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【デレマス(デレステ)】久川颯「はーはPちゃんが好きなの」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2019/04/09(火) 00:13:10.27 ID:DckViXll0
颯「Pちゃん、これって……」
凪「わーお」
モバP(以下、「P表記」)「ああ、そうだ」
P「お前らmiroirの歌を聴いてくれる人は、こんなにたくさんいるんだぞ」
颯(はーとなーの「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」がシングルランキングでTOP10入りした)
颯(はーは自分のことを完璧だって言い張って強がってきたけど、本当は自分に自信がないだけ)
颯(「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」をリリースしたあとだって、曲の順位を見るのは怖くてできなかった)
颯(だから、Pちゃんとなーに「一緒に見よ!」って言って恐る恐るランキングを見たんだ)
颯(順位がすっごく低かったらどうしよう、この曲が売れてなくてアイドルを続けられなかったらどうしよう、なんて)
颯(ついさっきまでそんな不安に駆られてた。でも……)
颯「はーたち、アイドル、続けられるんだよね」
P「?」
颯「はーたち、アイドル、続けてもいいんだよね」
P「当たり前だろ、miroirを求めてる人たちに答えるのがお前たちの仕事だ。それに――」
P「――俺はお前たちのファン1号だ。俺がいる限り、miroirは活躍しつづけるんだよ!」
凪「おやおや、P選手、ここでマンガの最終回のような台詞を言ってしまう。これはmiroir引退フラグだろうか」
P「凪……ちょっとはかっこつけさせてくれって」
颯「ははっ、Pちゃんかっこわるーい」
颯(ううん、嘘。Pちゃんはかっこいい)
颯(はーとなーがここまで来れたのだって、Pちゃんのおかげ)
颯(はー、Pちゃんがいないと……)
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:15:43.57 ID:DckViXll0
イベント走ったあとに寝ようとしたら思いついたSSです。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:21:55.64 ID:DckViXll0
颯「Pちゃん……」
颯(なーとPちゃんを巻き込んで取った自撮りを寝る前にスマホで眺めるのが、最近のはーの日課)
颯(なーには悪いけど、なーをトリミングしてPちゃんだけにしたヴァージョンとか作ってる)
颯(もちろん、はーはなーのこと大好きだけど。だから元の写真は残してる。最近はそっちはあまり見ないかもしれないけど)
颯「……好き」
凪「はーちゃんにもとうとう春が来ましたか」
颯「うわぁっ!!!」ドテッ
凪「おー、見事な自由落下。はーちゃんのおかげで凪は万有引力を発見しました。凪はニュートンになったのです」
颯「ちょっと、なー、いつのまにそこにいたの!? てゆーか、部屋入るなら教えてよ!」
凪「凪はもう114514回くらいノックと呼びかけをしたのです。気づかないはーちゃんが悪い」
凪「はーちゃんが部屋の中で死んでないかとか色々心配になって、これはいけない、と思い突撃したのであった」
颯「そ、そうだったの……」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:28:44.58 ID:DckViXll0
凪「まあ、それはそれとして、はーちゃん。好きな人でもできましたか、できましたよね、いやいるべき」
颯「な、なな、何言ってるの!」
凪「スマホを眺めながら、うっとりしつつ「好き」と言うだなんて、これはもう画面の向こう側にはーちゃんの好きな人がいるにきまってます」
凪「あ、画面の向こうっていうのは、2次元という意味ではありませんよ、写真を撮ったのでしょう」
颯「そんなことないって! そうそう! この前事務所の敷地内で見つけた猫が可愛くって! 思わず写真を撮ったからそれを見てたの!」
凪「必死なはーちゃん。かわいいぞ」
颯「もーからかわないで!!」
凪「まあ、そういうことにしておきますか。仕方ないな」
凪「明日は朝からPと打ち合わせだから、凪は早起きするようにリマインドに来たのです」
凪「任務完了。これより帰還する」
凪「では、さらばだ」スタスタ
颯「もう、なんなのよう」
凪「あ」
凪「明日もPと3人で自撮りしますか。なんなら、凪がはーちゃんとPのツーショットを……」
颯「でてけー!!!」
凪「やれやれ……」ガチャ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:37:30.63 ID:DckViXll0
翌 朝
颯「ふわぁ。ねんむ〜い」
颯「おはようございまーす……」
美穂「あ、颯ちゃんだ。おはよう〜」
颯「朝ごはんを食べにきました……」
美穂「あはは、眠そうだね」
颯「あれ、なーがいない。昨日の夜はーに起きろっていったのに、なーは起きてないじゃん」
美穂「凪ちゃんなら、もう朝ごはん食べ終えて部屋に戻ってったよ」
颯「マジで?! なー早すぎ……」
美穂「颯ちゃんも十分早起きだよ。今日はプロデューサーさんと打ち合わせかな?」
颯「そうなの。遅れたらPちゃんに怒られちゃう」
美穂「時間を守るのは良いことだよ颯ちゃん。お仕事をもらうっていうのは、プロデューサーさんと私たちアイドルが信用してもらってはじめてできることなんだから」
颯「うん、そうだよね。よし、今日もがんばるぞー!」
美穂「ふふ、その意気その意気」
美穂「あ、でも、颯ちゃん」
美穂「打ち合わせ中にプロデューサーさんに夢中になって、話が入ってこないのはダメだよ?」
颯「う゛。美穂さん何を言ってるの?」
美穂「何って、さっき凪ちゃんに会ったときに、「はーちゃんにもついに春が来ました。今日の打ち合わせはきっとリア充臭がすごい」って言ってたから、そういうことなのかなーって」
颯「なー、覚えてろよ……はぁ」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:42:37.15 ID:DckViXll0
美穂「颯ちゃん、プロデューサーさんのこと好きになっちゃったんだ」
颯「そ、そんなこと」
美穂「往生際が悪いぞ、もう。別に恥ずかしいことじゃないんだから」
颯「わ、笑ったり、しない?」
美穂「笑わないよ〜人を好きになるってすごく良いことだと思うよ」
颯「……うん、はーはね、Pちゃんが――」
颯「――好き」
美穂「わぁ」
颯「ちょっと! 何その反応!」
美穂「ごめんごめん。なんか、うーん」
美穂「颯ちゃんってかわいいなって! えいっ!」ギュゥ
颯「み、美穂さん、苦しぃ……」
美穂「わぁいいにおいする! ちっちゃい! けどやわらかい! プロデューサー君みたい!」
颯「ぷ、プロデューサー君って、Pちゃんに抱きついたりしてるの?」
美穂「あ、いや、違うよ? 私の持ってるぬいぐるみの名前、プロデューサー君っていうんだ」
颯「そうなんだ……」ホッ
美穂「いま、私がプロデューサーさんと付き合ってるんじゃないかって心配になった?」
颯「ギクッ……そんなわけないし」
美穂「ほんと、かわいいなぁ」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:46:58.46 ID:DckViXll0
颯(結局、あの後、美穂さんにはからかわれっぱなしだった)
颯(これじゃ打ち合わせ中に余計意識しちゃうじゃん!)
凪「はーちゃんはどうも昨日から様子が変ですね。もうすぐPがやってきて打ち合わせが始まるのに」
颯「へ、変じゃないもん!」
P「失礼します」
颯「ひぃっ!!」
P「? 颯、どうかしたのか?」
颯「にゃ、にゃんれもにゃいれす……」
凪「【悲報】久川颯が猫言葉を使い出したことにより前川みく引退」
P「こらこら、みくを勝手に引退させるなー」
凪「てへぺろ」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 00:54:16.61 ID:DckViXll0
颯(それから、打ち合わせに集中しようとがんばったけど、ダメだった)
颯(Pちゃんの顔なんか見れなくって、それで目線を首元とか手に落とすと、なんだかごつごつしててかっこいいなぁなんて思っちゃって)
颯(案の定Pちゃんの話が入ってこない)
P「……そういうことなんだが、いいか? 颯」
颯「えっ?」
P「いや、この新企画、颯と凪が別々の場所で収録するんだが、二人一緒じゃなくても心配はないか? って」
颯「あ、うん。大丈夫だよ」
P「颯、俺以外のスタッフとの打ち合わせで聞いてませんでしたは通用しないぞ。これからアイドルを続けるなら、その辺にはきちんと責任を持つんだ」
P「わかったか?」
颯「は、はい。ごめんなさい」
P「よし。今度から気をつけてな。じゃあ、次は……」
颯(お、怒られちゃった)
颯(でも、なんだろう。いやじゃない。いままでPちゃんにはどこか甘やかされてきた節があったけど)
颯(もうはーたちはプロのアイドルなんだ。適当な仕事をしたら怒られるのは当たり前)
颯(また、Pちゃんのおかげで勉強になっちゃったな……)
颯(Pちゃん……)
凪「……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 01:03:35.17 ID:DckViXll0
P「じゃあ、今日の打ち合わせはこれで終了! この後昼飯にでも……といいたいところだが、これから俺は急いで美穂の現場にいかなくちゃならない」
P「すまん、5000円やるから、二人で昼飯代にあててくれ」
P「それじゃあな」ガチャ
颯「……」
颯「……ふぅ〜〜〜」
凪「ここで久川颯、賢者モードに突入する」
颯「賢者モードってなに」
凪「はーちゃん、この世の中には知っておくべきことと知らないほうが幸せなことがあって……」
颯「あーもう、いいから、別にそこまでして聞きたいわけじゃないし」
凪「そうですか」
凪「それはそうと、はーちゃん」
凪「結局、打ち合わせ中はPに夢中になっていましたね」
颯「う゛……うん」
凪「このままでは、今後直面が予想されるPとの重要な打ち合わせではーちゃんがミスるかもしれない。これはいけない」
凪「そこで凪は名案を思いつきました」
颯「なに」
凪「はーちゃんがPと付き合えばいいのです! ちゃっちゃらー」
颯「え」
颯「ええええ!!! ちょ、ちょっと!!! なにいってんの!!!///」
颯「大体、はーたちはアイドルだよ!? アイドルは恋愛禁止って相場が決まってるでしょ!!」
凪「ここぞとばかりに正論をぶちまけますが、はーちゃんや、さっきまで恋に夢中で打ち合わせをおろそかにした人の発言ともなれば、その説得力も……」
颯「うるさいうるさい! もう、なんでなーに説教されなきゃいけないわけ!」
凪「凪ははーちゃんを思って言ってるのですよ」
颯「ゆーこちゃんみたいなこと言わないで」
凪「むう。これは、ひょっとして、史上初ともウワサされる久川姉妹の姉妹喧嘩が始まってしまうのか……」
颯「はっ、ご、ごめん。言い過ぎた。ってゆーか、悪いのは、はーだよね。なーにキレて、意味わかんないのは、はーの方だよね」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 01:07:38.56 ID:DckViXll0
凪「気にすることはないのです。凪とはーちゃんは一心同体、凪は寛容な心をもってはーちゃんのヒステリーに対処するのです」
颯「うん、ありがと。……って、いまはーがヒステリックな女だって言った?!」
凪「気のせいなのです。キレすぎてストレスかかえるとおっぱい垂れるぞ」
颯「適当なこと言わないで! はーはなーよりもおっぱいが6cmもおっきいもんねーだ」
颯「グラマーなはーに嫉妬してるんでしょ」
凪「くっ……」
凪「おっと、いけない。図星をつかれたばかりに大御所に喧嘩を売るようなリアクションをしてしまった」
颯「ぷっ、なにそれ」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 01:09:14.45 ID:DckViXll0
とりあえずここまで。
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 03:14:14.65 ID:KjP96Z+B0
なーの台詞回しのクオリティたけーなオイ
このあとすけべあります?
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 10:48:00.49 ID:DckViXll0
>>1
です
>>12
ありがとうございます。なーの台詞回しは自分の思考に似てるので書けるんじゃねって思って書いてみてます。すけべはあります、そのうち。
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 10:51:35.97 ID:DckViXll0
>>1
です
>>12
ありがとうございます。なーの台詞回し独特なので不自然にならないように気をつけてます。すけべはあります、そのうち。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 10:52:31.16 ID:DckViXll0
なんか連投してしまった、恥ずかしい。しかも直そうとしたことが無意味に。
少ししたらまた更新しますね。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 13:47:16.46 ID:cMD+48f60
乙
続き期待
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/09(火) 14:13:45.74 ID:6IvBeGw+O
乙乙
なーのそれっぽさが凄いので期待
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 17:23:59.60 ID:DckViXll0
凪「ま、そういうわけなので。はーちゃんはさっさと自分に正直になって行動に移るべきだと思うのです」
颯「……そうは言ってもさ、アイドルである以上、恋愛はご法度っていうか……」
凪「それがはーちゃんの本心ですか?」
颯「ど、どういうこと?」
凪「はーちゃんは、Pに好きになってもらえるか、自分に魅力があるか自信がなくて、それでPへの思いから逃げているのではないのですか」
颯「そんなわけないじゃん! ……はーは完璧なんだから、魅力だってあるし! それにかわいいし!」
凪「凪は知っているのです。はーちゃんはそんなに強い子じゃないって。強い子じゃなくて強がりな子だって」
颯「そんな、こと……」
凪「別にいいんですよ。悪いことだって思ってません。それもはーちゃんの可愛いところだと凪は思ってます」
凪「なんていったって、生まれてからずっと、凪ははーちゃんを見ているから」
颯「なー……」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 17:34:20.69 ID:DckViXll0
颯「うん、わかった。そうだよね」
颯「そうだよ、はーはね」
颯「はーはPちゃんがすきなの」
凪「そうですか。正直でよろしい」
颯「なんで偉そうなのよ」
凪「それでは、はーちゃんも素直になったことだし、Pにアタックする計画でも立てましょうか」
颯「え、ええ、そんなの考えなきゃいけないの?」
凪「考えなくて良いとお思いか?」
颯「は、はーは可愛いし、Pちゃんの前でそれとなくアピールしてれば、そのうち……」
凪「甘い、甘すぎる。しゅがーはぁとの脇くらい甘い」
颯「はぁとさんって脇甘いんだ……」
凪「失礼、腋の間違いだった」
颯「舐めたことあんの?!」
凪「てへぺろ」
颯「いや、てへぺろに舐めたっていう意味はないから!!」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 17:41:11.81 ID:DckViXll0
凪「話を戻すと、はーちゃん、Pを攻略するのはそう簡単ではないと思われる」
颯「そ、そう……?」
凪「第一、Pの周りには、下は1桁から上はアラサーまで、ビジュアルでいえばボンキュッボンからキュッキュッキュッまで、選り取り見取りですよ」
颯「た、たしかに」
凪「それに、皆、Pのおかげでアイドルとして上り詰めている。Pのアイドルからの高感度は高いはず」
颯「うう……」
凪「はーちゃんがかわいいのは間違いないのです。それは絶対的な話。相対的には、アイドル界では中堅レベルが関の山ですね」
颯「ちょっと! ひどくない! てか、なーも同じ顔なんだから、それブーメランだからね!」
凪「うっ、そうだった。凪はショックのあまり死んでしまった。死んでしまうとはなさけない、と最期に言われたかった。がくっ……」
凪「まあ、そんな茶番はおいておいて」
颯「いまのところ会話が終始茶番に感じるんだけど」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 17:47:50.35 ID:DckViXll0
凪「大丈夫。化粧をすればどうとでもなるものです」
颯「化粧品メーカーを味方につけるかわりに多くの女性芸能人を敵に回してる……」
颯「でもさー、あんまりケバいって思われたくないな。はーはメイク薄くても可愛い――はず」
凪「確かに、背伸びしてる感がすごくて妖艶さに欠けるかもしれませんね。それはそれで、ぐっとくる性癖の殿方はいそう」
颯「Pちゃんはそんなんじゃないよ、たぶん。目が肥えてるんじゃないかな」
凪「その可能性は否めませんね。まあ、背伸びして大人になろうとして、それでいてカブトムシ好きだったら完璧なのですが……」
颯「完璧じゃないでしょ。0点でしょ。モロかぶりだよ。誰とは言わないけどさ」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 17:53:46.52 ID:DckViXll0
凪「ぴこーん。Pをオトすには、最終的なゴールを打ち立てておくのが良いと、凪は思い至った」
颯「ゴール?」
凪「そうなのです。はーちゃんはPが好き、これは揺るがないとして、具体的にはーちゃんがPと何をしたいかで考えるのだ」
颯「Pちゃんと、か……」
凪「そうですね」
颯「うーん、したいことかぁ。いっぱいありすぎるよ〜」
凪「選択肢が多いのは良いことだぞ」
颯「そうだけどさ、あれもこれもってやってるうちにPちゃんを誰かに取られるのは、その、やだ、し……」
凪「はーちゃんがPとしたいこと」
凪「はっ! セックスですね!」
颯「は、はぁぁっ!!?!」
凪「健全な思春期の少女が異性としたいこと、これはもうセックス以外にないでしょう」
颯「いやいやいや、おかしいって!! それにどちらかといえば不健全でしょそれ!!」
凪「そうですか? ちなみに凪は健全なJCですが、体はもてあましてますよ」
颯「いや知らないし! てか、なーが健全っていうところからしてもうあやしいし!」
凪「仮定から疑っていくスタイルですね、わかります」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:01:33.36 ID:DckViXll0
颯「ま、まあ? ゆくゆくはそういうことになるかもなーなんて思うけど///」
颯「まずはデートでしょ! それからキスとかいろいろしちゃってさ。そ、その、せ……ゴニョゴニョはほんとにゴールすぎるっしょ」
凪「ん? 聞こえないなぁ。その「セ」から始まる単語を大きな声ではっきりといってもらおうか」
颯「うわっ、うざっ!」
颯「もう、そういうんじゃなくてさ! じゃあこうしよう! デート! Pちゃんとデートしたい!」
凪「おお、さっきまで恥ずかしがってたはーちゃんが積極的にそう言うなんて、凪は嬉しいぞ」
颯「誰目線よ」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:03:00.06 ID:DckViXll0
>>22
訂正
颯「そうだけどさ、あれもこれもってやってるうちにPちゃんを誰かに取られるのは、その、やだ、し……」
→颯「そうだけどさ、あれもこれもって言ってるうちにPちゃんを誰かに取られるのは、その、やだ、し……」
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:06:53.27 ID:DckViXll0
凪「まあ、miroirの「O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!」の売れ行きも順調なようですし、多少のわがままをPに言っても許されるでしょう」
颯「そうかなぁ。あ、でも」
颯「これってはーとなーの2人で残した結果じゃん? 2人きりっていうのは変なんじゃ……」
凪「ちっ、こやつ、余計なことに気づきおった……」ボソッ
颯「え? なんて」
凪「勘のいいガキは嫌いだよ、と凪は言いました」
颯「いや嘘でしょ! はー、聞こえなかったふりしただけだもん! まあ、意味は一緒だけど」
颯「てか、なー協力する気ないっしょ」
凪「そそそそ、そんなことねーし」
颯「嘘臭」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:10:52.35 ID:DckViXll0
美穂「ふぅ〜今日のお仕事大変だったな。って、颯ちゃんと凪ちゃんだ!」
颯「あ、美穂さん」
美穂「ふたりで楽しそうにおしゃべり? 私も混ざっていい?」
凪「うむ、良いぞ」
颯「だから誰なのよ」
美穂「やった! で、なんの話してたの?」
颯「えっ、それは……」
凪「はーちゃんが体をもてあましてPとセックスしたいって話をしてました」
美穂「え。えぇぇぇぇ!?!?」
颯「話そこまで戻しちゃうの!?」
美穂「だ、だめだよ颯ちゃん! いくらプロデューサーさんのことが好きだからって、いきなりそんな……/// ふ、不健全だよっ」
颯「いや、はーは何にも言ってないし! 凪が適当言ってるだけだから!」
凪「やれやれ」
颯「こっちの台詞!」
美穂「あ、凪ちゃんの嘘だったんだ。なんだ、良かった……」
颯「美穂さんもすっかり慣れてきてる……」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:18:10.61 ID:DckViXll0
美穂「それでそれで? プロデューサーさんにはどんな感じでアタックするの?」ズイッ
凪「それにしてもこの小日向美穂、ノリノリである」
美穂「恋バナが嫌いな女子なんていないよっ」
颯「とりあえず、Pちゃんとデートできたらなーって。いまはその口実を考えてるとこ」
美穂「そうなんだ」
美穂「具体的にはどんなデートをしたいの?」
颯「うーん、それなんだよね。原宿でお買い物はなーもいたけどこの前したし、見たい映画とかもないし……」
美穂「映画だったら『そらのレストラン』とかどうかな! 私は好きだよ」
凪「ああ、美穂さん出演してましたもんね」
颯「いや、あれに出てるのは小日向文世のほうだから」
凪「あ、間違えた、そらちんが経営してるレストランのことか」
颯「野々村そらちゃんでもないよ! てかそらちゃんレストラン経営なんてしてないでしょ」
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:19:20.75 ID:DckViXll0
お詫び:
いまさらなんですが、颯は「美穂さん」ではなく「美穂ちゃん」って呼んでたかもしれません。今後はちゃんづけで統一します。すみません
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:23:37.03 ID:DckViXll0
>>28
と思ったんですが、いま確認のためにコミュみてたら「さん」づけでした。以降も変わりありません。お騒がせしました
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:33:19.31 ID:DckViXll0
颯「うーん、やっぱりはーも見たい映画じゃないと人を誘えないかな……」
美穂「映画以外で考えよっか」
颯「なんでデートについて考えるのに、ここまであーでもないこーでもないってなっちゃうんだろ」
美穂「やっぱり、私たちってアイドルだから、プロデューサーさんと一緒に色々なところをまわるぶん、どこかにおでかけっていうのも特別感があまりないのかも」
颯「あ、確かに」
凪「でも、miroirは2人で1つみたいなとこがあるので、はーちゃんとPがふたりきりになるような状況はまれです。凪が打ち合わせ中におしっこにいくときくらいですね」
美穂「そ、そうなんだ……。でも、そうか。双子だと城ヶ崎姉妹みたいに別々に行動するってこともあんまりないんだね」
美穂「そうだ! 先輩アイドルのライブを参考にしたいからって言ってプロデューサーさんをライブデートにさそっちゃえばいいんじゃないかな!」
美穂「双子でも凪ちゃんとは違った個性を出したいからっていって言えばプロデューサーさんも付き合ってくれるよ!」
颯「おお、それ、いいかも!」
凪「妙案ですね」
美穂「今度ピンクチェックスクールのライブがあるから、そのチケットあげるよ! それでプロデューサーさんとデートしちゃえ!」
颯「美穂さんありがとう! さっそくPちゃんにねだってみる!」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:41:27.63 ID:DckViXll0
ライブ会場
P「いやあ、先輩アイドルから勉強したいだなんて、感心感心」
颯「ま、まあね! はーははーでアイドルとしての個性を磨かなきゃかなーって」
P「しかしピンクチェックスクールを選ぶとは、颯はどんな個性派アイドルを目指してるんだ?」
颯(え、そこまで考えてなかった)
颯「それは、その、あれだよ。響子さんみたいに家庭的で、卯月さんみたいに笑顔が素敵で、美穂さんみたいにギャップ萌えするような、そんなアイドル!」
颯(ちょっとやっつけが過ぎたかな……)
P「はは、そうか。そんなアイドルになったらあいつらの仕事は全部颯にとられちゃうかもしれないな」
颯「う、うん! 先輩アイドルだってはーのライバルだもんね。負けないんだから」
P「その意気だ。成長したな」
颯「え、えへへ」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:47:13.14 ID:DckViXll0
ライブ終了後
颯「す、すごかった……」
P「さっきからそれしか言ってないぞ、颯」
颯「だってそれしか言えないんだもん! それくらいすごかった!」
颯「ライブってアイドルが作ってるんじゃないんだね。ファンの人たちと一緒に作り上げてるんだって、実感しちゃった」
P「そうだ。アイドルはステージの上で好き勝手やってるわけじゃない。それに、お客さんを楽しませるにはどうしたらいいかを考えるのはもちろん、お客さんが楽しいから自分も楽しいって思えるのがアイドルだ」
颯「うん、アイドル、ちょっと勘違いしてたかも。でも、これはこれで好き! はーアイドルがんばってみせる!」
颯「Pちゃん、はーをトップアイドルにして! お願い!」
P「ああ、もちろんだ。一緒に頑張っていこうな」
颯「うんっ」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:49:43.76 ID:DckViXll0
P「もうあたりもだいぶ暗くなってきたな……」
颯「ぴ、Pちゃん!」
P「ん? どうした?」
颯「ゆ、夕ご飯! いいとこ連れて行って!」
P「ああ、そうか。今日は勉強会兼デート、だったな」
颯「そうだよ。Pちゃんははーをエスコートしなきゃなんだからね」
P「はいはい。そういわれると思ってちゃんと考えてきてるよ」
P「近くにイタリアンの店があるんだ。ちょっとお高いお店だから、凪には内緒だぞ?」
颯「うんっ。ありがと」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/09(火) 18:51:00.46 ID:DckViXll0
一旦ここまで。
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/10(水) 00:35:13.33 ID:mSKxFrNw0
おつおつ
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/10(水) 08:46:22.38 ID:n2g6MsVDO
いやがるのを縛って、後ろの処女を失うぐらい激しいの希望
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/10(水) 22:09:23.48 ID:/Yqrr4Hro
おつおつ、期待
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:06:33.56 ID:PlYzuAb20
颯「んん〜っ! このパスタおいしい!!」
P「はは、そうか。そういってくれると嬉しいよ。まあ、俺が作ったわけじゃないんだけどな」
颯「地元でこんなおしゃれな店行ったことなかったし、味もこんなに良くってびっくりちゃった」
颯「はー生パスタ自体食べたことなかったし!」
P「このまま東京にいたらすっかり舌が肥えてしまうんじゃないか? 地元に帰ったときに親御さんが泣くぞ」
颯「パパもゆーこちゃんも、はーたちを甘やかすことはあってもこんな大盤振る舞いはなかったもん」
颯「徳島に帰ってからゆーこちゃんたちが困ったら全部Pちゃんが悪いって言いつけちゃお」
P「おいおい勘弁してくれ。颯たちのお母さんだって心配性なところがあるんだから。俺の信用がなくなっちゃあ、お前たちのアイドル人生だってどうなるかわかったもんじゃないぞ?」
颯「うっ、それはいやかも。仕方ないからいい子にしておいてあげるね」
P「ああ、頼む」
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:16:35.43 ID:PlYzuAb20
颯(Pちゃんとの何気ない会話が楽しい。こんな時間がずっと続けばなぁなんて思っちゃう)
颯(けど、それもはーとPちゃんの関係がただの「アイドルとプロデューサー」であるうちはすぐ終わっちゃうんだよね)
颯(でも、まだ1回目のデートだし、いきなり告白っていうのも違うよね。いや、別に告白することから逃げてるわけじゃないよ、たぶん)
颯「ね、ねえ、Pちゃん」
P「ん? なんだ」
颯「Pちゃんてさ、その……彼女とかいたりする?」
P「彼女? いまはいないけど」
颯「そ、そうなんだ」
颯(よかったぁ)
颯(「“いまは”いない」か。元カノがいるってことなのかな。まあ、Pちゃんはもう大人だし、顔も悪くないし優しいし、いてもおかしくないよね)
颯(それをいやだって思っちゃっても、仕方のないことだもんね)
P「しかしあれだな、急にこうしてデートに誘われて彼女がいるのかなんて聞かれると」
P「俺は、颯はひょっとして俺に気があるんじゃないか、なんて勘違いしちゃうかもしれないぞ」
颯「えっ……!」
颯(いや、それは勘違いじゃなくて、むしろ正解で)
颯「その、ね。なんていうか、ね」
P「?」
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:28:44.17 ID:PlYzuAb20
颯「うぅ……」
颯「それ、勘違いじゃなかったら、Pちゃんどうするの?」
颯(告白のチャンスかもしれなかったのに、回りくどい言い方で逃げちゃった)
P「どうするって……うーん」
P「じゃあ、これは俺が勘違いをしていたわけじゃなかったという体で話すけど」
P「結論から言えば、俺は颯にそう思われてて嬉しいし、颯の思いに応えたいと心から思う」
颯「!」
P「でも、こうも思う。俺なんかと付き合うべきじゃないって」
颯「っ!! そ、そんなこと……!」
P「あるよ。まず、俺と颯は、プロデューサーとアイドルという関係だ。これだけでも十分まずい。変にスクープされれば俺も颯もこの世界を追われる可能性だってある」
P「それに、颯はまだ14歳だ。20代半ばの、10歳以上離れた俺と付き合うということがどういうことか、颯にはまだわからないかもしれないが、これは今の世じゃ必ずしも喜ばれることじゃない」
颯「誰がどう言おうなんて関係ないって!! はーの思いはPちゃんの思ってる以上かもしれないんだよ!!」
P「落ち着けって。とりあえず話を聞いてくれないか。これは一人の大人としてお前に言いたいことなんだ」
P「俺はもう大人だ。社会人だ。これは覆しようがない。社会人になった大人ってのは気にしなきゃいけないことが山のようにある。夢は寝てみろ、見なきゃいけないのは現実だ、といった具合にな」
P「これは、俺がどうしたいかではなく、社会がどうあるべきか、なんだよ。颯には難しいかもしれないけどな」
P「だから、俺と颯が付き合ったとしても、俺が社会に束縛されている以上、颯には10代特有の“自由な華々しい”恋愛はさせてやれない。どころか、颯はそういう恋愛をする機会を永遠に失いか兼ねない。いいか、颯、人生は長くても10代はすっごく短いんだ。そこで経験したことは、颯が大人になったときに跳ね返ってくる。いま俺とそういう関係になれば、颯をきちんとした大人にしてあげられないかもしれない。それは、俺が颯の親御さんと社会を同時に裏切るに等しい行為なんだ」
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:35:58.02 ID:PlYzuAb20
颯「そんな、こと……グスッ、はーはPちゃんが好きで好きでしょうがないのに……」
P「颯……俺は、お前のためを思って……」
颯「はーのため? はーのためって何? はーの思いや願いを退けるのが思いやりだっていうの?!」
P「……」
颯「大人の人ってみんなそうじゃん! ゆーこちゃんもPちゃんも、大人の人はみんなそうだよ! はーのためじゃなくって社会のためなんでしょほんとは」
颯「Pちゃんがはーのためを思って何かしてくれるなら、はーと付き合ってよ! はーがPちゃんに振られて駄目になる可能性だってあるんだから!!」
颯「はぁっ……はぁっ……」
颯「ごめん、めちゃくちゃ言ってるかな。わがままだよね」
P「いや、お前の言いたいことはわかる。わかるからこそ辛い。自分が10代を経験したっていうだけじゃなく、お前のことは担当プロデューサーとしてよく見てるから、余計にな」
P「とりあえず、ここが個室でよかったよ。まあ、芸能人の食事だし、オープンにできないのは当たり前だが」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:43:08.15 ID:PlYzuAb20
P「なあ、こんなこと言うのは野暮だと思うんだが一応聞いてもいいか」
颯「……なーに?」
P「俺なんかでいいのか。それこそ、アイドルをやってればいろんな出会いがあるだろうし」
颯「ぷっ、何を聞かれるんだろーって思ってたけど、そんなことか」
颯「Pちゃんがいいんだよ。Pちゃんはたくさんのアイドルとお仕事してるからわからないかもしれないけど、はーにとってはPちゃんがたった一人のプロデューサーなんだから。あんまりはーの思いを舐めないほうがいいよ」
颯「それに、はーがこれから一途にPちゃんだけを思い続けてるかわからないっていうなら、それこそ付き合ってからいってよね。はー、めっちゃ尽くしちゃうかもしれないよ? それ以外にだって、その……はーはまだJCだから、Pちゃんの好きなように、……“教育”することだって……」
P「な、なんだか話が生々しい上に危険になってきてないか?」
颯「Pちゃんが颯を振ったら振ったで、それでもはーがPちゃんを思い続けてたら、Pちゃん結婚できなくなっちゃうよ? 全力で邪魔しちゃうもんね。メンヘラになってやるんだから」
P「そ、それは怖いな……」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 00:56:35.18 ID:PlYzuAb20
P「……わかった」
P「じゃあ、付き合おうか。俺たち」
颯「そうそう、付き合っちゃえばいいってさっきから言って……え」
颯「え、ほんと? マジ? 嘘じゃないよね?! 嘘だったらパスタについてきた伊勢海老の甲羅飲み込んで死ぬよ?!」
P「それは本当にやめてくれ。ハリセンボンを飲ますよりもひどい絵面になりそうだから」
P「ああ、嘘じゃないよ。そのかわり、後悔したって知らないし、思うように恋愛はできないぞ。それでもいいのか?」
颯「……うん。いいよ。はーのこと、Pちゃんにあげる。その代わり、PちゃんはPちゃんをはーに頂戴ね」
P「ああ」
P「ただ、付き合うにあたって条件がある。まあ、付き合う上で条件を課すなんてのはおかしな話かもしれないが」
颯「条件?」
P「これから俺たちは付き合う。恋人どうしの関係だ。ただ、どうしたって颯が中学生で人生経験が浅いのは考慮せずにはいられない」
P「そこで、こうしよう。颯は成人するまでなら俺を振ることができる。それ以降は何があっても振ることはできない」
颯「それだけでいいの? はーはPちゃんを振ることなんてないもんねーだ」
P「そういうことはいろいろな人とかかわってから言うんだな。別れたくってこういってるんじゃないんだ、ただ、お前に後悔はしてほしくないからな」
颯「はーが“20歳越したら”Pちゃんを振れないっていうのは、なんで?」
P「俺の婚期の問題だな。あと6年なら耐えられるだろう、と思う。主にメンタル面で」
颯「うーん、はー的にはいやなんだけど、Pちゃんって普通にモテると思うんだよね。そんな心配したら本当にモテない人に失礼だって思うな」
P「モテるのと結婚できるのは違うんだよ。まあ、それを知らないってだけで、颯はまだまだ子どもだってことだ」
颯「むぅ、なんかむかつく」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 01:04:47.53 ID:PlYzuAb20
P「俺が付き合うにあたって言いたいのはそれだけだ」
颯「なんか仕事の打ち合わせみたーい」
P「だから言っただろ? 普通の恋愛はできないかもしれないって。いやならいますぐ振ってくれていいんだぞ」
颯「ううん、別に気にしない。他の人からどう見えるかじゃなくて、はーはPちゃんだから良いって思えるんだし」
P「そうか。それはうれしいことを言ってくれる」
P「……」
颯「……」
P「…………」
颯「…………」
颯「〜〜〜っっ!!」
P「ど、どうした?」
颯「いや、うれしくてやばいかも。やばすぎてやばいって感じ」
颯「だって、はーは、Pちゃんの彼女になれたんだよね」
P「ああ、そうだな」
颯「嬉しすぎて死んじゃいそう……」
P「そうか、俺は颯が途中から躊躇なく愛の言葉を叫んでくれたから気恥ずかしさと嬉しさで死にそうだったよ」
颯「あ……」
P「「誰がどう言おうなんて関係ないって!! はーの思いはPちゃんの思ってる以上かもしれないんだよ!!」」
颯「っ!!?」
P「「Pちゃんがはーのためを思って何かしてくれるなら、はーと付き合ってよ! はーがPちゃんに振られて駄目になる可能性だってあるんだから!!」」
颯「う〜〜〜〜!!! Pちゃんのばか!!!!!///」カァッ
颯「いや、何よりもはーのばか!!!!!///」
颯(せっかく恋人どうしになれたのに、これじゃPちゃんの顔見れないよ……)
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 01:09:10.70 ID:PlYzuAb20
女子寮前
P「颯、ついたぞ」
颯「ありがと、送ってくれて」
P「ふっ、当然のことをしたまでよ」
颯「かっこつけるのって、かっこわると思うよ」
P「言ってくれるなぁ……」
颯「……明日はお仕事あるよね」
P「え? ああ、そうだな。明日は俺とmiroirで打ち合わせした後に、2人でテレビ出演だ。バラエティだぞ」
颯「じゃあ――」
チュッ
P「!」
颯「――こ、これなら、こんどはPちゃんがはーに夢中になって打ち合わせに集中できなくなるからっ! そんときははーが怒ってあげるね!」
颯「じゃあおやすみ! 今日はありがと!!」ガチャバタン
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 01:20:03.58 ID:PlYzuAb20
女子寮玄関(内側)
颯「はぁっ、はぁっ、はぁっ」ドキドキ
颯(やば、心臓ばっくばくだし、呼吸もおかしくなりそう)
颯「〜〜〜〜〜っ!!!」プルプル
颯(大胆なことしちゃったぁ!!)
颯「やばいよやばいよ、何がやばいのか説明できないけど、やばいよ」
凪「はーちゃんはご意見番ポジのリアクション芸人に方向転換ですか。特に、世界の果てまで行って拙い英語で生き抜くスタイルで」
颯「いや、はーはどちらかといえば一緒についてく女の子のポジションだから……って、なー!!?」
颯「いつからそこに!?」
凪「はーちゃんが発情期を疑われてもおかしくないレベルで息を荒くして入ってきたところから」
颯(キスしたのは見られてないみたい……よかった)
凪「そういえば今日はPとのデートの日、さてははーちゃん……」
颯(き、気づかれた?!)
凪「……女子寮に入る前にPに犯されましたね」
颯「……は?」
凪「どんな感じに犯されましたか。やはりPの車の中でそれはもう気が狂うほど気持ちええんじゃって具合に盛りあってましたか」
颯「Pちゃんとはーはそんなんじゃないし! なーってばそんなことしか考えられないの!?」
凪「若い男女が暗がりでやることなんて相場が決まってる」
颯「それにしたって他にもあるんじゃない?」
凪「ほう、例えば」
颯「……それは、まあ、た、楽しくおしゃべり、とか?」
颯(我ながらちょーアホっぽい答えになっちゃった)
凪「猥談ですね、わかります」
颯「結局その方向性!?」
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 01:21:55.96 ID:PlYzuAb20
凪「まあ、冗談はさておき」
颯「そろそろ冗談と本気の区別が付くようにしゃべって欲しいっておねえちゃんは思うな」
凪「今日は、楽しかったですか?」
颯「!」
颯「……うん、……うんっ!!」
颯「すっごく、楽しかったよ!」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 01:22:38.16 ID:PlYzuAb20
とりあえずここまで。
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/11(木) 01:33:14.55 ID:mROMQTQn0
あれ、姉は凪じゃなかったっけ?双子だし妹が冗談めかして姉を自称してもおかしくないけど
凪が基本9割すっとぼけてるから軽い話だと思ったら結構重くなってきた!楽しみ
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
:2019/04/11(木) 01:44:32.72 ID:PlYzuAb20
>>1
です。
>>49
ご指摘ありがとうございます。颯が妹です。すみません。
>>47
について、
颯「そろそろ冗談と本気の区別が付くようにしゃべって欲しいっておねえちゃんは思うな」
を
颯「そろそろ冗談と本気の区別が付くようにしゃべって欲しいって妹として心配しちゃうな」
に訂正します。
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/11(木) 04:59:41.97 ID:46P2LJbQO
おつ
つづけたまへ
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/11(木) 22:35:21.73 ID:3BKjIs+70
乙です
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 23:33:28.48 ID:PlYzuAb20
1ヵ月後
女子寮
颯「……」
凪「……」
颯「…………」
凪「…………」
颯「………………」
凪「ギブです」
颯「……え?」
凪「はーちゃんが難しい顔をして凪のほうを見つめていたので、何か面白い変顔の一つでもしなければ、と思ったが」
凪「沈黙には勝てなかったよ……」
颯「あ、いや、はーは別になーを見てたわけでもにらめっこがしたいわけでもないよ」
凪「ほう。じゃあどうしたというのです」
颯「その……進展が、なくて」
凪「48手をコンプリートしてしまったからとうとうマンネリ化してきたと?」
颯「いや違うから!」
颯「そりゃ、まあ、その……そういうことも、そのうち、ね?」
颯「あー! もうっ。はーが言いたいのはそういうんじゃないんだってば」
颯「Pちゃんと付き合い始めて1ヶ月、付き合う前となーんにも変わってないっ!」
颯「手もつないでない!」
凪「欲求不満な妹よ、落ち着きたまえ」
颯「いいや落ち着かない! せっかく彼氏彼女になれたのに、お仕事があるときはmiroirとしてのはーでいなきゃいけないし、オフのときは大抵Pちゃんは他のアイドルのお仕事で働いてるし! オフがかぶっても、Pちゃん疲れてたら悪いかな……なんて思っちゃって」
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/11(木) 23:42:31.90 ID:PlYzuAb20
凪「立場の違いを考えれば、そうなるのは必然では」
颯「そうかもしれないけどさぁ……」
颯(Pちゃんの言ってた「颯には10代特有の“自由な華々しい”恋愛はさせてやれない」って、こういうことなの? でも、これじゃああまりにも変わらなさ過ぎだよ……)
凪「もしかして、はーちゃん、そうやってPのことを考えるあまり、疲れてしまってはいないだろうか」
颯「え……?」
凪「最近のはーちゃんは、疲れを感じさせるような顔をしていると、お姉さまたる凪は思っています」
凪「もし、Pについて何か悩んでいることがあるなら、ここで言ってしまえば良いのです」
颯「なー……」
颯「……」
颯「……うん、わかった。ありがとね」
颯「その……ね、最近考えちゃうんだ」
颯「Pちゃんは、“私のことが好きだから”告白をOKしてくれたの? って」
凪「kwsk」
颯「あんまり考えたくないんだけど、いや、それでも考えちゃってはーも自分のことがいやになるんだけど」
颯「Pちゃんは、そこそこ可愛くて自分を好きでいてくれる子なら誰でも良かったのかな、なんて」
颯「たまたま告白したのがはーだからはーを選んでくれたけど、他の子が告白してもおんなじ返事をしたんじゃないかって」
凪「はーちゃん……」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/12(金) 00:01:49.76 ID:0TgBqEqD0
颯「それにね、事務所とか局とかでPちゃんが他のアイドルとか女のスタッフさんと話してるのを見るとね」
颯「頭がぶわぁっってなって、それと同時に胸がきゅぅってなって、でもPちゃんは悪くないから、悪いのははーなんだなって、自分を責めちゃって」
颯「そういうことを考え始めちゃうと、もうその日は心から元気なはーを皆に見せることが難しくなって……」
颯「……ごめんね、ごめんね。こんなこと言われても、なーも困っちゃうね」
凪「っ、そんなこと……」
颯「はーが恋愛とかしたことないから、こんなこと考えちゃうのかな。もう、どうしていいのか、わからなくて……グスッ」
颯「Pちゃんのことは好き、大好き。それは変わらないよ。でもね、付き合い始めてもこうやって前と変わんないと、はーはPちゃんのことを好きでも、その逆はどうなんだろーって思っちゃうんだ」
颯「疑り深いよね、嫉妬深いよね、こんな彼女、Pちゃんだって欲しくな――」
凪「――はーちゃん!!」
颯「はーなんてっ……」
凪「っ――」
チュゥッ
颯「?!?!」
凪「――」
颯「んんっ!!! んー!」
凪 チュゥゥッ
颯「ん゛っ」ドンッ
凪「――っ」
颯「ちょ、ちょっと!! 何するn……」
凪「悪い口をふさいでやった。それだけです」
凪「凪ははーちゃんのお姉ちゃんです。はーちゃんのことは凪が一番良く知っています。Pが彼氏かもしれませんが、凪ははーちゃんを家族として愛しています」
凪「凪は……、っ、はーちゃんを悪く言うやつは絶対に許しません」プルプル
凪「たとえそれが――はーちゃん自身であっても、です……」グスッ
凪「はーちゃん、自分を悪く言うのをやめてください。自分の周りを悪く言うのを、……やめてください」
凪「自分を批判して追い込んでも、何も始まない……ぞ」
颯「なー……」
凪「はーちゃん」ギュッ
凪「大丈夫、人生はクソゲーでも、悪いことばかりではありません。はーちゃん、良いことがあると信じて、悪いことであっても良くなることを信じて」ナデナデ
颯「ぅ……ぅぅ……」ポロポロ
凪「まずは落ち着いて、なにができるかを考えよう――」
凪「――颯」
颯「ヒグッ……グスッ……ぅ……お、お姉ちゃん……」ポロポロ
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/12(金) 00:08:56.08 ID:0TgBqEqD0
颯「っ」ゴシゴシ
颯「ありがと。なーのおかげでちょっと落ち着けた」
颯「なんか、なーには敵わないかなーなんて思っちゃった。えへへ、柄じゃないよね、こんなの」
凪「困ったときはお互い様だから。それに……」
颯「?」
凪「はーちゃんはもっと凪のことをお姉ちゃんって呼んでくれていいんだぞ」
颯「あっ!! それ忘れて!!」
凪「なんならお姉さまでも……」
颯「いや、なーはなーだから! さっきのは聞き間違いだよ、きっと!」
凪「あなた様はまこといけずです。あ、やべ」
凪「なに、問題はない。菊池真がいけずだったってことにすれば完璧だ(適当)」
颯「もう、なーが何言ってるのかわかんないよ。あはは」
颯(ありがと、なー)
颯(ううん…………お姉ちゃん)
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/12(金) 00:18:05.49 ID:0TgBqEqD0
颯(それから、なーと、たまに美穂さんも交えて、Pちゃんの好意を確かめながら恋人らしく過ごす方法をいろいろ考えた)
颯(やっぱり、お仕事のある日だと、アイドルとプロデューサーとしての感覚が抜けないだろうってことで)
颯(多少強引にでもオフがかぶったときにはデートをしようってことになった)
颯(彼女になった今では、それより前ほど誘うのに勇気が要らない)
颯(遊園地、映画、ショッピング……デートスポットとしてありがちなところにはだいたい行った)
颯(Pちゃんはいやな顔一つせず、はーのわがままに付き合ってくれた)
颯(はーにとっては、デートでどこに出かけるかはただの口実で、結局のところPちゃんと一緒にいられればなんでもよかった)
颯(Pちゃんも、ただ子どもの遊びに付き合ってるだけじゃなく、はーのことを彼女として扱ってくれている、と思う)
颯(はーが髪型を変えたり新しい服装にチャレンジしたりすると、Pちゃんはそれを見て楽しそうにしながらはーを褒めてくれる)
颯(それは、すっごくすっごく嬉しくて)
颯(Pちゃんのことについて思い悩んでた頃が馬鹿らしくなるくらい幸せを感じてた)
颯(そして、ついに――)
颯(――Pちゃんのほうから、デートに誘われる日が来た)
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/12(金) 00:18:41.07 ID:0TgBqEqD0
今日(日付変わってるけど)はここまで。
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/12(金) 03:52:30.85 ID:IIUTziRVo
おつぁー
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/14(日) 00:31:56.39 ID:ZDNDFooM0
>>1
です。
忙しいので更新はもう少しお待ちを。
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 00:35:26.24 ID:+GC7rjKb0
颯「……ドライブかぁ……」
P「ん? いやだったか?」
颯「ううん、全然。そうじゃないけど、なんか距離感がお仕事のときみたいだなーって」
P「いや、後部座席に真っ先に座ったのは颯のほうだろ。俺おもわず泣きそうになっちゃったよ」
颯「えっ?! ご、ごめん! Pちゃんがいやだとかそういうんじゃないから!」
P「はは、わかってるよ。冗談だ」
颯「もう……」
P「座りなれてるほうになんとなく行っちゃったんだろ?」
颯「うん」
P「そろそろSAにつくから、そこからは、その、な……」
颯「っ!」パァッ
颯「うんっ!」
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 00:47:11.93 ID:+GC7rjKb0
颯「〜♪」
P「ごきげんだな」
颯「だって、Pちゃんのこーんな近くに、ずっといられるんだもん」
P「ぐっ、かわいい……」
颯「あったり前でしょー、はーはかわいいもーん」
颯(でも、アイドルとして活動してるときに言われる「かわいい」よりも、何倍も嬉しい)
颯(何を言われるかよりも、誰に言われるかのほうが、大切なのかもなぁって思っちゃう)
P「そうだ。音楽でも流してみるか」
P「颯。俺のiPhoneのプレイリストの一番上のやつを流してくれ」
颯「うん、わかった」ポチポチ
\LINE 小日向美穂:プロデューサーさ……/ポップアップ
颯「っ!」
颯(わわっ、どうしよ、いくら彼女でもみちゃまずいやつだよね!?)
颯(ええい、上にフリックして消しちゃえ)サッ
颯「ふぅっ……」
P「どうしたんだ?」
颯「な、なんでもないっ! プレイリスト見つけたから流すね」ポチッ
〜♪
颯「これって……」
P「「Palette」だ。わりかし最近にリリースしたから、記憶にも新しいんじゃないか? ああ、miroirを結成する前の話ではあるけどな」
颯「美穂ちゃんが教えてくれた。良かったら聴いてって」
P「そうだったか。あれ、いつのまにちゃん付けで呼ぶほど仲良くなったんだ?」
颯「コミュのエピローグみたらそうなってたんだよね」
P「メタいのやめろ」
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 00:55:47.31 ID:+GC7rjKb0
颯「Pちゃんってさ」
P「?」
颯「その……」
P「どうしたんだ?」
颯「あのね、こんなこと聞かれていやだったら謝るんだけど、それでも一応聞いておきたくて」
颯「はーと付き合う前に、アイドルと付き合ってたことってある?」
P「!」
颯「ごめんね、こんなこと、聞かれても困るよね」
P「いや……」
颯「やっぱなし。忘れて」
P「……付き合ってたことは、ないぞ」
颯「…………そっか」
颯「ありがと。答えてくれて。めんどくさい彼女でごめんね?」
P「あんまり自分を責めるんじゃないぞ。駄目だとわかってても、相手の過去は気になるもんだよ」
颯「うわー、なんか経験者っぽい台詞」
颯(いま、はー、ひきつった顔してるかも……)
颯「いいよ、別に。元カノと何にもないんだったら気にしないであげる」
颯(ちょっと嘘。気にしないのは、無理かも)
P「元カノっていっても、学生時代だけどな。もう数年前とかだし、連絡先も消しちゃったから、つながりすらないよ」
颯「ふーん。可愛かった?」
P「まあ、そのときはそう思ってただろうな」
P「安心しろ。こんなことは言うべきじゃないだろうが、その人は所詮一般人だ。アイドルやってる颯のほうがかわいいと俺は思うよ」
颯「ほんとっ? 嬉しい。羽生えちゃうかも!」
P「はは、飛んでいけるなら俺が車出す必要はなかったかもな」
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:05:41.56 ID:+GC7rjKb0
鎌倉 小町通り
颯「わぁっ、良い感じ! 鎌倉着てみたかったんだよね」
P「それはよかった。あえてSAでは食べ物を買わなかったからな。ここでは存分に食べ歩きしよう」
颯「おー!」
颯「ん〜っ! このクレープおいしいっ! レモンの甘酸っぱい感じが最高!」
颯「はー、原宿みたいなわいわいしたのも好きだけど、こういう落ち着いた感じで楽しむのも好きだな」
P「気に入ってもらえたようで嬉しいよ。まあ、颯とは原宿も何回か行ってるけど、あのなんともいえない独特の雰囲気は心して向かわなければならないからな……」
颯「えー、そこまで覚悟していくとこじゃないでしょ。Pちゃんがおじさんなんだよ」
P「そんなおじさんを好きなのはどこの誰なんだ?」
颯「っ! ……わ、私です///」
P「ファンのみんなも驚くだろうなぁ。久川颯はオヤジ好きだった、なんてな」
颯「ちがうもんっ! Pちゃんはおじさんって言うほど年取ってないし!」
P「矛盾って知ってるか?」
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:12:08.41 ID:+GC7rjKb0
颯「満足満足〜♪ おいしいもんたっくさん食べちゃった」
P「結構食ったな。さすが育ち盛り」
颯「あー、いまはーのこと食いしん坊だって思ったでしょ」
P「颯の歳くらいならそのほうが良いよ。うちの事務所のアイドルは痩せすぎなんだって」
颯「Pちゃんは少しぽっちゃりしてたほうが好きなの?」
P「うーん、どうだろうな。別にぽっちゃりである必要はないが、健康的なのがいいな」
P「あ、でも、颯は体型を維持してくれよ? アイドルとして活動を始めた以上、見た目はそのままじゃないと駄目だからな」
P「もちろん、プロデュースの方針によっては……」
颯「もう、お仕事の話禁止!」
P「あ……すまん。せっかくのオフなのにな」
颯「ふふっ、Pちゃんってば結構仕事人間だよね。まあ、担当してるアイドルの人数もすごいもんね」
颯「体は壊さないでね?」
P「当たり前だ。アイドルは体が資本だが、アイドルを支えるプロデューサーもまた体を資本としてるからな。営業とか、いろいろとな」
颯「いつもはーたちのためにがんばってくれてありがと」
颯「はーにできることがあったら何でも言ってね」
P「ん?」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:13:34.93 ID:+GC7rjKb0
P「いま何でもするって……」
颯「はっ!! 何でもって言っても、何でもじゃないし!!」
P「また矛盾してるぞ」
颯「そ、その、駄目じゃないけど、いやでもないけど、まだ早いし……
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:17:42.45 ID:+GC7rjKb0
>>66
間違えて途中で送ってしまったので、やりなおし。
P「いま何でもするって……」
颯「はっ!! 何でもって言っても、何でもじゃないし!!」
P「また矛盾してるぞ」
颯「そ、その、駄目じゃないけど、いやでもないけど、まだ早いし……」
P「なあ、颯はさ、大人と付き合ってるんだぜ? それは颯もわかってるはず」
P「ならさ、大人の付き合い方を、するべきなんじゃないか?」ギュッ
颯「っ!」ドキッ
P「俺をねぎらってくれるんだろ。何をしてくれるのか楽しみだなぁ」ボソッ
颯「んんっ、ぃゃぁ、耳元で囁くのやめてよぉ」モジモジ
P「なあ、少し歩けばちょうどいい具合に林があるだろ? そこに行けばさ……あとはわかるだろ?」
颯「ぴ、Pちゃんっ///」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:24:55.44 ID:+GC7rjKb0
P「でもさ、キスくらいは許されると思うんだよ。ここでしても、さ」
P「だから、目、閉じてくれよ」
颯「やだぁ、はずかしいもん……」
P「俺とするの、いやなのか?」
颯「いやじゃない……けどぉ」
P「諦めろって、目閉じろよ」
颯「〜〜〜〜〜〜!///」><
颯(だいぶ前の別れ際以来キスなんてしてないし! ほんとどうしよ〜!)
颯(もしかして、すんごいキスされちゃったりするのかな!?)ドキドキ
P「なーんて、な」パチッ
颯「あいたぁっ!! で、でこぴん……?」
P「目つぶって口突き出してるのは面白すぎるぞ、颯」
颯「P〜ちゃ〜ん……」
P「ははっ、何を期待したんだ?」
颯「「ははっ」じゃないでしょ!? はーもうドキドキでおかしくなりそうだったんだよ!?」
P「いやぁからかいがいがあるなぁって」
颯「もう、怒ったから! これからはーが欲しいって言ったの全部買わせてやる!」
P「財布を攻撃するのはやめてくれ……まあ、可愛い彼女の頼み、か」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:30:59.64 ID:+GC7rjKb0
女子寮前
颯「Pちゃん、今日もありがと。また、デート、しようね」
P「ああ、今日は楽しかったよ」
颯「はーも楽しかったよ」
颯(やば……こんなのとき、なに話したらいいのかわかんない)
颯「じゃ、じゃあ、また今度ね! ばいばい」
P「おう、またな」スタスタ
P「……」
P「あ……」
颯「どうしたのPちゃん、戻ってきちゃって」
P「颯、耳貸してくれ」
颯「?」ズイッ
P「愛してる」ボソッ
颯「っっ!!!/////」ゾクゾクッ
P「じゃ、そういうことで」
颯「Pちゃん……」ポケー
颯(はーも愛してるよ。……って、はーも言葉に出来たらいいのにな)
颯(おやすみ、Pちゃん)
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/15(月) 01:31:29.05 ID:+GC7rjKb0
とりあえずここまで。
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/15(月) 12:03:34.71 ID:q59Gmu6YO
乙
これは自分で慰めちゃいますねえ
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:11:30.13 ID:JP+xGJOM0
颯「おはよ〜ふぁぁ」
凪「おはようです。はーちゃん、どうしましたか。とても眠そうですが」
颯「なんでもない……いや、ただの夜更かしだよ」
凪「ほう……」
凪「まあ、そういうことにしておいてあげます。凪は優しいので」
颯「ちょっと、なに、その含みのある言い方」
凪「まったく、はーちゃんは。まったく、まったくです。凪が事情を察して黙ってやろうというのにそれを阻止してくるとは」
颯「なによー、わけわかんないって。言いたいことあるなら言えばいいじゃん」
凪「では遠慮なく。はーちゃん、昨日、部屋でオナニーしてましたね?」
颯「っ?! な、なに言ってるのなー!! 言いがかりはやめてよ!」
凪「やはりそうでしたか。カマをかけたかいがあったというものです。やったぞ」
凪「はーちゃんのことは凪が一番理解していると言ったでしょう。徳島に住んでいたときは、夜な夜な部屋を出てトイレで自分を慰めていたのを凪は知っているのです」
颯「あばばばば」
凪「ちなみに凪はお風呂でする派なので。周りに迷惑はかけません。えっへん」
颯「そ、それもどうなの……?」
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:12:29.47 ID:JP+xGJOM0
颯「おはよ〜ふぁぁ」
凪「おはようです。はーちゃん、どうしましたか。とても眠そうですが」
颯「なんでもない……いや、ただの夜更かしだよ」
凪「ほう……」
凪「まあ、そういうことにしておいてあげます。凪は優しいので」
颯「ちょっと、なに、その含みのある言い方」
凪「まったく、はーちゃんは。まったく、まったくです。凪が事情を察して黙ってやろうというのにそれを阻止してくるとは」
颯「なによー、わけわかんないって。言いたいことあるなら言えばいいじゃん」
凪「では遠慮なく。はーちゃん、昨日、部屋でオナニーしてましたね?」
颯「っ?! な、なに言ってるのなー!! 言いがかりはやめてよ!」
凪「やはりそうでしたか。カマをかけたかいがあったというものです。やったぞ」
凪「はーちゃんのことは凪が一番理解していると言ったでしょう。徳島に住んでいたときは、夜な夜な部屋を出てトイレで自分を慰めていたのを凪は知っているのです」
颯「あばばばば」
凪「ちなみに凪はお風呂でする派なので。周りに迷惑はかけません。えっへん」
颯「そ、それもどうなの……?」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:17:34.84 ID:JP+xGJOM0
凪「で、したんですね?」
颯「……うっさい! 別になーには関係ないでしょ」
凪「確かに。凪のあずかり知らぬところでした。これは失敬」
凪「でも、別にいいんじゃないですかね。恥ずかしがるようなことでもないと思いますよ。いわば必要悪みたいなものかと」
颯「保健の教科書みたいなこと言われてもって感じだよ……」
凪「なにはともあれ、はーちゃん、Pとうまくいっているようですね」
颯「う、うん。まあね///」
凪「ふふっ」
颯「あっ」
凪「どうかしましたか?」
颯「いや、なーがそうやって素直に(?)笑ってるの久しぶりにみたなーって」
凪「凪は八方美人なので。どんな表情だってできますよ」
颯「怪人二重面相の間違いだと思うな」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:22:37.26 ID:JP+xGJOM0
>>73
連投になっちゃってますね。すみません。
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:26:51.95 ID:JP+xGJOM0
美穂「ふたりともおはよ〜。朝から元気だね」
颯「あ、美穂ちゃん」
美穂「楽しくおしゃべりしてそうだからまぜて!」
凪「どうぞどうぞ。凪たちは絶賛ガールズトーク中なので」
美穂「どんな話? 気になるなぁ」
颯「いや、大した話じゃ……。なんていうか、その……ちょっとお下品? っていうか」
凪「まあぶっちゃけ超下品な話してました」
美穂「そ、そうなんだ。まあ、ガールズトークだしそういうこともあるよね」
颯「美穂ちゃん……」
美穂「じゃあ私もガールズトークでお話しする! この前行ったお花畑がね〜」
颯「美穂ちゃん……!」
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:47:34.88 ID:JP+xGJOM0
美穂「あ、そうだ。颯ちゃんはプロデューサーさんとはどんな感じなの?」
颯「えっ、それは……///」
凪「はーちゃんは恥ずかしがりやさんですね」
凪「美穂ちゃん。はーちゃんはPとうまくやってるみたいですよ」
美穂「わぁ、なんだか新しいカップルって見てるこっちもドキドキするね!」
美穂「恥ずかしいなら無理しなくてもいいけど、できれば颯ちゃんからも色々恋バナ聞きたいな」
颯「でもなー、なんかこう、特別なにかしゃべることあるかなって考えるとあんまり思いつかなくて」
颯「あ、そういえば、Pちゃん、付き合い始めてからなんだかはーに対する接し方が変わったかも」
凪「ほう」
颯「なんていうか、こう、手馴れてる感じ?」
颯「はーは今まで彼氏とかいたことないからわかんないけど、案外付き合い始めたらみんなこんなもんなのかなぁ」
颯「まあ、Pちゃんも大人だからね。元カノがいるのがいやって言ったってしょうがないんだけどさ」
颯「なんか、気にし始めちゃうと、こう……」
凪「さげぽよーってなっちゃうんですね。わかります」
颯「そうなんだよねー」
美穂「……そっか」
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 00:58:24.45 ID:JP+xGJOM0
美穂「颯ちゃんはさ、プロデューサーさんに何かしてあげたいなーっておもうことないの?」
颯「Pちゃんにしてあげたいこと、か。うーん」
颯「……」
颯「……なんでも、してあげたいかも」ボソッ
凪「ここに来てはーちゃん選手の大胆発言が炸裂した。こうかはばつぐんだ。敵は死んだ」
颯「ああっ、いまのっ、いまのなし!!///」
美穂「ふぅん、颯ちゃんって案外……」
颯「美穂ちゃんも余計なこと考えないで!」
美穂「余計なことなんかじゃないと思うなぁ。ねー?」
凪「ねー?」
颯「もうっ、ふたりとも知らない! べーっだ」
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:14:57.71 ID:JP+xGJOM0
某テレビ局
P「今日はピンクチェックスクールとmiroirが一緒に出演するバラエティだ。お前らネタは用意してきたか?」
卯月「どどどどどどーしましょうプロデューサーさんっ、私、何も思いつきませんでした……。また普通だって言われちゃいますよぅ」
響子「私も緊張して来ました……」
卯月「響子ちゃんはお料理キャラがあっておいしいじゃないですか! 私なんて笑顔ですよ、笑顔! 視聴者のみなさんが笑う前に私が笑っちゃってどうするんですか!」
響子「別にキャラのためにお料理してるわけじゃ……卯月ちゃん相等まいってるね」
卯月「ぎょうごぢゃん〜〜〜!!」
P「こいつらは大丈夫そうだな……。美穂はどうd……」
美穂「ねぇ颯ちゃんいい加減機嫌直してよ〜」
凪「凪たちがテレビモードにならなければならない期限が迫っているのに機嫌悪くしてる場合じゃないですよ」
颯「つーん」
P「これはこれで、いい、のか?」
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:27:30.38 ID:JP+xGJOM0
収録後
P「なんだかいつも以上にウケてたな。お前らは自然体のほうが笑いとれるんじゃないか。これからはバラドルとして……」
卯月「そういうのはみくちゃんにお願いすれば良いと思いますよ」<●><●>
P「……冗談だよ。怖い顔するなって、マジ怖いから。笑顔だ、笑顔」
美穂「みくちゃんも不憫……」
颯「ねえねえ響子ちゃんっ、はーもっとお料理のこと知りたいから今度教えて!」
響子「うんっ、いいよ。今度女子寮で一緒にやろうね」
颯「やったね。これではーの女子力は爆上がりしちゃうなー」
凪「はーちゃんの魅力にさらに磨きがかかりましたね」
颯「当然でしょ! はーは完璧だもん」
凪「磨きすぎて無くならないと良いのですが……」
颯「あれ、おかしくない? はーを褒める流れだったよね?」
凪「それはいいとして」
颯「いいんだ……」
凪「響子さんは好きな人に料理を作ってあげたこととかはありますか?」
響子「えっ?!」
颯「ちょっと、なー、何聞いてるの?!」
凪「いえ、今はPと我々アイドル5人しかいないですしおすし。込み入った話でもしようかと凪は思ったわけです」
響子「うーん、家族とか友だちとかに作ってあげたことはあるけど」
響子「凪ちゃんの言う「好きな人」って恋人のことだよね?」
凪「そうです」
響子「それは、ないなぁ。あったらよかったんだけどね。アイドルになってからは誰かを好きになるとかは極力考えないようにしてきたし」
響子「それに私、まだ誰かと付き合ったこと、ないから」
凪「そうですか。なんだか失礼なことを聞いてしまった気がして凪は後悔しています。すみません」
響子「あ、謝らなくていいよっ! でも、どうしてそういうのが気になったの?」
凪「だって、はーちゃんはPと付き合ってますから」
響子「ファッ!?」
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:38:38.13 ID:JP+xGJOM0
颯「あ、これなーと美穂ちゃんにしか言ってないやつだ……」
響子「え、ふたり、付き合って、……ええっ!?」
凪「面白いくらいに動揺してますね」
颯「いや、あんまり言いふらしていいもんじゃないっしょ」
響子「そ、そうなんだ。颯ちゃんとプロデューサーさんが」
颯「うん」
響子「まだ凪ちゃんと美穂ちゃんしか知らないんだよね? いま私も知っちゃったけど」
颯「やっぱアイドルしていく上で彼氏いるってバレたらやばそーだし」
響子「うん、それはそうなんだけど……」
颯「?」
響子「私が気になるのはそこじゃないっていうか……ううん、なんでもない。気にしないで」
響子「そうだっ、今度お料理教えてあげるから、それでプロデューサーさんにお弁当作ってあげよ! きっと喜んでもらえるよ!」
颯「ほんと?! やったー! やろうやろう!」
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:46:25.03 ID:JP+xGJOM0
女子寮
響子「じゃあさっそくやっていこうね。とりあえずお弁当に入れるようなオーソドックスなやつを練習していこっか」
颯「よろしくお願いします!」
凪「よろしくお願いしまー、と凪は小学生風に便乗していくスタイルです」
響子「ふたりとも今までお料理はどれくらいやったことある?」
颯「小学生の頃は何回かゆーこちゃんのお手伝いでしたことあるけど、一人で何か作ったことはないなー。あとは家庭科の調理実習くらい?」
凪「まったく同感です。食材を切ることはできても料理はできない、例えるなら、パソコンを買ってキーボードの打ち方をようやく覚えたかと思ったらOS関連の専門用語にボコボコにされるくらいの戦力でしかありません」
響子「そ、そっか……。とりあえず、基本は適宜教えるとして、お料理の仕方とコツに重点を置いたほうがよさそうかも」
響子「さっそくやってみよう! プロデューサーさんに喜んでもらうためにも、ね?」
颯「う、うん……/// はーがんばるよ」
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/22(月) 01:47:31.06 ID:JP+xGJOM0
ひとまずここまで。
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[sage]:2019/04/22(月) 12:43:42.13 ID:zimAZHSDO
たちばなさんにおそわらなくてよかったね
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/29(月) 23:58:25.45 ID:A7m09P7e0
>>1
です。
>>74
誤字訂正
颯「怪人二重面相の間違いだと思うな」
→颯「怪人二十面相の間違いだと思うな」
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:04:47.57 ID:nn1nXsSE0
>>79
誤字訂正
響子「別にキャラのためにお料理してるわけじゃ……卯月ちゃん相等まいってるね」
→響子「別にキャラのためにお料理してるわけじゃ……卯月ちゃん相当まいってるね」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:06:36.07 ID:nn1nXsSE0
>>86
は
>>1
です
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:15:15.47 ID:nn1nXsSE0
響子「チカレタ……」
颯「お料理ってこんなに大変なんだねー……はー、正直舐めてたかも」
凪「お料理を舐めた結果、辛酸を嘗める結果になってしまうとは、凪は自分の不甲斐なさに落胆しました」
響子「いや、ふたりはよくがんばったよ。いろいろと知らないことは多かったみたいだけど」
凪「味噌汁はお湯に味噌をぶち込んでおけばできるものだと思っていました。まさか出汁を入れるとは」
響子「うん、そうだね。基本的なことを知らなかったんだと思うな」
颯「これじゃあPちゃんに何か作ってあげるとか夢のまた夢だよー。はー、自分に自信が持てなくなりそう」
颯「はーは自分が完璧だと思ってたんだけどなー」
颯(正確には、自分が完璧だと思いたかった、だけど)
響子「最初から完璧に出来る人なんていないよ。でも、少しずつなら完璧に近づいていけると思うし、そのうち完璧も夢じゃなくなるよ、きっと」
響子「とりあえず基本的な知識と技術はだいたい終わったから、今度は何か作るものを決めてやってみよう? ね?」
颯「うん、ありがとう、響子ちゃん」
凪「響子ちゃんの優しさとたまねぎが目にしみて涙がとまらなくなりそうです。うるうる」
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:28:47.67 ID:nn1nXsSE0
響子「まあ、今日はもう休もう! 愛梨さんが作ってくれたケーキがあるから、お茶いれて食べようよ」
颯「あ! それいい! 賛成ー!」
凪「やった。凪の灰色の脳細胞は糖分を欲しているのです」
――――――
響子「それにしても、プロデューサーさんは彼女持ちかぁ。しかも担当してるアイドル」
颯「えへへ……」
凪「この笑顔、プライスレス」
響子「まあ、私はふたりの関係をとやかく言うつもりはないから安心してね。でも、アイドルの中には、プロ意識からそういうことを非難する人もいるから、他の人には言わないほうがいいよ」
颯「うん。わかってる。はーアイドルやめたくないし」
響子「あとね、346のアイドルの中には、プロデューサーさんのことが気になってる人も少なからずいるから、そういう意味でも気をつけたほうがいいかも」
颯「そ、そうなんだ」
響子「颯ちゃんと凪ちゃんよりは長くアイドルやってるから、一応、アイドル同士の人間関係みたいなものも見えてきちゃうんだよね」
響子「見ててあんまりいい気持ちにならないものもあるし」
響子「ごめんね、変な話して。でも、アイドルも楽しいことばかりじゃないから」
響子「miroirはデビューから活躍するまでが短かったけど、下積みが長い人もいるから、ね」
響子「そういえば、凪ちゃんは好きな人とかいないの?」
凪「なぬ」
颯「確かに、なーの恋バナとか聞いたことないかも!」
響子「いまいなくても、好きだった人とかさ、そういうこと考えたことはない?」
凪「それは――ありますよ」
颯「あるんだー!」
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:37:33.52 ID:nn1nXsSE0
響子「それって昔の話? それとも今?」
凪「それは……」
響子「あ、別に言いたくなかったらいわなくてもいいけど……」
凪「いま、です、一応」
凪「ずっと好きなんです。でも、その人はすごく遠くにいるようで。凪は、心だけでも近くにいると思っていたのですが、そうでもないようです」
颯「あんまりうまくいってないの? 悩んでるなら相談してよ、はーとなーの仲でしょ」
響子「そうだよ、もし私たちでよければ、凪ちゃんが話して楽になるなら力になれるよ」
凪「いえ……心配には及びません。凪の片思いですし、この片思いは嫌いではありません。想い人は遠くにいますが、凪は現状に不満がないので」
響子「そ、そう……」
凪「なんだか変な空気になってしまいましたね。嘘っぱちの恋バナで盛り上げたほうが良かったでしょうか」
颯「いや、そんなこと……。でも、なーが恋で悩んでるなんて知らなかったな。はーはなーのこと何でも知ってると思ってたけど」
凪「はーちゃんは凪検定1級ですが、凪検定には段位があるので、はーちゃんが知らないことがあっても当然です」
颯「1級より上あったんだ?!」
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:54:00.03 ID:nn1nXsSE0
颯「ピンクチェックスクールって3人とも仲良しだよね。仲良し女子高生3人組って感じ」
響子「そうだね、仲は良いよ。女子高生3人って言っても、私だけ1年生で、卯月ちゃんと美穂ちゃんは2年生だけどね。まあ、学年の違いはあんまり関係ないか」
颯「喧嘩とかすることってあるの?」
響子「喧嘩はないかなぁ。衝突するようなキャラじゃないしね」
颯「そっかぁ。それもそうだね。何もトラブルがないと平和でいいね」
響子「うーん、それは……」
響子「トラブル、ね……。なかったわけじゃないよ」
凪「不穏な空気を察知したので、凪は冬眠することを検討しはじめています」
響子「あ、いや、そこまで怯えなくても大丈夫だとは思うけど……。ごめんね、なんかそういうの、怖いよね」
響子「全部は話せないんだけど、簡単に言うと、美穂ちゃんに好きな人ができて、それで色々大変だった時期があったんだ」
颯「美穂ちゃんが?」
響子「うん。私と卯月ちゃんはそれを支えようと色々考えたんだけど、結局駄目で、美穂ちゃんは相手の人と別れることになっちゃった」
響子「私は人が人を好きになるのは当たり前のことだと思うし、アイドルだからって人を好きになる気持ちまで制限されるのはおかしいと思ってるから、卯月ちゃんと一緒に美穂ちゃんの助けになりたかったんだけど――」
響子「――駄目だったんだ。なんで駄目だったかは私の口からは言えないんだけどね。さすがに、美穂ちゃんが別れたときはピンチェの3人で泣いちゃったな」
響子「だから、颯ちゃんのことは応援したいんだけど、心配でもあるの」
颯「響子ちゃん……」
響子「ごめんね、中学生だし、ちゃんと恋愛したいよね。私が謝ってどうにかなることじゃないけど、でも――」
響子「――私は颯ちゃんの力になれるかはわからないよ……」
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 00:58:00.01 ID:nn1nXsSE0
移動中
颯(美穂ちゃんの過去を話す響子ちゃん、苦しそうだったな……)
(響子「ごめんね、中学生だし、ちゃんと恋愛したいよね。私が謝ってどうにかなることじゃないけど、でも――」
響子「――私は颯ちゃんの力になれるかはわからないよ……」)
颯(“ちゃんと恋愛したい”か)
颯「……」
(P「俺はもう大人だ。社会人だ。これは覆しようがない。社会人になった大人ってのは気にしなきゃいけないことが山のようにある。夢は寝てみろ、見なきゃいけないのは現実だ、といった具合にな」
P「これは、俺がどうしたいかではなく、社会がどうあるべきか、なんだよ。颯には難しいかもしれないけどな」
P「だから、俺と颯が付き合ったとしても、俺が社会に束縛されている以上、颯には10代特有の“自由な華々しい”恋愛はさせてやれない。どころか、颯はそういう恋愛をする機会を永遠に失いか兼ねない。いいか、颯、人生は長くても10代はすっごく短いんだ。そこで経験したことは、颯が大人になったときに跳ね返ってくる。いま俺とそういう関係になれば、颯をきちんとした大人にしてあげられないかもしれない。それは、俺が颯の親御さんと社会を同時に裏切るに等しい行為なんだ」)
颯(Pちゃんの言ってたこと、はーはよくわかってなかったかも)
颯(はーが思ってた以上に、大変なことになっちゃってるのかな)
颯(はーはどうすればいいの?)
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 01:09:44.88 ID:nn1nXsSE0
P「颯……から……に……連……」
颯(Pちゃんのことは大好き。愛してる。せっかく付き合えたのにお別れなんていやだよ……)
P「颯、颯! 聞いてるか?」
颯「! ご、ごめん、Pちゃん。ぼーっとしちゃってた」
P「急な打ち合わせが入っちゃって今日は事務所に戻れなさそうなんだ。それで、今すぐちひろさんに連絡しないといけないんだけど、これから高速乗るんでスマホがいじれない」
P「悪いんだけど、俺のスマホ使ってちひろさんに電話してくれないか?」
颯「うん、おっけー」
P「ありがとう。俺の鞄の中にiPhoneがあるから、それ使ってくれ。俺の顔をうつせばロックは解除できるから」
颯「これかな。Pちゃん、一瞬こっち向いてもらえる?」
P「もう信号待ちで止まるからちょっとだけ待ってくれ」
P「……」
P「よし、ほら」クルッ
颯「認証完了〜。もう前向いていいよ」
P「iPhoneにSlackってアプリがあるから、ダイレクトメッセージで【千川ちひろ】に用件を送信してくれ。他のメッセージとかは、秘密の内容もあるから見ないように」
颯「わかってるって。今日は急に入った打ち合わせで事務所に戻れないって言えばいいんだよね?」
P「ああ。それだけ送ればちひろさんはわかってくれるはずだ」
颯 ポチポチ
\LINE 小日向美穂:次はいつ……/ポップアップ
颯(わわっ、LINEだ。フリックで消して――)
颯(……)
颯(小日向美穂、か)
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/04/30(火) 01:10:53.66 ID:nn1nXsSE0
とりあえずここまで
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 01:42:24.85 ID:rWp5iwuH0
数日後、放送局
颯「はじめての生放送、いやー、さすがのはーも結構緊張しちゃった」
凪「凪はポーカーフェイスを保ちました。えっへん」
颯「でもなーの手震えてたよ?」
凪「はーちゃん、それは言わないお約束です。-114514点」
颯「なんか減点されてる?!」
凪「はーちゃんの査定は、……1ランク降格です」
颯「しかも降格されちゃったし?! てかなんでプレバト風? 凪“検定”だったじゃん」
颯「はぁ、今日はもうお仕事ないし、Pちゃんに寮まで送ってもらって休みたーい」
凪「Pとの甘々な時間を過ごしたいのなら、凪は別のアイドルの人と一緒に帰りますよ」
颯「いや、いいよ。そんなのなーに悪いし。今日は疲れちゃってそんな気分じゃないし」
凪「そうですか」
颯「Pちゃん、確かそろそろ別の人の収録終わってここ通るはずなんだよね」
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 01:48:42.58 ID:rWp5iwuH0
颯「あ、Pちゃん! ……と、あれは美穂ちゃん」
P「お、miroirの2人とエンカだ」
美穂「ふふっ……颯ちゃん、嬉しそう、ですねっ」
P「え? あ、ああ。まあ、そうみたいだな」
美穂「颯ちゃん、お疲れ様」
颯「美穂ちゃんもお疲れ様。収録って美穂ちゃんのだったんだ」
美穂「そうなの。今日は初めて出る番組だったから、プロデューサーさんと色んな人に挨拶して回ったんだ」
颯「ふーん、そうなんだ。でも、美穂ちゃん大丈夫? なんか汗かいてるというか、体調悪かったりする?」
美穂「……そんなことないよ、ほら、最近暑くなってきてるから。私、汗っかきで」
P「水分補給はちゃんとしておけよ。アイドルは身体が資本だからな」
美穂「はいっ、気をつけますっ。それじゃあプロデューサーさん、私は凪ちゃんと寮に帰ってますから。颯ちゃんを送ってあげてくださいね」
颯「え、いいって……行っちゃった」
颯「えーと、ありがとう? なのかな?」
P「なんていうか、気の利かせ方が雑なやつだな……」
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 01:57:34.24 ID:rWp5iwuH0
帰り道、車の中
颯「そういえばね、なーって好きな人いるんだって」
P「な、なにっ?!」
颯「あーでも心配しなくてもよさそう。片思いなんだって。進展させる気もないっぽい」
P「そうは言われてもな……凪もアイドルだし――って、そんなこと俺が言えたことじゃない、か」
颯「えへへ、そうだね。一番悪い子なのは、はーだもんね」
颯「あ、もちろんPちゃんもだから! 同罪だよ」
P「わかってますよ、ってな。まあ、実際、アイドルだから自由に恋愛できないだなんて、子どもであるアイドルたちにとっちゃ可哀想な話だ」
颯「はーにもそれに似たような話してたよね」
P「ああ、した気がするな」
颯「Pちゃんは、はーっていう彼女がいて、幸せ? 嬉しい?」
P「どうしたんだ、急に」
颯「なんかPちゃんの言葉で聞いておきたくって」
P「颯みたいな可愛くて自分を想ってくれる子が彼女で俺は幸せだよ」
P「言葉にして伝えるのは、なかなかどうして恥ずかしいものがあるけどな」
颯「そっか、ありがと」
颯「……」
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 02:06:16.89 ID:rWp5iwuH0
女子寮
響子「……うんっ、おいしい!」
颯「っ! や、やった!」
響子「頑張ったね、颯ちゃん。この肉じゃが、おいしいよ!」
響子「肉じゃがって定番だけど、手間もかかるし味付けも繊細なものだから案外難しいの。よくがんばりましたっ、……なーんて、えへへ」
颯「ありがと! 響子ちゃん」
颯「これなら、Pちゃんに作ってあげられるかも……!」
響子「うん! きっと喜んでもらえるはずだよ!」
颯「でもこれ1つ作るだけで疲れちゃったー。やっぱり響子ちゃんはすごいなー」
響子「慣れもあると思うよ。私だって、最初からうまくいってたわけじゃないし」
颯(慣れ……最初からうまくいってたわけじゃ、ない)
颯(Pちゃんとの関係も、そう……なのかな?)
響子「あとちょっと頑張れば、プロデューサーさんにお弁当作ってあげることだってできるんじゃない?」
颯「Pちゃんにお弁当かー、なんだか彼女みたいだね///」
響子「みたい、じゃなくて、実際そうなんでしょ。もう」
響子「そうだ、颯ちゃんお弁当箱とか持ってる?」
颯「んー、持ってないかな。実家においてきちゃった」
響子「じゃあさ、いまから買いに行こうよ! せっかくお料理できるようになってきたんだから、次はお弁当に挑戦してみよっ、ねっ?」
颯「うん……がんばる!」
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 02:12:56.69 ID:rWp5iwuH0
ショッピングモール
響子「ここならお弁当箱以外のお買い物もできるもんね!」
颯「ショッピングなんて久しぶりかも! いっぱい見てまわりたいな」
響子「あ、あそこのブランド、ちょっと気になってたんだ〜。寄ってもいい?」
颯「奇遇だね響子ちゃん、はーもちょうど目をつけてたとこなんだよ」
響子「ふふ、私たち気が合うのかも」
颯「お弁当箱売り場に来てみたけど……いままであんまり気にしてなかっただけで、お弁当箱だけでこんなにたくさんあるんだね」
響子「うんっ。何を重視するかで決めていく感じかな! かわいさとか、機能とか、大きさとか……とにかく色々!」
颯「Pちゃんにも使ってもらいたいし、ふつーに普段はーが使うにもちょうどいいくらいだと良いかな」
響子「あ、カップルでおんなじお弁当箱使うんだ。見せつけてくれるじゃない、このこの」
颯「わわっ、べ、別にそーいうつもりじゃ、ないけど」
響子「でも、嬉しいでしょ?」
颯「それは……うん///」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします
[saga]:2019/05/02(木) 02:24:03.84 ID:rWp5iwuH0
颯「よし、これに決めた!」
響子「案外シンプルなのにしたんだね」
颯「おしゃれなやつとか、かわいいやつとか、惹かれるものはいっぱいあったんだけどねー。Pちゃんに使ってもらうものだし、小さくても困るし」
颯「Pちゃんのお腹を満たせそうなサイズで、かといってでかすぎない! これしかないってはーは思うな」
颯「まあ、はーもまだまだJCで育ち盛り食べ盛りだし! 体型維持は完璧だし、下手なダイエットはしないもんね」
響子「確かに颯ちゃん、スタイルいいよね。中学生とは思えないくらい」
颯「ふふーん、そうでしょ。小柄だけど結構ぼんきゅっぼんなんだー」
響子「ちなみにスリーサイズいくつ?」
颯「82-56-82だよ」
響子「私、81-58-80だ……」
颯「えっ、あ、ごめん」
響子「謝らないでよっ、うわーん」
響子「颯ちゃんなんてそのお弁当箱いっぱいのご飯食べ続けてボンボンッボンになればいいだよっ」
颯「ひどい言われよう?!」
颯「……てか、響子ちゃん実際もっとあるでしょ。はー、東京来る前から響子ちゃんのこと知ってたけど、おっぱいとか絶対にもっとあるよね」
響子「おっぱいが大きいだけじゃだめだもん。女子は総合的に見たスタイルだよ、颯ちゃん」
響子「私はスレンダーなほうだし、ピンチェの中じゃ卯月ちゃんとか美穂ちゃんのほうがよっぽど……」
颯「よっぽど?」
響子「……エロい、と思う」
颯「な、なるほど……」
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