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【安価とコンマ】退廃ファンタジー
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155 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/24(日) 23:06:20.49 ID:g9iKhWGI0
ウィリアムは難しそうな顔をした。
そして、唸りながらも語り始めた。
「……俺が自警団をやってるのは、大体スピカと同じ理由だよ。スラムの仲間を守りたかった。幸い俺には恵まれた体があったから、こうして警邏をしている」
しかし、ウィリアムは限界を感じていた。
小さな喧嘩を収め、はぐれの外敵を追い払う日々。
それに、自警団とはスラムで幅を利かす集団が縄張りの主張のために行っている側面もあり、管轄外の問題に手を出すことは難しい立場にある。
それは、ウィリアムの求めていたものとはどこか違っていた。
「できるなら俺からお願いしたいくらいだが……、簡単にはいかないんだ」
「なにか問題があるんですか?」
「自警団を抜けるには、手切れ金を払わないといけないんだよ。100マナ」
「ごじゅっ!」
スピカは絶句した。とんでもない金額だったからだ。
◆
ウィリアムを仲間にするためには100マナの手切れ金を用意する必要がありそうだ。
スピカは頑張って100マナをためてもいいし、ウィリアムを諦めてもいい。
それ以外の方法や説得材料を探すためにこの話をいったん保留にするのもありだ。
自由安価↓1
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:13:37.17 ID:uWkQ8dFqO
一旦保留にさせてもらい、別の仲間候補の元へ行く
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:14:06.94 ID:jvfBy2A3O
他の方法を一応聞いた上で保留
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:16:38.29 ID:uWkQ8dFqO
あちゃー…
>>157
のほうが良かったかな
159 :
◆GsFNmlQwPk
[sage saga]:2019/02/24(日) 23:17:56.54 ID:g9iKhWGI0
>>155
スピカの「ごじゅっ!」っていってるセリフ、推敲しているうちに間違えました。
「ひゃくっ!」みたいな、100マナに驚いたリアクションに脳内変換しておいてください
160 :
◆GsFNmlQwPk
[sage saga]:2019/02/24(日) 23:24:00.01 ID:g9iKhWGI0
ちょっと安価ルールゆがみますけど
>>157
のパターンで進めていいですか?
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:24:49.35 ID:uWkQ8dFqO
良いんじゃないんですかね…
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:31:38.94 ID:tp2B5fsk0
どのみち保留+αだからいいんじゃないかな?
163 :
◆GsFNmlQwPk
[sage saga]:2019/02/24(日) 23:31:54.78 ID:g9iKhWGI0
じゃあ
>>157
で進めます
164 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/24(日) 23:58:42.50 ID:g9iKhWGI0
「100マナなんて、どうやって払えば……。他に自警団を抜ける方法はないんですか?」
「そうだなあ。ボスに土産を渡して手切れ金の値引きぐらいならできるかもしれんが」
「みやげ、ですか」
「ああ、ボスは自然界由来の毛皮を欲しがってたな。それも《ウル》なんて小物じゃなく、もっと恐ろしいモンスターのな」
「じゃあ、それを私が持ってこれたら!」
スピカの頭にげんこつが落ちた。そんなに痛くなかったがびっくりした。
「馬鹿言うな。そんな危険を冒すくらいなら、ほかの仲間を探したほうがいい」
「……そう、ですか」
スピカしゅんとし、その場をあとにしようとしてウィリアムを振り返った。
「ウィリアムさん、この話、よかったら覚えておいてください」
「ああ」
ウィリアムは警邏に戻り、スピカはほかの候補の人を訪ねることにした。
◆
スピカが訪ねた次の仲間候補は?
バレッド
クリシゥス
アラン
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/24(日) 23:59:58.39 ID:tp2B5fsk0
消去法でバレッドかな
166 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 00:21:27.57 ID:X7N0AKKR0
「バレッドさんを仲間にできたら」
スピカが次に思い浮かべたのは、スラムの義賊、バレッドだった。
彼はスラム悪党から金を奪って配る実力もあるし、何より義賊という行いをしている以上、きっとスピカと志を共にできる可能性が高い。
スピカはバレッドを探し始めた。
そしてすぐに行き詰った。
「私、バレッドさんの居場所を知らない……」
スピカとバレッドの面識は昨日森で出会った一回のみ。
【ジョブ】の加護もなしに森に潜伏し続けられるとは考えづらいのでスラムのどこかにいるはずなのだが、悪党が見つけられない潜伏場所をスピカが見つけるのは至難の業に思えた。
◆
スピカがバレッドを仲間にするには、まず彼の居場所を突き止めなければならない。
スピカはバレッドを探して奔走してもいいし、別の仲間候補を訪ねてもいい。
自由安価↓1
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 00:25:57.92 ID:ZwV7zygh0
アランでもよさそうだけど、ここはまず大人が仲間に出来る方がよさそうだしバレッド探す方が言いかもねクリシゥスだとお金とかの出費嵩みそうだし
とりあえずバレッドを探す、そして施しを貰ったお礼となぜか依頼を受けて森に入ったのかを説明するとかかな?
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 00:26:33.84 ID:s/4bJ33/O
まずは見つけられるかどうかだな…
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 00:28:35.03 ID:21A/U9vLO
バレッドを探す
見つからなければ、ウィリアムの100マナを捻出できるよう依頼場に寄るかな
駆け出し探索者が子供に引率の大人連れてたし、ここはウィリアムかバレッドどっちかをなんとか引き入れたい
170 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 00:46:58.32 ID:X7N0AKKR0
「がんばってバレッドさんを探そう」
やはり大人の協力者というのはそれだけで外面的、肉体的、精神的そのた諸々、「子供」というだけで不足している部分を補ってくれる。
何より自身の身を危険にさらして善行を働くような人だ。
きっと喜んでスピカに協力してくれる。
スピカは今一度気合を入れなおし、ゾロ目の数字に祈った。
そして、どうしたらバレッドを見つけられそうか考えた。
やみくもにスラムを駆け回ったとしても、バレッドを見つけられるはずがない。
情報が必要だ。スピカはバレッドについてほとんど噂程度しか知らない。
性格、好み、格好、活動範囲、活動時間、何も知らない。
しかし、スラムの民に施しを与えている以上、どこかで目撃情報が見つかるはずだ。もしかしたらバレッドと定期的に交流のある人物に巡り合えるかもしれない。
◆
スピカはバレッドに関する情報を集めてもいいし、心当たりがあるならそこへ赴いてもいい。
やみくもに探すという手も無くはない。
自由安価↓1
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 00:51:07.19 ID:21A/U9vLO
まずはバレッドが施しを与えそうな人の集まるエリアで情報収集
172 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 01:13:45.83 ID:X7N0AKKR0
スピカはスラムの一画を訪れた。
そこは子持ちの女性や年老いた人、子供、病人と、スラムでも特に弱い者が追いやられるようにして集まった場所だ。
バレッドが現れるならここかもしれないと考えた。
スピカはその区画で、子持ちの女性の住処を修理してあげる代わりに、バレッドについて尋ねてみた。
「バレッドさんは確かに、毎日この区画にくるよ。私もご飯とかマナとかで助けられてる」
「毎日ですか? そんなに頻繁に悪党からお金を取り返しているんですか?」
「はは、そうじゃないよ。悪党から奪ったお金を一気に誰かに渡したら、その人が狙われてしまうだろ? だから小分けにして配ってるんだ」
その通りだとスピカは思った。考えたらわかりそうなものだ。
「では、バレッドさんの居場所とか顔とか知りませんか?」
「うーん、それは知らないねえ。実は朝起きると小銭やご飯が枕元に置かれているだけで、バレッドさん本人を見たことはないんだよ」
どうもバレッドは悪党どころか施しを与えているスラムの民にすら姿を見せないらしい。
もしかしたらそれも、スラムの民を悪党からかばうための気遣いなのかもしれない。
「そういえば、今朝は何も置かれてなかったねぇ。別に催促しているわけじゃないよ。なんかあったんじゃないかって心配になったんだ」
「……今日は、施しがなかった」
スピカは少し引っかかるものを覚えた。
丁度女性の住処の修繕が終わったので、礼を言って住処を出た。
◆
スピカはさらに情報を集めてもいいし、心当たりがあるならそこへ向かってもいい。
なにか別のアプローチでバレッドを探すという手もある。
自由安価↓1
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 01:29:40.48 ID:s/4bJ33/O
昨日の出来事を思い出し、急いでバレッドを探しに森の奥へ行こうと試みる
174 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 01:50:07.38 ID:X7N0AKKR0
スピカは昨日の出来事を思い出した。
森の中、悪党の追手におわれて森の奥へ進むバレッドの姿を。
もし、彼が悪党の手にかかっていたら。もし、追手を振り払った後も自分を探していたら。
スピカは急に背筋が冷え、全身総毛だった。
あの日エレタマの蔦の鞭でしばかれ血だらけになって倒れていた男の姿と想像の中のバレッドの影が重なる。
スピカははじかれたように森へ駆け出していた。
スラムを駆け抜け、昨日は跨ぐのに随分と戸惑った自然界への境界線を飛び越え、木漏れ日を切り裂いて奥へ進んだ。
◆
安価↓1
01〜50 エレタマ×2に遭遇
51〜80 ウル×2に遭遇
81〜90 《???》に遭遇
91〜00 《???》に遭遇
ゾロ目はボーナス
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 02:05:14.75 ID:FQyjD4Re0
ちょいさー
176 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 02:10:58.40 ID:X7N0AKKR0
今日は寝ようと思います。おやすみなさい。
続きは明日、ウル×2と戦闘からです。
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 02:15:44.37 ID:s/4bJ33/O
おつ
178 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 13:35:27.73 ID:X7N0AKKR0
少しだけ再開します。
◆
スピカは森を駆ける。
神の加護で強化されたスピカの身体は獣のような速度を出して木々の間を駆け抜ける。
踏み込みは苔をめくりあげ、木の根を折り、小川を割った。
バレッドがどこにいるかわからない以上、昨日バレッドと別れた場所まで急行し、そこを中心に森を探索するしかない。
焦燥するスピカの視界に、ちらりと影が映った。
走るスピカに並走するように、何かがいる。
茂みや樹木の影を利用し、うまく姿をいせないようにしている。それは狩りに慣れたものの動きだった。
スピカは森の開けた場所を見つけると急停止。
鉄剣とナイフを取り出し、襲撃に備えた。
視線を巡らせ、気配を探り、そして草むらから飛び出してきた獣に剣を合わせた。
179 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 13:36:59.23 ID:X7N0AKKR0
対ウル×2
【名前】スピカ
《体力》644
―――――――
《膂力》114
《知恵》219
《防御》122
《精神》189
―――――――
錆びた鉄剣《膂力》10
燻んだナイフ《膂力》10
翠玉の指輪《防御》《精神》15
くたびれた外套《防御》10
【名前】ウル×2
《体力》?
―――――――
《膂力》?
《知恵》?
《防御》?
《精神》?
―――――――
ステータスの合計はスピカが上
先攻
安価↓1 スピカの攻撃《膂力》か《知恵》
安価↓2 ウル×2の防御 こちらはスピカの攻撃に合わせた対抗手段で判定します。
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 13:39:41.70 ID:2Bk/SPO0O
知恵
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 13:41:18.47 ID:wM6g2hBP0
お
182 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 13:52:03.42 ID:X7N0AKKR0
スピカは魔力を乗せた鉄剣を完璧に一匹目のウルに合わせ、二匹目のウルにもナイフで痛手を負わせた。
(昨日と全然違う)
アンカー・コンマ―に与えられたさらなる力は、ウル二匹を相手にする分にはまるで問題にならないほど強力だった。
一匹のウルは倒れたまま動かず、もう一匹はふらつきながらもスピカに牙をむく。
手負いの獣ほど恐ろしいものはない。
スピカは唸りながらかみついてくるウルに防御の姿勢をとった。
ウル《膂力》?安価↓1
スピカ《防御》147安価↓2
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 13:54:07.80 ID:2Bk/SPO0O
てい
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 13:59:11.06 ID:MJvC9Z34O
はい
185 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 14:18:50.66 ID:X7N0AKKR0
ウル《膂力》?+80
スピカ《防御》153
スピカ《体力》577
ウルは手負いにも関わらず俊敏な動きでスピカに接敵し、その凶暴な牙を突き立てた。
スピカは外套越しに受け止めたが、鋭利な牙はくたびれた外套を容易に貫き、スピカの肌に傷をつけた。
「うぐぅ、あっ!」
途轍もない咬合力。アンカー・コンマーの加護がなければスピカの腕は簡単にちぎれ飛んでいたに違いない。
スピカは初めて味わう鋭い痛みに顔を歪め、冷や汗を流す。
腕に食いついたウルを腕力で振り払い、よろめいたウルにとどめの一撃を向けた。
スピカ攻撃《膂力》か《知恵》安価↓1
ウル防御安価↓2
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 14:22:02.42 ID:MJvC9Z34O
知恵で
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 14:29:18.12 ID:oiPo9BtfO
一体倒しても敵の攻撃翌力は2匹ぶんなのか
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 14:38:07.41 ID:ssHHeB8RO
ウルの膂力は140か?今のままだとちょっと危ないな
189 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 14:44:37.93 ID:X7N0AKKR0
>>187
集団を相手にするときは「ウル×2」というモンスターみたいな扱いです。
◆
スピカ攻撃《知恵》261
ウル《精神》?+12
ウル《体力》0
対ウル×2 勝利
スピカは剣を力いっぱい振るった。
ゴミ捨て場から拾ってきた剣やナイフだろうと、魔力をまとわせればそれは魔法の剣になる。
ウルの毛皮を切り裂き、見事に二匹目を絶命させた。
「はぁ……、ふぅ……」
昨日よりも確実に強い相手だったが、今のほうが精神的な余裕がある。
少しだけ心も強くなれたのだろうかと考え、スピカはすぐにバレッド探しを再開した。
◆
ウルを倒したのでステータスを開示します。
【名前】ウル×2
《体力》200(100×2)
―――――――
《膂力》140(70×2)
《知恵》80(40×2)
《防御》140(70×2)
《精神》80(40×2)
―――――――
190 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/25(月) 14:52:31.01 ID:X7N0AKKR0
スピカは昨日バレッドと別れた場所にたどり着き、そこから手掛かりを探した。
「これは、足跡?」
スピカは子供にしては高い洞察力をもって、地面についた手掛かりを見つけた。
森は奥に向かうほど暗くなり、地面もぬかるんでいる。
昨日バレッドと追手が走って行った方向に足跡は続いていた。
「近づいている」
スピカは確信をもって森の奥へ進んだ。
安価↓1
01〜30 《???》×2に遭遇
31〜60 《???》×2に遭遇
61〜90 《???》に遭遇
91〜00 《???》に遭遇
ゾロ目はボーナス
◆
一旦更新止まります。
続きは今日の夜中か明日で。
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/25(月) 15:01:39.49 ID:oiPo9BtfO
ゾロこい
192 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 18:21:05.72 ID:kadq3g0v0
こんばんは、再開します
◆
スピカは残された足跡をたどり、暗い森を進む。
段々と草木の密度が高くなってくる。
地面には花よりも菌糸類や地衣類が目立つようになり、木の根や枝には苔やシダが寄生するようにはえている。
うすぐらい森の影から、何かの視線を感じた。
走るスピカと一定の距離をおき付きまとっている。
(この感じ!さっきと似てる)
また、ウルに狙われていると感じたスピカは、足跡を辿って丁度森の泉に出たところで停止した。
向こうもその瞬間を待っていたのだろう。
ゆっくりと、強者の余裕を持って茂みから姿を表した。
それは一見ウルだった。
四足歩行で牙と爪を持つ獣。凛々しい顔立ちと怜悧そうな瞳の狩人。
しかし、ウルが茶色の毛並みであったことにたいし、こちらは灰色がかった紫の毛を持っていった。
さらに、その毛皮はバチッ、バチッと紫電を纏っていた。
明らかに別種。
おそらくはウルの上位種だった。
193 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 18:22:33.43 ID:kadq3g0v0
対《???》×2
【名前】スピカ
《体力》577
―――――――
《膂力》114
《知恵》219
《防御》122
《精神》189
―――――――
錆びた鉄剣《膂力》10
燻んだナイフ《膂力》10
翠玉の指輪《防御》《精神》15
くたびれた外套《防御》10
【名前】《???》×2
《体力》?
―――――――
《膂力》?
《知恵》?
《防御》?
《精神》?
―――――――
ステータスはスピカが上 先攻
スピカ攻撃 安価↓1 《膂力》か《知恵》
《???》×2防御 安価↓2 こちらはスピカの攻撃に合わせた対抗をします。
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 18:37:10.17 ID:1LX4qXoDO
知恵
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 18:49:38.95 ID:fitgbZcQ0
はい
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 18:51:30.67 ID:ODy5Z6X2O
やべぇよやべぇよ…
197 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 19:11:14.27 ID:kadq3g0v0
スピカ攻撃《知恵》236
《???》×2防御 《精神》?+95
《???》《体力》?
スピカとウル上位種の間で空気が張り詰めている。
冷や汗を流すスピカと対照的に、二匹のウル上位種はただ整然とスピカの隙を伺ってきている。
緊張に耐えられずスピカが隙を見せた瞬間。
ウル上位種が図早く踏み込んだ。
(はやっ!)
まさに雷のような速さで迫ってくる一匹目のウル上位種に、スピカはぎりぎりナイフを合わせた。
「ワフッ!」
軽く切り傷をつけられた一匹目のウル上位種は、驚いて距離をとる。
しかし安心はできなかった。
二匹目のウルがかみついてきたのだ。
《???》《膂力》?+安価↓1
スピカ《防御》147+安価↓2
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:12:25.40 ID:hCeL36z3o
つよそう
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:12:45.81 ID:ODy5Z6X2O
はい
200 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 19:22:20.40 ID:kadq3g0v0
《???》《膂力》?+40
スピカ《防御》228
スピカ《体力》577
スピカを狙ったウル上位種の噛みつきをぎりぎりでかわした。
鋭い牙が目の前で閉じられる。文字通り間一髪だった。
(さっき、ウルの動きを見てなかったら避けられなかったかも……)
戦いが始まり、スピカは少しだけ冷静になってきた。
落ち着いてウル上位種の動きを見極め、攻撃に合わせて剣を薙いだ。
スピカ攻撃《膂力》か《知恵》安価↓1
《???》×2 安価↓2
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:28:48.11 ID:TrGJBUiLO
頑張れスピカ
知恵
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:30:53.72 ID:ODy5Z6X2O
ゾロ目か…
203 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 19:32:28.09 ID:kadq3g0v0
戦闘中のゾロ目ボーナスは追加攻撃でいいですか?
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:33:12.56 ID:TrGJBUiLO
ゾロったが最低値か……
力の無いアンカー・コンマーですまない……
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:40:22.26 ID:ODy5Z6X2O
お願いしなす
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:40:54.14 ID:TrGJBUiLO
ゾロ値+再判定=威力?
ならそれでお願いします
207 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 19:44:50.90 ID:kadq3g0v0
ゾロ値+再判定です。
安価↓1
あとゾロが出た時スピカ覚醒って感じの描写入れたいので、今後戦闘中にゾロが出た時のスピカの見た目の変化も書いてください。
例 オーラが増す。 目の色が変わる。
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:46:41.63 ID:1LX4qXoDO
目の色が変わる
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:47:48.20 ID:TrGJBUiLO
片目が緋色に〜とか?
スピカの元の瞳の色が何色かわからないけど
210 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 19:49:26.88 ID:kadq3g0v0
連続で安価ごめんなさい。
安価↓1 通常時の眼の色
安価↓2 覚醒時の眼の色
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:51:43.61 ID:aD3KImb7O
碧眼
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 19:54:12.68 ID:1LX4qXoDO
深紅
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 20:04:07.90 ID:tGlCD8vZO
今は灰色だけど髪も元はプラチナだっけ?なかなか綺麗な配色だな。早くお風呂入れるくらい生活安定させてあげたい
214 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:12:09.41 ID:kadq3g0v0
スピカ攻撃《知恵》293
《???》×2 ?+75
《???》×2 《体力》?
スピカが剣を振った瞬間、まるで世界が停止したような錯覚に襲われた。
赤い色に染まった世界。
音が消え、自分の鼓動だけがやけに大きく聞こえる。
全身の血液が沸騰し昂る。
迅雷のごとく動くウル上位種の毛並み一本一本まではっきりと見分けられる。
(へ?)
スピカは困惑していたが、体が歴戦の戦士もかくやという動きを見せてウル上位種二匹を捌いていた。
一匹目を真一文字に卸し、二匹をナイフで牽制する。
「っ……ぁ! はぁ、はぁ、なに? 今の?」
まるで世界を掌握したような全能感があった。
さっきまでの自分ならきっと運命さえ切り裂けた。
そんな気分。
惜しむらくは初めての感覚だったので手放してしまったことだ。
「グルルルルゥウゥゥウ……」
ウル上位種がスピカを警戒するように唸っていた。
スピカがウル上位種に視線を向けると、彼は毛を逆立てた。
ウル上位種は見てしまったのだろう。
新緑のように優しげだった少女の瞳が、血のような深紅に染まった瞬間を。
ウル上位種は自棄を起こしたようにスピカに喰いかかった。
《???》×2 《膂力》?+安価↓1
スピカ《防御》147+安価↓2
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 20:13:14.88 ID:ODy5Z6X2O
最後っ屁といこうか
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 20:16:46.62 ID:LEbRKfFS0
あ
217 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:27:09.71 ID:kadq3g0v0
《???》×2 《膂力》?+88 ゾロ、スキル【紫電の牙】発動
スピカ《防御》209
スピカ《体力》577
スピカ《麻痺》160 コンマ50〜60自動失敗
スピカはウル上位種の渾身の攻撃を鉄剣とナイフを交差させて受け止めた。
「ウググウウ!」
鍔迫り合いの中で、ウル上位種がうなり、牙の間を紫電が走る。
バチバチと音を放ち放電するほどに電圧を上げたそれは、鉄剣を伝ってスピカの体を痺れさせた。
「うぐぅ!」
218 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:28:11.18 ID:kadq3g0v0
◆
状態異常の説明
状態異常は安価の度に自動で発動します
状態異常には《強度》が設定されています、状態異常の威力や効果時間に関係します。
《強度》は安価した時のコンマや回復アイテム、回復魔法で減らすことができ、《強度》が0になると状態異常が治癒したことになります。
回復アイテム、回復魔法で《強度》を減らした場合、《体力》は回復できません。
例
《麻痺》コンマ判定が50〜60で自動失敗
《強度》160
スピカが攻撃
コンマが55
自動失敗 《麻痺》の《強度》160-55=105
敵が攻撃
スピカが《防御》40 成功 《麻痺》の《強度》105-40=65
スピカが回復魔法150 《麻痺》完治。《体力》の回復なし
◆
219 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:31:56.70 ID:kadq3g0v0
スピカは神経が侵されうまく動かない体に叱咤を入れ、ウル上位種に剣閃をお見舞いした。
スピカ《膂力》か《知恵》安価↓1
スピカ《麻痺》160 コンマ50〜60は自動失敗
《???》?+安価↓2
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 20:33:11.91 ID:kv2fMK6kO
知恵
これでトドメだ
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 20:33:31.38 ID:1LX4qXoDO
あ
222 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:44:41.17 ID:kadq3g0v0
スピカ《知恵》310
《???》?+38
《???》《体力》0
スピカの放った斬撃は二匹目のウル上位種も見事肉片に変えて見せた。
「な、何とかなった」
目の前に転がる二匹分の死体。
その毛皮や地面に吸われる血潮にはいまだ紫電が火花を上げている。
今まで出会ってきたモンスターも大概不思議な生体をしていたが、雷を纏う生き物などおとぎ話の中でしか見たことなかった。
それを、自分が殺したのだ。
麻痺で感覚が鈍くなっているせいかもしれないが、実感が薄かった。
《???》を倒したのでステータスを開示します。
【名前】ウル・シ
《体力》110
―――――――
《膂力》80
《知恵》50
《防御》80
《精神》50
―――――――
【紫電の牙】《膂力》でダメージを与えると《麻痺》80を付与
223 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 20:58:04.39 ID:kadq3g0v0
スピカはバレッド探しを再開した。
森の泉に出たところでスピカが追ってきた足跡は途絶えていた。
その代わり、血痕が道を作って続いていた。
泉の周囲は不気味なほど静まり返っている。
森全体が身を潜めているようだった。
スピカは覚悟を決めて先へ進んだ。
01〜89 バレッドを見つける
90〜99 《???》と遭遇
ゾロはボーナス ボーナスの内容を書いてくれたら参考にできます。
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 21:03:08.35 ID:N1HnN9AsO
見つけるぜ!
225 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 21:43:53.16 ID:kadq3g0v0
血痕を追ってゆくと、さらに二手に分かれていた。
一つはさらなる森の奥へ。もう一つは傍の木のウロへ。
どちらかがバレッドのもので、どちらかが昨日の追手のものだとスピカは察した。
(バレッドさんでありますように)
ゾロ目の数字に祈り、剣を構えてウロを覗いた。
「バレッドさん!」
そこにいたのはバレッドだった。
迷彩のフードをかぶり、魔道具の銃を持った男。
彼は、ウロの中で壁に背を持たれて座っていた。
「な、お前は……」
バレッドはウロを覗いてきたのがスピカだと分かると、驚愕の表情を浮かべていた。
それで初めて見えたのだが、フードの下の顔は銀髪蒼眼で整った顔の青年だった。
バレッドはウロの入り口に立ち止まったままのスピカをつかんでウロに引き入れた。
226 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 21:44:54.91 ID:kadq3g0v0
なぜこんなところに来た。いや、なぜここに来れた」
詰問するバレッドに、スピカはここに来るまでの経緯を話した。
アンカー・コンマ―の加護のこと。
バレッドに協力者になってもらおうと探したこと。
今朝の施しがなかったという話を聞いて急いで助けに来たこと。
それらを全て話し終わったとき、バレッドは苦々しそうな顔をしていた。
「……そうか、俺の未熟が原因なんだな」
「自分を責めないでください。私が昨日あんな場所にいたことだって原因なんです」
スピカとバレッド、両名とも性根が善人であり自己犠牲的な部分があるために、責任の追い合いが続いた。
俺が、私が、俺が、私が、さすがに生産性がないと思ったのか、バレッドが話題を転換した。
「この話は後にしよう。それより、まずはスラムに帰らないと」
「バレッドさん、動けますか?」
「心配するな、血は止めた。一晩休んで気力も戻った。行けるさ」
神の加護を受けたスピカと実力者のバレッド。
二人は協力し合い、無事森を抜け、スラムに帰ってきた。
227 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 21:46:10.65 ID:kadq3g0v0
スピカはひとまず拠点に帰ってきた。
バレッドも今夜はスピカの拠点に匿ってもらうことにしたようだ。
拠点に戻ると、アンカー・コンマ―のシンボルが赤熱していた。
「バレッドさんすみません。アンカー・コンマ―様に祈らないといけないので」
「あ、ああ、俺のことは気にするな」
バレッドに一言断りを入れると、スピカはシンボルの前に跪き、手を合わせ、ゾロ目の数字に祈った。
◆
スピカのステータスを更新します。
今回は《魔力》と【スキル】を追加します。
【名前】スピカ
《体力》644
《魔力》安価↓1コンマ一の位
―――――――
《膂力》114+安価↓2
《知恵》219+安価↓3
《防御》122+安価↓4
《精神》189+安価↓5
―――――――
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 21:47:16.64 ID:N1HnN9AsO
魔翌力…MP的なやつか
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 21:49:36.63 ID:tGlCD8vZO
無事に帰れて何より
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 21:56:17.08 ID:1LX4qXoDO
あ
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 22:00:08.84 ID:hCeL36z3o
せや
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 22:05:33.79 ID:pyiHYp+qO
うん
233 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 22:16:00.94 ID:kadq3g0v0
スピカに向かう力の放流。
二度目だがやはり苦しいほど熱い。
「大丈夫なのか?」
「気に、しないでください」
心配するバレッドを止め、スピカはアンカー・コンマ―の力を受け入れた。
【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》4
―――――――
《膂力》177
《知恵》227
《防御》206
《精神》168
―――――――
前回はこれで終わりだったが、今回はシンボルの赤熱が収まることはなく、さらなる力をスピカに与えた。
234 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 22:18:10.49 ID:kadq3g0v0
◆
スキルの説明
《魔力》を消費して特殊な選択肢を増やします。
《魔力》の消費はどのスキルも「1」です。
スキルの効果はステータスを参照します。
レアリティによって効果の上限が変わります。
相手が対抗してくる場合、スキルはコンマで判定します。その場合判定に使う値はステータスの元の値です。
☆1(レア度1)の場合(ステータスの半分の値を参照)
例
【パワースマッシュ】☆1
スピカの《膂力》50の半分だけ相手の《体力》を減らす。
対抗手段《防御》
相手が無防備なら判定なし、相手の《体力》を25減らす。
対抗してきたら判定あり、相手の《防御》を、自分の《膂力》に安価ででたコンマを加えた数字が越えたら成功
自動成功、自動失敗もあり得る。
その他スキルの例
【マインドバリア】
《精神》の半分を《膂力》に乗せる。(常時ではない)
【サーチ】
《知恵》の半分で周囲の敵の情報を完全に暴く
対抗手段《精神》
【ヒール】
《知恵》の半分で誰か一人の《体力》を回復する
対抗手段《防御》《精神》
【バインド】
《知恵》の半分で敵を《麻痺》にする。
対抗手段《防御》
レア度1のテンプレート
【スキル名】☆1
《ステータスのどれか》の半分
対抗手段
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 22:18:22.71 ID:tGlCD8vZO
精神だけ減ってるぅ!?
236 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 22:19:54.80 ID:kadq3g0v0
失礼しました。
【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》4
―――――――
《膂力》177
《知恵》227
《防御》206
《精神》268
―――――――
237 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/26(火) 22:26:55.45 ID:kadq3g0v0
今日はスキルを募集して終わりたいと思います。
安価↓1−5
テンプこっち使ってください
【スキル名】☆1
【効果】《》の半分で
【演出・エフェクト】任意
【対抗手段】
五つの内二つを安価で採用させていただこうと思います。
強すぎたりしたらこちらで調整するので、いろいろ出してくれると嬉しいです。
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 22:50:48.55 ID:ylxs0GMTO
【スキル名】キュアー☆1
【効果】《知恵》の半分で誰か一人の状態異常の強度を減らす。また強度を超えた分だけ《体力》も回復させる
【演出・エフェクト】治療対象の身体が淡い水色の光に包まれる
【対抗手段】 《精神》
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/26(火) 22:55:50.50 ID:pyiHYp+qO
【スキル名】エクリプス
【効果】《精神》の半分の数値分未満のダメージを受けたとき、
ダメージを無効にし、そのダメージ分だけ自分の体力を回復する
【演出・エフェクト】身体から皆既日食の際に視認できるコロナのようなオーラが浮かび上がる
【対抗手段】《精神》
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/27(水) 00:02:38.29 ID:wp6QzQMi0
【スキル名】☆1 穿撃
【効果】《膂力》の半分のダメージを追加で与える。突きに適した武器でなければ(杖や斧など)、威力は0になる。
【演出・エフェクト】顔の前に武器を掲げ、構えを取り、力を込めて強烈な突きを繰り出す。
【対抗手段】《防御》
対象の《防御》の半分だけ、ダメージを減少させる。
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/27(水) 00:20:12.37 ID:dDtZnXj+O
【スキル名】
シルバーヴェイル☆1
【効果】
敵の攻撃時、《精神》の半分を防御判定値に加える。その後の判定の攻防値で勝っていた場合、その差の半分のダメージを相手に与える
【演出・エフェクト】揺らめく銀の燐光を全身に纏わせ、襲ってきた相手に魔翌力障壁による反撃を行う
【対抗手段】
《知恵》
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/27(水) 07:32:08.52 ID:rO7aaqdiO
【アコーダンス】☆1
【効果】自分の《知恵》の半分が、対象の《知恵》の数値を上回っている場合に発動できる。
対象の《体力》《魔翌力》以外のステータスをすべて、対象の《知恵》と同じ数値にする。
効果は長続きしない。
【演出・エフェクト】対象の頭上に水の波紋のようなエフェクトが現れたのち、対象の網膜に無秩序な幾何学模様が描かれる。
【対抗手段】《精神》
243 :
◆GsFNmlQwPk
[sage]:2019/02/28(木) 00:23:11.68 ID:Imx6Gam70
すみません。今日はスキルだけ決定します。
安価↓1、2コンマ 被ったら一個下にずらします
01〜20【キュアー】
21〜40【エクリプス】
41〜60【穿撃】
61〜80【シルヴァーヴェイル】
81〜00【アコーダンス】
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/28(木) 00:34:49.05 ID:BCtFeM0H0
えい
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/28(木) 00:41:41.47 ID:q9AE9XkDO
はい
246 :
◆GsFNmlQwPk
[sage]:2019/02/28(木) 23:09:11.50 ID:Imx6Gam70
夜遅いですが少し再開です。
【キュアー】の設定を少し変更させていただきました。
◆
【キュアー】☆1
【効果】《知恵》の半分で誰か一人の体力を回復する。状態異常を回復する場合強度を超えた分だけ《体力》も回復させる。
【穿撃】☆1
【効果】《膂力》の半分のダメージを追加で与える。突きに適した武器でなければ(杖や斧など)、威力は0になる。
◆
祈りを捧げるスピカの体に、今までとは別の力が宿った。
(これが……、【スキル】……)
急な力の増加はスピカの体にひどい負担をかけた。
スピカはスキルの存在を感じ取りながら気絶するように眠った。
247 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:10:27.24 ID:Imx6Gam70
翌朝、スピカは太陽が昇る前に起きた。
(また強くなってる)
【ジョブ】が宿ってまだ三日目。だというのにスピカの体は当初とは比べ物にならないほど強大な力を手にしていた。
おもむろに転がっていた石を拾い摘まみ上げる。
別に普通だ。石を持った感覚も、硬いという感触も。
スピカが力を籠めると石は容易く粉々になった。
(力加減とか、間違えないようにしないとなぁ)
もし子供たちの手を握ったとき、うっかり力いっぱい握ってしまったら大変だ。
幸いこれまでと同じ感覚で体を動かせば、【ジョブ】を得る前と同じ力加減で体を動かせる。
今は、その先の力が発揮できることに気を付けていれば何とか普通に過ごせそうだった。
248 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:11:01.24 ID:Imx6Gam70
スピカの拠点ではバレッドが寝ていた。
呼吸が深く少し頬をつついたくらいでは身じろぎもしない。
昨日は大丈夫と言っていたが、空元気だったのだろう。
結局彼は太陽が顔を出し、配給へ向かう時間になっても起き上がらなかった。
さっそく手に入れたスキルの【キュアー】を使い、バレッドの傷を治した。
それでも彼が目を覚まさないのは、単純な気力、体力の回復が出来ていないからなのだろう。
森で怪我を負った彼は、痛みと警戒で満足に寝ていないはずだ。
今の彼に必要なのは十分な睡眠だった。
スピカは子供たちを連れて配給へ行き、今日は子供たちともゴミ捨て場に行かず拠点に帰ってきた。
249 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:13:24.45 ID:Imx6Gam70
◆
スピカは、彼が起き上がるのを待って協力者になって欲しいと改めて相談を持ち掛けてもいい。
バレッドが眠っている間に他の協力者候補の下へ向かってもいい。
安価↓1
・バレッドを仲間にする(バレッドは起き上がり仲間になります)
・ほかの仲間候補に接触する
安価↓1がバレッドを仲間にするを選んだ場合
安価↓2−3
賛成
反対(別の行動を提示する)
反対が一人でも反対意見を優先します
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/02/28(木) 23:17:40.20 ID:DApsfXhq0
ほかの仲間候補に接触する
251 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:53:44.27 ID:Imx6Gam70
「スピカちゃん、この兄さんだれ?」
「んー、有名人だよ。バレッドさん」
「バレッドって、あの義賊のバレッド!?」
「そ、ちょっと怪我してるからお休みしてるの」
「へえ、こんな顔してたんだ」
スピカの拠点に来ていた年長の子供が、バレッドの顔をまじまじと見て感心していた。
「……くっ、ここは」
すっかり寝入っていたはずのバレッドが体を起こした。
「バレッドさん、無理をしないほうがいいです」
「いや、大丈夫だ。それより水をくれないか?」
スピカから受け取った水で喉を潤すと、バレッドはスピカを見て申し訳なさそうな顔をした。
「……昨日の、協力者になるって話だが」
「はい」
252 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:54:17.09 ID:Imx6Gam70
バレッドは協力者になることを渋った。
というのも、自分はスラムの悪党に命を狙われている立場であり、協力者となればスピカや子供たちを危険にさらしてしまうかもしれない、と。
きっと自分より協力者にふさわしい人間がいるはずだから先にそちらをあたってくれ、と。
「どうしても協力者が見つからなくて、もう俺しかいないとなったら依頼所のカウンターに座る男にこれを渡してくれ。俺につながるはずだ」
そういうと、バレッドは一つの弾丸を取り出してスピカに渡した。
バレッドの扱う特殊な銃専用の弾丸だ。
バレッドはフードをかぶると外を警戒しながらスピカの拠点を去ってしまった。
(仕方がない、のかな)
253 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/02/28(木) 23:56:57.29 ID:Imx6Gam70
◆
※これ以降いつでもバレッドを仲間にできます
※「療養のために寝ているバレッドを放って仲間探し」という展開はスピカの性格に合っていないと思ったので、少し展開を変えました。
◆
スピカはどの仲間候補に接触しますか?
安価↓1
ウィリアム(仲間にするために手切れ金を工面する)
クリシゥス
アラン
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/01(金) 00:01:00.80 ID:LeoDJhcP0
次はクリシゥスで
255 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/01(金) 00:02:51.03 ID:xr3ZtthB0
次はクリシゥス編ですね。
今日はここまでにさせていただきます。短くてすみません。
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/01(金) 00:18:51.65 ID:9ddG/T/FO
おつかれ
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/02(土) 18:24:40.45 ID:fckY2jJqO
おっ、大丈夫か大丈夫か
258 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/03(日) 23:32:35.45 ID:uwpivsG+0
毎度おなじみ夜中の再開です。
>>257
心配してくれてアトザマス。昨日はお出かけしてました。
◆
今回も協力者を得られなかった。
となると仲間候補は後二人だが。
「クリシゥスさん、かな」
二人の内、スピカが選んだのはクリシゥスだった。
理由は単純に、アランが子供だからだ。
スピカは自身のことを完全に棚に上げてクリシゥスを探した。
スピカは依頼所で彼を見つけた。
相変わらず顔立ちは整っているのに威圧的な印象だ。
獲物のサーベルを整備している途中だからか余計に彼の周りの空気が張って見える。
以前依頼の件で多少親密になったとはいえ、スピカはまだ彼に声を掛けるのが少し怖かった。
◆
依頼所でクリシゥスを見つけたスピカ。
冷静だが守銭奴の彼を協力者に引き入れるには交渉が重要だ。
スピカは誠心誠意思いを伝えてもいいし、一度ビジネスライクな関係を気づいてもいい。
勿論交渉しない手もある。
自由安価↓1
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/03(日) 23:41:46.66 ID:2IQkf3g/O
誠心誠意思いを伝えたあと、あえてビジネスライクなお話へ移り交渉しようと試みる
両方が不可能なら、思いを伝える方のみで
260 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:40:57.65 ID:xR7l5TFY0
昨日は寝落ちしてすみませんでした。それと、安価は思いを伝えるのみを採用させていただきました。
◆
スピカはクリシゥスがサーベルの点検を終わらせたタイミングを見計らって声を掛けた。
「おはようございます。クリシゥスさん」
「ああ、スピカか。どうした? 割のいい話でもあるのか?」
「割のいい話、ではないと思いますけど、クリシゥスさんにお話があるんです」
「……まあ聞いてやる」
「ありがとうございます! あの、実は私、【ジョブ】が宿りまして……」
「ちょっと待て」
「はい?」
「場所を変えるぞ」
「は、はい」
261 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:41:41.44 ID:xR7l5TFY0
スピカはクリシゥスに連れられてスラムでも人気のない場所に来た。
「ここならいいだろ、続きを聞かせてもらおうか」
クリシゥスに促されたので、スピカは要件を包み隠さず話した。
魔力も纏って見せ、スピカが【ジョブ】を持っているという確かな証拠も見せた。
全てを聞き終わったとき、クリシゥスはひどい頭痛に襲われているような顔をしていた。
「お前、それはもう誰かに話したのか?」
「はい、ウィリアムさんとバレッドさんに」
「……そうか」
(あのお人よしどもなら少なくとも言いふらされることはなさそうだな)
「あの、何か言いましたか」
「いや、なんでもない。少し考えさせてくれ」
262 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:42:12.10 ID:xR7l5TFY0
クリシゥスはスピカの提案について思案する様子を見せて、頭の中では別の算段を巡らせていた。
(この話を知っているのが全員お人好しでよかった)
(出なけりゃ今頃、甘い言葉に騙されて【ジョブ】だけ取られていたな)
クリシゥスが話を整理した限り、スピカは『誰に【ジョブ】を宿らせるか決める権利』を持っている。
これは今のスラムどころか、塔の中で暮らす人間ですら持っていない、つまりスラムの住人にとっては無限の価値を持つ権利だ。
生まれつき【ジョブ】を持っている塔の中の人類近縁種はともかく、生まれてこの方【ジョブ】がないというだけで虐げられてきたスラムの住民にとっては喉から手が出るほど欲しいはず。
現在スラムで幅を利かせている集団のボスでさえ、これまでの稼ぎをなげうって【ジョブ】を買うだろう。
(適当に協力するふりをして【ジョブ】だけもらっちまうか?)
少し魔が差したクリシゥスだが、すぐに冷静になり考え直した。
263 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:42:43.04 ID:xR7l5TFY0
(いや、いくらスピカに相手を選ばせるにしても、神がそんなヘマをするはずがない)
(もしスピカが俺を選んだとしても、神に選ばれないなんて可能性は十分にありうる)
(だが、素直にスピカの協力者になったとしても、慈善事業なんて俺に耐えられるか?)
【ジョブ】を得て稼ぐ手段と言えば、なんといっても自然界へ赴き命がけの冒険をして価値のある品を持ち帰ること。
しかし、スピカに協力するとなれば、その稼ぎのいくつかは無償の奉仕に当てられることになる。
そんな未来を許容できるか。
クリシゥスは自身は葛藤した。スピカのまっすぐな目を睨むように見つめる。
(スピカをシンボルにしてビジネスができるか?)
スラムでは貧民区崩れの【ジョブ】持ちがお山のボスをやりながら金を稼いでいる組織もある。
そのうちの一つを手中に収めて、規模を拡大してゆけば結構な金が稼げる。
スピカのやろうとしていることにだってかなりの金と組織力が必要になるはずだ。
自分はお金の稼げるポジションにつき、スピカはスラムで縄張りを手に入れて生活環境の改善が見込める。
相互利益のある話だ。
クリシゥスの腹は決まった。
264 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:43:30.21 ID:xR7l5TFY0
「スピカ、協力者になってもいいんだが、一つ頼みがある」
「はい! なんでしょう!」
スピカはクリシゥスの返事が色よい咆哮に進んでいると感じて、声を弾ませた。
もうすでに二人には渋い返事をもらっている。この際条件の一つや二つ喜んで飲み込むつもりだった。
「俺が”協力者になったら”、最初は俺とこの辺のスラムを縄張りに収めて欲しい」
「縄張り、ですか? でも、そんなのどうやれば」
「この辺を縄張りにしているのは貧民区崩れの【ジョブ】もち、ハンプトって男だ。奴を、まあ、追い出す」
「それは、人と戦うってことですよね……」
「ああ。だが、これはスラムのためだ。依頼所の異常な手数料も、弱者を追いやるような区画整理も全部奴の采配だ」
「ちょっと、考えます」
265 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/04(月) 23:48:10.85 ID:xR7l5TFY0
◆
クリシゥスは仲間になってくれるようだが、その条件としてスピカは人に【ジョブ】の力を向けなければならない。今までは相手がモンスターだったが、人となれば覚悟がいる。
スピカはクリシゥスを協力者に選んでもいいし、別の仲間候補に接触してもいい。
安価↓1
・クリシゥスの提案に乗る。
・別の仲間候補を当たる。
・その他自由 (交渉の仕方を変えてみる。もっと欲しい情報がある、など)
※「クリシゥスの提案に乗る」場合、クリシゥスが仲間で決定するので、追加安価↓2,3の「賛成」が必要になります。
※追加安価が出た場合↓2、3の方はスピカがどんな行動をとるか安価↓1の選択から選んで書いてください
◆
それと本日の更新は以上です。執筆速度はやくなりたしん。
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/05(火) 00:19:15.14 ID:n+pyqI/80
スピカにとってはかなりきつい条件な気がするし
とりあえず保留してアランにも声かけよう
全員の条件把握しておきたいし
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/05(火) 00:25:02.46 ID:4zZLWTf4O
だね。やっぱり大人は欲しいところだがアランを見にいって
緩々ならアラン、程々だったらお金貯めるor毛皮でウィリアムが妥当か?
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/05(火) 00:38:58.51 ID:bj7gz7RRO
ウィリアムは確かにスピカの能力を補う為にも仲間に欲しいよね
でも条件厳しめだし無理せず遠距離攻撃できるバレッドを仲間にしてもう一人仲間増やせるようになったらウィリアムの為にお金か獣狩りするのもありかもね
269 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:34:24.09 ID:OfpG8PvX0
スピカは思い悩んだ。
いかに相手が【ジョブ】持ちと言っても、人に剣を向ける。
そんな自分を想像して、スピカは背筋が震えた。
「すみませんクリシゥスさん。この話、いったん保留にさせてくれませんか?」
「……怖気づいたか?」
「……はい。私から話を持ち掛けたのに、申し訳ありません」
「そうか」
270 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:35:04.55 ID:OfpG8PvX0
クリシゥスは内心舌打ちした。もっと慎重になるべきだったと。
彼はスピカの真性のお人よしを侮っていた。その良心の奴隷ともいえるほどの甘さを。
自分の失敗だ。これ以上粘るのは得策でないと気持ちを切り替える。
クリシゥスの目的は金であって【ジョブ】の獲得ではない。
スピカとのつながりを絶たなければ金を稼ぐ手段はある。
「俺は構わないが、スピカはどうする。ウィリアムやバレッドは頼りづらいんだろう?」
「はい、なのでアランを訪ねてみようと思います」
クリシゥスもアランという名は知っていた。ハンプトの縄張りでは最も大きな孤児グループのリーダーだ。
疑り深いアランはハンプト組織とつながりを持っていないし、同じ孤児のリーダーを務めているスピカには協力的だ。
事情があって協力を断ることはあっても、【ジョブ】の話を吹聴することはないだろう。
271 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:35:32.96 ID:OfpG8PvX0
「アランか。まあアイツは真面目だからな」
スピカは自身の優柔不断な態度にクリシゥスが気を悪くするのでは心配したが、そうで内容で安心した。
しかし、次にクリシゥスは険しい雰囲気を纏った。
「スピカ、俺から二つ警告だ」
「なんでしょう?」
「まず、【ジョブ】の話をする人間はちゃんと選べ。口が堅くて、善人、それが条件だ」
「はい」
スピカはしっかり頷いた。そうしてきたつもりだし、今協力を頼もうとしている人はクリシゥスを含めてそういう人だと信じている。
272 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:36:16.76 ID:OfpG8PvX0
「それと、スピカが理想を実現したいなら、おそらく俺の言ったようなことをしないといけない日が来る。自分ができないと思ったら俺を頼れ」
「助けてくれるんですか?」
二つ目の忠告はスピカにとってかなり厳しいものだった。
不安げに声を震わせて聞くと、クリシゥスはいたって真面目な様子で答えた。
「金と条件次第だ」
スピカは一瞬思考停止した後、「ふふっ」と笑ってしまった。
クリシゥスの頼りになるお兄さんのような言葉と、アコギな断言がスピカには特別おかしく感じられた。
「クリシゥスさんって、少し変わってますよね」
今度はクリシゥスが驚く番だった。
さっきまで緊張の面持ちで話していたちんちくりんが急に悪戯っぽい笑みを浮かべたのだ。
しかもクリシゥスにとっては報酬は払われてしかるべきもの。
当然の権利。常識。
変わっているのはスピカの方で、そのへんてこな物差しで測られて「変わっている」と言われても腑に落ちない気分だった。
273 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:36:42.35 ID:OfpG8PvX0
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした」
「ああ、気にするな」
スピカはクリシゥスと別れ、アランを訪ねることにした。
結局最後の協力者候補までめぐることになってしまったが、仕方のないと。
元より簡単に協力者を得られるとは思っていないし、その程度で諦める気持ちはない。
アランは彼の拠点に行けばすぐに見つかった。
彼の拠点はかつて使われていたであろう乗り物の残骸だ。
四角い箱がいくつも連結した乗り物が横転したり地面に埋まったりしている。
そんな場所を根城にしている。
274 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:37:16.35 ID:OfpG8PvX0
「アラン君、少し相談があるんだけど、いいかな?」
「スピカ。なんだ?」
スピカはクリシゥスの警告もあったので、アランを乗り物の影に連れ込んで小声で事情を話した。
さすがに前に三人同じことを話しているので、かなり要領よく伝えられたはずだ。
だが、アランは苦々しい顔をした。
「提案には乗りたいところだけど、難しいな」
「ど、どうして?」
スピカは最後の一人にも快い返事をもらえず、少なからず動揺した。
「実は、最近新しいメンバーを迎え入れたんだが、そいつら病気で弱ってるんだ。今、俺がグループを離れるわけにはいかない」
275 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:37:42.44 ID:OfpG8PvX0
なんでも、アランの新メンバーは孤児の中でも相当低い立場にいたようで、スラムの境界線を少し越えた場所での生活を余儀なくされていたという。
そのせいで汚染魔力を浴びてしまい、俗にいう「人外病」にかかってしまったという。
人外病とは汚染魔力の影響で体をあらゆる不調が襲う病だ。
末期には感染者の見た目が奇形化することや、【ジョブ】を持たない人類近縁種がかかりやすいため、人外病などと言われている。
「浄化薬が買えたらすぐに治るけど、んな金はねえからな。いいもの食わせて少しづつ汚染魔力を吐き出させないといけない」
だから、スピカの協力はできない。
アランはきっぱりい切った。
スピカはアランが仲間思いだということを知っていたし、そうでなくても目を見たら決意が固いことなんて一目瞭然だ。
「その、浄化薬はいくらするの?」
「100マナ。でも、素材を持ち寄ればもっと安くなったはず」
「そう、なんだ……」
276 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/06(水) 00:47:34.81 ID:OfpG8PvX0
◆
アランを協力者に引き入れるためには浄化薬を買って汚染魔力に侵された子供たちを治してあげないといけない。
スピカは薬のために尽力してもいいし、別の協力者候補を当たってもいい。
自由安価↓1
◆
見返して気づいたのですが
>>259
がゾロ目だったので、ボーナス入れようと思います。
ゾロ目ボーナスをどう使いたいか。
確定仲間、【スキル】習得、ステータス更新安価など
自分が書けそうなものを採用させてもらおうと思います。
安価↓2、3、4
3/5分の更新は以上です。おやさい。
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/06(水) 00:59:33.17 ID:3z6HK7ZPO
仲間集めを一度保留
依頼所に行き、100マナを貯める(ウィリアムorアラン)に向いた依頼をいくつか目星をつける
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/06(水) 01:07:09.54 ID:adpStbx+O
確定仲間ってウィリアムでもできる?
問題の手切れ金に関しては、誤ってゴミ捨て場に落ちたらしい金貨の入った袋を運良く偶然拾えたとか
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/06(水) 01:08:39.31 ID:qBNgzcFT0
乙です
現状だとバレッドしか仲間に出来ないしね一旦保留が妥当かな
出来るだけ早く仲間が欲しいからはぐれメタル的なレアなボーナスモンスターが一体はぐれて境界線の近くに紛れ込んでるとかどうかな?
あと質問もしも100マナ貯めるの厳しそうなら仮にバレッド仲間にするとするじゃん?
そのあとも仲間が増やせる感じ?
仮に増やせたら最大パーティー人数は何人まで?
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/06(水) 14:38:35.41 ID:8mPlQo+C0
ゾロボーナスが仲間確定に使えるならウィリアムの引き込みかな
ウィリアム入れば大人の戦力でクエストこなし易い→マナが溜まりやすい、装備や環境整えやすいで他の候補の条件や孤児の面倒とか色々楽になるだろうし
281 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/08(金) 00:46:04.33 ID:B/0qCgUg0
◆
>>278
,
>>279
確定仲間でウィリアムもありです。
それと今回は四人の中で選んでいますが、次回は新しく安価しようか今の四人の誰かにしようかは未定です。
282 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/08(金) 00:46:45.60 ID:B/0qCgUg0
「力になれなくてわるいな」
「ううん、仕方ないもんね」
スピカはアランと別れると、その足で依頼所へ向かった。
アランの浄化薬やウィリアムの手切れ金100マナを稼げるような依頼がないか目星をつけるためだ。
(神様からたくさん力を頂いたんだから、きっと難しい依頼だってこなせるはず)
ほどなくして依頼所にいた。
中に入ると、この前とは様子が違った。
昨日ゴミ拾いをしている最中に遠目に見た貧民区の三人がいたからだ。
「なあ、いいだろ? この依頼受けさせてよ」
「昨日はちゃんと私たちだけでウルが倒せたわ」
「二人がかりで一匹倒しただけだ」
彼らは周囲の迷惑そうな顔に全く気にした様子も見せずに、依頼所の中で言い争っていた。
283 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/08(金) 00:47:21.81 ID:B/0qCgUg0
「おい、喧嘩なら外でやれ」
受付の男の言葉を皮切りに、依頼所内の【ジョブ】なし探索者たちが貧民区の三人を囲み始めた。
「んだよ、やんのか?」
「『人外』のくせに、生意気」
「やめろお前ら」
多人数に囲まれていきり立った男女二人を、付き添いの大人が押しとどめる。
「騒がせて悪かったな。すぐに出てゆく」
そういうと付き添いは問答無用でエレタマとウルの討伐依頼を受けて、入り口に立つスピカの横を通り過ぎて行った。
「どけよ」
「わっ……」
後に続いて男女二人もわざわざスピカを押しのけて出て行った。
284 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/08(金) 00:52:23.65 ID:B/0qCgUg0
嵐が去り弛緩した空気の依頼所の中。
お互い災難だったな、とねぎらい合う雰囲気が漂う中にスピカもいた。
被害者同士という共通意識だろうか。
変な受け入れられ方をしたスピカは、以前よりも落ち着いて依頼を見ることができた。
(100マナ稼げそうな依頼は、二つかな……)
【シュギョクの討伐】
(難易度3)70マナ
【ヤマヌの毛皮調達】
(難易度3)70マナ
◆
スピカはどちらかの依頼を受けてもいいし、両方でもいい。
今日は依頼を見るだけで他にやりたいことを優先してもいい。
自由安価↓1
◆
更新以上です。おやさい。
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/08(金) 07:05:13.06 ID:/Vku6x2H0
ヤマヌの毛皮調達
286 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 21:16:11.25 ID:abcjZhl50
お久です。再開します。
◆
スピカが依頼を受けようか否か迷っていると、唐突に心臓が大きく脈打った。
ウル・シと戦ったときに感じた全身の血が沸騰するような感覚。
圧倒的な全能感。
以前は突然のことで驚き拒んでしまったが、今度はその感覚を受け入れた。
今、客観的にスピカを見ている者がいたら、その碧の瞳が深紅に染まっていると気付けるだろう。
赤くなった視界の中で、スピカは依頼を眺めていた。
いや、俯瞰していた。
(この依頼を受ければいい……)
それは直感的であったが、同時に確信もしていた。
自分はこの選択を選べばいい。
そうしたら運命はすべて自分に都合よく転がる、と。
287 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 21:17:08.49 ID:abcjZhl50
あの不思議な感覚はどれだけ受け入れても永続できるものではないようで、視界は元に戻り、世界を俯瞰するような全能感も冷めてしまった。
「ふぅ……」
癖になりそうな感覚が過ぎ去り、スピカは一抹の寂しさを覚えながらも落ち着いた。
スピカは【ヤマヌの毛皮調達】という依頼を受けることにした。
理屈ではない。
これでいいのだ。
スピカは依頼の書かれた板の下に自身の名前を炭で記入した。
ちらりと受付の男の様子を伺ったが、彼はスピカに思いとどまらせようとするわけでもなく、嘲笑するでもない。
スピカどこかほっとしながら依頼所を出た。
◆
不思議な確信をもって依頼を受けたスピカは、このまま依頼遂行のために森へ赴いてもいいし、他にやりたいことがあるならそれを優先してもいい。
自由安価↓1,2
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 21:24:34.46 ID:8jxUpBa2O
ゴミ捨て場に装備品や道具がないか確認してから向かう
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 21:38:19.93 ID:gYNHV8iu0
ヤマヌと周囲の危険なことについて情報収集しておくとか(時間があるなら)
290 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 22:08:59.33 ID:abcjZhl50
スピカはゴミ捨て場に向かうことにした。
あわよくば装備や有用な道具が落ちていないか期待して。
すでに昼下がりとあり、ゴミ捨て場にいる人影はまばらだった。
仕事のある者はそちらへ行き、そうでない者は朝と夜の配給だけで生きられるように活動を自粛している時間なのだ。
(そういえば、今日はご飯食べられなかったな)
朝の配給に行かなかったためいつもよりお腹がすいていたが、スラムで食事が出来ないなんて珍しいことでもなかった。
スピカは慣れた動きでゴミをあさった。
291 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 22:09:29.20 ID:abcjZhl50
◆
自由安価↓1,2 何を見つけられたか。武器、防具、アイテム、日用品、なんでも
・テンプレ
【名前】
【効果】
【フレーバーテキスト】任意
・コンマ判定
01〜50 使い物にならない
51〜90 粗悪品(レア度1)
91〜00 普通(レア度2)
レア度での能力値の調整はこちらで行うので、
【効果】《精神》を上げる
【効果】《体力》を回復する
みたいな書き方でお願いします。
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 22:21:04.06 ID:8jxUpBa2O
【名前】未開封の携帯食
【効果】体力を回復させる
古の文明の産物。不思議な包装により中身の食糧が傷むことがない
もそもそとしているが、栄養は豊富。疲れ傷ついた身体も元気になることだろう
塔の住民はさらに味を選ぶらしいが、これは何味なのだろうか?
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 22:36:04.26 ID:tCiOQctuO
【名前】黒蝶貝の念珠
【効果】《精神》《知恵》を上げる
108個の小さな黒蝶貝で出来た珠に、糸を通し輪にした法具
本来ならば、珠の一つ一つが濡羽色の煌きを放ち、見惚れるような艷やかさを持つ
状態が良ければそれなりの値段で売れそう
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 22:38:19.33 ID:tCiOQctuO
あちゃあ…どっちも駄目みたいですね
295 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 23:34:27.59 ID:abcjZhl50
ゴミ捨て場でスピカがこれだと思って拾ったものは2つ。
一つは見たこともない銀の梱包をされた携帯食料だった。
おそらく魔導文明期の道具なのだろう。
そう思い拾い上げて開封してみると、中身は一目でダメになっていると察せられる状態だった。
きっと製造段階で欠陥のあった商品なのだろう。
2つ目は射干玉の珠が連なった一種の装飾品だった。
拾い上げたところ、糸が切れていたらしく、黒い珠は泥で作った団子のように崩れてしまった。
前の持ち主が酷使し、形状を保てなくなっていたのだろう。
「使えるなら捨てるわけないよね、こんないい品物」
スピカは一種の納得を経て今日のごみ漁りを断念した。
296 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 23:35:13.41 ID:abcjZhl50
次に、スピカはヤマヌに関しての情報を集めることにした。
スピカはヤマヌに関してまるで無知だ。
ヤマヌを知らなければ倒すことも叶わない。
そういった情報を教えてくれる人と言えばまず最初にクリシゥスが頭に浮かんだ。
しかし、彼がただで情報を提供してくれるとは思えなかった。
たった数回の交流しかないが、その部分に間違いはないだろう。
となると、身近で自然界に詳しそうな人物と言えば一人しか思いつかなかった。
「ウィリアムさん。少しお聞きしたいことがあるんですけど、いま大丈夫ですか?」
「構わない」
297 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 23:36:40.95 ID:abcjZhl50
今日も自然界との境界を警邏していたウィリアムに付き添い、話を持ち掛けてみる。
「ヤマヌって、知っています?」
そう聞くと、ウィリアムは黙ってしまった。
口をもごもごと動かし、言葉を選んでいる様子だった。
その態度はヤマヌについて知っていると言っているようなものだった。
「教えてください」
スピカは強く迫った。
その際、スピカの瞳が一瞬深紅に輝き、ウィリアムはそれを見てしまった。
「知っている。この前俺のボスが欲しがっているという毛皮の話があったろう。それはヤマヌの毛皮のことだ」
「もっと詳しく」
「ヤマヌは森の深層にいる。ウルよりも大きく美しい黒の毛並みの持った二首の獣だ。森の深層にはシュギョクも出るという。気を付けたほうがいいだろう」
298 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 23:37:11.66 ID:abcjZhl50
「ありがとうございます」
「……っは!? お、れは何か、言ったか」
「? 懇切丁寧に教えてくれたじゃないですか」
「なんてことだ。変に頭がぼーっとして……。いいかスピカ、間違ってもヤマヌと戦おうとするんじゃない。たとえ【ジョブ】を持っていたとしてもだ」
どこか様子のおかしいいウィリアムに促され、スピカはスラムの中に帰されてしまった。
どっちにしても今日は時間がない。
今から森に向かったとしてもすぐに火が落ちてしまうだろう。
明日、森の深層に向かことに決めて拠点に帰った。
299 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/10(日) 23:37:55.38 ID:abcjZhl50
次の日。
ちゃんと配給も貰い、子供たちの面倒を見ながらのごみ漁りも済ませたスピカは、剣とナイフを携え、外套を羽織り、指にアクセサリを付けて出発の準備を整えた。
「スピカちゃんまたお出かけかー?」
「うん。夕方には帰ってくるからいい子にしてるんだよ」
「わかってるよー」
腰にくっついてくる子供の頭を撫でてスピカは森へ向かった。
◆
スピカの森でのイベント 自由安価↓1
累計コンマ100で深層到達
コンマ30以下は問答無用で戦闘
ゾロはボーナス
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/10(日) 23:48:40.58 ID:sy0zvy+NO
森を散策している変わり者の人と出会った
301 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 00:25:24.59 ID:GBYWrvKW0
スピカが森を駆けていると、前方に気配を感じた。
《ウル》の探るような気配とも、《エレタマ》の無機質な敵意とも違う。
距離を置いて速度を落とし、気配の正体を探りながら近づく。
「人……?」
森の中で、男がふらふらと無防備に突っ立っていた。
周囲を警戒している様子もなく、何かを探している様子もない。
装備を身に着けているわけでもない。
子供のスピカが言うのもなんだが、森に似つかわしくない人物だ。
スピカが近寄って声を掛けてみた。
「何をしているんですか?」
「ん? 僕は森を散策しているんだ。この美しい世界、スラムの退廃的な景色と比べたらまるで楽園だ」
男はうっとりと目を細め、熱のこもった吐息を漏らし、近くに実っていた木の実を愛おしそうにつまんだ。
その木の実は表面に強酸性の毒をもっているようで、男の手は焼けただれているのだが、彼が気にした様子はない。
(この人、人外病なんだ……)
おそらくスラムに居場所がなく、自然界に追いやられた結果汚染魔力に当てられたのだろう。
◆
スピカはこの狂った男を助ける手段を持ち合わせている。
《魔力》を1消費して、【キュアー】を唱えてやればいいのだ。
スピカはこの男を助けてもいいし、無視して奥に進んでもいい。
安価↓1
302 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 00:30:02.11 ID:GBYWrvKW0
◆
今日はもう遅いのでおやすみなさい。お付き合いどもでした。
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 00:30:14.82 ID:uZ8VMxpEO
あえて見捨てる
難易度高い依頼で他人に構ってられる程の余裕はまだないし、こういった決断を今のうちから覚悟させる意味もこめて
304 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 08:41:07.20 ID:z8Nn+5pGO
ここでの選択が後々に響いてきそうだな
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 20:57:49.34 ID:cfEJ+vjg0
癒したところで、居場所になってあげられるような財政じゃ無いしね……
306 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 21:48:01.99 ID:GBYWrvKW0
スピカは男に【キュアー】をかけて正気に戻すことを思いついた。
スキルを使ったことがないので確証はないが、神から授かったなのだから試す価値はある。
手をかざした。
魔力を込め、水色の光が手のひらに集まる。
ふと、指にはめた指輪がぬらりと光った。
——俺のことは見捨てたのに
「……っ!」
誰かにそう言われた気がした。
手のひらに集めた癒しの光が消える。
(……この先どんな危険が待っているかわからないし、この人だって、狂っていたほうが幸せかもしれない)
スピカは力なく手を下げた。
307 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 21:50:04.46 ID:GBYWrvKW0
今、この男の人を助けられないのは自身の力不足が原因だ。
なぜなら、スピカがヤマヌを楽々倒せて、何度もスキルを唱えられて、スラムにこの男の居場所を作ってあげられる力があれば、保身を考えずにすべて解決できるからだ。
スピカに無限の力があれば助けられた。
ばかばかしい、荒唐無稽、そう笑うかもしれないが、スピカはそうありたいと思っているし、だからこそ力を求めている。
だから今は助けない。
自然界で優しさは甘さと同義。
スピカは森の奥へ向けて駆けだした。
(でも、本当にこれでいいのかな)
スピカの胸の中にはしこりが残った。
◆
スピカの森でのイベント 自由安価↓1
累計コンマ100で深層到達(現在58)
コンマ30以下は問答無用で戦闘
ゾロはボーナス
308 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 21:53:30.11 ID:16g/pnn20
スピカのそっくりの幻が現れる
309 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 21:54:51.95 ID:2Ds5Hk+DO
何故か男がスピカについていく
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:13:30.76 ID:z8Nn+5pGO
ナイスゾロ目
311 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 22:16:45.82 ID:GBYWrvKW0
森の深層を目指して走っていたスピカだが、視界の端にあるものを捉え、急旋回しそちらへ向かった。
(きっと見間違いのはず……)
自分が見たものを信じられず、内心で呟く。
スピカがたどり着いたのは森の開けた場所だった。
何かの祠が中央に据えられており、穢れを知らぬ白い花が一面を埋めている。
毎度思うことだが、その危険度とは裏腹に、森の中には美しい場所が多い。
純白の花園の中、祠の前に人影は立っていた。
「う、そ」
スピカは思わず口元を抑えた。
なぜなら、その人影はスピカそっくりの見た目をしていたからだ。
埃に汚れた白銀の髪、翠玉を思わせる瞳、華奢な体。
まさに瓜二つ。
だがどこか現実味がなく、今のスピカとも少し違うような気がした。
これも自然界の悪戯だろうか。
もう一人のスピカは、スピカに微笑みかけて来た。
◆
ゾロ目なのでボーナスです。
安価↓
【1】ステータス成長安価
【2】スキル獲得
【3】レア度3装備・アイテム獲得
【4】その他
得票2で決めます。【4】に投票する場合はどんなボーナスがいいかも書いてください。
312 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:25:12.45 ID:z8Nn+5pGO
2
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:26:01.82 ID:/XOWX774O
1
314 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:32:06.37 ID:FFZ8V5AM0
2
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 22:32:15.30 ID:ICffp3ox0
1
316 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 22:44:01.58 ID:GBYWrvKW0
スキル安価↓1
スキルのルール
>>234
テンプレ
【スキル名】
【レア度】コンマ 01〜50で☆1、51〜00で☆2
【効果】《ステータスのどれか》で判定。なにをどうする?
【演出・エフェクト】任意
【対抗手段】 ステータスのどれか。対抗表に沿わなくてもいい。
強すぎたり弱すぎたりした場合はこちらで調整させていただくかもです。
317 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/11(月) 23:28:10.75 ID:h7vX78jkO
前のシルバーヴェイルでもOK?
駄目なら安価した
318 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/11(月) 23:59:04.22 ID:GBYWrvKW0
シルバーヴェイルありです。コンマ75なので☆2の強さには変更させてもらいます。
今日はここまで。お付き合いアトザマス。
◆
今後スキルや装備の獲得はある程度ランダムにしようと思うので、常時募集をかけたいと思います。
一人何個書いてくれても構いません。
寧ろ多いならそれだけ嬉しいまである。
スキルテンプレ
【スキル名】
【レア度】都度コンマ判定
【効果】
【演出・エフェクト】任意
【対抗手段】
アイテムテンプレ
【名前】
【レア度】都度コンマ判定
【分類】武器、防具、道具など
【効果】
【フレーバーテキスト】
効果の調整はコンマで判定したレア度に合わせてこちらで調整するので、どんな効果でもとりあえず書いてみてください。
319 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 00:01:47.46 ID:isugsJWHO
おつ
安価が来るのを待ってたらきりが無いもんな…
320 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 00:11:54.15 ID:isugsJWHO
【ハイトルク】(スキル)
【効果】《知恵》を参照。任意の相手の《膂力》《防御》にそれぞれ《知恵》の半分を上乗せする
【演出・エフェクト】効果適用中、揺らめく赤いオーラを纏うようになり、若干好戦的になる
【対抗手段】《精神》
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 00:52:33.12 ID:VsQLKu1oO
【名前】馴染む大枝
【レア度】
【分類】武器(杖)
【効果】 知恵を増加
【フレーバーテキスト】
樹海の巨木から折れた枝らしい。ただの枝の筈なのだが、自然界の産物故に魔翌力を宿している
捻り曲がったフォルムはそのまま杖に見えてしまうほどであり、硬さも申し分ない
このままでもいいが、宝玉などをつければさらに立派なものになるだろう
【名前】硬い葉っぱ
【レア度】
【分類】防具
【効果】 防御と精神を増加
【フレーバーテキスト】
その名の通り葉っぱとは思えない強度を誇る、大樹の葉っぱ
魔翌力により本体から離れてなお翠緑色を保っており、飾って眺めてるだけでもなんとなく落ち着く
しかし折角鉄板並の硬さなのだ。思い切って盾にしてしまおう
【名前】まんまるイチゴ
【レア度】
【分類】道具
【効果】 体力と魔翌力を回復
【フレーバーテキスト】
自然界には危険な植物が多いが、その逆も然り。これは後者、自然界が人類にもたらした恩恵
一口頬張れば、芳醇な香りが口一杯に広がりその日の疲れを吹き飛ばしてくれるだろう
さらに高値で取引もされるなどいいことだらけだが、大きすぎて大量には持ち歩けないのが難点
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/03/12(火) 09:44:15.73 ID:mDbefgpT0
【名前】身軽なバックパック
【レア度】
【分類】道具
【効果】所持品の重量軽減
【フレーバーテキスト】しっかり口を締めると、中に入れた物品の重量が大幅に軽くなるリュック。
物品が多く入るわけではないし、口を締めなければいけないためあまり長い武器なども入れられないが、活動は確実に楽になる。
遠出するなら必ず持つべき飲用水が軽くなる、という実感しやすい利便性もあり、最初に買った魔法のアイテムはこれという者も多い。
【名前】よくばりバックパック
【レア度】
【分類】道具
【効果】所持限界増加
【フレーバーテキスト】見た目以上に、いや、異常にものが入るリュック。
破れると中の物品が全部その場に溢れ出るだけだが、燃やされたり凍らされたりすると中の物品すべてがその影響を受けるリスクもある。
腕の未熟な魔術師・錬金術師が作ると、重さはそのまま感じてしまう事があるが……そんな安物は、身軽なバックパックと重ねよう。
【名前】一年たいまつ
【レア度】
【分類】道具(武器として使えなくもないが……)
【効果】火を持ち歩ける
【フレーバーテキスト】先端が鋼でできた50cmくらいのワンド。握りしめて長ったらしい呪文を唱えると最大6時間ほど火が灯せる。
呪文を唱えて灯した者が「消えよ」と唱えなければ、風雨の中でも、地面に落としたりしても燃え続けてくれる。
普通のたいまつを消すように先端部分を完全に地面に押し付けたり水中に入れたりすれば、さすがに消えるが。
なお合計持続時間は約2000時間であり、毎晩6時間使うと1年はもたない計算になるが些細なことだろう。
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/12(火) 14:47:59.35 ID:S6ZvgjHa0
【スキル名】 必然の加護
【レア度】都度コンマ判定
【効果】 パッシブ。致死ダメージを負った時、知恵を参照に体力を回復させ復帰する
このスキルは一度発動すると消滅するが、再取得は可能
【演出・エフェクト】倒れた者を淡い光が包み込む
【対抗手段】 特に無し
【名前】探索者の皮靴
【レア度】都度コンマ判定
【分類】脚防具
【効果】 防御上昇
【フレーバーテキスト】
森に挑む探索者が好む軽くて丈夫な靴
探索は己の脚こそ肝要であり、他の防具よりこちらを優先する者は多い
しかしこれを履き、一人前の探索者になったのだと油断することなかれ
324 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/13(水) 22:37:10.74 ID:/xot2vb80
森で出会ったもう一人のスピカ。
その微笑みに引かれるように近づいていくと分かったことがある。
(私よりも大人だ)
今のスピカよりも少しだけ大人。
これから先、スピカが生きてゆけばいつかたどり着くであろう成長した姿。
そんな彼女は、白銀の粒子となり、スピカの中に入ってきた。
◆
スキル獲得
【スキル名】シルバーヴェイル
【レア度】☆2
【効果】
敵の攻撃時、《精神》の3/4を防御判定値に加える。その後の判定の攻防値で勝っていた場合、その差のダメージを相手に与える
【演出・エフェクト】揺らめく銀の燐光を全身に纏わせ、襲ってきた相手に魔翌力障壁による反撃を行う
【対抗手段】
《知恵》
◆
もう一人のスピカを取り込むと、後に残ったのは花園と祠のみ。
その古ぼけた祠には「00」の上に「99」を乗せた、スピカにとっては最も神聖なシンボルが描かれていた。
祠は役目を終えたかのように崩れ落ちた。
スピカは黙ってゾロ目の数字に祈った。
◆
スピカは森の深層に向かって駆けだした。
イベント 自由安価↓1
累計コンマ100で深層到達(現在69)
コンマ30以下は問答無用で戦闘
ゾロはボーナス
325 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/13(水) 22:57:23.60 ID:z4PDXNATO
誰かがウルと交戦していた
326 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/13(水) 23:11:43.33 ID:/xot2vb80
森を進み、かなり深層に近づいた。
木漏れ日は閉ざされ、地面の湿り気も多くなり、所々に苔やキノコが目立つようになる。
スピカが駆けていると、不自然な音が聞こえて来た。
耳を澄ますと、どうやら誰かがモンスターと戦っているようだ。
こっそり音のするほうに向かうと、依頼所で見かけた貧民区の探索者三人がいた。
大量のウルに囲まれて、それを迎撃しているようだ。
しかし、状況は一目で見て芳しくないと分かる。
子供二人が血を流して倒れており、付き添いの男性一人が何とか拮抗に持ち込んでいる様子だ。
◆
危機に陥った貧民区の探索者を見つけたスピカ。
スピカは気づかれないうちにこの場を離れてもいいし、助太刀してもいい。
助太刀する場合はウル三匹を受け持つことになるだろう。
自由安価↓1
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/13(水) 23:19:18.85 ID:z8qICLCyO
無視
依頼は自己責任
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/13(水) 23:21:12.38 ID:z4PDXNATO
…スピカがどんどん淡白になっていく…
329 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/13(水) 23:26:25.98 ID:WVL+yySA0
>>327
お前いい加減しろよ
外道安価は外道主人公の時にやれ
330 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/13(水) 23:40:03.07 ID:/xot2vb80
依頼は自己責任。
依頼所唯一のルールであるそれは、スピカが良心の呵責を振り切るのに大変都合の良い言葉だった。
スピカは危機に陥っている彼らを無視して深層へ向かった。
まだ自然界で活動するようになって三日。
しかし、最近冷徹に思える判断をしても心の痛みはあまり感じなくなっていた。
始めて男を見捨てた時は涙さえ出たというのに。
これが「強く」なった証なのか、スピカには分からなかった。
◆
貧民区の探索者生存安価↓1
彼らの命運を決めるだけなので描写はありません
ゾロ目 全員生還
01〜90 二人生還
91〜00 付き添いの男性のみ生還
◆
(累計コンマ100到達 深層へ)
331 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/13(水) 23:42:21.65 ID:nnU3kTCH0
はい
332 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/14(木) 00:02:38.80 ID:9K5StL4g0
ちょっと次の場面に行く前に意見ください。
安価の自由度を高くしたかったのでどんな選択肢もとれるようにしてたんですけど、スピカの善性が削れそうな場面はこちらで誘導したほうがいいですか……?
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/14(木) 00:04:29.84 ID:8b/d1btDO
個人的には誘導してほしいかな
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/14(木) 00:09:23.64 ID:4LBYqlOQ0
最初の
>>7
の設定と露骨に矛盾するような行動はちょっとね…
名前や性別だけの簡素な設定しか決めてなかったら自由安価でキャラ付けしていくのは良いと思うけど
335 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/14(木) 00:19:27.07 ID:9K5StL4g0
ではスピカは
>>7
の設定が矛盾しないように書いていこうと思います。
今まで現実主義者的な安価をしてくれた方の選択を無駄にするみたいで申し訳ないです。
あと、今後、スピカの性格をもとの博愛主義者にするために多少強引な展開があるかもしれませんが、温かい目で見守ってくれると嬉しいです
336 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/14(木) 00:20:47.69 ID:biKvGhfNo
誘導するか、もしくはコンマでその選択を取れるか判定するとか
337 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/14(木) 00:20:52.55 ID:9K5StL4g0
続きです。
◆
スピカが森を奥へ奥へ向かっていると、ある場所で森の様子がガラッと変わる場所にたどり着いた。
スピカの眼前には、今まで通ってきた森とは一線を画す巨木の森があった。
樹木の幹はスピカが百人手をつないでも囲めるかというほど、それが伝承にある竜のように捻じれ、のたうつように繁茂している。
まるで緑の津波がすぐそこまで迫ってきているようだった。
おそらく、巨木の森は、塔の防衛装置の減衰が一段階かわる境界線なのだろう。
スラムと自然界の境界戦のように、巨木の森は今以上に魔力汚染の強い土地なのだ。
スピカは今一度覚悟を決め、巨木の森に踏み込んだ。
◆
スピカ《精神》268>汚染魔力《強度》100
自動成功
338 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/14(木) 00:22:05.31 ID:9K5StL4g0
スピカは巨木の森を進んだ。
縦横無尽、まっすぐという概念を忘れてしまったかのような、歪んだ巨木の幹を歩く。
初めて踏み込む領域なのでいつも以上に警戒していた所為か、スピカは全くモンスターに出会わなかった。
少し進んだ頃に、異音を聞きつけた。
音の聞こえたほうへ向かうと、一匹のモンスターと魔法生物がいた。
モンスターは、夜のような美しい毛皮を持つ二首の獣。
おそらく依頼対象のヤマヌだろう。
魔法生物は巨木を編んで宙に浮かべたような球体。
こちらはエレタマを思わせる。
もしやもう一つの依頼にあった「シュギョク」だろうか?
どうやら二体は戦っていたようで、ヤマヌはすでにこと切れ地に伏しており、球体も深手を負っているのか宙を愛く姿が覚束ない。
球体はふらつきながらもどこかへ行こうとしていた。
339 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/14(木) 00:24:08.40 ID:9K5StL4g0
◆
巨木の森でモンスター同士の戦闘を目の当たりにしたスピカ。
このまま様子を見ていれば、労せずヤマヌの毛皮を手に入れられるだろう。
スピカに野心があるなら、勿論そうしない手もある。
(ゾロボーナス、ウィリアム確定仲間によりヤマヌとの戦闘がなくなりました)
自由安価↓1
◆
今日はこの安価だけ出して寝させてもらいます。おやすみなさい。
340 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/14(木) 00:39:59.83 ID:c8oSJlem0
様子を見る
341 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/20(水) 11:00:50.62 ID:Xdp5UDdgO
保守
342 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:14:50.92 ID:I08fQp8X0
保守ありがとうございます。
軌道修正は早めのがいいと思って少し強引な展開に持っていかせてもらいました。
今回ばかりは目をつぶってください。
◆
スピカがしばらく様子を伺っていると、シュギョクと思われる魔法生物は姿をくらませ、後にはヤマヌの死体だけが残された。
(なんだかすごく運がいいな)
ゾロ目の数字に感謝しつつ、スピカはヤマヌに近づいた。
ヤマヌは横ばいに倒れていても、スピカの背丈ほどの大きさがある。
ちゃんと四足で立っていたら、いったいどれほどの大きさだろう。
想像して思わず鳥肌が立った。
ともあれ、慣れないながらも解体を行い、ヤマヌの毛皮は手に入った。
背嚢に入れられるだけ入れる。
スピカは急ぎ依頼所へ戻ることにした。
帰り際、貧民区の人たちがお空れていた場所を通ってみた。
そこには、人間一人分の食い散らかされた肉片だけが残っていた。
343 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:16:08.06 ID:I08fQp8X0
依頼所に戻ると、何やら騒がしい様子だった。
「なんでリリを助けなかったんだ!」
「あの状況じゃお前を連れ帰るので精いっぱいだったんだ。それとも、お前がいまから助けに行くか?」
「頼むよ、これからは言うことちゃんと聞くから! リリだけは助けてくれよ!」
「……もうリリは死んだ。諦めろ」
貧民区の探索者たちだった。
男の子が付き添いの男性の腰に縋り付いたまま泣きじゃくっている。
周囲のスラム出身探索者たちは迷惑そうな顔でそれを見ていた。
344 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:16:42.52 ID:I08fQp8X0
スピカはその言い争いを聞いていると頭が痛くなってきた。
まるで自分が責められているみたいだ。
スピカは逃げるようにして受付の男にヤマヌの毛皮を納品した。
「まさか本当にヤマヌの毛皮を持ってくるなんてな……」
男の呟きはそんなに大きくはなかったが、依頼所にいた人間が耳に挟むには十分な声量だった。
人が集まってくる。
「マジでヤマヌの皮じゃねえか」
「どうやったの? まさか倒したわけじゃないわよね?」
「あ、あの。たまたま死んでいるのを見つけて……」
「ちょっと、それどこ!? まだ残ってるわよね!」
スピカは沢山の大人に質問攻めされた。
345 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:18:02.67 ID:I08fQp8X0
依頼所からは何とか逃げ出せた。
ヘトヘトになったスピカは、痛みの治まらない頭を抱えながら拠点へ帰ってきた。
床に寝転がり目をつむる。
精神的にも肉体的にも疲れているはずなのに、眠気は全くやってこなかった。
本当にこれでよかったのか。
自然界で活動できれば何か変わると思っていた。
確かに変わったと思う。
でも、それは本当に望んだ方向への変化だっただろうか。
「スピカお姉ちゃん?」
「なに?」
いつの間にか、スピカの拠点の入り口に、小さな女の子が立っていた。
毎朝スピカのお腹にまたがって起こしてくる子だ。
346 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:19:04.72 ID:I08fQp8X0
その子はやっぱりスピカのお腹にまたがると、じっとスピカの顔を覗き込んできた。
「スピカちゃん具合悪い?」
「そうかも」
「じゃあね、これあげる!」
そういってにこにこしながら女の子が取り出したのは、配給で配られているパンだった。
決しておいしいものではなく、しかしスラムの住民にとっては重要な食糧だ。
朝と夜に配られ、どんな事情があろうとも一人一つの原則が破られることはない。
つまり、このパンは女の子の分だ。
「これはあなたの。ちゃんと食べなきゃ」
「スピカちゃんだって食べてないくせにー」
そういうと、女の子はスピカの口にパンを突っ込んできた。
「んもっ」
「いつもスピカちゃんがご飯くれるから、今度は私があげるね」
そういう女の子の笑顔は自分のご飯に対する未練なんてものはなかった。
ただ、スピカに喜んでほしいと言う純然たる善意のみだ。
347 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:19:32.00 ID:I08fQp8X0
とても眩しく見えた。
別にご馳走をくれたわけでも、大金をくれたわけでも、アンカー・コンマーのように絶大な力をくれたわけではない。
なのに、とても心が暖かくなった。
救われたような気がした。
女の子のお腹が小さくなった。
「えへへ」
女の子は照れ笑いでごまかしていた。
(忘れてた……。私は、"こっち"になりたかったんだ)
気が付けばスピカは涙を流していた。
パンをくわえたままの間抜け極まりない姿だったが、恥も外聞もなく泣きじゃくった。
348 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:20:24.02 ID:I08fQp8X0
落ち着いたころに、女の子とパンを半分越して食べた。
スピカの膝の上でもちゃもちゃパンを頬張る女の子の頭を撫でると、不思議と慈しみがわいた。
(この子に教えられちゃったな……)
アンカー・コンマーから力を授かって見失っていた、自身の理想。
弱くても、無茶でも、エゴでも、誰かのために行動できるようになりたい。
きっと賢い人には馬鹿にされるだろうし、心無い人には利用されるだろう。
それでもいい。
元々大した人間ではなかった自分が、突然大それたことをしようとしてもできる道理はないのだ。
『無限の力があれば助けられた』?
今日、森で男性を見捨てるために使った言い訳だ。
いったい、その領域にたどり着くまでにどれだけの人を見捨てるつもりだったのだろうか。
まずはスピカの細い腕が引っ張れる一人を助ける。
そこから始めようと、スピカは誓った。
349 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/21(木) 23:21:00.54 ID:I08fQp8X0
女の子は寝てしまった。
それを見計らったように、アンカー・コンマ―のシンボルが輝きだした。
◆
成長安価 ゾロ目が出たらスキル安価を追加します。
【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》4 +安価↓1コンマ一の位
―――――――
《膂力》177+安価↓2
《知恵》227+安価↓3
《防御》206+安価↓4
《精神》268+安価↓5
―――――――
350 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 23:21:38.99 ID:zFTWcw8j0
えい
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 23:22:18.39 ID:sF0i5FADO
はい
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 23:43:11.34 ID:I4xI5zdg0
あ
353 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 23:48:35.74 ID:jg7nbp3CO
そいや
354 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 23:57:11.85 ID:6AunESr70
あ
355 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 00:05:30.74 ID:/rFM/eRTO
魔翌力が凄まじいことに
356 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/22(金) 00:13:29.35 ID:+PaHwnri0
成長安価 ゾロ目が出たらスキル安価を追加します。
【名前】スピカ
《体力》778
《魔力》13
―――――――
《膂力》216
《知恵》261
《防御》280
《精神》353
―――――――
ゾロ目なのでスキル獲得です。
安価↓1
00〜24 必然の加護
>>323
25〜49 ハイトルク
>>320
50〜74 エクリプス
>>239
75〜99 アコーダンス
>>242
357 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/22(金) 00:16:55.13 ID:+PaHwnri0
今日はお休みです。
358 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 00:18:43.79 ID:N/54zVlg0
乙
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 00:28:16.76 ID:/rFM/eRTO
乙!
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 14:04:15.28 ID:5cK1FFhNO
質問なんですけど
一度習得したスキルのレア度って上げる事は出来るのでしょうか
361 :
◆GsFNmlQwPk
[sage]:2019/03/23(土) 14:57:48.78 ID:DAkp5+lC0
>>360
失念しておった……、すまぬ。
今度からゾロ目ボーナスにスキルレベルアップを追加します。
あと、今日は夜中に更新できると思います。
362 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/23(土) 23:50:31.62 ID:DAkp5+lC0
スキル獲得
【スキル名】エクリプス
【レア度】☆2
【効果】《精神》の3/4(265)の数値分未満のダメージを受けたとき、 ダメージを無効にし、そのダメージ分だけ自分の体力を回復する
後、スピカの《体力》がまちがっていたので訂正です。
【名前】スピカ
《体力》1110
《魔力》13
―――――――
《膂力》216
《知恵》261
《防御》280
《精神》353
―――――――
363 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/03/23(土) 23:54:31.93 ID:DAkp5+lC0
相変わらず力の享受は苦しいが、終わった後には体感できるほどの成長が望める。
それに回数をこなすたびになれて来た。
「ふぅ……」
心地よい汗をかきながら、スピカはゆったりと倒れた。
目の前に穏やかに寝息を立てる女の子の寝顔があった。
垂れていた髪を耳にかけてあげると、自身も眠りについた。
翌朝。
「スピカちゃん起きる!」
「はい、おきます、おきます」
やっぱり女の子に起こされた。
眠気まなこをこすりながら拠点の外に出る。
空は吹き抜けるような青空だ。
スピカは心も軽く晴れやかな気分で伸びをした。
「今日は何しようかな」
今、スピカの手元には納品しきれなかったヤマヌの毛皮と70マナがある。
◆
スピカは今すぐにでもウィリアムに話をつけに行くこともできるし、その前にやりたいことがあったらそちらを優先することもできる。
自由安価↓1
364 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/24(日) 01:35:27.27 ID:hqSFN5hjO
ウィリアムさんに会いに行きます
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/03/25(月) 23:51:29.91 ID:sDVsWFlQ0
【名前】ハチェット
【レア度】
【分類】武器
【効果】膂力を増加
【フレーバーテキスト】刃の小さな手斧。まっすぐな刃は素人でも研ぎやすく、切れ味を保ちやすいことにより工作がはかどる。
枝払いに薪割りに、ロープを切ったり木材加工をしたりと利便性に優れ、しかも安く手に入る。
戦闘用としては頼りないものの、動かない対象に向けて振るならば力が入れやすく遠心力も活かしやすい、女性にもおすすめの一品。
【名前】ライトメイス
【レア度】
【分類】武器
【効果】膂力と知恵を増加
【フレーバーテキスト】芯棒の先端に鉄球を付けたもの。魔法を助ける「杖」を芯棒にすることで、神官の立派な武器になる。
少し非力でも扱えて、どこにどう当てても威力が出る。駆け出し戦士にも人気(その場合は杖としての機能は無いだろうが)。
【名前】マインゴーシュ
【レア度】
【分類】武器
【効果】防御を増加
【フレーバーテキスト】攻撃を受け止めたり受け流したりすることを重視して作られた大型ナイフ。
持ち手を完全に覆う護拳と、幅広のツバは安心感をくれる。ただ両手斧や戦槌など重量級の攻撃を受けようなどとは考えないように。
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/29(金) 21:10:03.53 ID:NkO/8E2vO
保守
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/07(日) 14:08:21.58 ID:wZ6wV2hRO
そして保守
368 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/12(金) 23:10:59.34 ID:XjbTIdDO0
◆
保守ありがとうございます。私生活が忙しくなってきたのでたくさん更新できる日は少なくなるかもしれませんが、なるべく毎日数レス更新するスタイルで行こうと思っています。
369 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/12(金) 23:11:59.53 ID:XjbTIdDO0
スピカはウィリアムを訪れることにした。
ちゃんと朝の配給を受け取り、ゴミ捨て場に向かう子供たちを送ってから、一人拠点へ戻る。
ヤマヌの毛皮を70マナを背嚢に入れ、自然界との境界線へ向かった。
境界線に近づくと、ウィリアムは簡単に見つけられた。
やはりあの巨体は存在感がある。
「ウィリアムさん」
「スピカか。どうした。用か?」
「はい、少し真剣な相談です」
そういって、スピカはヤマヌの皮を取り出した。
370 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/12(金) 23:12:53.33 ID:XjbTIdDO0
——コチン!
「あてっ」
ウィリアムからの返答はげんこつだった。スピカを気遣った優しいげんこつだったが、反射的に声が出てしまった。
「無茶はしてほしくなかったのだが。もっと強く止めるべきだったか……」
ウィリアムは落とした拳骨を解くと、その手でスピカの頭を撫でた。
「ケガはなかったか?」
「はい。運よくヤマヌと戦わなくてもよかったので」
「そうなのか。何よりだ」
「それで、あの、これで私に協力してくれますか?」
「……そんだけ金と毛皮があれだ手切れ金としては十分だろうな。だが……」
「だめ、ですか?」
「いや、そうではなく、スピカにはもう一度考えて欲しいと思ってな。本当に俺でいいのか」
「……わかりました」
371 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/12(金) 23:13:21.28 ID:XjbTIdDO0
◆
ウィリアムは今後いつでも仲間にできます。
現在すぐに仲間にできるのは
・ウィリアム
・バレッド
・クリシゥス(後で条件あり)
スピカはこれから誰かを仲間に引き入れてもいいし、他にやりたいことがあればそちらを優先してもいい。
自由安価↓1 仲間にする場合はさらに↓2、↓3の賛成が必要です。
372 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/12(金) 23:13:52.16 ID:XjbTIdDO0
◆
今日の更新は以上です。
373 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/13(土) 00:28:52.42 ID:b20RY3Wk0
ウィリアムを仲間にする
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/13(土) 01:09:11.24 ID:3X6/Myo2O
ウィリアム仲間入り賛成
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/13(土) 06:53:32.60 ID:pbnGTKXDO
賛成
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/13(土) 10:30:17.25 ID:1nSuUNV50
とりあえずこれでスピカの事を補えるウィリアムが仲間になったし、色々整って来たかな
あとは戦力的に遠距離のメンツのバレッドとかも仲間に出来るのが最良かも知れないけどそれは後回しでも良いし、まずは子供達の事をなんとかしてあげたいよね
377 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:36:50.28 ID:HayJdaEd0
ウィリアムに諭されたスピカは、一度拠点に戻って今一度考えた。
スピカが協力者候補として声を掛けた四人は、スピカなりに信を置いていて、誰が仲間になってくれても心強い。
そして、夜まで悩んだ結果。
「ウィリアムさん。やっぱり、私に協力してくれませんか?」
スピカが選んだのはウィリアムだった。自分の能力を鑑みて、欠点を補うに最適な人選だと考えている。
暗闇の中、スピカは篝火に照らされて浮かび上がったウィリアムの顔と真剣に向き合った。
「わかった。これだけ頼まれたんだ。もう拒まない」
「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」
「礼を言われるようなことはしていない。むしろ、スラムに貢献する機会を与えてくれたこと、俺から感謝したいくらいだ」
378 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:38:41.90 ID:HayJdaEd0
その日の夜のうちに、ウィリアムはスピカから預かったヤマヌの毛皮と70マナを手切れ金として自警団を管理するスラムのグループから脱退。
その足でスピカの拠点へ赴いた。
「ウィリアムさん、窮屈じゃないですか?」
「問題ない」
そういうウィリアムは、スピカの拠点に身をたたむようにして収まっていた。
横幅はバレッドを寝かせられるくらいの空間はあるが、天井はスピカでも頭が届きそうになるくらいだ。
ウィリアムが入ればどうなるかは自明だった。
「しかし、これが神か」
ウィリアムはアンカー・コンマ―のシンボルと対面した。
「00」の上に「99」がくっついたような不思議なマーク。炭で書かれたそれが、ウィリアムを呼ぶように赤熱している。
「祈れば、アンカー・コンマー様が力を授けてくれるはずです」
「了解だ」
ウィリアムが岩のような手を組み、目を閉じる。
次の瞬間、シンボルから力が濁流のごとく流れ込んだ。
「ぐ、うぉぉぉおおお!」
379 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:39:31.78 ID:HayJdaEd0
◆
ウィリアムのステ―タスは
>>6
と三回成長したスピカを参照し、こちらで決めさせてもらいました。
名前】ウィリアム・ラスターカ
【ジョブ】戦士
【ステータス】
《体力》1000
《魔力》6
―――――――――――――――――
《膂力》300
《知恵》175
《防御》325
《精神》200
【穿撃】☆2
【効果】
>>240
☆2なので《膂力》の3/4で判定します。(225)
380 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:41:15.76 ID:HayJdaEd0
「こういうことに、なるなら、先に言っておいて、くれるか……?」
満身創痍になったウィリアムは大の字で転がった。全身から湯気が立ち、まるでハードなトレーニングをこなした後のようだ。
巨体が寝転がると拠点の床は足の踏み場もなくなってしまった。
「すみません。私の時はこんなに酷くはなかったので」
二人はあずかり知らぬことだが、スピカが経験してきた力の享受を一度に受けたために、その負担も相応のものだったのだ。
「あの、今日は寝たほうがいいと思います。そのままで構いませんから」
「すまん、助かる……」
ウィリアムは体力的に限界だったのか、返事はほとんど寝入りながら帰ってきた。
(外で寝るしかないよね……)
夜は少し冷えるが、今のスピカなら満天の星空を楽しめるくらいには余裕があった。
381 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:41:50.68 ID:HayJdaEd0
翌朝。
「スピカちゃん。スピカちゃん……」
「待って、起きるから。お腹に乗らないで。ほら、起きた」
「スピカちゃんの家にごっつい人いるよ?」
瞼を開けると、心配そうな顔をした女の子がいた。
「あー、大丈夫。私の友達だから。ウィリアムさんっていうの」
「そうだったのか!」
そういうと女の子はぱあっと顔を明るくしてウィリアムの下へ向かっていった。
まさかと嫌な予感がしたころには、もう女の子はウィリアムに馬乗りしていた。
「うぃる起きる!」
「む、ん。なんだ? 誰だ?」
382 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/15(月) 01:42:35.73 ID:HayJdaEd0
「スピカ、じゃないな」
「すみません、ウィリアムさん。その子、人を起こすのが好きみたいで」
「いや、問題ない」
べしべしと胸板を叩かれているウィリアムだが、幼女の細腕にいくら叩かれようとまるで答えていなかった。
「それより、今日から行動を共にするわけだが、何か予定はあるのか?」
◆
ひとまず仲間を確保することに成功したスピカ。
スピカは基本的にスラムの改善を目的として活動してきた。
何をどうしたらスラムの改善につながるだろうか。
これまで通り依頼所に勤めてもいいし、塔に入ってみてもいい。
先行きが不透明で心配ならウィリアムに相談するのもありだ。
自由安価↓1
更新は以上です
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 13:30:45.15 ID:mt+4Wp70o
日銭的な依頼(あれば)しつつ相談
384 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/20(土) 22:58:38.79 ID:aecv+ddyO
保守
385 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/23(火) 02:10:06.53 ID:mtjR2/+B0
保守ありがとうございます。毎日数レスとか無茶言いました。すみません。
これまで通り更新できるときに更新します。
◆
「ウィリアムさんは今の身体能力にも慣れていないと思いますし、肩慣らしついでに依頼をこなすのはどうですか?」
「確かに、この湧き上がる力を把握したい気持ちはあるな」
「それに、今後の方針については二人で話し合いたいので」
「わかった」
スピカとウィリアムは依頼所でウルの毛皮五頭分とエレタマの魔石五体分を請け負った。完遂すればしめて20マナの稼ぎでになる。
「お、おい。こんな依頼受けてこなせるものなのか?」
「きっとできます。アンカー・コンマ―様の加護さえあれば」
ウィリアムは驚いていたが、スピカが確信をもって言い切ると、半信半疑だが納得したようだった。
386 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/23(火) 02:11:40.29 ID:mtjR2/+B0
森の浅い層にて。
◆
対ウル&エレタマ戦 自動勝利
◆
「穿撃!」
ウィリアムが正面に拳を構え、飛びかかってきたウルに勢いよく突き出す。
拳は空気の膜を破り、ウルの体を穿って絶命させた。
返り血すらはじき返し、綺麗なままの拳を振って、ウィリアムは唸る。
「……すごい、というよりは、恐ろしいほどの力だな」
「私もそれは思います」
スラムの民から一瞬にしてジョブ持ちとなったウィリアムは、スピカ以上にその違いを感じたことだろう。
二人はウルやエレタマを順調に倒していった。
387 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/23(火) 02:12:24.88 ID:mtjR2/+B0
モンスターの素材を解体している間に、周囲を警戒しつつ相談する。
「確認なんだが、基本方針は”スラムの生活を改善する”でいいんだな?」
「はい」
「スピカの理想とする”改善”とはなんだ?」
「えっと、スラムの皆がちゃんとした仕事を持てて、家族で暮らせる、って状況でしょうか」
「なるほどな。だとしたら、するべきはスラムに縄張りを持つことだろうな」
「なぜ、ですか?」
「それはだな……」
ウィリアムの話によると、スラムはその大半が誰かの縄張りになっており、そこの法律に従って集団生活、経済活動、などが行われている。
大きな縄張りだと塔の貧民区に暮らすジョブ持ちが後ろ盾に付いている縄張りもある。
スラムの改善を成そうと思うなら、自身で縄張りを統治し、法律から帰る必要がある。
「おそらく、いま俺たちに手が届く縄張りは二つ、いや、三つだな」
388 :
◆GsFNmlQwPk
[saga]:2019/04/23(火) 02:13:58.64 ID:mtjR2/+B0
◆
ハンプト自治区
貧民区崩れのジョブ持ち、ハンプトが統治する区画。
依頼所のある塔の壁際もここの範囲であり、貧民区との貿易のつながりもある。
最近はハンプトが異常に厳しい統治を始めたということでスラムの住民や貧民区の取引先から反感の声も上がっているとか。
手に入れられたらスピカの理想には大きく近づくが、攻略の難易度はそれなりに高いと思われる。
オーゼン自警団巡回区(通称オーゼン区)
ウィリアムが所属していた自警団が巡回している区画。
境界線の側から広がる区画。自警団の長、オーゼンがトップ。
オーゼンが隠居を考えているようなので、そこに付け入るスキがなくもない。
孤児、弱者の掃きだめ
現在スピカの拠点がある僅かな範囲の無法地帯を新たに縄張りとして主張する。
やろうと思えば今すぐできる。住民を従わせるのも今までの信頼があり難しくなはいだろう。
しかし、新たに縄張りを主張したとして、上記の二つの縄張りがどのようなアクションを起こすかは不明。
◆
スピカは三つの選択から縄張りを狙って活動を始めてもいいし、まだ準備や情報が足らないと思うのならそちらを優先してもいい。
自由安価↓1
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage saga]:2019/04/23(火) 08:07:58.25 ID:ZZx/8rKZ0
周りの子供らに危険が及ぶ可能性を考えれば、こここそが確実性を見極めるべき所かな
両縄張りの情報を集めよう
……ところでスピカは人外病の男にキュアーをかけようとしていたが、アランの新メンバーはそれで治るんだろうか
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/29(月) 08:29:29.63 ID:21XCTWauO
保守
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/05(日) 01:29:13.34 ID:s93D+FeBO
そして保守
392 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/11(土) 14:23:20.49 ID:OnHu19v9O
さらに保守
393 :
amanatto
[saga]:2019/05/21(火) 11:31:27.92 ID:fchNTj/20
「子供たち危険が及ぶことはしたくありません。今はもっと情報が欲しいですね」
「情報か、ふむ。オーゼンの方なら俺の伝手で何とかなるかもしれんが、ハンプトの方は難しいな」
「依頼所はハンプトさんの縄張りなんですよね? 受付の人に聞くとか……」
「嗅ぎまわっていることがばれる可能性もある」
スピカとウィリアムは二人で頭を悩ませつつ、切れる手札を整理した。
◆
スピカとウィリアムができることには限界がある。ふたりは以下の要素から的を絞らないといけない
どちらの情報を集めたいか:ハンプト自治区、オーゼン自警団巡回区
集めたい情報:戦力、事情、隙、弱点、癖、その他自由記載など
だれに頼むか:アラン、バレッド、クリシゥス、依頼所の男、ウィリアムの情報、その他自由記載など
三つの要素を指定してください。
情報の開示率は【コンマ/100】%で判定します。
※ゾロ目ボーナスあり
※情報料、必要時間などはストーリーで補填します
どちらの情報を集めたいか:
集めたい情報:
だれに頼むか:
安価↓1、2、3まで
いつも保守ありがとうございます。
394 :
amanatto
[saga]:2019/05/21(火) 11:31:59.13 ID:fchNTj/20
また空き時間に更新します。
395 :
◆wSogcM19v2
[saga]:2019/05/21(火) 11:35:37.99 ID:fchNTj/20
酉にシャープつけ忘れたので変えました。
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/21(火) 12:38:01.51 ID:6zt7A8CyO
待ってた!
まずはオーゼンかな
397 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/21(火) 13:40:56.86 ID:fTWt0FjB0
どちらの情報を集めたいか:オーゼン
集めたい情報:事情
だれに頼むか:ウィリアムの情報
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/21(火) 14:06:59.98 ID:vutkSp1j0
どちらの情報を集めたいか:ハンプト自治区
集めたい情報:事情(頭さえ制圧すればなんとかなるのか?)
だれに頼むか:クリシゥス
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/21(火) 14:18:07.32 ID:54aVtZ410
どちらの情報を集めたいか:ハンプト自治区
集めたい情報:隙
だれに頼むか:アラン
400 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/21(火) 17:50:55.51 ID:vutkSp1j0
【名前】土精霊の保存箱
【レア度】都度コンマ判定
【分類】道具
【効果】中に入れた物の鮮度を保つ
【フレーバーテキスト】土の「静」の性質を凝縮したチェスト。大きさや材質は値段によってさまざまで、豪華な装飾がされた宝箱も。
非常に腐りやすいものを目的とする採取依頼では、対応した大きさのこれを持っていることが依頼を受ける条件となっている事もある。
【名前】風と土が結ぶプランター
【レア度】都度コンマ判定
【分類】道具
【効果】作物を栽培する
【フレーバーテキスト】風の「動」の性質により空気から栄養分を循環させ、土の「静」の性質で栄養分をとどめておく、魔法の栽培容器。
周囲の空気が動いていなければ充分な栄養が得られないため、暗室栽培には不向き。
一度に大量の区画を無数のこの容器で埋め尽くしても、大地や他のプランターの栄養が損なわれる事は無い。安心して使おう。
401 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/05/22(水) 21:41:27.88 ID:BlEyerZ70
【名前】奇運のブローチ
【レア度】A
【分類】道具
【効果】運を呼び寄せる
【フレーバーテキスト】
純銀で装飾された植物の琥珀のブローチ。不思議な事に内部の植物の葉は日によって1〜9枚で枚数が変わる。これが四葉と七葉の時、装備者に幸運をもたらすとされている。
呼び寄せる運は幸運だけとは限らない。
葉が0なった時、何かがおこるらしいが、葉が0になったときの所有者はブローチだけ残して未だに行方がわかっていない。
402 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/06/13(木) 17:23:10.84 ID:giw196hjO
保守
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/06/24(月) 09:44:17.55 ID:T7+NZxoqO
そして保守
404 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/07/01(月) 21:37:20.37 ID:5pBXxlcb0
更に保守
405 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/07/11(木) 23:51:10.29 ID:UcKmOCMQ0
そして保守
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/07/23(火) 06:54:56.14 ID:Up+CaS780
待ってるわ
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/08/02(金) 06:49:32.88 ID:YpWi0BbQO
フォイ!
408 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/08/13(火) 16:54:41.92 ID:aXTMuQcwO
そぉい!
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/08/20(火) 21:37:24.62 ID:i114t4lb0
そそぉい
410 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/09/15(日) 18:34:22.99 ID:S4e6c5TiO
ぬん
411 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/10/01(火) 07:38:48.33 ID:icPYm1maO
はい
412 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/11/12(火) 17:52:36.76 ID:LKoCxJnKO
むん
413 :
◆wSogcM19v2
:2019/11/27(水) 16:20:50.22 ID:Nm8GSpbvO
報告もなく半年消息をくらまして申し訳ありませんでした。
ずっと保守を続けてくださってありがとうございます。
12月中は怪しいですが、1月には復帰したいと考えてます。
もしまだお付き合い頂けるならよろしくお願いします。
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/11/27(水) 16:55:25.95 ID:dlkaPANvO
おお、まさか帰ってきてくれるとは
まあリアル優先で無理しないでね
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/11/27(水) 19:06:14.92 ID:qJWXR0Ty0
おかえりなさいです
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/12/01(日) 15:12:01.46 ID:SLB9Lc9kO
保守してて良かったわ
気長に待ってます
417 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2019/12/09(月) 01:46:43.79 ID:Rq0YLpsF0
復活めっちゃ嬉しい
418 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/01/10(金) 00:16:05.74 ID:MXkD3Qz5O
待ってるぜの保守
419 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/02/10(月) 23:48:41.09 ID:Vj4ax3M0O
ホシュホシュの実
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2020/04/14(火) 22:00:27.42 ID:jZZ4xylTO
むう…来ないか…
421 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2021/12/12(日) 17:36:51.30 ID:3tqupDL4O
あげ
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