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男「村が山賊に襲われて……」
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2 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 11:31:53.86 ID:PsrsU9l5O
男(木こりをしていた事を今ほど感謝したことはない)
男「……ツルツルの木、湖は左か」テクテク
男(この森でも迷わず生活が出来ている。 たとえ、山賊が追ってきても森の中なら逃げられる)
男「……この斧で返り討ちに」ボソボソ
男「いや、これは木を伐るものだ……これは、木を伐るものだ」
男「……木を伐ってきたから、木は俺の世間話に付き合わなかった?」
男「俺も……山賊の世間話には付き合いたくないもんな」
男「誰と喋ってるんだ? ……俺って、もしかして、気を違えているのか?」
男「ん? 木を違えてる? あれ? さっきのツルツルの木の左が湖なんだろ……いや、ん?」
男「ほら、あってた! 俺があってた! 湖があった! 俺が言ったことは間違ってたと言うことだ」
男「……俺は何人いるんだ?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 11:36:09.40 ID:IOvFAGtMO
なんかムーンサイドに迷いこんだ気分だ
4 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 11:44:18.73 ID:PsrsU9l5O
男「……美味い」ゴクゴク
男「水が美味いと生きてるって感じがするな」
男「…………皆、死んだけど」
男「村が山賊に襲われて、生き残ったのは俺一人になった」
角驢馬「……」
男(…………角驢馬、村長が昔教えてくれたな)
村長『草原地帯には角驢馬という、角の生えた生物が群をなして生息しておる』
男「……ここら草原じゃないぞ」
角驢馬「……」
男「群もないじゃないか」
角驢馬「……」
男「ちゃんと……自分の生態ぐらい守れよ」
角驢馬「……」
男「村人なら……村の男なら……逃げずに……女子供を守る! それが! それが自然だろうがよぉ!!」
5 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 11:50:16.79 ID:PsrsU9l5O
男「……泣いてごめんね。 久し振りに自分以外の人に会ってさ」
角驢馬「……」
男「極限状態だったんだ……取り乱して、恥ずかしい」
角驢馬「……」
男「ん? 角驢馬は……人なのか?」
角驢馬「……」
男「村長は何て言ってたっけ?」
村長『儂から殺せ! 儂から奪え! この村で一番金を、宝を持っとるのは儂じゃ!!』
男「そうだ……角驢馬は草原に生きている……群をなす生物……人じゃないんだ」
角驢馬「……」
男「人じゃないなら……殺して、食べても……良いんだよな?」
角驢馬「……」
男「………………あれ?」
角驢馬「……」
男「でも、山賊は……人を殺して、奪って……犯して……いた、なぁ」
男「俺達は、俺達は人じゃなかったのか?」
角驢馬「……」
6 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 11:57:31.07 ID:PsrsU9l5O
男「……お腹が空いたんだ」
角驢馬「……」
男「脚に矢が刺さっている……それはお洒落なのか?」
角驢馬「……」
男「俺の背中にも刺さってるだろ? お揃いだな」
角驢馬「……」
男「こう言うの、何て言うんだっけ?」
許嫁『これ、木を彫って作ったんだ』
男「変な飾りだな」
許嫁『酷い! お揃い、ペアルックなのに!』
男「そうだ! ペアルックだ! すっきりした思い出した! 俺とお前はお揃い! ペアルック!」
角驢馬「……」
男「このお洒落は痛いな……じんじんする」
角驢馬「……」ヨロ
男「無理に、立ち上がらない方がいい」
角驢馬「……」グイッ……スポンッ
男「…………抜いて、くれたのか?」
角驢馬「……」バタン
男「あぁ、次は俺の番だな」グイッ……スポンッ
7 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:06:30.59 ID:PsrsU9l5O
男「なぁ……何で矢を抜いてくれたんだ?」
角驢馬「……」
男「生きようとしてるのか?」
角驢馬「……」
男「群は? 自分以外皆殺しにされたんじゃないのか?」
角驢馬「……」
男「草原に住んでいたんだろ? そこから追い出されて……村を焼かれても生きるつもりなのか!?」
角驢馬「……」
男「答えてくれよ……答えてくれよ……お前は、お前は、俺なのか?」
角驢馬「……」グッタリ
男「俺なら……死ねよ。 ここが終わりで良いだろ?」
角驢馬「……」ムシャムシャ
男「草喰ってんじゃねぇよ! 俺なんだろ! 生きようとするなよ!!」
角驢馬「……」ムシャムシャ
男「もしかして……お前は、俺ではないのか?」
薬屋婆『木こり、森に入るならこの薬草をとってきておくれ。 良い塗り薬が出来るんだ』
男「……薬草、ギザギザの葉、黄色かがった茎、ギザギザの葉、黄色がかった茎」ガサガサ
8 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:12:56.44 ID:PsrsU9l5O
男「お前は四足歩行……俺は二足歩行」ヌリヌリ
男「お前は角が生えていて……俺に生えていない」ヌリヌリ
男「お前は無口で……俺は独り言か多い」ヌリヌリ
角驢馬「……」ウットリ
男「……駄目だ、お前が俺であることを否定しきれない」
角驢馬「メェェェェ」
男「人はメェェェェと鳴かない……お前は人じゃない?」
男「つまり、お前は俺じゃないのか……良かった、良かった」
男「ようやく、俺以外の人に会えた」
男「…………ん? お前は人なのか?」
男「俺は気を違えているのか?」
9 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:20:32.91 ID:PsrsU9l5O
角驢馬「メェェェェ!」パカラパカラ
男「おぉ、走ってる、走ってる!」
角驢馬「メェェェェ!!」ドンッ!
男「おぉ! 木に頭突きした!!」
角驢馬「メェェェェ……」ジタバタ
男「……また、角が抜けなくなっのか」ハァ
男「木を揺らして木の実を揺らす係りは俺に決めただろ?」
角驢馬「メェェェ」
男「いや、解るけどさ……ほら、得意不得意ってあるじゃんか」
角驢馬「……」カミカミ
男「いや、バカにしたわけじゃない! 角驢馬には木の実を採る以外の事を…………なぁ」
角驢馬「?」
男「お前の上に立ったらもっと楽に木の実が取れるんじゃないのか?」
角驢馬「!」
男「おぉ! 木の実取り放題だ! やった! やった!」ナデナデ
角驢馬「メェェ」ウットリ
男「ん? 俺達はこうも見た目が違うのに、どうして一緒に暮らしてるんだっけ?」
10 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:27:10.64 ID:PsrsU9l5O
男「悪いな……ついてきてもらって」
角驢馬「……」テクテク
男「この場所に何かがあった気がしたんだ」
角驢馬「……」
男「酷いや、建物が全て焼かれている……ん? そもそも、何で建物何て建てたんだ?」
角驢馬「……」
男「うーん、……あぁ、そうだ! 住むためだ! 人はこういう建物に住むんだ! ……変わってるなぁ」
角驢馬「……」
男「なぁ、角驢馬……一瞬だけさ」
角驢馬「……」
男「狂ったふり……止めても、良いかな?」ポロポロ
角驢馬「……」ペロペロ
11 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:30:39.26 ID:PsrsU9l5O
男「まさか、角驢馬がスコップも使えないとは……あぁ、思ったよりも時間がかかった」
角驢馬「……」カミカミ
男「痛い! 噛むなよぉ」
角驢馬「メェェェェ」
男「ん? ところで、何で穴を掘ったんだっけ?」
角驢馬「……」
男「あれ? 掘ったはずの穴がない! ……角驢馬ぁ!!」
角驢馬「……」カミカミ
男「ごめん、角驢馬のせいにしてごめん」
角驢馬「メェェェェ」
男「………………何を埋めたんだっけなぁ」
12 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:40:25.55 ID:PsrsU9l5O
男「これでよし……縄、きつくないか?」
角驢馬「……」コクン
男「しかし、本当に荷馬車何てひけるのか?」
角驢馬「……」コクン
男「どうした? 何か喋れよ」
角驢馬「……」ブンブン
男「あっ! 口が縄で縛られてるか喋れないのか! 噛めないだろ! ざまぁみろ!」
角驢馬「……」グサッ!
男「……ごめん、悪かったから刺すのは止めようか」
角驢馬「……」パカラパカラ
男「疲れたら交代しような。 荷馬車の上って、結構乗り心地良いんだぞ」
角驢馬「……」ブンブン
男「……ひく方が好きって? 勤労なヤツだよ、本当に」
13 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:50:48.35 ID:PsrsU9l5O
負傷者「旦那……なぁ! 荷馬車の旦那!」
男「……おい角驢馬、荷馬車の旦那とはお前のことか?」
角驢馬「……」コクン
負傷者「そんなわけ無いだろ! 畜生も頷いてるんじゃねぇや!」
男「畜生とは俺のことか?」
負傷者「……変なヤツに声をかけちまったな」
男「後悔できるなら、やり直せると村長が言っていた……頑張れ」
角驢馬「……」パカラパカラ
負傷者「待ってくれ! 待ってください! 変なヤツって言ったのは謝るからよ」
男「彼もあぁ言っている。 角驢馬……待ってやったらどうだ?」
角驢馬「……」ヤレヤレ
負傷者「……主導権はそっちにあるのかよ」
男「先に歩いている方が道を選ぶ……当たり前のことだと思うが」
負傷者「……同じ人間と話してるとは思えない」
男「お前は……人なのか?」
負傷者「見たら、解るだろ?」
男「お前は、つまり……俺なのか?」
負傷者「」
14 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 12:58:26.91 ID:PsrsU9l5O
負傷者「いやぁ、わけわかんねぇ奴だと思ったが……助かった。 良い塗り薬だな」
男「薬屋婆に教わったモノだ……礼なら、薬屋婆に言ってくれ」
負傷者「薬屋婆って誰だよ?」
男「薬屋婆は……誰だ? 懐かしい響きだが……うーん」
負傷者「いかれちまってるな……ところで、何処を目指してるんだ」
男「目指しては無い」
負傷者「旅をしてるんだろ?」
男「旅はしてない」
負傷者「何してるんだ?」
男「今か? 今は話している」
負傷者「……次、村があったら降ろしてくれ」
男「おろす? おろす? おろす? おろす……とは?」
負傷者「良いよ……勝手に降りる」
15 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 13:10:12.23 ID:PsrsU9l5O
負傷者「おぉ、村が見えてきた!」
男「村で何をする?」
負傷者「とりあえず、ちゃんとした治療を受けて……後は品物売ったりな」
男「売る? 売る? 売れば金が貰えるんだったか?」
負傷者「そんなことまで忘れちまったのかよ」
男「忘れてない、うろ覚えなだけだ」
負傷者「忘れちまった方が、楽かも知れねぇな」
男「角驢馬、俺達も何か売ってみるか」
角驢馬「……」
男「…………そうだなら売るものが無いな」
負傷者「さっきの塗り薬と、積んでる木の実は売れるんじゃないか?」
男「……木の実を売ってしまったら、食べるものが無い」
負傷者「売った金で買えば良い」
男「…………なら、最初から木の実を食べていれば良くないか?」
負傷者「まぁ、好きにしたら良いがよ」
男「で、何を売るんだ?」
負傷者「俺か? 俺は宝石とか金になりそうなもんさ」ジャラ
男「この石はなんだ?」
負傷者「エメラルド」
男「この石はなんだ?」
負傷者「ダイヤだよ……勝手に触るなよ」
男「この石はなんだ?」
負傷者「これは……木で出来た飾りだな」
男「変な飾りだな」
負傷者「あぁ、売れそうにねぇや……いるか?」
男「似たようなモノを持っている」
負傷者「そうか、いらないか! いらないか! いるものといらないものをを判断できるとは思っていなかった」ハハハ
男「あぁ、少し正気に戻れたのかも知れない」
16 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 13:24:35.48 ID:PsrsU9l5O
男「正気に戻ったついでに売る用の木の実でも採っていこうか」
角驢馬「……」ピタッ
負傷者「この木の実は此処等にもなっているのか?」
男「もう少し、森に深く入ればあるだろう」コイコイ
負傷者「手伝えって……薬の恩があるか」
男「この木だ」
負傷者「おぉ、結構なってるな」
男「四つん這いになってくれないか?」
負傷者「怪我人を踏み台にするつもりか?」
男「頼む」
負傷者「さっさと終わらせろよ」
男「……ところで、さっきの石は何だったか?」
負傷者「正気タイムは終了かよ。 エメラルドのことか?」
男「違う」
負傷者「ダイヤか?」
男「違う」
負傷者「あぁ、飾りか? あれは木だよ! 木!」
男「ん? 木なのか?」
負傷者「そうだって言ってるだろ? ……ほら、早くしやがれ」
男「お前は木なのか?」
負傷者「はぁ?」
男「お前が木で、俺が木こり」
負傷者「本当に何言ってるんだ……」ミアゲ
男「……」つ斧
負傷者「ひっ!!」
男「……」ハァハァ
負傷者「」
17 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 13:34:50.41 ID:PsrsU9l5O
男「ごめん……村に入れなくなってしまった」ベットリ
角驢馬「……」
男「水辺を探そう……体を洗いたい」
角驢馬「……」
男「荷馬車は此処に置いておこう……盗られて困るもの何て無いし」
角驢馬「……」
男「もう、盗られ尽くしたから……ん?」ガタガタ
男「震えが……止まらない……何でだ? 木を一本切り倒しただけ……木なんだ! あれは……あれは木なんだ!!」
角驢馬「……」ペロペロ
男「そうだよな……どう見ても、人だよな」
男「恨みを持って殺しても、ここまで震えるのか……すごいな、山賊は……恨んでないのに……平気だもんな」
角驢馬「メェェェェ」
男「そっちに、水があるのか?」
18 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 13:42:43.22 ID:PsrsU9l5O
男「……えっと、水車?」
角驢馬「……」
男「違ったっけ?」
魔女「水車であってるよ」
男「…………貴女は人ですか?」
魔女「何だ、私の力を感じ取れるのかい?」
男「力……腕力?…………男?」
魔女「女だよ!」
男「女……つまりは人なのか」
魔女「人……ではない」
男「人でないなら……雌?」
魔女「……」ゾクッ
男「つまりは角驢馬と一緒か……さっきの木が畜生と言っていた」
魔女「あまり私を愚弄しない方が良いわよ」
男「つまり、雌畜生」
魔女「んっ!」ゾクゾクッ
19 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 13:48:14.60 ID:PsrsU9l5O
魔女「誰が雌畜生だい! 私は魔女……この西の森を統べる魔女さ」
男「この西の森のスケベ……痴女?」
魔女「そ、そんな聞き間違い……魔女さ」ビクン
男「魔女、体を洗いたいのだが……水はあるか?」
魔女「……返り血かい?」
男「返り血? 木を伐って出た液だから、返り樹液だよ」
魔女「……少し目を見せてごらん」
男「……」
魔女「事情は解った……入りな」
20 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 14:07:20.72 ID:PsrsU9l5O
男「綺麗になった……魔女は良い人だな。……ん、魔女は人なのか?」
魔女「そりゃ、良かった……って、何で裸なんだい!?」
男「他に服がなかった……そもそも、何で俺は服を着てたんだ? 角驢馬は着てないのに」
角驢馬「メェェェェ」
男「だよな、変だよな?」
魔女「本当に会話しているみたいだね……まぁ、態々、仮面を剥ぐ気は無いさ」チラチラ
男「血も取れたし村に行こう……ん?血?樹液?人?木?」
魔女「服が乾くまで此処にいて良いよ」チラチラ
男「………………ありがとう」
魔女「これからどうするつもりだい? 狂ったふりをしながら、角驢馬と旅をするのかい?」
男「旅はしてない……目的地も無い……ただ、あの場所にいるのは辛かった」
魔女「逃げ続ける人生は悪いものでも、間違ったものでもない」
男「狂人のふりをして過ごす人生は間違いだろう……間違いじゃないと、救われない」
魔女「誰が救われない」
男「……」
魔女「あんたは山賊を殺めた事を後悔してるのかい? 人を正気で殺せる相手でも狂気を持ったふりをして殺し……それを自ら否定する気か」
男「……」
魔女「それじゃあんたが救われない」
男「正気であり続ければ、俺は自らを伐るだろう」
魔女「……仕方無いねぇ。ほら、これを飲みな」つ薬
男「これは?」
魔女「本当に狂える薬さ……多少は楽になれるだろうよ」
21 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 14:17:26.93 ID:PsrsU9l5O
魔女「良いよ! 良い! 狂ってる……あぁ、最高の……腰使いだ!」アヘアヘ
男「……」パンパン
魔女「あぁ、酷い、机に押し付けて……あぁ、そんな……奥まで!」ビクンビクン
男「……」パンパン
魔女「モノみたい……モノみたいに使われてぇ……あぁ、やっぱり、私の見立て通り……良い、あんたには本当の狂気が宿ってたぁ……あっ!」ビクンッ
男「……」パンッ……ビュッビュッ
魔女「はぁあ、出てる……孕まされる」ゾクゾク
男「……魔女、貴女は人なのか?」
魔女「人じゃない……近い種だが……違う」ダキッ
男「人と近い種とは?」
魔女「何だって良いじゃないか……あぁ、好きに読んで畜生でも、痴女でも」ハァハァ
男「だったら、貴女も木だ」つおのおの
22 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 14:31:57.46 ID:PsrsU9l5O
看板娘「……すごい、これは本物の魔女の心臓ですね」
ギルド長「あぁ、クエストを出すだけ出していたが……こんな若者が持ってくるとは」
男「運が良かっただけだ」
剣士「魔女とは1度対峙したことがあるが、運でどうこうなる相手では無いさ」バンバン
男「本当に運が良かっただけだ」イタイ
看板娘「魔女はどのような武器で仕留めたんですか?」
男「これ」つ斧
剣士「木こりの斧! これは凄い新人が入ってきたかも知れないな! ギルド長!!」
男「仕事が欲しい」
看板娘「早速ですか! えーっと、どのクエストが良いですかね?」
男「これで良い?」
ギルド長「オークの討伐……魔女すら倒されるのにそんなクエストで良いんですか?」
男「これが良い」
剣士(最近、オーク共が1つの巣に集結しつつあると噂になっていたな。 大事になる前に対処しようとするとは……)カンシン
23 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 14:41:51.83 ID:PsrsU9l5O
男「疲れた、疲れたよ……角驢馬、君の提案通り最低限の言葉しかはっさないようにしたけど……独り言が好きな俺には辛かった」コショコショ
角驢馬「……」パカラパカラ
女格闘家「ねぇねぇ、魔女殺し! 角驢馬さんと何を話してるの?」
男「……4人も荷馬車に乗せて移動するのは初めてだから、応援していた」
女治癒師「ふふ、魔女を一人で殺した男とお聞きしていましたが……随分、可愛らしいところがあるのですね」
女格闘家「よーし! ボクも応援するぞ! 頑張れ、頑張れ、角驢馬君!!」フレーフレー
女暗殺者「……」
女治癒師「私達も同行して良かったのでしょうか? 男様の腕前ならかえって足手纏いになるのでは」
男「いや、君達が来ることに意味がある」
女格闘家「おぉ! 嬉しいこと行ってくれるなぁ! よーし、張り切っちゃうぞ♪」
24 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 14:59:21.10 ID:PsrsU9l5O
男「女暗殺者、先に入って偵察を頼む」
女暗殺者「……」コクン
女格闘家「前衛はボクに任せてよ!」
男「解った……女治癒師は俺の後ろに」
女治癒師「えぇ、解りました」
女格闘家「ふーん、ふーん、ふーん♪」
男「随分と楽しそうだね」
女格闘家「そりゃ、こっちには魔女殺しがついているんだもん♪ ねぇ! 魔女を倒した時の話を聞かせてよ」
男「どうだったかな……あまり、覚えてないや」
女格闘家「倒した感想でも良いからさ」
男「何も感じなかった……かな」
女格闘家「何それ、格好良い! 魔女などとるに足らないってこと?」
男「いや、違う……感じなかったんだ。 憎い相手を殺した時でさへ感じた罪悪感が!言い知れぬ恐怖が! 命を奪うことへの、罰則としてあるはずの感覚が……まるで木を切り倒した後のようにしか思えなかった」
女格闘家「そ、そうなんだ」
女格闘家(魔女を倒せるほどの腕前になると少しぐらい変わってるところもあるか)
25 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:07:37.33 ID:PsrsU9l5O
男「きっと、魔女は人ではなかったから感じなかったんだろう」
女格闘家「魔女は見た目こそ人に近いけど魔族だからね♪ そんなの感じなくて当たり前だよ」
男「そう、思った……思っていた」
女格闘家「へ?」
オークs「ブモモモモ!!」
女格闘家「オーク! 数が多い……魔女殺し、どうする?」
男「終わったら、教えてくれ」
女格闘家「いや、この数は流石に私一人じゃ……あれ?女治癒師は? 大変だ、魔女殺し、女治癒師とはぐれた!?」
オークA「ブモモモモ!!」ブンッ
女格闘家「くっ、このオーク強い! 魔女殺し……早く、早く助けて」
オークB「ブモッ!」つ木の実
男「……ありがとう」カジッ
女格闘家「」
男「オーク達、聞こえたね? 終わったら教えてくれ」
女格闘家「何で! やだ……脱がせるな……そんなの、そんなの……入ら……あぁぁあぁああぁぁあぁあ!」
26 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:22:33.85 ID:PsrsU9l5O
男「……」
女治癒師「はぁはぁ……貴方達は何なんですか?」ギロッ
男「俺かい? 俺は人だよ。 勤労な木こりだ」
女治癒師「な、何、わけの解らない事を」
男「君は何だい? 人かい? 片腕がもげても平然としているなんて、化物じみてるけどね」
女治癒師「平然と人の片腕を斬った彼女の方が化物でしょ!」キッ
女暗殺者「……」
男「…………それで、答えは?」グニグニ
女治癒師「止め、斧の柄をそんなところに……んぁ……」
男「答を聞いているんだよ……君はなんだい? 人か?」
女治癒師「当たり前でしょ……人に、決まって……や、やぁ!」
男「人と言うことは君は俺なのかな?」ズボズボッ
女治癒師「止め、わけが……解らな……あっあっ……」
男「……いっぱい、柄が濡れてるね。 これは何かな?」
女治癒師「何でも……良いでしょ?」ハァハァ
男「樹液かな? 樹液かも知れないね、樹液だとしたら!」
男「君も木だ!」つ斧
治癒師「」
男「やっぱり……木だった。何も感じないや」
27 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:30:11.19 ID:PsrsU9l5O
男「……まだ、終わらないのか」シャリシャリ
女暗殺者「……」
女格闘家「止め、そっちの、穴も何て……ムリムリムリムリムリムリ……っつぁ!!」
男「彼女を殺したら……感じれるかな? 震えれるかな? 彼女は何となく人のような気がするんだ」
女暗殺者「……」
男「木の実、食べる?」つ木の実
女暗殺者「……」シャリシャリ
男「……食べるんだ」
女格闘家「いやぁあ!駄目、やだやだ、いきたくない……化け物のモノ何かでいきたく……あっ、あぁぁあぁあ!!」アヘアヘビクンビクン
男「もうしばらくかかりそうだね」
28 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:39:26.65 ID:PsrsU9l5O
男「……結局、彼女も人じゃなかったな」
女格闘家「」
角驢馬「メェェ」ペロペロ
男「慰めてくれるのか? ありがとう」ナデナデ
女暗殺者「……」ペロペロ
男「君は何してるのかな?」
女暗殺者「……///」
男「良いや、このオークの巣はもういらないや……女暗殺者」
女暗殺者「……」ポチッ
オークs「ブギャーーーーーーー!!」バァァァン!
29 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:44:43.37 ID:PsrsU9l5O
ギルド長「まさか、女格闘家と女治癒師が亡くなるとはな」
男「すみません、ギルド長……」
ギルド長「女暗殺者より知らせは聞いております。 貴方の制止も聞かずに無茶な行動をしたと」
看板娘「女格闘家さんはともかく、あの冷静な女治癒師さんがそんな行動しますかね?」
剣士「魔女殺しの前で良い格好したかったのかも知れないな」
男「……宿に戻る」
剣士「責任……感じてやがるな」
ギルド長「彼はちゃんと仇を果してくれたと言うのに」
看板娘「……」
30 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/19(火) 15:53:28.83 ID:PsrsU9l5O
男「ねぇ、角驢馬……可笑しいんだ」
角驢馬「……」
男「人を殺しているはずなのに……罪悪感ところか、快感が湧いてきた……悲しい、恐ろしい、どころか今回の件は面白くてたまらない」
男「俺は取り戻すために……人を殺した時に得られる罪悪感を取り戻すために殺してきたのに……あれ? 結局楽しいだけか? 俺のいた村は何処だ」
男「もっと残酷なやり方で無いと感じないのか……得られないのか……罪悪感ってヤツは! 魔女は俺に何を飲ませた! 奪われ尽くした俺の何を奪った!」
角驢馬「……」
男「……泣いたりしてごめんよ、いい加減……自分以外の人に会いたくなってきたんだ」
31 :
◆Q6fo44/dLk
[sage]:2019/03/19(火) 16:01:33.17 ID:PsrsU9l5O
本日はここまでにします。 即興で頭の中に浮かんだモノを書いたらこうなった(´・ω・)
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 16:24:25.43 ID:xwW3B0NQO
女格闘家ちゃんしゅき
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/19(火) 19:48:25.55 ID:Kx8OeOQT0
乙
34 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/20(水) 05:46:51.59 ID:u8PlUbaPO
看板娘「だから、どう考えても男さんは怪しいです!」
ギルド長「……」
剣士「……」
看板娘「女格闘家さんはともかく、女治癒師さんがそんな無茶な行為をするとは考えられません!」
ギルド長「剣士よ……どう思う?」
剣士「ふむ」
看板娘「男さん……あの魔女殺しに二人は殺されたんだと私は思います!」
ギルド長「やはりか」
看板娘「……ギルド長さん」パァ
ギルド長「やはり、魔女の心臓に魅せられたか」
看板娘「へ?」
剣士「……魔女の心臓に魅せられ、魔女になる才能を持つ女は狂気に狂うことがある。 魔女殺しの話は本当だったか」チャキン
看板娘「……嘘、でしょ?」
ギルド長「仕方あるまい。 捕らえよ、剣士」
剣士「あぁ」ジリジリ
看板娘「そんな、二人とも……魔女は人ではないのでしょ? 人が魔女になるわけでは無い!」
ギルド長「魔女殺しは魔女は人にやはりよく似ていた……魔女から人になり得るかも知れんと言っていた」
看板娘「そんな、嘘……止めて……来ないで」
35 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/20(水) 06:00:37.37 ID:u8PlUbaPO
男「君達、女と言うのは愉快な生態を持っているよね……本当に」パンパン
看板娘「もう、あぁ……止め、……あぁ!」ビクンビクン
男「俺の事をどんな風に思っていても、暫く使えば皆同じ顔になる。 同じ人とは思えない」ビュルルル
看板娘「……中に、そんな……いやぁ……」
男「ん? じゃあ、人じゃないのか? 人じゃないのかも知れない……うーん、次は剣士でも試してみようか……彼は人っぽいし……うーん」パンパン
看板娘「止め……せめて、休ませ……あぁ! あぁ、また、いく!」アヘアヘ
女暗殺者「……」ジー
男「どうしたら、感じられるかな?」
女暗殺者「……」ピト
男「ん?」
女暗殺者「〜」コショコショ
男「…………それは、良いね。 それは何とも悪いことだ……時間と金がかかるが……魔女の心臓で得た金ならある」
女暗殺者「……」
男「うん、やってみよう……ありがとう女暗殺者。 お礼は何が良いかな?」
女暗殺者「……」クチャクチャ
男「……仕方無いな。 あまり、こういう行為は好きじゃ無いんだけどね」ヌキッ
看板娘「……はぁ……はぁ……」レイプメ
男「よいしょっと」ズボボ
女暗殺者「……!?」ビクビクビクッ
男「まだ、入れただけだろ?」パンパン
女暗殺者「……、…………、あっ」ビクンビクン
36 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/20(水) 06:15:10.03 ID:EZjZO41SO
剣士「久しぶりだな、魔女殺し」
男「久しぶり、剣士」
剣士「オークの巣の悪夢があってから、もう3年か……早いものだな」
男「そうだね……ギルド長は?」
剣士「実の娘があんなことになったショックか……正気を失ったよ」
男「……俺が魔女の心臓を持ってきたせいだ」
剣士「いや! それは違う! お前は何も悪くない!!」
男「……看板娘にも結局逃げられた」
剣士「殺せるほど、非道になれなかった……そうだろ?」
男「……」
剣士「帝都で働いていると聞いたが……今日は何の用事でここまで?」
男「魔女を見つけた……力を貸して欲しい」
剣士「それって……もしかして……」
男「あぁ、看板娘が堕ちたモノと考えている」
剣士「この3年……ずっと探してくれていたのか」ウルウル
男「一緒に来てくれるか?」
剣士「あぁ、あぁ! お前だけに重荷は背負わせない! 俺の剣で魔女を……看板娘を殺してやる!」
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/21(木) 08:39:26.23 ID:WGNy/Trt0
いいね
38 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 12:42:23.14 ID:Cwiube5zO
剣士「やぁ!」ザンッ
ゴブリンA「ピギィィィイイ!」バタン
剣士「てゃあ!」ザンッ
ゴブリンB「ピギィィィイイ!」バタン
男「凄いな、俺の出る幕が無い」
剣士「男、お前は魔女との戦闘の為に力を温存しておいてくれ」
男「あぁ、助かる」
剣士「しかし、どうしてこうもゴブリンだらけなんだ?」
男「魔女が手下として操っているのかも知れない」
剣士「なるほど、恐ろしい話だ」
男「早く、行こう」ワクワク
剣士「楽しそうだな」
男「不謹慎だったか……旧友と仕事が出来るというのは悪くない」
剣士「お前に友と呼ばれるとは……最高の誉れだ」バンバン
男「痛い……あの小屋だ」
剣士「ゴブリンがうようよいるな……俺が先攻する」
男「あぁ、頼んだ」
39 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 12:55:22.83 ID:Cwiube5zO
剣士「見つけたぞ! 看板娘……いや、魔女め!!」
ゴブリンC「グルルル」パンパン
看板娘「駄目、もう、いや、産みたく……無い、いや、いや」ボロボロ
ゴブリンD「グル! グル!!」ズボッ
看板娘「そっちの穴は……へへ、もう、えっ、……あぁ」
剣士「」
ゴブリンE「グル!」ジュルルル
看板娘「ん……じゅ、……苦……ん、ん、……あぁ」ゴクゴク
剣士「」
男「どうだい?」
剣士「………………へ?」
男「感想は?」
剣士「看板娘は魔女? ゴブリンを操っている? でも、あれは……ん? ど、どう言うことだ」
男「珈琲でも飲んで待ってる。 ゆっくり頭を整理してくれ」コポコポ
剣士「な、何、ゴブリンの棲みかで、慣れた手つきで珈琲を……ん? 看板娘は魔女じゃない……ん?」
男「帝都ではまってな……焙煎度合い、豆の種類でこうも変わるとは、奥深い」ズズズ
剣士「男、お前が……お前かぁ! お前が全部!!」チャキン
男「……何でだろう、今日の一杯は昨日のよりも美味しい」
剣士「おとこぉぉオオオオオオ!!」バッ
女暗殺者「……」ザンッ
剣士「ぐぁ! 脚がぁ、俺の……脚がぁ!……お前もぐるか! 男ぉ! 殺す、殺す、俺がこの手で、お前を……俺がぁ! お前をころすぅう!!」ジタバタ
男「……まだ殺すな」
女暗殺者「……」ピタ
男「貴族はジャズを聴きながらが飲むのが一番美味しいのみ方だと言っていたが……音楽は確かに珈琲の味を変えるようだ」ズズズ
40 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 21:48:30.33 ID:Cwiube5zO
大臣「貴族、男よ……此度はご苦労であった」
貴族「いえ、全て男の働きによるものでございます」
男「……」
大臣「それにしても、大陸全土を揺るがせた連続強姦殺人犯が武勇に名高い傭兵ギルドの剣士であったとわ」
貴族「剣士はクエストで数多の土地に赴いておりましたので、そこから調査をした所存でございます」
大臣「貴様らの結論を疑ってはおらんよ……何より、男は剣士が事に及んでいるところを確認したのであろう」
男「えぇ、看板娘を監禁し、魔物に与えてほくそ笑んでおりました」
貴族「何と、外道な……」ギリッ
大臣「貴殿らの働きは国の安寧を維持するためにも大きなものであった。 報酬は弾まねばならないな」
貴族「国の安寧が何よりの褒美でございます」
大臣「そうか、そうか」ハッハッハッ
41 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 21:59:09.79 ID:Cwiube5zO
貴族「いやぁ、男よ……ご苦労であった」
男「……」つ果実
角驢馬「メェェェ」ムシャムシャ
貴族「お前のお陰で、大臣殿に認められ、革命軍と結託しようとしていた傭兵ギルドを解体することが出来た」
男「革命軍と傭兵ギルドが手を組んでいたら、どうなる?」
貴族「私たち富裕層は全員首を吊ることになっていただろう」
男「美味しいかい? ……ふふ、二人で採った木の実の味には敵わないか」
角驢馬「メェェェ」ムシャムシャ
貴族(気違いだが、まだ使い道はあるか)
男「次は何をすれば良い?」
貴族「そうだな……私達の余興を手伝ってもらおうか」
男「余興?」
貴族「あぁ、若者を数人屋敷に閉じ込めて、命をかけたデスゲームを開催せよ」
男「それが余興になるのか?」
貴族「誰が生き残るか、我々で賭け事をしようと思ってね……馬を走らせても良いが、人の方が見応えがある」
男「馬と人は違うのか? ……人と馬は馬が合わない? ん? ならば両方人なのか?」
貴族「…………報酬は?」
男「任せる……俺は奪われたものが取り返せたら良い、感じられれば良いんだ」
貴族「ふふふ、安上がりで助かる」
42 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 22:16:35.32 ID:Cwiube5zO
男「皆様方、本日はお集まりいただき、ありがとうございます」つカンペ
パチパチパチ
男「本日は愉しく可笑しい愚かで憐れな若者どもの殺し合い、死の擦り付け合いにて退屈を潰せればと願っております」カンペ
富豪「あの男が例の傭兵ギルドを壊した気違いかな?」
貴族「あぁ、中々使い勝手が良い男だ」
成金「用が済めば処分出来る……確かに楽ですな」
土地持ち「埋めるなら、場所を貸すが?」フフフ
男「それでは皆様には誰が生き残るか賭けでもしながら、お酒を飲んでいただければと思います……おっと、肝心の憐れな若者達を紹介し忘れておりました」
大水晶「」ポワァ
男「此方の大きな水晶から屋敷の中を覗く事が出来ます……それでは、ご紹介しましょう! 彼等、彼女等がデスゲームの参加者でございます」
貴族娘【ここは何処かしら?】
富豪息子【わ、解らん!俺を誰だと思っているんだれ?此処から出せ!】
土地娘【あら、貴族娘さん? お久しぶりですわ】
貴族「」
富豪「」
土地持ち「」
43 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 22:33:32.23 ID:Cwiube5zO
貴族「何だ! これはどう言うことだ! 男!!」
富豪「そうだ! 私の跡継ぎを解放しろ!!」
土地持ち「貴族殿……貴方の責任であるぞ」
ザワザワザワザワザワザワ
男「……」パチン
女暗殺者「……」ナイフナゲ
成金「」グサッ
シーン
男「おぉ、静かになっていただけて良かった……あまり、進行の邪魔をしないはようにお願い致します」
貴族「き、貴様……」
男「それでは、皆様賭けてくださいませ。 最初の脱落者は最も、賭けた人数が少なかった者とします」
土地持ち「……おい! 君達、私の娘に賭けるよな! 君達の事業に誰が融資したと思っているんだ!」
富豪「賭けてくれ! 金は払う! 一人息子なんだ、彼がいないと、我が家が潰えてしまう! 賭けてくれ! 賭けろ!!」
男「貴族は説得しなくて良いのか?」
貴族「…………貴様は、気を、違えているのか?」
男「ん? 俺は貴族の条件通りにデスゲームを開いただけだ」
貴族「あっ……あぁ……ふざけ、……あぁ……」
男「貴族、賭けてないのはお前だけだ……」
貴族「……」
男「ほら、愉しい余興だ。 笑わないと……で、誰に賭ける?」
貴族「貴族娘に……賭けるしか無いだろ」
44 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/21(木) 23:03:28.26 ID:dNMhnvX1O
貴族「そんな………貴族娘……貴族娘……」ヒッグヒッグ
男「最初の脱落者の断末魔も終わったことですし……此処でお酒に合うお料理を振る舞わせていただきましょうか」
女暗殺者「……」つ皿
男「貴族娘のローストビーフ〜カルパッチョ風ソースに和えて〜……うん、美味しそうだ」
ウェ ナンデコンナ カエリタイ、カエリタイ
男「さて、進行に戻らせていただきましょうか。 次は先程、富豪息子に賭けた方々と土地娘に賭けた方々に分かれて争っていただきます」
富豪「我々に何をさせるつもりだ!」
男「早食い競争♪」
富豪「」
土地持ち「」
男「先に完食出来た方の生き残り……よーい、どんっ!」
富豪「食べろ!」
「いや、流石にそれは……」
富豪「食べろ!!」
土地持ち「誰か、頼む……食べてくれ、食べてくれ……」
「自分で食べろよ」
土地持ち「……んぐっ、うぇっ……んっ、んぐっ……」モグモグ
男「……ところで女暗殺者」
女暗殺者「……?」
男「貴族娘のローストビーフ……貴族娘は牛だったのか?」
女暗殺者「……」ウーン
貴族娘「」ボイン
女暗殺者「……」ペターン
女暗殺者「……」コクン
男「そうか、やはり人ではないよな……人だったらこんな酷い事をして、俺が平気なわけがないもんな」
45 :
◆Q6fo44/dLk
[sage]:2019/03/22(金) 00:18:32.49 ID:AacvgUaO0
今日はここまでにします。
おやすみなさい。
46 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/23(土) 06:40:44.95 ID:AGPdquvk0
富豪息子「」
男「これは、不味そうだから廃棄しておきますね」ゲシゲシ
富豪「息子……そんな……貴様は何を蹴っている?」
男「何だろう? 人ならば、殺して蹴るなんて出来ないし……これは、何だ?」ゲシゲシゲシゲシ
富豪「蹴るな! 止めんか!!」ダッ
バシュン
革命軍長「……」E.クロスボウ
富豪「なぜ、革命軍が……此処に……」バタン
男「さて、最後のゲームを始めましょう」
土地持ち「待て! 何を言っている? 私の娘は生き残った……もういいだろ?」
男「それを決めるのは俺だ」
土地持ち「貴様は人の命を何だと思っている!?」
革命軍長「あんたらが言えた事か?」
土地持ち「黙れ! 革命軍が! 貴様ら虫けらの命と我が娘の命が同等なわけがないだろう! 答えろ! 男! 私の娘の命を何だと思っている!!」
男「そもそも、お前の娘は人なのか?」
土地持ち「」
男「お前は人なのか?」E.斧
47 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/23(土) 10:15:24.79 ID:tX/qvR88O
「「「かんぱーい!!」」」
革命軍A「いやぁ、男のお陰で上手くいったな」
土地娘「やめ、もう止め……ぃ、駄目、私を誰だと……んぁっ!」パンパン
革命軍B「富裕層どもの面! あの顔だけで一生酒が美味く飲める」グビグビ
土地娘「あぁ……中に……止めて、今終わった……ばかりぃぃぃいい!!」グボッ
革命軍C「違いない!」
革命軍長「……」グビッ
男「どうした、革命軍長?」
革命軍長「……男、お前はやりすぎだ」
男「俺は手を貸しただけだ」
革命軍長「……あぁ、俺達はやり過ぎたんだ」ハァ
革命軍D「湿気た面してないで、革命軍長もこっちに来て腰振れよ!」パンパン
土地娘「あぁ、駄目、私の体は……旦那様に捧げる為に……あぁ、もう、いやぁだよぉ」ポロポロ
革命軍長「……」バシュン
土地娘「あっ……あぁ……ありがとう……」バタン
革命軍D「あぁ! まだまだ使い足りないってのによ!」
革命軍長「これでは、富裕層のクズ共と変わらない。 まだ、革命が果たされたわけじゃないんだ。 酒はほどほどにしておけよ」サッ
革命軍A「……ノリの悪いやつ」
革命軍B「だが、頭は良い」
革命軍C「つまり、頭が良くてノリの良い新しいリーダーが要れば用済みって事だな?」
革命軍A「そういうことだな、男」
男「……」
革命軍B「あんたなら、誰も文句言わずに着いていくぜ!」
革命軍C「その為にもよ……革命軍長は消さないとな」
48 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/24(日) 05:58:45.68 ID:MSJ0JpqkO
革命軍長「男、こんな小屋に呼び出して……何の用だ?」
男「クロスボウを見せてくれ」
革命軍長「悪いな、お前の前で武器を手放すほど愚かじゃない」
男「手にとって見たいわけじゃない。 俺に向けてかまえてもらっても構わない」
革命軍長「……」E.クロスボウ
男「珍しい武器だ。 何処で手にいれたんだ?」
革命軍長「本を読んで自分で作った」
男「手間がかかるな。 弓では駄目なのか?」
革命軍長「革命軍の殆どが本来戦闘とは無縁の人間だからな……弓を訓練する時間が惜しかった」
男「引き金を引くだけで人を殺せる……狙いを定める訓練だけですむ」
革命軍長「そう言うことだ」
男「革命軍長は本当に革命軍の事を真剣に考えている」
革命軍長「……」
男「射っている姿が見たい」
革命軍長「良いが……何を的にすれば良い?」
男「……」バサッ
革命軍A「……」
革命軍B「……」
革命軍C「……」
革命軍D「……」
革命軍長「……それは射てないな」
男「君を殺そうと企てていた」
革命軍長「それでも射てない」
49 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/24(日) 06:09:16.28 ID:MSJ0JpqkO
男「何で殺さない……殺したら良い」
革命軍長「人を殺すのは辛い事なんだ」
男「それはどうして?」
革命軍長「押し潰されそうになる」
男「何に?」
革命軍長「罪悪感に」
男「」
革命軍長「彼等は牢にでも閉じ込めておくよ。 革命が済んだらどうするか考える」
男「それでも、殺した、お前は殺してる、富豪も、土地娘も殺してる……ころしたじゃないか!?」
革命軍長「殺さないといけなかったからな……平気なわけじゃない」
男「そうか……良いなぁ」
革命軍長「……」
男「村が山賊に襲われて、生き残ったのは俺一人になった」ブツブツ
革命軍長「村が山賊に襲われて、生き残ったのは俺一人になった」
男「!?」
革命軍長「山賊は富裕層に飼われている事が解って、革命を起こすことを決意した」
男「……お前は俺か? 俺なのか?」
革命軍長「俺は君だ」
男「そうか……そうか……ようやく会えた」
50 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 01:00:34.75 ID:HDcsKFHw0
男「頭が痛い」
革命軍長「久しぶりに朝まで飲んだからな」
男「酒はほどほどにしておくんじゃ無かったか?」
革命軍長「仕方無いさ。 友との別れに素面ではいれないよ」
男「こんな俺を……友と呼ぶのか」
革命軍長「あぁ」
男「俺がしてきた残虐非道な行いは昨晩の酒の肴にしたはずだが?」
革命軍長「お前は確かに残虐非道だ……だが、悪じゃない」
男「……」
革命軍長「悪はお前の……俺達の村を襲った山賊達だ」
男「そうか、その言葉で救われた」
革命軍長「……本当にそんな小舟で良いのか?」
男「この国にいるのは辛い。 狂っていたからと言ってやり過ぎた」
革命軍長「他の島に着く前に……死んでしまうんじゃないか?」
男「そうだとすれば、それが俺の罪に対する罰なのだろう」
51 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 01:10:45.10 ID:l21ENXDaO
角驢馬「メェェエエ!」
男「友よ……角驢馬を頼んだ」
革命軍長「あぁ、群を見つけて自然に返すよ」
男「ありがとう……何から何まで世話になる」
革命軍長「やり方こそ酷かったが、お前の革命軍に対する貢献は大きい……気にするな」
男「うちの村に伝わる傷薬……後、これは魔女の小屋で手にいれた丸薬だ。 餞別として受け取ってくれ」
革命軍長「ありがとう。 ……丸薬はどう使えば良い?」
男「緊張を緩和するものらしい……重要な会議の前にでも飲んでくれ」
革命軍長「……正気に戻ったなら、お前も此処で暮らして良いんじゃ無いのか?」
男「…………さらばだ、友よ」ギコギコ
革命軍長「あぁ、さらばだ」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/25(月) 02:48:20.47 ID:lbYH+5LRo
薬…?
53 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 12:15:02.95 ID:nsQA/wfoO
男「海だ、何処までと海だ 」ギコギコ
男「俺が正気に戻るとそこは大海原だった」ギコギコ
男「あぁ、大陸が遠ざかっていく、俺が産まれた大陸が」
男「……サンドイッチでも食べよう」
カバン「」ゴソゴソ
男「サンドイッチが動いているのか?」
カバン「」ゴソゴソ
男「サンドイッチは動かない……」パカッ
女暗殺者「……」ハムハム
男「美味しいかい?」
女暗殺者「……」コクン
男「着いて、来ちゃったんだね」
女暗殺者「……」コクン
54 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 12:27:04.14 ID:nsQA/wfoO
男「君は人か?」
女暗殺者「……」ブンブン
男「君は木か?」
女暗殺者「……」ブンブン
男「じゃあ……君は何だ?」
『魔狼を退治したら、あの女で遊ぼうぜ』
『あんたも好き者だね……のるけどさ』
『で、でも、ギルド長に告口されたら』
『死人に口無しってな!!』
女暗殺者「……私は」
『何で、落とし穴なんかあるんだ!』
『痛い……そこに針が仕込んであったのか? 痛い、血が止まらない』
『毒!? あぁ、助けてくれ女暗殺者! 同じパーティーの仲間だろ?』
55 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 12:32:15.84 ID:nsQA/wfoO
男『……助けないのか? 同じパーティーの仲間らしいが』
女暗殺者『……』
『誰かいるのか!? 助けてくれ!! 助けてくれ!!』
男『君達は人か?』
『当たり前でしょ? 早く……助けて……』
男『では、人かどうか試してみよう』ヨイショヨイショ
『土! おい、止めろ! 埋めるな! おい!!』
男『ふう……疲れた。何も感じないな、人じゃなかったか……。 ところで、君は人なのかな?』
女暗殺者『……私は』
女暗殺者「私は貴方の道具です」ピタリ
56 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/25(月) 12:42:50.71 ID:nsQA/wfoO
男「道具か」
女暗殺者「……」コクン
男「林檎、剥ける?」
女暗殺者「……」コクン
男「舟、漕げる?」
女暗殺者「……」ギコギコ
男「万能だな」
女暗殺者「……」テレテレ
男「おいで、海の上は冷えるんだ……毛布が欲しい」
女暗殺者「……」ピタリ
男「暖かいな……」
男「あぁ、大陸が離れていく……女暗殺者、俺は悪じゃなかったらしい」
『この道を抜ければ、気付かれずに村の裏側まで来れる』
男「残虐非道だが、悪じゃなかったんだって」
『俺が見張りの番になったら、門の松明を消すから……それを合図にしてくれ』
男「なんかソレって……」
山賊長『……お前は何でこんな事をするんだ?』
男「愉快だな」
男『退屈なんだ』
57 :
◆Q6fo44/dLk
[sage]:2019/03/25(月) 12:45:46.51 ID:nsQA/wfoO
本日は此処まで。
書く気が無くなるまで、この男の面白珍道中は続きます。
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/25(月) 15:12:22.90 ID:HvVQGMp60
おつ
飽きて止めるときは一言言って欲しい
それまでは見るから
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/26(火) 00:25:20.62 ID:rznE/qQK0
乙期待
60 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 06:18:11.79 ID:PDjCNEc3O
漁師A「おう、お前も来てたのか」
漁師B「仕事前のモーニングは大切だ」
漁師A「おいおい、海に出るつもりかい? 暫くは控えておいた方が良いだろうよ」
漁師B「あん? それはどういう事だ?」
漁師A「ほら、読みな」つ新聞
漁師B「戦争? ……あぁ、例の国か」
漁師A「嫌だねぇ……革命が終わって暫く大人しくしてるのかと思ったらよ」
漁師B「今度は他所様と殺し合いか……何でまた?」
漁師A「お前はもう少し世界情勢ってもんに興味を持たねぇといけねぇや」
漁師B「一介の漁師がそんなもんに興味を持ってどうするよ」
漁師A「馬鹿だねぇ……本当によ。 いいか? 俺らが一介の漁師だろうと海も1つ……即ち一海で有る限り、そこで仕事をする俺達は世界と繋がってるんだよ」
61 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 06:26:23.76 ID:PDjCNEc3O
「モーニングセット、2つ」
漁師A「おっ! きたきた! 悪いね、店長……朝から騒いで」
「騒がしいのは嫌いじゃないさ」
漁師A「そうか、そうか!」
漁師B「ベーコンエッグにフレンチトースト、シンプルなサラダに深入りのコーヒー……あぁ、最近これを食べないと仕事に行く気にならねぇや」
漁師A「だから、今日は海に出るなよ?」
漁師B「俺らの国を挟んで戦争とは……迷惑なもんで」
漁師A「全くだ」
漁師B「それで、戦争の理由ってのは?」
漁師A「一介の漁師が知りたいのか?」
漁師B「良いか? 海が1つなら俺達は一海で、世界は何時も繋がって……何だっけ? さっきのかっこいい台詞?」
漁師A「馬鹿だねぇ」
漁師B「うるせぇな! 店長も笑うな!」
62 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 06:40:13.62 ID:PDjCNEc3O
漁師A「革命が終わって、帝国側のトップが革命軍の男、革命軍長に変わったのは知ってるな?」
漁師B「おう! 漁師Aに聞いた!」
漁師A「帝国と武国が冷戦状態なのも知ってるな?」
漁師B「おう! 漁師Aに聞いた!」
漁師A「武国は帝国の富裕層を嫌っていたから、帝国の革命軍を支援していたんだ」
漁師B「おう……ん?じゃあ、トップが自分達が支援していた組織……味方になったんだから、戦争する意味はねぇじゃないか」
漁師A「それがよ、何でも平和調停を結ぶ大事な会合で、そのトップの革命軍長が武国の偉いさん達をぶち殺したらしい」
漁師B「はぁ? 何のメリットが!?」
漁師A「何のメリットもねぇよ。 気でも違えたのか、革命だ何だと言って争いが好きなだけだったのか……恩を痣で返された武国は帝国にすぐさま宣戦布告し戦争が始まった……てことよ」
漁師B「確かに俺達が漁をしている海域は危険だな……はぁ、仕事ねぇと儲けもねぇや」
漁師A「湿気た面してんじゃねぇよ。 ……食べ終わったら行くぞ」
漁師B「へ?」
漁師A「漁港市場で倉庫の整理の仕事があってよ……安い賃金だが儲けがねぇよりましだろ?」
漁師B「俺も行って良いのか?」
漁師A「おやっさんにお前の面倒見るように言われてるからな」ヤレヤレ
漁師B「ありがとよ! 持つべき物は頼れる兄貴分だ!」
漁師A「うるせぇや……店長、此処に勘定置いとくぞ」///
63 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 06:51:32.47 ID:PDjCNEc3O
牛乳運び「……重、たい……えーと、カウンターに置いてて良いんでしたっけ?」
「……」コクン
牛乳運び「……はぁ、疲れた。 朝の配達、終了! そして、ようやく朝御飯!」
「モーニングセット?」
牛乳運び「流石店長さん! 解ってる! 愛してる!」
「……」ギロリ
牛乳運び「じ、冗談ですよ」
花屋「あら、牛乳運び……何時もより遅いんじゃない? 何時も開店前に運び終えてるって聞いてたけど」
牛乳運び「あー! 花ちゃん! ……それが、お父ちゃんが調子悪くてさ……へへ、少し出るの遅れた」
花屋「花ちゃんは止めなさい。 おじさんが……また、お見舞いに行っても良いかしら」
牛乳運び「来てくれるの!? お父ちゃん喜ぶよ……こんな美人さんに来てもらえるなんて」
花屋「そうね、喜ばせてしまうわね……私は美人だから」
牛乳運び「……相変わらずだね」
花屋「相変わらず、美人ってことね……ありがとう、知ってるわ」フフフ
64 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 07:02:36.44 ID:PDjCNEc3O
牛乳運び「花ちゃんこそ、こんな時間に此処にいて良いの? 仕事は?」
花屋「今日はおやすみ。 明日から本気出すってやつよ」
牛乳運び「ふーん、休みの日に態々此処までモーニング食べに来たんだ」
花屋「休みの日だから態々此処までモーニング食べに来たのよ……店長さん、今日も美味しいわ」
「ありがとう」
牛乳運び「どうせ、さっきまで漁師Bさんがいたんでしょ?」
花屋「ちょっなっえっ! あわあわあわわわわ……ひゃっ、珈琲が……」バシャン
牛乳運び「解りやすいな」
「……」つタオル
花屋「ありがとう、店員さん」
「替えのコーヒーを用意しよう」
花屋「悪いわ。 溢したのはハコビンに原因があるのだから」
牛乳運び「ん? ハコビン?」ニヤニヤ
花屋「牛乳運びに原因があるのだから」
牛乳運び「モーニングセットが目当てじゃなくて、モーニングセットを食べに来てる漁師Bさんが目当てなんだよね……花ちゃん♪」
花屋「花ちゃんと呼ぶなと……えぇ、良いわ。 だったら、その宣戦布告を受けとりましょう」
牛乳運び「ん?」
花屋「貴女の好きな人は店長さんよね」
牛乳運び「ちょっ! 止め!」
花屋「モーニングセットを食べるのも、牛乳を運ぶのも店長さんに会うための……モゴモゴ」
牛乳運び「止め! 違! 花ちゃんそれは止めてよ!!」
「……」ギロリ
牛乳運び「店員さん、睨まないで!?」
65 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 10:18:24.70 ID:fDMnMAFhO
花屋「それではそろそろ行こうかしら……この後、お見舞いにうかがっても?」
牛乳運び「うん! うちでお昼食べていく?」
花屋「あら良いの?……では、久しぶりに貴女の手料理をいただこうかしら」
牛乳運び「今日はピザ焼こうと思ってね♪」
花屋「えっ! ハコビンのピザ! やったー!!」
「……」
「……」
花屋「ゴホン……お勘定、置いとくわね」
牛乳運び「御馳走様でした!」
66 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 10:29:03.02 ID:fDMnMAFhO
ガヤガヤ
運び屋「よぉ! 昼時は混んでるね」
「A定食か?」
運び屋「へっへーん、臨時収入があったからよ! 今日はS定食だ」
絵描き「儲け話か? 羨ましい」
運び屋「おっ! 絵描きさん……あんたに渡された絵葉書売れたよ♪ ほれ、これ報酬」
絵描き「おぉ、ありがたい! すまないね、運び屋さん」
運び屋「しかし、葉書に絵を描いて売るなんて良く思い付いたな」
絵描き「ここの店長さんの案でね。 小遣い稼ぎにやってみたんだが……上手く言ったか」
運び屋「おぉ、評判良いよ……季節に合わせて何種類か描いてくれねぇか?」
絵描き「あぁ、用意しておこう」
「儲け話とは絵葉書のことか?」つS定食
運び屋「あー、それもあるんだが……他にも色々とな」
絵描き「店長さん、良かったら何割か受け取ってくれ……提案してくれたんだ、取り分を受け取る権利はあるだろう」
「珈琲の代金としてなら、受け取ろう」
絵描き「ふふ、それは暫く通わなければいけないな」
運び屋「そうじゃなくても、通ってるくせに」
絵描き「違いない」
67 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/26(火) 10:45:51.23 ID:UWiJTZ5RO
運び屋「絵描きさんはこの街に住んで長いのか?」
絵描き「あぁ、5年ほどだろうか? 港町の景色に惚れ込んでしまってね」
運び屋「確かに良い景色だ。 海の男達は活気があって良いしな」
オイ! ホメラレタゾ! ハコビヤノニーチャン、アンガトヨ?
絵描き「もっと粗暴なものだと偏見を持っていたが、気の良い人ばかりだ」
運び屋「ここの生産物は高く売れる……今日はあまり市場は賑わってながったがね」
「帝国と武国の戦争で、沖での漁は自粛しているらしい」
運び屋「なるほどね……浅瀬だけじゃ取れるもんも限られるか」
絵描き「……店長さん、貴方は帝国の出身じゃなかったか?」
運び屋「そうなのか?」
「昔のことだ……この店と気の良い常連と彼女が入れば問題は無い」
漁師A「おっ! 惚気話とは……愛妻家だね」
漁師B「A定食2つ!」
運び屋「午前の仕事は終わったのかい?」
漁師A「あぁ、漁港主さんのお陰で何とか今日の分は儲けさせていただいたからな」
漁師B「疲れたけどな……さぁ、飯だ!」
絵描き「愛妻家……店長さんと店員さんはそういう関係だったのか?」
運び屋「確か、結婚はしてないんじゃ……まぁ、どちらにしても大事にはしてるよな」
漁師A「俺も見習わねぇとな」
漁師B「漁師Aが何れだけ見習っても、愛妻家じゃなくて恐妻家だろ?」
漁師A「うるせぇ!」ポコッ
ハッハッハッ! ガヤガヤ ウマイナ ガヤガヤ
68 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/27(水) 06:40:54.72 ID:2x/7R9h+O
初老「やぁ」
「こんにちは」つ珈琲
初老「注文しなくても、欲しいものが出てくるのは良いね」ズズ
「……」
初老「……」ペラペラ
「……」
初老「……」ペラペラ
「……」
初老「……ふふ」
「……?」
初老「……この歳になっても楽しめる物語があるのは良いね、実に良い」
「退屈していないのなら、何より」
初老「退屈? もうすぐ愉快な事がおこるしね」
「愉快な事?」
初老「私と君の仲だ。 何れ教えてあげよう」
「それは……楽しみだ」
初老「……」ペラペラ
「……」
初老「……」ペラペラ
「……」
初老「……おっと、もうこんな時間か」
「……夜の準備をしないと」
初老「夜は酒場か……忙しいね」
「退屈しないさ」
初老「ならば、愉快なのかな?」
「……」
初老「ふふ、ご馳走さま」チャリン
69 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/27(水) 06:54:29.38 ID:2x/7R9h+O
漁師A「かーーーっ! この一杯のために働いてるな!!」
漁港主「隣良いか?」
漁師A「おっ! これは漁港主の旦那! あぁ、一緒に飲みましょうぜ」
漁港主「噂には聞いていたが、此処は随分と賑わっているんだな」
漁師A「夜になれば街中の漁師どもが飲みに来るもんで……旦那は初めてですかい?」
漁港主「あぁ、たまには外で飲みたくてな……てきとうにツマミを頼む」
「……」コクン
漁港主「美人だな……無口だが」
漁師A「その歳で枯れてねぇのは凄いと思いますが……へへ、ここの店員さんには手を出さない方が良いですぜ?」
漁港主「何故?」
漁師A「お尻触った馬鹿が絞め落とされた事があって……ありゃあ、何らかの武芸を嗜んでる動きですわ」
漁港主「馬鹿ってどうせ、漁師Bだろ?」
漁師A「ハッハッハッ! 大正解!!」
漁港主「で、その弟分はどうした?」
漁師A「最近、夜は勉強してるらしくてね。 飲みに誘っても来ないんですわ」
漁港主「ほう、それは関心だな」
漁師A「馬鹿なりに頑張ってるらしく……俺は良いんですけどね、明日も馬鹿に仕事をやってくれませんか?」
漁港主「お前は可愛がり過ぎてると思うぞ」
漁師A「ゴロツキだった俺を更生させてくれたおやっさんの忘れ形見だ……可愛い弟分なんですよ」
漁港主「知らないみたいだから教えておいてやる。 俺は律儀な男には義を通す」
漁師A「?」
漁港主「二人分の仕事見つけといてやるよ」
漁師A「流石、旦那だ!」
70 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/28(木) 12:15:31.93 ID:g2h8uwPoO
貿易商「随分と羽振りの良いもんで」
漁港主「気に触る言い方をしてくれるな、貿易商」
貿易商「漁港主さんが港の一部でも明け渡してくれたら、自分の羽振りも良くなるんですがね」
漁港主「ここは漁師の街だ。 その伝統は守らなければならない」
貿易商「この街の発展のためには漁港を貿易港に変えた方が賢いのでは?」
漁師A「酒が不味くなる……さっさと、酔い潰れて帰りな」
貿易商「私は漁港主さんと話をしているんですが」
漁師A「へん!」
「漁師A、何の話だ?」
漁師A「こいつが、漁港を買い占めて貿易港に作り直そうとしやがってるんだ」
「漁港と貿易港、どちらもやることはできないのか?」
漁師A「海に面してる土地も限られてるからよ……どちらもっていうのは」
「なら、海に面している土地を増やすしかないな」
漁港主「!?」
貿易商「!?」
漁師A「海に面している土地を増やす?」
漁港主「……陸地を掘り、開拓すれば可能か……しかし、それにも限りがある」
貿易商「開拓した所を中心に海上に建物を建てれば……ふむ」
漁港主「なるほど、それなら出来そうだ」
貿易商「しかし、大規模な工事になる人手が……」
漁師A「戦争のせいで漁に出れない漁師達が何人がいるんだがよぉ……貿易商」
貿易商「なっ! 私は君達を見下していた……そんな私に協力すると言うのか!?」
漁師A「伝統も守れて、街も発展するっていうなら悪くねぇさ。 俺達は海の男である前にこの街の男だ! そうだろ?野郎共!!」
オー! イイゾ、漁師A ヤッテヤンヨ ヤッテヤルッテー
貿易商「……君達」
漁港主「私も出来る限りの協力をしよう」
貿易商「漁港主まで!?」
漁港主「貿易港があったら、街がより豊かになるんだろ?」ニカッ
貿易商「今までの非礼を詫びる……すまなかった。 よろしく頼む」ガシッ
漁港主「あぁ!」ガシッ
71 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/28(木) 12:27:39.47 ID:g2h8uwPoO
漁師A「へぇ、疲れた」
漁師B「漁とは別の筋肉使ってる感じだな」
漁師A「しかし、開拓も随分進んだなぁ……街の漁師達総出でやったら早い早い」
「サービスランチだ」
漁師A「サービスランチ?」
「貿易港の工事に参加している人には無料で提供している」
漁師B「おぉ! それはありがたい」
「代金は貿易商がまとめて払っている……遠慮するな」
漁師A「いけすかねぇ奴かと思ってたが、意外とそういう面倒は確りみてくれんだな」
漁師B「貿易港を作るのが悲願だったみたいだしな……美味い!」モグモグ
漁師A「明日から、建物作りだとよ……海上に上手く作れるのかねぇ」
「運び屋が幾つか設計図を貿易商に渡していた」
漁師A「運び屋が? あぁ、他の都市の手法を参考にするのか」
漁師B「ごちそうさん……漁師A、先に行ってるぜ」
漁師A「おう、俺も食べ終わったらすぐに行く!」
72 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/28(木) 12:39:24.38 ID:g2h8uwPoO
絵描き「それで、店員さんはどっちが良いと思う?」
「……」
絵描き「こっちかな?」つ絵
「……」ウーン
絵描き「こっち?」つ絵
「……」コクン
絵描き「B案に1票ね……ありがとう」
花屋「絵描きさん……店員さんをナンパなんて、店長さんに言い付けてしまおうかしら?」
絵描き「ち! 違いますよ……貿易港の看板のデザインを頼まれて」アセアセ
花屋「あらそうなの……私も見て良いかしら?」
絵描き「是非、意見をおくれ! A案とB案まで絞れたんだが」
花屋「私は……どちらも悪くないわね」ウーン
「……」つ珈琲
花屋「ありがとう……あら、店長さんは?」
絵描き「あぁ、現場に差し入れを持っていってるらしい」
花屋「なるほど、牛乳運びも現場に差し入れを持っていくって行ってたわね……そのまま、デートでもしてきたら良いのだけど」
絵描き「店長さんと店員さんは付き合ってないのか?」
「……」コクン
花屋「私はB案の方が好きかしら」
絵描き「B案に1票ね……A案、駄目かな?」
花屋「看板というより、絵画という印象が強すぎるのよ」
絵描き「むむむ」
73 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/03/30(土) 05:06:26.06 ID:VCPQGw0BO
運び屋「……」キョロキョロ
運び屋「……よいしょ」ホリホリ
運び屋「……」ウメウメ
「やぁ」
運び屋「!?」ビクッ
「こんばんは」
運び屋「こ、こんばんは……店長さん」
「何をしていた?」
運び屋「いや、えっと……何もしてない」
「……まぁ、一部始終見ていたが」
運び屋「俺じゃない! 俺が殺したんじゃない! 頼まれて……その、埋めただけだ」
「この手紙を届けてほしい」
運び屋「言わないでくれ……」
「この手紙を届けてほしい」
運び屋「……」
「この手紙を届けてほしい」
運び屋「解った……あんたには逆らわねぇよ……だから、この事は秘密な」
74 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/02(火) 07:19:08.97 ID:qupPXbrAO
漁師AB「「かんぱーい!」」
漁師B「ついに完成したな! 貿易港!」
漁師A「馬鹿、まだ外観だけだ……中身はむしろ今からよ」
漁師B「でもよ! ようやく戦争も終わって海に出れるようになったんだ! もう十分じゃ無いか?」
漁師A「乗りかかった船だ。 俺は最後まで貿易商の旦那に付き合うぜ」
漁師B「随分と仲良くなったな」
漁師A「筋を通す人は嫌いになれねぇよ……漁は漁師Bに任せた」
漁師B「あいよ、アニキの分も確りとやってくる」
漁師A「……へへ、随分と頼りになる顔になったな」
漁師B「なっ」///
漁師A「明日の打ち合わせもあるしよ、今晩も貿易港に泊まるから嫁さんに伝えといてくれ」
漁師B「最近ずっとだな……寂しがってたぜ」
漁師A「恐妻も少しはましになったらいいんだがよ」
漁師B「ははは……そう言えば、貿易港に小舟が停まってたがあれは誰のだ?」
漁師A「いんや、知らねぇ」
「俺のだ……釣りでもしようと思ってな」
漁師B「言ってくれたら、俺らの船に乗せたってたのに水臭い」
漁師A「違いない! 店長、今度乗せてやるよ!」バンバン
「ありがとう」イタイ
75 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/02(火) 12:13:09.90 ID:qupPXbrAO
初老「……随分と忙しそうだね」
「今日、宴会があるからな」
初老「あぁ、貿易港の開港は明日か……それはめでたい」
「あぁ、ようやくだ」つ珈琲
初老「ようやくだね」ペラペラ
「……」
初老「……」ペラペラ
「……」
初老「……あぁ、店長君」
「何だ?」
初老「漁師A君に言伝てを頼めないかな?」
「かまわない」
初老「明日、全員酔いつぶれていたら台無しだ。 早めに帰るように……とね」
「解った。 伝えておく」
初老「頼んだよ」
「……」
初老「……ふぅ、ようやく読み終わった」パタリ
76 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/04(木) 12:33:30.98 ID:X4MZ5L2WO
貿易商「諸君! 本日は集まってくれてありがとう!」
パチパチパチパチ
貿易商「諸君らの勤労のお陰で無事貿易港が完成した……粗暴な漁師とバカにしていた自身を恥ずかしく思う」
漁師A「今はどう思ってるんだよ?」
貿易商「誇り高き海の男達だと理解したさ……君達は勤労で、強靭で、何より誠実な男達だ!」
ソノトオリ! ワカッテンジャネェカ!
貿易商「今日は私の奢りだ……好きなだけ、飲んで、騒いで、楽しんでいってくれ!」
漁港主「そのためには早く乾杯の音頭をとってもらわないとな」
貿易商「なら、漁港主も前へ……私は貴方と一番最初に乾杯したい」
パチパチパチパチ
漁港主「あぁ、勿論。 友よ、街の更なる発展を祝って」
貿易商「貿易港と漁港の繁栄を願って」
「「「かんぱーい!!」」」
ガヤガヤ ドンチャン ガヤガヤ ワーワー
漁師A「おーい、店長さんよ」
「何だ、酒か?」
漁師A「少し話がしたくてな」
「かまわないが」
漁師A「……あんた、もっと欲張っていいんじゃないのかい?」
「……」
漁師A「漁港と貿易港の共存案……元をただせばあんたの一言から始まったんだからよ」
「そうだったかな……覚えてない」
漁師A「まぁ、あんたがそれで良いなら良いがよ……何か得るものはあったか?」
「そうだな…強いていうなら、楽しみは得た」
漁師A(町の発展が楽しみとは)ヤレヤレ
漁師A「あんた……漢だねぇ」
「そうだ、漁師Aに言伝てがある」
漁師A「ん?」
「初老が今日は早く帰るようにって」
漁師A「そうかい、そうかい…明日、全員酔いつぶれてちゃいけねぇな」
「これ以上、恐妻家にもなりたくないだろ?」
漁師A「違いねぇ! たまには早く帰って可愛がってやるか!!」ハッハッハッ
77 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/04(木) 12:35:40.36 ID:X4MZ5L2WO
漁師A「帰る前に1つ良いか?」
「何だ?」
漁師A「名前……店長の名前を教えてくれよ」
「そう言えば、名乗ったことがなかったな。 俺の名は」
男「男……帝国にいた頃はそう呼ばれていた」
78 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/04(木) 12:44:44.90 ID:X4MZ5L2WO
漁師A(へぇ、手土産まで貰っちまった……漁師嫁、喜ぶかな?)ランラン
漁師A「幸せだな」ボソッ
漁師A(宴会の誘いを断ってでも勉強する勉強熱心な弟分、気前の良い雇い主に気の良い漁師仲間……男と言う最高の友人…ただのゴロツキだった俺には勿体無いや)ハハ
漁師A「おぅ! 帰ったぞ!」ガチャ
アンアン…イイ、モット
漁師A「おい、帰ったぞ……?」
イイ、ダシテ、ナカニ…アァン
漁師A「……おい、何してんだ?」ワナワナ
漁師B「」
漁師嫁「……へ?」アヘアヘ
漁師A「うちの嫁に何してやがんだ! 漁師B!!」
漁師B「あ、あにき、何で……今日は宴会で遅くなるって……何で」ワタワタ
漁師嫁「漁師B! 逃げな! 殺されちまうよ!」
漁師B「は、はい! 姐さん!」ダッ
漁師A「待て! ぶっ殺してやる!!」ダッ
79 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/04(木) 12:52:51.37 ID:X4MZ5L2WO
漁師B「なんで、今日は帰ってこないって、初老さんが……はぁはぁ、くそ、くそくそ!!」タッタッタッ
漁師A「待て! この野郎! 勉強するふりしてうちの嫁に手を出しやがって! 今までの恩を全部仇で返しやがったなぁ!!」ダッダッダッ
漁師B(速い……追い付かれる。 漁港から海に出て……いや、アニキの船もあるんだ、逃げきれない)
漁師B(そういえば、貿易港に店長の小舟があるって言ってたな……漁港と貿易港は離れてるからそこから海に出れば逃げ切れるか…よし!)
漁師A「ぶっ殺す! ぶっ殺す! ぶっ殺す!」
漁師嫁「あらあら、更生した何だていっても結局はゴロツキなのね」フフフ
花屋「……」ブツブツ
漁師嫁「あら、花屋さん……こんな時間にお散歩かしら?」
花屋「漁師Bを誑かしやがって、ビッチ、殺してやる……殺してやる」E.鋏
漁師嫁「なっ、違うわよ! 漁師Bの方から誘って……来ないで!来ないで!…きゃぁああ!!」
80 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/04(木) 13:00:40.07 ID:X4MZ5L2WO
花屋「殺っちゃた……私、人を、殺して……」トボトボ
花屋(ハコビンなら……ハコビンなら匿ってくれる)
花屋「いや、捕まりたくないもの…ハコビン、助けて、助けて」トボトボ
花屋「牛舎……明かりが着いてる」
花屋「ハコビン……いるの? お願いがあ」
牛乳運び「……」ハァハァ
牛乳父「」
花屋「は、ハコビン」
牛乳運び「はぁはぁ……見た?」E.包丁
花屋「何で、何で、自分の父親を……ハコビン、何で」
牛乳運び「だって、店長さんが邪魔だって……お父ちゃんがいなくなったら一緒になってくれるって」
花屋「」
牛乳運び「だからさ、見ちゃったさ……花ちゃんも邪魔だなぁ」
花屋「嘘よ……こんなの嘘よ……死にたくない、止めて止めて止めて!」
牛乳運び「これで、店長さんと一緒に一緒にいられる……あはははははははははははは!!」グサッ
81 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/05(金) 12:08:58.66 ID:jfFfND1+O
漁師B「あった! あれだ! 逃げ切れる!」
漁師A「あいつ、男の船を盗みやがった! 戻ってこい! ……くそ、漁港まで船を取りに行ってたら間に合わねぇか」
ギギギギギギ
漁師A「何の音だ?」
ギギギギギギ
漁師A「男の小舟から伸びてる鎖が、貿易港の建物の柱に食い込んでやがる……おい! 漁師B止まれ! これ以上進んだら!!」アセアセ
バキッ バタンバタンバタンバタンバタンバタンバタン!!
漁師B「へ? ど、どうして貿易港が倒壊して…なんで」
ガサガサ
漁師B「ひっ! ……何だこの鞄?」
「……」ヒョコ
漁師B「店員がなんで鞄の中から!?」
女暗殺者「……」ニッコリ
82 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/05(金) 12:16:07.38 ID:jfFfND1+O
貿易商「な、何だ今の音は!?」
漁師C「大変だ! 貿易港の建物がドミノみたいに倒れやがった!!」
貿易商「なっ、何だと……」サー
漁港主「何でそんなことに」
漁師C「漁師Aと漁師Bが喧嘩したみたいでよ…クソッ、馬鹿野郎どもが」
漁港主「二人は?」
漁師C「漁師Aはうちの若いのに捕まえさせたが……漁師Bは海の上で浮いてたって…とりあえず、皆来てくれ!!」
ザワザワ ナンダッテンダ ザワザワ 漁師Aメフザケヤガッテ
男「……お代は後でかまわない」
貿易商「あぁ、貿易港の様子をみてくるよ」ヨロヨロ
83 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/05(金) 12:56:15.68 ID:jfFfND1+O
初老「……おや、宴会は?」
男「貿易港で何かあったみたいでな」
初老「……建物がドミノみたいに倒れていたね」
男「……」
初老「店長君……私がやったことは些細な事なのだよ」
男「……」
初老「漁師嫁を唆して、漁師Bと浮気をさせて……その現場に漁師Aを遭遇させる。 その程度の悪戯さ」
男「……」
初老「私の想定では漁師Aが漁師Bを殺して終わる筈だったが……どうして、事態がここまで大きくなったのだろうね」
男「……」
初老「君は何をしたんだい?」カチャ
男「それは?」
初老「銃さ……鉛を撃ち出して君の頭蓋骨ぐらいなら簡単に砕ける大人の玩具さ」
男「そうか」トンッ
初老「それは?」
男「ウィスキーだ。 男達の喧騒と女の嘆きが聞こえる夜に良く合う大人の飲み物だ」
初老「……いただこう」
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/06(土) 21:16:18.59 ID:N0J++wDNo
今きた
続きがすごく気になる
85 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 02:30:35.18 ID:R5MvulLiO
初老「……確かに合うね、この惨状が酒のツマミになるとは不勉強だった」
男「惨状?」
初老「ふふ、私も君もここで出来る悪事はやり尽くしただろう。 今晩中にこの町を一緒に出ないか?……脚は用意してある」
男「すまない、俺は明日の朝までこの町にいなくてはならない」
初老「何故だ? 君が仕組んだ事がバレたらただじゃすまない……そうだろ?」
男「せっかく仕組んだんだ、最期まで見届けないとな」
初老「何ヵ月もかけて、漁をそっちのけで作った貿易港が一晩で全壊し、外は乱闘騒ぎだ……死人まで出ている」
男「そうだな」
初老「これより先の悲劇があると」
男「悲劇?」
初老「解った……私も明日の朝までこの町にいよう。 今日は失礼するよ」チャリン
男「おやすみ、初老」
ガチャッ
女暗殺者「……」
男「おかえり……なぁ、独り言を聞いてくれないか?」
女暗殺者「……」コクン
男「初老が惨状やら、悲劇やらって言ってたんたが」
女暗殺者「……」
男「今日は何か悪いことがあったのかな?」ウーン
86 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 02:45:48.62 ID:R5MvulLiO
貿易商「…………」ボロボロ
漁港主「朝か」
貿易商「最悪の朝だ……最悪の朝だ! これだから、この町の漁師なんて! 漁師なんて!」バシッバシッ
漁師A「」
漁港主「死体を蹴るな……酷い騒ぎだったな。 まだ、事の全体像が掴めん」
貿易商「あぁ」ガクッ
漁港主「死者は牛乳父に花屋、漁師A、漁師B、漁師嫁……後、倒壊した時に貿易港には誰かいたのか?」
貿易商「若い衆が何人もいた……建物の下は死体だらけだろう」
漁港主「……酷い有り様だな」
貿易商「全財産を注ぎ込んで作った貿易港が……私も首をくくるしかないか」
漁港主「今日、最初の船が来るんだったな」
貿易商「あぁ、貿易港が無いなら引き返してもらうしか……うぅ、無駄になった航海費の請求が」ガクガク
漁港主「……漁港の一画を使ってくれ」
貿易商「良いのか?」
漁港主「私が漁師達を御しきれなかったのが責任だ……最悪の状況だが、これ以上悪くなることも無い」
貿易商「これ以上悪くなることも無いか……良しやってやる! まずは最初の船と良い取引をして少しでも儲けを出そう!」
漁港主「あぁ、私も最後まで手伝う。 2人でこの港町を建て直そう」
貿易商「と、そんな話をしていたら我々の希望の船が見えてきたな」
漁港主「あぁ、大きな船だ。 大砲まで積んである」
貿易商「!?」
漁港主「なぁ、貿易商……貿易船とは帆にドクロのマークを描いているものなのか?」タラリ
貿易商「か、かか、海賊船……だと」
87 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 14:54:32.64 ID:R5MvulLiO
初老「」アゼン
男「……女暗殺者、ケチャップで口が汚れた」
女暗殺者「……」フキフキ
初老「な、何だこれ?」
男「新しいモーニングセットだ。 レタスとベーコン、チーズにケチャップで味付けしたサンドイッチだが……美味しくなかったか?」
初老「そんなことは聞いていない! 何故、町が海賊に襲われている!? これも君がしたことなのかい?」
男「貿易港を開こうとして商品をため込んだ港町。 それが一晩で倒壊し、町を守る海の男たちもいない」
初老「彼等にとっては狙い目ではある……あるが……」
運び屋「初老の旦那、お迎えに……ひっ! 店長さん!?」
男「運び屋の男に処理させていたのは初老か……儲け話、納得した」
初老「そういう君は運び屋を使って港町が昨晩こうなることを海賊に伝えていたんだね……人でなしが」
男「人でなし? ん? 俺は人では無いのか?」ブツブツ
女暗殺者「……」つ丸薬
男「……ん、すまない。 正気に戻った」
初老(正気に戻った? 私には狂っている男を更に狂わせて正気に見せているように見えるがね)
初老「私は別の町に行こうと思うのだが、君も宛がないならついてくるかい?」
男「あぁ、助かる」
初老「それではいこうか」
男「その前に」ンンン
初老(咳払い?)
88 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 14:57:33.05 ID:R5MvulLiO
男「町が海賊に襲われて、生き残ったのはほぼ俺一人になった」キリッ
初老「タイトルコール!?」
女暗殺者「始まるよ♪」キュピーン
初老「可愛いな!?」
運び屋(何で、3人ともこんな惨劇を目の前にしてふざけてられるんだ)ガタガタ
89 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 19:33:14.44 ID:R5MvulLiO
男「女暗殺者……掃除は終わったか?」
女暗殺者「……」コクン
男「お皿は棚にしまったな?」
女暗殺者「……」コクン
男「ほっぺに美味しそうなソースがついてるが……摘まみ食いも終わったのか?」フフフ
女暗殺者「///」コクン
男「顔を洗っておいで」
カランカランカラン
初老「やぁ、男君」
男「久しぶりだな、初老」
初老「新しい店は順調かい?」
男「良い物件を紹介してもらったお陰でね」
初老「そうか、そうか……角驢馬ブレンドというのは?」
男「月替わりのオススメブレンドだ。 今月は武国の湖近くで取れた豆を主体として使っている」
初老「武国の前は酸っぱいからねぇ……」
男「フルーティーとも言えるが。 濃厚な甘味と一緒に味わうと化ける」
初老「例えば?」
男「お勧めはスィートポテトか……武国のあんこを使った饅頭もある」
初老「スィートポテトか饅頭か……では、武国の戦勝祝いに饅頭としよう」
男「解った」
90 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 19:47:23.21 ID:R5MvulLiO
初老「帝国の革命軍長の公開処刑は酷い有り様だったようだね」
男「公開処刑……記事を読んだが、あれは公開拷問だろ」
初老「四股を馬に引っ張らせてもぎ取り、簡単には死なないように工夫した長さの縄で宙ぶらりんか……良い香りだ」
男「待たせたな。 饅頭もすぐに出す」つ饅頭
初老「……おぉ、フルーティーだ。 嫌な酸味が無い!」
男「淹れた後に表面の泡を取れば、油っぽい酸味が減る……わざとその雑味を楽しむのも良いが」つ饅頭
初老「なるほど、この食べ合わせは良いね……武国の菓子も侮れない」
男「……」
初老「……ところで、感想は無いのかな? 君の母国が滅びたことにさ」
男「特には何も感じなかった。 初老は何か感想があるのか?」
初老「そうだね、残念に思う」
男「というと?」
初老「私が破滅させられる国が1つ減った」
男「玩具を無くした子供のようだ」
初老「童心を忘れない……若作りの秘訣さ」
91 :
◆Q6fo44/dLk
[sage]:2019/04/07(日) 19:54:57.62 ID:R5MvulLiO
誤字だらけですみません。
武国の前→武国の豆
【最初の】つ饅頭→珈琲
です。
書き溜めなく、その場その場で思い付いた事を書いているので場面が急に変わったり誤字が今後も多くなると思います。
どんな形であろうと、物語が終わるまでは書く事だけは約束いたしますので、気に入っていただけた方はお付き合いいただければ幸いです。
92 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 20:01:53.31 ID:R5MvulLiO
男「初老は国を滅ぼしたいのか?」
初老「私の思惑通りに人々が破滅するところが見たい……と言った方が正確かな」
男「港町では悪いことをした」
初老「いや、あれはあれで楽しかったよ……寝取られたような感覚でもあるが」クス
男「……」
初老「最近は何かしてないのかい?」
男「店の方が忙しいからな……退屈はしていない」
初老「ならば、愉快なのかな?」
男「……さてね」
初老「明後日の夜、此処を貸し切らせてもらっても良いかな?」
男「かまわないが……何をするんだ?」
初老「いや、ちょっとした会合だよ」
93 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 20:13:20.42 ID:R5MvulLiO
作家「店主殿、ウィスキーをいただけるかね?」
男「あぁ」つウィスキー
作家「ありがとう」
娼婦「初老先生ったらまだ来ないのかしら」
大男「呼び出した本人が一番おそいってのは気に入らねぇな」
作家「これも演出なのでしょうな! 黒幕はデザートが出された後に登場するぐらいで丁度良い……と言ったところですかな」
大男「わけが解らねぇ……おい! 店主、何でも良いから肉寄越せ! 肉!!」バンッ
男「……焼き加減は?」
大男「生で良い」ガルルル
娼婦「野性的ね……良いわ」ウットリ
薬師「そうか? 僕は乱暴な男は好かないな」
大男「俺もお前みたいなチンチクリンな女なんか好みじゃねぇよ!」
薬師「それは何より」
大男「女だから殴られねぇとか思うなよ?」グググ
男「……黒幕は食後の珈琲に入れる角砂糖のようなモノか」フッ
大男「あん?」
初老「皆、待たせたね……それでは、会合を始めようか」
94 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 20:34:56.28 ID:R5MvulLiO
初老「悪党諸君、忙しくあるべき夜の時間を奪って 申し訳無いが今宵は人に害することを娯楽とするもの同士、親睦を深めていってほしい」
パチパチパチパチ
初老「後何人か声をかけているんだがね……本日はこれだけのようだ」
作家「それは残念! 無念! また来週のお楽しみといたしまして……自己紹介などいかがですかな? 私、皆様方がどれ程の人間のクズ……悪党なのか気になりますゆえ」
大男「あん? 誰がクズだ!」バンッ
作家「い、いやだなぁ……褒めているというのに」
初老「私の口から一人一人紹介しようか……まずは作家君からだね」
初老「作家……悲劇を喜劇的に喜劇を悲劇的に書く奇才の小説家。 リアリティーのある人の破滅の過程を描く、自殺観測人……いや、自殺の火付け人かな」フフッ
作家「たまたま、私が取材した方々が何名か自殺しただけだというのに……酷いですな」ハッハッハッ
大男「まどろっこしいヤツだ」
初老「君からしたらそうだろうね」
初老「大男……殴り殺し、原初の殺人鬼と恐れられる男。 素手で人を殺める事に快楽を感じる殺人衝動、キリングハイの持ち主」
大男「人と殴り殺すのとセックスは変わらねぇからな」ニタァ
薬師「変態だぁ……」
大男「あん? 殴り犯すぞ」ギロッ
薬師「ひっ」
娼婦「殴られるのは嫌だけど、犯すだけなら相手になるわよ?」
初老「娼婦、殺しに快楽をおぼえるのではなく、快楽で殺す夜の蝶。 腹上死から、痴情のもつれまでお手のモノの希代の悪女」
娼婦「先生、そんな言い方酷いわね。 私は快楽を説いてるだけだというのに」ヨヨヨ
95 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 20:48:59.30 ID:V5+UMle4O
初老「さて、最後は薬師だね。 私と一番思想が近いわけだが」
薬師「そうですね」
初老「薬師……自身の調合した薬が人体にどのような影響を与えるか、その研究にしか興味の無い女。 彼女を説明するなら、この前の連続変死事件が解りやすいかな」
作家「ほう……人体が急に内側からは爆ぜたというあの」
薬師「あぁ、あれは僕の作品さ」ドヤッ
作家「それは是非!是非!是非! 目の前で見てみたい! 描写したい……そうですな、集団自殺しようとする方々に渡したいですな!!」
大男「それの何がおもしれぇんだよ」
男「一人目の凄惨な死を見ても、同じ薬で自殺をしようとするか否か……なるほど」
作家「えぇ、まさしく……閉じ込めて、最後の1人には自殺を止める選択肢を提示すれば」
男「薬の飲ませ合い……殺し合いに発展すると、良く思い付くな」
作家「店主殿も中々の理解力で……私達、趣味が合いそうですな」ガシッ
男「あぁ」ガシッ
96 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 21:03:38.28 ID:V5+UMle4O
大男「最後の一人……あいつは?」
男「……」
初老「彼は会合の場を提供してくれているだけだからね……どうだい、君も参加するかい?」
男「残念ながら、人を殺した事など無くてね。 見ているだけで十分だ」
大男「つまらねぇヤツ」
初老(人を人として認識してないんだよね……積極的に参加はしてくれないか)ザンネン
初老「それでは、紹介はほどほどに……後はお酒でも飲みながら悪事を自慢し合うもよし、提案し合うもよし……仲良く楽しんでいってくれたまえ」
作家「薬師殿! 薬師殿! 先程の薬の話なのですが!!」キラキラ
薬師「提供するのはかまわないが、無料ではな」
男「作家は何人か死にたがっている人を知っているのだろ? それを試験体として薬師に紹介するのはどうだ?」
薬師「それは良いね。 試してみたい薬があるんだ」チビチビ
作家「ふむん、悪くありませんな。 私もその観測にお付き合いしても?」
薬師「ククク、かまわないよ……君も来るかい?」
男「店が暇ならな」つ水
薬師(ぼ、僕が酒が苦手なのに気付いてくれたのか)ドキッ
初老(作家と薬師を彼に会わせたのは正解だったか)
娼婦「ふふふ、私が男性を誘い出して、貴方が因縁をつけて殺すというのはいかが?」
大男「まどろっこしいが」
娼婦「あら、全裸で土下座する相手を踏み殺す……中々の悦だと思うのだけど」サワサワ
大男「……へぇ、それは確かに気持ち良さそうだ」
初老(あの二人も予想通りだね……さて、どれだけの事が起こるか楽しみだ)
97 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 22:14:27.02 ID:V5+UMle4O
男「この水晶で小屋の様子を見ることが出来る」
作家「おぉ! 中々レアなアイテムですな! 何処で?」
男「帝国にいる時分にとある貴族から頂戴した」
作家「ほほぅ、その話も気になりますが」
薬師「今は小屋の中の様子だね」
作家「外から鍵をかけられた小屋の中に男女が7名。 全員自殺願望がある。 死体の処理を条件に此方の指示に従って自殺して貰えるようにしましたぞ」
男「順番に薬を飲んで自殺か……例の内側から爆ぜる薬か?」
薬師「あぁ、ちゃんと用意したよ」クククッ
作家「それは、楽しみですな……おっ、一人目が薬を飲みました」
バクハツシタ ナンダコノクスリハ コンナシニカタナンテ
作家「おぉ! おぉ! 良い! 良いぞ! 臓物まで木端微塵になり、他の参加者は肉片まみれ……願望を目の前で見て再燃する生への渇望! しかし、小屋から出られるのは一人だけという絶望! 良いですぞ!!」カキカキ
男「……彼等はどうやって集めた?」
作家「自殺したい者の情報は常に集めておりましたが、少なかったので何人かは私の文書を読ませました」
薬師「読ませた?」
作家「えぇ、私の取るに足らない特技なのですが、死にたくなる文を綴るのが得意でして」フフン
薬師「それは凄いな」ゾクッ
男「なるほど、作り物の自殺願望と本物の自殺願望の違いか……一人、薬を手に取ったぞ」
薬師「あぁ、あの薬は」
作家「どうかなさいました?」
薬師「クククッ、爆ぜる薬以外にも新作を混ぜておいたのさ」
作家「ほほう! それは楽しみですな!!」
98 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 22:23:13.98 ID:V5+UMle4O
「わ、私は死にに来たんだ……あんな死に方でもかまわない」ゴクン
「あっ、あぁ…うがぁあああああ!!」メキメキゴリゴリメキメキ
ナンダ! エグイ! カラダガデカクナッテ… ヒィ!
怪物「ワタシハ……シネテ、ナイ……」ヨロヨロ
参加者A「此方にくるな」ブンブン
怪物「ナイフ、ササレバ、シネル……」ヨロヨロ
参加者A「く、来るなって」ダッ
怪物「ニゲルナ、コロシテ……コロシテクレ」ツカミ
参加者A「止めろ……離せ! 離せ!……あぁぁあああ!!」ボキボキボキ
怪物「アレ……シンダ?」ポイッ
参加者A「」ドサッ
キャーー ヤダヨ、カエリタイ イキタイ、シニタクナイ
怪物「マテ、 ニゲルナ、ワタシヲコロセ……ワタシヲコロセヨォオオオ!!」ダッ
99 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 22:30:27.29 ID:V5+UMle4O
作家「何と! 何と! な・ん・と!! 飲んだものを異形に変える薬! 死にたい者を逆に死ににくい姿に変えて、生きたいと思い返したモノ達が虐殺されていく……あぁ、何と尊い、何と素晴らしい光景なのでしょう! 私、筆が止まりませんぞ!!」カキカキ
薬師「言語能力は残っているな。 怪物に成り立てだから、人の名残があるだけか? ククク、もう少し観測が必要だね」
作家「おぉ! 最後の一人が殺されました! 残されたのは怪物一人! 否、一匹!! ……ところで、薬師殿」
薬師「なんだい?」
作家「あの怪物は殺せるのですかな?」
薬師「ククク、銃でも貫けない皮膚、毒を打ち消す代謝を持たせたからね……簡単には死なないさ」
作家「それって……我々も危ないのでは?」
薬師「…………………ごめん、考えてなかった」タラリ
作家「薬師殿!?」
薬師「に、逃げようか……って、男がいないぞ」
作家「薬師殿、水晶を!男殿が小屋の中に!?」
100 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 22:38:23.33 ID:V5+UMle4O
怪物「…ミンナ、シンダ……ワタシハ、ナカマハズレ」
男「随分と暴れたみたいだな」
怪物「オマエラノセイデ……シネルトイッタノニ……ダマシタ! ダマシタナ!!」グググッ
男「君は人か?」
怪物「……ドウイウイミダ?」ピタッ
男「君は人か?」
怪物「ヒト……ダッタガ……ヒトデハナイ」
男「見た目は随分と変わったな」
怪物「オマエラノセイダロ!!」バンッ
男「中身はどうだ? 君は生き残ったのだから、死か生か選べるわけだが」トポトポ
怪物「シニタイニキマッテ……ドウシテ、ワインヲグラス二!?」
男「いや、真っ赤な小屋の中を見てたら飲みたくなってな」ゴクッ
怪物「ナンダ! オマエハ……オマエハ!!」グググッ
男「どうして、死にたい?」
怪物「……」ピタッ
男「床に落ちていたんだが……これはお前のか?」つ絵
怪物「アァ」
101 :
◆Q6fo44/dLk
[saga]:2019/04/07(日) 22:47:43.87 ID:V5+UMle4O
男「パパへ……か。 娘が似顔絵を描いてくれたのか? 昔の君には似ていたのだろうな」
怪物「ダマレ」
男「死のうとしていた男がどうしてこんな絵を持ってきた」
怪物「ダマレ!」
男「死のうとしているのと、娘に何の関係がある?」
怪物「アァァアァアアァア!!」
男「……犯されて、殺されたか?」
怪物「ダマレ! ダマレ! ダマレ!!」
男「非力な父親では守ってやれなかったか」
怪物「ダマレェエエエエエェェエエエ!」
男「ならば、今ならばどうだ?」
怪物「…………ナニ?」
男「その姿ならば泣き寝入りする必要も無いんじゃないか?」
怪物「コロセル……アイツラヲ……アイツラヲ…ミナゴロシ……アァ、アァ!!」
男「さて、君は死か生か選べるわけだが……どうする?」つワイン
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