加賀「……何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」

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570 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/21(月) 07:33:03.72 ID:zJGCIppbo
>>567
571 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 12:47:35.27 ID:7etiSQVlO
陸奥「っ……」フイッ

陸奥(長門の真っ直ぐな眼差し。覚悟している顔だった。私は顔を背ける。こんな表情、見せられないもの。長門を送り出したら、これが敵の罠だった場合敵の集中攻撃を受けることになる)

陸奥(生きては帰れない。これが、今生の別れになるかもしれない。私の判断が長門の死を招くかもしれない。全滅させられていたハワイの友軍とそこに翻っていた星条旗)

陸奥(アメリカ人たちは宣戦布告も何もなしに停戦を破ってハワイを奇襲攻撃したとしか思えない状況。奴らの言う事は信用に値しない。これも罠に違いない)

陸奥(でも、コロラドと名乗ったこの声の持ち主は必死さを醸し出している。それに、万が一何か私たちの思いもよらないような事が起きていてアメリカ人が私たちの敵じゃなかった場合)

陸奥(ここで戦火を交えることは取り返しのつかない事態を引き起こしかねない。怪しいアメリカ人の要請に応えるしかない。できれば自分で行きたかった。でも、私は艦隊の旗艦だ)

陸奥(指揮を執らなくてはいけない。私たち艦娘には制約がある。艦隊の一部を分離してその指揮を誰かに任せることはできるけど、出撃してから帰還するまで旗艦を代わることができない。だから……)

陸奥「長門……お願い」

長門「任せろ」

陸奥(長門に頼むしかなかった。消え入りそうな私の声に長門が力強く応える。不敵な笑みを浮かべていた。この笑みを見るのはもう最後になるかもしれない。心がどこまでも落ちていきそうな感覚)

陸奥(信じられない。絶対イヤ。怖い。泣いてしまいそう。でも、私は旗艦で、皆が私たちを見ている。泣くのだけは絶対にダメ。歯を食いしばって堪える)

↓×1〜3 所属艦が全て実装されてる駆逐隊一つ
572 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 13:00:55.10 ID:sJDwceaio
第八駆逐隊(朝潮型4隻)
573 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 13:45:00.20 ID:5/hRhI0So
上で
574 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 14:45:45.83 ID:kWiaHmVMo
第六駆逐隊
575 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/22(火) 20:40:21.15 ID:BMLTdIYxO
暁「戦艦単艦で行かせられないでしょ?随伴する駆逐艦が必要なのです。第六駆逐隊が志願します」

陸奥「!!」

長門(暁の声に陸奥が硬直する。本当は一人で行きたいのだが暁の言う事は最もだった。間髪入れずに他の駆逐隊の面々も第六駆逐隊に続く)

朝潮「第八駆逐隊が行きます。どうか、私たちに行かせてください」

浦風「いや、うちら第十七駆逐隊に任せちゃって」

野分「旗艦、是非とも第四駆逐隊にご命令ください」

長門(駆逐艦たちは全員が自ら進んでこの危険な役目を務めようとしていた。しかし、その役目に割り当てるのは一個駆逐隊が妥当だろう)

長門(だからこそ駆逐艦たちは陸奥に詰め寄るようにして自分たちこそが相応しいと訴えかけている)

陸奥「……!!」ギュッ

長門(そんな駆逐艦たちの行動は、生きては帰れないかもしれない事に自分より年下の子たちを自ら選んで送り出さなくてはならないという残酷な刃となって陸奥の心を切り裂いている)

長門(ふと、第六駆逐隊の面々が私を見ていることに気が付いた。良い目をしている。暁たちが頷いた。私も頷くと、陸奥の名前を呼ぶ)

長門「陸奥。特三型はこの中で一番戦歴が長くて経験豊富だ。そんな第六駆逐隊を引き抜くのは疾痛惨憺だが、私ももしもの時にむざむざやられるつもりは到底ない。暁たちを貰えるか?」



長門「This is IJN Nagato(こちらは帝国海軍の長門だ)。USSコロラド、聞こえるか?」

コロラド『っ!!聞こえるわミス・ナガト!!Loud and clear!!応答してくれてありがとう!!よければ日本語で話しましょうか?』

長門「いや、英語で結構。見事な日本語だった、コロラド嬢。それで、話したいこととは?」

コロラド『分かったわ。話したい事は、ハワイで何が起きたのかについてよ。まず初めに伝えるわね。私たちは、やってない。こちらで帝国海軍の提督を保護しているわ』

「「「「!!」」」」ドクン

長門(衝撃が走る。提督が生きてる。良かったと心底安心した。正直、気が抜けてしまう。しかし第六駆逐隊の手前、それを表に出す訳にはいかない。努めて変わりないように装う)

コロラド『私たちと一緒に来て彼に会ってほしいの。大日本帝国と合衆国の関係は今拗れてる。ここで私たちから話を聞くより提督も交えて話す方がきっと貴女たちにとってもいいでしょ?』

長門(そう言って自分たちの座標とそこで待っている旨を続けるコロラド。他に選択肢はない。私は彼女に了承の意を伝えた)

 
指定された座標で彼女たちは対面することとなった
↓×1〜3提督の件もまだ完全には信用してないし、何より多くの日本軍の血がアメリカ人によって流されている。姉妹艦や仲の良い子たちが大破させられもしている。という事を踏まえて長門と六駆の面々の心情と自らの大きすぎる十字架にさらに嘘という罪を加えてしまったコロラドの心情
576 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:16:10.50 ID:5/hRhI0S0
長門、六駆 提督が無事というのは実は嘘で罠かもしれないから、ぬか喜びしないように気を引き締めてお互いに励まし合いながらことに当たる。怨念は一旦封印
コロ 嘘も方便なので致し方なし
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:30:26.11 ID:K/16H/kFo
帝国海軍艦娘共通
コロラドのことは半分信じていないが、コマンダン・ テストやガングート、匿った独国艦娘等と提督が懇ろである件がハーレムのネットワークで公然となっていることもあり
きっとこの艦娘も提督に絆されているのだろうなと女の勘で察している

長門
コロラドの姿を見て、そのあどけなさからいけないとは思いつつも子供に接する母親の気分を覚える
毒気を抜かれるも六駆の手前、冷静にコロラドたちとの対話をこなす

六駆
駆逐隊としては誰一人欠けていないが、同じ特型のムラクモや遠征をよく共にした天龍を喪った件もありコロラド含む米国艦娘への敵意は隠さない


コロラド
提督との約束とは言え罪悪感はわいてくる
でも賽は投げられた、後へは引き返せないと覚悟を決める
精一杯泣き出したい気持ちを抑えて目の前の逞しいプロポーションのビッグセブンに相対、同僚のサポートもあり対話を円滑に続けんとす
対話の所々で無意識に提督の名前を何度も出している事には気付いていない
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/22(火) 21:52:22.52 ID:sJDwceaio
577
579 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/23(水) 20:45:13.51 ID:3SyoboktO


暁(勘違いしてた。暁たちにとって戦争は辛いものだったけど。死にそうな思いを何度もしたけど。数えきれないくらいの死を見てきて、想像もできないくらいの死を聞いてきたけど。でも、いつからか)

暁(こんな酷い戦争でも、暁たち艦娘は、死んじゃうようなことは無いんだって。けど、天龍さんがいなくなって、ムラクモも……遠い昔の、思い出したくない悪夢。硫黄島の戦い)

暁(あの頃、暁たちは怯えていた。次々いなくなっていく仲間たち。次は誰がって。出撃が怖かった。全部思い出した。戦争は殺し合いなんだ。私たちは命を賭けて戦ってるんだ。あの子たちは、アメリカ人は敵よ。それを忘れちゃダメ)



コロラド(私は赦されない罪を犯した。告解しなくてはならない。けど、できない。しない。それどころか嘘を吐いて隠し通そうとしてる。冒涜した魂をさらに犯す行為。もし私が被害者だったら絶対赦さない)

コロラド(泣きたかった。どうすればいいのか分からない。どうしようもない。私は、永遠に自ら主と聖人たちから決定的に離れ去ってしまった。もう私は救われない)

コロラド「!!」ピクッ

コロラド(日本艦隊が現れた。険しい眼差し。私の罪が見透かされてるよう。雲の切れ目から差し込む日の光が彼女たちを照らしていた。皆、見目麗しい事もあって天使が私を裁きに来たように錯覚する)

コロラド「……」ドクン ドクン フルフルフル

コロラド(動悸が酷い。足が震える。ふと、手が握られた。いつの間にかヒューストンが隣に来ていた。暖かい。私は、ヒューストンを見上げる。ヒューストンは真剣な表情で私をじっと見つめている)

ヒューストン「皆、貴女と共にあります」

コロラド「!!」

コロラド(そう言われて皆を見る。皆、心配そうな表情で私を見ていた。私のせいで罪を犯してしまったのに、私のことを恨みもしないで……私は決意を抱く)

コロラド(もう、この呪われた運命を受け入れるしかない。でも、私たちがやってしまった事に、せめて何か良い意味もあったという事を証明しなくちゃいけない)

コロラド「……ごめんね、皆。ありがとう」

コロラド(覚悟が、決まった)



コロラド「コロラドよ。Nice to meet you(お会いできて光栄だわ), ミス・ナガト」

長門「長門だ。こちらこそ、コロラド嬢」

長門(コロラドと握手する。実際に対面して驚いた。なんて小柄で可愛らしい……戦艦娘という事は同年代だと思うが、そのあどけない顔立ちも相まり年下にしか見えない)

コロラド「それじゃ向かいましょう。パールハーバーへ」

長門「ああ、分かった」

長門(真珠湾へ向けて出発する。しかしコロラドの挙動がぎこちない。緊張しているのだろう。まあ、状況的に無理もない)

長門(それに第六駆逐隊が敵意を露わに殺気を放っている。その事もあり、逆に私はある程度心に余裕を持つことができていた。隣を行くコロラドの方を見る)

コロラド「な、何かしら?」

長門(挙動不審だった。余裕のないその様子に、まるで必死に頑張っている子供を見守るような気分になる。こんな時に不謹慎だが、母性本能を擽られた)
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/23(水) 20:55:56.99 ID:3SyoboktO
コロラド「ミス・ナガト?」

長門(コロラドが焦り始める。何かしてしまったのかと不安に思っていることが手に取るように分かる。彼女は何とか雰囲気を壊さないようにしようと努力しているのに我関せずとするのは帝国海軍の艦娘として沽券に関わる。暁たちも見ているしな)

長門「いや、失礼。提督を保護してくれているのだな」

コロラド「Admiral. ええ、そうよ」

長門「公式な立場での発言はできないが、私個人として礼を言わせてほしい。本当にありがとう。提督は私に、いや、私たち帝国海軍の艦娘にとって欠かせない存在だ。もし彼が失われたら……想像するのも嫌だな」

コロラド「……慕われているのね、彼は」

長門「ああ。少なくとも我々艦娘にとって提督はハリウッドスターやベースボールのスター選手のようなものだ。提督のプロマイドは民間でも人気らしい。特に、女性にな」

コロラド「でしょうね。Admiralはとても優秀だし、運動神経もバツグンだった。性格も良いし、おまけに容姿端麗だわ。人気が出ないはずがない」ポー

長門(思わずじっとコロラドを見つめてしまう。どこか愁いを帯びつつもうっとりとした表情でそう語る彼女はまるで……いや、違う。これは間違いなく恋する人間のそれだ)

長門(女の勘が告げている。コロラドは私と同じだ。あの人とコロラドの間に何があった……!?衝撃と共につい第六駆逐隊の方を見る。彼女たちも皆一様に衝撃を受けた表情をしていた)

長門(あまりの出来事に毒気を抜かれ、先ほどまで発していた敵意と殺気も鳴りを潜めている。とりあえず、ひとつはっきりした)

長門(提督は間違いなく生きている。ああ……早く会いたい……いろいろと要件が溜まっているからな)



提督(俺は今、アトランタとゴーヤと共に部屋で待っていた。間もなく長門と第六駆逐隊がここに来るらしい。アトランタに起こされ目を覚ますと何故かゴーヤが居たことに驚いた)

提督(ゴーヤからの話で日本がどういう動きをとっているか把握した俺は、同時にアトランタからコロラドが最適解を実行していることを聞いて安堵した)

提督(一度目が覚めた時に全裸のアトランタが上に乗っていたことや、何故かゴーヤが愛憎とおまけに劣情を煮詰めたようなドロリとした感情を向けてきていること)

提督(そして俺のズボンと下着が膝近くまでずり下げられていて口に出すのも憚るような恰好になっていたことをスルーする)

提督(汗を流して身だしなみを整え終わる頃には長門たちがコロラドと合流してこっちに向かっているとの連絡を受けた。本当は港まで迎えに行きたかった)

提督(しかしそれは俺の監視についていた合衆国海軍の艦娘たちにやんわりと止められたため諦める。部屋で待って日が西に沈む頃、ようやく長門たちがオアフ島に上陸したと連絡があった)

ブロロロロロロ

提督(もうそろそろかと思っていたら、聞こえるエンジン音。来たか。車両がこの家の前に止まる。エントランスのドアを開ける音。足音が近づいてくる。ゴーヤとアトランタがそれぞれ俺の左右斜め後ろに控えた。ノックの音)

コロラド「Admiral, コロラドよ。ナガトと第六駆逐隊の方々が来たわ」

提督「ありがとう。入ってくれ」

提督(ドアが開かれる。ああ、つい顔が綻んでしまう。コロラドに続いて入ってくる長門は、俺を見るとその真顔の鉄仮面が崩れた。心底安心したという表情で目を潤ませる。次いで入ってくる暁と響、雷、電たちは今にも抱きついてきそうだ)



アトランタ「!!!!」ドクン

USSアトランタの終わりの始まりをもたらしたソロモンの戦い。自分の命を顧みないような理解不能の自殺行為。敵の一人が突撃してくる。サーチライトでアトランタを照らしつつ戦闘を挑んできた。
さすがに駆逐艦と軽巡洋艦であの距離は撃ち負けはしない。しかし、、サーチライトに照らされたアトランタは敵の集中砲火を受け、助けを求めた味方にも混乱の最中敵と誤認され砲を向けられた
味方に敵と誤認されているなんて知るわけない。味方に撃たれたという事実に絶望し、容赦ない鋼鉄の嵐に晒され、撃破され、放置された。生死を彷徨い、捕虜になった
助けが来る希望はなく敵に犯され、致命的なまでに傷つき弱った心は簡単に奪われ、敵のスパイになった。NTR物同人誌の登場人物のようにアヘ顔ダブルピースの寝取られ宣言ビデオレターを送れと言われたら送るくらいに深く堕ちた
心の安定のために快楽を貪った。盲愛に全てを捧げた。罪悪感は枯れ果て、残るのは死と隣り合わせの張り詰めた日々。もう二度と心の平穏は取り戻せない
自分の味方は唯一、あの人。あの人に捨てられたら終わり。だから自分の全てをあの人に捧げた。アトランタはあの人に利用価値を証明し続ける。いつか破滅を迎えるその日まで
どうしてこんなことになったのか。かつて自分はまともだった。壊れてなかった。アトランタは無意識のうちに理解していた。それをすべて台無しにしたのは、アトランタを終わらせたのは、
あのサーチライトの主。暁と呼ばれる日本の駆逐艦娘だ。その暁が、現れた。

↓×1〜3 暁と不意に遭遇することになったアトランタの反応
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:28:17.88 ID:MgHyNSB20
この子さえいなければ私は…とは思うが、日帝側につかなかったら提督と出会って今の気持ちになることもなかっただろうから複雑。でも恨みはそこそこ強い
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:29:55.12 ID:j8bvVztc0
サーチライトを照射された自分が汚れきったのだから
照射したお前は私と同等かそれ以上に汚れている筈だ
それともこの人に癒して貰ったのか貴様はと
我を忘れて暁に詰め寄る
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 21:50:39.87 ID:2PkmtR2Co
>>582
584 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/23(水) 22:02:14.20 ID:hM7cR9k3o
繋ぎ方がうまいな
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/24(木) 19:36:33.89 ID:ghOmuLxGO
アトランタ(あいつだ……あの時の……恐怖で腰が抜けそうになる。怒りで頭が真っ白になった。あいつがあたしを……!!あいつさえいなきゃ……!!)

アトランタ(あたしはこんな、こんなにならなかった!!あたしの人生はこんな、どうしようもないくらいめちゃくちゃのクソみたいにならなかった!!)

提督「長門、暁、響、雷、電。よく来てくれた。一人おめおめと生き延びた姿を見せるのは恥ずかしい……だが、また君たちに会えて、これ程嬉しいことは無い。感無量の思いだ」

アトランタ「っ!!……ぁ」

アトランタ(でも、提督さんの声にすぅーと心が鎮まる。やすらぐ声。世界にあたしと提督さんだけになる。あたしは提督さんを見た。そして、気が付く。ああ、そうなんだ)

アトランタ(頭の中で何かが割れたような、ずっとかかっていた靄が吹き飛ばされたような。理解した。聖書に伝えられる救世主が使徒たちに教えていたもの。それのほんの一部だけ)

アトランタ(でも、その一部だけは完全に理解した。そう思った。提督さんは自分の利を求めるような不純な打算とか無しで、命を懸けて死からあたしを救ってくれた)

アトランタ(あれこそが、”愛”なんだ。性欲のような不浄なものも混じっていない本物の愛。なんて尊いものなんだろう。あたしは得がたいものを得ることができた。それだけで、救われた)

提督「紹介しよう。彼女はUSSアトランタ……アトランタ?どうした?」

アトランタ「えっ?……何が?」ツゥー

提督「君、泣いてるぞ。大丈夫か?」

アトランタ(提督さんに名前を呼ばれて我に返った。トランス状態に入っていたみたい。言われて、頬に触れて気が付いた。涙が流れてる。あたしは大丈夫って答えて取り出したハンカチで涙を拭いた)

提督「そうか。ならいいが……とりあえず、皆に紹介させてくれ。彼女はUSSアトランタだ。アメリカ軍と合流した後、ずっと私について助けてくれていた。とても助かったよ」

アトランタ(提督さんがあたしを日本人に紹介する。それを聞いた彼女たちは表情を柔らかくした。最初に戦艦娘が感謝の言葉を述べてくる。その次が、暁だった)

暁「本当に、ありがとうございます。アトランタさん」チラリ

アトランタ(どこか負い目を感じているような声音に表情。おどおどとこちらを窺うような眼差し。こいつ、あたしを覚えている。あの時の戦いを覚えている。つい、冷たい微笑が浮かんでしまった。暁が目を伏せる)

暁「っ……」
586 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/24(木) 19:46:10.09 ID:ghOmuLxGO
響「感謝します、アトランタさん」

アトランタ(蒼銀の髪に白い肌。ブルーグレイの瞳。どこか浮世離れした雰囲気を纏う子。暁の次に口を開いた響と呼ばれるこの子をあたしは知っていた。直接会うのは初めてだけど)

アトランタ(アメリカに広く深く浸透しているウェア・グループと呼ばれるソビエト連邦と繋がりのある共産主義者たちの秘密工作機関。諜報活動中に彼らの情報を入手できたからだ)

アトランタ(それによると、響という帝国海軍の艦娘はソビエトのスパイだ。コードネームは"Феникс(不死鳥)"。ソ連に大日本帝国の機密情報を流しているらしい)

アトランタ(戦前の日付で”規制済み”となっていたけど、それがどういう意味かは分からない。残りの二人のお礼の言葉を受けながらあたしはある事を思いついた)

アトランタ(暁、お前さえ居なければ私は……って思ってる。でも、お前のおかげであたしは提督さんと出会えた。純粋な、真実の愛を知ることができた。救われた)

アトランタ(そう考えると、正当な復讐をあたしは躊躇ってしまう。複雑だ。でも、何かしないと酷い目にあって汚れきったあたしが可哀そうだ。だからあたしは、こうしよう)

アトランタ「提督さん。その響って子、ソビエトのスパイだよ。暗号名は"Феникс"。ずっと大日本帝国の情報をソ連に流してる」

「「「「!?」」」」

提督「なっ……!?」

響「ぇ……」

アトランタ(少し離れたところに居るコロラドには聞こえないように。でも、提督さんと周りにいる日本人には聞こえるように。そう言った。驚愕の表情を浮かべる提督さん)

アトランタ「もしかしたら”不死鳥”は提督さんの命を狙ってるのかも。アメリカと大日本帝国の関係が拗れたら、ソビエトは得をするしね。出鱈目で言ってるんじゃないって、提督さんなら分かるよね?」

アトランタ(自分の大切な妹が敵のスパイだって。自分たちを裏切っているって。お前が大切に思っている提督さんを殺そうとしているかもしれないって。知ったらどんな気分なんだろうね?暁?)

↓×1〜3
自分の忌まわしく絶対に知られたくなかった過去の過ちをいきなり最悪の形で姉妹たちにばらされた響の心情と反応と

響がソ連のスパイだという話に衝撃を受け、アトランタの『出鱈目でいってるんじゃない』発言に対する提督の反応や
アトランタの告発に響がいきなり隠し事を暴かれて茫然としている様子からそれが真実であると直感した暁たちの心情と反応

※暁たちにとってスパイ行為は、例えば響がDQNとか汚いおっさんとヤって(あるいはヤられて)快楽堕ちして提督にはやらせないプレイを楽しんでいる上に、提督に対して裏で早漏とか短小包茎とか間男の方がずっと良いといった暴言をベッドの上で間男と一緒に吐いてるようなものである。もしかしたらもともと先にそちらと関係を持っていて、提督とはいわば托卵してATMとして利用するために近づいたようなものなのかもしれない。スパイ行為は当事者の心情は別として言ってしまえばただの不倫である例えより、ある意味ではましであるかもしれないが事態ははるかに深刻である
587 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:01:05.23 ID:VOeRWBuU0
暁一行 響がそんなことするはずがないじゃない!と猛然と抗議

提督 知ってるが、それがどうした?的なツワモノ感マシマシで超余裕そう

一同唖然

※の注釈が具体的過ぎてちょっと笑ってしまった

588 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:16:30.58 ID:Q/DyEtXQo
暁:あまりの衝撃に呆然としてる
雷:デタラメ言うなとアトランタにくってかかる
電:響に冷徹に事実確認。本人の口からの言葉を欲す
(そんな中提督は>>587)
589 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/24(木) 20:27:38.26 ID:1qfGubAw0
響:クールに徹しようとするが体が震えだし
相応の少女のように頼りない様子を醸し出し
アトランタの言葉が出鱈目でないと周囲に理解させてしまう

暁:何で私への遺恨をこの娘にぶつけるのよ!と感情を露にする
雷電:響を抱き締めて心を落ち着かせにかかる
提督:>>587
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/25(金) 00:42:52.57 ID:hN2I59o4O


長門(本来なら一笑に付すところだ。そんなこと、あり得ないと。だがアトランタの言葉に動揺して見せた提督。そして響の虚を突かれ茫然とした様子)

長門(そういえば、かつて響はВерныйとなっていた時期がある。対深海棲艦戦争の半ばから、今回の世界大戦が始まる少し前まで。否定、できない……)

響「ぅ……ぁ……」サァッ フルフルフル

暁「ひ……ひび……き……?」ジッ

響「っ!!!!」ビクッ

暁「どうして……ちがうっていわないの……」

長門(響の顔は真っ青だった。その表情はまるでバレたと動揺し、絶望しているように見える。目を見開いて震えていた。暁がかすれた声で響の名を呼ぶ)

長門(茫然と、信じられないという風に響を見つめながら。暁の呼びかけに、響は肩を震わせ怯える。暁が無感情にそう呟いた。雷が告発者を睨み付け、怒声を発する)

雷「う、嘘よ!!そんなのデタラメだわ!!」キッ

アトランタ「……」ジッ

雷「っ……!!ひ、響が……そんなことするはずない……!!絶対に嘘なんだから!!」ギリッ

長門(雷の悲鳴のような非難。そんな雷にアトランタと呼ばれたアメリカ人は憐みの眼差しを向ける。雷はたじろぎ、表情を歪ませるが再びアトランタに嚙みついた)

電「……響ちゃん。あの人が言っていることは、本当なのですか?」

響「わ、私は……」ブルブルブル

長門(落ち着いた声で問いかける電。響は、答えられない。体を震わせ、俯いたまま震える声で何かを言おうとして、しかしそれ以上続かない。電が再び響に問いかける)

電「響ちゃん。あの人が言っていることは、本当なのですか?」

響「わたし……は……」

電「っ……お願いなのです、響ちゃん……響ちゃんの口から否定して欲しいのです……」ジワリ

長門(答えない響に、電が涙声でそう訴える。電は今にも涙を零れさせそうだった。私は、何もできない。真相がどうであれ、こんな状態の響に戦艦娘である私が何かしても、むしろ事態を悪化させるだけだ……)

長門「っ……」

提督「ふふっ、つい驚いてしまったよ、アトランタ。よく知ってるな。だが君の情報はおそらく、不完全だ」ニタリ

長門(まるで場違いな、面白がるような声音。弾かれたように提督を見る。提督は不敵な笑みを浮かべてアトランタに視線を向けていた)
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/25(金) 00:47:42.83 ID:hN2I59o4O


コロラド「A,Admiral……?」

提督(何が起きているのか分からず、不安と困惑の表情で俺に声をかけるコロラドを手で制する。絶望に沈む響の縋るような眼差し。俺はアトランタに正対する)

提督「確かに君の言う通り、響はソ連に情報を流していた。しかし、それはソ連のスパイだからではない。逆だよ」

アトランタ「逆……まさか……」

提督「あの頃、我が国はソ連との間に国境問題を抱えていた。響は特務機関に引き抜かれて特殊任務に従事していたのだよ。目的は二重スパイとしてソ連の諜報網に潜入し、極東における彼らの動向を把握すること」

提督「響の活躍の結果、ソ連は実力行使を企図していることが判明した。紛争は避けられない。なら、負けるわけにはいかない。そこで特務機関は新たな任務を響に与えた。偽の情報をソ連に流すことだ」

提督「それによってソ連軍が仕掛けてくるタイミングをこちらの思い通りにコントロールした。結果は我々の辛勝だ。ソ連は強かった。響の活躍が無くては大敗だったと考えている」

提督「その後、情勢が変化したため最後に日本に巣食っていたソ連の諜報網を尽く摘発して響の特殊任務は無事に終了した。君が入手した情報はきっとそれについてのソ連側の不完全な情報だろう。それとも……」ジッ

アトランタ「っ」ビクッ

提督(俺はアトランタの目をじっと見つめる。君の事を信用している。嘘を吐いたりするわけがないという思いを込めて。アトランタがびくりと肩を震わせた)

提督「実は響は三重スパイで、あの紛争の結末も対日諜報網の壊滅もソ連の計画通りであり、今現在も響がソ連のスパイであるという情報を君は入手したのだろうか?」

アトランタ「し、してない……でも、響は酷く動揺していたみたいだけど……?」

提督「それはこの事は部外者に知られてはならない機密情報だからだ。きっと違うと言いたかっただろう。だが、響には守秘義務があった。それを忠実に守ったのだ」

提督「たとえ大切な仲間に誤解されようとも。失望され、軽蔑され、嫌悪されるであろうことが確実であっても。そんな悲壮な決意を抱かざるを得ない事態にいきなり陥れられた」スッ ナデナデ

提督(俺は響の頭を優しく撫でる。きっと、今俺がしていることは間違っているのだろう。だが、こうしたことに後悔はなかった)

提督「動揺してしまっても仕方がない。響、君の覚悟は見させて貰った。見事だ。……諸君、このことには緘口令を敷く。今聞いたことは忘れてくれ。私はここにいる全員を信頼している。もちろん鳳、君の事もな」

↓×1〜3 第六駆逐隊(特に響)とアトランタの心情と反応
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 01:11:35.75 ID:JrK4BKBX0
響 司令官しゅき…と更に依存

六駆 響凄い任務についてて偉いと称賛

アトランタ 中途半端な情報で密告したみたいになって提督の中で自分の評価を下げられてしまったんじゃないか?とやや落ち込み
593 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 02:42:53.21 ID:Ca+zzhOao
暁、雷、電
妹(姉)が自分たちとは別次元に居た、或いは居続けている事に対し
大切な姉妹をこれ以上危機に晒したくないと響と同様に泣きじゃくり提督に抱き付く
姉妹4人で伴侶として提督と共に在るのだと強く意識する
特に暁は姉妹の結束をより強固にしてくれたとアトランタに握手を求め、過去の因縁の解消に働きかける
(後に提督からネタばらしされた際は姉妹それぞれ思う存分ワガママを聞いてもらう様提督に取り付けたという)


提督がうまく取り繕ったお陰で話が無事に終わりそうな安心感と
心から愛している人に助けられた嬉しさと温もり
大勢の前で頭を撫でられて感じた気持ち良さと気恥ずかしさ
色々ごちゃ交ぜになった感情は彼女に涙を溢れさせ、一層の深愛を自覚させる
普段のクールさとは裏腹に声をあげて泣きじゃくりながら提督に抱き付きディープキスの嵐

アトランタ
(アトランタ=鳳が他の米国艦娘にも周知の事実であれば、アトランタの心情と反応のみ592と同一にしてください)
自身が鳳、すなわち日本側の何らかの存在である事を他の米国艦娘にも公然とされ立場が逆転しかけるが
暁との仲直りや提督の再度の取り繕い、緘口令で有耶無耶になる

敵に対する容赦のなさ、雄として愛する雌を全力で守る提督の行動は"あの人"とは全くの真逆で、心地好く、己にとって長く待ち望んでいたものなのだ
そう自覚した途端、過去に囚われた己という名の洗脳は霧散した
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/25(金) 07:40:25.06 ID:AyMszIXp0
第六:提督に惚れ直す響と
姉妹がそんな過酷な状況下に平然と置かれる戦争の怖さを実感し
そんな中でも自分達を愛して導いてくれる提督に改めて着いていこうと思う3人

アトランタ:想定外の状況を簡単に丸く治めてしまった提督に動揺
彼には元の自分も今の自分も全く叶わないのではと畏怖の念を抱き
せめてこの駆逐の娘達よりもアドバンテージを持っていなければと
寝込みを逆レしたことを自白
595 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 11:45:35.00 ID:cEIw/zp9O
世界がまたきな臭くなってきましたね
>>1はどう見る?
596 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:17:18.32 ID:hPQXLALT0
雷「ほらね?やっぱりやってないじゃない!」

響「っ……!!」ズキン

響(ち、違う……)

電「響ちゃん……ごめんなさいなのです……信じてあげられなくて……」

響(違うんだ、みんな……)

暁「お姉ちゃん失格だわ……ごめんなさい、響……」

響(違うんだよ、皆……私は……わたしは……!!)

長門「響、そんな顔をするな。胸を張れ。決して表に出ない事だが、誇りに思っていい事だ」ニコリ

雷「そうよ、響。凄いわ!」ニコッ

暁「偉いわ、響。よく頑張ったわね」ニコッ

電「さすが響ちゃんなのです」ニコッ

響(あぁ、違う……私は……でも、嫌だ……もし本当の事を言ったら……きっとみんな、私の事……嫌だ……みんなに嫌われたくない……)

響(失望されたくない……軽蔑されたくない……でも、私……みんなを騙して……そんなこと、しちゃいけない……赦されない……)

提督「響」ダキッ ギュッ

響「っ!!」ドクン

響(司令官が私の目の前で膝をつく。抱きしめられた。温かい。心が安らぐ。頭を撫でられた)

提督「君は悪くない、響。Верныйと響は別人だ。君は、裏切っていない」

響(私にしか聞こえないくらい微かな優しい声でそう言ってくれる司令官。でも、違うんだ。違うんだよ、司令官……Верныйは私なんだ。それは、他の誰でもない私自身が一番よく理解してる……)

響「司令官……Верныйは……私なんだ……」ホロリ

響(消え入りそうな小さい声。司令官が息を吐く。そして今度は穏やかだけど有無を言わせないというような声音で囁いてきた。ぞくぞくする)

提督「響。全部俺のせいだ。俺が君に強要するんだ。だから君は俺の命令に従うしかない。命令だ、響。知らなくてもいい事を知らせる必要はない」

響(司令官に鼻が触れそうな至近距離から真っすぐ目をのぞき込まれる。目の前のこの人が自分より上位の存在なんだって感じがした)

提督「あれはなかったことにしろ。俺がさっき言った事を事実にするんだ。余計な罪悪感は捨てろ」

響(でも庇護者なんだって思わされる司令官のささやき声。いけない誘惑だ。それが心に沁み込んでくるのを止められない。甘い毒が私の心を犯していく)

響(でも、私は何とかそれに抗う。それは私のためじゃない。私のために嘘を吐いて罪を背負ってしまう司令官のために。司令官にそんなことをさせてはいけない)
597 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:19:33.51 ID:hPQXLALT0
提督「響、暁たちを見ろ」

響「っぁ……!!」ドクン

響(司令官に言われて、みんなの方を見る。見てしまう。みんなが心配そうに私を見ていた。ああ、だめだ。必死に抵抗していた私の心が、それをやめてしまう)

響(みんなのあの目が、侮蔑の眼差しに変わってしまうなんて耐えられない。みんなと一緒にいられる幸せを失いたくない。甘い毒が、私の心の奥底まで浸透してくる)

提督「命令だ。いいな」

響「!!」ゾクゾクゾクン

響(心が蜜のように甘くてとろりとした底なし沼に沈んでいくような感覚。捉えられて抜け出せない。抜け出そうとも思わない。自分の大切なところに、なにかいけないものが刻み込まれていく)

響(ダメだとわかる。本能的な拒否感がある。けど、私はそれを受け入れる。私という存在が変えられていく。取り返しのつかないこと?そうかも。でも、後悔はない)

響(私は、司令官のものだから。司令官に全てを捧げているんだから。ものの考え方だって、司令官の言う事に喜んで従う。司令官の望む通りの私になる)



響「う……うん……しれいかん……しゅき……だよ……」トロン キュンキュン ハイライトオフ

提督(響は陶酔しきった表情でうっとりと俺を見つめていた。その瞳にはどこか異様なものがちらついていた。もしかしたら、俺は響に何か取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれない)

提督(この勇敢で聡明な少女を穢してしまっていたが、それ以上に台無しにしてしまったのかもしれない。責任を取る必要がある。もちろん、喜んで取ろう)

提督(俺は響に微笑むと立ち上がる。そして俺たちに配慮してずっと会話が聞こえない程度の距離をとって待ってくれていたコロラドの方を向く)

提督「待たせてしまってすまなかった、コロラド」

コロラド「いいのよ、気にしないで。それで、その子は……?」

伊58「……」チラリ

提督(コロラドは戸惑いながらもそう言ってくれた。そしてゴーヤに視線を向けた。いつの間にか増えていた謎の帝国海軍潜水艦娘に驚き、警戒している。ゴーヤの方もコロラドを一瞥した)

提督「助けに来てくれたんだ。大丈夫、我々の方針は説明してある」

コロラド「そ、そう……分かったわ」

提督(ひとまずは深く聞かずにいてくれるようだ。コロラドは改めて俺に目をむけると真剣な表情を浮かべた。俺も改めて表情を引き締める。さて、十分休ませてもらった。やるべきことに取り掛かろう)
598 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:24:45.91 ID:hPQXLALT0


アトランタ(誰もいない建物の裏手で壁によりかかるとそのままずるずるとしゃがみ込む。あたしは提督さんの前で無様を晒してしまった。中途半端な情報を密告したみたいになった)

アトランタ(なんて救いようのない無能だ。死んでしまえ。提督さんに使えないって思われたらどうしよう。考えるだけでもぞっとする。泣きたかった。提督さんと二人っきりで話をしたい)

アトランタ(でも、提督さんは今忙しかった。合衆国と日本の戦争を回避するためにいろいろやっているから。あたしは零れる涙を手で拭う。茜色の空。あたりは暗い。夜だ)

アトランタ(ソロモンでやられて以来、あたしは夜が怖くなった。それでも、もう慣れたと思ってたのに。血の気が引くような恐怖を感じた。提督さんのぬくもりを感じたい)



Air Defense Command HQ「Zebra X-Ray 6, We`re reading many bogeys in your sector(そちらの空域に多数の機影を探知した). 突然現れたようだ。状況を報告せよ」

Naval Base San Diego『They are everywhere(そこら中にいるぞ)!!湾上空に敵爆撃機!!奴らどこから来たんだ!?』ウゥーン ウゥーン



ワシントン「ダメ、やっぱり繋がらないわ。今どうなってんのよ。本国は無事よね?」

提督(何とか通信を繋げようとしていたワシントンがお手上げだというように両手をあげる。不安そうに聞く声に答えるものは誰もいない)

サウスダコタ「またこっちにも来るのだろうか?それとも敵はあちらに集中しているのか……それに……」ジロリ

提督(サウスダコタは自分たちがここに残ってハワイを守るべきなのか、それとも今すぐにでもサンディエゴに戻るべきなのかを苦慮していた。そしてちらりと俺を窺う)

提督(不信を込めたその目はどさくさに紛れて日本が動くのではないかと警戒しているのが明らかだった。長門達と再会してから数時間。状況が動いた)

提督(合衆国海軍の艦娘たちは緊張に包まれている。強力な妨害電波によってアメリカとの通信が途絶したのだ。何かが起きている。いや、おそらくこれは敵深海棲艦の攻撃だ)

提督(彼女たちはハワイを攻撃した。目的は明らかに占領だった。何故か?南方からの侵攻が頓挫した我が大日本帝国に対して新たな戦線を構築して戦力を分散させようとしたのか)

提督(あるいは遠回りとなるが彼女たちの得意とする大海原での戦闘となる東方から侵攻しようとしたのか。しかし、それはあくまで我々からの視点で考えた場合だ)

提督(深海棲艦側から考えてみると話は変わってくる。捕虜になった者たちからの話によると彼女たちはその重点を対米戦においているとのことだった)

提督(それを踏まえて深海棲艦側の視点から考えると今回のハワイ侵攻の目的は明らかだった。サンディエゴおよびサンフランシスコの米海軍基地を狙っている)

提督(北アメリカ大陸の西海岸に、いや、太平洋の東半分にある船渠はあの二ヵ所だけだ。おそらく今回の作戦はハワイと北アメリカ大陸西海岸に対する同時攻撃だったのだろう)

提督(第一段階としてハワイを占領して拠点化すると共に西海岸のサンディエゴとサンフランシスコを攻撃する。その後、ハワイから西海岸への攻撃を継続しつつ占領部隊を送り出すのだ)

提督(あの二ヵ所を占領された場合、東太平洋は彼女たちのものになる。それに加えてアメリカは苦境に立たされることになるだろう。深海棲艦は必要最低限の守備隊を除いて全戦力を大西洋側に集中できる)

提督(アメリカが、あの無敵の大国が敗北しかねない。その衝撃はフランス革命やロシア革命を大幅に凌駕する。主義思想が違うだけではない)

提督(研究の結果、深海棲艦は学術的にはアクア説とやらを唱えていた学者たちの言う水棲人類という事だった。確かに、現代の誰もが御伽噺だと思っていたが、浦島太郎の竜宮城)

提督(プラトンの書き記していたアトランティスといった伝説は存在していた。それらは御伽噺ではなかったという事だろう。しかし、だからと言って彼女たちとは文化も人種も何もかもが違う)
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2022/02/27(日) 19:28:33.02 ID:hPQXLALT0
提督(その上、少なくとも現在の国際社会においてはつい最近まで知られてすらいなかった民族が。生物学的に交配まで可能なほど近縁であると考えられているとはいえ多くの人間にとって人間でなく深海棲艦である彼女たちが)

提督(列強の一員であるアメリカを滅ぼしたとなれば世界がどうなるのか分からない。それに、アメリカの国力を吸収した彼女たちがかつてのモンゴルのように世界を征服せんとするかもしれないのだ)

提督(対深海棲艦戦争の時、そうしたように。しかし、アメリカの支配により資源的な問題は解決されるだろうが人的資源についてはそうはいかないだろう。彼女たちの人的資源が枯渇していることはほぼ間違いない)

提督(そう考えるとこれ以上の戦争は彼女たちも望まないと考えられる。それに、日本には深海棲艦もいる。友好関係を築くことを模索してくる可能性は非常に高い。もしかしたら、巨人には息絶えてもらうことが日本とって一番いいのかもしれない)

提督(しかし、西海岸を占領されたとしてもアメリカが負けるとは限らない。あの巨人がこのまま敗北するだろうか?味方として肩を並べたことも敵として対峙したこともある身からすると、厳しくはあるが勝ち目がないわけではない)

提督(となると、日本は非常に興味深い立場に置かれることになる。世界は分水嶺に立っており、大日本帝国は趨勢を左右するカギを握っているのだ。決断の時だ。アメリカ合衆国を助けるか、助けないか)

提督(政府がどう判断するかはわからない。しかし、政府の決断を待っていたら機を逸する。胃が痛い?まさか。喜ぼう。俺は決断することのできる立場にある。まさしく僥倖だ。考える)

提督(深海棲艦側には我々がアメリカを助けても助けなくてもさしたる影響を与えることはないと思う。だが、アメリカには大きな影響がある)

提督(助けた場合、アメリカがこの窮地を凌げたら彼の国との関係改善は確実となるだろう。大幅な譲歩が必要となることは確実な和平交渉において、日本側に計り知れないほど有利に働く)

提督(それに今も大西洋で戦っているアイオワやサラトガを助けることにも繋がるし、アメリカは彼女たちやアトランタ、コロラド達の故国でもある。個人的にもアメリカは嫌いでない)

提督(となれば、自ずと答えは決まる。個人的感情が入っていることは否定できない。しかし、こうすることが日本のためであると自信を持って言える)

提督「長門、私はハワイへ送られる艦隊の編成と指揮を任されている。君たちの指揮を執るぞ」

長門「っ!!分かりました、提督。すぐに陸奥へ連絡します」

提督(俺の言葉に長門と第六駆逐隊が畏まり、礼をする。そこにいたのは帝国海軍が世界に誇る歴戦の艦娘たちだった。俺はコロラド達に向き直る)

提督「コロラド、これより我々帝国海軍はアメリカ合衆国救援の為に行動を開始する。共に戦わせてくれ」

↓×1〜3 アメリ艦たち(特にコロラド)の心情と反応(ワシントンとサウスダコタたちはコロラド達に比べて未だ日本に敵対的な事を踏まえて)
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 20:02:35.43 ID:+0Ks6vK50
コロ 提督の提案を快諾。とはいえ立場上、提督にあんまり肩入れするのは良くない気がするけど協力してくれるとやっぱり嬉しいし心強い

ダコタ&ワシントン このジャップは信用できるか甚だ疑問だけどコロの指示にはしっかり従い提督に協力するプロの軍人
601 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 20:08:19.44 ID:yHd+RoMjo
600に加えて
ヒューストンとアトランタもコロラドに加勢
提督が身を呈して深海棲艦から助けてくれた事もアピールしてサウスダコタとワシントンの良心に訴えかける
602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/02/27(日) 21:44:40.23 ID:yhgksm35o
601
603 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/03/18(金) 03:26:39.30 ID:kuwg83RWo
待ってる
604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2022/03/30(水) 03:33:27.31 ID:oId/E2S60
待ってる
605 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/04/17(日) 01:56:59.53 ID:H4hcSUFho
続きはよ
606 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/06(金) 18:37:30.61 ID:ihDcxAkHO
SS避難所
https://jbbs.shitaraba.net/internet/20196/
607 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/05/12(木) 19:49:01.51 ID:A060DtZoo
マダー?
608 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/09(木) 23:48:02.89 ID:fTzN+rEco
ずっと待つ
609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/06/26(日) 04:59:52.61 ID:QRRL5yVEo
待ってる
610 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/07/16(土) 16:03:43.17 ID:CQlubR6IO
来ないかな…
611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/08/23(火) 21:26:38.44 ID:z46dzAAb0
私松輪
612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/10/13(木) 21:26:05.77 ID:mGXuzZxS0
ずっと松輪
613 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/11/16(水) 22:15:00.54 ID:xNyROZer0
いつまでも松輪
614 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2022/12/30(金) 00:00:37.11 ID:7EhySJcYO
待ってる
615 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/02/15(水) 12:31:49.43 ID:B3zBRM7v0
舞ってる
616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/03/16(木) 07:10:24.79 ID:yvyJdRd90
マッテルスブルク
617 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/04/24(月) 21:07:15.85 ID:lzC2gYJz0
待ってる
618 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/06/01(木) 07:30:00.97 ID:dhts571g0
舞ってる
619 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2023/08/12(土) 08:13:39.32 ID:Yt8o1ZjOo
どうか生きててくれ…
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