【モバマス】LiPPS「虹光の花束」

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895 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:43:28.35 ID:K6AtmFbL0
ベテトレ「ところで、お前さえ良ければ今後もこいつのヴォーカルレッスンに協力してくれないか?手が空いてるときだけでいい」

P「いいですよ、元よりそのつもり出来ましたし。ただ...今は偶々まとまった休みが入ってるんですけど、普段は忙しくて...」

少女「じゃあ、昨日みたいに夜にあの公園でレッスンしませんか?師匠が教えてくれるんでしたら、何時だって駆けつけますから!」


この少女、また俺の憩いの場を破壊する気か...
でも、一度引き受けてしまった手前、中途半端で投げ出すわけにもいかないしな...仕方ない


P「そうだな、じゃあそうしよう。明日からはなるべく夜に時間取れるようにするよ」

少女「ホントですか!やったー!」

ベテトレ「感謝するぞP太郎。これならこいつも、ちゃんとアイドルになれるかもしれない」

P「いえいえ、お安い御用ですよ。それでは今日も早速ヴォーカルレッスンしましょうか?」

ベテトレ「その前に、こいつのレッスンを一通り見てみないか?相手の事をより理解できていた方が教えやすいだろう?」

P「それもそうですね...では折角なので」
896 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:44:01.82 ID:K6AtmFbL0
仕事柄アイドルのステージを見ることはあっても、アイドルのレッスンは見たことはなかったが......これは!


P「凄い...」

ベテトレ「彼女は他の候補生と比べて特別とがった才能があるわけでは無い、むしろ歌のセンスは最悪だ、しかし...」

P「アイドルに対する情熱っつーか.......気合が普通じゃない」

ベテトレ「そうだ、多くのトレーナーに見捨てられようと、もはや狂気といってもいいほどの執念で彼女は必死に食らいついてきた」
    
ベテトレ「その結果、短期間でほぼ素人だった状態から、少なくとも歌以外の技術はデビューしても問題ないレベルまで成長した」

P「あとは、歌さえどうにかできれば...ってことか」



面倒なこと引き受けちまったかと思ったが...

どうやらむしろ、とんでもなく面白そうな事に出会えてたみたいだな!
897 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:44:47.08 ID:K6AtmFbL0
フレデリカ「それがプロデューサーとトレーナーさんの出会いだったんだね!」

ベテトレ「あの時は私もPの正体にまでは気づかなかったが、まあ変な名前の奴だとは思ってたな」

P「ですよね!?いや考えたの俺ですけど、やっぱ変な名前ですよね!?」

ベテトレ「ああ.....ところでP」


ベテトレ「誰 が ゴ リ ラ だ っ て ?」

P「やっべ」

早苗「まあまあ聖ちゃん!まだ話の続きだし、ここは抑えて抑えて!」

ベテトレ「............チッ」

P(怖っ!!)

志希「なんかプロデューサーに死亡フラグ立ったから、回収される前に続き、早く〜?」

P「お、おう......シニタクナイ....」
898 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:45:42.06 ID:K6AtmFbL0
なんだかんだで俺はその後も養成所に通い続け、あの子へのヴォーカルレッスンを続けていた

そしてある日、偶には気分転換しようということになり、何がいいかと聞いたら


少女「あたしお散歩好きなんです!師匠とお散歩したらもっと楽しくお散歩できるんです!」


ということなので、適当に二人で街をぶらぶらすることにした




でもまあ、そんな時に限って会いたくない人にエンカウントするのがお約束な訳で

早苗「あれっ、P君じゃない!元気?」

P「えっ?」

ちひろ「あら本当だ、しっかり日頃の休みは取れてる?」

P「ちょっ、早苗さんにちひろさん!?」

少女「師匠の知り合いですか?」

P「そうなんだけど...なんでここに!?」

早苗「偶々休みが合ったから、久々に女二人で飲み会しようと思ってたのよ」

P「そ、そうなんですか.....」
899 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:47:02.71 ID:K6AtmFbL0
ちひろ「...ところで、そっちの子は誰かしら?」

P「えっ!?ああこの子はですね...」

少女「私は....です!いつも師匠にアイドルになれるよう導いてもらってます!」


早苗「ふむふむ、アイドル志望の女の子がP君に言葉巧みに連れまわされていると...」
  
早苗「P君、とりあえず逮捕しようか?非番だけど一応ワッパ持ってるわよ」

P「ちょっ、違いますよ!誘拐じゃないです!」

少女「お姉さんもしかして警察官なんですか!すごい!!」

早苗「正解!昔P君をシメたことだって『あーちょっといいですか二人とも!!こっちでちょっと話しましょうよ!!』えっ?」


P「すまん、ちょっとここで待っててもらえるか?」

少女「えっ?いいですけど...」

余計なことを口走りそうだった早苗さんを遮りちひろさんと早苗さんをあの子に声が届かない様にちょっと離れる



早苗「なによ、これからいい所なのに」

P「俺のことバラしてほしくないんですよ!」

ちひろ「どういう事?」

P「実は....」


カクカクシカジカ.....
900 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:47:50.50 ID:K6AtmFbL0
P「というわけでして、あの子に正体がばれるようなこと話してほしくないんですよ!俺と片桐さんの馴れ初め話したら、いろいろばれちゃうでしょ!」

ちひろ「まあ確かに........」

早苗「でも、別に黙っててもらえば正体バラしても大丈夫なんじゃないの?」

ちひろ「そういうわけにも行きませんよ。情報はどこから漏れるか分かりませんし、それにちょっとでもマスコミに流れたらお互い言いたい放題騒がれますよ?」

早苗「そういうもんなの?芸能界って大変なのねー」
  
早苗「それにしても、聖ちゃんが目をかけてる子に会えるなんて今日はついてるかも!」

P「聖ちゃんって、青木さん?知り合いなんですか?」

早苗「そうよ、学生時代の先輩後輩みたいな関係なの。昔よく二人でよくつるんで遊んだりトレーニングしたりしてたし、今でもよく一緒に飲みに行くの」
  
早苗「それで、前飲んだ時に面白い子を見つけたって聖ちゃんはしゃいでたから、ちょっと気になってたのよねー」

ちひろ「へー...こんなとこで繋がるなんて、世界って意外と狭いのかもしれませんね」

P「ホントですねー...って、いい加減あの子を待たせるのもマズイですし戻りましょうか。片桐さん、くれぐれも余計なことは喋らないでくださいね!」

早苗「大丈夫大丈夫、安心してって!」

P「本当に大丈夫ですか....?」








案の定、また余計な事をぶちまけそうになってて焦った...
901 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:48:44.11 ID:K6AtmFbL0
美嘉「その頃から、早苗さんとプロデューサーは知り合いだったんだね」

奏「ちひろさんって、私がCランクの時、オーディションで一度会った010の事務員さんよね?あの人がプロデューサーさんのプロデューサーだったんだ....」

周子「というか、結局早苗さんとプロデューサーって何で仲良くなったん?」

P「えーっと....それは.....」


早苗「昔、P君が路上でテンション上がったからってゲリラライブ始めてね?それで人が大勢集まって騒ぎだして色々問題が起きたのよ。だから近くの交番にいたあたしが叱りに行ったってワケ」

美嘉「プロデューサー、やっぱり警察のお世話になってるんじゃん!」

早苗「しかもその数日後懲りずにまたやったから、今度はちひろちゃんと一緒にシメたわ。流石にそれで懲りたみたいだけどね」

P「その節はほんと、ご迷惑をおかけしました......」

早苗「皆も路上ライブする時はちゃんと許可とるのよ?」


『はーい!』


P「.......じゃあ、俺の黒歴史が暴かれたところで、続きいくぞ」
902 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:49:43.58 ID:K6AtmFbL0
片桐さんとちひろさんと別れた後、散歩のゴールとして向かった先は....


少女「いつもの公園に到着でーす!」

P「もうこんな時間か、随分長い間歩いてたな...そこのベンチでコーヒーでも飲んで休むか。君は何に飲む?奢ってやるよ」

少女「いいんですか?じゃあコーラで!」

P「おっけー、待ってな」






自販機で飲み物を買って公園のベンチへ戻ると、あの子はイヤホンで何かを聴いていた

少女「あっ!おかえりなさい!」

P「ただいま。なに聞いてたんだ?」

少女「聞いてみます?」

イヤホンを片方さしだしそう聞いてきたので、遠慮なくイヤホンを受け取り耳に突っ込む



これは...聞いたことない曲だな、声入ってないしカラオケ音源か?それともオフボーカルの曲なのか?

だが、なんにせよ......
903 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:50:44.79 ID:K6AtmFbL0
P「良い曲だな」

少女「本当ですか!?ありがとうございます!」

P「いや、何で君が礼を言うんだよ」

少女「だってこの曲作ったの、あたしですもん!」

P「.....なんですと!?」


えっ?この曲を、この子が?
爆音痴怪音波兵器のこの子が?

嘘だろ!?


少女「私、作曲が趣味なんです!よく自分がアイドルになれたらこんな曲歌いたいなーっていう気持ちを良くぶつけてるんです。思う様に歌えないのでまだ声は入ってないですけど、ちゃんと歌詞もあるんですよ?」

P「君...なんで音痴なんだ?」

少女「いやー、自分で歌うのはなんか曲打ち込むみたいにうまくいかなくて...」


マジで?そういうもんなの?


少女「でも最近はPさんのおかげでちょっとずつ音痴克服できてますし!きっとこれに声がつけられる日も遠くないはずです!」
  
少女「私、この曲を大きなステージで歌うのが夢ですから!」

P「!」


少女「だから、これからもご指導よろしくお願いします!」
904 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:51:20.65 ID:K6AtmFbL0
夢を語る少女の瞳は、月の光の様に眩しく輝いていて
その輝きを見ていると、俺はどうしても認めざるを得なかった

この子がステージで輝く様を、本当に見てみたいと


P「...ああ、まかせろ!」


少女が語る純粋で煌びやかな夢に、いつか自分も魅せられる日が来る
そんな日が来るような予感を、確かに俺は感じていた
905 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:52:43.57 ID:K6AtmFbL0
そして月日は流れ....

ついに、あの子のデビューの日がやって来た


あれから音痴もみるみる改善し、俺からしちゃまだまだではあるがしっかり人に聞かせることができるレベルにまではなった

その成果が認められてか、彼女はあるプロダクションにスカウトされてデビューすることになったのだ


今日、小さなローカル番組で新人アイドルとして歌うらしい。俺も知り合いに頼んで、スタッフの中に紛れてその姿を見せてもらうことにした

そしてとうとう、あの子の出番がやって来る


少女「はじめまして!108プロの...です!今日はこの場をお借りして歌わせて頂きます!いざ!」


少女「〜〜〜♪」


まだまだ未熟な部分も垣間見える歌声

だが...

P(よしっ!)

彼女がアイドル道を歩みだした事を告げる、最高の、ハジマリの歌だった
906 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:53:31.78 ID:K6AtmFbL0
=====公園=====
デビューの日の夜、またあの公園で語り合おう
彼女と交わしたその約束通り、俺はいつもの公園で彼女を待つ

少女「P太郎さーーーん!!」

P「来たか、デビューライブはどうだった?」


聞くや否や、少女は弾丸のような勢いで俺に抱き着いてきた

少女「大、大、大成功です!!やったー!!!!」

P「だろうな、俺も見てたし」

少女「えっ!?見てたんですか!?」

P「スタッフにこっそり紛れ込んでたんだよ、気づかなかったか?」

少女「全然気づきませんでした...いたなら言ってくれてもよかったのにー!」

P「ははは、まあ後でスタッフさん達への挨拶とか色々仕事あったろ?だから邪魔しちゃいけないと思ってな」

P「それに...こいつを買いに行こうと思ってたからな」

少女「何を買ったんですか?」

P「デビュー祝いだよ、ほら」


夢の一歩を踏み出した少女に、祝福の品を差し出す
907 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:53:59.32 ID:K6AtmFbL0
少女「これは...花束?きれー!!!」

P「チューリップだよ。祝いの花を何にしようか悩んでた時に、あの曲の事を思い出してな」

少女「つまり、曲名で選んだって事ですか?」

P「す、すまん。花には詳しくなくて、つい安直な発想になっちまった...」

少女「いえいえ!すっごく嬉しいです!ありがとうPさん!」


少女は花束を抱え、月に照らされながら満面の笑みを浮かべる
ああ、そうだ...
今日一日ずっと、俺はこの笑顔が見たかったんだ....





少女「...あれ?Pさん、泣いてる?大丈夫?」

P「馬鹿、ないてねぇよ...ただ」



お前が眩し過ぎて、どうしようもなく嬉しすぎるだけだよ.....
908 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:55:35.09 ID:K6AtmFbL0
その後も、俺とあの子の交流は続いていた

俺のほうも仕事がさらに忙しくなったり、彼女も下積みを積まなきゃいけない期間だったりで、会える回数は少なくなっていたけど

それでも、時間が合えばいつもあの公園でベンチで缶コーヒーを飲みながら自分たちの近況を語り合ったり、レッスンをしたり...

そしてその度に見せるあの子の笑顔に、俺はいつも元気を貰っていた

...だが



P「今日も...日付変わっちまった...」

連日の過密スケジュールに、流石の俺も疲労困憊になっていた



...だから、間違えたんだ
909 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:56:50.29 ID:K6AtmFbL0
トゥルルルッルルル!!

P「...ん?あの子からだ」ピッ

少女『あっ、Pさん...』

P「おう、こんな夜中にどうした?」

少女『えっと...Pさん疲れてるみたいだし、いいや』

P「いいのか?」
  
少女『うん、ちょっと声聞きたくなっただけだから。でももう遅い時間だから切るね、おやすみ』

P「お、おう。おやすみ」

ガチャッ、ツーツー


P「...まぁ、次に会った時に聞いてみるか。あまり掘り出されたくないのかもしれないし」
 
P「疲れたし、もう寝よう...」



...なんかあったんだろうな、とは思った

だが、俺は日々の疲れがたまっていたから...いや、これはいい訳だな


俺は、自分があの子の最後の砦だった事を、自覚してなかったんだ

だから、あの子の最後のSOSを見逃してしまったんだ...


俺はこの夜を、この先ずっと、死ぬほど後悔する事になる
910 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:57:25.16 ID:K6AtmFbL0
P(今夜は新月か...)




ふと窓から眺めた夜空に、月はなかった

それが、これからの悲劇を告げる凶兆だったことには、気づかなかった
911 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:58:00.64 ID:K6AtmFbL0
人が一番慢心するのは、絶頂であるとき

山に上ったら下りるように、幸せというのは必ず続かないものである

そして....



大きい山を登った時ほど、転がり落ちるスピードは速いものだ
912 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:58:41.29 ID:K6AtmFbL0
P「なんだよ...これ...」


[108プロ新アイドル、枕営業!?]
[デビュー直後から不正を働くビッチ系アイドル!]
[108プロアイドル、援交の現場!?]


コンビニに並ぶ週刊誌は、皆一様に、あの子が枕営業をしたという見出しを晒していた



・108プロのアイドル枕だってよwww
・デビューしてすぐちんぽにしゃぶりつくクソビッチアイドルがいるらしいwww
・新人さん、秒速で退場の模様


ネットの掲示板を見れば、皆狂ったようにあの子を叩いていた




華々しいデビューから一瞬で、あの子は闇へと貶められた

どこの雑誌も、ネットも、テレビも
よってたかって、あの子へと悪意を向けていたッ!!!


P「一体何だってんだよ、クソが!!!!」
913 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:59:13.00 ID:K6AtmFbL0
美嘉「ヒドい!!」

P「ああ、今思い出しても怒りが収まらない.....」

ベテトレ「ッ.....!」




奏「.....それで、その後はどうなったの?」
914 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 21:59:52.56 ID:K6AtmFbL0
P「兎に角あの子に会いに行かないと...」


プロデューサーに今日の予定は全ブッチだとメールを送り、家を飛び出した
プロデューサーからのコールを無視して、あの子の番号へと電話をかける


しかし、返事はない


P「クソっ!どこだ?あの子はどこにいるんだ?」


公園、養成所、家...
心当たりがある場所は探して回るが、見つからない

この際、もう手当たり次第に探し回るしかないと街を駆け巡っていたその時だった


トゥルルルルルル!!!

P「またか!今日は全ブッチだって...!?」


プロデューサーからのコールだと思い取りだしたスマホには、あの子の名前が表示されていた
915 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:00:20.57 ID:K6AtmFbL0
P「おい!俺だ!Pだ!お前は一体どこにいるんだ!」

少女『ごめんなさい...ごめんなさい...』

P「謝る必要はねぇ、兎に角一旦あって話を『ダメ!』」

少女『それだけは絶対ダメ!そんなことしたらまた...』

P「どういうことだ!?なんでダメなんだ!?」

少女『ごめんなさいPさん...ごめんなさい!私なんかが、アイドルになっちゃいけなかったの!』

P「何言ってんだ、お前は確かにアイドル『Pさん!』」

少女『今までありがとう...さよなら』

P「さよならって、何言って...」
916 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:00:48.75 ID:K6AtmFbL0

通話が切れ、同時に誰かの悲鳴が聞こえた
917 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:01:16.77 ID:K6AtmFbL0
P(...まさか!?)


何かの間違いだとそう自分に言い聞かせ、悲鳴の方へと走った
走って、走って、走って、走って



P「どいて、どいてください!どけって!」

野次馬を押しのけ、人混みの中心部へとたどり着く

そして...

P「....え?」


たどり着いた先で、悪夢を見た
地面にたたきつけられて動かなくなった、あの子がいた
918 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:01:42.61 ID:K6AtmFbL0
P(俺が、俺が殺したんだ...)
 


俺があの子を、ちゃんと守ってあげられなかったから、あんなに近くにいたのに、守ってあげられなかったから
 
あれはあの子のSOSだったんだ、なのに俺はこの子を見殺しにしたんだ


俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ俺のせいだ






P「あ...あ...あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」












意識は、そこで途切れた
919 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:02:15.49 ID:K6AtmFbL0
目を覚まして最初に目に入ったのは、見慣れない真っ白な天井だった
一体ここは...

ちひろ「起きた?」

P「ちひろさん?」

早苗「あたしもいるわよ」

ちひろ「貴方が街で倒れて病院に運ばれたって聞いて飛んできたのよ」

早苗「あたしは...ほら、事情聴取。一応ね」

P「...あの子は、どうなったんですか?」


早苗「...死んだわ」
920 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:03:12.02 ID:K6AtmFbL0
P「ッ!!」

早苗「飛び降りたビルの屋上から遺書が見つかったわ。あのバッシングに心を痛めて、本気で目指していたアイドルに絶望して、それで...」

P「嘘だっ!」

早苗「っ...」

ちひろ「P君...」


P「だって、あの子はようやく最初の一歩を踏みだして、これから自分の描いた夢へとあるきだして!本当にこれからだったのに!」
 
P「いつも公園で会う時だって、本当にアイドルやるのが楽しそうで!死にたがってる様になんてどう見えなかった!」
 
P「なあ片桐さん...嘘なんでしょう?ホントはあの子は死んでないんでしょう!?そうだって言ってくれよ!?」


早苗「...ごめんねP君、あたしの警察官の誇りとして、嘘ついて誤魔化すことは出来ない」

早苗「さっき身元の確認が取れたわ...あのビルから飛び降りて死んだのは、間違いなくあの子よ」


P「そんな...そんなことって......」
921 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:04:01.88 ID:K6AtmFbL0
屋久井「P君!!無事かね!?」

ちひろ「社長!?」

屋久井「ハァ...ハァ...病院へ運び込まれたと聞いて急いで駆けつけたのだが...容体は!?」

ちひろ「ショッキングな光景を見てしまって気を失っただけなので身体に影響はありません。今目を覚ましたところですので、すぐに退院できると思います」

屋久井「そうか...それならよかった...ところで、隣のキミは?」

早苗「片桐早苗、警察官です。P君に事情聴取をさせてもらいに来ました」

屋久井「事情聴取!?P君は何か事件に巻き込まれたのか!?」

早苗「自殺の現場を目撃してしまったんです。それで目撃者の一人であるP君にも一応事情を聞かなければいけなくなりまして」
  
早苗「ただ、自殺であることは間違いないので聴取はすぐに済みます。安心してください」

屋久井「そ、そうか。ならいいんだが...だが見たところ、自殺を目撃しただけにしてはP君のダメージが大きいように見えるが...」

P「.........」

ちひろ「実は、飛び降りたのはP君の知人でして、それで...」

屋久井「大きなショックを受けてしまったと言う事か....」

ちひろ「はい...なので身体は良くても精神的には...」

P「すいません...」

屋久井「.......P君」








こういう時こそ、歌ってみてはどうかな?」
922 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:04:50.47 ID:K6AtmFbL0
P「えっ?」


早苗「ちょっと!流石に今歌える気分じゃないでしょ!」

屋久井「いや、気が落ち込んでいる時こそ、自分の好きな事をやると元気が出る物だ。君は歌が好きだろう?こういう時こそ、自分の好きな歌を歌って自分を奮い立たせるんだ」

屋久井「...死んでしまった者の分まで、生きるためにな」

ちひろ「社長...」

早苗「......」


P「...そうっすね、ちょっと一曲歌わせてもらえますか?病院の中ですけど」

屋久井「構わん、責任は私が取る!」

P「分かりました、では早速...」


いつも通り口を開き声を、声を、声を...








いつも通り?
923 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:05:31.54 ID:K6AtmFbL0
P「......!!??」



声が、声が出なかった

歌おうとすると、首が鎖で縛られたように息が詰まった

あの子を死なせてしまったという罪悪感が、俺の喉を押さえつけていた



お前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺した
お前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺した
お前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺した
お前が殺した俺が殺したお前が殺した俺が殺したお前が殺したお前が殺した俺が殺したお前が殺したお前が殺したお前が殺した俺が殺した俺が殺した俺が殺した


P(あ、あああ、あああああ!!!!)

P「ァ...アア...アアアアアアアアアアア!!!!!」

『P君!?』
924 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:06:01.51 ID:K6AtmFbL0

その日から、俺は全く歌うことができなくなった
925 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:06:43.83 ID:K6AtmFbL0
歌を忘れた後、多くの人が俺を励ましに来てくれた
プロデューサーにおっちゃん、早苗さん
...それに、俺と同じくらい心に傷を負ったはずの青木さんも、何度も俺を励ましに来てくれた


でも結局、俺は歌手を辞め891プロも退社した

おっちゃんは頑張って引き留めてくれていたけど、自分の中にもう、歌う理由が見つからなくなっていたから...


それに俺は、プロデューサーにも迷惑をかけてしまった


プロデューサーは、俺の引退の責任を自ら取る形で891プロを退社したらしい
彼女があんなに誇りを持って務めていた仕事を、俺は奪ってしまったのだ


それ以来、顔を合わせていない
合わせる顔なんか、ない


もう俺に、あの人をプロデューサーと呼ぶ資格なんかないのだから
926 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:07:17.28 ID:K6AtmFbL0
あの子を亡くした後の俺は、死人と何ら変わらなかった

美味いもんでも食えば元気が出ると言われたが、何を食っても味がしなかった

旅行でもすれば気が紛れると、色んな人が色んなとこに連れまわしてくれたが、何も感じなかった


どうやら俺は歌と一緒に味覚と、色んな事を楽しむ心まで失ってしまったらしい



住んでたマンションも引き払って、狭いアパートへと引っ越した

とにかく今までと同じ環境に居たくなかった。じゃないとあの子の事を思い出してしまうから

だが、環境を変えたところで過去は消えない

結局何も変わることはなく、毎晩悪夢ばかり見ていた
927 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:07:50.01 ID:K6AtmFbL0
そんなある日だった

食料を買い足しにコンビニに行くと、ふとある週刊誌の見出しが目に入った


[108プロ、ついに倒産を発表]


P(108プロって、確かあの子の...倒産したのか)

正直、胸のすく思いだった

まだ新人だったあの子に枕を強要する事務所なんて、さっさと潰れてほしいと思っていた
この事務所のせいで、あの子はデビューしてすぐにあんなバッシングを受けて....









デビューして、すぐに?
928 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:08:19.13 ID:K6AtmFbL0
P(待てよ...それっておかしくないか?)


頭をハンマーで殴られたような感覚だった

止まっていた思考が急に回転し始め、死んでいた心に火が灯る



P(あの子はまだFランクのド新人だったんだぞ?なのにどの雑誌も一様にあの子の枕営業を表紙にしていた)

P(そもそもあんなに同じ記事ばかり並ぶものか?いくらゴシップ雑誌だとしてもネタの内容も優先度も同じだなんて)

P(それに...デビューは成功だったとはいえ他のアイドルに比べて抜きんでて目立ってたわけじゃない。今時山のようにあるゴシップで、なんでたいした旨味のないネタをそこまで?)



頭の中でカチリと音が鳴る
手詰まりになっていたパズルのピースが見つかったような、そんな感覚がした



P「...調べてみるか」
929 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:09:26.82 ID:K6AtmFbL0
高度情報化社会というのは便利だ。週刊誌のバックナンバーすら、電子書籍ですぐに購入出来るのだから

俺は当時の、あの子のバッシングをしていた雑誌を軒並み買いあさり...

そして、気づいた





P「なんだこれ...どれも出版社が違うのに、あの子の記事で使ってる写真が全部同じじゃないか!」


独占スクープやら新鮮なネタやらが好きな出版社が、手に入れた写真をライバル企業と共有して、みんな揃って同じような記事を作る。そんなの、絶対にありえない
2つ3つならまだしも、この時期に発売された芸能界を取り扱う雑誌は、軒並み同じ写真を使ってあの子の記事を描いている


こんなの偶然じゃない、つまり...






P「...あの二人に伝えなきゃ!」
930 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:09:57.42 ID:K6AtmFbL0
==============居酒屋=====================


ベテトレ「久しぶりだなP、ちょっとは元気出たか?」

早苗「とりあえずビールとつまみ頼みましょ!」

P「いや、俺はいいです。どうせ味わかりませんし...」

早苗「じゃあ、あたしの酒を飲むのが話を聞く条件って事で!第一、折角居酒屋来て飲まないなんてお店に失礼でしょ!?」

P「えぇ...分かりましたよ」

ベテトレ「というか、ちひろは呼んでないのか?」

P「プ、...ちひろさんは、その...顔合わせ辛いっていうか...」

ベテトレ「そうか...まあいい、何かあれば私たちから伝えておこう。それで、話というのは?」

P「はい、実は..........」
931 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:11:11.96 ID:K6AtmFbL0
P「....というわけなんです」


ベテトレ「これは...確かにどれも全く同じ写真だ。寸分も違いがない。2つ3つならまだしも、これだけの数は...」

早苗「流石に不自然よねぇ...」

P「あの子は、嵌められたんです。正体不明の誰かに。それに気づいてしまった以上、俺はもう止まれない。あの子の事件についてもう一度調べてみようと思うんです」

P「その為に、お二人の力も借りることになると思います」

ベテトレ「調べるったって、どうするんだ?出版社に潜り込むのか?」

早苗「いや.......あの子の記事を書いた雑誌が多すぎて、どこに潜り込めばいいか分からないわ。それにおそらく...」

P「はい...多分この事件の真犯人は、出版社じゃない」


ベテトレ「なに?」

早苗「考えてみて聖ちゃん。そもそもこれ、出版社からしたら手間のわりにメリットが薄すぎるわ。恐らく、いえ間違いなく裏に黒幕がいる。しかも、こんなに多くの出版社を動かせるほどのとんでもない力を持った奴がね」

ベテトレ「なるほど...しかし、それなら尚更どうやって探る?黒幕の手がかりはほとんどないんだぞ?」








P「...アイドル事務所を建てようと思います」

早苗&ベテトレ「「....なんだって(ですって)!?」」
932 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:13:34.32 ID:K6AtmFbL0
P「あの子は死ぬ直後、『自分がアイドルになっちゃいけなかった』と言っていました。裏を返せば、アイドルになったからこそこんなことに巻き込まれたって事になります」
 
P「だとすれば、事件の真相はアイドル業界にあるはずです」

ベテトレ「だからって、別にイチから事務所を作ることはないんじゃないか?どこかの芸能事務所に入社すれば...」

P「いえ、それだと履歴書で俺の素性がばれてしまいます。もし入社しようとした先に黒幕がいたとしたら、あの子と関わりがあった俺を警戒するでしょう?」
 
P「これだけの出版社を動かせる力の持ち主だ。履歴を頑張って偽造したところでバレてしまうでしょう。今自ら懐に潜り込むのは、返り討ちに合う可能性が高い」
 
P「それに...入社できたとして、芸能界の深い所まで探れるほどの機会を得るまでに時間がかかり過ぎると思うんです。だから...」

早苗「そのすべてをパスするために、自ら事務所を立てて社長になるって事ね」


P「あと青木さん、事務所を立てたら一つ頼みたいことがあります」

ベテトレ「なんだ?」

P「ウチに入ってきたアイドルを指導してやってください。この作戦、事務所が業界の中で相応の地位を手に入れないと、黒幕の情報にはたどり着けないでしょう。その為には、所属しているアイドルのランクを上げることが必要不可欠ですから...」

ベテトレ「成程.....分かった、その時は必ず引き受けよう。」

P「ありがとうございます。では話が済んだので俺はこれで...お金置いてくんで、これで好きに飲んじゃってください」


テーブルに万札を3枚ほど置いて席を立つ


早苗「待ってP君、最後に一つだけ言わせて」

P「なんですか?」
933 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:14:01.12 ID:K6AtmFbL0

早苗「私に、貴方を逮捕させないでね?」
934 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:14:40.30 ID:K6AtmFbL0
ベテトレ「..........」

P「....失礼します」







分かった、とは言えなかった

俺自身、どうやっても思えなかったからだ




黒幕を目の前にした俺が、胸に灯った黒い炎を抑え切れるなんて.....
935 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:15:44.67 ID:K6AtmFbL0
その後俺は、数か月かけて芸能事務所『811プロダクション』を立ち上げた

しかし、事務所を立てれたところでアイドルがいないんじゃお話しにならない。そもそも俺一人じゃ事務の仕事も手が回らなくなる


出来たばっかの芸能事務所じゃ、求人やスカウトも中々食いついてもらえない

それ以前に、芸能界の闇を探るにはそれ相応に実力のある子を見つけないといけない
 
トップとまではいわないが、Bランクくらいまでは行ってもらわないと業界の深い所には潜り込めない

だが、そんな逸材は早々見つからない....


開始早々詰まってしまって途方にくれいた時、ふとあの公園の事を思い出した

俺があの子と出会ったあの公園にいけば、もしかしたらまたあの子の様なアイドルの卵に会えるのではないだろうか?

そんな予感はしたものの、心の中でそんな次鵜の良い事ポンポン起きるはずないだろと毒づき
それでも、俺の足はあの公園へと向かって行った









そして、俺は出会った

停滞していた世界を加速させる、運命の歯車に
936 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:16:14.33 ID:K6AtmFbL0
...あの子に背中を押された気がした

これが俺が進むべき道だと、背中を押し出された感覚だった

だからこそ、俺は躊躇わず目の前の運命に足を踏み出した
937 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:16:51.78 ID:K6AtmFbL0
P「若いくせにこんな深夜に公園で寝るなんて、どんな不良かと思えば....なかなか別嬪じゃないか」

周子「んあ?お兄さん誰?」

P「ああ、失礼。俺はこういうもんでね。ほれ、名刺だ」

周子「ん...芸能事務所811プロダクション、社長兼プロデューサー P?」

P「そうだ、しかもその名刺、作ってから初めて渡した1枚だ。大事にしてくれよ」

周子「ふーん...それで?お兄さんはこんなかよわい女の子なしゅーこちゃんに何の用なの?」

P「そりゃもちろん、スカウトさ。しゅーこちゃんって言ったか?」
 






 


アイドル、やらないか?
938 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:17:35.42 ID:K6AtmFbL0
〜〜〜〜現在〜〜〜〜〜


P「...というのが、俺の隠してた秘密だ」

『.........』

想像を絶するPさんの過去に、皆一様に黙り込んでしまう






P「俺は今まで、自分の目的の為にお前たちを利用していたんだ」


P「罪悪感はあった、だが真相を追うためならどんな犠牲をも払って見せると思っていた」
 
P「...だが、お前らと過ごしていくうちに...どんどんお前らが愛おしくなった...純粋にお前らのアイドルとしての輝きを、もっと見てみたいと願うようになった」
 
P「だからこそ、打ち明けるのが怖かったんだ...お前らと過ごせば過ごすほど、真相を明かして、お前らに拒絶されるのが怖くなっていった」

 
P「すまない...俺はプロデューサー失格の男だ。いくらでも罵ってくれて構わない...」
939 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:18:50.92 ID:K6AtmFbL0
奏「いいえ、プロデューサーさん。貴方は紛れもなく、私達のプロデューサーよ」

P「えっ?」


周子「奏の言う通りだよ、だってPさんはちゃんとあたし達にアイドルの世界を教えてくれて、こんなに高いところまで引っ張ってくれたじゃん!」
  
周子「それが利用するって事なら、いくらでも利用してくれたっていいよ!」


美嘉「ていうか、水臭いよプロデューサー!そんな事件ずっと追ってたんならあたし達にも相談してよ!」
 
美嘉「あたし達の生きるアイドルの世界にそんな悪い奴がいるんなら、あたし達だって許せないし!」


フレデリカ「プロデューサー!悩むときは、一緒に悩もう?だってアタシ達、仲間だもんね♪」
     
フレデリカ「辛いときは、苦しいときは、あたし達皆で一緒に抱えよ?嬉しいとき、幸せなときは、皆で一緒に分かち合おう?その方がきっと素敵だよ!」


志希「あたし達皆どこかぶっ飛んでる人ばっかりだからさー、むしろ優等生なプロデューサーよりキミの方がずっと相性がいいんじゃないかにゃ〜?」
  
志希「それに...プロデューサーはあたしとパパを縛る鎖を解いてくれたじゃん。キミがなんて言おうと、あたしたちにとってキミは、あたし達家族の恩人なんだよ」


早苗「...本当に、良い仲間を持ったわね、P君」

ベテトレ「ああ、私の見立ては正解だった。やはり、彼女たちこそがお前の鎖を解くカギだったんだ」
    
ベテトレ「...そしてきっと、私の鎖もな」
940 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:19:19.04 ID:K6AtmFbL0
奏「プロデューサーさん、私、今すっごく嬉しいの。貴方の本音を聞くことができて。貴方に信頼されているのが分かって、愛おしいとさえ言ってもらえて...本当に、嬉しいわ」
 
奏「プロデューサーさん、大丈夫。私達は何があっても、貴方の味方だから...」
 
奏「だから...謝るんじゃなくて、ね?もっと、温かい言葉をちょうだい?」







P「皆......」
941 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:20:08.73 ID:K6AtmFbL0

ありがとう..............!
942 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:20:44.11 ID:K6AtmFbL0
to be continued...
943 : ◆FuHrdA/9sY [saga sage]:2019/04/09(火) 22:25:24.47 ID:K6AtmFbL0
Chapter0終了したとところで、今回はここまで―
....というか、この話だけ見たら完全にスレタイ詐欺じゃないか(白目)



『少女』には誰か原作のアイドルの子を当てはめようとも思ったのですが、でも死ぬしなぁ.....と思ったので結局オリジナルのまま進行しました
でも不便だから名前くらい付けてあげてもよかったかもしれない


これでようやく物語の3分の2が終わり、遂に終盤へと移ります
もちろん残り60レスくらいで終わるわけがないので、次スレ建ててきます
944 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/09(火) 22:42:03.00 ID:K6AtmFbL0
【モバマス】LiPPS「虹光の花束」 2スレ目
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1554816955/

次スレ建てましたー
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