【安価】精霊術師「最近、内乱の勢いがひどい」

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285 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/01(金) 13:26:32.27 ID:XFb54r26O
精霊術師は当初の予定通り乗合馬車に乗って聖都へ向かうことにした。

馬車は精霊術士たちを乗せたままリフトに乗った。

さすがに絶壁の一番上までリフト一本で行けるわけではなく、何度かリフトを乗り換える必要があった。

ある程度登るとリフトが止まり馬車が壁面の道を進んで また別のリフトに乗る。

途中絶壁から流れる滝の裏をくぐったり、高山植物のしげる広場で休憩したり、雲を直接浴びたりして、ついに絶壁の上へたどり着いた。

そこは天上の世界だった。

崖っぷちから覗く下界は雲の下にあり、昔の人がこの場所を聖地、聖都として崇めた気持ちも分かる。


聖都は白い石で作られた都市だった。

どこからか豊富な湧き水でも沸いているのか、町中に水路が張られている。

御者「馬車での旅はここまでです。七日後には降誕祭ですので、ご自身の用を済まされた後でも滞在することをオススメします」

精霊術師(さて、無事に聖都についたけど、降誕祭は七日か。それまで何をしよう)

安価↓1 自由に記載
286 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/01(金) 14:31:16.29 ID:GJSepvxnO
日銭を稼ぐ
無理なら安価下
287 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 08:44:44.98 ID:wJHTm19uO
精霊「日銭を稼ぐお。流石に金欠が過ぎるお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は手頃な仕事がないか探した。

聖都では日雇い労働者や精霊術師のような放浪者に対して仕事を斡旋しているのは、酒場ではなく教会だった。

聖都にある教会はどれも広場に面しており、広場に設置された掲示板から仕事を受注するらしい。

精霊術師(どの仕事を受けよう)


安価↓1
【水路の掃除】銀貨2枚
【《ヨツバクロム》十個の納品】銀貨30枚
【大聖堂の補修・高所作業】銀貨40枚
【《トリュ》1輪の納品】金貨1枚(銀貨100枚)
288 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 09:06:22.54 ID:GiKh0wtT0
大聖堂の補修・高所作業
289 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 17:52:53.76 ID:wJHTm19uO
精霊「【大聖堂の補修・高所作業】を請け負うお。観光と仕事が同時に出来るお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は大聖堂へ向かった。

大聖堂とは聖都の中心に聳え立つ巨大な建物で、教皇が政を行う政治施設であり、信徒が祈りを捧げる宗教施設であり、未来の聖職者を育てる教育機関でもある。

しかし、精霊術師を含む多くの来訪者にとっては聖都一番の観光地だった。

精霊術師「街につく前から見えていたけど、間近で見ると圧巻だなぁ」

仰ぎ見た先にあるのは、パイプオルガンのように並ぶ真っ白な尖塔と、それを包み込むように手を広げる女神の像。

女神の威光を嫌でも感じる景色だった。
290 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 17:53:57.24 ID:wJHTm19uO

精霊術師「すみません、掲示板を見て来たんですけど」

守衛「教会の受注票はお持ちですか?」

精霊術師「どうぞ」

守衛「はい、確かに。それでは責任者のもとへ案内しますので、ついてきてください」

精霊術師は守衛の案内で大聖堂を歩いた。

大聖堂の中は総合施設らしく場所によって雰囲気を目まぐるしく変えた。

子供たちがはしゃぎながら廊下を走りそれをシスターが慌てて追いかけていった。

足音が天井まで響く静かな講堂を通った。

観光客でごった返す中庭を過ぎた。

司祭たちが聖都の未来について食堂で語らっていた。

そうこうして精霊術師が案内されたのは、大聖堂の裏手だった。
291 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 17:54:59.66 ID:wJHTm19uO
守衛「責任者さん、新たな人手です」

責任者「人手は助かるが、……女か。【魔法】か【祈祷】は使えるか?」

精霊術師「【精霊術】が使えます」

責任者「珍しいな。しかし、今は珍しさよりも実用性がほしい。使えなさそうなら帰ってもらおう」

精霊術師「わかりました。それで、私の仕事はこれですか?」

精霊術師は女神像の周りに置かれた白い石のパーツを指差した。

白い石は職人の手により、何かの意図をもった形に切り出されていた。

そして、パーツを他の日雇い労働者らしき人達が各々の魔法を駆使して運んでいた。

責任者「そうだ。職人の切り分けたパーツを上で作業しているものに届ける。できるか?」

精霊術師は尖塔を見上げた。

高さは150mほど。

石材に白曜石という軽くて丈夫な石を使ってあるとはいえ、馬車一つ分の大きさともなればそれなりに重たくなる。

精霊術師(余裕を持って届けられるのは六割くらいかな)

精霊術師は樹木を生やして石材を持ち上げた。

安価↓1
精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】9+安価↓1

石材【防御:重量】15

石材と精霊術師の差が1につき報酬が±銀貨10枚
292 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 17:56:16.63 ID:wJHTm19uO
あ、安価はコンマ1の位を見ます。
293 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 17:56:28.04 ID:AxXqRdpD0
294 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 18:58:14.84 ID:2IQkf3g/O
ダメみたいですね…
295 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 20:48:54.09 ID:wJHTm19uO
精霊術師【攻撃:蔦結の精霊術】13

石材【防御:重量】15

報酬:銀貨40→20



精霊術師「く、重たっ」

責任者「ほぉ、なかなかの高さまで上がるもんなんだな」

守衛「精霊術は始めてみましたけど、130m程の樹木をこの一瞬で……」

責任者「大したもんだ。だが、一回の運搬でバテバテではな」

精霊術師「はぁ、ふぅ」

責任者「しかし、人手がほしいのも事実だ。休み休み働いて報酬の半分でどうだ」

精霊術師「それで、大丈夫です」

(所持金銀貨24枚)
296 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/03(日) 20:52:55.54 ID:wJHTm19uO
修復作業にはそこそこ貢献でき、「都合がつくなら明日も来てくれ」と頼まれた。

精霊術師「流石に疲れた」

一日精霊術を行使して体はくたくただが、まとまったお金が手に入った。

いまなら大抵の施設は利用できるだろう。

精霊術師(どこかにいこっかな?)


安価↓1
1:大衆浴場
2:魔道具店
3:その他自由に記載
4:宿に帰る(次の日へ)



おやすみです。亀更新で申し訳ない
297 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/03(日) 20:54:36.60 ID:SO3e9kaVo
1
298 : ◆TgtWYAjzAI [sage saga]:2019/03/14(木) 21:39:48.78 ID:TV3ORjAUO
精霊「大衆浴場に行くお。汗を流してさっぱりするお」

精霊術師「わかった」


精霊術師は大衆浴場に向かった。

大聖堂の中に誰でも入れる温泉があるそうなのだ。

聖都はかなり標高の高い場所にあるが、水源は豊富である。

大聖堂の尖塔にある一見神殿のようにも見える場所が大衆浴場だった。

受付「ようこそおいでくださいました。沐浴用の服はお持ちでないですよね?」

宗教の国とあって、同性の間でも無暗に肌を晒さないらしい。

精霊術師「はい。それと、着替えの服も借りられますか?」

大衆浴場には衣類を洗える場所があるらしい。

精霊術師はそろそろ泉や小川の水以外で服を洗濯したかった。

受付「ええ、大丈夫です。では入浴、服貸し出し、合わせて銀貨三枚のお布施を」

精霊術師「わかりました」

(所持金銀貨21枚)
299 : ◆TgtWYAjzAI [sage saga]:2019/03/14(木) 21:40:32.35 ID:TV3ORjAUO
沐浴用の服は簡素で薄手、真っ白で肌に吸い付く作りになっていた。

いつもゆったりと余裕のある服を着ていた精霊術師は衣服の密着感が新鮮に思えた。

浴場に入ると、乳白色の湯が広い浴槽に満ちていた。

湯は女神像の持つ壺から絶え間なく注がれている。

呼吸すると湯気の匂いと水気で体内から潤うようだ。

人はたくさんいたが、首元に聖印をかけているかで聖都の人間か否かは判断できた。

湯に浸かると、自然と吐息が漏れた。

全身がじんわりと暖められ、疲れが溶けていくようだ。

精霊術師が天国にいるような気分でいると、声をかけてくる人がいた。


安価↓1
1:聖印をつけたお祖母さん
2:小さな女の子
3:綺麗な女性
4:気のせい(大衆浴場をでます)
300 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 21:40:58.29 ID:ejQUMo1Uo
1
おかえり
301 : ◆TgtWYAjzAI [sage saga]:2019/03/14(木) 21:58:53.32 ID:TV3ORjAUO
>>300
こんなに早くレスもらえるとはもらえるとは思ってなかったよ。
あったけぇなあ。
ちょっと車運転するんで更新待ってください。
302 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 22:00:24.95 ID:AZpNfFLyo
運転に集中しろ
待ってた
303 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/14(木) 23:02:02.22 ID:TV3ORjAUO
お婆さん「あなたこの辺では見ない顔立ちね。やっぱり降誕祭を見に来たの?」

精霊術師「はい。旅をしているなら寄ったほうがいいと勧められまして」

お婆さん「降誕祭は有名ですものね。私もいつも楽しみにしてるの、でも……」

精霊術師「何かあるんですか?」

お婆さん「あまり大きい声では言えないんだけど。ちょっと雰囲気が不穏なのよね」

精霊術師「不穏」

お婆さん「ええ、大聖堂の修繕がお祭り直前になっても終わっていなかったり、聖女様の近辺も怪しかったり」

精霊術師「そういう情報ってもう巷に出回っているんですか?」

お婆さん「あまり知っている人は少ないわ。お年寄りの情報網よ」

精霊術師「なるほど。では今年の降誕祭はあまり期待しないほうがいいのでしょうか」

お婆さん「あ、あらあら、私ったら水をさすようなこと言って、ごめんなさいね。お話相手が欲しくて野暮なこと言っちゃった。忘れて頂戴」

そういうと聖印を付けたお婆さんは離れて行ってしまった。

安価↓1
1:小さな女の子
2:綺麗な女性
3:大衆浴場をでます
304 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 23:03:09.67 ID:SZban1bJ0
1
305 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/14(木) 23:34:31.99 ID:TV3ORjAUO
女の子「うう、ぐすっ」

精霊術師「どうしたの? まいご?」

女の子「お母さん、いなくなっちゃった」

精霊術師「そかそか、ほら、泣かないで」

女の子「これ、なあに?」

精霊術師「蓮の花っていう、水面に咲くお花」

女の子「きれー! お姉ちゃん魔法使い?」

精霊術師「うーん、そうだね。魔法使い」

母親「見つけた」

女の子「お母さん!」

母親「心配したわ。この方は?」

女の子「お花の魔法使いさん」

母親「そうなの。娘がお世話になりました」

精霊術師「いえ、大したことではないので」
306 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/14(木) 23:35:31.66 ID:TV3ORjAUO
母親「花を操る魔法ですか? 珍しいですね」

精霊術師「本当は精霊術なんです。花ではなく植物全般は操れます」

母親「植物全般ですか!?」

精霊術師「え、ええ。そんなに驚くことでしょうか?」

母親「はい、あまりにもタイミングが良かったので」

精霊術師「というと?」

母親「実は、降誕祭のために街を花で飾りたいのですが、花が足りないんです。あなたなら、一日でお花をいっぱいにできるかも、と思いまして」

精霊術師「確かに、出来ないことはありません」

母親「素敵! もしよければ明日、聖都西区の教会へ来てくれませんか?」

安価↓1
1:快諾する
2:行けたら行く
3:明日は用事があります
307 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/14(木) 23:40:43.17 ID:8b/d1btDO
1
308 : ◆TgtWYAjzAI [sage saga]:2019/03/14(木) 23:51:00.98 ID:TV3ORjAUO
精霊「受けるといいお。丁度いい働き口だお」

精霊術師「わかった」




精霊術師「私も丁度仕事を探していたんです。西区ですね」

母親「助かります。では明日。待っていますね」

精霊術師「はい」

女の子「またね、お花の魔法使いさん」

精霊術師「またね」

安価↓1
1:綺麗な女性
3:大衆浴場をでる
309 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 00:15:23.78 ID:CUsquMZso
1
310 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/15(金) 00:43:54.97 ID:yTCjGvvGO
女性「ちょっとよろしいですか?」

精霊術師に綺麗な女性が声を掛けて来た。

沐浴用の服とは少し違う服を湯煙で透けさせている。

精霊術師「はい」

女性「湯に疲れたらオイルマッサージなんてどうです? お肌がしっとりしますよ」

精霊術師「えっと……」

女性「それに、教会で作られたオイルを使いますので神聖な加護も付きますよ?」

精霊術師「そういうのは……」

女性「いまは降誕祭の準備期間ですので、いつもは銀貨15枚のところを10枚にしておきますよ」

安価↓1
1:お願いします
2:もう少し安くなりませんか?
3:遠慮しておきます。
311 : ◆TgtWYAjzAI [sage saga]:2019/03/15(金) 00:56:07.41 ID:yTCjGvvGO
今日はお休みなさい
312 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 01:04:41.10 ID:/yoRdXGDO
1
313 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/15(金) 01:21:28.65 ID:CUsquMZso
おつ
314 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/19(火) 01:18:21.24 ID:KXxOT9YA0
精霊「受けるといいお。お肌は乙女の魂だお」

精霊術師「わかった」

(所持金銀貨11枚)


精霊術師はサウナのような個室に案内された。

焼き石と蒸気で程よい湿気が保たれており、室温も少し暖かい程度で丁度いい。

マットが引かれており、精霊術師はそこにうつぶせにさせられた。

沐浴用の服は骨盤の左右でひもで結んでいるだけなので、簡単に解ける。

女性「では背中から、失礼いたします」

精霊術師「んっ」

少し冷たいオイルが湯で暖められた体に沁みる。

しかしマッサージの腕は確かなようで、そのまま寝てしまいたいくらいには極楽だった。




最近成長安価していないのでここで強引に挟みます。

安価↓1 成長ポイント
安価↓2 振り分け乱数
315 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/19(火) 01:44:40.14 ID:HgEajpGmo
316 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/19(火) 06:54:49.70 ID:OceNJ4Am0
317 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/21(木) 23:36:52.31 ID:dDoenN5KO
成長ポイント4
振り分け乱数0(体力全振り)


【体力】16→20
【攻撃:蔦結の精霊術】9
【防御:綿花の精霊術】7(+1)(+3)
【異変:夢見の精霊術】7
【耐性:萌芽の精霊術】6(+3)
318 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/21(木) 23:37:35.42 ID:dDoenN5KO
女性「はーい、お仕舞いです。よかったら明日もいらしてくださいねー」

精霊術師「ん……、はい」


大衆浴場を出た精霊術師は、借り物の衣類に身を包んでいた。

聖都の雰囲気にあった、白を貴重とした揺ったりとした服だ。

キトンと言うらしい。

衣服は明日まで借りてよいとのことなので、今日はこのまま宿で泊まることもできるし、都を歩くことも出来る。

1:水路のゴンドラ市場
2:魔道具店
3:自由記載
4:宿に止まる(明日へ)
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 23:44:19.33 ID:EIEtvniIo
1
320 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 00:02:56.51 ID:oisIQofbO
精霊「ゴンドラ市場に行くお。観光名所の一つだお」

精霊術師「わかった」



標高の高い場所にあるにもかかわらず、聖都は水が豊富だ。

それ故に街中の公共交通機関の一つに水路とゴンドラがある。

夜になると、観光案内や郵便、そういった仕事で水路が使われることがなくなるため、水路にゴンドラを止めて作られた市場が開かれる。

精霊術師が水路に向かうと、たくさんのゴンドラと人でにぎわっていた。

白を基調としたゴンドラの上にはお土産屋さんや料理屋台のような定番のお店から、占い師や出張教会など変わり種も見られる。

それらを水路に流された燈篭が暖かい色で照らしていた。

ゆったりと流れる水のような、落ち着いた時間の流れる空間だった。


精霊術師はどうする?
安価↓1
1:お腹を満たす
2:面白い噂や話を求める
3:ただ落ち着ける場所を探す
4:自由記載
321 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 00:03:26.46 ID:N/54zVlg0
3
322 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 00:03:30.07 ID:KdKRZNmro
3
323 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 01:05:43.43 ID:oisIQofbO
精霊「落ち着ける場所を探すお。夜風に当たりたいお」

精霊術師「わかった」



精霊術師は水路の脇を歩きながら落ち着ける場所がないか探した。

しばらく歩くと、枝分かれした細い水路にゴンドラが止まっていた。

漕ぎ手は厚手のローブを纏った人で、性別は不明だ。

気になった精霊術師は話しかけてみることにした。

精霊術師「これは何のゴンドラなんですか?」

漕ぎ手「お店じゃありませんよ。 ちょっとゴンドラの練習をしているんです」

精霊術師「練習、ですか」

漕ぎ手「はい、ゴンドラでお店を開くには認定書をとらないといけないんですけど、ゴンドラの実技試験もあるんですよ」

精霊術師「なるほど。じゃあ、休憩の邪魔しちゃったかもですね」

漕ぎ手「いえ、もうそろそろ再開しようと思っていたところなので。あ、良ければ練習に付き合ってもらえませんか? どこにでも連れて行きますよ、乗り心地は保証しませんけど」

精霊術師「それじゃあ、お願いしようかな」






漕ぎ手「どこまで行きたいですか?」

精霊術師「静かで、落ち着ける場所」

漕ぎ手「おっと、急に難題ですね。んー」

精霊術師「難しかったらいいんですけど」

漕ぎ手「いえ、いい場所を思い出しました」


漕ぎ手はゴンドラを動かした。

認定書とやらを持っていないと言っていたが、水路をすべるように渡る技術は上等なものだった。

水路の裏路地ともいえるような場所をすすみ、たどり着いたのは大聖堂にたつ女神像の裏手だった。

大聖堂は街の中にあって湖の上に立つように作られている。

なので、その裏手と言えばもちろん、かなり広い水の空間だった。

燈篭はほとんど見当たらず、星明りも届かない。

ぬらりとした水面に自分たちだけが浮かんでいるようだった。
324 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 01:06:42.86 ID:+PaHwnri0
漕ぎ手「つきました」

精霊術師「……確かに静かだけど。これは何というか、寂しい?」

漕ぎ手「一見、そう見えるでしょ?」


漕ぎ手は得意げにそういうと、舟の先端にランタンを取り付けた。

中で燃えているのは青白い炎だ。

漕ぎ手はそのまま少し先に漕ぐと、今までは姿も形もなかったのに、突然暗闇の中から青白く光るランタンを取り付けたゴンドラが現れた。

それも一つではない。

表の水路に引けを取らない数のゴンドラがそこにいた。
325 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 01:07:35.82 ID:+PaHwnri0

漕ぎ手「不思議でしょう。この光は一定の距離までしか届かないんです。だから、遠くから見ていてもこのゴンドラは見つけられない」

精霊術師「ちょっと驚きました。でも、なんでこんな隠れるようなことを?」

漕ぎ手「もちろん、隠れないといけないようなことをしているからです」


漕ぎ手の話によると、ここにいるゴンドラは今の聖都の法律に引っかかるような商売をしているという。

焚書されかねない本を売るゴンドラ、男女の愛を確かめ合うゴンドラ、禁止されている毒腺料理のゴンドラ、異教徒が祈りを捧げるゴンドラ等。


精霊術師「こんなところにいて、つ、つかまったりしないかな」

漕ぎ手「大丈夫です。ここには聖都のお偉いさんとかも来てますから」

精霊術師「……なるほど」
326 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 01:08:35.30 ID:+PaHwnri0
精霊術師たちの乗っているゴンドラに、別のゴンドラが近づいてきた。

そのゴンドラからは不思議な甘い香りがした。


怪しい女性「お客さん。私特性の煙草はいかが? すっきり落ち着くわよ?」

漕ぎ手「あ、一箱ください」

怪しい女性「どうも。……あなたは?」

漕ぎ手「別に害があるものじゃないですよ。聖都で売ることが禁止されてるだけです。宗教上の理由で」



安価↓1 (所持金銀貨11枚)
1:キセル+お洒落な煙草の箱(銀貨10)
2:キセル+瀟洒な煙草の箱(銀貨7)
3:キセル+素朴な煙草の箱(銀貨5)
4:遠慮しておきます
327 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/22(金) 01:13:25.29 ID:oisIQofbO
今日のところはこのくらいで寝かせてもらいます。
328 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 01:14:53.11 ID:tK4gEU9go
4おつ
329 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/30(土) 02:09:54.04 ID:Q99xeQjQ0
精霊術師「私は遠慮しておきます」

怪しい女性「あら、残念」

女性さして残念そうでもなくゴンドラを動かした。

一定の距離で闇に呑まれるように姿が見えなくなる。

漕ぎ手「もしかしてここの雰囲気が合いませんでしたかね。慣れると居心地はいいんですけど」

精霊術師「実はそうかも」

漕ぎ手「案内失敗しちゃいました。じゃあ別の場所に行きますか。練習に付き合ってくださった分はちゃんと要望に応えますよ」
330 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/30(土) 02:10:28.47 ID:Q99xeQjQ0
そういって漕ぎ手が連れて来たのはゴンドラ市場の賑わう水路。

その傍に立つ時計塔の真下だった。

漕ぎ手「この時計塔の上とかどうです? たまに座っている人影を見ますし、静かだと思いますよ」

精霊術師「ありがとう、行ってみます」

漕ぎ手と別れると、精霊術師は時計塔の中に入った。

見上げると、大きな歯車や振り子がゆっくりと時を刻んでいる。

頻繁に人が来るわけではないようで、空気が少し埃っぽかった。

脇にあった梯子に足をかけ最上部まで登る。

最上部は大きな鐘が吊るされているのみで他には何もなかった。
331 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/30(土) 02:11:13.49 ID:Q99xeQjQ0
縁に腰かけると、聖都が一望できた。

白を基調とした街並みに橙色の光の河が張り巡らされている。

ゴンドラ市場の賑わいも遠くに聞こえ、夜風は涼しく吹き抜けてくる。

精霊術師(……遠くから眺めてるのが一番落ち着く)

ホッ一息付けた精霊術師は、しばらくそこで街並みを眺めて過ごした。
332 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/30(土) 02:15:46.78 ID:Q99xeQjQ0
さすがに眠たくなってきた。

精霊術師は宿に戻って明日に備えることにした。






次の日。

宿の朝食を頂き、裏手の井戸場で身なりを整えると、精霊術師は聖都の西区に向かった。

昨日大衆浴場で出会った女性と約束した街の飾りつけを行うためだ。

言われた通り西区の教会へ赴くと、昨日の女性が迎え入れてくれた。

昨日の女性「お待ちしておりました。改めましてわたくし、西区の婦人会会長です」

精霊術師「精霊術師です。よろしくお願いします」

婦人会会長「それではさっそく、街の飾りつけについてお話ししましょう」

婦人会会長「範囲は西区の四分の一。報酬は基本銀貨10枚で、出来によって追加報酬、でどうでしょう」

精霊術師「十分です」


【異変:夢見の精霊術】7+安価↓1

【耐性:石畳、壁、屋根、その他】10


10以下で失敗
333 : ◆TgtWYAjzAI [saga]:2019/03/30(土) 02:16:49.03 ID:Q99xeQjQ0
今日はこれだけ
334 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 02:27:38.65 ID:8LL71qblo
おつう
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