加賀「……何をしているの、あなた達」 「「っ!?」」

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241 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/22(月) 00:59:46.43 ID:q/rzoHvpO
>>240どのスレか教えてください!
でももし衣笠が青葉に頼んで写真を偽装したやつならたぶん別人だと思う
ここのイッチはエロであんな風にハートを使ったりしてない
()で心情やらを表現するのは似てるけどあまりにも作風が違いすぎる
242 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/01(木) 01:32:38.19 ID:FRPo0pLTo
去年も今頃ひょっこり来てくれたんだよね
待ってるぞ>>1
243 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 12:20:41.54 ID:f/EiC0yto
まだー?
244 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/09(月) 16:27:46.98 ID:P2SyQOt4O
いつまでも待ってる
245 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/25(水) 18:31:42.04 ID:VHVlh9vBo
>>1生きてる?
246 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/29(火) 23:57:57.51 ID:9eMcvc2Wo
季節が一回りしてしまう…
247 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/11/25(月) 21:43:12.91 ID:ylB13cKDo
せめてエタるのならそのことだけでも言ってくれ…
248 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2019/12/17(火) 21:43:45.33 ID:jVHYZtPX0
最近司令官の方ばっかじゃねぇかよお前んちィ!
たまには提督の方にも顔出してくれよな〜頼むよ〜
249 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/21(土) 09:40:40.11 ID:fHJgTsQzO
指揮官ね
250 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/12/22(日) 01:47:44.64 ID:qmlkXv9aO
寂しいけど生きてるようで何より
251 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/12/26(木) 18:04:22.05 ID:gWTm46EZO
>>1どっかで作品書いてる?知ってる人いたら教えて
252 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/14(火) 18:33:51.59 ID:x+BhqOY60
帰ってくるのをいつまでも松輪
253 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:25:06.23 ID:W/IztI2J0
深海双子棲姫・黒「あ、あの二人……そういう関係だったのか……!!」カァッ

深海双子棲姫・黒(初めて目にした裸で絡みあう男女の睦言につい赤面してしまう。しかも男女とも良く知る人物だ……)

深海双子棲姫・黒(こんな盗み見みたいなこと……するべきじゃない。立ち去るべきだ。……なのに、僕は目の前のソレから目が離せない)

深海双子棲姫・黒「……すごっ」ドキドキドキ

深海双子棲姫・黒(提督とあの子の体格差は大人と子供といっていい。それはもちろん、そういうことだ)

深海双子棲姫・黒(遠くからこっそり見ていても分かる。提督のアレはそんなに大きいんだと思うくらいにでっかくて……あの子を壊してしまいそうだ)

深海双子棲姫・黒(だというのにあの子は痛がるどころかむしろ悦んでいた。甘く蕩けた声で喘いでいる)

駆逐棲姫「あっ!!あぅっ!!あぁん!!」ゾクゾク

深海双子棲姫・黒「……///」ジュン

深海双子棲姫・黒(下腹部が疼く。自覚する。ムラムラしていた。乳首が勃ってしまっている)

深海双子棲姫・黒「……っ!!」クチクチ ハッ

深海双子棲姫・黒(無意識に手を自分のソコへ伸ばして、撫でてしまっていた。自分がしている事に気が付いた僕はたまらなくなる)

深海双子棲姫・黒「っ……」スッ

深海双子棲姫・黒(静かに、気が付かれないようにその場を離れると自分の部屋に戻って下着だけになるとベッドに潜り込んだ)



駆逐棲姫「すぅ……すぅ……」

提督「……」ナデナデ

提督(駆逐棲姫の頭を撫でる。この子はあの時からずっと俺を想ってくれていた。あの、深海棲艦戦争末期の停戦状態の時から)

提督(正直に言うとこの子のことを気にかけていたといえば嘘になる。他の子のように大切にしていなかった)

提督(どんなに残酷なだったのだろうか?平和の為だったと言い訳しても、結局この子にとってはヤリ捨てされたようなものだったのに)

提督(深海棲艦戦争の終戦以降、結局世界は平和にならなかった。世界情勢に振り回されていた俺は忙しかった)

提督(時間を作れてももっと親しい子たちの為に使い、この子とは手紙のやり取りだけだった。なのにこの子は思い続けてくれていた)

提督(裏切ったのは深海棲艦たちのほうだ。だが、奴らからしてみれば日本側へ戻ったこの子が裏切り者となるだろう)

提督(裏切った同胞を裏切って日本側につく。とても簡単に決断できることでないことは明らかだった。辛い思いをさせてしまった。だが、この子の想いに必ず報いて見せる)
254 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:30:40.44 ID:W/IztI2J0


イギリス海軍提督「現在の東太平洋における戦線は大まかにシンガポール・マニラ・パラオ・マリアナを繋いだ線がそうであるといえる」

オランダ海軍提督「敵が優先しているのは軍事拠点の攻略と海軍戦力の撃破だ。海の怪物らしく資源地帯や重要な地点以外の陸に興味が無いようだな」

オーストラリア海軍士官「それが敵の驚異的な侵攻速度をもたらしているという訳ですか……不幸中の幸いは民間人の犠牲は少ないことですな」

提督「我々が得た情報によると現時点での敵の攻略目標はシンガポールとのことだ。マラッカ海峡は何が何でも死守しなくては」

オーストラリア海軍士官「なるほど、同類のことは良く知っているという訳で?」ジロリ

オランダ海軍提督「ふっ」クスッ

提督「……」

イギリス海軍提督「ともかく、提督が言った通りだ。マラッカ海峡は我々のものでなくてはならない」

イギリス海軍提督「我が方の主力は現在大西洋から急行している。さすが艦娘だ。飛行機を乗り継いで向かってきている為、一週間もせずに到着するとのことだ」

オランダ海軍提督「それまでシンガポールを死守しなくてはならないということか。限られた戦力で」

イギリス海軍提督「主力は航空戦艦娘二隻を有し、数も一番多い帝国海軍だ。艦隊の司令官はぜひ貴方にお願いしたい、提督」

提督「謹んでお受けする、大将」

オーストラリア海軍士官「っ!!我々の艦娘たちもJapの指揮下に入れと言うのですか!?」

イギリス海軍提督「 Too many cooks spoil the broth(船頭多くして船山に上る). 指揮系統を統一することはこのような場合、最優先するべき事項だ」

オランダ海軍提督「現状、日本が主力であり、彼自身の実績も問題ない。気持ちは分かるがここは提督が指揮を執るべきだ」

オーストラリア海軍士官「っ……了解しました」

イギリス海軍提督「それではよろしくお願いする、提督。日本はアジアにおける英国最大の敵であったが、今や我々は良き友人だ。そうでしょう?」

提督「ドイツの奇襲攻撃で我が国が甚大な被害を受けた時、英国が救いの手を差し伸べてくれたことを日本国民は決して忘れません。お任せください、大将」



パース(かつてのドイツ帝国やオスマン帝国。そして今現在のナチス・ドイツやイタリア王国は、遠い海の向こうの話でしかなかった)

パース(もちろん、多くのオーストラリア人が世界大戦で戦死した。私が海軍で艦娘になったのもそんな勇気ある先人たちの影響が大きい)

パース(そして第二次世界大戦ともいえる今回の戦争でも北アフリカでイタリア軍やドイツ・アフリカ軍団との戦いで何人もの勇敢なオーストラリア人たちが砂漠に散っていった)

パース(オーストラリア中の人々が悲しんだ。でも、だれもここまでの恐怖を感じた人はいなかった)

パース(大日本帝国。……その不気味な国家は深海棲艦という怪物を別として歴史上初めてオーストラリアに国家としての敗戦、滅亡といった深刻な危機感を覚えさせた)

パース(ドイツ帝国もオスマン帝国も、ナチスもイタリアも、オーストラリアを直接攻撃することは不可能だと誰もが知っていた。でも、大日本帝国は違う)

パース(真珠湾でアメリカ太平洋艦隊が、次いでマレー沖で東洋艦隊が海の藻屑となって、直接砲火を交えた東南アジアでの戦いでは一方的と言っていい程打ち負かされた)

パース(多くのオーストラリア人が戦死した。親しい戦友たちも……私は命からがら逃げのびることができた。本当に、運が良かったとしかいえない)

パース(東南アジアでの戦いは私たちの完敗だった。英仏蘭米のアジアにおける植民地は占領された)
255 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/22(水) 16:38:48.89 ID:W/IztI2J0
パース(日本軍が連合国軍の捕虜を虐殺したというニュースはオーストラリア中を駆け巡った)

パース(すぐ近く、オランダ領東インドで民間のオランダ人女性が強姦されたり強制的に売春させられたりしているという話は誰でも知っている)

パース(もし日本軍にオーストラリアが占領されたら同じことが起きるであろうことは明白だった。迫りくる大日本帝国はオーストラリアに住む人々にとって恐怖だった)

パース(そして、私にとっても……奴らに対する怒りや憎しみは私自身も焼き尽くしてしまうほどだった)

パース(でも、それと同じぐらいの恐怖を感じた。東南アジアでの敗北の記憶。歯が立たたず、もう少しで殺されていた……)

パース(次は殺されるかもしれない。もし助かったとしても……野蛮な猿なんかに犯されるなんて絶対に嫌……!!そう思いながら枕を涙で濡らしていた)

パース(とうとう、日本軍はオーストラリアにやってきた。パプアのポートモレスビー。オーストラリアの玄関口、その門に日本軍は手をかけた)

パース(激しい攻防だった。ついには本土まで空襲された。今まで、本土が攻撃されるなんて想像したこともなかった)

パース(私は奇しくも艦娘としての名前と同じパースの出身だ。今のところ私の家族は安全と言える)

パース(でも、ダーウィンで親が空襲で亡くなったという連絡を受け取って泣き叫ぶ戦友を見て……震えが止まらなかった)

パース(それでも私は……戦う。あの悪魔……日本軍と。家族や友人たちの安全の為に。オーストラリアの誇りの為に)

パース(散っていった皆の想いの為に。そして共に戦う戦友たちの命を守るために。期待に応えるために。ともに勝利の喜びを得るために!!)

パース「……」コンコン

パース(でも……それも過去の話となってしまった。事実は小説よりも奇なりとはよく言う。笑えない冗談だった……)

パース(日本軍と……あの野蛮な猿と一緒に戦う事になるなんて……あまつさえ、奴らの指揮下に入って!!)

パース(屈辱!!恥辱!!汚辱!!心のどこかで助かったと思ってしまう自分がいることに狂いそうだった)

提督「どうぞ」



パース「How do you do?大日本帝国海軍提督閣下。私はPerth。HMAS Perth」

提督(入ってきたのはあどけなさを残しつつもきりっとした顔立ちと明るい金髪の美少女だった。アメシストのような瞳で俺を見つめてくる。かなり硬い表情だ)

提督「How do you do? HMAS Perth. Welcome to the ABDJ fleet. 私がこの艦隊の指揮を執る提督だ。よろしくお願いする」

↓×1〜3 パースの心情と反応
256 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 17:08:28.49 ID:XRcMwMDXo
提督が流暢な英語を使ったことに驚く
想像していた日本人像と全く違う提督に心を許しかけるが
亡き戦友やオーストラリア人達の事を思い出しあくまで塩対応で接し
絶対にあいつに気を許しなどするものか!と盛大なフラグを立てる
257 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 20:28:31.43 ID:SCJHko3No
おかえり!!!
安価は256で
258 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/22(水) 22:01:56.36 ID:oodpWm7+o
できる奴なんだろうが
まだまだこれから
見極めてやると意気込みつつも
提督の周りの他の海外艦娘の反応から
興味が湧く
259 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:29:41.86 ID:jNWf9T/X0
パース「……!!」

提督(パースと名乗ったオーストラリア海軍の少女は驚いたように目を見開く。どうしたのだろうか?)

提督「何か?」

パース「っ!!いえ、何でもありません」

提督(そう言うと目を逸らすパース。明らかに壁を作っていた。……日本が激しくオーストラリアを攻撃していたことを考えれば仕方がないだろう)

提督「そうか」

提督(しかし、これから一緒に戦う仲間なのだ。お互いの関係が良くないと必ず艦隊に悪い影響がでるだろう。俺はなんとか打ち解けようと努力する)

提督「よければ席に座ってくれ。そろそろ来る頃だと思って紅茶を淹れてみたんだ。どうだろうか?気に入ってもらえればいいのだが」

パース「……では、いただきます」

提督(努力の甲斐あって俺はウォースパイトも満足してくれるほど美味しい紅茶を淹れられるようになっていた。きっとこの子も満足してくれるはずだ)

提督「どうぞ」

パース「頂きます。……!?おいし……っ!!」ハッ サッ

提督(紅茶を飲んだパースは再び驚きに目を見開き、視線を落としてカップを見る。つい本音が口を出たという感じで感想を述べる)

提督(そしてやってしまったとでも言うようにサッと空いている方の手で口を押え、ちらりと上目遣いで俺を窺う。俺は微笑んでその視線に応える)

提督「喜んでもらえたのなら何よりだ」ニコリ

パース「っ……本題に入らせて頂きます、提督。本来ならオーストラリアかキャンベラがお伺いするべきでしたが、撤退戦で負傷してしまったので私が参りました」

提督「ああ、聞いているよ。戦死者がでなかったことは幸いだった。よく頑張ったな。療養に専念するように伝えてくれ」

パース「っ!!……ありがとうございます。提督、私たちオーストラリア海軍所属の艦娘はこれよりABDJ艦隊へ合流し、提督の指揮下に入ります」

提督「了解した。カラブリア沖やスパダ岬においてのオーストラリア海軍の活躍は聞いている。貴官らの合流、大変心強く思う」

パース「あの提督にそう言って頂けるとは光栄です。それでは撤退戦の報告を始めさせていただいてもよろしいでしょうか?」

提督「お願いしよう」



パース(新聞の風刺漫画やポスターに描かれていたような口ひげを生やした肌が黄疸のように黄色いチビで、異常なまでの出っ歯な眼鏡をかけた野蛮な猿のような人間)

パース(それが私の日本人に対するイメージだった。目の前に立ち現在の戦況やこれからの計画について説明する男はそのイメージから遠くかけ離れている)

パース(口ひげなんて生やしていない、清潔感のある見た目。肌の色も普通で、歯並びも綺麗だ)

パース(背が特別高いとは思わないけど、これでチビなら世界はチビだらけになってしまうだろう。眼鏡もかけていなかった。そして……顔立ちも整っている)

パース(しかも驚くべきことに流暢な英語を話していた。美しい発音のイギリス英語だった。たまにアメリカっぽい表現や発音が混ざるけど)

パース(出された紅茶も正直とても美味しかった。提督の言うことを信じるのなら、彼が自分で淹れたらしい)

パース(そして何よりその物腰は紳士的で、野蛮さのかけらも感じられない。好印象を持ってしまっている自分に気が付いて愕然とした)

パース(私は自分に言い聞かせる。こいつは、日本人なんだと。こいつらがしたことを忘れるなと。こいつらは野蛮な猿だ)

パース(死んでいった戦友たちを思い出す。皆を殺したのはこいつらだ!!日本人は私たちの敵だ!!……絶対に気を許してなるものか!!)
260 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:34:42.36 ID:jNWf9T/X0


パース「他に質問が無いのであればこれで報告を終了させていただきます」

提督「ああ、大丈夫だ。ありがとう、パース」

パース「どういたしまして、提督。……」

提督(パースは紅茶を飲み干すと少し残念そうにカップを見下ろした。俺は微笑みを浮かべて声をかける)

提督「よければもう一杯どうだ?」

パース「っ!!……結構です。ではこれ以上何もなければこれで失礼します」スクッ ジロリ

提督「そ、そうか、分かった。ではまた今度、パース」

パース「ええ、また今度。失礼します、提督」

提督(立ち上がり冷たい表情を浮かべ、敵意を込めた視線で俺を見下ろしたパースは俺の言葉に足早に部屋を退出していった)

提督(話している最中はそんなことなかったのだが……どうやら、彼女たちと我々の間にできた溝はそう簡単には埋まらないようだ)



叢雲「……」

吹雪『斬りこむよ!!面舵!!突撃!!』グイッ

叢雲『えっ!?』モタッ

深雪『馬鹿!!何やってんだ!?』

白雪『私が付きます!!行ってください!!』

吹雪『お願い!!』

叢雲『ご、ごめんなさ』

白雪『離れずついてきてください!!』

叢雲『っ……わかったわ……』
261 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/23(木) 18:36:06.09 ID:jNWf9T/X0
叢雲「っ……」

叢雲『駆逐イ級ね……沈みなさい!!』ドンッ

イ級『……』ヒョイッ ギラリ

叢雲『!?』ゾクッ

叢雲《よ、避けっ!?やられる!!》サァッ

浦波『危ない!!』グイッ ドンッ

叢雲『うっ』

イ級『っ!!』ドンッ

浦波『くぅっ!!』ドゴンッ ボロッ

イ級『っーーーーーー!!……』ドゴンッ ボガァン ドボン ブクブクブク

叢雲『ぁ……』マッサオ

浦波『つぅ……大丈夫……!?』グラリ

叢雲『わ、私は大丈夫だけど……浦波が……!!』ブルブル

浦波『私も大丈夫……へっちゃらだよ……』ニコリ

磯波『浦波ちゃん、叢雲ちゃん、大丈夫ですか!?』

叢雲『い、磯波……!!私のせいで浦波が……!!』

伊勢『っ!!浦波、撤退して!!磯波と叢雲は浦波の護衛!!一緒に下がって!!』

磯波『了解です!!』

浦波『了解……』

叢雲『り、了解……』

叢雲「……ぐすっ」ポロポロ

↓×1〜3
経験と訓練の差から仲間の足を引っ張り、それまで失敗も挫折も経験しなかった為に築き上げてきた自分が優秀だという自信もプライドもボロボロに崩れ去った
そして残酷な戦争の現実を知り、心も体も追い詰められ、実戦前に胸に抱いていた崇高な思いも忘れ去り、死と隣り合わせの地獄でただ今日を生き延びることに必死な叢雲の心情と行動
262 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 18:48:21.78 ID:z5p0TOzDO
それでも前を向いて、姉妹や仲間、
司令官を守れるくらい強くならなくては
気丈に振る舞う

しかし姉妹艦をはじめ仲間にはお見通し
温かい言葉をかけてくれる伊勢姉妹や
見かねた深雪、初雪の優しさに
思わず胸を借りて泣きじゃくりながら心情を吐露する
263 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 19:55:37.29 ID:DZXsZLLNo
うえ
264 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 20:35:12.00 ID:DZXsZLLNo
肩をもってくれる仲間たちに
軽く悪態をついて大丈夫そうにふるまう
寝室で布団にこもり声を殺して枕を濡らす
初雪が寝惚けたふりをして叢雲の布団に潜り込む
激励されていたらいつの間にか姉妹が集合して
抱き合ったり頭撫でられたりともみくちゃに
265 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 20:42:13.93 ID:c9i+RNUVo
なに一人で二つも安価とってんの?
安価下なら吹雪に泣き付き個人指導を頼むで
266 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/23(木) 21:32:59.89 ID:XvgTbCtJO
267 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:36:32.99 ID:Qdr7bKtt0
叢雲「絶対に……絶対に死んでなんてやるもんか……!!」ギリッ

叢雲(なりふり構っていられる状況じゃないもの。生き残るなら何だってしてやるわ)



叢雲「ただでさえ休む暇が無くて疲れているのに、こんな事頼まれても迷惑だと思うわ……けど、このままじゃ私……お願い、吹雪……私を鍛えて……!!」ポロポロ ペコリ

吹雪(そう言って頭を下げる叢雲ちゃんは目を真っ赤に泣きはらしていて……涙が頬を伝って地面に垂れていた)

吹雪「勿論だよ、叢雲ちゃん!!だから泣かないで?」

叢雲「っ……!!ありがとう……!!」スッ ペタリ

吹雪「む、叢雲ちゃん!!」バッ

吹雪(顔を手で覆ってその場に座り込んでしまった叢雲ちゃんに駆け寄る。叢雲ちゃんの体は震えていて……私は叢雲ちゃんを抱きしめた)

吹雪「大丈夫、叢雲ちゃんはよくやってるよ」

叢雲「ごめんなさい……でも、もし気休めなら……お願い、そんなこと言わないで」ギリッ

吹雪(私の慰めに体を強張らせると押し殺した声で囁く叢雲ちゃん。凄いな……私なんかよりずっと心が強い)

吹雪「……気休めじゃないよ。もしよくやれてなかったら、生きていないと思う」

叢雲「っ!!」ビクッ

吹雪「こんな酷い戦い久しぶりなんだ。私たち艦娘は、簡単には死なない。でも不死身じゃない」

吹雪(あの時のことを思い出す……こんな日が来るなんて。あの絶望の日々を……地獄のような戦いのことを思い出す日が)

吹雪「もうずっと前のことになっちゃったけど、対深海棲艦戦争の初めのころ……あの時、硫黄島まで深海棲艦が来ててね」

吹雪「もし硫黄島に深海棲艦の拠点ができたら、そこからの攻撃で本土が壊滅的な被害を受けるから……だから、皆死に物狂いで戦った」

吹雪「余裕が無かったから……大破しても、もう下がる場所なんてなかったから……仲の良かった子も、話したことが無かった子も、たくさん……死んじゃった……」ウルッ

吹雪(涙が込み上げてくる。もう、思い出の一つだった。でも、今でもはっきりと思い出せる。絶対に忘れられない、あの時の事は。永遠に脳裏に刻み付けられている)

叢雲「……硫黄島の戦い。艦娘の初陣の戦い」

吹雪「そうだよ。流石叢雲ちゃんだね。本当に……一番酷い戦いだった……ムラクモちゃんとも、あの時からずっと一緒だった」

叢雲「っ」

吹雪「今回の戦い、あの時と似てるんだ。こちらの態勢は整ってなくて、敵の方が圧倒的に多くて……大事な戦友が、逝っちゃって……」

叢雲「……」

吹雪「でも、叢雲ちゃんは生きてる。本当によくやってるよ。速成訓練しか修了してないなんて信じられないくらいに」

吹雪「才能があるんだと思う。だから、きっと大丈夫。叢雲ちゃんは死なない。私が保証するよ」

叢雲「……ありがとう」
268 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:41:07.69 ID:Qdr7bKtt0


吹雪「取舵!!前進一杯!!」

叢雲「了解!!」グイッ

吹雪「……原速!!少し遅れてる!!旗艦の指示に遅れないよう頑張って!!」

叢雲「っ……分かった……!!」ギリッ

吹雪「けど上達してきてるよ!!続ければすぐにできるようになるよ!!……あっ」

叢雲「っ!!……何の用」ジロリ

深雪「……そんな顔するなよ。この前は深雪さまが悪かったからさ。謝るよ」

初雪「……ごめんなさい」

叢雲「っ」

白雪「水臭いですよ、吹雪ちゃん、叢雲ちゃん。二人だけで特訓なんて」

磯波「ぜひご一緒させてください。人数がいた方がより実戦的ですし、敵役もできます」

浦波「東雲たちは哨戒で来られないけど。とっても残念がってたよ」

叢雲「……!!あ、ありがとう……ぐすっ」ジワリ ポロポロ



提督(太平洋へ戻って来た当初俺の指揮下に入った伊勢型と吹雪型の艦隊は現在、パラオの守りを航空隊と通常艦艇に任せて俺と共にシンガポールへと移動していた)

提督(そしてABDJ艦隊の編成前から敵のシンガポールへの威力偵察の迎撃や撤退する友軍の支援などで活躍してくれている)

提督(つまり、あれ以来多くの激戦を経験しているのだ。本来なら速成訓練しか修了していない新兵にそんな事をさせるわけがない)

提督(いくら可能な限り早く使い物になるようにしろと言われていてもだ。しかし、戦況がそれを許さなかった。戦力が致命的に不足している中、悩みに悩んだが俺は叢雲を艦隊に編成した)
269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 03:43:02.41 ID:Qdr7bKtt0
提督(勿論、戦闘になっても死ぬだけというような状態では編成しなかった。叢雲の訓練における成績やパラオでの実地試験の結果、大丈夫だと判断したからだ)

提督(そして実際に叢雲は俺の期待に存分に応えてくれた。だが、状況が変わり王立海軍やオーストラリア海軍、オランダ海軍の艦娘たちが指揮下に入った)

提督(それでも戦力が不足しているのだが、少なくとも叢雲を無理に戦わせなくてはいけないほど余裕が無いわけではなくなった)

提督(俺は十分に務めを果たしてくれた叢雲を後方へ下げようとした。しかし、叢雲がそれを受け入れなかった)

提督「本当に大丈夫なんだな?」

叢雲「大丈夫よ」

提督(俺の確認に叢雲は真っすぐと俺の目を見て答える。無理をしていないとは言えないが、自暴自棄や状況を理解できていないという訳ではないようだ)

提督「……吹雪、君から見ても大丈夫だと思うか?」

吹雪「……下がれるのなら安全な後方へ下がって欲しいとは思います。ですが、個人的な感情を排除して考えると叢雲ちゃんはもう十分前線での勤務に耐え得ると自信を持って言えます」

提督「そうか……なら、君を後方へ下げることは止めておこう。引き続き前線で任務に就いてもらう」

叢雲「ええ、そうして頂戴」

提督(真っすぐと俺の目を見つめる叢雲には覚悟と信念がある。そこに居たのは新兵ではなかった。立派な一人前の駆逐艦娘だ)

提督「死ぬなよ、叢雲」

叢雲「言われなくても」

提督「ふっ、大丈夫そうだな」

叢雲「当たり前でしょ。私を誰だと思っているの?特型駆逐艦、5番艦の叢雲よ!!」



帝国海軍中将「大和や赤城たちの代わりがお前たちか……」ジロリ

↓×1〜3 明らかに差別的な目で見られた戦艦棲姫や空母棲姫たちの心情と反応
270 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 04:42:19.50 ID:ekSQjuDxo
あくまで提督が優しいだけで
他の日本人の反応など精々こんなものだと
冷静を装い無表情を崩さない
でも悲しいことは悲しいので提督に甘える
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 09:56:57.90 ID:27SxM59GO
実力を見せつけて鼻を明かしてやる
272 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 10:07:04.87 ID:szyDfedaO
270と271両方
273 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/24(金) 13:23:15.47 ID:8QNZ65sWO
ヒーーーーーーーヤッハーーーーーーー!!お帰りなさい!!!マジで待ってた!
274 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/24(金) 13:45:22.83 ID:Qdr7bKtt0
防空棲姫「……」ジッ

戦艦棲姫「ええ。私たちですわ、中将」イラッ ニコリ

空母棲姫「特一艦隊ただいま到着しました。これより貴方の指揮下に入ります、中将」

帝国海軍中将「了解した。……しかし諸君らの強さは良く知っている。ここでもその力を発揮してほしいものだな」

戦艦水鬼「お任せください、中将。我々の強さを嫌でも思い出させて差し上げますわ」ニコリ



ドイツ軍パイロット「Entdecke(発見)!!こちらRot-3!!敵が見えた!!一時の方向!!……なんだあれは?」

ドイツ軍パイロット「見たことない形だ……Neues Modell(新型か)?」

ドイツ軍パイロット「……っ!!あれは……深海棲艦の機体だ!!」

空母棲姫「 Eisernes Kreuz(鉄十字)……ドイツ軍、か。さて、お手並み拝見といきましょう」



ドイツ軍艦娘「Luftstützpunk(航空基地)が深海棲艦の空襲を受けたって……」

ドイツ軍艦娘「まさか……アレとまた戦うんですか……?もう少しで撤退作戦が完了するのにこのタイミングで……どうして……!!」

ドイツ軍艦娘「やはり総統閣下は間違っていなかった。日本はユダヤ人や共産主義者と一緒だ」

ドイツ軍艦娘「……っ!!深海棲艦!!会敵!!深海棲艦だ!!こっちへ向かってくる!!」ハッ

ドイツ軍艦娘「Achtung!!戦闘態勢に入れ!!ここで食い止めろ!!輸送船を守るんだ!!」

ドイツ軍艦娘「本当にアレが出てくるなんて……なんてこと……」

ドイツ軍艦娘「化け物どもめ……深海にかえりなさいよ!!」

戦艦棲姫「ふふふ……ご主人様の為に。悪いけれど、海の支配者がやって来たわよ」ニタァッ

戦艦水鬼「悪く思わないで頂戴ね?これはあなた達が始めた戦争なのでしょう?」スッ



防空棲姫(敵の艦娘は勇敢に戦ってた。でも、多勢に無勢だった。ボロボロになるまで戦ったあの子たちは撤退していった)

防空棲姫(猟犬たちに被害がでたけど、あの子たちは私たちを止めることはできなかった。すぐに敵の船団を捉えた)

防空棲姫(鉄のクジラみたいな軍艦や輸送船は私たちの敵じゃない。攻撃の後、燃え盛りながら海に沈んでいく敵の船団を眺める)

軽巡棲姫「さすが艦娘ですね。少々手こずりましたが、しかし輸送船団には十分な被害を与えられました」

防空棲姫「……終わったね。戻ろう」



ドイツ軍将校「っ……Ungeheuer der See(海の化け物どもめ)……!!」ボロッ タラリ ギロッ

特務機関将校「そいつは用済みだ。処刑しろ」

↓×1〜3 
ドイツ軍将校の処刑を命令された深海棲艦たちの反応
※深海棲艦たちはドイツ語が理解できない
275 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 15:48:35.01 ID:c8A8LGifO
処刑するより生かしておいた方が
良いと思う理由を端的に述べて婉曲的に断る
276 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/24(金) 17:30:42.32 ID:zI6QN3nLO
自分達は殺戮や処刑をしに来たわけではない
処刑など行って無駄に火種を増やす位ならば
人質交換みたいに戦争を早く終結させる方法を考えろ
我々の実力を理解したならばそんなことさせるなと
処刑を断る
将校に対して罵詈雑言を薄々感じつつも理知的に対応し
人間の方が化け物ではないかと考える余地を与えてやる
277 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/24(金) 19:17:00.56 ID:9fUEfN/K0
276
278 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 06:19:48.92 ID:wHyhB4ZR0
空母棲姫「……悪いけれど、私たちは殺戮や処刑のためにここへ来たのではない。その命令は断らせてもらう」

特務機関将校「……なんだと?」

戦艦棲姫「これを殺したところで何かいいことがあるのなら教えていただけるかしら?生かしておいた場合のいいことはすぐ思いつくのだけれど」

特務機関将校「っ!!ああ、あるとも!!こいつに食わせるものは帝国臣民の血税によって賄われている!!日本を焼いた鬼畜にどうしてこれ以上費やせようか!?」

戦艦棲姫「……そう。そうね、確かにそうかもしれないわ。けれどそれは、この戦いを戦争以下の血みどろの殺し合いに変えることと天秤にかけて釣り合うとは思えないけれど」

軽巡棲姫「大日本帝国が捕虜を殺すと知れ渡れば敵は降伏せず死に物狂いで抵抗するようになるでしょう。考えれば簡単に分かることではありませんか」

特務機関将校「口ばかり達者な化け物め……!!ドイツの総統は日本との戦争は絶滅戦争だと明言している!!本土空襲で民間人が何人死んだと思っている!?」

特務機関将校「この戦いはすでに戦争ではない!!お前の言った血みどろの殺し合いなのだ!!我々じゃない!!ドイツ人がそうした!!」

軽巡棲姫「っ」

戦艦棲姫「……そう」チラッ

ドイツ軍将校「Seht mich nicht an(こっちを見るな)!!悍ましい……」ギロリ

戦艦棲姫「なんて言っているのか分からないけれど、何となくわかるわ。きっと私たちの事を化け物とか思っているのでしょう?大佐のように」ジロリ

特務機関将校「っ……」

防空棲姫「私たちからしてみれば、戦争じゃなくて血みどろの殺し合いをしているあなた達のほうがよっぽど化け物」

特務機関将校「……」ギリッ

空母棲姫「ともかく、国際法でも捕虜の虐待や処刑は認められていない。我々は海軍の軍人であって特務機関の人間ではない」

空母棲姫「提督から国際法を順守するように厳命されている。捕虜の処刑は断固拒否する。どうしてもというのであれば提督からの命令を用意するか……」

空母棲姫「あるいは力尽くでやらせて見るといいわ。あなた達が化け物と恐れる私たちの実力を理解した上でできるのならば」ニタリ

特務機関将校「ぅっ……!!」ゾクリ

戦艦水鬼「まあそんなことしている暇があるのなら、この殺し合いを早く終わらせる方法を考えた方が有意義だと思うけれどね」ニタリ

特務機関将校「くっ……分かった。ならもうこれ以上用はない。戻れ」
279 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 06:22:31.25 ID:wHyhB4ZR0


第一海軍卿『南極から深海棲艦が侵攻を開始したことで南大西洋に新たな艦隊を編成したばかりだ。北大西洋、北海、北極海でもドイツ海軍が活動を活発化させているというのに』

第一海軍卿『無論、船団護衛も強化せねばならなかった。今まで安全だったインド洋ももはや深海棲艦の脅威にさらされているのだから』

第一海軍卿『その上今度は極東でも深海棲艦。まったくもって目を覆いたくなるような惨状だ。戦力が足りていない』

第一海軍卿『だがそれでも我々は大英帝国の威信と王立海軍の名誉にかけてシンガポールの東洋艦隊を再編しなくてはならない』

第一海軍卿『今やあの艦隊には通常艦艇が数隻しかいないのだからな。さて、どうしたものか……』

ウォースパイト『っ!!第一海軍卿、それならば私が東洋艦隊を率いましょう。大丈夫、戦いは大日本帝国に任せれば問題ないわ』

ウォースパイト『卿は面目が立つ最低限度の規模の艦隊を編成して送ってください。私は先にシンガポールへ向かいます』

ウォースパイト『アゾレス近海での艦隊決戦においてAdmiralが指揮を執る帝国海軍が勝利した結果、撤退した我が海軍は面目丸つぶれでした。同じ失敗を繰り返してはならない』

ウォースパイト『Admiralならシンガポールでも必ず同じことをするでしょう。そしてそれは近日中に行われる』

ウォースパイト『英国のためにも私は絶対に間に合って勝利に貢献しなくてはなりません。艦隊の編成が終わるのを待っていたら絶対に間に合わないわ』



ウォースパイト「Admiral!!」パァッ

↓×1〜3 ウォースパイトが来たことに対する提督の心情と反応
280 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 08:30:20.84 ID:enp6t/CZO
紅茶を振る舞い腕が落ちていないかを確かめてもらう
彼女の望むことを受け入れながらパースとの間に感じる
軋轢や今自分達が抱えている問題についてじっくりと話し合う
281 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 11:59:18.16 ID:mGY7WCcMO
部屋に連れ込み溜まっていた性欲を発散するがごとく激しく抱く
282 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 12:19:27.57 ID:1Gy7t/Igo
死なずにまた逢えたことを喜び合う
今後の戦略等について議論した後は
すっかり発情したウォースパイトに応えるべく
濃密な交わりで満足させる
283 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/26(日) 13:50:03.27 ID:5PcbFnCG0
ほんまこの作品生きがいやわマジで帰って来てくれて嬉しい、毎日更新待ってた甲斐あったよ
284 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:19:18.68 ID:wHyhB4ZR0
提督「ウォースパイト!!よく来てくれた。本当にありがとう」ダキッ ギュッ

提督(ウォースパイトを抱きしめる。ウォースパイトもまた俺を強く抱きしめてきた。至近距離で見つめ合い、唇を交わす)

ウォースパイト「……んっ。会いたかったわ、私の騎士、愛しい人。頭を撫でてくれるかしら?」

提督(甘えるウォースパイト。俺はウォースパイトの望み通り彼女の頭を撫でる。さらさらとした亜麻色の髪の質感を堪能させてもらいながら)

ウォースパイト「あぁ……気持ちいい……こうして貴方の温かさを感じることができるだけで幸せだわ」

提督「俺もだ、ウォースパイト。この困難な時に君が来てくれて、この腕の中に抱いている。これほど幸せなことはない」

ウォースパイト「貴方がいる。それだけで私は悪魔とだって戦って勝つことができるわ。その勇気が湧いてくる」

提督「そう言ってくれて嬉しいよ。……本当は君を戦場に、それもあのパッシェンデールのようになるだろう所へ行かせるのは嫌だ」

ウォースパイト「大丈夫よ、Admiral. 私は絶対に死なない。こんなに素敵な恋人がいるのに死んでやるものですか」

ウォースパイト「誰も私たちの仲を引き裂いたり、私たちの前に立ちふさがることなんてできないわ。私が決して赦さないもの」

提督(俺から離れたウォースパイトは堂々とした態度でそう宣言する。仲を引き裂いたりのところでどこか恐ろし気なオーラを纏ったが、愛ゆえにだと思えばむしろ愛おしい)

ウォースパイト「Admiral, 王立海軍の戦艦娘、ウォースパイトはABDJ艦隊へ合流、貴方の指揮下に入ります」スッ

ウォースパイト「敵は徹底的に打ち負かせて見せましょう。だからどうか私を導いてください、Admiral, 私の主」

提督(優雅にカーテシーするウォースパイト。これはウォースパイトが指揮下に入り、かつフォーマルな時だけする振る舞いだ)

提督(英国の貴族の家系であるウォースパイトは帝国海軍の提督であろうとも平民である俺とは本来、身分差がある)

提督(だが、もはやウォースパイトは俺を下に見ない。対等な関係だと扱ってくれている。しかし他の子と違って決して上に見ることも無い)

提督(そんな高貴な振る舞いを絶対に崩さないウォースパイトが唯一、例外的に俺を上に見るときがある。それが今のように俺の指揮下に入った時だ)

提督(自分より身分が上である存在、しかも美しい女性を下に扱うことのなんと背徳的で甘美な事か!!そんな興奮を理性で制御する)

提督「了解した。では早速だが状況説明に入らせてもらう」



ウォースパイト「美味しい。流石ですね、Admiral」ニコッ

提督(部屋へ移動し、席に着いたウォースパイトに紅茶を振舞う。一口じっくりと味わったウォースパイトは笑顔を浮かべてそう言ってくれた)

提督「ありがとう、ウォースパイト。紅茶の淹れ方は君に教えてもらったからな。パースにも喜んでもらえたよ」

ウォースパイト「ああ、あのオーストラリアの子?地中海で一緒に戦いました。悪くない実力の持ち主よ」

提督「君がそう評価するのならあの子は強いのだろうな。……しかしオーストラリアやオランダの子たちと我々日本人の間には無視できない軋轢がある」

ウォースパイト「そうでしょうね……仕方のないことです。オーストラリアの子たちにとっての日本は、私たちにとってのドイツと同じだろうから」

ウォースパイト「そしてオランダの方々も、ただでさえ本国がドイツに占領されていて心に余裕が無いところに直接戦火を交えたのだから、とても悪く思っているでしょうね」

ウォースパイト「でも安心して、Admiral. 私があの子たちを率いましょう。Admiralの命令を私からの命令にすれば状況は改善するわ」

提督「そうしてくれると助かる。ありがとう、ウォースパイト」

ウォースパイト「どういたしまして」
285 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:32:01.85 ID:wHyhB4ZR0
提督「君のおかげで後顧の憂いを断つことができた。本題に入ろう。正直、現状の戦力では正攻法でシンガポールを防衛することは不可能だ」

ウォースパイト「……状況は悪いようね」

提督「敵の北西方面艦隊の攻略目標はシンガポールだが、北方面艦隊は我が国の絶対国防圏のひとつであるマリアナ諸島の攻略を目的として大規模な攻撃を仕掛けてきている」

提督「マリアナ諸島はシンガポールと違って大海原の中にあるただの島だ。シンガポール要塞のような沿岸要塞はないし、大規模な基地航空隊もいない」

提督「そして申し訳ないが日本としてはシンガポールを失ってもまだ後があるが、マリアナ諸島を失ったら情報を得た深海棲艦の新型爆撃機の航続距離内に本土が捉えられる」

提督「欧州各拠点からばらばらに戻ってきた艦隊をマリアナへ逐次投入せざるを得ず戦力の集中運用ができなかったこともあり、戦況に余裕がないのだ。……援軍は来ない」

提督「しかも敵はシンガポール攻略の前準備であろう航空基地やシンガポールへの空襲を続けながらもとうとう侵攻を開始するらしい。明日にでも戦闘になるかもしれない」

ウォースパイト「基地航空隊は壊滅したわけではないわ。航空攻撃で敵に損害を与えることはできるでしょうけど……それでも戦力差は圧倒的というわけね」

提督「そうだ。しかしシンガポールを失う訳にはいかない。現有の戦力で何としてでも敵を撃退しなくてはならないのだ」

提督「よって我々は敵を包囲し、混乱させて袋叩きにする。作戦を説明しよう。まず伊勢を旗艦とした我々日本艦隊が敵を迎え撃つ」

提督「当然勝てないだろう。罠と気が付かれないよう死に物狂いで十分に戦い、しかし重大な損害が出る前に艦隊は北へ撤退する」

提督「ここでたくさん敵を引き付けられればいいのだが、敵の目標はシンガポールだ。追撃してこないか、してきても少数だろう」

提督「シンガポール要塞の主力要塞砲は15インチ砲が五門だ。対して敵の戦艦級の砲は我々でいうところの16インチ砲に近い。こちらの要塞砲はアウトレンジから撃破される」

提督「よってすべての要塞砲は付近に点在する偽装した陣地へ移動させた。防御力皆無の露天砲台陣地となるが、問題ないだろう」

提督「当たらなければどうということはないのだから。もちろんもとの砲台にはハリボテの偽物を用意して気取られないようにする」

提督「発砲できないことがばれたら見破られるが、砲の射程に入る前に破壊されるのだからこちらも問題ない」

提督「敵がシンガポール攻略の為に接近したところで付近に潜んでいた君が率いるイギリス、オランダ、オーストラリア艦隊が背後から急襲する」

提督「シンガポール付近は入り組んでいるし艦娘が潜むのは簡単だろう。もちろん、失敗しないようにレーダーを妨害することは大前提だ」

提督「しかし奇襲が成功したところで戦力差は圧倒的だ。そのままでは勝てない。そこで砲撃陣地からの攻撃も開始する」

提督「第一次世界大戦の時のように15インチ砲から26ポンド砲、75ミリ砲まで含めた使える全ての砲を以てして攻撃を加える」

提督「おそらく75ミリ砲が命中したところで効果は薄いだろう。だが、損害を与えることはできる。砲塔を損傷させたり炎上させることができれば理想的だ」

提督「そしてなにより撃たれているという敵に与える心理的効果は大口径砲と変わらない。それに加えて帝国海軍の艦隊も反転し、攻撃に加わる」

提督「 さらにシンガポールの西方面へ退避させていた通常艦艇も攻撃に参加させる。四方八方から撃たれた敵は混乱するだろう」

提督「ダメ押しに生き残った航空隊も出撃させる。おそらく夜間だろうが、それでも攻撃によって発生した炎に加えて照明弾があれば攻撃するのに十分明るくなるはずだ」

提督「これだけしても勝てるかどうかは分からない。だが、勝ち目のない戦いではないはずだ。どうだろうか、ウォースパイト」

ウォースパイト「……My Admiral, 私が知る限り最高の海軍軍人、I love you. 私の全てを捧げることが惜しくない人は他にいないでしょう」

ウォースパイト「本当に素晴らしい作戦。誓いましょう、必ずや勝利を得ると。貴方に証明するわ、Admiral」

提督(感激しきった様子目を輝かせ、うっとりとした表情を浮かべて俺を見つめていたウォースパイトは俺に愛を伝え、決意を口にする)

ウォースパイト「私こそが最も貴方の隣に立つのにふさわしいということを。……あのフランス女やイタリア女ではなくて」スッ ボソリ

提督「!!」ビクッ

提督(そして机に身を乗り出し、向かいに座っていた俺の耳元に口を寄せる。つい胸元に目が行ってしまった俺に、ウォースパイトはどこか妖しい魅力を孕んだ危うげな声音でそう囁いた)

↓×1〜3 提督の反応
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 17:43:58.27 ID:kFwIDcC/O
誘惑に従いながらも
誰が一番であるかを選ぶことはできない
但し関係を持ったどの娘にとっても
俺が一番であるように努めさせてもらう
君のような淑女であったとしても、と
ウォースパイトが満足を通り越して
許しの声も泣き叫ぶ声も出なくなる程に貪り尽くす
287 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 17:53:37.59 ID:mGY7WCcMO
返答に困って曖昧に微笑みウォースパイトに言外に疑問を呈されたと誤解させる
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 17:55:55.10 ID:xsK0aY6Xo
286
289 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 19:28:58.27 ID:wHyhB4ZR0
提督(ウォースパイトは明らかにイタリアとリシュリューのことを強く意識していた。この前の艦隊決戦のときのことだろう)

提督(以前ウォースパイトに例のことを話そうとしたら、聞くのを断られてしまった。知らない方がいいこともある)

提督(俺がウォースパイトのことをちゃんと思っているのであれば、大切に、幸せにしてくれるのであればそれでいい、と)

提督(きっとある程度察しているのだろうと思う。その上でウォースパイトは俺のことを赦してくれている。心から想ってくれている。愛してくれている)

提督(あの時のザラとポーラのことは多くの戦友を殺されたがための行動であって、本来のウォースパイトは度量の広い人間なのだ)

提督(しかしその上でやはり嫉妬深かったりするところもあるのだろう。度量が広くても人間、嫉妬のような悪感情を持たないということは絶対にない)

提督(そういった悪感情を持ったうえで理性的な振る舞いを維持でき、寛容であれる人間が度量の広い人間だ)

提督(……そんなウォースパイトに、俺は酷いことをする。一番であることを望む彼女に、一番を選べないなどと……最低なことだ……)

提督(普通なら、一番だけを選ぶべきなのだ。しかし、俺のしていることは、普通でない。だから普通の常識は通用しない)

提督(俺のことを想ってくれる子たちに順位をつけるなんてことは、してはいけないことだ。ごめんな、ウォースパイト……俺は、ただ微笑むことしかできない)

提督「……」ニコッ

ウォースパイト「っ!!」ハッ ガーン



ウォースパイト「……」スタスタスタ

ウォースパイト(割り当てられた部屋へ向かって廊下を歩く。Admiralは……私の言葉に何も言ってくれなかった……)

↓×1〜3 ウォースパイトの心情
290 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 20:04:37.41 ID:1Gy7t/Igo
一刻も早くこの戦争を終わらせて
Admiralの一番を目指すしかないわね
と何とか気分を変えようとする
291 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/26(日) 21:10:26.86 ID:uDbaDNhhO
自分は一番に想っているのに提督は一番に想ってくれないという悲しみとカエル女やパスタ女と比べられ下に見られたという屈辱を感じ、裏切られたと思うがそれは提督への愛を消しはしない
彼にふさわしい実績をあげて見返してやろうと決意する

292 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/26(日) 21:41:11.70 ID:xsK0aY6Xo
291
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 03:53:47.92 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト(私は誰よりもあの人を想っているのに。大切な家族や友人たち。誉れある王家や偉大な大英帝国でさえもあの人と天秤にかけたらどちらへ傾くか分からない程なのに)

ウォースパイト(あの人はあのカエル女やパスタ女程度と私を天秤にかけても私の方へ傾くとは限らないというの……?)

ウォースパイト(私はあの人に身も心も捧げたのに……あの二人よりもずっと深い関係を築き上げていたはずなのに……)

ウォースパイト(いくら歴史に残るような輝かしいものだとしても、たった一度の勝利で全て儚く崩れ去ってしまう程度だったというの……?)

ウォースパイト(なんて酷い……Admiral……裏切り者……いえ、違う。あの人はまだ私を愛してくれている。ただ……あの二人よりも下に見られているだけ)

ウォースパイト(だからAdmiralは私を選んでくれないに違いないわ……なんて屈辱!!この私があの二人に劣ってる!?あり得ない!!)

ウォースパイト(リシュリューなんてヴィシーについてドイツと戦う事を拒んだ腰抜けよ!?イタリアだって地中海では逃げ回ってばかりだった!!)

ウォースパイト(私は大西洋で、地中海で、インド洋で、勇敢に戦い続けてた!!もし私があの時アゾレスに居たら、絶対にあの二人よりも活躍していたのに……!!)

ウォースパイト「見てなさいよ、Admiral……私が誰で、誰が貴方の一番に相応しいのか教えてあげるわ……!!」ギリッ



パース(イギリス本土の人間に対する私たちオーストラリア人の感情は複雑だ。私たちは自分たちが本土の人間に劣っているとは少しも思っていない。むしろ逆だと信じている)

パース(本土の人間に対抗意識を持っていた。私たちは誇り高いオーストラリア人だ。軟弱なイギリス人なんかには負けないと)

パース(けれど、やはり本土の人間は垢抜けた都会人で……自分たちはド田舎の人間だというように感じてしまうのだ)

ウォースパイト『ではそのようにお願いするわ。よろしくね、皆さん』ニコッ

パース(援軍としていらっしゃったウォースパイト様は地中海で初めて会ったときと変わりなかった)

パース(優雅で気品に溢れ、そして絶対強者の貫禄を備えている。正に世界に冠たる王立海軍の戦艦娘という感じだ)

パース(貴族だというのだから納得だ。私のような田舎娘が勝てる相手じゃない。そう思ってしまう)

パース(それがたまらなく悔しい。けどそれ以上にとても心強かった。深海棲艦にオーストラリア本土を追われ、シンガポールまで逃げてきた)

パース(そしてついこの間オーストラリアを焼いた日本人なんかの指揮下に入れられてしまった)

パース(屈辱と恐怖、不安に押しつぶされそうだった私たちにとってどれほど心強い援軍だったか)
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 03:57:08.81 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト「……」スッ

パース「……」スッ

パース(昼休み、そんなウォースパイト様と私は一緒に紅茶を飲んでいる。本当に偶然だった)

パース(昼の休みを秘密の場所……なんとなく歩いていたら広い庭の端で偶然見つけた小さなガゼボですごそうとしたら、ウォースパイト様がいた)

パース(戻ろうとした私をウォースパイト様がお茶に誘ってくれたのでお言葉に甘えさせてもらったのだ。聞きたいこともあったし)

ウォースパイト「Are you enjoying it(どうかしら)?」

パース「Yes, it tastes great(美味しいです), ウォースパイト様」

ウォースパイト「それはよかったわ」ニコッ

パース(そう言って微笑むウォースパイト様。このお方もABDJ艦隊に配属されている。つまり、あの日本人の指揮下に入ったということだ)

パース(そう言えばウォースパイト様は対深海棲艦戦争の時に日本へ派遣されていたらしい。この方が猿なんかに指揮されて戦っていたなんて信じられない)

パース「あの、ウォースパイト様」

ウォースパイト「何かしら?」

パース「どうしてABDJ艦隊の司令官は王立海軍の提督閣下でなく日本軍の提督なのですか?」

ウォースパイト「それは一番適任なのが彼だったからよ。ABDJ艦隊の主力は日本軍だし、なにより彼は優秀な提督ですもの」

パース「っ……彼の活躍は話には聞いています。ですが彼は日本人、yellow monkeyですよ?野蛮な猿なんかに指揮されて平気なのですか?」

十五世紀の大航海時代の到来から始まった西洋の白人国家による南北アメリカやアフリカ、アジア、オセアニアの征服、植民地化は彼らに自分たちが優れているという自意識をもたらした
事実、いくつかの例外を別としてほとんどすべての有色人種の国は白人たちの侵略に対抗することができず、次々と敗北して白人に支配されることとなった
そして二十世紀の半ば頃に公民権運動などの人種差別に反対する運動が活発になるまで一部の例外を除いて多くの白人たちが人種主義を信奉していた
程度の差こそあれ、白人たちは空は青いということと同じように、ただ悪意なく無邪気に有色人種は劣っている。同じ人間ではないと考えていた。それが常識だった

パースは故郷を攻撃した日本を憎んでおり、提督が日本人だという事に対して悪意を持って攻撃するつもりで発言している
しかし悪意を込めて人種差別をしているのではなくただ悪意なく無邪気に人種主義という常識にのっとった発言をしているだけ
そしてウォースパイトもまた白人であることをふまえて

↓×1〜3 パースの発言に対するウォースパイトの心情と反応
295 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 04:52:00.48 ID:M7msQX3yo
静かに怒気を込めて
私の騎士への侮辱を取り消せと英語で叱責

取り繕った後
パースの気持ちに同情はできるが
今まで彼と接してきてそんなことをする様に見えなかったでしょうとなだめる
それ以前に目の前の現実ばかりにとらわれてその先の勝利を見逃すなど軍人としてまだまだ
戦いが始まるまでに彼の事をよく知って見極めてみなさいと忠告

結果的に恋敵を増やすことになる
296 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 07:59:11.31 ID:f7UEI0wpO
ティータイムに猿なんて単語を使うとは何事かと
パースの自分へのコンプレックスを見抜き
提督や人種への偏見と共に皮肉混じりに説教

丁度良い機会だし彼に私こそが一番の相手であると
改めて思い知らせるために協力しろと引き入れにかかる
何故あの男にと不思議そうなパースに提督の
良さを語りだしたが最後パースがうんざりするレベルで
のろけまくる
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2020/01/27(月) 08:03:31.77 ID:Y/UV5P1z0
295
298 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 14:23:35.48 ID:3PdT1RjC0
ウォースパイト「取り消しなさい」ブワッ

パース「っ!?」ビクッ

パース(一瞬で空気が変わる。生きた心地がしなかった。ウォースパイト様が私を鋭い視線で睨みつけている。発される威圧感は戦場で感じる殺気に引けを取らない程濃厚で……)

ウォースパイト「私の騎士への侮辱を取り消しなさい、パース」

パース「す、すいませんでした、ウォースパイト様……謝罪いたします……!!」

ウォースパイト「……」スッ

パース(その手が動いただけで肩がびくりとしてしまった。ウォースパイト様が紅茶を飲む。無言の時間が流れた)

ウォースパイト「……紅茶、淹れ直しましょうか。いかがかしら」

パース「いただきます……」オズオズ

ウォースパイト「……どうぞ」

パース「ありがとうございます、ウォースパイト様」

ウォースパイト「どういたしまして」

パース(温かい紅茶を飲む。あんなにおいしいと思ったのに今は味がしなかった。手が震えそうになるのを必死で耐える)

ウォースパイト「……先程は乱暴な物言いになってしまってごめんなさい。貴女の気持ちも分かるわ」

パース(ウォースパイト様が口を開く。申し訳なさそうに軽く俯いていた。そのまま言葉を続ける)

ウォースパイト「もし私がドイツ人の指揮下に入ることになったらと思うと……想像するのも嫌ね」

ウォースパイト「それに日本へ行くまでは私もアジア人を私たち白人より劣った存在だと思っていたわ」

パース「い、いえ、そんな……私こそ申し訳ありませんでした……ウォースパイト様の戦友を貶す発言を……」

ウォースパイト「……彼と会って話をしたのでしょう?どうだったかしら。貴方の言うような野蛮な猿だったかしら?」

パース「っ……それは……」

パース(あの人は……とても紳士的で……理知的で……容貌もエキゾチックなハンサムで……そして紅茶を淹れるのが上手で……話に聞いてたyellow monkeyとは全く違って……)

ウォースパイト「……どちらにせよ、日本人の指揮下に入れられたという目の前の受け入れ難い現実ばかりにとらわれてその先の勝利を逃すようではだめよ」

パース「……はい」

ウォースパイト「パース。日本人が皆戦争を望んでいたわけではないわ。戦いが始まるまでに帝国海軍の提督ではなくて彼個人の事をよく知って見極めてみなさいな」
299 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 14:26:28.48 ID:3PdT1RjC0


帝国海軍士官『敵が動いた。すぐに出撃だ。……各員、遺書を用意しておくように』

叢雲「……っ」フルフルフル

叢雲(死と隣り合わせだった。でも、意識していなかった。なのに遺書を書くことで意識してしまった。手が震えて手紙が書けない。押しつぶされてしまいそうだった)

叢雲「ぐすっ……お母さん……お父さん……」ウルッ

提督「叢雲?こんな所にいたのか」

叢雲「っ!?な、何!?」ビクッ ゴシゴシ

叢雲(誰も来ないような使っていない部屋を勝手に使っていたのに、見つかってしまった。無様に泣いて震えているところを……慌てて涙を拭う)

提督「いや……大丈夫かと思ってな」

叢雲「大丈夫よ!!」

提督「そうか」スタスタスタ

叢雲「っ!!く、来るんじゃないわよ!!今、い、遺書を書いてるの!!プライバシー侵害よ!!」

叢雲(近寄ってくる提督に泣いているところを見られないように背を向ける。大声をだして拒絶する)



提督(叢雲は涙声だった。泣いていたのだ。体が震えていた。怖かったのだ。感覚がマヒしていた。そうだ、これが普通の反応だ)

提督(こんな小さな子供に戦場へ行け、命を懸けて戦ってこいと言うことのどれほど残酷な事か。そうせざるをえないことに血液が沸騰してしまいそうだった)

提督「……」ダキッ

叢雲「っ!!」ビクッ

提督(震えている叢雲の小さな体を背中から抱きしめた。息を呑む叢雲。俺は勇気ある少女を胸に抱いたまま口を開く)

提督「死ぬな。生きて帰って来い」

↓×1〜3 叢雲の心情と反応
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 15:46:33.27 ID:RaxbjIRA0
全ての涙や弱音、やり場のない怒りや理不尽を提督にぶつけきる

少し心の余裕と落ち着きを取り戻した際に提督の自分を扱う様が手慣れていること
イコール提督が想像も付かない程多くの想いを担っていることを聡明故に理解してしまう

コイツ馬鹿なの?と余裕が生まれ
同時にコイツのことをもっと知りたいからこんな戦いで死んでなんかいられないと
遺書の内容を提督への様々な想い全てぶつけて書き上げる
301 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 17:56:21.35 ID:q3rUtKzUO
ひとしきり提督の胸のなかで泣いて落ち着く
安心したことで普段の叢雲に戻り勇気をもって出撃にのぞむ
と同時に提督の優しさや包容力の高さを意識して恋心を抱く
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 17:56:31.45 ID:M7msQX3yo
303 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/27(月) 20:11:53.88 ID:3PdT1RjC0
叢雲「っ……うぅ……うぅううううっ……!!」ギュッ ブルブルブル

提督(こちらを向いて抱きついてきた叢雲は俺の胸に顔を埋めると声を押し殺して泣いた。腕に力が込められる)

提督「……」ナデナデ

提督(俺は震える体を改めて抱きしめなおすと叢雲の頭を撫でた。心の中で祈る。どうかこの子が生きて帰ってきますように、と)



叢雲「……ありがと」

提督「気にするな」

叢雲(子供っぽく泣いてしまった。気恥ずかしいったらありはしない。ぶっきらぼうにそう呟いた私に司令官はただそれだけ言う。余計な事を言わないでくれて助かった)

叢雲「ねえ、司令官。……勝てるの?」

提督「勿論だ。勝てると確信している」

叢雲「私、生き残れるかしら」

提督「君なら大丈夫だ。もう一人前の駆逐艦娘だよ」

叢雲「ほんとう?」

提督「もし生き残れないと思っていたら、君を行かせはしないさ」

叢雲(迷うことなくそう言う司令官はとても頼もしくて……かっこよかった。顔が熱くなってしまうのを自覚する。私は司令官にもたれかかる)

叢雲「じゃあ……遺書なんて書くのは止めにするわ。お願い……ぎりぎりまでこうしていて……」

提督「もちろんだ」



磯波(叢雲ちゃんどこへ行っちゃったんだろう……心配だな……あれ、提督さん?こんな所で何を……っ!)

↓×1〜3 提督と提督にもたれかかる叢雲を発見した磯波の心情と行動
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 20:42:19.99 ID:mfPl/oAV0
あれはただ叢雲を慰めているだけだと自分に言い聞かせるが、締め付けられるような胸の痛みが収まらない
そんな気持ちを圧し殺して提督と叢雲に出撃の準備を整えるよう促すが、無自覚の内に出撃前なのに今更怖じ気ついているのかと漏らしてしまう
305 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 20:54:02.10 ID:AgbGhwr0O
上+提督も叢雲を甘やかしたらダメと母親っぽく注意する
306 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 21:00:25.98 ID:J8CiF7xUo
305
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/27(月) 21:03:11.72 ID:M7msQX3yo
叢雲ちゃんも怖かったんだよね、私もそうだよと三人抱き合う形になり
憧れの上司ととても稀有な儚げさを見せる姉妹の温もりを堪能
308 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:38:47.10 ID:dfvWKmSp0
提督「……」ナデナデ

叢雲「……♪」

磯波(空き部屋の中で提督さんと叢雲ちゃんはまるで……恋人同士のように寄り添いあっていました)

磯波(優しい表情で叢雲ちゃんの頭を撫でる提督と安心しきった表情で提督にもたれかかっている叢雲ちゃんを見ると……心がきゅうと締め付けられたように痛みます)

磯波(あの二人は……いえ、そんなはずありません。だって出会ってまだ一月ほどのはず……そんな短期間で、そんな事……)

磯波「……!!」ハッ

磯波(よく見ると叢雲ちゃんの目は泣いていたように赤くて……理解しました。提督さんは叢雲ちゃんを慰めているんだ)

磯波(ずっと戦ってきた私たちですら辛い状況だもの……ついこの前初めて出撃したばかりの叢雲ちゃんには過酷に違いありません……)

磯波(でも叢雲ちゃんの性格ならきっと誰にも弱っているところを見せたがらない。だから一人になりたくてここに来た)

磯波(そこに提督さんが叢雲ちゃんを探して来たのだと思います。提督さんは新兵である叢雲ちゃんをずっと気にかけていたから)

磯波(出撃前に叢雲ちゃんを心配して様子を見ようとするに違いありません。それで一人で泣いていた叢雲ちゃんをこの部屋で見つけた。きっとそうでしょう)

磯波「……」ズキン ズキン

磯波(だから決して提督と叢雲ちゃんがそういう関係という訳じゃないと分かっているのに……胸の痛みが治まりませんでした)

磯波「……失礼します」

叢雲「っ!!」ガタッ

提督「っ……磯波か」

磯波(声をかけると叢雲ちゃんが反発する磁石みたいに提督さんから離れました。提督さんが少し驚いたように私を見ます)

磯波「はい、磯波です。お疲れ様です、提督。お取込み中に申し訳ありません。ですが出撃の時間が迫ってきていまして……」ペコリ

磯波「そろそろ準備を整えなくてはいけませんよね……?だから私、叢雲ちゃんを探しに来て……」オズオズ



叢雲「……あのね、磯波。アレは違うのよ」スタスタスタ

磯波「……何がですか?」スタスタスタ

叢雲「さっきのアレよ。アレは別に司令官に……その……」

磯波「ああ……提督さんに慰めて貰っていたんですよね?」

叢雲「っ……」カァッ

磯波「……出撃前なのに今更怖じ気つかれてしまっても困ります」ボソリ

叢雲「えっ」ガーン ピタリ

磯波「っ!!あ、いえ、その……違うんです……!!」サァッ

叢雲「……!!」ジワァ

磯波「……!!ご、ごめ」マッサオ

叢雲「謝んないで!!あんたの言う通りよ……悪かったわね、怖じ気ついて……!!見てなさい、あんたよりも勇敢に戦ってやるわ!!」キッ

磯波「っ……」
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:42:30.88 ID:dfvWKmSp0


タ級「テキカンタイ補足」

泊地棲姫「了解……さて、やるとするか」

装甲空母姫「いい気分じゃないけどさ、仕方ないよな」

深海雨雲姫「あなたタチ……本当ニ訛ッタわね……」

泊地棲姫「そうだな……竜宮言葉の陸訛がなおるのにも、時間がかかりそうだ」

北端上陸姫「ドウデモいいカラハヤク北へカエリタイ……こんぶガ恋シイ……」



提督「You don`t need to be here, Admiral(あなたまでここにいる必要はありません、大将). 危険です」

イギリス海軍提督「提督、このシンガポール要塞は英国のものだ。私は陛下にここを任された。最後までここに残る義務がある。……そろそろ時間か」

提督「っ……わかりました。ええ、もう始まるでしょう」



日向「っ……伊勢、もういいだろう」ボロッ

伊勢「分かった……撤退するよ、皆!!」ボロッ

「「「「了解……!!」」」」



装甲空母姫「退くか!!どうする!?」

泊地棲姫「まだ仕留めるのは難しいだろう。捨て置いてシンガポールを攻める。いいな?」

深海雨雲姫「支持スルわ。おーすとらりあヤおらんだノ連中ヲ見テいないモノ。センリョクは分ケない方がイイ」

装甲空母姫「よし、シンガポールの要塞砲はアウトレンジでやれるし後は残りの敵艦隊だけだな!!」

泊地棲姫「さて、いつ仕掛けてくるか……我々がシンガポールを砲撃している最中が一番ねらい目だろうとは思うが……」

北端上陸姫「モウ諦メテ撤退してイルんじゃナイ?センリョク差がアットウテキなんだから」



ドゴォォォン ドゴォォォン

提督(地下で聞く敵の砲撃が着弾する爆音、感じる揺れや衝撃。ソ連を思い出す。あらゆる面でアルハンゲリスクの方が遥かに酷かった)

提督(しかし事これだけに限ったらこっちの方が酷い。せいぜいが170ミリだったドイツ軍の重砲よりも16インチ砲の艦砲射撃の方が圧倒的に重い)

提督(だがここはシンガポール要塞の地下司令部だ。さすが大英帝国がその威信をかけて造っただけあり、びくともしない。……直撃を受けたら分からないが)

イギリス海軍提督「っ……随分と落ち着いているのだな、提督」

提督(青い顔をした大将がかすれた声をだす。あの頃、急ごしらえの地下司令部で自分があんな顔をしていたのだろうなと思うと感慨深かった)

提督「初めてではないのでね」

イギリス海軍提督「ほう、どこでやられたのかね?」

提督「ソ連で。アルハンゲリスクでドイツ軍に滅多撃ちにされた」

イギリス海軍提督「……!!そう言えば、君はそうだったな。どうだった、ソ連は?」

提督「正直、ソ連は好きではない。でもロシア人は悪い奴ではなかった。好きになれない奴もいたが、気の良い連中もたくさんいた」

提督(俺は戦況に注視しながらも大将にソ連での思い出話をする。彼の気を紛らわせるのにちょうどいい。多くの兵士が発狂してしまうような環境にいるのだから)

提督「本当に、つい昨日のことのように思い出せる。ワロージャ、ミーシャ、イゴリョーク、イリューシェチカ……みんな無事だといいのだが……」
310 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:45:08.44 ID:dfvWKmSp0


北端上陸姫「猟犬タチの上陸ヲ始メルわ。時間がカカルからエンゴして」

泊地棲姫「任せろ。周囲の警戒を密に。さて、どうする……仕掛けてくるか……?」



ウォースパイト「……It`s The Time to do our duties(今こそ各員の義務を尽くす時よ). さあ行きましょう」

「「「「Y...Yes, Lady Warspite(分かりました、ウォースパイト様)......!!」」」」

ウォースパイト「っ……お前たち、戦う前からもう弱気なのかしら?負けたら英国中がお前たちを笑うでしょうね。所詮オーストラリア人、Ex-cons(犯罪者の子孫)だと!!」

「「「「っ!!」」」」

ウォースパイト「それが嫌なら命を賭して戦いなさい!!勝利してみなさい!!王立海軍に見せつけてみなさい!!お前たちの実力を!!どうなの、パース!?」

パース「もちろんやってやりますとも!!私たちをEx-consって呼ぶなんて絶対に赦せません!!そうよね、皆!?」

「「「「Defo!!」」」」

「「「「……」」」」

デ・ロイテル「……Brit(イギリス人)はやばいわねー。それに比べてうちはちょっとダメかも?」

「「「「っ」」」」

デ・ロイテル「でもまあ敵は凄いたくさんいるしこっちは戦艦娘一人しかいないし怖いよね?わかるわかる」

デ・ロイテル「でもこういう時に気持ちで負けちゃーダメなのよ。まあ今回は事が事だし、ここは前東インド植民地艦隊旗艦の私が出しゃばらせてもらうねー」

デ・ロイテル「どこもかしこも私たちの国を軽んじてる。深海棲艦との戦いが終わってやーっと平和になったと思ったら今度は人間同士の戦争」

デ・ロイテル「私たちは巻き込まれたくなかったのに結局巻き込まれた。しかもーその理由はドイツがグレートブリテン島へ攻撃する時の基地の確保」

デ・ロイテル「そして連合国からの攻撃に対する緩衝地帯の確保のためとか……嘘かもしれないけど英仏もドイツへ進攻する時にオランダの中立を侵そうとしてたらしいしー」

デ・ロイテル「おまけに日本まで東インドを侵略してきた。石油のためにーってさ……私たちの国は基地だとか石油だとかそんなもののために蹂躙されたんだ!!」

デ・ロイテル「それでドイツと日本が戦争になったらー今度は日本と仲直りして一緒にドイツと戦えーって。日本は東インドでたくさん略奪とか暴行したのを赦せーって」

デ・ロイテル「そう言うのがイギリスだから、連合国の盟主だから、大局的観点からそれが一番いいからーって。オランダ人を殺して犯して土地を奪った事を赦して握手しろーって」

デ・ロイテル「でも仕方ないよねー。だってオランダは弱いから。オランダだけじゃドイツに勝てないしー、日本にも勝てなかったから」

デ・ロイテル「イギリスの言いなりになってー、オランダ人の血に染まった手を差し出してきた日本人と握手しなくちゃいけないんだ。笑顔で」

デ・ロイテル「ほんとー……ふざけんなーーーーーーーー!!!!なんで私たちがこんな目に合わなきゃいけないんだーーーーーーーー!!」

「「「「っ!!」」」」ビクッ
311 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:49:09.55 ID:dfvWKmSp0
パース「い、いきなりオランダ語で話し始めたかと思ったら大声を出して……!!」サァッ バッ

ウォースパイト「待ちなさい。気にしなくていいわ。砲撃の音で聞こえはしないもの。もう少し様子を見ましょう」スッ

パース「っ!?わ、わかりました……」

デ・ロイテル「はぁ……はぁ……できることならオランダの為にドイツも日本もイギリスもぼこぼこにして目にもの見せてやりたい」

「「「「……!!」」」」

デ・ロイテル「でもそれはできない。現実を見ないで望みだけ持っていてもダメなんだ。 De rook kan het hangerijzer niet deren(煙は鉄の釣鈎を傷めることはできない)」

デ・ロイテル「できることをしなくちゃ。私たちが活躍すれば、それはかならーずオランダのためになる!!」

デ・ロイテル「勝って大活躍して世界中に知らしめてやろー!!オランダも戦ってるーって!!私たちで世界に教えてやろー!!オランダは怒ってるーって!!」

「「「「Hoera!!!!」」」」

デ・ロイテル「Hoera!!……Sorry for waiting(待たせてごめんなさい)」

ウォースパイト「気にしないわ。いけるわね、オランダの皆さん」

デ・ロイテル「ありがとう。もちろんいけるわ」



ル級「敵艦隊ハッケン!!ハッポウされマシタ!!トツゲキしてキマス!!」

「「「「!!」」」」

深海雨雲姫「ナニッ!?ヤツラ本気カ!?」

ヒューン バシャン

泊地棲姫「っ!!逃げるつもりはないということか……いいだろう。ならば相手になってやる」

北端上陸姫「チョット……大丈夫ナンデショウネ?」

装甲空母姫「任せろ!!っておあ!?何だこれ!?どっから撃ってきた!?」ヒューン バシャン ビクッ

「「「「!?」」」」
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 18:57:09.55 ID:dfvWKmSp0


提督(攻撃の開始はウォースパイトに任せていた。ウォースパイトは俺の期待通り最高のタイミングで口火を切ってくれた)

提督(この地下司令部は外の砲台陣地や監視所、通信施設などと有線で繋がっている。監視所から目視で攻撃開始を確認したとの連絡を受けた俺は早速砲兵に命令する。撃て!!と)

提督(それと同時に通信施設を介して西へ退避していた通常艦隊に作戦開始を連絡する。あらゆる手段を以てして敵を攻撃せよと命令を下した)

提督(そして北へ撤退したように見せかけた伊勢たちに作戦通り突入するよう命令した。レーダー妨害が始まった時点で伊勢たちもこちらへ引き返させていたのだ。そんなに時間はかからない)

提督(基地航空隊にダメ押しの航空攻撃の命令も出す。相手がドイツ軍なら誤射の心配があったが、深海棲艦ならまったく問題ない。一目瞭然だからだ)

提督(北からは砲台陣地、南からはウォースパイトたちが攻撃している。すぐに西から通常艦隊が、東から伊勢たちが攻撃に参加するだろう)

提督(予想外の事態に敵は混乱しているはずだ。それに加えてさらに敵増援が襲来して自分たちが包囲されたと悟ったらさらに慌てふためくに違いない。あとは部下たちを信じるのみだ)

ドゴォォォン ゴゴゴゴゴゴ

「「「「!?」」」」



イ級「っ〜〜〜〜〜〜!!」ドガァン ブクブクブク

リ級「ウッ!?」ドガァン

ル級「畜生……!!」ボロッ

北端上陸姫「ドウイウ事よ!?滅多撃チにサレテルジャナイ!!」

泊地棲姫「バカな……どこにこんな戦力隠していたというのだ……!?」

深海雨雲姫「っ!!敵機シュウライ!!マズイワ、航空機ガ狙イをツケルのに十分アカルイ!!」

装甲空母姫「最悪だ!!何より敵の要塞砲がマズすぎる!!何でもかんでもバカスカ撃ってきやがって発火炎が多すぎる」

装甲空母姫「偵察機使っても戦艦の主砲クラスの要塞砲がどこから撃ってきてるのか全く分からない!!一つ二つはつぶしたはずだけどさ!!これもう無理だろ!?」

泊地棲姫「っ……撤退だ!!撤退する!!要塞砲は後回しにして敵艦隊を攻撃するべきだった……そうすれば敵の数を効率的に減らせた……!!」ワナワナワナ



ウォースパイト「……!!撤退し始めたわね」

パース「最高の気分です!!まさか逃がしはしませんよね、ウォースパイト様」ニタァ

ウォースパイト「当たり前でしょう。あなた達も行けるわね?」

デ・ロイテル「もちろーん!!こんな一方的でいいのかしらってくらいやばいわね!!」ゾクゾク
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 19:01:52.45 ID:dfvWKmSp0


日向「仕方ないとはいえ、判断が遅かったな」

伊勢「勝ったね、これ。目的はシンガポールの防衛だからこのまま行かせてもいいけど……」

深雪「ムラクモの弔い合戦だ!!皆殺しにしてやる!!」

初雪「絶対に……赦さない……!!」

吹雪「私たちはまだやれます!!ここで敵の戦力を減らせるだけ減らすべきかと!!」

伊勢「よし、じゃあやりますか。あいつらが誰を敵に回したのか分からせてやらなきゃね!!」

日向「瑞雲の再補給も済んだ。もうひと暴れさせてもらおうか」

叢雲「やってやる……私だって帝国海軍の駆逐艦娘なのよ……!!」ギリッ

磯波「っ……」



深海雨雲姫「ナニ馬鹿なコトを言ッテいるノ!?目ノ前ニイルノハさっき散々に打ちノメシテヤッタぼろぼろノ艦隊ジャナイ!!イイカラ突ッ切ルのよ!!」キッ

泊地棲姫「あいつらに近づきすぎるのは自殺行為だ!!少し迂回した方がいい!!」

深海雨雲姫「ソンナ事シタラ後ろカラ追ッテクル艦隊に補足サレテル時間が長クナルでしょ!!戦艦がイルのよ!?」

装甲空母姫「あいつらと一緒に居たから分かるんだって!!こんな潰走状態で距離詰めたら」

深海雨雲姫「黙リナサイ裏切者!!このまま突ッ切ルノ!!」キッ

装甲空母姫「っ……」ビクッ

泊地棲姫「……我々は止めたからな」ギリッ
314 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/28(火) 19:04:39.62 ID:dfvWKmSp0


ネ級「足が……!!ま、待って!!」

深雪「うるさい!!ムラクモの仇だ!!沈め!!」ドンッ

ネ級「」シュボッ バシャン

チ級「ウワァアアアアアア!!」

初雪「死ね……!!」ドンッ

チ級「」ドガァン

浦波「十隻目!!そっちはどう、白雪姉さん!?」

白雪「そんなのいちいち数えていられません!!」

叢雲「はぁ……はぁ……っ!!」ハッ

リ級「クソッ……」ボロッ バッ

磯波「叢雲ちゃん!!」ゾクッ

リ級「シズメェ!!」ドゴォン

叢雲「っぁああああああ!!」バッ グイッ ドンッ

リ級「」シュボッ ドパッ

叢雲「うっ」ビシャッ

磯波「む、叢雲ちゃん、大丈夫……ひっ!?」

叢雲「っ……ああ、磯波……あなた何人殺したの?私は今のが何とか三人目よ……きっとあなたの方が多いんだろうけど」ベッタリ ゴシゴシ キロリ ハイライトオフ

磯波「っ……お願い、もうそんな戦い方しないで……叢雲ちゃんの方が勇敢に戦ってるよ……!!」

叢雲「そう……そうだといいけど……」スイー

磯波「っ!!ま、待って叢雲ちゃん!!」

↓×1〜3 敵の血で真っ赤に染まった叢雲は暗い目で磯波を睨んでいた。自分の嫉妬のせいで叢雲を歪めてしまったと思った磯波の心情と行動
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 19:15:35.56 ID:YFmjbJ2tO
これ以上無謀な戦いをさせることは
前のムラクモちゃんの二の舞になりかねない
そしてそれは自分達もそうだと咄嗟に我に返る
提督との間に具体的に何があったか知らないが
提督ならばきっと無茶だけは命じなかった筈だと考え
叢雲に提督と約束したんでしょ?とカマかけ気味に問いかける
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 19:28:54.59 ID:ZU5Cnx2WO
間接的とはいえ自分のせいで叢雲を失うようなことだけはあってはならない
死地へと向かわんとする叢雲の手を半ば衝動的に掴み、必死の形相で引き止める
317 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/28(火) 20:00:08.31 ID:s69L2o3M0
318 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:52:36.50 ID:EFSz4Ct10
叢雲「……」

磯波「行かないでください!!」ガシッ グイッ

叢雲「っ!?放して!!」グイッ キッ

磯波「絶対に放しません!!」ギリッ

叢雲「っ!?くっ……私はまだ戦える!!」

磯波「もう十分戦いました!!今の叢雲ちゃんは絶対大丈夫じゃありません!!」

叢雲「大丈夫よ!!」

磯波「死んじゃってもいいんですか!?」

叢雲「死っ……!!」ドクン

提督『死ぬな。生きて帰って来い』ギュッ

叢雲「ぁ……司令官……」ジワァ

母『生きて帰ってきなさい……必ず……』ダキッ ポロポロ

父『お前はできのいい子だ。きっと生き残れる』ナデナデ

叢雲「お母さん……お父さん……」ホロリ

磯波「私のせいで追い込んでしまって本当にごめんなさい……本当に叢雲ちゃんは勇敢戦いました。もう十分です。だから……帰りましょう……」

叢雲「……」コクリ

吹雪「叢雲ちゃん、磯波ちゃん、どうしたの!?っ!!やられた!?」ゾクッ

磯波「吹雪ちゃん!!大丈夫、これは返り血です。けど叢雲ちゃんはもう限界だから私が随伴して離脱しますね」

吹雪「そうなんだ、良かった……!!分かったよ。お願いね、磯波ちゃん!!」ホッ
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:54:42.59 ID:EFSz4Ct10


深海雨雲姫「ウソヨ……コンナのウソ……コレはワルイユメ……!!」マッサオ

北端上陸姫「イヤァ……コンナ所でしにたくナイ……」ブルブルブル

泊地棲姫「だから言った……!!っ……聞こえるか?」

装甲空母姫『何……今戦艦二人相手にしてて……くっ!!こいつらは足止めするから行って!!』

泊地棲姫「っ……!!ぐすっ……すまない……ありがとう……しっかりしろ!!撤退する……ぞ……」ジワァ サァッ

ウォースパイト「Good evening. 降伏するチャンスをあげましょうか」ニコリ

ネ級「カンタイ指揮官をマモッ」ドンッ バシュッ バシャン

リ級「うっ!?」ドガァン

ナ級「っ〜〜〜〜〜〜!!」ドガァン ブクブクブク

二級「」シュボッ

ホ級「っーーーーーー!!」バスバス ドガァン

パース「やらせない!!」シュゥゥ

デ・ロイテル「やっばーい」シュゥゥ

深海雨雲姫「イヤァアアアアアア!!」バッ

装甲空母姫「いつの間に……!!迎え撃て!!」ドゴォォン

ウォースパイト「そう、残念だわ」ヒョイッ ドゴォォン

北端上陸姫「ウグゥッ!!……」バシャン プカプカ

装甲空母姫「っ!!おのれ!!せめて一矢報いてやる!!」

「「「「カ、カンタイ指揮官ニ続ケ!!」」」」

パース「みんな続いて!!行くわ!!」

「「「「了解!!」」」」

ウォースパイト「デ・ロイテル、あの逃げたのは譲るわ。簡単に仕留められるでしょう?生かしてとらえれば評価があがるわよ。オランダの為にも、Sterkte(頑張ってね)」クスリ

デ・ロイテル「っ!!……Thank you. はは、やっばーい」ゾクッ
320 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 00:59:32.58 ID:EFSz4Ct10


装甲空母姫「っ……ここまで、か……」ボロッ

伊勢「……降伏しなさいな」ギロリ

装甲空母姫「私は裏切者よ、殺さないの?」

日向「可能なら殺すな。投降するなら受け入れろ。そう命令されている。提督に」ジッ

装甲空母姫「そっか……わかった、降伏するわ……」



ウォースパイト「……」ガシッ グイッ

泊地棲姫「っ……うぅ……」グッタリ

ウォースパイト「ふふっ、もう抵抗できないみたいね」

泊地棲姫「くっ……ころせ……」

ウォースパイト「私ね、感謝しているのよ、お前たちに」

泊地棲姫「な、何……!?」

ウォースパイト「最高の勝利をありがとう!!これで私はAdmiralに私の強さを証明できたわ。きっと認めてくれる」パァッ

ウォースパイト「私の戦果になってくれて、全員に感謝してるわ。生きてる子は早く良くなるといいわね。死んでしまった子は……ご冥福をお祈りするわ」ニコリ

泊地棲姫「っ!?あ、悪魔め……!!」ギロリ

ウォースパイト「殺したくなかったから降伏勧告したのに、受け入れなかったのはお前たちでしょう?死んだ責任は上官にあるわ。……もしかしたら、お前かもね?」ニタァッ

泊地棲姫「っ!!わ、私の……せいで……」ゾクン

ウォースパイト「あら、本当にお前だったの?私たちと違って無能な上官に率いられた部下たちに同情するわ」

泊地棲姫「うぅ……うぅうう……!!」ボロボロボロ

パース「ウォースパイト様、生存者を回収しました。北端上陸姫も生きています」

北端上陸姫「……」

ウォースパイト「まあ本当?運が悪かったら死んでるかもと思っていたけれど、よかったわ。ご苦労様でした、皆さん。帰りましょう」ニコリ
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/29(水) 01:06:19.55 ID:EFSz4Ct10


デ・ロイテル「やったー大戦果だー!!みんなよく頑張ったね!!帰ったらオランダと勝利に乾杯しよー!!」

深海雨雲姫「コレはユメ……コレはユメ……コレはユメ……」ボロッ グッタリ

デ・ロイテル「わかるわかる。夢みたいだよねー。出撃前はもうダメかもーって思ってたのにさ。Wat lief!!」



イギリス軍兵士「ダメです、完全に崩落していて……内部からは脱出できません。外からの助けを待つしかないでしょう」

日本軍兵士「有線電話もダメです……どこかでケーブルが切れたんでしょう。外部との通信手段は完全に失われました……」

イギリス海軍提督「そうか……我々が勝っていて助けがくればいいがな……地下に閉じ込められた経験はあるかね、提督?」

提督「いや、初めての経験だよ、大将。幸い、小さな隙間で地上までつながっているようで酸素は気にしなくてよさそうだ」

イギリス海軍提督「雨が降るとこの部屋が水没する可能性があるな。戦場で死ぬ覚悟はできているがこんな所で溺死するのは御免だ。そうならないように主へ祈っておこう」



日本海軍士官「敵戦艦の砲弾が直撃してしまったのだろう……地上の建造物は崩壊、地下の司令部がどうなっているのかは不明だ」

イギリス海軍士官「電話も通じないんです。ケーブルが切れただけなのか、あるいは地下も崩れてしまったのか……」

イギリス海軍士官「もちろん生きていること前提で救助活動を続けていますがね……もし司令部が無事でも完全な密閉空間となってしまっていたら、酸欠で窒息してしまうでしょう」

日本海軍士官「だが地上と繋がっていたとしても、季節的にもういつ雨が降ってもおかしくない。そうなると司令部は水没してしまう……」

オーストラリア陸軍将校「全力を尽くしていますが、何分瓦礫の量が量ですから……救出作業にはまだ時間がかかります」

オランダ海軍士官「覚悟しておいたほうがいいでしょうな。残念なことだ……」

↓×1〜3
勝利を報告しに帰還したら要塞が敵の攻撃で崩壊しており、提督の生死が不明で望みも薄いという現実に直面したウォースパイトと日本の艦娘たちの反応
※特にウォースパイトは提督を深く愛しており、叢雲は過酷な戦場で気にかけてくれる大人である提督の存在が心の支えとなっていたことを踏まえて
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 01:32:51.78 ID:NRDDcSFwo
磯波や叢雲、これ以上仲間を喪いたくない吹雪型の動きを皮切りに
ウォースパイトの号令で動ける艦娘が一斉に瓦礫撤去に取り掛かる

デ・ロイテルはじめオランダ艦は
その土地柄から浸水の危険性を早々と見抜き
ウォースパイトを通じて適切な指示に貢献する
323 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 02:48:23.94 ID:TT03QD2RO
322
324 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/29(水) 04:31:56.69 ID:71FOm5QZo
うえ
325 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 01:48:07.95 ID:MdlEMhUQ0
ウォースパイト「……」

叢雲「な……なによそれ……私に死ぬなって……生きて帰って来いって言ったくせに……っ!!司令官!!」ダッ

磯波「む、叢雲ちゃん!!」ダッ

吹雪「……まだ死んじゃったって決まったわけじゃない!!行くよ、皆!!」ダッ

伊勢「あ、あなたたち……っ……日向、私たちも」

日向「もちろんだ。艦娘の力をみせてやろう」ダッ

デ・ロイテル「……やばげかも。ここら辺の天気は本当に独特なんだよね。特にスマトラ・スコールっていって朝ぐらいからいきなり大雨になるのが有名なんだ」

デ・ロイテル「もしアレが来たら司令部のぐらいの体積じゃ、たぶん一時間もしないうちに完全に水没しちゃうかも。助けるなら休んでる暇はないよ」

ウォースパイト「……重傷者以外はついてきなさい」

「「「「了解!!」」」」



イギリス軍兵士「……!!」ハッ

イギリス軍兵士「どうしたんだ?」

イギリス軍兵士「シーッ!!」

イギリス軍兵士「なんだよ……」

イギリス軍兵士「……やっぱり聞こえるぞ!!音が聞こえる!!助けが来たんだ!!」

「「「「!!」」」」

提督(彼の声に皆が黙る。集中して耳をすませた。確かに、聞こえた。遠く微かにだが、まるで瓦礫を退かしているかのような重い物音が)

提督「我々の位置を知らせなくては!!こちらからも継続的に音を出すんだ!!」



……ーン ……-ン ……-ン

「「「「!!」」」」

伊勢(艦娘の力の強さに目を丸くする工兵の助けを得ながらようやく一階部分まで掘り進めたところで全員が息をひそめる)

ウォースパイト「Admiral……!!」パァッ

深雪「聞いたか今の!!」

初雪「もちろん……!!」

伊勢「生きてるのね、提督……!!」ホロリ

ポツ

「「「「!?」」」」ゾクッ

伊勢(頬に感じたそれが高揚した気分に冷や水を浴びせる。空を見上げた。どうか気のせいでありますようにという願いは届かなかったみたい)

ポツ ポツ ポツ

デ・ロイテル「マジでやばいよ!!降ってきた!!すぐに土砂降りになる!!」
326 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 01:58:52.21 ID:MdlEMhUQ0


日本海軍下士官「ええい!!もっとちゃんと押さえろ!!何とかならんのか!?」

日本軍海兵「亀裂が大きすぎてこれ以上は無理です!!人手が足りなすぎます!!」

提督「くっ……!!」

提督(恐れていた事態が起きてしまった。外が大雨になってしまったようだ。司令部の天井や壁にできた亀裂から水が流れ込んできた)

提督(潜水艦が沈没する時はこんな風になるのだろうか?改めて、そして今まで以上に潜水艦乗りに畏敬の念を抱く)

提督(恐怖……いや、絶望かもしれない。俺は必死に壁の亀裂を押さえる。効果があるのか分からない。水はもう膝まできた。俺は……こんな所で死ぬわけには……!!)

提督「止まれ……止まってくれ……!!」

イギリス海軍提督「……諸君、今のうちに服装を整えておけ」

提督「!?」

提督(言っていることの意味が分からなかった。そちらを振り返ると制服をきちんと整えた大将が堂々と立っていた。官帽の顎紐までつけて)

提督(怒りを覚える。状況が分かっていないのか!?そんな事をしている暇があれば生き残るための努力をしろ!!そう言おうとした瞬間、大将が再び口を開く)

イギリス海軍提督「残念ながら、もはや我々にできることは水没までの時間をなんとか伸ばしながら主に奇跡を祈るだけだ」

イギリス海軍提督「死を覚悟しなくてはならない。そして不運にも我々の命尽きた時、戦友たちは我々の亡骸と対面することになるだろう」

イギリス海軍提督「その時、無様な姿をさらす訳にはいかん。我々がその最期まで規律を守り、高貴であったと示さねばならぬのだ」

イギリス海軍提督「死ぬのなら、誇り高く死んでいこう。それがきっと、我々からあとに残る者たちへの一番いい最期の贈り物になる」

「「「「……」」」」

イギリス海軍提督「もちろん、生きることを諦めてはならない。自暴自棄にはなるな。だが、死に備えることは必要だということだ」

イギリス海軍提督「なに、服装を整えることなんてすぐ終わる。水没するまで数分も変わらないだろう。さあ、上着を着て帽子を被りたまえ」ニコリ

提督(大将は爽やかな微笑みで話を締めくくる。そして壁に向かうと再び亀裂を押さえた。ここにいる誰もが大将を見ていた)

提督(その数分が命を分けるかもしれないのだ。無駄にはできない。……とは誰も言わないし、きっと思ってもいまい)

提督(努めて考えないようにしていたが、分かっていた。きっと誰もが分かっていた。そう簡単にここまで掘り進んでは来られない)

提督(常識的に考えて救助まで数日から数週間はかかるだろう。もはや地面が割れて水が流れていくというような奇跡が起きでもしない限り助からないのだ)

提督(なんて偉大な人なのだろう。俺は大将に純粋な称賛と尊敬、憧れの気持ちを抱いていた。これが、英国紳士か。王立海軍か)

提督(砲撃されていた時、大将は顔を青くはしていたが冷静さを保っていた。そして、死がすぐそこへ迫っている今も。……自分が恥ずかしかった)

提督(人は追い詰められた時こそその本性が出るという。俺は完全に余裕を失い、無様に狼狽えていた。現実から……死から目を逸らしていた)

提督(だが大将は違った。死から目を逸らさず、真っすぐと見つめていた。俺の手本とするべき人リストに新たな名前が一つ加わる。皆が服装を整え始めた)

イギリス海軍士官「貴方を喪うことになってしまったら、英国にとって大きな痛手となるでしょう。主よ、どうかそうなさらないでください……」

イギリス海軍下士官士官「大将、共に戦えて光栄でした」

イギリス軍兵士「助かっても、そうでなくてもいい自慢話ができましたよ。俺はあの大将と一緒に戦ったんだと」

提督(俺も机へ走る。ジャケットを脱いだり前を開けたりしてはいなかった。置いてあった官帽を急いでかぶり、顎紐をすると再び走って亀裂を押さえる)

提督(死に対して儚い抵抗をつづけながら家族や友人たち、そして何より俺を愛してくれる子たちの事を思い浮かべる。また会いたかったが、どうやらここまでのようだ)

提督(先に逝ってしまって申し訳ない……赦してくれ……そして、どうか幸せに長生きしてほしい。皆のこれからの人生が素晴らしいものでありますように)



彼女たちは人力じゃ動かせないはずの瓦礫を苦労しながらも驚異的な速度で排除していく。司令部に到達するまであと少しだった
ただでさえ大きな戦いの直後だったのだ。疲労困憊なはずだ。しかし誰もその手を休めることは無い
だが哀れな少女たちは悟っていた。土砂降りの雨が降り始めてから一時間は経ってしまっている。間に合わなかったのだと。地下から救いを求めていた音は、今はもう聞こえない

↓×1〜3 艦娘たちの様子
327 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:21:08.52 ID:HAd5p0Vmo
例えそれが亡骸を救うことになろうとも
それでも手を止めない止められない
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:27:48.07 ID:fR5ZfX3eo
やり場のない感情を吐き出すかのように叫び続けながら
死体に出会わない限りは生きていると信じ必死に掘削を続ける
329 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 02:34:11.80 ID:tfWywT8eO
328
330 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 22:56:00.50 ID:MdlEMhUQ0
伊勢「……!!」ピクッ

伊勢(そこにあったのは敵砲弾の破片だった。ここまできてたんだ。司令部の深さから考えて、もう少しで分厚いコンクリートの装甲を貫通していたかも)

伊勢(もしこれが貫通していたら、提督たちは即死していたでしょうね。けど……その方が良かった)

伊勢(地下に閉じ込められて、徐々に部屋が水没していって、最期は溺死なんて……どれほどの恐怖だったのか想像もできない)

伊勢(そんな目に遭うぐらいならいっそ、何も感じる間もなく死ねた方がずっと良かったに違いないもの……そんなことを考えてしまったことに気が付いて、激情に駆られる)

伊勢「なに諦めてんのよ、私……!!」キッ

伊勢(遺体を見つけたわけじゃないんだから……提督はきっとまだ生きてる!!だから……あきらめちゃいけないのに……!!)

伊勢「っ……うわぁああああああああああ!!」ダンッ

ガラガラガラ

伊勢(我慢できなかった。私は叫びながら瓦礫を砕くためスレッジハンマーを振り下ろす。と同時にそこを中心に底が抜けたように瓦礫が崩れ落ちた。その上に立っていた私も落ちる)

伊勢「えっ、うわぁああああああ!?」ドボン

日向「伊勢!?」



ガラガラガラ ドポン ドポン ドポン ドポン

「「「「!!」」」」

伊勢「わぷっ!?ぷはっ!!な、なになになに!?」バシャッ

提督(足はとうに床につかなくなっていた。水面から天井まで30センチを切っている。もはや助かるまい。死を確信した俺たちは全員で蛍の光を歌っていた)

提督(誰もが知ってる唱歌だが、もともとスコットランドの民謡だ。日本人は日本語で。イギリス人は英語で。言語も歌詞の意味も違えども、同じメロディーの歌だ。一緒に歌うことは容易い)

提督(そんな時だった。いきなり部屋の真ん中の天井が崩れ、瓦礫と共に伊勢が落ちてきたのは。幸い、全員ずっと壁の亀裂を押さえていたために巻き込まれたものはいない)

提督「い、伊勢!?」

伊勢「っ!!て、提督……!!」ハッ ウルッ

提督(全員の目がきょろきょろとあたりを見渡す伊勢に集中した。俺の呼びかけに伊勢は俺の方を向く。そして驚愕の表情を浮かべると今にも泣きそうになる)

日向「伊勢!!大丈夫か!?」

提督(天井の穴から日向の声が響いてきた。その場の全員が状況を把握する。助かったのだと。割れんばかりの歓声があがった)

日本軍海兵「やったーーーーーーーーーー!!」

イギリス海軍下士官「Oh my God!! It`s divine!!」

日本海軍士官「万歳!!助かったぞ!!万歳!!万歳!!万歳!!」

イギリス軍兵士「Hurrah!!We are saved!!I cannot believe!this!!」
331 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/01/30(木) 23:12:20.68 ID:MdlEMhUQ0


日向(土砂降りだったが普段よりは雨量が少なかったのか、提督たちの生きるための努力が実ったのか、あるいはその両方か。私たちは司令部が水没する前にたどり着くことができた)

日向(穴から次々と閉じ込められていた人たちが上がってくる。しかし、私たちの意識は彼らに向かなかった)

日向(待ち望んでいた彼があがってこない。何故だ……何故上がってこない……!?ふと、思いついてしまう)

日向(どうして私たちは司令部に被害が無かったと思い込んでいるんだ?要塞が崩壊してしまうほどの攻撃を受けたのに)

日向(地下室が完全に崩壊しなくても、一部が崩れているかもしれないじゃないか。……それに提督が巻き込まれていないとどうして言える?)

日向「……」ドクン ドクン ドクン

伊勢「よっと」

日向「!!」



イギリス海軍提督「先にあがりたまえ、提督。ゲストは優先されるべきだ。私の顔を立てると思って。さあ」

提督(先に上がることを促した俺に、大将はそう返答した。さすが英国紳士だ。ここはお言葉に甘えさせてもらうか)

提督「……わかった。ありがとう、大将。お先に失礼する。伊勢、先に行ってくれ」

伊勢「袴の中見ないでくださいよ?」ニヤッ

提督(そう悪戯っぽく流し目を送りながらささやく伊勢はさっきまで俺に抱きついて泣いていたのが嘘のような変わり身の早さだった)

提督「っ……もちろんだ」

伊勢「ふふっ。よっと。さあ、提督!!」ザバッ ニコッ スッ

提督(伊勢が満面の笑みで手を差し出してくれる。俺はその手をとると伊勢に引き上げられた。そうだ、これが艦娘の力だったな)

提督「ありがとう、伊勢。大将、手を」スッ グイッ

イギリス海軍提督「っ……ありがとう、提督。少々失礼する」ザバッ

提督(俺の手を掴んだ大将を引き上げる。礼を言った大将は断りを入れると振り返ってその場で屈み、副官を引き上げてから俺に向き直った)

イギリス海軍提督「どうやら奇跡が起きたな。それに戦いも我々の勝利で終わったようだ。君の功績だ。おめでとう、提督」

提督「いや、大将。我々の功績だ。あなた方がいなくては勝てなかった」

イギリス海軍提督「ふっ……共に戦えた事、光栄に思う」スッ

提督(大将が微笑みを浮かべると手を差し出してきた。俺はその手を握る。固い握手を交わした。そして握手を終えるとずっと俺を待っていてくれたらしい彼女たちの方を向く)

↓×1〜3 
日本の艦娘たちとウォースパイトの心情と行動
※ウォースパイトは立場的にまずイギリス海軍提督に挨拶しなくてはならないことを踏まえて。パースとデ・ロイテルは安価下
332 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:20:48.93 ID:YA6JxnLWo
日本の艦娘は否応がなしに提督に雪崩れ込む
吹雪型が号泣につぐ号泣で周りももらい泣きするほど
ウォースパイトは何とか踏み留まって自国の提督への挨拶を優先させたが
彼が気を利かせてくれた為すぐさま雪崩に加わる
333 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:37:08.49 ID:ihJyEO4o0
伊勢・日向以外の駆逐艦娘達は一斉に提督のもとに駆け寄り、各々が想いを爆発させてもみくちゃになる
伊勢・日向は安堵と疲労で力が抜けてしまったため遠巻きに眺める他なかったが、二人で一緒に喜びを噛み締めながら静かに涙を流す
ウォースパイトはまずイギリス海軍提督に祝いを述べるが、内心提督の様子が気になって仕方なく、イギリス海軍提督に許可を貰ってすぐさま歓喜の輪に加わる
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:46:54.68 ID:RwfAh8EjO
335 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/01/30(木) 23:48:53.98 ID:465u9y4iO
332
336 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 01:51:15.49 ID:yB8VPiZc0
提督「伊勢から聞いた。みんな……良くやってくれたな」ニコッ

叢雲「っ……!!よくもそんな平然としてられるわね!?私がどんな思いで……私に死ぬなって言ったのにアンタが死ぬところだったじゃない!!」キッ

提督「っ……ああ。すまなかった……」

叢雲「ぐすっ……うわぁああああああん!!」バッ ダキッ ギュッ ボロボロ

提督(怒り交じりの今にも泣きそうな顔で俺に激情をぶつけていた叢雲は、俺の謝罪にとうとう涙を零してしまう。俺の胸に飛び込んでくると、強く俺を抱きしめる。号泣してしまっていた)

「「「「……!!司令官(提督)!!」」」」ジワァ バッ ダキッ

提督(それをきっかけに吹雪たちが俺のもとに駆け寄ってきた。皆一様に涙を流し、自らの想いを吐露している。俺はこの健気な少女たちにどれほど辛い想いをさせてしまったのか……)

提督「みんな……すまなかった……」



ウォースパイト「ご無事で何よりです、大将」

イギリス海軍提督「貴女にそう言って頂けるとは名誉なことです、ウォースパイト嬢」

ウォースパイト「貴方の勇気に惜しみない称賛を送ります。陛下もきっとお喜びになるでしょう」

イギリス海軍提督「今回、私は何もしてないのですよ。全ては彼のおかげです。なるほど、貴女の心を奪う訳だ」

ウォースパイト「っ……ええ、そうなの」カァッ

イギリス海軍提督「日本人なのが惜しい人物です。せめて同じ白人ならば、貴女のご両親は彼との関係をお認めになるでしょうに」

ウォースパイト「……我々は見識を新たにしなくてはならないわ、大将。白人でないから劣っているという考えは近い未来に過去のこととなるでしょう」キロリ

イギリス海軍提督「かもしれませんね。いずれにせよ、彼は英国の恩人です。よろしければウォースパイト嬢からも彼に王立海軍の艦娘として挨拶してはいただけませんか?」

ウォースパイト「っ!!ええ、もちろんです。王立海軍のウォースパイトとして挨拶しましょう」

イギリス海軍提督「感謝いたします。では、私はこの要塞を任されたものとしてやらなくてはいけないことがありますので」

イギリス海軍提督「まったく、陸の人間も相手が深海棲艦だからと厄介な事を押し付けてきたものです。それではこれで失礼させていただきます。ごきげんよう、ウォースパイト嬢」

ウォースパイト「ごきげんよう、大将。……Admiral」
337 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2020/02/01(土) 02:02:47.83 ID:yB8VPiZc0


デ・ロイテル(まるで獣みたいに階級も何も関係なしに我先にと上がってきていた日本人に対してイギリス人はかーんぺきに統制を保ってた)

デ・ロイテル(一番最初に大将。そして高級将校、下士官兵、最後に青年士官。うんうん、これこそ人間よねー)

デ・ロイテル(やっぱ日本人は動物だ。白人とは……人間とは違うんだ。だからあんな蛮族みたいなことができるんだ)

デ・ロイテル(殺された戦友たちや犯された友達の事を想う。耐えられないぐらいの悲しみと怒りが混ざり合って……やばかった)



記者「艦娘たちも普通の女の子と何ら変わらないのだな……あの光景はきっと一生忘れられない。恥ずかしながら思わずもらい泣きしてしまったよ」

記者「君だけじゃなかったさ。映画やドラマのような創作とは比べ物にならない。あれが本物だ。我々の使命はこれをできる限り多くの人間に伝えることだ」

記者「そうだな。しかしつい早まって提督死亡と記事にしてしまったが大丈夫だろうか?今は制限されていて電報も電話も無線も使えないからあの記事の号外が出るのは止められない」

記者「なに、お詫びと訂正をしておけば大丈夫さ。むしろそのおかげで提督奇跡の生還の記事は大反響になるだろう。……などと俗な事を考えてしまうのが記者の辛いところだ」



朝日新聞『壮烈、提督シンガポールに散る。奇跡の価値は』

シンガポールで奇跡的な勝利を得た代わりに指揮を執っていた提督が深海棲艦の攻撃で戦死したという新聞が届いた
しかも要塞が崩壊して地下の司令部に生き埋めになり、東南アジア特有の大雨で徐々に部屋が水没していき、とうとう溺死してしまったという残酷な死に方だと書いてある

↓×1〜3 読んだ子たちの反応。特に強調したい子がいれば名前をあげて
※ 扶桑型と当事者と未登場の海外艦は安価下
338 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:40:17.20 ID:4Xx40rTi0
鈴谷型
鈴谷:提督が死ぬなんて嘘だ、あり得ない。現実逃避も含め、自らの目で確かめたいと夜中に密航を企てる
熊野:提督は死んだ、現実を受け止めろと鈴谷を冷静に諭すが、口論になる内に胸中の想いを抑えきれず、感情的になって手を上げてしまう
339 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:49:35.84 ID:9H00GQ+vo
鈴熊、大鳳、ガングート
新聞を思い思いの方法で粉々にする
この国のマスメディアの未来を憂い
取り敢えず提督の無事を祈る

大和型、長門型
また自暴自棄になりだす大和
陸奥も失意にあてられて涙が止まらない
武蔵、長門の大変な一日が始まる

翔鶴型、雲龍型、秋月型
全快に向かいつつある雲龍型
気に障ってはいけないと新聞を見せまいとする翔鶴型
秋月型も巻き込み新聞争奪戦の狼煙があがる
340 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/02/01(土) 02:55:33.55 ID:K+OJKr8XO
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