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【安価】奴隷を買って好きにいじれ

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804 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 11:14:20.91 ID:Xf+F1gIb0
 コプププッ、トプトプトプットプットプットプッ、コピュウッ

私「んああっ、くぅあああっ♥ せーし、せぇしいいっ♥」

三太夫「しゅるるるっ、孕めっ、しゅるるるっ、孕めぇぇぇぇぇっ…………」

 コププゥッ、コプコプッ、プククッ、コプッ…………

三太夫「しゅるるるぅ…………ふぅーっ、ふぅーっ………これだけ出せば…………赤ん坊も出来るだろう………しゅるるる…………」

 三太夫さんがちんちんを入れたまま、二・三度私の中のせーしをぐちゅぐちゅとかき混ぜた。

私「んぁ、なぐううっ♥」

 私は快楽に身体を跳ねさせた。
 せーしがとんで、ぱたたとお腹の上に落ちた。

三太夫「ふふふ………しゅるるる。シキ。元気な私の子を生んでくれよ………しゅるるる………」

 三太夫さんは私に口づけをした。
 舌を巻き込んで歯茎の内側、上顎の裏、口の中全部にまんべんなく舌が満ちた。
 三太夫さんが口を離すと、ぬろぉと舌が引きずり出された。

私「ひゃあい♥ うみましゅ、元気な赤ちゃんうみましゅっ♥」

 私が舌を出しながらそう答えると、三太夫さんはにっこりと笑って頷いた。

三太夫「しゅるるる………これで終わりだと思うなよぉ。しゅるるる、まだイクぞぉ………」

私「はひぃ…………♥」
805 :オパビー :2019/03/18(月) 11:16:45.45 ID:Xf+F1gIb0
 >>803 人間の頭の上にくきのない花だけの大きめの鳥兜が咲いてるんや。
 肌は人間より緑っぽくて、血も緑っぽいで。
806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 11:24:15.58 ID:9Cvg5NHZo
>>805 ありがとうごぜぇます
807 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 11:55:23.28 ID:Xf+F1gIb0
 1ヶ月後。

私「ん………可愛い。私の子………私達の子………」

三太夫「しゅるるる。よく頑張った」

 三太夫さんにせーしを注いで貰ってから、1ヶ月が経った。
 私のお腹は赤ちゃんが入ってて、ぽこっと一カ所が固く膨らんでいた。
 今日、その子がやっと生まれた。

三太夫「……………で、これはなんだ?」

 三太夫さんが指差したのは私が頬ずりしている赤ちゃんだ。
 拳位の大きさで、つるっとしてて、可愛い。

私「三太夫さん、知らないんですか? 赤ちゃんの種ですよ種。本当なら頭の花から生まれるはずなんですけど………この種を土に埋めて、しっかり育てたら3ヶ月くらいで花が咲いて、その中から赤ちゃんが生まれるんです……♥」

三太夫「お、おう。しゅるるるる。そうなのか…………」

 三太夫さんがぼりぼりと頭を掻いた。
 私は赤ちゃんを抱えながら、その三太夫さんの二の腕を掴んだ。

私「三太夫さん、まだ一人じゃ足りません。もっと、もっと生まなければ。種を残すために、せーしをもっと、もっとください♥」

 私がそう言うと、三太夫さんはにやりと笑った。

三太夫「しゅるるる。イイね。そういう女は好きだ、しゅるっ。いくらだって注いでやるよシキ。しゅるるる♥」

私「うふふ………♥」
808 :オパビー :2019/03/18(月) 12:18:19.49 ID:Xf+F1gIb0
 あれから五年。
 長いようで、あっという間だった。

子ども達「ままー、ままー!」

 子ども達が私を呼ぶ。

私「はいはい。ちょっとまっててね、この子たちに水をあげてから………」

 ちょろろろろろ………

私「はい。どうしたの?」

子1「遊んで遊んで!」

子2「みんなでおとーさんみたいに演じるの! ほら、おかーさん攫われて攫われて!」

 所狭しと押し寄せる子ども達が口々にそう言う。

私「あらあら、みんな元気ねぇ。わかった。じゃあ今日の悪役は誰かしら〜? 早く私を攫ってちょうだい?」

子ども達「やったー!」





 さあさあかくごせよあくだいかん!
 われここにまいらん!
 ぬぬ、なにやつ!?
 われこそはせいぎのせんし、からまえぜつご!
 ひめをたすけにここにさんじょう!
 ああ、空前絶後様!
 どうか私の事は気にせずに、戦ってはなりませぬ。
 これは罠です!
 ひめよ、わなであることはじゅうじゅうしょうち。
 ひめがききにさらされているのなら、どんなときでもたすけてしんぜよう!
 あくだいかんかくごせぇ!
 ぬぬ、かかれおまえら!
 かくごせよ!
 からまえぜつご、ぬしのそのくびをうちとり、もんぜんにさらしてやるわ!
 てぇやあああっ!
 えあああああっ!





 今日も歌舞伎が家に響く。
 彼らの夢はなんだろうか。
 琴引き?
 語り手?
 はたまた役者?
 何であれ………

 いずれ空前絶後の歌舞伎一家となることは、予想に難くない。
809 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 12:21:00.77 ID:Xf+F1gIb0
 紫稀編終わりじゃい。
 次は管狐編。
 属性はだな…………

 ケモショタ×ケモロリ

 乞うご期待。
810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 12:27:34.51 ID:nOpPDK2lo
おつおつ
無知×積極的の化学反応
ケモナー大歓喜の次回も期待大
811 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 12:29:01.61 ID:7/SiDloE0
ショタロリの組み合わせ珍しいから期待
812 :オパビー :2019/03/18(月) 13:22:15.56 ID:hHG3vcAH0
 ロリっつうか、5年経つから普通のメスケモになっちゃうんだが。
 まあそうは言っても管狐だから身体は小さいんやがな。
 ショタの方、年齢はどうする。
 年上か、年下か、同い年か。
 何歳年上年下かも書いて>>下
 ちなみにケモ度3(人間の骨格の獣)でケモチンやで。
813 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 13:26:21.15 ID:Fl1hlplX0
ベタに同い年で
814 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 13:30:59.61 ID:C3juyTWjo
管狐はケモ度もっと高いからやっぱりケモマンなんですかねぇ?
オコジョは画像ないけど近そうなフェレットのは検索したら出てきたぞ
815 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 13:38:18.96 ID:Fl1hlplX0
早速ケモナーガチ勢出てきて草 わからない次元の話すぎる
816 :オパビー :2019/03/18(月) 13:38:24.67 ID:hHG3vcAH0
 >>814 何を検索しとるか。
817 :オパビー :2019/03/18(月) 13:40:20.45 ID:hHG3vcAH0
 では管狐の名前>>下
 新しい物か元からの名前か、も。
818 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 13:42:25.56 ID:C3juyTWjo
元でっ!
819 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 13:51:02.63 ID:C3juyTWjo
名前も書くのか見落としてましたすみません…
安価来てなかったら六花(りっか)
820 :オパビー :2019/03/18(月) 14:03:51.11 ID:hHG3vcAH0
 >>819 相応しい名前。
 ええね。
821 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 14:40:52.80 ID:hHG3vcAH0
 あたしの名前は、六花(リッカ)。
 管狐の獣人さ。
 あたいは元々奴隷だった。
 五年前にいきなりさらわれて、奴隷になった。
 ずっと村のみんなが助けに来てくれるって思ってたけど、あたしはある日知ってしまった。
 あたしは村のみんなに売られたんだって。
 商人が話してるのをたまたま聞いちまったんだ。
 知ったときは泣いたよ。
 ずっと泣き続けたよ。
 でも、おんなじ檻に入れられていた紫の花を持ったどれあどのお姉ちゃんが、あたしを慰めてくれたんだ。
 大丈夫、大丈夫だよ、って。
 だからあたしは心を壊さずにすんだのかもしれない。
 あのお姉ちゃんには、感謝しかなかった。
 でもある日、そのお姉ちゃんは買われていってしまった。
 それから会っていない。
822 :オパビー :2019/03/18(月) 14:45:49.57 ID:hHG3vcAH0
 あたしは異能がある。
 村のみんなに売られた理由でもある異能。
 雪を作り出せるんだ。
 こんな異能、いらなかった。
 最初から普通の女の子として暮らしていたかった。
 こんな異能さえなけりゃ、こんな異能さえなけりゃ………!
 あたしは………!
 ………何度も、自分の腕に浮かぶ雪花模様を傷つけた。
 でも、異能は消えない。
 薄まる気配もない。
 だからもう諦めてたんだ。
823 :オパビー :2019/03/18(月) 15:02:54.69 ID:hHG3vcAH0
 五年前。
 あたしが買われた日の事だった。
 なんの前触れもなく檻を開けた商人からあたしが買われた事を伝えられたんだ。
 あたしはその商人に噛みつこうと思った。
 だけど、いつも通り、鞭で思いっきり叩かれて終わりだった。

 あたしを買ったのは、あたしより人間に近い狼の獣人の男だった。
 男は自分の事を料理人だと名乗り、名を太郎と言った。
 男はあたしの異能をとても珍しがり、同時に素晴らしいと賞賛していた。
 あたしはそれが気に入らず、望み通り雪を大量に生み出してその男にぶつけてやったのさ。
 それでも男は笑いながら雪に埋もれていた。
 あたしは気持ち悪いと思ったさ。

 そのままあたしはその男の店に連れてかれた。
 なんで料理人があたしを買ったのか。
 その時は全く理解が出来なかった。
 でも今のあたしの「職場」を見ればすぐに分かるさ。
 これが今のあたしの職場さ。
824 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 15:24:41.57 ID:hHG3vcAH0
太郎「リッカちゃん、5番机にこれとこれ持ってって!」

あたし「はい!」

小太郎「リッカちゃん4番机にこれとこれ!」

あたし「はい!」

みりん「リッカちゃん、かき雪6個注文!」

あたし「はあああいっ!」

 ……………とまあ、こんなもんだ。
 普通に料理処の従業員として働いてるよ。
 太郎は江戸の中でも大きい料理処、「小遊三」の店主だったらしい。
 従業員もあたし以外に何人もいて、今日も絶賛大繁盛中だ。
 小太郎は太郎の息子で、あたしと同い年だ。
 太郎の息子だからか、同じ狼の獣人で、太郎と同じように狼が立ったような見た目だ(正確には狼が人間の骨格をしている)。
 5年前はまだちっちゃくて目がきゅるるんとして可愛らしかったが、今はあたしが見上げないと顔が見えない。
 割と逞しく成長してしまった。
 最初の頃は喧嘩も良くしたが(今もたまにするが)、今ではきょうだいみたいに仲良しだよ。
 そしてみりん。
 みりんは小太郎の母ちゃんで太郎の嫁だ。
 狐の獣人らしく、太郎と同じくらい獣に近い。
 料理は揚げ物系全般が得意らしい。

 こんな風な、料理処一家の所に買われたあたしだが、普通に幸せだよ。
 寝るところ、食べる物、着るもの、全部を保証してくれる。
 最初の頃は嫌で嫌で仕方なかったこの仕事だって、今ではやりがいを感じて楽しんでるさ。
 走れば汗が玉になって空を舞う。
 この感覚が、心地よい。
825 :オパビー :2019/03/18(月) 15:41:14.47 ID:hHG3vcAH0
 いや、一個だけ不満があるとするなら、寝るところだ。
 そろそろ小太郎と別室にしてほしい!
 もう子供じゃねえんだあたしだって!
 もう逃げも隠れもしないから小太郎と別室にしてくれ!
 そのむねをみりんや太郎に伝えたところで、

太郎「何でだ。二人は仲良いじゃないか」

みりん「あらあら。リッカちゃんもそう言うの気にするお年頃になったのかしらぁ? だめよぉ?」

 とのらりくらりと流されちまう。
 何でだ!
 布団動かすだけじゃねえか!

 あたしは注文を受け取る為に小太郎が置いた皿を取った。
 その時、不意に太郎が言った。

太郎「ところでリッカ。そろそろ小太郎との結婚を考え………」

あたしと小太郎「「何でだ!」」

みりん「まあ、息ぴったり」

 あたしと小太郎が同時に太郎に向かって叫んだ。
 はぁ………はぁ………
 太郎もみりんも冗談はよしてくれよ…………
 太郎もみりんもあたし達が近くにいると事あるごとにそう言うんだ。
 小太郎はきょうだいみたいなもんだって………言ってんだろ?

 ところで、今のあたしには、他の従業員とはまた違った、仕事がある。
 さっきみりんが言っていた「かき雪」作りだ。
 注文を受けるとあたしが雪を作る。
 そしたらみりんが甘い汁をかけて出来上がりだ。
 これが太郎があたしを買った理由らしいけど、なんたってこんなつまらない物を作るためにあたしを買ったんだ。
 この異能を持ってるって事で高い値段がついていたんだが、なぜかどうしても太郎はこのかき雪を作りたかったらしく、大金を払ってあたしを買ったらしい。
 いや、飛ぶように売れるし旨いんだけど………
 やっぱり太郎は少し変だと思う。
826 :オパビー :2019/03/18(月) 16:55:29.68 ID:hHG3vcAH0
 鳥兜の反省を生かしそれぞれの見た目。
 身長は大体。

 太郎 狼の獣人。32才。身長180、筋骨隆々。ケモ度3。いわゆる狼男。毛色はニホンオオカミのもの。

 みりん 狐の獣人。29才。身長160、華奢な体つき。胸はあまり無い。ケモ度3。毛色はキツネ色。

 小太郎 狼の獣人。15才。身長160、ショタ。筋肉は無い。ケモ度3。太郎と同じニホンオオカミの色。六花は姉みたいなもの。

 六花 管狐の獣人。15才。身長立ったとき70、しゅっとしてる。ケモ度4で、ほとんどオコジョそのまま。毛色は真っ白。小太郎は弟みたいなもの。
827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 17:32:40.35 ID:Fl1hlplX0
微笑ましすぎていいわぁ
828 :オパビー :2019/03/18(月) 18:56:22.49 ID:hHG3vcAH0
 因みにケモ度が4(MAX)でも上下着てる。
829 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 19:18:11.86 ID:hHG3vcAH0
おばさん1「ねぇ。リッカちゃんとコタロー君はお似合いなのにねぇ」

おばさん2「ほんとにねぇ」

 常連のおばさんが私達を見ながらそう言った。

あたし「ちょっ……! おばさんっ!」

 小太郎が笑いながら言う。

小太郎「あっはっは。リッカちゃんは姉貴みたいなもんだからさ。ねぇって」

あたし「そうだよおばさん」

 私達がそう言うとおばさん達は笑った。
 ほんとにそんなんじゃないって………言ってんだろ!

あたし「もう………」

みりん「リッカちゃ〜ん。早くかき雪作って〜」

あたし「はーい!」

 あたしはみりんの所に走っていった。
 みりんの前に並べられたかき雪用の器に手をかざし、素早く雪を盛る。

みりん「ありがとっ!」

 盛った雪にみりんが調味をかける。
 6種類(苺、牛乳、砂糖、林檎、薩摩芋、蜂蜜)も味があって旨いんだぜこれが!

あたし「おうよ! お手のもんさっ!」

 この動作だって、最近は同じ量をきれいな形に一瞬で盛ることが出来るようになるまでになったんだ。
 長年の成果だな!

客1「丁定食ください」

 あたしはかき雪を作り終わったら、次は注文を受ける。

あたし「はーい!」

客2「三色団子二本」

あたし「はい!」

 その時、店の扉が開けられて、子連れの大家族が入ってきた。
 また忙しくなりそうだねっ!
 入ってきた家族の父親っぽい客はキョロキョロと席を探しているようだった。
 あたしは急いでその客を案内する。

あたし「席あちらになります!」

客3「ああ、すまない」

 家族連れを案内したのち、また別の客の注文をとる。
 注文注文注文注文注文!
 運ぶ運ぶ運ぶ運ぶ運ぶ!
 忙しい、だけどっ、楽しい!
 身体が細く小さい私は客に当たらないようにするすると料理を運んでいく。
830 :オパビー :2019/03/18(月) 19:19:19.86 ID:hHG3vcAH0
 やっぱり太郎(父親)のリッカの二人称は「リッカ」にするで。
831 :オパビー :2019/03/18(月) 19:28:35.95 ID:hHG3vcAH0
客4「甲定食3つ!」

あたし「はい!」

客5「鯖焼きください」

あたし「はいはーい!」

 注文を聞いて回る内に、さっき入ってきた家族連れの客が手をあげているのが見えた。

あたし「はい、ご注文は?」

客3「かき雪8つ。味は適当にしてくれていい。ああ、あとあんこ大福も7つ」

あたし「はい!」

 かき雪8つ、味は適当っと。
 大福7つね!
 あたしはそう注文書に書き留めてその机を離れた。

あたし「…………あれ? あの二人、どっかで見たような…………」

 …………気のせいか。
 注文書を壁に貼り、出来上がった料理を机に運んでいく。
 忙しい分だけ楽しい!
 するすると水の中を通る魚のように、空気を切るとんびのように、客の間をすり抜けていく。
832 :オパビー :2019/03/18(月) 19:51:03.08 ID:hHG3vcAH0
 よし、今日もなんの事件も無しに無事1日を終えられそうだ!
 そう思っていた時だった。
 あたしは、一人の客が金を払わないまま店を出て行こうとしているのを見つけた。
 他の客に紛れ、あまりにも自然に振る舞っているため、従業員は気づいていない。

あたし「あの、すいませんお客様。お代はお支払に………」

客6「こんな店に金が払えるか!」

 その客はいきなり振り返り、あたしにそう怒鳴った。

あたし「…………え?」

 その客は60ほどの中太りの男だった。

客6「聞こえなかったのか? こんな店に金が払えるかって言ってんだ」

 あたしはその男が言っている意味が分からない。
 高い位置から私を見下しながら、男は続ける。

客6「ふざけるなよ、俺は動物が嫌いなんだ。旨いって言うから来てみれば、それほどでも無いじゃないか。それに食い終わってから厨房を見てみればなんだ。獣が調理しているじゃないか。そりゃ旨くないさ、料理に毛が入ってるんだからな!」

 確かに、うちには太郎と小太郎とみりん以外にも獣人の料理人はいる。
 しかし料理の時は手袋をして極限まで毛が入らないように気を使っている。
 それでもたまに入ってしまう事もあるが、それは獣人が料理する上ではどうしょうも無いことだろ?
 そんなの誰だって分かってる事のはずだ。
 この男が過敏なのだ。

あたし「あの………ですが………」

客6「ああ? 人間に口答えするのか薄汚い獣風情が。なんたって人様の食卓に紛れ込んでいるんだ。獣は獣らしくドブのネズミでも捕まえていればいいんだ」

 たまに、いるんだ。
 将軍様が出した全種族平等令よりも前から生きていた人間の中には、このような男が。
 あたしは太郎に助けを求めようとした。
 だけど、厨房からはちょうど柱で見えない。
 従業員も気づいていない。
 客は男が怖いのか見てみぬふりをしている。

客6「この管狐が。客を化かして肥やしを食わせる前に辞めろ」

 男がそう言った。
 その言葉は、私達狐に対しての最大の侮辱だった。
 けれど、私は何も言い返せなかったよ。
 言い返す力がなかったのさ。
 情けないけれど、その男が怖かった。
 男が踵を返して店を出ようとしたときの事だった。

小太郎「取り消せよ」
833 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/18(月) 19:53:33.24 ID:SyrZ0RQto
これは乗っていい
834 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 20:17:38.45 ID:hHG3vcAH0
客6「あ?」

 男の足が止まる。

小太郎「取り消せよ今の言葉。そしてリッカちゃんに謝れ」

 小太郎が、私の前に立ちはだかっていた。

小太郎「獣風情だ? 獣は獣らしくドブのネズミを捕まえてろだ? いくら客といえど許さねえぞ!」

 小太郎が牙をむき出しにしながら叫んだ。
 男は小太郎に向き直っていった。

客6「俺は客だぞ! 俺は正当な意見を言ってるんだ! 獣なんかは料理を作る資格はねえってな! お前等は余計なことせずに大人しく人間様が作って地面に置いたものを食ってりゃいいんだよ!」

小太郎「んだとこの………!」

 小太郎が男に飛びかかろうとした瞬間だった。
 小太郎の身体が何かに押さえつけられ、地面に組み伏せられた。

太郎「申し訳ございません!」

 太郎だった。
 厨房から飛んできたらしい。
 小太郎の片腕を後ろに回し、完璧に関節をキメている。
 なんで、なんで小太郎の方を抑えつけるのさ!
 抑えつけるべきはそこのクズだろ!?

小太郎「がっ…………とうちゃんっ、放せ…………っ!」

太郎「うちの従業員が不敬を働いてしまい申し訳有りませんでした! 料理がお気に召さなかったのなら料金は払わなくて結構ですので! 誠に申し訳ございませんでした!」

 太郎がそう言って頭を下げると、客はフンといって床に唾を吐いた。

客6「ぺっ。分かったらいいんだよ分かったら」

あたし「太郎、なんでっ…………!」

 あたしがそう言うと、太郎は鋭い眼孔であたしを睨みつけた。

太郎「黙ってろ……!」

あたし「う………!」

 堂々と金を払わずに店を出ようとする客の背中を見ながら、太郎が声を押し殺しながら言う。

太郎「客に手だしちゃおしまいなんだよ。しかも俺たち獣人が経営している店だ。悔しいが、あいつの意見に同意する上層階級の奴らは多い。他にいくつかそうやって獣人が経営してる料理店が潰れたのを知っている。この店は問題を起こしていないから潰れてないんだ。もし客の人間を獣人の職員が怪我させでもしたら…………店が潰れるぞ………!」

 そんなの…………そんなの横暴だ!
 あたしはそう声をあげようとしたけど、ぐっとこらえた。
 店が潰れる。
 そう、ならない為にも。
835 :オパビー :2019/03/18(月) 20:24:53.74 ID:hHG3vcAH0
 その時だった。

 店から、音が消えた。
 いや、正確には小さい子供の声だけがしている。
 皿を洗う音も、食器がぶつかり合う音も、話し声も、一瞬にして止まった。
 さんざん獣人のことを罵っていた男も店を出る直前で足を止めた。
 太郎さえも、止まった。

 あたしは、まるで首もとに刀を突きつけられているような冷たい恐怖に襲われていた。
 たぶん、みんなも同じ感じを味わっている。
 全員の顔から笑顔が消え、恐怖に顔を歪めている。
 泣きそうな顔の客もいる。
 その時、店の外から一匹のハエがぶ〜んと飛んできた。
 そして、落ちた。
836 :オパビー :2019/03/18(月) 20:28:09.03 ID:hHG3vcAH0
 カラァンッ

 誰かが持っていた匙が、落ちた。

 しゃく、しゃく、しゃく

 店の一角から、そんな音がする。

 しゃく、しゃく、しゃく

 カチャ

客3「うむ………やはりかき雪は夏に食べるに限る」

 誰かが、そう言った。
837 :オパビー :2019/03/18(月) 20:45:25.15 ID:hHG3vcAH0
子1「ねえ、なんでみんな静かなの…………?」

 小さな声で誰かが誰かに聞いた。
 首は動かせないから、その方向を見れない。
 たらり、と太郎の頬を汗が伝う。

子2「しー。静かにしてろ。父ちゃんの力を邪魔しちゃダメだ」

子1「マジで…………!?」

 どこか緊張にかけた会話だった。
 それでも、まだあたしの首もとには刀が突きつけられているような感覚がある。

客3「時に、シラサギ」

客7「なに?」

客3「最近、獣人が経営する店で客がいつの間にか消える現象が起こっているようだ」

客7「へぇ、そうなんだ」

客3「いくら計算しても、客と料金が合わないそうだ。不思議だな」

客7「不思議だねぇ」

客8「ほんと。不思議不思議」

 しゃく、しゃく、しゃく

客3「話は変わるが、最近獣人が経営する店で無銭飲食が流行っているようだ」

客7「へぇ、そうなんだ」

客3「呼び止めても、まるで自分が正論だと言わんばかりの言葉を並べるそうだ。しかも、思いっきり獣人を蔑むような」

客7「へぇ」

客3「それに腹を立てて、有る店の獣人の職員が男に襲いかかったらしい。その店は、どうなったと思う?」

客8「どうなったの?」

客3「…………潰れたらしい」

 びくっ、と、先ほどの男が身体を震えさせた。
 だらだらと滝のように汗を流している。
 逃げようとしているように見えるが、身体が硬直したように動かないらしい。
 目を見開いて、顔が赤から青に、青から白にコロコロと色を変えている。

客7「へぇ」

客8「酷いね」

 しゃく、しゃく、しゃく
838 :オパビー :2019/03/18(月) 21:05:04.73 ID:hHG3vcAH0
 しゃくっ

客3「……………さて」

 ガタッ、と声の主が立ち上がった。
 コツ、コツ、と静かな店内に靴音が響く。
 ゆっくりと、こちらに近づいてくる。
 全身の毛がぞわりと立ちあがった。

客3「別に、獣人を嫌う事をダメだと言っている訳じゃない」

 コツ、コツ

客3「何かを好き、何かを嫌う事は人間にとって普通の反応だ」

 コツ、コツ

客3「だが、なぁ…………」

 視界に、声の主の姿が入ってきた。
 さっき、かき雪8つと大福7つを注文した客だった。
 右手にはまだ三分の一ほど残っているかき雪のお椀を持っていた。
 赤い汁…………ということは、苺味か。
 灰色に近い色をした肌のその男は、太った男の近くに止まった。

客3「自分の身を守る為だけのウソとして何かを嫌いだと偽ることは、最低だ」

 シュイイインッ

 客の腰に刺さっていた超大ぶりの刀が、抜かれた。
 ドタッ、と太った男が尻餅をつく。

客6「ま、まままっ、ま、は、はなななな、待ってくれ、おおおおおお俺が、わるるるるる」

 男の股と床に黄色い染みが広がる。
 恐怖のあまり、漏らしたようだ。

客3「お前、金は持ってるか?」

客6「もももももも、もってなななななな」

 なんだ………
 そう言う事か。
 この男、最初っから金を払う気なんて無かったんだな…………

客3「そうか。じゃあ[ピーーー]」

 ぶおんっ

 刀が振られた。
 男の首が飛んだ。

 ように、見えた。

客6「おぶぶぶっ、おぶぶぶぶぶ………………」

 太った客は白目を向き、口から泡を吐きながら倒れ込んだ。

客3「このぬらりひょん(無銭飲食野郎)が」

 チン、と刀が納められ、男の着物が縦に切れた。
 ふんどし一枚を残し、着物が脱げた。
 それと同時に、フッ………とさっきまで私達を覆っていた恐怖が、消えた。
 あたしは膝を突き、自分がめちゃくちゃ汗を掻いている事に気づいた。

客3「迷惑をかけたな」

 客はそう言った。
839 :オパビー [saga]:2019/03/18(月) 23:54:31.67 ID:hHG3vcAH0
 その後。

 あの太った男の目的が分かった。
 ただの、無銭飲食だった。
 たらふく食事をしたあと、会計をせずにそっと店を出る。
 それだけだった。
 もし店員に見つかっても何も問題はない。
 獣人の店だけを選び、獣人が怒るようないちゃもんをつければいいことなんだからな。
 もし獣人が攻撃をしたら、その事を肥大化させあたかも全て獣人が悪いように獣人を好ましく思わない貴族に報告するんだ。
 あのクズ、無銭飲食をしてるって言うのに案外身分は高く、貴族との繋がりも良かったみたいだ。
 無銭飲食をして、去る。
 バレたらいちゃもんをつけて挑発する。
 挑発に乗っかったらその事を肥大化させて報告する。
 結果、店が潰れる。
 そう言った流れだったらしい。
 クズだ。
 正真正銘のクズ野郎だ。
 そんなクズでも今回ばかりは言い逃れが出来なかった。
 周りの客、あたし、小太郎、太郎、そしてあの長い刀を持っていた客の証言から、最初から無銭飲食をするつもりだったことが確定した。
 クズはふんどし一丁のままお縄につき、道行く人々に笑われながら連れて行かれた。
 ざまあねえや!
 そのクズを捕まえた客はどこかで見覚えがあったのだが、名前も何も聞く前に家族らしき人達を連れて去ってしまった。
 まあしょうがないか。
840 :オパビー [saga]:2019/03/19(火) 11:14:53.73 ID:wPdISCxO0
 閉店後。

太郎「すまなかった」

 店に繋がる自宅にてみりんと太郎と小太郎とあたしで話していた。
 最初に太郎が頭を下げた。

太郎「小太郎、お前がしたことは間違ってはいなかった。すまなかった」

 小太郎が手をふる。

小太郎「いやいや、父ちゃんはなんも悪くねえよ。俺がカッとなったのが悪いんだ」

太郎「確かにお前はあのクズの言葉に釣られてカッとした。だけど、結果的にはあいつの方が悪かったんだ。過程なんて問題じゃ無いんだ。結果が全てなんだ」

小太郎「でも、もしあいつがただのいちゃもんをつける奴で、金も持っていたのに俺が傷つけていたら………」

太郎「もし、なんて無かった事の話はするな。お前は正しかった。それだけだ」

 太郎はどうあっても引かないみたいだ。
 怪我をさせたときに客がただのいちゃもん屋であれば、なぜか挑発したいちゃもん屋はおとがめ無しで先に手を出した店側が全て悪い事になる。
 逆に今日みたいに食い逃げ犯だったら、食い逃げ犯がただ逆ギレしたという事になり店側の正当が認められる。
 しかし太郎は結果を重視する奴のようで、小太郎が正しいと引かない。
 小太郎はその太郎の気迫に負け、とうとう引いてしまった。

小太郎「分かったよ………」

太郎「分かったなら、いい」

 太郎は腕を組み、息を吐いた。

太郎「しかし、だ。今後の話をすれば、理不尽な客はあのクズ以外にいくらだっているんだ。むしろあいつより酷いやつだっている。その時、絶対に先に手を出すなよ。お前は気が弱すぎるんだ。気を強くもって、ぐっとこらえるんだ」

 太郎の眼光は鋭かった。
 あたしはその太郎の態度がとても不快に思えた。

あたし「小太郎の気が弱いだって? そりゃ違うさ太郎。こいつの気が弱かったら、あのクズに立ち向かえるかよ」

 太郎がピクピクっと耳を動かした。

あたし「あたしがどうしょうも出来なかったときに、小太郎が来てくれたんだよ。あたしが、獣人がけなされたことに腹を立てて。太郎。へこへこ頭を下げて、みすみすクズを逃がそうとしていたあんたと違って、小太郎は立ち向かったんだよ!」

 あたしは思いっきり畳を叩いた。
 ぽすっ、と音がなっただけだった。
 小太郎が驚いたような顔をしている。

小太郎「リッカちゃん、で、でも、あれは俺が………」

太郎「いや、まて、小太郎………あー………そうだな………。リッカ、すまなかった。確かに、それは正しいな。俺は怖じ気づいていたんだ。立ち向かった小太郎の方が、強いかもな」

 太郎は小太郎の方をちら、と見て言った。

小太郎「父ちゃん………」

太郎「………………」

 その時、太郎がみりんの方に目を向けた。
 何かが伝わったのか、みりんが頷いた。

みりん「今日ですね」

太郎「そうだな」

 みりんも、太郎も、なにか、難しそうな顔をしていた。
 なんだ?
 二人していきなりどうしたんだ?
 太郎が重々しく口を開いた。

太郎「小太郎、話がある。リッカは席を外せ」

 太郎の顔は、真剣だった。
 何を話すつもりなんだ…………
841 :オパビー :2019/03/19(火) 13:47:19.24 ID:GuzT8MxV0
 席を外せ、と言われたけど、覗きたく無いわけ無いだろ?
 だからあたしはするすると足音を立てずに屋根裏に登って、天井の板の隙間から三人を見下ろした。
 太郎とみりんが横に並んで座り、反対側に小太郎が座っている。
 さて、どんな話をするのかな〜?
 あたしがわくわくしながら待っていると、最初に太郎が口を開いた。

太郎「小太郎。お前、本当にリッカと祝言を上げるつもりはないのか?」

 な、な、な、なななっ、なっ!?
 まさかあたしに席を外せってそういう話をする為だったのか!?
 そんなの死んでもごめんに決まってんだろ!
 小太郎はきょうだいみたいなもんだって………

小太郎「あ、有るわけ無いだろ?」

 …………ほら、小太郎だってそう言ってる。
 ………………………な?
 太郎が小太郎の返事を聞いて頷いた。

太郎「分かった。じゃあ、何も気にすることは無いな。小太郎、お前もそろそろ年頃だし、こっちでお前の結婚相手を用意することにした。この子だ」

小太郎「は?」

 ……………え?
 太郎はそう言うと、小太郎に一枚の写真を手渡した。

小太郎「まさか、この子か…………?」

太郎「美人だろう? 『ぽん』と言ってな、みりんの親戚だ」

 写真は遠すぎてよく見えない。
 しかし、なんとなく狐の獣人だということは輪郭で分かった。
 その写真を見ながら、小太郎が呟いた。

小太郎「………めちゃくちゃ可愛いな」

太郎「だろ? 14才だがしっかり者で、ぽんの方はお前と結婚する気満々だったぞ。どうだ? 悪く無いだろ?」

 いやまてまてまてまて。
 まーてまてまてまて。
 まだ会ったことすら無いんだろ?
 そんなのおかしいじゃないか。
 そんな結婚あたしが許さないし、小太郎だって真っ向から突っぱねるはずだ!
 …………
 ………………でも、小太郎はじっと写真に見入ってた。
 そして、写真を置いて言った。

小太郎「考えさせてくれ」

 考えさせてくれ。
 否定せず、肯定もせず。
 つまり、これは否定ではない。

 否定じゃ……………無い。

太郎「うむ。考える事は大事だ。だが、考えすぎる事もいかん。期限は明日、じーっくり一晩考えるんだ。もし嫌なら、誰か別の相手でも連れてこい。それ以外の方法でぽんを突っぱねることは許さん。いいか、よく考えろよ。お前はその嫁と一生を共に過ごすことになるんだからな」

小太郎「…………ああ」

 小太郎は腕を組ながら、畳に置いた写真を見つめていた。
 あたしは、頭の中がぐちゃぐちゃになったような感覚におちいったさ。
 なんでそんなに見つめる?
 どうして悩む必要がある?
 否定しろよ。
 なんでだよ、なんでだよ!
 クソ、クソ…………………

 なんであたしは否定してるんだ。
 なんであたしは嫌なんだ。
 なんで、なんで、なんで………………
 なんで頬を暖かい物が伝っているんだ。

 この気持ちは………………なんなんだよぉ………………
842 :オパビー [saga]:2019/03/19(火) 15:07:56.21 ID:6cONGGMG0
 その日の夕方。

 なんで、頬が濡れていたんだ…………
 泣いてない………………
 ………あれはただ、埃が目に入っただけだ。
 屋根裏って、埃っぽいからな…………。

 みりんと太郎は昼のクズの件で事後処理があるらしく、役所に出かけた。
 ちょっと長くかかるらしく、明日の朝までは帰ってこないらしい。
 いや最悪じゃねえか。
 気まずいにも程がある。
 小太郎と一晩二人っきりだ?
 今一番なりたくなかった状況だった。
 しかもあたしは覗いた事を気付かれないためにも、いつも通り振る舞わなくちゃいけないという試練もあった。

あたし「小太郎、そこの白菜とって」

小太郎「…………………」

あたし「小太郎?」

小太郎「…………んっ? なに」

 夕飯を作ってる最中だって、小太郎はどこか上の空だった。
 あのぽんとかいう娘の事を考えているんだろうな。
 綺麗だからって写真越しにうつつを抜かして。
 お前の着物の懐に写真が入ってることぐらい知ってるんだからな。

 夕飯の最中だって、小太郎との間に会話は無かった。
 一言もしゃべらずに、どこを見つめているか分からずに。
 視線は下に、ずっと机を見て、黙々と食べている。
 あたしは胸の辺りに不快感を感じていた。
 イライラしてきた。
843 :オパビー [saga]:2019/03/19(火) 15:52:25.89 ID:6cONGGMG0
 夜。

 布団もいつも通り。
 離したら怪しまれるし、離そうという気にもなれなかった。

小太郎「おやすみ」

あたし「………………………」

 暗闇の中から小太郎の声が聞こえて来たけど、あたしは布団を被って無視した。

小太郎「…………寝てる、か…………」

 そう言って、小太郎は静かになった。
 ……………小太郎が、結婚、か。
 昼の太郎達の話を思い出しながら、あたしは布団の中で考えた。
 小太郎が結婚したら、どうなるんだ。
 ぽんが、あの娘がうちに来る。
 ぽんは小太郎の手伝いをする。
 小太郎は嫁のぽんを愛する。
 小太郎はあたしの隣に寝なくなって、ぽんと一緒に寝るようになる。
 ぽんはあたしの妹でもない。
 あたしは小太郎の兄でもない。
 あたしは赤の他人。
 ぽんと小太郎の間に子供が産まれても、その子はあたしとは無関係。
 ただの、他人。
 あたしは…………邪魔………………っ…………!
844 :オパビー :2019/03/19(火) 16:06:47.68 ID:6cONGGMG0
小太郎「リッカちゃん?」

 気付けば、小太郎があたしの顔をのぞき込んでいた。
 なんだよ…………

小太郎「なんで、泣いてるんだ?」

あたし「………………あ?」

 小太郎があたしの頬を撫でる。
 小太郎の肉球が、あたしの頬に当てられる。
 あたしの頬は、濡れていた。

あたし「な、泣いてなんか…………」

小太郎「なんか、泣き声が聞こえたから…………涙も、出てるし………」

 あたしは小太郎の手を振り払った。

あたし「いい。泣いてない…………!」

小太郎「でも………」

あたし「うるさい! 黙れ!」

 あたしは枕で小太郎の顔を叩いた。
 小太郎はびっくりしたような顔をした。

小太郎「ご、ごめんて」

あたし「………………ぐすっ」

 小太郎は後ずさって、自分の布団に戻った。
845 :オパビー :2019/03/19(火) 16:10:59.23 ID:6cONGGMG0
 あたしは枕に顔をうずめた。
 どうして、どうして涙が止まらないのさ。
 なんで、なんであたしは嗚咽しているのさ。
 小太郎の結婚を思い浮かべて、小太郎の隣に立っていたのが狐だったからか?
 二人の間に立っていた子供の毛色が黄色だったからか?
 どうしてだよ、なんでだよ。

あたし「なんで、あたしじゃいけないんだよ……………」

小太郎「………え?」
846 :オパビー :2019/03/19(火) 17:04:15.08 ID:6cONGGMG0
 そこに立っていたのがあたしじゃ無かったから。
 二人の間に立っていた子供の毛色が白く無かったから。
 あたしは泣いた。

あたし「小太郎ぉ…………」

小太郎「な、なんだよ」

 小太郎が向こうの布団から返事を返してくる。

あたし「お前、結婚するのか? その写真の娘と」

小太郎「っ、なんでそれを知って………………!」

 小太郎があたしの方をみた。

あたし「あたし、覗いていたんだよ。あんたが太郎とみりんと話してる所」

 あたしは闇の中の小太郎に向かって言う。

あたし「それで、あんたが写真の娘を可愛いって言ってよ、結婚のこと考えるって言ってよ、その写真を肌身離さず持っててよ…………きりきりって、ずっと胸が痛いんだよ」

小太郎「いや、写真は流石に今は持ってな…………」

あたし「これってよ、小太郎。あたしがお前を好きって事だろ?」

 あたしの目から絶え間なく涙があふれてきた。
 本当はずっと言いたかった事を言って、まるで水門が開けられたみたいに。

あたし「だってよ、ぉ、だってよ、嫉妬だもんな、これって。今気づいたんだよ。ぉお。なあ、小太郎ぉ。あたしじゃ駄目なのかよぉ。五年間ずっと一緒にいたのに、好きって言うのが遅すぎたのかよぉ。無意識に意地ばっか張って、それのせいで逃しちまったのかよぉ。ばかだよなぁ。ううぅっ。だったら、いっそ、いっそ…………」

 あたしは涙で前が見えなかった。
 ぼろろっと、涙が落ちた。

あたし「いっそ、あたしを振ってくれよぉ…………」
847 :オパビー :2019/03/19(火) 17:16:52.40 ID:6cONGGMG0
 小太郎の布団から、動く音がする。
 小太郎が闇の中から腕を伸ばして、あたしの頬に触れる。

小太郎「………………いや。俺は、リッカちゃんを選ぶ」

 小太郎が、そう言った。

小太郎「覗いていたなら、聞いていただろ? 父ちゃんが言ってた、俺がぽんと結婚しないって言うんなら、誰か別の女を連れてこいっていう話。それなら、リッカちゃんが良いって考えていた。でも、ずっと告白する勇気が出なくて…………」

 ああ…………
 ずっと上の空だったのは、あたしに告白する方法を考えていたからだったのか。
 じゃあ、じゃあ…………

小太郎「もう、先に告白されちまったが、言うぞ」

 …………最初から、相思相愛だったって事か?
 ばかばかしいなぁ…………
 なあんで、意地なんて張ってたんだか。

小太郎「リッカちゃん。俺と、結婚してくれ」

 ああ、なんであたしからこの言葉を言えなかったんだろう。
 情けないなあ。
 あたしの頬に当てられた小太郎の手の上から手を重ね、あたしは笑った。

あたし「…………うん」
848 :オパビー :2019/03/19(火) 20:39:21.50 ID:6cONGGMG0
 小太郎の顔があたしに近づく。
 そして、唇が重なった。

 ちゅ…………むちゅ…………

あたし「う……んむ……………」

小太郎「ふう……………んん………」

 不揃いな口の大きさ。
 小太郎が大きく口を開けたら、パクリとひとのみにされてしまいそう。
 それでも、愛の口付けを交わすには充分だった。
 しばらくして、口が離れた。

あたし「んむ………実はあたし、これが初めてなんだよ」

小太郎「ああ………俺もだ」

 あたしと小太郎の初物の口付けは、同時に散った。
 銀の糸が布団に落ちる。

小太郎「なあ、リッカちゃん」

あたし「なに?」

 小太郎があたしの両手を掴んだまま、ゆっくり覆い被さってくる。

あたし「…………小太郎、ちょっと待った。なあ、後ろに倒れ…………ちゃ………」

 ぽす

 私の身体は布団に押し倒された。

小太郎「今日、絶好の機会だとは思わないか」

あたし「な、なんの………」

 小太郎がわかっているだろ、と言わんばかりの笑みを浮かべる。

小太郎「この家には今夜、父ちゃんも、母ちゃんもいない、二人っきりだ………もう、契りまで交わしちまわないか?」

あたし「ちっ、契り!?」

 ち、契りっていうのはつまり、ええ、男と女がゴニョゴニョ…………

あたし「まさか、その………ちょめちょめだとか、くんずほぐれつだとか………」

小太郎「ああ………くんずほぐれつ」

 小太郎の荒い吐息があたしの顔に当たる。

あたし「………………………うう〜…………」

 顔が、熱くなるのが分かる。
 身体が反応してしまっている。
 とても、魅力的な提案だ。
 でも…………まだ、心の準備が…………
 あたしが戸惑っていると、小太郎が言った。

小太郎「こんな機会、次に来るのは何日後だと思う? 何ヶ月後だと思う? ………それに、もう、俺が引き返せない。我慢できないんだ」

あたし「ああ…………うん。その話、乗った」

 我慢できない。
 その証拠に、小太郎の股間が膨れていた。
 小太郎がにっこりと笑った。
849 :オパビー :2019/03/19(火) 20:49:58.64 ID:6cONGGMG0
小太郎「えっと………実は俺童貞なんだ」

 童貞。
 あたしはクスリと笑った。

あたし「だろうと思ったさ。だってあんたの色恋沙汰なんて一つも聞いた試しが無いさね」

小太郎「うるさいな。俺は童貞を捨てるのは最愛の人だけだって決めてたんだよ。………まあまさかそれがリッカちゃんになるなんて思わなかったがな。………そういうリッカちゃんは?」

 またこいつはそうやって無神経な事を言う。
 あたしは顔を赤らめた。

あたし「…………処女だようるさいな。なんだったら自分で確かめるか?」

小太郎「ああ」

あたし「ああ、って………ちょ、まっ!」

 小太郎はそう言うなりあたしの寝間着の裾から手を入れた。
 そしてするりと肩を出させる。
 胸から腹が露わになった。

小太郎「なんたって胸を隠してるんだ? 隠さなくたって変わんないだろ?」

あたし「変わるわ! 毛で見えなくたって恥ずかしいもんは恥ずかしいんだからさ…………あ………ちょ……」

 小太郎は胸元を隠すあたしの手を摘まんで横によけた。

あたし「や…………ぁ………」

小太郎「毛しかねぇじゃねえか」

あたし「やかましわ!」
850 :オパビー [saga]:2019/03/19(火) 21:02:05.63 ID:6cONGGMG0
 小太郎は両の手のひらをあたしの胸板に当てた。
 そのままむにむにと動かす。

小太郎「………………」

あたし「………………」

小太郎「なんも無いな」

あたし「揉まれてるこっちもなんだが何も感じないね」

 これは致命的だった。
 まあ管狐だから胸など有るわけがなく、いくら揉まれたって気持ちよくない。
 そのとき、小太郎が手のひらで何かを見つけた。

小太郎「………あ」

あたし「ん? ……………んんっ!?」

 私はぴくんと身体を震えさせた。
 小太郎が乳首を摘まんだのだ。

あたし「んっ……………んんんっ………」

小太郎「やっぱりここは気持ちいいのか」

あたし「ま、まて、あっ」

 小太郎は縦に並んだ乳首をプリプリとなぞるように下から上に撫でた。

あたし「んおおっ♥」

小太郎「お、良い反応。それに………乳首も立ってきた」

 あたしの乳首は小太郎に弄られ続けたせいで、毛の上からでも桃色の頭が見えるほどまで大きくなっていた。

あたし「お、お前の触り方がいやらしいからだろ!」

小太郎「いやらしくしてんだよ」

あたし「んううっ……!」

 小太郎はそのまま指で摘まんで転がしたり、先っぽを撫でたりし続けた。
 あたしはその間くすぐったさと気持ちよさにぴくぴくと跳ねていた。
851 :オパビー :2019/03/19(火) 21:15:30.21 ID:6cONGGMG0
小太郎「そろそろ、いいか」

あたし「はぁっ……はぁっ………おまっ、いい加減にしろよ……」

 あたしはだらしなく舌を出した状態で身体を痙攣させていた。
 小太郎に乳首を弄られ続けて、全身が熱くなっていた。

小太郎「じゃあ………リッカちゃん。そろそろ脱がすけど、いいか」

 小太郎はそう言ってあたしの下の着物に手をかけた。

あたし「もう、好きにしろぉ………」

小太郎「…………わかった」

 小太郎はするすると紐を解いて、あたしの履き物を脱がせた。
 あたしは真っ裸になった。
 上の着物はかろうじて袖を通しているが、こんなの裸と変わりない。

小太郎「白い毛が綺麗だよリッカちゃん」

あたし「ん…………綺麗って言ってくれて、嬉しいよ」

 管狐特有の白い毛。
 月明かりが反射して、光っているようにも見える。

小太郎「ん………鼻孔を刺激するいい匂い。どこから来てるのかな?」

 小太郎はあたしの首もとに鼻をつけ、匂いを嗅ぐ。

小太郎「ここかな?」

 ぺろぉ、と小太郎が舐める。

あたし「んひぅ………………」ゾクゾクッ

 次に小太郎はあたしの脇を嗅いだ。

小太郎「ここかな?」

 ぺろぉ

あたし「んふ…………」ぞぞぞぞっ

小太郎「それとも…………ここかな?」

 最後に小太郎はあたしの股に鼻を付けた。
 そしてべろりと舐めた。

あたし「んぅっ………あっ……………

 いままで感じたこともない種類の快楽が体を駆け抜けた。
 小太郎にマンコを舐められて、あたしは身体をすこし仰け反らせた。

小太郎「ここか…………」

 そのまま小太郎はあたしのマンコを舐め始める。
852 :オパビー :2019/03/19(火) 23:04:21.38 ID:6cONGGMG0
 大量の唾液を分泌させながら、しょりしょりとマンコを舐める。

あたし「あう…………んっ、あ……」

小太郎「ん……れろ………んむう……」

 ざりりっ、しょりっ、しょるぅっ

 あたしのマンコが、小太郎に舐められている。
 とても、興奮する。
 そう思っただけで、マンコが唾液じゃない者で濡れていく。

小太郎「ふうぅ、ふぅ…………んむ……………あむっ」

あたし「あひゃっ………んぁあっ

 小太郎が、あたしの股を丸ごと口に含んだ。
 へその下まで甘く噛みついて、べろでずろずろとマンコを舐め続ける。

 じゅるっ、じゅるるるっ、べろっ

あたし「んぁああっ、んあああっ…………」

 食べられてる。
 あたし、いま小太郎に食べられてる…………
853 :オパビー :2019/03/19(火) 23:10:31.12 ID:6cONGGMG0
 その時、大きな快楽の波がいきなりあたしを襲った。

あたし「ぅんあああああっっ

 ビクーンッ! と腰が跳ねる。
 がくがくっと下半身が震える。
 多分、イった。
 マンコから勢いよく何かが漏れている。

小太郎「んくっ……んくっ………」

 小太郎は噴いた潮を喉をならしながら飲んでいる。
 全部、飲むつもりなんだ。
 あたしの潮吹きが終わった頃、小太郎が食らいついていた口を離した。

小太郎「はぁ……………はぁ…………リッカちゃんの潮、おいしかった」

あたし「あぁ………んっ………ばかぁ………」

 小太郎は舌なめずりをして、嬉しそうに言った。
854 :オパビー :2019/03/20(水) 08:23:19.42 ID:rB065D3P0
小太郎「リッカちゃん。そろそろ………入れてもいいか? 俺も、限界だ」

 小太郎が息を荒くしながら言った。
 あたしはこくこくと頷いた。

あたし「いいよ………小太郎。契りを………交わそう?」

小太郎「……………リッカちゃん

 小太郎は自分の着物の紐を解き、膨らんでいた着物を下ろした。

 ビンッ

あたし「ぁっ…………」

 姿を現したチンコは、赤く、獰猛な形に膨らんでいた。
 というかちょっとまて、これあたしに入るのか。
 身体はひょろひょろの癖に、小太郎のチンコは大きかった。
 獣人率(ケモ度)が違うからなおそのチンコは大きく見えた。
 これあたしのへその上らへんまで来るんじゃないのか…………?
 いや、どのみち狼の獣人と管狐の獣人では、同じ獣人率でも体格差が出るか………

小太郎「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

 今は大きさより小太郎自身がヤバそうだ。
 目を血走らせてさっきからあたしの上で腰を振っている。
 完全に発情していて、周りが見えていない。

あたし「こ、小太郎っ。い、一旦落ち着いて…………」

小太郎「はぁっ、はぁっ、はぁっ、うるるる…………」

 小太郎はチンコをあたしのマンコにこすりつけ始めた。
 ずりゅんっ、ずりゅんっとチンコが滑り、マンコに何ともいえない快楽が走る。

あたし「やっ…………んぅうっ………
855 :オパビー :2019/03/20(水) 09:22:02.22 ID:aa1XDjht0
 ずりゅずりゅとこすりつけられながら、あたしのマンコはチンコを受け入れる為にもっと濡れてきた。
 小太郎が腰を動かす度に、ぷっくりと充血したマンコから愛汁がとぶ。
 不意に、小太郎が動きを止めた。

小太郎「はぁっ、はぁっ、はぁっ…………ぅううっ」

あたし「やぁ……………」

 つぷ

 チンコの先っぽが、あたしの中に入った。
 そのままメリメリと骨盤をこじ広げながらあたしの膣内に侵入してくる。

あたし「あがっ……………ひっ…………ぁぁ………」

小太郎「ふうううっ、ふうううっ………」

 外からでも分かるくらい、腹が膨らむ。
 裂けてるっ………ぁああ!
 コツン、と小太郎のチンコが最奥に当たった。

あたし「はぁあっ………んぁあっ………」

 ぽっこりと、チンコがはいった
856 :オパビー :2019/03/20(水) 09:22:36.27 ID:aa1XDjht0
 ミス
857 :オパビー :2019/03/20(水) 09:41:52.88 ID:aa1XDjht0
 ぽっこりと、チンコが入っただけで腹が妊娠したみたいになってる。
 股の間を一筋の血が流れている。

小太郎「はぁっ……はぁ………処女膜ぅ……貫通ぅっ…………ナカやべぇ、想像以上にやべぇ……!」

あたし「ぁっ、ぅあ

 腹の中が、ヤバい。
 骨盤を無理やりこじ開けられたってんのに、悦んでるっ。
 入れたままの状態でしばらく固まっていた小太郎が言った。

小太郎「ふぅっ、ふうぅ、動くっ、ぞおおっ………」

 小太郎があたしの腰をガッと掴んで、腰を動かし始めた。
 ぼこっ、ぼこっと腹の内側から叩かれる。
 一回一回突かれる事に、頭のてっぺんまでびりっ、とした衝撃が走る。

あたし「がぁっ、んんああああっ、ひぎっ、ひょおっ

小太郎「ふぁっ、ふうっ、んぁあ………やべぇ………ぅう」

 ぱちゅんっ、ぱちゅんっ、ばちゅっ

 ………いっ、いつまでっ………ぉおっ、続くんだよっ………!
 あたしは嬌声を上げ、びくびくと鮮魚みたいに跳ねていた。
 でも小太郎は一向に止まる気配はなかった。

 ぱちゅんっ、ばちゅ、ぱちゅ、ばちゅんっ

 長えっ、長えぇって!
 壊れる、壊れちまうってっ………

あたし「あああっ、んくあああ、ぃぎいっ!」

小太郎「はぁあ、はぁあ、リッカちゃん、リッカちゃぁあん………!」

 ばちゅんっ、ぱちゅ、ぱちゅんっ、ばちゅんっ

 ああああああっ
858 :オパビー :2019/03/20(水) 10:12:18.68 ID:i4p2BWhd0
 〜四半刻後(30分後)〜

 ぱちゅんっ、ばちゅ、ぱちゅ、ばちゅんっ

あたし「ぁあっ あっ ふいっ んいいっ

 ビクビクビクッ

 あたしはまたイった。
 小太郎はまだ一回もイってない。
 長すぎんだろおおおおっ!?
 もう何回イったかもわかんねえよっ
 そろそろ精子注いでくれよぉっ

あたし「あっ うぁあっ いぅっ

小太郎「はぁっ、ぅぁっ

 そう思った矢先、小太郎が腰を動かす速度が速くなった。
 ガツガツと容赦なくナカを蹂躙しはじめる。

 ばちゅばちゅばちゅばちゅばちゅ

あたし「ああああっ いああああっ

小太郎「はぁっ、出すぞっ、出すぞリッカちゃんっ! ナカに出していいよなっ、いいよなっ!?」

 ああ注いでくれっ
 注ぎ込んでくれっ
 お前の子種で子宮をたぷたぷに満たしてくれっ
 本能の底からあたしは叫んでいた。

あたし「ナカあああっ ナカに出してええええっ

小太郎「わかったあああっ 孕ませてやるっ、リッカちゃん、孕めええっ

 ごぶっ、と小太郎のチンコの根元のコブが、あたしのナカに呑み込まれた。
 そしてっ
859 :オパビー :2019/03/20(水) 12:19:56.50 ID:i4p2BWhd0
 びゅううううううううっ、びゅうううううっびゅううっ

あたし「ぁああああああああああっ んあああああああっ

小太郎「ぉあああああっ、あああ、あああああぃっ んぐううっ

 びゅうびゅうと精子が絶え間なく注がれる。
 ごっぷりと子宮が満たされた。
 ああ…………
 孕むぅっ………

小太郎「はぁっ………はぁ……………」

あたし「ああ……………小太郎ぉ……

小太郎「リッカちゃん………ごめん、まだ出る………ぅっ」

あたし「ぇあっ!?」

 びゅっ、びゅるるるるるるるるっ、びゅぐーーーーっ

 もう腹いっぱいだって………ああああっ
 射精も長いぃっ
 いい加減に…………

 びゅぐぐぐぐっ、びゅーーーーーっ

あたし「まだ出るろぉぉぉっ!?」

小太郎「はぁ……はぁ………やべ、止まんねぇ……小便みたいに出る………ぁ

 びゅぐぐぐっ、びゅぐぐ、びゅうううううっ

 腹が精子でたっぷたぷになるぅ
 ごぼごぼと音を立てながら収まり切らなかった精子が溢れる。

 びゅっ、びゅっ…………
860 :オパビー :2019/03/20(水) 13:30:52.15 ID:i4p2BWhd0
小太郎「はぁっ、はぁっ……………」

あたし「ぁ……………ぁぁ……

 やっと…………
 やっと終わった……………

小太郎「リッカ…………ちゃん」

あたし「小太郎ぉ…………

 あたしと小太郎はまた口付けした。
 契りを交わしながら。

あたし「ぅ………む………

小太郎「んふ…………ちゅっ…………また、動くぞ」

 え……………

 ずちゅ

あたし「えぁ………っ!」

小太郎「ごめん、全然収まんねえや。どの道抜けないし」

 ずちゅんっ

あたし「らぁっ………ぬ、抜けないって…………」

小太郎「コブまで入ったからよ…………しばらくは抜けねえんだ」

あたし「う…………そ…………」

 小太郎はにっこり笑って言った。

小太郎「大丈夫だって。父ちゃんと母ちゃんが帰ってくる前までには終わらせるからよ」

あたし「じゃあ、それまでヤるってことじゃなあぁぁぁあっ

 まだイッてる、イッてるからぁあああっ
 動いちゃだめえええっ

 ずちゅんっ、ばちゅんっ、どちゅっ

あたし「イグウウッ、えぁああっ

小太郎「はぁっ、はぁっ。いくらだって種付けしてやるよ…………

 ばちゅっ、ばちゅっ、どちゅっ、ぶちゅっ
861 :オパビー :2019/03/20(水) 13:39:13.85 ID:i4p2BWhd0
 〜〜〜〜


 チュンチュンチュン…………

あたし「………………………ん」

 気が付いたら、朝だった。
 朝日が差し込んで、あたし達が寝てる布団を照らす。

あたし「……………………

 あたしはとなりに寝てる小太郎を見た。
 ああ、昨日契りを交わしたんだったね。
 あたしはその小太郎の頬に口付けをした。

小太郎「んぁ?」

 小太郎も起きた。
 目をうっすらと開けたのち、カッと見開いた。
 小太郎の顔がみるみる赤くなっていく。

小太郎「ぁ…………………」

あたし「おはよう」

小太郎「……………おはよう」

 …………………
 口付け。

あたし「んん…………………んんん…………………

小太郎「む………んお…………………っ……リッカちゃんっ!」

 小太郎はそう言ってあたしに覆い被さった。
 チンコがまたギンギンにたっている。
 おい朝から盛るつもりか!?

あたし「まてっ! 朝は待てっ! あたし腰が痛いしっ!」

小太郎「が、我慢出来ないんだよぉ……………」

あたし「昨日あんだけ出したのにまだ言うか!? こんなに布団びちょびちょにしやがってさ! どうやってみりんと太郎に説明すれば………………………あ」

小太郎「………………………あ」

 朝。
 みりんと太郎が帰ってくる……………?
862 :オパビー :2019/03/20(水) 13:44:11.83 ID:i4p2BWhd0
小太郎「え………まさか見られてないよな。裸で同じ布団に入ってるんだぞ?」

あたし「た、多分まだ帰ってきてないんだ。帰ってくる前に早く布団洗濯するぞ!」

小太郎「あ、ああ!」

 バタバタバタ

 急いで服を着替え、布団を抱える。
 帰ってくるまでどれくらいだ?
 あと半刻?
 四半刻?
 ともかく急げっ!

 どっちも、間違いだった。
 半刻後でも、四半刻後でもなかった。
 あたし達は外の井戸で布団を洗うため居間を通ろうとした。
 すると、そこで朝食の準備をしている二人を見つけた。
 みりんと、太郎。
 二人は既に、帰ってきてた。
863 :オパビー :2019/03/20(水) 13:51:43.53 ID:i4p2BWhd0
みりん&太郎「「おはよう、お二人さん」」

あたし「」

小太郎「」

 な、なんで帰ってきてるんだ。
 あたしと小太郎は言葉を失った。
 …………多分、見られていないはずさ。

あたし「お、おはよう」

小太郎「お、おはよう」

 静かに、黙って通り過ぎようとした。

太郎「ああ、布団は適当に井戸にでも放り込んでおいてくれ。あとで洗っておく」

みりん「いいから早く。布団を放り込んで来たらお二人とも座りなさい」

 まさか、バレたのか。
 いや、流石にない。
 それならば二人がこんなに普通にしている筈がない。
 あたしと小太郎は急いで布団を井戸に放り込んで、食卓に座った。
 そこで朝食を見て、絶句した。

あたし「………………………赤飯?」

小太郎「な、なんで……………」

 食卓に並べられていた物は、お赤飯だった。
 普通はめったに食べたりしない物だ。
 みりんと太郎が怖いほどニコニコとしている。
 何か特別な事でもあったか?
 何か特別な…………………

 …………………昨夜は、それはそれは特別な夜だった。
864 :オパビー :2019/03/20(水) 15:59:45.32 ID:/OSLk8Ij0
みりん「あなた。そろそろいじめるのはよしてあげましょう」

 え?
 いじめる?
 みりんが笑顔のままそういった。

太郎「………そうだな」

 太郎はあたし達に向かった。

太郎「小太郎。ぽんの話はどうする?」

小太郎「えっ!?」

 唐突に、太郎が小太郎にそう聞いた。
 ぽんって、昨日太郎が小太郎に言っていた結婚相手のあの娘………
 小太郎は戸惑いながら口を開いた。

小太郎「え……えと、こ、断る! 断るから!」

 小太郎は太郎に向かってはっきりとそう言った。
 まあ、小太郎の嫁、その位置にはあたしが収まった訳だ。
 ぽんには悪いが………
 すると太郎が朗らかに笑った。

太郎「はっはっは。それは良かった。もしぽんと結婚するって言ったらどうしようかと思ってたよ。実はな、お前の結婚話。あれ嘘だ」

あたし&小太郎「「はあああっ!?」」

 あたしと小太郎は同時にそんな声をあげた。
865 :オパビー :2019/03/20(水) 22:56:52.48 ID:/OSLk8Ij0
太郎「まーだ気づいてないみたいだから、答え合わせをしてやろう」

 そう言うと太郎は焼き増ししていたのか、ぽんとかいう娘の写真を懐からだして机に置いた。

太郎「ぽんと言っていたこの娘。どこかで見たことがないか?」

 どこかで?
 見た?
 話をのぞいていた時には遠すぎて見えなかった写真をあたしは凝視した。
 むむ………確かに可愛い。
 これなら小太郎が心を惹かれるのも無理はない、か。
 そうやって小太郎と一緒に写真を見ているうちに、あたしは気づいた。
 キツネ色の毛。
 整った目。
 綺麗に並んだ歯。
 そのことごとくが、ある人物に似ていた。
 というより、そのものだった。

あたし「…………………え? まさか、みりん?」

小太郎「あっ…………!」

 あたし達が一緒にみりんの顔を見ると、みりんはうふふと笑った。

太郎「というわけでその写真、じつはみりんだ」

小太郎「………………………うそおおおっ!」

 小太郎が卒倒した。

小太郎「マジかマジかマジか! 母ちゃんかよおおおっ!」

みりん「母ちゃんでしたー

 ああ…………
 一度わかったらもうみりんにしか見えない。
 なんで小太郎は気付かなかったんだ。
 太郎はうんうんと頷くと、口を開いた。

太郎「リッカ。つらい思いをさせてすまなかった。お前が話を覗くことは分かっていたから、みりんの子供の頃の写真をダシにして小太郎の結婚話があるという嘘をついたんだ」

 みりんが続ける。

みりん「だって、2人ってやっぱりお似合いでしょ? それなのになかなかくっつかないから…………ここぞっていう時に前々から計画していた作戦を実行して、二人の恋仲を後押ししてあげた、ってワケ

 みりんがまたうふふと笑った。
866 :オパビー :2019/03/20(水) 23:29:41.40 ID:/OSLk8Ij0
みりん「クズの後処理って言うのもウソ。あのクズのことは役所が全部やってくれるみたいだからね。私と太郎さんはあなた達を2人っきりにさせるために一晩別のところに泊まっていただけなのよ。まあ、口付けくらいはするとは思ったけど………………まさか布団がびっちゃびちゃになるまで関係が進むなんて…………ねぇ?」

 みりんが苦笑いを浮かべながら太郎の方を向いた。
 布団がびっちゃびちゃ。
 あたしと小太郎はその言葉に顔を赤らめた。

太郎「まあ、終わり良ければ全て良しだ。改めて俺から言わせてもらおう。二人とも、おめでとう!」

みりん「本当に、おめでとう

 2人から祝福の言葉を受け、あたしは恥ずかしい気持ちで一杯になった。
 あたしは、隣に立ち尽くす小太郎の手を握った。

あたし「えっと………………よろしく………あなた」

 小太郎がドキッとしたように目を見開いた。
 そして、手を握り返して来た。

小太郎「ああ………えっと、よ、よろしく。……………じゃあ、リッカ」

 リッカ。
 くすぐったい。
 ちゃんがとれただけだけど、いままでと違う呼び方ってだけで、嬉しい。
 昨日まできょうだいのような関係だったあたし達は、一晩にして夫婦になるまで関係が変わった。
 まだ戸惑いもあるけど、太郎が言ったとうり。
 終わり良ければ、全て良し。
 全て、良いのさ。

 大好きだ、小太郎…………
867 :オパビー :2019/03/20(水) 23:31:06.14 ID:/OSLk8Ij0
 終わり、やで。
868 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 23:44:43.73 ID:7fCiqyA3o
おつおつ
小太郎くんがしっかり男見せててグッド
869 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/20(水) 23:45:22.03 ID:dfSSi9dyo
甘酢っば過ぎて喉に焼き付きついてきてた
読んでる間ずっとにやけてしまった…途中でコメントも書けなかった
こんな感情初めて、書いていただき感謝
(下の方の実用性も高くて感謝)
870 :オパビー :2019/03/21(木) 07:44:20.27 ID:rSVTm4/v0
 ところで1000スレ目ってなにが駄目なん?
871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 07:52:40.29 ID:N22y7Fx7o
>>1000ボーナスは>>1が有り無し決めるものだからダメなものはない、はず(レスの話)
スレの話ならちょっと何言ってるか分からない(サンド並感)
872 :オパビー :2019/03/21(木) 07:55:08.07 ID:rSVTm4/v0
 了〜解。
873 :オパビー :2019/03/21(木) 07:57:41.43 ID:rSVTm4/v0
 じゃあそろそろ区切りをつけて、次の主人公で終わりにするで。
 サブストーリーもあるかもしれん。
 あと多分次スレも立つ。
 でもまあ最後まで見守ってくれれば幸いや。

 最後の主人公安価行くで。
874 :オパビー :2019/03/21(木) 08:00:08.19 ID:rSVTm4/v0
国籍 イギリス
性別 男
名前>>下1
種族>>下2
職業・身分>>下3
身体的特徴>>下4
性格・趣味>>下5と下6
875 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:04:51.93 ID:AxAi/xRV0
ユタ
876 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:06:15.22 ID:N22y7Fx7o
王位継承権は有れど双子の兄が優秀でほぼ王にはなれないといわれてる王子
877 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:08:06.54 ID:N22y7Fx7o
ごめん見間違えたすまん
878 :オパビー :2019/03/21(木) 08:09:50.91 ID:rSVTm4/v0
 そのままでおk。
879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:11:07.97 ID:1x6WT/YMo
ハーフリングで
880 :オパビー :2019/03/21(木) 08:12:25.87 ID:rSVTm4/v0
 >>879 わからん。
 くやしく。
881 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:12:32.89 ID:0yC3l8Z+0
かなり小柄で華奢な体格のショタ
882 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:14:31.11 ID:sF0i5FADO
内気で気弱
本を読むことが趣味
883 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:15:50.74 ID:Uh+xKErN0
正義感は強いが、非常に他人に影響されやすい
884 :オパビー :2019/03/21(木) 08:18:40.92 ID:rSVTm4/v0
 ハーフリングどっかで聞いたことあると思たらホビットか。
 新しいやな。
885 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:19:03.48 ID:1x6WT/YMo
成人でもほとんど1mにならない亜人
寿命は人間と同じくらいだけど見た目の老けるスピードは遅い
小柄な人間と区別するために耳が尖ってたりする設定のことが多いな
886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:21:33.71 ID:1x6WT/YMo
ホビットとほぼイコールでもおkです
ハーフリングの中でもさらに小柄で華奢ってどれくらいの大きさなんだ?管狐と同じくらいかや?
887 :オパビー :2019/03/21(木) 08:23:16.85 ID:rSVTm4/v0
 ところでいくつや。
 >>下。
888 :オパビー :2019/03/21(木) 08:25:12.01 ID:rSVTm4/v0
 >>886 それは小さすぎるな。
 見た目年齢8くらいの小ささで。
 
889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:26:36.31 ID:6tgw77V00
30
890 :オパビー :2019/03/21(木) 08:27:13.66 ID:rSVTm4/v0
 >>888 参考までに名探偵コナンが7歳や。
891 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:29:46.03 ID:XzlPbsul0
16
892 :オパビー :2019/03/21(木) 08:29:50.72 ID:rSVTm4/v0
 イギリスの王子、ハーフリング、ショタ、三十路、内気で気弱、本の虫、正義感が強い、付和雷同。
 これで行くで。
 割と歳行っとるなぁ………
893 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 08:35:38.26 ID:Uh+xKErN0
キャラ濃すぎィ
でも見た目と地位を除けばこういうやつ割りといそう
894 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 10:26:02.57 ID:aCd7yyALo
婚約者いそう
895 :オパビー :2019/03/21(木) 12:08:21.91 ID:VHvLVrWp0
 私の名はユタ。
 誇り高きこの大英帝国の王子だ。
 王子だから王位継承権はあるものの、双子の兄のトキが優秀すぎるため、王位継承はほぼ無理だと言われている。
 年は同じなのに、剣技も、公務をこなす力も、全て兄が上だ。
 兄とは最近は会っていない。
 私はもう諦めている。
 王になるのは兄の方が相応しいと思うし、私は…………
 王になるには小さすぎる。
 器ではない。
 見た目がだ。

メイド1「ユタ様。一人で出かけるのはおやめください。危険です」

メイド2「ユタ様。高い所にあるものをとるときは一声おかけください」

メイド3「ユタ様。お眠りになるのならご本を読みましょう」

 もうこう子供扱いされる事にも慣れた。
 以前は子供扱いするなと怒鳴っていたところだが、いまは決まってこういう。

私「ああ」

 ニュートラル(人間)として生まれた兄とは違い、私はハーフリングとして生まれた。
 耳が尖っているため一時期はエルフかと騒がれていたが、その実はハーフリング、小人だったのだ。
 子供の頃は兄と一緒に順調に育ったが、ある時、生まれて5年ほど経った頃から、一気に成長の速度が激減した。
 家族が年を取っていく中、私だけが置いて行かれているようだった。
 私だって年を取っていない訳ではない。
 知識も、知能も、公務が一切無いために好きなだけ集積でき、そこいらの学者よりはあると自負している。
 しかし筋肉や身長は手に入らない。
 見た目は小柄で華奢な、8歳の子供だ。
 剣すら満足に振れない。
 しかも無駄に美形と来た。
 他の国の王族から可愛いと言われる始末だ。
 もちろん、妃もいるわけがないし、取りたいとも思わない。
 かわいがられながら過ごすなんて、地獄だ。
896 :オパビー :2019/03/21(木) 12:34:23.03 ID:VHvLVrWp0
 ある日。
 私が自室で幻の生物とその生息地について書かれている本を読んでいた時だった。
 コンコン、と扉が叩かれ、執事のサンジェルマンが新聞を抱えて入ってきた。

サンジェルマン「失礼します」

 サンジェルマンは馬の獣人で、耳と尻尾だけが馬だ。
 たてがみのようなものも生えている。

私「すまないな、いつも」

サンジェルマン「いえいえ」

私「そこに置いておいてくれ」

 サンジェルマンはドサッと新聞の束を置いた。
 新聞の束は私が毎日頼んでいる大英帝国の新聞3部とその他4カ国の新聞だ。
 勤勉と世界の体制を知るためだ。

サンジェルマン「"Somosang"」

 サンジェルマンが新聞を置くなりそう言った。
 いつもの問答の合図だ。

私「"Seepa"」

サンジェルマン「カリオス・トロマグロの生息地とそれを使用した地元料理は?」

 ほう、カリオス・トロマグロか。

私「随分とニッチな物を見つけたな。ドイツのウェンザーニ山脈のカラオ山、その中腹のガルア湖にのみ生息する。地元料理は焼けばクラジオ蒸せばザムレ、揚げればザムワン生ならサシマスだ。特にサシマスは500年前からラオケ村で食べられている」

 サンジェルマンが唸った。

サンジェルマン「お見事ですユタ様。誠に博識な事で」

私「ああ、サンジェルマン。もし私を負かせたいのなら新種の生物でも持ってくることだな」

サンジェルマン「つい先日見つかった虫の話を振ってもお答えになりましたのに………」

 私は笑ってコクリと頷いた。

私「まあ良い問題だった。いつでも頼むぞ」

サンジェルマン「かしこまりました」

 サンジェルマンはそう言うと静かに退出した。
897 :オパビー :2019/03/21(木) 12:57:56.02 ID:VHvLVrWp0
私「……………acsias ritoeino, ra pantaveruno ai teh rennthia………」

 また紛争か。
 6人が死亡………
 痛ましい事だ。
 私が次の新聞に手を伸ばした時の事だった。

私「!a!」

 ドサドサッ

 しまった………
 新聞の山が崩れてしまった。
 私は落ちた新聞を拾い、まとめた。
 その時、一枚の広告が新聞の間から滑り出てきた。

私「?riante?」

 王宮に届けさせる新聞は全て広告を除いてるはずだが………
 監視をすり抜けたのだろう。
 私はそれを拾い上げ、目を通した。

私「…………………」

 その広告は私の心を大変刺激した。
 いや、だがしかし……………
 自信が無いな。
 買ったとして何かメリットが有るのだろうか…………?
 いや、考えては駄目だ。
 気弱になってはいけない。
 こんな時はサンジェルマンだ。

私「!Saintgermain!」

 私がそう呼ぶと、廊下から足音が聞こえて来た。

サンジェルマン「はい、今ここに」

私「Saintgermain.Reannsa nann fe ganntokke」

サンジェルマン「分かる言葉でお話ください」

私「おっと失礼。サンジェルマン、忍びの準備だ。奴隷を買いに行く」
898 :オパビー [saga]:2019/03/21(木) 13:20:47.02 ID:VHvLVrWp0
 奴隷市場。

私「…………………」

サンジェルマン「つきましたぞ、『ユラ』」

私「あ、ああ」

 私はサンジェルマンと共に変装をして外出した。
 サンジェルマンが貴族、私がその息子に見えるように。
 新聞に挟まっていたあの広告は、奴隷市場の広告だった。
 前々から興味はあったのだがなかなか一歩を踏み出すことができず、最終的にその広告に後押しされる形で私は奴隷を買うことを決意したのだ。

 なぜユタは奴隷を買おうと思ったか>>下
899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 13:24:20.03 ID:Uh+xKErN0
奴隷を詳しく見たい知的好奇心と、善意
900 :オパビー :2019/03/21(木) 13:33:20.52 ID:VHvLVrWp0
 なぜ私が前から奴隷を買いたいと思っていたのか。
 物事を知るという行為にはいくつか種類がある。
 文献などを読み、知識として知ること。
 そして、実際に扱ったり見聞きしたりする事により経験として知ることだ。
 私はあまり王宮から離れられないため、世界を旅する事は出来ない。
 だから先ほどいったカリオス・トロマグロだって食べた事も見たこともない。
 奴隷を買おうと思ったのは人間を多方向から見るため。
 また奴隷と言うものを知るためでもあった。
 そしてもう一つ。
 奴隷制度という物を私はあまり好かない。
 奴隷というだけで言葉を話せても文字を読み書き出来たとしてもそれは物として扱われる。
 偽善者だと言われるかも知れない、いや、偽善だろう。
 私が買った奴隷だけでも救いたいと思ったからでもあった。
901 :オパビー [saga]:2019/03/21(木) 15:48:01.07 ID:yNFMQc2U0
私「うっ………!」

 奴隷市場に着いた私は、フードで思わず鼻を押さえた。
 知識として知ってはいたが、嗅いだことも無いような異臭に鼻が痛くなった。
 糞尿と強いアンモニア臭、そしてその他の吐き気がするような信じられない匂い。
 封紋で街に匂いが流れ出ないように封じられているからこそ、更に臭かった。

サンジェルマン「ひどい匂いでしょう。信じられますか? ここが生命の取引がされている場所なんですよ」

私「酷い……………」

 これが我が国か。
 文書で読んだ所では、エドというジャパンの都市の奴隷市場は上下水道が完備されており、異臭などは一切しないという。
 その時、ふとあるものが目に入ってしまった。

私「…………………う゛おぇえええっ」

サンジェルマン「やはりユタさ……ユラには早かったか」

 サンジェルマンが声を低くして言った。
 私は吐いた。
 私の視界に入ってきたのは、数々の奴隷の……奴隷だったものだった。
 大きな穴が掘られ、そこに裸のまま様々な種族の死体が積まれている。
 病気などで死んだ奴隷だろうか?
 この不衛生の中なら死人も出るだろうさ。
 顔をあげると、そこに男が液体をかけ、火を放った。
 あり得ないほどの異臭が立ち込める。

私「ぇえぇっ、おえ゛っ………」

 あんなの、あんなの生き物の扱いじゃない………
 これが、人間なのか。
 私は思った。
 やはり、紙の上のインクなんかでは私の知識には足りない………!
 五感で感じ取り、その時その場所で考えた物こそが本当の知識だ、と。

サンジェルマン「………帰るか?」

 サンジェルマンが背中をさすりながら言う。
 帰る………
 いや、甘えてなるものか。

私「…………………いや、行く」

 私はハンケチで口もとを拭い、立ち上がった。
902 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/03/21(木) 15:52:02.93 ID:yNFMQc2U0
人間 犯罪奴隷、没落貴族、戦争奴隷、その他

野獣族 主に哺乳類の獣人の事を言う。ケンタウロスもここに含む。モフモフ。

竜鱗族 は虫類の獣人や竜人など。ラミアもここ。やや筋肉質。

鳥翼族 鳥の獣人(ハーピー)や天使のように羽が生えたものを言う。羽毛が気持ちいい。

水生族 両生類の獣人や人魚、海洋生物の獣人をまとめて言う。身体が冷やっこい。

亜人族 コブリン、オーク、オーガ、サキュバスなども含む。人間に比べ丈夫。エルフもここ。

木人族 トレント、ドライアド、マンドラゴラなど。植物を操ることができる。

魔族 スライム娘、ミミック娘などはここ。取り扱い注意。

E.M.ビーイング 機械生命体。魔法生命体のゴーレムも含む。人間そっくりなものからゴンベイまで。

獣 そのまま。むしろペット向け。幻獣あり。

天人族 空から落ちてきた種族。半透明だったり手が四本あったり目が三つだったりする。地球で言うところの宇宙人。
903 :オパビー :2019/03/21(木) 15:55:01.05 ID:yNFMQc2U0
 気になった奴隷の、種族、見た目、カップ、身長、様子、年齢を3人まで>>下

 詳しくよろしくな。
904 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/03/21(木) 15:55:18.15 ID:EIEtvniIo
亜人 魔女
深い紫の瞳は見ていると吸い込まれそう、同色の髪は風も無いのに毛先が揺れてる、出るとこくびれてるとこはっきりしたワガママボディ
E
180
奴隷とは思えない余裕の表情で客を見定める様に眺めていた。ユタと目が合った時お気に入りのおもちゃを見つけた表情で笑い手を振ってきた
399
905 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 15:55:22.63 ID:4zxjiXtBo
種族:獣人族
見た目:タヌキの獣人(ケモ度3)。中華系の雰囲気。ノーマルでも妊婦のような大きなお腹のぽんぽこぽん
カップ:B
身長:168
様子:阿片やら大麻やら隠し持ち、見た目は良いが中身は不健康。薬物の前ではすべての人が平等とのたまい、自分に目をつけた相手にも勧めてくれる。
年齢:17
906 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 15:56:12.02 ID:9aavFLuN0

橙色の体に黄色の柄や髪を持つ、手乗りファイアドラゴン
なし(爬虫類なので)
30(体長)
元は人形の種族だったようで動きがぎこちない
状況を理解できてなく泣きながら龍語で助けを求めてる
部屋はサウナのように熱く、悲しみの感情が極限に達するたび周りのものが発火する
18
907 :オパビー :2019/03/21(木) 16:00:50.60 ID:yNFMQc2U0
 秒速で出てきたな。
908 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 16:02:09.84 ID:cAaPl+qI0
さすがに3回目ともなれば早いなあ…
909 :オパビー [saga]:2019/03/21(木) 17:15:02.64 ID:yNFMQc2U0
 私が何度も吐き、もう吐くものがなくなりながらもなんとか奴隷市場を回っていると、何人か気になった奴隷を見つけた。
 一人目は魔女だ。
 他の奴隷と同じ一枚の白い布の服を着ているが、不思議とその服は清潔で、彼女自身は市場の匂いを気にする様子もなく、奴隷とは思えない余裕の表情で何やら自身の檻の前を通る客を品定めするように見ていた。
 瞳は深い紫色で、見ていると吸い込まれそうな感じがする。
 同色の髪は風もないのに毛先が揺れている。
 耳は私と同じで尖り、首には魔法を封じる為か、複雑な術式が組み込まれた黒い首輪がはめられている。
 体つきはとてもよく、胸も尻も大きく出て、腰は綺麗にくびれている。
 ふと、私は魔女の檻にかけられた説明板を見て驚いた。
 あの魔女、見た目は20そこいらだというのに、実年齢はもう少しで400を越える長寿だったらしい。
 その時、魔女と目があった。
 とても嬉しそうに、私に向かって手を振っていた。

私「なにやら手を振られているが…………」

サンジェルマン「さあ。たぶん、魔女に魅入られたのだろう」

私「魅入られた?」

 サンジェルマンは頷いた。

私「そういえば魔女の多くは少年を好むと聞いた事があるが」

サンジェルマン「たぶんそれが原因だろうな」

 ……………私は複雑な気分で手を振る魔女を見た。
910 :オパビー [saga]:2019/03/21(木) 17:38:42.40 ID:yNFMQc2U0
 二人目は狸の獣人だ。
 獣の割合が高く、骨格が人間で後は狸のようだ。
 身体はぽっちゃりと肥え、狸の獣人だからか腹が出ている。
 割と若く、年は17才だそうだ。

狸「うふふ。そこのぼっちゃん。私に惚れた?」

 しばらく観察していると、狸の獣人は私に近寄ってそう話しかけてきた。

狸「失礼ね。私妊婦じゃ無いわ。処女よ処女。いやね。私平等主義者なの」

 因みにこの間誰もこの獣人には話しかけていない。

私「目の隈、尻尾の揺れ具合、支離滅裂な発言、幻聴。阿片だな?」

狸「あら? ばれちゃった?」

 そう言うとその獣人はモコモコの尻尾の中から葉っぱを取り出した。

狸「よく分かったわね。ご褒美にぼっちゃんも一本どぉ?」

私「遠慮しよう」

狸「それはざんねん」

 獣人は阿片を指で擦り合わせ、自身の鼻先に当て、思いっきり吸い込んだ。
 目をぐりんと上に向け、ぴくぴくと舌を出す。

狸「はぁああ…………こんなに気持ちいいのにね。この神草の前には誰だって平等なのよ。奴隷だって、平民だって、役人だって、貴族だって。それに…………王だって」

 神草というのは薬物のことだろう。
 獣人はそういって王宮がある方向を見た。
 ………身元が割れたかと思って一瞬だけ焦ったぞ。

狸「だぁれだって、天国に行けるのにね」

 狸の獣人はそう言い、阿片を尻尾にしまった。

狸「このことは内緒、ね。ところで私の財布しらない?」

 狸の獣人はにっこりと笑った。
911 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 17:44:53.57 ID:9aavFLuN0
阿片であへあへ
912 :オパビー [saga]:2019/03/21(木) 18:04:54.04 ID:8MiA/DtY0
 最後は少し特殊な個体だ。
 奴隷市場の中を歩いていると、ある一角だけ少し広い空間があった。
 不思議に思い中央の檻に近づいて見ると、むわっとした熱気がその空間内に広がっていた。
 檻の中からは何かの鳴き声のような声が聞こえてきていた。
 檻を覗くと、中には小さな龍がいた。

私「やけに小さいが、ファイアドラゴンだな」

サンジェルマン「そうだな」

 橙色の綺麗な鱗に黄色い模様と毛。
 それはまごうことなきファイアドラゴンだった。

火龍「……………ぅぉ」

 ファイアドラゴンは私達に気づくと立ち上がり、ぎこちない動きで近づいてきた。
 プレートを見てみるとそのぎこちない動きの理由が分かった。
 どうやらこのファイアドラゴン、元は布は綿で作られた人形だったらしい。
 それがつい最近なぜか命を持ち、材質も変わり本物のファイアドラゴンとして動き出したようだ。

火龍「ぉおん………ぁぅん」

 ぽろぽろと宝石のような涙をこぼしながら、ファイアドラゴンは助けを求めるような声を出した。
 無垢な瞳が涙を浮かべ、きゅるんと私の目を焼く。
 いや、比喩じゃない。

私「あっつ!」

サンジェルマン「あつい!」

 私とサンジェルマンは揃って後ろに飛んだ。
 サンジェルマンのたてがみがちりちりと焦げている。

火龍「ぅぅ………きゅぉぉ…………」

 プレートをよく見れば、どうやら熱量はあのファイアドラゴンの気持ちに関係するらしく、悲しければ悲しいほど熱くなるらしかった。
 可哀想だが、今は一旦ここを離れよう。
 私達が離れていく時も、ファイアドラゴンは助けを求めるように鳴き続けていた。
913 :オパビー :2019/03/21(木) 22:44:56.21 ID:8MiA/DtY0
私「とまあこの3人(?)が気になったんだが、サン……父様、どう思う」

サンジェルマン「いや、別にユラの好きにすればいいんじゃないか?」

 サンジェルマンは焦げたたてがみをいじりながらそう言った。
 私の好きにか………
 まずは3人(?)話を聞いてみる他無いな。

 〜〜〜

 私とサンジェルマンは商人に意向を伝え、テントに3人を集めた。
 魔女と狸の獣人はニコニコしながら私を見つめ、ファイアドラゴンはチョコレートを食べていた。

商人「ファイアドラゴン持ってくるの大変だったんですからね」

サンジェルマン「お疲れ様でした……」

 商人が言うにはまず甘いものでファイアドラゴンを釣り、そこから熱に強いE.M.ビーイングに優しく運んで貰ったという事だ。
 商人の疲れの色が目に見える。

 3人(?)の娘(?)を前にして、私は考えた。
 流石に全員を買うことは出来ない。
 一人に絞らなくては………
 質問などをしてみよう。

 確認や質問など3つ、商人か奴隷、誰に質問するか(複数人可)も含め安価>>下
914 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 22:58:59.57 ID:GVq3XleXo
お約束だけど3人に奴隷になった経緯を聞いてみる
915 :オパビー :2019/03/21(木) 23:23:50.00 ID:8MiA/DtY0
 あと2つやで。
916 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 23:24:46.23 ID:zFTWcw8j0

どうして阿片を始めたのか
917 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 23:27:10.94 ID:N22y7Fx7o
全員
したい事や欲しい物は?
918 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/21(木) 23:30:23.37 ID:OHxNs5+/0
商人に各々の人気はどんなもんかとか値段とか
919 :オパビー :2019/03/21(木) 23:35:00.56 ID:8MiA/DtY0
 おk。
920 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 06:06:37.60 ID:lGzJRG29o
そういえば狸の中華系とういのはタヌキはヨーロッパだと中国原産の外来種だったりするのが元ネタ
阿片も華僑の文化からの着想〜
921 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 08:15:00.02 ID:f1iNw8/R0
私「ゴニョゴニョ………」

 私は奴隷達に聞きたい事をサンジェルマンに伝えた。
 今この場で公証人はあくまでサンジェルマンだ。
 私はその息子だ。
 サンジェルマンが口を開く。

サンジェルマン「え、では。まず3人の奴隷になった経緯を教えてもらおうか。順番に、そちらの魔女から」

 サンジェルマンがそう言うと魔女は私から目を離さずに頷き、話し始めた。

魔女「私が奴隷になった理由は、簡単。負けたからよ。長い間魔王様に仕えていたけれど、勇者に捕まっちゃって。そのまま奴隷。どお? 私若い子好きなのよ。サキュバスの仲間だからエッチな事だって色々出来るわよ。それに元魔王軍だなんて、自慢できるわよ〜?」

 魔女はまさかの魔王群出身だった。
 サンジェルマンが商人に向くと、商人は本当だと言うように首を縦に振った。
 驚きだった。
 次に、狸の獣人が口を開いた。

狸「私は、借金奴隷なの。父が薬の密売人でねぇ。その影響で私も薬密輸に手を染めて、あげく自分まで薬に染まっちゃって。父の薬物の事業が失敗して、借金のカタ代わりに売られたってわけ。あはははっ」

 狸の獣人は何が面白いのか、パタパタと尻尾を振っていた。
 あれでどうして尻尾の中の葉っぱが落ちないか不思議だ。
 最後にファイアドラゴンだが………
 商人が私達の耳元に口を寄せた。

商人「下手なこと言わねえでくだせえよ。あいつあれでいて言葉を理解するみたいなんで」

 ファイアドラゴンはまだチョコレートを舐めている。
 商人はファイアドラゴンの様子を見て、私達の方にむき直した。

商人「あいつ、元は長い間貴族の娘っこが持っていたぬいぐるみだったんだ。それがどうした訳か、命をもってああなったんだ。娘っこはたとえファイアドラゴンになっても大切にしようとしたんだが、その旦那が金欲しさに娘っこに秘密でうっぱらっちまったんだとよ。それがつい数ヶ月前だ。もう売られた場所から遠く離れちまい、ファイアドラゴンは状況が理解できず、怖くて泣きながらずーっとああやって助けを求めているんだ。泣けるよなぁ」

 商人は鼻をかんだ。
922 :オパビー :2019/03/22(金) 08:15:42.52 ID:f1iNw8/R0
 >>920 了解。
923 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 08:26:55.22 ID:f1iNw8/R0
 3人の出で立ちを聞き終わった私は、次に狸の獣人にあることを聞くことにした。

狸「あれ? なに?」

私「どうやって阿片を……薬物を始めたんだ?」

狸「あら? 知りたい? えっとねぇ」

 狸の獣人はしばらく顎に指を当て考え、口を開いた。

狸「父に進められたからね。父には感謝してるわ。ヘブンズゲートを開いてくれたんだもん」

 けらけらと笑いながら、狸の獣人は言う。

狸「もう神草なしじゃあ生きられない身体になっちゃったもんね。深く、深く染み着いちゃったの。助けて」

 助けて?

狸「………………………薬」

 狸の獣人の目からボロボロと涙が流れる。

狸「気持ちいい薬が、薬。好き」

 いや、笑っている。
 様子が明らかにおかしい。

狸「……………あなたもどぉ?」

 不気味に歪めた笑顔のまま、狸の獣人は小さな声で私に言った。

私「結構だ」

狸「ざんねん……………」

 そう言うと、狸の獣人は本当に悲しそうな顔をしてうなだれた。
 薬物………
924 :オパビー :2019/03/22(金) 08:41:11.53 ID:f1iNw8/R0
 狸の獣人が落ち着いた頃、サンジェルマンが3人に聞いた。

サンジェルマン「ところで3人とも。もし私に買われたら、なにかしたいことや欲しい物はあるか?」

 ファイアドラゴンを除く二人が顔を見合わせた。
 ファイアドラゴンは相変わらずチョコレートを舐めるのに夢中だった。

魔女「えっとね。そこのショt……少年、息子さんと添い寝する権利が欲しいわ。あとは勝手に事が進むから。それで充分

 おい。
 なにちゃっかり私を食べるつもりでいる。
 させないからな。
 魔女が言い終えると、狸の獣人が尻尾をふりながら答える。

狸「すぅぅぅ………はぁぁあ………神草を毎日欲しい。そうすれば気持ちいいから」

 狸の獣人は商人から見えない位置でさっきとは別の葉、大麻の葉の香を吸い込みながら言った。
 どれだけ隠し持っているんだ。
 ファイアドラゴンは次のチョコレートを商人から受け取り舐めていた。
 当たり前だが話は聞けなそうだ。
925 :オパビー :2019/03/22(金) 08:55:13.98 ID:f1iNw8/R0
サンジェルマン「ふむ…………だいたいの事は分かりました。ではそろそろ誰を買うか決めたいところですが」

 サンジェルマンが目で私に奴隷を選ぶように促す。
 難しいな………
 私は3人を今一度見た。
 魔女に狸の獣人に小さいファイアドラゴンか………





 1〜3 魔女
 4〜6 狸
 7〜9 火龍
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 それと推しも教えておくれ。
 安価ルーレットGO!>>下
926 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 09:00:17.47 ID:yY17UX8Vo
まだよくわからんがとりあえず火龍
927 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 09:04:48.44 ID:yY17UX8Vo
うおっ引き当ててる
928 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 09:04:59.01 ID:ZI9mflHYo
おめ
929 :オパビー :2019/03/22(金) 09:28:46.99 ID:f1iNw8/R0
 絶対に悲しませることはしちゃ駄目やな。
 とりあえずおめ。
930 :オパビー :2019/03/22(金) 09:45:56.47 ID:fOd9E0mF0
 宮殿門前。

私「怖がるな、大丈夫だ。言葉はわかるんだろう? 何も心配はいらない」

火龍「ぅぁあぅ」

 ファイアドラゴンは私の腕の中で安心したように言った。
 とりあえず、お菓子と優しい言葉かけによって一応の安心はあるようだ。
 ファイアドラゴンも今は熱気を放っておらず、ぽかぽかと暖かい程度だ。
 あの熱気は身を守る為無差別に出していたものだ。
 しばらくしたら自由操れるようになるだろう。
 ファイアドラゴンは私の顔を見上げながら、ちょいちょいと頬を触った。
 可愛い。

 さて、ファイアドラゴンだが。
 どこで世話をしようか。
 自室、というのはあまりにも火事のリスクが高いが、信頼関係も早く築けそうだ。
 庭の一角手もあるが、触れ合いの時間は減るな。

 どこで世話をする?>>下
931 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 09:59:39.77 ID:MuBZtCgRo
王族やしドラゴンと一緒に生活出来る棟作ろう
それまで自室
932 :オパビー :2019/03/22(金) 10:13:13.07 ID:fOd9E0mF0
 ふむ………
 そう言えば私はサンジェルマンから王子にしては金の使い方が乏しすぎる、と言われたことがある。
 私には本以外の物は必要無いからな。
 それなら、ここいらで一回大きく使ってみるのも良いか。
 私はファイアドラゴンを抱えたまま、サンジェルマンにファイアドラゴンと生活できる耐火性の高い棟を建てるアイディアを話した。

サンジェルマン「良きお考えで。設計は?」

私「私がやろう。棟が建つまではこいつとは自室で暮らすから、大量の水魔法陣を用意しておいてくれ」

 サンジェルマンは頷いた。

サンジェルマン「かしこまりました」
933 :オパビー :2019/03/22(金) 10:20:23.27 ID:fOd9E0mF0
 自室。

私「ここがしばらく私とお前で過ごす部屋だ」

火龍「るるるぅ」

 ファイアドラゴンは腕の中で首を伸ばしきょろきょろと部屋を見回した。
 そして嬉しそうに唸った。

私「で、念のため消火の準備はしたが………お願いだから発火しないでくれよ?」

火龍「ぅる」

 ファイアドラゴンは頷いた。
 割と言葉は理解できるようだ。

私「発火しないためにも、熱を操れる訓練もしてもらう。いいな?」

火龍「るう」

 火龍は目を輝かせながら頷いた。
934 :オパビー :2019/03/22(金) 10:25:04.66 ID:fOd9E0mF0
 >>906 たからでファイアダラガンに翼って生えているか?
 たべるかいなかまあしえてくれ。
935 :オパビー :2019/03/22(金) 10:32:14.85 ID:fOd9E0mF0
 なんかバグった。
 >>906 ところでファイアドラゴンに翼って生えてるか?
 飛べるか否かも教えておくれ。
936 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 10:56:24.05 ID:b2BbFmA+0
906だけど翼もあって飛べるのをイメージしてました
あと走るときは4足で、歩くときは立ち上がって2足になる感じを考えてました
急いでたので何だか設定が上手く書けてなくてごっちゃだけど、うまく処理していただき感謝
(ちなみにキャラ考えてる間に人形や縫いぐるみを下の処理用に改造するジャンルとかあるのを知った…)
937 :オパビー :2019/03/22(金) 11:10:43.91 ID:fOd9E0mF0
 何それ怖い………
938 :オパビー :2019/03/22(金) 11:46:12.17 ID:fOd9E0mF0
 さあ棟が出来るまで1ヵ月。
 トラブルや出来事のイベントを3つまで>>下
939 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 11:55:30.27 ID:+G0mjMBAo
事故って大火傷負うユタ
940 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 12:01:06.61 ID:yY17UX8Vo
とりあえず発情期と無精卵産卵があれば卵生系種族のエロはなんとかなる!
…エロが別枠なら、完成あたりで元の持ち主と遇うイベントとかで

>>936,937 世の中には本当にいろんな人がいるのであまり怖がらんといて
逆に怖いもの見たさや、おバカなネタだと思って深入りしすぎると取り込まれるのを心配すべき
941 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 12:02:46.39 ID:XO9888SGo
兄が来る
942 :忠告ありがとやで。 :2019/03/22(金) 12:35:51.85 ID:fOd9E0mF0
 次の日。

 ファイアドラゴンはとても温かった。
 昨夜私が机にむかいファイアドラゴンの棟の設計図を描いていると、小さな翼で飛び、私の膝の上にのり丸まったのだ。
 そのままぐるぐると喉を鳴らしながら寝てしまった。
 ううむ。
 可愛かった。

私「設計図が出来たぞ」

火龍「るるるぅ」

 私はサンジェルマンに徹夜で描き上げた設計図をサンジェルマンに渡した。
 防火に優れ、それでいて風通しが良くファイアドラゴンが本来の大きさまで育ったとしても充分の広さだ。

サンジェルマン「承りました。おお、大変綺麗なもので………やはりユタ様は天才でございます」

私「ありがとうな」

サンジェルマン「では…………"Somosang"」

私「"Seepa"」

サンジェルマン「カラメルア宮殿の建設者と設計者、建設日は?」

私「ヴァン・ホテン、ルトリエ・バッハ、1520年2月18日」

サンジェルマン「まさか瞬殺とは………失礼いたしました」

 サンジェルマンは設計図を丸め、脇に抱えて出て行った。

私「さて、ファイアドラゴンよ」

 私はサンジェルマンが退出したのを見届けると、ファイアドラゴンに話しかけた。

火龍「りゅぅ?」

 ずっとファイアドラゴンと呼ぶのも忍びない。
 名を付けてやろう。

 火龍の名前>>下
943 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 12:49:29.66 ID:wutwbfWR0
ルイ
944 :オパビー :2019/03/22(金) 13:09:39.15 ID:fOd9E0mF0
私「ルイなんてどうだ」

火龍「うる、うるるりゅ、うぃい…………」

私「どうした?」

 火龍は私が名前を教えると、何やら様々な声で鳴きだした。
 気に入らなかったのだろうか?
 しかししばらく待つと、驚くべき事が起こった。

火龍「りゅ………りゅう………りゅい………」

私「!」

 まさか、ルイと言おうとしているのか!
 首を捻り、ベロを出し、色々な口の形を試しながら鳴いている。
 そして、ついに。

火龍「ルイ!」

私「よしっ!」

 私は思わずガッツポーズを決めた。
 完璧な『ルイ』だった!
 ファイアドラゴン改めルイは、自分の名前を嬉しそうに叫びながらパタパタと飛び回っている。
 うーん。
 私はルイの為なら親バカになっても良いかもしれない。
945 :オパビー :2019/03/22(金) 15:11:09.87 ID:ONlERJ+60
私「ううううううむ…………」

 ルイが自分の名を発音したその日の内に、私は何冊ものドラゴンに関連する書物を読みあさった。
 しかし、やはり私が求める情報は無かった。
 伝説やおとぎ話などではドラゴンが人間と言葉を交わす描写はあるが、現実ではそんなことはない。
 ドラゴンは知能は高くとも、言葉を話せない。
 それが常識だ。
 話したという情報があったと思えば、それはあくまで鳴き声がそう聞こえるという偶然であったりもした。
 伝説のドラゴンもほとんどはテレパシーのようなものを使い人間と話している。
 先ほど私はルイが自分の名前を言えた事にガッツポーズをして喜んだのだが、もしかしたらこれはガッツポーズしている暇は無いかもしれない。
 声帯を使い意図的に私が教えた名前を発したのだ。
 言葉もわかり、身体は規格外に小さく、ぬいぐるみからドラゴンになった。
 興味深い。
 もうしばらくはルイの事を観察してみよう。
946 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 15:57:08.93 ID:ONlERJ+60
 ルイが私の部屋に来てから5日目。
 事件は、起きた。


 私がいつも通り、半ばルーティンのようになっているルイとの宮殿の裏の森の散歩をしている時の事だった。

ルイ「ユタ、ユタ♪」

私「ああ、ルイ」

ルイ「ユター!」

 ルイはなんと私の名前まで言えるようになっていた。
 しかもちょっとした会話も出来るようになってきた。
 パタパタと私の前を飛びながら、気になった物を指差しては聞いてくる。
 綺麗な花を見つけては、

ルイ「これなーに?」

私「ワンフェルゲンツだ」

ルイ「わんへるげんつ」

 気にとまる鳥を見ては、

ルイ「あれなーに?」

私「ハンバガラスだ」

ルイ「はんばーぐ」

 虫を見つけては、

ルイ「これなーに?」

私「ハハノハガだ」

ルイ「ははははは」

 まだ発音出来ない物などもあるが、まあご愛嬌だ。
947 :オパビー :2019/03/22(金) 16:09:01.96 ID:ONlERJ+60
私「お、あのキノコは…………」

 ふと、私は視界の端に入ったカラフルなキノコに気を取られた。
 頭の中の図鑑を引き、キノコの種類を調べる。

私「カグヤキノコか。この森では見たことが無いな。面白い。記憶しておこう」

 私がキノコをさらに観察しようとしていた時だった。

ルイ「ユター、これあまーい♪」

 ずいぶん前の方から、ルイのそんな声が聞こえてきた。
 野イチゴでも見つけたのか?

私「いまいくぞー」

 私も一個食べてみるか。
 私が声の聞こえてきた方に向かってみると、ルイはほっぺが落ちそうな幸せそうな顔をしていた。

ルイ「すごくあまーい! これなーに?」

 口の周りをベトベトにしているルイが指差したのは、大きな大きな、蜂の巣だった。
948 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 16:33:30.22 ID:ONlERJ+60
 馬鹿。

私「今すぐ離れろおおおおおっ!!」

 私は駆け出した。

ルイ「え?」

 何も分かっていない、といった顔で、ルイがそんな声を上げた。
 ぶううん、と一匹の蜂が巣から出てきた。
 その蜂は自分の巣の近くにいる外敵、すなわち、ルイにロックオンした。
 蜂は有無を言わせず、突撃した。

 じゅぐっ

ルイ「………ぁっ?」

 嫌な音がして、ルイの前脚に蜂の針が突き刺さった。

ルイ「ーーーーーっ!」

 ルイが暴れる。
 しまった、間に合わなかった。
 がっ、とルイの足が蜂の巣に当たり、黒い雲のような、大量の蜂がぶわぁっ、と出てきた。
 私の手が、そこでようやくルイに届いた。
 ルイを抱え込み、転がる。
 大量の蜂が、私とルイを襲った。
 ドスドスと私の背中に何百もの蜂が突き刺さる。
 痛あああああああっ!
 腕の中にいるルイにも蜂が襲いかかる。
 不味いっ!

ルイ「いやああああああああっ!」

 業っ

 爆炎が、辺りを覆った。
 パニックになったルイが、力を制御できなくなったのだ。
 蜂が死に絶え、木々に火が燃え移る。

私「ぐああああああっ! ルイ、ルイイイイッ! 落ち着けえええっ!」

ルイ「いやぁっ、ああああっ!」

 まるで焼け石を抱えているようだ……………!
 ルイは叫びながら暴れている。
 その時、フッと熱波と悲鳴が消えた。
 ルイが気絶したのだ。
 右目が見えない。
 私はいまどうなっているのだ?
 大火傷は免れないだろう。
 それにルイも蜂に刺されている。
 あの蜂はガニルアブ。
 強力な毒を持っている。
 早くしなければ、最悪死に至る。
 全身が痛い。
 毒と火傷、最悪のコンディションだ。
 それでも、宮殿に…………
 宮殿に行かなくては………………!


 そこから、記憶が無い。
949 :オパビー :2019/03/22(金) 16:39:38.73 ID:ONlERJ+60
 ユタの毒コンマ>>下と火傷コンマ>>下
 毒は
 00 ほぼノーダメ
 99 しびれの後遺症
 火傷は大火傷の為00でも生涯残るで
 00 首回り
 99 顔半分と身体の前面
950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 16:43:38.68 ID:DkrHEotDO
はい
951 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 16:44:13.48 ID:BBCLgi730
ほい
952 :オパビー :2019/03/22(金) 16:44:24.82 ID:ONlERJ+60
 火傷コンマは>>下2
953 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 19:33:37.30 ID:ONlERJ+60
私「……………………………あ」

サンジェルマン「ユタ様!」

ルイ「ゆたあああっ!」

 あれ?
 なんでこんな事になってるんだ?
 全身が痛い………
 ああ、そうだ思い出した。
 私はあのまま気絶したルイを抱えて宮殿に走ったのだ。
 火が上がったということで宮殿は騒ぎになっていた。
 運良く近くにいたサンジェルマンに出会う事が出来、そのまま気絶したのだった。

ルイ「ゆたああっ、ごめんなさいっ、ごべんなさああっあああっ!」

 ルイがボロボロと涙を流しながら私の腕に抱きつく。
 力の制御は出来ているみたいだが、ほのかにむわっと放射熱が来ている。
 というかルイ、なんか少し大きくなったような気が………?
 30センチ程だったのが40センチ程になっている。
 何があったのだろうか?
 まあいい。
 とりあえずルイが無事で良かった。
 毒の後遺症も、見たところ無さそうだ。
 良かった。

私「>>下」
954 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 19:50:24.26 ID:nfBDnUNx0
私はどれくらいの時間意識を失ってたのだろうか?
955 :オパビー :2019/03/22(金) 19:57:56.90 ID:ONlERJ+60
私「私は………どれほどの時間意識を失っていたのだろうか?」

 ルイが成長している。
 もしかしたら、年単位で意識が無かったのかもしれない。
 私はその可能性を考えながら、横にいるサンジェルマンにそう聞いた。

サンジェルマン「ああ…………はい。3日ほどです」

 3日。
 想像の100倍以上短かったな。

私「じゃあなんでルイが成長してるんだ?」

ルイ「ゆたああ……………」

 腕にひっしとしがみつくルイを見ながら私は聞いた。

サンジェルマン「それが私にも分からないのです。ユタ様が抱えて来た頃には既に少し大きくなっておりました」

私「そうか……………」

 ルイ。
 お前は本当に何なんだ?
956 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 20:08:12.39 ID:ONlERJ+60
 私が意識を取り戻した事で、医者やメイドや大臣が集まってきた。

私「とりあえず、今の私の容態を教えてくれ」

 全身が痛い。
 それに右腕がピリピリとした微量の痺れに襲われている。
 私がそう聞くと、医者が言った。

医者「はい。全身に軽い火傷、特に左頬から腹にかけ酷い焼け跡があります。おそらくこれは何年も残ると思われます。そしてガニルアブの毒ですが、解毒は成功いたしました。どこか痺れたりする部位があれば、教えてください」

私「右腕が重いな」

医者「そうですか………わかりました。ではしばらく様子を見ます。まだ皮膚などがくっつききっていないので、完治まで2週間ほど安静にしていてください」

 安静に、か。
 ルイと散歩は叶わないが、本を読みあさるには絶好の機会だ。
 サンジェルマンに本持ちを頼もう。
 それと、しばらくの間はルイの言語学習を強化しよう。
 熱の制御も教えなければ。

 しばらくはベッドの上での生活になるな。

 なにかやりたいこと>>下
957 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 20:20:44.20 ID:KdKRZNmro
ルイについての記録を、書いておく
958 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 21:59:23.91 ID:ONlERJ+60
 そうだ、ルイの成長記録を書こう。
 ルイの生態にはまだ謎が沢山ある。
 話す、急成長、あれだけの熱波を放ったというのに私は火傷で済んでいる。
 記録せざるをえない興味深い事ばかりだ。
 腕はそこまであげられないし、右腕も動きづらい。
 それでも、ルイの記録は私が書きたい。
 これは私の意地だ。

私「ノートをもってきてくれ。ルイの記録を書きたい」

メイド1「わかりました」

 メイドはそう言うとなぜか懐に入っていた紙束を私に渡した。
 毎回このメイドは私の行動を先取りするんだよな……
 いつものことだから驚きはしない。

私「ありがとう」

 私は紙束を受け取った。
 羽ペンとインクを受け取り、日付を書き込む。
 まずは急成長したことから………
959 :オパビー :2019/03/22(金) 23:25:52.91 ID:ONlERJ+60
 7日後。

 兄のトキが遠征から帰ってきたそうだ。
 トキは血相を変えて私の部屋に飛び込んできた。

トキ「ユタ!」

私「いや、違う。Gureat Britenじゃない。Great Britain」

ルイ「Great Britain」

 ちょうど私がルイに言葉を教えていたときだった為、トキは驚いた顔をした。

私「ああ、トキか。お帰り。遠征はどうだった?」

トキ「ああ。とても順調だった。特に特産品の貿易を………って違う!」

 トキが地団駄を踏んだ。
 ルイがトキに向かって頭を垂れる。

ルイ「こんにちは。トキおにいちゃんだね! ユタからすごいおにいちゃんだってきいてるよ!」

トキ「はっはっは。これはこれは。まさかドラゴンにまでも私の名声が轟いて…………ってそうでもない!」

 トキはツカツカと私に近づいてきた。

トキ「おい私がちょーっと宮殿を離れた内に何をやらかしたんだユタァ。森は一部焦げてるしお前は包帯まみれだししゃべるドラゴンはいるしどうなってんだ!?」

 ああ………
 まあ全部私のせいだな。

私「まあまあ落ち着け次期国王陛下。一つずつしっかりと説明してやるから」

 私はとりあえずトキを座らせ、一から順番にこの数日の出来事を話した。
960 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/22(金) 23:45:54.81 ID:KdKRZNmro
(よかった、DOD3的にルイ使役して王位簒奪しに行くユタくんはいないらしい)
961 :オパビー :2019/03/22(金) 23:46:15.42 ID:ONlERJ+60
 全てを話し終えた頃、トキは唸って言った。

トキ「なんだその超常現象怪奇怪異かつ珍妙神秘的奇天烈大百科摩訶不思議なドラゴンは」

 形容詞が長い。

私「さあ。それがわかったら苦労しないさ。なあ、ルイ」

ルイ「うん」

 因みにあれから7日も経っているが、ルイの成長に異変はない。
 話を聞いてわかったが、どうやらルイ自身もぬいぐるみからドラゴンになるプロセスは分からないらしい。
 ルイはそんなことどうでもいいというふうにあくびと伸びをした。

トキ「………なぁ、ユタ」

私「どうした?」

 トキが俺の耳に顔を寄せ、ルイに聞こえないような小さな声で話し始めた。

トキ「あのドラゴン、国を挙げて研究した方が良いんじゃないか?」

私「なに?」

トキ「あれほどまでに小さく賢く、言葉も話せるドラゴンを私は知らない。聞いたこともない。それにファイアドラゴンよろしく火を吐いたり熱波を放ったりできるんだろ? 5メートルくらいするドラゴンならともかく、あの小さな体にそんなエネルギーが含まれているとは思わない。そのエネルギーはどこから来てるのか。知りたくはないか?」

 研究、だと?
 確かにルイの身体のエネルギー量にはそぐわない熱量ではあった。
 研究すれば確かにその秘密が明らかになるだろう。

トキ「ただとは言わない。言い値を出そう。少し可哀想だが、あのドラゴンを研究したほうが世のため人のためこの国のためにもなるんじゃないか?」

私「>>下」
962 :オパビー [saga]:2019/03/22(金) 23:48:51.44 ID:ONlERJ+60
 >>960 流石に小さいわ。
 というかもう960か。
 後少しで次スレに引継やな。
963 :オパビー :2019/03/22(金) 23:57:59.09 ID:ONlERJ+60
 >>960 ユタがじゃなくてルイ(火龍)が王位剥奪には小さすぎるってことやで。
964 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 00:04:16.90 ID:ipOZWhGOo
私はただ研究対象としてではなく助けたいと思ったから買った
せめて成長してルイ本人がちゃんとした判断ができるようになってからと考えている
965 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 00:04:33.47 ID:vfeXKb27o
やめておこう
966 :オパビー [saga]:2019/03/23(土) 11:07:16.49 ID:p+Ek3Sr70
私「確かに、研究すれば有用でない筈はない。だが、トキ」

 私は傍らにいるルイを持ち上げ、胸の上に乗せた。
 首の下をかくと、ルイがくるくると喉を鳴らした。

私「私はただ研究対象としてではなく助けたいと思ったから買ったんだ。研究するにしても、せめてルイ本人がちゃんとした判断ができるようになってからと考えている。ルイ自身と話し合って研究の話は進めよう」

トキ「そうか………」

 トキが腕を組んだ。
 ルイが不思議そうに私の顔を見上げる。

ルイ「なーに? 私の話?」

私「ああ。ルイは本当に賢い子だなーって」

ルイ「うくるるるる♪」

 ルイが頬に顔をすり寄せて来た。
 そこは思いっきり火傷しているところだ。

私「痛い」

ルイ「ごめん」
967 :オパビー :2019/03/23(土) 14:04:08.73 ID:p+Ek3Sr70
 〜〜〜

私「まあ包帯が取れたらまた寄ってくれ」

 私がそう言うと、トキは呆れたように言った。

トキ「あのなあ。お前は興味ないだろうが、お前一国の王子だぞ? 全身大火傷で猛毒蜂にドスドス刺されて………国中大騒ぎだからな?」

私「ああ、知ってる。新聞で読んだ」

 トキがため息をついた。

トキ「はあ………お前は本当に王子としての自覚が無いな………包帯が取れたらなんて言わず、毎日見舞いに来るよ。弟を心配しない王なんて、信頼されないだろ?」

私「はは」

トキ「じゃあな」

 トキはそう言って退室した。
968 :オパビー :2019/03/23(土) 14:21:06.62 ID:p+Ek3Sr70
 〜4日後〜

 しゅる………しゅるるるっ………

 パサッ

私「ふむ…………」

 私は包帯をほどき、完治した体を姿見に写した。
 左頬から首、腰にかけ、肌が赤黒く変色している。
 違和感もあるな。
 これは治らないが、仕方がない。
 右手が動きづらいのも変わらずだ。

ルイ「ほんとにごめんなさい…………」

 ルイが羽ばたき、私の火傷痕を舐める。
 相当責任を感じているようだ。

私「>>下」
969 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 15:26:33.63 ID:mJRb+lnj0
火傷なんて服さえ着れば少しは隠すことができるだろう
だが生活面はできることがあれば、ルイには手伝ってもらうからな?頼りにしてるぞ
970 :オパビー :2019/03/23(土) 15:51:56.14 ID:p+Ek3Sr70
 私は飛んでいるルイの頭を撫でた。

私「そんなに気にするな。火傷なんて、服さえ着れば少しは隠すことができるだろう。だが生活面は出来ることがあれば、ルイには手伝ってもらうからな?」

ルイ「てつだう…………」

 ルイは自分の前足を見て、にぎにぎした。

私「頼りにしてるぞ?」

ルイ「がんばる」

 仕草が可愛い。
971 :オパビー [saga]:2019/03/23(土) 16:30:34.93 ID:p+Ek3Sr70
 棟の完成まであと僅かとなった日。

 私はサンジェルマンとユタと一緒にロンドンの公園を散歩していた。
 王子だから一応名は知れているため、時々遭遇した国民から声援などを受ける。

国民1「>>下1」

国民2「>>下2」

国民3「>>下3」

 性別も。
972 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:06:03.40 ID:WgEpI4Nno
王子!写真撮っても宜しいですか!
973 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:07:28.44 ID:N5Aq77Nd0
王子!今日も可愛いです!
女性
974 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:09:44.87 ID:+2g28GDTo
王子!俺のマッサージ♂を受けてみて下さい!
男性
975 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:36:47.13 ID:WgEpI4Nno
すまん性別忘れてた
良いなら女で
976 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 17:50:09.74 ID:/fQNeMVJo
うーんこの国民共
977 :オパビー [saga]:2019/03/23(土) 18:23:43.86 ID:p+Ek3Sr70
国民1「王子! 写真撮っても宜しいですか!」

私「ああ、良いぞ」

国民1「ありがとうございます! すいませんちょっと撮ってもらって良いですか?」

サンジェルマン「良いですよ」

国民1「うわぁ〜、この子がルイちゃんですか。かわいい〜♥」

私「そうだろう? そうだろう?」

ルイ「えへへ〜」

サンジェルマン「はいチーズ」

 パシャッ

国民1「ありがとうございました! 応援してます!」

私「ああ。ありがとうな」

私(一体何を応援されているのだろう)
978 :オパビー :2019/03/23(土) 18:27:20.35 ID:p+Ek3Sr70
国民2「王子! 今日も可愛いです!」

私「あ、ああ」

国民2「やっぱり見た目とかっこいい口調のギャップが本当に可愛いです〜! ルイちゃんも可愛い〜!」

ルイ「えへへへ〜」

国民2「応援しています王子!」

私「あ、ああ。ありがとうな」

私(だから私は何を応援されているのだろう)
979 :オパビー :2019/03/23(土) 18:34:02.69 ID:p+Ek3Sr70
国民3「王子! 俺のマッサージ♂を受けてみて下さい!」

私「マッサージ? あっ!? 何を………っ!」

サンジェルマン「ちぇすとおおっ!」

ルイ「おりゃーっ!」

国民3「ぐっはああああっ!?」

私「うわあっ!?」

サンジェルマン「ふう。ルイ、よく反応が出来ましたね」

ルイ「たぶんわるいひとだから」

私「び、び、び、びっくりした………………」(気弱)

サンジェルマン「ユタ様。大丈夫ですか? まさか今の一瞬で上の服が全て脱がれるとは………」

私「だだだだ、大丈夫だ」ゴソゴソ

サンジェルマン「不届き者が………あとでスコットランドヤードに引き渡しましょう」

ルイ「けーさつ!」

国民3「」シュウウウウ………
980 :オパビー [saga]:2019/03/23(土) 23:55:53.91 ID:p+Ek3Sr70
 ぴーひょろろろろろろろろ

 柔らかい風が頬を撫でる。
 絹のようななめらかな風だ。

私「やはりこの公園はいつ来ても良いな。気持ちがいい」

ルイ「そだねー」

 ぱたぱたと私の横を飛びながらルイが言い、くるりと宙返りをした。

サンジェルマン「いやぁ、本当に今日は良い日で」

 サンジェルマンが空を仰ぎ、息を吸い込む。

私「サンジェルマン、いつもみたいに問答をしないか? 今日はルイも入れて」

 私がサンジェルマンにそんな提案をすると、サンジェルマンはそれは良い、とにっこりと笑った。

サンジェルマン「いいでしょう。ルイ、準備はいいですか?」

ルイ「うん! いいよっ!」

 サンジェルマンは少し考えた後、何かを思いついたように目を開けた。

サンジェルマン「"Somosang"」

私&ルイ「「"Seepa"!」」

 ルイと私は元気良く声を上げた。

サンジェルマン「私は、誰でしょう。私の皮をはいでも私は泣きません。しかし私の皮をはいだらあなたは泣きます。さて、私は誰でしょう」
981 :オパビー :2019/03/23(土) 23:56:30.79 ID:p+Ek3Sr70
 おやすみやで。
982 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/23(土) 23:57:13.40 ID:/fQNeMVJo
おつー
983 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 00:02:17.80 ID:bonHcBJDO
984 :おまえらは解けるかこのなぞなぞ [saga]:2019/03/24(日) 07:28:26.23 ID:Ad7/wz8c0
 私は答えが一瞬でわかった。
 だが、ルイに答えさせるためここはあえて答えない。

私「皮を剥いても泣かず、剥いた方が泣く………?」

ルイ「わかんないよおおお」

 ルイが頭を抱えて悩んでいる。

ルイ「ううううむうう」

 くるっ、ぱたたっ
 ぱたたたたっ、ぱたぱた

ルイ「わかった!」

 おお。
 ルイは目を輝かせている。
 どうやら分かったようだ。
 やっぱりルイは頭が良いな。

ルイ「いたいくないひと」

 ちがーう。

サンジェルマン「残念ながら不正解ですね」

ルイ「なんでー! だっていたくないひとはかわむかれたってなかないけど、むいたほうはきもちわるくてなくよ?」

私「そうじゃないんだな…………」

 私がそうつぶやくと、ルイがキッと私の方をむいた。

ルイ「ずるいっ! ほんとはユタもうこたえわかってるでしょ!」

私「ごめんてごめんて」

 ぽかぽかとルイが私を叩いてくる。
 失敗したな。
 でも………
 可愛いなぁ。
 見かねたサンジェルマンがヒントを出した。

サンジェルマン「ではヒントです。人間ではありません」

ルイ「えー、にんげんじゃないのー」

 ルイが頭をひねる。
 ひねりにひねる。
 そして叫んだ。
985 :オパビー [saga]:2019/03/24(日) 08:02:56.02 ID:Ad7/wz8c0
ルイ「たまねぎ!」

サンジェルマン「大正解です」

私「やったなルイ!」

 ぱちーんとハイタッチが決まった。

ルイ「いえ〜い!」

 ルイはとても嬉しそうに飛び回っている。
 時々火を吐きながら。

サンジェルマン「では次の問題。じゃじゃん」

 サンジェルマンも面白くなってきたようだ。
 ルイが緊張した顔で唾を飲み込む。

ルイ「ごくり………」

サンジェルマン「実はtで始まる日は4日あるんです。そのうち二つは火曜日(Tuesday)と木曜日(Thursday)です。ではあと二つは?」

 ああ、なるほどな。
 これは良い問題だ。

ルイ「ええ? tで始まる日? 日月火水木金土……………」

 ルイが黙り込んでしまった。
 その解き方では解けないぞ、ルイよ。
 ルイが解けるまで待ってやろう。
 私はルイから目を離し、空を見た。

私「………………………」

ルイ「………………………」

 ルイがなかなかしゃべらない。
 なかなかの熟考だ。

サンジェルマン「ではヒントを…………おや?」

 私がサンジェルマンのその声に横を向くと、ルイはそこにいなかった。
 どこに行ったかと辺りを見ると、ルイははばたいて空中に停止したまま、私たちの5メートルほど後ろにいた。
 何かの拍子に置いて行かれたようだ。
 私とサンジェルマンは少し来た道を戻った。

私「ルイ。どうかしたか?」

ルイ「…………………」

 ルイは黙りこくっている。
 その目線は左に向き、震えている。
 まるでその目線の先に、生き別れた親でもいるような…………
986 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 12:15:26.15 ID:jQHU+uQyo
誕生の謎が明らかになるときか?!
987 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/24(日) 18:39:05.45 ID:fuNwvcimo
もとの持ち主に戻るほうがハッピーエンドな気がするが大丈夫かこれ
988 :オパビー [saga]:2019/03/24(日) 23:06:26.30 ID:Ad7/wz8c0
 目を大きく見開き、瞳孔を広げ、ルイはある一点を見つめていた。
 その瞳が日の光を反射させ、ボロボロッと涙が零れる。
 そして、呟いた。

ルイ「ママ…………」

私「なに…………?」

 ドラゴンでもいるのか?
 そう思い私がルイが見ている方向を見ると、ひとりの若い女性が歩いていた。
 見たところドラゴンはいない。
 そうすると、あの女性が…………

ルイ「マ………マ!」

 ルイは急発進した。
 小さな翼をはためかせ、風を切って一直線に突っ込んでいった。

ルイ「ママーッ!」

女性「え? え!?」

 ルイは女性の前で急ブレーキをかけ、ゆっくりとその胸に顔を埋め、号泣した。

ルイ「ママああっ、会いたかったよおおおっ!」

 女性は困惑しているようだ。
 しかし、少し考え何かに気づいたようだ。

女性「え、も、もしかして…………レッちゃん?」

ルイ「うん、うん、そだよおおっ。しゃべれるようにいいっ、なたよおおっ!」

 やはり、ルイの元の持ち主、ルイがぬいぐるみだった頃からの持ち主のようだ。
 女性は私とサンジェルマンに気づき、驚いた。

女性「王子っ!?」

ルイ「うん。ルイっていうの。いまいっしょにくらしてるひとなんだよ」

女性「ほんとにっ!?」

 一緒に暮らしている人、か。
 そう思えば私は、ルイの飼い主でも持ち主でもない。
 ルイにとっては一緒に暮らしている人という認識なのだろうな。
 女性は様々な事が一気に起きすぎて混乱しているようだ。

私「>>下」
989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 00:06:23.62 ID:UALxH1VXo
もし良ければ宮殿まで来て話せないか
990 :オパビー :2019/03/25(月) 07:20:37.43 ID:D7r0FYal0
私「えっと……すまないが、ルイの、このファイアドラゴンの元の持ち主、ということで合っているか?」

女性「はいっ」

 女性は背筋をピンと伸ばして答えた。

私「ああ、うむ。そんなに緊張しなくても良い。貴女の名は?」

女性「あ、はいっ」

 女性は相変わらず泣いているルイを抱いたまま答える。

女性「ラクレシア・オールドマンです」

私「ラクレシアか。ではラクレシア、良ければ宮殿まで来て話せないか? ルイについて話したい事がある」

ラクレシア「あ、分かりましたっ!」

 ラクレシアはビシッ、と答えた。
 ルイについて話すべきことは色々ある。
 私はラクレシアを連れ宮殿に戻った。
991 :オパビー [saga]:2019/03/25(月) 12:47:12.80 ID:8shJEkoH0
 〜〜〜

 宮殿。

 しばらくラクレシアと話し、分かったことがある。
 ルイはラクレシアが5歳の頃に母に作って貰ったデフォルメされたファイアドラゴンのぬいぐるみで、どこかの神殿やダンジョンから見つかったりした特別なぬいぐるみではないということ。
 ラクレシアはそのぬいぐるみをレッちゃんと名付け、親友のように大切にしていた事。
 ラクレシアが23歳の時、朝起きたらぬいぐるみが今の姿になっていた事。
 ラクレシアは大変喜び夫と一緒にそのレッちゃんを育てるつもりだったこと。
 しかしそれから3日が経ったある日、姿が消えたレッちゃんの事を夫に聞くと、なんの悪びれもなく大金で売ったと言ったということ。
 それを聞いたラクレシアは泣きながら「まあ金が入ったからいいじゃないか。あの龍のことは忘れろ。ところでハネムーンはどこに行く?」などと笑顔でほざいていた夫の腹にボディーブローをぶち込んだのちジャブジャブジャブワンツーフックで頬骨を叩き割り飛び膝蹴りで肋骨を砕き後ろ回し蹴りで壁に向かって吹き飛ばしたということ。
 もちろん夫とは離婚し、なんとかレッちゃんを見つけだそうと探し回っていたこと。
 そして散歩をしていたら偶然レッちゃんに再会したということ。
992 :オパビー :2019/03/25(月) 12:56:19.60 ID:8shJEkoH0
 まとめれば、なぜルイがぬいぐるみから生命を持つようになったのかも、なぜ言葉を話すのかも、分からないという事だった。
 謎は深まるばかりだった。
 さて。
 ルイの謎については一旦ここらで切り上げよう。
 もともと、ルイはラクレシアの元にいた。
 意識の中では3日しか一緒に過ごしていないにせよ、もとのぬいぐるみとしてラクレシアと過ごした期間は18年だ。
 それに、ルイはラクレシアの事を母と認識している。
 私とは1ヵ月ほどしか一緒に暮らしていない、いわば他人だ。
 私はルイが私に心を許してくれていると思っているが、ルイ自身はどう思っているか分からない。
 ルイは私とラクレシア、どちらと暮らしたいと考えているだろうか?

私「>>下」
993 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 13:04:00.80 ID:m1Qx8vT/0
ルイ、君は私と彼女とどちらと暮らしたいと考えている?
とても難しいだろうが、これだけは誰かに言われたからではなく自分一人の意思で決めないと駄目なのだと思う
すぐに答えを出さなくてもいいから考えてくれないか?
994 :オパビー [saga]:2019/03/25(月) 19:00:50.39 ID:NZGdOkGa0
私「ルイ、君は私と彼女とどちらと暮らしたいと考えている?」

ルイ「えっ?」

 ルイが私の急な質問に驚きの声を上げた。

私「ラクレシアは君にとって大切な存在だろう」

ルイ「う、うん。ユタもだよ」

私「そうなれば、君はどちらと暮らすか、考えなければいけない。ラクレシアの家に戻るか、私の家に残るか」

ラクレシア「あ………そう、ですね…………」

 ラクレシアが何かを言おうとして、口をつぐんだ。
 何か気になる事があるのだろう。

私「とても難しいだろうが、これだけは誰かに言われたからではなくルイ一人の意思で決めないと駄目なのだと思う。すぐに答えを出さなくてもいいから、考えてくれないか?」

ルイ「どっちか………と?」

 ルイは私の目を見る。
 そしてラクレシアを見る。
 泣きそうな目で、もう一度私を見た。

ルイ「……………………えらべないよ」

 小さな声で、ルイがそう言った。
 そんなに急いで答えを出さなくて良い。
 とても、難しい事だ。
 少し答えを出す後押しをしてやろう。

私「ラクレシア。もしどちらかの家にルイが住むことになったら、時々ルイに顔を見せてやらないか?」

ラクレシア「え……………あ、はい。それは良いですね」

 まあこの場合だとラクレシアの側にルイが行ったときに王子がわざわざ民間宅に出向かうことになるから少し面倒だがな。
 私がアイデアをルイに提供すると、ルイは少し答えが出しやすくなったようだ。
 しばらく考えたのち、うん、と無言で頷いた。

ルイ「わたしは……………」




 …………次スレにつづく。
995 :オパビー [saga]:2019/03/25(月) 19:04:03.06 ID:NZGdOkGa0
 あっという間に1000スレや。
 ありがとうやで。
 次スレの題名は
 【安価】奴隷を買って好きにいじれ(2)
 になるでよ。
 もしかしたらユタの次の奴隷も書く気になったら書くかもやで。
 では。
 さよならおまえら、また次スレ。
996 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 19:08:41.41 ID:oIFLpBPso
おつおつ
次スレでもよろしくお願いします
997 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 19:11:47.57 ID:i/MSA/wDO
乙です
998 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/13(月) 15:44:31.46 ID:8IZEMpU30
奴隷募集のときに色々な種族やケモ度分類が登場していたけど、>>1の好きな種族とケモ度は何ですか?
999 :オパビー ◆En71pCZieY [saga]:2019/05/21(火) 06:38:48.11 ID:VE3W/BLB0
 あげる。
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