京太郎「京ちゃんクエスト?」優希「だじぇ!」【魔界麻雀死闘篇】

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350 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:25:36.37 ID:tlcBlyct0

健夜「カ・・・!」


“カン”と発声して、牌を倒そうとした、そのときだった。


健夜(う!?)ゾクッ!


突如、健夜の背筋に悪寒が走る…!


健夜(な、何、この、イヤなカンジは… …んん!?)


京太郎「………」ズモモモモオオオォ…


健夜(下家の勇者…? 今までずっと静かだったけど… はっ!?)


このときになって初めて気づく。 京太郎のその、不穏な捨て牌に…!


京太郎捨て牌:D4E7G6
       A白


健夜(こ、これは・・・)

健夜(国士無双テンパイ!??)
351 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:28:21.02 ID:1jSUjx+i0

京太郎手牌(9巡目):一九@H1東南西西北白發中


健夜が見破った通り、京太郎はこのとき、密かに国士をテンパイしていた…!

待ちは、ズバリ、今健夜が四枚揃えた九索!!


健夜「……」ジイィー…

京太郎(ん…? なんだ、魔王がこっち見て…迷ってる…?)チラッ

京太郎(ははあ…国士だって気づかれたかな。 もしかして、俺の待ち牌の九索でも掴んだか?)

京太郎(三麻って、ヤオチュー牌の比率が高くなるからさ、チャンタと同じように国士も和了りやすくなんだよな… 配牌から国士一直線に賭けたらうまくいっちまったぜ!w)ククク…

京太郎(さあさあ…w 出せよ魔王! その九索…! この勇者京太郎がお前に引導を渡してやるからよっ!)


健夜「………」
352 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:30:42.40 ID:P1cgpIMZ0

健夜(手牌に四枚揃えた時の暗槓は、鳴きの大明槓と違って、普通はチャンカンされることはない・・・)

健夜(でも、暗槓でもチャンカンでロンすることが出来る“特例”の役が一つだけある…! それが国士無双…!)

健夜(くっ、このぉ…! なんて間が悪い…! あなたのせいで、私の四暗刻が和了れないじゃないのっ!)ギリィ…!

健夜「……」スウウゥー…ハアアァー…


健夜、深呼吸して気持ちを落ち着ける…


健夜(ふう…仕方ない。 とりあえず今はこっち…)タンッ→[8]


健夜手牌(9巡目):3335556689999


九索暗槓をあきらめ、チンイツ三暗刻ペン七索待ちにチェンジする…!


健夜(まだあきらめないよ…! 四暗刻がダメでも、この手で七索をツモれば、まだ…!)
353 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:33:04.58 ID:lFTUFJIm0

京太郎(ん? 八索切り… 魔王の奴、かわしたか…?)チャッ

京太郎(でも、なんだろう、今の魔王の悔しそうな顔… 九索出したかったけど、妥協して八索切りにしたってとこかな)パシッ

照(…! 京太郎、国士をテンパイしてたの…? よくやった! その圧力が…結果的に魔王の四暗刻和了を潰したッ!)ショーマキョー


桃子「あらぁ…? 魔王の奴、一瞬、九索を暗槓しようとしたみたいっすけど…かわしたっすね…」

怜「せやな。 あの九索を四枚手牌に取り込まれたら、京太郎の国士は和了り目無し…! 完全に純カラや…」

憩「いや、でも、京太郎クンの国士の圧力で、魔王は四暗刻をあきらめたみたいやでーぇ…?」

憧「そうだね… 魔王の流れになりかけたところを、京太郎が引き戻してくれた。 あとは、テルさんがあの手をテンパイさせれば…!」
354 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:35:43.45 ID:1hDWmNai0

京太郎(…さすがに、魔王から国士を和了るのは無理があるみてーだな… どーやら、オレの役目はここまでかな…?)

京太郎(テルさん、やっぱここもお任せします! あとは頼みましたよ!)パチッ

照(うん、ありがとう京太郎…! あとは私に任せて!)パチッ


目線で意思を伝えあう京太郎とテル…


照(京太郎は…本当にいつも陰から私を支えてくれたね… 君と一緒にここまで闘って来れて、本当に良かった…!)サッ…


  ズオオオオオオォォ…!!


京太郎(テルさん…!)
桃子(テルさん!)
怜(テル…!)
憩(テルさん…)
憧(行け!テルさん!)


五人の仲間たちの想いの乗ったテルの右腕が牌山へと伸び・・・


 チャッ!!


照「・・・!」

照(よし! しめた!テンパイだ!!)


健夜に一歩出遅れていたテルだったが… ここでようやくテンパイを果たす!

そして・・・・・




照「リイイイイィィチイイィッ!!」ドォッ!

健夜「くぅ…!?」


ラスボス魔王に引導を渡す千点棒を卓に叩きつけるッ!!
355 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:38:56.05 ID:oyLGal3a0

健夜(うぅ… これは一発でツモられる流れ…?)

健夜(でも、私がここで七索をツモれば!)チャッ!

健夜「・・・・・」

健夜(ダメ…か…)タンッ…

健夜(ああもう!こうなったら手を崩してでも鳴いてズラす! 勇者… ロン牌か鳴ける牌を出しなさいっ!)ギンッ!


京太郎「……」チャッ…

京太郎(ん、七索か… どーだろコレ、あぶねーかもな…)チラァ…

京太郎(ふん…でも俺だって、今自分が何をすればいいかは分かるぜ…?)ニッ

京太郎(俺が今するべきことは、確実にテルさんに次のツモを回すこと…)

京太郎(ならば出す牌はこれだ! 絶対に和了られず鳴かれない牌!)パシッ、タンッ!


京太郎、健夜の和了り牌七索を掴むが、きっちり手牌に入れ、国士を崩して既に場に三枚切れている東を出すッ!


健夜「……!」


魔王これにて打つ手無し! 完全に沈黙…!!
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:40:33.75 ID:Vra5spBJ0

照「………」フー…


無事に自分のツモ番が回ってきた照は、一つ、大きく息を吐き、何かを思い出そうとするかのように静かに目をつぶった。


健夜「… 何してるの? 早くツモってよ…」

照「……魔王、お前は… この試合が始まる前に、確かこう言っていたな」

照「この世界は、魔族が支配するべきなんだと… 世界はその管理者を人間族から魔族へと変えようとしていて、それはこの世界の“意志”なんだと…」

健夜「…そうだね。 だから何…?」

照「ならば私は・・・」ググゥ…

照「そんな世界ごと改変し、くつがえすッ!!」ガッ!

健夜「!?」
357 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:42:31.59 ID:uv+Yx9WF0

テルが… 左手で卓の右端をつかみ、右腕を大きく後ろに振りかぶる“あの姿勢”を取るッ!!

そして…!


 グゴオオオオオオオオオオオオオォォォ―――――・・・ズバアァッ!!!


京太郎「うおっ!!?」

健夜「…!!」


猛烈な竜巻と稲妻をまとったその右腕が、牌を空中に弾き上げ・・・

タタタタッと小気味の良い音を立てながら倒されたテルの手牌の前に、回転しながら降り立った。


照「 ツ モ ォ ッ !!!」タァ――ンッ!!

照「リーチ・一発・ツモ・タンヤオ・ドラ1・・・・・!!」

照「満貫の三本場は4300オールだッ!!」クワッ!


照手牌:BCDEGGG234678 ツモ[B] (ドラ2)


テルの十八番・・・必殺・コークスクリューツモ、遂に炸裂ッ!!
358 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:43:49.64 ID:FWBdpUGJ0

桃子「や・・・・・」

桃子「やったっすうううううぅぅぅっっ!!!」=3

桃子「勝ったっす! 勝ったっすぅっ! 私たちが勝ったっすううぅっ!!」

憧「ああ・・・終わった・・・!!」ホッ

怜「まったく、ハラハラさせよって…」

憩「テルさん、京太郎クン…! ようがんばったでぇほんま…!」グシュ…


 ヤッタッスヤッタッスゥッ!! サスガハテルサンネ! マゾクドモニカンゼンショウリヤァ! ウウウウゥゥ…!!


歓喜の声を上げて、お互いに抱き合うパーティメンバー…

ここまでの厳しい旅と闘いの、全ての努力が報われた瞬間…!

全員、その瞳からは光るものが溢れ出て、その頬を濡らしていた。
359 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:45:26.79 ID:DLwiF8Rp0

京太郎(ああ・・・良かった・・・! 勝ててほんとに良かった・・・)ホッ…

京太郎(でも… これで… みんなと一緒に頑張ってきたこの旅も、終わりなんだな……)フウ…


安堵と共に、一抹の寂しさを感じる京太郎…

そして、その横では…


健夜「………」


魔王健夜が、ただただ茫然とした表情で、開かれたテルの手牌を見つめていた。


照「魔王… お前は確かに強かった…」スウゥ…

健夜「……」


立ち上がったテルが、静かに魔王に声をかける。


照「三尋木も本当に強かった… 単純な雀力なら、私はあなたにも三尋木にも全く及ばないだろう」

照「しかし、私たちには仲間としての絆があった…! それが、この試合の勝負の天秤を決定させたんだ」
360 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:47:13.12 ID:CEu1UgeM0

照「最初からずっと見ていたけど… あなたも三尋木も個々の力は極めて強いが、お互いに協力し合うということはほとんどなかった」

照「スタンドプレーに走ってしまったことが、あなたたち魔族の敗因だ」

健夜「……」


はやり「…い、言われてるよ? 咏ちゃん…」

咏「ち…痛いトコつくねぃw ま、確かに私の麻雀はコンビ打ちには不向きだわな… 知らんけど!」


照「しかし私たちは… 仲間のために、それぞれが最大限に努力をしたんだ」

照「園城寺さんは、相方の憩が和了れるように、未来視の能力を使って何度もフォローをした」


怜(ん…? なんや、そうハッキリ言われるとちょいこっぱずかしいなw///)


照「そして憩は、京太郎が振り込まないように身を挺して守りながらの超人的な打ち回しを見せた…」


憩(はは…w/// 言い過ぎやでテルさんw でもありがとなーぁ♪)


照「その思いに京太郎も応えて、一回のチャンスをモノにしてあの三倍満を和了った…」

照「そしてさっきも、京太郎は国士をテンパイすることであなたの四暗刻を潰した。 京太郎がフォローを入れてくれなかったら私はトバされてただろう…」


京太郎(い、いや、それは完全にマグレっすけどね?///)ナハハ…
361 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:49:40.62 ID:F+Zf0k000

照「そして、勝負には参加できなかったけど、東横さんと新子さんも常に私たちを励まし、精神的に支えてくれた」

照「私たち六人の、誰一人欠けてもあなたたちには勝てなかっただろう… つまり… これは、私たちの絆の勝利なんだっ!!」


桃子「はぁ…/// テルさんほんとにカッコイイっす! さすがは王女様っす…!」ポォー…

憧「うん、ちょっと抜けてるけどね…w やっぱり決める時はビシッと決めてくれるね!」

憧(テルさん、ありがとね… 最終決戦には参加できなかったけど、私とモモもこれで報われたよ…!)チラァ…


照手牌:BCDEGGG234678 ツモ[B]


魔道幻影に映るテルの最後の和了形…

ただのなんの変哲もないタンヤオ手だが、憧には、その牌の並びが、自分たちの絆の強さの象徴… ここまで助け合い、培ってきた友情の結晶のように感じられた… 


二回戦南一局三本場(終局・勇者チーム勝利)
 
東 照   13200
南   
西 健夜    700→−3600(トビ終了、戦闘不能)
北 京太郎 17400→13100
362 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/12(土) 19:51:26.37 ID:nwz/Ld5g0
今日はここまでなの
まだちょっとだけ続きます、また明日の夜に投下します

4割くらいの確率で魔族が勝つだろうと思ってたんだけど、思いの外余裕をもって勇者チームは勝利できました…

なんといっても荒川サンが、「和了れば常に満貫以上」というアドバンテージのある咏を完封したことが一番の勝因でしょうか
363 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/12(土) 19:54:20.74 ID:lTNyhOtA0
乙です
やっぱり冒険ファンタジーにはプリーストが不可欠
はっきりわかんだね

ただ今回の荒川さんは完全にパラディン
364 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:01:21.40 ID:hohkseyg0
乙あざす、またーり進めてくにょ

>>352一部訂正
×健夜(手牌に四枚揃えた時の暗槓は、鳴きの大明槓と違って、普通はチャンカンされることはない・・・)

○健夜(手牌に四枚揃えた時の暗槓は、加槓と違って、普通はチャンカンされることはない・・・)
365 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:03:23.62 ID:RcnW6n3y0

遂に決着!!

テルの怒涛の四連続和了により、魔族最後の砦だった大魔王コカジンも陥落…!

勇者チームVS魔族による“HP取り合い麻雀合戦”は、二回戦南一局にまで及ぶ激闘の末、勇者チームの勝利という形で幕を閉じた…


桃子「やったす! これで遂に魔王城攻略…! 私たちのミッションも完全クリアっす!」

憧「そうだね… 一時はどうなることかと思ったけど、勝ててほんとに良かった…」

怜「あの魔王とガチバトルやなくて麻雀勝負に持ち込めたんがよかったな。 東横の功績や」

桃子「そ、そんなことないっすよ!///」

憩「いや、モモちゃんの機転のおかげやでーぇ♪ そして、六人みんなでここまで頑張った結果やな!」


喜びに沸く勇者チームメンバー…

しかし、その陰では…


はやり「あーあ… やっぱり負けちぁったね…」ハヤヤァ…

良子「はい… さすがの健夜さんも、あそこからの逆転はハード過ぎましたね…」

理沙「惜しかった!!」プンスコ=3

咏「はは…w そーだねぃ、悔しいけど負けは負けだ。 認めるしかねーわな…」
366 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:04:23.46 ID:RcnW6n3y0

照「じゃあ・・・w」ジリィ…

健夜「…ん? な、何?」タジッ

照「勝負はついた。 サキの洗脳を解いてもらうこととか、色々やってもらいたいことはあるけど…」

照「まずは、罰ゲーム…なんだよね?w」ニタァ…

健夜「う…」
367 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:06:23.05 ID:NYY6AZMa0

照「三尋木も罰ゲームを受けたんだ。 当然、魔王もトンだら罰ゲームあるんだよね?」

健夜「……」

京太郎「いや…でもテルさん、罰ゲームとかもういいんじゃ…? 約束通りサキをちゃんと返してもらえれば…」 

照「ダメ。 京太郎はプーさんのハチミツよりも甘いね… ケジメはちゃんとつけるべき」

京太郎(プーさん…?)

健夜「ふん、言われなくても分かってるよ… “麻雀の勝敗は地球よりも重い”… この法則は誰であろうと絶対…!」ギラァ

健夜「勝負の結果を反故にするわけないでしょ…! 見せてあげるよ! 魔王の生き様!!」ポチィッ!


魔王健夜、咏と同じように雀卓の下の赤いボタンを押す! 


 ウィーン……ガシャァンッ!!


健夜「ん…!」


椅子の背もたれから伸びてきた“鋼鉄のベルト”が、健夜の華奢な体をきっちりとロックした。

そして…


 ニョロッ! ヌメヌメニョロロロロロオオォ…!


健夜「くぅ…! ん!?/// あんっ/// ちょ…!///」


椅子の下から湧き出てきた、緑色の半透明のゼリー状のモノが、アッという間に健夜の全身にまとわりつく…!


京太郎(ん…? 三尋木の時と同じ、スライムのくすぐり地獄か? ・・・おおっ!?///)
368 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:07:35.00 ID:NYY6AZMa0

 プシュウウウウウゥゥ〜〜〜・・・!!


健夜「あっ/// ちょ、ちょっと、やだぁ…!///」 

京太郎(こ、これは・・・!!)


京太郎瞠目…!

なんと… スライムにまとわりつかれた部分から、健夜のそのユニクロで買ってきたような服が融け始めたのである…!


照「京太郎、スライムにもいろいろ種類があってね…」スッ

京太郎「テルさん!?」

照「このスライムは通称“エロスライム”…! 毒性は無いけど、なぜか服だけ融かす特殊な粘液を分泌する…」

照「まとわりつかれたら最後、全裸にされるまで放れることはない…!」

京太郎(は…? まったく! なんでこんなエロ同人みたいな罰ゲームばかりなんだ…?)
369 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:08:58.60 ID:NYY6AZMa0

健夜「くぅ…!/// うううぅ…//////」


シャツとワンピースのスカートが完全に融け、白い下着姿になってしまった魔王健夜…

その下着もゆっくりと融けて、徐々に大事なトコロが露わになろうとしていた…

胴体だけでなく腕も椅子に抑えられているため、手で隠すことも出来ない!


京太郎(うおおおぉ…!/// こ、これはエロイッ! そ、それに、会った時からずっと思ってたけど、この魔王ってけっこーカワイイよなぁ…?)

京太郎(きゃ、華奢な体つきがそそる…!/// それに、腰つきとか、何気にけっこうレベルたけーぞこの魔王は…?///)ハアハアハア…

照「…? 京太郎、どうして前かがみになってるの?」

京太郎「えっ!? あ、いや、これは、べつに…///」モゾモゾ

照「…まさか、京太郎……」ジイィー…

京太郎「い、いや、俺は熟女とかキョーミありませんから!/// アラフォーの魔王なんて完全にストライクゾーン外れてますからっ!!///」






健夜「だから私はアラサーだってえぇっ!!」=3



こうして・・・俺たちは魔王を倒し、長かった冒険の旅も終わったのだった・・・
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:11:46.90 ID:NYY6AZMa0

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このあと、魔族たちは約束を守り、サキの洗脳を解いて返してくれた。

タ・コース王国王宮への帰り道で、お世話になった商人ちゃちゃのんさんのお店や、美月さんの洋菓子屋や、稲村旅館や、宇野沢さんのパンケーキ屋や、聖剣をくれた煌さんのいるシンドウジ村にも立ち寄った…

みんな、俺たちが魔王を倒したという報告をとても喜んでくれた。

稲村旅館でまた温泉に入った時に、脱衣所でテルさんがサキ姫のパンツを食べてるのが見つかって、ひと騒動あったりもしたけど、帰りの旅はおおむね順調だった…


ちなみに、情報通のちゃちゃのんさんが教えてくれたことなんだけど…

あの、魔王城で出会った謎の男… “ヘルカイザー”と名乗った俺にそっくりな男の正体は、“冥界大王ニーマン”の部下だろうということだった。

この世界では、魔族と人間族のほか、エルフ族や獣人族、そしてニーマンが支配する冥人族といった、さまざまな種族が混在している…

種族ごとに争いになることもあり、魔王コカジンと対立しているニーマンは、スパイとしてヘルカイザーを魔王城に送り込んでいたらしい…

ヘルカイザーが、俺たちを援助するような行動を取ったのも、きっと、俺たちが魔王を倒して魔族が弱体化するのを狙ってのことだったんだろう。


あと… 魔王も言ってたけど、人間族にも非がないわけではなく、魔族と見ると必要以上に敵視してやたらと攻撃する、というのは事実らしく…

テルさんは「サキを攫われたのは私たちにも非がある。これからは、魔族や他の種族とも、もっと仲良く、良好な関係を築いていかなければならない」と言っていた。

是非そうなって欲しいものだと、俺は思った…
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:13:17.63 ID:FzrNQn/60

そして… ついに、仲間たちとの別れの時がやってきた。


〜タ・コース王国王宮謁見の間〜


照「京太郎、本当にありがとう… あなたがいなければこの作戦は絶対に成功しなかった」

京太郎「いや、こちらこそありがとうございます… テルさん、立派な女王になって下さいね!」スッ

照「うん、もちろん…!」ギュッ


正装しているこの国の第一王女に向かって右手を差し出すと… テルさんは、温かく柔らかい手で握り返してくれた。


憩「お疲れ様でしたやでーぇ京太郎クン! ウチ、京太郎クンがあつぅ〜いキッスでウチを目覚めさせてくれたんは、一生忘れへんわぁ♪」

京太郎「だ、だから、アレは人工呼吸っていう心肺蘇生法で…///」


憩さん… あの魔王との最終決戦の一番の功労者…!

旅の中でも、一番明るく、俺たちを支えたパーティの精神的支柱とも言える人だった…
372 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:15:37.19 ID:dvEF8DdQ0

怜「まさか京太郎がリアース(裏大地)の人間やったとはなぁ…」

怜「楽しかったで京太郎。 向こうに帰ってもうちのこと忘れるんじゃないで!」スッ

京太郎「もちろんです…! 忘れたくても忘れられませんよw」ギュッ


怜さん… 正直、最後までよく分かんねー人だったけど、あなたが側にいると、なぜかいつも俺はほっと心が安らいだんだ…


桃子「京太郎! 私、今だから言うっすけど、最初会った時はあまり役に立たなそうなボンクラ勇者だなって思ってたんっすよ」

桃子「でも、全然そんなことなかったっす。 モンスターとのバトルでも活躍してたし、何よりあの三倍満はちょーカッコよかったっすよ!」

京太郎「はは…w 俺もモモを最初見た時は、あんなメチャクチャつえー奴だとは思わなかったよw」


モモ…! こいつがただ一人で魔王城に潜入し、あの魔界歴程を発見しなかったら、絶対に魔王には勝てなかった。


憧「きょ、京太郎… あんなに引きとめたのに…! どうしても帰っちゃうの…?」

京太郎「ああ、こっちの世界も楽しいけどさ、やっぱり、俺がいるべきは、生まれ故郷の元の世界だと思うんだよ…」

憧「……」グスン


憧… 初めに会った時は、なんか敵視されたけど… 結局は、一番俺の成長に手を貸してくれたのはこの憧だった。
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:18:00.50 ID:Gjg1Z6vO0

小蒔『それでは、リアースへと繋がる時空の扉を開きます』

小蒔『次元ゲートは、数秒たつとすぐに閉じてしまいますから、私が開いたらすぐに飛び込んで下さいね』

京太郎「は、はい…」ゴクッ


巫女服姿の女神…

あの治癒回復の神や能力付与の神を召喚する時にも現れた、“賢者の石”の神である…!


憧「あ、あの、女神様! ちょ、ちょっと待ってくれない?」

小蒔『? なんでしょう』

憧「あ、あのさ、えっとぉ・・・///」モジモジ

憧「京太郎… 良かったらさ、あなたの髪の毛・・・私にくれない?」

京太郎「髪の毛?」
374 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:19:55.93 ID:hPqQuS/l0

憧「あ、ご、ごめん/// 記念にとか思ったんだけど…キモかったよね/// い、今言ったこと、忘れて///」

京太郎「いや、別にいいぜ?髪くらい。 フケついてたらごめんな。 …いてっ」ブチッ

京太郎「これでいいか?」スッ

憧「あ、う、うん、ありがとう…///」


その金色の前髪を数本抜き、憧に手渡した京太郎…


桃子「あ、京太郎! その髪の毛、私も欲しいっす!」

京太郎「え?」

憩「ウチも京太郎クンの髪の毛欲しいなーぁ♪」

怜「ふん、うちももらっといてやるわ、京太郎」

照「京太郎、私にもちょうだい」

京太郎「あ、いや、ちょっと… は、ハサミもらえます?」
375 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:23:49.77 ID:8IQuFRjH0

結局… 別れの記念として、髪の毛を交換することになり… 俺は憧、モモ、憩さん、怜さん、テルさんそれぞれの髪の毛を3本ずつくらいもらってしまった…


怜「その髪の毛を、うちやと思って大事にするんやで」

照「食べてもいいよ、京太郎」

京太郎「た、食べませんよ…///」

憧「元気でね京太郎… 向こうでも、私のこと忘れないでね…!」グシュ…

憩「憧ちゃんあかんで! こーゆーときは笑顔で送ってやらなあかんわ」

憧「う、うん…」

桃子「そーゆー憩さんも、なんか、目が赤くないっすか?」

憩「え、ほんま? い、いや、これはさっき、ウチ目薬さしたから…///」


京太郎「………」

京太郎(みんな、ありがとな… 俺は、一生、あなたたちのことは忘れない!)
376 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:25:20.16 ID:1GgwIP2G0

小蒔『では、よろしいですね…? 次元ゲートを開きます。 時空を操る神クロノスよ…!』ゴゴゴォ…

小蒔『リアースへと繋がる扉を開けっ!!』カッ!


  ズモモモモモモオオオオオオオォォ……!!!


巫女服の神様が両手をかざすと、空中に円形の穴が開き… 何かモヤモヤした異次元空間が向こうに見えた。


照「さあ急いで京太郎」
怜「閉じたら帰れんで」
桃子「帰らなくてもいいっすよ!」
憩「元気でなーぁ!」
憧「さようなら京太郎!」


京太郎「みんな・・・あばよっ! 元気でな!!」バッ


俺は… 仲間たちの声に後ろ髪を引かれながらも、そのゲートの中に飛び込んだ……

377 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:27:07.09 ID:TARxoFIh0

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こうして… 俺の異世界での冒険は終わり、無事に元の世界へと戻ることができた…

妖精優希が言っていた通り、俺は病院で目を覚ました。

トラックに轢かれて大ケガをしていた俺の本体だったが、手術が成功し、生き返ることができたのだった…

咲や和に優希、染谷先輩や部長も、俺が命を取り留めたことを喜んでくれ、何度も病院に見舞いに来てくれたが… 俺は、異世界に行っていたことは誰にも話さなかった。

俺は一ヶ月ほどで退院し、麻雀部にも復帰できた…


そして、一年の月日が流れ… 俺は二年生になっていた。


〜インハイ会場・オーロラビジョン観戦会場〜


 ザワザワガヤガヤガヤ…  ワイワイガヤガヤ……
 

和「咲さん、そろそろですね…」

咲「うん、そうだね、男子個人戦準決勝…!」ゴクリ

まこ「いやぁまさか、京太郎が全国のセミファイナルまで残るとはのぅ…」

優希「私の犬の分際で生意気だじょ。 でもがんばれだじぇ!」モグモグ

久「ヤッホー♪ みんな、ひっさしぶりー♪」ヌッ

咲「部長!?」
378 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:29:09.09 ID:bwjmTo6a0

和「部長! 来たんですか…!」

久「こらこら、和も咲も、今の清澄部長はまこでしょ? 私はただのOGの竹井さんよ」

咲「あ、つい…/// でも、染谷部長は染谷部長って呼んでますから…」

まこ「久も来たんかい。 なんで連絡よこさんかったんじゃ」

久「ちょっとサプライズかまそうかと思ってねー♪」

優希「相変わらずだじぇ部長」ムグムグ
379 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:31:20.84 ID:C/+sBr2v0

久「それにしても驚いたわ… あの須賀くんが個人戦の準決勝の卓に残ってるんだって?」

まこ「そうじゃ。 久が引退してから、メキメキ力をつけてきよってのう…」

久「何よそれ、まるで私の指導の仕方がまずかったみたいじゃない」

まこ「そうは言うとらん」


 オマタセシマシタァ!  ダンシコジンセンジュンケッショウダイニシアイ!  イヨイヨスタァートデスッ!!  ワアアアアアアアアァァ……!!


和「あ、始まりますよ咲さん!」

咲「う、うん…!」

咲(が、がんばってね! 京ちゃん…!)ドキドキ
380 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:33:18.25 ID:tT3JiXfn0

 ツモォ!  リーチイッパツツモ・タンピンイーペーコードラ2!  バイマンダァッ!!


まこ「うっほ…! トンパツで親倍和了りよった!」

咲「す、凄い…! まるで優希ちゃんみたいだねっ!」

優希「ふん… 私ならあそこで天和を和了ってるじぇ」モグモグ

和「しかし、咲さん、私、思うのですが…」

咲「ん? 何、和ちゃん」

和「須賀くんは… あの事故があって以来、人が変わったように強くなったような気がするのですが…」

咲「…うん、確かに、そうだね…」

優希「トラックにぶつかった衝撃で脳がぶっこわれ、かえってチートな異能に目覚めたか、京太郎よ…!」

和「優希、そういう言い方はちょっと不謹慎ですよ…」

咲(…でも、ほんとに、あの事故の時に京ちゃんに何かあったのかな…?)


照「やあ、咲、ここにいたのか」スッ
381 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:35:03.34 ID:Htm6j5uY0

背後から現れたのは、私服姿、大学生の宮永照だった。


咲「お姉ちゃん!?」

和「お義姉さん…」

優希「おおぅ、元インハイチャンプ…!」

咲「お姉ちゃんも、来てたんだ… 連絡してくれれば良かったのに」

照「だって、咲、未だに携帯持ってないから、連絡できなくて…」

咲「あ、そ、そうだね…///」

照「淡たちの応援に来てたんだけどね。 京ちゃんが頑張ってるから、ここに来れば咲がいるかなと思って」
382 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:36:24.95 ID:INuQIT4+0

 リーチダァッ!  ドオッ!


照「凄い、強いね京ちゃん…」

咲「うん、一年くらい前からどんどん強くなったんだよ」

照「………」

照(京ちゃんとは、子どもの頃、咲と一緒に三人で遊んだことがある…)

照(でも関わりがあるのはそれくらい。 中学生になってからの京ちゃんはほとんど知らない)

照(それなのに・・・)

照(なんでだろう。 わりと最近… あの京ちゃんと一緒に過ごしていたような気がする…)

照(デジャビュってやつかな…? いや、ちょっと違うか…)
383 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:38:52.55 ID:INuQIT4+0

同時刻・三箇牧高校控え室


 スサマジイツヨサダキヨスミコウコウスガキョウタロオォッ!  トンデモナイシンジンガアラワレマシタネ…


憩「……」ジイィー…

モブ子「ん…? どうしたん憩、男子の試合なんかにそんなに見入っちゃって…」

憩「あ・・・うん」

モブ子「…上の空? 明日は憩の個人戦でしょ。 調整とかせんでええんか?」

憩「ん…うん、ありがとう、大丈夫や…」

憩「なんかこの試合気になるんや。 これ見てからやるから平気やでーぇ♪」

憩(…なんやろなぁ、あの金髪の子… 会ったことないと思うんやけど…)

憩(なんか… どこかで一緒に過ごしたことがあるような気がするんよねーぇ…?)
384 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:40:37.72 ID:INuQIT4+0

千里山大学女子寮


 ポン!  チー!  オオオォスガセンシュコンドハハヤジカケダァッ!!


竜華「トキィー、ちょっと起きてみ! テレビでインハイやっとんでー♪」ユサユサ

怜「ん〜〜? って・・・男子やんかこの試合・・・」ゴロゴロ

竜華「男子もけっこー面白いで? 特にこの清澄の二年生がなかなかなんや」

怜「ん・・・!?」

怜(…なんや? なんやこのカンジ… うち、初めて見るよなこいつ…?)

怜(なんでやろ、どこかで会ったことあるような…)

怜(いや会うたことあるどころやない。 何か、お互いに命を預け合って闘ったことがあるような…)

怜(異世界で一緒に冒険でもしたんやろか。 はは、何考えとるんやうちは…w)
385 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:42:20.51 ID:II75c/pI0

東京門前仲町・蒲原智美祖母家


睦月「いや、まさか、卒業してからもここを使わせてもらえるとは思いませんでした…」

佳織「ほんとにありがとうね智美ちゃん、すごく助かるよ…」

智美「かわいい後輩たちのためだからなー、全然構わないぞー」ワハハ

ゆみ「済まないな蒲原… 私まで世話になってしまって」

桃子「むふふ… 今日から7日間! 24時間ずっと一緒っすね! 先輩!」

ゆみ「それはお前たちが決勝まで残ったらの話だろう…」


昨年度の清澄や福路美穂子の大活躍などもあって、長野県は個人戦出場枠が三名から五名に増え…

なんと佳織とモモが4位5位に滑り込み、全国出場を果たしていたのだった…!
386 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:43:27.07 ID:tRDHfDKl0

 ツモォッ!  キイイイイイマッタアアァッ!! キヨスミコウコウスガキョウタロウセンシュ、ケッショウシンシュツダアアァーッ!!


桃子「あ、こーこちゃんの声っす♪」

佳織「男子の個人戦やってるみたいだね」

ゆみ「どうやら… 清澄の二年生が決勝に進出したらしいな」


 ヒトコトオネガイシマススガセンシュ!  イヤァ、タマタマッスヨ、ハハハ…w


桃子「…ん?!」ビリッ!


テレビ画面に映し出された、その金髪の男を見た途端、モモの背筋に電流走る…!


桃子(な…なんっすかこのカンジ…? わ、私、この人、初めて見るっすよね…?)

桃子(ま、まさか、これが、ひとめぼれとかそーゆー…? い、いや、何言ってるっすか! 私はいつまでも先輩一筋っすよ!)=3
387 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:45:07.31 ID:VBwzkRWz0

翌日

インハイ会場近隣宿泊施設


 サアアアァッ! イヨイヨサイキョウノコウコウセイガキマリマス!! ダンシコジンセンケッショウセンンンッ!!!


憧「………」ジイィー…

穏乃「おーい憧! いつまでテレビ見てんだ! そろそろ会場入りの準備するぞ!」

憧「あ…うん… おわっ? もうこんな時間?」

灼「憧はシャワー浴びるんでしょ… 早くして」

憧「ごめんごめん、今日抽選だよね。 マッハで準備するから」


監督の晴絵が抜けた阿知賀女子だったが、なんと松実宥抜きでも晩成を倒し… 二年連続団体戦出場を果たし、東京に来ていた。
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:46:43.64 ID:Dqe/985T0

玄「憧ちゃん、昨日も男子の試合見てたよね。 誰か気になる選手でもいるの?」

憧「ん…? いや、まあ、清澄の選手が頑張ってんだよね…」

穏乃「清澄? あそこ男子もいるんだ」

灼「私見たことある。 マネージャーだと思ってたけど…」

憧「………」

憧(なんだろうなぁ… 私は、男子部員のことは和からちょっと聞いたことあるけど…)

憧(初めて見るよね…? でも、なんでこんなに気になるんだろう…? この須賀京太郎…!)
389 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:48:26.75 ID:gbh1CwBy0

インハイ会場


恒子『さあああああぁいよいよ始まるぞ高校生麻雀選手権・男子個人決勝戦ンンッ!!』

恒子『みんなトイレは済ませたかなァ? ここからは瞬き厳禁の超ハイスピードな闘いだァ! 見逃すなよォ!!』

健夜『ハイスピードって… 100m競争じゃあるまいし、ゆっくり観戦してもらえばいいじゃん…』

恒子『おっとすこやん! どーですか? 今年の男子個人決勝卓のメンツは!!』

健夜『そうですね… 四人ともそれぞれ強烈な個性をもった実力者たちだと思いますが…』

健夜『私が一番注目しているのは清澄高校の二年生、須賀京太郎選手ですね』

恒子『ほほう! 清澄といえば去年の女子の団体戦準優勝校! あそこ男子もいたんだ!』

健夜『し、失礼だよそれ、こーこちゃん…』

健夜『須賀選手は去年は予選で敗退してるけど、ここ最近で急激に力をつけたみたいですね』

健夜『彼の打ち筋にはどこか“華”があります。 この決勝卓でも、観る者を魅了する麻雀を見せてくれると思います』

恒子『なるほどぉ! では、いよいよ選手の入場だァ!!』
390 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:50:47.26 ID:/0WCeI6i0

京太郎「………」カツ、カツ、カツ…

京太郎「……」ガチャッ…

京太郎「…うっお、ひろぉ…! さすがは決勝戦の部屋… 天井たけぇ…」キョロキョロ

京太郎「準決勝の時よりさらに広いな。 いつも思うけど、麻雀するのにこの空間は広すぎ・・・ん?!」ゾクッ


部屋の奥、円形の闘牌ステージの上には、既に対戦相手の3人が揃っていた。


坊や哲「おう来たな… さあ、打(ぶ)とうぜ…!」ズモモオォ…!

傀「傀… 人に鬼と書いて傀(かい)と読みます。よろしく…」ククク…!

アカギ「ククク…w 狂気の沙汰ほど面白い…!w」ゴゴゴォ…!
391 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:53:40.87 ID:YVd902/u0

京太郎(うおおぉ…! さすがは全国一の高校生を決める卓… 3人ともオーラがハンパねぇ…!)

京太郎(ふう… 一年前、異世界で経験した魔界麻雀を思い出すな…!)ギュ…!


京太郎は、胸の前、学生服の第二ボタンのあたりを右手でおさえた。

その下には… お守りがあり、中には、異世界で一緒に闘った仲間たち… テル、憩、憧、怜、モモの五人の髪が入っている…!


京太郎(…俺は、あの異世界冒険から帰ってきてから、何か超常の力が身につき、急に麻雀が強くなった…)

京太郎(でもそれは、俺自身が変わったんじゃなくって、この、肌身離さず持ってるお守りが俺に力を与えてくれてるからかもしれねー…)


次元の異なる異世界に、今もいるであろう仲間たち… その一人一人の顔を思い出す…!


京太郎(さあみんな、行くぜ…? また、俺と一緒に闘ってくれるよなっ!)


京太郎「リーチだッ!!」ドォッ!

392 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:55:26.54 ID:fpwAJ6VB0






京太郎「・・・・・ん?」パチッ

京太郎「・・あれ? ここ… どこだ?」キョロキョロ


目を覚ました京太郎は辺りを見回した…

レンガ造りの家々… どこか中世世界を思わせる街並みが広がっている。


京太郎「…?? おいおい… このヨーロッパみたいな風景って、もしかして……?」

優希「ククク…ww 京太郎よ、おぬしは異世界に転生してきたんだじぇ…ww」ズモモォ…

京太郎「なっ!?」
393 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:57:28.71 ID:JiXRHwfQ0

妖精ティンカーベルのような姿の、羽を生やした優希登場!


京太郎「ど、どーゆーワケだよ! なんでまたお前が出てくんだ!?」

優希「ん…? なんでって、おぬしはインハイの決勝卓で無様にトバされて、そのまま心臓発作で倒れたからだじぇw」

京太郎「な、なにぃ・・・??」

優希「良いか京太郎! 心して聞け! おぬしが元の世界に戻るには、この異世界で勇者となって魔王を倒し、さらわれたサキ姫を…」


京太郎「もうやだよっっ!!!」=3



カン!

394 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [saga]:2019/01/13(日) 19:58:34.29 ID:5hNzmtqE0
これで京ちゃんクエストは完結ですのだ

安価やコンマに参加下さった方々、読んでくれた人たち、ありがとうございました!

咲スレもっと増えろー!
395 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/14(月) 00:07:23.95 ID:gB4I/PKC0
乙でしたー
完走大感謝
396 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/14(月) 11:22:20.36 ID:uuH42cYg0
完走乙でした!楽しかった!!
397 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/14(月) 18:15:56.21 ID:YuLRqDly0
完走乙です!
昨日このスレを知ったけど面白すぎて一気読みしちゃいました!
次回作も楽しみにしてます〜!
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/01/14(月) 18:48:04.39 ID:pOfR6636O
完走乙です
敢えて挙げるならば幾らお友達勢相手とはいえ
ヒロインの加護貰ってるんだし善戦したが敗退から
階段転落……とかの方が良かったかも
とにかく描写が丁寧で全編読みやすかった
次回作も期待しとます
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/07(金) 09:51:41.33 ID:ixG99qjT0
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