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【艦これ】衣笠「指輪の行方」
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1 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:06:14.42 ID:piY5bNVL0
とある鎮守府の指輪をめぐるお話。
※過去作とは一切関係ありません。
※R要素はありません。
※割と長いです。あらかじめご了承ください。
2 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:07:50.93 ID:piY5bNVL0
提督「本日は遠路はるばるありがとうございました」
元帥「なんの。私の方こそ、元気をもらったことを感謝せねば」
元帥「さて、最後に一つ聞きたいが、君のところの最高練度は今いくつだったかな?」
提督「最高練度ですか?今98ですが」
元帥「もう98か。おい、あれを持ってきてくれ」
部下「は」
3 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:11:14.36 ID:piY5bNVL0
タタタ
部下「どうぞ」
元帥「ん。君にもこれを渡す時が来たようだ」スッ
提督「これは……」
元帥「おそらく君の想像通りだ」
提督「……了解いたしました。ありがたくいただきます」
元帥「うん。ではな。貴官らの武運を祈る」
提督「ありがとうございます」ケイレイ
元帥「ん」ケイレイ
4 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:12:21.06 ID:piY5bNVL0
提督(ついにきたか……)
衣笠「提督、今もらったのってもしかして……」
提督「ああ……とりあえず、執務室に戻ろうか。」
衣笠「うん」
5 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:13:15.33 ID:piY5bNVL0
執務室
提督「さて……」
衣笠「中身、確認する?」
提督「しておこう。勘違いでもいけないし、早く見るに越したことはないよ」
衣笠「そうよね」
ビリビリッバサッ
『ケッコンカッコカリについて』
提衣「「ああー……」」
提督「やっぱり……」
6 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:16:01.93 ID:piY5bNVL0
衣笠「ってことはそっちの小さい箱は……」
提督「……一応確認するか」
衣笠「うん」
パカッ キラーン
提督「うん。知ってた」カポッ
衣笠「あっ……」
提督「ん?何かあった?」
衣笠「う、ううん。何でもない」
衣笠(せっかくだしもう少し見たかったな……次見る時は誰かの指に入っているのかもしれないのに……)
提督「?そうか」
7 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:16:50.49 ID:piY5bNVL0
提督「さて、とりあえずこれは引き出しにしまっておいて」
提督「……読むか」
衣笠「読もっか。……あ、私も読んで大丈夫?」
提督「ん?うん、もちろん」
衣笠(いいんだ。ということはもしかして……)ソワソワ
提督「秘書艦に隠すことなんて何もないよ」
衣笠(そういうことね。なーんだ……)
提督「なになに?」
8 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:17:47.46 ID:piY5bNVL0
提督「……これだけ?」
衣笠「……これだけ、みたいよね。他の鎮守府の話聞いてるとすごい盛り上がってるのに」
提督「それだけ心情的な意味合いが大きいんだな」
衣笠「なるほどねー」
提督「うーーーーーん……」
衣笠「あははっ。提督はこれから大変なんじゃない?」
提督「先が思いやられるよ。今の今までトラブルと無縁だっただけにね」
衣笠(そりゃ、みんなで話し合ってセーブしていたものね。内輪揉めして提督に迷惑かけたくなんてないし)
提督「他の鎮守府の話を聞く限り、当分不安な日々を過ごさないといけなさそうだ」
衣笠「まあまあ。大変だったら衣笠さんが慰めてあげるから」ニコッ
提督「その言葉だけでも嬉しいよ」ニコッ
衣笠(こんな軽口を叩けるのもあとちょっとかな……)
9 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:19:05.79 ID:piY5bNVL0
コツコツ
衣笠「あれ?足音が……」
提督「四つか……金剛たちかな」
衣笠「私もそんな気がする」
コンコン
提督「はーい」
金剛『金剛以下四名デース』
提督「ああ。入って」
提督(やっぱり)チラッ
衣笠(やっぱりね)チラッ
10 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:22:04.31 ID:piY5bNVL0
バーン
金剛「Hey!テートクー。ケッコンカッコカリの指輪を受け取ったっていうのは本当ネー?」
提督「私はまだ何も言ってないんだが」
金剛「青葉が『提督が元帥から何かいただいた』って触れ回ってマース」
衣笠「うん。知ってた」
金剛「その中身について話し合った結果、それが指輪だと断定しマシタ!」
霧島「話し合うも何も、全員一致でしたけどね」
提督「それはそうだろうな。こんなの頂くこともないし。それで?」
金剛「それでですね〜」カツカツ
11 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:22:33.82 ID:piY5bNVL0
金剛「テートクは〜、私のことお嫁さんにしてくれるんですよネ?ネ?」ズイッ
提督「どうした急に」
金剛「だって〜、こんなに毎日Burning Love!してるんですヨ?テートクが私の好意に気づいてないわけないネー!」クネクネ
衣笠(おー相変わらず金剛さん近いなー)
衣笠(……やっぱりこういう分かりやすいアピールしたほうがいいのかな)
12 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:23:14.39 ID:piY5bNVL0
提督「分かってるからわざとらしい演技するのはやめなさいな」
金剛「演技だなんて失礼ネー。ほんとの気持ちを言ってるだけですヨー?」クネクネ
霧島「本心なのは分かりますけど、うちのお姉さまはこんなところで司令を困らせるほど大人げなくありません」
金剛「そう言われたらしょうがないネ」スッ
提督「で?こんな茶番をしに来たわけではないんだろう?」
金剛「当ったり前ネー!」
比叡「多分司令は、本当はみんなに指輪を贈りたいと思ってるんじゃないかと思うんですよ」
提督「今はともかく最終的にはそうだね」
比叡「ですよね。でも指輪は現状一つしかない。このままでは司令の一番になるために血で血を洗う争いが生じかねません」
提督「あー……うちでもそうなる?」
比叡「なります(即答」
金剛「まず私たち姉妹だけでもアプローチ合戦になるネ」
提督「そうかー……」
13 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:24:35.61 ID:piY5bNVL0
榛名「でも私たちは提督にご迷惑もご心労もおかけしたくありません。しかし自分を選んでいただけるようアピールもしたい」
提督「うんうん」
霧島「そこでこういうのはいかがでしょう。私たち全員から司令に向けての二人だけのアピールタイムを作るんです。そこで自分の思いのたけを司令にぶつけて、司令を自分に振り向かせるよう後押しするんです」
提督「なるほどな。全員分きっちり時間を確保すれば私の奪い合いにもならないから任務にも影響が出ないし、何より公平だな」
金剛「でしょ?」
榛名「それに、形の上だけとはいえ全員が誰にも邪魔されずにアピールできる時間を作れますから、少しは『やることをやった』と納得できるのではないかと思います」
提督「もっともだ」
14 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:25:29.39 ID:piY5bNVL0
衣笠「それは全員やるんですか?」
霧島「全員やるわよ」
金剛「希望者だけにしたら、自分はアピールする資格がないかもって尻ごみしちゃう子もいるデショウ。それに、自分の思ってることをテートクにちゃんと話せる機会なんてそうそうないデスから」
比叡「お姉さまが言っても説得力ありませんけどね」
榛霧「「うんうん」」
金剛「私はそういうの言いやすいキャラだからネ」
衣笠「会うたびに言ってますもんね」
衣笠(ほとんど毎日秘書艦しても全然言えてないのに……今からでも言ったほうがいいのかなー。でも今からだと強化的な意味で指輪ほしいって言ってるみたいで嘘くさい気も……)
15 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:27:17.90 ID:piY5bNVL0
金剛「そのあたりも考慮しての案というわけですヨ。テートク、どうですカ?」
提督「……うん。やろう」
金剛「Yes!」
霧島「よろしいのですか?」
提督「せっかくの機会だしね。いつにしようか」
衣笠「休日にする?」
提督「どうだろう。休日は拘束したくないとも思うんだよね」
衣笠「あー。それもそっか」
16 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:27:58.60 ID:piY5bNVL0
比叡「それに、休日はアピールの練習もしないといけません」
衣笠「れ、練習までするんですか??」
提督「そんなガチ!?」
比叡「ガチです!だってここでしか司令を射止めるチャンスはありませんから!気合!入れて!いきます!」
榛名「榛名、負けませんよ!」
金剛「私だって負けないネ!」
霧島「いつもは譲るところですが……今回は譲れません!」
提督「衣笠、ツッコミ頼む」
衣笠「ボケ倒しにツッコむのってきつくない?」
提督「まあ、そうなるな」
17 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:28:57.31 ID:piY5bNVL0
霧島「冗談はともかく、私たちも準備が必要ですね。自分の思いを整理してまとめるだけの期間はいただきたいです」
提督「なるほど。具体的には?」
霧島「私は一週間あればいけると思いますが、任務に時間を割かれる子もいますから二週間は必要かと」
提督「うん。二週間あれば休日もある程度挟むし、ゆっくり考えられそうかな」
霧島「ええ」
衣笠「じゃあ20日ならどう?」
提督「20日……ああ、まだ行動計画の決裁出してない休み明けか」
衣笠「うん」
提督「じゃあそこにしよう。告知の内容は四人に任せていいか?」
金剛「もっちろんネ」
霧島「今日中は厳しいかもしれませんが、明日には告知しておきます」
提督「よろしく頼む」
霧島「お任せください」
榛名「それでは失礼します」
比叡「お邪魔しましたー」
金剛「See you later.」
ゾロゾロ ガチャ
18 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:29:46.26 ID:piY5bNVL0
提督「ふー……」
衣笠「とりあえずこれでひと段落、かな」
提督「と思いたいね。まだ全員には通達出してないからフライングがないとも限らないけど」
衣笠「その時は頑張ってね」ウインク
提督「ひえー。秘書艦にまで見捨てられたら俺はどうしたらいいんだ」ハハッ
衣笠「あはは。冗談だって」
提督「頼むよ、ほんとに」ニッ
衣笠(……今ここで私がフライングしたら、提督どう思うかな)
衣笠「」ブンブン
衣笠(考えない考えない。そんなことは考えないぞー)
19 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:31:39.31 ID:piY5bNVL0
霧島『放送室より執務室。聞こえますか?』
提督「おおっと。放送室……マイクオン。執務室より放送室。良く聞こえている」
霧島『先ほどのことをとりあえず放送で周知してもよろしいですか?』
提督「ああ。よろしく頼む」
霧島『了解しました』プツッ
ピーンポーンパーンポーン
金剛『Hey!みなさーん聞いてますカー?』
提督「おおっ!?」
衣笠「えっ早っ」
20 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:32:56.24 ID:piY5bNVL0
金剛『耳の早いみなさんなら知っての通り、本日!我が鎮守府にケッコンカッコカリの指輪がやってきました!』
金剛『みなさーん、指輪はほしいですカー!?せーの!』
比榛霧『『『ほしーい!』』』
鎮守府内各所<ほしーい!
提督「おおう」
衣笠「ほらほら。結構みんな言ってるでしょ」クスクス
提督「ね。そうかー……」
衣笠(私も口に出せばよかったかな……)
21 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:34:05.54 ID:piY5bNVL0
金剛『ですよネー!?でも指輪は残念ながら一つしかありまセーン』
比叡『でもでも!私たち司令に指輪ほしいってアピールしたいです!』
金剛『そう!というわけで、私たちからテートクへのアピールタイムを設定しマース!』
榛名『日付は今月20日。場所は執務室の予定です。提督と二人っきりの空間を設定します。チャンスは一人一回。この機会に、私たちの思いの丈を提督にぶつけましょう!』
霧島『詳しくは明日以降掲示の書面を確認してください。もちろん私たちの独断ではなく、司令の承認をいただいていますからご安心くださいね』
金剛『では皆さんに幸あらんことを!Good luck!』
ピーンポーンパーンポーン
提督「相変わらず息ぴったりだな」
衣笠「本当に演劇かなにか観てるみたいよね」
提督「いっそあの四人にちゃんと演劇してもらおうか」
衣笠「忘年会の余興にでもやってもらうとかね」
提督「そうそう。また話してみよう」
22 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:36:23.98 ID:piY5bNVL0
夜 提督の私室
提督(さてと)
提督(全員とは言わないまでもある程度は指輪をかけてアピールしてくるのは覚悟しなくてはなるまい)
提督(しかし、その想いをもらって「はいどうも」で済ませてしまうのもなあ)
提督(彼女たちは僕のことを特別視してくれているわけだし、こっちとしても一人一人が僕にとって特別なのだと示したい)
提督(じゃあどうする?プレゼント?そんな簡単に買えるか。第一、買ったらばれる)
提督(それに全員にばらばらのものなんて、考える時間もセンスも足りない)
提督(何かいい案ないかな……)
提督「……いいや。青葉がまとめてくれた今週分のアルバム見よ」
提督「……」
提督「これだ!」
23 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:37:15.27 ID:piY5bNVL0
翌日
提督(これには絶対必要な協力者がいる。今は朝練をしていると思うが……)
青葉「……」カシャカシャカシャ
提督(いた!今日は一人だな。ちょうどいい)
提督「おーい、青葉―」
青葉「あ。おはようございます!司令官も朝練ですか?」
提督「いや。ちょっと」クイクイ
青葉「え?あ、はい」テクテク
24 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:38:43.97 ID:piY5bNVL0
提督「ちょっと協力してほしいことがあるんだが、かくかくしかじかで……」
青葉「はい……できますけど、何に使うんです?」
提督「実はな……」コソコソ
青葉「……本当ですか!?」
提督「」コク
青葉「分かりました。できるだけ早くデータまとめますね」
提督「すまん。さすがに一人ではできそうもなくてな」
青葉「いいんですよ!青葉にお任せください!」
提督「恩に着る。礼はいずれな」
青葉「期待してますよ〜」
提督「ああ。じゃあまた」
25 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:39:34.84 ID:piY5bNVL0
提督(それからもう一人)
提督「明石―」
明石「お。提督じゃないですか。どうしました?」
提督「実はかくかくしかじかでな……」
明石「……はい……ふんふん……なるほど!」
提督「申し訳ないが協力してもらえるかな?」
明石「お安い御用ですよ!」
提督「ありがとう!お礼はいずれするから」
明石「お。楽しみにしてますね」ニヤニヤ
提督「そんなに期待はしないでくれよ」カタスクメ
26 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:40:44.05 ID:piY5bNVL0
20日 執務室
提督(そろそろか……例のものも……うん、ある。大丈夫そうだな)
コンコン
提督「はい」
吹雪『吹雪です』
提督「入って」
ガチャ
吹雪「失礼します」
提督「一番槍だね」
吹雪「はい!えっと……もう始めて大丈夫ですか?」
提督「うん。吹雪が始めたい時に始めて」
吹雪「分かりました。それじゃあ、いきますね」
27 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:41:55.55 ID:piY5bNVL0
提督「それから、」ゴソゴソ
提督「……うん、これだ。はい」
吹雪「は、はい……!」
吹雪「これ、私と司令官の写真……」ペラ……ペラ……
提督「うん。指輪はまだ一人にしか渡せないけど、吹雪はじめみんな一人一人が僕にとってかけがえのない存在なんだ。それを少しでも形にしたくて、ね」
吹雪「う、うう……」グスッ
提督(な、泣いてる!?)
吹雪「」ゴシゴシ
吹雪「私、もっともっと頑張ります!だから、これからもよろしくお願いしますね」ニコッ
提督「うん。こっちこそ、これからもよろしくね」ニコッ
提督(うれし泣きか……嫌だったとかつらかったとかじゃなくてよかった……)ホッ
28 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:42:56.70 ID:piY5bNVL0
夕張「えー……これは卑怯ですよー」
提督「悪いな。こういうことしかできなくて」
夕張「そうじゃなくてー。こんなのもらったら提督のこと諦めきれないじゃないですかー……」
提督「そ、そうか?」
夕張「少なくとも私はそうです!でも……」
夕張「……大切にしますね。ありがとうございます」
提督「うん。ありがとう」
29 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:44:05.53 ID:piY5bNVL0
赤城「……なるほど。これは犠牲者が出るのも納得です」ペラ……ペラ……
提督「犠牲者ねえ」
赤城「こちらからすれば完全に奇襲ですからね。それだけ被害も大きくなるというものです」
提督「予告なしでやるのは良くなかったかな」
赤城「そこは何とも。麾下の艦娘の信頼を深めさせるという意味ではこれ以上ない好機だったと思いますがね」
提督「そうだろうそうだろう」ニヤリ
赤城「ほう。では戻ったら提督の裏の顔を皆に伝えないといけませんね」
提督「赤城が言ったとして、信じると思っているのか?」
赤城「誰も信じませんね。まず私自身が提督に裏の顔などないと思っていますし」ニッ
提督「そう言われると思ったよ」ニッ
提督「何はともあれ、これからもよろしくな」スッ
赤城「こちらこそ」ギュッ
30 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:45:16.41 ID:piY5bNVL0
金剛「ウゥー……テートクーこれはずるいネー……」ムギュッ
提督「そ、そうか……」ギュッ
金剛「ウン……でも、私たちのテートクが素敵な人って再確認できて良かったデス」
提督「そう言ってくれて嬉しいよ」
金剛「……それじゃ、私はこれで」スッ
提督「うん」
金剛「……それから、テートク」
提督「ん?」
金剛「いつもあんなこと言ってるケド、私はテートクが誰を選んでもお祝いしマス。だから……ちゃんと選んだ子のこと幸せにして、テートクも幸せになってくださいネ?」
提督「ああ」
31 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:46:11.03 ID:piY5bNVL0
提督「ふー……ようやく終わったか」
提督(みんなのために取った時間のはずが、僕のための時間になってしまったな)
提督(青葉と明石にも何かお礼考えないと)
コンコン
提督「はい」
衣笠『衣笠でーす』
提督「入って」
ガチャ
衣笠「失礼します」
提督「ん」
32 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:47:49.21 ID:piY5bNVL0
衣笠「提督、」
提督「うん?」
衣笠「今日のこと、本当にありがとね。二人でゆっくり話せる時間もだし、このフォトブックも」
提督「いやいや。今日のは金剛たちの発案だよ。それにフォトブックは青葉と明石にも協力してもらったから」
衣笠「そうだったんだ。青葉がなーんかこそこそやってると思ったら」
提督「そういうことだな。衣笠もいろいろ調整してくれてありがとう」
衣笠「いいのいいの。衣笠さんにお任せっ。でしょ?」
提督「ははっ。そうだな」
33 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:48:33.75 ID:piY5bNVL0
提督「みんなは部屋に帰った?」
衣笠「ううん。みんな食堂でフォトブック見ながらいろいろ話してたよ」
提督「そうか。わざわざ来てもらって悪いね」
衣笠「秘書艦だもん。気にしない気にしない」
提督「まったく、我ながらいい秘書艦を持ったもんだ」ニコッ
衣笠「でしょでしょ?」ニコッ
34 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:49:34.16 ID:piY5bNVL0
提督「さてと、」
マイクオン
提督「司令官だ。全員その場で聞いてほしい」
提督「今日は本当にいい日だった。みんなの思いを聞けたのはもちろん、私も今まで言っていなかったことや言えていなかったことを伝えられて、またみんなとの距離が少し近くなったように感じている」
提督「この企画を主導してくれた金剛、比叡、榛名、霧島、調整のために動いてくれた衣笠と大淀、それから私の勝手なわがままに快く付き合ってくれた青葉と明石にはここで改めて感謝したい。ありがとう」
提督「……なお、指輪については今日のうちに誰に渡すか明言させてもらう。もちろん拒否権はあるが、私の諦めが悪い性格はよく知っていると思うので大人しく受け取ってもらえるとありがたい」
衣笠(全体への放送でも冗談挟むのほんとすごいよね)クスクス
提督「皆の努力で戦況が好転しているとはいえ、まだ戦いの終わりは見えない。それでも、私はここで君たちといられて幸せだと、心から思う。これからもよろしく頼む。以上だ」
マイクオフ
35 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:50:31.33 ID:piY5bNVL0
提督「ふー……」
衣笠「重ね重ねだけど、お疲れさま」
提督「重ね重ねありがとう」カタスクメ
衣笠「お茶でも飲む?」
提督「そうだね。ちょっと一服しようか」
衣笠「うん。ちょっと待ってて」
コポコポ トン
衣笠「はい。お待たせ」
提督「ありがとう」
36 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/01/16(水) 01:51:01.54 ID:piY5bNVL0
ズー
提督「あー……落ち着くー」
衣笠「おじいちゃんじゃないんだから」ププッ
提督「でもお茶飲んでると、日本人の心を取り戻す感じしない?」
衣笠「それはちょっと分かるかも」
提督「だろ?」
衣笠「他の娘に言っても絶対分かんないと思うけどね」
提督「やっぱそうかー」
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