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【モバマス】LiPPS「虹光の花束」
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2 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:10:16.24 ID:rDtBqjKZ0
海が好きだ。
泳ぐのが好きなわけではないのだけれど、波の音を聞きながら、海岸から揺らめく蒼を眺めていると、心に溜まった淀みがなんとなく流されていくような心地になれた。
だから、放課後はいつもこの海岸で、陽が沈む海を眺めていた。
ただ、今日はそれでも少し収まりが付かないほど、私は疲れていた。
3 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:12:57.23 ID:rDtBqjKZ0
奏「今日はなんか...いろんなこと、ありすぎたな...」
「結局高校生活も、ただの遊びなのかしら...」
今日もまた、私は、自分がなんなのかわからないまま、ごちゃまぜの感情が洗い流されるのをただただ待っていた
そんな状態だったからかしら
4 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:13:29.63 ID:rDtBqjKZ0
???「ちょっと、そこの君!」
あの人に目をつけられて、そして...
???「アイドル、やってみないか?」
新しい道、アイドルとしての道を踏み出すことになったのは
5 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:13:59.80 ID:rDtBqjKZ0
プロローグ [Budding Fate]
6 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:14:29.99 ID:rDtBqjKZ0
奏「...あなた、誰?サングラスに深くかぶった帽子...正直すごく怪しいのだけど」
???「おっと、すまないね名乗りもせずに。俺、こういうものでね。」
そう言うと男は一枚の紙を差し出してきた
奏「あら、名刺?プロデューサー...あなたが?」
P「兼社長のPだ。よろしく。」
7 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:15:07.51 ID:rDtBqjKZ0
社長?
もう一度名刺をよく見ると確かにそこには、[811プロダクション社長兼プロデューサー]と書かれていた
目の前の男は、とても社長なんて大それた肩書を背負っているようには見えないけれど
8 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:15:40.29 ID:rDtBqjKZ0
奏「ふーん...私をアイドルに...? 冗談でしょう? そういう人、多いのよね」
以前にも街中でアイドルにならないかと声をかけてきた人はいたけど、誰も彼もが私を本気で求めてるようには見えなかった
きっと、この男も同じだろうし、いつも通り適当にあしらおう、そう思った
でも...
9 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:16:20.79 ID:rDtBqjKZ0
P「本気だ、それに今もっと本気になった」
奏「え?」
思いの外真剣な顔で返してきたので、少し戸惑ってしまう
P「君をスカウトする人多いんだろう? なら他の奴に持ってかれる前に絶対ここでスカウトしておかないとな」
奏「ふーん...本気、なのね」
10 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:16:47.07 ID:rDtBqjKZ0
正直、その言葉を信じれたわけじゃない。
でもその時の私はヤケになっていたから、少しだけ確かめたくなった。
目の前のこの男が、どれだけ私を欲しているのかを
11 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:17:36.25 ID:rDtBqjKZ0
奏「じゃあ...今、ここでキスしてくれる? そうしたら、なってもいいよ?」
P「わかった」
奏「えっ?」
即答!?
12 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:19:54.45 ID:rDtBqjKZ0
P「キスすればなってくれるんだな?」
奏「...ふふっ、まさか乗ってくるなんて。あなた、本気なのね。それとも、満更でもなかった?」
P「そりゃあ、初対面の子とキスするのは抵抗あるけど。君がアイドルになってくれるんなら、いくらでもやってやるさ」
奏「...ふふふっ!」
P「ちょっ、なんで笑うんだよ」
奏「だってあなた、すっごく顔赤いんだもの!」
13 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:20:28.37 ID:rDtBqjKZ0
奏「ふふっ...!いいよ、そこまで本気なら付き合ってあげる。」
P「ホントか!?」
奏「ええ、よろしくね。私のプロデューサーさん?」
14 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:21:21.24 ID:rDtBqjKZ0
P「いよっしゃああああ!...つっても、今日は遅い時間だからまた明日、名刺に書いてある住所の場所まで来てくれ。そこで詳しい話をしよう。」
奏「分かったわ、それじゃあまた明日」
P「じゃあな!...えっと」
奏「速水 奏。すぐそこの○○高校の学生よ」
P「そうか、じゃあまた明日な速水!...ん?」
奏「奏でいいわ、それじゃ、また明日ね」
15 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:21:52.43 ID:rDtBqjKZ0
こうして、私はアイドルの道へと連れ出された
明日は、このつまらない日常から少し抜け出せる、そんな予感を感じながら...
16 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 06:22:28.92 ID:rDtBqjKZ0
P「高校生だったんだ...OLかと思った...」
17 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/22(金) 06:25:02.96 ID:rDtBqjKZ0
プロローグが終了したところで今回はここまで
8割ほどは既に原稿が書きあがっているので残り2割を書きつつ合間合間に投稿していきます
次回更新は3月22日の夜の予定...ですがもしかしたら23日以降になるかも
18 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/22(金) 22:57:31.46 ID:rDtBqjKZ0
今更ながら間違えてRの方でスレ立てしていた事に気づきました
ですがどっちみち後でちょっとブラックな描写があるのでとりあえずこのまま行こうと思います
では、続きを投下していきます
19 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 22:58:56.87 ID:rDtBqjKZ0
次の日の放課後、私はすぐにもらった名刺に書かれたビルへと向かった
そこには、811と分かりやすい看板がでかでかと掲げられた4階建てのビル、そしてその扉の前には
P「来たか奏!」
昨日の男、そして、これから私のプロデューサーになる男が待っていた
「ようこそ!我が811(ハッピー)プロへ!」
20 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 22:59:24.83 ID:rDtBqjKZ0
Chapter1 「Welcome to Happy Production!」
21 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:00:59.94 ID:rDtBqjKZ0
奏「4階建てのビル丸ごと一つ...意外と大きい事務所ね...いや、むしろ芸能事務所としては小さいほうなのかしら?」
P「まー全体的に見たら小さいほうかな。でも、建物だけは設立三か月にしてはでかい事務所だと思うよ。」
奏「設立三か月!?」
聞いたことのない名前とは思ったけど、まさかそんなに新しいプロダクションだったなんて...
22 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:02:01.67 ID:rDtBqjKZ0
P「それに場所はでかいんだけど、実は所属アイドルが君を含めて二人しかいないから、かなり部屋が無駄になってるのさ」
ということはプロデューサー含めても3人...確かに場所を持て余すわね...
奏「丸ごと買い取るんじゃなくて、ワンフロアだけとかにすればよかったんじゃない?」
P「あとあと人も増えるかなーと思ったから思い切って丸々買い取ったんだよ。まあ立ち話もなんだし、入って入って」
言われるがままビルの中に入り、プロデューサーの案内通りに進み、事務室と書かれた扉を開けた。
23 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:03:32.29 ID:rDtBqjKZ0
???「Pさんおかえりー」
事務室に入ると、ソファに座っていた女性が和菓子のようなものをつまみながら私達を出迎えてくれた。
この子がもう一人のアイドルかしら?
確かに、人の目を引き付けそうな綺麗な白い肌をしていて、スタイルもいい。
アイドルと言われても不思議ではない容姿ね
24 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:07:40.25 ID:rDtBqjKZ0
P「ただいま周子、この子がウチの新しいアイドルだ。」
奏「はじめまして、速水 奏よ。」
周子「よろしく奏ちゃん」
「それにしても、Pさんすっごいエッr...別嬪さん連れてきたねー」
今エロいって言いかけなかったかしらこの人
25 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:08:20.72 ID:rDtBqjKZ0
P「ちなみに高校生だぞ」
周子「マジで!?年下!?」
奏「あら?そう見えない?」
周子「いやOLかと思ってたわ...っとと、あたしの自己紹介がまだだったね」
26 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:09:37.41 ID:rDtBqjKZ0
周子「あたしは塩見 周子。ここのアイドル兼事務員やってまーす。」
奏「アイドル兼...事務員?」
周子「いやーあたし実家から追い出されちゃってさー、なけなしの貯金で東京来たはいいけど、お金がなくなる前に住むとこと仕事見つけないと家に強制送還されてお見合いさせられるとこだったんだよ。」
「そんな感じでいやーどうしたもんかなーってすぐそこの公園で黄昏てたら、Pさんがあたしをスカウトしてきたんだ。」
「んで、住むとこもPさんの住んでるアパートの部屋が空いてるから大家さんに口きいてやるって言われてこりゃラッキー!って思ったんだけど...」
27 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:10:20.43 ID:rDtBqjKZ0
P「まだ設立したばっかですぐに生活できるほどのギャラ貰える仕事なんて用意できなかったからな。そこでどうせ人手も足りないしってことで」
周子「アイドルのついでに事務員として雇ってもらったってわけ!いやー仕事少なくて楽な割に給料高い仕事見つかってホントラッキーだったわ。」
P「まあ周子は絶対アイドルの素質あるって思ったから、こりゃ初期投資してでも確保するしかないって思ったのさ。」
「ていうか、仕事が少ないのは今のだけだからな! 多分...」
28 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:11:18.32 ID:rDtBqjKZ0
奏「実家から追い出されたって...大変だったのね。これからよろしくね、塩見さん」
周子「周子でいいよー。 こちらこそよろしく!」
P「んじゃ顔合わせも済んだところで、まずは奏のポテンシャルを見ておきたい」
「レッスン場へ案内するからそこで一通りテストを受けてくれ」
奏「わかったわ」
29 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:13:22.13 ID:rDtBqjKZ0
周子「あ、あたしも見たい見たいー!」
P「もちろん、周子も見ててやってくれ。経験者なら、何かアドバイスとかできるかもしれないしな」
奏「お手柔らかにお願いするわね、先輩」
周子「まっ、あたしも先輩ってほど経験ないんだけどさ。でもまあ、任せとき!」
30 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:14:06.25 ID:rDtBqjKZ0
=====レッスン場======
奏「ふぅん、ここがアイドルのレッスン場なんだ...意外とシンプルなのね」
案内されたレッスン場は、壁の一面が鏡張りになっていることを除けば、大した装飾もない普通の部屋だった
もっとカメラとか音響とかの機材でいっぱいになってるのかと思ってたけど
周子「まあ余ってた部屋を適当に改造しただけだからね」
P「んじゃ一通り見ていくか、周子、サポートを頼む」
周子「りょうかーい」
31 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:15:11.65 ID:rDtBqjKZ0
奏「はぁ...はぁ...」
先導してくれる周子に合わせて一通りやってみたけど...
奏「どうだった?ご感想は?」
P 周子「「すげぇ!」」
奏「あらそう?全部見様見真似だったのだけど」
32 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:16:04.05 ID:rDtBqjKZ0
周子「奏ちゃん本当に初めて?正直素人とは思えんかったけど」
P「ボーカル、ダンス、ヴィジュアル、すべてに置いて初心者とは思えないポテンシャルだったが...」
奏「...昔から、たいていの事は出来てたのよ。だからこそ、今までずっと悩んできたの」
「何でもできるということは、何者でもないということ、自分が一体何のかわからないから、何を目指して生きるべきなのか分からなかった、でも...」
33 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:16:48.52 ID:rDtBqjKZ0
想像以上に過酷だったレッスンに必死に打ち込んでいる内に、私はどんどんその行為に夢中になっていって、心が晴れやかになっていくのを感じていた
奏「久々に、すがすがしい気分になれたわ、きっと今まで、雑念ってものに惑わされ過ぎていたのかも。」
「とりあえず、アイドルというものに興味がわいてきたことは事実ね」
34 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:18:02.75 ID:rDtBqjKZ0
P「そっか。レッスン、楽しんでくれたようでなによりだ」
周子「ウチの社訓は、『全力で楽しむ!』だからね。楽しんでやるのが一番!」
奏「社訓が、楽しむ...?」
社訓ってもっとお堅い言葉が並んでるものな気がするけど...
35 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:18:45.12 ID:rDtBqjKZ0
P「ああ、アイドルってのは人に夢を魅せて楽しませる仕事だ、でも、そのアイドル自身が楽しんでパフォーマンス出来なきゃ観客は満足できない」
「だからこそ、どんなときでもアイドルという仕事を楽しむ!それがこのプロダクションのポリシーなのさ」
奏「そう...なら私が全力で楽しめるよう、これからよろしくねプロデューサーさん?」
P「もちろん!全力でサポートさせてもらうよ」
「まあ、とりあえず今日のところは一端ここでお開きにして、明日から早速一緒に頑張っていこうな」
36 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:19:37.90 ID:rDtBqjKZ0
奏「あら、今日はもういいの?」
P「テスト程度とはいえ、初めてにはキツかっただろ?今日はもう帰って休んだほうがいい」
周子「それに多分...アレもあるしね」
奏「アレ....? まあそうね...確かに、もう一度やれって言われたら最後まで持たないかも」
「お言葉に甘えて、早めに休ませてもらうとするわ」
37 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:20:16.94 ID:rDtBqjKZ0
周子「じゃああたしも、お疲れさまー!」
P「いやお前はまだ事務仕事残ってるから残れ」
周子「えー! あたしだって早めに帰らせてくれてもいいじゃん!」
P「ちゃんとアイドル活動とは別で給料払ってんだからその分は仕事してもらわなきゃ困る!」
周子「うぐ...確かに高いお給料を貰ってるからそれを言われると言い返せない...しょうがないなぁ、また明日ね奏ちゃん」
奏「ええ、また明日」
38 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:20:45.24 ID:rDtBqjKZ0
こうして、私のアイドル人生の初日は無事終わった
帰り路を歩きながら、レッスンの時の感覚を思い返す
くだらない雑念から解き放たれたあの時の感覚...
「ようやく、見つけれたかも。」
ずっと探していた、心の空白を埋めてくれるもの...
39 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:21:31.78 ID:rDtBqjKZ0
奏母「あら、お帰り奏...どうしたの!?すっごく辛そうにしてるけど、何があったの!?」
奏「いや、その...き、筋肉痛...」
訂正、無事ではなかった....
40 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:22:55.57 ID:rDtBqjKZ0
次の日
P「さて、奏という大型新人も加わったところで、いよいよ我がプロダクションも本格始動しようと思う」
周子「おー!ついにあたしも、雑誌モデル以外の仕事ができるの?」
P「そうなる予定だ、でもその為にまず達成しなきゃいけないことがある」
奏「達成しなきゃいけない事?」
41 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:23:53.93 ID:rDtBqjKZ0
P「お前らにはまず、アイドルランクをEランクに上げてもらう」
奏 周子「「アイドルランク?」」
P「ああそっか、まずそこから説明しないとな」
「アイドルランクってのはアイドルランク協会、通称『IR』っていろんなテレビ局の重鎮達が集まる組織が決めてるアイドルの格付けだ」
「F〜Sまでの七段階まであって、このランクがそのアイドルのおおまかな人気度を表すわけだ」
「んで、お前らみたいな新人アイドルは自動的にFランクが割り当てられてるんだが、このランクをEに上げてもらう」
42 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:24:27.90 ID:rDtBqjKZ0
周子「ふーん ランク付けとか、意外と俗っぽいねーアイドル業界」
奏「ただランクをつけてるってわけじゃないんじゃない? 格を表すだけだったら、そんな大層な組織を作る必要がないもの」
P「鋭いな奏。実はアイドルランクは人気を表す目印の目的の他に、オーディションの応募条件にも使われているんだ」
周子「このオーディションはランクがどれぐらいないと受けられませーん的な?」
P「まあそんな感じだ」
43 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:25:05.02 ID:rDtBqjKZ0
奏「それで、ランクを上げるにはどうすればいいの?」
P「基本的にはファンの数だな、ファンの総数が規定以上になるとランクが上がる」
周子「じゃあ、地道にお仕事がんばってファン増やすとしましょうか」
44 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:26:05.66 ID:rDtBqjKZ0
P「まあそれも一つの手なんだが...今回お前らには特急券を手にしてもらう」
奏 周子「「特急券?」」
P「ランクアップの条件にはファンの数の他に、協会推薦ってのがある」
「IRに『このアイドルは同ランクの他のアイドルとはもう格が違うな』って思わせれば、IR協会からランクアップの通知が来る」
奏「でも、私達みたいな新人が協会の目に留まる機会なんてあるの?」
P「時期に恵まれてな、ちょうど2週間後、あるオーディションが行われる、お前らにはそのオーディションの合格を目指してほしい」
「それに合格できれば、まず間違いなく業界の目に留まるはずだ」
奏「そのオーディションって?」
45 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/22(金) 23:27:28.48 ID:rDtBqjKZ0
P「城ケ崎美嘉のライブのバックダンサー、それを決めるLIVEバトルオーディションだ!」
to be continued...
46 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/22(金) 23:29:38.50 ID:rDtBqjKZ0
Chapter1終了、今回はここまででー
次回は明日の夜...もしかしたら日付変わった後にもう一度投稿できるかもしれません
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/22(金) 23:52:08.54 ID:Hl3Vv8HOO
R板なんですけど…
48 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 01:21:36.17 ID:zUpeftek0
>>47
一応物語後半の方で年齢制限が怪しくなりそうな描写があるのでとりあえず(このスレの間にそこまでたどり着くかは分からないけど)はR板のまま進行しようと思っているのですが...
通常板で立て直すべきですかね?
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/23(土) 04:08:32.96 ID:RDM89xqwO
それなら大丈夫でしょう
50 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/23(土) 21:10:47.60 ID:zUpeftek0
大丈夫そうなので今からChapter2の投下を始めていきます
51 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:11:26.69 ID:zUpeftek0
Chapter2 「First Step」
52 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:12:14.58 ID:zUpeftek0
周子「城ケ崎美嘉って今話題のあの!?」
奏「城ケ崎美嘉...」
モデルからアイドルへ転向し、今話題沸騰中のカリスマギャル
最近よくテレビで取り上げられているし、学校でも毎日のように休み時間にクラスメイトが話題にしてるのが耳に入るくらい今人気のアイドル
まだアイドル業界に疎い私でも知っているレベルのあのアイドルの、バックダンサーを?
53 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:12:59.88 ID:zUpeftek0
奏「でもそのオーディション、私達受けられるの?今人気のアイドルなんだから、それ相応のランクが必要なんじゃない?」
P「いや、このオーディションはむしろ低ランク...Eランク以下が条件のオーディションなんだ」
周子「なんで?」
54 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:14:31.27 ID:zUpeftek0
P「バックダンサーのオーディションはメインのアイドルのランクより低いランクが条件になることが多いんだよ。」
「下手に同等以上の実力のアイドルがバックダンサーになるとそっちにメインが食われることがあるからな」
「城ケ崎美嘉のランクはDランク...だからEランクより下で探そうってわけさ」
奏「なるほど...」
55 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:14:59.54 ID:zUpeftek0
周子「まって、もう一個質問!」
P「LIVEバトルについてか?」
周子「そうそれ!さらっと流すところだったけど初耳だよ、なにそれ?」
P「オーディションによっては、複数のアイドルに同時にパフォーマンスで競わせて審査するんだ、それがLIVEバトル」
56 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:15:31.36 ID:zUpeftek0
競わせる...つまり
奏「審査員の目の奪い合いってことね」
P「そういうこと、本番に近い状況で競争させることで、より深く参加者の実力を見極めるって事さ」
「パフォーマンスの完成度だけじゃなく、プレッシャー耐性、順応力の高さとかな」
「そういうわけで、お前らにはこれから二週間、オーディションに向けてのレッスンに集中してもらう」
57 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:16:51.96 ID:zUpeftek0
周子「うわぁ、いきなりキツいの来たなぁ...」
P「無理言ってるつもりはないぞ、無茶振りはしてるけど」
「実際、奏と周子の才能は既にその辺の駆け出しを優に超えてる、しっかり準備すれば一つ上のEランクアイドルとも渡り合えるだろう」
奏「あら、そこまで期待して貰えてるなら、少し燃えてくるわね」
周子「まっ、あたしも拾ってもらった恩あるし、できる限り頑張るよ」
「最近事務仕事ばっかだったしねー、たまには体動かさないと」
58 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:18:05.53 ID:zUpeftek0
P「やる気になってくれたようで何よりだ。それじゃあ早速レッスンといこう」
「今日はちゃんとトレーナーさんも呼んであるしな」
奏「あら?今日はプロデューサーさんがやるんじゃないの?」
P「昨日はテスト程度だから俺がやったけど、別に俺トレーナー資格持ってるわけじゃないしな」
周子「いつもは青木さんってトレーナーがレッスンしてくれてるんよ。Pさんの知り合いなんだって」
P「あっちも忙しい身だから、ウチに専属ってわけにはいかないんだけどな。今日は都合が合ったから、もうレッスン場で待機してもらってる」
奏「じゃあ、あんまり待たせるのも悪いし、早くいきましょうか」
59 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:19:15.43 ID:zUpeftek0
==================レッスン場====================
....まあ、なんだかんだでちょっと舐めていたのかもしれない
昨日も出来てたし、今回もそつなくこなせるだろうと、そう思っていたのだけど...
ベテトレ「速水!足が動いていないぞ!まだバテていい時間じゃない!」
「塩見!喉からじゃない、腹から声をだせ!」
「二人とももう一度やり直しだ!いくぞ!1、2、3!」
昨日のは本当にただのテストだったのね...
帰るときにはきっと鉄塊になってるわ、私...
60 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:20:41.95 ID:zUpeftek0
ベテトレ「今から10分休憩だ、10分後にもう一度最初から通すぞ」
周子「あ、青木さん...なんか今日めちゃくちゃキツくない...?」
ベテトレ「当然だ、二週間でLIVEバトルに勝てるようにするんだ。普通より激しいレッスンになるに決まっているだろう」
「Pが言ってたように二人とも確かに素質はあるが、経験と体力が圧倒的に足りてない!よって二週間以内に最低限の基礎を身に着けてもらう!」
「今のうちに水分をとっておけ!次の休憩まで長いからな」
奏「み、水を飲める体力じゃないんだけど...」
周子「さ、最低限、これが、最低限...」
ベテトレ「10分経った!もう一度始めるぞ!」
周子「えぇっ!もう!?」
奏「あ、あと10分もらえないかしら...」
61 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:21:43.17 ID:zUpeftek0
〜〜〜数時間後〜〜〜
ベテトレ「今日のところはここまでだ、解散!」
お、終わった...
やっぱり、身体動かせないわ...
62 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:22:34.50 ID:zUpeftek0
P「お疲れ〜....うっわーこりゃひっでぇ」
周子「Pさ〜ん、聞いてないよこんなん...」
P「動かなくなるまでしごかれたのか、なるほどねぇ...お前ら、青木さんに気にいられたみたいだな」
奏「き、気にいられた...?」
P「あの人、期待してるアイドル程厳しくするんだよ、実際、さっき話した時お前らの事べた褒めしてたぞ」
63 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:23:30.80 ID:zUpeftek0
べた褒め?
レッスン中は罵倒されてた記憶しかないのだけど...
P「まだ駆け出しで体力は足りてないが、二人とも伸びしろがとんでもないってさ」
「初日からここまで耐えられたの初めてだって、なんか喜んでたよ」
64 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:24:06.09 ID:zUpeftek0
周子「青木さんが喜んでるとこ...想像できないんだけど」
P「ホントだって、ほら、饅頭買ってきてやったから糖分補給しな」
周子「いや、プロデューサー、今饅頭とか食べる気力ないから...」
奏「右に同じよ...」
というか、今必要なのは水分と塩分ではないかしら?
饅頭なんて食べたら私達絶対干からびると思うのだけど...
P「...タクシー読んでやるから、今日はもう帰りな...」
65 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:25:21.23 ID:zUpeftek0
そして...
ベテトレ「足が体に追いついてないぞ!もう一度だ!」
「振付が適当すぎる!ロボットじゃないんだからもっと緩急をつけろ!」
「違う!もっと観客に目を向けろ!俯いて踊る馬鹿がいるか!」
地獄のようなレッスンは続き、ついにオーディション前日...
66 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:25:48.54 ID:zUpeftek0
周子「ハートはデコらず伝えるの〜♪」
奏「本当の私をみてね〜♪」
奏 周子「見てて〜♪」
ベテトレ「よしっ!合格だ!」
67 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:26:43.22 ID:zUpeftek0
奏「!」
周子「つ、ついに...やったー!」
P「よくやったなお前ら!」
ベテトレ「ああ、正直想像以上だ。もうレッスンのあと動けなくなることもなくなったしな」
68 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:27:33.62 ID:zUpeftek0
つ、ついにやり遂げたのね...
慣れたとはいえ、まだ疲れが半端じゃない...けど
奏「今までにない高揚を感じるわ...ここまで本気になったの、生きてて初めてよ...」
ベテトレ「だがまだ終わりじゃないぞ、明日の本番、いい報告が聞けるよう期待している」
周子「そ、そっか まだ本番があったね...あたしたち、合格できるかなぁ」
69 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:28:29.94 ID:zUpeftek0
P「じゃあお前ら、明日の合格の為に今からいいところに連れてってやる。レッスンをやり切ったご褒美ついでにな」
奏「いいところ?」
P「ああ、これだ」
そういってプロデューサーさんは鞄からひらひらと紙きれを取りだして、私たちに差し出した
これ、チケットかしら....えっ!?
70 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:29:02.77 ID:zUpeftek0
奏「プロデューサーさん、これって!」
周子「城ケ崎美嘉のライブチケットじゃん!?」
P「今日のこのライブが、きっと明日のお前らの武器になる。」
「だからお前らちゃんと見とけよ、アイドルってのが、どういう存在なのかを」
71 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:30:05.10 ID:zUpeftek0
==================ライブハウス=============================
中へ入ると、既にライブハウスの中はほとんど満員状態
プロデューサー曰くこれでもまだ小さいハコらしいけど、それでも2000人はいるらしい
奏「これだけの人間がたった一人の人間に合う為に集まっているのね...」
周子「ほんと、不思議な状況だね。何が皆をここまで駆り立てるんやろ」
P「見ればわかるさ。ほら、始まるぞ」
72 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:30:32.18 ID:zUpeftek0
会場が暗転し、どこからか音楽がが流れ始めた
それと同時に観客達もどよめきだす
そしてスポットライトが『彼女』に当たった途端、そのどよめきは
73 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:31:15.06 ID:zUpeftek0
???「みんなー!今日は集まってくれてありがとー★」
ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!
ミカアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まるで台風のようなエネルギーの塊へと変貌した
74 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:31:48.62 ID:zUpeftek0
奏「なんて迫力...」
周子「凄い...なんかもう、凄いとしか言えない...」
75 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:32:25.36 ID:zUpeftek0
今ここにいる人間全員の聴覚は、彼女の歌に囚われてしまっていた
彼女がステップを踏むたびに、心が高鳴りだした
誰しもが、彼女から目を離せなくなっていた
今この会場は、全て城ケ崎美嘉という『アイドル』に支配されていた
76 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:32:52.35 ID:zUpeftek0
奏 周子(これが、アイドル.....!!)
77 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:33:33.68 ID:zUpeftek0
Pさんもおっかない人やわぁ、狙ったのかはわかんないけど
別に本当にアイドルになんてなれなくても、事務員の仕事でぬくぬく過ごせればいいやって思ってたけど
ちょっとした恩返し程度のつもりとはいえ、あんだけキツいレッスンやり遂げてみて
あたしでもこんだけやり遂げられるんやなぁって少しだけ自分に自信が着いて
もしかしたら明日のオーディションで人生変わるのかもかもなぁって小さな希望も抱いて
その上でこんなもの見せられたら
ちょっと本気でアイドル目指したいって、思っちゃうやんなぁ?
78 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:34:04.18 ID:zUpeftek0
美嘉「皆ありがとー★今日はサイッコーに楽しかったよ!」
「来週のライブも絶対見に来てねー★」
奏 周子「..........」
P「あれが今を駆けるアイドル...お前らは、どう思った?」
79 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:34:40.06 ID:zUpeftek0
奏 周子「..........」
P「ど、どうした二人とも黙りこんで...生きてるか?」
周子「奏ちゃん、多分あたしたち今、おんなじこと考えてるよね」
奏「えぇ、きっと...ねぇPさん」
P「なんだ?」
80 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/23(土) 21:35:40.47 ID:zUpeftek0
奏「見てて、明日私達、必ず勝つわ...そして」
奏 周子「「絶対、アイドルになる!」」
to be continued...
81 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/23(土) 21:41:12.14 ID:zUpeftek0
Chapter2終了したところで、今回はここまで―
次回更新はまた明日の夜...できたらいいなぁ(やや不安)
なお、Chapter3以降は一話一話が今までの倍くらい長くなるので、これまでのように一度の投稿で一話終わらないかもしれません
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/03/24(日) 11:27:42.04 ID:NfoK8DIto
ええやんおもろいやん!
楽しみにしとるで!
83 :
◆FuHrdA/9sY
[saga sage]:2019/03/24(日) 16:45:11.47 ID:XlWhQm4m0
Chapter3の投下を始めていきます
84 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:46:31.08 ID:XlWhQm4m0
朝七時、その時間に鳴るはずのアラームがよりも早く私はベッドを抜け出した
念のため予定より早い時間にセットしたはずなのに、遅刻するのがが不安だったのかしら?
それとも...
我慢できないくらいに、楽しみだったからかな?
85 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:48:07.81 ID:XlWhQm4m0
事務所に向かうと、そこでは既に周子とプロデューサーさんが待っていた
周子「奏ちゃんも早起きしちゃったん?」
奏「ええ、よっぽど今日が待ち遠しかったみたい」
周子「あたしもそんな感じかな。軽く事件だよ、あたしが早起きって」
P「時間に余裕を持つのはいいことさ、遅刻するよりはな」
プロデューサーさんの車に乗り込み、会場へと向かう
今日、この世界にまた新しいアイドルが生まれた
私と周子、そして私達二人のユニット
その名も...
86 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:48:35.29 ID:XlWhQm4m0
P「行くぞ、811プロ初のアイドルユニット」
「『デュアルフルムーン』の初陣だ!」
87 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:49:16.28 ID:XlWhQm4m0
Chapter3 「Big Eater」
88 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:51:03.48 ID:XlWhQm4m0
ユニットの名前が決まったのは、昨日の城ケ崎美嘉のライブが終わった後の事
事務所に戻って明日のスケジュールについて確認していた時の事だった
P「今日は解散の前に一つ、決めておかなければならないことがある」
周子「なに?」
P「お前らは明日、二人一組のアイドルユニットとしてオーディションに参加することになる」
「つまり、ユニット名が必要なんだ」
周子「あぁ、ユニット名かー」
「適当に『かなしゅー』とかじゃダメなん?」
奏「流石にそんなに適当じゃあ...ねぇ?」
89 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:52:23.79 ID:XlWhQm4m0
P「もちろんダメだぞ」
周子「なんで?結構語呂もいいと思うんだけど」
「ユニット名ってそんな重要なん?」
P「ユニット名ってのは審査員の目に一番最初に入るものだ。それがいかにも適当な名前だったらその時点で印象悪くなる」
「ジャージ着た人とスーツ着た人、どっちがパッと見で信用できそうかっていったら断然後者だろ?そういうことだよ」
周子「なるほどねぇ、じゃあちゃんと考えないとだめかぁ」
奏「Pさんは何か案ある?」
P「...『かな&しゅーこ』?」
奏「却下よ」
周子「てか、それほとんどあたしのパクリやん!?」
90 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:55:05.25 ID:XlWhQm4m0
P「だっていいのが全然思いつかねぇんだもん!俺昔からこういうの苦手だし!」」
周子「プロデューサーなんだからそこは頑張ってよ!」
P「いやーそういわれても...そうだ!奏はなんかあるか?」
奏「そうねぇ....」
確かに、急に言われてパッと思い付くようなものではない
でもこの二人に任せたらとんでもない名前になりそうだし...
91 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:56:29.06 ID:XlWhQm4m0
奏「そういえばさっきのライブを見て思ったのだけど、アイドルってまるで満月みたいよね」
周子「どういうこと?」
奏「さっきのライブハウス、暗かったし、人もいっぱいいたでしょ?でも、そんな状況でも、彼女はその場にいる人々全ての心を狂ったように燃え上がらせた」
「きっとアイドルって、そういう存在なんだと思う。地球のどんな場所、どんな暗い夜の中でも人々の目を、思考を奪って支配する、満月のような存在」
「そして、私もそういうアイドルに、満月のようなアイドルになりたいって、そう思った。」
「だから...そうね、私と周子、二つの満月...」
92 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:57:05.05 ID:XlWhQm4m0
『デュアルフルムーン』、なんてどうかしら?
93 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 16:58:32.63 ID:XlWhQm4m0
周子「いやー無事に決まって良かったねーほんと」
P「ああ、これなら審査員に悪い印象を与えることもないだろう」
奏「ええ、『かなしゅー』よりはいいと思うわ」
P「そうだな、ホントに何考えてたんだろうな周子」
周子「いや、Pさんは人のこと言えないでしょ!」
P「あー聞こえませーん!...まぁ結局、どんなにいいユニット名でも中身が伴ってなきゃ合格はできない」
「お前ら、準備は大丈夫か?」
奏「準備か...そうね、心の準備は...やっぱりまだ緊張はある、かな?」
初めてのオーディションだもの、嫌でも緊張はして、心臓はバクバクと高鳴る...
94 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:00:38.64 ID:XlWhQm4m0
でも、恐怖はない
周子「大丈夫だよ奏ちゃん」
「だって、あたしには奏ちゃんがいるし、奏ちゃんにはあたしがついてるし!」
「それに、Pさんもちゃんと見ててくれるでしょ?」
そう、私達は一人じゃない
一人でレッスンを続けたわけでも、一人で戦いに挑むわけでもない
スカウトされる前、あの頃の、『普通の女の子』の速水奏には無かったもの
でも、今の『アイドル』の速水奏には、それがある
同じ道を、一緒に歩いてくれる仲間が
そして、私達を導いてくれる人が
95 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:01:48.18 ID:XlWhQm4m0
奏「一緒にレッスンをした周子と、素人の私たちに技術を叩き込んでくれたトレーナーさん
「そして、この道へ導いてくれたプロデューサーさん」
「一人じゃないって分かってる、だから、怖いものなんてないわ」
「覚悟は、とうに出来てる」
P「...そうか」
「それなら、期待してる。」
周子「じゃあ、期待に答えられたらご褒美ってことで、今日のご飯奢ってよ。お寿司食とかべたい気分なんだ」
P「いいぞ、合格出来たらそれくらい奢ってやる」
周子「回らないやつね」
P「回転寿司です」
周子「ケチー!」
96 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:03:30.54 ID:XlWhQm4m0
=========================オーディション会場===================================
周子「ここが会場...」
奏「思ったより普通の場所ね」
向かった先は、城ケ崎美嘉の所属している事務所、061プロダクションのあるビルの一室
奏「一応ライブするなら、何かしらステージでもあるのかと思ったけど」
P「流石にオーディションでそこまで予算かかる用意はしないだろ。061プロもそんなに大きい事務所ではないからな」
奏「あら、意外ね。あんな凄いアイドルがいるんだから大きな事務所かと思ってたのだけど」
P「逆に言えばあの子ぐらいしかパッとしたのが居ないっていうか...」
97 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:05:33.88 ID:XlWhQm4m0
周子「控室、思ったより人少ないね。てか、少なすぎない?」
確かに、私達含めても控室のアイドルは5人...あまりにも少ない
っていうかあの3人ずっと固まってるから多分ユニットよね?
ということは...
奏「ねぇ...もしかして私達含めて2ユニットしかいなくない?」
周子「いやまさか...だって、合格したらあの城ケ崎美嘉と踊れるんだよ!?」
「あたし達だいぶ早く着いたし、皆まだ来てないだけとかじゃ?」
P「いや...それがそのまさからしい...」
奏 周子「ええっ!?」
な、何故?
あれだけの人気アイドルなんだから、もっと、それこそ数十人以上応募者がきてもおかしくないはず...
98 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:08:45.60 ID:XlWhQm4m0
P「『なんか少ないけどもしかして会場間違えてます?』ってさっき運営の人に聞いてみたんだけどさ」
運営(『間違えてませんよ、ただ...キャンセルが続出しまして』)
P「だってさ」
奏「キャンセルですって?」
周子「そりゃまたなんで?」
P「一週間くらい前まではやっぱ応募多かったんだけど、あのユニット...」
「『ゴーイング娘』が応募した途端、皆キャンセルしちまったんだと」
奏「ゴーイング娘?」
周子「どっかで聞いたことがあるような...」
P「ゴーイング娘はEランクの中でもここ最近特に人気なユニット」
「...おそらく、今一番Dランクに近いEランクユニットだ」
奏「そんな...」
つまり、私達より一つ上のランクの中でもトップクラスって事?
そんな相手とこれから戦うの...?
99 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:10:16.83 ID:XlWhQm4m0
P「勝てるのかって?」
奏「え?」
P「いや、今の聞いてビビったかなって」
奏「...いいえ」
「負けるかもしれない、確かに、少しそう思った。」
「でも...それ以上に、"勝ちたい"」
周子「そやねぇ...確かに手ごわい相手だけど、それでも勝ちたいって気持ちに変わりはないかな」
「どんな相手でも、奏ちゃんと一緒に、ちゃんとアイドルになりたいもん。だから、負けるつもりはないかな」
P「...なんだ、お前ら、しっかり仕上がってたみたいだな。安心したよ」
「じゃあ本番に備えて、お前らに今回の作戦とちょっとしたおまじないを教えとく」
奏「おまじない?」
P「なんだかんだ初めてのオーディションで緊張は嫌でもしてるだろ?それを解すおまじないだ」
100 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:11:40.79 ID:XlWhQm4m0
P「なあに簡単な話さ、我が社の社訓を思い出したまえ」
奏 周子「!」
P「人間、心に余裕がないときは何事もうまくいかないもんだ」
「だから、こういう逆境の時こそ楽しむ心を忘れるな」
「それさえ忘れなければ、きっとどんな時だって、最高の自分になれるはずさ...」
101 :
◆FuHrdA/9sY
[saga]:2019/03/24(日) 17:13:35.22 ID:XlWhQm4m0
周子「奏ちゃん」
奏「なぁに?」
周子「今日は、最高に楽しい日になるね。きっと」
奏「ふふっ...そうね」
ううん、"きっと"なんて曖昧じゃない。
今日は最高の一日だって、そう確信してる
周子「じゃあ、行こうか、奏ちゃん」
奏「えぇ、行きましょ、周子」
いつもテキトーに流れてぬくぬく生きるのがしゅーこちゃんの信条だけど
今日は、ちょっと真剣になるとしましょか!
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