加賀「……何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」

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241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:59:46.43 ID:q/rzoHvpO
>>240どのスレか教えてください!
でももし衣笠が青葉に頼んで写真を偽装したやつならたぶん別人だと思う
ここのイッチはエロであんな風にハートを使ったりしてない
()で心情やらを表現するのは似てるけどあまりにも作風が違いすぎる
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 01:32:38.19 ID:FRPo0pLTo
去年も今頃ひょっこり来てくれたんだよね
待ってるぞ>>1
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 12:20:41.54 ID:f/EiC0yto
まだー?
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/09(月) 16:27:46.98 ID:P2SyQOt4O
いつまでも待ってる
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/25(水) 18:31:42.04 ID:VHVlh9vBo
>>1生きてる?
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 23:57:57.51 ID:9eMcvc2Wo
季節が一回りしてしまう…
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 21:43:12.91 ID:ylB13cKDo
せめてエタるのならそのことだけでも言ってくれ…
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 21:43:45.33 ID:jVHYZtPX0
最近司令官の方ばっかじゃねぇかよお前んちィ!
たまには提督の方にも顔出してくれよな〜頼むよ〜
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/21(土) 09:40:40.11 ID:fHJgTsQzO
指揮官ね
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/22(日) 01:47:44.64 ID:qmlkXv9aO
寂しいけど生きてるようで何より
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/12/26(木) 18:04:22.05 ID:gWTm46EZO
>>1どっかで作品書いてる?知ってる人いたら教えて
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/14(火) 18:33:51.59 ID:x+BhqOY60
帰ってくるのをいつまでも松輪
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:25:06.23 ID:W/IztI2J0
深海双子棲姫・黒「あ、あの二人……そういう関係だったのか……!!」カァッ

深海双子棲姫・黒(初めて目にした裸で絡みあう男女の睦言につい赤面してしまう。しかも男女とも良く知る人物だ……)

深海双子棲姫・黒(こんな盗み見みたいなこと……するべきじゃない。立ち去るべきだ。……なのに、僕は目の前のソレから目が離せない)

深海双子棲姫・黒「……すごっ」ドキドキドキ

深海双子棲姫・黒(提督とあの子の体格差は大人と子供といっていい。それはもちろん、そういうことだ)

深海双子棲姫・黒(遠くからこっそり見ていても分かる。提督のアレはそんなに大きいんだと思うくらいにでっかくて……あの子を壊してしまいそうだ)

深海双子棲姫・黒(だというのにあの子は痛がるどころかむしろ悦んでいた。甘く蕩けた声で喘いでいる)

駆逐棲姫「あっ!!あぅっ!!あぁん!!」ゾクゾク

深海双子棲姫・黒「……///」ジュン

深海双子棲姫・黒(下腹部が疼く。自覚する。ムラムラしていた。乳首が勃ってしまっている)

深海双子棲姫・黒「……っ!!」クチクチ ハッ

深海双子棲姫・黒(無意識に手を自分のソコへ伸ばして、撫でてしまっていた。自分がしている事に気が付いた僕はたまらなくなる)

深海双子棲姫・黒「っ……」スッ

深海双子棲姫・黒(静かに、気が付かれないようにその場を離れると自分の部屋に戻って下着だけになるとベッドに潜り込んだ)



駆逐棲姫「すぅ……すぅ……」

提督「……」ナデナデ

提督(駆逐棲姫の頭を撫でる。この子はあの時からずっと俺を想ってくれていた。あの、深海棲艦戦争末期の停戦状態の時から)

提督(正直に言うとこの子のことを気にかけていたといえば嘘になる。他の子のように大切にしていなかった)

提督(どんなに残酷なだったのだろうか?平和の為だったと言い訳しても、結局この子にとってはヤリ捨てされたようなものだったのに)

提督(深海棲艦戦争の終戦以降、結局世界は平和にならなかった。世界情勢に振り回されていた俺は忙しかった)

提督(時間を作れてももっと親しい子たちの為に使い、この子とは手紙のやり取りだけだった。なのにこの子は思い続けてくれていた)

提督(裏切ったのは深海棲艦たちのほうだ。だが、奴らからしてみれば日本側へ戻ったこの子が裏切り者となるだろう)

提督(裏切った同胞を裏切って日本側につく。とても簡単に決断できることでないことは明らかだった。辛い思いをさせてしまった。だが、この子の想いに必ず報いて見せる)
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:30:40.44 ID:W/IztI2J0


イギリス海軍提督「現在の東太平洋における戦線は大まかにシンガポール・マニラ・パラオ・マリアナを繋いだ線がそうであるといえる」

オランダ海軍提督「敵が優先しているのは軍事拠点の攻略と海軍戦力の撃破だ。海の怪物らしく資源地帯や重要な地点以外の陸に興味が無いようだな」

オーストラリア海軍士官「それが敵の驚異的な侵攻速度をもたらしているという訳ですか……不幸中の幸いは民間人の犠牲は少ないことですな」

提督「我々が得た情報によると現時点での敵の攻略目標はシンガポールとのことだ。マラッカ海峡は何が何でも死守しなくては」

オーストラリア海軍士官「なるほど、同類のことは良く知っているという訳で?」ジロリ

オランダ海軍提督「ふっ」クスッ

提督「……」

イギリス海軍提督「ともかく、提督が言った通りだ。マラッカ海峡は我々のものでなくてはならない」

イギリス海軍提督「我が方の主力は現在大西洋から急行している。さすが艦娘だ。飛行機を乗り継いで向かってきている為、一週間もせずに到着するとのことだ」

オランダ海軍提督「それまでシンガポールを死守しなくてはならないということか。限られた戦力で」

イギリス海軍提督「主力は航空戦艦娘二隻を有し、数も一番多い帝国海軍だ。艦隊の司令官はぜひ貴方にお願いしたい、提督」

提督「謹んでお受けする、大将」

オーストラリア海軍士官「っ!!我々の艦娘たちもJapの指揮下に入れと言うのですか!?」

イギリス海軍提督「 Too many cooks spoil the broth(船頭多くして船山に上る). 指揮系統を統一することはこのような場合、最優先するべき事項だ」

オランダ海軍提督「現状、日本が主力であり、彼自身の実績も問題ない。気持ちは分かるがここは提督が指揮を執るべきだ」

オーストラリア海軍士官「っ……了解しました」

イギリス海軍提督「それではよろしくお願いする、提督。日本はアジアにおける英国最大の敵であったが、今や我々は良き友人だ。そうでしょう?」

提督「ドイツの奇襲攻撃で我が国が甚大な被害を受けた時、英国が救いの手を差し伸べてくれたことを日本国民は決して忘れません。お任せください、大将」



パース(かつてのドイツ帝国やオスマン帝国。そして今現在のナチス・ドイツやイタリア王国は、遠い海の向こうの話でしかなかった)

パース(もちろん、多くのオーストラリア人が世界大戦で戦死した。私が海軍で艦娘になったのもそんな勇気ある先人たちの影響が大きい)

パース(そして第二次世界大戦ともいえる今回の戦争でも北アフリカでイタリア軍やドイツ・アフリカ軍団との戦いで何人もの勇敢なオーストラリア人たちが砂漠に散っていった)

パース(オーストラリア中の人々が悲しんだ。でも、だれもここまでの恐怖を感じた人はいなかった)

パース(大日本帝国。……その不気味な国家は深海棲艦という怪物を別として歴史上初めてオーストラリアに国家としての敗戦、滅亡といった深刻な危機感を覚えさせた)

パース(ドイツ帝国もオスマン帝国も、ナチスもイタリアも、オーストラリアを直接攻撃することは不可能だと誰もが知っていた。でも、大日本帝国は違う)

パース(真珠湾でアメリカ太平洋艦隊が、次いでマレー沖で東洋艦隊が海の藻屑となって、直接砲火を交えた東南アジアでの戦いでは一方的と言っていい程打ち負かされた)

パース(多くのオーストラリア人が戦死した。親しい戦友たちも……私は命からがら逃げのびることができた。本当に、運が良かったとしかいえない)

パース(東南アジアでの戦いは私たちの完敗だった。英仏蘭米のアジアにおける植民地は占領された)
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:38:48.89 ID:W/IztI2J0
パース(日本軍が連合国軍の捕虜を虐殺したというニュースはオーストラリア中を駆け巡った)

パース(すぐ近く、オランダ領東インドで民間のオランダ人女性が強姦されたり強制的に売春させられたりしているという話は誰でも知っている)

パース(もし日本軍にオーストラリアが占領されたら同じことが起きるであろうことは明白だった。迫りくる大日本帝国はオーストラリアに住む人々にとって恐怖だった)

パース(そして、私にとっても……奴らに対する怒りや憎しみは私自身も焼き尽くしてしまうほどだった)

パース(でも、それと同じぐらいの恐怖を感じた。東南アジアでの敗北の記憶。歯が立たたず、もう少しで殺されていた……)

パース(次は殺されるかもしれない。もし助かったとしても……野蛮な猿なんかに犯されるなんて絶対に嫌……!!そう思いながら枕を涙で濡らしていた)

パース(とうとう、日本軍はオーストラリアにやってきた。パプアのポートモレスビー。オーストラリアの玄関口、その門に日本軍は手をかけた)

パース(激しい攻防だった。ついには本土まで空襲された。今まで、本土が攻撃されるなんて想像したこともなかった)

パース(私は奇しくも艦娘としての名前と同じパースの出身だ。今のところ私の家族は安全と言える)

パース(でも、ダーウィンで親が空襲で亡くなったという連絡を受け取って泣き叫ぶ戦友を見て……震えが止まらなかった)

パース(それでも私は……戦う。あの悪魔……日本軍と。家族や友人たちの安全の為に。オーストラリアの誇りの為に)

パース(散っていった皆の想いの為に。そして共に戦う戦友たちの命を守るために。期待に応えるために。ともに勝利の喜びを得るために!!)

パース「……」コンコン

パース(でも……それも過去の話となってしまった。事実は小説よりも奇なりとはよく言う。笑えない冗談だった……)

パース(日本軍と……あの野蛮な猿と一緒に戦う事になるなんて……あまつさえ、奴らの指揮下に入って!!)

パース(屈辱!!恥辱!!汚辱!!心のどこかで助かったと思ってしまう自分がいることに狂いそうだった)

提督「どうぞ」



パース「How do you do?大日本帝国海軍提督閣下。私はPerth。HMAS Perth」

提督(入ってきたのはあどけなさを残しつつもきりっとした顔立ちと明るい金髪の美少女だった。アメシストのような瞳で俺を見つめてくる。かなり硬い表情だ)

提督「How do you do? HMAS Perth. Welcome to the ABDJ fleet. 私がこの艦隊の指揮を執る提督だ。よろしくお願いする」

↓×1〜3 パースの心情と反応
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 17:08:28.49 ID:XRcMwMDXo
提督が流暢な英語を使ったことに驚く
想像していた日本人像と全く違う提督に心を許しかけるが
亡き戦友やオーストラリア人達の事を思い出しあくまで塩対応で接し
絶対にあいつに気を許しなどするものか!と盛大なフラグを立てる
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:28:31.43 ID:SCJHko3No
おかえり!!!
安価は256で
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 22:01:56.36 ID:oodpWm7+o
できる奴なんだろうが
まだまだこれから
見極めてやると意気込みつつも
提督の周りの他の海外艦娘の反応から
興味が湧く
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:29:41.86 ID:jNWf9T/X0
パース「……!!」

提督(パースと名乗ったオーストラリア海軍の少女は驚いたように目を見開く。どうしたのだろうか?)

提督「何か?」

パース「っ!!いえ、何でもありません」

提督(そう言うと目を逸らすパース。明らかに壁を作っていた。……日本が激しくオーストラリアを攻撃していたことを考えれば仕方がないだろう)

提督「そうか」

提督(しかし、これから一緒に戦う仲間なのだ。お互いの関係が良くないと必ず艦隊に悪い影響がでるだろう。俺はなんとか打ち解けようと努力する)

提督「よければ席に座ってくれ。そろそろ来る頃だと思って紅茶を淹れてみたんだ。どうだろうか?気に入ってもらえればいいのだが」

パース「……では、いただきます」

提督(努力の甲斐あって俺はウォースパイトも満足してくれるほど美味しい紅茶を淹れられるようになっていた。きっとこの子も満足してくれるはずだ)

提督「どうぞ」

パース「頂きます。……!?おいし……っ!!」ハッ サッ

提督(紅茶を飲んだパースは再び驚きに目を見開き、視線を落としてカップを見る。つい本音が口を出たという感じで感想を述べる)

提督(そしてやってしまったとでも言うようにサッと空いている方の手で口を押え、ちらりと上目遣いで俺を窺う。俺は微笑んでその視線に応える)

提督「喜んでもらえたのなら何よりだ」ニコリ

パース「っ……本題に入らせて頂きます、提督。本来ならオーストラリアかキャンベラがお伺いするべきでしたが、撤退戦で負傷してしまったので私が参りました」

提督「ああ、聞いているよ。戦死者がでなかったことは幸いだった。よく頑張ったな。療養に専念するように伝えてくれ」

パース「っ!!……ありがとうございます。提督、私たちオーストラリア海軍所属の艦娘はこれよりABDJ艦隊へ合流し、提督の指揮下に入ります」

提督「了解した。カラブリア沖やスパダ岬においてのオーストラリア海軍の活躍は聞いている。貴官らの合流、大変心強く思う」

パース「あの提督にそう言って頂けるとは光栄です。それでは撤退戦の報告を始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

提督「お願いしよう」



パース(新聞の風刺漫画やポスターに描かれていたような口ひげを生やした肌が黄疸のように黄色いチビで、異常なまでの出っ歯な眼鏡をかけた野蛮な猿のような人間)

パース(それが私の日本人に対するイメージだった。目の前に立ち現在の戦況やこれからの計画について説明する男はそのイメージから遠くかけ離れている)

パース(口ひげなんて生やしていない、清潔感のある見た目。肌の色も普通で、歯並びも綺麗だ)

パース(背が特別高いとは思わないけど、これでチビなら世界はチビだらけになってしまうだろう。眼鏡もかけていなかった。そして……顔立ちも整っている)

パース(しかも驚くべきことに流暢な英語を話していた。美しい発音のイギリス英語だった。たまにアメリカっぽい表現や発音が混ざるけど)

パース(出された紅茶も正直とても美味しかった。提督の言うことを信じるのなら、彼が自分で淹れたらしい)

パース(そして何よりその物腰は紳士的で、野蛮さのかけらも感じられない。好印象を持ってしまっている自分に気が付いて愕然とした)

パース(私は自分に言い聞かせる。こいつは、日本人なんだと。こいつらがしたことを忘れるなと。こいつらは野蛮な猿だ)

パース(死んでいった戦友たちを思い出す。皆を殺したのはこいつらだ!!日本人は私たちの敵だ!!……絶対に気を許してなるものか!!)
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:34:42.36 ID:jNWf9T/X0


パース「他に質問が無いのであればこれで報告を終了させていただきます」

提督「ああ、大丈夫だ。ありがとう、パース」

パース「どういたしまして、提督。……」

提督(パースは紅茶を飲み干すと少し残念そうにカップを見下ろした。俺は微笑みを浮かべて声をかける)

提督「よければもう一杯どうだ?」

パース「っ!!……結構です。ではこれ以上何もなければこれで失礼します」スクッ ジロリ

提督「そ、そうか、分かった。ではまた今度、パース」

パース「ええ、また今度。失礼します、提督」

提督(立ち上がり冷たい表情を浮かべ、敵意を込めた視線で俺を見下ろしたパースは俺の言葉に足早に部屋を退出していった)

提督(話している最中はそんなことなかったのだが……どうやら、彼女たちと我々の間にできた溝はそう簡単には埋まらないようだ)



叢雲「……」

吹雪『斬りこむよ!!面舵!!突撃!!』グイッ

叢雲『えっ!?』モタッ

深雪『馬鹿!!何やってんだ!?』

白雪『私が付きます!!行ってください!!』

吹雪『お願い!!』

叢雲『ご、ごめんなさ』

白雪『離れずついてきてください!!』

叢雲『っ……わかったわ……』
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:36:06.09 ID:jNWf9T/X0
叢雲「っ……」

叢雲『駆逐イ級ね……沈みなさい!!』ドンッ

イ級『……』ヒョイッ ギラリ

叢雲『!?』ゾクッ

叢雲《よ、避けっ!?やられる!!》サァッ

浦波『危ない!!』グイッ ドンッ

叢雲『うっ』

イ級『っ!!』ドンッ

浦波『くぅっ!!』ドゴンッ ボロッ

イ級『っーーーーーー!!……』ドゴンッ ボガァン ドボン ブクブクブク

叢雲『ぁ……』マッサオ

浦波『つぅ……大丈夫……!?』グラリ

叢雲『わ、私は大丈夫だけど……浦波が……!!』ブルブル

浦波『私も大丈夫……へっちゃらだよ……』ニコリ

磯波『浦波ちゃん、叢雲ちゃん、大丈夫ですか!?』

叢雲『い、磯波……!!私のせいで浦波が……!!』

伊勢『っ!!浦波、撤退して!!磯波と叢雲は浦波の護衛!!一緒に下がって!!』

磯波『了解です!!』

浦波『了解……』

叢雲『り、了解……』

叢雲「……ぐすっ」ポロポロ

↓×1〜3
経験と訓練の差から仲間の足を引っ張り、それまで失敗も挫折も経験しなかった為に築き上げてきた自分が優秀だという自信もプライドもボロボロに崩れ去った
そして残酷な戦争の現実を知り、心も体も追い詰められ、実戦前に胸に抱いていた崇高な思いも忘れ去り、死と隣り合わせの地獄でただ今日を生き延びることに必死な叢雲の心情と行動
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 18:48:21.78 ID:z5p0TOzDO
それでも前を向いて、姉妹や仲間、
司令官を守れるくらい強くならなくては
気丈に振る舞う

しかし姉妹艦をはじめ仲間にはお見通し
温かい言葉をかけてくれる伊勢姉妹や
見かねた深雪、初雪の優しさに
思わず胸を借りて泣きじゃくりながら心情を吐露する
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 19:55:37.29 ID:DZXsZLLNo
うえ
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 20:35:12.00 ID:DZXsZLLNo
肩をもってくれる仲間たちに
軽く悪態をついて大丈夫そうにふるまう
寝室で布団にこもり声を殺して枕を濡らす
初雪が寝惚けたふりをして叢雲の布団に潜り込む
激励されていたらいつの間にか姉妹が集合して
抱き合ったり頭撫でられたりともみくちゃに
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 20:42:13.93 ID:c9i+RNUVo
なに一人で二つも安価とってんの?
安価下なら吹雪に泣き付き個人指導を頼むで
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 21:32:59.89 ID:XvgTbCtJO
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:36:32.99 ID:Qdr7bKtt0
叢雲「絶対に……絶対に死んでなんてやるもんか……!!」ギリッ

叢雲(なりふり構っていられる状況じゃないもの。生き残るなら何だってしてやるわ)



叢雲「ただでさえ休む暇が無くて疲れているのに、こんな事頼まれても迷惑だと思うわ……けど、このままじゃ私……お願い、吹雪……私を鍛えて……!!」ポロポロ ペコリ

吹雪(そう言って頭を下げる叢雲ちゃんは目を真っ赤に泣きはらしていて……涙が頬を伝って地面に垂れていた)

吹雪「勿論だよ、叢雲ちゃん!!だから泣かないで?」

叢雲「っ……!!ありがとう……!!」スッ ペタリ

吹雪「む、叢雲ちゃん!!」バッ

吹雪(顔を手で覆ってその場に座り込んでしまった叢雲ちゃんに駆け寄る。叢雲ちゃんの体は震えていて……私は叢雲ちゃんを抱きしめた)

吹雪「大丈夫、叢雲ちゃんはよくやってるよ」

叢雲「ごめんなさい……でも、もし気休めなら……お願い、そんなこと言わないで」ギリッ

吹雪(私の慰めに体を強張らせると押し殺した声で囁く叢雲ちゃん。凄いな……私なんかよりずっと心が強い)

吹雪「……気休めじゃないよ。もしよくやれてなかったら、生きていないと思う」

叢雲「っ!!」ビクッ

吹雪「こんな酷い戦い久しぶりなんだ。私たち艦娘は、簡単には死なない。でも不死身じゃない」

吹雪(あの時のことを思い出す……こんな日が来るなんて。あの絶望の日々を……地獄のような戦いのことを思い出す日が)

吹雪「もうずっと前のことになっちゃったけど、対深海棲艦戦争の初めのころ……あの時、硫黄島まで深海棲艦が来ててね」

吹雪「もし硫黄島に深海棲艦の拠点ができたら、そこからの攻撃で本土が壊滅的な被害を受けるから……だから、皆死に物狂いで戦った」

吹雪「余裕が無かったから……大破しても、もう下がる場所なんてなかったから……仲の良かった子も、話したことが無かった子も、たくさん……死んじゃった……」ウルッ

吹雪(涙が込み上げてくる。もう、思い出の一つだった。でも、今でもはっきりと思い出せる。絶対に忘れられない、あの時の事は。永遠に脳裏に刻み付けられている)

叢雲「……硫黄島の戦い。艦娘の初陣の戦い」

吹雪「そうだよ。流石叢雲ちゃんだね。本当に……一番酷い戦いだった……ムラクモちゃんとも、あの時からずっと一緒だった」

叢雲「っ」

吹雪「今回の戦い、あの時と似てるんだ。こちらの態勢は整ってなくて、敵の方が圧倒的に多くて……大事な戦友が、逝っちゃって……」

叢雲「……」

吹雪「でも、叢雲ちゃんは生きてる。本当によくやってるよ。速成訓練しか修了してないなんて信じられないくらいに」

吹雪「才能があるんだと思う。だから、きっと大丈夫。叢雲ちゃんは死なない。私が保証するよ」

叢雲「……ありがとう」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:41:07.69 ID:Qdr7bKtt0


吹雪「取舵!!前進一杯!!」

叢雲「了解!!」グイッ

吹雪「……原速!!少し遅れてる!!旗艦の指示に遅れないよう頑張って!!」

叢雲「っ……分かった……!!」ギリッ

吹雪「けど上達してきてるよ!!続ければすぐにできるようになるよ!!……あっ」

叢雲「っ!!……何の用」ジロリ

深雪「……そんな顔するなよ。この前は深雪さまが悪かったからさ。謝るよ」

初雪「……ごめんなさい」

叢雲「っ」

白雪「水臭いですよ、吹雪ちゃん、叢雲ちゃん。二人だけで特訓なんて」

磯波「ぜひご一緒させてください。人数がいた方がより実戦的ですし、敵役もできます」

浦波「東雲たちは哨戒で来られないけど。とっても残念がってたよ」

叢雲「……!!あ、ありがとう……ぐすっ」ジワリ ポロポロ



提督(太平洋へ戻って来た当初俺の指揮下に入った伊勢型と吹雪型の艦隊は現在、パラオの守りを航空隊と通常艦艇に任せて俺と共にシンガポールへと移動していた)

提督(そしてABDJ艦隊の編成前から敵のシンガポールへの威力偵察の迎撃や撤退する友軍の支援などで活躍してくれている)

提督(つまり、あれ以来多くの激戦を経験しているのだ。本来なら速成訓練しか修了していない新兵にそんな事をさせるわけがない)

提督(いくら可能な限り早く使い物になるようにしろと言われていてもだ。しかし、戦況がそれを許さなかった。戦力が致命的に不足している中、悩みに悩んだが俺は叢雲を艦隊に編成した)
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:43:02.41 ID:Qdr7bKtt0
提督(勿論、戦闘になっても死ぬだけというような状態では編成しなかった。叢雲の訓練における成績やパラオでの実地試験の結果、大丈夫だと判断したからだ)

提督(そして実際に叢雲は俺の期待に存分に応えてくれた。だが、状況が変わり王立海軍やオーストラリア海軍、オランダ海軍の艦娘たちが指揮下に入った)

提督(それでも戦力が不足しているのだが、少なくとも叢雲を無理に戦わせなくてはいけないほど余裕が無いわけではなくなった)

提督(俺は十分に務めを果たしてくれた叢雲を後方へ下げようとした。しかし、叢雲がそれを受け入れなかった)

提督「本当に大丈夫なんだな?」

叢雲「大丈夫よ」

提督(俺の確認に叢雲は真っすぐと俺の目を見て答える。無理をしていないとは言えないが、自暴自棄や状況を理解できていないという訳ではないようだ)

提督「……吹雪、君から見ても大丈夫だと思うか?」

吹雪「……下がれるのなら安全な後方へ下がって欲しいとは思います。ですが、個人的な感情を排除して考えると叢雲ちゃんはもう十分前線での勤務に耐え得ると自信を持って言えます」

提督「そうか……なら、君を後方へ下げることは止めておこう。引き続き前線で任務に就いてもらう」

叢雲「ええ、そうして頂戴」

提督(真っすぐと俺の目を見つめる叢雲には覚悟と信念がある。そこに居たのは新兵ではなかった。立派な一人前の駆逐艦娘だ)

提督「死ぬなよ、叢雲」

叢雲「言われなくても」

提督「ふっ、大丈夫そうだな」

叢雲「当たり前でしょ。私を誰だと思っているの?特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ!!」



帝国海軍中将「大和や赤城たちの代わりがお前たちか……」ジロリ

↓×1〜3 明らかに差別的な目で見られた戦艦棲姫や空母棲姫たちの心情と反応
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 04:42:19.50 ID:ekSQjuDxo
あくまで提督が優しいだけで
他の日本人の反応など精々こんなものだと
冷静を装い無表情を崩さない
でも悲しいことは悲しいので提督に甘える
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 09:56:57.90 ID:27SxM59GO
実力を見せつけて鼻を明かしてやる
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 10:07:04.87 ID:szyDfedaO
270と271両方
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/24(金) 13:23:15.47 ID:8QNZ65sWO
ヒーーーーーーーヤッハーーーーーーー!!お帰りなさい!!!マジで待ってた!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 13:45:22.83 ID:Qdr7bKtt0
防空棲姫「……」ジッ

戦艦棲姫「ええ。私たちですわ、中将」イラッ ニコリ

空母棲姫「特一艦隊ただいま到着しました。これより貴方の指揮下に入ります、中将」

帝国海軍中将「了解した。……しかし諸君らの強さは良く知っている。ここでもその力を発揮してほしいものだな」

戦艦水鬼「お任せください、中将。我々の強さを嫌でも思い出させて差し上げますわ」ニコリ



ドイツ軍パイロット「Entdecke(発見)!!こちらRot-3!!敵が見えた!!一時の方向!!……なんだあれは?」

ドイツ軍パイロット「見たことない形だ……Neues Modell(新型か)?」

ドイツ軍パイロット「……っ!!あれは……深海棲艦の機体だ!!」

空母棲姫「 Eisernes Kreuz(鉄十字)……ドイツ軍、か。さて、お手並み拝見といきましょう」



ドイツ軍艦娘「Luftstützpunk(航空基地)が深海棲艦の空襲を受けたって……」

ドイツ軍艦娘「まさか……アレとまた戦うんですか……?もう少しで撤退作戦が完了するのにこのタイミングで……どうして……!!」

ドイツ軍艦娘「やはり総統閣下は間違っていなかった。日本はユダヤ人や共産主義者と一緒だ」

ドイツ軍艦娘「……っ!!深海棲艦!!会敵!!深海棲艦だ!!こっちへ向かってくる!!」ハッ

ドイツ軍艦娘「Achtung!!戦闘態勢に入れ!!ここで食い止めろ!!輸送船を守るんだ!!」

ドイツ軍艦娘「本当にアレが出てくるなんて……なんてこと……」

ドイツ軍艦娘「化け物どもめ……深海にかえりなさいよ!!」

戦艦棲姫「ふふふ……ご主人様の為に。悪いけれど、海の支配者がやって来たわよ」ニタァッ

戦艦水鬼「悪く思わないで頂戴ね?これはあなた達が始めた戦争なのでしょう?」スッ



防空棲姫(敵の艦娘は勇敢に戦ってた。でも、多勢に無勢だった。ボロボロになるまで戦ったあの子たちは撤退していった)

防空棲姫(猟犬たちに被害がでたけど、あの子たちは私たちを止めることはできなかった。すぐに敵の船団を捉えた)

防空棲姫(鉄のクジラみたいな軍艦や輸送船は私たちの敵じゃない。攻撃の後、燃え盛りながら海に沈んでいく敵の船団を眺める)

軽巡棲姫「さすが艦娘ですね。少々手こずりましたが、しかし輸送船団には十分な被害を与えられました」

防空棲姫「……終わったね。戻ろう」



ドイツ軍将校「っ……Ungeheuer der See(海の化け物どもめ)……!!」ボロッ タラリ ギロッ

特務機関将校「そいつは用済みだ。処刑しろ」

↓×1〜3 
ドイツ軍将校の処刑を命令された深海棲艦たちの反応
※深海棲艦たちはドイツ語が理解できない
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 15:48:35.01 ID:c8A8LGifO
処刑するより生かしておいた方が
良いと思う理由を端的に述べて婉曲的に断る
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 17:30:42.32 ID:zI6QN3nLO
自分達は殺戮や処刑をしに来たわけではない
処刑など行って無駄に火種を増やす位ならば
人質交換みたいに戦争を早く終結させる方法を考えろ
我々の実力を理解したならばそんなことさせるなと
処刑を断る
将校に対して罵詈雑言を薄々感じつつも理知的に対応し
人間の方が化け物ではないかと考える余地を与えてやる
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/24(金) 19:17:00.56 ID:9fUEfN/K0
276
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 06:19:48.92 ID:wHyhB4ZR0
空母棲姫「……悪いけれど、私たちは殺戮や処刑のためにここへ来たのではない。その命令は断らせてもらう」

特務機関将校「……なんだと?」

戦艦棲姫「これを殺したところで何かいいことがあるのなら教えていただけるかしら?生かしておいた場合のいいことはすぐ思いつくのだけれど」

特務機関将校「っ!!ああ、あるとも!!こいつに食わせるものは帝国臣民の血税によって賄われている!!日本を焼いた鬼畜にどうしてこれ以上費やせようか!?」

戦艦棲姫「……そう。そうね、確かにそうかもしれないわ。けれどそれは、この戦いを戦争以下の血みどろの殺し合いに変えることと天秤にかけて釣り合うとは思えないけれど」

軽巡棲姫「大日本帝国が捕虜を殺すと知れ渡れば敵は降伏せず死に物狂いで抵抗するようになるでしょう。考えれば簡単に分かることではありませんか」

特務機関将校「口ばかり達者な化け物め……!!ドイツの総統は日本との戦争は絶滅戦争だと明言している!!本土空襲で民間人が何人死んだと思っている!?」

特務機関将校「この戦いはすでに戦争ではない!!お前の言った血みどろの殺し合いなのだ!!我々じゃない!!ドイツ人がそうした!!」

軽巡棲姫「っ」

戦艦棲姫「……そう」チラッ

ドイツ軍将校「Seht mich nicht an(こっちを見るな)!!悍ましい……」ギロリ

戦艦棲姫「なんて言っているのか分からないけれど、何となくわかるわ。きっと私たちの事を化け物とか思っているのでしょう?大佐のように」ジロリ

特務機関将校「っ……」

防空棲姫「私たちからしてみれば、戦争じゃなくて血みどろの殺し合いをしているあなた達のほうがよっぽど化け物」

特務機関将校「……」ギリッ

空母棲姫「ともかく、国際法でも捕虜の虐待や処刑は認められていない。我々は海軍の軍人であって特務機関の人間ではない」

空母棲姫「提督から国際法を順守するように厳命されている。捕虜の処刑は断固拒否する。どうしてもというのであれば提督からの命令を用意するか……」

空母棲姫「あるいは力尽くでやらせて見るといいわ。あなた達が化け物と恐れる私たちの実力を理解した上でできるのならば」ニタリ

特務機関将校「ぅっ……!!」ゾクリ

戦艦水鬼「まあそんなことしている暇があるのなら、この殺し合いを早く終わらせる方法を考えた方が有意義だと思うけれどね」ニタリ

特務機関将校「くっ……分かった。ならもうこれ以上用はない。戻れ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 06:22:31.25 ID:wHyhB4ZR0


第一海軍卿『南極から深海棲艦が侵攻を開始したことで南大西洋に新たな艦隊を編成したばかりだ。北大西洋、北海、北極海でもドイツ海軍が活動を活発化させているというのに』

第一海軍卿『無論、船団護衛も強化せねばならなかった。今まで安全だったインド洋ももはや深海棲艦の脅威にさらされているのだから』

第一海軍卿『その上今度は極東でも深海棲艦。まったくもって目を覆いたくなるような惨状だ。戦力が足りていない』

第一海軍卿『だがそれでも我々は大英帝国の威信と王立海軍の名誉にかけてシンガポールの東洋艦隊を再編しなくてはならない』

第一海軍卿『今やあの艦隊には通常艦艇が数隻しかいないのだからな。さて、どうしたものか……』

ウォースパイト『っ!!第一海軍卿、それならば私が東洋艦隊を率いましょう。大丈夫、戦いは大日本帝国に任せれば問題ないわ』

ウォースパイト『卿は面目が立つ最低限度の規模の艦隊を編成して送ってください。私は先にシンガポールへ向かいます』

ウォースパイト『アゾレス近海での艦隊決戦においてAdmiralが指揮を執る帝国海軍が勝利した結果、撤退した我が海軍は面目丸つぶれでした。同じ失敗を繰り返してはならない』

ウォースパイト『Admiralならシンガポールでも必ず同じことをするでしょう。そしてそれは近日中に行われる』

ウォースパイト『英国のためにも私は絶対に間に合って勝利に貢献しなくてはなりません。艦隊の編成が終わるのを待っていたら絶対に間に合わないわ』



ウォースパイト「Admiral!!」パァッ

↓×1〜3 ウォースパイトが来たことに対する提督の心情と反応
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 08:30:20.84 ID:enp6t/CZO
紅茶を振る舞い腕が落ちていないかを確かめてもらう
彼女の望むことを受け入れながらパースとの間に感じる
軋轢や今自分達が抱えている問題についてじっくりと話し合う
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 11:59:18.16 ID:mGY7WCcMO
部屋に連れ込み溜まっていた性欲を発散するがごとく激しく抱く
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 12:19:27.57 ID:1Gy7t/Igo
死なずにまた逢えたことを喜び合う
今後の戦略等について議論した後は
すっかり発情したウォースパイトに応えるべく
濃密な交わりで満足させる
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/26(日) 13:50:03.27 ID:5PcbFnCG0
ほんまこの作品生きがいやわマジで帰って来てくれて嬉しい、毎日更新待ってた甲斐あったよ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:19:18.68 ID:wHyhB4ZR0
提督「ウォースパイト!!よく来てくれた。本当にありがとう」ダキッ ギュッ

提督(ウォースパイトを抱きしめる。ウォースパイトもまた俺を強く抱きしめてきた。至近距離で見つめ合い、唇を交わす)

ウォースパイト「……んっ。会いたかったわ、私の騎士、愛しい人。頭を撫でてくれるかしら?」

提督(甘えるウォースパイト。俺はウォースパイトの望み通り彼女の頭を撫でる。さらさらとした亜麻色の髪の質感を堪能させてもらいながら)

ウォースパイト「あぁ……気持ちいい……こうして貴方の温かさを感じることができるだけで幸せだわ」

提督「俺もだ、ウォースパイト。この困難な時に君が来てくれて、この腕の中に抱いている。これほど幸せなことはない」

ウォースパイト「貴方がいる。それだけで私は悪魔とだって戦って勝つことができるわ。その勇気が湧いてくる」

提督「そう言ってくれて嬉しいよ。……本当は君を戦場に、それもあのパッシェンデールのようになるだろう所へ行かせるのは嫌だ」

ウォースパイト「大丈夫よ、Admiral. 私は絶対に死なない。こんなに素敵な恋人がいるのに死んでやるものですか」

ウォースパイト「誰も私たちの仲を引き裂いたり、私たちの前に立ちふさがることなんてできないわ。私が決して赦さないもの」

提督(俺から離れたウォースパイトは堂々とした態度でそう宣言する。仲を引き裂いたりのところでどこか恐ろし気なオーラを纏ったが、愛ゆえにだと思えばむしろ愛おしい)

ウォースパイト「Admiral, 王立海軍の戦艦娘、ウォースパイトはABDJ艦隊へ合流、貴方の指揮下に入ります」スッ

ウォースパイト「敵は徹底的に打ち負かせて見せましょう。だからどうか私を導いてください、Admiral, 私の主」

提督(優雅にカーテシーするウォースパイト。これはウォースパイトが指揮下に入り、かつフォーマルな時だけする振る舞いだ)

提督(英国の貴族の家系であるウォースパイトは帝国海軍の提督であろうとも平民である俺とは本来、身分差がある)

提督(だが、もはやウォースパイトは俺を下に見ない。対等な関係だと扱ってくれている。しかし他の子と違って決して上に見ることも無い)

提督(そんな高貴な振る舞いを絶対に崩さないウォースパイトが唯一、例外的に俺を上に見るときがある。それが今のように俺の指揮下に入った時だ)

提督(自分より身分が上である存在、しかも美しい女性を下に扱うことのなんと背徳的で甘美な事か!!そんな興奮を理性で制御する)

提督「了解した。では早速だが状況説明に入らせてもらう」



ウォースパイト「美味しい。流石ですね、Admiral」ニコッ

提督(部屋へ移動し、席に着いたウォースパイトに紅茶を振舞う。一口じっくりと味わったウォースパイトは笑顔を浮かべてそう言ってくれた)

提督「ありがとう、ウォースパイト。紅茶の淹れ方は君に教えてもらったからな。パースにも喜んでもらえたよ」

ウォースパイト「ああ、あのオーストラリアの子?地中海で一緒に戦いました。悪くない実力の持ち主よ」

提督「君がそう評価するのならあの子は強いのだろうな。……しかしオーストラリアやオランダの子たちと我々日本人の間には無視できない軋轢がある」

ウォースパイト「そうでしょうね……仕方のないことです。オーストラリアの子たちにとっての日本は、私たちにとってのドイツと同じだろうから」

ウォースパイト「そしてオランダの方々も、ただでさえ本国がドイツに占領されていて心に余裕が無いところに直接戦火を交えたのだから、とても悪く思っているでしょうね」

ウォースパイト「でも安心して、Admiral. 私があの子たちを率いましょう。Admiralの命令を私からの命令にすれば状況は改善するわ」

提督「そうしてくれると助かる。ありがとう、ウォースパイト」

ウォースパイト「どういたしまして」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:32:01.85 ID:wHyhB4ZR0
提督「君のおかげで後顧の憂いを断つことができた。本題に入ろう。正直、現状の戦力では正攻法でシンガポールを防衛することは不可能だ」

ウォースパイト「……状況は悪いようね」

提督「敵の北西方面艦隊の攻略目標はシンガポールだが、北方面艦隊は我が国の絶対国防圏のひとつであるマリアナ諸島の攻略を目的として大規模な攻撃を仕掛けてきている」

提督「マリアナ諸島はシンガポールと違って大海原の中にあるただの島だ。シンガポール要塞のような沿岸要塞はないし、大規模な基地航空隊もいない」

提督「そして申し訳ないが日本としてはシンガポールを失ってもまだ後があるが、マリアナ諸島を失ったら情報を得た深海棲艦の新型爆撃機の航続距離内に本土が捉えられる」

提督「欧州各拠点からばらばらに戻ってきた艦隊をマリアナへ逐次投入せざるを得ず戦力の集中運用ができなかったこともあり、戦況に余裕がないのだ。……援軍は来ない」

提督「しかも敵はシンガポール攻略の前準備であろう航空基地やシンガポールへの空襲を続けながらもとうとう侵攻を開始するらしい。明日にでも戦闘になるかもしれない」

ウォースパイト「基地航空隊は壊滅したわけではないわ。航空攻撃で敵に損害を与えることはできるでしょうけど……それでも戦力差は圧倒的というわけね」

提督「そうだ。しかしシンガポールを失う訳にはいかない。現有の戦力で何としてでも敵を撃退しなくてはならないのだ」

提督「よって我々は敵を包囲し、混乱させて袋叩きにする。作戦を説明しよう。まず伊勢を旗艦とした我々日本艦隊が敵を迎え撃つ」

提督「当然勝てないだろう。罠と気が付かれないよう死に物狂いで十分に戦い、しかし重大な損害が出る前に艦隊は北へ撤退する」

提督「ここでたくさん敵を引き付けられればいいのだが、敵の目標はシンガポールだ。追撃してこないか、してきても少数だろう」

提督「シンガポール要塞の主力要塞砲は15インチ砲が五門だ。対して敵の戦艦級の砲は我々でいうところの16インチ砲に近い。こちらの要塞砲はアウトレンジから撃破される」

提督「よってすべての要塞砲は付近に点在する偽装した陣地へ移動させた。防御力皆無の露天砲台陣地となるが、問題ないだろう」

提督「当たらなければどうということはないのだから。もちろんもとの砲台にはハリボテの偽物を用意して気取られないようにする」

提督「発砲できないことがばれたら見破られるが、砲の射程に入る前に破壊されるのだからこちらも問題ない」

提督「敵がシンガポール攻略の為に接近したところで付近に潜んでいた君が率いるイギリス、オランダ、オーストラリア艦隊が背後から急襲する」

提督「シンガポール付近は入り組んでいるし艦娘が潜むのは簡単だろう。もちろん、失敗しないようにレーダーを妨害することは大前提だ」

提督「しかし奇襲が成功したところで戦力差は圧倒的だ。そのままでは勝てない。そこで砲撃陣地からの攻撃も開始する」

提督「第一次世界大戦の時のように15インチ砲から26ポンド砲、75ミリ砲まで含めた使える全ての砲を以てして攻撃を加える」

提督「おそらく75ミリ砲が命中したところで効果は薄いだろう。だが、損害を与えることはできる。砲塔を損傷させたり炎上させることができれば理想的だ」

提督「そしてなにより撃たれているという敵に与える心理的効果は大口径砲と変わらない。それに加えて帝国海軍の艦隊も反転し、攻撃に加わる」

提督「 さらにシンガポールの西方面へ退避させていた通常艦艇も攻撃に参加させる。四方八方から撃たれた敵は混乱するだろう」

提督「ダメ押しに生き残った航空隊も出撃させる。おそらく夜間だろうが、それでも攻撃によって発生した炎に加えて照明弾があれば攻撃するのに十分明るくなるはずだ」

提督「これだけしても勝てるかどうかは分からない。だが、勝ち目のない戦いではないはずだ。どうだろうか、ウォースパイト」

ウォースパイト「……My Admiral, 私が知る限り最高の海軍軍人、I love you. 私の全てを捧げることが惜しくない人は他にいないでしょう」

ウォースパイト「本当に素晴らしい作戦。誓いましょう、必ずや勝利を得ると。貴方に証明するわ、Admiral」

提督(感激しきった様子目を輝かせ、うっとりとした表情を浮かべて俺を見つめていたウォースパイトは俺に愛を伝え、決意を口にする)

ウォースパイト「私こそが最も貴方の隣に立つのにふさわしいということを。……あのフランス女やイタリア女ではなくて」スッ ボソリ

提督「!!」ビクッ

提督(そして机に身を乗り出し、向かいに座っていた俺の耳元に口を寄せる。つい胸元に目が行ってしまった俺に、ウォースパイトはどこか妖しい魅力を孕んだ危うげな声音でそう囁いた)

↓×1〜3 提督の反応
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 17:43:58.27 ID:kFwIDcC/O
誘惑に従いながらも
誰が一番であるかを選ぶことはできない
但し関係を持ったどの娘にとっても
俺が一番であるように努めさせてもらう
君のような淑女であったとしても、と
ウォースパイトが満足を通り越して
許しの声も泣き叫ぶ声も出なくなる程に貪り尽くす
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:53:37.59 ID:mGY7WCcMO
返答に困って曖昧に微笑みウォースパイトに言外に疑問を呈されたと誤解させる
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 17:55:55.10 ID:xsK0aY6Xo
286
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 19:28:58.27 ID:wHyhB4ZR0
提督(ウォースパイトは明らかにイタリアとリシュリューのことを強く意識していた。この前の艦隊決戦のときのことだろう)

提督(以前ウォースパイトに例のことを話そうとしたら、聞くのを断られてしまった。知らない方がいいこともある)

提督(俺がウォースパイトのことをちゃんと思っているのであれば、大切に、幸せにしてくれるのであればそれでいい、と)

提督(きっとある程度察しているのだろうと思う。その上でウォースパイトは俺のことを赦してくれている。心から想ってくれている。愛してくれている)

提督(あの時のザラとポーラのことは多くの戦友を殺されたがための行動であって、本来のウォースパイトは度量の広い人間なのだ)

提督(しかしその上でやはり嫉妬深かったりするところもあるのだろう。度量が広くても人間、嫉妬のような悪感情を持たないということは絶対にない)

提督(そういった悪感情を持ったうえで理性的な振る舞いを維持でき、寛容であれる人間が度量の広い人間だ)

提督(……そんなウォースパイトに、俺は酷いことをする。一番であることを望む彼女に、一番を選べないなどと……最低なことだ……)

提督(普通なら、一番だけを選ぶべきなのだ。しかし、俺のしていることは、普通でない。だから普通の常識は通用しない)

提督(俺のことを想ってくれる子たちに順位をつけるなんてことは、してはいけないことだ。ごめんな、ウォースパイト……俺は、ただ微笑むことしかできない)

提督「……」ニコッ

ウォースパイト「っ!!」ハッ ガーン



ウォースパイト「……」スタスタスタ

ウォースパイト(割り当てられた部屋へ向かって廊下を歩く。Admiralは……私の言葉に何も言ってくれなかった……)

↓×1〜3 ウォースパイトの心情
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 20:04:37.41 ID:1Gy7t/Igo
一刻も早くこの戦争を終わらせて
Admiralの一番を目指すしかないわね
と何とか気分を変えようとする
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 21:10:26.86 ID:uDbaDNhhO
自分は一番に想っているのに提督は一番に想ってくれないという悲しみとカエル女やパスタ女と比べられ下に見られたという屈辱を感じ、裏切られたと思うがそれは提督への愛を消しはしない
彼にふさわしい実績をあげて見返してやろうと決意する

292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 21:41:11.70 ID:xsK0aY6Xo
291
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 03:53:47.92 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト(私は誰よりもあの人を想っているのに。大切な家族や友人たち。誉れある王家や偉大な大英帝国でさえもあの人と天秤にかけたらどちらへ傾くか分からない程なのに)

ウォースパイト(あの人はあのカエル女やパスタ女程度と私を天秤にかけても私の方へ傾くとは限らないというの……?)

ウォースパイト(私はあの人に身も心も捧げたのに……あの二人よりもずっと深い関係を築き上げていたはずなのに……)

ウォースパイト(いくら歴史に残るような輝かしいものだとしても、たった一度の勝利で全て儚く崩れ去ってしまう程度だったというの……?)

ウォースパイト(なんて酷い……Admiral……裏切り者……いえ、違う。あの人はまだ私を愛してくれている。ただ……あの二人よりも下に見られているだけ)

ウォースパイト(だからAdmiralは私を選んでくれないに違いないわ……なんて屈辱!!この私があの二人に劣ってる!?あり得ない!!)

ウォースパイト(リシュリューなんてヴィシーについてドイツと戦う事を拒んだ腰抜けよ!?イタリアだって地中海では逃げ回ってばかりだった!!)

ウォースパイト(私は大西洋で、地中海で、インド洋で、勇敢に戦い続けてた!!もし私があの時アゾレスに居たら、絶対にあの二人よりも活躍していたのに……!!)

ウォースパイト「見てなさいよ、Admiral……私が誰で、誰が貴方の一番に相応しいのか教えてあげるわ……!!」ギリッ



パース(イギリス本土の人間に対する私たちオーストラリア人の感情は複雑だ。私たちは自分たちが本土の人間に劣っているとは少しも思っていない。むしろ逆だと信じている)

パース(本土の人間に対抗意識を持っていた。私たちは誇り高いオーストラリア人だ。軟弱なイギリス人なんかには負けないと)

パース(けれど、やはり本土の人間は垢抜けた都会人で……自分たちはド田舎の人間だというように感じてしまうのだ)

ウォースパイト『ではそのようにお願いするわ。よろしくね、皆さん』ニコッ

パース(援軍としていらっしゃったウォースパイト様は地中海で初めて会ったときと変わりなかった)

パース(優雅で気品に溢れ、そして絶対強者の貫禄を備えている。正に世界に冠たる王立海軍の戦艦娘という感じだ)

パース(貴族だというのだから納得だ。私のような田舎娘が勝てる相手じゃない。そう思ってしまう)

パース(それがたまらなく悔しい。けどそれ以上にとても心強かった。深海棲艦にオーストラリア本土を追われ、シンガポールまで逃げてきた)

パース(そしてついこの間オーストラリアを焼いた日本人なんかの指揮下に入れられてしまった)

パース(屈辱と恐怖、不安に押しつぶされそうだった私たちにとってどれほど心強い援軍だったか)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 03:57:08.81 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト「……」スッ

パース「……」スッ

パース(昼休み、そんなウォースパイト様と私は一緒に紅茶を飲んでいる。本当に偶然だった)

パース(昼の休みを秘密の場所……なんとなく歩いていたら広い庭の端で偶然見つけた小さなガゼボですごそうとしたら、ウォースパイト様がいた)

パース(戻ろうとした私をウォースパイト様がお茶に誘ってくれたのでお言葉に甘えさせてもらったのだ。聞きたいこともあったし)

ウォースパイト「Are you enjoying it(どうかしら)?」

パース「Yes, it tastes great(美味しいです), ウォースパイト様」

ウォースパイト「それはよかったわ」ニコッ

パース(そう言って微笑むウォースパイト様。このお方もABDJ艦隊に配属されている。つまり、あの日本人の指揮下に入ったということだ)

パース(そう言えばウォースパイト様は対深海棲艦戦争の時に日本へ派遣されていたらしい。この方が猿なんかに指揮されて戦っていたなんて信じられない)

パース「あの、ウォースパイト様」

ウォースパイト「何かしら?」

パース「どうしてABDJ艦隊の司令官は王立海軍の提督閣下でなく日本軍の提督なのですか?」

ウォースパイト「それは一番適任なのが彼だったからよ。ABDJ艦隊の主力は日本軍だし、なにより彼は優秀な提督ですもの」

パース「っ……彼の活躍は話には聞いています。ですが彼は日本人、yellow monkeyですよ?野蛮な猿なんかに指揮されて平気なのですか?」

十五世紀の大航海時代の到来から始まった西洋の白人国家による南北アメリカやアフリカ、アジア、オセアニアの征服、植民地化は彼らに自分たちが優れているという自意識をもたらした
事実、いくつかの例外を別としてほとんどすべての有色人種の国は白人たちの侵略に対抗することができず、次々と敗北して白人に支配されることとなった
そして二十世紀の半ば頃に公民権運動などの人種差別に反対する運動が活発になるまで一部の例外を除いて多くの白人たちが人種主義を信奉していた
程度の差こそあれ、白人たちは空は青いということと同じように、ただ悪意なく無邪気に有色人種は劣っている。同じ人間ではないと考えていた。それが常識だった

パースは故郷を攻撃した日本を憎んでおり、提督が日本人だという事に対して悪意を持って攻撃するつもりで発言している
しかし悪意を込めて人種差別をしているのではなくただ悪意なく無邪気に人種主義という常識にのっとった発言をしているだけ
そしてウォースパイトもまた白人であることをふまえて

↓×1〜3 パースの発言に対するウォースパイトの心情と反応
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 04:52:00.48 ID:M7msQX3yo
静かに怒気を込めて
私の騎士への侮辱を取り消せと英語で叱責

取り繕った後
パースの気持ちに同情はできるが
今まで彼と接してきてそんなことをする様に見えなかったでしょうとなだめる
それ以前に目の前の現実ばかりにとらわれてその先の勝利を見逃すなど軍人としてまだまだ
戦いが始まるまでに彼の事をよく知って見極めてみなさいと忠告

結果的に恋敵を増やすことになる
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 07:59:11.31 ID:f7UEI0wpO
ティータイムに猿なんて単語を使うとは何事かと
パースの自分へのコンプレックスを見抜き
提督や人種への偏見と共に皮肉混じりに説教

丁度良い機会だし彼に私こそが一番の相手であると
改めて思い知らせるために協力しろと引き入れにかかる
何故あの男にと不思議そうなパースに提督の
良さを語りだしたが最後パースがうんざりするレベルで
のろけまくる
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/27(月) 08:03:31.77 ID:Y/UV5P1z0
295
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 14:23:35.48 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト「取り消しなさい」ブワッ

パース「っ!?」ビクッ

パース(一瞬で空気が変わる。生きた心地がしなかった。ウォースパイト様が私を鋭い視線で睨みつけている。発される威圧感は戦場で感じる殺気に引けを取らない程濃厚で……)

ウォースパイト「私の騎士への侮辱を取り消しなさい、パース」

パース「す、すいませんでした、ウォースパイト様……謝罪いたします……!!」

ウォースパイト「……」スッ

パース(その手が動いただけで肩がびくりとしてしまった。ウォースパイト様が紅茶を飲む。無言の時間が流れた)

ウォースパイト「……紅茶、淹れ直しましょうか。いかがかしら」

パース「いただきます……」オズオズ

ウォースパイト「……どうぞ」

パース「ありがとうございます、ウォースパイト様」

ウォースパイト「どういたしまして」

パース(温かい紅茶を飲む。あんなにおいしいと思ったのに今は味がしなかった。手が震えそうになるのを必死で耐える)

ウォースパイト「……先程は乱暴な物言いになってしまってごめんなさい。貴女の気持ちも分かるわ」

パース(ウォースパイト様が口を開く。申し訳なさそうに軽く俯いていた。そのまま言葉を続ける)

ウォースパイト「もし私がドイツ人の指揮下に入ることになったらと思うと……想像するのも嫌ね」

ウォースパイト「それに日本へ行くまでは私もアジア人を私たち白人より劣った存在だと思っていたわ」

パース「い、いえ、そんな……私こそ申し訳ありませんでした……ウォースパイト様の戦友を貶す発言を……」

ウォースパイト「……彼と会って話をしたのでしょう?どうだったかしら。貴方の言うような野蛮な猿だったかしら?」

パース「っ……それは……」

パース(あの人は……とても紳士的で……理知的で……容貌もエキゾチックなハンサムで……そして紅茶を淹れるのが上手で……話に聞いてたyellow monkeyとは全く違って……)

ウォースパイト「……どちらにせよ、日本人の指揮下に入れられたという目の前の受け入れ難い現実ばかりにとらわれてその先の勝利を逃すようではだめよ」

パース「……はい」

ウォースパイト「パース。日本人が皆戦争を望んでいたわけではないわ。戦いが始まるまでに帝国海軍の提督ではなくて彼個人の事をよく知って見極めてみなさいな」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 14:26:28.48 ID:3PdT1RjC0


帝国海軍士官『敵が動いた。すぐに出撃だ。……各員、遺書を用意しておくように』

叢雲「……っ」フルフルフル

叢雲(死と隣り合わせだった。でも、意識していなかった。なのに遺書を書くことで意識してしまった。手が震えて手紙が書けない。押しつぶされてしまいそうだった)

叢雲「ぐすっ……お母さん……お父さん……」ウルッ

提督「叢雲?こんな所にいたのか」

叢雲「っ!?な、何!?」ビクッ ゴシゴシ

叢雲(誰も来ないような使っていない部屋を勝手に使っていたのに、見つかってしまった。無様に泣いて震えているところを……慌てて涙を拭う)

提督「いや……大丈夫かと思ってな」

叢雲「大丈夫よ!!」

提督「そうか」スタスタスタ

叢雲「っ!!く、来るんじゃないわよ!!今、い、遺書を書いてるの!!プライバシー侵害よ!!」

叢雲(近寄ってくる提督に泣いているところを見られないように背を向ける。大声をだして拒絶する)



提督(叢雲は涙声だった。泣いていたのだ。体が震えていた。怖かったのだ。感覚がマヒしていた。そうだ、これが普通の反応だ)

提督(こんな小さな子供に戦場へ行け、命を懸けて戦ってこいと言うことのどれほど残酷な事か。そうせざるをえないことに血液が沸騰してしまいそうだった)

提督「……」ダキッ

叢雲「っ!!」ビクッ

提督(震えている叢雲の小さな体を背中から抱きしめた。息を呑む叢雲。俺は勇気ある少女を胸に抱いたまま口を開く)

提督「死ぬな。生きて帰って来い」

↓×1〜3 叢雲の心情と反応
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 15:46:33.27 ID:RaxbjIRA0
全ての涙や弱音、やり場のない怒りや理不尽を提督にぶつけきる

少し心の余裕と落ち着きを取り戻した際に提督の自分を扱う様が手慣れていること
イコール提督が想像も付かない程多くの想いを担っていることを聡明故に理解してしまう

コイツ馬鹿なの?と余裕が生まれ
同時にコイツのことをもっと知りたいからこんな戦いで死んでなんかいられないと
遺書の内容を提督への様々な想い全てぶつけて書き上げる
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 17:56:21.35 ID:q3rUtKzUO
ひとしきり提督の胸のなかで泣いて落ち着く
安心したことで普段の叢雲に戻り勇気をもって出撃にのぞむ
と同時に提督の優しさや包容力の高さを意識して恋心を抱く
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 17:56:31.45 ID:M7msQX3yo
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 20:11:53.88 ID:3PdT1RjC0
叢雲「っ……うぅ……うぅううううっ……!!」ギュッ ブルブルブル

提督(こちらを向いて抱きついてきた叢雲は俺の胸に顔を埋めると声を押し殺して泣いた。腕に力が込められる)

提督「……」ナデナデ

提督(俺は震える体を改めて抱きしめなおすと叢雲の頭を撫でた。心の中で祈る。どうかこの子が生きて帰ってきますように、と)



叢雲「……ありがと」

提督「気にするな」

叢雲(子供っぽく泣いてしまった。気恥ずかしいったらありはしない。ぶっきらぼうにそう呟いた私に司令官はただそれだけ言う。余計な事を言わないでくれて助かった)

叢雲「ねえ、司令官。……勝てるの?」

提督「勿論だ。勝てると確信している」

叢雲「私、生き残れるかしら」

提督「君なら大丈夫だ。もう一人前の駆逐艦娘だよ」

叢雲「ほんとう?」

提督「もし生き残れないと思っていたら、君を行かせはしないさ」

叢雲(迷うことなくそう言う司令官はとても頼もしくて……かっこよかった。顔が熱くなってしまうのを自覚する。私は司令官にもたれかかる)

叢雲「じゃあ……遺書なんて書くのは止めにするわ。お願い……ぎりぎりまでこうしていて……」

提督「もちろんだ」



磯波(叢雲ちゃんどこへ行っちゃったんだろう……心配だな……あれ、提督さん?こんな所で何を……っ!)

↓×1〜3 提督と提督にもたれかかる叢雲を発見した磯波の心情と行動
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 20:42:19.99 ID:mfPl/oAV0
あれはただ叢雲を慰めているだけだと自分に言い聞かせるが、締め付けられるような胸の痛みが収まらない
そんな気持ちを圧し殺して提督と叢雲に出撃の準備を整えるよう促すが、無自覚の内に出撃前なのに今更怖じ気ついているのかと漏らしてしまう
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 20:54:02.10 ID:AgbGhwr0O
上+提督も叢雲を甘やかしたらダメと母親っぽく注意する
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 21:00:25.98 ID:J8CiF7xUo
305
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 21:03:11.72 ID:M7msQX3yo
叢雲ちゃんも怖かったんだよね、私もそうだよと三人抱き合う形になり
憧れの上司ととても稀有な儚げさを見せる姉妹の温もりを堪能
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:38:47.10 ID:dfvWKmSp0
提督「……」ナデナデ

叢雲「……♪」

磯波(空き部屋の中で提督さんと叢雲ちゃんはまるで……恋人同士のように寄り添いあっていました)

磯波(優しい表情で叢雲ちゃんの頭を撫でる提督と安心しきった表情で提督にもたれかかっている叢雲ちゃんを見ると……心がきゅうと締め付けられたように痛みます)

磯波(あの二人は……いえ、そんなはずありません。だって出会ってまだ一月ほどのはず……そんな短期間で、そんな事……)

磯波「……!!」ハッ

磯波(よく見ると叢雲ちゃんの目は泣いていたように赤くて……理解しました。提督さんは叢雲ちゃんを慰めているんだ)

磯波(ずっと戦ってきた私たちですら辛い状況だもの……ついこの前初めて出撃したばかりの叢雲ちゃんには過酷に違いありません……)

磯波(でも叢雲ちゃんの性格ならきっと誰にも弱っているところを見せたがらない。だから一人になりたくてここに来た)

磯波(そこに提督さんが叢雲ちゃんを探して来たのだと思います。提督さんは新兵である叢雲ちゃんをずっと気にかけていたから)

磯波(出撃前に叢雲ちゃんを心配して様子を見ようとするに違いありません。それで一人で泣いていた叢雲ちゃんをこの部屋で見つけた。きっとそうでしょう)

磯波「……」ズキン ズキン

磯波(だから決して提督と叢雲ちゃんがそういう関係という訳じゃないと分かっているのに……胸の痛みが治まりませんでした)

磯波「……失礼します」

叢雲「っ!!」ガタッ

提督「っ……磯波か」

磯波(声をかけると叢雲ちゃんが反発する磁石みたいに提督さんから離れました。提督さんが少し驚いたように私を見ます)

磯波「はい、磯波です。お疲れ様です、提督。お取込み中に申し訳ありません。ですが出撃の時間が迫ってきていまして……」ペコリ

磯波「そろそろ準備を整えなくてはいけませんよね……?だから私、叢雲ちゃんを探しに来て……」オズオズ



叢雲「……あのね、磯波。アレは違うのよ」スタスタスタ

磯波「……何がですか?」スタスタスタ

叢雲「さっきのアレよ。アレは別に司令官に……その……」

磯波「ああ……提督さんに慰めて貰っていたんですよね?」

叢雲「っ……」カァッ

磯波「……出撃前なのに今更怖じ気つかれてしまっても困ります」ボソリ

叢雲「えっ」ガーン ピタリ

磯波「っ!!あ、いえ、その……違うんです……!!」サァッ

叢雲「……!!」ジワァ

磯波「……!!ご、ごめ」マッサオ

叢雲「謝んないで!!あんたの言う通りよ……悪かったわね、怖じ気ついて……!!見てなさい、あんたよりも勇敢に戦ってやるわ!!」キッ

磯波「っ……」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:42:30.88 ID:dfvWKmSp0


タ級「テキカンタイ補足」

泊地棲姫「了解……さて、やるとするか」

装甲空母姫「いい気分じゃないけどさ、仕方ないよな」

深海雨雲姫「あなたタチ……本当ニ訛ッタわね……」

泊地棲姫「そうだな……竜宮言葉の陸訛がなおるのにも、時間がかかりそうだ」

北端上陸姫「ドウデモいいカラハヤク北へカエリタイ……こんぶガ恋シイ……」



提督「You don`t need to be here, Admiral(あなたまでここにいる必要はありません、大将). 危険です」

イギリス海軍提督「提督、このシンガポール要塞は英国のものだ。私は陛下にここを任された。最後までここに残る義務がある。……そろそろ時間か」

提督「っ……わかりました。ええ、もう始まるでしょう」



日向「っ……伊勢、もういいだろう」ボロッ

伊勢「分かった……撤退するよ、皆!!」ボロッ

「「「「了解……!!」」」」



装甲空母姫「退くか!!どうする!?」

泊地棲姫「まだ仕留めるのは難しいだろう。捨て置いてシンガポールを攻める。いいな?」

深海雨雲姫「支持スルわ。おーすとらりあヤおらんだノ連中ヲ見テいないモノ。センリョクは分ケない方がイイ」

装甲空母姫「よし、シンガポールの要塞砲はアウトレンジでやれるし後は残りの敵艦隊だけだな!!」

泊地棲姫「さて、いつ仕掛けてくるか……我々がシンガポールを砲撃している最中が一番ねらい目だろうとは思うが……」

北端上陸姫「モウ諦メテ撤退してイルんじゃナイ?センリョク差がアットウテキなんだから」



ドゴォォォン ドゴォォォン

提督(地下で聞く敵の砲撃が着弾する爆音、感じる揺れや衝撃。ソ連を思い出す。あらゆる面でアルハンゲリスクの方が遥かに酷かった)

提督(しかし事これだけに限ったらこっちの方が酷い。せいぜいが170ミリだったドイツ軍の重砲よりも16インチ砲の艦砲射撃の方が圧倒的に重い)

提督(だがここはシンガポール要塞の地下司令部だ。さすが大英帝国がその威信をかけて造っただけあり、びくともしない。……直撃を受けたら分からないが)

イギリス海軍提督「っ……随分と落ち着いているのだな、提督」

提督(青い顔をした大将がかすれた声をだす。あの頃、急ごしらえの地下司令部で自分があんな顔をしていたのだろうなと思うと感慨深かった)

提督「初めてではないのでね」

イギリス海軍提督「ほう、どこでやられたのかね?」

提督「ソ連で。アルハンゲリスクでドイツ軍に滅多撃ちにされた」

イギリス海軍提督「……!!そう言えば、君はそうだったな。どうだった、ソ連は?」

提督「正直、ソ連は好きではない。でもロシア人は悪い奴ではなかった。好きになれない奴もいたが、気の良い連中もたくさんいた」

提督(俺は戦況に注視しながらも大将にソ連での思い出話をする。彼の気を紛らわせるのにちょうどいい。多くの兵士が発狂してしまうような環境にいるのだから)

提督「本当に、つい昨日のことのように思い出せる。ワロージャ、ミーシャ、イゴリョーク、イリューシェチカ……みんな無事だといいのだが……」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:45:08.44 ID:dfvWKmSp0


北端上陸姫「猟犬タチの上陸ヲ始メルわ。時間がカカルからエンゴして」

泊地棲姫「任せろ。周囲の警戒を密に。さて、どうする……仕掛けてくるか……?」



ウォースパイト「……It`s The Time to do our duties(今こそ各員の義務を尽くす時よ). さあ行きましょう」

「「「「Y...Yes, Lady Warspite(分かりました、ウォースパイト様)......!!」」」」

ウォースパイト「っ……お前たち、戦う前からもう弱気なのかしら?負けたら英国中がお前たちを笑うでしょうね。所詮オーストラリア人、Ex-cons(犯罪者の子孫)だと!!」

「「「「っ!!」」」」

ウォースパイト「それが嫌なら命を賭して戦いなさい!!勝利してみなさい!!王立海軍に見せつけてみなさい!!お前たちの実力を!!どうなの、パース!?」

パース「もちろんやってやりますとも!!私たちをEx-consって呼ぶなんて絶対に赦せません!!そうよね、皆!?」

「「「「Defo!!」」」」

「「「「……」」」」

デ・ロイテル「……Brit(イギリス人)はやばいわねー。それに比べてうちはちょっとダメかも?」

「「「「っ」」」」

デ・ロイテル「でもまあ敵は凄いたくさんいるしこっちは戦艦娘一人しかいないし怖いよね?わかるわかる」

デ・ロイテル「でもこういう時に気持ちで負けちゃーダメなのよ。まあ今回は事が事だし、ここは前東インド植民地艦隊旗艦の私が出しゃばらせてもらうねー」

デ・ロイテル「どこもかしこも私たちの国を軽んじてる。深海棲艦との戦いが終わってやーっと平和になったと思ったら今度は人間同士の戦争」

デ・ロイテル「私たちは巻き込まれたくなかったのに結局巻き込まれた。しかもーその理由はドイツがグレートブリテン島へ攻撃する時の基地の確保」

デ・ロイテル「そして連合国からの攻撃に対する緩衝地帯の確保のためとか……嘘かもしれないけど英仏もドイツへ進攻する時にオランダの中立を侵そうとしてたらしいしー」

デ・ロイテル「おまけに日本まで東インドを侵略してきた。石油のためにーってさ……私たちの国は基地だとか石油だとかそんなもののために蹂躙されたんだ!!」

デ・ロイテル「それでドイツと日本が戦争になったらー今度は日本と仲直りして一緒にドイツと戦えーって。日本は東インドでたくさん略奪とか暴行したのを赦せーって」

デ・ロイテル「そう言うのがイギリスだから、連合国の盟主だから、大局的観点からそれが一番いいからーって。オランダ人を殺して犯して土地を奪った事を赦して握手しろーって」

デ・ロイテル「でも仕方ないよねー。だってオランダは弱いから。オランダだけじゃドイツに勝てないしー、日本にも勝てなかったから」

デ・ロイテル「イギリスの言いなりになってー、オランダ人の血に染まった手を差し出してきた日本人と握手しなくちゃいけないんだ。笑顔で」

デ・ロイテル「ほんとー……ふざけんなーーーーーーーー!!!!なんで私たちがこんな目に合わなきゃいけないんだーーーーーーーー!!」

「「「「っ!!」」」」ビクッ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:49:09.55 ID:dfvWKmSp0
パース「い、いきなりオランダ語で話し始めたかと思ったら大声を出して……!!」サァッ バッ

ウォースパイト「待ちなさい。気にしなくていいわ。砲撃の音で聞こえはしないもの。もう少し様子を見ましょう」スッ

パース「っ!?わ、わかりました……」

デ・ロイテル「はぁ……はぁ……できることならオランダの為にドイツも日本もイギリスもぼこぼこにして目にもの見せてやりたい」

「「「「……!!」」」」

デ・ロイテル「でもそれはできない。現実を見ないで望みだけ持っていてもダメなんだ。 De rook kan het hangerijzer niet deren(煙は鉄の釣鈎を傷めることはできない)」

デ・ロイテル「できることをしなくちゃ。私たちが活躍すれば、それはかならーずオランダのためになる!!」

デ・ロイテル「勝って大活躍して世界中に知らしめてやろー!!オランダも戦ってるーって!!私たちで世界に教えてやろー!!オランダは怒ってるーって!!」

「「「「Hoera!!!!」」」」

デ・ロイテル「Hoera!!……Sorry for waiting(待たせてごめんなさい)」

ウォースパイト「気にしないわ。いけるわね、オランダの皆さん」

デ・ロイテル「ありがとう。もちろんいけるわ」



ル級「敵艦隊ハッケン!!ハッポウされマシタ!!トツゲキしてキマス!!」

「「「「!!」」」」

深海雨雲姫「ナニッ!?ヤツラ本気カ!?」

ヒューン バシャン

泊地棲姫「っ!!逃げるつもりはないということか……いいだろう。ならば相手になってやる」

北端上陸姫「チョット……大丈夫ナンデショウネ?」

装甲空母姫「任せろ!!っておあ!?何だこれ!?どっから撃ってきた!?」ヒューン バシャン ビクッ

「「「「!?」」」」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:57:09.55 ID:dfvWKmSp0


提督(攻撃の開始はウォースパイトに任せていた。ウォースパイトは俺の期待通り最高のタイミングで口火を切ってくれた)

提督(この地下司令部は外の砲台陣地や監視所、通信施設などと有線で繋がっている。監視所から目視で攻撃開始を確認したとの連絡を受けた俺は早速砲兵に命令する。撃て!!と)

提督(それと同時に通信施設を介して西へ退避していた通常艦隊に作戦開始を連絡する。あらゆる手段を以てして敵を攻撃せよと命令を下した)

提督(そして北へ撤退したように見せかけた伊勢たちに作戦通り突入するよう命令した。レーダー妨害が始まった時点で伊勢たちもこちらへ引き返させていたのだ。そんなに時間はかからない)

提督(基地航空隊にダメ押しの航空攻撃の命令も出す。相手がドイツ軍なら誤射の心配があったが、深海棲艦ならまったく問題ない。一目瞭然だからだ)

提督(北からは砲台陣地、南からはウォースパイトたちが攻撃している。すぐに西から通常艦隊が、東から伊勢たちが攻撃に参加するだろう)

提督(予想外の事態に敵は混乱しているはずだ。それに加えてさらに敵増援が襲来して自分たちが包囲されたと悟ったらさらに慌てふためくに違いない。あとは部下たちを信じるのみだ)

ドゴォォォン ゴゴゴゴゴゴ

「「「「!?」」」」



イ級「っ〜〜〜〜〜〜!!」ドガァン ブクブクブク

リ級「ウッ!?」ドガァン

ル級「畜生……!!」ボロッ

北端上陸姫「ドウイウ事よ!?滅多撃チにサレテルジャナイ!!」

泊地棲姫「バカな……どこにこんな戦力隠していたというのだ……!?」

深海雨雲姫「っ!!敵機シュウライ!!マズイワ、航空機ガ狙イをツケルのに十分アカルイ!!」

装甲空母姫「最悪だ!!何より敵の要塞砲がマズすぎる!!何でもかんでもバカスカ撃ってきやがって発火炎が多すぎる」

装甲空母姫「偵察機使っても戦艦の主砲クラスの要塞砲がどこから撃ってきてるのか全く分からない!!一つ二つはつぶしたはずだけどさ!!これもう無理だろ!?」

泊地棲姫「っ……撤退だ!!撤退する!!要塞砲は後回しにして敵艦隊を攻撃するべきだった……そうすれば敵の数を効率的に減らせた……!!」ワナワナワナ



ウォースパイト「……!!撤退し始めたわね」

パース「最高の気分です!!まさか逃がしはしませんよね、ウォースパイト様」ニタァ

ウォースパイト「当たり前でしょう。あなた達も行けるわね?」

デ・ロイテル「もちろーん!!こんな一方的でいいのかしらってくらいやばいわね!!」ゾクゾク
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 19:01:52.45 ID:dfvWKmSp0


日向「仕方ないとはいえ、判断が遅かったな」

伊勢「勝ったね、これ。目的はシンガポールの防衛だからこのまま行かせてもいいけど……」

深雪「ムラクモの弔い合戦だ!!皆殺しにしてやる!!」

初雪「絶対に……赦さない……!!」

吹雪「私たちはまだやれます!!ここで敵の戦力を減らせるだけ減らすべきかと!!」

伊勢「よし、じゃあやりますか。あいつらが誰を敵に回したのか分からせてやらなきゃね!!」

日向「瑞雲の再補給も済んだ。もうひと暴れさせてもらおうか」

叢雲「やってやる……私だって帝国海軍の駆逐艦娘なのよ……!!」ギリッ

磯波「っ……」



深海雨雲姫「ナニ馬鹿なコトを言ッテいるノ!?目ノ前ニイルノハさっき散々に打ちノメシテヤッタぼろぼろノ艦隊ジャナイ!!イイカラ突ッ切ルのよ!!」キッ

泊地棲姫「あいつらに近づきすぎるのは自殺行為だ!!少し迂回した方がいい!!」

深海雨雲姫「ソンナ事シタラ後ろカラ追ッテクル艦隊に補足サレテル時間が長クナルでしょ!!戦艦がイルのよ!?」

装甲空母姫「あいつらと一緒に居たから分かるんだって!!こんな潰走状態で距離詰めたら」

深海雨雲姫「黙リナサイ裏切者!!このまま突ッ切ルノ!!」キッ

装甲空母姫「っ……」ビクッ

泊地棲姫「……我々は止めたからな」ギリッ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 19:04:39.62 ID:dfvWKmSp0


ネ級「足が……!!ま、待って!!」

深雪「うるさい!!ムラクモの仇だ!!沈め!!」ドンッ

ネ級「」シュボッ バシャン

チ級「ウワァアアアアアア!!」

初雪「死ね……!!」ドンッ

チ級「」ドガァン

浦波「十隻目!!そっちはどう、白雪姉さん!?」

白雪「そんなのいちいち数えていられません!!」

叢雲「はぁ……はぁ……っ!!」ハッ

リ級「クソッ……」ボロッ バッ

磯波「叢雲ちゃん!!」ゾクッ

リ級「シズメェ!!」ドゴォン

叢雲「っぁああああああ!!」バッ グイッ ドンッ

リ級「」シュボッ ドパッ

叢雲「うっ」ビシャッ

磯波「む、叢雲ちゃん、大丈夫……ひっ!?」

叢雲「っ……ああ、磯波……あなた何人殺したの?私は今のが何とか三人目よ……きっとあなたの方が多いんだろうけど」ベッタリ ゴシゴシ キロリ ハイライトオフ

磯波「っ……お願い、もうそんな戦い方しないで……叢雲ちゃんの方が勇敢に戦ってるよ……!!」

叢雲「そう……そうだといいけど……」スイー

磯波「っ!!ま、待って叢雲ちゃん!!」

↓×1〜3 敵の血で真っ赤に染まった叢雲は暗い目で磯波を睨んでいた。自分の嫉妬のせいで叢雲を歪めてしまったと思った磯波の心情と行動
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 19:15:35.56 ID:YFmjbJ2tO
これ以上無謀な戦いをさせることは
前のムラクモちゃんの二の舞になりかねない
そしてそれは自分達もそうだと咄嗟に我に返る
提督との間に具体的に何があったか知らないが
提督ならばきっと無茶だけは命じなかった筈だと考え
叢雲に提督と約束したんでしょ?とカマかけ気味に問いかける
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 19:28:54.59 ID:ZU5Cnx2WO
間接的とはいえ自分のせいで叢雲を失うようなことだけはあってはならない
死地へと向かわんとする叢雲の手を半ば衝動的に掴み、必死の形相で引き止める
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 20:00:08.31 ID:s69L2o3M0
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:52:36.50 ID:EFSz4Ct10
叢雲「……」

磯波「行かないでください!!」ガシッ グイッ

叢雲「っ!?放して!!」グイッ キッ

磯波「絶対に放しません!!」ギリッ

叢雲「っ!?くっ……私はまだ戦える!!」

磯波「もう十分戦いました!!今の叢雲ちゃんは絶対大丈夫じゃありません!!」

叢雲「大丈夫よ!!」

磯波「死んじゃってもいいんですか!?」

叢雲「死っ……!!」ドクン

提督『死ぬな。生きて帰って来い』ギュッ

叢雲「ぁ……司令官……」ジワァ

母『生きて帰ってきなさい……必ず……』ダキッ ポロポロ

父『お前はできのいい子だ。きっと生き残れる』ナデナデ

叢雲「お母さん……お父さん……」ホロリ

磯波「私のせいで追い込んでしまって本当にごめんなさい……本当に叢雲ちゃんは勇敢戦いました。もう十分です。だから……帰りましょう……」

叢雲「……」コクリ

吹雪「叢雲ちゃん、磯波ちゃん、どうしたの!?っ!!やられた!?」ゾクッ

磯波「吹雪ちゃん!!大丈夫、これは返り血です。けど叢雲ちゃんはもう限界だから私が随伴して離脱しますね」

吹雪「そうなんだ、良かった……!!分かったよ。お願いね、磯波ちゃん!!」ホッ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:54:42.59 ID:EFSz4Ct10


深海雨雲姫「ウソヨ……コンナのウソ……コレはワルイユメ……!!」マッサオ

北端上陸姫「イヤァ……コンナ所でしにたくナイ……」ブルブルブル

泊地棲姫「だから言った……!!っ……聞こえるか?」

装甲空母姫『何……今戦艦二人相手にしてて……くっ!!こいつらは足止めするから行って!!』

泊地棲姫「っ……!!ぐすっ……すまない……ありがとう……しっかりしろ!!撤退する……ぞ……」ジワァ サァッ

ウォースパイト「Good evening. 降伏するチャンスをあげましょうか」ニコリ

ネ級「カンタイ指揮官をマモッ」ドンッ バシュッ バシャン

リ級「うっ!?」ドガァン

ナ級「っ〜〜〜〜〜〜!!」ドガァン ブクブクブク

二級「」シュボッ

ホ級「っーーーーーー!!」バスバス ドガァン

パース「やらせない!!」シュゥゥ

デ・ロイテル「やっばーい」シュゥゥ

深海雨雲姫「イヤァアアアアアア!!」バッ

装甲空母姫「いつの間に……!!迎え撃て!!」ドゴォォン

ウォースパイト「そう、残念だわ」ヒョイッ ドゴォォン

北端上陸姫「ウグゥッ!!……」バシャン プカプカ

装甲空母姫「っ!!おのれ!!せめて一矢報いてやる!!」

「「「「カ、カンタイ指揮官ニ続ケ!!」」」」

パース「みんな続いて!!行くわ!!」

「「「「了解!!」」」」

ウォースパイト「デ・ロイテル、あの逃げたのは譲るわ。簡単に仕留められるでしょう?生かしてとらえれば評価があがるわよ。オランダの為にも、Sterkte(頑張ってね)」クスリ

デ・ロイテル「っ!!……Thank you. はは、やっばーい」ゾクッ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:59:32.58 ID:EFSz4Ct10


装甲空母姫「っ……ここまで、か……」ボロッ

伊勢「……降伏しなさいな」ギロリ

装甲空母姫「私は裏切者よ、殺さないの?」

日向「可能なら殺すな。投降するなら受け入れろ。そう命令されている。提督に」ジッ

装甲空母姫「そっか……わかった、降伏するわ……」



ウォースパイト「……」ガシッ グイッ

泊地棲姫「っ……うぅ……」グッタリ

ウォースパイト「ふふっ、もう抵抗できないみたいね」

泊地棲姫「くっ……ころせ……」

ウォースパイト「私ね、感謝しているのよ、お前たちに」

泊地棲姫「な、何……!?」

ウォースパイト「最高の勝利をありがとう!!これで私はAdmiralに私の強さを証明できたわ。きっと認めてくれる」パァッ

ウォースパイト「私の戦果になってくれて、全員に感謝してるわ。生きてる子は早く良くなるといいわね。死んでしまった子は……ご冥福をお祈りするわ」ニコリ

泊地棲姫「っ!?あ、悪魔め……!!」ギロリ

ウォースパイト「殺したくなかったから降伏勧告したのに、受け入れなかったのはお前たちでしょう?死んだ責任は上官にあるわ。……もしかしたら、お前かもね?」ニタァッ

泊地棲姫「っ!!わ、私の……せいで……」ゾクン

ウォースパイト「あら、本当にお前だったの?私たちと違って無能な上官に率いられた部下たちに同情するわ」

泊地棲姫「うぅ……うぅうう……!!」ボロボロボロ

パース「ウォースパイト様、生存者を回収しました。北端上陸姫も生きています」

北端上陸姫「……」

ウォースパイト「まあ本当?運が悪かったら死んでるかもと思っていたけれど、よかったわ。ご苦労様でした、皆さん。帰りましょう」ニコリ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 01:06:19.55 ID:EFSz4Ct10


デ・ロイテル「やったー大戦果だー!!みんなよく頑張ったね!!帰ったらオランダと勝利に乾杯しよー!!」

深海雨雲姫「コレはユメ……コレはユメ……コレはユメ……」ボロッ グッタリ

デ・ロイテル「わかるわかる。夢みたいだよねー。出撃前はもうダメかもーって思ってたのにさ。Wat lief!!」



イギリス軍兵士「ダメです、完全に崩落していて……内部からは脱出できません。外からの助けを待つしかないでしょう」

日本軍兵士「有線電話もダメです……どこかでケーブルが切れたんでしょう。外部との通信手段は完全に失われました……」

イギリス海軍提督「そうか……我々が勝っていて助けがくればいいがな……地下に閉じ込められた経験はあるかね、提督?」

提督「いや、初めての経験だよ、大将。幸い、小さな隙間で地上までつながっているようで酸素は気にしなくてよさそうだ」

イギリス海軍提督「雨が降るとこの部屋が水没する可能性があるな。戦場で死ぬ覚悟はできているがこんな所で溺死するのは御免だ。そうならないように主へ祈っておこう」



日本海軍士官「敵戦艦の砲弾が直撃してしまったのだろう……地上の建造物は崩壊、地下の司令部がどうなっているのかは不明だ」

イギリス海軍士官「電話も通じないんです。ケーブルが切れただけなのか、あるいは地下も崩れてしまったのか……」

イギリス海軍士官「もちろん生きていること前提で救助活動を続けていますがね……もし司令部が無事でも完全な密閉空間となってしまっていたら、酸欠で窒息してしまうでしょう」

日本海軍士官「だが地上と繋がっていたとしても、季節的にもういつ雨が降ってもおかしくない。そうなると司令部は水没してしまう……」

オーストラリア陸軍将校「全力を尽くしていますが、何分瓦礫の量が量ですから……救出作業にはまだ時間がかかります」

オランダ海軍士官「覚悟しておいたほうがいいでしょうな。残念なことだ……」

↓×1〜3
勝利を報告しに帰還したら要塞が敵の攻撃で崩壊しており、提督の生死が不明で望みも薄いという現実に直面したウォースパイトと日本の艦娘たちの反応
※特にウォースパイトは提督を深く愛しており、叢雲は過酷な戦場で気にかけてくれる大人である提督の存在が心の支えとなっていたことを踏まえて
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 01:32:51.78 ID:NRDDcSFwo
磯波や叢雲、これ以上仲間を喪いたくない吹雪型の動きを皮切りに
ウォースパイトの号令で動ける艦娘が一斉に瓦礫撤去に取り掛かる

デ・ロイテルはじめオランダ艦は
その土地柄から浸水の危険性を早々と見抜き
ウォースパイトを通じて適切な指示に貢献する
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 02:48:23.94 ID:TT03QD2RO
322
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 04:31:56.69 ID:71FOm5QZo
うえ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 01:48:07.95 ID:MdlEMhUQ0
ウォースパイト「……」

叢雲「な……なによそれ……私に死ぬなって……生きて帰って来いって言ったくせに……っ!!司令官!!」ダッ

磯波「む、叢雲ちゃん!!」ダッ

吹雪「……まだ死んじゃったって決まったわけじゃない!!行くよ、皆!!」ダッ

伊勢「あ、あなたたち……っ……日向、私たちも」

日向「もちろんだ。艦娘の力をみせてやろう」ダッ

デ・ロイテル「……やばげかも。ここら辺の天気は本当に独特なんだよね。特にスマトラ・スコールっていって朝ぐらいからいきなり大雨になるのが有名なんだ」

デ・ロイテル「もしアレが来たら司令部のぐらいの体積じゃ、たぶん一時間もしないうちに完全に水没しちゃうかも。助けるなら休んでる暇はないよ」

ウォースパイト「……重傷者以外はついてきなさい」

「「「「了解!!」」」」



イギリス軍兵士「……!!」ハッ

イギリス軍兵士「どうしたんだ?」

イギリス軍兵士「シーッ!!」

イギリス軍兵士「なんだよ……」

イギリス軍兵士「……やっぱり聞こえるぞ!!音が聞こえる!!助けが来たんだ!!」

「「「「!!」」」」

提督(彼の声に皆が黙る。集中して耳をすませた。確かに、聞こえた。遠く微かにだが、まるで瓦礫を退かしているかのような重い物音が)

提督「我々の位置を知らせなくては!!こちらからも継続的に音を出すんだ!!」



……ーン ……-ン ……-ン

「「「「!!」」」」

伊勢(艦娘の力の強さに目を丸くする工兵の助けを得ながらようやく一階部分まで掘り進めたところで全員が息をひそめる)

ウォースパイト「Admiral……!!」パァッ

深雪「聞いたか今の!!」

初雪「もちろん……!!」

伊勢「生きてるのね、提督……!!」ホロリ

ポツ

「「「「!?」」」」ゾクッ

伊勢(頬に感じたそれが高揚した気分に冷や水を浴びせる。空を見上げた。どうか気のせいでありますようにという願いは届かなかったみたい)

ポツ ポツ ポツ

デ・ロイテル「マジでやばいよ!!降ってきた!!すぐに土砂降りになる!!」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 01:58:52.21 ID:MdlEMhUQ0


日本海軍下士官「ええい!!もっとちゃんと押さえろ!!何とかならんのか!?」

日本軍海兵「亀裂が大きすぎてこれ以上は無理です!!人手が足りなすぎます!!」

提督「くっ……!!」

提督(恐れていた事態が起きてしまった。外が大雨になってしまったようだ。司令部の天井や壁にできた亀裂から水が流れ込んできた)

提督(潜水艦が沈没する時はこんな風になるのだろうか?改めて、そして今まで以上に潜水艦乗りに畏敬の念を抱く)

提督(恐怖……いや、絶望かもしれない。俺は必死に壁の亀裂を押さえる。効果があるのか分からない。水はもう膝まできた。俺は……こんな所で死ぬわけには……!!)

提督「止まれ……止まってくれ……!!」

イギリス海軍提督「……諸君、今のうちに服装を整えておけ」

提督「!?」

提督(言っていることの意味が分からなかった。そちらを振り返ると制服をきちんと整えた大将が堂々と立っていた。官帽の顎紐までつけて)

提督(怒りを覚える。状況が分かっていないのか!?そんな事をしている暇があれば生き残るための努力をしろ!!そう言おうとした瞬間、大将が再び口を開く)

イギリス海軍提督「残念ながら、もはや我々にできることは水没までの時間をなんとか伸ばしながら主に奇跡を祈るだけだ」

イギリス海軍提督「死を覚悟しなくてはならない。そして不運にも我々の命尽きた時、戦友たちは我々の亡骸と対面することになるだろう」

イギリス海軍提督「その時、無様な姿をさらす訳にはいかん。我々がその最期まで規律を守り、高貴であったと示さねばならぬのだ」

イギリス海軍提督「死ぬのなら、誇り高く死んでいこう。それがきっと、我々からあとに残る者たちへの一番いい最期の贈り物になる」

「「「「……」」」」

イギリス海軍提督「もちろん、生きることを諦めてはならない。自暴自棄にはなるな。だが、死に備えることは必要だということだ」

イギリス海軍提督「なに、服装を整えることなんてすぐ終わる。水没するまで数分も変わらないだろう。さあ、上着を着て帽子を被りたまえ」ニコリ

提督(大将は爽やかな微笑みで話を締めくくる。そして壁に向かうと再び亀裂を押さえた。ここにいる誰もが大将を見ていた)

提督(その数分が命を分けるかもしれないのだ。無駄にはできない。……とは誰も言わないし、きっと思ってもいまい)

提督(努めて考えないようにしていたが、分かっていた。きっと誰もが分かっていた。そう簡単にここまで掘り進んでは来られない)

提督(常識的に考えて救助まで数日から数週間はかかるだろう。もはや地面が割れて水が流れていくというような奇跡が起きでもしない限り助からないのだ)

提督(なんて偉大な人なのだろう。俺は大将に純粋な称賛と尊敬、憧れの気持ちを抱いていた。これが、英国紳士か。王立海軍か)

提督(砲撃されていた時、大将は顔を青くはしていたが冷静さを保っていた。そして、死がすぐそこへ迫っている今も。……自分が恥ずかしかった)

提督(人は追い詰められた時こそその本性が出るという。俺は完全に余裕を失い、無様に狼狽えていた。現実から……死から目を逸らしていた)

提督(だが大将は違った。死から目を逸らさず、真っすぐと見つめていた。俺の手本とするべき人リストに新たな名前が一つ加わる。皆が服装を整え始めた)

イギリス海軍士官「貴方を喪うことになってしまったら、英国にとって大きな痛手となるでしょう。主よ、どうかそうなさらないでください……」

イギリス海軍下士官士官「大将、共に戦えて光栄でした」

イギリス軍兵士「助かっても、そうでなくてもいい自慢話ができましたよ。俺はあの大将と一緒に戦ったんだと」

提督(俺も机へ走る。ジャケットを脱いだり前を開けたりしてはいなかった。置いてあった官帽を急いでかぶり、顎紐をすると再び走って亀裂を押さえる)

提督(死に対して儚い抵抗をつづけながら家族や友人たち、そして何より俺を愛してくれる子たちの事を思い浮かべる。また会いたかったが、どうやらここまでのようだ)

提督(先に逝ってしまって申し訳ない……赦してくれ……そして、どうか幸せに長生きしてほしい。皆のこれからの人生が素晴らしいものでありますように)



彼女たちは人力じゃ動かせないはずの瓦礫を苦労しながらも驚異的な速度で排除していく。司令部に到達するまであと少しだった
ただでさえ大きな戦いの直後だったのだ。疲労困憊なはずだ。しかし誰もその手を休めることは無い
だが哀れな少女たちは悟っていた。土砂降りの雨が降り始めてから一時間は経ってしまっている。間に合わなかったのだと。地下から救いを求めていた音は、今はもう聞こえない

↓×1〜3 艦娘たちの様子
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:21:08.52 ID:HAd5p0Vmo
例えそれが亡骸を救うことになろうとも
それでも手を止めない止められない
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:27:48.07 ID:fR5ZfX3eo
やり場のない感情を吐き出すかのように叫び続けながら
死体に出会わない限りは生きていると信じ必死に掘削を続ける
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:34:11.80 ID:tfWywT8eO
328
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 22:56:00.50 ID:MdlEMhUQ0
伊勢「……!!」ピクッ

伊勢(そこにあったのは敵砲弾の破片だった。ここまできてたんだ。司令部の深さから考えて、もう少しで分厚いコンクリートの装甲を貫通していたかも)

伊勢(もしこれが貫通していたら、提督たちは即死していたでしょうね。けど……その方が良かった)

伊勢(地下に閉じ込められて、徐々に部屋が水没していって、最期は溺死なんて……どれほどの恐怖だったのか想像もできない)

伊勢(そんな目に遭うぐらいならいっそ、何も感じる間もなく死ねた方がずっと良かったに違いないもの……そんなことを考えてしまったことに気が付いて、激情に駆られる)

伊勢「なに諦めてんのよ、私……!!」キッ

伊勢(遺体を見つけたわけじゃないんだから……提督はきっとまだ生きてる!!だから……あきらめちゃいけないのに……!!)

伊勢「っ……うわぁああああああああああ!!」ダンッ

ガラガラガラ

伊勢(我慢できなかった。私は叫びながら瓦礫を砕くためスレッジハンマーを振り下ろす。と同時にそこを中心に底が抜けたように瓦礫が崩れ落ちた。その上に立っていた私も落ちる)

伊勢「えっ、うわぁああああああ!?」ドボン

日向「伊勢!?」



ガラガラガラ ドポン ドポン ドポン ドポン

「「「「!!」」」」

伊勢「わぷっ!?ぷはっ!!な、なになになに!?」バシャッ

提督(足はとうに床につかなくなっていた。水面から天井まで30センチを切っている。もはや助かるまい。死を確信した俺たちは全員で蛍の光を歌っていた)

提督(誰もが知ってる唱歌だが、もともとスコットランドの民謡だ。日本人は日本語で。イギリス人は英語で。言語も歌詞の意味も違えども、同じメロディーの歌だ。一緒に歌うことは容易い)

提督(そんな時だった。いきなり部屋の真ん中の天井が崩れ、瓦礫と共に伊勢が落ちてきたのは。幸い、全員ずっと壁の亀裂を押さえていたために巻き込まれたものはいない)

提督「い、伊勢!?」

伊勢「っ!!て、提督……!!」ハッ ウルッ

提督(全員の目がきょろきょろとあたりを見渡す伊勢に集中した。俺の呼びかけに伊勢は俺の方を向く。そして驚愕の表情を浮かべると今にも泣きそうになる)

日向「伊勢!!大丈夫か!?」

提督(天井の穴から日向の声が響いてきた。その場の全員が状況を把握する。助かったのだと。割れんばかりの歓声があがった)

日本軍海兵「やったーーーーーーーーーー!!」

イギリス海軍下士官「Oh my God!! It`s divine!!」

日本海軍士官「万歳!!助かったぞ!!万歳!!万歳!!万歳!!」

イギリス軍兵士「Hurrah!!We are saved!!I cannot believe!this!!」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 23:12:20.68 ID:MdlEMhUQ0


日向(土砂降りだったが普段よりは雨量が少なかったのか、提督たちの生きるための努力が実ったのか、あるいはその両方か。私たちは司令部が水没する前にたどり着くことができた)

日向(穴から次々と閉じ込められていた人たちが上がってくる。しかし、私たちの意識は彼らに向かなかった)

日向(待ち望んでいた彼があがってこない。何故だ……何故上がってこない……!?ふと、思いついてしまう)

日向(どうして私たちは司令部に被害が無かったと思い込んでいるんだ?要塞が崩壊してしまうほどの攻撃を受けたのに)

日向(地下室が完全に崩壊しなくても、一部が崩れているかもしれないじゃないか。……それに提督が巻き込まれていないとどうして言える?)

日向「……」ドクン ドクン ドクン

伊勢「よっと」

日向「!!」



イギリス海軍提督「先にあがりたまえ、提督。ゲストは優先されるべきだ。私の顔を立てると思って。さあ」

提督(先に上がることを促した俺に、大将はそう返答した。さすが英国紳士だ。ここはお言葉に甘えさせてもらうか)

提督「……わかった。ありがとう、大将。お先に失礼する。伊勢、先に行ってくれ」

伊勢「袴の中見ないでくださいよ?」ニヤッ

提督(そう悪戯っぽく流し目を送りながらささやく伊勢はさっきまで俺に抱きついて泣いていたのが嘘のような変わり身の早さだった)

提督「っ……もちろんだ」

伊勢「ふふっ。よっと。さあ、提督!!」ザバッ ニコッ スッ

提督(伊勢が満面の笑みで手を差し出してくれる。俺はその手をとると伊勢に引き上げられた。そうだ、これが艦娘の力だったな)

提督「ありがとう、伊勢。大将、手を」スッ グイッ

イギリス海軍提督「っ……ありがとう、提督。少々失礼する」ザバッ

提督(俺の手を掴んだ大将を引き上げる。礼を言った大将は断りを入れると振り返ってその場で屈み、副官を引き上げてから俺に向き直った)

イギリス海軍提督「どうやら奇跡が起きたな。それに戦いも我々の勝利で終わったようだ。君の功績だ。おめでとう、提督」

提督「いや、大将。我々の功績だ。あなた方がいなくては勝てなかった」

イギリス海軍提督「ふっ……共に戦えた事、光栄に思う」スッ

提督(大将が微笑みを浮かべると手を差し出してきた。俺はその手を握る。固い握手を交わした。そして握手を終えるとずっと俺を待っていてくれたらしい彼女たちの方を向く)

↓×1〜3 
日本の艦娘たちとウォースパイトの心情と行動
※ウォースパイトは立場的にまずイギリス海軍提督に挨拶しなくてはならないことを踏まえて。パースとデ・ロイテルは安価下
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:20:48.93 ID:YA6JxnLWo
日本の艦娘は否応がなしに提督に雪崩れ込む
吹雪型が号泣につぐ号泣で周りももらい泣きするほど
ウォースパイトは何とか踏み留まって自国の提督への挨拶を優先させたが
彼が気を利かせてくれた為すぐさま雪崩に加わる
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:37:08.49 ID:ihJyEO4o0
伊勢・日向以外の駆逐艦娘達は一斉に提督のもとに駆け寄り、各々が想いを爆発させてもみくちゃになる
伊勢・日向は安堵と疲労で力が抜けてしまったため遠巻きに眺める他なかったが、二人で一緒に喜びを噛み締めながら静かに涙を流す
ウォースパイトはまずイギリス海軍提督に祝いを述べるが、内心提督の様子が気になって仕方なく、イギリス海軍提督に許可を貰ってすぐさま歓喜の輪に加わる
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:46:54.68 ID:RwfAh8EjO
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:48:53.98 ID:465u9y4iO
332
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 01:51:15.49 ID:yB8VPiZc0
提督「伊勢から聞いた。みんな……良くやってくれたな」ニコッ

叢雲「っ……!!よくもそんな平然としてられるわね!?私がどんな思いで……私に死ぬなって言ったのにアンタが死ぬところだったじゃない!!」キッ

提督「っ……ああ。すまなかった……」

叢雲「ぐすっ……うわぁああああああん!!」バッ ダキッ ギュッ ボロボロ

提督(怒り交じりの今にも泣きそうな顔で俺に激情をぶつけていた叢雲は、俺の謝罪にとうとう涙を零してしまう。俺の胸に飛び込んでくると、強く俺を抱きしめる。号泣してしまっていた)

「「「「……!!司令官(提督)!!」」」」ジワァ バッ ダキッ

提督(それをきっかけに吹雪たちが俺のもとに駆け寄ってきた。皆一様に涙を流し、自らの想いを吐露している。俺はこの健気な少女たちにどれほど辛い想いをさせてしまったのか……)

提督「みんな……すまなかった……」



ウォースパイト「ご無事で何よりです、大将」

イギリス海軍提督「貴女にそう言って頂けるとは名誉なことです、ウォースパイト嬢」

ウォースパイト「貴方の勇気に惜しみない称賛を送ります。陛下もきっとお喜びになるでしょう」

イギリス海軍提督「今回、私は何もしてないのですよ。全ては彼のおかげです。なるほど、貴女の心を奪う訳だ」

ウォースパイト「っ……ええ、そうなの」カァッ

イギリス海軍提督「日本人なのが惜しい人物です。せめて同じ白人ならば、貴女のご両親は彼との関係をお認めになるでしょうに」

ウォースパイト「……我々は見識を新たにしなくてはならないわ、大将。白人でないから劣っているという考えは近い未来に過去のこととなるでしょう」キロリ

イギリス海軍提督「かもしれませんね。いずれにせよ、彼は英国の恩人です。よろしければウォースパイト嬢からも彼に王立海軍の艦娘として挨拶してはいただけませんか?」

ウォースパイト「っ!!ええ、もちろんです。王立海軍のウォースパイトとして挨拶しましょう」

イギリス海軍提督「感謝いたします。では、私はこの要塞を任されたものとしてやらなくてはいけないことがありますので」

イギリス海軍提督「まったく、陸の人間も相手が深海棲艦だからと厄介な事を押し付けてきたものです。それではこれで失礼させていただきます。ごきげんよう、ウォースパイト嬢」

ウォースパイト「ごきげんよう、大将。……Admiral」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 02:02:47.83 ID:yB8VPiZc0


デ・ロイテル(まるで獣みたいに階級も何も関係なしに我先にと上がってきていた日本人に対してイギリス人はかーんぺきに統制を保ってた)

デ・ロイテル(一番最初に大将。そして高級将校、下士官兵、最後に青年士官。うんうん、これこそ人間よねー)

デ・ロイテル(やっぱ日本人は動物だ。白人とは……人間とは違うんだ。だからあんな蛮族みたいなことができるんだ)

デ・ロイテル(殺された戦友たちや犯された友達の事を想う。耐えられないぐらいの悲しみと怒りが混ざり合って……やばかった)



記者「艦娘たちも普通の女の子と何ら変わらないのだな……あの光景はきっと一生忘れられない。恥ずかしながら思わずもらい泣きしてしまったよ」

記者「君だけじゃなかったさ。映画やドラマのような創作とは比べ物にならない。あれが本物だ。我々の使命はこれをできる限り多くの人間に伝えることだ」

記者「そうだな。しかしつい早まって提督死亡と記事にしてしまったが大丈夫だろうか?今は制限されていて電報も電話も無線も使えないからあの記事の号外が出るのは止められない」

記者「なに、お詫びと訂正をしておけば大丈夫さ。むしろそのおかげで提督奇跡の生還の記事は大反響になるだろう。……などと俗な事を考えてしまうのが記者の辛いところだ」



朝日新聞『壮烈、提督シンガポールに散る。奇跡の価値は』

シンガポールで奇跡的な勝利を得た代わりに指揮を執っていた提督が深海棲艦の攻撃で戦死したという新聞が届いた
しかも要塞が崩壊して地下の司令部に生き埋めになり、東南アジア特有の大雨で徐々に部屋が水没していき、とうとう溺死してしまったという残酷な死に方だと書いてある

↓×1〜3 読んだ子たちの反応。特に強調したい子がいれば名前をあげて
※ 扶桑型と当事者と未登場の海外艦は安価下
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:40:17.20 ID:4Xx40rTi0
鈴谷型
鈴谷:提督が死ぬなんて嘘だ、あり得ない。現実逃避も含め、自らの目で確かめたいと夜中に密航を企てる
熊野:提督は死んだ、現実を受け止めろと鈴谷を冷静に諭すが、口論になる内に胸中の想いを抑えきれず、感情的になって手を上げてしまう
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:49:35.84 ID:9H00GQ+vo
鈴熊、大鳳、ガングート
新聞を思い思いの方法で粉々にする
この国のマスメディアの未来を憂い
取り敢えず提督の無事を祈る

大和型、長門型
また自暴自棄になりだす大和
陸奥も失意にあてられて涙が止まらない
武蔵、長門の大変な一日が始まる

翔鶴型、雲龍型、秋月型
全快に向かいつつある雲龍型
気に障ってはいけないと新聞を見せまいとする翔鶴型
秋月型も巻き込み新聞争奪戦の狼煙があがる
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:55:33.55 ID:K+OJKr8XO
338+339
341 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 18:17:33.73 ID:yB8VPiZc0


ガングート「……」グシャグシャグシャ ポイッ

ガングート(私は新聞を丸く押しつぶして暖炉に投げ込む。……シンガポールであいつが死んだ?笑えない冗談だ)

ガングート「……。……ふぅ」ゴソッ シュッ

ガングート(パイプに火を点け一服する。……あいつが死んだなんて嘘だ。そんな事、ありえん。あのアルハンゲリスクでも生き残った男だぞ?)

ガングート「誤報に違いない……まったく、日本の新聞報道の未来が思いやられるな……」カタカタカタ

ガングート(そうだ、誤報だとも……手が震えるのも気のせいに違いない。窓から空を見上げる。大西洋の空は今日も曇りだった)



鈴谷「はぁ……はぁ……っ……」

熊野「……少々はしたない真似をしてしまいましたわ」

鈴谷(私たちの足元にはびりびりに破り捨てられた新聞が散乱していた。もちろん私たちがやった。だって……酷いんだもん)

鈴谷「提督が死んだなんてありえない……だって提督だもん。何度も死んだって言われても生きてたんだよ……!?」

熊野「ええ、そうですわ。あの方は最前線での激戦に巻き込まれても、乗機が撃墜されても、暗殺者に襲われても、乗艦が撃沈されても死ななかったのですから」

鈴谷「だよね!?絶対そうだよ……そうに決まってる……!!ホント、どうしてこんな記事書いちゃったんだろ」

熊野「我が国の報道業界の未来が思いやられますわね。……鈴谷」ダキッ ギュッ

鈴谷(くまのんが鈴谷に抱きついてくる。強く抱きしめられた。くまのんの体は震えていて……耳元で、涙声で囁かれる)

熊野「嘘よね……?提督が……こんな酷い亡くなり方したなんて……あの人はまだ生きているでしょう……?」ウルウル

鈴谷「っ……当たり前じゃん……絶対に生きてるよ……提督は……!!」ダキッ ギュッ ジワァ

鈴谷(私は熊野の体を抱きしめる。目頭が熱くなった。どうか提督が生きていますように……心の中で何度も何度もそう祈る)
342 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 18:23:17.95 ID:yB8VPiZc0


大和「私もでるわ」ハイライトオフ

武蔵(無感情な声でそう言って部屋を出ていこうとする大和の前に立ちふさがる。大和が私を見た。昏く虚ろな目だった)

武蔵「大和……ダメだ。お前には休息が必要だ」

大和「いいの、大丈夫。そんなことより一人でも多く深海棲艦を殺すことの方が重要だもの」

武蔵(表情と言うものが無かった。ようやく結ばれた想い人の死は、大和の感情を殺してしまった。あいつが生き返りでもしない限り、もう大和は元に戻らないだろう)

武蔵「……ああ、そうだな」

大和「でしょう?分かってくれるのね、武蔵。嬉しいわ」

武蔵「分かるとも。だから言っているんだ。休め、大和」

大和「……」スゥッ

武蔵(邪魔するなら赦さない。言葉にせずとも分かる。これだけの研ぎ澄まされた感情を向けられれば。しかし私は退かない。むしろ前に出る)

武蔵「勘違いするな。私はお前が逃げようとしているから怒っているんだ。自己満足の為に戦って復讐を果たさずに死ぬことは絶対に赦さない」ギロリ

武蔵(あえて理性を手放し感情をむき出しにする。提督は唯一私に私が女であることを嫌でも自覚させられてしまう人だった。この身を灼く殺意は大和にも負けない)

武蔵「提督の為に奴らを一人残らず皆殺しにしてやれ。それまで私たちは死んではならないのだ。そのためにも、今は寝ろ。明日もっとたくさん殺す為に。いいな?」

武蔵(そんな私に、しかし大和は全く動じない。意に介していなかった。だが、私の言った事はどうやら大和の中で一理あると結論付けられたようだ)

大和「……わかった。寝るわ」

武蔵(くるりと反転してベッドに向かうと、装備を外しただけで着替えもせずに布団にくるまる)

大和「……お休み、武蔵」

武蔵(まるで機械のようだったが、布団の中からかけられたその声には少しだけ感情が含まれていた)

武蔵「ああ。お休み、大和。……っ」ウルッ

武蔵(泣いてしまいそうになったのを必死で耐える。しっかりせねばならない。きっと艦隊中が衝撃を受けているだろうから。深海棲艦は間違いなく深刻な一撃を我々に加えた)
343 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 18:28:12.54 ID:yB8VPiZc0


陸奥「っ……うぅ……」ポロポロ

長門(陸奥は床に座り込み声を押し殺して泣いていた。私はどこか現実感がなく、まるで夢の中にいるように感じていた)

長門「大丈夫か、陸奥」ダキッ ギュッ ナデナデ

長門(私は屈むと陸奥を抱きしめて背中を撫でてやる。陸奥が私を強く抱き返した。かすれた声で囁く)

陸奥「ごめんなさい……ぐすっ……すぐにしっかりするから……」

長門「……」ナデナデ

長門(私は無言で陸奥を撫で続ける。陸奥のようになってしまいそうな私個人を無理やり封印した。頭の中で強引にスイッチを入れる。私は誉れある帝国海軍の戦艦娘、長門だ)

長門(この事はすでに艦隊中に広まっているだろう。大変な事になる。しかし絶対に負けるわけにはいかないのだ。旗艦である私がなんとかしなくては)



瑞鶴「えっ……」

翔鶴(深刻な顔をした看護師さんが持ってきてくれた新聞を扉のところで受け取った瑞鶴がこちらに戻ってくる途中にフリーズしてしまった)

翔鶴「どうしたの、瑞鶴?」

瑞鶴「……」

翔鶴「瑞鶴?大丈夫?……瑞鶴?」

翔鶴(呼びかけに無反応な瑞鶴に私は席を立って瑞鶴のところへ行く。そしてずっと読んでいる新聞に目を向けた)

翔鶴「一体どうした……の……」

翔鶴(『壮烈、提督シンガポールに散る』。最初、その文を読んでもなかなか意味が理解できなかった)

葛城「瑞鶴先輩、翔鶴さん?どうしたんですか」

翔鶴(葛城さんの声も耳に入ってこない。誰よりも早くマリアナにたどり着いた秋月型の子たちと私たちは迫りくる深海棲艦と死闘を繰り広げた)

翔鶴(もう少し他の皆さんが到着するのが遅かったら、負けていたところだった。限界を超えて戦った私たちはなんとか撃退した時にはもうぼろぼろで……)

翔鶴(入渠の為に横須賀へ帰還することを命令された。そこで私たちはこれ幸いと雲龍型の皆さんのお見舞いに来たところだった)

翔鶴(私は、雲龍さんと葛城さんとの間で一悶着あったから……謝罪の手紙は送ったけれど、直接会って謝りたかった。けどそれができないまま雲龍型の皆さんがあんなことに……)

翔鶴(後悔した。もっと早く、何とかして謝りに行っていればと。でも幸いなことに三人とも一命を取り留めてくれた)

翔鶴(けど本土で入院している彼女たちのお見舞いに行くのは難しくて。だから今回の束の間の帰還は本当にいい機会だった)

翔鶴(直接謝ることができて、雲龍さんも葛城さんも私を赦してくれて、久しぶりにとてもいい日だと思ったのに……こんな……これが現実だとは思えなかった)

翔鶴「……!!」サァッ

雲龍「……見せて頂戴、瑞鶴さん」

瑞鶴「……」

翔鶴「っ!!」ハッ

翔鶴(何かを察した雲龍さんが新聞を持っている瑞鶴に手を差し出す。ハッとした。雲龍型の皆さんは全快にむかいつつあるとはいえ、まだベッドから動けないような状態だ)

翔鶴(そんな時にこんな事を知ったら……考えるまでもなかった。この子たちにこのことを知られるわけにはいかない)
344 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 18:31:27.38 ID:yB8VPiZc0
瑞鶴「……」ジッ

翔鶴(瑞鶴が顔をあげて私を見た。その表情は呆然としていて……私のように現実感が無いのだと思う)

雲龍「……翔鶴さん。お願い、見せて」

翔鶴(瑞鶴が反応しないからか雲龍さんが私に対して静かに催促してくる。葛城さんも天城さんも不安そうに私たちを見ていた)

翔鶴「な、何でもないですよ。気にしないで」ニコッ

翔鶴(私は動揺する自分を強引に律してなんとか微笑んで見せる。そんな私を雲龍さんが以前のような敵意を込めた目で鋭く見つめた)

雲龍「何でもないのなら、構わないでしょう?」キロリ

翔鶴「っ」

看護師「失礼します、雲龍さん、天城さん、葛城さん。可愛らしい子たちがお見舞いに来てくれましたよ〜」コンコン ガラッ

秋月「失礼します。あれ、翔鶴さんと瑞鶴さんも来ていらしたのですね」

翔鶴(先程新聞を持ってきてくれた看護師とは別の人が秋月さんと照月さん、涼月さん、初月さんを連れて来る)

翔鶴「あ、あら皆さん。ええ、そうなの。ね、瑞鶴?」

瑞鶴「……」

翔鶴「……っ!!」

翔鶴(つい瑞鶴に話を振ってしまう。瑞鶴はまた新聞に目を落としていた。秋月型の子たちの目が瑞鶴に向いて、反応しない瑞鶴を心配する)

照月「どうしたんですか、瑞鶴さん?何を読ん……で……」ドクン

翔鶴「ま、待って!!」バッ

初月「っ!!う、嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ!!」バッ

翔鶴「ダメ!!待って!!」ガシッ

初月「放して!!」グイッ

看護師「こ、こら!!病院で騒ぐんじゃありません!!」

涼月「……ぇ?」

秋月「し、司令が……?」

雲龍「っ……お願いだからそれを読ませて!!」

天城「お、落ち着いてください、皆さん!!」

葛城「な、何があったの……?」

翔鶴(……その後、騒ぎを聞きつけた他の看護師や警備員まで駆けつけてくるほどの騒ぎとなってしまった。あまりの事態に私も自分が思っている以上に動揺していたみたい)

翔鶴(冷静に考えれば隠すことなんて意味がなかったのに。勿論あの場にいる全員が提督の死のことを知ってしまった)



提督(シンガポールでの戦いは我々の勝利で終わった。敵艦隊は大損害を受けて撤退した。しかし、結局のところ今回は凌げたというだけだ)

提督(これで終わりではない。大事なのはこの後どうするかだ。そしてそれを考えるうえで一番大切なのは情報だった)

提督「……」ガチャッ

深海雨雲姫「ッ……!!」ビクッ

提督「……はじめまして。私は大日本帝国海軍提督だ。会えて光栄だよ。君にはいろいろと聞きたいことがある」

↓×1〜3 深海雨雲姫の反応
345 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:00:13.75 ID:eZMKLmJ0o
自暴自棄で提督に聞かれる度に
関係ないことまでボロボロ話し出す
346 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:16:00.68 ID:TBw4UwCPO
他の深海棲艦から噂程度ではあるが、この男が深海棲艦を次々と凌辱して洗脳した悪魔の男と聞き及んでいる
そのため、自らも辱しめられると思い込んでおり、半ば狂乱気味に早く殺せと拒絶する
347 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 19:29:28.80 ID:6hzq+8vHo
346
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 23:39:26.10 ID:yB8VPiZc0
深海雨雲姫「テイトク!?ソウカ……キサマがアノテイトクカ……!!」ハッ

提督「ほう、私の事を知っているのか?」

深海雨雲姫「エエ、オマエがワタシたちノドウホウを毒牙にカケテ凌辱し、洗脳してミニクイ裏切者にカエテしまうアクマノオトコとイウコトをね!!」ギロリ

提督「っ……そ、そうなのか……」ガーン

提督(深海雨雲姫の話にショックを受ける。まあ……事実……か……いや、でも……と気落ちしている場合ではない。俺は話を続ける)

提督「まあ、そんなことはどうでもいい」

深海雨雲姫「ハァ!?イイワケなイでショ!?ワ、ワタシはソンナふうにナリタクなイワ!!オマエに犯サレテ変えラレルなんてゼッタイにイヤ!!」

深海雨雲姫「キモチワルイ!!ムリ!!生理的ニウケイレラレなイ!!モシそんなコトにナッタラ……ソレハもうワタシじゃなイ!!」

深海雨雲姫「ワタシの皮ヲ被ッタバケモノよ!!オマエにスコシでも慈悲ガあるのナラ!!命ヲカケテ戦ウ者に対して敬意ガあるノナラ!!ワタシのままコロシテ!!コロシテよ!!」

提督「っ……!!」ドクン

提督(深海雨雲姫の言葉は……胸に刺さった。犯されて変えられる……私の皮を被った化け物……)

提督(古いトラウマがフラッシュバックする。……かつて俺は、付き合っていた彼女に浮気された。あの女を本気で愛していた。結婚すると信じていた)

提督(だが……酷い別れ方をしたのだ……毒牙にかけて凌辱し、洗脳して醜い裏切者に変えてしまう悪魔の男……それは俺が浮気相手の男に思っていた事)

提督(そして犯されて変えられる、本人の皮を被った化け物……それはあの女に感じていた事。その時の俺の心情と深海雨雲姫の言葉がシンクロした)

提督「……っ!!」ギリッ

深海雨雲姫「っ……!!」ビクッ

提督(だがしかし!!それとこれとは話が全く別だ!!浮気なんかと戦争にかかわることを同列にされてたまるものか!!)

提督(それに俺は、彼氏や夫がいるような女性に手を出したことも、出そうと思ったこともない!!あんなのと同じにされてたまるものか!!)

提督(俺が情報を吐かせた子たちも、浮気するような最低最悪女とは違う!!好き好んでそうしたのではない!!命の懸かった極限状態で仕方なくだ!!)

提督「……何も話すつもりはないと?」

深海雨雲姫「アタリマエでしょ!?ワタシはゼッタイに同胞をウラギラなイ!!ソウスルぐらいナラシンダホウがマシよ!!」キッ

提督「……わかった。もういい、安心しろ。捕虜を殺すことは国際法違反だ。君たちは適応外だが、国際法に準じて扱われることを約束する」

深海雨雲姫「……ハァ?」

提督「我々は君を殺さないし、私も君が言うようなことをするつもりはない。安心しろ。戦争が終われば帰れるだろう」

深海雨雲姫「……!?」ジッ

提督(警戒と困惑の入り混じった表情で俺を見る深海雨雲姫を部屋に残して出ていく。最悪の気分だったが、決して個人的感情のために止めたのではない)

提督(あれだけ警戒されていたらいつもの手段で情報を得ることは難しい。それこそ、薬物を使用して廃人にしてしまうようなことをしなくてはならないだろう)

提督(それはできれば取りたくない最終手段だ。もちろん、必要となれば躊躇わずにやる。だが、まだその時ではない)



提督「君とは面識があったな、泊地棲姫」

↓×1〜3 泊地棲姫の反応
349 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 00:27:50.86 ID:P6nUeoLao
大鳳ハブられててワロタ

ウォースパイトにかなり手厳しくされたせいか
提督の姿を認める途端に畏怖のあまり
口を噤んで泣いてしまう
350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/02(日) 10:28:03.86 ID:XtV8ShgWO
うえ
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 10:54:49.31 ID:voUlerlJ0
>>349
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 12:25:00.76 ID:WaXHNT3l0
泊地棲姫「……!!」ビクッ サァッ ハイライトオフ

提督(泊地棲姫は俺が部屋に入ってきた瞬間、恐怖の表情を浮かべて俺を見る。その目に光は無く、完全に心の折れた人間の目をしていた)

提督「こうして君に会いに来たのは聞きたいことがあったからだ。敵の戦力、配置、作戦計画。知っていることをすべて話してもらいたい」

泊地棲姫「っ……!!うぅ……ぐすっ……ひっく……!!」ブルブルブル ボロボロボロ

提督「……」

提督(震えながら涙を流す泊地棲姫。どうやら恐怖やら何やらで話もできないようだ。完全に弱り切っている)

提督(あの艦隊の旗艦はこの子だったと言うからな。勝てるはずの戦いで大敗し、多くの部下を戦死させた挙句自らも捕虜になったのだから、仕方がないだろう)

提督(今のこの子に優しくすれば、もしかしたらこの子の心を手に入れることができるかもしれない)

提督(弱り切ったこの子は俺に依存するようになるだろう。そうすれば情報も得ることができるはずだ)

提督(しかし時間がかかるかもしれない。深海雨雲姫にああ言われた直後でアレだが、体を使えばその時間を短縮することができるだろう)

提督(だがその分依存度は深くなり、その後の俺の対応によってはまずいことになる可能性がある)

提督(責任をとる必要もあるし、心が回復した時に完璧に元には戻らないかもしれない。あいつが言ったように、この子を変えてしまうだろう……)

提督(っ……いや、違う……これは寝取りのような、侵してはならない尊いものを穢す悍ましいものではないはずだ……!!)

提督(失恋したり、なにかよくないことがあったりして弱っているところに付け込んで落とす普通の恋愛テクと似たようなことだ……!!)

提督(っ!!ダメだ!!考えるな!!意味のないことだ!!……誰が何と言おうと、俺の中ではちゃんと線引きができている。なら、それでいい)

提督(本題に戻ろう。さて、この子から情報を得るために優しくして篭絡する。しかし時間がかかるかもしれないのがネックだ)

提督(では拷問にかけてみるか?弱り切ったこの子にさらに苦痛と恐怖を与え、それから逃れる術を提示すればそれに縋るはずだ)

提督(これ以上酷い目に遭いたくなければ知っていることをすべて話せ!!そう言えば簡単に吐くかもしれない。さて、どうする……?)

↓×1〜3 提督の行動と泊地棲姫の反応
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 12:54:21.11 ID:voUlerlJ0
今は情報を手に入れることを後回しにし、優しく慰めることで泊地棲艦の信頼を得ることを優先する

泊地棲艦は提督の優しさに絆されかけるが、心の奥底に眠る呵責が散っていった仲間の幻聴を引き起こし、錯乱しながら提督を突き飛ばす
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 13:07:10.84 ID:MLBrvCD3O
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 13:41:29.44 ID:Ulu9kgsao
あくまで紳士的に、優しく扱う
提督に抱きついて怖かった、怖かったと泣きわめく泊地棲姫
子供をあやすように慰めながらなんとか情報を引き出していく提督
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 19:12:58.89 ID:WaXHNT3l0
提督「……」スタスタスタ ダキッ

泊地棲姫「ひっ……!?あぁっ……あぁ……?」ビクン

提督(歩み寄る俺に泊地棲姫は短い悲鳴を上げた。だが俺が抱きしめた瞬間、恐怖の声は困惑のそれに変わる)

提督「大丈夫だ。これ以上君を傷つけはしないさ」ナデナデ

泊地棲姫「……!!」ドクン

提督(深海雨雲姫に乱された心を落ち着かせることができた俺は、相手の事を考える余裕ができた)

提督(目の前にいたのは極限まで追い詰められ、恐怖に震えている女の子だった。これ以上酷い目に遭わせることなんてできなかった。労わってあげたかった)

提督「分かる。君は立ち上がった同胞を捨て置けなかったのだろう?裏切りたくて我々を裏切った訳ではない。違うか?」

泊地棲姫「っ……私は……」

提督(俺の言葉に泊地棲姫が掠れた声を出す。情報を手に入れることは後回しになってしまうが、仕方ない。これは戦争だ。殺し合いではない。可能な限り道徳や人道を尊ばなくてはならない)

提督「逆の立場だったら、俺もそうしていただろう。もういい。終わったんだ。後のことは任せろ。俺が君を守ろう」



泊地棲姫「て、提督……うぅ……」

泊地棲姫(私を抱きしめて撫でてくれるこの人は、私の事を完璧に理解してくれていた。そう、やりたくてやった訳じゃない。でもやるしかなった。しかたなかった)

泊地棲姫(優しい言葉と温かい体温は私の身も心も温めてくれた。私は提督の背中に手を回して抱きしめようとする。その時、声が聞こえた

泊地棲姫 また裏切るのか……

泊地棲姫「!?」

泊地棲姫(そこにいたのは私だった。提督の後ろ、私の目の前に立っている。私を失望と怒りに溢れた表情で見下ろしている)

泊地棲姫 お前はまた裏切るのだな……同胞を……何度目の裏切りだ……?同胞を裏切り……日本を裏切り……そしてまた同胞を……

泊地棲姫(その私が言っていることは冷たい氷の矢のように私の心を貫くと凍らせてくる……そうだ……私の言う通りだ……)

泊地棲姫「わ、私は……」マッサオ カタカタカタ

提督「泊地棲姫?」

泊地棲姫 何故まだ生きている……どうして死なない……同胞たちの死体の山を築いておいて……自分だけ……聞こえないのか……この声が……

泊地棲姫「……ひっ!?」ゾクッ

泊地棲姫(聞こえた。はっきりと。聞き覚えのある声が。もう二度と聞けなくなったはずの声が。死んだはずの私の部下たちの声だ)
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 19:19:31.08 ID:WaXHNT3l0
リ級 ウラギリモノ……オマエのセイで……ワタシハ……ワタシたちハ……アンナところデ死ぬタメにイキテいたワケじゃナイ……

タ級 死にたくなかった……どうして日本を裏切ったの……勝てないって……分かってたはずなのに……

チ級 私たちは裏切りたくなかったのに……貴女たちが……上がそう決めたから……だから私たちは……殺された……

ネ級 ワタシたちヲ死ニ追いヤッテおいて……オマエだけタスカルなんてオカシイ……!!ウランデヤル……コロシテヤル……!! ドチャッ ズルズルズル

泊地棲姫(どこからか、腹部を砲弾に貫かれて真っ二つになってしまったはずのあの子が……上半身だけで落ちてきた。目と口から血を流しながら、私の方へ這ってくる)

泊地棲姫「ぁ……!!」

提督「どうしたんだ?大丈夫か?」

タ級 殺してやる……!! フラフラフラ

リ級 殺してやる……!! ヨロヨロヨロ

タ級 コロシテヤル……!! ズリズリズリ

チ級 コロシテヤル……!! ベチャベチャベチャ

泊地棲姫(頭部が無くなってしまったあの子が、右半身を持っていかれたあの子が、足が取れてしまったあの子が、バラバラになったはずのあの子が、私の方へ……呪いながら……怨みながら……!!)

泊地棲姫「うわぁああああああああああ!!!!」

提督「っ!?」ビクッ



泊地棲姫「く、くるなぁああああああああああ!!!!」ドンッ

提督「うっ!?ぐはっ!!」ドバン ズルズル

提督(突き飛ばされた俺は壁に背中から激突した……尋常じゃなく痛い……咄嗟に受け身の要領で頭を打たないようにはしたが……背骨は無事か……息ができない……)

提督「……」グッタリ
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/02(日) 19:26:01.03 ID:WaXHNT3l0


大鳳(思った通り提督は生きていた。あの人は不死身だから。そして運のない私としては珍しく、幸運にも空母娘が居なかった提督の艦隊へ送る増援として選ばれた)

大鳳(すぐさま提督のもとへ向かい、シンガポールについた私は司令部で提督が深海棲艦への尋問という極秘任務をしていることを知った)

大鳳(私は提督に一刻も早く会いたかった。司令部から捕虜収容所として使われているラッフルズ・ホテルへ移動して特務機関が厳重に隔離している区画へ)

大鳳(そして今まさに取り調べが行われている部屋の前まで来た。護衛の潜水艦娘、イムヤちゃんが驚いて私を見ている)

伊168「あれ、大鳳さん?こんにちは。どうしてここに?」

大鳳「こんにちは、イムヤちゃん。増援で来たんだ。提督は中?」

伊168「なるほどね。そうだよ、まだ泊地棲姫の尋問中」

泊地棲姫「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

提督「っ!?っ!?」

「「!?」」

大鳳(突然、部屋の中で泊地棲姫が大声で叫び始めた。提督が何か言っているのが聞こえる。何て言ってるのかまでは分からないけれど)

泊地棲姫「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」

提督「っ!!」ドバン

大鳳(壁に全力でタックルでもしたかのような大きな物音。イムヤちゃんが扉を開けて部屋に突入する。もちろん私も後に続いた。目に入ってきたのはまず錯乱した様子の泊地棲姫。そして……)

提督「……」グッタリ

大鳳(ドアのすぐ横の壁に背中を預けるようにして倒れている提督だった。ぐったりとしていて、まるで死んでいるように見えた)

↓×1〜3 大鳳と伊168の反応
※深海棲艦に本気で突き飛ばされたら、それは車にはねられたようなもので人なんて簡単に死ぬことは明らかな事を踏まえて




読んでいただいてありがとうございます
間が空いてしまい申し訳ありませんでした……
大鳳の件はこちらのミスです……すいません……どうかご容赦ください
よろしければこれからもよろしくお願いします
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 19:44:31.81 ID:jLHJqyh4O
泊地の様子が尋常じゃないが一時的なものであることを見抜き
大鳳がこれ以上提督に害がいかないよう盾役となって
伊8に提督をできるだけ周囲に気づかれないよう救護室へ連れていかせる
一旦泊地が理性を取り戻したところで
怒りを押し殺しつつ我々が理解できるか尋ね
起こった事実を伝えつつ拘束、提督に何かあったときは
絶対に許さないと伝えて提督の回復を待つ
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 19:47:58.55 ID:Hk08auV2o
太鳳
なんてことをしてくれたんだ、せっかく提督に会えると思って来たのに、絶対に許さない…! と泊地棲姫を突き飛ばし、馬乗りになって締め上げる

伊168
太鳳と一緒に激昂し、泊地棲姫を襲おうとするが潜水艦の性か微かな提督の吐息を感じ、そばに寄って生存を確認する
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/02(日) 19:57:06.63 ID:P6nUeoLao
全然大丈夫です
またあなたの作品が読めて嬉しい
待った甲斐がありました
ご自愛ください



イムヤは提督を部屋の外へ避難させる
大鳳は艤装展開の上で一人泊地棲姫と対峙
尋問を続けようとする
二人は若干頭に血が上っている
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/03(月) 00:38:23.74 ID:JlIql2Z60
伊168「……殺すね?」キッ ニタァッ

大鳳「待って」ガシッ

伊168「っ!?……なんで?」

大鳳(壮絶な笑みを浮かべて泊地棲姫へ跳びかかろうとしたイムヤちゃんを止める。イムヤちゃんは驚くと底冷えするような声でそう聞いてきた)

大鳳「ソ連で見た。たぶんあれは錯乱してるんだ。わざとじゃない。それでも赦し難いけど、殺したら取り返しがつかない」

大鳳「私がやるからイムヤちゃんは提督をお願い。なるべく人の目につかないようにすぐ救護室へ連れて行ってあげて。優しくね」ザッ

大鳳(私は提督の盾になるように泊地棲姫の前に立ちふさがりながらイムヤちゃんにそう頼む。そんな私にイムヤちゃんも従ってくれた)

伊168「そう、わかった。……司令官、良かった、生きてる!!護衛なのに守れなくてごめんなさい……今救護室に連れてってあげるからね」スッ

大鳳(司令官を労わるようにそう囁くイムヤちゃんが提督を連れていく気配を感じながら私は泊地棲姫との距離を詰める)

泊地棲姫「ごめんなさい……ごめんなさい……おねがい、ゆるして……おねがいだから……!!」ズリズリズリ

大鳳「……目を覚ましなさい」ドスッ

泊地棲姫「うぐっ!?おえぇぇ……!!げほっげほっ」ゲボッ

大鳳(腰が抜けたようになりながらも手と足で後退っていた泊地棲姫の腹に足で一撃入れる。泊地棲姫がくぐもった声を出し、蹲って嘔吐した。激しく咳き込む)

泊地棲姫「はぁ……はぁ……あっ……えっ……?」

大鳳(荒い息を吐きながらも正気に戻ったらしい泊地棲姫が呆然とした表情で辺りを見渡して私を見上げた。私は自分を落ち着かせる為に深呼吸する)

大鳳「すぅー……はぁー……私が分かる?」

泊地棲姫「……」コクコク

大鳳「じゃあお前が提督を突き飛ばして殺しかけたことは?」

泊地棲姫「ぇ……ぁ……そ、そんな……あの人は……私を抱きしめてくれて……それで……」サァッ マッサオ カタカタカタ

大鳳(何があったかを理解したらしい泊地棲姫の顔から血の気が引く。体が震え始めた。目を見開いている)

大鳳「とりあえずお前は拘束する。……もし提督の身に何かあったら、絶対に赦さないから」ギロリ

泊地棲姫「…………」ハイライトオフ

大鳳(私の言葉に泊地棲姫は顔を俯ける。目が死んでいた。どうやら提督に優しくしてもらったみたいだけど、その提督を自分が殺しかけた)

大鳳(その事実が泊地棲姫の心を完全に殺したみたいだった。私は部屋にあったテーブルクロスやカーテンで泊地棲姫を拘束する。首を絞めてしまいそうになる衝動と必死に戦いながら)



ウォースパイト「なんですって……本当なの、大将……?」ゾクッ

イギリス海軍提督「ええ、残念ながら。提督は事故に遭って重傷を負ったとのことです。ですがご安心ください。命に別状はないと聞きました」

ウォースパイト「……ごめんなさい、少々失礼するわ」クルッ スタスタスタ

イギリス海軍提督「車を表に待たせてあります。お使いください」

ウォースパイト「ありがとう、大将」
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/03(月) 00:44:33.82 ID:JlIql2Z60


提督(入院する破目になったが、幸いにも俺は後遺症が残るようなことにはならなかった。艦隊の指揮は王立海軍の大将が引き継いでくれた)

提督(俺は交通事故に遭ったことになっている。そうすることができたのもイムヤと大鳳の機転のおかげだ。あの二人がなるべく人に知られないようにしてくれたからなんとかなった)

提督「っ……」ゾクゾクゾク

大鳳「れろれろ、じゅるじゅる」

提督(そんな優秀な部下のうちの一人である大鳳は今、上裸でベッドの上に乗って雌豹のように四つん這いになりながら俺の股間に顔を埋めている。素晴らしい光景だった)

提督(普通に見舞いに来てくれたのだが、キスをして抱き合っているうちに気が付いたらこうなっていたのだ。まったく不思議な事だ)

提督(大鳳の舌がモノを這いまわり、激しく吸われ、喉奥で亀頭を扱かれる。俺の求めるままに快楽を与えてきていた)

提督(俺は大鳳の体のことならなんでも知っている自信があるが、大鳳もまた俺の体のことをなんでもしっているようだな)

提督(それほどまでにすでに俺は大鳳を調教しつくしていた。目の前の少女はすでに俺専用の娼婦になり果てているのだ。男としての本能が満たされる)

提督「上手いぞ。いい子だな、大鳳」ナデナデ

大鳳「んふっ……///」

提督(大鳳の頭を撫でると喜んで体をくねらした。俺はそのまま大鳳の背中に手を這わせ、突き上げられた尻に触れる)

提督(こんなに小さいのに、それでも雌なのだと認識させられる。安産型のそれは子供を孕み産むのに適しているのだと雄にアピールしてきていた)

提督(しかし、小さいのだ。小ぶりなのだ。興奮する。俺は大鳳のミニ袴をめくった。丸見えになったスパッツとそれを透けて見える際どいローライズのショーツ。堪能する)

提督「訂正しよう。こんな下着を穿いて男を誘惑するなんて悪い子だ。お仕置きが必要だな……」ナデナデ

大鳳「んんっ……///」フリフリ

子供「……あれ?」ガチャッ

「「っ!?」」ビクッ

提督(心臓が止まるかと思った。ノックもなしに病室のドアを開けたのは現地の子供だった。きっと家族のお見舞いに来たのだろう)

提督(この病院は軍の専用という訳ではないからな。そして間違ってここのドアを開けたのだ。その子供は俺と大鳳を見ると困ったような顔をした)

子供「ここじゃない……」

提督(そしてドアを開けっぱなしで行ってしまう。一瞬の出来事だった。俺と大鳳が絶句している間に終わった)

提督(部屋を間違えて知らない人がいたからとりあえず逃げる。なんとも幼い子供らしい行動だが……とりあえずドアを閉めなくては)

看護師「That room(あの病室ですよ)」

ウォースパイト「あそこにAdmiralがいるの?」

看護師「はい、そうです」

ウォースパイト「わかったわ、ありがとう」

「「!!」」バサッ

提督(ウォースパイトの余裕のない切羽詰まった声が聞こえた。最悪のタイミングだ!!一瞬でスイッチが切りかわる)

提督(お互いに完璧に分かり合っていた。ドアが開いたままなのだ。大鳳が服を着る時間は無い)

提督(そして他に逃げ場はなかった。大鳳が俺の下半身に抱きつくようにして、俺がはだけていた布団をかける。その直後、病室の入り口にウォースパイトが現れた)
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/03(月) 00:48:24.77 ID:JlIql2Z60
ウォースパイト「Admiral!!」

提督「ウォースパイト、来てくれたのか」

ウォースパイト「当たり前でしょ!?怪我は大丈夫なの!?」

提督「ああ、もちろんだよ。後遺症も残らない。すぐ良くなる」

ウォースパイト「あぁ、良かった……Admiral……本当に良かったわ……!!」ダキッ ギュッ

提督「ありがとう、ウォースパイト。心配をかけてすまない」ギュッ ナデナデ



提督(病室にはお互いを想い合う若い男女をそういう雰囲気にする妖しい力があるのかもしれない)

ウォースパイト「んふっ……はむっ……」ギュッ

提督「んっ……」ギュッ

提督(俺を強く抱きしめていたウォースパイトは落ち着くと開けっぱなしだった病室のドアを閉めて花瓶に持ってきてくれた花を生けた)

提督(もともと大鳳が持ってきてくれたものが生けてあったが、花瓶がとても大きかったこともありウォースパイトが持ってきてくれたものも一緒に生けることができた)

提督(そして事故についての話をしたり作ってきてくれたクッキーと紅茶を頂いたりしているうちに、気が付いたらこうなっていたのだ)

ウォースパイト「れろれろ……んちゅっ……」ムニムニ

提督「っ……」ギンギン

提督(俺はウォースパイトと抱き合いながら濃厚に舌を絡ませていた。甘いジャムの味。ウォースパイトがその美しい双峰を押し付けてくる)

提督(ウォースパイトが全身全霊で俺への愛を表現してくれていた。夢見心地だ。しかし、忘れてはいけない。俺の足元にはずっと大鳳が隠れている。ずっとその体温と息遣いを感じていた)

提督(本来、こうしている場合ではない。だが抗えなかった。ここまで俺を想って心配してくれたウォースパイトにキスを求められて、断れるわけがなかったのだ)

↓×1〜3 もちろん提督とウォースパイトの行動を完全に把握している大鳳の心情と行動
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 01:06:26.42 ID:RODEl9y+0
自分と提督の時間に水を差し、なおかつスタイルにも差があるウォースパイトに敵愾心を抱き、そんな女にデレデレしている提督にも苛立っている
眼前の光景によって嫉妬と悪戯心を掻き立てられたため、ウォースパイトに気づかれないように激しい口淫を繰り出した
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 01:13:33.04 ID:X6UN6Hm8o
このまま提督を搾り取ってしまおう
フェラで最大限に勃起させた後
持ち前の体の柔軟さをいかして
変則的な背面座位でハメる
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/03(月) 01:36:15.50 ID:9gZgdTZmO
ウォースパイトとのキスやペッティングに合わせて
提督から伝わる興奮に抑えが効かなくなり
口淫を提督の昂りにシンクロさせて行っていく
提督がウォースパイトをイカせてしまうか
いっそ二人とも相手してしまう程に獣欲を
解放してでも自分の貰うべきご褒美を譲るまいとする
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/04(火) 02:31:37.05 ID:yK/R9bnX0


大鳳「……」

大鳳(……せっかくお見舞いに来てくれたウォースパイトさんを無下に扱えないのはわかる。私も別にさっさと追い返して欲しいとは言わないし、そもそも思っていない)

大鳳(ウォースパイトさんは大事な戦友だし。でも……これは酷いと思う。提督は私の事を忘れてしまったんじゃないかと思うくらい放置されていた)

大鳳(提督がウォースパイトさんに押し倒されたような体勢で抱き合いながらディープキスしているのは布団の中からでも気配で分かる。すっかり二人の世界だ)

大鳳(こんな酷い扱いに加えて、私の顔のすぐ近くにある暴力的なまでに雄々しい偉容を誇るソレと、ソレからただよってくる濃厚な雄の匂い。もう我慢できなかった。私はそれに触れる)

大鳳「……」スッ ピトッ

提督「!!」ビクッ

大鳳「……」ナデナデ ネトォ

提督「……!!」ゾクゾク

大鳳(提督が体を反応させた。私は構わずびくつくそれを撫でる。その先端からはとろりとした粘液が新たに染み出ていた。提督、ウォースパイトさんとして興奮してるんだ)

大鳳「……」モゾモゾ

大鳳(私は体を少し起こす。バレてもいい。コレは私のモノだ。ウォースパイトさんに譲るつもりはない。再びソレを咥えた)

大鳳「あむ」

提督「っ!?」ビクン

大鳳(提督が私の行動に気が付き、腰を捩る。さりげなく私の頭を手で押さえてきた。でも止めない。むしろウォースパイトさんに体をすり寄せられて反応するソレ合わせて口淫を激しくする)

大鳳(提督の欲情を煽るために。提督がその気になればウォースパイトさんをイかせて私の相手をしてくれるだろう)

大鳳(最悪、ウォースパイトさんと一緒でもいい。久しぶりだもの。この機会を逃すつもりは無かった)



提督(もはや大鳳はバレるかもしれないことなどお構いなしに俺のモノをしゃぶっていた。もしウォースパイトが布団が盛り上がっていることに気が付いたら終わりだ)

提督「っ……!!んっ……」ギュッ

提督(俺はウォースパイトが気が付かないように抱きしめ、ただただ唇を貪る。ウォースパイトはすっかり発情していた)

ウォースパイト「A, Admiral……!!はふっ……んちゅっ……」スリスリ

提督(俺に覆い被さり、甘い声音で俺を呼びながらひたすらに舌をからませてきていた。胸が俺の体に押し付けられてつぶれている)

提督(なんというシチュエーションだろう!!ウォースパイトとキスし、その柔らかい双峰を存分に堪能しながら隠れている大鳳にフェラされている)

提督(背徳的な快楽が甘く脳を蕩かせてきた。まるでウォースパイトと大鳳をそれぞれ裏切っているようで……)

提督(もちろん大鳳は例の話を知っているし、ウォースパイトにも話そうとした。断られたが、きっと察しているのだろう。しかし知る機会を与えた。隠してはいない)

提督(二人ともその上で俺を愛してくれていた。想ってくれていた。だからこれは他人が何と言おうと裏切りでは……浮気ではない)

提督(しかし、自分が絶対に赦せないことに近いことをしているという自己嫌悪と赦されない快楽が混じって……麻薬のようだった)



ウォースパイト「……!!」

ウォースパイト(ふと、視界に入ったそれに気が付く。白い袖の裾の方が布団から飛び出ていた。Admiralのにしてはサイズが小さすぎる。そして謎の白い布も。どこかで見覚えがあった)

↓×1〜3 提督と大鳳がベッドの上で男女の営みをしていた時に大鳳が脱いでそのままベッドの上に置いておいた上着と腹掛けを見つけたウォースパイトの反応
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 03:29:09.81 ID:gzT9GE7io
布団をはいで大鳳へ耳打ち
どちらがよりAdmiralに愛してもらえるか競いましょう、と

提督をどかし乙女2人はベッドに横並びに寝そべる
正常位でくぱぁを見せつけ怒張を誘う
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 06:58:30.93 ID:wZCbU4cLO
大鳳が何をしているのかを察した上で提督が
この異常なシチュエーションに高ぶって尚
甲斐性を発揮している様子に雌の本能が即売陥落しそうになる
ただオールドレディとしてのプライドが鎌首をもたげて
私を半端な扱いで満足させようとしたことを後悔させてあげるわと
提督を技巧で堕とそうとする

結果自分が我慢できなくなって
大鳳と共に滅茶苦茶にしてもらおうと嘆願する
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/04(火) 07:13:39.86 ID:5q8Hwfwxo
369
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/06(木) 23:57:02.88 ID:oPXJKyaV0


ウォースパイト「……」ニコッ ズルッ

提督「っ!?」

提督(ウォースパイトが微笑みながら何かを布団の中から引きずりだした。俺はそれを見て心臓が止まりそうになる)

提督(それは大鳳の着ていた服だ。艦娘の服は独特なものが多い。何か意味があるらしいが、専門ではないので詳しくは知らなかった)

提督(それもその一つだった。腹掛けに似た形状のそれは大鳳のような美少女が素肌に着ると非常に官能的だった。特に惜しみなく晒された脇や横乳が)

提督(それが、ウォースパイトに見つかった。ウォースパイトが視線を俺の下半身の方へ向ける。もはや止められない)

提督(先程までと違い大鳳は俺のモノを咥えているために誰かが中にいることが一目瞭然な膨らみができてしまっていた。それを一瞥するウォースパイト)

ウォースパイト「……」ジッ

提督(そして俺に視線を戻すと感情の読めない瞳でじっと見つめてきた。そのまま俺の耳に口を寄せると囁いてくる)

ウォースパイト「Admiral……私は貴方を信じていいのよね?」

提督(努めて平静を保っているが、それでも微かに震えている声。ウォースパイトにとって俺が他の女性とこういうことをしている所に遭遇するのは初めてだ)

提督(なんとなく察しているのと実際に目の当たりにするのは全く違う。迷いや不安を抱くのも当然だろう。俺はウォースパイトを引き倒す)

ウォースパイト「っ」トサリ

提督「……もし君が俺の元を去るというのなら、無理に引き留めてはいけないと思っている。だが君のいない人生なんて考えたくもない」ダキッ

提督「ずっと君と一緒に居たい。俺は君が幸せになってくれるよう全力を尽くす。幸せにしてみせる。だから、信じてくれ。いや、俺を信じろ、ウォースパイト」ギュッ

ウォースパイト「……!!んっ」ゾクゾク キュン

提督(ウォースパイトを抱き締めながら俺の想いを伝える。ウォースパイトは返答の代わりに俺に口付けしてきた)

ウォースパイト「んちゅっ……れろれろ……」ダキッ ギュッ
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 00:00:25.81 ID:+ACd1s4C0
提督(俺の首元に手を回し強く抱きしめると俺の舌へ自らの舌を絡ませてくる。それはつまり受け入れてくれたということで……深い安心感と極上の喜びが心の奥底から湯水のごとく湧き上がってくる)

ウォースパイト「っは……Admiral, 貴方が義務を果たすと信じているわ。私に後悔させないで。貴方を愛したことを。信じたことを。私の全てを捧げたことを」

提督(ウォースパイトがキスを中断して俺の耳元に口を寄せると震える声でそう囁いてくる。それは明確に俺が他の子とも関係を持つことを認め……)

提督(そしてその上でウォースパイトの全てを俺に捧げてくれるという発言だった。あのウォースパイトが)

提督(プライドが高く負けず嫌いで、英国人らしく容赦のないところもある高貴で美しい女性がここまでするほどに身も心も俺のモノとなっているという事実に絶頂してしまいそうだ……!!)

提督「誓う。決して君を後悔させない」

ウォースパイト「……んっ」コクリ

提督(俺は信念を込めて返答する。ウォースパイトが頷いた。キスを再開する。俺はウォースパイトのスカートの中に手を入れた)

提督(緻密な装飾を施された最高級品のショーツの手触りを堪能しながらヒップを揉み、秘所の柔肉をこねくり回す。薄布越しに感じるウォースパイトの体温)

提督「……」スッ ツゥー

ウォースパイト「んぅん……!!はむ……れろれろれろ」ビクッ

提督(割れ目を指でなぞるとウォースパイトの腰が跳ね、色っぽい吐息を漏れる。ショーツがしっとりと濡れた。俺は本能のままにウォースパイトの愛撫を続ける)

提督(それと同時に大鳳をフォローすることを忘れない。純粋な放置プレイや最初からそのつもりで大鳳の前で他の子と肌を重ねて嫉妬を煽るプレイなら問題ない)

提督(しかし今はそうではない。大鳳としていたのに後から来た他の女にかかりきりになってしまうというのは大鳳からすると自分より他の女を優先したように感じて面白くないだろう)

提督(最悪、大鳳の心は俺から離れてしまう。俺が大鳳のことをただ想っているだけではいけない)

提督(大鳳に俺がちゃんと大鳳を見ているということを認識してもらわなくてはならないのだ。俺はウォースパイトへの愛撫を続けつつ片手を布団の中に入れ、大鳳の頭を撫でる)
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 00:19:46.36 ID:+ACd1s4C0


提督「……」ナデナデ

大鳳「!!」ピクッ

大鳳(提督の手が布団の中に入ってきて、私の頭を撫でる。提督はちゃんと奉公する私を忘れていない。気にかけてくれてる)

大鳳(それだけですっかり私は幸せになってしまった。我ながらちょろい女だと思う。でもいいんだ)

大鳳(提督は私がちょろいからってぞんざいな扱いをしたりしないから。むしろ提督が私を大切にしてくれるから私はちょろくなっちゃったんだ。責任をとってもらわなくちゃ)

大鳳「にゅるにゅるにゅる……れろ……はむはむ」ダキッ ギュッ スリスリスリ

提督「……」ピトッ ナデナデナデ

大鳳(私は口に提督のを咥えながらその下半身を強く抱きしめる。太腿に頬を擦り付けた。反対側の頬を提督の手が撫でてくれる。ただただ提督のことが愛おしかった)



提督「っ……」

大鳳「んぐっ……!!おごっ……!!んちゅっ……じゅるるっ……」ゾクゾクゾク

ウォースパイト「No, いや、ダメ……!!そんな、胸と同時なんて……!!さきっぽ摘ままないで……!!あぁっ!!声でちゃうからソコはそんな強くしちゃダメ……!!」キュンキュン

提督(横になりながらウォースパイトを後ろから抱くようにしつつ服をずらして露にさせた胸を揉みしだき、その先端を虐める)

提督(そして下着の中に手を入れ、蜜が溢れてくるそこを撫で、割れ目を指でなぞり、硬くなったソレを責め、中に指を挿入する。ウォースパイトは必死に耐えていた)

提督(それと同時に快楽のままに腰を突き上げ、大鳳の咥内を犯す。苦しそうにしながらも喉奥でモノの先端を締め上げ、快楽を奉げてくる大鳳)

提督(後でたくさんご褒美をあげなくてはな……っ、そろそろ限界だ……!!俺はギリギリまで快楽に耐えるためウォースパイトへの手淫を激しくする……)

提督(とばっちりを受けることとなったウォースパイトが悲痛な嬌声をあげながら体を捩らせた……くぁっ……!!もう出る……!!たまっていた分、たっぷりと……!!耐えられない!!)
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 00:20:24.20 ID:+ACd1s4C0


ウォースパイト「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ビクビクビク

提督「くぁっ……!!」ビュルルルルルルルルルル

大鳳「んぶっ……!!」ビクン

大鳳(提督の腰が震えながら突き出されたことで限界を察した私はウォースパイトさんの押し殺した嬌声を聞きながら濃厚な精液を口で受ける)

大鳳(喉奥に熱いそれがぶちまけられた。最初はうっとなってしまったそのにおいと味も今や麻薬のように私の脳髄を甘く蕩かす)

大鳳「ごくん……じゅるるるる……んくんく……」

大鳳(喉に絡みつくそれを飲み込む。愛する人のモノが喉を通る感覚に陶酔する。そして尿道に残ったものも吸い出し、一滴も余さず堪能した。ごちそうさまでした)



ウォースパイト(快楽に理性も思考もかき消されてしまった。絶頂で病院中に響くような嬌声をあげてしまいそうなのを手を咥えることでなんとか耐えきった)

ウォースパイト「はぁ……はぁ……っ……♡」ギリッ キュンキュン

ウォースパイト(少し後、ようやく理性と思考が戻った私は余韻に浸りつつも屈辱感に苛まれていた。愛撫だけで……絶頂させられてしまうなんて……)

ウォースパイト(けれど、それと同時にもうこの人に支配されたいという欲求に駆られる。Admiralのような最高の男性に引き倒されて、男らしく引き締まった筋肉質な体に抱きしめられて)

ウォースパイト(そして耳元でああ囁かれて、強い口調で命令されて……女の本能がこの人を主と……自分より上だと認めて受け入れてしまっていた)

ウォースパイト(心に生まれた不安と迷いはとっくに消え去っている。しかし自尊心が傷つけられてしまった)

ウォースパイト(この私を、英国中がオールド・レディと尊敬する私を半端な扱いで満足させようとしている)

ウォースパイト(Admiralの隣に立つにふさわしいと実績を挙げて証明した私にそんなことをしようとしていることが赦せなかった……後悔させてやる……!!)
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/07(金) 00:45:20.82 ID:+ACd1s4C0


大鳳(結局、私は布団の中に隠れていたのをウォースパイトさんに見つかった。あんなことしてバレていない方がおかしいけど)

大鳳(その後、いろいろあってじゃんけんに私らしく不運にも敗北した結果、提督とウォースパイトさんの情事を見せつけられることになってしまった。まあ、それはそれで興奮するけど)

大鳳(提督に自分のしたことを分からせると言ったウォースパイトさんは手で扱き、口で咥え。胸で挟んで提督を責め、絶頂させようとした。それに対して提督ももちろん反撃した)

ウォースパイト「ごめんなさい、Admiral……もう分からせようとしないから……!!私が分からせられたから……!!だからお願いします……イかせてください……私を無茶苦茶にして!!」

大鳳「……」

大鳳(その結果がこれだった。胸を揉みしだかれ、勃起してしまったそこを抓られ、秘所をかき回されていた。提督の性技の前にもはや完全に屈服させられてしまい、お情けを求めて媚びている)

提督「いいだろう、ウォースパイト。お前の望み通りにしてやる」

大鳳(それから始まったのは蹂躙だった。ウォースパイトさんは提督に口を塞がれて、手で激しく責め立てられている)

大鳳(淫らな水音とくぐもった嬌声が部屋を満たしていた。ウォースパイトさんが絶頂しても提督は全く手を止めない)

ウォースパイト「っ〜〜〜〜〜〜!!〜〜〜〜〜〜!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ギュゥゥ ビーン

大鳳(ウォースパイトさんがシーツを掴んで体をピンと張っていた。恐怖を感じる光景だ。なのに、どこかでそうされてみたいという破滅願望のような欲求が心を擽る)

大鳳「はぁ……はぁ……」クチュクチュ



大鳳「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ビーン ビクビクビク ギュゥゥ

提督(俺の腕の中で大鳳が何度目かの絶頂を迎えた。腰が突き出され、潮を吹く。俺の腕を掴む手に力が込められた。目が完全にイってしまっている)

提督(涙を流しながら見開かれており、正気の光が完全に失われており焦点があっていなかった)

提督「まだまだ終わらないぞ?ご褒美にウォースパイトにしたのと同じことをして欲しいと言ったのは君だからな?」ズッチュズッチュズッチュ

大鳳「〜〜〜〜〜〜!!〜〜〜〜〜〜!!〜〜〜〜〜〜!!」

提督(俺の言葉も今の大鳳には届いていない。しかし大鳳のような小柄な子の口を押えて激しく責め立てているとまるで犯罪だな……ぞくぞくする。犯罪者になった気分で大鳳を凌辱し続けた)



帝国海軍中将「先の作戦はよくやってくれた。諸君らが到着して以降にアフリカを発った敵船団の八割以上を補足、撃破することができた」

帝国海軍中将「枢軸国は経験豊富なアフリカ軍団のおよそ二割を喪うこととなった。このことは来るべき欧州における戦いにおいて必ずや生きてくれるだろう」

帝国海軍中将「これもすべて君たちが身の危険を顧みず勇敢に戦った結果だ。その戦い様は前帝国海軍の模範となるべきものであった」

帝国海軍中将「諸君らはその奮戦に対して相応しい栄誉を受けることになるだろう。私の方からも推薦する。……諸君らを深海棲艦と侮り蔑んだこと、謝罪する。本当に申し訳なかった」

↓×1〜3 彼が自らの差別的な振舞いを後悔し、心から申し訳なく思っていることは確かに感じられた空母棲姫たちの反応
※彼が提督を良く思っていないことを深海棲艦たちは知らず、嫌な目で見てきたこと以外に特に差別的な事はされていなくて、実際に指揮されて彼が優秀であることを認めていることを踏まえて
377 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 01:17:11.15 ID:pbI93Kwa0
表向きはこれくらいはできて当然という尊大な口振りだが、滲み出る嬉しさは隠し切れない
少し調子に乗って更なる戦果を約束する
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 01:35:21.68 ID:72XHo5rGo
気にしていないと返す
あくまで上司と部下の立場を徹底して
差し障りのないように振る舞う
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/07(金) 02:42:11.39 ID:UdVvnqk/o
337
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/08(土) 02:23:13.19 ID:8Sk2CVxU0
空母棲姫「我々は気にしていませんから中将もお気になさらず」

帝国海軍中将「そうか……そう言ってくれるとありがたい。では本題に入ろう。我々はナポリの軍港とLa Regia Marina 主力へ攻撃を仕掛ける」

帝国海軍中将「その目的は二つある。一つ目は南極から侵攻してくる敵に対処しなくてはならない状況でイタリア軍が何か余計な事をする余力を奪うこと」

帝国海軍中将「そして二つ目は地中海の制海権を確固たるものとして地中海を航行する輸送船団の安全をより強固なものとすることだ」

帝国海軍中将「休む間もなく次の戦いとなってしまい申し訳ない。だが、やらなくてはならないのだ。そして君たちならできると思っている」

戦艦棲姫「ええ、もちろん。おまかせください、中将。この程度、あの頃と比べたらどうってことありませんわ」

戦艦水鬼「海が誰のものなのか教育して、イタリア人が二度と海に出てこられなくなるようなトラウマを植え付けてあげましょう」



イタリア「……ここにいたのね」

ポーラ「あ、イタリアさん、ローマさん、 Buon Giorno〜」

ザラ「 Buon Giorno!!どうしたんですか?」

イタリア「 Buon Giorno. 話さなくてはいけないことがあるの……」

「「?」」

ローマ「……ポーラ。貴女、ナポリ出身だったわよね?」

ポーラ「は〜い、そうですよぉ〜イタリアで一番美しいところですぅ。 ” vedi Napoli e poi muori(ナポリを見てから死ね)” っていうでしょう?」

ローマ「っ……」

イタリア「……あのね、ポーラ。落ち着いて聞いて……」

大日本帝国海軍の深海棲艦がナポリに攻撃をしかけた。攻撃を受けたナポリの軍港は壊滅し、民間人やナポリの歴史的な街並みにも被害が出てしまった
しかし民間人と街の被害の規模から考えて空母棲姫たちは可能な限り民間人を巻き込まないように配慮したのだろう
それに、こういう場合は誰であっても民間人や街への被害を皆無に抑えることはできないことは分かっている
それでも、あまりにも衝撃的な出来事だった。残酷な現実と向き合うときが来てしまった。アフリカの戦いは終わり、次の戦場はイタリアだ。自分たちの故郷で悲惨な戦闘が行われるのだ

↓×1〜3 イタリア、ローマ、ザラ、ポーラの反応
※特にポーラはナポリ出身で家族や友人たちの安否を確かめることも難しいということを踏まえて
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 07:24:41.07 ID:Q9rOPIpS0
皆改めて自分達が戦争をしていることを実感する
イタリアとローマはいずれ提督達とも対峙しなければならないことも考え、故郷と提督を天秤にかけることに葛藤を覚える
ザラはポーラを気遣ってなんとか慰めようとするが、逆にいたたまれない空気になる
ポーラは他の三人に笑って誤魔化そうとするが、悲しみを抑えきれずに涙を流しながら笑みを浮かべてしまう
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 07:57:27.26 ID:1Jb4pJrBO
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/08(土) 08:07:45.45 ID:JqoZBgUOO
>>381+
ポーラは日本や提督への意識が
可愛さ余って憎しみに変化
自分の言動を容認してくれた人や場所が
大好きだったからこそ今回刺し違えてでも
自分が味わった気持ちを味わわせようと狂気に近い感情を抱く
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 15:27:38.55 ID:5UTls3al0
ザラ「そ、そんな……」

ポーラ「……。ナポリが…… Papà…… Mamma……」

ザラ「ポ、ポーラ……きっと大丈夫よ」

ポーラ「そ、そうですよね。大丈夫……きっと大丈夫……だからポーラも〜大丈夫ですよ、ザラ姉さま。……あ、あれ?なんでぇ……」ツゥー ポロポロポロ

ザラ「っ……ポーラ……」ダキッ ギュッ

ポーラ「ザラ姉さま……本当に、大丈夫ですからぁ」カタカタカタ

イタリア「……戦争ってどういうことなのか、いつの間にか忘れてたみたい」

ローマ「……私たちの故郷が今まさに敵に滅ぼされそうになってる。こんな所でこんな事していていいはずないわ。戻って戦わなくちゃ」

ローマ「私たちはイタリアの為に戦ってる。ここで連合国と一緒に深海棲艦と戦ってるのもイタリアの為」

ローマ「私たちが活躍すれば、連合国のイタリアへの態度が軟化して講和できる。そう信じていたわ」

ローマ「なのにその連合国がイタリアを攻撃するなら……やるしかないじゃない……たとえあの人を敵に回すことになっても……」

イタリア「……」



『夫婦は食人鬼どもが暴虐の限りを尽くしたスエズ・アレクサンドリアの戦いで最愛の一人娘が行方不明になって以降、造船所に顔をだしていた

しかし今度は食人鬼のしもべとなった深海棲艦がナポリを破壊し尽くし、夫婦もその犠牲となった。このような悲劇を赦していいのだろうか?これこそがイタリアが戦う理由である!!』

ポーラ「……」

ポーラ(それはファシスト党が発行したプロバガンダの記事でした。添えてある写真は私が日本からイタリアに帰った時に撮ったもの)

ポーラ(マンマがポーラを抱きしめて、パパがマンマとポーラを抱きしめている。写真の中の両親とポーラは幸せそうで……)

ポーラ「……っ」ジワァ ツゥー

ポーラ(『夫婦もその犠牲となった』……頭の中が真っ白になって、心臓と背骨が冷たく恐ろしいものに握られる感覚)

ポーラ「ぅ……ぁ……あぁ……」ポロポロポロ

ポーラ(信じられませんでした。もう二度とパパとマンマに会えないなんて……そんなこと……あっていいはずない……!!)

ポーラ「あぁああああああああああ!!わぁああああああああああん!!」

ポーラ(感情のままに泣き叫ぶ。家に帰りたい。パパとマンマに会いたい。ただそれだけでした)

ポーラ(なのに、それはもう二度と叶わない……ポーラは永遠に一人ぼっちになってしまいました……どうして……なんでポーラのパパとマンマは……殺されたの……?)

ポーラ「ひっく……ひっく……っ……!!」ギリッ

ポーラ(それは日本がナポリを攻撃したから……なんで……それは日本が地中海まで侵攻してきたから……提督が、あの日スエズを陥落させたから……!!)

ポーラ「て……いとくぅ……!!」ブツ タラリ

ポーラ(憎い……憎い……日本が……提督が……ポーラのパパとマンマを殺した敵が……!!)

ポーラ「だいすきだったのに……あいしていたのに……絶対に赦さない……!!私と同じ気持ちを味合わせてやる!!」キッ
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 15:34:37.33 ID:5UTls3al0


港湾夏姫「サクセン終了ね。テキはホトンド警戒してイナカッタみたい。テイコウらしいテイコウもナカッタわ」

港湾夏姫「ココをキョテンにインド洋でツウショウ破壊サクセンがオコナワレル。敵ノ継戦ノウリョクをソグ為に。まだショウブは決まってイナイわ」

空母水鬼「……」

港湾夏姫「……ソンナしけた顔シテナイデ楽しみマショウよ。ミテ、なんていいテンキ!!キオンもチョウドイイ暑サ♪夏ヨ!!」

港湾夏姫「シバラクは敵も攻めてコナイデショウ。何カ動キがアルまでノンビリマッタリとスゴセルわ。アナタも疲レテいるデショ?」

港湾夏姫「まりあな諸島ノタタカイでの奮戦ぶりハ聞イテイルわ。シッカリと休養ヲトッテ次ノ戦イに備エマショウ」

空母水鬼「……そんな気分になれません。むしろどうして貴女はそんなに能天気になれるんですか……私たちは全力でマリアナ諸島を攻めたのに、落とせなかったんですよ?」

空母水鬼「つまり敵艦娘の船渠を破壊する手段は完全に失われたということです。作戦計画は破綻しました」

空母水鬼「後はあの時のようにゾンビの如く撃破しても撃破しても治療と修理を終わらせて戻ってくる敵と絶望的な戦いを続ける羽目になる……」

空母水鬼(そうです……もう勝ち目はありません……私は勝ち目があるから頑張ったんですよ……そもそも、もともと乗り気じゃなかったんです……なのに周りに流されて……)

空母水鬼(その結果がこれです……あとは奇跡を祈って死ぬまで戦う?そんなの御免です。そのための誇りも何もかもかつて降伏を受け入れたあの時、ゴミ箱にダンクシュートしました)

空母水鬼(私は死にたくない。ただそれだけです。ごめんなさい。私が馬鹿でした。ちょっと雰囲気に流さちゃっただけなんです。ほんと、あの時の私はどうかしていました)

空母水鬼(もう二度としません。日本最高!!融和万歳!!ヨーロッパで戦わされるのもこれに比べたらマシです。喜んでいってきますとも)

空母水鬼(でも、今更そんなこと言って降伏しようとしても受け入れてもらえるかどうか……不幸にも私たちは東南アジアで一人殺っちゃってますし……)

港湾夏姫「ダイジョウブよ。コンカイは攻メキレなかったケド、ツギがアルわ。ソレニ、まりあなジャナクテも他にもイクツカ候補地があるモノ」

空母水鬼「へぇ……じゃあ候補地のどれか一つでも攻め落とす算段はあるんですか?もう奇襲攻撃はできないし敵の戦力も万全の態勢になっちゃってますけど」

港湾夏姫「ッ……諦メナケレバ必ずカチメはアルわ。テキノ船渠ヲセンリャク爆撃機のコウゾク距離内に捉えサエスレバ、私タチのホウがツヨイのダカラ勝テルモノ……」

空母水鬼「そうですか」

空母水鬼(その敵の船渠を戦略爆撃機の航続距離内に捉えることが無理ゲーなんですけどね。……決めました。降伏します。相手の靴を舐めてでも生き残ってやります)

空母水鬼(今、この戦線にはあの人が……提督がいる。考えうる限り最高の状況です。あの人を頼ればきっと命だけは助かるはず)

空母水鬼(あの人、ちょっと怖い顔してるくせに降伏さえすれば命は助けるとかいう甘々の甘ちゃんですから、何とでもなるでしょう)

空母水鬼(といってもさすがに今回は提督以外がちょっと赦してくれないかもしれないので、私に用意できるだけの手土産を用意しなくちゃいけませんね……)

空母水鬼(そうです、このパースがいいでしょう。ここを無血で明け渡せば流石に提督以外も私の命まではとろうとしないはず。それどころかなかなかいい待遇も期待できますね♪)

空母水鬼(それでも万が一ダメそうな場合は……この体を使ってでも生き残ってやりますとも。提督はあの人……確かセンカンセイキって呼んでましたっけ?)

空母水鬼(あの人を抱いたっぽいし、シンカイセイカンだって気にせずイける質の人なんでしょう。あの人、美人ですし。英雄色を好むとも言います)

空母水鬼(それなら、私はこんなに可愛いから絶対大丈夫です。それにあの人かっこいいし、私的にもOKです。あの人と体の関係を持てば多少無茶をしてでも私を守ってくれるはず)

空母水鬼(すくなくとも、このまま絶望的な戦いを続けるより遥かに生き残れる可能性が高いです。……となると、この人……邪魔ですね)

空母水鬼「……♪」ニコッ

港湾夏姫「?」ニコッ
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 15:40:40.11 ID:5UTls3al0


オーストラリア海軍士官「Bloody hell(なんてことだ)……パースが深海棲艦に占領された……奴らめ、いままで放置していたのに方針を変えたようだ」

パース「……えっ」ドクン

オーストラリア海軍士官「短期決戦に失敗して持久戦に切り替えたのだろう。奴らはあそこからインド洋の船団を狙っているに違いない」

オーストラリア海軍士官「幸か不幸か戦力不足のためほぼ無防備だったことで街はほとんど被害を受けていなかった。しかし、住人は街に監禁されているらしい」

オーストラリア海軍士官「今はもう沈黙しているが、当初は街の無線通信施設が生きていたんだ。助けを求める連絡があった……」

オーストラリア海軍士官「猟犬と呼ばれている奴らの陸上型生物兵器が、攻撃こそしてこないらしいが街を包囲していて内陸に脱出できないらしい」

オーストラリア海軍士官「攻撃以前までに住人の半分は内陸に疎開していたが、残り半分は留まっていた。我々はその半分を人質に取られた」

パース「ぁ……そ、そんな……」サァッ

パース(わ、私の両親も……残っていた……疎開してと言っても、父は警察官として街に残る義務があると……母も父を置いてはいけないと……)

オーストラリア海軍士官「大将はパースを攻撃するつもりだ。王立海軍の東洋艦隊の主力も既に到着している」

オーストラリア海軍士官「しかしパースには陸上型深海棲艦の港湾夏姫が居座っていて、拠点化されている……」

オーストラリア海軍士官「攻撃するとなれば、おそらくパース市街も壊滅的な被害を受けることになるだろう……」

パース「……!!」カタカタカタ



ウォースパイト「……残念だけれど、他に手はないわ。パースの敵を放置することはできないもの」

パース「っ……」

ウォースパイト「インド洋の船団が危険にさらされれば戦況はより厳しくなる。我々は大西洋と太平洋でなんとか深海棲艦の攻勢を食い止めたわ」

ウォースパイト「けれど、こちら側の被害も大きい。態勢を立て直すのに莫大な量の物資が必要よ。その物資が不足すれば、態勢を整えるのに時間がかかる」

ウォースパイト「その前に敵が態勢を整えて再び攻撃を開始したら、今度こそ負けてしまうかもしれない。そうなればどんなに酷いことになるか言わなくても分かるでしょう?」

ウォースパイト「パース。あえて言っておくけれど、我々イギリス人は決してパースの人々をオーストラリア人だからと軽んじている訳では絶対にないわ」

ウォースパイト「できれば助けたい。無傷でパースを解放したい。当然よ。でも……無理なものは無理なの」

ウォースパイト「時にはより多くを救うために、救うことを諦めなくてはいけないこともある……どんなに辛く苦しく悲しくとも」

パース「……。ど、どうしようも……ないのですか……?あそこには……私の両親もいるんです……!!両親のい、命を……諦めるなんて……できません……!!」ジワァ ポロポロ

ウォースパイト「……悲しけれど、これが戦争なの。パース、何があっても貴女はひとりぼっちにはならないわ。私もいる。それだけは忘れないで」ダキッ ギュッ ナデナデ

↓×1〜3 生まれ育った故郷が、そして大切な両親の命が風前の灯であるのにもはや何もできないパースの心情と行動
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 15:57:55.84 ID:po6Qwwv30
ウォースパイトの慰めがパースの無力感と隠していたコンプレックスを刺激してしまい、怒りと悲しみをウォースパイトにぶつけてしまう
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 16:21:48.95 ID:jIcgT8aOo
387
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 17:02:19.79 ID:iTXHrvQeO
上2
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 17:05:50.98 ID:tVVSiZATO
怒りをウォースパイトぶつけるが
二人で街や住人の様子について
感情をぶつけ受け止める中で
深海勢が虐殺を行わないことに
違和感を覚える
向こうの目的が何なのかを知るべきと
皆で考える時間を設けにかかる
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 17:08:48.08 ID:tVVSiZATO
駄目元で
書いたコンマが
高コンマ

だけど加速の
壁に弾かれ

チーン
392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/09(日) 20:35:30.60 ID:5UTls3al0
パース「っ……なにがひとりぼっちにはならないですか……私もいるですか……貴女なんかにそんなこと決めつけられたくない!!」バッ キッ

ウォースパイト「っ!?パ、パース……」タジッ

パース「父と母だけなんです、私の家族は!!兄は戦死しました、前の対深海棲艦戦争で!!祖父母ももういません!!」

パース「私の肉親は父と母だけなんです……父と母が居なくなったら……私は、天涯孤独の身になってしまう……」

パース「両親はまだ生きています……なのに、助けられないと……これが戦争だ、仕方のない犠牲だと……よくもそんなことが言えますね!?」

ウォースパイト「っ……」

パース「貴方なんかに私の気持ちを少しだって理解できない!!英国貴族様なんかに分かってたまりますか!!」

パース「貴女のご両親は何処にいるのですか!?深刻な命の危険にさらされていますか!?ロイヤル・ファミリーは!?他の英国貴族の方々は!?」

パース「ああ、まだグレートブリテン島に残っているそうですね!?ご立派な事です!!庶民を捨て置いてカナダに疎開なんてできないと!?」

パース「そんなのドイツ軍がドーバーを越えてくることなんて不可能だって分かっているからでしょう!!」

ウォースパイト「っ」ズキン

パース「仮にあそこで包囲されているのが陛下だったとしたら!?あるいは貴女のご両親だったら!?構わず攻撃するのですか!?いいや、絶対にしない!!」

パース「もし私たち一家が貴女のご実家のような由緒正しい英国貴族の家系だったなら……父と母を助ける為になんでもできるのに……」

パース「攻撃を中止させて別の方法を考えさせることだってできるのに……!!オーストラリアなんて片田舎の庶民の娘には……両親を犠牲にされても何もできやしないんだ!!」ダッ

ウォースパイト「……」



ウォースパイト『だって……せっかく久しぶりに会えたのよ?もちろん、大怪我しているから入れてもらうのは無理だと思っていたけど……』

ウォースパイト『でも、愛撫だけですまされてしまうのはあんまりでしょう?口でしてもらうのも嫌いじゃないし、せめてもう少し時間をかけて欲しかったの……』

大鳳『目の前であんなによがり狂わされている様を見せつけられたら、そんなに凄いんだって気になりますよ……』

大鳳『ああいう風にされてみたいって思っちゃったんです……ほんと、クセになったらどうしてくれるんですか……』

提督(そう言って拗ねたウォースパイトと恨めし気な大鳳との情事の跡を看護師に怒られないように悪いとは思いながらもウイスキーをベッドに零すことで誤魔化した日からひと月が経った)

提督(十分に回復した俺は軍務に復帰することになった。ABDJ司令部に向かって道を歩く。とある非常に興味深い情報について考えながら)

パース「Oh!?」ドン

提督「うっ!?っ!!ぐっ……!!」ダキッ ギュッ ドサリッ

提督(すると突然曲がり角を飛び出してきた少女が俺にタックルするようにぶつかってきた。勢いがつきすぎていた為にそのまま二人で倒れてしまうのは避けられない)

提督(咄嗟にそう判断した俺は少女を庇うように抱きしめながら倒れる。息が詰まり、鈍い痛みが襲ってきた)

提督「つぅ……だ、大丈夫か……?」

パース「っ!!て、提督……申し訳ありません……!!」ハッ サァッ ポロポロ

提督(その少女はパースだった。目を見開き、とんでもないことをしてしまったというような表情をする。だが、そんなことはどうでもいい)

提督「どうしたんだ、パース?何故泣いているんだ」

↓×1〜3 図らずも抱きしめられる形となった上に提督にそう心配されたパースの反応
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:11:34.11 ID:po6Qwwv30
ひとしきり提督の胸で泣いた後、自らの胸の内を吐露する
394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:44:57.49 ID:sTriy+OVO
戦死した兄を温もりに感じてしまい
似つかない上にアジア人の筈の提督に
図らずも全ての感情をぶつける

我に返った後に照れ隠しや複雑な感情を全て込めて
パースを奪還し両親を救ってくれたら
あなたを認めてあげると提督に宣言する
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:47:49.47 ID:Do2lcgcTo
394
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/09(日) 21:47:52.05 ID:vQKQJZoyO
提督にすがる
奇跡を起こせるのなら起こして私の両親を救ってくださいよと
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/10(月) 00:12:29.74 ID:aqav88IS0
コンマ参加したいってずっと思ってたけどいざ書こうと思うと中々思い浮かばんな、コンマ内容書く人もそれを踏まえて話作る>>1も凄いわ
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/10(月) 08:22:04.82 ID:4UHjbj6bO
難しく考えないでみたいシチュ書き込めばいい感じにしてくれるんじゃね
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 02:31:29.30 ID:5nPO5uhV0
パース『ぐすっ……ひっく……』ポロポロ

兄『どうしたんだい?何で泣いてるのかな』ダキッ ナデナデ

パース「……!!」

パース(なんでだろう……思い出した。遠い昔、まだ私が幼いころの兄との思い出……友達が引っ越しちゃって泣いていた時、こうやって抱きしめて慰めてくれた……温かい……)

パース「うぅ……うぅうううう……うぅううううううううう……!!」ダキッ ギュッ ポロポロポロ

提督「っ……だ、大丈夫か……?」オロオロ

パース「パ、パパとママが……死んじゃうんです……!!パース市で敵に包囲されてて……大将はあそこを攻撃するって……そんなことしたら、街は壊滅するのに……みんな死んじゃうのに!!」

提督「!!」

パース「おじいちゃんとおばあちゃんたちはとっくに死んじゃいました……お兄ちゃんも対深海棲艦戦争で……帰ってこなかった……!!」

パース「私の家族はもうパパとママだけなんです……!!でも、もう助けられないって……まだ生きてるのに……!!」

パース「なのに私には何もできない!!どうして!?なんで!?なんで助けられないんですか!?嫌だ……嫌だよぅ……!!助けて……お願いだから……パパとママを助けて……」



提督「……」ナデナデ

パース「うぅ……ぐすっ……うぅうう……ひっく……」ギュッ

提督(俺はパースの頭を撫でる。パースは俺の胸に縋る様に上着を強く握りながら嗚咽を漏らしていた。自分の力じゃどうしようもできない残酷な運命に悲嘆し、絶望している)

提督(残念ながら、世の中にはどうしようもないことは存在する。嫌でもそうするしか方法はないというのは珍しくない)

提督(特に、我々のような戦争で指揮を執る立場の人間には。大将の決断は間違っていない。パースの敵は早急に撃破しなくてはならない)

提督(たとえ包囲されている民間人に大きな被害が……死者が大勢出ようとも……勝利の為に、より多くを救う為に)

提督(この哀れな少女にできることは、慰め、時が傷を癒すまで寄り添い、見守ることだけだ……本来なら。だが、今回に限ってはそうではない)

提督「パース……任せろ。私が君の両親を救ってみせる」

パース「……っ!?」ハッ

提督(俺のその言葉に一拍遅れて驚愕の表情で俺の顔を見上げるパース。縋るような目で俺を見つめてくる。俺はある機密情報をパースに話した)

提督(それはパース市を攻撃した深海棲艦の一人、空母水鬼が彼女の艦載機を利用し、俺個人に連絡を取ってきたことについてだ)

提督(空母水鬼は降伏したいということだった。彼女は降伏の障害となるパース市にいたもう一人の鬼・姫級である港湾夏姫を粛清したらしい)

提督(だからこのことが敵性深海棲艦側にバレる前にパース市まで艦隊を率いて来て欲しい。そうすれば戦わず降伏するからということだった)

提督(もしこれが本当なら、パース市は無傷で解放できる。パースのご両親も助かるだろう。しかし、もし罠だったら……)

提督(例えば話し合いの為に敵の懐に入ったところで一斉攻撃されでもしたら、致命的だ。そうなれば全体の戦況に深刻な影響を及ぼすだろう)

提督(だがあえてそのことは話さない。その必要はない。この話に乗ることはほとんど決まっていた。そして今この瞬間に確定したのだ)
400 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/11(火) 02:42:20.41 ID:5nPO5uhV0
パース「ほ、本当ですか……?本当に私のパパとママを助けてくれるのですか?」

提督「もちろんだ。任せてくれ」

パース「……!!んちゅっ」ダキッ

提督「!?」

提督(俺の返答に感極まったように顔を綻ばせたパースが、なんと口付けしてきた。俺の首に腕を回し、強く抱きつきながらそのぷるんとした瑞々しい唇を惜しみなく押し付けてくる)

提督(パースの爽やかな匂いが鼻腔を満たす。初々しいプレッシャーキスをつい堪能してしまった)

パース「んふっ……んん……っ!!っは……っ……」バッ カァッ キロリ

提督(暫くして我に返ったらしいパースがはじかれた様に唇を離す。顔を真っ赤にして俺を恨めし気に睨んでいた)

パース「言った事は取り消せませんよ……!!パースを解放して、私の両親を助けなさい!!そうすれば貴方を認めます。いいですね!?」キッ

提督「武士に二言は無い。素敵なお礼も前払いで頂いてしまったからな」ニコッ



提督(俺は司令部につくと早速、緊急作戦会議の招集をかけた。そして空母水鬼のことを報告し、各国の代表と議論する。勿論、簡単にまとまるような話ではない)

提督(しかし事態は急を要する。俺は自国民を守るためなら藁にも縋りたいオーストラリア代表の士官を味方につけ、王立海軍の大将とオランダの提督をなんとか説得する)

提督(その結果、空母水鬼の提案を受け入れることが決定された。しかしこれが罠だった場合のことを考え艦隊は沖合で待機し、万が一の場合でも先制奇襲攻撃を受けることが無いようにする)

提督(そしてパース市へは今回の件の責任者であり、空母水鬼のご指名でもある俺が一人でむかうことにした。話をつけ、敵を武装解除させるために)

提督(もしこれが罠だったら俺は確実に捕まるか、あるいは殺されることになるだろう。この話をした伊勢や吹雪、ウォースパイトたちも強く反対してきた。しかし、その可能性は限りなく低い)

提督(空母水鬼は理由がどうあれ、日本が対深海棲艦戦争の終わりの時、降伏した深海棲艦を報復を望む他国の干渉から手厚く保護したことを良く知っている)

提督(そしてそれは、主にほぼ唯一といっていい親深海棲艦派の俺の努力の結果であったという事も。そんな俺を騙して捉えたり、殺したりすればどうなるのかよく分かっているはずだ)

帝国海軍士官「提督、時間です」

提督「ん、ありがとう。さて、行くとするか」



空母水鬼(提督から私の話に乗るという連絡があってすぐに、邪魔な反対派を粛清しました。あいつがいなくなったと騒ぎ始めていましたからね)

空母水鬼(そうなるだろうとは思っていたのですが、あいつと二人きりになれるチャンスはほぼないのであそこでやらざるを得なかったんですよ)

空母水鬼(ほんと、間に合って良かったです♪罪悪感なんて全然ありません。私が良ければすべて良し、です♪)

空母水鬼「♪」スイー

空母水鬼(そして今、私は提督の要求に応えてまさか反対派が粛清されたとは思ってもいない賛成派をパースに待機させて提督を迎えに単身、非武装で合流地点へ向かっていました)

空母水鬼「ふふっ♪」ニコリ

空母水鬼(笑いが止まりません♪全部うまくいきました!!こんな幸せな気持ちになるのは久しぶりです♪私は生き残ったんだ!!)

空母水鬼(あれもこれも全部提督のせいですけど、提督のおかげです。あいつが居なければそもそもこんな目に遭っていなかったかもしれません)

空母水鬼(でもあいつのおかげで殺されずに済む!!もうほんと大好きです、提督♡特にその甘々でちょろすぎるところが♪)

空母水鬼「お、見えてきましたね」



空母水鬼「お久しぶりです、提督」ニコリ

提督(装載艇に一人で乗り込み合流地点で待っていると、時間通りに空母水鬼が現れた。装載艇の前まできて、甲板に立つ俺に対して微笑みながら挨拶してくる)

↓×1〜3 提督の反応
401 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 04:47:44.55 ID:4pP1h+6io
隠退させられる直前、駆逐古姫は共に行動していた主力級の深海棲艦の装備や艦載機へ細工を施していた
それにより空母水鬼らの性格を把握していた提督
艦載機を利用し、瀕死ながら生き残った港湾夏姫や数名の反対派との意志疎通の上保護済
彼女らの証言から既に空母水鬼の目論見はバレていた

出迎えから粛々と反対派の残党狩りを終えるまで終始笑顔満面な空母水鬼を
回復した港湾夏姫らと共にどう堕としてやろうかと内心ワクワクしている
402 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 05:38:24.95 ID:UCKiXNSlo
401で
403 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/11(火) 08:05:55.23 ID:Otd5dyMTO
にこやかな空母水鬼に対してあくまで険しい態度を崩さない提督
空母水鬼はそんな提督の態度に不安になり余裕がなくなってくる
404 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 14:26:10.08 ID:4oruE9kQ0
提督「久しぶりだな、空母水鬼。早速で悪いがパースへ向かいたい。いいか?」

空母水鬼「もちろんです、提督♪エスコートしますね」

提督(俺の言葉に空母水鬼が満面の笑みを浮かべた。俺は空母水鬼にエスコートされながらパース市へと向かう)

空母水鬼「今のパースはちょうどいい感じですよ♪ジメジメしてなくて程よい暑さです。海水浴とかどうですか?」

提督「海水浴か……カディス以来だな。是非ともと言いたいところだが、しかし今は他にやるべきことがある。全て終わったらの楽しみにしておこう」

提督(その間、空母水鬼は積極的に俺に話しかけてきた。内容も、まるで戦争なんてしていないかのような平和で普通な事柄だ。俺は努めて胸の内を隠し、話をする)

提督(いつの間にか空母水鬼の口調がどこかくだけた感じのある敬語になっていたせいで……まるで学校で後輩と話しているかのような印象をうけるな)

空母水鬼「その心構えは凄いと思いますけど、ちゃんと休んで気分転換しなくちゃ擦り切れちゃいますよ?たまにはやりたいことやってリフレッシュしなくちゃだめです」

提督「そうだな……確かに君の言う通りだ」

空母水鬼「ですよね?一段落したら少し泳いじゃいましょうよ♪少しなら大丈夫です!一緒に行きましょう?」

提督「わかった。前向きに検討しよう」

提督(こうして話していると、やはりこの子は表面上は社交的で人懐っこく、それこそ可愛い後輩といった感じだ)

提督(しかし俺は知っているぞ、お前の本性を。それを知ることができたのは、駆逐古姫のおかげだ)

提督(彼女は状況がきな臭くなってきたときから鬼・姫級のことを密かに警戒し、監視していたのだ。例えば部屋はもちろん装備や艦載機にまで細工をし、盗聴器を仕掛けるなどの方法で)

提督(そしてそれで得た情報は駆逐古姫から俺にも回されていた。目の前で笑う空母水鬼の本性は、極めて利己主義的なのだ)

提督(自分の目的を達成するためにあらゆることをこなす器量の良さと行動力がある。それがたとえ多くの人が罪悪感抱いたり、躊躇したり、できなかったりすることでも)

提督(必要であれば息をするように嘘を吐くことができるし、相手を謀略に嵌めたり、実際にして見せたように共に戦った仲間を粛清することだってできる)

提督(そんな本性を隠して、普段は俺がそう感じたように魅力的に振舞うことができるのだ。まるでサイコパスだ)

提督(しかし、彼女はそれに近いものはあっても世間一般的に定義されているサイコパスではないだろう)

提督(空母水鬼は決して良心や慈悲心、共感力を持ち合わせておらず、罪悪感がないわけではない)

提督(ただ、覚悟があるのだ。罪悪感を抱いても、躊躇っても、やりたくなくても、目的の為に必要ならやるという覚悟が)

提督(今回の場合は降伏して生きるために、同胞を裏切った。罠など何も無い。空母水鬼は死にたくない。本当に、ただそれだけだったのだ。”あの子”からそう聞いた)

提督「……」ジッ

空母水鬼「♪」

提督(俺は前を行く空母水鬼の後姿を見つめる。いかにも上機嫌で……計画がうまくいったと喜んでいるのだろう。生き残れたと)
405 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 14:33:41.54 ID:4oruE9kQ0
提督「っ……」ギリッ ギロリ

提督(つい俺は怒りと殺意を込めてその背中を睨みつけてしまう。感情を殺しきれなかった。それが……それが我々を裏切り南洋諸島でムラクモを死に追いやっておいて……)

提督(戦況が悪化して勝てそうにないから『死にたくないのでやっぱり止めます。ごめんなさい赦してください。命だけはどうかお助けを』と頼むときの態度か……!?)

提督(もちろん、殺したくて殺したわけではないことは分かっている。空母水鬼は同胞の為に立ち上がって戦ったのだろう。それは理解できる)

提督(俺も自分の中に渦巻く激情を抑えなくてはならない。だが抑えきれない。覚悟していたはずだ。殺すのなら殺される覚悟を)

提督(泊地棲姫や装甲空母姫のように尽くすべき所で尽くした上で捕虜となった相手であれば、裏切者だろうとはいえ敬意を持てるし、前向きに情状酌量することもできる)

提督(だがこいつは戦況が悪くなったら死にたくない、生きたいと……あんなことしておいて、よくもぬけぬけと……しかもまた卑劣な裏切り行為を犯してまで!!)

提督(……しかし、感情は赦したがらないが理性では理解できる。同じ状況に置かれたら誰だって死にたくないと思うだろう。浅ましくも慈悲を乞いたくなる気持ちも分かる)

提督(こちら側も人道的、道徳的、倫理的に考えてそれを受け入れなくてはならないだろう。これは戦争なのだから)

提督(だが、だ。自らの行為を後悔し、申し訳なさそうに俯き、涙を流しながらというのなら分かる。だが、助かったと満面の笑顔を浮かべ、喜びを隠さずにいるのはどういうことだ?)

提督(何人も死に追いやっておいてその態度は赦し難かった……こいつならそういった事に頭が回りそうだが、今はそういった配慮ができないくらい余裕が無いのだろう)

提督(それでも、赦さなくてはならない。かつて、俺はウォースパイトにこれが戦争である限り、降伏した相手に復讐するようなことはしてはいけないといった。その言葉をひるがえしはしない)

提督「ふっ」ニタァ

提督(しかし、あの時と根本的に違うことがある。こいつは叛乱罪を犯した卑劣な裏切り者だ。法律に則った正当な処罰をする必要がある。ゾクゾクした。俺は残酷な気持ちで微笑む)

提督(こいつのこの笑顔がどうなるのか楽しみで仕方がない。これだけ生に執着しているのだ。きっと素晴らしい反応を見せてくれるに違いないだろう)



ヲ級「んーーーー!!んんーーーーーーーー!!」ドサリ ジタバタ

「「「「!!」」」」

空母水鬼「ほら、ちゃんと生きていたでしょう?安心してください、殺すつもりは本当にないです。ただ、日本軍に引き渡すだけですよ」

空母水鬼(パースに到着し、武装解除して降伏の手続きをする直前になって騒ぎ出した愚か者を拘束して反対派たちのように地下牢に閉じ込めます)

空母水鬼(あの子、反対派の……南極の子たちを殺したと疑っていましたけど、あいつ以外は殺してないです)

空母水鬼(生き残るためとはいえ、同胞を殺したいわけないじゃないですか。あいつのことだって殺したくありませんでした。でも、仕方なかったんです)

空母水鬼(日本人たちが駆逐棲姫と深海双子棲姫と呼ぶ子たちが脱走して以来、南極の子たちは一度日本に降伏した私たちを信頼しつつも警戒するようになってしまいましたから)

空母水鬼(あいつも私の動向を気にかけていたんです。秘密裡に事を進める訳にはいきませんでした)

空母水鬼(かといって他の子たちにしたように呼び出して拘束監禁してしまうとあいつは指揮官だから必ず誰かが行動を把握しているでしょう)

空母水鬼(私に呼び出された後に行方不明になれば私が疑われます。あの時点では日本が降伏を受け入れてくれなかった場合の事を考えなくてはなりませんでした)

空母水鬼(それに加えて日本と連合国の攻撃前に事を為さなくてはいけないという時間的制約。突然のチャンスになんの備えもなかった私はあいつを殺してしまうしかなかったんです)

「「「「んんーーーーーーーーーー!!」」」」ギロリ

空母水鬼(監禁している子たちが一斉に騒ぎ始めました。口を塞がれているから何と言っているかは分からないです。まあ、何となく予想はできますけど)

空母水鬼(それにしても一番長い子でもう一週間監禁されてますが、元気なものですね。水は毎日飲ませていますが、食べ物はあげていないのに)

空母水鬼「今はみんな私の事を憎い、殺してやると思っているでしょう。ですが、いつか必ず私に感謝するようになりますよ。私のおかげで死なずに済んだと。では、また後で」ニコリ
406 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/13(木) 14:38:50.15 ID:4oruE9kQ0


提督(空母水鬼との形式的な会談の後、俺はABDJ司令部を代表してパースの深海棲艦の降伏を受け入れた。パース市の行政当局に非公式に接触し、そのことを説明して後のことを任せる)

提督(そしてパースにいた降伏に賛成していた深海棲艦たちを武装解除した上で共に沖合で待機しているABDJ艦隊のもとへ向かい、合流する)

提督(その中の、オーストラリア海軍の通常艦の旗艦の上で改めて空母水鬼と各国の代表との間で正式に会談が行われ、降伏が受け入れられた)

提督(深海棲艦たちは抑留されるために艦隊の一部と共にシンガポールへ向かい、残りのABDJ艦隊は解放の為にパース市へ向かう)

提督(そして今まさにパース市へ到着したところだ。この時にはすでに市民たちは事態を把握していた)

提督(数えきれないほどのパース市民が港に来て艦隊を大歓迎している。歓声が響き、音楽が演奏されていた)

提督(政治的な理由からオーストラリア艦隊が先頭だった。艦娘がそのまま上陸し、軍艦からはオーストラリア軍の高官たちが降り立ち、続いて兵士たちも続々と上陸していく)

提督(そしてイギリス、オランダ、日本と続いた。もっとも、これまた政治的な理由から日本から送られたのは巡洋艦が一隻のみで、上陸したのはごく一部の高官だけだったが)

提督(武装した艦娘の部隊が空母水鬼が監禁していた反対派を逮捕しに向かっていく。オーストラリア人たちは互いに抱き合って喜んでいた。パース市は無事に解放されたのだ)



帝国海軍提督「少しぐらい出席してもよろしいのではありませんか、提督?」

提督「私もそうしたいところだが、例のことでやるべきこともあるのだ、少将。後のことは頼んだぞ」

帝国海軍提督「わかりました。お任せください」

提督(パース解放翌日に行われた式典に出席した後、パーティーには欠席し俺はシンガポールへむけて出発する)

提督(空母水鬼の件でやらなくてはいけないことがあるからだ。本当なら深海棲艦が抑留されるためにシンガポールへ向かったときに同行したかった)

提督(しかし立場上、降伏文書に署名したり式典に参加したりしなくてはならなかったのだ。それらが終わり、俺は後のことを通常艦隊の司令官である少将に任せ港へ向かう)

提督「……!!」

提督(我々日本に割り当てられた一流ホテルのロビーに降りると一人の少女が立っていた。明るい金髪の前髪の一房を三つ編みにして、後ろ髪をシニヨンにしている)

提督(きつく口を結び、眉をつり上げているために若干気難しそうな印象を受けもするが、昨日泣きながら両親と抱き合っていた時のような年相応の顔を見た後では大人ぶっている子供のようでかわいいものだ)

パース「!!」

提督(そのアメシストのような瞳が俺を捉える。そこに居たのはパースだった。パースがロビーで立っていた)

↓×1〜3 
提督が有言実行とはなんたるかを存分に示したことを踏まえてパースの心情と行動
※提督がすぐに行かなくてはいけないことは把握しているが、少しなら時間を取れるはずとも思っている
407 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 17:14:37.82 ID:A8cnIPjNO
人目も憚らず提督へ熱烈なキスハグを浴びせる

今まで日本人を憎んできたが
提督の様な人もいるのだと思うとそんな感情も若干は和らいだ
故郷や自分の家族が救われたのは提督の働きによるものが大きい筈なのに
決して偉ぶりもせずその先の事を見据えて行動する様は自分のみならず軍人にとっての模範そのものだと讃える

その栄誉の対価には最早キスだけでは足りない
両親も熱意に負け自分の全てを提督に捧げることを許してくれた
ウォースパイト様に負けない位提督を守る事を誓う
顔を真っ赤にしてそう宣言しきるパースの瞳は興奮や嬉しさから涙を湛えては溢れさせている
408 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/13(木) 19:15:38.49 ID:gvSpvB52O
自分の偏見や価値観が粉々になってしまい
この人を認めようとか軽んずべき人種だとか
考えていた自分に馬鹿馬鹿しさを感じて
全ての想いをこの人に体ごと受け止めてもいたい

せめて今できることとして自分の
全霊を込めてのハグとキスを提督にぶつける
お兄ちゃんと呼ばせて欲しいこと
時間とれたら絶対連絡してほしい
色んなものを守ってくれた恩を幾らでも
この体を使ってでも返したいと伝える
409 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/13(木) 21:09:43.90 ID:T5k4r/3iO
407
410 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/14(金) 04:01:05.91 ID:E6bxByWR0
パースたんのエロシーンは提督が時間無いって理由で淡白というか短くなってしまうん?ちょと悲しい…
411 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/16(日) 13:44:48.38 ID:MPE0TiY70
パース「提督!!」パァッ ダッ

提督「やあ、パース。どうしたんだ、こんな所で?」

パース「んっ……ふぅ……」バッ ダキッ チュッ

提督(満面の笑みを浮かべたパースは人目もはばからず俺に抱きつき、首に回した手を後頭部に添え、優しく、しかし素早く俺に下を向かせて唇を奪ってきた)

提督「んっ!?」

提督(完全な不意打ちだった。強く抱きしめられ、その発育途中なはずなのに十分に女らしい柔らかな体が押し付けられる)

提督(前から思っていたが、特にその胸はこの子が成人していないとは信じられない程に豊かだ。将来が楽しみすぎる)

パース「っ……ぺろ……」ギュッ ムニムニ

提督(パースが微かに口を僅かに開いた。熱い舌がおっかなびっくりと俺の唇を這う。パースの髪からは爽やかな女の子の匂いがした)

提督「……!!」

提督(俺は、つい何もできなかった。暫くしてパースがようやく口を離す。至近距離で見つめあっていた。真っ赤に染まった顔、潤んだ瞳、まるで恋する少女だ)

パース「……パーティーに出ないと伺いました。シンガポールへ向かわれると。本当ですか?」

提督「ああ、そうだ」

パース「っ……何故そんなに急いでここを発つ必要があるのですか?もう一日ぐらい時間をとることはできないのですか?」

提督「パース市は無事解放することができたが、戦いはまだ続いている。帝国海軍の提督としてやらなくてはならないことがあるんだ。申し訳ない」

提督(庇護欲を掻き立てるような表情を浮かべ、懇願するように囁いてきたパースにそう返答した。パースは目を見開くと顔を伏せてしまう)

パース「っ!!……さすが提督です。パース市解放の立役者は貴方だというのに、決して偉ぶりもせずその先の事を見据えて行動する様は正に軍人の鏡です」

パース「それに比べて私は浮かれて……パーティーに貴方が来ない、どうか来て欲しいという事だけを考えていました……ダメですね……」

提督「そんなことを言わないでくれ。パーティーだって大切なことだ。何かを成し遂げた時にそれを祝うのは重要な事だし、張りつめたままだと切れてしまう」

提督「そして何より君はダメなんかじゃない。立派な艦娘だ。シンガポールでの戦いぶりは素晴らしかった。君は間違いなく超一流の実力の持ち主だ」

パース「……!!あ、ありがとうございます……!!提督にそう言って貰えるなんて……私……嬉しい……っ!?」ツゥー ポロポロポロ フイッ

提督(パースが顔をあげ、俺を見る。喜びに表情を綻ばせた。目いっぱいに溜まっていた涙がついに溢れてしまう。パースはそんな自分に驚き、顔を背けると手で目元を拭う)

提督「っ!?だ、大丈夫か!?」

パース「すいません……大丈夫です、気にしないでください……っ……」

提督「これを使ってくれ。一度も使っていない綺麗なやつだ」ゴソッ スッ

パース「っ!?そんな、ほ、本当に大丈夫です!!提督のハンカチを汚すわけには……」

提督「女の子の涙をそのままにしてはおけない。特に、君のような素敵な子なら尚更だ、パース」

パース「提督……すいません。ちゃんと綺麗にしてお返しします」

提督(初めは遠慮していたパースだったが、俺の言葉に申し訳なさそうに差し出されたハンカチを受け取った)

提督「気にしないでくれ。君にプレゼントするよ。いらなければ捨ててくれて構わない」
412 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/16(日) 13:52:43.05 ID:MPE0TiY70
パース「えっ……!?頂いてしまって本当によろしいのですか?」

提督「もちろんだ」

パース「……!!ありがとうございます、大切にします……!!不思議な柄ですね」

提督(まるで宝物のように俺から受け取ったハンカチを握りしめ、じっと見つめるパース。ふとそう呟いた)

提督「和柄……日本の伝統的な模様なんだ。気に入ってくれるといいのだが」

パース「とても綺麗です。……私は日本人を憎んでいました。日本が嫌いでした。でも、提督のような人もいると知って……好きになれるかもと思うことができました」

提督「っ!!……ありがとう。とても嬉しいよ、パース」

パース「……提督、I love you」スッ ジッ

提督「!?」

提督(再び奇襲を受ける。ハンカチでサッと涙を拭いたパースが必死な表情で顔をあげると俺を見つめた)

パース「残酷な運命に絶望していた私に提督は私の両親を助けると言ってくれて、そして本当に私の故郷と家族を……私の全てを救ってくれました」

パース「もう私には提督以外考えられない……!!あの日、提督は言いましたよね?つい、キ、キスしてしまった私に、素敵なお礼も前払いで頂いてしまったと」

パース「でもキスだけでは提督が私にしてくれたことに対して全く釣り合いがとれていません!!だから……」

パース「ど、どうか……どうか私の全てを受け取ってください。私はこの身も心も提督に捧げます」

提督「パ、パース……!!」ドキドキ

パース「両親も分かってくれました。私の、提督への想いと恩を私の全てを捧げて返したいというこの決意を」

パース「ウォースパイト様とのことももちろん存じ上げております。私は、そういう関係でなくてもいいんです」

パース「ただ、お側に居させて頂ければ……提督のお役に立てれば……それで幸せなんです。きっとウォースパイト様にだって負けないくらい、提督のお力になって見せます」

パース「オーストラリア育ちの力は伊達じゃない!!あらゆるものから貴方を守るナイトとなります!!ですから、どうかお願いします……!!」

提督(顔を真っ赤にし、声を震わせながらもそう言い切ってみせたパース。確固たる意志を感じた。覚悟していた。応えないわけにはいかなかった)

提督「……そこまで思ってくれて本当にうれしいよ、パース。ありがとう。君の気持ちに応えたいと思う。だが、一つだけ条件がある」

パース「っ!!何なりとお申し付けください。必ずその条件を満たして見せます」

提督「畏まらず、ありのままの君を見せてくれ」

パース「畏まらず、ありのままの私……ですか」

提督「ああ、そうだ。もはや君と私の間にはとても強固で深い信頼関係がある。なのにいつまでたっても他人行儀では寂しいだろう?」

パース「っ!!もちろんです。わかりまし、……分かったわ、提督。ちょっとまだ慣れ……ないけれど、努力します」

↓×1〜3 ウォースパイトと提督の関係は北アフリカでの一件以来、イギリスの艦娘の間では公然の秘密だった。風のうわさで提督がパースと浮気していると聞いたイギリス艦娘からそのことを伝えられたウォースパイトの反応
413 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 14:36:47.19 ID:wubuB2/8O
パースの様子を知っているだけに
にわかには信じがたいと思うも
一方で提督の夜を含めた様々な手腕を思い返し
あの娘も提督の前に牝と化したのねとむしろ感心する
その上でやはり彼の一番になることの
難しさとそれを成し遂げた時の喜びに心を震わせる
414 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/16(日) 15:06:32.45 ID:tn2HKPtY0
イギリス艦娘の手前平然を装いながら「この私と恋仲である提督がオーストリアの田舎娘にうつつを抜かす訳がないでしょ?」
と信じないそぶりを見せる

しかし内心は、自分達が見捨てるしか無かったパースの故郷と両親を救った提督はまさに白馬の王子様の様に移ったに違いないと
パースと提督の関係を疑う

彼個人の事をよく知って見極めなさいと言った事、その後日本や提督への印象はどう変わったかを尋ねる口実にしパースと2人きりで話をしようと決意する
パースたんのエロシーンはよぉ!(ノシ ‘ω’)ノシ バンバン
415 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 15:14:30.77 ID:AlvDWbef0
例の一件以来、パースと距離を取り続けていたが、その間に提督と関係を構築していたことに衝撃を受ける
あの一件のあてつけなのかという勘繰りと内心ではノーマークだったパースに屈辱的な噂をたてられたことに嫉妬する
416 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/02/16(日) 17:10:36.28 ID:tn2HKPtY0
415ええなこれ
417 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/16(日) 18:55:44.55 ID:MPE0TiY70


ウォースパイト「……そう。分かったわ、ありがとう」

ウォースパイト(取り繕っているけれど、私の中では感情の嵐が吹き荒れていた。あの日以来、私はパースと顔を合わせられていなかった。いろいろと思うことがある)

ウォースパイト(あの時、私はパースの事を思いやっていた。自信をもってそう言える。でも、私には彼女のご両親を助けることはできなかった)

ウォースパイト「……」ギリッ

ウォースパイト(その当てつけが、これだというの……?なんて酷い……私はできる限りのことをしてあげようとしたのに……)

ウォースパイト(あの子のご両親を助けられないことを心から悔しく、申し訳なく思っていた……決して望んであの子のご両親を犠牲にしようとしたわけじゃない……)


ウォースパイト(冷静に考えれば分かるはずなのに……なのにあの子はまったくそんなこと考えもせずにこんな噂を……今や私は恋人に捨てられた哀れな女と思われている……)

ウォースパイト(屈辱だった。Admiralのしていることは理解しているし、受け入れている。それでも、あの人ももう少し配慮してくれていいのに……)

ウォースパイト(そして何よりあの子が……パースが憎かった。いつの間にAdmiralとそんな関係を構築していたなんて……泥棒ネコめ……赦せない……!!)

↓×1〜3 パースのこの件に関する心情と行動
例)
冷静に考える余裕ができたことでウォースパイトの事情を理解し、あの時の自分の行動を申し訳なく思っている。提督の事を想ってはいるがウォースパイトから提督を略奪するつもりは毛頭なく、ただ自分はあの人にナイトとして仕えるだけで、それを認めて欲しいと頼み、自分の軽率な行動で流れてしまった噂を否定し、ウォースパイトの名誉回復に努める

あの時、大切な家族の命を見捨てられたことで感じた悪感情を決して忘れない。ウォースパイトに敵意を抱いている。そして英国の血が騒ぎ、恋愛と戦争では手段を選ばないとばかりに提督とのことを既成事実化し、ウォースパイトから略奪しようと画策している
418 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 19:57:10.88 ID:QVO6mbMEO
パース自身も冷静になって考えてみれば感傷的だったと認識はしている
しかし、それ以上にコンプレックスの対象だったウォースパイトから提督の心を奪い取れたことに優越感を抱いており、もう少しくらい噂を放置してあの女が苦しむのを見るくらい構わないだろうと思い始めている
419 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 20:15:57.47 ID:AlvDWbef0
↑+あわよくば既成事実化して提督を略奪できればよし、よしんば提督がウォースパイトを選んだとしても提督との信頼関係は絶対に崩れないのでウォースパイトは苦しみ続けるだろうと考えている
420 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/16(日) 20:29:59.42 ID:bnatl5qLO
例の下で
421 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 00:18:17.53 ID:XgfK/hj60


パース(衝動のままに私がホテルのロビーで提督に抱きついてキスしたことで、意図せず私と提督との関係についてあることないことが噂になってしまった)

パース(そしてそれがウォースパイト様の名誉を酷く傷つけている。それについて申し訳なく思っていない訳じゃない。でも……)

パース「……!!」ゾクゾクゾク ギュッ ブルル

パース(それが私の心の中に棲むコンプレックスの怪物を悦ばせる。私は自分の体を強く抱きしめた。あの日以来、私はウォースパイト様に敵意を持ってしまっている)

パース(両親を見捨てられたことが赦せなかったから。自分が感情的になっている。ウォースパイト様は悪くない。そう分かっていても、心の暴走を理性が抑えられなかった)

パース(全てを持っているような英国貴族のウォースパイト様にとって、私のような取るに足らない庶民に最愛の恋人を寝取られたというのはいったいどれほどの屈辱かしら?)

パース(いい気味だった。もちろん、実際に寝取るとこまでいっていないし、流石にそのつもりも今のところない)

パース(けど、提督は私を受け入れてくれた。ウォースパイト様というものがありながら。それは事実だ。女としての優越感に浸る)

パース(……いずれウォースパイト様にはちゃんと謝らなくてはならない。けど、もう少しだけ噂を放置してあの方……いえ、あの女が苦しむのを見るくらいなら構わないでしょう?)

パース「……ふふ」ニタリ



憲兵下士官「貴様らを逮捕する!!抵抗する者には容赦しない!!」

「「「「!!」」」」

空母水鬼(シンガポールに着いた私たちを待っていたのは憲兵隊でした。下士官が私たちを睨みつけながらそう怒鳴ります。皆がざわめき、動揺しました)

空母水鬼(こうなるかもということは覚悟していましたが、気分の良いものではありませんね……けどまあ殺されることはあり得ませんから大丈夫です)

憲兵「暴れるなよ?大人しくしていろ」

空母水鬼「ええ、分かっていますよ。もちろん抵抗するつもりはありません」

空母水鬼(他の子のように私も憲兵の一人にシンカイセイカン用の頑丈な手錠と足枷をはめられます。ホントうんざりでした。早く解放されたいですね……)

憲兵下士官「お前たちは取り扱いが決定されるまで勾留されることになる!!さあ歩け!!」

空母水鬼「はぁ……歩きにくい……」スタスタスタ

憲兵将校「待て。お前は別だ」

空母水鬼「?」
422 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 00:24:46.87 ID:XgfK/hj60


空母水鬼「だから知っていることはすべて話しましたってば!!ハワイの事なんて知りません!!」

憲兵下士官「嘘を吐け!!ハワイ周辺で深海棲艦が活動しているのは把握しているのだ!!深海棲艦の中でも高位な存在のお前が何故知らない!?」

空母水鬼「はぁ!?何故って言われても困るわ!!知らないものは知らないんです!!私が知らないところで話が進んでいたんじゃないですか!?」

空母水鬼「それか私たち竜宮のものじゃなくて大西洋の……あとらんてぃすの子たちが主導してるとか!!とにかく私は知りません!!知らない知らない知らない!!」

憲兵下士官「この……!!」

憲兵将校「……空母水鬼。悪いが、こちらも国を背負っている。大日本帝国に住む人々の安全保障の為、前線で戦う戦友たちの命の為、ここではい、そうですかという訳にはいかん」

空母水鬼「だから言ってるのに……知らないって……もう話すだけ無駄です……」

憲兵将校「ああ、そうだ。その点について我々の意見は一致しているな。話すだけ無駄だ。……上等兵、棍棒を持ってこい」

憲兵「分かりました、大佐殿」

空母水鬼「えっ……?な、何をする気ですか……?」ピクッ

憲兵将校「きっとお前が想像している通りの事だろうよ」

空母水鬼「……!!ほ、捕虜虐待や拷問は国際法違反じゃ……」サァッ

憲兵将校「お前は捕虜じゃない。叛乱罪で逮捕された裏切り者だ。そもそも、深海棲艦に国際法は適応されない」

空母水鬼(こ、こいつ……本気だ……!!本気で私を拷問するつもりだ……!!そんなの絶対に嫌です……!!)

空母水鬼(こうなったらデタラメでいいから自白して、すぐに来るって言ってた提督が来るまでやり過ごすのが一番です……!!)

空母水鬼「わ、分かりました……話します。話しますから止めてください」

憲兵将校「そうか。だが残念だったな。もう遅い。とりあえず今回は諦めて次の機会で馬鹿な真似はしないように肝に銘じろ」

憲兵将校「その時はちゃんと本当の事を話すように。もし嘘だと分かったらもっと酷いことになる」

空母水鬼「っ!?そ、そんな……!!もしこれを提督が知ったら大変なことになりますよ!?いいんですか!?」

憲兵「持ってきました、大佐殿」

憲兵将校「よし。ではやれ」

憲兵「了解です」

空母水鬼「あ、待って!!ごめんなさい!!お願いです!!待って!!止めて!!言う!!言うから!!」

空母水鬼「陽動の為にハワイにちょっかい出してるんです!!お願い待って!!いやぁああああああああああ!!」



憲兵下士官「吐けぇ!!」ビュン バシン

空母水鬼「あぁああああああああああ!!痛い!!痛いです!!血がぁ!?背中切れてますぅ!!お願い止めて!!嘘じゃありません!!本当に知らないんです!!」ズキン

憲兵下士官「嘘を言ってごまかそうとしたことを忘れたのか!?信じないぞ!!本当は知っているんだろう!?吐け!!」ビュン バシン

空母水鬼「痛いぃいいいいいいいいいい!!うぅうううううううううう!!うわぁああああああああああん!!」ボロボロボロ

憲兵下士官「泣いて哀れみを誘おうとでも!?トラックでは多くの俺の戦友たちが貴様らに殺された!!あんな事、これ以上はもうたくさんだ!!容赦など期待するだけ無駄だぞ!!」

空母水鬼「誰か助けてぇ!!提督!!提督ぅ!!ぐすっ……ひっく……助けてぇ……お願い……!!」
423 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/17(月) 00:35:33.85 ID:XgfK/hj60


提督(シンガポールに到着した俺は幼馴染でもある憲兵大佐と会って例の件について話をした。本来、深海棲艦の取り扱いは海軍と特務機関に一任されている)

提督(しかし今回は事が事だった為に憲兵による取り調べが行われたのだ。といっても空母水鬼に対してだけだったが)

提督(そしてこれ以降はまた海軍と特務機関に任されることになる。要は政治的な理由で憲兵が動いたという事実が必要だったのだ)

憲兵将校「実際の所、奴らの言うことを全部否定するつもりはない。大陸で我々が取り調べた匪賊の中に無実の人間が一人もいないとは言わないさ」

提督(そして話が終わった今、俺は彼の愚痴を聞いていた。憲兵はその性質上、風評被害や批判にさらされやすい。精神的に疲れ切っている様はとても不憫で、義憤に駆られた)

憲兵将校「しかし無実だと思う奴を逮捕するなんてバカみたいなことしてるわけないだろう。怪しいから逮捕しているんだ」

憲兵将校「確かに拷問したし、それで死んだ人間もいる。けど連中が言うように好きでやってるというわけではない。やらなくてはならないからしょうがなくやっている」

憲兵将校「騒ぎ立てている連中にぜひ聞いてみたいものだ。敵は彼らの言う無実の哀れな人間に紛れて非正規戦をしている国際法違反の犯罪者たちだが、それはどうなんだと」

憲兵将校「パルチザンの暗躍を赦せば我々の戦友はもちろん、民間人や現地の一般人までもが危険に晒され、最悪殺される。そのこと、連中はちゃんと考えているのだろうか」

提督「気にするな。騒ぎ立てているのはごく一部の連中さ。それに良く言っている人もいる。そもそも、良くも悪くも大多数の人間にとって憲兵はただの憲兵だ」

提督「連中の言うような憲兵は悪鬼だなんて事、気にしてすらいない。まあ当たり前の話だがな」

提督「取り調べは憲兵の数ある仕事のうちの一つでしかないし、なにより憲兵を街で見かけることはあっても関わり合いになる人間なんて殆どいないんだから」

憲兵将校「そうだな……気にしても無駄だな……」

提督「貴様は良くやっているよ。同郷の幼馴染として鼻が高い」

憲兵将校「帝国海軍の提督様に比べれば憲兵の将校なんてどうってことないさ。やはり敬語を使った方がいいかな」

提督「よしてくれ。それだけ手柄をあげる機会があったというだけさ。正直、誇らしく思っていないと言えば嘘になる。だが、戦争が無い方が……誰も死なないですむ方がずっといい」

憲兵将校「違いない。ところで東京出身でも同郷と言うのは何か違和感が無いか?郷とつくからには地方のイメージが強い」

提督「……確かに。しかし他に何と言えばいいのだろうか?思いつかないな。まあ、俺たちの街は東京といってもほぼ千葉だが」

憲兵将校「そのおかげでドイツの攻撃を受けなかったんだ。運が良かった。そうだ、貴様知っているか?ヤマの奴、結婚するらしいぞ」

提督「あいつがか!?うわぁ、懐かしいな!!良かった良かった!!覚えているか?空き地でサッカーした時、ボール浮かすなって言ったのにあいつ浮かして窓ガラス割っただろ?」

提督(昔に戻ったようだった。つい駄弁ってしまう。久しぶりの再会だったのだ。暫しの間共通の友人たちの近況や懐かしい思い出話、最近の流行りについてとりとめのない会話を楽しんだ)



空母水鬼「っ!!て、提督!!ああ、よかった……!!やっと来てくれたんですね!?提督!!助けてください!!憲兵が私を拷問したんです!!」

空母水鬼「ハワイでシンカイセイカンが活動しているって……それについて知っていることを吐けって……私、本当に何も知らないのに……!!」

空母水鬼「なのにあいつら……本当の事を言っているのに嘘を吐くなって……本当の事を言えって……私を棍棒で殴って……鞭打ちまでしてきて……ぐすっ……ひっく……」

提督「……」

空母水鬼「……提督?ど、どうして何も言ってくれないんですか……?こっち向いてくださいよ……ねぇ……提督……!?ていとく!!」

帝国海軍士官「黙らんか!!」

空母水鬼「っ……!!」ビクッ

帝国海軍提督「……これより、太平洋海軍軍法会議を始める」



帝国海軍提督「主文。首魁、元海軍特別艦娘大佐、空母水鬼。勅命に抗したるに依り、叛乱罪として死刑に処す」

↓×1〜3 
命は助かると信じていたのに死刑判決をくらった空母水鬼の心情と反応
424 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 00:54:08.36 ID:QOJ8PLCEo
壊れたラジオのように提督の名をボソボソ呟き続ける
絶望が見てとれる表情で虚空を見上げ泣く
425 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 01:05:16.01 ID:523PIqzC0
一瞬何かの間違いではないかと思って聞き直すが、変わらぬ現実を突きつけられ愕然とする
終いには今更同胞を裏切ったことを後悔し、周囲の人間に罵詈雑言を浴びせながら暴れ始める
426 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 01:07:31.50 ID:nnqgiwcYo
425
427 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/17(月) 01:10:12.58 ID:na4QhjdvO
428 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/21(金) 23:23:09.62 ID:o4u5VZd/0
空母水鬼「ぇ……い、今なんて言いました……?」

帝国海軍提督「以上で太平洋海軍軍法会議を終了する」

空母水鬼「待ってくださいよ……嘘ですよね……?だって私……パースを抵抗せず明け渡したんですよ?反対派を粛清してまで……あいつを殺してまで……」カタカタカタ

伊勢「……行くよ」スッ

空母水鬼「っ!!触るな!!」バキン ドンッ

伊勢「うっ!?あぁっ!!くぅ……」ドバン

「「「「!!」」」」

日向「やったな……!?」キッ バッ

空母水鬼「っ……!!はぁっ!!」ガシッ ググググ ゴンッ

日向「っ!?くっ……頭突きだと……」クラッ

提督「伊勢!!日向!!」

空母水鬼「つぅ……!!っ!!死んでたまるか!!お前らごときが私に勝てるとでも思っているんですか!?無理に決まってるでしょ!!だって私はこんなにも強い!!」

憲兵「動くな!!」ジャキン

憲兵「無駄な抵抗は止めろ!!」ジャキン

空母水鬼「はっ!!私には銃砲の攻撃に対する加護があるんですよ!!そんな豆鉄砲ごとき痛くも痒くもないです!!お前たちは私にとってただの有象無象でしかない!!」キッ

「「「「っ……!!」」」」

日向「……お返しだ!!」ゴンッ

空母水鬼「うぐっ!?あぁ……」クラッ

伊勢「大人しくしなさいな!!」 バッ ガシッ

空母水鬼「っ!?い、いやぁああああああああああ!!放してください!!いやです!いやぁ!!誰か助けて!!」ドサッ ジタバタ

日向「この……暴れるな!!」ググググ

伊勢「往生際が悪いよ!!」ググググ

空母水鬼「お前らなんて私の足元にも及ばないくせに!!もしお前ら艦娘にすぐには死なないとかいう得体の知れない力が無ければ絶対に負けないのに!!」

日向「伊勢……!!」

伊勢「分かってる、落とすよ……!!」ギュッ

空母水鬼「うっ……!?ぐぅ……!!」
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/21(金) 23:50:58.96 ID:o4u5VZd/0


提督(伊勢と日向に組み敷かれ、首を絞められている空母水鬼。その目が俺を捉える。死に対する恐怖と悲しみ、そして何より俺に対する怒りと憎しみに滾っていた)

空母水鬼「っ……!!うぐぅ……提督……!!これが……これが貴方の為に尽くした私に対する仕打ちですか……!?こんなのって……こんなのってないですぅーーー!!」ポロポロポロ

空母水鬼「仲間を裏切ってまで……あの子を殺してまで提督の為に働いたのに……私は何の為に……こんな事なら裏切るんじゃなかった……!!」

提督(俺の無情に絶望し、自らの行いに後悔の言葉を漏らす空母水鬼の姿はなんとも哀れで、見ていて痛々しかった。しかし、それ以上に愉悦を覚える。全て自分の思い通りになると思ったか?いや、Noだ!!)

空母水鬼「赦さない……赦さないぃ……!!怨んでやる……怨んでやるぅ……!!死んでしまえ……お前らみんな……死んでしまえ……!!っ……」ガクッ



空母水鬼「……っは!?こ、ここは……?」

空母水鬼(目が覚めるとそこは知らない、まさに地下牢というような感じの場所でした。まだ生きてる。でも手足が鎖につながれていて動けません)

港湾夏姫「メが醒めたカシラ?」

空母水鬼「っ!?!?」

空母水鬼(その声で気が付きました……私の後ろに誰かいる……心臓が止まりそうになりました……だってその声は……もう二度と聞けないはずなのに……!!)

港湾夏姫「ドウシタの?ソンナにオドロいて」

空母水鬼「ど、どうして……!?」カタカタカタ

港湾夏姫「イキテいるノカって?フフッ……ワタシはオマエにコロサレタわ。デモネ、ヨミガエったノ……オマエに復讐するタメにね!!」ニタァ

↓×1〜3 結果的に死んでいなかったとはいえ空母水鬼が港湾夏姫を暗殺したことを踏まえて空母水鬼の反応と港湾夏姫の心情と行動
※殺すや逃がすは安価下
430 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/02/22(土) 00:12:26.83 ID:AbeNXA0cO
空母水鬼は許しと慈悲と助けを乞う
港湾夏姫は空母水鬼に復讐することしか考えておらず、殺せないので次善の策として激しく凌辱する
431 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/02/22(土) 00:19:07.57 ID:7uaV+Dtro
港湾
保身のためにあわや自分を殺すところだった空母水鬼をできるならぶち殺してやりたいが
提督との示し合わせもあるので我慢
それはそれとしてこいつに仕返ししてやりたいので
どう無残に殺してやるかつらつらと(願望を)語り彼女を恐怖させる


水鬼
殺したはずの港湾が生きていたのか
それとも本当に甦ったのか
それはわからなかったが彼女の表情を見て間違いなく自分がひどい目に遭うことを察してしまい
恐怖のあまり無様に失禁してしまう
432 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/22(土) 00:27:15.26 ID:SV4zovPRo
空母水鬼
勿論自業自得ではあるが
この世にはもう信じられるものがないと絶望
嗚咽を伴いながら失禁
生に執着した分、反動で死ぬことしか頭にない

港湾夏姫
信じた者に裏切られる気持ちがわかったかと
詰問の上徹底的に空母水鬼を全否定する
お前のお陰で自分は獄中とはいえ快適な生活が約束されているんだと高笑い
433 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:11:22.36 ID:DQpcpo490


伊168「♡」スリスリ

提督「……」ナデナデ

提督(今夜の見張り役だったイムヤが甘えて体を摺り寄せてくる。このことはごく一部の関係者以外知るべきではないからな)

提督(俺の権限でイムヤを任命したのだ。俺は頭を撫でながら密かに設置した監視用のカメラの映像を見る)

提督(そこには半ば鎖で吊るされるような体勢で拘束された空母水鬼と彼女に後ろからしなだれかかる港湾夏姫が映っていた)

提督(そう、港湾夏姫だ。空母水鬼がその手にかけたはずの彼女は奇跡的に生きていた。空母水鬼の一撃は彼女の息の根を止めるまでは至らなかったのだ)

提督(その理由は港湾夏姫の特殊体質によるものだ。彼女は世にも珍しい内蔵逆位だった)

提督(空母水鬼は彼女の背後から右胴体を、肋骨を避けるように下から斜め上へ向けて刃物で刺した。本来、その一撃は肝臓を貫き致命的な一撃を港湾夏姫へ与えるはずだった)

提督(しかし彼女の肝臓は左半身にあったのだ。それでも、空母水鬼の一撃は十分に港湾夏姫を殺しうる一撃だった)

提督(だが運よく手遅れになる前にパースの沖合で海流に流されながら生死の境を彷徨っていたところをハチに発見され、応急処置を施されたのだ)

提督(俺がそのことをハチの艦載機による連絡で知ったのは空母水鬼から降伏したいという連絡があった直後だった)

提督(敵が活動していないことは空母水鬼からの連絡で分かっていた。俺はすぐさま航空隊を送り、港湾夏姫を保護し、病院で治療を受けさせた)

提督(おそらく普通の人間なら死んでいただろう。しかし流石深海棲艦というべきか、港湾夏姫は生き残った)

提督(数日後、病院で意識が戻った港湾夏姫は最初、激しく混乱していた。だが徐々に落ち着いていき、何があったのかを思い出したようだった)

提督(この時点で空母水鬼の提案が罠でないことがほぼ確定した。大鳳やウォースパイトが俺が単独でパースに向かうことを認めてくれたのはこの事が占める割合が大きい)

提督(事態を把握した港湾夏姫はもはや虜囚の身となった自分にできることは何も無く、パースの深海棲艦は戦わずして敗北するであろう事を悟り、再び狂乱した。そして……)

港湾夏姫『モハヤキセキがオキルノゾミはツイエタわ……ワタシはオマエに協力スル……!!ダカラカツテお前がソウシタように可能なカギリ同胞タチをコロサズ、チャント保護スルとチカッテ……!!』

港湾夏姫『ソシテアノオンナに復讐スルキカイを頂戴!!アノ同胞タチをイケニエに捧ゲタウラギリモノが、スベテ上手くイッタとホクソエミながらノウノウと生キテイク事ダケは絶対にユルセナイ!!』

提督(壮絶な表情でそう懇願してきた港湾夏姫。俺は可能な限り殺さず、保護することを誓った。もとよりそのつもりだ)

提督(しかし復讐する機会については与えられないと拒否した。最初、燃え盛るような憤激に顔を歪ませつつも港湾夏姫は同意した)

提督(空母水鬼に対する報復という個人的な望みは叶わなくとも、戦いに敗れ去るであろう同胞たちがその時に頼れる保護を引き出すことができたからだろう)

提督(流石上に立つ者だけあり、これだけ興奮していても冷静に物事を推し量り、決断を下すことはできるようだった。しかし……)

港湾夏姫『ネエ、テイトク……ワタシ……クルシイの……コノ胸ノ中に滾ル憎悪ガ溢レテ……溺レテしまいソウ……』ダキッ

提督(彼女の言う通り、その胸中に蠢く復讐の念はもはや抑えようがなかったらしい。会話の終わり、背を向けた俺になんと港湾夏姫が抱きついてきて、耳元で囁いた)

提督(豊満な胸が惜しげなく押し付けられていた。まだ動くだけで激痛に襲われてもおかしくないのに。艦娘程ではないが、きっと何かしらかあるのだろう)

港湾夏姫『オネガイ……アノ女ニ復讐シナイとワタシ……オカシクなっちゃう……アノ女をワタシに頂戴……?ソノカワリ……私をアナタにアゲルから……』ツン クリクリ

提督(数日前まで死にかけていたとは思えなかった。港湾夏姫は耳元で蠱惑的に囁きながらその指を俺の胸に添えるといじらしく円を描くように俺の胸を這わせる)

提督『……わかった。そこまで言うのなら、いいだろう』ダキッ モミモミ

提督(そう言いつつ俺は港湾夏姫の体に手を回すと抱き寄せた。その大きな胸を無造作につかみ揉みしだく。俺のモノだというように)

港湾夏姫『……♡』ジッ ニコリ

提督(それに対して港湾夏姫は蠱惑的な笑みを浮かべてその爛々と紅く輝く瞳で俺を見つめた。俺は港湾夏姫の誘いに乗った)
434 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:16:27.49 ID:DQpcpo490
提督(だが、決して性欲に負けたからではない。港湾夏姫の執念の深さは、ここで何とかしなくては必ず後々問題を起こすと確信したからだ)

提督(その情動を抑圧することが不可能ならばいっそ、手綱を締めながら発散させるべきだろう。もちろん、容易な事ではない)

提督(それほどに港湾夏姫のその漆黒の意志は強い。だが、目的を達成する手段に体を使ったことが港湾夏姫の敗因だ)

提督(確かに、男女の仲で無理を押し通すのにそれは最も効果があるだろう。しかし諸刃の剣であることを港湾夏姫は分かっていなかったようだ)

港湾夏姫『アァ!!テイトク!!コンナ……コンナのシラナイ!!ダメ!!トケちゃう!!』キュン キュン

提督『なら溶けろ!!溶けてしまえ!!』パンパンパン

港湾夏姫『アァダメェ!!イヤァ!!トケちゃう!!トケちゃうわ!!トケちゃうううううううううう!!』ビクンビクン

提督『っ!!くっ……はぁ……!!』バチュン ビュルルルルルル

提督(体をのけ反らして絶頂に耐える港湾夏姫の最奥で俺は限界を迎えた。最高の放出感だった。俺は港湾夏姫にのしかかる様に、しかし痛くないように手をベッドにつきながら倒れこんだ)

提督(豊満な女体が俺を迎える。荒い息を吐いていた港湾夏姫の手が俺の背中に回された。そして強く抱きしめられる)

港湾夏姫『……♡』スリスリ

提督(まるで恋人にするように甘えて頬を摺り寄せてくる港湾夏姫。もはや完全に俺の虜となっていた)

提督(きっと港湾夏姫はちょっとした火遊びのように考えていたに違いない。しかし、実際は大やけどすることになった)

提督(もともと、港湾夏姫にとって俺はその命を助けることを命令した命の恩人だった。港湾夏姫もそのことを理解していたのだろう)

提督(そして俺が港湾夏姫の同胞を守ると誓ったことは、極限状態であったことも手伝って港湾夏姫の俺に対する心証をかなり良好なものにしていた)

提督(そんな俺の甘い言葉は心の壁を容易に潜り抜けて港湾夏姫の心に届き、与える快楽をむしろ進んで自らの脳髄や下腹部の最奥に染み渡らせた)

提督(誰にも心奪われていない状態でそんなことをされれば、誰だって港湾夏姫のように簡単にその心を差し出してくるだろう。俺は港湾夏姫の耳元に口を寄せると囁く)

提督『復讐するのは認める。多少痛めつけるのも赦そう。ただし、絶対に殺さず、後遺症が残るようなことをするな。そうだな……あとで良いものをあげよう』

提督『それであの子を犯してしまえ。同意なしに相手を犯すことは殺すことの次に、もしかしたら殺すこと以上に相手を征服することだろう。いいな?』

港湾夏姫『……んっ、ちゅぅ……れろれろ……』ダキッ ギュッ

提督(俺の言葉に港湾夏姫はまず濃厚なディープキスで答えた。舌が俺の舌に絡まり、その親愛の情を伝えてくる)

港湾夏姫『はっ……モシそうシタラ……アナタのココロにスコシダケでもワタシの居場所ヲツクッテくれる?』ジッ

提督(至近距離で見つめられる。どこか不安そうで、縋るような表情を浮かべて。俺は微笑んで見せると愛情をこめて優しくその頭を撫でた)

提督『何を言うかと思えば。それは今君が作ったばかりじゃないか。言った通りにしてくれるね?』ニコリ ナデナデ

港湾夏姫『……!!アァ、ダイスキ……♡テイトクの言ウ通リにスルわ。んっ……はむ……』キュン トロン

提督(幸せに表情を蕩けさせそう答えた港湾夏姫は再び濃厚な口付けを求めてきた。体に回された手にさらに力が込められる)

提督(胸が俺の胸板に押し付けられ、女性らしい柔らかさをこれでもかと伝えてきた。俺も港湾夏姫に応えるようにして舌を絡ませた)

提督(こうして、復讐の鬼と成り果てていた港湾夏姫は容易く空母水鬼を殺すことを止めた。しかしそのことを知る由もない空母水鬼の悲痛な声を盗聴器が拾う)
435 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:19:43.42 ID:DQpcpo490


空母水鬼「ひっ!?ご、ごめんなさい!!お願い……赦して……!!あれは違うんです……私、貴女を殺したくて殺した訳じゃないんです……!!」

港湾夏姫「……ソウ。じゃあキカセテ?どうしてワタシをコロシタノ?ドウホウたちヲウラギッタノ?……オシエてクレルわよネ?」

空母水鬼「そ、それは……っ……し、死にたくなかったから……あのまま戦っても……勝ち目は無かった……」

空母水鬼「私、死にたくなくて……あの日、日本に降伏することを受け入れざるを得なかったあの時、私は誇りも気位も全部失いました……」

空母水鬼「私はそれまで世界は自分の想い通りになると、私が主人公だと信じていました。でも、違った……不貞腐れました。もう何もかもどうでもよくなりました」

空母水鬼「死のうと思ったんです。でも、死ねなかった。それで、気が付きました。何もかも滅茶苦茶になっちゃったけど、それでも私は死にたくない」

空母水鬼「それ以来、私にとって一番大事なものは自分の命になって……でも、あなた達が南極で立ち上がった」

空母水鬼「勝ち目がありました。絶好の雪辱のチャンスでした。そして何よりなんとかできるかもしれないのに同胞を放っておけなかったんです」

空母水鬼「だから、もう一度だけ頑張ろうと思いました。でも、ダメだった……作戦は失敗して奇跡を願って前の戦争の時みたいに絶望的な戦いを死ぬまで続けるしかなくなって……」

空母水鬼「完全に心が折れたんです……何をしてでも生き残りたくて……一度日本を裏切った私は、パースを明け渡すくらいしておかないと降伏しても殺されるかもしれなくて……」

空母水鬼「貴方は絶対降伏なんてしないって分かってた……だから私は……貴女を……うぅ……殺したくなかったけど、仕方なかったんです……ごめんなさい……赦して……!!」

港湾夏姫「……ソウ。ワタシはソンナ身勝手なリユウでコロサレタのね。イタカッタ。クルシカッタ。コワカッタ。……赦せるト、思うカシラ?」

空母水鬼「……!!ごめんなさい……命だけはどうか……!!っ!!そうです、私を助けてください!!私たち二人ならきっとここから脱出できます!!」

空母水鬼「降伏しても無駄だと痛感しました!!もう二度と裏切りません!!死刑にされるくらいなら奇跡を願って絶望的な戦いを続ける方がまだましです!!」

空母水鬼「ですからお願い、助けてください!!この手錠と足枷を外してください!!一緒に逃げて戦列に戻りましょう……!?」

港湾夏姫「……フフッ……ウフフフフ……アッハッハッハッハッ!!イッショにニゲテ戦列にモドリマしょう?ナニをイウカとオモエバ……」

空母水鬼「て、敵だって未だ状況は厳しいはずです……まだ勝ち目はあります……!!諦めなければなんとか……」

港湾夏姫「アノネ、ワタシにトッテソンナことはモウドウデモイイの。イマのワタシにトッテタイセツなのはオマエに復讐スルコトダケよ」スッ ナデナデ

空母水鬼「っ!!」ビクッ
436 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:25:45.97 ID:DQpcpo490


港湾夏姫『フフ、ヒドイキズね。ムチでウタレタのカシラ?イイザマだわ。トテモ醜クテ、オマエにぴったり』グッ ガリガリガリ

空母水鬼『い、痛い!!痛い!!痛いです!!お願いです、止めてください!!』ズキン ズキン

提督(港湾夏姫が空母水鬼の服とブラを切り裂いて脱がし、露出した背中の鞭で打たれた傷を爪で引掻く。傷を抉られる痛みに空母水鬼が悲鳴をあげた)

港湾夏姫『アア、ナンテ赤くテ暖かイ……!!イイニオイだわ。ンッ……ぺろぺろ……ウフフ、コレが復讐のアジナノネ?ナンテ甘美ナノカシラ!!』

空母水鬼『お願いです……赦してください……!!』ポロポロ

提督(空母水鬼の美しい白い肌を鮮血が伝う。痛みに身を捩り、顔を歪めて涙を流す様に背筋がゾクゾクする。俺の中の嗜虐心がそそられた)

港湾夏姫『モット飲ミタクナッテしまうワ。コンナンジャ足りないモノ。モット、ソウ、浴びるヨウニ』ツゥー ニタリ

空母水鬼『!!』ゾワッ

提督(港湾夏姫の手が空母水鬼の首筋を這う。空母水鬼が一層怯えた表情を浮かべ、港湾夏姫が獰猛に笑う)

港湾夏姫『カンジルワ、オマエの脈ヲ。オマエの心臓がケナゲにそのカラダに血をメグラセテイルのを。ぺろっ……モシココをカミチギッタラ、キットワタシの望みハ叶うノデショウ。かぷっ』

空母水鬼「いやぁ……!!いやぁああああ!!や、止めて!!お願いです!!止めてください!!殺さないで!!やだぁああああああああああ!!」ボロボロボロ

提督(港湾夏姫が空母水鬼の首筋、薄皮一枚を隔てて頸動脈のある場所を舐め、歯をたてる。空母水鬼の必死の命乞いが響いた)

港湾夏姫『っは、アハハハハ!!ナンテ無様なのカシラ!?ミットモナク泣きワメイテ恥も外聞もナイ!!』

空母水鬼『ひっ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……お願いです……何でもしますから命だけは……』ブルブルブル

提督(港湾夏姫は空母水鬼の尊厳を踏みにじり、嬲ることを愉しんでいた。空母水鬼の体は見ていて哀れな程に震えている)

港湾夏姫『助ケテ欲シイとでも?オマエがワタシにシタ仕打チを考エレばワタシがドウ答エルか分カルと思うケレド』

空母水鬼『うぅ……ぐすっ……ひっく……しにたくない……しにたくないですぅ……うぅうううう……!!』

港湾夏姫『アァ……イイワ、そのヒョウジョウ……!!モットミタイ……!!オマエの動脈をキリサイて意識アルママ死ンデイクのを見てミタイ!!』

空母水鬼『やだぁ……やですぅ……!!』

港湾夏姫『デモ……デキナイの。アノヒトがコロスナって言うカラ』

空母水鬼『……えっ?』ピクッ

港湾夏姫『いろいろアッテね。ワタシに復讐のちゃんすをクレル代ワリにコロサナイってアノヒトと約束シタノ』

空母水鬼『……!!』

港湾夏姫『マア、コレカラ死刑にスルのダカラ勝手にコロサレタラ困ルッテトコロかしら。ダカラワタシはオマエを凌辱スルワ。尊厳を穢シ尽くしてヤル。ソレガワタシのオマエへの復讐』

空母水鬼『っ!!……り、凌辱?』

提督(港湾夏姫の言葉に一縷の希望を見出したように笑みを浮かべた空母水鬼。しかしすぐにその表情は絶望に変わる)

提督(震える声で港湾夏姫の言葉を繰り返す。港湾夏姫が昨日渡したソレを取り出し、空母水鬼に見せつけた)

港湾夏姫『見て、コレ。凄いデショ?』スッ

空母水鬼『……!!』ゾワッ

提督(それはいわゆるペニバンと呼ばれるものだ。普通のと違いV字型にディルドが付いており、装着者の秘所にも挿入されるようになっている)

提督(しかも人体の構造的に男と女がする様にした場合、装着者側のディルドが抜ける方向に力がかかってしまうが、これはそれとは逆方向に力がかかる様に工夫された構造をしている)

提督(それによって装着者が相手を突けば突くほど装着者自身もディルドに自らの秘所を突かれることとなるのだ。まったく、よくもまあこんなものを開発するものだと感心する)
437 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:29:13.44 ID:DQpcpo490
港湾夏姫『タダのマガイモノだけど、マガイモノなりにイイトコロがアルノ。ミテ、コノいぼいぼ。コンナの挿レタラ、キット凄いデショウね♡』

空母水鬼『ごくっ……!!』

提督(女を啼かせるためだけにデザインされた凶悪な形状のソレを目を見開いて見つめる空母水鬼。そんな彼女に見せつけるように港湾夏姫が自らの秘所にディルドを挿入していく)

港湾夏姫『ンッ……アァ……フゥ……フフッ……垂れチャウ……スコシ入りキラナイクライが丁度イイノよ……ソノホウが強引にカラダの奥をツラヌカレルアノ感じを愉シメルから……』ヌププププ ゾクゾク ニタァ

空母水鬼『ま、まさか……』ゾワワ

港湾夏姫『コレでオマエを犯すワ。ドレドレ?……スコシ濡れてるケド、ハジメテにはフジュウブン。イタイでしょうネェ……?』スッ クチュクチュ

空母水鬼『あぁ……いやぁ……!!』ビクッ フルフルフル

提督(港湾夏姫が空母水鬼の秘所に手を伸ばし、手淫する。空母水鬼が腰を引いた。嫌がる様に首を振る)

港湾夏姫『ドウ?タイセツなハジメテをケガサレるキブンは。オマエは犯サレテ処女をチラス。シカモ相手はワタシ……オンナで、オマエのココを征服スルのはムキブツよ』

空母水鬼『や、やめて……!!』

港湾夏姫『アァ、イイ声、イイ表情……!!オトコのキモチが理解デキルわ。コンナノ、ガマンできるわけナイ……!!ンッ……アハァ……!!』ピトッ ググググ

提督(モノが固く怒張してしまっていた。俺は二人を前から移すカメラの映像に集中する。空母水鬼の秘所に、ディルドが宛がわれた。柔肉が押し開かれていく)

空母水鬼『や、やめてください……!!やぁ、いたい!!いたいです!!うぅ……あぁああああああ!!いたいいたい!!』ガシャガシャ ズキズキ ブツン

港湾夏姫『アァン!!スゴイ……感ジタわ、オマエの処女膜がコンナ無機物にムザンにツラヌカレル瞬間ヲ……!!』グププププ

提督(空母水鬼が痛みに体をのけ反らした。目を見開いて悲鳴をあげる。その秘所にディルドが挿入されていく)

提督(処女だった証である紅い鮮血が空母水鬼の内股を伝った。破瓜の際の出血量には個人差があるとは聞いているが、空母水鬼は結構多いようだ)

空母水鬼『いやぁああああ!!いたいぃ……!!う、動かないでください……!!』ズキンズキン タラリ

港湾夏姫『ソンナノ無理にキマッテルじゃなイ!?ダッテ、コンナ気持ちイイ……!!アァ!!コレ、スゴイワ!!オクがぐりぐりされて、気持ちイイ!!』グリグリグリ

空母水鬼『ひぎぃいい!!いたいよぉ!!お願い赦して!!もう止めてぇええええ!!』ビクビク ポロポロ

港湾夏姫『アハハハハ!!まだまだコレカラよ!?コンナのジョノクチだわ!!アノカラダの一番オクを激シクツカレテ征服サレルヨウナ激シイぴすとんをオマエにもオシえてアゲル!!』パンパンパンパン

空母水鬼『やだぁああああああああああ!!血が!!血が出てますぅ!!抜いて抜いて抜いてぇええええええええええ!!』グップグップ ズキンズキン ダラダラ

港湾夏姫『アァ!!気持ちイイ!!トケちゃいそうだわ!!モットイイ声で啼イテ見せナサイ!!』

空母水鬼『っ……!!うぐぅ……!!あぁ!!やめてぇ!!ぬいてぇ!!やだやだやだぁ!!いたいいたい!!』

提督(内股になって必死に自らの秘所の異物感と痛みに耐える空母水鬼を嘲笑いながら自らの快楽の為に腰をふる港湾夏姫。空母水鬼が悲鳴をあげて嫌がっている。たまらなかった)
438 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:34:34.54 ID:DQpcpo490
伊168「……♡」クイクイ

提督「!!」

提督(いままで大人しく俺に甘えながらその光景を見ていたイムヤが俺の袖を引っ張る。そちらに目を向けると妖しく微笑みながらスク水の自らの秘所を覆う部分をずらして見せた)

提督(そこは既にとろとろに出来上がっている。俺はズボンと下着を脱ぎ、はち切れそうなものを露出させるとイムヤに俺を跨らせた)

提督「……!!」グイッ ヌプッ

伊168「っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」ズププププ

提督(そしてためらうことなく挿入させる。イムヤが必死に嬌声を我慢していた。しかし俺の意識は港湾夏姫と空母水鬼に夢中だ)

提督(港湾夏姫が空母水鬼の後ろから立ちバック体勢で激しく腰を打ち付けている。その手は空母水鬼の双峰を乱暴に揉みしだいていた)

提督(そんな官能的な映像を楽しみながらイムヤをまるでオナホのように扱う。なんという贅沢だろうか!!俺の中の獣性が満たされる)

港湾夏姫『イイ!!イイ感じよ!!モット!!モットツヨク!!アァ!!クル……クルわ!!クルゥ!!アァ!!アァアアアアアアアアアア!!』ゾクゾクゾク ビクンビクンビクン

空母水鬼『うぅうううう……!!ぐすっ……ひっく……えぐっ……えぐっ……』グッタリ

提督「っ……くぁ……!!」バチュン ビュルルルルルル

伊168「くふっ!!っ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!っ……はぁ……はぁ……」ビクンビクンビクン ダキッ ギュッ

提督(暫くして、絶頂を迎えた港湾夏姫の嬌声が響き、体が跳ね、その巨乳が暴れた。空母水鬼が悲痛な喘ぎと呻きが混ざったような声を漏らす)

提督(俺もイムヤの秘所をひときわ強く突き、本能のままにぶちまけた。イムヤが息を漏らし、押し殺した嬌声をあげる。その体がビクビクと痙攣する)



空母水鬼「……」

空母水鬼(もう心身ともにダメでした。強引に犯された下腹部と乱暴に揉みしだかれた胸に感じる鈍痛も、どうでも良かったです)

港湾夏姫「アァ……はぁ……はぁ……スッゴクヨカッタワ……でもマダマダ足りナイ……ナノニオマエはモウ犯サレルコトに慣レテシマッタ」

港湾夏姫「ココを抉ル異物のソンザイをウケイレテしまった……マア、アタリマエね。ソウイウフウにデキテイルのダカラ。でもワタシ、マダオマエの悲鳴ガキキタリナイの。ダカラ……」ゴソゴソ スッ

空母水鬼「ぁ……いやぁ……!!」

空母水鬼(なのに、それを見て死んでいた心が恐怖で甦ってしまいました。毒々しい赤色の太く長い大きな蝋燭。どう使うつもりなのか、嫌でも理解してしまいます)

港湾夏姫「オオキイでしょ?たっぷり愉シメルわ。ソウゾウするだけでイってシマイソウ……!!コノ背中のキズにトケタ蝋がタレタらオマエはドンナ声で啼いてクレルのカシラ?」ニタリ

港湾夏姫「ドンナ風にミを悶えサセテクレルのカシラ?アァ、コレホド男性がウラヤマシク思うコトはナイワ。オマエのナカが締まるカイカンを感ジルコトができないナンテ!!」ゾクゾクゾク

空母水鬼(目の前の悪魔に本能的な恐怖を感じます。こいつは私を虐め、嬲り、穢し、辱めることを愉しんでいる……!!)

港湾夏姫「コレダケじゃない、ホカにもタクサンあるノヨ?ミテ、イケナイ玩具がコンナにイッパイ!!ジカンはたっぷりアルわ。愉シミマショウ?」バッ

空母水鬼(悪魔が床に鞄の中身をぶちまけました。中身が散乱します。鞭に、実物を初めて見るアナルビーズやもうどう使うのか分からない何かまで……!!もういやぁ!!)

空母水鬼「お願い赦して……やだぁ……だ、だれか助けて……!!いや、やめて!!やめてぇええええええええええ!!」
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:38:57.02 ID:DQpcpo490


提督(港湾夏姫による空母水鬼の長い長い凌辱が終わった後、イムヤは警備に戻り俺は部屋で一人、港湾夏姫が戻ってくるのを待つ)

港湾夏姫「……」コンコン

提督「どうぞ」

港湾夏姫「……」ガチャリ

提督「港湾夏姫。戻ったか」

港湾夏姫「……ロウヤのトビラのマエであのケイビの潜水艦ムスメに会ッタわ。勝チ誇ッタ表情デワタシを見テタ」ジッ

提督(そう呟き、じっと俺を見つめる港湾夏姫。その表情は嫉妬の色がありありと見える。それに加えて発情しきっていた。頬は紅く染まり、目は潤んでいる)

提督「……そうか」

港湾夏姫「ネエ、テイトク。ワタシのカラダのネツ、マダ冷メないミタイなの。オネガイ……どうにかシテ」ハラリ

提督「!!」

提督(港湾夏姫が、体に纏っていたローブをその場に脱ぎ捨てる。その下は全裸だった。豊満な胸の先端は硬く自己主張しており、秘所は愛液に濡れている)

提督「いいだろう……来い、港湾夏姫」

港湾夏姫「♡」パァッ ダキッ ギュッ

提督(俺の言葉に港湾夏姫は妖しい笑みを浮かべると胸に飛び込んでくる。そして強く抱きしめてきた。どうやらまだ夜は終わらないようだ)



提督「おはよう、空母水鬼」

空母水鬼「……」ハイライトオフ ギロリ

提督(牢の前に立ち、挨拶する俺に空母水鬼がゆっくりと顔をあげる。そして表情を歪ませ、虚ろな、しかし確かな怨みを込めた目で俺を睨みつけた。憔悴しきっている)

提督「君の処分が決まった。来るんだ」

空母水鬼「……」

提督(俺の言葉に空母水鬼が僅かに怯えた様子を見せる。しかしすぐに怯えは消え、ただただ恨めし気な表情を浮かべ、怨念の込められた視線で俺を睨みつけてくる)

提督(俺の言葉は空母水鬼からしてみれば死刑が執行されるということに聞こえるはずだ。もっと激しい反応をするかと思ったのだが……)

提督(あれほど死を忌避していた空母水鬼とは思えない。もはや空母水鬼は死を受け入れているようだった。どうやら港湾夏姫の凌辱は空母水鬼によく効いたらしい)
440 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/05(木) 02:46:48.33 ID:DQpcpo490
伊勢&日向「「……」」ガチャン カチャカチャ ガチャッ

空母水鬼「……」ノソノソ

提督(俺の護衛兼空母水鬼の監視役の伊勢と日向が無言で空母水鬼の拘束を外した。手錠と足枷だけになった空母水鬼が牢から緩慢な動作で出てくる)

空母水鬼「……」ギロリ

提督「……」ジッ

提督(よほど俺を怨んでいるのだろうな。空母水鬼はずっと俺を睨んでいた。俺はその視線を真っすぐ見つめ返す)

提督「……ついて来い」フイッ スタスタ

空母水鬼「……」スタスタ



政府高官「これが深海棲艦ですか……」

空母水鬼(どこか、処刑場に連れていかれるものだと思っていました。でも提督に連れてこられたのは瀟洒な応接間です)

空母水鬼(そこには軍服ではなく正装に身を包んだ民間人、おそらく日本政府の高官が居ました。まるで珍獣でも見るかのようにじろじろと無遠慮に見てきます)

空母水鬼「……」ギロリ

政府高官「っ……」

空母水鬼(どうせ殺されます。殺意を込めて睨み返してやりました。相手もそれなりの立場の人間だけあり露骨に狼狽えたりはしませんでしたが、硬い表情で目を逸らします)

政府高官「本当に信頼できるのできるのか疑問です。もし同じことが起きた場合、強固に寛大な処置を訴えた貴方の責任問題となりまよ。今ならまだ間に合いますが、本当にいいのですね?」

提督「もちろんです」

政府高官「分かりました。元海軍特別艦娘大佐、空母水鬼。畏くも天皇陛下はお前たち逆賊が降伏した場合、その罪をお赦しになられるとご聖断あそばされました」

空母水鬼「……えっ」



空母水鬼「えっと……」

提督(おそらく予想だにしなかったのだろう。空母水鬼は政府高官が去った後も呆然自失として未だに事態を把握できていないようだった)

提督(俺は隣に立っていた空母水鬼に向き直る。空母水鬼が俺を見た。その紅く輝く瞳にはただただ困惑の色のみが浮かんでいる)

提督「君の死刑は取り消された。療養の後に帝国海軍籍の特別艦娘に復帰してもらう。我々が君にした仕打ちに対して思うことはあるだろう」

提督「しかし君たちの行いに対して致し方無いことであったことをどうか理解してほしい。我々の誰も望んで行ったことではない」

提督「昨晩の港湾夏姫の件に関しても同様だ。彼女の協力を取り付けるためには仕方がなかった。君を殺したがる彼女を何とか説得するのは大変だったぞ」

空母水鬼「……!!」

提督(俺の言葉を聞いてようやく事態を飲み込むことができたのだろう。信じられないというような表情で目を見開く空母水鬼)

提督「私は決して利用するだけ利用した後に捨てるような真似はしない。必ず報いる。まあ君は私の事を信じず罵詈雑言を浴びせてくれたがな」

↓×1〜3 
提督は自らの立場を賭けてまで自分を信用してくれ、命を助けてくれた。それに対して自分は提督を疑い、自分を裏切って切り捨てたのだと確信して罵詈雑言を浴びせたことを踏まえて空母水鬼の反応
441 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 05:38:34.47 ID:k3cxlG1To
相当の代償を払うことにはなったが結果的に殺されずに済んだことに対し
色んな感情が入り乱れるものの筋を通すことに理性が働いたのか
泣きじゃくりながら土下座して感謝の意を伝える
その様は提督の嗜虐心をある程度満たす

提督こそ自分が真に仕えるべき主だと認めた瞬間に強烈に発情する
港湾夏姫の凌辱とは真逆の密月を迎え、上も下も後ろも提督の愛で征服される

落ち着いてから以前の自分の愚行を改めて見つめ直す
提督の仲介下にて過去の行いや特にムラクモの件について吹雪型や日向型たちに直接謝罪する
442 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 06:55:52.07 ID:rroHCxmZ0
死を免れた安堵のせいか全身の力が抜けてへたれこんでしまい、それまで我慢してきた感情を露にして嗚咽を漏らす
落ち着いた後、それまでの行いを気まずそうに謝罪し、完全に信用したわけではないと前置きしつつも提督に協力することを約束する
443 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 07:22:29.06 ID:RcNX/oI7O
444 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 07:24:47.42 ID:cjvbWjvjO
自分が足掻き続けてきた言動は
全てこの男の掌の上だったのかと悟る
ふと多くの深海勢が提督を慕い続けていることに
納得がいきこの男ならば自分を守るだけでなく
自分の全部を受け止めてくれる存在だと認識が刷り込まれる
どうか激しく犯して罰を与えてほしいと頼み込む(ただの願望だと提督に見抜かれる)
445 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/05(木) 13:31:34.69 ID:FCwJYlVYo
はっちゃんでかした
446 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/06(金) 17:58:51.77 ID:PPSxHRd/0
空母水鬼「……!!」

提督(それは、言葉で形容できない表情だった。自らの行いと、その結果払う事になった大きな代償に対する後悔や罪悪感、怒り、悲しみ、苦しみなどの感情の嵐)

提督(俺に対する拷問や凌辱から空母水鬼を守らなかったことに対する激情。身を挺して命を助けたことに対する感謝。信じず、罵詈雑言を浴びせたことに対する引け目)

提督(そして命が助かったことに対する歓喜。それらすべてが複雑に混ざり合った果てに浮かんだ表情だった)

空母水鬼「……」スッ ペタン

提督(ふと、暫く俺を見つめていた空母水鬼がその場に正座する。そしてそのまま頭を下げて土下座した)

空母水鬼「あ……ぐすっ……ありがとう……ございまし……た……!!うぅ……ひっく……」ブルブル ポロポロ

提督(そして俺に泣きじゃくりながら感謝する。その体は怒りか、あるいは恐怖か、はたまたもっと別の感情の為にか、可哀想になるぐらい震えていた)

提督「……!!」ゾクゾクゾク

提督(そんな空母水鬼の様に俺の中の残酷な嗜虐心が満たされる。あの空母水鬼が)。その優秀さに裏打ちされた自尊心の持ち主が)

提督(上に立つことを当たり前のように考えており、何もかもすべてが思い通りになると信じて疑わなかったこの女が)

提督(さんざんに打ちのめされ、完全に屈服し、哀れに震え、泣きじゃくりながら俺に対する悪感情を押し殺しながらひれ伏し、感謝している……!!背筋がゾクゾクする……!!)

提督(それに加えてここで堕とすべきだという冷徹な考えが頭をよぎり、正当性を得た欲望がこの子の身も心も堕として身も心も我が物にせんと逸っていた)

提督(……だがしかし、それと同じくらいか、あるいはそれ以上にこの子を思いやる気持ちも湧き出てきていた)

提督(数多くの勇敢な軍人たち、そして何よりムラクモの死を招く一因となったこの女にたいしてついこの間まで何もかも焼き尽くさんばかりの怒りと殺意を向けていたというのに)

提督(それなのにこの子を憎み切れなかったのは、この子がただのゲスという訳ではなかったからだろう。俺は……)



空母水鬼(あの後、提督はまるで思いやる様に私の頭を撫で、優しい言葉をかけてくれました)

空母水鬼(そして今、私は提督の部屋で提督と二人っきりで暖かい飲み物を飲みながら自分の想いを吐露してしまっていました)

空母水鬼(内容はあの日私を拷問するあの人に言ったのとそうかわりません。そして自分を卑下した私に提督は、そんなことない。私を信じると、これからは自分が私を守ると言いました)

空母水鬼「本当ですか……?私は……醜い裏切者で、そのくせ貴方が裏切ったと思い込んで……自分の事を棚に上げて口汚く罵ったんですよ……?」

空母水鬼「私が貴方なら、こんな女信用できません……!!信じる、守るだなんて……あり得ません……」ギュッ フルフルフル

提督「……」スクッ

空母水鬼(無様にも手を強く握りしめ、震えながらそう呟いた私に提督は向かいのソファーから立ち上がると私の隣に座り、私の肩を抱いて頭を撫ではじめます)

空母水鬼(その力加減とかが凄く優しくて……私を思いやっての行動なのは明らかでした。提督は包容力があって、暖かくて……安心します)
447 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/06(金) 18:03:26.85 ID:PPSxHRd/0
提督「いや、信じる。君を信じる事に何ら躊躇いは無い。君が日本を裏切って同胞の為に戦ったことは、確かに我々から見てみれば好ましくない」

提督「しかしそれは間違いなく君が同胞の為に戦うという気高く貴い、いわば黄金の精神の持ち主であるという事の確かな証左だ」

提督「そして俺は、それなのに今回このような事になってしまったのは仕方のない理由があったからだとわかっている」

提督「前の戦争で敗戦したという大きな挫折に君の心はひどく……それこそ、致命的なまでに傷つき、弱ってしまった」

提督「立場的に他に頼ることもできず、君はその傷を癒すこともできていなかった。だからこそこのような事になってしまったのだろう」

提督「しかし、もう大丈夫だ。俺が君の頼るべき者となろう。君を守ると誓う。いつか君の心の傷が癒えるまで」

提督「だからどうか俺に協力してほしい。少なくとも、もうこれ以上君たちと我々がお互いを理解していないことが理由で殺し合わずにすむ世界を創るために」

空母水鬼「……!!」

空母水鬼(あぁ……今、理解しました。死にぞこなった私が今回のような生き恥曝してまでも今まで生き延びてきたのは、きっと私はこの人の為に生きる為だったのだと)

空母水鬼(民族の尊厳と海の支配者としてのプライド、そして積み上げてきた自尊心という捧げるべき主を失って彷徨い、腐っていた私の魂)

空母水鬼(その新たな主がこの人であると今、確信しました。提督の為ならこの命ですらもう惜しくない。ですがこのことは決して言葉にしません。言葉にできるような軽いものではないんです)

空母水鬼「っ……!!んちゅ……んふ……」ダキッ ギュッ

空母水鬼(衝動のままに提督に抱きついて口付けします。凌辱され尽くしてしまった私にたった一つだけ残されていた初めてでした)

空母水鬼(それを、この人に捧げることができた……この感情はもう言葉にすることは不可能でした。提督が私を抱きしめ返してくれます)

空母水鬼(心臓が跳ねました。未だかつてこれほどまでの幸せを感じたことはありませんでした)



空母水鬼「むぐむぐ……じゅるじゅる……れろれろれろ……」ドロリ

提督(空母水鬼がその秘所から白濁液を垂らしながら俺の股間に口を埋めている。俺は空母水鬼の頭を撫でる)

提督「っ……空母水鬼……もう大丈夫だ……」ナデナデ

空母水鬼「……じゅる」ダキッ ギュッ

提督「!?」
448 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/06(金) 20:19:43.38 ID:PPSxHRd/0
提督(俺の言葉にむしろ空母水鬼は俺の腰に強く抱きつき口淫を続ける。俺は、あえて放置した。最初、一回港湾夏姫の口に出した)

提督(凌辱された空母水鬼はこういう行為に恐怖心を植え付けられていた為に、ワンクッションおいたのだ。フェラを調教しつつその口を征服した。もっとも、最初から初めてとは思えないテクニックだったが)

提督(そういった事に興味津々でいろいろ予習していたのだろう。その後、空母水鬼がシャワーを浴びたいと懇願してきたのでその間、俺はベッドで待った)

提督(いつもなら気にせずそのまま押し倒すのだが、空母水鬼の目に何か強い意志が込められていた為にあえてそうしたのだ)

提督(少ししてシャワーから戻って来た空母水鬼。背中の傷を見られたくないと着衣での行為を望んでいたが、それは断る)

提督(俺に何か悪い感情を持たれないかどうかを気にしていたからだ。背中に痛々しい傷があろうと俺は気にしない)

提督(強引に服を剥ぎ、お前の全てを受け入れ、愛し、信じ、守ると耳元で囁き誓う。涙を流して喜んだ空母水鬼を優しく丹念な前戯で愛のある快楽に蕩けさせ、恐怖心を塗りつぶした)

提督(そして正常位で挿入する。こんな上物の初めてをあんなガラクタに奪わせてしまったことを後悔した。最上級の快楽を捧げてくる空母水鬼の蜜壺は俺に一発で終わらせることを赦してはくれなかった)

提督(連戦を経た俺のモノはさすがにアレだったが、空母水鬼の口淫が与えてくる快楽にこの熱心な雌に褒美を与えんと再び固く怒張していく)

提督「……」ギンギン

空母水鬼「っ……」ジッ

提督(俺のモノが完全に臨戦態勢に戻ると空母水鬼が口を離す。そして俺を見上げた。ゆっくりと口を開く)

空母水鬼「あ……あの人にこっちでもできるようにされちゃったんです……さっき綺麗にしました……してくれませんか?後ろから」

提督「!!」

提督(そういう空母水鬼は自らの、雄に本能的な欲情を掻き立てさせる臀部に手を添える。恐る恐ると言った感じで俺を窺いながら)

空母水鬼「後ろからするのは怖いですけど、全部提督に上書きして欲しいんです。嫌なら、全然いいんですけど……」

提督「そんなわけないだろう。後で怖気づいてももう止まらないぞ。自分から男を誘ったのだ。覚悟できているな」

提督(淫らな懇願をする空母水鬼に興奮する。俺は空母水鬼を四つん這いにさせた。そしてはち切れんばかりのモノをそこに宛がう)

提督(港湾夏姫にバックで凌辱されたことがフラッシュバックしたのか、体が震えていた。空母水鬼の背中は深海棲艦特有の、文字通り美しい雪のような肌が無残に傷つけられていた)

提督(痛ましいことこの上ない。だが、どこか倒錯的な美しさがある。俺は後ろから空母水鬼にのしかかり、柔らかい体を愛撫し、頭を撫で、頬に触れながらその耳元に口を寄せ、甘い声で囁いた)

提督「安心しろ、空母水鬼。すぐにお前からこうして欲しいと懇願してくるようになる」



空母水鬼「謝るべきではないかもしれません。時にはそれが冒涜となることも理解しています。ですが、あえて言わせてください。本当に……申し訳ありませんでした」

提督に肯定されたことで空母水鬼は卑屈になって同胞たちの為に戦ったことまで否定したりはしなかったが、ムラクモを死に追いやってしまったことについて謝罪した

↓×1〜3 吹雪型と伊勢型の反応
449 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/06(金) 20:48:02.67 ID:sWVzR40PO
駆逐艦娘たちは許せるわけないと突き放す
伊勢と日向は謝罪を受け入れるがそれ以上の反応をしない
450 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 20:52:55.56 ID:qWyfvHuhO
命懸けの戦争であってお互いに仲間を
殺し合っている以上こうなると理性的に返す
感情的になりそうなメンバーを
理性的な駆逐や伊勢日向が止め
許すかどうかは今後仲間として戦い
戦争が終わってからにしてほしいと終わらせる
451 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/06(金) 21:08:04.84 ID:usgFtVop0
深雪や初雪など一部の駆逐艦娘は今更謝られてもムラクモは帰ってこないと冷淡な怒りを滲ませる
吹雪や磯波などはそれを宥めようとするが、よりにもよって叢雲があっさり許す姿勢を見せてしまったことで一触即発の空気が流れる
伊勢・日向は駆逐艦娘達を一喝して鎮めた後、誠意は行動で見せろ、そうすれば見る目も変わるとだけ言い残す
452 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/08(日) 21:17:17.04 ID:3wHcVzwF0
深雪「今更なんなんだよ。お前の自己満足の為に謝られてもこっちは迷惑だ」ジロリ

初雪「ムラクモはもう……帰ってこない……それが全てでしょ……」ジロリ

「「「「……」」」」ジロリ

提督(空母水鬼の謝罪に対して深雪と初雪が突き放すような言葉をかける。その眼差しにはかつての燃え盛るような怒りはもう見当たらない)

提督(それは底冷えするような静かな、しかしとても深いものへと性質を変えていた。姉妹によって個人差があれど、その多くが同じ静かで深い怒りの眼差しを空母水鬼へと向けていた)

空母水鬼「っ……」タジッ

提督(それを受けて空母水鬼がたじろぐ。ムラクモの死を招いたことに対して彼女の姉妹や戦友たちに謝罪したい)

提督(そんな空母水鬼の希望を尊重してその機会を作りはしたのだが……正しかったのか分からない。いや……きっとこういったことに正解は存在しないのだろう)

提督(重い空気の中、沈黙が続き、ある程度こうなるだろうと予測していた俺が、無粋だろうが一声かけようとした正にその時、吹雪が口を開いた)

吹雪「……みんな。これは、戦争だから……空母水鬼……さんも、そうしようと思ってやったわけじゃないよ」

「「「「!!」」」」

提督(深雪たちの驚愕の視線が吹雪に集中する。俺も驚いてしまった。日ごろからしっかりしていると思っていたが、なんと成熟した精神の持ち主なのだろう)

提督(四捨五入したら十歳の子供の言葉とは思えなかった。同じ境遇でそう言える人間は大人の中でも少ないだろう)

磯波「そうです。それに、こうして謝りに来てくれました。その気持ちを汲んであげてもいいんじゃないでしょうか?」

「「「「っ……」」」」

提督(磯波がそう続く。言葉にせずとも数人が言外に同意を示していた。他の姉妹たちが動揺する)

提督(怒りを滲ませていた子たちも悪い子たちではない。きっと吹雪と磯波が言ったことも分かっているのだろう)

提督(だが、姉妹が殺されたということは吹雪型の子たちにとってどれほどの衝撃的だったのか計り知れない。赦せなくて当然だ)

提督(他の子たちが狭量なのではない。むしろ吹雪と磯波たちが、赦すことができる子たちの方が特異なのだ)
453 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/08(日) 21:49:42.77 ID:3wHcVzwF0
叢雲「そうよ。感情的に殺し合うようになってしまったらそれはもう戦争じゃないわ。ただの殺し合いよ」

提督(そして、叢雲もまた子供らしからぬ思考をする特異な精神の持ち主だった。しかし子供らしい情動の持ち主でもあり、気高く勝ち気で高飛車な性格をしている)

提督(それが今回凶とでてしまった。叢雲は深雪や初雪たちが大事な姉妹が殺されていることに配慮せず、どこか上から目線で諭すようにそう言ってしまったのだ)

「「「「!!」」」」ゾクン

深雪「お前に……お前なんかに分かるか……分かってたまるか……あたしの気持ちが……ムラクモを殺されたこの想いが……!!」ワナワナワナ

初雪「っ……!!」ジワァ ツゥー ギロリ

叢雲「っ!?な、何よ……!?私、何か間違った事言った!?」ビクッ キッ

提督(向けられた大切な姉妹を失った駆逐艦娘たちの感情の嵐が込められたプレッシャーに、自覚なしに地雷を踏みぬいた叢雲が動揺しつつさらに火に油を注ぐような事を言ってしまう)

伊勢「そこまで!!」

「「「「っ!!」」」」ビクッ

提督(事態を収拾しようと口を開こうとした瞬間、伊勢の一喝が部屋に響いた。駆逐艦娘たちは皆一様にびくりと肩を震わせると恐る恐る伊勢を窺う)

提督(伊勢はそんな駆逐艦娘たちを見回すと無言で空母水鬼の方を向いた。二人の視線が絡み合う。暫し、無言の時間。伊勢が口を開いた)

伊勢「誠意は行動で見せなよ」

提督(ただ一言だけ空母水鬼にそう言うと、もう空母水鬼のことなど眼中にないと言わんばかりに俺に向き直る)

伊勢「提督、駆逐艦娘たちの事は私に任せてはもらえませんか?」

提督「わかった、任せよう。君なら心配ない。頼んだぞ」

伊勢「ありがとうございます。お任せください、提督。という訳だから、行くよ、皆」

「「「「了解……」」」」

提督(駆逐艦娘を引き連れて部屋を出ていく伊勢。それまでずっと壁に寄りかかり、腕を組んで目を瞑っていた日向が目を開けた。空母水鬼を横目に見て口を開く)

日向「お前の行動次第で、きっと見る目も変わるだろう」

提督(それだけ言って背を向け部屋を出ていく日向。空母水鬼は俯いてしまっていた。俺は空母水鬼の隣に寄り添うとその肩を抱く。そんな俺に空母水鬼は寄りかかる様にして体を預けてきた)



神鷹「お願いです、提督!!私を信じてください!!」

提督(あれから数日、緊急で東京に呼び戻された俺は時間を見つけて神鷹に会っていた。彼女が会って話をしたいと懇願してきたからだ)

提督(日本に帰化し、ドイツ系日本人となっていた彼女はドイツ側につかなかったし、ドイツ側も彼女を引き入れようと何か干渉してくることもなかった)

提督(しかしドイツ系である彼女を信用しない人間は多く、神鷹自身もドイツの奇襲攻撃に酷く動揺していたが、ドイツと戦う事を望まなかった)

提督(その結果、神鷹は逮捕、投獄されていたのだ。ドイツへの憎悪から彼女に死刑にしようとする動きもあった)

提督(しかし大多数の人間が対深海棲艦戦争や連合国との戦いで活躍していた彼女を殺すことを望まなかったのだ)

提督「シャルンホルスト……」

神鷹「神鷹と呼んでください、提督!!お願いです……私は、確かにヨーロッパでドイツを侵略する為に戦うことはできませんでした……」

神鷹「それでも、日本は私の母国で、私は日本人です……たとえ生まれはドイツで、日本の血が流れていないとしても……!!」

神鷹「そして今、日本は危機を迎えています!!なのにこんな所でじっとしてはいられません!!」

神鷹「捨て駒でも結構です!!その覚悟があります!!ですから……私にも戦わせてください……!!」

↓×1〜3 提督の反応
454 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 22:05:28.78 ID:+UI80WI7o
神鷹の懇願を聞き入れる
455 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 22:18:33.09 ID:4zJGZAnC0
456 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/03/08(日) 22:19:16.51 ID:IFHLScp1o
当然だ
君を信じているよと優しく声をかけ懇願を聞き入れる
457 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/08(日) 22:22:19.52 ID:g22Xf+Nl0
心意気は買うが、できるだけ無謀な戦闘は避けて他の艦娘と足並みを揃えるように忠告した上で受け入れる
458 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/09(月) 06:45:58.54 ID:SFUG53tr0
提督(俺にシャルンホルストと呼ばれて悲痛な表情を浮かべ神鷹と呼んで欲しいと訴えた時の悲痛な表情は、神鷹が日本人であることの何よりの証明だ)

提督(そして捨て駒にされてもいいから戦わせて欲しいという覚悟は並大抵のものではない。この子を信じ、想いに応えられなくては提督失格だろう)

提督「分かった、神鷹。君が帝国海軍の軽空母娘として復帰できるように取り計らおう」

神鷹「……!!提督……Danke schön!!」パァッ



大本営統帥部長「ハワイは日本にとって重要な拠点だが南極の深海棲艦にとっては戦略的価値の低い拠点のはずだった。しかし最近、敵の活動が確認されている」

大本営統帥部長「現地には規模は大きいが通常戦力しか配備されていない。敵の大規模な攻撃があった場合、ハワイは陥落する可能性がある」

大本営統帥部長「艦娘の艦隊を編成してハワイに送る必要があるだろう。その艦隊の編成と指揮を君に任せる。しかし現在の戦況は予断を許さない」

大本営統帥部長「よってハワイに派遣する艦隊の規模は必要最小限に抑えておきたい。そこで君にはまずハワイへ行って現地で敵の活動状況の調査と防衛態勢の確認をしてもらいたい」

提督「分かりました、お任せください」



ヒューストン「Colorado, The Devil`s Fleet clears for action.(コロラド、悪魔の艦隊は戦闘準備完了しました)」

コロラド「OK. Thank you Houston. It seemed an eternity.(OK、ありがとう、ヒューストン。一日千秋の思いだったわ)」

ヒューストン「はい、今日という日を待ちわびていました。あの日の屈辱を忘れたことはありません」

コロラド「復讐の時間よ。卑怯者どもに騙し討ちの代償を奴らの命で支払わせてやるわ。第一特殊任務艦隊、出撃!!」
459 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/09(月) 06:51:36.17 ID:SFUG53tr0


帝国海軍提督「バカな……こんな事あり得ない……!!」

提督「っ……!!」タラリ

提督(司令部の窓から燃え盛る真珠湾を見る。その上空には黒い塗装で機体の一部が緑や赤、青色に発光している航空機が飛んでいた)

提督(ハワイに到着してホノルルの司令官に挨拶している時だった、それが始まったのは。かつて我が帝国海軍が行ったような見事な奇襲攻撃だ。戦艦や空母が炎上し、沈んでいく)

帝国陸軍将軍「深海棲艦め……!!」ギリッ

提督「いや、違う……!!」

帝国陸軍将軍「なん……だと……!?どういう意味だ、提督!?」キッ

提督「あれは深海棲艦の航空隊ではない……!!塗装や装飾で上手く偽装してそれらしく見せてはいるが、そもそも深海棲艦の航空隊はああいう飛行機ではない……!!」

帝国陸軍将軍「ではあれはなんだというのだ!?」

帝国海軍提督「あれは……アメリカ軍だ!!」



帝国陸軍将軍「何をしているんだ!?早く本土へこのことを連絡しろ!!」

帝国陸軍通信兵「やってます!!ですが通じないんです!!通信妨害が酷くて……有線も死んでいます!!おそらく海底ケーブルを切断されたのかと……!!」

帝国陸軍将軍「っ……!!こんな事が……!!」ブツッ タラリ



ヒューストン「敵艦はすべて沈み、砲台陣地も沈黙しています!!空を飛んでいるのは友軍機のみ!!敵戦力はすべて撃破しました!!我々の勝利です!!」

コロラド「素晴らしいわ!!祝砲が必要ね?だからもっと撃ちなさい!!もっとよ!!Japどもを皆殺しにするの!!」ニタァ

ハワイは合衆国にとって屈辱の象徴である上に、位置的に喉元につきつけられた短剣でもあった。放置することなど考えられない
かつての眠れる巨人は完全に覚醒し、今や怒れる巨人となっている。武力でハワイを取り戻すことは合衆国にとって容易いことだった
しかし国内、国際の情勢がハワイを武力で解放することを許してくれなかった。だが、状況は変わった。アメリカが日本から武力で奪還することは問題になる

では、深海棲艦からなら?深海棲艦が日本からハワイを奪い、そしてその深海棲艦から合衆国がハワイを奪還する。それなら問題ないではないか
日本はハワイを返せと言ってくるかもしれない。しかしかつて日本がしたように相手の言葉に耳を傾けず、無視すればいい
日本が怒って戦争を仕掛けてくればそれはむしろ好機だ。合衆国は被害者として振舞いながら日本を完膚なきまでに撃破し、あの極東の地はすべて合衆国のものとなるだろう

しかし現実はそううまくいかない。深海棲艦がハワイを攻撃、占領することはまずないだろう。奴らにとってハワイを占領する理由がない
そんなときにどうすればいいのかはジャップが中国で、そしてナチがポーランドでやって見せてくれたではないか

この作戦は深海棲艦を装ってハワイを奪還するという参加者の他は少数の人間しか知らない不正規な作戦だった
事実が露見することを防ぐためにハワイに居る日本人は軍人も民間人も皆殺しにするという残酷な作戦だ

↓×1〜3 日本人は皆殺しにする作戦であると知っていたことをふまえて作戦開始直前にハワイに提督が着任していたことを知ったアイオワとサラトガの心情
※ニ人とも愛国心のあるアメリカ人であり、提督のことを愛しているが大日本帝国を嫌っていて作戦成功を聞いた時に大喜びしたことをふまえて
460 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/09(月) 11:04:47.70 ID:g1D6viRDO
最悪のニュースを聞いて、日本人を皆殺しにすることは本当は悪いことだとわかっていた。してはいけないと理解していた、それを大日本帝国への憎悪と真珠湾の騙し討ちを理由に正当化していたと戦争の狂気に精神を侵されていた二人は正気に戻る
そしてそのことの罰が神から与えられた。最愛の人がその作戦に巻き込まれて死ぬという考えられる限り一番重い罰がと絶望する
461 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 14:12:06.11 ID:kqUhj9aA0
いつかの大戦と状況が真逆であることにアイオワが気付く
その上で自分たちが相手にしているのが他でもない提督であることから
自分たちは破滅への扉を開いたのではと悟り後悔と恐怖にかられる

サラはそんなアイオワに対して自分たちの優位と絶対性が揺るぎないことを確信しており
いざとなれば提督だけでも匿うか活躍の恩赦で救えば良い
あくまで国と名誉の為に自分たちの力と作戦を信じれば良いと皆を含めて鼓舞し続ける
462 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 15:37:24.22 ID:Wt4fJTJwo
継続して日本は叩きのめす、提督は助けるを最優先に行動すると自身に言い聞かせる
463 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/09(月) 22:22:19.24 ID:SFUG53tr0
アイオワ「A……Admiralが……ホノルルに……?」

アメリカ軍情報将校「ええ。どうやら提督は攻撃の直前にホノルルへ着任していたようです。偶然にも厄介な人物を葬り去ることができました」

アイオワ「っ!!!!……。葬り……去る……」ゾクン サァッ

アメリカ軍情報将校「何か言いましたか?……アイオワ?大丈夫ですか?」

アイオワ「……」フラフラフラ



サラトガ(提督が……あの人があの作戦に巻き込まれたなんて……!!作戦が成功したってことは……もう提督は……)

『Fire!!』

ダンダンダンダン

提督『』グッタリ ドクドクドク

サラトガ「いやぁああああああああああ!!!!嘘よ!!嘘嘘!!あり得ない!!そんな事あっていいわけない!!嘘よそんなことぉ……!!」ボロボロボロ

サラトガ(M1ライフルの.30-06スプリングフィールド弾が提督の体を貫き、肉片や骨片、血液が飛び散る光景が……提督を即死させる様が嫌でも脳裏に浮かんでしまう)

サラトガ「うぅううう……うぁああああああああああ!!あぁああああああああああ!!ぐすっ……ひっく……」

サラトガ(分かっていた……ハワイの日本人を皆殺しにするというこの作戦がいけないことだという事ぐらい……そんな作戦を実行してしまったことに対する罰がこれだというの……!?)

サラトガ「なんて酷い……!!私たちだって好きでやった訳じゃないのに……!!最初に始めたのは日本なのに……!!」

サラトガ(自分の言い分がとても自分勝手で醜いものだって分かってる……それでも、止められなかった)

サラトガ「日本があんな事するから!!だから私たちもやるしかなかった!!悪いのは日本じゃないですか!?なのにこんな……あんまりです、主よ……!!」



アイオワ「ごめんなさい……ごめんなさい……私は決してしてはいけないことをしてしまいました……虐殺に加担してしまいました……」ハイライトオフ ブルブルブル

アイオワ「謝ります……私にできることは何でもして償います……だからどうか……Admiralを……私の最愛の人を返してください……お願いします……どうかお慈悲を……主よ……」ポロポロポロ



コロラド「……」

ヒューストン「……」

コロラドやヒューストンたちの目の前には大量の日本人の死体が積み上げられてできた山があった
撃ち殺された者もいれば、黒焦げになっている者もいる。この中の多くが艦砲射撃で死んだことは明らかだった
それはつまり自分たちが殺したという事だ。軍人はおろか民間人、それもお年寄りや赤子までこの手にかけたのだという事を踏まえて
↓×1〜3 コロラドとヒューストンの反応
464 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/03/09(月) 22:40:01.65 ID:iGEF5FaNO
日本人どもに一泡ふかせ爽快な気分のはずだったのに
目の前の凄惨な光景に息がつまる
ふと死んだ彼らにも家族があり、日々の生活があったことが頭をよぎり
自分の親しい人が目の前の死体の山に紛れ込んでいるような錯覚に陥り動揺する
465 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 22:45:07.68 ID:Wt4fJTJwo
464
嗚咽、項垂れるコロラドを
沈痛な面持ちで無言のまま抱き寄せるヒューストン
466 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/09(月) 23:37:19.36 ID:1mkdtUG60
お互いこれは戦争なんだ、間違ってはいないはずなんだと自己正当化を図ろうとするが、眼前の光景がそれを阻害する
罪悪感とこの先どうなるのかという不安で押し潰されそうになり、逃げるように足早に立ち去った
467 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/11(水) 22:40:51.08 ID:IDCAWED20
コロラド(私たちは雪辱を果たした。かつて騙し討ちで真珠湾を攻撃し、多くの戦友を殺した日本人に復讐してやった。最高の気分だった。ついさっきまでは)

コロラド(上陸した私たちが見たのは、山のように高く無造作に積み上げられた日本人の死体だった。その中には軍人だけでなく、民間人……老人や赤ん坊までいた)

コロラド(これを私たちがやったのだと思うと、息が詰まる。気分が悪くなる。背筋がぞっとする)

コロラド(こいつらは敵だ。卑劣な騙し討ちでアメリカ人を沢山殺した。民間人であろうと不当にハワイを占領して居座っていた。こいつらはみんな悪い奴らだ)

コロラド(だからこうなって当然だ。それは、間違いないはずなのに……私たちが間違っているように感じた)

コロラド(……いや、きっと私たちが間違っているんだ。私たちは戦争を変えてしまった。軍人だけでなく、民間人まで殺すような悍ましいものに)

コロラド(私たちは分かっていなかった。大日本帝国に対する憎悪に昂るままに日本人を皆殺しにしてやれと歓喜しながらさんざん砲撃してやった。それが、どういうことかという事を)

コロラド「……!!」ハッ

コロラド(ふと、その中に見つけてしまった。それは黒焦げになりつつも母親とその子供だろうと分かった。その腕に我が子を守ろうと抱きしめていたに違いない)

コロラド(ちょうど出撃前に会った大親友の赤ん坊を抱っこした時のことを思い出す。赤ん坊というのはとても尊い存在だと感じた)

コロラド(無意識のうちに自分がその子に歩み寄っていたことに、その傍らに膝をついた時に気が付いた。至近距離で黒焦げになった赤ん坊の死体を見る……背筋を恐怖が這いまわった)

コロラド「っ……!!」ゾワリ ジワァ

コロラド(してはいけないことをしてしまった。私は戦争を変えてしまったんだ。このことが敵に知られたら、敵もまた同じことをするようになる)

コロラド(目の前の死体が、大親友とその赤ん坊と重なった。自分の家族や友人たちがこの中に紛れ込んでいるような錯覚、罪悪感とその恐怖に耐えられなかった)

コロラド「うぅ……ぐすっ……ひっく……!!」ポロポロ ガタガタ

ヒューストン「……」ダキッ ギュッ

コロラド(つい項垂れて嗚咽を漏らしてしまっていると、抱きしめられる。ヒューストンだった)

コロラド(ヒューストンもまた沈痛な表情を浮かべている。年下にこうされて恥ずかしいと感じる余裕は無かった)



カツ カツ カツ

提督「Who(誰だ)?」

アトランタ「USS Atlanta. Or, maybe it`s better to introduce myself Ōtori(USS アトランタ。それか、鳳って言った方がいいかもね). Nice to meet you」ハイライトオフ

提督「鳳……!?そうか、君が……初めまして。私は大日本帝国海軍の提督だ」

アトランタ「この攻撃は出撃直前に説明されたの。だから警告できなかった。ゴメンね。さあ行きましょう、提督さん。貴方を逃がすわ」
468 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/11(水) 22:55:56.20 ID:IDCAWED20
提督「いや、いい……私にはやらなくてはいけないことがある」

アトランタ「はぁ、何言ってるの?貴方は情報を引き出す為に生かされているの。用が済んだら必ず殺されるわよ」

アトランタ「もうすでに貴方以外の日本人は皆殺しにされたわ。貴方の命令を聞いて投降した兵士たちもね」

提督「っ……ああ、聞いた。痛恨の極みだ。アメリカが口封じのためにハワイの人間を皆殺しにするとは思っていなかった。せいぜい、一生収容所暮らしにする程度だと思っていた」

提督「忘れていたよ……戦争は変わった。世界大戦の後、誰かが戦争は英雄譚で謳われたような美学も何もないただ苦痛と絶望と死が溢れる地獄になったと言ったと聞いた」

提督「だが、それすらもまだ今回の戦争にくらべればマシだろう。戦争は軍人だけでなく民間人までもを狙って殺すような悪夢に成り果ててしまった」

提督「死んだ人々には謝っても謝り切れない……しかし、生き恥を曝してでも俺は生きて、この日米開戦の危機を何とかしなくてはならない」

提督「それは日本で生きる人々の為であり、アメリカの人々の為でもある。そして何よりここで殺された人々へ私ができる最大の償いだと確信している」

カツカツカツ

「「!!」」

コロラド「誰かいると思ったら貴女だったの、アトランタ。何をしているの?こんな所で」

アトランタ「それはこっちのセリフ、コロラド。何しに来たの?」

コロラド「……そいつに言わなくちゃいけないことがあるの。それで、貴女は?」

アトランタ「私も貴女と同じ。まあ、もう終わったけどね。失礼するわ。Bye」

コロラド「Bye. ……お前があのAdmiralか。聞いたわ、お前の提案。恥ずかしいと思わないの?大勢死に追いやっておいて、自分は醜く命乞い?」

提督「……恥ずかしいと思うし、何より申し訳ないと思っている。しかし、死が死んでいった人々への償いになるとはかけらも思わない」

コロラド「……へぇ。じゃあどう償うつもりなの?」

提督「これ以上の悲劇を起こさせないことでだ」

コロラド「!!」

提督「現在、我が日本とアメリカは戦争の危機に陥っている。俺は何をしてでも日本とアメリカの戦争を避けなくてはならない」

提督「もしアメリカと戦争になればいままでと比べ物にならない程の人が死ぬことになる。絶対にそんな悪夢を現実のものとしてはいけない」

提督「だから私は証言する。ハワイは深海棲艦の攻撃を受けて私以外は民間人まで全滅したと。そして偶然近くに存在した君たちアメリカ軍が深海棲艦からハワイを解放したのだと」

↓×1〜3 アトランタとコロラドの反応
※アトランタはまだ日本が枢軸国と同盟して連合国と戦っていたころにソロモンで捕虜になり、
その際に提督が深海棲艦にしたような方法で日本のスパイへと洗脳されていることとコロラドと提督の会話まで盗み聞きしていたこと
そしてコロラドは提督とアトランタの会話を聞いていないことを踏まえて
469 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 00:18:06.45 ID:2xrqHEz90
アトランタ(別にあの男……提督さんがどうなろうと知ったこっちゃないけど、死なれたらあたしが困るのよね。”戦争を止める”か……。あたしには関係ないね……。うっ……!頭痛い……)洗脳の後遺症がありつつもどこまでも冷めた様子のアトランタ。コロラド(アドミラル……この男の嘘の証言で戦争の危機を回避出来るなら利用してみるのもアリだわね。私だって悲惨な戦いを望んでいるわけじゃないわ!それにこの人の眼差し……何故かこの人ならやってくれるかもという希望を感じさせる……。取り敢えずこの人をここから出してあげないと……)提督の証言一つで戦争を回避出来る確証は全く無いが今は提督を信じて自分に出来ることをやろうとするコロラド
470 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 01:41:51.39 ID:4DqoVBpB0
コロラド
そんなものはただの世迷言だ、いずれ真実が白日の下に晒されるだけでもはや止める術など存在しない
半ば投げやりな態度で提督の提案を一笑に付し、手にかけようとする

アトランタ
コロラドが提督を手にかける直前で静止させる
提督の言う通りに事が進めば無駄な争いは生まれないし、バレたとしても提督は必然的に日本に復帰できなくなるので、提督を裏切り者に仕立てあげてアメリカ軍の提督として指揮を執らせればいいと説得する
471 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/03/12(木) 01:42:23.14 ID:vgWDfvl/O
アトランタは提督と自分を比べてそのありかたに羨望と嫉妬を覚える
コロラドは心が弱っていたこともあり提督に惹かれはじめる
472 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/12(木) 01:45:11.26 ID:SO5+PvKRo
アトランタ
提督の話を聞いたコロラドの反応や様子から
提督を逃がす以外に現状の打開策が出てくるかもしれないと様々な手で探ろうとする

コロラド
四面楚歌の状況でなおも打開策どころか米国側の譲歩を引き出させようとする提督の知略に一抹の畏れを抱くも
まだ彼の事を推し量る必要があるとみて
敢えて挑発ととられる様な質問を投げ掛け続けてみる
473 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/12(木) 21:46:38.84 ID:+6iz2qVN0
コロラド「……!!」

コロラド(こいつ……なんて目をしてるのよ……!!どうしてそんな自信満々でいられるわけ……!?)

コロラド(でもその強い自信と意志に漲った眼光を見ていると……この男ならやってくれるかもしれないという気持ちになってくる)

コロラド『あんな赤ん坊まで殺してしまった!!人の道から外れるような事をしてしまった!!お前たちのせいで!!』

コロラド(そう爆発してしまいそうな感情の奔流をこの大日本帝国海軍の高官にぶつけてやるためにここに来た)

コロラド(だって、間違いなくこの男にも責任の一端はあるもの。じゃないとおかしくなってしまいそうだった)

コロラド(でも、Admiralのその言葉に私は何も言えなくなってしまった。考えさせられる。私だって、悲惨な戦いを望んでいるわけじゃないわ)

コロラド(もしこの男の提案に乗ることで戦争の危機を回避することができるのならそれもありね)



コロラド「戦争を避けるために、お前は日本の不利益になるような嘘を吐くというの?お前たちが大きな犠牲を払ってまで守り通そうとしたハワイを手放すことになるのに」

提督「……ああ、そうだ。我々がハワイを保持することにこだわったのは国防のためだ。戦争にならないのなら、ハワイを占領する意義はなくなる」

提督「いろいろ確執ができてしまったが、対話で解決できると信じている。我々は戦争を……凄惨な殺し合いを望んでいるわけではない。そしてそれは君たちも一緒だと確信している」

アトランタ「……」

アトランタ(提督さんとコロラドさんが真剣に話し合っている。でも、全部どうでも良かった。私にとって唯一大切なのはあの人だ。私はあの人のために生きている)

アトランタ(アメリカも、日本も、戦争も心底どうでもいい。ただ、あの人に喜んでもらいたいだけ)

アトランタ(そして……ほんの少しで良いから私を見て欲しい。愛して欲しい。そのためにもここで提督さんに死なれたら困る)

アトランタ(だってもし提督さんを私が助けたってあの人が知ったら、きっとすごく喜んでもらえるはずだから。まあ、そうでもなきゃ提督さんがどうなろうと知ったことじゃないけど)

ドドォーン

アトランタ「!?」



コロラド「爆発!?っ……」ギロリ

提督(突然の爆発音にびくりと反応したコロラドは爆発音が続き、明らかに敵の攻撃だと理解すると俺を睨みつける。これが日本軍の攻撃だと思っているのだろう)

提督「もしこれが我々の攻撃だとしたら、我々は君たちの攻撃があることを攻撃前に知っていた事になる」

コロラド「っ……うるさい、そんなの分かってるわ!!これは深海棲艦の攻撃よ!!」

提督(俺の言葉にコロラドは牙を剥くと噛みつくようにそう怒鳴る。そうだろう。もともとハワイ近海で深海棲艦の活動は確認されていたのだ。しかし、今とは……)

提督「そうなるな。彼女たちの陽動作戦に違いない。なんてタイミングの悪い……君がここに居るということは、あまり状況は良くなさそうだな」

コロラド「あまり良くないどころじゃないわ!!最悪よ!!完全に奇襲されてる!!」

ジリリリリリリリリリリ

「「!!」」

提督(けたたましいベルの音が響く。敵の攻撃で火災が発生したのだろう。コロラドが俺を見る。泣きそうな顔をしていた)
474 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 02:40:56.62 ID:rSZ4VyEPO
寝落ち?乙です
475 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/13(金) 03:52:50.17 ID:YDd0+ysP0
コロラド「あっち向いてなさい!!見たら殺す!!」キッ

提督「っ!!わかった」サッ

コロラド「はぁっ!!っ……私の信頼を裏切ったら、死ぬほど後悔することになるわよ!!ついて来なさい」バギン

提督「もちろんだ。信頼には必ず応える。ありがとう、コロラド」

提督(コロラドが牢屋の扉を蹴り破ってくれる。小さくともさすが戦艦娘だな。俺は急いで牢屋から出つつコロラドにそう応えつつ、礼を言った)

提督(そして俺たちは並んで階段へと小走りで向かう。そこで上から降りてくるアトランタと看守の伍長と鉢合わせした)

アトランタ「っ、コロラド、提督さん」

コロラド「アトランタ、伍長!!大丈夫、牢屋は蹴り破ったわ!!逃げましょう!!」

アメリカ陸軍下士官「了解!!火は燃え広がりつつありますがエントランスはまだ大丈夫です!!」

コロラド「分かったわ!!」

提督(四人で廊下を走る。伍長が先導し、俺の左右をコロラドとアトランタが挟むようにして。いきなり廊下の明かりが消えた。電源が死んだのだろうか)

提督(もう夜だった。しかし外の明かりや炎のおかげで暗いが十分に視界が確保されている。エントランスに着き、刑務所から出ようとしたその時だった)

ヒューン

提督「っ!!伏せろ!!」バッ

アトランタ「うっ!?」ドサッ

コロラド「きゃっ!?」ドサッ

ドゴォン

提督(あの音が聞こえた。俺は両脇の二人を抱いて強引に倒れこむ。直後、爆発。少しして自分がまだ生きていることに気が付く)

アメリカ陸軍下士官「」

提督(顔をあげると前を走っていたはずの伍長が肉塊と変わり果てている様が視界に飛び込んでくる)



アトランタ「……!!」ゾクッ

アトランタ(もし提督さんに伏せさせられなかったら、あたしも伍長みたいになっていたかもしれなかった。提督さん、あたしの事を助けてくれたんだ)

アトランタ(提督さんの手が肩に回されて、強く抱きしめられている。とても力強くて安心した。提督さんの体温を感じる)

アトランタ(あの人にこうされたのはもうずっと前だった。ふと、思ってしまう。私はずっとあの人の言葉を信じてあの人の為に頑張っているのに……)

アトランタ(なのにあの人はあたしを抱きしめてすらくれないんだ……本当にあの人はあたしの事を想っているの……?)

アトランタ(あたしはこのままあの人を信じていいの……?不安になる……疑ってしまう……あの人を疑ってはいけないのに……っ……頭が……痛い……)ズキンズキン



提督「二人とも、大丈夫か!?」

アトランタ「っ……大丈夫」コクリ

コロラド「……!!」コクコク

提督(手で頭を押さえ、顔をしかめつつもこくりと頷いてそう言ったアトランタに対してコロラドは声もでない様子だ)

提督(いっぱいいっぱいといった表情で壊れた玩具のように何度も首を縦にふる。艦娘らしくこういうことに慣れていないのだろうな。海での戦いしか経験していないに違いない)
476 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/03/13(金) 04:02:16.60 ID:YDd0+ysP0
提督「よし、では行こう。さあ立って」

アトランタ「……」スクッ

コロラド「っ……ぁ、あれ……!?な、なんで……!!」ブルブルブル

提督(問題なく立ち上がるアトランタ。彼女は大丈夫そうだ。しかしコロラドは駄目だった。立ち上がろうするが、立ち上がれない。体がぶるぶる震えている)

提督「っ……コロラド、背負うぞ。いいな?」グイッ

コロラド「ご、ごめんなさい……」

ヒューストン「コロラド!!アトランタ!!」

「「「!!」」」

提督(腰が抜けたコロラドを担いで運ぶために背負おうとしていたところで声が聞こえてくる。そちらを見ると小集団がこちらに向かって走ってきていた)

コロラド「ひ、ヒューストン!!みんな!!」

提督「っ!!集まりすぎるな!!外で集団になるんじゃない!!散開しろ!!艦隊での対空戦闘とは違う!!」

ゥーン ダダダダダダダダダダ

コロラド「っ!!!!」

提督(俺が警告した直後だった。機関銃の音、そして土煙と血煙。一瞬の出来事だった。少ししてその惨状が露になる。立っている者は誰もいない。いや、たった一人だけ体を起こした)

ヒューストン「……」ベッタリ

提督(先程まで一緒に走っていた戦友の血や肉片を全身に浴び、呆然とした表情を浮かべている。どうも無傷のようだった。なんて運のいい子だ。しかし彼女は動けない。助けに行かなくては)

提督「っ!!」ダッ

コロラド「っ!!Admiral……!!おねがい……ヒューストンをたすけて……!!」ポロポロポロ

アトランタ「……」ジッ



中間棲姫「っ!?くっ!!」ハッ

中間棲姫(それは提督だった。私は反射的に射撃を中止してしまう。再度機銃掃射を加えようと機体を旋回させると、一人だけ体を起こしている奴が見えた)

中間棲姫(そして愚かにもそいつを助けようとしたらしい奴が建物から飛び出してきた。呆然自失とした様子の生き残りに向かって駆けていく)

中間棲姫(そいつらを二人纏めて葬り去ってやろうと射撃を開始した瞬間だった。偶然、何かが燃え上がり明るくなり、奇跡的に生き残りを伏せさせるために飛び掛かった愚者の顔が見えた)

中間棲姫(それは、提督だった。慌てて再突入を試みつつ付近の別の機体を同じ地点へ向かわせる。一分もかかってない。けれどそこにはもう提督も生き残りもいなかった)

中間棲姫「……!!う、撃てなかった……もう敵同士なのに……絶対にここで殺しておくべきだったのに……!!」タラリ



コロラド「ヒューストン!!ヒューストン!!」ダキッ ギュゥゥゥ

ヒューストン「コロラド……」

アトランタ「良く死ななかったと思う」

提督「はぁ……はぁ……運が良かった……弾切れか、あるいは何らかのトラブルか、明らかに敵の掃射が短かった」

提督「ともかく、私はまだ生きている。そして君たちも。じきに敵の空襲も終わるだろう。今はただ生き残ることに集中しよう」

↓×1〜3
一連の出来事を踏まえてコロラド、ヒューストン、アトランタの心情と行動
及び中間棲姫の心情
477 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 07:40:41.85 ID:QnU76HToo
コロラド(ヒューストンが助かって良かった……!アドミラル……なんて冷静で勇敢な人なんだろう!私は何も出来なかったのに!この人が居なかったら私もここまで来れなかった!今はこの人を信じてついて行こう!)アトランタ(提督さん……支持が的確過ぎでしょ。もしかしてこんな修羅場をいくつもくぐり抜けてきたんじゃ?今はこの人に従ったほうが得策みたい。まさか助けにきた人に逆に助けられるとはね。でもこの不思議な安心感と心強さは何だろう……)ヒューストン(一緒に居た人達が一瞬で死んでしまった……。何が何だか良く分からないうちに提督に助けられた。この人が居なければ私も今頃……。後でお礼を言わなきゃね)中間棲姫(提督を逃してしまった。あの時、私のタコ焼きの餌食にしておくべきだった。あの人を見逃せば後々こちらにとってまずい事になりかねないけれど……。反撃されない内に一旦引き上げて提督の事を仲間に報告したほうが良さそうね)
478 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 08:16:57.82 ID:HSu6GNtQ0
コロラド
自分のみならずヒューストンまで命懸けで助けてくれたことで、提督への信頼感が増す
それと同時に、異性としても意識し始めてしまったため、これはただの吊り橋効果だと必死に自分に言い聞かせる

ヒューストン
提督に助けられた直後にようやく自分の状況を把握できたが、目の前で自分以外が皆殺しにされたことで今まで感じたことのない恐怖を抱く
その結果、極度の緊張と不安を生み出し、過呼吸を引き起こす

アトランタ
徐々に洗脳されていた頃の感情を取り戻してくるが、一方で、洗脳とは関係のないところでコロラドやヒューストンに嫉妬に似た感情を抱く
それが洗脳の記憶と組み合わさり、自分が一番提督に尽くし愛されなければならないという歪んだ独占欲へと変貌していく

中間棲姫
提督を撃てなかったことを心のどこかで安堵している自分に腹が立つ
そして、何故提督がアメリカ軍の艦娘を庇ったのか疑問に思い、(ハワイがアメリカ軍に制圧されたことも踏まえて)よもやアメリカ軍に寝返ったのではないかと思い込む
479 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/13(金) 08:25:57.94 ID:az4Tt7RiO
480 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/06(月) 04:05:19.45 ID:uVcB2lKqo
待つわ
481 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/04/29(水) 17:17:05.29 ID:C2hl+pJso
続きこないかなあ
482 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/05/11(月) 02:56:40.53 ID:6j5x0iADo
このご時世、生存報告だけでもほしい…
483 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/15(月) 20:25:47.51 ID:KTHs0qj00
待ってる
484 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/06/19(金) 22:34:29.11 ID:ppb1L3m4o
舞ってる
485 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/07/04(土) 06:29:29.50 ID:uyGxv/knO
>>1もコロナにかかってしまったのだろうか
486 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2020/07/04(土) 13:03:15.05 ID:snHa1jZo0
コロナ不況の影響を喰らってるんじゃ?
487 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/08/04(火) 13:41:09.84 ID:O/p8x6lJo
待ってる
488 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/09/04(金) 22:59:01.10 ID:UwJlrHCgo
待ってる
489 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/03(土) 00:34:54.24 ID:l+DXIEX6o
待ってる
490 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/06(火) 09:56:52.08 ID:2IwqAeVgo
展開に行き詰まってるの?
相談してくれてもいいのよ?
491 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/10/09(金) 05:12:21.22 ID:IhF+FEsy0
パースたんのエッチシーン見たいお(´;ω;`)
492 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/10/25(日) 20:05:22.24 ID:gWlx4Seao
復活してくれ…
493 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/11/26(木) 01:49:15.70 ID:sUyi6Npdo
復活…
494 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/12/01(火) 16:19:23.88 ID:R6V9Rl2A0
ザオリクーーーーーーーーー!!!
495 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/12/23(水) 21:11:50.06 ID:ddMyFCu/0
生き返れ生き返れ...
496 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/01/17(日) 20:01:45.08 ID:v2vdbCbho
待ってる…
497 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/02/21(日) 01:26:21.85 ID:9+UXvmrao
早く続きを…
498 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/03/02(火) 03:49:50.20 ID:AKENfJrz0
私松輪!いつまでも待〜つ〜わ
499 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/03/22(月) 20:12:43.08 ID:s3meDzvp0
気がつけばもう1年か……
( ?∀?)マダカナー
500 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/03/26(金) 00:49:21.48 ID:MRhy9/nr0
私松輪!いつまでも待〜つ〜わ
501 :以下、VIPにかわりましてVIP警察がお送りします [sage]:2021/03/26(金) 03:46:33.37 ID:DsopwsC60
VIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すなVIPRPG完全終了さっさと畳んでもう二度とVIPに姿を現すな
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502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/05/16(日) 21:25:08.30 ID:riWHoWdso
はよ
503 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/06/28(月) 23:49:06.20 ID:fPg/9WfE0
私松輪!いつまでも待〜つ〜わ
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/08/01(日) 00:16:16.17 ID:Jx9xJi0eo
来いよ
505 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/09/04(土) 23:42:28.70 ID:i6XJHZbfo
待ってる…
506 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/10/07(木) 20:58:43.86 ID:dTs3mp9Go
まだか
507 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/10/12(火) 02:23:05.97 ID:9YGNE/Oc0
流石にもう更新はされないかぁ、好きやったで
508 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2021/10/13(水) 23:34:42.35 ID:MWfFXmpLO
まだ諦めないぞ
だけどもう無理ならそう言ってくれ
じゃないと諦められない
このまま待ち続けるのは辛い
終わるなら一言でいいから言って終わらせてくれ
509 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/06(月) 21:56:15.28 ID:bOylu9B8o
待ってる
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2021/12/31(金) 23:48:17.47 ID:eczTH+2ro
よいお年を
511 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/01/01(土) 20:59:29.09 ID:5VCqvE4eO
まだだ、まだ終わらんよ
512 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/01/29(土) 11:08:10.41 ID:W8fUQke50
待ってるよ
513 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/01/29(土) 15:21:57.28 ID:7CnXQ5zC0
あきらめろ
514 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:24:02.66 ID:d5F5zI550
ヒューストン「……っ!!あ、あぁ……そんな……そんな……!!はぁ……はぁ……うっ、げほっ!!げほっ!!げほっ!!うぐっ、はぁ、はぁ、はっ、はっ」マッサオ ガタガタガタ

提督「っ!!」

コロラド「ヒューストン!?どうしたのヒューストン!?ヒューストン!!」ゾワッ

提督(コロラドにヒューストンと呼ばれている彼女はその青ざめた端正な顔を恐怖に歪める。そして激しく咳き込むと過呼吸の症状を見せた)

コロラド「しっかりしてヒューストン!!ヒューストン!!」フルフルフル

提督(そんなヒューストンにコロラドは悲痛な声で呼びかける。ヒューストンの頭を撫でる手は震えており、コロラドもまた恐怖と不安に冷静さを欠いていた。過呼吸を発症した相手にこれではまずい)

提督「大丈夫だ、コロラド。私に任せてくれ」ポン

コロラド「A, Admiral……わ、分かった……」コクコク

提督(地べたに座り込みながら抱き合う二人のすぐ横に膝を付き、コロラドの肩に手を置いてまっすぐ目を見つめながらそう伝える。コロラドは何度もうなずきながらヒューストンの体を委ねてきた)

提督(ヒューストンはコロラドに力なくしがみ付いていたが、それをゆっくりと引き剥がして正面から抱きしめる。血の匂い。血塗れだが柔らかく温かく震えている体)

提督「ヒューストン。大丈夫だ。もう何も心配ない。私が君を守る。ゆっくり深呼吸するんだ」ギュッ ナデナデ

ヒューストン「はっ、はっ、はっ、はっ、げほっ!!げほっ!!ふっ、ふっ、ふっ」ギュゥウ

提督(ヒューストンが痛いぐらいに体を抱きしめてくる。俺はヒューストンの背中と後頭部にそれぞれ手を回し、優しくなでる。その耳元で歌を歌った)

提督(以前聴いたジョニーが凱旋する時のフォークソングアレンジだ。原曲よりもゆったりとしていて落ち着ける曲だと思う。それ以外にアメリカ人ならだれもが知ってそうな落ち着ける曲を知らないしな……)



提督「When Johnny comes marching home again…… Hurrah…… Hurrah……♪ We`ll give him a hearty welcome then…… Hurrah…… Hurrah……♪」ナデナデ

コロラド(Admiralはヒューストンを抱きしめて優しく撫でながらまるで子守歌のようにジョニーが凱旋する時を歌う。ヒューストンの呼吸がだんだんとゆっくり、落ち着いてきた)

コロラド「……」ジッ

コロラド(私はAdmiralの横顔を見つめる。この人はさっき私とアトランタの命を助けてくれた。そして、自分の命も危なかったのにヒューストンのことも)

コロラド「……」キュン

コロラド(私の一番奥のところが、きゅっとした。この人に……Admiralにぜんぶぜんぶ委ねてしまいたくなる。この人にならぜんぶ任せられると思った)

コロラド「……っ!!」ハッ

コロラド(ってなんてこと思ってるのよ私!!違う違う!!ああもう!!おかしくなりそう!!今の私、正気じゃない……そうよ……これも……今感じてしまったこの気持ちも……全部違う……そう……吊り橋効果よ……)
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:25:49.04 ID:d5F5zI550


提督「大丈夫かな?」

ヒューストン「ええ……大丈夫よ……」

提督「それを聞いて安心したよ」

提督(俺はヒューストンの頭と背中に回してい手を戻す。ヒューストンもまた俺の背に回していた手をするりと解いた。ヒューストンがどうすればいいのかわからないといった表情で俺を見つめている)

提督「よし、では次の行動にかかるとしよう」スクッ

コロラド「次の行動って……どうするつもりよ?」キロリ

提督(立ち上がった俺にコロラドが強い口調で問い掛けてきた。コロラドに目を向けると一瞬だけ動揺したように表情が揺らぐ。向けてくる敵意は不自然で……無理矢理そう振舞っているように感じた)

提督「現状把握だ」

コロラド「逃げるのならこれ以上ないチャンスだと思うけど?」

提督「そんなつもりはないよ」

コロラド「……そう。とりあえず旧太平洋艦隊司令部の建物へ向かいましょう。あそこが司令部として使われる予定だった。司令官たちはまだ通常艦隊の旗艦から移動してなかったけど……」

ヒューストン「そうですね。生き残りもきっと集合してくるはずです。情報も集まるでしょう。そう遠くないですし、走れば十分ほどで着くかと」

提督「わかった、そうしよう」

提督(不気味な空襲警報のサイレンが響いているが、いつの間にか上空から敵機の姿が消えていた。高射砲の音も止んでいる。聞こえるのは炎が燃え盛る音、何かが誘爆したのか遠くから響いてくる爆発音)

提督(攻撃の第一波は終わったようだ。……遠からず第二波が来るだろう。コロラドとヒューストン、アトランタと共に上空を警戒しつつも急ぎながら港へ向かう)

アトランタ「……」グイッ

提督「っ!?」

提督(途中、急に腰に手を回され強引に引き寄せられる。驚き、その手の主を確認するとアトランタだった。アトランタがそっと耳元に口を寄せ、ウィスパーボイスで囁く)

アトランタ「提督さん、あたしから離れないで。絶対に。じゃないと提督さんを守れない」

提督「アトランタ……ありがとう。だが、私よりも自分自身を優先してくれ。私も自分の身ぐらい自分で守れる」

提督(そう返した俺にアトランタはジッと俺の目をのぞき込む。その幻想的な感じのする仄暗い霧のようなグレーの、しかしどこか昏い瞳の奥底を見透かすことはできない。アトランタが立ち止まる。俺も立ち止まった)

アトランタ「……ちゅっ」

提督「!?」ビクッ

提督(いきなり、キスされた。こんな時に場違いな柔らかい唇の感触。アトランタの甘い女の子の香り。つい動揺してしまう。アトランタは口を離すと俺の腰に回していた手で俺の手を握る)

アトランタ「手、離さないでね」

提督「あ、ああ……」

提督(アトランタが再び足を進める。小走りに。俺はアトランタに手をとられたまま港への道を進んでいった。一瞬の出来事で、今のが本当にあったことなのか分からない。だが、強く握られた手がさっきの出来事が現実だと示していた)
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:27:07.99 ID:d5F5zI550


中間棲姫(ハワイへの進出。そしてそこを拠点としての実施されるサンフランシスコとサンディエゴの海軍基地への強襲は、アメリカ西海岸における戦いの決定打となるはずだった。あそこの『船渠』を破壊する)

中間棲姫(艦娘たちの恐るべき継戦能力の源である船渠は特定の場所にしか建設できない。北米大陸の西海岸にあるその二ヵ所だけ。それを失えば太平洋艦隊は継戦能力を失う)

中間棲姫(太平洋艦隊の艦娘たちも甚大な被害を受けるだろう。けど彼女たちが鉄道で東海岸へと撤退することを阻止するのは不可能。でも東海岸の船渠で入渠してアメリカがその被害を立て直すのには時間がかかる)

中間棲姫(アメリカ人たちが態勢を立て直す前に今度は東海岸で大西洋艦隊に決戦を挑む。私たちのほうが戦闘力自体は高い。少なくとも緒戦は我々が優勢となることは今までの経験から間違いない)

中間棲姫(大西洋艦隊を撃破してノーフォークやブルックリン、そしてカナダのハリフォックスの海軍基地を撃破すれば、敵は北米大陸における船渠をすべて失うこととなる)

中間棲姫(そうなればアメリカは降伏するしかなくなる。新大陸の全てが我々のものになる。陸における私たちの私たちによる私たちのための『国家』ができる)

中間棲姫(陸の世界へ堂々と足を踏み入れることができるはずだった。そう、我々の目的はアメリカ大陸の支配だ。全戦力の七割を対アメリカ合衆国戦に割いていた)

中間棲姫(残りの三割の戦力をもってして大日本帝国の海軍戦力が我々のアメリカ大陸侵略を妨害できないようにするために動いている)

中間棲姫(船団護衛や対枢軸国との戦闘に戦力を割かなくてはいけない連合国に対しては対米戦のついでで十分。アゾレス諸島を拠点化しての牽制だけで十分。余裕のない彼らは主体的に何かをしてくる可能性は限りなく低い)

中間棲姫(そして周辺に脅威が存在せず、間違いなく我々の前に立ちふさがるであろう大日本帝国に対しては奇襲攻撃から新型戦略爆撃機の発進基地の確保。そして爆撃によって船渠を破壊)

中間棲姫(それにより敵艦娘の継戦能力を奪う。それが同胞たちの描いていた青写真だった。アジア方面を担当する同胞たちは大日本帝国の本土へ侵攻し、降伏させる気満々だったけれど)

中間棲姫(けどそれは、アゾレス諸島沖海戦とシンガポール沖海戦で彼に阻止された。敵として彼と対峙していた時、彼は我々にとって正に悪夢だった)

中間棲姫(そして味方となった後、悪夢は守護者へと変わった。そして今、彼はまた悪夢となった。裏切りに手を染めた私たちに残されたのは勝利か、さもなくば死だ)

中間棲姫(あの時を、走る彼を仕留めるチャンスだったあの時を思い出す。勝つためにもあそこで彼を亡き者としなくてはならなかった。なのに、できなかった。撃てなかった)

中間棲姫(そのことに安堵してしまっている自分が腹立たしい。どちらの側に立っているの?中途半端な愚か者ね……何を今更そんなことを?醜い裏切り者が……そう自分に唾棄する)

防空理護姫「うそデショ……あァ……ソンナ……!!あじあニイルんじゃナカッタノ……!?」マッサオ フルフル

中間棲姫「……私も、見間違いであって欲しい」

防空理護姫「忌々シイきつね憑キ……滅ブべきフジョウリ……あぽめーかねーすておす……!!アノ男コソが終わりのハジマリだった!!かんむすめジャナイ!!」

防空理護姫「ウタレヅヨイ程度ならドウとでもナッタ……スクナクトモともあんなヒドイマケカタはしていなカッタ……アレさえ居なケレバ!!アノトキもアンナ……アンナことにナラナカッタノニ……」

防空理護姫「勝てるノニ!!ハワイからさんふらんしすこトさんでぃえごの船渠をハカイできればあめりかに勝てるノニ!!ナンデいるノヨォ……!!」

中間棲姫「……」

中間棲姫(彼がハワイにいる。それを知った彼女は激しく動揺して狼狽えていた。警戒についている他の部下たちがこの姿を見られずに済んでよかった。見られたら士気に悪い影響がある)

防空理護姫「コンドはナニヲするツモリ……!?ゼンブうまくイッテルはずナノニ!!ナンノ心配もナイはずナノニ!!全部アレのテノヒラの上でオドラサレテイルみたいにカンジル……」

防空理護姫「何かがオカシイ……ソウヨ……はわいは日本がセンリョウしているハズ……なのにナンデあめりか軍がイタ……!?しかもアンナ……日本のグンカンが湾内で沈ンデいて……」

中間棲姫(彼女は手で口を押えながら血の気のない顔で考えている。その疑問は私も持っていた。彼がなぜあそこでアメリカ人と一緒に……あれは明らかにハワイの日本軍をアメリカ軍が攻撃して全滅させている)

中間棲姫(まさか、アメリカに寝返った……?そうとしか思えない。でも、あり得ないと感じる。不測の事態だった。彼は何を考えている?あそこで何をしていた?嫌な汗が背筋を伝う。彼女の気持ちが痛いほどわかった)

中間棲姫(けれど不測の事態はあったものの奇襲攻撃は成功した。彼我の戦力差は圧倒的。作戦は順調どころか理想の展開だった。いくら彼でもどうしようもない。負けるはずがなかった)

中間棲姫「どちらにせよ、現在の状況は理想的な展開。敵の残存戦力は少ないし周辺に他の敵戦力は見当たらない。戦力差は圧倒的。負ける要素がない。彼にも不可能はある」

防空理護姫「っ!!ソ、ソウ……ネ……ソウヨネ……いくらアレでもこのアットウテキ戦力差をどうこうスルのはフカノウ。負けるはハズが……ナイ……」
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:28:13.06 ID:d5F5zI550


提督(アメリカ旧太平洋艦隊司令部、そして大日本帝国海軍ハワイ警備府司令部が設置されていた建物には特殊作戦のため秘密裡に編成された第一特殊任務部隊)

提督("The Devil`s Fleet(悪魔の艦隊)"の生き残りが集結しつつあった。そこで情報を収集する。日本人である俺に対し嫌悪感を露わにし、情報を共有することを渋る者も多かった)

提督(しかしその場で最先任かつ最も階級の高いコロラドが俺の同席を認め情報共有を命令したことでなんとか情報を得ることができた。現状は、悪かった)

提督(分かっていたことだが、第一特殊任務部隊の通常艦隊はそのことごとくが撃沈されていた。現在、飛行艇や小型艦艇による生き残りの捜索救助が行われているとのことだ)

提督(司令官や参謀たちは戦死したらしい。よって、コロラドが第一特殊任務部隊における最上級者となったことが明らかになった)

提督(また、現在の第一特殊任務部隊に残された戦力は大きく低下していた。通常艦は湾内に居た輸送船と駆逐艦をいくつか残して全滅)

提督(艦娘たちも半数が死傷し、生き残りも我々大日本帝国に対する奇襲攻撃と深海棲艦の奇襲に対する応戦で消耗している)

提督(航空戦力はほぼ全滅。生き残りは飛行場へ移動していた通常艦隊空母の艦載機が少しと空母娘の航空隊、そして数機の飛行艇)

提督(陸上戦力は未だ確認中だが完了を待っている時間はもうないだろう。攻撃が終わってから一時間近く経っている。いつ第二波攻撃が来てもおかしくない)

提督(我々は司令部を良い目標となるそこから適当な建物に移動した。万が一敵の攻撃があっても目標とならないような、しかし付近へ散開した残存戦力がそれぞれ連絡を維持しやすい場所の建物へと)

提督(現状、コロラドがここにいる全部隊の司令官となっている。しかし、艦隊戦闘においてプロフェッショナルであろう彼女も戦域レベルでの状況判断と決断は荷が重いようだった)

提督(そういう教育を受けていないし経験を積んだこともないのだから当たり前だ。俺はコロラドに監禁場所へ連れていくという名目で廊下を歩かされる。隣にはアトランタがいた。監視のためと俺にずっとついてくるのだ)

コロラド「……」ジッ

提督(個室へと入り、振り向いたコロラドが縋るように俺を見る。この戦域において戦域レベルでの状況判断と決断ができる唯一の人物である俺の助けを求めていた)

提督「深海棲艦はハワイの占領を目的としているだろう。そして現有の戦力でそれを阻止するのは不可能だ。おそらく君たちにはハワイを本格的に確保するための後詰が控えているのだろう」

提督「しかしそれなりの大規模な部隊を深海棲艦に襲われる危険があるのに海上で待機させるわけがない。サンディエゴかサンフランシスコで待機しているはずだ」

コロラド「……」コクリ

提督「君たちが我々への奇襲攻撃を成功させた時点でその後詰を呼んでいたとしても、これから行われるであろう深海棲艦たちのハワイ占領を目的とした侵攻には間に合わない。撤退するしかないだろう」

コロラド「っ……そう……ね……本国からも撤退の許可が出た……でも撤退の準備に時間がかかるわ。敵は近い。準備中や撤退中に敵の追撃を受けたら……」

提督「被害は拡大するだろう。最悪、輸送船は全滅するかもしれないし、君たちも無事では済まないかもしれない」

提督「しかし……君たち行動可能な艦娘たちだけで今すぐ撤退を開始すればおそらく追撃を受けることなく無事に撤退できる」

コロラド「っ!!」キッ

提督(俺の言葉にコロラドが目を見開き口を開くが言葉は出てこない。この戦い初めて経験したであろう凄惨な戦場の真実がコロラドの心を蝕んでいるのだ)

提督「……」ジッ

コロラド「!!」ピクッ

提督(恐怖に怯え揺らぐコロラドの目をじっと見つめる。互いの視線が交差した。瞬間、コロラドがの表情が何か別の感情で歪む。体を震わせながらも鋭い眼光で俺を睨んだ)

コロラド「っ……仲間を見捨てるなんて……あり得ないわ……」フルフルフル キロリ

提督「ああ、そうだ。それだよ、コロラド」

コロラド「……?」

提督(俺の言葉にコロラドが困惑したように眉根を寄せる。あの頃、どんなに厳しく絶望的な状況であろうとも戦うことができるのなら。彼女たちの瞳からこの崇高な光が消えることは無かった)

提督「アメリカンスピリッツだ。我々の大和魂とは別の、しかし勝るとも劣らないものだ。かつてこの上なく心強い仲間であり、今や我々にとって一番恐ろしい敵となってしまった」

提督「しかし、こうしてまた頼もしく思うことがあるとは。あの頃に戻ったかのようだよ。懐かしい……」ニコリ

コロラド「……。私たちを貴方たちの敵にしたのは、他の誰でもない貴方たちよ……」

提督(コロラドが複雑な表情で目をそらしながらそう呟く。俺の心にも、時代のうねりに翻弄されたやるせない、叫びたくなる感情の嵐が吹き荒れた。それを無理矢理押さえつける)

提督「……しかし、今この時だけ。我々はあの頃のように戻れるはずだ。コロラド、I have "The Ruse"(私に"良い考え"がある)」

コロラド「"The Ruse(良い考え)"……」
518 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:31:37.55 ID:d5F5zI550


ヒューストン「Ten-hut(気を付け)!」

コロラド「At ease(楽にして). これからの方針を伝えるわ。私たちは味方撤退の時間を稼ぐために打って出る」

「「「「!!」」」」

コロラド(私の言葉に場の空気が張り詰める。皆が真剣な表情で私に注目していた。頼もしい仲間たち。今から私は、私を含めたこの場の全員の命をベットして勝負しなくちゃいけない)

コロラド(Admiralの提案した作戦は無謀ではない。それでもハイリスクだった。けれど、ハイリターンが望める。上手くいってもリターンがない可能性もあるけど)

コロラド(それでも、するだけの価値があると思った。この"TARFU"な状況を何とかすることができる。分の悪い賭けじゃない。それに……あのAdmiralの作戦だ)

コロラド(噂は聞いてる。嘘みたいな活躍。特に追い詰められた時や圧倒的不利な状況で奇跡的な勝利を何度もその手にしてきた)

コロラド(あのウォースパイトもAdmiralに一目置いているらしい。さすがに恋仲ってのは尾鰭が付いているだけだろうけど。私はAdmiralの作戦をみんなに伝える。発案者が彼であることを伏せて)

コロラド「空襲してきた敵機の中に陸上機がいたわ。つまり陸上機の航続距離内に陸上型深海棲艦が存在する。そしてその候補地はただ一つ。ジョンストン岩礁よ」

コロラド「私たちは唯一場所が分かっているジョンストン岩礁の敵を攻撃するわ。この海図を見て。艦隊はこのドロップポイントまでPBMに搭乗して飛んでいく」

コロラド「敵に遭遇しないよう北へ迂回しつつ、レーダーに映らない低空飛行でね。夜だけど今日は満月で明るいし波も高くない。合衆国海軍のパイロットの練度は世界一よ。余裕だわ」

コロラド「ドロップポイントに到着したら降機してジョンストン岩礁の敵を強襲する。やつらに思いっきり”かまして”やりなさい!!」

コロラド「暴れまくってあいつらをわからせてやったらすぐにこのランディングポイントまで移動。待機しているPBMに搭乗してヤバくなる前に帰る。いいわね?」

「「「「Yes, Ma`am!!」」」」



提督「通信部隊や航空隊は大丈夫そうか?」

コロラド「ええ、もちろんよ。準備は完璧。あとは、やるだけ。蹴散らしてやるわ」

提督(出撃前の最後の挨拶に来たコロラド。ついさっきまで居た怯えて震えるか弱い女の子はもういない。そこに居たのは我々帝国海軍の最も恐るべき敵。合衆国海軍の戦艦娘だった)

コロラド「じゃ、行くわね。勝ってくるわ」

提督「幸運を」

提督(歩いていくコロラドは振り返ることなく手を上げて応えた。部屋のドアが閉まる。俺は一応捕虜という扱いのため、部屋から出ることは許されていない。飛び立つ飛行艇を見送ることすらできないのだ……)
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:33:43.65 ID:d5F5zI550


中間棲姫(暫く静かだったハワイの敵が発信した謎のモールス信号。私はすぐにそれが和文モールスであることに気が付いた。今までのアメリカ軍の通信ではない。日本軍だ)

中間棲姫「っ!!!!」ゾクッ

中間棲姫(そう意識して解読した瞬間、心臓が止まりそうになった。ある一文とそれに続く四桁の数字。知っている。私はこれを知っている。この暗号の意味することを……!!)

中間棲姫「ニ、ニイタカヤマノボレ……!?」タラリ

防空理護姫「ニイタカやまノボレ……?龍宮コトバというコトハ……ニホン……っ……ナニかしらカノ暗号デショウネ」

中間棲姫「そう……これは暗号……以前、一度だけ使われた……」

防空理護姫「ド、ドウイウイミなの……?」

中間棲姫「……攻撃実施は本日とするって」

防空理護姫「コウゲキ……!!」サァッ

中間棲姫「けれど帝国海軍に動きがあれば必ず我々の哨戒線に引っかかるはず……それに昔使用した暗号をもう一度使うなんておかしい」

防空理護姫「ソウヨ……テイコク海軍はゼッタイにウゴいてナイ……!!」

中間棲姫(喉がカラカラだった。何かが起きている。それが何なのか把握できていない。まるで深い霧の中、崖に向かって歩いているような……)

中間棲姫(そんな……そんな何の根拠もないはずなのに背筋が凍るような恐怖をどうしようもなく頼りないように感じる論理で強引に押さえつけるしかなかった)



コロラド「Let`s Rock'n'Roll(お楽しみの時間よ)!!蹴散らせ!!」

「「「「Hoo-yah!!」」」」

コロラド(敵の数は多い。けれど私たちの逆襲に混乱を通り越して恐慌状態に陥っていた。練度が低い。ひよっこたちね。奴らも限界を迎えつつあると思うと安心できた)

ネ級「Φασκέλωμα(呪われろ)!!ヤツラ何処から湧いてキタ!?」

リ級「カッテいたんジャないノカ!?ドウシテここが攻撃サレテル!?」

コロラド(血と炎と砲火。敵のほうが多い。でも私たちが圧倒している。最高の気分だった。爆音、爆発、独立記念日の花火大会みたい。敵艦隊の旗艦を捉える。姫級、『防空理護姫』。"ごちそう"だわ……!!)

コロラド「Target in sight!!姫級よ!!プランB!!艦隊を分けるわ、ヒューストン!!あなたの指揮であいつを月まで吹っ飛ばしてやりなさい!!」

ヒューストン「Yes ma`am!!聞いたわね皆!?艦隊、前へ!!」

コロラド(作戦計画では敵旗艦が鬼か姫級であった場合は戦力を割いて攻撃することになっていた。私は引き続きジョンストン岩礁へ向けて突撃を続ける)

コロラド「そろそろ敵艦隊を突破するわ!!敵機が来る!!任せたわよ、アトランタ!!」

アトランタ「Wilco(了解)」
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/11(金) 17:36:27.51 ID:d5F5zI550


南方戦艦新棲姫「攻撃サレタ……!?」

南太平洋空母棲姫「!!」

防空理護姫『ソウヨ……デモ戦死はスクナイしマダ戦える。トモカク、現在のジョウキョウは意味フメイ!!少なくともこのセンイキにはあめりか軍とニホン軍が存在シテイル!!』

防空理護姫『ヤツラがお互いにテキタイしているのキョウトウしているのかスラ我々は分かってイナイ……

防空理護姫『タシカなのはキョウリョクな敵カンタイがフキンに存在シテイル可能性がタカイというコト!!ソコラジュウからヤツラのデンパを受信シテイルでショ!?』

南方戦艦新棲姫「タ、タシカニ西カラ東ニかけて広範囲カラもーるす信号ヲ受信してイル」

防空理護姫『それは帝国カイグンのモノで『トツレ』が『突撃準備隊形ヲ作レ』、『ト』レンソウで『全軍突撃』、ソシテ『トラ』レンソウで『我奇襲ニ成功セリ』をイミするラシイ!!』

南方戦艦新棲姫「ツマリあの信号ハ哨戒中のセンスイカンやショウカイキのものでなく、敵カンタイやコウクウタイがハッシンしているモノで、ヤケニ多いノハ位置がバクロするのをフセグための偽装というコトカ」

南太平洋空母棲姫「ハワイの敵センリョクは壊滅シテイルけど敵カンタイの規模はフメイ……敵カンタイの捜索ゲキハの方が重要。トイウヨリ……」タラリ

南方戦艦新棲姫「今このシュンカン敵のコウゲキを受けてもオカシクナイ……!!各員にツウタツ!!我々は敵に位置をホソクされている可能性がタカイ!!直ちにゲンザイイチを離れ敵カンタイの捜索にアタル!!」



提督(俺の謀略はコロラド達による反撃と生き残りの航空隊に帝国海軍の暗号を使用した情報戦によって敵に間違った判断をさせ、時間を稼ぐことだ)

提督(我々の思わぬ反撃に加えてあたかも付近に帝国海軍の部隊が存在し、今まさに更なる攻撃を開始せんとしているかのような通信を実施することで奴らは存在しない敵の存在を確信するはずだった)

提督(そんな俺の謀略に見事に嵌った敵深海棲艦は、我々の予想以上の時間を存在しない帝国海軍の捜索に費やした。夜が明けると飛び立つ大量の偵察機)

提督(当然、彼女たちが探すものが見つかるはずもなく時間は無為に過ぎていく。昼過ぎ、”騎兵隊”が到着した。アメリカ合衆国海軍の艦隊がハワイ付近に展開したのだ)

提督(昨晩、コロラドからの緊急通信で状況を把握したアメリカ軍は素早く動いたようだった。俺がそうしたように、艦娘たちを航空機でハワイ付近まで空輸してきたのだ)

提督(あの攻撃の後、通信でそのことを知ったコロラドは通常戦力等を撤退させたが、自分たちはホノルルに残ることを決断した。その時は深海棲艦がいつ捜索を打ち切りハワイへの侵攻を再開するかわからなかった)

提督(しかし、おそらく日の出の後、偵察機による捜索がある程度行われるまでは捜索が行われると考えたためだ。その場合、少しだけ時間を稼ぐことができれば援軍が到着する。その時間稼ぎができると判断したのだ)

提督(俺も撤退する部隊と一緒にアメリカ本土へ送られそうになったが、コロラドたちを説得してここに残ることができた。もっとも、説得は非常に簡単だったが)

提督(コロラドたちは俺を確実に確保するため安全な所へ送らなくてはならないという事は分かっていたが、厳しい状況に強い不安を感じていたのだろう。本心では俺に一緒に残って貰いたいと思っていたようだった)

コロラド『……分かったわ。Admiral……ここに残ることを許可します……』ギュッ

提督(自分が明らかに間違った判断をしている。自分の心の弱さに負けて。それをコロラド自身も理解しているのだろう。俯き、苦虫を嚙み潰したような表情で手を固く握りしめながらそう言ったコロラド)

提督(その表情はどこか背筋をゾクゾクとさせ、嗜虐心が擽られた。っ……話が脱線したな。ともかく、俺はホノルルに残りコロラド達は時間稼ぎのための過酷な戦いをすることもなく援軍が到着した)

提督(それを知った深海棲艦たちはハワイ占領を諦め撤退していった。そして今、安全を確保した援軍たちが哨戒に就く子たち以外が真珠湾に入港してきているようだった)
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 17:47:53.56 ID:d5F5zI550


コロラド「ワシントン!!サウスダコタ!!」バッ ダキッ

ワシントン「コロラドさん、無事でよかったわ」ギュッ

サウスダコタ「こうして、生きてまた会えただけで嬉しい」ギュッ

コロラド「っ……戦死者がでたわ……たくさん……」ジワッ ポロポロ

ワシントン「……それは、仕方ないわ。コロラドさん。戦争だもの……」ウルッ

サウスダコタ「……想定外の事態だった。厳しい状況の中、生き残れた者も多い。誇るべきだよ、コロラド」

コロラド「ぐすっ……あ、あとね……私……み、民間人を……たくさん殺しちゃった……皆にも……させちゃった……うぅ……あ、赤ちゃんだって……殺しちゃった……!!」ブルブル ボロボロ

「「っ……」」

ワシントン「……コロラドさん。死闘で、侵略者があらゆる人間的な感情を踏みにじってくるのに、抵抗する人々がボロボロになった倫理や道徳にいつまでも縛られていたら……正義は無くなってしまうわ……」

サウスダコタ「始めたのは、奴らだ。悪事を犯した奴らが酷い報いを受けただけだよ。……コロラド、あの提督を捕虜にしたのだろう?今、どこにいる」



バンッ

提督「!!」

提督(ドアが乱暴に開かれる。そこに立っていたのは二人の若い女性だった。一人は眩いロングの銀髪。頭頂部あたりでぴょんと一房跳ねている。所謂、アホ毛というやつだ。水銀のような美しい銀の瞳)

提督(もう一人はとても不思議な、光が当たっていいる外側は青く、しかし光の当たらない内側は赤く、ところどころひとすじだけ白く見える髪をロングにしており、メッシュを入れるように一部を染めているのか右側頭部あたりに白い星が浮かんでいる)

提督(言葉にすると異様なそれはしかし、彼女を実際に見てみると芸術品として完成されていた。ブラックダイヤモンドのような煌めく暗い灰色の瞳)

提督(彼女たちはその整った顔に嫌悪と怒りに満ちた表情を浮かべ俺を睨みつけていた。俺は立ち上がり、正対する。ずかずかと入り込んでくる二人)

コロラド「ワシントン!?サウスダコタ!?」

アトランタ「お待たせ。なんかあった?」ガチャッ

サウスダコタ「……You scum, bastard, fuckin' JAP(この最低最悪のクソジャップめ)!!」グッ ドゴォ

提督「ぐっ!?っ……」ドサッ

ワシントンが提督の顔面に右ストレートを叩き込む。首がもげていないという事は艦娘の力を発揮してはいないのだろうが、人間としては全力だろう
あまりにも突然のことで提督はもろにそれを喰らって床に倒れこんだ。脳が揺らされ意識が朦朧としている。咥内を切ったのか口から血が流れた。
ワシントンとサウスダコタの剣呑な雰囲気に危機感を覚え何とか宥めようと無駄な努力をしながら付いてきていたコロラドとコーヒーを二人分淹れてキッチンの扉を開けたアトランタは
サウスダコタの右ストレートが提督を打ち抜きその場に倒れこむ光景を目の前で目撃することとなった
また、詳しくは知らないハワイ関連のおそらく不正規戦闘に従事して、自身も評価していた合衆国海軍の提督や同じ艦娘の戦友たちを含む大勢の死傷者が発生するような激しい戦闘を戦ったコロラドと無事再会し、
想像を絶するような過酷な戦闘で消耗しきり、悍ましい闇を背負わされ、精神がすり切れそうな彼女を前にして珍しくサウスダコタとの確執を忘れていたワシントン
その言葉にできない激情をすべての元凶である大日本帝国、その中でもアメリカにとって特に悪名高い帝国海軍の提督にぶつけてやろうとしていたが、サウスダコタに目の前で獲物をとられた


↓×3 アトランタとコロラド、ワシントンの反応
522 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 19:11:30.41 ID:XUfXGHgh0
・アトランタ
コーヒーを持っていたことも忘れて提督の下に駆け寄る
提督の顔を胸に抱き寄せて痛く無いのかや何故殴られたのかを訪ね
サウスダコタに殺意のこもった無機質な視線を向ける
コロラド
追撃を加えようとするサウスダコタの手を掴み
泣きながら提督にやったのと同じ位の威力で
自分も殴ってほしい、罰を与えてほしいと頼む
ワシントン
自分以外がとった激情任せの言動に呆気にとられ真っ先に理性を取り戻す
サウスダコタの行動を肯定しつつも場の異様な空気を何とかしようと努めにかかる
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/11(金) 22:10:57.66 ID:xNw74YyaO
アトランタ
手に持つコーヒーの中身をサウスダコタにぶっかけ全身タックル。殺すつもりでサウスダコタを攻撃する

コロラド
悲鳴を上げて提督に駆け寄る。提督の口から流れる血に恐慌状態に陥り錯乱しながら提督を抱き締める

ワシントン
一連の流れに呆気にとられるがサウスダコタがボコされる展開にwktk しながら観戦
524 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 22:44:54.31 ID:t+PXrc4io
生きてた!良かった!

安価522で
525 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 22:59:52.24 ID:mDHHPpqoo
おかえりなさい
526 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/11(金) 23:16:53.84 ID:OvNOBlI+O
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
527 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/13(日) 10:57:50.14 ID:uvf0sf/70
コロラド「……ぇ?ぁ……!!」サァッ

アトランタ「っ!!」ギラリ バシャッ ドンッ

サウスダコタ「熱っ!?なにしやがうぐっ!!」ドサッ

ワシントン「えっ!?アトランタ……!?」

コロラド「いやぁああああああああああ!!Admiral!!」バッ

アトランタ「死ねアバズレ……死ね……!!!!」グッ ドゴッ ドゴッ

サウスダコタ「ぶっ!?ぐっ……!!」タラリ

ワシントン「り、理解が追い付かないけど……良い画だわ」

サウスダコタ「あぁああああ!!」グイッ

アトランタ「うわっ!?」ドサッ

提督「っ……」グッタリ タラリ

コロラド「Admiral!!Admiral!!しっかりして!!っ!!血、血が……!!」ダキッ ユサユサ ビクッ サァッ

提督(何が起きたのかよくわからなかった。何かがおかしい。口の中が生暖かく、鉄の味がしていることに気が付く。涙を零しながら目の前でコロラドが何か言っているようだ)

提督(なんて言っているんだ……?うっ……揺らさないでくれ……猛烈な気持ち悪さだった。視界の端で誰かに馬乗りになって殴りつけていたアトランタが背中から倒れる)

提督(マウントポジションをとられていた子が強引に体を起こしたようだった。あの子……そうだ……俺はあの子に……コロラドが俺を強く抱きしめてくる)

コロラド「Admiral……!!Admiral……!!」ダキッ ギュゥゥゥゥ ポロポロ

サウスダコタ「やめろバカ!!気でも狂ったか!?」タラリ フラフラ ギロッ

アトランタ「死ね!!おっ死ね!!」ドガッ ドガッ

サウスダコタ「いっ!?ぎぃ!!チッ!!」ビキッ ブチッ

ワシントン「わお、いいのが入ったわね」

アトランタ「おっ死ねアバズレ!!」グッ

サウスダコタ「てめぇが死ねアトランタ!!」ガシッ ブンッ

アトランタ「うっ……!?がっはぁ……!!」バンッ ドサッ

提督「!!」
528 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/13(日) 11:07:03.93 ID:uvf0sf/70
提督(背中から倒れた姿勢のまま俺を殴った子に強烈な蹴りを入れていたアトランタは、三度目の蹴りを入れた瞬間その足を掴まれる)

提督(そしてそのまま壁に向けて投げ飛ばされた。壁に激突し、床に叩きつけられるアトランタ。壁のアトランタが叩きつけられた所はクレーターのように陥没している)

提督(普通の人間なら死んでいてもおかしくない。艦娘といえど無事ではすまないような事態だ。何とかアトランタのもとへ向かいたい。しかし俺の体は言う事をきいてくれない)

提督「ア……トラ……ンタ……!!」

ワシントン「ち、ちょっと待ちなさいサウスダコタ!!今のはシャレにならないわよ!?」

サウスダコタ「あぁ!?てめぇの目は節穴かワシントン!?あいつの方がシャレになってなかっただろうが!!殺す気で来てたぞ!!」ギロリ

ワシントン「っ」タジッ

サウスダコタ「うぐっ……クソ、脳を揺らされた……血が……鼻、折れてないだろうな……?」フラフラ ドクドク

ワシントン「ど、どうしようコロラドさん……コロラドさん?」

コロラド「Admiral……お願い……死なないで……!!」ブルブルブル ハイライトオフ

ワシントン「っ!?大丈夫ですかコロラドさん!?」

ウゥーーーーン

ワシントン「なっ!?」

サウスダコタ「空襲警報……!?」



真珠湾がアメリカ軍に奇襲された日の昼ごろには日本はハワイとの通信が途絶したことを把握していた
帝国海軍軍令部は至急艦隊を編成しミッドウェーまで航空機で移動させてからハワイへ向かわせる方針を決定するとともに、
艦隊がハワイへ着く前に潜水艦娘の中でも偵察能力に長ける潜水空母娘にハワイの状況を調べさせる事を決定した
それを受けた艦娘艦隊司令長官は比較的ハワイに近い海域で活動していた何名かの潜水空母娘にハワイへの急行と水偵を用いた偵察を行う事を命令した
その中の一人である彼女は命令を受け取ってすぐに全速力でハワイ近海へと向かい、一日後、作戦海域に到着した
彼女は水偵を発艦させ、レーダーに捉えられないように低空飛行で真珠湾へと向かわせる。そして到着直前で偵察に適した高度へと上昇させた
見たのは戦艦や空母を主力とした通常艦隊が真珠湾で無残に撃沈されている様とその周辺に停泊したり航行したりしている合衆国海軍の艦娘たち
そして爆撃や砲撃を受けたように廃墟と化したホノルル市街と司令部前の旗ポールに掲揚された風にたなびく星条旗だった。眼下の街で空襲警報のサイレンが鳴り始める
彼の地で何が起きたのかはもうわかった。見える限りの敵戦力も把握した。高射砲の射程に入ったり敵の戦闘機が上がってきたりする前に偵察機を引き返させる

↓×1〜3 潜水空母娘一人と提督に対する思い。そしてそこに居た提督も無事ではないことは確実で、最悪……いや、おそらく死亡しているという事実に対する心情
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/13(日) 11:23:22.73 ID:4lChuC9V0
提督への思いよりも先に、あと何度このような
破壊と殺戮が繰り返されるのだろうと虚しさにかられる
提督に対して、今度こそここまでの廃墟と化した空間では
助かる筈が無いと思う一方で、今度は一体どうやってここから
奇跡的な生還を披露してくれるのだろうと期待する思いを同時に抱く
530 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/13(日) 16:20:00.69 ID:4CpTTN1tO
潜水空母娘は伊58

提督の指示でまるゆや事情を知る他の艦娘たちと共にU-511を匿い続ける傍ら
提督との肉体関係のあるU-511や他の伊号潜水艦娘たち数人の艶かしい会話に触発され
いつしか自身の提督への恋心を自覚する様になった
吊り橋効果にも期待しつつ恋を成就させる為に今回の超高倍率の偵察任務を引き受けた

目前の惨状から深い絶望感に襲われるも
提督なら決して諦めないだろうと己を鼓舞しつつ
自身の運を頼りに懸命に提督を探す
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/13(日) 17:35:12.90 ID:5CxSPR2Do
>>529

>>530
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 11:27:36.85 ID:KL7D1NrqO
伊58(どうしてこんな酷いことが起きるの……世界は平和になったんじゃなかったんでちか……?いや……きっと平和なんてないんだ。小さい頃は戦争なんてなくて……平和だって思ってた……)

伊58(……でも、幼すぎて知らなかっただけでち。きっとあの頃からずっと、本当に平和だった時なんてないんだ。大化の改新だって、平家物語だって、戦国時代だって)

伊58(新撰組だって、日本海海戦だって、何か良い事みたいに扱われてるけど、全部血の流れた戦いだったでち。あと何回こんなことが繰り返されれば……世界は平和になるのかな……)

伊58「……」ハイライトオフ

伊58(それを見て何があったのかを察したでち。ハワイには軍民合わせて三万人の人がいた。拠点の規模に対して比較的少ないのはここが最前線だから。人がいる区画は限られてる)

伊58(その区画を囲うように黒い線が……火災が起きた跡がある。っていう事は、逃げられないように焼夷弾で炎の壁を作ったんだ。皆殺しにするために……入念に計画された明らかにそれを目的とした攻撃)

伊58(攻撃されたのは通信が途絶えたあの日に違いないでち……ちょうど提督がハワイに着く予定だった日。提督も音信不通ってことは、攻撃に巻き込まれたってこと。こんな手際の良いやつらが提督をみすみす逃がす訳ない)

伊58「っ……」ジワァ

伊58(この気持ちを自覚したのはつい最近でち。きっかけはあの日。提督とユーを二人きりにしちゃったあの日に、ゴーヤは気づいちゃった……)

伊58『……さーて。今日はもう疲れたでち。早く部屋に戻って寝たい気分。だからお先に失礼するよ。お休み、二人共』

U-511『っ!!G……Gute nacht, でっち!!』

提督『っ!あ、ああ。お休み、ゴーヤ』

伊58『っ……?』スタスタスタ ズキン

伊58(心に感じる痛み。何か取り返しのつかない過ちを犯してしまったような感覚。二人のことが気になって気になって仕方がなかった。それで気づいちゃったでち。ゴーヤは……提督が好きなんだって。結局、寝れなかった)

伊58『……そ、そういえばユー』

U-551『?』

伊58『提督とは、うまくいったでちか?』

U-511『……Ja///』カァッ コクン

伊58(顔を赤くして恥ずかしそうに俯いたユーは、小さな声で、でも確かにJa(うん)って言った……あの時、平静を装っていたけど……本当はその場で轟沈しそうになってたでち)

伊58『そ、その……した……の……?』ドクン ドクン

U-511『///』コクン

伊58『……どうだった?』ハイライトオフ

U-511『うぅ……その、ね……すごくよかった///』モジモジ
533 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 11:36:56.54 ID:KL7D1NrqO
伊58(幸せそうな顔。そのあと、部屋で寝込んだでち。始まる前に終わってしまった、いや、自分で終わらせてしまったゴーヤの恋。でも、そうじゃないって知った。あの日、偶然イムヤとイクの話を聞いたから)

伊58『……』スタスタスタ

伊168『うわ、なにこの水着。紐じゃん』

伊19『スリングショットなの。提督もきっと喜ぶのね』

伊168『えー水着姿とか裸なんていつも見せてるんだから逆に綺麗な服とか可愛い服着た方が喜ぶんじゃない?』

伊58『!?』ピクッ ピタリ

伊19『今度の休みにグラサンとかしてバレないようにしてこれ着てビーチとかプールで提督と並んで歩くのね』

伊19『提督はイクみたいな可愛いくてえっちな体した子にこんな格好させて歩かせてるってこととそれを周りに見せつけてるってことに興奮して夜はケモノになるの』

伊58『ぇ……』ドクン

伊58(イムヤとイクの話は提督とそういう関係だって言ってるようなもので……ユーが居るのに……いや、もしかしてユーの方があとかも……というか、あの二人は提督が他の子ともそういう関係でもいいでちか……?)

伊58『ユー。提督とはうまくいってるでちか?』

U-511『Ja. もちろん』

伊58『それならよかった。……でも、ユーもたいへんでちね』

U-511『えっ?』

伊58『てーとく、人気あるから。きっと大変。もしかしたら略奪愛とか狙ってる子もいるかも』

U-511『ふっ。それは絶対大丈夫』クスリ

伊58『そ、そうでちか。それならよかったでち』

U-511『……まあでも、Admiralならうわきも赦しちゃうかな』

伊58『!!』ドクン

伊58(うわきも……ゆるしちゃう……なら、いいよね……?ユーがそういうなら……イムヤもイクもしてるんだし……ゴーヤがしたって……いいでちよね……?そんな昏い炎がゴーヤの中で燃え上がった。だからゴーヤは……)

伊58(今回この任務に割り当てられたのはゴーヤにとって絶好のチャンスだと思ったでち。提督のピンチに颯爽と現れるゴーヤ。そうすればきっと提督もゴーヤのことを意識してくれるはず。……そう思っていたのに)

伊58「っ」キッ

伊58(いや、違う。まだあきらめちゃだめだ。提督は、どんな時だって一度も諦めたりしなかった。どんな時も、思いもしなかったような解決策を閃いて何とかしちゃう。そんな人でち)

伊58(ソビエトでも北アフリカでも大西洋でもシンガポールでもそうだった。今回もきっとそうでち。提督は、きっといきてる。また奇跡を起こしているに違いないよ。なら、ゴーヤは……)

伊58「待っててね、てーとく。今ゴーヤが行くよ」

伊58(電信で偵察結果を報告する。個人的感想を排除して、ただ見たありのままの状況を。報告を終わらせて、ゴーヤはそのままハワイへ向かうでち。自分の直感を信じて)

↓×1〜3 先ほどの右ストレート事件の騒動を踏まえて、これからの対応を協議しなくてはならないコロラドの精神状態
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 12:28:43.00 ID:ItwlEyP9o
提督にも己の大親友やその赤ん坊の姿が重なる錯覚が見えた
提督に危害を加えたサウスダコタと今後そうする可能性の高いワシントンに対し
日本という敵に向けているものを超える復讐心を抱くが
咄嗟に抱き締めていた提督の温もりを感じ何とか激情を抑え肩を震わせている
535 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 12:58:26.01 ID:85kjsvs5O
>>534で確定なんだろうけど折角だし駄目元で

警報と抱き抱えた提督の眼差しに我に返る
生き残る為に殺して仲間達とここまで戻ってこれたことを思い出し
先の作戦で提督に教えられたアメリカンスピリッツをその場の全員に呼び掛ける
今はこの男を利用して死線を切り抜けてから殴り合いを再開しようと毅然と振る舞うも
心情は虚勢にまみれていてすぐにでも提督に抱きついて泣きじゃくりたい気持ちで一杯
536 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 13:51:12.85 ID:ZHriFxlSO
上2つどっちもうまく混ぜてほしい
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 15:08:25.40 ID:pCzd8DDq0
割とコンマ惜しくて草
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 20:56:48.83 ID:s7IoPgVQO
コンマ00は秒が偶数なら100、奇数なら00で、コンマと秒数が同じ場合、レスが後の方を採用という事でお願いします



ウゥーーーーン

ワシントン「っ……と、とりあえずすぐに防空壕へ行かないと!!コロラドさん、っ!?」ゾクッ

コロラド「……」ギロリ ゴゴゴゴゴゴ

ワシントン(コロラドさんはまるで仇を見るような目で私を睨み付けていた。チャーミングな童顔を怒りに歪ませて。たじろいでしまう。殺意を向けられているのが分かった。空気が鉛のように重い。背筋に冷たいものが走る)

提督「っ……コロラド……」モゾリ

コロラド「っ!!」ハッ

ワシントン「っ……」ストン

ワシントン(コロラドさんが腕に抱く帝国海軍の提督がかすれた声をだした。コロラドさんが視線をその男に向ける。プレッシャーが途切れた。その場に座り込んでしまう。息をするのを忘れていたことに気が付いて、大きく息を吸った)

ワシントン「はぁ……はぁ……」

ウゥーーーーン

提督「……」ジッ

コロラド「……」ギュッ

ワシントン(空襲警報のサイレンがどこか遠くに聞こえた。日本人とコロラドさんが見つめあう。どうしてそんな慮って慈しむような顔で……そのJAPをみるんですか、コロラドさん……?)

コロラド「……避難しましょう。サウスダコタ、自分で歩けるわね?」

サウスダコタ「は、はい……」ビクッ

コロラド「ワシントン」グッ スクッ

ワシントン「っ」ビクッ

ワシントン(日本人を、まるでハリウッドスターがヒロインにするように横抱きにして立ち上がったコロラドさん。私を見るその眼差しはさっきのが見間違いのように平静なものに戻っていた)

コロラド「アトランタを運んで。行くわよ」
539 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/14(月) 21:02:00.40 ID:s7IoPgVQO


合衆国政府高官『いいだろう。君の言う通りこれはGodsend(棚から牡丹餅)だ。やってみてくれ』

コロラド「ありがとうございます、閣下」

合衆国政府高官『すべてがうまくいくことを祈ろう。幸運を、コロラド嬢。See you soon』

コロラド「See you soon」

コロラド(提督の提案に乗る許可を政府高官から取り付けた私は交信を終了すると、後ろで待機していた皆を振り返る。今の更新はスピーカーにしていた。皆もその内容を聞いている)

コロラド「聞いたわね?許可が下りたわ。我々はAdmiralの提案に乗って日本と交渉する」

コロラド(私の言葉に、改めて皆は動揺を露わにした。互いに目配せを交わし、落ち着きなさげにそわそわとしている。不安が艦隊の雰囲気に悪い影響を及ぼしていた。私は皆に語りかける)

コロラド「……ごめん。これには緘口令が敷かれてるし、こんなこと戦友に知られたくないって子も多いはずだわ。でも、言わなくちゃいけないと思う。仲間たちに同じ罪を背負わせてしまう前に……」

コロラド「物事が行くとこまで行ってしまって、ナチスとコミュニストみたいになる前に。手遅れになる前に。恨んでくれてかまわない。緘口令違反で告発したかったらして頂戴。でも、お願い。これが終わるまで待って」

コロラド(みんなの視線が私に注目している。じっと、静かに集中して私の話を聞いてくれていた。私は、自分の心の中のこの思いをなんとか言語化して皆に伝える)

コロラド「私たち"The Devil`s Fleet"は、皆も察してると思うけど、ハワイでの不正規戦闘に従事したわ。ハワイの日本人を皆殺しにした。それを深海棲艦がしたことにして、奴らから私たちがハワイを解放したことにする」

コロラド「私は、艦隊の皆に民間人の虐殺を命令したわ。最悪の国際法違反。死刑間違いなしよ。責任は、全部私にある。皆には自分を責めないで。全部、私のせいだもの」

ヒューストン「ち、違います!!貴女のせいではありません!!」

コロラド(そう言った瞬間、ヒューストンが悲鳴のような声をあげる。それをきっかけにして第一特殊任務部隊の皆が口々にヒューストンに同意してくれた。それだけで、心が救われた。私は手で皆を制して、お礼を述べてから話を続ける)

コロラド「正直、最初は最高の気分だった。パールハーバーの復讐をしてやった。JAPどもに報いを受けさせてやった。そう思ったわ。でも、上陸して自分が何をしたのかを直接見て、背筋が凍ったわ」

コロラド「死体の山だった。私がそれを作っただなんて認めたくなかった。老人や……っ……赤ちゃんまで……私の手は、取り返しがつかないぐらいに汚れちゃった。あの子はパールハーバーに……戦争に何の関係もない……!!」ジワァ ポロポロ

コロラド(目から熱いものが零れてしまう。視界がゆがんだ。皆が沈痛な面持ちで顔を俯ける。私は少し、話せなかった。何とか気持ちを落ち着かせて言葉を続ける)

コロラド「戦争になったら、酷いことになる。でも、今、私たちはAdmiralという鍵を持ってる。彼は帝国海軍の提督で、因縁の相手よ。でも、彼は合衆国と日本の戦争を望んでいない。平和的な解決を望んでいる」

コロラド「援軍到着までの時間を稼ぐのにも協力してくれた。ハワイで起きた事についても口裏を合わせると言ってくれてる。書類にサインもするって。何故なら、彼は日本が合衆国と戦争になったら勝てないと考えているから」

コロラド「胡散臭い戯言じゃない。日本の利益のため。何よりも信用できるでしょ?……もしうまくいけば、無血で全部解決できるかもしれない。私は、もう無理だけど……全部終わったら胸を張って故郷に帰りたかった」

コロラド「私は正しいことをしたって。今、私にできる事で戦争を防ぐことより正しいことはない。そう確信しているわ。もしかしたら、後々戦争になることは避けられないのかもしれない。でも、諦めるのは今じゃない」

コロラド「私たちにはアメリカンスピリッツがある。それは自由を愛してそれを脅かすものと戦う勇気と不可能を可能にするフロンティア精神、そしてルーツの全く違う人々が互いに協力し合う融和の心だわ」

コロラド「フロンティア精神と融和の心をもって臨みましょう。大日本帝国との和解という奇跡を現実のものとするために。もし、努力したうえで戦争が避けられないのなら、その時は私たちの勇気が大日本帝国の野望を打ち砕く」



コロラド「っ……」ペタリ

コロラド(個室に戻った瞬間、私はドアに背を預け、そのままずりずりと座り込んだ。私の話は皆の心に届いてくれたんだと思う。不安を完全に消すことはできなかったけど、反対する子は出てこなかった)

コロラド「うぅ……」フルフルフル

コロラド(賽は、投げられた。あとはもう結果が出るのを待つだけだ。怖い。怖くて怖くてたまらない。Admiralのことは信じてる。でも……もし日本人が聞く耳を持たなかったら……?奴らが構わず攻撃してきたら?)

コロラド(想像するだけで恐怖におぼれそう……絶体絶命の危機になる。私を信じたせいで、たくさんの仲間が死ぬことになる……私のせいで……そんなことになったら……耐えられない……)

コロラド「Admiral……Admiralに……会いたい……」

コロラド(感情のままに暴言を吐いた私の命を助けてくれた。それだけじゃなくてヒューストンとアトランタも。自らの命を顧みずに。いえ、それだけじゃない)

コロラド(彼の協力のおかげで多くの陸軍部隊と私たち第一特殊任務部隊が死線を潜り抜けることができた。彼に支えてほしい。抱きしめてほしい。彼の胸で泣きたかった)



アメリカがやった
敵討ちの時間だ

↓×1〜3 旗艦(空母または戦艦一名)と彼女を含めた帝国海軍の艦娘たちの心情。特に強調したい場合は指名可(提督Loveの場合はそのことも踏まえて)
540 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2022/02/14(月) 21:47:59.86 ID:t3nSqTuh0
加賀
アメリカ絶対殺すウーマン化しており、般若のような面構えで、呪詛を吐き続けている
また、以前、イントレピッドと共闘した時のことを思い出しながら、あの時の借り(損害)を万倍にして返すと息巻いている

それ以外
加賀の雰囲気に若干気圧されながらも、本音は一緒
逸る加賀を落ち着かせながら、士気を高める
541 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/14(月) 23:34:58.61 ID:1Re3WciEO
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/15(火) 00:43:36.94 ID:lvsKyNs7o
旗艦:陸奥
もう一度、提督に告白しようと覚悟していた矢先の惨状の報告に立ち眩むも
混乱を避けるべく旗艦として毅然と振る舞う
内心はアメリカへの対抗心で燃えている

長門
提督の訃報を知らされる度に泣く陸奥へ胸を貸していた事を思い出し
妹の成長ぶりに胸が熱くなる
提督は死なないと信じているので至って冷静に、提督が生きていればこうするのではないかと状況分析や戦略のブレーンとして振る舞う
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/17(木) 01:44:43.32 ID:zgQ72a+4O
陸奥(ずっと酷い対応をしていた。あの日、提督からその爛れた女性関係について聞かされてから、私の中の恋心は何か悍ましいものへと変質させれらてしまったから)

陸奥(嫌悪して、憎んでいた。そのくせ、提督が気になって仕方がなかった。いつでも提督のことを考えていたし、彼が私を見ていないとき、私は彼をずっと見ていた)

陸奥(感情に振り回されて、制御不能なこの衝動を提督にぶつけていた。必要最低限のやり取りでさえ、まるで反抗期の不良少女みたいにケンカ腰で疎ましそうに対応していたと自分でも思う)

陸奥(女性要員と雑談中、たまたま近くに居た提督に聞こえるように「火遊びしない一途で誠実な人がいいわ。いろんな子と関係を持ったりするような軽薄な男は絶対ムリね」と言ってやったこともある)

陸奥(もちろん、提督はそうされても仕方がない事をしていると思ってる。それは、きっと正しい。でも、たとえそうでももし自分が提督なら、そんな対応されたら相容れないと割り切ってさっさと縁を切っている)

陸奥(けど、提督は変わらず私を気にかけてくれていた。トブルクを巡る陸海空の激しい戦いが繰り広げられる中、イタリアの艦娘に手ひどくやられて大破して、重傷を負って後送されることになった私を見舞いに来てくれた)

陸奥(忙しい中時間を見つけて。ぐちゃぐちゃな、私自身も理解できない私の心。私は長門に目配せして寝たふりをする。嘆息した長門は部屋の外にいる提督に声をかけた)

長門「寝てしまっているようだ」

提督「そうか。とにかく、大事ないようでよかった」

長門「陸奥は艦娘だ。撃沈されない限り大事になることはないだろう。それより、そんなところで立っていないで入って来たらどうだ?」

提督「寝ているところを見られるのを嫌がる子は多いからな」

長門「ああ……」

提督「さて、では私は行くとするよ。これは君からという事にして陸奥に渡してあげてくれ」

長門「……断る。自分でおいていってくれ」

提督「長門?」

長門「忙しい中、昼休みを潰して来たのだ。顔を少し見ていくくらい罰はあたらないだろう」

提督「……わかった。そうしよう」

陸奥(長門……なんてことを……余計なことをしでかした姉妹に対する殺意を抱きながら寝たふりを続ける。近づいてくる足音がベッドの傍で止まった。無言の時間が流れる)

長門「っ……提督、そんな顔をしないでくれ。陸奥は大丈夫だ。入渠すれば傷一つなくなる」

提督「あ、あぁ……そうだな……」

陸奥(苦渋に満ちた声。それほどまでに提督は私のことを……心臓が鷲掴みにされたような感覚がした)
544 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/17(木) 01:51:02.00 ID:zgQ72a+4O


長門(持ってきた物を机に置いた提督が悲痛な表情で陸奥を見る。手が陸奥の方へ動くがすぐに躊躇うように止まってしまった。一瞬の逡巡。正直、嫌だと思うところがある)

長門(ただでさえ数多くのライバルがいるのだ。そこに陸奥も加わることになるかもしれない。だが、私はこれ以上陸奥が苦しむところを見たくない。提督に声をかける)

長門「きっと喜ぶ。してあげてくれ」

提督「……」コクリ

長門(私の言葉に提督は頷くと再びゆっくりと手を陸奥の頭へのばす。提督と陸奥の関係がこじれる前、陸奥は提督に頭を撫でられるのが好きだった。どうも提督と飲みに行ったときしてもらって癖になったらしい)

長門(きっと父性を感じたのだろう。周りは年下ばかりだからな。アルコールが得意でない私からしてみれば酔った勢いで甘えることができるのは死ぬほど羨ましいし、ずるいと思っていたが)

提督「……」ソッ ナデナデ

長門(提督は恐る恐るという感じで陸奥の頭に触れた。そのまま優しく何度か撫でる。顔に浮かべているのは悔恨の表情だ。提督が口を開く)

提督「……本当に、無事でよかった。よくやってくれたな、陸奥。ゆっくり休んでくれ」



長門「ただいま。提督は帰ったよ、陸奥」

陸奥「ぐすっ……長門……私……私ね……ひっく……やっぱりあの人のこと……えぐっ……好きなんだわ……」ポロポロ



長門(陸奥が提督へ想いを告げる事を決意したあの日からこのハワイでの事件まで、我々は二回提督の訃報を知らされた。一度目は大西洋でドイツ軍に襲撃され、乗艦が撃沈され行方不明となり公式に戦死とされた)

長門(その時は葬式まで行われた。そして二度目はシンガポール沖の決戦の後、新聞で提督の死が報じられた。それは結局誤報だったが、行方不明ではなく明確に死亡とされていた上に混乱のために生還の公式発表が遅れた)

長門(その二回とも、陸奥は酷い状態になった。その度に私は陸奥に胸を貸したものだった。そして今、我々は三度目に直面している。伊58からの報告によりハワイ警備府は壊滅していることが判明した)

長門(巻き込まれたであろう提督も行方不明だ。知らせを聞いた直後こそ折れそうになった。しかし、折れなかった、ハワイへ派遣される艦隊の旗艦となった陸奥は毅然と振舞っていた)

長門(提督との関係が拗れた日以来、陸奥の調子は悪かった。思いを告げることを決意した後も、全盛期には及ばなかった。しかし今の陸奥はかつての全盛期以上の気迫に満ちている)

陸奥「皆、そろそろハワイ近海に到着するわ。アメリカ軍が出てくる。……奴らに誰を怒らせたのか教えてやりなさい!!」

「「「「了解!!」」」」

長門(数々の試練が陸奥の精神を強くしたのだ。姉妹艦の成長ぶりに胸が熱くなる。陸奥の鼓舞に艦隊が大きな声で応えた。我々の士気は旺盛だ。成すべきを成すことができる。そう確信した)



コロラド『さすが艦娘ね。MARVELのコミックみたいになってたけど軽傷よ。でも、戦闘は避けるべきだわ。だから貴女にAdmiralの事を任せる。他の子たちは日本人の事を好ましく思っていないから』

コロラド『彼の提案に乗ることが決定されたから何もないとは思うけど、万が一の可能性もある。それに、貴女の言う通り彼の監視役も必要だしね。護衛兼監視よ。頼むわね、アトランタ』

提督「……」グッスリ

アトランタ「……」

部屋で提督と二人っきりだ。提督は先ほどのダメージと疲労で眠っている。命に別状はないし絶対安静というわけでもない。時間はたっぷりあるし、邪魔する者は誰もいない

↓×1〜3 アトランタの心情と行動
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 06:19:06.67 ID:8D65p7Q4o
「あの人」が気にならないといえば嘘になる
でも確かに提督に助けられ抱き締められたとき、そして提督を守ると固く誓ってキスをしたあのとき、今まで感じた事のない胸のあたたかさや昂りを覚えたのも事実

また鈍い頭痛に襲われるも確実に洗脳が解けつつある中、提督とのその先の深い関係に強い関心を抱くアトランタは全裸で同衾の後、逞しい胸板に抱かれながら提督と一つになる
546 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 07:26:45.65 ID:eBeCADnh0
洗脳されていた時から今に至るまで
仲間である筈の奴とも本気で殺意持って殴り合う程
ヤバい環境で生き続けている自分が最初から壊れていると
改めて心で自嘲しつつ目の前の提督を見て正気を失う

自分がこれまで味わった死線と提督に嫌われることの
どちらが自分にとって恐ろしいか試そうと
服を脱いで寝ている提督に抱きつく
起きた提督に最初は冷静に状況を正しく説明した後
壊れた自分をあなたに救えるのかとキスとペッティングで迫る
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 07:43:47.07 ID:MosCnnpNo
>>546
548 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/17(木) 14:42:49.89 ID:SI5FEb/mO
アトランタのエロとかいう創作家泣かせの難題
549 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/18(金) 03:49:54.38 ID:h670aEoZO
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
550 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/19(土) 01:16:27.25 ID:jM1YRjHi0
アトランタ(鈍い頭の痛み。あたしは帽子を投げ捨てるとゆっくりと彼のベッドへ歩いていく。肩のサスペンダーに手を掛けた。もうわかってるでしょとあたしを見るあたし自身が居る。サスペンダーを外してスカートのウエスト部分へ)

アトランタ(それを理解してしまったら、もう終わりだから。あたしはあたしを無視する。ボタンとホックを外すと、スカートはぱさりと床へ落ちる。あたしの全てを捧げたあの人が頭をよぎった。痛む心。きっと血が流れてる)

アトランタ(ブラウスのボタンを外していく。一つずつ、一つずつ。考えたくない。考えられない。まるで悪い夢を見てるみたい。でも、ひとつだけわかったことがある。目の前で眠るこの人は……)

アトランタ(提督さんは自らの命を賭してあたしを助けてくれた。助ける必要のなかったあたしを。アメリカと日本の戦争を避けるという崇高な意志さえ危険に晒して。そこにあるのは純粋なあたしへの無償の愛)

アトランタ(あの時感じた胸のあたたかさ。そして提督さんにキスしたときに感じたあの昂ぶり。それはとても大切なものだと直感した。ブラウスのボタンをすべて外し終わる)

アトランタ(ブラウスを脱ぎ捨てた。ガーターベルトを外してショーツを下ろす。ブラを外して全部床に床に放った。ソックスだけの姿で提督さんの眠るベッドの傍に立つ。あの女に殴られた所が傷ましい痕になっちゃってる)

アトランタ(異国情緒漂う整った顔立ちが台無し。あたしはブーツを脱いでベッドに上がるとソックスを脱ぎ捨てた。一糸まとわぬ姿になる。そのまま提督さんの隣に潜り込む。抱き着いて腕を絡ませた)

アトランタ(暖かい。提督さんの体温を全身で感じる。ジャケットを脱がされただけの白いシャツに紺のpants(ズボン)姿。comforter(掛け布団)の中は提督さんの匂いでいっぱいだった。フェロモン溢れる男の人の匂い)

アトランタ(快楽に溺れて頭の中が真っ白になるんじゃなくて心からリラックスできたのはいつぶりだろう?きっと戦争が始まってから初めて。夢見心地。このまま眠ってしまいたい。でも、それはすぐに台無しになる)

アトランタ「っ……」ムラムラ

アトランタ(疼く下腹部。あの人に散々抱かれて快楽漬けにされたあたしはすっかりセックスの……女の悦びの虜になっていた。あたしの心と体が制御できない性欲に侵されていく。提督さんが欲しくて堪らなくなる)

アトランタ(ついさっきまで胸に抱いていた何か尊いものが穢れた汚い獣欲に塗りつぶされていく。それにあたしは抗えない。手が下の方へ伸びてしまう。触れたそこは既に濡れていて……指で自分を慰める)

アトランタ(提督さんが隣で寝ているのにあたしは淫らな密事に耽っている。それがゾクゾクとした、いつもと比べ物にならない快楽を伝えてきた。夢中でそれを貪る。高まる体と心)

アトランタ(それに向けてより激しく自分を責め立てる。到来した快楽の暴力に絶叫しそうになった。歯を食いしばって抑えようとしたけど、意味があったのかわからない。涙が出て唾液が垂れた)

アトランタ(がくがくと痙攣する腰。余韻に浸る。あたしはぼんやりとした頭で提督さんを確認した。静かに眠ってる。提督さんの横顔に、あたしの中のタガが外れた。あたしは体を起こすと提督さんに馬乗りになる)

アトランタ(垂れたのが内股を伝う感覚。提督さんの胸に顔を埋めて、濃厚なフェロモンたっぷりの匂いで鼻腔を満たす。そのまま鎖骨から首筋、そして顔へ。興奮で体が熱い。高鳴る胸。唇を重ねる)

アトランタ(舌で舌を絡めとって嬲る。心と頭が蕩けた。下腹部が耐えられないくらい疼く。利き手をそこへ伸ばして激しくかき回した。固く充血したそこを弄り、抓る。淫らな水音。指に力がこもる。二回目の絶頂)

アトランタ(提督さんの上にのしかかるように崩れ落ちる。獣のように荒い息。提督さんはまだ目を覚まさない。少し落ち着いてから体を起こす。提督さんの足の方へずり下がった。パンツに手をかける)

アトランタ(ボタンとホックを外してゆっくりと太ももまで脱がせた。男らしい引き締まった腰回りと太もも。そして下着越しでもわかるソレ。うっとりする。一通り撫でまわしてから下着も同じようにずり下した。露わになる提督さんのソレ)

アトランタ(手で触れ、優しく握った。手でのやり方もしっかりと教え込まされた。緩急をつけて、カリや裏筋を刺激するように扱く。空いている手で自分の胸や下の方を慰めながらむくむくと大きくなっていくソレを責めた)

アトランタ「ごくっ」ジッ ドキドキ

アトランタ(惚れ惚れするほど立派に大きく固く張り詰めたソレについ息を呑んでしまう。目が離せなかった。びくんびくんと脈動している。先端から透明なのが垂れ始めていた。むせ返りそうなオスの匂い)

アトランタ「はぁ……はぁ……っ……ぺろ」ピトリ

アトランタ(顔を近づけすぎて鼻が先端に触れた。舌を伸ばしてカリを舐める。先端を口に含んで雫を嘗めとった。味覚と嗅覚が雄に蹂躙される。あたしは、どんどん提督さんのを飲み込んでいく)

アトランタ(ようやく根元まで飲み込んだ時には喉奥までソレに犯されていた。でも、何度も苦しい思いをして、もうえずいたりしなくなった。喉で締め上げるのもお手のもの。あの人にもすごく褒められ)

アトランタ(提督さんも悦んでくれるといいな、あたしのディープスロート。提督さんのを口淫しながら自分を慰める。胸を揉みしだいて先端を弄り回したり、スジを撫でて中に指を入れて、勃ってるそこを抓んだり)
551 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/19(土) 01:20:59.76 ID:jM1YRjHi0
提督「ぅ……っ……」ビクビク モゾモゾ

アトランタ(夢中でしゃぶりながら自慰していると、提督さんが喘いで体を捩り始めた。出しちゃいそうなんだ。全部零さず飲んであげたい衝動に駆られるけど、一番最初は一番大事な所に欲しい)

アトランタ(あたしは口を離す。そしてずりずりとちょうどいいところまで移動して、膝立ちになった。提督さんのソレに触れると微調整。あたしのそこに充てがう。そこはもうびしょびしょで、とっくに準備はできてた)

アトランタ「んっ……ふぁ……!!」ズププププ

アトランタ(腰を下ろすとぬるりと提督さんのがあたしのそこを押し開いて中へ中へと入ってくる。すごく熱い。伝わる快感に頭が焼き切れそう。そのまま、根元まで挿れた。一番奥まで貫かれる。満たされた感覚。多幸感)

アトランタ「あっ……ふぅ……」グッチュ グッチュ

アトランタ(ゆっくりと腰を前後にグラインドする。一番奥がえぐられた。雌として雄に奉公しつつご褒美を頂くんだ。教えられた通りに。快楽に導かれるままに腰の振りを激しくしていく)

提督「ぁ……ぅ……」ビクビク

アトランタ「あっ、イイ!!イイよ提督さん!!Shit!!Fuckin' good(クソ気持ちイイ)!!」グッチュグッチュ

アトランタ(提督さんがまだ寝てるかどうかなんてもうどうでもよかった。声を我慢するのも忘れてたけどどうでもいい。激しく腰を前後する。この後待ってるご褒美のことしか考えられなかった)

アトランタ「はぁ、はぁ、あぁ、Coming(来る)!!I`m gonna come(来ちゃう)!!提督さん、あたし、あぁ、くる!!くるくる……I`m comiiiiiiiiiing(来ちゃってるぅぅぅぅ)!!」ビクンビクン キュゥゥゥゥン

提督「ぅぁ……!!」グイッ ビュルルルルルル

アトランタ(弾ける快楽。背筋から脳髄まで快楽の電撃が神経を迸った。腰を突き出して提督さんを潰しちゃいそうなくらい押し付ける。中で提督さんのがはち切れそうなくらい大きくなっていく感覚)

アトランタ(提督さんも腰を突き上げてきた。びくびくとあたしの中で提督さんのが痙攣する。熱いものが注がれる感覚。あたしはまた提督さんにのしかかるように崩れ落ちる。お互い、荒く熱っぽい息遣い)

アトランタ「はぁ……はぁ……はぁ……」

提督「っ……はっ……」

アトランタ「っ……提督さん」

アトランタ(あたしの呼びかけに、提督さんは答えない。まだ起きてない?こんなに激しくセックスしてるのに?あたしはもう一度提督さんに声をかける)

アトランタ「ねえ。本当に起きてないの?」
552 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/19(土) 01:23:08.77 ID:jM1YRjHi0
提督「……」

アトランタ(返事はない。あたしは提督さんの頬を摘まむと軽く引っ張る。嫌そうに眉間に皺を寄せて少し顔を背けるけど、それだけ。本当に目が覚めていないみたい。けどまあ当然か)

アトランタ「大変な目にあったもんね……提督さん……」ナデナデ

アトランタ(提督さんが愛おしくてたまらなかった。頭を撫でる。また唇を重ねて、少し体を動かしたときに感じる甘い快楽。それで気が付いた。提督さんのがまだ臨戦態勢にあることに)

アトランタ「!!」ビクン

アトランタ(中を満たす熱いものが提督の精液であることは間違いなかった。それは、提督さんとの結合部を確認してどろりとした白濁液があふれてきていることからも確実。提督は射精しているのに全然萎えない。絶倫ってやつだ)

アトランタ「……!!」ゾクゾクゾク キュンキュン

アトランタ(そう理解した瞬間、下腹部の奥底が震えた。再び性欲が激しく燃え上がって湧いてきた慈愛の感情を焼き尽くした。あたしは提督さんの唇を奪うと舌を絡ませる)

アトランタ(そして今度は激しくピストンするように腰を振る。きすはめってやつだっけ?もしかしたらたねづけプレスってやつだったかもしれない)

アトランタ(まあ、どっちでもいいか。あたしは体に感じる提督さんの体温に、心の片隅に情欲以外のものを感じながらも獣のように快楽を貪った)



提督「っ……」

提督(何か、すごく淫らな夢を見ていた気がする。知らない天井だった。目が覚めて暫し、呆ける。そして思い出した。今の状況を。俺はサウスダコタと呼ばれた子に不意打ちでいい右ストレートをもらってしまった)

提督(それまでの疲労もあって俺は今まで意識を失っていたのだろう。今どうなっている?状況を確認しなくては。起き上がろうとして俺にのしかかる存在に気が付く。それはアトランタだった)

アトランタ「すぅ……すぅ……」

提督(髪も解かず俺の上で覆いかぶさるように寝ているアトランタ。柔らかく暖かい体が重力によって押し付けられている。もちろんその見事な二つの巨峰も惜しげなく。何故か全裸だった。しかも俺もズボンと下着が半脱げになっている)

↓×1〜3提督の反応とアトランタに対して起こして何かアクションを取るのであればその反応
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/19(土) 07:21:46.12 ID:h2sEzAa30
匂いで何があったのかを理解する
一方でこの状況そ生んだのがアトランタの独断か
それとも他の艦娘やアメリカ側の思惑が絡むのか不明
だがそれ以上にアトランタの豊満で妖艶な肉体の魅力に
意識無い状態で搾られたとはいえ本能がまだまだ反応する
性的な尋問ならば返り討ちにしてやろうと
本番は避けつつアトランタの肉体を心行くまで味わいにかかる
554 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/19(土) 07:25:33.44 ID:zXArcNtHO
また自分の知らぬ間に艦娘と褥を重ねた事に罪悪感を覚えるも
目の前のアトランタ(鳳)を自分のものにしたい気持ちが鎌首をもたげる
寝たままのアトランタを寝バックでせめ立てる

目覚めた彼女も体勢を変え、いつもの説明もしつつ肉欲と愛情が交じった淫靡な声をあげながらお互いに腰を打ち続ける時間が続く
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/19(土) 07:59:34.82 ID:dMjHmbeHo
提督まだしんどいから取り敢えず二度寝
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/20(日) 13:44:20.90 ID:K1UrDCGI0
提督「……!?」ポカン

提督(目の前の光景を理解できなかった。一体何が……?考えても頭の動きが鈍い。それを何とか自覚することができた。俺は脱力して深呼吸する。アトランタの柔らかくて暖かい体は心地よい重量感で、落ち着いた)

提督(一度、深呼吸。考える。今の状況について。俺から主体的にできる事は……もうない。日本政府へ連絡するという唯一かつ必須の行動は既に終了している。電報を打った。「布哇ハ敵深海棲艦ノ奇襲攻撃ヲ受ク」)

提督(「猶モ帝国陸海軍将兵皆士気旺盛ナレド敢闘虚シク、又非戦闘員ニ於イテハ良ク軍ニ協力スルモ遂ニ報ワレル事ナク、此ノ最終局面ニ至リテ其ノ悉クガ戦死或イハ自決セリ」)

提督(「本職唯一人死ニ損ナリシ事ハ慙愧ニ堪エザルモ、付近デ作戦行動中ト思ワシキ米海軍来援ノ次第ヲ伝エ、此ノ命続限リ御国ヘ奉公セント生キ恥ヲ晒サントス」、と……アメリカ経由のため少し時間がかかるだろうが)

提督(後は政府の領分だ。政権を取り、彼らなりの考えがあったのだろうとはいえ戦争への道へ進んでいた一派はドイツの攻撃で死んだ。現政権なら穏健派や国際協調を是とする人々の意見を弾圧したりはしないだろう)

提督(きっとうまくいく。そう信じて待つしかない。もし俺からの連絡が届く前に上が動いていたら、もう一仕事する必要があるかもしれないが……)

提督「っ……」ギリ

提督(あの文章を作成した時の事を思い出して酷い気分になる。それが正しいと信じている。だが……殺された人々の無念は如何ほどか計り知れない。あの人たちに俺は顔向けできない)

提督(自暴自棄な気分になった。心身ともに酷い状態だし、耐えがたいほどだるい。俺はそのまま、アトランタの存在にどこか救いを見出しながら二度寝することにした)



伊58(誰にもバレずに無事オアフ島に上陸できた。提督が生きているとしたら、一番あり得そうなのは捕虜として捕らえられている事。高台から真珠湾の基地とホノルル市街の様子を偵察する)

伊58(水偵を通して見た時に真珠湾に居たアメリカ海軍の艦娘は居なくなってた。司令部の建物にも人影が見当たらない。ホノルル市街の方にも何人か居たはずだけどそれも見つけられなかった)

伊58(出航したでちか?注意深く観察する。ようやく一人、いや二人見つけた。綺麗に整えられた敷地の中に家が建てられてるところに居る。多分駆逐艦娘。あの敷地を警備してるのかな?そこを目指して出発する)

伊58(過ぎ去る町並みは攻撃を受けてない区画だから何事もなかったみたいに綺麗で……だからこそ人が居ないのが不気味でち。目的地に到着。攻撃を受けないために何の変哲もない住宅地に見えるこの敷地を拠点にしてるんだ)

伊58(警備についてるアメリカの艦娘が手に持ってるのはライフル銃。ゴーヤのFNブローニングが頼りなく感じるでち。でも、見つからなければ問題ないよね。ここなら潜入できる)

伊58(家が綺麗に並んでいるんじゃなくてデザイナーがデザインしたみたいな庭の所々に家が建ってるお洒落な感じの敷地は、そこを飾る生垣に隠れながら見つからずに移動できる)

伊58(警備に立つ子も侵入者が来るなんて夢にも思ってないみたいでち。周囲に気を払う事もしないでお喋りしてる。油断しきってるでち。潜入前にじっくり観察。どの家に人がいるのかな)

合衆国海軍駆逐艦娘「But is Atlanta OK(それにしてもアトランタは大丈夫かしら)? 二人っきりでジャップと同じ建物にいて。心配だわ」

合衆国海軍駆逐艦娘「まああの日本の提督も負傷してるし、普通の人が私たち艦娘に敵うわけないよ。それよりもコロラドさんが私たちを信用してくれなかった事の方が悲しいな」

合衆国海軍駆逐艦娘「サウスダコタがやっちゃったからね……あのジャップに何かあったら不味いことになるんだし、アトランタ以外はあいつが居る家に入るの禁止ってのも仕方ないわよ」

伊58「……!!」

伊58(それを聞いて飛び跳ねて喜びたい気分になったでち。提督が生きてる!!しかも監視についてるのは一人だけ!!うまくやれば誰にもバレずに提督を助けられる!!……でも、失敗したら取り返しのつかない事になる)

伊58(逸る心を落ち着けるでち。周囲を警戒しつつ偵察を続ける。ずっと、静かに。数時間かけて情報を収集する。どこに何人警備がいるのか。何時間で交代するのか。控えはどの家にいるのか。提督がいるのはどの家か)

伊58(日が西に傾いてきた。大体分かったでち。完璧に把握できたわけじゃないけど警備は間違いなく手薄。交代の周期は分かったし、控えがいる家も提督がいそうな家も目星が付いた)

伊58(この絶好のチャンスを逃しちゃいけない。どっか行ってる他の敵が戻ってくる前にやらなくちゃ。潜入を始める。姿勢を低く、静かに。生垣に身を隠しながら入念に検討したルートで目的の家に到達)

伊58(警備の子たちを確認する。大丈夫。あの子たちから死角になってる窓へ近づく。換気のためか少し空いていた。ラッキーでち!!静かに忍び寄る。音を立てないように匕首を抜いて、こっそり中を確認する)

↓×1〜3 提督の上に全裸のアトランタが向かい合うようにして身を委ねているのを見たゴーヤの反応
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 13:51:54.88 ID:nZYjNRAXO
この未曾有の危機にこの種馬が!と怒りつつ呆れるも
スマートに潜入成功
真っ暗な部屋の中で寝ているアトランタを目隠し、猿轡、ロープで拘束した上で提督を起こし告白する
558 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 14:45:42.08 ID:nbJ+5YHF0
一瞬面喰らうが、観察を続ける内にようやく状況が飲み込めるようになり、安心半分呆れ半分で無事を確信する
とりあえず、提督の安否は確認できたので、気づかれないようにキスをした後、報告しに戻る
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 14:47:50.23 ID:MHgH2WM5o
>>558
560 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/20(日) 18:24:54.44 ID:K1UrDCGI0
伊58(中の部屋には誰もいないでち。手鏡を取り出して中に差し入れる。窓に罠が仕掛けられていないことを確認して手鏡を仕舞うと静かに開けた。匕首を口にくわえて静かに侵入する)

伊58(音を立てずに窓を閉めた。屋内に入ったことで音で中の状況が分かるようになる。二人分の安らかな寝息が聞こえたでち。匕首を握りなおしてそれが聞こえる部屋へと向かう)

伊58(その部屋のドアには簡易な鍵がかかっていた。硬貨とかでマイナスドライバーみたいにすれば簡単に開くやつ。ガチャリと音が鳴らないように気を付けながら開錠した)

伊58(ドアノブに手をかけてゆっくりと捻って警戒しながらドアを開くでち。何か仕掛けられてるわけでもなさそう。部屋の中は暗い。カーテンが閉め切られてる。窓も閉まってるみたいでち)

伊58(何かのにおいがした。何のにおいなんだろ?中を確認すると、部屋の真ん中に置かれたベッドの上に提督がいた。知らない、たぶんアメリカの艦娘と一緒に)

伊58(その子は提督の上に乗っかって寝ていた。正面から抱き合うように。しかも服を着ていない。全裸でち。床に服と大人なパンツとブラジャーが散乱していた)

伊58「っ〜〜〜〜!!」ブチッ

伊58(頭が沸騰する。こんな大変な時にてーとくはなにしてるでちか!?いったい何人とシたら気が済むの!?しかも敵のアメリカ人となんて!!見境なしの種馬でち!!部屋の中に踏み入れて提督のもとへ向かう)

提督「……」グッスリ

伊58「っ」

伊58(でも提督さんの顔を見た瞬間に怒りが嘘みたいに消えた。顔を殴られた痕。それでも、安らかな寝顔。ちゃんと息をしてる。生きてるでち。力が抜けてその場に座り込みそうになった)

伊58「……」ジワァ ポロポロ

伊58(生きててくれた。良かった。本当に良かった。ちょっと、涙が止まらないでち。泣いてる場合じゃないのに。目を拭って肩にかけていたロープを手に取る。まずこのアメリカ人を何とかしないと)

過酷な状況に晒され続けて張り詰め、研ぎ澄まされていたアトランタは自らの安寧を脅かす存在に気が付き為すべきことを為すかもしれないし、久しぶりの平穏に緊張の糸が途切れていて気が付かないかもしれない
また、何か事が起きるのならば提督もまた目を覚ますかもしれない

↓×1〜3 ゴーヤの行動に対するアトランタの反応
561 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 19:14:37.06 ID:Q4OzeCaV0
暗闇の中での気配に気づいて咄嗟に行動しようにも
腰が抜けて動くことができない
一方で侵入者の正体が日本側の存在であることに当たりを付け
自分にとっても提督は守るべき大切な存在であることを呟き
情報の交換を持ちかける
562 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 19:16:22.06 ID:g8mcVGPBo
人の気配感じて起床&抵抗。提督も起きて争ってる二人を止める
563 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 19:21:00.85 ID:Bd0lvOuLO
一瞬で提督を庇う体勢になり伊58を誰何
貴女も提督さんが好きなの?提督さんの味方なの?と
利害関係が一致すれは共闘する可能性も視野にいれつつ質問攻め
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/20(日) 19:21:41.33 ID:MHgH2WM5o
>>562で抵抗中に>>561の交渉を持ちかける感じで
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/21(月) 00:50:27.93 ID:DGybLVH8O


伊58「っ……」ゴシゴシ

アトランタ「!!」ゾクッ

アトランタ(誰かの震える吐息に目が覚めた。一気に意識が覚醒する。背筋がぞくりとした。居る。すぐ傍に。泣いてる?そいつが動いた。あたしはベッドの端に追いやられていた掛け布団をそいつめがけて投げつける)

アトランタ(ヒュッっと息を呑む音。布団が侵入者の頭から被さる。その寸前に見えたギラリと光る刃。跳ねるように体を起こす。侵入者は後退って距離を取りながら布団を剥ぎ取ろうと藻掻いている)

アトランタ(ベッド近くのテーブルに置かれた装備に飛びつく。ホルスターからガバメントを引き抜いて構えると同時に侵入者が布団を剥ぎ取った。目が合う)

伊58「……!!」ゾワッ

アトランタ「……」ジッ

アトランタ(相手はアジア人の少女だった。服装や装備からして日本の艦娘、潜水艦娘だ。手にジャパニーズカタナを持っている。涙に濡れる赤くなった目を見開いてかわいらしい顔に絶望をありありと浮かべていた)

アトランタ「……あんたは提督さんの味方なの?」

伊58「ぇ……?」

アトランタ「答えて。あんたは提督さんの味方?」

伊58「……そ、そうでち」

アトランタ「そう……なら、あたしはあんたの味方よ。あたしは鳳。日本のスパイ」スッ

アトランタ(銃を下ろしてそう伝えたあたしに潜水艦娘は茫然としていた。暫くしてようやく事態を飲み込めたらしい彼女はほっとしたように太い息をもらす。警戒心を解きはしないけど手に持っていたカタナを鞘にしまった)

伊58「伊58でち。帝国海軍所属の潜水艦娘。あなたはアメリカの艦娘なの?」

アトランタ「USSアトランタよ。ソロモンで日本の捕虜になって、そこで……っ……まあ、それはどうでもいいでしょ。貴女はここで何してるわけ?伊58」ズキン

伊58「……情報収集と生存者の捜索でち。人が居たこの辺りを調べているときにてーとくが掴ってる事を知って、助けに来たの」

アトランタ「そう……貴女の事情は分かった。悪いけど、今提督さんは脱出できないの。いろいろ事情があってね……とりあえず、彼の身の安全は保障するわ」
566 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/21(月) 01:18:13.31 ID:DGybLVH8O
伊58「ど、どういう事……?」

アトランタ「あたしからは話せない」

伊58「そう……じゃあ提督さんと話をさせてもらうよ。でも、その前に服着たらどうでちか?」

アトランタ「……ん。そうね」

アトランタ(伊58の敵意が込められたその言葉に、裸なのはお前がいきなり侵入してきただろうがってイラっとしたけど我慢。相手はガキだし、何よりあたしを見る伊58の恨めしそうな視線が気持ちよかったから)

アトランタ(あたしはガバメントをホルスターにしまうと床に散らばる服を集めてテーブルに置く。シャワーを浴びたいけど後回し。ブラを着けながら伊58に質問する)

アトランタ「提督さんの事、好きなの?」

伊58「えっ!?」ビクッ

アトランタ(伊58はすごく動揺していた。肩越し振り返って顔を見ると驚愕の表情を浮かべて真っ赤にしていた。優越感。ブラを着け終わるとショーツを手に取る。乾いてるし、まあいいか)

アトランタ「ふっ。初心なんだ。かわい」

伊58「……!!」

アトランタ(ブラウスに袖を通してボタンを閉じていく。背中にひしひしと感じるプレッシャー。ぞくぞくした。スカートを穿いて乱れた髪を解いて結びなおす)

アトランタ「お待たせ。じゃあ提督さん起こそうか」

アトランタ(敗北感と屈辱、嫉妬にまみれた表情で睨んでくる伊58の前であたしは提督さんの耳元に口を寄せる。そして優しく提督さんを起こしてあげた)



コロラド『付近の日本艦隊へ連絡するわ。私は合衆国海軍戦艦娘、BB-45 "コロラド"よ。私たちは戦闘の意思はない。話がしたいの。聞こえていたら返事して。お願いよ……』

陸奥(ハワイ近海へ到着して、さあ艦隊決戦だと意気込んでいたところで受信した国際緊急周波数での通信。それはアメリカ軍からの呼びかけだった)

陸奥(コロラドと名乗る声は何度も繰り返し自分たちに戦闘の意志がないことと話がしたいということを訴えていた。私は長門を見る。長門は真っすぐと私の目を見ながら口を開いた)

長門「提督なら間違いなくこの呼びかけに答えるだろう」

陸奥「……電波を発したらこちらの位置が暴露するわ」

長門「ああ。だから艦隊を分けるんだ。本隊と通信に答える艦隊に」

陸奥「おそらく敵の方が数が多いのに艦隊を分けるのは各個撃破されるリスクが高くなるんじゃない?」

長門「そうだな。だがもし敵がこちらの発する電波を逆探知して襲ってきたら、本隊は一方的に敵の規模や位置を知ることができる。陸奥、この長門が行こう。命令してくれ」

↓×1〜3 陸奥の決断
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 01:24:00.11 ID:p+VqG6s/o
リスクはあるかもだけどここは長門の言う通りにしてみる
568 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 02:30:54.24 ID:PIp+t89ao
569 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:12:16.37 ID:TKSSFowqo
SS速報避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:33:03.72 ID:zJGCIppbo
>>567
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 12:47:35.27 ID:7etiSQVlO
陸奥「っ……」フイッ

陸奥(長門の真っ直ぐな眼差し。覚悟している顔だった。私は顔を背ける。こんな表情、見せられないもの。長門を送り出したら、これが敵の罠だった場合敵の集中攻撃を受けることになる)

陸奥(生きては帰れない。これが、今生の別れになるかもしれない。私の判断が長門の死を招くかもしれない。全滅させられていたハワイの友軍とそこに翻っていた星条旗)

陸奥(アメリカ人たちは宣戦布告も何もなしに停戦を破ってハワイを奇襲攻撃したとしか思えない状況。奴らの言う事は信用に値しない。これも罠に違いない)

陸奥(でも、コロラドと名乗ったこの声の持ち主は必死さを醸し出している。それに、万が一何か私たちの思いもよらないような事が起きていてアメリカ人が私たちの敵じゃなかった場合)

陸奥(ここで戦火を交えることは取り返しのつかない事態を引き起こしかねない。怪しいアメリカ人の要請に応えるしかない。できれば自分で行きたかった。でも、私は艦隊の旗艦だ)

陸奥(指揮を執らなくてはいけない。私たち艦娘には制約がある。艦隊の一部を分離してその指揮を誰かに任せることはできるけど、出撃してから帰還するまで旗艦を代わることができない。だから……)

陸奥「長門……お願い」

長門「任せろ」

陸奥(長門に頼むしかなかった。消え入りそうな私の声に長門が力強く応える。不敵な笑みを浮かべていた。この笑みを見るのはもう最後になるかもしれない。心がどこまでも落ちていきそうな感覚)

陸奥(信じられない。絶対イヤ。怖い。泣いてしまいそう。でも、私は旗艦で、皆が私たちを見ている。泣くのだけは絶対にダメ。歯を食いしばって堪える)

↓×1〜3 所属艦が全て実装されてる駆逐隊一つ
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 13:00:55.10 ID:sJDwceaio
第八駆逐隊(朝潮型4隻)
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 13:45:00.20 ID:5/hRhI0So
上で
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 14:45:45.83 ID:kWiaHmVMo
第六駆逐隊
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 20:40:21.15 ID:BMLTdIYxO
暁「戦艦単艦で行かせられないでしょ?随伴する駆逐艦が必要なのです。第六駆逐隊が志願します」

陸奥「!!」

長門(暁の声に陸奥が硬直する。本当は一人で行きたいのだが暁の言う事は最もだった。間髪入れずに他の駆逐隊の面々も第六駆逐隊に続く)

朝潮「第八駆逐隊が行きます。どうか、私たちに行かせてください」

浦風「いや、うちら第十七駆逐隊に任せちゃって」

野分「旗艦、是非とも第四駆逐隊にご命令ください」

長門(駆逐艦たちは全員が自ら進んでこの危険な役目を務めようとしていた。しかし、その役目に割り当てるのは一個駆逐隊が妥当だろう)

長門(だからこそ駆逐艦たちは陸奥に詰め寄るようにして自分たちこそが相応しいと訴えかけている)

陸奥「……!!」ギュッ

長門(そんな駆逐艦たちの行動は、生きては帰れないかもしれない事に自分より年下の子たちを自ら選んで送り出さなくてはならないという残酷な刃となって陸奥の心を切り裂いている)

長門(ふと、第六駆逐隊の面々が私を見ていることに気が付いた。良い目をしている。暁たちが頷いた。私も頷くと、陸奥の名前を呼ぶ)

長門「陸奥。特三型はこの中で一番戦歴が長くて経験豊富だ。そんな第六駆逐隊を引き抜くのは疾痛惨憺だが、私ももしもの時にむざむざやられるつもりは到底ない。暁たちを貰えるか?」



長門「This is IJN Nagato(こちらは帝国海軍の長門だ)。USSコロラド、聞こえるか?」

コロラド『っ!!聞こえるわミス・ナガト!!Loud and clear!!応答してくれてありがとう!!よければ日本語で話しましょうか?』

長門「いや、英語で結構。見事な日本語だった、コロラド嬢。それで、話したいこととは?」

コロラド『分かったわ。話したい事は、ハワイで何が起きたのかについてよ。まず初めに伝えるわね。私たちは、やってない。こちらで帝国海軍の提督を保護しているわ』

「「「「!!」」」」ドクン

長門(衝撃が走る。提督が生きてる。良かったと心底安心した。正直、気が抜けてしまう。しかし第六駆逐隊の手前、それを表に出す訳にはいかない。努めて変わりないように装う)

コロラド『私たちと一緒に来て彼に会ってほしいの。大日本帝国と合衆国の関係は今拗れてる。ここで私たちから話を聞くより提督も交えて話す方がきっと貴女たちにとってもいいでしょ?』

長門(そう言って自分たちの座標とそこで待っている旨を続けるコロラド。他に選択肢はない。私は彼女に了承の意を伝えた)

 
指定された座標で彼女たちは対面することとなった
↓×1〜3提督の件もまだ完全には信用してないし、何より多くの日本軍の血がアメリカ人によって流されている。姉妹艦や仲の良い子たちが大破させられもしている。という事を踏まえて長門と六駆の面々の心情と自らの大きすぎる十字架にさらに嘘という罪を加えてしまったコロラドの心情
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:16:10.50 ID:5/hRhI0S0
長門、六駆 提督が無事というのは実は嘘で罠かもしれないから、ぬか喜びしないように気を引き締めてお互いに励まし合いながらことに当たる。怨念は一旦封印
コロ 嘘も方便なので致し方なし
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:30:26.11 ID:K/16H/kFo
帝国海軍艦娘共通
コロラドのことは半分信じていないが、コマンダン・ テストやガングート、匿った独国艦娘等と提督が懇ろである件がハーレムのネットワークで公然となっていることもあり
きっとこの艦娘も提督に絆されているのだろうなと女の勘で察している

長門
コロラドの姿を見て、そのあどけなさからいけないとは思いつつも子供に接する母親の気分を覚える
毒気を抜かれるも六駆の手前、冷静にコロラドたちとの対話をこなす

六駆
駆逐隊としては誰一人欠けていないが、同じ特型のムラクモや遠征をよく共にした天龍を喪った件もありコロラド含む米国艦娘への敵意は隠さない


コロラド
提督との約束とは言え罪悪感はわいてくる
でも賽は投げられた、後へは引き返せないと覚悟を決める
精一杯泣き出したい気持ちを抑えて目の前の逞しいプロポーションのビッグセブンに相対、同僚のサポートもあり対話を円滑に続けんとす
対話の所々で無意識に提督の名前を何度も出している事には気付いていない
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:52:22.52 ID:sJDwceaio
577
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/23(水) 20:45:13.51 ID:3SyoboktO


暁(勘違いしてた。暁たちにとって戦争は辛いものだったけど。死にそうな思いを何度もしたけど。数えきれないくらいの死を見てきて、想像もできないくらいの死を聞いてきたけど。でも、いつからか)

暁(こんな酷い戦争でも、暁たち艦娘は、死んじゃうようなことは無いんだって。けど、天龍さんがいなくなって、ムラクモも……遠い昔の、思い出したくない悪夢。硫黄島の戦い)

暁(あの頃、暁たちは怯えていた。次々いなくなっていく仲間たち。次は誰がって。出撃が怖かった。全部思い出した。戦争は殺し合いなんだ。私たちは命を賭けて戦ってるんだ。あの子たちは、アメリカ人は敵よ。それを忘れちゃダメ)



コロラド(私は赦されない罪を犯した。告解しなくてはならない。けど、できない。しない。それどころか嘘を吐いて隠し通そうとしてる。冒涜した魂をさらに犯す行為。もし私が被害者だったら絶対赦さない)

コロラド(泣きたかった。どうすればいいのか分からない。どうしようもない。私は、永遠に自ら主と聖人たちから決定的に離れ去ってしまった。もう私は救われない)

コロラド「!!」ピクッ

コロラド(日本艦隊が現れた。険しい眼差し。私の罪が見透かされてるよう。雲の切れ目から差し込む日の光が彼女たちを照らしていた。皆、見目麗しい事もあって天使が私を裁きに来たように錯覚する)

コロラド「……」ドクン ドクン フルフルフル

コロラド(動悸が酷い。足が震える。ふと、手が握られた。いつの間にかヒューストンが隣に来ていた。暖かい。私は、ヒューストンを見上げる。ヒューストンは真剣な表情で私をじっと見つめている)

ヒューストン「皆、貴女と共にあります」

コロラド「!!」

コロラド(そう言われて皆を見る。皆、心配そうな表情で私を見ていた。私のせいで罪を犯してしまったのに、私のことを恨みもしないで……私は決意を抱く)

コロラド(もう、この呪われた運命を受け入れるしかない。でも、私たちがやってしまった事に、せめて何か良い意味もあったという事を証明しなくちゃいけない)

コロラド「……ごめんね、皆。ありがとう」

コロラド(覚悟が、決まった)



コロラド「コロラドよ。Nice to meet you(お会いできて光栄だわ), ミス・ナガト」

長門「長門だ。こちらこそ、コロラド嬢」

長門(コロラドと握手する。実際に対面して驚いた。なんて小柄で可愛らしい……戦艦娘という事は同年代だと思うが、そのあどけない顔立ちも相まり年下にしか見えない)

コロラド「それじゃ向かいましょう。パールハーバーへ」

長門「ああ、分かった」

長門(真珠湾へ向けて出発する。しかしコロラドの挙動がぎこちない。緊張しているのだろう。まあ、状況的に無理もない)

長門(それに第六駆逐隊が敵意を露わに殺気を放っている。その事もあり、逆に私はある程度心に余裕を持つことができていた。隣を行くコロラドの方を見る)

コロラド「な、何かしら?」

長門(挙動不審だった。余裕のないその様子に、まるで必死に頑張っている子供を見守るような気分になる。こんな時に不謹慎だが、母性本能を擽られた)
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/23(水) 20:55:56.99 ID:3SyoboktO
コロラド「ミス・ナガト?」

長門(コロラドが焦り始める。何かしてしまったのかと不安に思っていることが手に取るように分かる。彼女は何とか雰囲気を壊さないようにしようと努力しているのに我関せずとするのは帝国海軍の艦娘として沽券に関わる。暁たちも見ているしな)

長門「いや、失礼。提督を保護してくれているのだな」

コロラド「Admiral. ええ、そうよ」

長門「公式な立場での発言はできないが、私個人として礼を言わせてほしい。本当にありがとう。提督は私に、いや、私たち帝国海軍の艦娘にとって欠かせない存在だ。もし彼が失われたら……想像するのも嫌だな」

コロラド「……慕われているのね、彼は」

長門「ああ。少なくとも我々艦娘にとって提督はハリウッドスターやベースボールのスター選手のようなものだ。提督のプロマイドは民間でも人気らしい。特に、女性にな」

コロラド「でしょうね。Admiralはとても優秀だし、運動神経もバツグンだった。性格も良いし、おまけに容姿端麗だわ。人気が出ないはずがない」ポー

長門(思わずじっとコロラドを見つめてしまう。どこか愁いを帯びつつもうっとりとした表情でそう語る彼女はまるで……いや、違う。これは間違いなく恋する人間のそれだ)

長門(女の勘が告げている。コロラドは私と同じだ。あの人とコロラドの間に何があった……!?衝撃と共につい第六駆逐隊の方を見る。彼女たちも皆一様に衝撃を受けた表情をしていた)

長門(あまりの出来事に毒気を抜かれ、先ほどまで発していた敵意と殺気も鳴りを潜めている。とりあえず、ひとつはっきりした)

長門(提督は間違いなく生きている。ああ……早く会いたい……いろいろと要件が溜まっているからな)



提督(俺は今、アトランタとゴーヤと共に部屋で待っていた。間もなく長門と第六駆逐隊がここに来るらしい。アトランタに起こされ目を覚ますと何故かゴーヤが居たことに驚いた)

提督(ゴーヤからの話で日本がどういう動きをとっているか把握した俺は、同時にアトランタからコロラドが最適解を実行していることを聞いて安堵した)

提督(一度目が覚めた時に全裸のアトランタが上に乗っていたことや、何故かゴーヤが愛憎とおまけに劣情を煮詰めたようなドロリとした感情を向けてきていること)

提督(そして俺のズボンと下着が膝近くまでずり下げられていて口に出すのも憚るような恰好になっていたことをスルーする)

提督(汗を流して身だしなみを整え終わる頃には長門たちがコロラドと合流してこっちに向かっているとの連絡を受けた。本当は港まで迎えに行きたかった)

提督(しかしそれは俺の監視についていた合衆国海軍の艦娘たちにやんわりと止められたため諦める。部屋で待って日が西に沈む頃、ようやく長門たちがオアフ島に上陸したと連絡があった)

ブロロロロロロ

提督(もうそろそろかと思っていたら、聞こえるエンジン音。来たか。車両がこの家の前に止まる。エントランスのドアを開ける音。足音が近づいてくる。ゴーヤとアトランタがそれぞれ俺の左右斜め後ろに控えた。ノックの音)

コロラド「Admiral, コロラドよ。ナガトと第六駆逐隊の方々が来たわ」

提督「ありがとう。入ってくれ」

提督(ドアが開かれる。ああ、つい顔が綻んでしまう。コロラドに続いて入ってくる長門は、俺を見るとその真顔の鉄仮面が崩れた。心底安心したという表情で目を潤ませる。次いで入ってくる暁と響、雷、電たちは今にも抱きついてきそうだ)



アトランタ「!!!!」ドクン

USSアトランタの終わりの始まりをもたらしたソロモンの戦い。自分の命を顧みないような理解不能の自殺行為。敵の一人が突撃してくる。サーチライトでアトランタを照らしつつ戦闘を挑んできた。
さすがに駆逐艦と軽巡洋艦であの距離は撃ち負けはしない。しかし、、サーチライトに照らされたアトランタは敵の集中砲火を受け、助けを求めた味方にも混乱の最中敵と誤認され砲を向けられた
味方に敵と誤認されているなんて知るわけない。味方に撃たれたという事実に絶望し、容赦ない鋼鉄の嵐に晒され、撃破され、放置された。生死を彷徨い、捕虜になった
助けが来る希望はなく敵に犯され、致命的なまでに傷つき弱った心は簡単に奪われ、敵のスパイになった。NTR物同人誌の登場人物のようにアヘ顔ダブルピースの寝取られ宣言ビデオレターを送れと言われたら送るくらいに深く堕ちた
心の安定のために快楽を貪った。盲愛に全てを捧げた。罪悪感は枯れ果て、残るのは死と隣り合わせの張り詰めた日々。もう二度と心の平穏は取り戻せない
自分の味方は唯一、あの人。あの人に捨てられたら終わり。だから自分の全てをあの人に捧げた。アトランタはあの人に利用価値を証明し続ける。いつか破滅を迎えるその日まで
どうしてこんなことになったのか。かつて自分はまともだった。壊れてなかった。アトランタは無意識のうちに理解していた。それをすべて台無しにしたのは、アトランタを終わらせたのは、
あのサーチライトの主。暁と呼ばれる日本の駆逐艦娘だ。その暁が、現れた。

↓×1〜3 暁と不意に遭遇することになったアトランタの反応
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:28:17.88 ID:MgHyNSB20
この子さえいなければ私は…とは思うが、日帝側につかなかったら提督と出会って今の気持ちになることもなかっただろうから複雑。でも恨みはそこそこ強い
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:29:55.12 ID:j8bvVztc0
サーチライトを照射された自分が汚れきったのだから
照射したお前は私と同等かそれ以上に汚れている筈だ
それともこの人に癒して貰ったのか貴様はと
我を忘れて暁に詰め寄る
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:50:39.87 ID:2PkmtR2Co
>>582
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 22:02:14.20 ID:hM7cR9k3o
繋ぎ方がうまいな
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/24(木) 19:36:33.89 ID:ghOmuLxGO
アトランタ(あいつだ……あの時の……恐怖で腰が抜けそうになる。怒りで頭が真っ白になった。あいつがあたしを……!!あいつさえいなきゃ……!!)

アトランタ(あたしはこんな、こんなにならなかった!!あたしの人生はこんな、どうしようもないくらいめちゃくちゃのクソみたいにならなかった!!)

提督「長門、暁、響、雷、電。よく来てくれた。一人おめおめと生き延びた姿を見せるのは恥ずかしい……だが、また君たちに会えて、これ程嬉しいことは無い。感無量の思いだ」

アトランタ「っ!!……ぁ」

アトランタ(でも、提督さんの声にすぅーと心が鎮まる。やすらぐ声。世界にあたしと提督さんだけになる。あたしは提督さんを見た。そして、気が付く。ああ、そうなんだ)

アトランタ(頭の中で何かが割れたような、ずっとかかっていた靄が吹き飛ばされたような。理解した。聖書に伝えられる救世主が使徒たちに教えていたもの。それのほんの一部だけ)

アトランタ(でも、その一部だけは完全に理解した。そう思った。提督さんは自分の利を求めるような不純な打算とか無しで、命を懸けて死からあたしを救ってくれた)

アトランタ(あれこそが、”愛”なんだ。性欲のような不浄なものも混じっていない本物の愛。なんて尊いものなんだろう。あたしは得がたいものを得ることができた。それだけで、救われた)

提督「紹介しよう。彼女はUSSアトランタ……アトランタ?どうした?」

アトランタ「えっ?……何が?」ツゥー

提督「君、泣いてるぞ。大丈夫か?」

アトランタ(提督さんに名前を呼ばれて我に返った。トランス状態に入っていたみたい。言われて、頬に触れて気が付いた。涙が流れてる。あたしは大丈夫って答えて取り出したハンカチで涙を拭いた)

提督「そうか。ならいいが……とりあえず、皆に紹介させてくれ。彼女はUSSアトランタだ。アメリカ軍と合流した後、ずっと私について助けてくれていた。とても助かったよ」

アトランタ(提督さんがあたしを日本人に紹介する。それを聞いた彼女たちは表情を柔らかくした。最初に戦艦娘が感謝の言葉を述べてくる。その次が、暁だった)

暁「本当に、ありがとうございます。アトランタさん」チラリ

アトランタ(どこか負い目を感じているような声音に表情。おどおどとこちらを窺うような眼差し。こいつ、あたしを覚えている。あの時の戦いを覚えている。つい、冷たい微笑が浮かんでしまった。暁が目を伏せる)

暁「っ……」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/24(木) 19:46:10.09 ID:ghOmuLxGO
響「感謝します、アトランタさん」

アトランタ(蒼銀の髪に白い肌。ブルーグレイの瞳。どこか浮世離れした雰囲気を纏う子。暁の次に口を開いた響と呼ばれるこの子をあたしは知っていた。直接会うのは初めてだけど)

アトランタ(アメリカに広く深く浸透しているウェア・グループと呼ばれるソビエト連邦と繋がりのある共産主義者たちの秘密工作機関。諜報活動中に彼らの情報を入手できたからだ)

アトランタ(それによると、響という帝国海軍の艦娘はソビエトのスパイだ。コードネームは"Феникс(不死鳥)"。ソ連に大日本帝国の機密情報を流しているらしい)

アトランタ(戦前の日付で”規制済み”となっていたけど、それがどういう意味かは分からない。残りの二人のお礼の言葉を受けながらあたしはある事を思いついた)

アトランタ(暁、お前さえ居なければ私は……って思ってる。でも、お前のおかげであたしは提督さんと出会えた。純粋な、真実の愛を知ることができた。救われた)

アトランタ(そう考えると、正当な復讐をあたしは躊躇ってしまう。複雑だ。でも、何かしないと酷い目にあって汚れきったあたしが可哀そうだ。だからあたしは、こうしよう)

アトランタ「提督さん。その響って子、ソビエトのスパイだよ。暗号名は"Феникс"。ずっと大日本帝国の情報をソ連に流してる」

「「「「!?」」」」

提督「なっ……!?」

響「ぇ……」

アトランタ(少し離れたところに居るコロラドには聞こえないように。でも、提督さんと周りにいる日本人には聞こえるように。そう言った。驚愕の表情を浮かべる提督さん)

アトランタ「もしかしたら”不死鳥”は提督さんの命を狙ってるのかも。アメリカと大日本帝国の関係が拗れたら、ソビエトは得をするしね。出鱈目で言ってるんじゃないって、提督さんなら分かるよね?」

アトランタ(自分の大切な妹が敵のスパイだって。自分たちを裏切っているって。お前が大切に思っている提督さんを殺そうとしているかもしれないって。知ったらどんな気分なんだろうね?暁?)

↓×1〜3
自分の忌まわしく絶対に知られたくなかった過去の過ちをいきなり最悪の形で姉妹たちにばらされた響の心情と反応と

響がソ連のスパイだという話に衝撃を受け、アトランタの『出鱈目でいってるんじゃない』発言に対する提督の反応や
アトランタの告発に響がいきなり隠し事を暴かれて茫然としている様子からそれが真実であると直感した暁たちの心情と反応

※暁たちにとってスパイ行為は、例えば響がDQNとか汚いおっさんとヤって(あるいはヤられて)快楽堕ちして提督にはやらせないプレイを楽しんでいる上に、提督に対して裏で早漏とか短小包茎とか間男の方がずっと良いといった暴言をベッドの上で間男と一緒に吐いてるようなものである。もしかしたらもともと先にそちらと関係を持っていて、提督とはいわば托卵してATMとして利用するために近づいたようなものなのかもしれない。スパイ行為は当事者の心情は別として言ってしまえばただの不倫である例えより、ある意味ではましであるかもしれないが事態ははるかに深刻である
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:01:05.23 ID:VOeRWBuU0
暁一行 響がそんなことするはずがないじゃない!と猛然と抗議

提督 知ってるが、それがどうした?的なツワモノ感マシマシで超余裕そう

一同唖然

※の注釈が具体的過ぎてちょっと笑ってしまった

588 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:16:30.58 ID:Q/DyEtXQo
暁:あまりの衝撃に呆然としてる
雷:デタラメ言うなとアトランタにくってかかる
電:響に冷徹に事実確認。本人の口からの言葉を欲す
(そんな中提督は>>587)
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:27:38.26 ID:1qfGubAw0
響:クールに徹しようとするが体が震えだし
相応の少女のように頼りない様子を醸し出し
アトランタの言葉が出鱈目でないと周囲に理解させてしまう

暁:何で私への遺恨をこの娘にぶつけるのよ!と感情を露にする
雷電:響を抱き締めて心を落ち着かせにかかる
提督:>>587
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/25(金) 00:42:52.57 ID:hN2I59o4O


長門(本来なら一笑に付すところだ。そんなこと、あり得ないと。だがアトランタの言葉に動揺して見せた提督。そして響の虚を突かれ茫然とした様子)

長門(そういえば、かつて響はВерныйとなっていた時期がある。対深海棲艦戦争の半ばから、今回の世界大戦が始まる少し前まで。否定、できない……)

響「ぅ……ぁ……」サァッ フルフルフル

暁「ひ……ひび……き……?」ジッ

響「っ!!!!」ビクッ

暁「どうして……ちがうっていわないの……」

長門(響の顔は真っ青だった。その表情はまるでバレたと動揺し、絶望しているように見える。目を見開いて震えていた。暁がかすれた声で響の名を呼ぶ)

長門(茫然と、信じられないという風に響を見つめながら。暁の呼びかけに、響は肩を震わせ怯える。暁が無感情にそう呟いた。雷が告発者を睨み付け、怒声を発する)

雷「う、嘘よ!!そんなのデタラメだわ!!」キッ

アトランタ「……」ジッ

雷「っ……!!ひ、響が……そんなことするはずない……!!絶対に嘘なんだから!!」ギリッ

長門(雷の悲鳴のような非難。そんな雷にアトランタと呼ばれたアメリカ人は憐みの眼差しを向ける。雷はたじろぎ、表情を歪ませるが再びアトランタに嚙みついた)

電「……響ちゃん。あの人が言っていることは、本当なのですか?」

響「わ、私は……」ブルブルブル

長門(落ち着いた声で問いかける電。響は、答えられない。体を震わせ、俯いたまま震える声で何かを言おうとして、しかしそれ以上続かない。電が再び響に問いかける)

電「響ちゃん。あの人が言っていることは、本当なのですか?」

響「わたし……は……」

電「っ……お願いなのです、響ちゃん……響ちゃんの口から否定して欲しいのです……」ジワリ

長門(答えない響に、電が涙声でそう訴える。電は今にも涙を零れさせそうだった。私は、何もできない。真相がどうであれ、こんな状態の響に戦艦娘である私が何かしても、むしろ事態を悪化させるだけだ……)

長門「っ……」

提督「ふふっ、つい驚いてしまったよ、アトランタ。よく知ってるな。だが君の情報はおそらく、不完全だ」ニタリ

長門(まるで場違いな、面白がるような声音。弾かれたように提督を見る。提督は不敵な笑みを浮かべてアトランタに視線を向けていた)
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/25(金) 00:47:42.83 ID:hN2I59o4O


コロラド「A,Admiral……?」

提督(何が起きているのか分からず、不安と困惑の表情で俺に声をかけるコロラドを手で制する。絶望に沈む響の縋るような眼差し。俺はアトランタに正対する)

提督「確かに君の言う通り、響はソ連に情報を流していた。しかし、それはソ連のスパイだからではない。逆だよ」

アトランタ「逆……まさか……」

提督「あの頃、我が国はソ連との間に国境問題を抱えていた。響は特務機関に引き抜かれて特殊任務に従事していたのだよ。目的は二重スパイとしてソ連の諜報網に潜入し、極東における彼らの動向を把握すること」

提督「響の活躍の結果、ソ連は実力行使を企図していることが判明した。紛争は避けられない。なら、負けるわけにはいかない。そこで特務機関は新たな任務を響に与えた。偽の情報をソ連に流すことだ」

提督「それによってソ連軍が仕掛けてくるタイミングをこちらの思い通りにコントロールした。結果は我々の辛勝だ。ソ連は強かった。響の活躍が無くては大敗だったと考えている」

提督「その後、情勢が変化したため最後に日本に巣食っていたソ連の諜報網を尽く摘発して響の特殊任務は無事に終了した。君が入手した情報はきっとそれについてのソ連側の不完全な情報だろう。それとも……」ジッ

アトランタ「っ」ビクッ

提督(俺はアトランタの目をじっと見つめる。君の事を信用している。嘘を吐いたりするわけがないという思いを込めて。アトランタがびくりと肩を震わせた)

提督「実は響は三重スパイで、あの紛争の結末も対日諜報網の壊滅もソ連の計画通りであり、今現在も響がソ連のスパイであるという情報を君は入手したのだろうか?」

アトランタ「し、してない……でも、響は酷く動揺していたみたいだけど……?」

提督「それはこの事は部外者に知られてはならない機密情報だからだ。きっと違うと言いたかっただろう。だが、響には守秘義務があった。それを忠実に守ったのだ」

提督「たとえ大切な仲間に誤解されようとも。失望され、軽蔑され、嫌悪されるであろうことが確実であっても。そんな悲壮な決意を抱かざるを得ない事態にいきなり陥れられた」スッ ナデナデ

提督(俺は響の頭を優しく撫でる。きっと、今俺がしていることは間違っているのだろう。だが、こうしたことに後悔はなかった)

提督「動揺してしまっても仕方がない。響、君の覚悟は見させて貰った。見事だ。……諸君、このことには緘口令を敷く。今聞いたことは忘れてくれ。私はここにいる全員を信頼している。もちろん鳳、君の事もな」

↓×1〜3 第六駆逐隊(特に響)とアトランタの心情と反応
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 01:11:35.75 ID:JrK4BKBX0
響 司令官しゅき…と更に依存

六駆 響凄い任務についてて偉いと称賛

アトランタ 中途半端な情報で密告したみたいになって提督の中で自分の評価を下げられてしまったんじゃないか?とやや落ち込み
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 02:42:53.21 ID:Ca+zzhOao
暁、雷、電
妹(姉)が自分たちとは別次元に居た、或いは居続けている事に対し
大切な姉妹をこれ以上危機に晒したくないと響と同様に泣きじゃくり提督に抱き付く
姉妹4人で伴侶として提督と共に在るのだと強く意識する
特に暁は姉妹の結束をより強固にしてくれたとアトランタに握手を求め、過去の因縁の解消に働きかける
(後に提督からネタばらしされた際は姉妹それぞれ思う存分ワガママを聞いてもらう様提督に取り付けたという)


提督がうまく取り繕ったお陰で話が無事に終わりそうな安心感と
心から愛している人に助けられた嬉しさと温もり
大勢の前で頭を撫でられて感じた気持ち良さと気恥ずかしさ
色々ごちゃ交ぜになった感情は彼女に涙を溢れさせ、一層の深愛を自覚させる
普段のクールさとは裏腹に声をあげて泣きじゃくりながら提督に抱き付きディープキスの嵐

アトランタ
(アトランタ=鳳が他の米国艦娘にも周知の事実であれば、アトランタの心情と反応のみ592と同一にしてください)
自身が鳳、すなわち日本側の何らかの存在である事を他の米国艦娘にも公然とされ立場が逆転しかけるが
暁との仲直りや提督の再度の取り繕い、緘口令で有耶無耶になる

敵に対する容赦のなさ、雄として愛する雌を全力で守る提督の行動は"あの人"とは全くの真逆で、心地好く、己にとって長く待ち望んでいたものなのだ
そう自覚した途端、過去に囚われた己という名の洗脳は霧散した
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 07:40:25.06 ID:AyMszIXp0
第六:提督に惚れ直す響と
姉妹がそんな過酷な状況下に平然と置かれる戦争の怖さを実感し
そんな中でも自分達を愛して導いてくれる提督に改めて着いていこうと思う3人

アトランタ:想定外の状況を簡単に丸く治めてしまった提督に動揺
彼には元の自分も今の自分も全く叶わないのではと畏怖の念を抱き
せめてこの駆逐の娘達よりもアドバンテージを持っていなければと
寝込みを逆レしたことを自白
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 11:45:35.00 ID:cEIw/zp9O
世界がまたきな臭くなってきましたね
>>1はどう見る?
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:17:18.32 ID:hPQXLALT0
雷「ほらね?やっぱりやってないじゃない!」

響「っ……!!」ズキン

響(ち、違う……)

電「響ちゃん……ごめんなさいなのです……信じてあげられなくて……」

響(違うんだ、みんな……)

暁「お姉ちゃん失格だわ……ごめんなさい、響……」

響(違うんだよ、皆……私は……わたしは……!!)

長門「響、そんな顔をするな。胸を張れ。決して表に出ない事だが、誇りに思っていい事だ」ニコリ

雷「そうよ、響。凄いわ!」ニコッ

暁「偉いわ、響。よく頑張ったわね」ニコッ

電「さすが響ちゃんなのです」ニコッ

響(あぁ、違う……私は……でも、嫌だ……もし本当の事を言ったら……きっとみんな、私の事……嫌だ……みんなに嫌われたくない……)

響(失望されたくない……軽蔑されたくない……でも、私……みんなを騙して……そんなこと、しちゃいけない……赦されない……)

提督「響」ダキッ ギュッ

響「っ!!」ドクン

響(司令官が私の目の前で膝をつく。抱きしめられた。温かい。心が安らぐ。頭を撫でられた)

提督「君は悪くない、響。Верныйと響は別人だ。君は、裏切っていない」

響(私にしか聞こえないくらい微かな優しい声でそう言ってくれる司令官。でも、違うんだ。違うんだよ、司令官……Верныйは私なんだ。それは、他の誰でもない私自身が一番よく理解してる……)

響「司令官……Верныйは……私なんだ……」ホロリ

響(消え入りそうな小さい声。司令官が息を吐く。そして今度は穏やかだけど有無を言わせないというような声音で囁いてきた。ぞくぞくする)

提督「響。全部俺のせいだ。俺が君に強要するんだ。だから君は俺の命令に従うしかない。命令だ、響。知らなくてもいい事を知らせる必要はない」

響(司令官に鼻が触れそうな至近距離から真っすぐ目をのぞき込まれる。目の前のこの人が自分より上位の存在なんだって感じがした)

提督「あれはなかったことにしろ。俺がさっき言った事を事実にするんだ。余計な罪悪感は捨てろ」

響(でも庇護者なんだって思わされる司令官のささやき声。いけない誘惑だ。それが心に沁み込んでくるのを止められない。甘い毒が私の心を犯していく)

響(でも、私は何とかそれに抗う。それは私のためじゃない。私のために嘘を吐いて罪を背負ってしまう司令官のために。司令官にそんなことをさせてはいけない)
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:19:33.51 ID:hPQXLALT0
提督「響、暁たちを見ろ」

響「っぁ……!!」ドクン

響(司令官に言われて、みんなの方を見る。見てしまう。みんなが心配そうに私を見ていた。ああ、だめだ。必死に抵抗していた私の心が、それをやめてしまう)

響(みんなのあの目が、侮蔑の眼差しに変わってしまうなんて耐えられない。みんなと一緒にいられる幸せを失いたくない。甘い毒が、私の心の奥底まで浸透してくる)

提督「命令だ。いいな」

響「!!」ゾクゾクゾクン

響(心が蜜のように甘くてとろりとした底なし沼に沈んでいくような感覚。捉えられて抜け出せない。抜け出そうとも思わない。自分の大切なところに、なにかいけないものが刻み込まれていく)

響(ダメだとわかる。本能的な拒否感がある。けど、私はそれを受け入れる。私という存在が変えられていく。取り返しのつかないこと?そうかも。でも、後悔はない)

響(私は、司令官のものだから。司令官に全てを捧げているんだから。ものの考え方だって、司令官の言う事に喜んで従う。司令官の望む通りの私になる)



響「う……うん……しれいかん……しゅき……だよ……」トロン キュンキュン ハイライトオフ

提督(響は陶酔しきった表情でうっとりと俺を見つめていた。その瞳にはどこか異様なものがちらついていた。もしかしたら、俺は響に何か取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれない)

提督(この勇敢で聡明な少女を穢してしまっていたが、それ以上に台無しにしてしまったのかもしれない。責任を取る必要がある。もちろん、喜んで取ろう)

提督(俺は響に微笑むと立ち上がる。そして俺たちに配慮してずっと会話が聞こえない程度の距離をとって待ってくれていたコロラドの方を向く)

提督「待たせてしまってすまなかった、コロラド」

コロラド「いいのよ、気にしないで。それで、その子は……?」

伊58「……」チラリ

提督(コロラドは戸惑いながらもそう言ってくれた。そしてゴーヤに視線を向けた。いつの間にか増えていた謎の帝国海軍潜水艦娘に驚き、警戒している。ゴーヤの方もコロラドを一瞥した)

提督「助けに来てくれたんだ。大丈夫、我々の方針は説明してある」

コロラド「そ、そう……分かったわ」

提督(ひとまずは深く聞かずにいてくれるようだ。コロラドは改めて俺に目をむけると真剣な表情を浮かべた。俺も改めて表情を引き締める。さて、十分休ませてもらった。やるべきことに取り掛かろう)
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:24:45.91 ID:hPQXLALT0


アトランタ(誰もいない建物の裏手で壁によりかかるとそのままずるずるとしゃがみ込む。あたしは提督さんの前で無様を晒してしまった。中途半端な情報を密告したみたいになった)

アトランタ(なんて救いようのない無能だ。死んでしまえ。提督さんに使えないって思われたらどうしよう。考えるだけでもぞっとする。泣きたかった。提督さんと二人っきりで話をしたい)

アトランタ(でも、提督さんは今忙しかった。合衆国と日本の戦争を回避するためにいろいろやっているから。あたしは零れる涙を手で拭う。茜色の空。あたりは暗い。夜だ)

アトランタ(ソロモンでやられて以来、あたしは夜が怖くなった。それでも、もう慣れたと思ってたのに。血の気が引くような恐怖を感じた。提督さんのぬくもりを感じたい)



Air Defense Command HQ「Zebra X-Ray 6, We`re reading many bogeys in your sector(そちらの空域に多数の機影を探知した). 突然現れたようだ。状況を報告せよ」

Naval Base San Diego『They are everywhere(そこら中にいるぞ)!!湾上空に敵爆撃機!!奴らどこから来たんだ!?』ウゥーン ウゥーン



ワシントン「ダメ、やっぱり繋がらないわ。今どうなってんのよ。本国は無事よね?」

提督(何とか通信を繋げようとしていたワシントンがお手上げだというように両手をあげる。不安そうに聞く声に答えるものは誰もいない)

サウスダコタ「またこっちにも来るのだろうか?それとも敵はあちらに集中しているのか……それに……」ジロリ

提督(サウスダコタは自分たちがここに残ってハワイを守るべきなのか、それとも今すぐにでもサンディエゴに戻るべきなのかを苦慮していた。そしてちらりと俺を窺う)

提督(不信を込めたその目はどさくさに紛れて日本が動くのではないかと警戒しているのが明らかだった。長門達と再会してから数時間。状況が動いた)

提督(合衆国海軍の艦娘たちは緊張に包まれている。強力な妨害電波によってアメリカとの通信が途絶したのだ。何かが起きている。いや、おそらくこれは敵深海棲艦の攻撃だ)

提督(彼女たちはハワイを攻撃した。目的は明らかに占領だった。何故か?南方からの侵攻が頓挫した我が大日本帝国に対して新たな戦線を構築して戦力を分散させようとしたのか)

提督(あるいは遠回りとなるが彼女たちの得意とする大海原での戦闘となる東方から侵攻しようとしたのか。しかし、それはあくまで我々からの視点で考えた場合だ)

提督(深海棲艦側から考えてみると話は変わってくる。捕虜になった者たちからの話によると彼女たちはその重点を対米戦においているとのことだった)

提督(それを踏まえて深海棲艦側の視点から考えると今回のハワイ侵攻の目的は明らかだった。サンディエゴおよびサンフランシスコの米海軍基地を狙っている)

提督(北アメリカ大陸の西海岸に、いや、太平洋の東半分にある船渠はあの二ヵ所だけだ。おそらく今回の作戦はハワイと北アメリカ大陸西海岸に対する同時攻撃だったのだろう)

提督(第一段階としてハワイを占領して拠点化すると共に西海岸のサンディエゴとサンフランシスコを攻撃する。その後、ハワイから西海岸への攻撃を継続しつつ占領部隊を送り出すのだ)

提督(あの二ヵ所を占領された場合、東太平洋は彼女たちのものになる。それに加えてアメリカは苦境に立たされることになるだろう。深海棲艦は必要最低限の守備隊を除いて全戦力を大西洋側に集中できる)

提督(アメリカが、あの無敵の大国が敗北しかねない。その衝撃はフランス革命やロシア革命を大幅に凌駕する。主義思想が違うだけではない)

提督(研究の結果、深海棲艦は学術的にはアクア説とやらを唱えていた学者たちの言う水棲人類という事だった。確かに、現代の誰もが御伽噺だと思っていたが、浦島太郎の竜宮城)

提督(プラトンの書き記していたアトランティスといった伝説は存在していた。それらは御伽噺ではなかったという事だろう。しかし、だからと言って彼女たちとは文化も人種も何もかもが違う)
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:28:33.02 ID:hPQXLALT0
提督(その上、少なくとも現在の国際社会においてはつい最近まで知られてすらいなかった民族が。生物学的に交配まで可能なほど近縁であると考えられているとはいえ多くの人間にとって人間でなく深海棲艦である彼女たちが)

提督(列強の一員であるアメリカを滅ぼしたとなれば世界がどうなるのか分からない。それに、アメリカの国力を吸収した彼女たちがかつてのモンゴルのように世界を征服せんとするかもしれないのだ)

提督(対深海棲艦戦争の時、そうしたように。しかし、アメリカの支配により資源的な問題は解決されるだろうが人的資源についてはそうはいかないだろう。彼女たちの人的資源が枯渇していることはほぼ間違いない)

提督(そう考えるとこれ以上の戦争は彼女たちも望まないと考えられる。それに、日本には深海棲艦もいる。友好関係を築くことを模索してくる可能性は非常に高い。もしかしたら、巨人には息絶えてもらうことが日本とって一番いいのかもしれない)

提督(しかし、西海岸を占領されたとしてもアメリカが負けるとは限らない。あの巨人がこのまま敗北するだろうか?味方として肩を並べたことも敵として対峙したこともある身からすると、厳しくはあるが勝ち目がないわけではない)

提督(となると、日本は非常に興味深い立場に置かれることになる。世界は分水嶺に立っており、大日本帝国は趨勢を左右するカギを握っているのだ。決断の時だ。アメリカ合衆国を助けるか、助けないか)

提督(政府がどう判断するかはわからない。しかし、政府の決断を待っていたら機を逸する。胃が痛い?まさか。喜ぼう。俺は決断することのできる立場にある。まさしく僥倖だ。考える)

提督(深海棲艦側には我々がアメリカを助けても助けなくてもさしたる影響を与えることはないと思う。だが、アメリカには大きな影響がある)

提督(助けた場合、アメリカがこの窮地を凌げたら彼の国との関係改善は確実となるだろう。大幅な譲歩が必要となることは確実な和平交渉において、日本側に計り知れないほど有利に働く)

提督(それに今も大西洋で戦っているアイオワやサラトガを助けることにも繋がるし、アメリカは彼女たちやアトランタ、コロラド達の故国でもある。個人的にもアメリカは嫌いでない)

提督(となれば、自ずと答えは決まる。個人的感情が入っていることは否定できない。しかし、こうすることが日本のためであると自信を持って言える)

提督「長門、私はハワイへ送られる艦隊の編成と指揮を任されている。君たちの指揮を執るぞ」

長門「っ!!分かりました、提督。すぐに陸奥へ連絡します」

提督(俺の言葉に長門と第六駆逐隊が畏まり、礼をする。そこにいたのは帝国海軍が世界に誇る歴戦の艦娘たちだった。俺はコロラド達に向き直る)

提督「コロラド、これより我々帝国海軍はアメリカ合衆国救援の為に行動を開始する。共に戦わせてくれ」

↓×1〜3 アメリ艦たち(特にコロラド)の心情と反応(ワシントンとサウスダコタたちはコロラド達に比べて未だ日本に敵対的な事を踏まえて)
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 20:02:35.43 ID:+0Ks6vK50
コロ 提督の提案を快諾。とはいえ立場上、提督にあんまり肩入れするのは良くない気がするけど協力してくれるとやっぱり嬉しいし心強い

ダコタ&ワシントン このジャップは信用できるか甚だ疑問だけどコロの指示にはしっかり従い提督に協力するプロの軍人
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 20:08:19.44 ID:yHd+RoMjo
600に加えて
ヒューストンとアトランタもコロラドに加勢
提督が身を呈して深海棲艦から助けてくれた事もアピールしてサウスダコタとワシントンの良心に訴えかける
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:44:40.23 ID:yhgksm35o
601
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/03/18(金) 03:26:39.30 ID:kuwg83RWo
待ってる
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/03/30(水) 03:33:27.31 ID:oId/E2S60
待ってる
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 01:56:59.53 ID:H4hcSUFho
続きはよ
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 18:37:30.61 ID:ihDcxAkHO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/12(木) 19:49:01.51 ID:A060DtZoo
マダー?
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/09(木) 23:48:02.89 ID:fTzN+rEco
ずっと待つ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/26(日) 04:59:52.61 ID:QRRL5yVEo
待ってる
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/07/16(土) 16:03:43.17 ID:CQlubR6IO
来ないかな…
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/08/23(火) 21:26:38.44 ID:z46dzAAb0
私松輪
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/10/13(木) 21:26:05.77 ID:mGXuzZxS0
ずっと松輪
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/11/16(水) 22:15:00.54 ID:xNyROZer0
いつまでも松輪
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/12/30(金) 00:00:37.11 ID:7EhySJcYO
待ってる
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/02/15(水) 12:31:49.43 ID:B3zBRM7v0
舞ってる
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/03/16(木) 07:10:24.79 ID:yvyJdRd90
マッテルスブルク
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/04/24(月) 21:07:15.85 ID:lzC2gYJz0
待ってる
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 07:30:00.97 ID:dhts571g0
舞ってる
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/08/12(土) 08:13:39.32 ID:Yt8o1ZjOo
どうか生きててくれ…
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