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【安価】精霊術師「最近、内乱の勢いがひどい」
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1 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 13:00:10.21 ID:9ypMm1dQ0
精霊術師「戦火に巻き込まれるのはごめんだから遠くに逃げようと思う」
◆注意
安価スレです。
作者は初心者なので皆さんに助言や妥協をお願いする場合があります。
あまりにも突拍子のない安価は避けるかもしれません。
露骨にエッチな描写は書かないと思います。
百合展開は書いてしまうかもしれません。
あまり一つの展開にこだわらずTNPよく書いていこうと思います。
その他不都合があったら遠慮なく指摘して下さい。なるべく直します。
よろしくお願いします。
◆
精霊術師「どこに逃げるか精霊に聞こう。【精霊の導き】」
――説明しよう!
【精霊の導き】とは、精霊に語り掛け、自身をよりよい未来に導いてもらう精霊魔術の一つである!
精霊たちは「安価」という独自の意思決定基準を持っているから、一度決定した意思は何があっても変えられないぞ!
善良な精霊さんが答えてくれることを祈るのだ!
というわけで【精霊の導き】の結果を
>>4
選択肢
1:北の森に逃げ込む
2:西の国境に向かう
3:むしろ東の戦場に飛び込む
4:その他、向かう方角は南、簡単な設定もおねがい
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 13:06:56.03 ID:z07MH5OLO
うむ
3 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 13:15:47.49 ID:9ypMm1dQ0
見てくれてありがとなす。
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 13:16:50.71 ID:R6kMfT/no
1
5 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 14:04:30.44 ID:9ypMm1dQ0
精霊「北の森に逃げ込むといいお」
精霊術師「わかった」
北の森は巨木の立ち並んだ霧の深い森。昼夜問わず薄暗い。
精霊術師は獣除けのお香を焚きながら森に入った。
恐ろしさもあるが、恵みが多いのも森の特徴だ。
精霊術師は見知った木の実を背嚢に収穫しながら森を進み、日が落ちてからは巨木のウロにこもって一晩明かすことにした。
精霊術師「焚火の日が落ち着く」パチパチ
??「すみません、そこの方。よろしければご一緒させてもらえませんか?」
気が付くと、ウロの入り口に二つの人影があった。
精霊術師(母娘かな? いや、ローブで隠しているけど、二人とも仕立てのいい服を着てる。使用人とお嬢様か)
精霊術師(二人とも酷いケガだ。内乱の中、命からがら逃げて来たってところかな)
使用人「あの……」
精霊術師「いいですよ。こちらへどうぞ」
使用人「ありがとうございます」
お嬢様「……」
6 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 14:05:41.71 ID:9ypMm1dQ0
使用人「助かりました。昨日から歩きっぱなしで、体力の限界だったんです」
お嬢様「ZZZ」
使用人の女は、気絶するように寝てしまったお嬢様を抱きながらそう語った。
どうやらこのお嬢様は内乱の原因になった貴族の親戚らしい。国境を超えるよりも生きて行ける可能性の高い森抜けを選択し、ここまで逃げて来たらしい。
使用人の女も限界が近かったようで、簡単に事情を説明すると寝入ってしまった。
精霊術師もその日は眠ることにした。
精霊術師(……厄介な人たちに出会ってしまった)
使用人「朝食までごちそうになってしまって、申し訳ありません」
お嬢様「このお肉固い……」(干し肉に苦戦中)
精霊術師「気にしないでください」
使用人「あの……、不躾であることを承知でお願いいたします。私たちの森抜けを助けていただけませんか?」
精霊術師「え?」
使用人「もちろんお礼は致します。お金や宝飾品をいくつか持っております。……それ以外をお望みでしたら、私が何とかします。もう、私一人ではお嬢様をお助けできないのです」
使用人の女は必至な様子で懇願してきた。
彼女も貴族の使用人として普通以上に魔法や格闘の訓練は受けているはずだが、その傷まみれの服や体を見るに、限界が近いのだとわかる。
お嬢様はまだ子供で、不安そうな顔をして使用人の腰に縋り付いていた。
精霊術師(困った。見捨てるのは心が痛むし、厄介ごとに巻き込まれるのは怖い)
精霊術師(こんな時は、【精霊の導き】)
というわけで【精霊の導き】の結果を
>>7
1:助ける。助けた時に要求する報酬もお願い。
2:助けない。
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 14:09:27.81 ID:Y+g/TcafO
1 宝石
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/02/05(火) 14:11:13.81 ID:yHv3o0fQO
森を抜けるだけなら森の淵まで案内すれば良いよね
そのレベルの手助けならする
テキトーに宝石の一つでも
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 14:16:34.41 ID:FgFRXQWRO
1
報酬は暫く宿を借りれるくらいのある程度まとまったお金
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 14:28:49.34 ID:76YSzX6RO
なんだこれ?
すごく面白そう、期待
11 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 14:37:07.23 ID:9ypMm1dQ0
精霊「助けるといいお。使用人の持っている宝石を要求するといいお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】の結果、使用人とお嬢様を助けることにした。自分は旅慣れているし、二人に比べると余裕もある。ここは報酬に期待しよう。何より【精霊の導き】が出した結果に間違いはないのだ。
精霊術師「使用人さん、あなたたちを助けることにします。その代わり、あなたの持っている宝石を頂きますが、よろしいですか?」
使用人「はい、こんなものでお嬢様を助けられるのなら」
お嬢様「いいの? その宝石、使用人の大切なものなんじゃないの?」
使用人「私にとっては、お嬢様が何よりも大切なものなのです。……あの日、私を救ってくださったときから、ずっと」
精霊術師は使用人から宝石を受け取ると、二人に精霊魔術をかけて応急処置を施した。二人は痛みが引き軽くなった体に驚いているようだ。特に使用人は、精霊術師の実力が思っていたよりも高かったことにも感嘆を漏らしている。
精霊術師(……この宝石、精霊石だ。精霊が大好きで、精霊魔術の効果が高まる貴重品。おかげで回復の精霊術がいつもよりうまくできた)ホクホク
精霊術師「それでは、さっそく出発しましょう。そんなに深い森ではありませんから、今から歩けば夜になる前に抜けられるはずです」
祖父に手伝いたのまれたので次の安価は少し待ってください。多分、すぐ戻ってこれると思います。
12 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 17:10:40.76 ID:9ypMm1dQ0
お待たせしました。
今日も森は霧に包まれている。
地面はわずかにぬかるんで、気を抜けばうっかりこけてしまいそうだった。
精霊術師は、手に持った杖の専用のくぼみで獣除けのお香を焚きながら、使用人とお嬢様の先導をしていた。
使用人「背格好から旅慣れた方だとは思っていましたが、精霊術師だったのですね」
精霊術師「ええ」
お嬢様「せーれーじゅつし?」
使用人「今は少なくなってしまいましたが、昔は魔法使いより多くいた、伝統ある職業の人たちです」
お嬢様「……魔法使いみたいに、戦う人?」ビクビク
使用人「い、いえ、違いますよ。精霊術師はもっと牧歌的な人たちです。薬師や羊飼い、旅人や巡礼者の道案内を主な仕事にしてきた人たちです。だから、怖がらなくても大丈夫ですよ」
お嬢様「……ホント?」
精霊術師「ん、ホントだよ」ニコ
お嬢様が不安そうな表情で伺ってきたので、精霊術師は慣れないながらも微笑み返した。
13 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 17:11:44.30 ID:9ypMm1dQ0
森を歩いていると、小さな泉を見つけた。
岩と巨木の根元に静かに湧く岩清水で、飲んでも問題無さそうなほどに澄んでいる。
お嬢様の顔に疲れが見え始めていたので、三人はここで休むことにした。
お嬢様「精霊術師はどうして旅をしているの?」
精霊術師「んー、それしか生き方を知らないってのもありますし、体質で同じ場所にいてはいけないって理由もあります」
お嬢様「同じ場所に住めないの? どうして?」
使用人「あの、お嬢様。あまり深入りは……」
精霊術師「大丈夫ですよ。そんなに重たい事情じゃないです。昔の、未熟のツケってだけなので」
使用人「申し訳ありません。気を使っていただいて……」
お嬢様「ねーねー、精霊術師ー」
精霊術師に対してお嬢様は妙に懐いた。
顔にも笑顔がのぞくようになっている。本来は好奇心が強く明るい子なのだろう。
使用人の女は慌てながらもどこか嬉しそうだった。
14 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 17:12:51.93 ID:9ypMm1dQ0
都度、休憩を挟んで、丁度日が暮れるころには森を抜けることができた。
目の前には見晴らしのいい丘が夕日に照らされて赤く染まっていた。
精霊術師「ひとまず安心ですね。丁度風を防げる岩陰もあることですし、ここで野宿にしましょう」
お嬢様「……疲れちゃった」
使用人「疲れ様です。お嬢様」
陰鬱な森を抜けたころで気が抜けたのか、お嬢様がふらりと傾き、それを優しく受け止めた使用人は岩陰にもたれて座り込んだ。
精霊術師は慣れた手つきで枝葉を集めて火を起こすと、森で採った木の実を焼いた。
木の実は表皮が固く、火を通すと実がほくほくとして、食べれば腹にたまる。
使用人「……」
お嬢様「……」
精霊術師「わかります。あんまり美味しくないんですよね」
三人は言葉少なに食事をした。
木の実の味が微妙である所為もあるが、それだけではないだろう。
精霊術師(使用人さんとの約束は果たした。けど、二人とも不安そうな顔をしてる)
精霊術師(私はもともと放浪の術師だから平気だけど、突然野に下ることになった二人は先が見えなくて大変だろうな)
精霊術師(二人を助けてあげたい気持ちもある、重荷を背負いたくない気持ちもある)
精霊術師(こんな時は【精霊の導き】だ)
というわけで【精霊の導き】の結果を
>>16
1:最寄りの町まで案内する。無条件、条件つきどちらでも
2:すっぱり分かれる。
3:その他。簡単にどうするのかもおねがい
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 17:14:05.26 ID:tssREs9XO
踏み台
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 17:15:26.53 ID:KyIJSjiI0
1無条件
17 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 21:22:45.98 ID:9ypMm1dQ0
精霊「最寄りの町まで案内してやるといいお。もちろん無条件だお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】の結果、二人を最寄りの町まで案内してあげることにした。
森を含む周辺地域は、精霊術師の最近の仕事場であったし、土地勘もある。町まで少し距離があること以外、さしたる問題もない。
多少なりとも情の移った二人を見捨てるのは忍びないし、何より【精霊の導き】の結果は絶対なのだ。
精霊術師「使用人さん、町まで、一緒に向かいましょう」
使用人「!? ……いいのですか?」
精霊術師「はい、どうせ私も町による予定でしたから、ついでです。報酬もいりません」
使用人「ありがとう、ございます」ポロポロ
お嬢様「精霊術師と一緒?」
使用人「そうですよ、町まで一緒です」
お嬢様「やったー!」キャッキャ
精霊術師(精霊石の価値を考えたらそのくらいが妥当な気もするし、そんなに喜ばれるとこっちが申し訳ないかも……)
感極まり涙をこぼし始めた使用人と、無邪気に喜ぶお嬢様の様子に、精霊術師はわずかな気まずさを覚えた。
その日の晩は精霊術師と使用人が交代で火の番をして眠りについた。
18 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 21:24:10.93 ID:9ypMm1dQ0
次の日、三人は朝露の乾かぬうちから起きあがり、朝日に目を細めながら出立した。
緩やかに波打つ丘陵地帯では、一面の緑が風にそよぎ、ぽつぽつと白い岩が点在していた。
空は高くどこまでも澄んでいる。
季節柄すこし肌寒いが、足元で身をすくめている花のつぼみが、暖かい季節はもうすぐだと囁いていた。
精霊術師「ん−……」
お嬢様「精霊術師、どうかしたの?」
精霊術師「いつもより風が強い気がして、嫌な予感がするんですよ。もしかしたらカゼノオトシゴがいるかも」
お嬢様「カゼノオトシゴ?」
精霊術師「風の中で群れて暮らす有翼軟骨魚綱。つまりお魚さん」
お嬢様「お魚? おいしい!?」
精霊術師「……お嬢様、結構食いしん坊ですね。でも美味しくはないそうですよ」
お嬢様「なーんだ」
使用人「その、カゼノオトシゴは危険なのですか?」
精霊術師「ばったり鉢合わせたくないくらいには危ぶないですね。特にしっぽの毒が」
使用人「毒、ですか。……ちなみに精霊術師さん、薬の知識などは」
精霊術師「簡単な傷薬や獣除けのお香くらいしか作れませんね。そもそも私の専門は荷運びなんです。最近まで戦争の物資を運んでいました」
使用人「そうだったのですね。カゼノオトシゴ、出会いたくないものです」
19 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/05(火) 21:35:01.71 ID:9ypMm1dQ0
これまでの旅路はおおむね良好だった。
このまま何事もなく町へたどり着きたい。長閑な丘を楽しそうに歩くお嬢様には、このまま笑顔でいて欲しい。
精霊術師と使用人の祈りは、残念ながら聞き届けられなかった。
精霊術師「あれは……」
何かの気配を察知して空を見上げた。
遥か遠くまで伸びあがってゆくような雲一つない晴空に、円を描いて泳ぐ影が数体。
一見魚のようには見えない平べったい楕円の体に、すうっと後を引く長細い尾。
扁平な体を羽のように仰いで空を泳ぐソレは、まさに精霊術師が遭遇を危惧していた存在だった。
精霊術師「奴ら完全に私たちを狙ってる」
使用人「お嬢様、私の下へ。精霊術師さん、いざとなったら私も戦えます」
精霊術師「正直、私はあまり戦いが得意じゃない。【隠遁の精霊術】でやり過ごせたらいいと思う。けど、あいつらの探索能力はかなり高い……」
お嬢様「精霊術師、いつもと雰囲気が違う。どうしたの?」
精霊術師(……どうする? 昔戦った時はキャラバンの護衛達と一緒だったから倒せた)
精霊術師(でも、いまはお嬢様もいるし、戦力も足りない)
精霊術師(【精霊の導き】に頼るしかないか……)
というわけで【精霊の導き】の結果を
>>22
1:【隠遁の精霊術】で隠れる
2:使用人と共闘で迎え撃つ
3:その他【精霊術】、どんな精霊術かも簡単におねがい
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/02/05(火) 21:35:22.42 ID:mcI0nQum0
踏み台
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 21:38:02.27 ID:BMDTeL5DO
2
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/05(火) 21:50:55.35 ID:0jvHMbwEO
そんなに遠くしなくても大丈夫かな
2
23 :
◆TgtWYAjzAI
[sage saga]:2019/02/05(火) 21:54:44.43 ID:9ypMm1dQ0
>>22
安価初めてなのでアドバイス助かります。
次からすぐ近くにしておきます。
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/02/05(火) 22:16:37.70 ID:mcI0nQum0
直下とかにされるのでしたら、↓1とか↓2にされると便利ですよ
25 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 00:08:58.75 ID:ej8cSFHd0
精霊「使用人と迎え撃つといいお。なんとかなるお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】の結果、カゼノオトシゴたちを迎撃することにした。すでに奴らは急降下して距離を詰めてきている。
戦いは苦手だが使用人もいるし、今は手元に精霊石もある。
何とかなる。何とかして見せる!
それに、精霊術師の覚悟は関係なく【精霊の導き】は絶対なのだ。
精霊術師「使用人さん、戦えますか!?」
使用人「あの程度の数、さばいて見せます!」
使用人は腰に帯刀していたナイフを逆手に構え、空いた手にはルーン文字を浮かび上がらせた。
精霊魔術に代わって台頭し、いまや魔術の主流となっているルーンの秘術。
通称、魔法。
使用人の掌でいくつかの文章を紡いだルーン文字は、姿を変え、球体にまとまった炎の渦となった。
使用人「くたばりなさい!」
カゼノ「ビャアアアアアア!」
先手必勝とばかりに放たれた炎の球は、吸い込まれるようにカゼノオトシゴへと当たり、決して燃えやすくないはずの体を蹂躙した。墜落したカゼノオトシゴは、地面をのたうち回り、風切り音のような断末魔を上げて息絶えた。
カゼノ「ビュウゥゥウ!」
カゼノ「ビュウ! ビュウ!」
仲間がやられたことに憤ったらしいカゼノオトシゴたちは、精霊術師たちの周りを回遊しながら、威嚇の声を上げていた。
26 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 00:10:40.58 ID:ej8cSFHd0
精霊術師(すごい……。使用人さんの実力もそうだけど、何よりこの精霊石)
精霊術師「【蔦結の精霊術】!」
精霊の力を借りてツタを鞭のように扱う【蔦結の精霊術】。いつもは小動物を殺す程度がせいぜい、操る数も三本が限界だ。
だが、今は猛獣も叩き殺せそうな太さのツタが五本。
カゼノオトシゴたちを容赦なく叩き潰し、圧倒的な数の不利を覆していた。
精霊術師(この精霊石、普通じゃない)
手元の精霊石は、丁度手のひらに収まるサイズで、滑らかな表面をしている。色は見事な琥珀色だ。
始めは宝飾品に加工された精霊石かと思ったが、もしかしたら別物かもしれない。
精霊術師(いや、今はそんなことを考えている場合じゃない!)
精霊術師「【夢見の精霊術】!【綿花の精霊術】!」
強烈な眠気を誘う白煙の爆発が数多のカゼノオトシゴを墜落させ、逆に奴らの突進や尾の打撃からは綿花の壁で身を守った。
発動する精霊術のことごとくが、かつてない威力を誇っていた。
精霊術師「【蔦結の精霊術】!」
使用人「これで最後です!」
やがて、爆炎と気炎と断末魔は聞こえなくなり、荒れた息遣いだけが丘陵の風にさらわれていった。
カゼノオトシゴたちの迎撃は、当初の憂慮を考えればあっけないほど簡単に終わった。
27 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 00:13:19.26 ID:ej8cSFHd0
精霊術師「はぁ、はぁ、みんな、ケガはない!」
お嬢様「精霊術師! 使用人が、使用人がぁ!」
お嬢様の悲鳴のような叫びに嫌な予感が走る。
見ると、使用人が腕を抑えてうずくまっていた。顔色も悪く、目も虚ろになっている。ただの疲労では考えられないほど呼吸も乱れていた。
精霊術師「まさか、毒に……」
使用人「不覚を、とりました……」
その言葉を最後に、使用人は倒れ伏した。
お嬢様「精霊術師、使用人治る!? 助けてくれる!?」
精霊術師「っ……」
大粒の涙をこぼしながら縋り付いてくるお嬢様に、何も言い返すことができなかった。
使用人の腕は紫色に変色し、傷口からはヘドロのような血液が流れていた。
お嬢様「ねえ! 私たちにかけてくれた回復の魔法、使ってよ! 使用人助けてよ!」
精霊術師(【萌芽の精霊術】。確かに解毒の効果も持った精霊術だけど、私の実力だと……)
精霊石を使えば実力不足を補えるかもしれない。そう考えたが、手に握った精霊石はいつの間にか美しい琥珀色を失い、濁った黄土色に変化していた。
精霊術師(すでに効果は失われているかもしれない。……でも、失敗したとしても、見殺しになんてできない!)
精霊術師「【萌芽の、精霊術】!」
今までになく力を込めて発動した【萌芽の精霊術】は――
――かつてないほどの効果を発揮した。
毒々しい色の肌は瞬く間に白皙を取り戻し、汗は引いて、呼吸は睡眠時のように落ち着いた。
使用人「……ん、私は?」
お嬢様「使用人! うわあああああん!」
使用人「わっ、……急に抱き着いたら、危ないですよ?」
お嬢様「心配させるほうが悪いのぉ!」
目尻に涙を浮かべながら抱き合う主従に、精霊術師は安堵のため息をこぼした。
ふと、手元の精霊石を見ると、元の美しい琥珀色を取り戻していた。
28 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 00:14:35.06 ID:ej8cSFHd0
一度肝を冷やす出来事があったものの、一行は無事町にたどり着いた。
町は交易の衝路に位置するためか、中規模ながらも活気にあふれていた。
行商人「これは、カゼノオトシゴのヒレ! しかも毒抜きがしてあるとな!」
使用人「どうです? 私たちもどちらかというと足元を見られる事情持ちですから、お安くしておきますよ?」
行商人「なんと、商売のうまいお嬢さんだ。いいでしょう、金貨5枚とお嬢さん方の服一式で買い取らせていただきます」
精霊術師(まさかカゼノオトシゴのヒレが貴族の間で珍味としてたしなまれていた食材だったなんてね……)ボソボソ
お嬢様(私もスープのヒレしか見たことなかった……)ボソボソ
使用人「お嬢様ー! これでしばらくの旅費は確保できましたよー!」
お嬢様「わー! 街歩きは! 食べ歩きできる!?!」
使用人「ふふ、できますよ。精霊術師さんも一緒に、どうですか?」
精霊術師「え?」
精霊術師(どうしよう、誘いは嬉しいけど、私こういうの慣れてない……)
精霊術師(うううう、こんな時は【精霊の導き】に頼るしか!)
というわけで【精霊の導き】の結果を
街歩きでどこに行くのか、
それと今回の安価はコンマで70以下の時成功。
成功判定2回以上で、最後の場面で圧倒的ハッピーエンドに持って行ける選択肢を出そうと思っています。
↓1−4
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 00:18:32.49 ID:zK2G5c1yo
屋台街
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 00:28:17.15 ID:Hd4mwhzc0
きれいな公園
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 00:31:45.23 ID:VLqAbUaKo
宿
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 00:46:53.66 ID:juPV5PEDO
劇場
33 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 01:52:21.64 ID:ej8cSFHd0
安価ありがとうございます。
順番と時間帯はこちらで決めさせていただきました。
書きあがり次第上げます。
精霊「宿に決まりだお。もう野宿は飽きたお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】の結果、最初に宿をとることにした。街歩きをするにしてもお嬢様たちの格好は目立つだろうからいったん着替えたほうがいいと思うし、拠点を定めればもしお嬢様が迷子になっても合流地点にできる。
何より【精霊の導き】の結果だ。
精霊術師「始めに宿をとろう。お嬢様たちも着替えたほうがいいと思うし」
お嬢様「……」
使用人「……」
精霊術師「……? どうかした?」
お嬢様「精霊術師、やっぱりいつもと雰囲気違う」
使用人「もしかして、それが精霊術師さんの素なのですか?」
精霊術師「あ……、はい」
お嬢様「私そっちの精霊術師のが好きー」
使用人「そうですね、雰囲気に合っていて素敵だと思います」
精霊術師「あぅ、ありがと」
使用人「さてさて、精霊術師さんの意外な一面を見れたことですし、さっそく宿を探しましょう」
町は交易で人の往来が盛んなためか、宿屋は探すまでもなく見つかった。
三人は、大通りから少し外れた宿に泊まることにした。
カゼノオトシゴのヒレを売ったことで得たお金は決して少なくないが、収入の安定しない身の上なのであまり贅沢はできない。
大通りの喧騒から逃れるように石畳の裏路地に入り、年季の入った木製の扉を開ける。カランコロンというベルの音とクリームシチューの香りが三人を迎え入れた。内装は瀟洒で年季は感じるが埃っぽくはない。
宿主人「ようこそ、悪いけどうちは二人部屋しかないんだ。お嬢ちゃんは小さいし、三人一部屋でいいかい?」
使用人「いかがいたします?」
お嬢様「三人一緒」
精霊術師「じゃあ、一緒で」
三人は狭い階段を他の宿泊客と道を譲り合いながら通り、二階の部屋に落ち着いた。お嬢様と使用人は行商人から買った一般的な庶民の服に着替えた。精霊術師も汚れの酷いローブだけは部屋に置いていくことにした。
お嬢様「食べ歩き! 食べ歩き行きたい!」
使用人「ふふ、そんなに慌てずとも、すぐに出かけられますよ」
三人は宿に付くや否や、再び町に繰り出した。
34 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 02:06:32.98 ID:ej8cSFHd0
精霊「屋台街に行くといいお。きっとたのしいお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】の結果、街歩きの最初は屋台街に行くことにした。お嬢様も食べ歩きを望んでいることだし、精霊術師もお腹が減ってしまっている。
何より、【精霊の導き】の結果は絶対なのだ。
精霊術師「はじめは屋台街なんてどうかな?」
お嬢様「屋台街行きたい! ずっと行きたかった!」
お嬢様の熱烈な賛成もあり、三人は屋台街に繰り出すことにした。
宿のある裏路地から大通り抜ける。
大通りに近づくにつれて、愉快な演奏が聞こえて来た。
お嬢様「凄い! フェスティバルみたい!」
大通りには、所狭しと屋台が並び、椅子が大通りを埋め尽くし、酔客と給仕が入り乱れていた。爛々と輝くカンテラの明かりが、ずっと向こうの通りまで続いている。大胆で、でも絶対に美味しい料理の香ばしい香りが鼻腔をくすぐる。
五感に訴えかけてくるにぎやかさだが、これがこの町の当たり前の夜だというのだから驚きだ。
使用人「お、お嬢様。あまりはしゃぐと迷子になってしまいますよ?」
お嬢様「大丈夫だもん。使用人がいるから迷子にならない!」
すっかり楽しくなってしまったらしいお嬢様は、使用人の手を引いて人込に踏み込んでゆく。そして次々と屋台を物色していった。
鶏肉の串焼き、冷やした果汁、焼いた小麦粉の生地に香辛料のきいたソースを塗ったもの、客足がなく店主が落ち込んでいた虫のから揚げ。
何でも口に放り込む姿はあまりにも逞しかった。
ちなみに虫から揚げの屋台はお嬢様があまりにもおいしそうに食べていたので興味を持った客が集まるという珍事が起こった。
三人のお腹も程よく膨れ初め、冷やかすにとどまる屋台が増え始めたころ、精霊術師は一つの屋台に興味が向いた。
なんでもないアクセサリーの屋台だが、こういうお店はたまに掘り出し物がある。
屋台の主人「お姉さん、これなんてどう」
精霊術師「いや、そんな可愛らしいのは似合わないと思う」
屋台の主人「ここだけの話だが、このアクセサリーには美容の効果があるんだ。何でもカーバンクルの輝石が使われててな、よぼよぼの婆さんもぴっちぴちよ」
精霊術師(……なんの力も感じないけど、わざわざ指摘しなくてもいいか……)
屋台の主人「おいおい、その顔は疑ってるね、お姉さん」
使用人「おーい、精霊術師さーん!」
精霊術師「ごめんね、連れが待ってるみたいだから」タッタッタ
35 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 02:18:22.61 ID:ej8cSFHd0
使用人「お嬢様が少し疲れてしまったようですので、ここで一休みしませんか?」
精霊「そうするといいお。名案だお」
精霊術師「わかった」
使用人の提案と【精霊の導き】の結果、きれいな公園で一休みすることになった。確かに歩き疲れたし【精霊の導き】の結果だ。
大通りの中ほどで唐突に表れる開けた空間は、四方に伸びる大通りの交点に位置する公園だった。円形の開けた空間の中心に立派な巨木がそびえ、その根元から広がるように、月の光を含んだ花が咲き乱れている。燐光をはなつ花粉が公園に舞い、一種幻想的な雰囲気を醸し出していた。
三人はそんな公園に並んだ長椅子に腰かけていた。
使用人「静かですね……。大通りの喧騒がうそのようです」
精霊術師「落ち着く。火照ったからだが冷えて、気持ちいい」
お嬢様「使用人、お膝貸して」
使用人「あら、お嬢様甘えん坊ですか?」
お嬢様「うん」
使用人「……もう、仕方ない人です」
使用人の膝に頭を預けてご満悦の様子のお嬢様と、愛おしそうに頭を撫でてあげる使用人。二人の幸せな時間は、そばにいるだけで心安らぐものに見えた。
使用人「お嬢様、ずっと大好きですよ」
そう囁く使用人の横顔には、惜しみない愛情の陰に、わずかな後悔が滲んでいるように思えた。
36 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 02:58:34.30 ID:ej8cSFHd0
精霊「近くに劇場があるお。行くべきだお」
精霊術師「わかった」
【精霊の導き】は最後に劇場を勧めてきた。
正直もう十分街歩きは堪能したし、お嬢様もおねむである。精霊術師としてはこのまま宿に帰ってもいい気がしたが、【精霊の導き】は絶対。この指針は揺らがない。
精霊術師「少しわがまま言ってもいい? ここの近くの劇場に行ってみたいんだけど」
使用人「劇場、ですか? ですが、お嬢様が……」
お嬢様「むにゃ、行くぅ。私も一緒がいいー」
お嬢様の許可もあったので、三人は劇場に向かった。
劇場は酒場のようになっていた。中央に半円の舞台があり、一階と二階から演目が見れるようになっていた。何でもかんでもお酒と料理が絡むのはこの町の様式美なのだろう。
精霊術師「今日の演目は、『泣いたカーバンクル』、聞いたことないかも」
使用人「そう、ですね。よほどローカルな話なのでしょう」
お嬢様「Zzz」
きらびやかな踊り子としっとりした弦楽器を中心に、演目は行われた。
泣いたカーバンクル。
簡単にまとめてしまえば、友人を助けるために自分の輝石を売って薬を買ったカーバンクルの話。
カーバンクルは宝石をもって生まれる希少な種族だ。生まれ持った輝石を手放すと、次第に衰弱して死んでしまう。
輝石を売ったカーバンクルは、友人にそれを悟られないため、何も言わず旅に出る。
何も知らない友人は、ある日、偶然薬のために売られた輝石を見つけ、すでに手遅れであることに涙するのだった。
使用人「……あまり面白くありませんでしたね」
精霊術師「ん」
使用人「さて、宿に戻りましょう。もうお嬢様はすっかりお眠です」
お嬢様「むにゃ、まだ食べられるよ、使用人。すぴー」
37 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 02:59:54.93 ID:ej8cSFHd0
三人はすっかり夜も更けたころに、宿に戻ってきた。
疲れ切って熟睡中のお嬢様をベッドに寝かせた。
部屋を照らしているのは月明かりだけだった。
精霊術師「使用人は、これからどうするつもり?」
使用人「私たちは、これからさらに北の町を目指そうと思います。私の故郷がありますから」
精霊術師「そう」
使用人「精霊術師さんは?」
精霊術師「私は、決まってない。精霊に聞くだけ」
使用人「凄く精霊術師っぽい答えですね」
精霊術師「精霊術師だから」
使用人「そう、ですね……」
精霊術師「……」
使用人「……」
精霊術師「……」
使用人「あの、私まだ眠たくならないので、少し夜風にあたってきますね」
精霊術師「わかった。先に寝てる」
使用人は一人、部屋を出て行った。部屋には白々しいくらい綺麗な月光が差し込み、お嬢様の幸せそうな寝顔を照らしていた。
精霊術師(……こんなことも自分で決められないなんて)
精霊術師(【精霊の導き】)
【精霊の導き】の結果を↓1
1:寝る。
2:精霊石を、いや、カーバンクルの輝石を返す。(返し方も)
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 08:06:27.66 ID:g8jflqyUo
2
お嬢様の枕元に置いて自分はバレない様に朝早く宿を出る
39 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 12:33:16.89 ID:ej8cSFHd0
精霊「精霊石は返すべきだお。お嬢様の枕元に置いておくお。バレないように早朝に出立するお」
精霊術師「……わかった」
【精霊の導き】の結果、精霊石は返し、二人が寝ているうちに出立することになった。
ちゃんと別れの挨拶をかわせないのは寂しい。
でも、最後の最後まで「やっぱり返して」の一言が言い出せなかった使用人のことだ。
きっと普通に返そうとしても強情に突き返されるだろう。
自分は放浪の術師。二人とはここですっぱり決別すべきだ。
【精霊の導き】は、やっぱり正しい。
精霊術師「……」ゴソゴソ
精霊術師「……」タビジタク
精霊術師「……」チラ
精霊術師「……」ガチャ、パタン
40 :
◆TgtWYAjzAI
[saga]:2019/02/06(水) 12:34:06.23 ID:ej8cSFHd0
窓から包み込むような朝日が差し込んでいる。
お嬢様「すー、すー」
お嬢様「んー、……」ゴソ
お嬢様「……」ムク
お嬢様「……精霊術師? いない?」キョロキョロ
お嬢様「? これ、使用人の宝石だ……」
使用人「どうしたんですか、お嬢様」
お嬢様「精霊術師が、いなくなっちゃった」グスッ
使用人「そんな、何も言わずに行ってしまうなんて」
お嬢様「うぅぅ、一緒にいたかったよぉ」
使用人「よしよし、泣かないでください」ナデナデ
お嬢様「使用人、これ……」
使用人「!? それ、私の、輝石。なんでお嬢様が」
お嬢様「精霊術師、置いてっちゃった」
使用人「精霊、術師さんっ……」ポロ…ポロ…
お嬢様「使用人、……泣かないで」ナデナデ
精霊術師と主従END
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/06(水) 12:43:56.89 ID:LLKFsfZMo
また会いたいね
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