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【安価】奴隷を買って好きにいじれ(2)

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2 :オパビー [saga]:2019/03/25(月) 19:31:51.70 ID:NZGdOkGa0
ルイ「わたしは……………」

 ルイがラクレシアの方を向いた。

ルイ「ごめん、ママ………」

ラクレシア「…………………」

 ルイは落涙し、ぽつりぽつりと話し始める。

ルイ「わたしがママのそばにいると、ママをきずつけちゃいそうでこわいの」

 おい、私は良いのか。

ルイ「なにかのひょうしでひがでたら、ママのいえも、ママも、ぜんぶもやしちゃいそうで。じぶんかってでごめんね。でももうすぐできるユタのおうちなら、もえないからいくらでもひだしてもだいじょうぶだから」

 おい、家は燃えなくても私は燃えるぞ。

ルイ「だから、わたしはユタといっしょにくらす。まいにちあいにきてくれる? ママ」

 ルイがそう言うと、ラクレシアは頷いた。

ラクレシア「私も、なるべくなら言いたくなかったけど、あなたのご飯や家を用意するのは今の私じゃあとてもじゃないけど無理なの。だからユタ王子の家で暮らすのは正解よ」

 ラクレシアはルイを抱きしめた。

ラクレシア「1日も休まずは無理だけど、出来るだけ毎日会いに来るわ、『ルイ』。良い子。良い子」

ルイ「ママ……………」

 よしよし、と、最後にラクレシアは泣いているルイの頭を撫でた。
3 :オパビー [saga]:2019/03/25(月) 19:33:44.86 ID:NZGdOkGa0
 建設完了まであと一週間。
 無事に建設完了か、何かイベントがあったか(どんなイベントか)>>下
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 19:47:25.15 ID:AnXxdXloo
兄の子供(甥か姪)とルイが遊ぶ
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 19:47:32.58 ID:oIFLpBPso
ユタを背に乗せて空中散歩を試みるルイ
よろしくぅ

ルイもラクレシアもリアリストで偉い
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 20:29:46.76 ID:AnXxdXloo
ルイちびっこいけど、子供とか大きさが子供のユタなら乗れるかもしれんかな?
大きさに不相応な力があるし
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/25(月) 21:20:04.27 ID:UALxH1VXo
前スレ一応貼っとく  http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1550414834/

完全オリジナルで、攻略要素とかもない安価スレだと感想の量はどうしてもこんなものかと(むしろ多いほうかも)

要望はみんな割と満足していて1の書きたいことを制限したくないのかあまり出てこないですね
読者の主張あまり強くなくて安価の取り合いとかあまり起きてないので、要望とか出すより思い着いたらその時だけしっかり狙って安価取って展開を誘導するほうが良いと考えられてるのかも

私は今の更新もゆるくて1レスごと内容しっかりしてる雰囲気は好きです
8 :オパビー :2019/03/26(火) 14:27:19.68 ID:8GbQPfb40
 >>7 ありがとやで。がんばるで。
9 :オパビー :2019/03/26(火) 21:41:08.45 ID:8GbQPfb40
 龍棟建設完了まであと3日。

 宮殿の庭はとても広く、草原が一つあるといっても過言ではない。
 私がそこのテラスでルイとサンジェルマンとお茶をたしなんでいると(ルイはホットミルク)、トキとその子供達、つまり私の甥と姪のソラとヤミが庭を散歩しているのが見えた。
 トキは私に気づくと手を振り、歩いてきた。

トキ「よう、ユタ」

ルイ「やっほー」

 ルイがカップをがじがじしながら答えた。
 やめなさい。

私「おはようトキ。いい天気だな」

トキ「だな」

 すると甥のソラが机の下からぴょこっと顔を出した。

ソラ「ドラゴンだー!」

 ヤミも続けて顔を出す。

ヤミ「ドラゴンじゃないよ。ルイってんだって。かっくいー!」

ソラ「かっくいー!」

ルイ「か、かっこいい? えへへ………\\」

 ルイは照れて頭をカリカリと掻いた。
 ソラとヤミはすでにルイの事を知っているようだ。
 ふむ、初対面だが打ち解けられそうだ。

私「ルイ。遊んできていいぞ」

 私がそう言うと、ルイはぱぁと顔を輝かせた。

ルイ「いいのっ!?」

私「ああ、仲良くしてこい。そのかわり目が見える範囲でな」

ルイ「やったー! 二人ともあそぼー!」

ソラ&ヤミ「「わーい!」」

 ルイはそう言うとパタタと席を離れ、ソラとヤミと庭に遊びに行った。
10 :オパビー [saga]:2019/03/26(火) 21:49:38.92 ID:8GbQPfb40
 私とトキはその後ろ姿を見て、微笑んだ。

トキ「仲良くなりそうだな」

私「ああ。なんだか子を見守る親の気持ちが分かる気がするよ」

 しばしほっこり。

私「まあ座れよ。サンジェルマン、ティーを」

サンジェルマン「かしこま」

トキ「すまないな」

 私は立っているトキを座らせた。

トキ「親といえばユタ。お前妃は持たないつもりか? 大英帝国の王子なら、子孫は残すべきだとは思うが………一生独身なのか?」

 妃か。

私「>>下」
11 :オパビー :2019/03/26(火) 21:50:11.56 ID:8GbQPfb40
 サンジェルマンの口調が軽いのはミス。
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/26(火) 22:08:26.98 ID:kkKveMbWo
私に子どものような扱いを全くしない相手を見つけたいとは思っているのだが
…幸い老けるのも遅いことだし気長に考えようと思う
13 :オパビー [saga]:2019/03/26(火) 23:57:36.22 ID:8GbQPfb40
私「私に子どものような扱いを全くしない相手を見つけたいとは思っているのだが…………」

 私がそう言うと、トキは笑って言った。

トキ「まあなあ。お前だいたいレディーからは可愛いって言われて甘やかされるからなあ」

私「中身は割と行っている癖にな。幸い老けるのも遅いことだし気長に考えようと思う」

 トキは紅茶をすすった。

トキ「そうはいっても、ハーフリングもニュートラル(普通)と寿命は同じなんだからあまり気長に待ちすぎるなよ? 待ちすぎていつの間にか生殖機能が爺さんになってたなんてことにならないようにな?」

私「ははは。気をつけるよ」

 そんな話をしていると、ルイとソラとヤミが戻ってきた。

ルイ「ユター、ちょっと私の上に乗ってみて?」

私「ん?」

 唐突にルイがそんなことを言い出した。

ルイ「えっとね、ソラくんとヤミちゃんをのっけてとんでみたいなーっておもったんだけど、さすがにちょっとあぶないからさきにユタでじっけん? してみようかなって」

 いやいや。
 私は実験体か。
 私も十分落下というリスクがあると思うのだが。

ソラ「ユタやってやって!」

ヤミ「やってー!」

トキ「あっはっは。人気じゃないか」

 しかしルイ、ソラ、ヤミの三人からの熱烈な視線を受けては断る、という訳には行かない。
 私はそういう目には弱いのだよ。

私「……………いいぞ」

三人「「「やったー!」」」

 怪我だけはしないようにしよう。
 私はサンジェルマンからこっそりと身代わりの魔法陣を受け取った。

ルイ「じゃあ掴んで掴んで」

私「わかった」

 私はルイが言うとおりにルイの両肩に手をかけた。
 持ち上げる対象が私ほど軽くて小さくても飛行は無理だろうな。

ルイ「しゅっぱーつ!」

ソラ&ヤミ「「いやっほー!」」

 ルイが汽笛のように声を上げ、二人が歓声を上げた。






 空中散歩を試みた。
 結果>>下
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 00:01:28.50 ID:GxMQHp8So
ジェットコースタールイを何とか振り落とされず堪能したユタ、地上に降りて無事胃の中身リバース
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 00:24:59.15 ID:EEzFfi+vo
インドア派のユタ王子体力なさそう
結婚相手はどうなるのかね…今までの奴隷と違って現状の話だけではルイと結ばれるの99%想像できない
動物ってのは成体でも知能的な年齢は人間の子供位だったりするし、意外と体の方はできてたりするのか…?
まあ今の雰囲気もいいし別に最初に選んだ奴隷以外と結ばれるエンドでも(もっと言えば誰とも結ばれず奴隷を養子みたいに育ててく展開でも)かまわないかな
16 :オパビー :2019/03/27(水) 00:27:11.85 ID:C/FXuCkI0
 〜〜〜

私「………………………はぁ……はぁ。止まれと………言ったと思うんだが?」

ルイ「ごめんなさい」

 結果、ルイは私を抱えたまま空を飛ぶことが出来る事がわかった。
 これだけ体重差がありながら、ルイはアクロバティックに空を飛び回った。
 軽やかに笑いながら、アクロバティックに。
 そう、アクロバティックに。
 いやー、もう無理だな。
 私は吐いた。

私「えええええおう」

ルイ「ごめんなさああああああいっ!」

 視界がぐるぐるしている。
 そこにソラとヤミとサンジェルマンが駆け寄ってきた。

サンジェルマン「大丈夫ですかユタ様」

ヤミ「すごくとんでたね」

ソラ「ユタおじちゃん吐いた?」

私「ああ、吐いた、が、大丈夫だ。えう。ちょ……本当に気をつけてくれルイ」

ルイ「ごめっ、ごめんなざあっ………ええええっ」

私「泣くな泣くな。ルイは失敗を元に一つ賢くなったんだ」

 私はルイを抱き寄せ、その頭をぽんぽんと撫でた。
 本当にこの小さな身体のどこに私を物理的にあれだけ振り回す力があるのだろうか。
 とても気になるところだ。
17 :オパビー :2019/03/27(水) 00:28:55.33 ID:C/FXuCkI0
 おやすみ。
 >>15 ワイもまだ一寸先は闇状態や。
 とりあえず今日はねるで。
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 00:46:09.50 ID:EEzFfi+vo
お疲れさんです
たぶん話のゴールはルイの生まれの謎を解明することになりそうですかね
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 00:50:00.64 ID:EEzFfi+vo
でも今すぐ研究対象にするのは断ってるし、成長するとなるとどれだけ先か…
先が見えないってこういうことか…
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 00:58:31.31 ID:GxMQHp8So
おつおつ
ルイインザホルマリンだけは勘弁な!
21 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 05:41:41.86 ID:C/FXuCkI0
 >>18 う〜んどうやろか。
 話の終わり方は行動次第やな。

 >>19 >>20 一度決めたことはよっぽどの理由がない限り変えないから心配せんでええで。
22 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 08:45:57.09 ID:C/FXuCkI0
 〜三日後〜

 今日、龍棟がお披露目される。
 私とルイは門の前に立っていた。

ルイ「どきどきするね…………!」

私「そうは言ってももう何度か一緒に視察に来てただろ」

 私がそう言うとルイは頬を膨らませた。

ルイ「ちがうもん! それとこれとはちがうもん! かんせいしてからとけんせつちゅうはべつもんだもん!」

 バタバタと手足を振る。
 ああ、うん。
 可愛いぞ。

私「わかったわかったすまなかったよ。じゃあ、開けてもいいか?」

ルイ「いいよ!」

 ルイのその返事と共に、私は扉の鍵を開けた。
 そしてゴォォォという重々しい音を響かせ、扉を引いた。

ルイ「わあああああ……………すごーい!」

 内装が見えるなりルイは感嘆の声をあげた。

ルイ「すごいよすごーい!」

私「あまりはしゃぎすぎるなよ」

ルイ「ヤッホーイ!」

 どひゅんっ

 ルイは弾かれたように飛び出し、早速正面のクッションに突っ込んでいった。
 思いっきりはしゃいでいるな。
 龍棟は縦50メートル、横25メートル高さ15メートルの体育館のようなところだ。
 岩場や水場があり、日当たりも良く、窓も大きい。
 夏は涼しく冬は暖かく設計した。
 例え5メートル級のドラゴンが入ったとしても十分生活出きるだろう。
 天井から大小のリングがぶら下がっていたり、大きなクッションが置いてあったりなど遊具も充実している。
 そして、私の寝床もだ。
 今日からここの一角が私の寝床だ。
 まあ紹介はここまでにして、私もはしゃぐとするか。

私「私もいくぞー!」

 私は全力で走り、ルイが埋もれているクッションにダイブした。

ルイ「きゃははは!」

 反動でルイが吹っ飛び、そのまま天井付近を飛び回り、リングを連続でくぐった。
 そしてカアンと鐘を打ち鳴らした。

ルイ「いいね!」

私「だろ?」

 ルイは笑いながら8メートルほどある岩山の頂上に鎮座した。

ルイ「ユター! ここまでおいでー!」

私「すまん。流石に無理だ」

ルイ「あははは!」

 なにはともあれ、気に入ってくれて何よりだ。
23 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 08:59:11.25 ID:HoHtSe0C0
 一区切りついたからここから1年ぐらい時間が経つで。
 今の季節は春後半。
 1年の間に何があった?
 ハプニングやイベント>>下4つ。
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 09:04:27.13 ID:TXZOsXIV0
ルイが月に1度無精卵を産むようになる(生理の代わり)
25 :オパビー :2019/03/27(水) 10:01:20.71 ID:Zc8Rtu3L0
 >>24 すごく、ええで。
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 10:15:57.38 ID:8pFQFITDO
夏にプライベートビーチに遊びに行く
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 10:29:23.17 ID:u1Z7Btxyo
お見合い話が
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 10:39:04.07 ID:DzpmJUVSo
ルイ、自分の意思である程度力を制御できるようになる
ただし兄の子供に影響を受けていたずら好きに…
29 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 11:00:33.09 ID:Zc8Rtu3L0
 全部いくらでも膨らませられそうやな。
 書くでー。
30 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 11:26:49.74 ID:Zc8Rtu3L0
 〜夏〜

 ガタガタガタ………

ルイ「うわー! すごく青い! すっごく青い!」

ソラ「すっげえええ!」

ヤミ「Fuuuuuuuu!」

 馬車の窓から海が見えてきたあたりから、子供達の落ち着きが無くなってきた。
 何せ海を見るのが初めてらしいからな。

 私は今、ルイとトキとその子供達と一緒にプライベートビーチに出かけている。
 最近はあり得ないほど暑くなって来たからな。
 みんなで海にでも来る事にしたんだ。

トキ「海来るの久しぶりだな」

 トキが子供達を見ながら感傷にひたるように言った。

私「遠征行っただろ」

トキ「そうじゃなくてだな。あれは仕事だ。プライベートで家族で来るのが久しぶり、ということだ。ソラとヤミと来たのは初めてだがな」

私「そうか………父上と母上と最後に海に来たのは何年前だろうな」

トキ「もう十何年も前になるのか………」

 トキはそう言うと私の方を見た。

トキ「あの頃を思い出してみると…………お前見た目ほとんど変わらないからなんか違和感あるな」

私「大きなお世話だ」
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 16:18:28.28 ID:DzpmJUVSo
トキが保護者で3人子連れ(+ペット)の図に見えてるな
32 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 16:28:17.25 ID:6Z8P8Cix0
 そうこうしている内に、私達が乗った馬車はプライベートビーチに着いた。
 サンジェルマンの手によって扉が開かれた瞬間、子供達は我先にと馬車を飛び出した。
 ボディーガードがあわてて三人を追いかけた。
 あ、ソラが転んで砂浜に頭から突っ込んだ。
 ルイとヤミが心配したが、ソラは笑ってそのまま砂を巻き上げた。
 大丈夫そうだ。

私「はしゃいでるな」

トキ「ユタは行かないのか?」

私「それほど子供じゃないさ」

 ソラとヤミがポンポンと服を脱ぎ、そのままルイと一緒に波に突っ込んでいった。
 二人は来るときに下に水着を着ていたのだ。

私「勢いがあってよろしいな」

トキ「まずは服を回収しなければな」

 バシャバシャと水を掛け合う三人を見て、私とトキは微笑んだ。
 このまま見守ってばかりというのも味気ない。
 頃合いをみて参入するか。
33 :オパビー :2019/03/27(水) 16:29:07.56 ID:6Z8P8Cix0
 >>31 絵図等が完全にね。
34 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 16:52:17.73 ID:6Z8P8Cix0
 しばらく後。



私「そろそろ参入するか」

トキ「おお、行ってこい……………ってなんだそれ」

 私が頃合いを見てそういい馬車からあるものを取り出すとトキが不思議そうに聞いた。
 筒状でもう一本の棒とセットになっている鉄製の道具。
 その名も………

私「これか? これは水鉄砲と言うんだ。ジャパンの玩具だ」

トキ「水鉄砲?」

私「まあ見てろ」

 私はバッ、と服を脱ぎ、水着になった。
 そして子供達の輪に参戦した。

トキ「やっぱりユタも子供じゃねえか」

私「はーっはっは! 遊ぶときくらいは思いっきり遊ばせてくれ!」

ルイ「あ、ユタ………」

 私は水鉄砲で水を吸い、思いっきり棒を押した。

ルイ「ぶぁあああっぷ!?」

 一直線に水が飛び、ルイの顔面にヒットした。

ソラ「なにそれカッケー!」

ヤミ「よくもルイを!」

 ルイが一発でやられたのを見て、ソラとヤミが臨戦態勢に入った。
 私はもう一度水鉄砲に水を補充する。

私「いくらでもかかってこい! 水鉄砲の威力見せてやろう!」

トキ「おとなげねえ…………」

 トキから何かが聞こえた気がしたが、私は無視した。
35 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 16:59:04.45 ID:6Z8P8Cix0
 30分後



私「ぜえ、ぜえ、子供のパワーを舐めていた…………ぜえ」

トキ「子供だな」

私「子供じゃない」

 最初の方こそ圧倒的な力を発揮した水鉄砲だが、そのうち慣れてきた三人に奪われてしまい、一気に形勢が逆転してしまった。
 上からはルイの水鉄砲。
 下からはソラとヤミのバシャバシャ。
 結局鬼のように水を掛けられた。
 すこしはしゃぎすぎてしまい、今わき腹が痛い。

私「ぜえ、ぜえ」

トキ「まあ風邪引かない程度に休んでろ。あれが三十路のはしゃぎ方かよ」

私「後悔はしている」

 まあ、楽しかったけどな。
 落ち着いたらもう一度、遊びに行くか。
36 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 17:00:34.75 ID:6Z8P8Cix0
 プライベートビーチでバシャバシャ遊んでる3人+1匹+トキ。
 イベント>>下1つ
37 :オパビー [saga]:2019/03/27(水) 17:14:12.84 ID:6Z8P8Cix0
 なんか安価雑でごめんな。
 因みにユタの水着は上下長袖仕様や。
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/27(水) 18:21:39.25 ID:GxMQHp8So
初めての海月に遭遇するルイ
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/28(木) 11:06:35.90 ID:ElND7GLto
俺もドラゴンと一緒に生活してえ
現実のペットとかじゃ代用にならない…
40 :オパビー [saga]:2019/03/28(木) 22:44:46.87 ID:AWdIRyRV0
 更新遅くてすまんで。
 再開やで。
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/29(金) 00:37:37.48 ID:vWZo3Vlto
寝ます…

ユタは外出して知識としてしか知らない物の実物に触れるのは楽しく感じてそう
子供っぽい性格の一面もあるのはやっぱり独身だからかね…
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/29(金) 10:34:40.60 ID:/eREMzm5o
展開で詰まってるなら、サイドストーリーの内容固まってればそっちを一度区切って書いてもいいよ?
書いてる間に本編の展開思いつくとは限らんけど…
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/29(金) 11:34:41.37 ID:t0EZFkJc0
だいぶ考えてるな〜
気長に待ってる
44 :オパビー [saga]:2019/03/29(金) 23:39:13.32 ID:z7HTH2r00
 すまんすまん。
 今日こそ話進めるで。
45 :オパビー [saga]:2019/03/29(金) 23:52:03.54 ID:z7HTH2r00
 しばらく日陰で休んだ私はもう一度海に駆り出し、遊んだ。
 服を脱いだトキも加わり、大乱闘となっている。
 そんな中、ルイが水面から高く飛び上がった。

ルイ「とう!」

 3メートル上空でルイが力を抜き、重力に従い落ちてきた。

ルイ「赤色流星群!」

 どっぱーん!

私「うお!」

トキ「ぶあああっ!?」

ソラ「あははははっ!」

ヤミ「とーさまおもしろいっ!」

 水しぶきにおののいたトキが海草にでも足を引っかけたのか、後ろに倒れひっくり返った。
 海面から下半身だけが飛び出ている。

ルイ「あっはっは!」

トキ「ぬあああ! げっほげほ!」

 トキが足をばたつかせ、一回転して普通の体制に戻った。
 ひどくせき込み、私と三人に笑われている。

トキ「はぁっ、はぁっ……げほっ」

 トキはルイをじろりと睨んだ。

トキ「よくもやったなルイイイイイッ!」

ルイ「あーっはっはっは!」

 ザブンザブンと波を立てルイに水をかけながらトキが追いかける。
 そしてまた転んだ。

私「あはははは………うぶあっぷ」

 私がトキを笑っていると、左右からソラとヤミに水をかけられた。
 あはははは、受けて立ってやろうじゃないか!
46 :オパビー [saga]:2019/03/30(土) 07:10:34.94 ID:FuayQrqN0
ルイ「あれっ?」

 そうやってしばらく遊んでいると、ルイが不意にそんな声をあげた。

ルイ「なにこ………いったあああっ!?」

私「ルイッ!?」

 ルイが飛び上がり、手をぶんぶんと振る。
 反動でルイの右前足にまとわりついていた何かが離れ、ボチャンと水に落ちた。

トキ「どうした?」

私「わからない。ルイ!」

 私は波をかき分けルイに駆け寄った。
 ルイは泣きそうな顔をしながら右前足を差し出す。

ルイ「びりびりした………」

私「ああ。あれか」

 私はルイを抱きかかえ、先ほどルイが投げた物の近くに寄った。
 プカプカと浮かんでいる透明な物体は、時折チカチカと光っていた。

ルイ「なんか………面白かったから触ってみたら、凄くいたかった……」

 好奇心は身を滅ぼす、だな。

私「これは海月(クラゲ)という生物の一種で、チョウチンクラゲという。触手にとげと毒があるから気をつけろ」

ルイ「毒あるの……?」

 ルイが心配そうな口調で自身の右前足を見た。

私「心配しなくてもいい。一瞬ビリッとするだけだ。本来ならこれで魚などを捕って食うんだ」

ルイ「へえ…………」

 私はチョウチンクラゲから離れながらルイに教える。

私「いいか? だいたいクラゲを見つけたら触るな、近づくなよ。クラゲの中にはチョウチンクラゲなんて比較にならないほど強い毒をもつ種類がいる。そいつらのとげに刺されると全身に力が入らなくなって溺れ死ぬ。中にはサメをも喰らうような暴食のクラゲもいるから本当に気をつけろよ」

 私がそう釘を刺すと、ルイはこくこくと頷いた。

トキ「大丈夫だったか?」

私「ああ。ちょっとしたクラゲに刺されただけだ。まだクラゲがいるかもしれない。一旦海を出よう」

 私がそう提案するとトキは了解し、子供達は不満を漏らした。
47 :オパビー [saga]:2019/03/30(土) 07:30:04.68 ID:FuayQrqN0
 ガタガタガタ………

 あの後、想像以上にクラゲが発生している事がわかり、海に戻ることは出来なかった。
 結局みんなで砂で一時間ほど遊び、帰ることにしたのだ。
 いや、やっぱり海は楽しいな。
 私もいつか自身の子供と一緒に来てみるのもおもしろいかもな。

私「なあ、トキ」

トキ「どうした?」

 私はすっかり疲れお互いに寄りかかっている三人を見ながら言った。

私「子供を持つのって………どんな感じなんだ?」

トキ「どんなかんじ、と言われてもな…………」

 トキはしばらく考え、言った。

トキ「まあ楽しめば楽しいぞ」

私「なんだそれ」

 トキはからからと笑う。

トキ「子供嫌いなんてのは自分から子供と一緒にいることを楽しもうとしてない奴の事だ。子供は何々するから嫌い、うるさいから嫌い。そんなもんは子供のせいじゃない。受け取るそいつが否定してんのが悪いのさ」

 そういうことか。
 子供か。

トキ「例えばお前は妻との間に自分の子供が産まれたとして、どう感じる?」

私「無いものの事を質問されてもな…………難しい質問だな」

 まず妻の顔が想像できないし、もちろん子供も想像出来ない。
 私はトキに言った。

私「>>下」
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/30(土) 10:19:38.35 ID:WQ6umtE/o
自分の子供も自分と同じような悩みを抱える可能性があるのが心苦しい
49 :オパビー [saga]:2019/03/30(土) 21:33:23.30 ID:CAGeDCR00
私「そうだな………もし、私に子供が出来たとしても、私の子供も私と同じように周りの人間から年齢を突き放されるという悩みを抱える可能性があるのが心苦しいな」

 私がそう言うとトキはそうか、と呟いた。

トキ「でも、あれだろ? 確か、生まれてくる種族は……あれだ。確率がどうのこうの………」

私「生まれてくる種族は血が濃ければ濃い方、先祖が近ければ近い方の種族になりやすい。私の場合はニュートラルの両親の遠い祖先のハーフリングの血が、ごく僅かな確率で子供の私に影響した事例だ。私の薄いハーフリングの血は一世代だけの物の確率が高い。親であるハーフリングの私の子供は、ハーフリングになる確率が低い。それでも、ゼロじゃないんだ」

 トキは怪訝な顔をし、言った。

トキ「考えすぎだろ。そうやっていろいろ言っていても、結局ユタは妻に可愛がられるのが嫌なんだろ?」

 まあ、そうだ。
 子供は言い訳にすぎないのかもしれない。
 子供扱いをされたく無いだけ。
 私は結局そう考えているのかもしれない。

 馬車に揺られるユタを見て私は窓縁に肘を乗せた。

 結婚、ね…………
50 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 05:53:02.88 ID:gPi3du3Z0
 数ヶ月後。
 落ち葉の舞うとある秋の日のことだたった。

ルイ「ユタァ、おなか痛いい………」

私「ん? どうした?」

 私が龍棟で本を読んでいると、隣で寝ていたルイが目を覚まし、そう言った。
 夏からしばらくが経ったものの、ルイの体長に変化はなく、変わらず約40センチほどだ。

ルイ「なんだかお腹が締め付けられて………痛いよおお…………」

私「風邪か? 体温を計ろうか」

ルイ「うん………」

 私はルイを膝の上に抱え、水銀の体温計を口に咥えさせた。
 手でさわってみた感じは、確かにルイの体温がいつもより少し高い気がする。
 私は手記を取り出し、ルイに質問をした。

私「他に悪いところは無いか?」

ルイ「えっと……頭が痛い。あと、身体がだるい………胸がむかむかする………」

私「なるほどな……………それで全部か?」

ルイ「うん」

 ルイが頷いた。
 症状はこんなもんか。
 私はそれを手記に書き記した。

私「そろそろか」

 私はルイの体温計を外し、値を記録する。

私「43.2。微熱だな。まあ風邪だろう。あとで七草粥を作ってやるから、それを飲んだらゆっくりしていろ」

ルイ「うん………」

 ルイはコクリと力なく頷いた。
51 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 06:31:12.93 ID:JUtnQqZf0
 数日後。

 ルイの風邪は治らなかった。
 微熱も落ちず、症状も変わらず。
 いや、むしろ悪化した。
 ルイは二回戻した。
 調べてもいるが、原因は未だ不明だ。

ルイ「ユタ…………」

私「どうした?」

 私が龍に関する書物を読みあさっていると、寝ていたルイが起きて来た。
 そして、言った。

ルイ「卵産まれた………」

私「………………っは!?」

 なんだと!?
 ルイが私を先導し、寝床まで連れて行く。

ルイ「これ………」

 ルイの寝床のクッションの真ん中に、ルビーのような光沢を放つ卵が鎮座していた。
 サイズは鶏の卵より一回り大きいほどだ。

私「……………そういうことか」

 私は書斎から一冊の本を持ってきた。
 『ドラゴンの産卵と子育て』。
 どうりで病気の本を見ても見つからない訳だ。

ルイ「私病気………?」

私「いや、心配ない。ただの生理反応だ。ドラゴンはある程度まで成長すると月に一度無精卵を産むようになるんだ。これは病気でも何でもない。ただ成長した証拠だ」

ルイ「そうなの?」

私「ああ、大丈夫だ」

 ……………成長?
 小さいが、まあ成長しているという事だろう。
 もう子供が作れる体になっているのか。

私「>>下」
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 08:29:46.23 ID:WqH5kEYR0
まあ体は「大人」になったとしても、かといって無理して大人ぶらなくてもいい
ルイはルイのままで成長してくれればいいんだよ
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 08:31:13.45 ID:1/ZQzoZvo
恥ずかしいと思ったりしないのか
54 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 13:07:34.55 ID:mKKvzeD00
私「まあ身体は『大人』になったとしても、無理に大人ぶらなくて良いぞ」

 私がそう言うと、ルイは頷いた。

私「ルイはルイのまま成長してくれれば良いんだよ」

ルイ「私は私のまま………分かった」

 ルイは羽をぱたつかせた。

ルイ「ところでこの卵、どうする?」

 ルイが卵を口で咥え、私の前に来た。
 卵か。
 無精卵だからもちろん孵化はしない。
 それゆえに放っておけば腐ってしまう。

私「ルイはどうしたいと思っている?」

ルイ「うーん。初めてのことだからよく分からないんだけど………このままだと死んじゃうんだよね」

私「卵がか? そうだな」

 私が頷くと、ルイは少し悲しそうな顔をした。

ルイ「可哀想だけど、このまま殺しちゃうのはもっと可哀想………食べよう」

 やはりルイは賢明だった。
 可哀想だと言って卵をそのまま暖め続け、腐らせるよりはずっと良い考えだ。
 私はルイの頭を撫でた。

私「感謝して食べるんだぞ」

 私がそう言うと、ルイはくるくると喉を鳴らした。
 ルイはそのまましばらく考えるように首を傾げ、私に言った。

ルイ「ユタ。一緒に食べよ?」

私「ああ。わかった」

 どう食すか>>下
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 13:28:47.63 ID:IXH1xS+Po
ファイアドラゴンのたまごって食べ物としてもなかなかやばそう…
マヨネーズで少しずつ消費
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 13:29:14.69 ID:IXH1xS+Po
マヨネーズにつけるんじゃなくてマヨネーズにするのね
57 :オパビー :2019/03/31(日) 13:29:47.06 ID:mKKvzeD00
 >>55 少しずつってどういうことや?
58 :オパビー :2019/03/31(日) 13:35:03.48 ID:mKKvzeD00
 >>56 理解。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 13:35:28.66 ID:IXH1xS+Po
一度に1個の量食べると体に危険な気がする
60 :オパビー :2019/03/31(日) 14:17:03.48 ID:mKKvzeD00
 コトン

 私は小瓶を机に置いた。

私「ファイアドラゴンマヨネーズの出来上がりだ」

ルイ「なんで調味料にしたの………」

私「一回で食べきるよりは少しずつ食べた方が毎回感謝できるだろ?」

ルイ「そうだね」

私「早速一回味見してみよう」

 私がサンジェルマンに頼むと、サンジェルマンはすぐにスティック状にしたキュウリを持ってきた。
 私とルイは一本ずつそこから取り、マヨネーズに付けた。
 ルイが生んだ卵は白身が無く、全て黄身だった。
 そのおかげか、マヨネーズも通常の物よりは黄色い物になっている。

私&ルイ「「いただきます」」

 カリッ、と二人でみずみずしいキュウリをかじった。

私「…………」ポリポリ

ルイ「…………」ポリポリ

 私とルイは同時に顔を見合わせた。

私「旨い!」

ルイ「おいしい!」

 まろやかな舌触り、鳥類のそれとはまた違う味わいとコク。
 本当に旨い。
 そしてキュウリも旨い!
 私とルイはあっという間にキュウリを食べきってしまった。

私「マヨネーズは正解だったな」

ルイ「うん。ごちそうさまでした………」

 ルイは残った卵の殻に手を合わせた。
 マヨネーズはまだ残っている。
 あまり保つものでは無いから早めに消費しよう。
61 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 14:23:18.69 ID:mKKvzeD00
 一週間後。

 空になった小瓶にルイが手を合わせる。

ルイ「ごちそうさまでした」

 私はルイに聞く。

私「ルイ。これからも、自分が産んだ卵を食べ続けるか? もしストレスになるのなら、食すのを止めよう」

 ルイはそれを聞くと、フルフルと首を振った。

ルイ「ううん。食べる。食べ続けたい。食べなかったら、卵に失礼だから………それに………」

私「それに?」

 ルイは舌をペロリと出した。

ルイ「おいしかったし………ね」

 私はルイの頭を撫で、笑った。
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 14:52:12.29 ID:MXCPaHkVo
まあ無精卵だしね
63 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 14:59:40.38 ID:mKKvzeD00
 また数ヶ月後。
 季節は冬。
 私は龍棟ではない宮殿でほっこりと暖まっていた。

ルイ「ファイア!」

 ボッ

 ルイがそう叫ぶと、暖炉に火がついた。

サンジェルマン「ルイ様素晴らしいです。まさかここまで火を操れるようになるとは」

私「努力の賜物、だよな」

ルイ「えっへん!」

 私とサンジェルマンがそうほめると、ルイは胸を張った。

ルイ「もう、ユタを傷つけたくないもん」

私「……ああ。よく頑張った」

 ルイは私を見据えてそう言った。
 今でも私の体には深い火傷の痕が残っている。
 ルイはまだこの傷痕の事を気にしているようだ。
 サンジェルマンが私の前にホットココアを差し出す。

サンジェルマン「ああ、ソラ様にヤミ様。あまり台所は弄らないでくださいませ」

ソラ&ヤミ「「はーい」」

 ちなみにトキはまた出張中の為、ソラとヤミがルイと遊びに来ているのだ。

私「元気の良い子達だ」

 私はホットココアを啜った。

私「ぶふぁあっ!?」
64 :オパビー :2019/03/31(日) 15:15:32.79 ID:mKKvzeD00
 私は喉を抑え咳き込む。

私「ま………まさかっ………!」

サンジェルマン「ユ、ユタ様! まさか毒がっ………!」

 サンジェルマンが心配して私に駆け寄る。
 サンジェルマンの肩の向こう側のソファの裏から、ルイと子供達が笑いながら顔を覗かせているのが見えた。

ソラ「ぶ、ぶふぁあっ!? だって………くっくっく」

ヤミ「ん、んふふふっ、あはははっ」

ルイ「あ、あはっ、あはははは!」

 なんと、なんと古典的な………
 古典も古典。
 台所の塩と砂糖を入れ替えるという悪戯!

私「また君たちかああああっ!」

 私は立ち上がり、ソファの周りを回りながら子供達を追いかける。

ソラ「あははははははっ!」

ヤミ「きゃー!」

ルイ「あははははっ、あ、捕まった。ちょっ、二人とも助けっ」

私「くすぐりの刑っ!」

ルイ「あはははははははっ! やめっ、助けてえええっ!」

 私はルイを呼吸困難になるまでくすぐった。
 全くルイは………
 火を自由に操れるようになったは良いが、トキの子供達の影響を受けて酷く悪戯好きになってしまったようだ。
 この前も私が風呂に入ったときにシャワーから赤い水が出るように細工されていた。
 一瞬血だと思って本当に驚いたんだからな!

ルイ「許してえ! あはははは!」

私「よし、許してやろう」

ルイ「ぜえ、ぜえ…………あはは………ぜえ」

 私はすっくと立ち上がり、ソファの裏に隠れるソラとヤミに首を向けた。

私「次はどっちの番だ?」

ソラ「やべ、逃げろっ」

ヤミ「きゃー!」

 そんな中、サンジェルマンが私と子供達を見て、呆れたようにため息をついていた。
65 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 15:51:04.73 ID:mKKvzeD00
 季節は巡り、また春。

 サンジェルマンが唐突な話を持ち出してきた。

私「見合い話?」

サンジェルマン「ええ。ぜひユタ様と会わせてみたい、と国王様が」

私「父上か………」

 サンジェルマンが頷いた。

サンジェルマン「なお国王様はもし気に入らなければ蹴っても構わない、との事です」

私「ああ………分かったが、せめて相手がどんな人物かだけ教えてくれるか?」

サンジェルマン「ええ、分かりました」

 そう言ってサンジェルマンは結婚相手の写真を持ち出した。


性別 女
名前>>下1
種族>>下2
職業・身分>>下3
身体的特徴>>下4
性格・趣味>>下5と下6
年齢>>下7
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:21:32.06 ID:8zVVhfOc0
パトリシア
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:23:11.46 ID:1/ZQzoZvo
おう急にキャラ設定の安価とか考えてなかったから思いつかん
と思ったら名前きたな
種族はハーフリングで
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:39:29.47 ID:vKRD875u0
植民地の王族
ハーフリングの家系
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:45:47.66 ID:gy5DS7DDO
褐色肌
白髪ロング
背中に植民地の守護鳥にあたるフェニックスのタトゥーが刻まれている
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:56:48.12 ID:ZwE8X/T9o
現実主義者で毒舌
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 16:59:11.31 ID:j7A7MvNJ0
内気で引っ込み思案
絵を描くことが趣味
72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 17:18:28.93 ID:4WUxf5Mb0
17
73 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 20:55:21.26 ID:+VUmp8At0
 私は写真を覗き込んだ。
 そこには褐色の肌を持ち、雪のように真っ白な長い髪を垂らした少女がいた。

私「まさか………この子か?」

サンジェルマン「ええ、そうです。美しいでしょう?」

 いや、美しいのだが………少し幼すぎではないか?
 写真の中の少女は、どう見ても12歳を越えているとは思えない出で立ちだった。
 私がそう思っていると、サンジェルマンが私の考えを見据えたように言った。

サンジェルマン「幼いとお思いでしょう。ですが実はそのお方はハーフリングなのですよ」

私「ハーフリング…………」

 私と同じと言うことか。

私「地位は?」

サンジェルマン「アフリカの一つの植民地を支配する大英帝国の王族の一派でございます。肌色と毛色は一族のものです」

私「王族か………確かに妃として不足は無い」

 私がそう言うと、サンジェルマンは嬉しそうに言った。

サンジェルマン「そうでしょう。それに今年で17になったという若さですので、子も無事になせると思います」

私「へえ、17……17!?」

 私はもう一度写真を見た。
 明らかに見た目の年齢が私を越えている。
 やはり私はハーフリングの中でも特に若く見えるのだろうか………

私「とりあえず会ってみない事には何も言えないな。見合いはいつだ」

サンジェルマン「今日です」

私「今日!? ずいぶんと急いだものだな」

サンジェルマン「連絡が遅れてしまったようで。お呼びしますね」

 サンジェルマンはそう言って部屋を退出した。 
 まさか今からなのか。
 それにもう来ているのか!!?
 私は部屋着を着替えたり服装を整えたりとあたふたする事になった。
74 :オパビー [saga]:2019/03/31(日) 23:14:04.41 ID:+VUmp8At0
 〜〜〜

私「………………」

パトリシア姫「…………………」

 本当に当日だったらしい。
 サンジェルマンが戻ってきたと思えば、直ぐに広い商談室へと誘導された。
 なんでこんなにスケジュールがタイトというか早いんだ………

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 はあ………
 この部屋には私とパトリシア姫の二人きり。
 王族の見合いはもとよりこういう作法らしく、サンジェルマンや護衛はもちろん、ルイすら入室は許されない状態だ。

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 実際パトリシア姫は写真で見るよりも美しかった。
 茶褐色の肌に真っ白な髪、まつげ、眉毛。
 腹を見せるような服をきており、へそや唇、ハーフリングの長い耳に金細工のピアスが付けられている。
 何故か手には紙を何枚も束ねたようなスケッチブックを持ち、それを胸辺りで抱き抱えている。
 目は不安に満ち、一カ所に留まっていない。
 恐らく私も同じ状態だろう。

私「………………」

パトリシア姫「………………」

 き、気まずい。
 始まりの挨拶以来いっさい会話がなされていないではないか。
 何か………何か言わねば…………

私「>>下」
75 :オパビー :2019/03/31(日) 23:25:14.63 ID:+VUmp8At0
 忘れてたやがホットココアはルイが温めたものやで。
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/03/31(日) 23:39:28.60 ID:1/ZQzoZvo
はるばる来た苦労を労わせてほしい
そっちの国の様子は?
77 :オパビー [saga]:2019/04/01(月) 05:40:45.25 ID:LWvocUXk0
 なおパトリシア姫(き)と読む。



私「……あ」

パトリシア姫「あの」

私「あ、いえ。どうぞ」

パトリシア姫「であっ、そ、そちらから…………」

私「……………」

 被った。
 であっ、ってなんだ。

私「えーっとその…………はるばる来た苦労を労わせてほしい。そっちの国の様子は?」

 よしなんとか言えた。
 パトリシア姫は何度かもじもじしてから、私の目を見た。
 そしてスケッチブックで口元を隠しながら小さな声で話し出した。

パトリシア姫「は……………わ、私の国は非常に豊かです…………こ、せ、先住民も、他の植民地よりは幸せな暮らしをしていると、じじじ自負しております」

 あまり人と話すのが得意ではないと見た。
 私もだが。

パトリシア姫「そそ、そちらの大英帝国は、どどうですか」

私「ああ…………その……大英帝国は開拓と発明の国だと自慢できる国だ。日々もの凄い勢いで新しいものや土地が開拓されている。それに、平和だ」

パトリシア姫「そそそそうですか…………」

 パトリシア姫はスイーッと私から目を背けた。
 瞳がプルプルと震えている。
 そして会話が止まった。
 なんでもっと長引くような話し方を出来なかったのだろうか………
 まあいい。
 次の話題を探してみよう。
 こんな事になるなら会話術の本も読んでおくべきだった………

私「>>下」
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 07:02:50.73 ID:ZMcaf6ygo
子供は好きか
私は子供に見えるか
79 :令和 [saga]:2019/04/01(月) 12:32:59.76 ID:LWvocUXk0
私「……………子供は、好きか?」

パトリシア姫「え、あ、はははい………す好きです」

 パトリシア姫はスケッチブックで口元を隠しながら嬉しそうに話した。
 私はそのパトリシア姫に聞いた。

私「私は、その………子供に見えるか?」

 私がそう聞くと、パトリシア姫は私の身体を下から上まで見ながら言った。

パトリシア姫「そそ、そうですね……子供に見えます。背も小さいですし、ささ最初に写真を見せられた時は冗談でしょと思いました……」

 少し言い過ぎではないか。

パトリシア姫「ででですが、同じハーフリングだと聞いて安心しました。それでも普通よりは小さいのですが………じ、実際に会ってみると、そそ想像以上に、はは話し方とかが子供っぽくはないなって…………」

 子供っぽくは無い、か。
 それに対してパトリシア姫は案外子供らしい仕草などをしている。
 毒舌、というか少し歯に衣着せぬ物言いだがな。

私「>>下」
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/01(月) 12:42:03.00 ID:qgjqY9YL0
ま、まあ外見だけで人は判断できないからな…
と言うわけでお互い内面のことも知ろうか?
とりあえず好きなこととか趣味を語ろうか
81 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 00:15:40.39 ID:nQ0tp4l90
私「ま、まあ、外見だけで人は判断出来ないからな………」

 私はチラとパトリシア姫を見た。
 清楚で静かに見えるパトリシア姫も実際の内面は分からない。
 人の内面と言うのは例え兄弟でも分からないと言うしな。
 まずは話してみるのが吉だろう。

私「と言うわけで………お互い内面のことも知ろうか? とりあえず好きなこととか趣味を語ろう」

パトリシア姫「わわわわかりました………」

 まずは私からだ。

私「私は………昔から本を読むのが好きだった。このハーフリングの身体で外に出て、可愛いと言われるのが嫌だったんだ。そうやって本を読んでいく内に、使うこともない知識と知恵だけが蓄積してきたんだ」

 サンジェルマンと私の間で日常的に行われる問答は、サンジェルマン本人が提案した物で、知識のアウトプットを目的としている。
 サンジェルマンがそうやって知識を蓄えることの楽しさを作り出してくれていなければ、私はただ何の目的もなく、ただ自然に塵が蓄積していく水たまりのように知識を蓄えてきただろう。
 今は違う。
 知識を蓄えることが楽しい。
 まだ私には経験が足りない。
 いつか世界に旅立ち、自分の知識が通用するかを確かめてみたい。
 そう思っている。
82 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 09:15:12.48 ID:nQ0tp4l90
パトリシア姫「ほほ本を読むのがお好きなのですか………良いことだとおお思います………」

 パトリシア姫はこくこくと頷き、部屋の一角にある本棚に目を向けた。

パトリシア姫「あ、あれもユタ王子の本ですか? ああああの分厚い本も、もしかして全部読まれて……」

私「ああ、そうだ。勿論全部読破している」

パトリシア姫「へええ………」

 私がそう言うとパトリシア姫は好奇心旺盛の表情で本棚を見つめていた。
 まるで新しいものを知ってはしゃぐ子供のような表情だった。

私「パトリシア姫。良ければあなたの趣味をお聞きしてもよいか」

パトリシア姫「わわわ私ですか」

 パトリシア姫はそう言うと、恥ずかしそうにはにかんだ。
 そして私にスケッチブックを差し出した。

パトリシア姫「ええええっと……………たたたたいへんお恥ずかしいことなななのですが、私絵を描くことが好きでして………」

 ほう、絵を描くことが。
 私は身を乗り出した。

パトリシア姫「ととと特に動物画がお気に入りです………さささ差し支えなければ見ていただければ…………」

私「わかった。見てみるとしよう」

 私はパトリシア姫からスケッチブックを受け取り、開いた。
 するとそこには恐ろしいほど精巧なトゲナシトゲアリベヒモスの鉛筆デッサンがあった。
 私は思わず目を見張った。
 表情やシワ、光沢までを完璧に描いている。

私「これは…………すごい」

パトリシア姫「あ、あああありがとうございます………」

 照れや恥ずかしさからか顔を赤らめながらパトリシア姫は私に頭を下げた。
 私はそのまま紙をめくる。
 ヤマビロガニ、サクマツノゼミ、ヘンチクアリ、モフモフモクモア、様々な生物が絵の具やデッサンなど様々な描き方でまるで図鑑のような完成度で羅列していた。
 素晴らしいの一言だった。
 しばらくめくると、私は知らない生物にたどり着いた。
 龍のような鱗をもちつつその翼は羽毛で覆われており、美しい額の一本角がよく目立つ。
 しばらく考察してみたが、どうしてもこの生物の事は思い出せない。

私「これは………?」

パトリシア姫「あ、ええええっと、それは創作の生物で、ほほほほんとうには存在しないんです」

 創作の生物だと。

私「素晴らしい!」

パトリシア姫「っ……………!?」

 私は思わず叫んでしまった。

私「これは、素晴らしいパトリシア姫。本当に実在する生物かと思ってしまった。そう信じ込ませるほどの画力と才能、実に素晴らしい!」

 パトリシア姫はいくらかもじもじもじもじした後、小さく、消え入りそうな声で言った。

パトリシア姫「あ…………ぁぁ、ありがとうございます…………」

 不意に、パトリシア姫の目から涙がこぼれた。

私「パトリシア姫? ど、どうした?」

 パトリシア姫は手の甲で目を抑えながらぽつりぽつりと語り出す。
83 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 09:24:37.27 ID:nQ0tp4l90
パトリシア姫「………いいいい今まで、だだだだれにもそんな事言われたことなくて………おおおお父様はこんな絵をかかか描いてる暇があったら勤勉にはは励めって。だだだだからももももしかしたらわわわ私にはええ絵のさささ才能がなな無いんじゃないかっておお思い始めて。ささ最近は全然筆が進まなくて…………でででもユユユユタ王子に褒めて貰えて…………ううう嬉しかったんです」

 そんな馬鹿な。
 パトリシア姫は絵の才能だけでこの先生きていける筈だ。
 それをこんな絵など…………
 いや、王には王なりの考えがあるのかもしれない。
 真っ向から否定は出来ないな。
 私は改めてスケッチブックを見る。
 一角の美しい幻獣は、走っている姿をそのまま紙に閉じ込めたと言われても不思議ではないほどの躍動感を持ち、今にも飛び出して来そうだった。
 こんな絵、ではない。
 素晴らしい絵だ。
 私はしくしくと泣くパトリシア姫に言った。

私「>>下」
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 09:40:53.66 ID:+rP6uOkDO
そう泣かないでくれ
僕は君の泣き顔より笑顔を見てみたい
85 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 09:51:21.38 ID:nQ0tp4l90
私「そう、泣かないでくれ。私はあなたの泣き顔より笑顔が見たい」

パトリシア姫「………ぐすっ………………ひぐっ……………」

 パトリシア姫は涙を拭ききると、下唇を噛み、ピタッと泣き声を止めた。

私「私はとても素晴らしいと思う。たとえ一国の王が認めなくとも、私は認める」

 パトリシア姫はこくこくと頷いた。

パトリシア姫「あああ………ぁ、ありがとうございます…………」

私「………………」

 私はスケッチブックをめくる。
 どのページを見てもため息が出るほど素晴らしい………

パトリシア姫「あああの…………ユユユユタ王子…………」

 私がスケッチブックの中程まで読み進めた頃、パトリシア姫が私に話しかけた。

私「なんだ?」

パトリシア姫「よよよ、良ければなんですが、ああああとでルイ様をデッサンさせてもらえますか? りゅりゅりゅ龍というのはあああまりみる機会が少なくて……そそそそれに小さい龍は初めて見ましたから」

 なるほど、そう言った願いか。

私「良いと思うぞ。ルイが嫌と言わなければだが………」

 パトリシア姫はぱあと顔を輝かせた。

パトリシア姫「ありがとうございます!」

 それは紛れもない笑顔だった。
 計らずともパトリシア姫の笑顔がみれて、私は少し嬉しい気持ちになった。
86 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 10:10:52.53 ID:nQ0tp4l90
 いくつか話をしながら、そろそろスケッチブックが終わりに近づいて来た時のこと。

私「………………?」

 私はスケッチブックの間に薄い冊子のような物が挟まっているのを見つけた。
 直感的に嫌な予感がし、さりげなくスケッチブックの角度を少し傾けパトリシア姫から見えないようにした。
 そしてその冊子を見た。
 表紙には多少リアルからデフォルメされたイラストチックな雄のライオンと恐らく雄の狼が笑いあっており、題名には『獅子と狼の[ピーーーー]』とポップな字体で書かれていた。
 このイラストはパトリシア姫が描いた物だろう。
 タッチが完全に一致していた。
 恐ろしく精巧なデッサンとパース。
 まさかこれは…………
 私は1ページ目を開いた。

 獅子が猟師に撃たれる。
 獅子は命からがら逃げる
 猟師が追う。
 獅子が狼を見つける。
 獅子は狼を食べようとする。
 狼は獅子の身体の心配をする。
 獅子は狼を食べる気を無くす。
 狼は獅子を洞窟に匿う。

 薄暗闇の中、獅子と狼は[ピーーーー]

 私は本を閉じた。
 ガッツリだった。
 修正も隠しもされていない、ガッツリだった。
 恐ろしく精巧でパース狂い無しの画力でガッツリだった。
 しかも雄と雄だった。
 しかも人化も何もされていない獣100%だった。
 しかもページ数を見るにあと20ページ以上続くらしい。
 しかもページ裏を見ると発行所などが書かれているということはある程度の部数刷られていると言うことだ。
 しかも作者の名前がパトリッシュ☆リンリンだった。

 私はパトリシア姫を見た。
 微笑んで、紅茶を飲んで、今はリラックスしているようだ。

 いや…………
 なんだこれ………

私「………………」

パトリシア姫「………ユユユユタ王子? どど、どうかされました?」

 これは…………
 どうするべきなのだ!?

 >>下
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 10:18:18.41 ID:jKliysX6o
誤魔化す
だが明らかに挙動不審に
88 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 10:33:23.55 ID:nQ0tp4l90
 バレ安価。
 下一桁6以下:バレる
 下一桁7以上:セーフ
89 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 10:34:15.17 ID:nQ0tp4l90
 コンマだ。
 バレルーレット>>下
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 10:35:09.55 ID:+rP6uOkDO
はい
91 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 10:56:03.33 ID:nQ0tp4l90
 誤魔化そう。
 私は何も見なかった。
 私はスケッチブックを閉じ、パトリシア姫に言う。

私「なななななんでもないぞ」

パトリシア姫「?」

 下手くそか。
 緊張のしすぎでパトリシア姫のようなしゃべり方になってしまった。
 パトリシア姫は不思議そうな表情で私が手に持っているスケッチブックを見た。
 そして、スケッチブックの端から、ほんの少し、スケッチブックとは紙質の違う紙が飛び出ているのに目を止めた。
 しまった。

パトリシア姫「………………ま、ま、まさか……………」

 パトリシア姫がまるで薄く張った氷を摘まむように、私のスケッチブックを掴み、私の手の中からゆうっくりと引き抜いた。
 そして、それを呪いの書でも開くように、開けた。

パトリシア姫「……………………………」

 パタン

パトリシア姫「ふぅ……………」

 静かだ。
 パトリシア姫は、静かに私の目を見つめる。
 そ、そんなに見つめないでくれ。
 本当に。

私「…………………」

パトリシア姫「…………………」

 徐々に、その顔が崩れ、じわじわと目に涙が浮かぶ。

パトリシア姫「…………………殺してください」

 一言そう言って、パトリシア姫は俯いた。

パトリシア姫「ぅぅぅ……………ぅぅっ……………」

 あー……………
 誰かこの状況を説明してくれ。
 とにかく………………
 なにか……………
 いわねば…………………

私「>>下」
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 11:02:27.04 ID:+rP6uOkDO
た、他人に押し付けない限り、趣味に貴賤はないから…
93 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 11:57:07.25 ID:nQ0tp4l90
私「た、他人に押しつけない限り趣味に貴賤はないから………その………」

 私がそう言うと、パトリシア姫が口を開いた。

パトリシア姫「おおおお願いです…………ななななんでもしますから口外しないでください…………」

 顔をあげ、私に迫りガッと肩を掴む。

パトリシア姫「お願いですから私が獣姦BL同人誌を作ってしかもそれを販売してることは口外しないでくださいっ! ………………ぇぇっ、ぅぇえええっ……………」

 言い切った後、パトリシア姫はまた顔を歪め泣き出した。
 これは…………どこから突っ込めばいいんだ。


 〜〜〜


 しばらくして、パトリシア姫が泣き止んだ。
 ビーッとハンカチで鼻をかむ。

パトリシア姫「ごごごごごめんなさい………とと取り乱してしまって……………」

私「いや………あれは取り乱しても仕方が無いと思うぞ」

パトリシア姫「うううう…………」

 自分が描いているとってもニッチなエロ本を見合いの席で相手方に見られるなんて事はそうそう無いだろうからな。
 想像し難い状況だが、実際に起こっている以上仕方がない………

パトリシア姫「ユユユユタ王子。ひひひ秘密にしてください。おおお願いします」

 パトリシア姫がスケッチブックを抱えたまま頭を下げた。

私「>>下」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 12:23:32.90 ID:Ziw0kqOBo
口外しないようにしよう
これは私以外は誰も知らないのか
95 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 12:31:45.38 ID:nQ0tp4l90
私「口外しないようにしよう」

 私がそう言うと、パトリシア姫は感謝の意を込め無言でコクコクと頷いた。

私「これは、私以外は誰も知らないのか?」

 私がそう言うと、パトリシア姫は一度鼻を啜ったのち答えた。

パトリシア姫「ははははい。パパパパパトリッシュ☆リンリンの名はああある程度知られていますが、そそそれが私だと言うことはだだ誰も知りません」

私「そうか」

 私が初めて秘密がバレてしまった人物という訳だな。
 絶対に約束は守ってやろう。
96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 12:33:34.71 ID:jKliysX6o
王室御用達獣姦BL同人誌は草
97 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 12:40:54.90 ID:nQ0tp4l90
 その時、カーン………カーン…………という鐘の音が鳴らされた。
 それと同時に商談室の扉が開く。

サンジェルマン「お見合い終了でございます。パトリシア姫、迎えの方が来ているのでお引き取り願います」

 サンジェルマンがそう言うとパトリシア姫は急いでスケッチブックを机の上から取り、頷いた。
 パトリシア姫は私に向くと頭を下げた。

パトリシア姫「きょきょきょ今日は本当にありがとうございました。ままままた明日お会いしましょう」

私「ああ、また明日パトリシア姫」

パトリシア姫「でで、では」

 そう言ってパトリシア姫は部屋を出て行った。
 見合いの日程は一週間。
 あと6日パトリシア姫とは見合いをする事になる。
 そして最終日に結婚するか否かを決めるのだ。
 まだ結論を急く必要はない。
 あと6日もあるのだから、ゆっくり決めていこう。

 〜〜〜

 パトリシア姫がホテルに帰って行った後、サンジェルマンが私に聞いた。

サンジェルマン「で、どうでしたかな? パトリシア姫は」

私「ううむ………」

 まだ1日目では分からないが…………
 同人誌を描いているという事実がインパクトが強すぎた。
 とりあえず今日1日見合いをしてみて、パトリシア姫と結婚しても良いかどうか…………

私「>>下」
98 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 12:57:24.27 ID:+rP6uOkDO
結婚するかどうかはともかく彼女とはもっと交流を深めたい
99 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 13:37:38.61 ID:nQ0tp4l90
私「結婚するかどうかはともかく、彼女とはもっと交流を深めたい」

サンジェルマン「ほお」

 サンジェルマンは口ひげを撫でながら興味深そうに言った。

サンジェルマン「前向きに検討する、と受け取っても?」

私「んー、まあそう考えてもらって構わない。パトリシア姫といると楽しいからな」

サンジェルマン「分かりました」

 結婚するかしないか。
 サンジェルマンのどんな問答よりも難しい問題を、私は今目の前に叩きつけられている…………
100 :オパビー [saga]:2019/04/02(火) 13:42:10.68 ID:nQ0tp4l90
 〜〜〜

ルイ「ねーユタ〜。お昼何してたの? お話?」

私「ああ、ルイか」

 私が龍棟に入ると、天井付近のリングでバランスをとっていたルイが降りてきた。
 無知の目で私を覗いてくる。

ルイ「あの女の子とお茶会してたら私も行きたかったな〜」

 そうかルイは何も知らないのか。
 どうやってお見合いをしていたという事を説明しようか。
 結婚の概念はまだ教えていないからな…………

 >>下
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/02(火) 14:57:36.21 ID:Ziw0kqOBo
彼女が私と家族になるかもしれない
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