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【艦これ】憲兵と艦娘
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1 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:11:59.15 ID:3A1BoTBQO
とある鎮守府の憲兵と艦娘たちの物語。
※過去作との関係はありません。
※割と長いです。あらかじめご了承ください。
2 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:13:07.54 ID:3A1BoTBQO
着任初日
憲兵隊員「敬礼!」ビシッ
憲兵隊長(以下憲兵)「」スッ
憲兵「直れ」
憲兵「研修と訓練を終えた君たちに私から改めて言うことはない。我が国を守る提督と艦娘が後顧の憂い無く戦えるために、今日より任務に精励すること。以上だ」
3 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:14:12.63 ID:3A1BoTBQO
電「司令官さんが着任されたのです」
憲兵「敬礼っ」ビシッ
隊員「」ビシッ
提督「直れ」
提督「君たちに務めてもらう任務は、率直に言って地味で、あまり国防に貢献しているという実感が得られないかもしれない。だが、艦娘が戦ううえで必要不可欠な任務だ。どうか彼女たちの背中を守ってほしい」
提督「……以上。これからよろしく」
憲兵「はっ!」
4 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:15:58.41 ID:3A1BoTBQO
隊員A「あの提督、だいぶ若いですね」
隊員B「お前が言う台詞じゃないけどな。隊長より若いんじゃないっすか?」
憲兵「私よりは若いだろうな。間違いない」
隊員C「年下の上官持つのってどんな感じです?」
憲兵「正直、変な気分だな。だが、年下のためと思えばむしろやる気も出ようというものだ」
隊員B「隊長ほんと年下贔屓で敬老精神ないっすよね。だから階級上がらないんでしょ」
憲兵「言ってろ。お前たちもここにいる限り同じ運命だからな」
隊員C「しゃーないですね。隊長についてきたのが運のつきでしたし」
隊員A「階級がどうだろうと国防の一翼に変わりはありませんよ。やるべきことをやるだけです」
憲兵「その通りだ」
5 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:16:57.09 ID:3A1BoTBQO
夕刻 憲兵詰め所
コンコン
憲兵(ん?誰だ?)
憲兵「入れ」
提督「邪魔するよ」ガチャ
憲兵「提督!?」ガタッ
憲兵「敬礼っ!」ビシッ
憲兵隊員「」ガタガタッビシッ
提督「ん。楽にしてくれ」
6 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:17:55.28 ID:3A1BoTBQO
提督「君たちは、夕食はまだだね?」
憲兵「は。提督や艦娘のみなさんの後にいただくことになっております」
提督「それなんだけどね。良かったら私たちと一緒に食べないか?」
憲兵「は?同じ時間にですか?」
提督「うん。嫌なら無理にとは言わないが」
憲兵「それは……我々としてはむしろありがたいお誘いでありますが、艦娘の方は我々が同席してよろしいのですか?」
提督「その艦娘の電が言い出したのだよ」
電「せっかく同じ鎮守府にいるのですし、みなさんのことも知りたいし、電たちのことも知ってもらいたいのです」
憲兵「そういうことでしたら、喜んでご一緒させていただきます」
提督「よし。決まりだな」
憲兵「ただ、現在当直中の班だけは規定通り交代後の食事とさせてください」
提督「分かっている。毎日同じ班が同じ時間帯の警備に当たるわけではないんだろう?」
憲兵「は。日によって担当する時間帯は違います」
提督「なら良いね。行こうか」
7 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:18:48.40 ID:3A1BoTBQO
食堂
ガチャ
憲兵(席の埋まり方がまばらだな。艦娘でまとまって座るというわけではないのか)
提督「できれば君たちにも艦娘と話してほしいから、空いているところにばらけて座ってほしい」
憲兵「は、はあ。了解いたしました」
憲兵(なるほどな。さて、どこに座ったものか)キョロキョロ
憲兵(……あの艦娘と目が合ってしまったな。ええい、なるようになれ)
憲兵「構わないか?」
???「いいわよ」
憲兵「ありがとう」
憲兵「お前たちも行け。解散」
隊員「はっ」
憲兵「失礼する」ガタッ
???「どうぞ」
憲兵(あとの奴らも……席は決まったか。よし)
8 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:19:23.97 ID:3A1BoTBQO
???「あなたが隊長さん?」
憲兵「そうだ。貴女は?」
五十鈴「軽巡洋艦、五十鈴よ。よろしくね」
憲兵「よろしく」
提督「全員揃ったね。あ、当直の憲兵隊はいないけど」
アハハ
憲兵(締まらんなあ。窒息しそうなほど厳しいよりかはよっぽど良いが)
提督「では夕食としようか。いただきます」
イタダキマース
9 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:20:57.60 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「憲兵隊も今日着任したの?」
憲兵「ああ。提督に少し先んじて到着して業務に入った」
五十鈴「それまでの警備は?」
憲兵「鎮守府建設の間は施設隊がいたんだが、同じ師団の普通科連隊から警備部隊が編成されていたのだ」
五十鈴「じゃあ今より警備厳重だったの?」
憲兵「厳重とは言いかねるが、今よりはまだ多かったな」
10 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:22:00.01 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「憲兵隊って名前なのに主業務は基地警備なのよね」
憲兵「そう。本来憲兵隊と名の付く組織の任務は基地内の治安維持なんだがな」
五十鈴「そっちはしないの?」
憲兵「必要があれば関与はする。基地内の巡回も業務に入っているしな。できればそういう事態にはならないでほしいが」
五十鈴「そりゃそうよね。私たちのほうでも頑張るわ」
ガヤガヤ
11 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:23:31.54 ID:3A1BoTBQO
ゴチソウサマデシター
五十鈴「この後は?」
憲兵「明日に備えて休む。残念ながら予備兵力がほとんどないのでね」
五十鈴「大変そうね」
憲兵「と言っても、拘束時間が長いだけだがな。鎮守府に外部から来る人も通りかかる人も少ないし、今朝までの警備隊長はどうあがいても暇と言ったぐらいだ」
五十鈴「ふ〜ん。じゃあ暇な時にでも遊びに行こうかしら」
憲兵「気が向いたら来てやってくれ。下手をすると退屈で死にかねないからな」
五十鈴「ふふっ。そこまで言うなら前向きに検討するわ」
憲兵(前向きに検討、か。期待はできんが、会って1時間でこの回答は十分だ)
憲兵「そうしてくれ。では失礼する」
五十鈴「ええ。またね」
憲兵「ああ」
12 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:25:09.33 ID:3A1BoTBQO
一週間後
隊員B「予想してましたけど……やっぱヒマっすね、この仕事」
憲兵「軍人なんぞ暇なのが一番だ」
隊員B「にしてもここまでヒマな部隊ってあります?訓練やってるとはいえ、歩哨と今みたいな定期的な巡回、それに一日一回あるかないかの出入りの車両の確認だけって」
憲兵「気持ちは分かるが、だからといってこれ以上やることを増やすわけにもいかん。増えることなんてまずないがな」
隊員B「ですよねー」
13 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:25:45.96 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「ほら。いたわよ」
睦月「ほんとだ。隊長さーん」
憲兵「お。どうした?」
睦月「退屈してるかもしれないから睦月たちが遊びにきたのです!」
憲兵(なんと。ただの挨拶かと思っていたが、本当に来てくれたのか)
隊員B「やったぜ」
憲兵「ありがとう。詰め所にも何人かいるから、そっちにも声をかけてくれるか?」
皐月「まっかせてよ!」
五十鈴「大丈夫?今暇だった?」ニッ
憲兵「逆に聞くが、暇じゃなかったらどうするつもりだったんだ」
五十鈴「その時は大人しく出直すわよ」フフッ
14 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:26:22.96 ID:3A1BoTBQO
憲兵「連れてきたのは五十鈴か?」
五十鈴「連れてきただけよ。行きたいって言ったのはあの子たちだからね」
憲兵「ふーん。わざわざこんなとこに来るとは物好きなものだ」
五十鈴「素直じゃないわね。暇なら来いって言ったのはどの口だったの?」フフッ
憲兵「言ってくれるものだな」フッ
15 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:27:00.10 ID:3A1BoTBQO
憲兵「やれやれ、詰め所からもほとんど出てきたじゃないか」
五十鈴「良いの?放っておいて」クスクス
憲兵「んー……」
憲兵(外にいるのがあいつとあいつと……よし、D(デルタ)-2班は詰め所で待機しているな)
憲兵「大丈夫だ。少なくとも二人は詰め所に残っている」
五十鈴「よく分かるわね」パチクリ
憲兵「わずか一個小隊の部隊だ。把握していないほうがおかしい」
五十鈴「……そういえば三日月と文月も外にはいないわね」
憲兵「その二人も詰め所か」
五十鈴「多分ね。よく気を遣う子たちだから」
16 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:27:27.96 ID:3A1BoTBQO
ワーワー
五十鈴「みんな楽しそうね」フフッ
憲兵「一応任務中なんだがなあ」
五十鈴「とか言いながら止める気ないでしょ」ニヤニヤ
憲兵「止めても何にもならんだろ。大体、私も蒔いた種だ。もう成り行きを見守るぐらいしかできんよ」
五十鈴「そうね。ご愁傷様」ププッ
憲兵「まったく、他人事だと思って」フッ
17 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:28:50.34 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「本当に迷惑なら来るのは自重するけど」
憲兵「迷惑がるような奴はまず鎮守府の憲兵隊員にならんだろう。それに、今のところ迷惑がるほど任務も忙しくない」
五十鈴「結局前評判通り暇なのね」クスッ
憲兵「幸か不幸か分からんがな」カタスクメ
憲兵「何にせよ、この調子なら時々来てもらえるとあいつらも任務に張り合いが出るだろう」
五十鈴「隊長は?」
憲兵「隊長が見返りを求めるわけにはいかん。私のことは気にするな」
五十鈴「素直じゃないの。じゃあまた勝手に来るわ」フフッ
憲兵「そうしてくれ」
18 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:30:24.06 ID:3A1BoTBQO
憲兵(それからというもの)
榛名「もしよければ一緒にお茶しませんか?」
隊員A「ええ、喜んで。どうぞ中へ」
古鷹「最中もらったんですけど、良かったら一緒に食べませんか?」
隊員C「あーありがとうございます。上がってください」
五十鈴「暇になったから妹連れて来たわよ」
名取「お、お邪魔します……」
憲兵「おお。大したもてなしはできんが、ゆっくりしてってくれ」
憲兵(といった具合に、週二、三回は艦娘が連れだって詰め所を訪ねてくるのが日常になった)
19 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:32:16.83 ID:3A1BoTBQO
翌月
提督「少し先の話になるが、地元住民向けに鎮守府公開をするつもりだ。警備計画を立てておいてくれないか」
憲兵「は。承知しました」
隊員A「計画案作ってみましたけど……どう思います?」
憲兵「……これはまずいな」
隊員A「そう言われると思いました」
憲兵「だろうな。いくらなんでも手薄すぎる」
隊員A「では……艦娘の方たちに協力してもらいます?」
憲兵「やっぱりそうなるか」
隊員A「はい」
20 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:32:46.92 ID:3A1BoTBQO
憲兵「お前は気にしないのか?」
隊員A「何をです?」
憲兵「艦娘の力を借りるなどもってのほかだーとか、憲兵隊のプライドはないのかーとかそういうあれだ」
隊員A「気にしてたら提案しませんよ。隊長こそ気にしないんですか?」
憲兵「気にする奴が鎮守府の憲兵隊長に志願するわけないだろう」フッ
隊員A「さすがですね」ニッ
憲兵「そうと決まれば第二案を考えるぞ」
隊員A「はいっ」
21 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:34:51.15 ID:3A1BoTBQO
翌日 執務室
憲兵「こちらが警備計画の甲案であります」スッ
憲兵「ん。何か問題はあるかい?」
憲兵「有り体に申し上げると、これでは手薄です。何か問題が発生した場合に対応するだけの人員がありません」
提督「我が国なら大丈夫だろう……と言いたいけど、そうはいかないよな。どうする?」
憲兵「乙案も用意してきました。ただ、これには提督の許可が必須でして」
提督「なぜ?」
憲兵「申し上げにくいのですが、警備要員に艦娘の協力が必要なのです」
提督「そういうことか。構わないよ」
憲兵「よろしいのですか?」
提督「うん。とりあえず志願を募っておこう。人数が集まったらそっちに行ってもらうよ」
憲兵(こんなにあっさり許可してくれるとは……いや、この提督のことだ。他意は無い。ありがたく頭を下げておこう)
憲兵「了解しました。ありがとうございます」
憲兵(それに、本当の問題は何人志願があるかだからな。それによって多少の計画変更もやむを得まい)
22 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:35:20.27 ID:3A1BoTBQO
翌日 夕刻
コンコン
憲兵「入れ」
五十鈴「失礼するわよ」ガチャ
憲兵「おおっと」
五十鈴「今忙しい?」
憲兵「いや、大丈夫だ。そこに座ってくれ。何か飲み物は?」
五十鈴「お構いなく。ありがとう」
23 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:36:04.19 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「早速本題よ。鎮守府公開の時の警備部隊、艦娘側は二十四名が参加するわ」
憲兵「そんなに多いのか。ありがたい」
憲兵(計画人数ちょうどではないか。そんな都合のいいことが……)
五十鈴「本当はもう少し少なかったんだけど、中途半端な数よりは人数揃えたほうが良いと思って何人か捕まえてきたのよ」
憲兵「そこまで気を遣わせてしまっては、これからそっちに足を向けて寝られんな」
五十鈴「いいのいいの。いつも守ってもらってる上に構ってもらってるお礼と思えば安いものよ」
憲兵(守ってもらってるのも構ってもらってるのもこっちなんだがな。相手の人格が出来すぎているのもなかなか困る)
憲兵「恩に着る。メンバーの一覧はあるか?」
五十鈴「持ってきたわ。これよ」スッ
憲兵「助かる」
24 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:37:02.26 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「ブリーフィングとかやる?」
憲兵「全員参加のブリーフィングは行わない。というか、行えないという方が正しいな」
五十鈴「警備中の班もあるものね。じゃあどうするの?」
憲兵「明日の午後に班長でブリーフィングをする。その時に何名か参加してほしい」
五十鈴「分かったわ。訓練は?」
憲兵「午前の日次訓練の中に想定訓練と指揮所演習を組み込むことにしている。毎日でなくても良いが、警備に参加する艦娘の方には最低二回程度参加してほしい」
五十鈴「なるほどね。了解」
憲兵「それと今さらだが、警備部隊の艦娘側統括は五十鈴と思って構わないな?」
五十鈴「構わないわ。私もそのつもりよ」
憲兵「なら今後は週に一回程度はこっちに来てもらいたいが問題ないか?定期的に情報を共有する必要があるからな」
五十鈴「問題ないわ。隊長が私たちのとこには来づらいものね」
憲兵「そういうことだ。手間をかけるが頼む」
五十鈴「いいわよ」
25 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:37:46.67 ID:3A1BoTBQO
翌日
憲兵「先日決定した乙案をもとにした人員配置図だ」
古鷹「なるほど。四名で一班を構成するんですね」
隊員C「全部憲兵隊と艦娘側二人ずつなのは何か意図ありますか?」
憲兵「ある。艦娘だけの班を作ると、責任の所在が不明確になる恐れがある。起こったことの責任は我々憲兵隊で取れる体勢にはしておきたい」
五十鈴「異議無し。ただ、どっちにしても憲兵隊と艦娘の連携をきっちり取れるようにしておかないといけないわね」
憲兵「そうだ。訓練回数を稼げない組み合わせはできれば避けたいんだが」
五十鈴「そうなんじゃないかと思って、鎮守府公開までの艦娘側の配置表持ってきたわよ」バサッ
憲兵「準備がいいな。ならこっちも配置表を出そう」バサッ
26 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:40:21.74 ID:3A1BoTBQO
憲兵五十鈴「えーっと……」ジー
憲兵「こことここは入れ替えだな」
五十鈴「こことここも入れ替えね。あとは……ここ、どうする?」
憲兵「入れ替えよう。訓練できる回数は少しでも多いほうがいい」
古鷹「そんなに入れ替えて大丈夫ですか?」
隊員C「多分大丈夫だよ。班は無視してるけど組単位ではいつも組んでるペアだからね」
五十鈴「じゃあ訓練も基本組単位でやるのね?」
憲兵「そうだ」
27 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:41:05.49 ID:3A1BoTBQO
憲兵「よっぽど相性が悪いようなら組み合わせを変えることも考えてはいるが」
隊員C「その声をどうやって吸い上げます?」
憲兵「私に直接は言いづらいだろう。憲兵隊側はお前に一任する」
隊員C「了解。一任されます」
憲兵「艦娘のほうは五十鈴に任せていいか?」
五十鈴「私よりは古鷹さんのほうが適任だと思うわ」
憲兵「では古鷹、艦娘のほうに不満や気がかりがあれば共有してくれ」
古鷹「分かりました。お任せください」
28 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:41:38.12 ID:3A1BoTBQO
一週間後
憲兵「全組み合わせ終わったが、気になる組はあったか?」
隊員C「いえ。こっちから見た感じどの組も良好ですし、不満の声もありません。古鷹とも話しましたけど、艦娘から見ても好感触らしいですよ」
憲兵(指示してはいなかったがそこも情報交換をしているのか。いい傾向だ)
憲兵「それなら良かった。ではこの組み合わせで確定だ」
29 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:42:38.28 ID:3A1BoTBQO
隊員C「にしても、古鷹と話せば話すほど五十鈴がこの役に適任と言ったわけが分かりますよ」
憲兵「そうか?どのあたりが?」
隊員C「どう言えばいいですかね……彼女、お姉さん力が半端ないんですよ。ついつい頼りたくなる雰囲気が全身から放たれてる感じで、人の悩みや不安を聞き出すのにここまでの人はそういませんよ」
憲兵「そ、そうか」
隊員C「ええ。隊長ももっと彼女と話したほうがいいですよ。話せば話すほど魅力が分かってきますから」
憲兵(こいつがここまで他人をベタ褒めするなんて珍しいな)
憲兵(いい傾向……なのか?)
30 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:43:12.99 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「同じ組に苦手な人いなさそう?」
古鷹「全員声かけてみたけど、大丈夫そうだったよ。隊員もみなさん優しい人みたいだし」
古鷹「班長さんの話だと隊員さんも今の組み合わせで良いみたいだから、今回はこのままでいいと思うよ」
五十鈴(あら。そこもちゃんと連絡取ってるのね。窓口が私と隊長だけじゃないのはいい傾向だわ)
31 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:43:41.65 ID:3A1BoTBQO
古鷹「それにね」
五十鈴「ん?」
古鷹「あの班長さん、何となくいろいろ話したくなるんだよね。どう言ったらいいのかな、何話しても受け止めてくれそうっていうか、隊長があの人を相談係にしたのほんと適任だと思う」
五十鈴「そ、そうなの」
古鷹「うん。あの人と話してるとほんとに落ち着くし、このままずっと話していられたらなあ……なんて思っちゃうこともあったりなかったりして、ね?」
古鷹「……ふふっ。私何言ってるんだろね。じゃあね」ニコニコ
五十鈴「う、うん」
五十鈴(古鷹さん、なんかいつもと雰囲気違うわね……)
五十鈴(いい傾向……なのかしら?)
32 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:45:01.00 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「隊長からみて今回の合同警備、上手くいきそう?」
憲兵「上手くいくと思うぞ。艦娘のほうがいろいろ話してくれているおかげでどこもよく連携が取れている」
五十鈴「あら。艦娘のほうは憲兵隊の人たちがいろいろ声をかけてくれるって言ってるわよ」
憲兵「ほう。お互い適度に気を遣ってやれているようだな」
五十鈴「いい傾向よね。警備するには威圧感が足りないんじゃないかって心配してる子もいるにはいるけど」
憲兵「その心配は無用だろう。威圧感を出すのは我々だけで十分だからな。逆に我々はどうあがいても威圧感を消すのは難しいから」
五十鈴「そこは私たちが補えばいいということね」
憲兵「そういうことだ」
33 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:46:19.37 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「あと、ちょっと話しておきたいことがあるのよ」
憲兵「何だ?」
五十鈴「班長と古鷹さんのことなんだけど」
憲兵「あー……あの二人な」
五十鈴「やっぱりちょっと気になるわよね」
憲兵「気にならないと言うと嘘になる。だが、まだ基地内規定には抵触していないだろう?」
五十鈴「基地内規定は多分心配しなくていいわよ。提督が「憲兵と艦娘の関係性についての条項はいくつか無効にする」って言ってたらしいし」
憲兵「は?それは本当か?」
五十鈴「秘書艦の大淀から聞いたから大淀が嘘をついてない限り本当よ。三項から五項を無効にするようかけあってみるって」
憲兵(いいのか提督。鎮守府のように閉じられた空間での色事はこじれると厄介だぞ)
憲兵(それとも、その懸念を上回る利点があると確信しているのか。あの人もどうも一筋縄ではいかんな)
34 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:48:12.99 ID:3A1BoTBQO
ジリリリリン
憲兵「ちょっと失礼」ガチャン
憲兵「憲兵隊詰め所」
提督「司令官だ。隊長かな?」
憲兵「は。私です」
提督「基地内規定のことなんだけど、憲兵と艦娘についての条項のうち第四項と第五項を無効にしたから共有しておいてほしい」
憲兵「第四項と第五項が無効ですね。了解しました」
憲兵(本当になくしたのか。これで情緒的関係と肉体関係の制限が消滅したぞ)
提督「本当は第三項もなくしたかったんだけど、それは上が許可してくれなかったからこれだけで妥協してほしい」
憲兵(そらそうよ。恋愛関係肉体関係を認めて憲兵寮と艦娘寮を行き来自由になんてしたらどうなるか分かったもんじゃない)
憲兵「は、はあ」
提督「じゃ、そういうことでよろしく」
ガチャン
35 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 18:49:25.62 ID:3A1BoTBQO
五十鈴「言った通りでしょ」
憲兵「ああ。提督はどういうお考えなんだ?」
五十鈴「さあね。私も本人から聞いたわけじゃないから分からないわ」カタスクメ
憲兵「それもそうだな」
五十鈴「まあ、規定がなくなったところで気になることには違いないんだけど」
憲兵「うむ……しかし、今のところ任務に支障を来しているわけでもないからな」
五十鈴「しばらくは様子見かしらね」
憲兵「だろうな。介入するにしても、状況が悪化しそうになってからでよかろう。あまり口を出すのも野暮というものだ」
五十鈴「そうね。隊長もそう言うなら見守るだけにしておくわ」
36 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:12:51.63 ID:3A1BoTBQO
鎮守府公開前日 憲兵詰め所
隊員A「戻りました」ガチャ
憲兵「おう……その袋は何だ?」
隊員A「警備隊の識別用腕章です。明石さんが作ってくれたそうで、榛名さんから預かってきました」
憲兵「ん?腕章は艦娘用ではなかったか?」
隊員A「そうなんですが、せっかくなので憲兵隊にもつけてもらいたいと我々の人数分もらってしまいまして……どうしましょう」
憲兵「分かった。ありがたく我々も全員着用しよう。明日の集合時に全員に渡してくれ」
隊員A「了解です」
37 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:13:42.83 ID:3A1BoTBQO
鎮守府公開日
隊員A「警備部隊、配置完了です」
憲兵「配置完了了解。提督、警備部隊配置完了しました」
提督「了解。大淀、こっちも全員配置完了したかい?」
大淀「はい。いつでも始められます」
カチ……カチ……カチッ
提督「時間だね。開門してくれ」
憲兵「は。開門せよ」
隊員C『了解。開門します』
38 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:14:17.36 ID:3A1BoTBQO
隊員C「C(チャーリー)班各組、D(デルタ)班と交代完了」
憲兵「交代完了了解」
五十鈴「順調ね」
憲兵「今のところな。でもそろそろ迷子の一人ぐらい出てもおかしくないぞ」
隊員B『本部、B(ブラヴォー)-3。一人でいた子どもを保護しました。本部まで連れて行きます』
憲兵「本部了解」
五十鈴「本部待機班、受け入れ用意をお願いね」
隊員A「了解。予定通り我々で対応します」
五十鈴「隊長が変なこと言うから迷子出ちゃったじゃない」
憲兵「私は無実だ」
五十鈴「はいはい」フフッ
39 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:16:00.98 ID:3A1BoTBQO
隊員A「その子ですか」
隊員B「ああ。後は頼むぜ」
隊員A「了解。預かります」
鈴谷「それじゃ、お父さんとお母さんが来るまでは、ここのお兄さんお姉さんたちと一緒にいてね」
子ども「うん」
榛名「こんにちは。お名前を教えてくれますか?」
子ども「○○△△です」
榛名「△△さんね。どこから来ましたか?」
子ども「えっと、◇◇です」
榛名「お父さんかお母さんの名前は分かりますか?」
子ども「えっと、おとうさんは〜」
ピーンポーンパーンポーン
隊員A「ご案内します。◇◇市からお越しの〜」
40 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:16:26.84 ID:3A1BoTBQO
子ども「おねえさんもかんむす?」
榛名「そうですよ」
子ども「おにいさんは?」
隊員A「お兄さんは憲兵隊だよ」
子ども「けんぺーたい?」
隊員A「そうだよ」
子ども「けんぺーたいは、なにしてるの?」
隊員A「悪い人が入ってこないように番をしているんだよ」
榛名「私たちが戦いに集中できるように守ってくれているんですよ」
子ども「そうなんだ〜」
41 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:17:06.89 ID:3A1BoTBQO
母「△△?」
子ども「おかあさん!」トタタタ
母「良かった!大丈夫だった?」
子「うん!おにいさんとおねえさんがいっぱいおはなししてくれた!」
父「すみません、ご迷惑をおかけしました」
隊員A「いえいえ。すぐ来ていただけて良かったです」
榛名「この後も楽しんでくださいね」
母「ありがとうございます。さ、行きましょ」
子ども「うん」
42 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:18:00.31 ID:3A1BoTBQO
隊員B「来場者、全員退出を確認」
憲兵「全員退出確認、了解。提督、来場者の全員退出を確認しました」
提督「了解。鎮守府公開の終了を宣言する」
憲兵「は。現時刻をもって合同警備隊の解散を宣言する。憲兵隊は通常配置につけ」
隊員B「了解。これより通常配置につきます」
五十鈴「合同警備隊解散了解。以後警備隊所属の艦娘は提督の指揮下に戻ります」
提督「了解。艦娘は各自持ち場の撤収作業を開始せよ」
43 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:18:40.95 ID:3A1BoTBQO
大淀「提督。撤収作業完了しました」
提督「了解。鎮守府公開態勢を終了する。解散」
大淀「了解です」
五十鈴「お疲れさま」
憲兵「お疲れ。君たちのおかげでいろいろ助かった」
五十鈴「お互い様よ。来場者の誘導とか、私たちだけじゃあんなにテンポ良くできなかったわ」
憲兵「どうかな。ノウハウがあるだけだ」
五十鈴「じゃあそのノウハウもいずれ教えてもらわないといけないわね」
憲兵「いずれな。いつになるか分からんが」
44 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:19:30.57 ID:3A1BoTBQO
ビーッ ビーッ ビーッ
憲兵「ん?第二種か」
五十鈴「ええ。ちょっと厄介なことになりそうだわ」
大淀『各戦隊旗艦は直ちに執務室に集合してください。繰り返します。各戦隊旗艦は〜』
五十鈴「今すぐじゃないけど、近いうちに出撃がありそうね。戻って準備しておくわ」
憲兵「ああ。無理はするなよ」
五十鈴「大丈夫よ。提督は無理させる人じゃないから。じゃあね」
45 :
◆bcQPzU7u4E
[saga]:2019/04/05(金) 19:21:00.67 ID:3A1BoTBQO
翌日
憲兵「聞いての通りだ。大規模な深海部隊の接近に伴い、本鎮守府は厳戒態勢に入った」
憲兵「我々の任務の重要性はこれまでになく高まっている。提督や艦娘たちが戦場に集中できるよう、一層任務や訓練に精励せよ」
隊員A「隊長、気合い入ってますね」
隊員B「そりゃ、愛しの五十鈴さんを守らなきゃいけないからな」ニシシ
隊員B「あれ?どこ行くんです?」
隊員C「ちょっと自主トレしてくる」
隊員B「えっ」
隊員A「お伴します」
隊員B「えっちょっ」
隊員B「……じゃあ俺も行くか」
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