男「村が山賊に襲われて……」

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

143 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/04/30(火) 10:22:20.04 ID:aBO7vFr/O
道化派A「」
道化派B「」
道化派C「」

聖騎士「……ふぅ、まさか禁術使いが格闘戦を仕掛けてくるとは」

不良神父「いや、違うだろ……誘き出されて襲われたようにしか見えねぇよ」スパー

聖騎士「なんと!?」

不良神父「まぁ、恨みを買いやすい立場だ。 仕方ねぇが……心当たりは?」

聖騎士「うーむ、思い当たりませんな」

不良神父(コイツらは明らかに捨て駒にされた。 異教徒の連中か? それにしては戦闘スタイル、流派がバラバラだった……相手さんはどういう組織形態してんだ?)スパー

聖騎士「不良神父殿?」

不良神父「……聖騎士、少しの間休め」

聖騎士「し、しかし、私には女神の子らを守る使命が」

不良神父「お前さんが今動くのは迷惑だ」

聖騎士「……私は貴方を恩師と……それ以上に父と思っています。……私の為に無茶をしてほしくない」

不良神父「馬鹿野郎」ポコッ

聖騎士「?」

不良神父「俺がお前の事を息子だと思ってるから、無茶するしかねぇんだよ」ニヒヒ
144 : ◆Q6fo44/dLk [sage]:2019/05/02(木) 13:40:12.11 ID:nEEZO4d3O
旅行中につき、更新出来ません。
4日からまた続きを書こうと思います。
145 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/04(土) 21:38:08.89 ID:iiI4jV89O
不良神父(聖騎士には、孤児院の奉仕へ身分を隠して向かわせたが……相手さんが解らねぇな)スパー

不良神父(調べたところ、聖騎士を襲った奴等は裏社会で用心棒やら殺しの仕事をしている奴等みたいだが……金で雇われる奴等が捨て駒を引き受けるか?)

不良神父(自分の腕を試したかった? 名を上げたかった? それなら、複数人で仕掛けてきた事に違和感がある)

不良神父「上手く扱われただけ……それがしっくりくるがよぉ」

不良神父(あれだけの人数を自分の都合で操ったとなると……厄介なヤツに目をつけられたもんで)

「不良神父さん! 不良神父さんはいらっしゃいますか!?」ドタバタ

不良神父「へいへい、いますよ。 何だい……嫌な顔色しやがって」

「そ、それが聖騎士様が向かわれた孤児院で事件が!?」

不良神父「……すぐに向かう」

不良神父(身分を隠して行動させてたってのに……もう見つかったのか)タラッ
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/05(日) 13:27:49.68 ID:fa2tGs6uO
楽しみにしてる
147 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/07(火) 13:10:38.69 ID:qz/xjiurO
不良神父「……よう、何があった?」

聖騎士「私宛に手紙が届きまして……」

不良神父「おう」

聖騎士「女の子が私に届けるように受け取ったんですが……」

聖騎士「その子が、その子が私に渡す前に中身を見たら……文書を読んだだけなのに……」ポロポロ

不良神父「その女の子はどうなったんで?」

孤児院長「それが、自ら包丁で喉を突き刺してしまい」

不良神父「自殺ね。 ……手紙は?」

孤児院長「此方に……中身は見ていません。 不気味だったので」つ手紙

不良神父「そうかい」ペラッ

聖騎士「ふ、不良神父殿!?」

不良神父「………………聖騎士、思いっきり俺を殴れ」

聖騎士「はい!」バコンッ

不良神父「っ!」

孤児院長「な、何をなさっているのですか?」

不良神父「悪いね……こうでもしないと正気に戻れねぇと思ってよ」

聖騎士「不良神父殿……手紙には何と?」

不良神父「一作の童話が書かれていた……それだけだったが、確かに俺も死にたくなった」ウエッ

孤児院長「だ、大丈夫ですか?」

不良神父「吐いてくる。 おい、聖騎士。 俺が死なねぇように見張ってくれ」ゲッソリ

聖騎士「はい」
148 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/07(火) 13:21:48.75 ID:qz/xjiurO
不良神父「…………」パチクリ

孤児院長「目が覚められましたが?」

不良神父(口に布の塊が押し込まれている……舌噛んで死なねぇようにか。 手も椅子の背に固定されているな……記憶が定かじゃねぇ)

孤児院長「どうやら、正気に戻られたようですね」カチャカチャ

不良神父「悪いね、孤児院長さんよ。 俺なんざ拘束しても楽しくなかっただろうによ」

孤児院長「フフフ、人を拘束して悦に浸る趣味はございませんので。 ……何か食べられますか?」

不良神父「スープか何かねぇかな。 固形は食べられそうに無い」

孤児院長「ええ、持ってこさせましょう」

不良神父「……孤児院の奉仕の募集。 ここの孤児院では今まで出していなかった」

孤児院長「手伝ってくれていた青年が急に里帰りすることになりましてね」

不良神父「若い男手が必要になったと?」

孤児院長「まさか、聖騎士様が来てくださるとは思いませんでした。 ……身分を隠されていたのは先の手紙と関係あるのですか?」

不良神父「あぁ、何者かに狙われている」

孤児院長「なら、子供達の為にも彼に此処に居て貰うわけにはいけませんね」

不良神父「………疑って悪かった」

孤児院長「お互い父性を捨てられない仕事をしている……それだけのことです」

不良神父「違いねぇ……青年の故郷を教えてくれねぇか」

孤児院長「えぇ、喜んで」
149 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/07(火) 15:27:50.63 ID:p1g5DXDDO
不良神父「忙しそうだね、どうも」

青年「ははは、お陰様で……まさか、田舎の宿屋がここまで繁盛するとは思いませんでした」

不良神父「親御さんだけでは手が回らないからって、里帰りしてまで手伝うとは親孝行なもんで」

青年「それだけじゃ無いんですけどね」

不良神父「というと?」

青年「孤児院で孤児の子供達と直接関わるというのだけが、彼等の救い方では無いんじゃないかなって」

不良神父「……」

青年「宿屋で儲けたお金を寄付したり、孤児院出身者を雇ったりそういう関わり方も出来るんじゃないかな……なんて」

不良神父「そうかい……親孝行だね」

青年「えぇ、両親ともに喜んでくれてます」

不良神父「ちげぇよ。 きっと、孤児院長も鼻が高いって話さ」フッ

青年「えぇ、彼は確かに私の第2の父ですね」ニコッ
150 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/08(水) 10:19:37.02 ID:FqBEnfv0O
不良神父(青年の両親が営む宿屋の近くに大型の商業施設ができ、客足が増えた)スパー

不良神父(その結果、宿屋の人手が足りなくなって青年は里帰り。 青年が孤児院での奉仕を続けられなくなり、孤児院長は代わりを募集した)

不良神父「商業施設の出資者に聖騎士を狙わせたヤツがいる?………いや、遠回り過ぎるだろ」ボソボソ

不良神父(だが、大掛かりだとは言えねぇな)スパー

不良神父「主な出資者は投資家、守銭奴、小太商人、大太商人……か」

不良神父(聖騎士には教会と関わるなって言っておいたがよ……一応、狂信者を向かわせたが大丈夫かねぇ)

不良神父「長引かせるわけにはいかねぇな……さっさと、相手さんに辿り着かねぇと」
151 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/09(木) 18:02:42.20 ID:rnIZGi4IO
聖騎士「………村?」

聖騎士(どうしたものかとひたすら歩き続けてしまった……ここはどこだ?)キョロキョロ

キャッキャッ ワイワイ ガヤガヤ

聖騎士「ふふ、子供達が楽しそうに遊んでいる……良い村だな」

「おにいちゃん、おにいちゃん」グイグイ

聖騎士「はい、どうされました?」

「あのね、今日ね、教会でね、お歌の発表会があるんだよ」

聖騎士「なるほど、だから皆楽しそうなのですね」

「一生懸命、練習したから聞きに来てほしいな」

聖騎士(不良神父殿には聖教と関わりのある場には行くなと言われたが…………流石にこんな田舎の村なら大丈夫だろう)

聖騎士「ええ、是非拝聴させていただきます」ニコッ
152 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/11(土) 18:21:49.38 ID:E9RIVIemO
聖騎士(ふふ、子供達が緊張した顔で並んでいるな)

「一生懸命、練習しました! 聞いてください!」

「「「「聞いてください!」」」」

パチパチパチパチ

聖騎士(暖かな拍手、一生懸命な子供達、優しく笑う大人たち……本当に良い村だ)

作家「えぇ、ですので……今から起こることは貴方のせいなのですよ」ボソッ

聖騎士「!?」バッ

「あら、イケメン……私に何か用かしら」テレテレ

聖騎士「い、いえ失礼……何でもありませんよ、御婦人」

聖騎士(今、男の声で………)
153 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/11(土) 18:33:25.35 ID:E9RIVIemO
聖騎士(気のせいか?)

「ある日〜♪」

「「「ある日〜♪」」」

「森の中〜♪」

「「「森の中〜♪」」」

聖騎士(聖歌ではないのか)ホウ

「熊さんに〜♪ ■■■♪」

聖騎士(今、何て言った?)

「「「■■さんに〜♪ ■ら■♪」」」

聖騎士(何だ、この物語は……ただの童謡のはずなのに)タラリ

「ハハハ、良い歌だ!」
「うちの子が一番上手いわ」
「はぁ!? うちの子がいちばんよ!!」ナグリ

聖騎士「ここは何処だ……私は何をして……」

「■咲く森の■〜♪ 熊さんに出会■た〜♪」

『一作の童話が書かれていた……それだけだったが、確かに俺も死にたくなった』

「「ラララララーラーラーラーラー♪」」

「ララララ■ー■ー■ー♪」

「死ね! この村の人間なんて皆死ねば良い!!」グサグサ
「うちの子が死んだ! 歌いながら、首をかきむしって……ハハハハハハハハハハハハ! 朝食の準備をしなくてすむわ」
「葬儀の準備をしなくては……教会が儲かる、儲かる」
154 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/15(水) 10:11:29.93 ID:2Cx4c+HpO
聖騎士「……」ハァハァ

「」
「」
「」
「」「」「」「」

聖騎士「皆、死んだ……自殺した……」

聖騎士『止めろ! 歌うな!』

聖騎士「私のせいじゃない……私は悪くない……」ボソボソ

聖騎士『歌うなと言っているだろう!』ザンッ

聖騎士「私のせいでは……」

『えぇ、ですので……今から起こることは貴方のせいなのですよ』

聖騎士「私が殺した……私のせいで……私がぁ……」ガクンッ

狂信者「……」

聖騎士「狂信者殿……助けて、ください」ゲッソリ

狂信者「否である」
155 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/15(水) 10:29:52.08 ID:2Cx4c+HpO
狂信者「母なる女神すら救わない貴殿をどうして我が救おうか」

聖騎士「……」

狂信者「これは女神が貴殿に与えし苦悩、与えし試練である。ならばどうして、我がその愛を奪う? 否、奪うことなど赦されるわけが無く、汝はその愛から逃れず受け入れなければならない。恵みを受け入れ、苦悩を災悪のみを拒むなど、身勝手な行いを誰が信仰などと嘯こうか……故に、故にである」

狂信者「主の前に例外無し」ジャキン

聖騎士「!?」

狂信者「その弱さは罪である。 母なる女神への不孝であり、看過される罪状で無し。 ならば、我が裁とう、断とう、絶とう……抗い愛への返礼とするか、裁かれその罪への懺悔とするか選べ」

聖騎士「は、ははは……貴方という人はこんな時にも変わらないな」

狂信者「……であれば、如何にする」

聖騎士「我は聖騎士、女神の子らを守護すべき任を任されし一太刀の刃である……が同時に自身も女神の子の一人に他ならないと再確認いたしました」

狂信者「ふむ」

聖騎士「えぇ、解りましたとも……私はその愛へ返礼し、健やかなる子であると示しましょう」

狂信者「ならば、裁つことは無し……」バッ

聖騎士「狂兄さん……もしかして、凄く心配してくれてました?」

狂信者「………むぅ」///

聖騎士「ありがとうございます」
156 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/21(火) 09:06:50.32 ID:iNcc596PO
守銭奴「聖騎士が死んだ?」

殺し屋「あぁ、暫く狂信者と話した後、狂信者の手によって殺された」

守銭奴「おいおい、狂信者っていやぁ聖騎士と同じ教会で育った義兄弟って話じゃねぇか? そんな狂信者が聖騎士を殺すかぁ?」

作家「ふむん、しかし狂信者と言えば聖書の一説を読み間違えただけで上級神官の首をはねた事があるとか……あり得ない話では無いのでは?」

殺し屋「首は回収できなかった……すまん」

守銭奴「命を差し出させるだけの報酬は用意してねぇさ……へぇ、ここまでか」

作家「よろしいので? 狂信者と聖騎士が一人芝居売ったとも考えられますが」

守銭奴「……不良神父ってヤツが俺に話を聞きに来た」

殺し屋「!?」
作家「ほうほう」

守銭奴「あれだけ存在が勘ぐられないように気を付けたのによぉ、尻尾を掴まれかけたんだ」

殺し屋「当たり前だが、聖騎士達と真っ正面からやり合うというなら俺は降りさせてもらう」

守銭奴「割りに合わねぇ事はしないさ……さて、聖騎士の次に善人らしいヤツを探すとするか」
157 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/21(火) 09:17:41.92 ID:iNcc596PO
娼婦「あら、聖騎士が死んだの?」マジマジ

洋裁師「えぇ、狂信者に殺されたらしく」

娼婦「ふーん」ポイッ

洋裁師(興味無さすぎでしょう)

娼婦「よし、これにしようかしら」つ生首

洋裁師「えーっと、自然保護委員会の会長でしたっけ?」

娼婦「善人と呼ぶには相応しいでしょ?」

洋裁師「……大男に暇を与えてる状況で、どうやって殺してきたので?」

娼婦「嫌ね。 私は殺人なんて野蛮な事なんてしないわよ」

洋裁師「?」

娼婦「おねだりしたの―貴方の首をちょうだいってね」クスクス

洋裁師「」ゾクッ

娼婦「後は集会が始まるのを待ちましょうか」

洋裁師「大男は呼び戻しますか?」

娼婦「まだダメよ。 今、大男を呼び戻したら聖騎士を殺しにいってしまうかも知れないでしょ?」

洋裁師「ん? 聖騎士は既に死んでいるのでは?」

娼婦「ふふ、貴方は強さ以外は測れないのね。 可愛いわ」ナデ

洋裁師「んっ」///
158 : ◆Q6fo44/dLk [sage]:2019/05/26(日) 19:24:00.93 ID:Z6j5wcykO
仕事が忙しくて中々書けません。
すみません。

少しずつでも更新します。
159 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/26(日) 19:33:13.52 ID:c4RGHsdBO
報告乙
待ってる
160 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/27(月) 10:23:08.92 ID:9ApSbvEmO
読んでるぞー
161 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/29(水) 15:10:47.08 ID:GQcUxIpcO
不良神父「……」スパー

狂信者「……」セイザ

不良神父「聖騎士を半殺しにするって……何考えてるんだよ」ハァ

狂信者「否、七割殺しである」

不良神父「より悪いわ!」

狂信者「うむ……しかし、不良神父の治癒の腕と聖騎士の健体があれば死することは無しと判断したが故な。 こうでもしなければ、見張りの目も欺けまい」

不良神父「……たく。 で、ここは?」

狂信者「以前、滅した異教徒どもの巣よ。 まず、見つかることも無かろう」

聖騎士「……」Zzz

不良神父「聖騎士の死は報じるように伝達してある。 泥を被ってまで弟分を守りたかったとは泣かせるね」ヘヘッ

狂信者「断じて守ったわけではない。 女神も護らぬ子をどうして我が護ろうか、此の試練が愛ならば奪う権利など無し……ただ」

不良神父「ただ?」

狂信者「その愛を受け止めると決めたならば、その信仰は尊ばれるものである。 主の前に例外は無し、それ故、同じ子として為すべき事があればそれは我が試練である」

不良神父「はいはい、聖騎士が可愛くて仕方がなかったということな」スパー

狂信者「むぅ」///
162 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/05/29(水) 15:22:43.77 ID:ApD3B75GO
不良神父「聖騎士が目覚めるまで三日間……本当に大した健体だ。 ……それが幸せな事かは解らないがよ」ナデナデ

狂信者「与えられた事に感謝すべきである。 不幸とするも幸福とするも強欲よ」

不良神父「原典聖書に書かれた内容を慮ってるのはお前さんぐらいだと思うがね。 皆、女神に救いを求める……仕方ねぇことさ」

狂信者「産まれた事に感謝せねば子ではないというのにな」

不良神父「しかし、父は子に何かをしたいと思う。 母も同じだろう?」

狂信者「親などおらぬ我には解らず、我を在らわしは女神のみ」

不良神父「……」スパー

狂信者「…………が、父親代わりはおるか」プイッ

不良神父「へへっ、可愛いボウヤだよ。 ほんと」

狂信者「で、親父殿……如何する?」

不良神父「さて……どうしようかね」スパー
163 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/05(水) 10:08:50.42 ID:ktBKG3cWO
大男「……」

娼婦『大男、今回の件に貴方は関わら無いでほしいの』

大男『俺だったら聖騎士だって正面から殺せると思うがよ』

娼婦『貴方を失いたくないのよ』ウフフ

大男「……嘘つきめ」

大男(退屈だ)

男「退屈か?」

大男「……男、こんなところで何してるんだ?」

男「少し遊びにな」

大男「そうかよ」

男「退屈ならば、君もくるか?」

大男「……」
男「……」

大男「……良いぜ、お前らのお遊びに付き合ってやるよ」
164 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/07(金) 08:11:53.56 ID:5J80c05xO
男「B・B・Q」

大男「……」

薬師「B・B・Q!」

大男「…………」

女暗殺者「B・B・Q」

大男「………………」

浮浪者「B・B・Q♪」

大男「………………何だよこれ!?」

男「BBQだ。 それ以上でもそれ以下でも無い」

大男「遊びだっていってたじゃねぇか!」

男「これも遊びだ。 それ以上でもそれ以下でも無い」

大男「それとこの汚いのは誰だよ!」

男「浮浪者だ。 それ以上でもそれ以下でも無い」

大男「その言い回し止めろ!」

浮浪者「まぁまぁ、大男さん。 ほら、お肉が焼けましたよ」フフッ

大男「気安く話しかけてんじゃねぇ!」

男「大男、あまり浮浪者さんに横柄な態度を取るな」

浮浪者「ふふ、良いじゃありませんか。 大男さんのそういう若さ……私は嫌いじゃありませんよ」

男「浮浪者さんが良いなら良いが」

大男「どういう関係なんだよ」

男「拾った」キリッ
浮浪者「拾われました」キリッ

大男「……薬師、コイツらといてよく疲れねぇな」

薬師「なれたよ。 今日のBBQだって言い出しっぺの作家が参加出来ないタイミングで開かれたわけだしね」つコップ

女暗殺者「……」ゴクゴク

大男「……酒か?」

薬師「いや、皮膚が爛れて体が崩れる系のジュースだよ」

男「人、それを毒と呼ぶ」

女暗殺者「……イチゴ味♪」

薬師「べ、別に女暗殺者がイチゴが好きだからその味付けにしたわけじゃないんだからな」///

大男「……男、コイツらといてよく疲れねぇな」

男「人はそれを毒と呼ぶ? なら、毒は人じゃないのか? ん? なら、俺は人か? 毒とそれを呼ぶのが人ならばインコだって、オームだって、ネズミだって、猫だって人の可能性が……」ブツブツ

大男「……」

浮浪者「お肉、食べます?」

大男「おう、ありがとうよ」
165 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/07(金) 08:21:47.16 ID:KrVuoxpaO
薬師「ふぅ、食べた食べた」

浮浪者「どれ、皿洗いでもしてきますか」

薬師「浮浪者さんは休んでいなよ。 僕と女暗殺者でやって来るからさ」

女暗殺者「……」コクン

浮浪者「そうですか? それでは遠慮なく」フフッ

男「浮浪者さん、少し出てくる。 荷物を見ておいていただいても?」

浮浪者「えぇ、かまいませんよ」

男「……大男、ついてこい」

大男「やっとかよ」

男「……いい肉だっただろ?」テクテク

大男「ん? あぁ、うまかったよ」

男「野菜も焼けば甘味がます」テクテク

大男「そうだな」

男「キノコのニンニクとバター炒めも上手に出来た」

大男「……」

男「ニンニクの芽は焦げやすいからな、取っておくのがポイント何だ……っと、これだ」

大男「……これは」

アヒルのボート「」ジャーン

男「乗ってみたかったんだ。 大男、漕いでくれないか」

大男「……良いけどよ」
166 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/07(金) 08:27:19.15 ID:KrVuoxpaO
大男「……」

男「珈琲を淹れたことはあるか?」

大男「あん?」

男「俺は何時も紙で濾過しながら淹れる、ペーパードリップ式という淹れ方をしているんだ」

大男「そうかよ」

男「それ以外にも、粉を沈殿させて淹れる方法や、プレス式の淹れ方もある……ドリップ式より雑味が多くなるがな」

大男「雑味か……優れた淹れ方があるならそっちで皆淹れりゃあ良いのによ」

男「?」

大男「何だよ?」

男「雑味があることは劣っている事ではない」

大男「……」

男「嗜好品である以上、その雑味も楽しまれるべきだ。 ……優劣ではなく、嗜好の話だ。 それ以上でもそれ以下でも無い」

大男「その言い回し止めろよ」

男「むかつくか?」

大男「あぁ」

男「なら、殺せばいい」

大男「!?」

男「俺は抵抗しないぞ」
167 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/07(金) 08:33:56.34 ID:KrVuoxpaO
男「退屈しているんだろ? なら、殺せば良い」

男「俺がむかつくんだろ? なら、殺せば良い」

男「理解できない、気持ち悪いと思っているんだろ? なら、殺せば良い」

男「雑談に付き合いたくないと思っているんだろ? なら、殺せば良い」

大男「……」

男「人を殺すのが気持ちいいんだろ? なら、殺せば良い」

大男「上等じゃねぇか」ググッ

男「あぁ、首を絞めても、溺れさせても、殴り殺しても、君の思い通りだ」

男「俺は抵抗しない」

大男「……」

男「抵抗はしてあげない」

大男「!?」

男「娼婦との遊びはどうだった? 裸の男たちを踏み殺したり、中出しした後の男を絞め殺したり、赤ん坊を湖に沈めて遊んだり……愉快な噂は聞いたが」

大男「……退屈はしなかったよ」

男「ならば、愉快だったのか?」
168 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/07(金) 08:40:46.47 ID:UB262weiO
男「キリングハイ、殺人衝動、殺人快楽主義者、しかしながら、君は素手で殴り殺すことに拘るのは何故か」

男「殺すことに快楽を求めるならば、殺し方の種類を求めるはずだ」

男「苦い豆だけではあきるだろう? 酸味のある豆だけではあきるだろう? コクのある豆だけではあきるだろう? アッサリとした豆だけではあきるだろう?」

男「嗜好に口出しをするのは野暮だろうが……刺し殺す快楽を求めないのか? 毒を盛る悪戯心は無いのか? 杭で串刺しにされた様を鑑賞しながら食事を取るのは……悪く無いというのに」

大男「……それは」

男「素手で無いといけない理由は……武器を持ってしまうと殺し合いにならないからだろ?」

大男「!?」

男「君は殺すのが好きなんじゃない。 殺し合うのが好きなんだ。 そんな、君が何時から焼いた肉を頬張るようになったんだ。 なぁ、退屈は嗜好を錆びさせるのか」

大男「そうか、そう……だったのか」

男「大男……退屈はしてないのだろう。 ならば、愉快だったのかな?」
169 : ◆ccqXAQxUxI [saga]:2019/06/12(水) 20:32:27.30 ID:x5+cUZsdO
ザワザワザ

男「……」

娼婦「初老先生はまだお見えにならないのかしら?」

男「彼は人を待たさせるのが好きだからね」

娼婦「ふふ、良い女の条件ね」

男「良い女は男を待たせたりしないだろう」

娼婦「……貴方、恋愛観とか持ってるのね」

男「あぁ、人なのだから当たり前だろ」

娼婦「へぇ、ならその感性は薬師と店員さん、どちらの方を向いているのかしら?」

男「許嫁がいる」

娼婦「あら、故郷に?」

男「いや、この前、奴隷市で売られていたよ」

娼婦「貴方のことますます嫌いになれたわ、ありがとう」

男「どういたしまして」
170 : ◆Q6fo44/dLk [sage]:2019/06/12(水) 20:33:06.41 ID:x5+cUZsdO
上の、酉ミスりましたが本人です。
171 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/12(水) 22:56:52.20 ID:sKsBUE5Mo
大丈夫。わかるぞw
172 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/14(金) 19:09:19.61 ID:Tal3taYKO
初老「やぁ、諸君……お待たせしたね」

守銭奴「漸くお出ましかぁ……生首を持ち歩く趣味は無いもんでね」

初老「ふふ、換金は早い方が良いか……君らしいね」

娼婦「あら、換金できるのかしら? あなたが持ってるのは生首じゃなくて、生ゴミじゃなくて」

守銭奴「いうねぇ、その手の皮肉は嫌いじゃねぇよ」

初老「さて、それでは2人とも聖騎士の首を出して貰おうか」

守銭奴「!?」
娼婦「……」

守銭奴「あぁ〜……聞き間違いか? より善人と呼ぶのに相応しい人物の首を持って来たほうが勝ちって言いましたよねぇ?」

初老「あぁ、聖騎士が最も最も清き肉体と善なる魂を持ち得た男として、勲章を与えられた数日後にね」

守銭奴「そりゃあねぇよ! 娼婦! あんた等も納得いかねぇだろ!?」

娼婦「何故かしら?」
173 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/14(金) 19:20:48.45 ID:Tal3taYKO
娼婦「今回の遊びで道化師の派閥が全滅したわ」

娼婦「聖騎士にちょっかいをかけた守銭奴達の派閥も聖教会に追われてるのでしょう?」

娼婦「だというのに、私がどうして納得できないのかしら?」フフフ

守銭奴「……娼婦、最初から勝つつもりがぁ無かったんだなぁ」

娼婦「勝つつもりはあったわよ? でもね、善人狩り何てお遊びに興味は無いの」

娼婦「私が狩りたかったのは最初から、道化師と守銭奴……貴方達なのだから」

守銭奴「それでぇ、俺達がぁ自滅するように誘導しやがったのかぁ!」ワナワナ

娼婦「周りの大人のせいにしたら何時までも成長出来ないわよ、ボウヤ」

守銭奴「殺し屋ぁ! もういい! この女を殺せ!! 報酬はいくらでも払う!! 殺せぇ! 殺せぇ!!」

殺し屋「……」ジャキン


ギィ……バタン
男「いらっしゃい」

大男「……おう」ボロボロ
174 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/14(金) 19:28:05.07 ID:Tal3taYKO
男「血塗れで店に来るのは止めてくれ」

大男「良いじゃねぇか……俺とお前の仲だろ?」

男「焼き加減は?」

大男「生で良い」

男「酒は?」

大男「一番度数が高いやつを」

男「割らなくて良いな」

大男「解ってんじゃねぇか」ニッ

守銭奴「…………って、なぁんなんだぁ!! ふざけるなぁ!! そういう空気じゃねぇだろ!!」

娼婦「……なんで」ボソッ

大男「外野が騒がしいが……今日は何かあるのか?」クチャクチャ

男「何時もの会合だ……娼婦から聞いてないのか?」つ酒

大男「最近、避けられててよ……そうか、今日なのか」ゴクゴク
175 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/14(金) 19:35:34.89 ID:Tal3taYKO
男「……利き腕はどうした?」

大男「あん? 斬り落とされた」

男「腹からモツが垂れているが?」

大男「アクセサリーだ……洒落てるだろ」

男「…………それもアクセサリーか?」

大男「いや、今日の飲み代だ」ゴトッ

聖騎士生首「」

守銭奴「なぁ!?」
作家「ふふ、どうやら、本筋は彼方のようですな……守銭奴殿」

男「すまない、それは受け取れない。 守銭奴との契約がある」

守銭奴「受け取らない!! だったら俺にぃ寄越せ!!」

男「……」

守銭奴「おい! 男、聞こえてねぇのかよ!!」

作家「この会合が終わるまで、守銭奴殿とは口聞かないらしいですな」

守銭奴「」
176 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/06/14(金) 19:43:52.95 ID:Tal3taYKO
洋裁師「ならば、我々のものだ! 大男は元々こちらの派ばt」バタン

娼婦「……」つナイフ

洋裁師「何で、姐さ……ん?」

娼婦「だって、醜かったのですもの」

男「教会の十字架の上にのせたら良いんじゃないか?」

大男「棒人間みたいだな」ニヤッ

男「あぁ、面白そうだろ?」

大男「退屈はしなさそうだ」ガクッ

男「なぁ、大男……聖騎士との殺し合いはどうだった?」

大男「聞いてくれよ……殴っても、殴っても死なねぇんだよ。 剣を折っても強いしよ……先に殺されるかと思ったぜ」ピクピク

男「退屈はしなかったんだな」

大男「あぁ」

男「じゃあ、愉快だったのかな?」

大男「……そりゃあ、勿論……満足……だ」
177 : ◆Q6fo44/dLk [sage]:2019/06/21(金) 23:06:31.95 ID:pRyWbe+V0
忙しい仕事を辞めようとしてゴタゴタ。
書きたいものが多いのに書けないの辛い。

読んでる人まだいたら本当に申し訳ありません。
続きはもう少しかかります。
178 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 02:46:05.62 ID:aq6m9FGyo
焦らず書けるときに書いてください
179 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 22:22:19.67 ID:PVdHsTzEO
ゆっくり待ってる
180 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/07/15(月) 15:44:48.14 ID:VEryQIeR0
待ってます
181 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/07/19(金) 18:59:43.82 ID:IFDURyQy0
作家「フフン、手垢まみれの言葉は好みませんが……蜘蛛の子を散らすように去っていきましたな」

初老「あぁ、そうだね」

作家「目的は達成できましたかな?」

初老「見れば解るだろう? ……私が欲しかった生首だ」

作家「欲しかったのは囮でしょうに」

初老「……ふふ、君は読み手としても一流のようだね」

作家「悪党どもに聖教会へちょっかいをかけさせて、注目を分散させること……初老殿が悪事を働き易い環境を作ることが目的だなんて、誰でも解りそうなものですが」

初老「解っていたなら何で君も参加したんだい? 男みたいに傍観者に徹していれば聖教に追われる身になどならなかっただろうに」

作家「さて、どうしてでしょうね」

初老「……もう1つの目的も解っているようだね」

作家「男殿という存在を理解するため……ですかな?」

男「楽しく談笑するのは良いが、注文してくれないか? ……貸切の予約がなくなってしまってな」

初老「私達が店長のオススメ以外を注文した事があったかな?」フフ

男「上客感謝する。 初老専用のコップを用意したんだ……少し待っていてくれ」

作家「ほほう! 私専用もあるのですかな?」

男「………」ヘ?

作家「意地悪!……と言うより、その反応は普通に傷付きますな!!」
182 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/07/22(月) 19:07:03.07 ID:oz0qRV9u0
作家「それで、初老殿から見た男殿はどのような存在で?」

初老「そうだね……蝶かな」フフッ

作家「ほほう」

初老「関わりの無いように思える場所で羽ばたき嵐を起こす……ふふ、難儀な男さ」

作家「………左様でありますな」

作家(蝶は嵐を起こしてる自覚など無いのですが……)フム

初老「しかし、それなら彼の羽ばたきすらも計算すれば私への影響は防げるだろう」

作家(まぁ、初老殿【小者】ではこの程度の理解でしょうな……大男の本質も、娼婦の本性も見抜けて無いようですし)

初老「次の私のショーでは観客でいてもらうよ、男君」

男「題目ぐらいは聞いてもいいか?」

初老「あぁ、構わないよ……聖国崩しさ」

男「それは楽しみだ」つコップ
183 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/07/22(月) 19:15:48.68 ID:oz0qRV9u0
初老「 」

作家「はぁ、たまりませんな」ウットリ

男「どうした? 初老、顎が外れそうだが?」

初老「こ、これはなんだ?」

男「ジントニック、友を喪った夜に合う苦さというなの優しさがある酒だ」

初老「君は! な! はぁ!! そんなことは聞いていない!?」

男「ならば、何を驚いている?」

初老「器の方に決まっているだろ!!」ガタン

男「初老用のモノを用意したと事前に言ったが」

初老「ふざけるな!?」

男「生首を器にしたのは悪趣味すぎたか? 耳を取り、取っ手を付けたりと工夫したんだが」

初老「この顔はこの顔は……だって、だってさぁ……」

コップ【聖教祖の生首を加工したコップ】

男「どうした? もしかして、友人だったかな?」スマナイ
184 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/04(日) 02:12:15.20 ID:Wx5CpjMvO
185 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/09(金) 00:59:36.40 ID:qxnVP2n9O
おぉ来てた
186 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/08/15(木) 21:13:56.92 ID:kGYbpTs30
初老「君は何なんだ?」

男「さっき、得意気に語っていただろう?」

初老「………あぁ、そうか偽物なのだろう! 本物の聖教祖の首なわけが無い」

男「?」

初老「だって、聖教祖は昨日演説をしていた! 公衆の面前に立っている!!」

男「作家もジントニックで良いか?」

作家「えぇ、もちろん♪」

初老「知っているぞ! 薬師が他人に化ける薬を……薬を………」ウナダレ

男「ツマミは……パスタにジェノベーゼソースを絡めようか」

作家「良いですな」

初老「今の聖教祖の中身は誰だ?」

作家「初老殿が追い付かれたようですぞ?」

男「拾った浮浪者だ」

初老「連絡は取れるのかい?」

男「あぁ、好きに動かせるが……いるかな?」

初老「………………お代は?」

男「■■■■」

初老「君は……君はぁ、何だ! 悪ですらないのか!? 人であろうとしているのか!? 私が、私がしたいことを全てしておきながら……悪にすら、染まらないのかぁ……」

作家「男殿、この世には二種類の人間がいると……私は思うのですが」

男「二種類? 聞かせてくれ」

作家「カテゴライズ出来る人間とカテゴライズ出来ない人間……如何でしょう?」

男「好みの言い回しだ。 作家が自分の命を疎かにしたのは許そう」

作家「……あらま、怒ってらっしゃっていたとは恐ろしい」

男「怒ったら誰でも恐ろしいだろ?」

作家(まだ、全うな感情が残ってるのが恐ろしいのですよ)フフフッ
187 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/08/15(木) 21:18:57.93 ID:kGYbpTs30
娼婦「あら?」

男「やぁ」

娼婦「やっぱり、貴方だったのね」

男「初老さんに頼んで建ててもらった」

娼婦「そう」フフフッ

男「どうした?」

娼婦「いえ、初老先生は驚いたのじゃなくて? 貴方を悪党と思っているようだしね」

男「……俺はただの木こりだ」

娼婦「あら? 喫茶店の店長さんでしょ」

男「あぁ、そうか……そうだった、店長だ」

娼婦「さて、少し失礼して」つ花

男「花を添えていたのはやはりお前か」

娼婦「掃除していたのは貴方ね」

【大男の墓】
188 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 21:32:02.18 ID:wgn/gxwo0
やっと続き見れた・・・長かった・・・
189 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/08/31(土) 08:07:57.28 ID:TBakYqI6O
娼婦「……」

男「……」

娼婦「嗤えるでしょ? 私は彼に本気で恋をしていたのよ」

男「そうか」

娼婦「私と関わった男は皆、不幸な最期を遂げる。 開き直って悪女なんて役に甘んじていたわ」

男「そうか」

娼婦「大男なら死なないって、失うことは無いって想ってたのにね」クスッ

男「そうか」

娼婦「……」

男「俺が憎いか?」

娼婦「……貴方のお陰で彼は幸せな最期を遂げられた。 私といたら心が腐敗してたのでしょう」

男「どうだろうな」

娼婦「貴方って何処までも優しいのね」

男「」
190 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/08/31(土) 08:27:21.16 ID:TBakYqI6O
男「優しい?」

娼婦「大男の死を本気で悲しんでいるじゃない」

男「俺が優しい?」

娼婦「お墓まで建てて供養してくれたじゃない」

男「俺が優しい?」

娼婦「作家が自らの命を危険に晒したのを怒っていたのでしょう?」

男「俺が優しい?」

娼婦「この国の奴隷市は大きいわ」

男「俺が優しい?」

娼婦「そんな中からただの偶然で許嫁を見つけ出せるかしら?」

男「俺は……俺は……」

娼婦「ねぇ、ずっと気になっていたのよ」

男「俺は……何なんだ」

娼婦「いつも首にさげてる木の飾りは誰に貰ったものなのかしら」クスクス

男「」

娼婦「貴方って残虐非道なのに、悪では無いのね」
191 : ◆Q6fo44/dLk [saga]:2019/08/31(土) 08:33:40.24 ID:TBakYqI6O
『見つけてくれてありがとう』

『苦しまずに死ねる薬? 作れなくは無いが』

『私は汚されてしまったわ』

『そんな退屈なモノでどう遊ぶつもりだい?』

『お願い……私を殺して』

『自殺なんてしないよな?』

『……ふふ、駄目。 貴方には生きてほしいの』

『怒鳴らないでおくれよ、君らしくない』

『ありがとう、愛しているわ』

男「俺も……俺は……」ブツブツ

『最期に貴方に会えて幸せだった』
192 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2020/03/02(月) 21:46:49.87 ID:UIatwJh1o
待ってるよ
149.74 KB Speed:0.1   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)