【友人帳×ガルパン】夏目貴志「鈴木貴子、名を返そう」

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39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:52:26.91 ID:HVrxYKJ/0
審判「これより熊本県大会一回戦第三試合、黒森峰女学院対古内高等学校の試合を始めます」

審判「一同、礼!」

「「よろしくお願いします」」




審判「試合はじめ!!」

 ルノーFT-17 ドドドドドー

久子「ちょっと夏目さん、味方から離れすぎよ!」

レイコ「こんなボロ戦車じゃ足手まといになるだけよ、私達は偵察に徹するわ!」

久子「へぇ、以外に協調性があるのね」

レイコ「言ったでしょ、勝つためよ」

レイコ(戦車のボロさもそうだけど問題は久子に違和感を感づかれない事なのよね)

―――――

―――



貴子「賭けはいいとして何を以って勝敗とする?」

レイコ「うーん、隊としての勝負は流石に勝てそうもないし・・・」

レイコ「そうね、乗車が先に撃破された方の負けでどうかしら?コレなら明確に勝負がつくしあなたにアドバンテージがあるわ」

貴子「私はフラッグの装填手なんだが?」

レイコ「それはそっちでなんとかして、まさか隊の一番奥で引きこもるなんて真似しないわよね?」



―――

―――――

V号装填手「貴子、どこに向かう?」

貴子(車長)「F・7地点に進路を、本隊より先行して偵察に向かうわ」

V号操縦手「了解」

V号砲手「威力偵察で撃破してもいいのよね?」ウズウズ

 V号戦車 ドドドドドー

貴子(妖力で隊員全員に私とV号車長が入れ替わるのとV号の独立行動を不審に思わない暗示をかけた)

貴子(皆すまない、だが今回だけだ)ギリッ

 V号戦車 ドドドドー

低級達「うわーー!」「ひえーー!」

カエル ゲコゲコ

一つ目「お助けー!」アタフタ

牛頭「お助け、お助け!」アタフタ

貴子(どこだ夏目レイコ!どこにいる!!)

 V号戦車 ドドドドー
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:53:10.43 ID:HVrxYKJ/0
 ルノーFT-17 ギギーッ停車 

久子「ちょっと夏目さん、偵察とか言ってどうして試合場の端にきてるのよ?」

レイコ「前に出るだけが偵察じゃないわ、ふむ、この木でいいかな」

久子「木登りなんて危ないわ!」

レイコ「いいから久子は隊長との通信をしてて」ヨジヨジ
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:54:23.86 ID:HVrxYKJ/0
レイコ(樹上)「向こうで土煙上げて走ってるのウチの隊よね?あれじゃ相手に居場所を教えてるようなものよ」ユビサシ

久子「ちゃんと方位と距離を言いなさい!確かに本隊はJ・23を移動中と言ってるわ」地図ペラリ

レイコ(離れて1両で暴走してる敵戦車、アイツね)

レイコ「久子、隊長に伝えて、敵本隊がまっすぐ森の中をそっちに向かってるって」

久子「森の中にいるってなぜわかるの?」

レイコ「何の音も聞こえないのに森から鳥が次々と飛び立ってるのが見えるわ」

久子「なるほど富士川の戦いね、わかったわ」

久子「歴史の勉強が戦車道の役に立つとわね」

レイコ(本当は飛べる低級妖怪が逃げ回ってるのが見えるのよね)
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:55:44.48 ID:HVrxYKJ/0
〜古内高視点〜

隊長「笹田、聞いての通りよ」

笹田「森の中を隊列崩さず移動なんてやっぱ練度が違うよなあ」

隊長「ここは夏目さんの好意を素直に受けましょう」

笹田「何か思いついた?」

隊長「今向かっている丘の先、相手が森から抜ける辺りにいい感じに起伏があるわ」

隊長「あなたの快速戦車隊が稜線を超えた所で遭遇戦で奇襲を受けた形で混乱を装って東の狭隘地に逃げる」

笹田「なるほど、私が追ってくる敵にフタをして閉じ込めて背後から隊長の本隊が稜線を盾にして狙撃するって寸法だな」

隊長「鎚と金床戦術のアレンジよ、各車タイミングを間違えないでね」

笹田「野郎ども!派手に土煙上げて付いて来い!!」

笹田「この丘を越えたら砲撃が来るぞ、奇襲を受けて派手に逃げ回るフリをしろ、小隊全速!!」

快速戦車小隊「「おおーーー!!」」
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:56:37.64 ID:HVrxYKJ/0
 ドカーン ズドーン ダーン ドゴーン

レイコ「あ、味方1両やられたわ」

久子「なんで黒森峰相手に正面からあたってるのよ!」

レイコ「副隊長、煙幕焚いて川沿いにこっちに来てる」

レイコ「なるほどね隊長さんの考えがわかったわ、久子私達も行くわよ!」

久子「勝手に仕切らないで、車長は私よ!」
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:57:54.07 ID:HVrxYKJ/0
久子「隊長車からの通信で作戦は理解したわ、私達は副隊長に合流するわよ」

レイコ「冗談じゃないわ、崖とに挟まれた川沿いに敵味方が集まってるのよ」

レイコ「せっかくだから一番美味しいところをいただくわ」

久子「勝手な事しないで!」

レイコ「試合に勝てば2回戦に進めて先輩達ともう少し戦車道続けられるわよ?」

レイコ「どうせならカッコイイ所を見せたいでしょ?」

久子「・・・作戦を説明して」
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 21:59:02.59 ID:HVrxYKJ/0
笹田「黒森のクマさん達しっかり付いて来てくれてるな?」

通信手「フラッグ込みで9両、もう1両は見当違いな所で偵察してると久子が言ってる」

笹田「よし小隊各車榴弾装填、2時方向の崖に発砲!落石に巻き込まれるなよ」

 ズガガガーン

 崖壁ドカーン グラララッ ズシーン

笹田「全車反転!落石を防塁にして反撃、ここで足止めする!」

笹田「流石に正面装甲を抜くのは難しい、強行突破を図ろうとして近づいてくる奴に集中砲火だ!!」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:00:22.61 ID:HVrxYKJ/0
隊長「笹田達がやってくれたわ、全車落ち着いて狙って」ダーン

本隊車長A「こりゃいいや、静止目標狙い放題だ!」ズガーン

本隊車長B「よしっ、ヤークトパンター撃破!!」ダーン

本隊車長C「ラング撃破!これもしかしてイケるんじゃないの?」ズドーン

隊長「相手の1両が瓦礫を登ってるわ、全車で砲塔上面装甲を狙って!」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:01:44.35 ID:HVrxYKJ/0
笹田隊車長A「重戦車とはいえ1両で私らとヤろうってか?」

笹田隊車長B「舐めやがって!」

笹田隊車長C「奴っこさんにしてみればそれでもお釣りが出るんでしょ?」

笹田「全車一旦砲撃止め、登り切るその一瞬にどてっ腹に喰らわせてやれ!」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:02:58.53 ID:HVrxYKJ/0
本隊車長A「やった!キングタイガーを仕留めた!!」

隊長「この試合の黒森峰最大戦力を削いだわ!」

本隊車長B「残りの奴ら味方の残骸を盾にしてる!」

本隊車長C「あいつら士気が折れてんじゃないのか?」

本隊車長A「勝てる、あの黒森峰に勝てる!」

隊長「全車突撃!!笹田にも伝えて」

通信手「了解」

隊長「長引けば戦術の引き出しが少ないこちらが不利、このまま勝負をつけるわよ!」

全員「「おおーー!!」」
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:05:06.57 ID:HVrxYKJ/0
〜黒森峰視点〜

審判「試合はじめ!!」

西住(ティーガーT)「七瀬、この試合あなたが指揮を執りなさい」

七瀬(ティーガーU)「隊長自ら全力で当たると相手校の隊長におっしゃったではありませんか?」

西住「復唱なさい、この試合をあなたの次期隊長候補としての判断材料にします」

七瀬「了解!指揮権を受領します」(ここで手柄を立てれば私が上席副隊長、祓い屋なんて浅ましい家業から抜け出して戦車道で身を立てるんだ!)

赤星(パンター)「七瀬に任せてよろしいのですか?ティーガーUを与えるのも意外でしたが」

西住「七瀬は能力的には問題はありません、が」

赤星「西住門下ではない、と」

西住「七瀬が失敗すればそれまでの事、勝利してもこの試合の反省点を示して彼女には降格処分を下します」

西住「これからの黒森峰は西住流傘下に組み入れます、異物は不要よ」

赤星「ティーガーUは餞別ですか」クスッ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:06:34.14 ID:HVrxYKJ/0
七瀬「全車隊列を維持して森に侵入、中心部に差し掛かったら停止、エンジンも切って!」

七瀬「・・・」 ドドドドドドー

七瀬(この音の方向、相手は定石通り東の丘陵地を押さえるつもりね)地図ペラリ ウワー ギエー

七瀬(それにしても逃げ惑う小妖共が鬱陶しいわね)ヒエー ヒャー

七瀬「全車11時方向に転進、のち散開!」

七瀬「敵を視認したら任意に発砲、ここで終わらせます」

西住(練度の高さに裏打ちされた作戦、県予選一回戦の弱小校相手には十分ね)

赤星(これは非を咎めるにも言いがかりレベルのアラ探しになるかもな)
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:07:36.39 ID:HVrxYKJ/0
七瀬「私の小隊が左翼、赤星は右をお願い」

赤星「了解」(フン、今の内にはしゃいでろ)

西住「私はどうすればいいのかしら?」

七瀬「隊長の手を煩わせるまでもありません、後衛で督戦を」(今日の隊長、いつになく穏やかね?)

西住「わかったわ、流れ弾に当たってもつまらないしね」

七瀬小隊ラング車長「正面、敵視認!」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:08:56.00 ID:HVrxYKJ/0
 ドカーン ズドーン ダーン ドゴーン

七瀬小隊ラング車長「一両撃破!」

七瀬小隊ヤークトパンター車長「敵、東に進路を変えてます」

 プシュー プシュー プシュシュー

七瀬「煙幕?小賢しいわね、潰走の苦し紛れね」

七瀬「全車追撃戦に移行、確実に仕留めて!」

西住(七瀬、こんな見え透いた策にかかるなんて)

西住(次期隊長職に目が眩んで判断をを誤ったわね)ハッチパカッ

西住(赤星、あなたの小隊が前に出なさい)サッササッ ハンドサイン

赤星(了解)サッササッ ハンドサイン
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:10:21.09 ID:HVrxYKJ/0
七瀬「赤星退がって、ここから先は私の小隊だけで十分よ」

赤星「そうは言っても川と崖に挟まれて今更どうにもならん」

赤星「お前だって私の小隊の後ろについている隊長を押しのけるわけにもいかないだろ?」

赤星「今はせめて掃討戦でスコアを稼がせてくれ『次期隊長』殿」

七瀬(赤星・・・私を認めたってこと!?)

ドカーン ヤークトパンター 白旗シュポッ(七瀬小隊)

七瀬「何っ!後ろから!?」

ドカーン ラング 白旗シュポッ(七瀬小隊)

七瀬「6、7号車回頭、私達もよ、急いで!」

6号車ラング車長「拒否します、命令は赤星小隊長を通してください」

七瀬「今はそんな事を言っている場合じゃないでしょ!!」

ドカーン パンター 白旗シュポッ(七瀬小隊)



西住「七瀬、ここまでね」
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:12:29.16 ID:HVrxYKJ/0
西住「これより私が指揮を執ります、七瀬、いいわね?」

七瀬「隊長・・・後ろの敵に気付いていたんですか?」

西住「返答なさい」

七瀬「・・・指揮権を隊長にお返しします」ギリッ

西住「ティーガーUは回頭を中止して正面の敵軽戦車集団を“近接攻撃”なさい」

西住「ただし榴弾の使用は不可とします」

逸見(ティーガーU通信手)「瓦礫をよじ登れと言うんですか!?そんなことをすれば車体底面と上面装甲を一度に晒す事になります!!」※イメージキャラ 小梅

七瀬「・・・やめなさい」

逸見「でもっ」

赤星「隊長が西住門下でないお前等にティーガーUを任せた意味、わかるな?」フフン

逸見「こんな作戦に従えるわけないじゃない!」

七瀬「試合中の故意による命令無視、最悪停学もありえるわ・・・」

七瀬「命令よ、みんな、いいわね?」

ティーガーU乗員「・・・」ワナワナ

七瀬「ティーガーU前進します」
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:13:56.54 ID:HVrxYKJ/0
 ドカーン ズドーン ダーン

西住「赤星、七瀬が相手の注意を引いている間に回頭、敵本隊に気取られないように」

赤星「了解、敵フラッグは後ろにいると?」

西住「甲目標は重戦車、前にいれば追撃中に追いついているわ」

赤星「確かに」

赤星「小隊各車へ、七瀬に道を開けてやれ」ニヤニヤ

 ティーガーU キュラキュラキュラ

赤星「七瀬がやられたら敵は勢いづいて攻勢にでてくる」

赤星「逆に待ち伏せしてのこのこ出てきた所を一気に叩く、西住門下の腕の見せ所だ!!」
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:16:44.35 ID:HVrxYKJ/0
ズドーン ダーン ドーン

 ティーガーU白旗シュポッ

西住「フラッグはこのまま正面軽戦車を牽制」

西住「赤星隊に本隊を襲われて支援に駆けつけるであろう車両を確実に撃破なさい」

操縦手「挟み撃ちは裏返せば戦力分散だという事が分かってないみたいね」ニヤニヤ

通信手「西住流相手に練度の低さを策で補おうなんて身の程知らずな」ニヤニヤ

装填手「自分達で作った瓦礫の盾に動きが制限されるなんて間抜けもいいところ」ニヤニヤ

砲手「あんな豆戦車じゃ訓練にもならないわ」ニヤニヤ

カツン コツン コン カン

西住(落石?)ハッチパカッ

 ルノーFT-17(崖の上)

西住(敵戦車!!?)

西住(迎撃!いや仰角が取れない!)

西住(赤星は間に合わない!)

西住(回避行動!いえ前は敵、後ろは味方、左右は崖と川、それ以前に相手の射角から逃げようがない!)

西住(負ける?)

西住(私が?)

西住(一回戦で?)

西住(こんな相手に?)
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/09(水) 22:18:10.21 ID:HVrxYKJ/0
レイコ「迂回して崖の上に出たらまさか相手フラッグの真上とはね、ツイてるわ」

久子「何を言ってるの?これじゃ俯角が取れないわ!」

レイコ「俯角?敵は下にいるんじゃない、真正面よ!」

久子「それって・・・」サー

レイコ「一ノ谷、鵯越の逆落としよ!」

久子「イヤーー!!」

レイコ「怖いなら引き金に指だけ掛けて目を閉じてて!」

レイコ「私が車体操作で照準をつけるから合図で発砲!いいわね?」

久子「う、うん」ビクビク

レイコ「返事は“はいっ”」

久子「はいぃぃ!!」ビクビク

レイコ「あの顔!キューポラから出てるのは間違いなく西住流!」ニタァ

 ルノーFT-17 ドドドドドドー 崖下り

レイコ「今よ!!」

 ドォーン



ドガーン 白旗シュポッ
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:15:59.93 ID:5gNMSkYm0
――試合後――

貴子 パシーン (平手打ちされる)

西住「貴子、何故私に殴られたか、解かるわね?」

貴子「V号の行動が本隊との連携から外れていたからです」ヒリヒリ

西住「分かっているならばよろしい」

赤星「手柄を立てただなんて考えるなよ?西住門下生ならば当然の行動だ」

赤星「そもそもお前がアレを抑えていればこの危機を招く事は無かったんだからな」フン

貴子「承知しております」
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:17:25.19 ID:5gNMSkYm0
西住「七瀬、あなたは副隊長の任を解きます」

西住「あのような無様な試合、黒森峰の名に泥を塗るものと心得なさい」

西住「いい機会だからあらためて言います、西住流は勝利を尊ぶ流派」

西住「失敗は無論のこと負けてなお良い試合だったなどという惰弱な考えは一切棄てなさい」

西住「私は母様、お祖母様とは違うと心得なさい」

赤星「西住門下たる者、我ら全員覚悟は出来ています!」

赤星「将来我が娘、孫が西住流として戦車に乗るのならば勝利の為の礎にしてくれて構いません!」(まあ戦車に乗ってれば安全だからな)

西住「二回戦以降の編成は西住門下生のみで組みます、他の者には整備を命じます」

赤星「これよりデブリーフィングを始める」

赤星「七瀬、お前たちは撤収の準備だ」ニヤニヤ

七瀬「・・・」ギリッ
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:19:35.30 ID:5gNMSkYm0
−整備中−

七瀬「やめてやる!なにが実力主義の黒森峰よ!」

七瀬「結局組織である以上中枢は縁故で固められるだけじゃない!!」

七瀬「皆はどうする?」

「いまさら辞められないし・・」「機甲科から外れれば成績のことも・・」

逸見「私も続けるわ、西住流にも入門する」

七瀬「入門!?あそこまでされて悔しくないの?」

逸見「ええ、はらわた煮えくり返るほど悔しいわね」

七瀬「ならなんで?」

逸見「さっきの赤星じゃないけどもし私の子や孫が戦車道をやるのならその布石になれればいいわ」

逸見「何十年先にでも西住流の幹部になることができれば、それが私の復讐よ」

七瀬「ずいぶんと迂遠な事を考えるのね」

七瀬「でも西住に与するのなら絶交よ、学園ですれ違っても話しかけないでね」

逸見「わかったわ」

七瀬(やっぱり祓い屋を継ぐしかないのね、父さんは的場一門の中堅幹部、なら私はそこでのし上がってみせる!)
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:20:37.53 ID:5gNMSkYm0
貴子「来たか」

レイコ「おまたせ」

貴子「試合は我々の勝ちだが約束は約束だ、人になりすましている理由を話すし名も渡そう」



〜試合中 V号車内〜

通信手「貴子、本隊が戦闘に入ってるけど私達こんな所にいていいの?」

貴子「はっ!?」(しまった、まんまと口車に乗せられた、試合に負ければそのまま賭けも負けになる)

貴子「戦闘域に向かって!全速!!」

操縦手「わっかた」
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:21:45.49 ID:5gNMSkYm0
貴子「状況は?」

通信手「挟み撃ちにされてる、かなりヤバイかも」

貴子「・・・」地図ペラリ

砲手「敵フラッグはどちらにいるか、ね」地図覗き

貴子「山を張るのは危険と考える」

貴子「迂回して崖の上から隊長の直援にはいる」

操縦手「了解、飛ばすぞ!」
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:23:49.37 ID:5gNMSkYm0
 〜崖の上〜

操縦手「敵発見、安全策がドンピシャだ」

砲手「撃ちます!!」

貴子「ダメだ、行進間射撃なんてそうそう当たらない」

操縦手「停止する」

装填手「ちょっと待って、あいつ崖を降ろうとしてない?」

通信手「こんな切り立った崖を?どういう事!?」

貴子「・・・はっ!!」

貴子「奴の砲口の先に隊長がいるって事だ!」

貴子「停止せずこのまま降る、フラッグの盾になるぞ!」

操縦手「あいよっ、皆しっかり何かに掴まってろ!!」

 V号戦車 ドドドドドドー崖下り

 ルノーFT-17 ドォーン

ドカーン V号戦車白旗シュポッ
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 20:26:10.88 ID:5gNMSkYm0
レイコ「まあ理由は別にいいかな、あそこで私達を狙うより隊長を守るとはね」

レイコ「あの後すぐにコッチのフラッグがやられちゃったし」

レイコ「あんな戦い方をする妖怪が人に危害を加えるとは考えられないわね」

貴子「信じてくれるんだな」

レイコ「ええ、あ、でも名前は貰うわよ、あなたの言うように約束は約束よ」

貴子「ああ、あの豪胆さは流石だった、お前にならそれもよかろう」カキカキ

  ┌─┐
  |鈴|
  |木|
  |貴|
  |子|
  └─┘

レイコ「確かに名前を頂いたわ、これであなたは私の子分よ」

貴子「ああ、呼ばれたらいつでも駆けつけよう」
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:07:16.42 ID:5gNMSkYm0
貴子「!?」グニャア

レイコ「どうしたの?体の形がなにか変よ!?」

貴子「このヒトの姿は依り代の人形に憑依した物、名を渡したせいで維持できなくなったというのか!?」

貴子「お願いだレイコ、やはり名を返してくれ!」

レイコ「うーん、どうしよっかな〜」

貴子「頼む!!」アタマサゲ

レイコ「そうだ!」ピコーン
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:08:50.67 ID:5gNMSkYm0
 カバンの中をガサゴソ

レイコ「あった、久子が訓練の合間に勉強教えるって教科書持たされてたのよね」つ世界史B

レイコ「私がパラパラっとめくるからあなたは目を閉じて指で抑える、いいわね?」

貴子「無茶苦茶だ!!」

レイコ「人の姿がいらないのなら私はそれでもいいのよ?」

貴子「くっ・・・」

 パララララ ビシッ

レイコ「えっと、古代ローマのくだりね、あなたの名前は今からカエサルよ」

貴子「」

貴子「・・・」

カエサル「わが名はカエサル、ローマの魂を受け継ぐ者!!」ストール ファサッ

レイコ「あはははは」ユビサシ

カエサル「何が可笑しい!」

レイコ「いえ、ごめんなさいね、名は体を表すとはよく言ったものだなーって」クスクス

レイコ「じゃあ私は帰るからこれからも戦車道がんばってね」ノシ
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:11:56.18 ID:5gNMSkYm0
久子「いたいた、探したわよ夏目さん」

久子「今の相手校の隊員みたいだったけど何を話してたの?」

レイコ「内緒」

久子「まあいいわ、さっき黒森峰隊長が直々に挨拶しに来たんだんだけど笹田先輩ってばホント調子いいのよ?」

久子「ルノーの伏兵が見事だったと褒められたら、全部作戦通りって自慢するんだから」

レイコ「私達の独立行動は隊長の許可あっての事だからあながち嘘ではないわね」

久子「意外ね、私の手柄って自慢するかと思ってた」

レイコ「必ず勝つだなんて大口叩いていながら負けちゃったからね、先輩達には悪い事したわ」

久子「そんな事ないわよ、あなたのおかげで最後にいい試合ができたって喜んでたんだから」

久子「今度は私が約束を守る番、これからずっとみっちりと勉強見てあげるから」

レイコ「お手柔らかにね」ニコッ

 ザワッザワザワッ

妖怪A あれは友人帳の夏目レイコでは?

妖怪B おのれ、よくも森を荒らしてくれおったな

妖怪C 傍らにいるヒトの子はレイコの仲間か?

妖怪D レイコは無理じゃが奴をば代わりに喰ろうてやる

妖怪E そうじゃ喰ろうてやる

 クロウテヤル クロウテヤル クロウテヤル クロウテヤル クロウテヤル・・・

レイコ「・・・」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:13:16.17 ID:5gNMSkYm0
レイコ「ねえ久子、もう戦車道やらないの?」

久子「やるも何もこの大会を最後に戦車道隊は解散」

久子「皆それぞれ他の選択教科に振り分けられるからね」

レイコ「あんなに打ち込んでたのにずいぶんあっさりしてるのね?」

久子「戦車道を選択したのは規律が厳しいって聞いたから、実際そうでも無かったけど」

久子「自分を律するのは自分、何かに頼る必要は無いわ」

レイコ「うーん残念、せっかく必勝法があるのに」

レイコ「久子となら二人で戦車道界で一暴れするのもいいかなって思ったんだけどね」

久子(ドキッ)//////

久子「戦車道はしないけどその必勝法には興味があるわね」

レイコ「簡単よ」



レイコ「相手を脅迫するだけでいいんだから」

久子「なっ!?」
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:16:21.62 ID:5gNMSkYm0
レイコ「もっとも脅し方にポイントがあるんだけど」

レイコ「相手は車長、それも隊長に心酔してる事が絶対条件ね」

レイコ「『あなたの隊長の個人的なスキャンダルを握っている』と囁くの」

レイコ「それだけで相手は意のままね」

久子「やめて」

レイコ「この場合事実である必要は無いわ、大衆の耳目を集めそうな下品な噂レベルのほうが効果的ね」

久子「やめてって言ってるでしょ!」

レイコ「大切に育てられた人間は自分よりも他人を思いやるから」

レイコ「裏切り行為も敬愛する隊長の名誉を守ると自分に言い聞かせt パシーン

久子「夏目さん、あなたって人は・・・」ワナワナ

レイコ「痛いわね」ホッペタヒリヒリ
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:18:34.35 ID:5gNMSkYm0
久子「さっきの相手校の・・・まさか試合前の挨拶について行ったのは?」

レイコ「そうよ、そんな都合よくフラッグを狙える位置に付けれる訳ないでしょ?」

レイコ「あそこでアイツが正気を取り戻すのは計算外だったけど」

レイコ「ああ、久子ってばそれで怒ってるのね?大丈夫、次はもっと上手くやるから」

久子「ふざけないで!!自分が何をしたかわかってるの!?」

久子「そんな卑怯な手段での勝利に何の意味があるのよ!」

レイコ「ずいぶんとつまらない事にこだわるのね、楽に勝てるならそれでいいじゃない」

レイコ「どうやらあなたとは上手くやれそうにないわね」

レイコ「こうなると遅刻取り消しとかの約束も守って貰えそうにないみたいね」

久子「私はあなたとは違うわ、約束は必ず守る!」

久子「約束した以上不本意でも勉強だって面倒見るわよ!」

レイコ「遅刻の方だけでいいわ、これ以上あなたと顔を合わせるなんてごめんよ」

レイコ「これからも精々お堅く真面目に正論吐いて生きていけば?じゃあね」フフン

久子「・・・」ブルブルワナワナ



久子「私は自分の信念に従うだけ、誰になんと言われようとも決して節を曲げたりしないわ!」ナミダツー



 ザワッザワザワッ

妖怪A 何やら仲違いを始めたようじゃ

妖怪B なんじゃ、あのヒトの子はレイコの仲間ではないのか

妖怪C ならば捨て置け

妖怪D げに忌々しきは夏目レイコ

妖怪E 口惜しや口惜しや 




レイコ「・・・」フフッ

―――――

―――



(友人帳からのイメージ終わり)
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:19:41.83 ID:5gNMSkYm0
ニャンコ先生「しかし鈴木貴子という名前、妖モノでありながらまるでヒトの名ではないか?」

カエサル「この名は主(ぬし)様に付けていただいたものだ、侮辱は許さぬ!」

貴志「コラ、先生!」

ニャンコ先生「フン」プイッ

カエサル「この国において最も多い鈴木姓は例え妖怪であっても決して特別な存在ではないと」

カエサル「そして貴子の名は誇りを持って生きよと」

貴志(俺の両親も貴の字にそんな意味を願ってくれたのかな)
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:20:45.17 ID:5gNMSkYm0
カエサル「・・・夏目、友人帳をいれているポーチのクマのマスコット」

カエサル「お前もボコが好きなのか」

貴志「いやクラスの女子に無理につけられたんだ」

カエサル「そうか、うちの隊長がそのキャラに入れ込んでいるのでな」

貴志「かつての主人と今の隊長、同じくらいに好きなんだな」

カエサル「何故そう思う?」

貴志「話している時の表情が同じように穏やかに見えた」

カエサル「ふむ、レイコの孫のお前になら話してもいいか」
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:23:13.92 ID:5gNMSkYm0
カエサル「主様は西住流の創始者でな、祓い屋でこそないがお前同様に視える者だった」

カエサル「私の正体は戦場で打ち捨てられた血染めのサラシ、歳月を経て妖怪化し止め処なくあふれる恨みと憎しみに駆られてヒトに仇なしていた」

カエサル「主様に出会ったのもそんな時だった、いつも通りに襲ったのだが逆に返り討ちにされてな」

ニャンコ先生「夏目の拳も中々だからな、貧相な身体で霊力だけは無駄に強い」

貴志「先生、話の腰を折るんじゃない」

カエサル「コホン、助かりたい為に命乞いをしたらタスキに丁度良いと穢れし呪われた私をその身に纏ってくれたのだ」

カエサル「そのまま締め頃してやろうとも思ったのだがその甘さが妙に気になりそのまま憑くことにした」

カエサル「彼女は当時始まったばかりの戦車道に入れ込んでいた」

カエサル「始めは女子供の戦争ごっこと冷ややかに見ていたのだが娘達が真摯に打ち込む姿にほだされてな、いつしか私の方が魅入られてしまった」

カエサル「やがて主様も成長し子を為し育て、そして老いて最後を迎える際に初めて私に頼み事をしてくれた」

―――西住の子達を見守ってほしい―――
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:24:25.63 ID:5gNMSkYm0
カエサル「それからは西住家に娘が産まれる度に傍らで隊員として見守ってきたのだ」

貴志「西住流といえばここ熊本だろ?大洗は関東だったはず」

カエサル「私は少しばかり卦の嗜みがあってな」

カエサル「勝利に固執する昏い帳で覆われし西住家に産まれた次女に光明が見えたのだ、舞台は茨城大洗と」

カエサル「初めて戦車に乗る者にも優しく指導するその様は主様のそれと同じ、ヒトの生まれ変わりを信じざるにはいられない程に」

カエサル「周りの者はボコ好きを唯一の欠点と残念がるが包帯を巻かれたぬいぐるみを自分の姿とついつい重ねてな、愛でる姿に顔が緩むのを抑えるのも一苦労だ」
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:25:21.65 ID:5gNMSkYm0
ニャンコ先生「オマエの主(あるじ)はとうの昔に死んだのだろう?気に入らぬ子孫が現れたのならとっとと離れればよいものを」

カエサル「一度でも友と呼ばれ仲間と認めあってしまってはな」

カエサル「もう見捨てる事など出来やしない」フフッ

カエサル「これから試合があるからそろそろ戻らせてもらう、対戦相手にも友がいるのでな」

カエサル「話せて良かったぞ、レイコの孫よ」

貴志「ああ、応援してる」
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:26:45.87 ID:5gNMSkYm0
貴志「・・・友人帳の中のレイコさんには親友になれるはずだった友達がいた」

ニャンコ先生「はずだったとは?」

貴志「レイコさんを敵視している妖怪から巻き添えにならないように突き放したんだ」

ニャンコ先生「ならばそれこそ妖モノをけしかければよいものを、何の為の友人帳だ、まったく」

貴志「レイコさんは相手構わず勝負を仕掛けていたけど気に入らない妖怪からは名前を取ったりはしなかった」

貴志「友人は式じゃないんだ」

ニャンコ先生「どうだかな、単に人付き合いが面倒だったんじゃないのか」



他人から嫌われる事、独りでいる事に慣れすぎていたレイコさん

先生の言う通り妖怪に助けを求めると考えるより先に悪態をついて距離を取る事を簡単に選んでしまったのだろう

その友人のこれからの生き方に決して小さくはない影響を及ぼすとも思わずに
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:27:43.65 ID:5gNMSkYm0
田沼「夏目っ!無事だったか」ホッ

貴志「ああ、先生が来てくれたから」

ニャンコ先生「フン、私は何もしとらんがな」

貴志「早く西村達の所に戻ろう、先生にもイカ焼きもう一本奢るぞ」

ニャンコ先生「ウホッ早くしろ!グズグズするな!」タタタッ

貴志・田沼「待ってくれ先生」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:28:34.53 ID:5gNMSkYm0
西村「あっ、夏目、どこ行ってたんだ?」

夏目「すまない、ちょっと立ち眩みがして木陰で休んでた」

北本「大丈夫なのか?」

夏目「ああ、もう平気だ」

西村「ホント夏目はもやしっ子だな」

田沼「まあそう言うなって」

夏目「早く観覧席に行こう、試合が始まる」
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:30:17.64 ID:5gNMSkYm0
審判『フラッグ車P40走行不能、大洗女子学園の勝利!』



 木陰から覗き見

北本「勝利のお祝いを伝えに来たんだが」

田沼「なんか大宴会になってるな」

西村「流石にこの場での告白は無理だよ」

西村「・・・なあ、あの子」冷や汗ダラダラ

北本「ああ・・・」冷や汗ダラダラ

西村「食べるペースがおかしくないか?」

北本「大皿のスパゲティが流れるように消えてるぞ?」

西村「夏目の先生より大食いだよ・・」アゼン

北本「食べ方がきれいな分余計に怖い」

田沼「先生?流石にニャンコ先生はそこまで食べないだろ?」

夏目(以前先生がレイコさんの姿に化けて二人に奢らせた事があったんだ)ヒソヒソ
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:31:29.78 ID:5gNMSkYm0
ニャンコ先生(ふむ、何やら良い匂いがするな)クンクン

ニャンコ先生(ちょっと行ってくる)タタタッ

夏目「あっこら先生!?」




「なになにこの子まん丸ー」

ニャンコ先生 ニャ〜ン スリスリ

「やだなつっこーい」ナデナデ

「ピカタ食べるかな」

「食べた食べたー」

「フリットもあるよー」

ニャンコ先生 モグモグウマウマ



西村「あの猫うまいことやりやがって!」クウ〜

北本「猫と張り合うな」ヤレヤレ
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:33:36.10 ID:5gNMSkYm0
 裏手

カルパッチョ「貴ちゃんも装填手だったんだ」

カエサル「うん」モグモグ

カルパッチョ「最後はやっぱり装填スピードの勝負だったね」

カルパッチョ「ん?うふふふ」

カエサル「なんだよ?」ムッ

カルパッチョ「お友達が心配してるみたい」

カエサル「え?」

3人 うわわ タオレコミ

エルヴィン「生徒会がリーダーに招集をかけてる気がするんだが、取り込んでるなら私がいくぞ?」

カエサル「今行くよ」

カルパッチョ「来年もやろ、貴ちゃん」テヲサシダシ

カエサル「うん」アクシュ

カエサル「・・・貴ちゃんじゃないよ」

カルパッチョ「え?」

カエサル チラッ

3人 ソワソワ

カエサル(カエサルの名でこそ得ることのできたヒトの友)フフッ

カエサル「私はカエサルだ!」ストール フワッ スタスタ

カルパッチョ「そうね、じゃ私はカルパッチョで」カミカキアゲ

終わり
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:35:10.98 ID:5gNMSkYm0
貴志「後日談、というか今回のオチ」



―藤原宅・夜―

貴子(4X)「ごめんください、夜分遅くすいません」

塔子「はーい」ガララッ

塔子「あ・・カエサルちゃん?ううん、貴子、貴子ちゃんなの!?」

貴子「久しぶりね、塔子」

塔子「今までどうしてたの?連絡もくれないで」

貴子「卒業してから南米に渡ってね、武者修行ってトコかな、その後は現地の子供達の指導をしてたわ」(という事にしておかないとな)

塔子「いくらラテン語堪能だからって・・・」

塔子「まあいいわ、ささっ上がって上がって」

塔子「滋さーん、貴子ちゃんが来たわよー」
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:36:19.54 ID:5gNMSkYm0
貴子「こんばんわ滋さん、お久しぶり」

滋「いらっしゃい」

貴子「ふたりはそのまま付き合って結ばれたのね、ごめんなさいね結婚のお祝いできなくて」

塔子「まったくよ、式には出てほしかったのに」

塔子「貴子ちゃんはどうなの?」

貴子「貴子はなんかこそばゆいな、昔みたいにカエサルって呼んでほしい」

貴子「私も結婚はしたわ、娘が一人、戦車道もやってる」

塔子「もしかして大洗のV号突撃砲に乗ってた赤いストールの娘さん?」

貴子「知ってるの?」

塔子「観覧席のモニターに映ってたのを見て、似てたからもしかしたらって」

貴子「とりあえずカッコイイ所を見せれたかな」

塔子「ええ、準決勝進出おめでとう」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:37:57.65 ID:5gNMSkYm0
塔子「その頬どうしたの?すごく赤いけど」

貴子「ここに来る前にさなの所に先に寄ってね、会うなりいきなり平手打ち」

貴子「ひとしきり昔話や近況に花を咲かせておいとまする時帰り際にまた平手打ち」

貴子「塔子は優しいから代わりにってね、お願いだからこれ以上ぶたないほしい」

塔子「まあ」

滋「さなさんは相変わらず塔子さん想いだね」

貴子「そうそう、二人は養子を迎えたんですって?さなに聞いたわ」

滋「正式に養子というわけではないんだ」

塔子「里子というのが近いのかしらね」

貴子「それでも・・・二人の子、なんでしょ?」

滋「ああ」

塔子「ええ」

貴子「塔子のその顔、間違いなく母親の顔よ」ニコッ

貴子「さてと、そろそろここもおいとまするわ」

塔子「もう帰っちゃうの?」

貴子「今日中にしほ達の所にも行って明日日本を発つの」

塔子「忙しくしてるのね」

貴子「そう遠くないうちにまた来るわ」
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:40:05.23 ID:5gNMSkYm0
 玄関

塔子「しほさんに顔を見せに行くのなら覚悟しなさいね」

塔子「しほさんは厳しい人だけど決して暴力で人を従わせるような事はしないわ、けど」

貴子「菊代がなあ・・・」ゲンナリ

塔子「菊代ちゃんは礼節にうるさいからね、平手打ち2発飛んで来るかもね」クスクス

貴子「笑い事じゃないわy「ごめんくださーい」

左衛門佐「あの私、杉本清美とといいます、こちらに夏目貴志君がいると伺ったのですが」

貴子「左衛門佐!?何故ここに?」

左衛門佐「私のソウルネームを?その赤いストール・・もしかしてカエサルなのか!?」

貴子「この姿の私をカエサルと呼ぶ・・・え?左衛門佐もあやk」

左衛門佐(ここでそれ以上言うんじゃない!!)念話

塔子「ふたりはお知り合い?」

貴子「いや、その、娘の戦車道仲間なの」冷や汗ダラダラ

左衛門佐「カエサルさんの装填にはいつも助けられています」冷や汗ダラダラ

塔子「親子揃ってカエサルなのね、いいわねそういうの」

塔子「それで貴志君に用というのは?」

左衛門佐「そうでした、中学の時に夏目君に貸していたモノがあったのですが」

左衛門佐「私が病欠していた日に急に転校されてしまったので」

左衛門佐「試合の為に寄港したこの機会に返してもらおうかと」

塔子「貴志君なら二階にいるわ、さ、どうぞ」

左衛門佐「おじゃまします」ペコリ

塔子「貴志君にもこんな可愛い友達がいたのね」ウフフ

貴子「ここまで来たんだから私もその貴志君とやらに会っていこうか」
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:42:40.36 ID:5gNMSkYm0
 階段 ミシミシ

カエサル「しかし左衛門佐も妖だったとはな、気付かないものだ」

左衛門佐「それはお互い様だ、だがエルヴィンとおりょうには隠し通さねば」

カエサル「ああ、ヒトに正体がバレたらそこには居られないからな」

左衛門佐「この部屋か、夏目殿、名を返していただくぞ」襖 ズザザッ

貴志「エルヴィン、いや松本里子、名を返そう」スウ パンッ

カエサル「」

左衛門佐「」

エルヴィン「」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:44:20.61 ID:5gNMSkYm0
カエサル「・・・」冷や汗ダラダラ

左衛門佐「・・・」冷や汗ダラダラ

エルヴィン「・・・」冷や汗ダラダラ

貴志「なんだ、知り合いなのか?」

おりょう「夏目様、名を返していただきたく」窓 ガララッ

カエサル「」

左衛門佐「」

エルヴィン「」

おりょう「」



ニャンコ先生「レイコよ、オマエは本当にヒドイ奴だ」

終わり
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/01/10(木) 21:46:26.96 ID:5gNMSkYm0
ガルパンを観に独りで映画館には行ける、お仲間のガルパンおじさんがいっぱいいるからね

でも友人帳は無理でした

こちらもどーぞ

オレンジペコ「大洗スレイヤー、ダージリン様」【ゴブスレ風ガルパン】
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