

アリサ「いやいや、煽ってねーし。煽られて燃えただけだし」

マヤ「それはそれで駄目なような……」

チサト「……まぁ、勇者と英雄の一族を捕まえるわけにもいかないから今回は見逃すわ。今度は王に報告し、しかるべき罰を与えます」

アリサ「……すみませんでした」

 頭を下げる英雄のパーティ。決闘は取り止め。話も終わり。彼女らは帰るつもりらしく、正座をしていたミタケさんも立ち上がる。
146 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:35:39.97 ID:yn1Wo8rH0

ラン「……シロガネさん」スッ

リンコ「は、はい……」

 差し出された手を握ると、ミタケさんは優しくわたしを引き起こした。手を離し、彼女は真剣な顔つきでわたしをまっすぐ見てくる。

ラン「今日はどうしたんですか? いきなりあんな魔法発動して」

 『シロガネリンコはそんなことをしない』。
 ミタケさんの目が言わずともわたしへ伝えてくる。探りを入れられていることは容易に分かった。
 当然だ。
 勇者であり、預言者の元で魔法を習っていたわたしが、魔法の実力もそれなりなわたしが、本気の戦闘でもないのに全力を振るったのだ。
 まるで魔法を初めて使うような加減のできなさ。怪しまれるに決まっている。事情を知らないミタケさんのパーティ、イマイさんは心配そうな視線すら送っている。
147 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:36:19.61 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「それは……」

アコ「りんりん、ちょっとぼんやりしちゃったんだよね! ランちゃんあんまり気にしなくて大丈夫だよ」

ラン「ちゃん? ――っていうか、ぼんやりってレベルじゃないような」

ユキナ「もういいでしょう。用が済んだならさっさと帰りなさい」

 更に追求しようとするミタケさんの前に、ユキナさんが割って入る。無言で睨み合う二人。会話を遮られたからか今度はミタケさんも挑発しかねない剣呑な雰囲気が広げられるが……クルッと彼女は踵を返す。

ラン「今日のところはそうします。……けど、ミナトさん。ただ焦るだけじゃ、あたし達に置いてかれますよ。今日の勇者の状態なら、尚更」

ユキナ「……」

ラン「――期待はしてますから。頑張ってください」

 正論を言われ、反論できずに見送るユキナさん。ミタケさんの仲間はそれぞれ会釈をし彼女についていく。
 自分の楽器。それが何なのかまだ分かっていないけれど、リードされていることは確か。その上勇者であるわたしはこの世界での記憶無し。戦いの記憶も無いし、その分圧倒的に不利。
 どちらが優勢かは、簡単に分かること。言い返すことはできないだろう。
148 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:37:13.46 ID:yn1Wo8rH0

リンコ「……すみません、ユキナさん……。わたしが……」

ユキナ「――いえ。私が迂闊……違うわね。馬鹿だったわ。ごめんなさい」

サヨ「……何があったんですか? 勇者と英雄の一族に因縁があるのは常識ですが、まさかここで戦い始めるなんて」

リサ「あははー……まあ、さっき説明した通りかな。ユキナと向こうのアリサが煽り合って、ランが決闘を提案して」

アコ「で、りんりんがついすごい魔法を唱えちゃって」

サヨ「ええ、そこは分かります。分からないのはミナトさんです」

 ヒカワさんの視線がユキナさんに向く。謝罪し、額に手を当てていたユキナさんは苦々しい表情で息を吐いた。

ユキナ「……」

リサ「……ユキナ? いつもああだよね、ランに対しては」

サヨ「え? あ……そういえばイマイさんは記憶――」

アコ「サヨさん! ちょっとお話が!」

 わたしがこの世界での記憶がないこと。アコちゃんやユキナさん、ヒカワさん、アオバさん……前の世界の記憶を持っていること。
 それら転生の話を、この世界の記憶のみしか持たない人には隠し通すと決めた。
 朝、イマイさんに打ち明けなかったことでアコちゃんも察してくれたのだろう。慌ててヒカワさんの手を引き、耳打ちを始める。
149 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:37:54.49 ID:yn1Wo8rH0

サヨ「……なるほど。分かりました」

アコ「お願いしますね、サヨさん!」

サヨ「はい。……コホン」

 身体をアコちゃんへ傾けていたヒカワさんは頷いて、体の角度を直すと小さく咳払い。

サヨ「シロガネさんとミタケさんの因縁は聞いていますが……ミナトさん、あなたがそこまでミタケさんを敵視する理由は? 同じ目的ならばわざわざぶつかる必要はないでしょう」

 きっちり自分の立場、知り合ったばかりの騎士という要素を踏まえての問い。流石はヒカワさん。急な後出し設定も涼し気な顔でさらっとこなしてくれる。
 イマイさんも怪しんでる様子はない。一安心しつつ、わたしは会話の成り行きを眺める。記憶のないわたしとしてもヒカワさんの疑問の答えが気になった。
 イマイさん曰く、この世界のユキナさんはミタケさんのきとを敵視してたみたいだけど……前の世界の記憶がある状態でも、ユキナさんは変わらず刺々しく接していた。
 そこには何か相応の理由がある筈で。
150 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:39:24.60 ID:yn1Wo8rH0

ユキナ「……。……特に、理由はないわ」

 だから、ユキナさんが何かを隠しているとこの瞬間みんな理解したことだろう。
 普段はあまり感情を表情に出さないユキナさんが、今はほんのりと頬を赤らめて、自分の服の裾をギュッと握り――あれ? なんだか恥ずかしそう?
 シリアスな、重い理由だとわたしは勝手に想像していたけど、そうではないらしい。

アコ「えっと……ユキナさん、恥ずかしがってます?」

ユキナ「そ、そんなことないわ。気のせいよ」

サヨ「……。それで、結局どんな理由ですか? 話してくれると今後ミタケさんと付き合いやすくなると思いますが」

ユキナ「理由がある前提で話を進めているのは何故かしら」

 やっぱり他の仲間達にもバレバレらしい。重くない理由と分かり、追求の遠慮がなくなっている。
 必死に平静を装い、話を終わらせようとするユキナさんと質問を続ける二人。ユキナさんが怒ったりしないだろうかとわたしがハラハラしていると、三人のやり取りを微笑ましそうに見ていたイマイさんが不意に口を開いた。
151 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:44:45.88 ID:yn1Wo8rH0
リサ「もう、ユキナ。別に恥ずかしがることじゃないじゃん♪」

ユキナ「っ! ――リサ、お願いだから静かに」

 イマイさんは知っているらしく、ユキナさんがハッとし素早く反応する。けれどイマイさんの言葉を止める術はなく――

リサ「リンコが心配なんだよね、ユキナは☆」

 あっさり暴露されてしまう。

サヨ「そういうことですか。勇者の仕事を横取りされれば世間からなんて言われるか分かりませんし」

アコ「りんりん、ユキナさんのお母さんだもんね」

サヨ「そう、お母さん――えっ!?」

 そして追撃。
 顔を赤くさせ、表情からみるみる内に余裕がなくなっていくユキナさん。絶賛公開処刑中の彼女の肩にポンと優しく手を置く人物が。

チサト「姉として……分かるわ、ユキナちゃん」

 最後のトドメが突き刺さり、ユキナさんは顔を両手で覆った。同級生を母親代わり。そのダメージは思った以上に大きいのだろう。あのユキナさんがここまで翻弄されるなんて。
152 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:45:31.20 ID:yn1Wo8rH0


 撃沈したユキナさんが落ち着いてから、シラサギさんへ例の依頼を話す。

チサト「サヨちゃんを? 別にいいけど……どうして急に?」

リンコ「ヒカワさんは……多分、勇者の仲間なんです……」

 あっさり了承されて拍子抜けしつつ、わたしは答える。五人。奏でる音。やはりそれはロゼリアのことだとしか思えない。
 その辺りの事情を記憶のないシラサギさんに詳しく話せないから、直感だとしか言えないのが辛いけれど、とにかくヒカワさんには仲間に加わってもらわないと。

チサト「ふぅん……リンコちゃんがそう言うなら、多分そうなのね。勘を信じるわ」

 これまたあっさりと。
 預言者としての感覚か、それとも転生前の勇者の行いのお陰か。何にせよ話がスムーズに進むことは有り難い。
153 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/03/01(金) 03:46:01.19 ID:yn1Wo8rH0

チサト「という話だけど、サヨちゃんは大丈夫? 魔王討伐の仲間になるなんて、過酷な道になるのは分かると思うけど」

サヨ「……はい。魔王討伐は私も叶えたいことですから。いつでも呼んでください」

リンコ「ありがとうございます……ヒカワさん……」

 わたしの魔法を受け止めたヒカワさん。預言者の騎士ともなれば実力も申し分ないだろう。キリリとした表情の彼女がいつもよりも頼もしく見えた。
 これで五人。ようやくスタート地点に立った。

ユキナ「一日でも早く、魔王を倒しましょう。勿論、その間各自練習を怠らないように」

アコ「そうですねっ。楽器も早く手に入れなくちゃ」

サヨ「楽器? 奏でる音のことですか」

リサ「うん。情報は掴んでるから、後は行くだけ。その時になったら声をかけるから準備しててね」

 まだまだ不安なことはいっぱいあるけど……この五人ならなんとかなる筈。
 それに五人だけじゃない。多分、他の友達たちもこの世界にいる。だからきっと大丈夫。

 魔王を倒して、少しでも早く元に戻れるように。
 わたしが勇者なんだから、頑張らないと……。
154 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/03/01(金) 03:47:47.47 ID:yn1Wo8rH0

 【遅れて申し訳ないです。
 募集していたキャラ設定などは把握しました。記載は無かったですが、設定的にそちらの方が面白そうなので、日菜は記憶なしとします。 

ここからしばらくキャラを指名してからの好感度上げ、キャラ別のストーリー進行となります

 好感度を上げ、目指せ個別エンディング!
 指名できるキャラは今のところ敵側にいる巴以外の本編に名前が出ているキャラです。日菜ちゃん含む。

 では↓1で誰のストーリーを進めるかの安価を】
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 04:12:37.66 ID:WQxn8eGeO
>>1
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:06:50.33 ID:5+AkFUhRO
友希那
157 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 07:14:15.53 ID:ssD5Ny2JO
乙です

ラン  
 
158 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 10:24:55.82 ID:ekQw13RZO
更新来て良かった
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/04/04(木) 23:11:02.16 ID:JgEibeSA0
保守
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/01(水) 19:55:23.51 ID:FhVs5EYEO
お待ちしてます
161 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/05/19(日) 23:32:30.93 ID:4jHzHQDPO
保守
162 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/02(日) 08:11:03.39 ID:PWBrBVO00
待ってるぞ
163 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/05(金) 05:21:04.65 ID:52eq5GP20
待ってます
164 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/08/12(月) 06:22:47.12 ID:COcOJVACO
保守
165 : ◆g5daB11lKU [saga]:2019/08/19(月) 01:02:44.74 ID:u1gZk+FuO
 
【遅れました! 大変申し訳ない】


 ゾロ目2連続記念として高好感度のキャラが一人確定
 ↓1で未登場キャラの中から一人指名。コンマ末尾が奇数なら10。偶数なら9。ここはゾロ目関係なし



 ついでに空いている、物語上必要になる重要な役柄へつくキャラを決めておこうかと

空いている役
 1 女王(現在拠点となっている国の王。味方。記憶有無の判定をコンマ二桁目で。奇数なら無し)
 2 魔王軍のお偉いさんその1(記憶なし)
 3 魔王軍のお偉いさんその2(記憶なし)
 4 魔王軍のお偉いさんその3(記憶なし) 

 未登場キャラ一覧
 香澄、沙綾、たえ、ひまり、つぐみ、彩、イヴ、こころ、花音、はぐみ、薫

 ↓3〜↓6で未登場キャラの中から一人指名。

 ↓3が女王役につくキャラ、↓4が魔王軍のお偉いさんその1……といった具合に、上から順に決めていきます。
 同時に初期好感度の判定をコンマの一桁目で行います。

 ここで選ばれなかったキャラも、後に自由枠として設定を募集するつもりなのでご安心を
166 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 20:46:45.89 ID:c+bPzU5O0
彩ちゃん
167 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 20:51:53.30 ID:c+bPzU5O0
待ってました!
168 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 13:58:48.50 ID:NwIOPOq2O
こころ
169 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:23:09.83 ID:v+AsKzzt0
つぐみ
170 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:24:43.30 ID:OVkL0dxCO
たえ
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 19:28:08.30 ID:UmCADdF7O
花音
172 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/08/20(火) 23:25:39.45 ID:RlQ/ziqgO

彩ちゃん (役未定 好感度10)

女王役 こころ 記憶なし 好感度10
お偉いさん1 つぐみ 好感度3
お偉いさん2  たえ 好感度10
お偉いさん3 花音 好感度10

で、進みます。
これまでと同じように役が決定したこころ、つぐみ、たえ、花音にはキャラ設定の受付を開始します。
職業や武器、現世や異世界での燐子との関係など希望の設定があれば是非とも。なければ自分が流れで決めていきます。
173 : ◆g5daB11lKU [saga sage]:2019/08/20(火) 23:27:08.23 ID:RlQ/ziqgO


 ユキナ編 1話


 城での騒動から一時間ほど経って。
 みんなは早速遺跡捜索の準備のためそれぞれ出かけていった。イマイさんとヒカワさんは食糧や旅に必要な道具の調達。アコちゃんは……ネクロマンサーとして戦いの準備が必要らしく、わたしと別れどこかへ行った。
 見送る時は気にならなかったけど、どんな準備なんだろう……? ネクロマンサーだから……死体とか霊魂だとか、ヘビーなものは持ってこない、よね? 世界が世界だから少し不安。

リンコ「……」ペラッ
 
 ――さて。
 みんなが遠出のため思い思いの準備を始めた。そんな中、わたしは自室の中で本を読んでいた。何故か。その理由は単純明快で、やれることがないからだ。
 外に慣れていないわたしが買い出しや準備に付き合っては迷惑だろうと、イマイさんやヒカワさんの誘いを断ったけど……その後のことをよく考えていなかった。
 付いてきてくれる人がいなければわたしは何もできないのに。せめてアコちゃんがいてくれれば、街を歩いたりはできたかもしれないけど、彼女も当然準備があって。
 色々空振りした結果が自室待機。こうなってしまうと、イマイさん達の買い出しに付いていった方が良かったような気がする。
 わたしにはまだ外に慣れる以外にするべきことがたくさんあるのに。

リンコ「……」

 慣れない自室のせいか、わたしの頭の中をグルグルととめどない思考が巡る。
 すべきことがある状況で読書。落ち着かないのは当たり前で、本を捲るわたしの手は時
174 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:29:32.59 ID:RlQ/ziqgO



 ユキナ編 1話


 城での騒動から一時間ほど経って。
 みんなは早速遺跡捜索の準備のためそれぞれ出かけていった。イマイさんとヒカワさんは食糧や旅に必要な道具の調達。アコちゃんは……ネクロマンサーとして戦いの準備が必要らしく、わたしと別れどこかへ行った。
 見送る時は気にならなかったけど、どんな準備なんだろう……? ネクロマンサーだから……死体とか霊魂だとか、ヘビーなものは持ってこない、よね? 世界が世界だから少し不安。

リンコ「……」ペラッ
 
 ――さて。
 みんなが遠出のため思い思いの準備を始めた。そんな中、わたしは自室の中で本を読んでいた。何故か。その理由は単純明快で、やれることがないからだ。
 外に慣れていないわたしが買い出しや準備に付き合っては迷惑だろうと、イマイさんやヒカワさんの誘いを断ったけど……その後のことをよく考えていなかった。
 付いてきてくれる人がいなければわたしは何もできないのに。せめてアコちゃんがいてくれれば、街を歩いたりはできたかもしれないけど、彼女も当然準備があって。
 色々空振りした結果が自室待機。こうなってしまうと、イマイさん達の買い出しに付いていった方が良かったような気がする。
 わたしにはまだ外に慣れる以外にするべきことがたくさんあるのに。

リンコ「……」

 慣れない自室のせいか、わたしの頭の中をグルグルととめどない思考が巡る。
 すべきことがある状況で読書。落ち着かないのは当たり前で、本を捲るわたしの手は時折止まってしまう。
175 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:30:09.04 ID:RlQ/ziqgO

リンコ「やれること、あるよね……」

 ふと、とあることを思い出したわたしは本を閉じる。帽子を被り杖を取り、簡単な外出の用意をすると部屋の外へ。
 時刻は昼前。廊下の窓から射し込む光に目を細め、わたしは早足でリビングへ。わたしが部屋に行く前と同じなら、多分ここに。

ユキナ「……リンコ。急いでどうしたの?」

 木の香りに包まれた落ち着いた雰囲気のリビングで、大きなテーブルの席に座る人物が一人。湯気が立つカップを手に、優雅にコーヒーを飲む人物、ユキナさんはきょとんとした目をわたしへ向けた。
 改めて見てみると、ユキナさんの衣装は大胆に思える。細い身体のラインがしっかり見える水着のような上半身の服に黒の薄いタイツ。お腹、腰回りが露出していて下半身も際どいスリットが入っており、黒のガーターとスラッとした太ももが見え――ているのだけど、全体的に上品に見えるのはユキナさんの大人びた雰囲気故か。
 やっぱり記憶が大切なのかな。恥ずかしい、おかしい、露出が、なんて思わないから見ている人に違和感を与えない着こなしができるのだろう。
 わたしの服装もゲームのアバターとしてよく見てはいるものの、実際着るとなると大胆だなぁ、なんて思っちゃったりするから、鏡で見ても違和感しかないのかも……。
176 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:30:40.81 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「リンコ?」

リンコ「――あ。だ、大丈夫です……。あの……ユキナさんに、お願いが……」

 ついユキナさんの姿を観察してしまった。慌てて答え、わたしはユキナさんの向かい側へと座る。ほぼ無音のリビング。わたしから視線をそらして、ユキナさんはコーヒーを一口。自室とは違って、ここにはゆったりとした時間が流れているような気がした。
 同じ、飾り気のない落ち着いたインテリアに広々とした間取り。なのに心が落ち着くような気持ちがするのは、仲間がいるからだろうか。
 つくづくわたし一人で異世界に来る、なんてことにならなくて良かったと思う。

ユキナ「お願い?」

リンコ「……はい。街に出てみたくて……。時間、ありますか……?」

ユキナ「ええ。問題ないわ」

 言って、ユキナさんは飲み物を一口。苦かったのか、カップを置いてからテーブル上の容器から砂糖を入れてかき混ぜる。
 カップをジッと見つめつつ、彼女は口を開く。

ユキナ「今、ちょうど出かけようと思っていたところよ。リンコも誘って」

リンコ「そうなんですか……。何を……していたんですか?」

ユキナ「……少し、元の世界のことを思い出していたの」

 元の。つまり日本のことを。
 思い出すのは当然だけれど、それが外出に繋がる理由はよく分からず。わたしはユキナさんの言葉を待つ。ソーサーの上にスプーンを置き、彼女は顔を上げる。
 いつの間にかユキナさんの雰囲気が変わっていることに、そこで気がついた。さらさらと流れる銀髪をかきあげ、彼女は琥珀色の瞳をわたしへ向ける。
177 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:31:18.83 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「……さっき、ミタケさんに会った時。私が我を失った理由がもう一つあったの。それが、イチガヤさんとウシゴメさん。ミタケさんの傍にいた彼女達よ」

リンコ「……?」

ユキナ「覚えているかしら。――『CiRCLE』での大会」

リンコ「大会……あっ」

 そういえば、とわたしは『思い出す』。
 CiRCLEで開催された高校生ガールズバンドの大会。友人達のバンド以外にも沢山の人たちが集まったその大会で、各賞を総なめし圧勝としか言えない成績を残したのがPoppin'Party。

 祝福すべきことだけど……ロゼリアとして何も考える筈はなく。原因を解明して、反省すべきところがあれば改善していかなくてはいけない。大きな課題だろう。

リンコ「……」

 とそこまで考えて、わたしはふと思う。
 何故、こんなに苦い思い出を忘れてしまっていたのだろうか。思い返せば記憶が曖昧だ。その大会から先、自分がどうしていたのか正確に思い出せない。
 その辺りの時間で異世界に来た、ということだろうか。
178 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:31:46.61 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「……やっぱり、リンコも今思い出したのね」

 わたしの表情で察したのか、ユキナさんが小さく嘆息。やっぱりということはユキナさんも忘れていたのだろう。

ユキナ「私もついさっき思い出したの。ミタケさんに噛み付いた理由を考えていたら、頭に浮かんできたわ。ロゼリアを抑えて圧勝した彼女達に対して焦っていた、と」

ユキナ「……課題は多いわ。本来ならすぐにでも練習をしたいところだけれど、リサは記憶がないからそうもいかない。魔王討伐もすぐ元の世界に戻るために優先すべきこと。だから」

 だから。その先はなんとなく察しがついたわたしだ。
 おそらくはわたし達の楽器を手に入れるまでの繋ぎとして、楽器を購入――

ユキナ「働くわよ、リンコ」

リンコ「……えっ?」

 勇者だから。立派な一軒家に住んでるから。
 つい飛ばしていた前工程を口にされ、わたしは面を食らった。

 働く……。
 わたしもユキナさんも縁がなかったことだと思うけど……大丈夫かな……?


179 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:32:21.95 ID:RlQ/ziqgO

 ○


 家を出て街へ。
 元の世界と違い、街中でも自然の溢れるここは空気が美味しく景色が楽しい。広いおかげか街を歩く人もほどほどで、わたしの精神的にも優しい場所である。
 キョロキョロと視線を動かしていたわたしは、ふと前を歩くユキナさんへ目を向ける。斜め後ろから見た彼女の横顔は、こんなファンタジーな世界でも相変わらず前を痛いほど見据えていて、少し眩しい。
 この世界と元の世界の記憶。二つを持つというのにユキナさんはちっとも変わらなくて。
 アコちゃんやヒカワさんもそうだけれど、強いな、と思ってしまう。

ユキナ「リンコ」
 
 不意にユキナさんが口を開く。
 大通り。人の声で賑やかな喧騒の中、彼女の声はすっと通る。

ユキナ「音楽は庶民でも楽しめる娯楽、趣味としてこの国では親しまれているわ。楽器も比較的安価で、値段の幅も広いから、私達でも買うことには困らないと思うわ」

リンコ「そう……なんですか。す、少し……安心しました……」

 買うことには。という言葉に引っかかるものの、そこは一安心。専門的な知識に特別な材料が必要で、家や車を買うくらい高価、とか言われなくて良かった。
 これから魔王を倒すのだ。合間合間でできるレベルでないと困ってしまう。
180 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:32:57.55 ID:RlQ/ziqgO

ユキナ「問題は楽器代に、家賃銭湯代食費が重なることね」

リンコ「……」

 な、なるほど……『買うことは』の含みは、それ……。
 世知辛い悩みにユキナさんの表情が若干しょぼくれて見える。

リンコ「勇者に援助は……ないんですか……?」

ユキナ「勿論あるわよ。けれどあの立派な家に住んでいるから……」

 言わずもがな。ユキナさんにアコちゃん、わたし。三人が快適に暮らせるあの家は、街に並ぶ建物と比較しても立派な部類。その家賃ともなると想像に容易い。

ユキナ「今まではリンコと私、リサで魔物の討伐依頼をこなしたり、魔王軍を倒したり――特に問題はなかったわ。今もないのだけれど、楽器を買うとなると……」

リンコ「……苦しい、ですか……?」

 問うと、ユキナさんは首を横に振る。

ユキナ「楽器を5つともなると、リサが確実に文句を言ってくるわ」

 財布を握られた夫みたいなことを、ユキナさんはキリッとした顔で、前に来た後ろ髪を後ろへ流しつつ言った。
181 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:33:47.92 ID:RlQ/ziqgO

リンコ「……そ、そうなんですか?」

ユキナ「絶対よ。勇者一行の財布を預かってるのはリサだもの。理由を言ってお金を貰おうとした直後に説教されるわ」

 断言。
 まさか本当に財布を握られているとは。何か苦い思い出があるのか、ユキナさんは肩を竦める。
 イマイさんには元の世界の記憶がない。そんな彼女に楽器を買いたい、それも出会ったばかりのヒカワさんにも、なんて言っても何かに影響された衝動買いと思われるのが関の山だろう。
 それにしても、お説教……。
 わたしとユキナさん、イマイさんはこの世界では幼馴染。付き合いが長く、かつイマイさんが私生活を支えてくれているこの世界ならではなリアクションであろう。
 イマイさんの元の世界の記憶があれば、もう少し違う対応をしてくれるのかもしれないけれど。
 しかし楽器分の負担を家計にかけるというのも心苦しいもの。稼げるというのなら自分達で稼いでしまった方がいいだろう。

リンコ「だから……自分達で、工面すると……」

ユキナ「そういうことね。今も自由に動けるのは私達だから。一緒に頑張りましょう、リンコ」

リンコ「は、はい……っ」

 まさかユキナさんと一緒に働く日が来るなんて。この世界でもないと、そんな機会一回も来ないような気がする。
 わたしは海の家でちょっとお手伝いしたくらいの経験だけど……ユキナさんはどうなんだろう。すごく堂々としてて緊張もしてなさそうだけど。
182 : ◆g5daB11lKU [sage saga]:2019/08/20(火) 23:34:38.55 ID:RlQ/ziqgO
リンコ「それで……候補はありますか……? 働く場所の……」

ユキナ「心配しないで。きちんと考えてきたわ」

 ユキナさんは視線を前に戻し、いつもの調子で淡々と答える。彼女の目が向けられている先、そこを見ると……。


 1 アオバさんの商会の事務所
 2 冒険者ギルド
 
 ↓1 どちらか一つ選択


183 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 06:09:19.29 ID:PsI+Q+KYO
1
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 06:32:34.84 ID:xiPfui/N0
ツグミ ネクロマンサー

魔王軍にいたころのアコの師匠でアコには虐待に近い訓練を行っていた。そのためアコにとってはトラウマ
(別にアコが嫌いとかそういうわけではなく、現世と違って異世界のツグミがドSで相手を虐めることが愛情表現だったため)
アコを自分から奪った(と思いこんでいる)リンコには憎悪に近い感情を持っている。(アコの処分を理由に自分の配下に加える予定だった)
ネクロマンサーとしての技術はアコ以上で単騎で街一つを壊滅させたことも何度もある。
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 07:13:55.47 ID:lt0sIZIQO
こころ

現実世界より落ち着いていて知性派
そこまで裕福でない国を支えている大黒柱
女好きなのが珠に傷で奴隷から貴族まで気に入った女の子を誘って専用の宮殿の中でハーレムを作って休日は淫らな蜜月を過ごしている
燐子も誘われたが友希那が止めた。友希那からは蘭並みに敵視されてる。こころからしたら友希那は対象外の様子
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