【モバマス】LiPPS「虹光の花束」 2スレ目

Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

269 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/23(火) 23:41:10.29 ID:5x0YJ+TDO
うわーん、いいとこで終わらすない


とりあえず乙。そして由愛かわいいよ由愛
270 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 11:34:46.91 ID:OPAh6Vca0
総選挙中間発表来ましたね(今更)

Cu暫定1位の志希を中心にLiPPSメンバーいい感じに順位高くていいですねー

でもスネークだったりポテトだったりアーロンだったりとやたら混沌とした総選挙になってるので、皆さん最後まで気を抜かずに推しを推していきましょう

本編は今日の夜(20時以降?)予定です







でも一番驚いたのはりあむ、お前だ
271 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/29(月) 18:42:24.31 ID:+aBUU3YDO
りんごと歯と白黒と強弱はどうなるやら?



平成中に終わる?
272 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 19:53:45.95 ID:OPAh6Vca0
Chhapter24 投下始めていきます

>>271 ギリ令和いきそう(小声)
なんとかGW中には終わる....はず
273 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 19:56:42.02 ID:OPAh6Vca0
今日という日が終われば、明日は来ないかもしれない

毎日そんな風に、終わることへの恐怖に震えて生きている





でも、今だけは

死ぬことよりも、怖い事がある





例え、今日この命が終わるとしても、この最高のステージには、自分自身の力で立って、誇りを持って頂点を掴みたい

勝つためでも、納得の出来ない終わりにするくらいなら、死んだ方がマシよ

人生で一番の大舞台に立っているんだもの、誰だってそう思うでしょ?
274 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 19:58:30.39 ID:OPAh6Vca0
屋久井「おい貴様!ウチを大トリにしろと言ったじゃないか!?あんだけ金を握らせたのに、今更裏切る気か!?」

スタッフ「そんな!?あんたたちが変更の指示を出したんじゃないんですか!?」

891P「何を言ってる、そんなものは出していないぞ?」

スタッフ「嘘だ!だって、黒埼さんが報告にきましたよ!?計画に変更があるから、次の審査を先攻に変えてほしいって!」

891P「なんだって!?あいつ何考えてッ!?」

891P「いやそもそも、私達の計画を知っていたというのか!?まさか奴らに計画が読まれていたのも!」

屋久井「あの女、余計な真似を.....!!」


891P「しゃ、社長.....いかがいたしましょう?」

屋久井「仕方がない、こうなったら本当に計画変更だ。811プロは最終審査で徹底的に潰す、妨害の内容が漏れていたとするなら、それも変更しなければならないだろう」

屋久井「すぐに次の策を考えるから、891P君は黒埼君に事実確認をしに行きなさい。もし本当に我々の計画を知っていたとするなら、IGが終わった後、彼女には消えてもらわなければならない」

891P「か、かしこまりました!!」
275 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 19:59:50.66 ID:OPAh6Vca0
〜〜〜 ステージ裏 〜〜〜


891P「はぁ....はぁ....あ、貴方たち」

颯「....なぁに、おじさん?そんなに息を切らして、今更何しに来たのさ?」

891P「おじさん、だと?私は貴方たちのプロデューサーですよ?貴方たちの勝利の為に、こうやって駆けつけたのに、酷い言い草じゃあ」

ちとせ「とぼけるの、やめましょう?」

891P「ッ....!」


ちとせ「私の魔法に気づいたから、急いで確認しに来たんでしょ?私が貴方たちにとって、消さなければならない人間なのか」

颯「ちとせちゃんから全部聞いたよ。プロデューサーに社長、二人でずっと悪い事してきたんでしょ?」

891P「そんな、違いますよ。みなさん黒埼さんのくだらない妄想に付き合わされているだけです、目を覚ましてくださ.....」










千夜「おい、今なんと言った?」
276 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:01:24.20 ID:OPAh6Vca0
891P「!?」



千夜「くだらないだと?お前たちの身勝手な欲望に振り回され、心臓に杭を打たれたような苦しみに悶え続け、それでも、人々の夢を壊さぬよう一人で戦い続けたお嬢様の意思を、くだらないだと?」

千夜「.................ふざけるなァ!!」

凪「吐き気を催す邪悪とは、まさにこのことですね、プロデューサー?」

凪「.......いや、失礼しました。もう貴方は、私達のプロデューサーではありませんでしたね。Ppayも、今日でサービス終了か」

891P「き、貴様ら.....!」
277 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:02:42.87 ID:OPAh6Vca0
千夜「よくも今までお嬢様を弄んでくれましたね......私は、"私達"は、お前を絶対に許さない」

颯「千夜ちゃんの言う通りだよ、『アイドル』の全てを汚し続けたあんたたちを、はー達は絶対に許さないから」

891P「貴様ら、分かっているのか?貴様らがIGの決勝まで来れたのは、私達の"助力"があったからだぞ!?」

ちとせ「だからこそ、よ。自分の最期の夢くらい、自分自身の力で掴み取るわ。女の子なんだから当然でしょ?」

ちとせ「それに、貴方たちの助力なんてなくても、私たちはきっとこの場所に立っていたわ。何年かかっても、きっとたどり着いた。だって、私達『ProjectQueen』の力を合わせれば、どんな運命にも打ち勝てたはずだもの」

891P「ちとせ、貴様ァ.....!」


千夜「お前はもう、その汚らわしい口を開くな。二度とお嬢様の視界に入るな、さもなくば.......」

凪「おっと、千夜ちゃんが本気の目になっていますね。あれはやるといったらやる、そんなスゴみがある目です。こっわ」

颯「でも、はやくはー達の前から消えてほしいのは同意かな。あたし達これから、サイッコーのステージで、世界一キラキラ輝いてくるんだから。だから、その邪魔はしないでよ?」
278 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:03:45.70 ID:OPAh6Vca0
891P「.....そうか。わかったもういい、勝手にしろ!」

891P「ただし、我々を裏切るのなら容赦はしない。IGが終わった後も、アイドルでいられると思うな!必ず、後悔させてやる.......!」

ちとせ「やれるもんならやってみなさい、どの道もう消える寸前の灯だけどね。それより、貴方たちは自分たちの心配をした方がいいわよ?」

891P「なんだと?」

ちとせ「勝敗がどうなるとしても、私達とLiPPSがぶつかる以上、IGが終わる頃には世界が変わっているわ。その変化に、貴方たちは抗えない。だから、精々怯えていなさい?」












多くの夢を踏みにじった貴方たちの業は、白木の杭に貫かれる

もう二度と、日の当たる場所なんて歩けないから........!
279 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:05:58.88 ID:OPAh6Vca0
司会が、Project,Queenの名を高く呼び上げる

それに続いて、狂ったような歓声が、雷の如く鳴り響く


.....うん、もう大丈夫

ずっと私を縛り付けていた鎖は、もう存在しない


今私の心には、雲一つない、清々しいほど鮮やかな快晴の空が広がっている

暖かい陽の光に照らされて、ずっと一緒に歩いてきた愛する人達と共に、いのちの灯を燃やしている



私は今日ここで、最高に輝ける。輝いて見せる
280 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:07:02.65 ID:OPAh6Vca0
そして、『LiPPS』

貴方たちには、本当に驚かされてばかりだった

どんな妨害も利用して、逆に自分たちを魅せる為の武器へと変える

まるで、魔法使いの様だった





でもね、魔法を使えるのは貴方たちだけじゃないの





"私達"にもまだ、とっておきの魔法が残っている

私達だからこそ使える、数多の人々を魅了して、この会場を支配できる魔法が




アイドルの"女王"の座は、私達の物よ!
281 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:08:16.49 ID:OPAh6Vca0
奏「Project,Queenの最後の曲は、『Fascinate』ね」

フレデリカ「確か、ちとせちゃんと千夜ちゃんのデュエット曲だったね。準決勝の最初の審査で歌ってたやつだ!」


P「......いや、ちょっと待て。あの時聞いたのと、何かが違う。裏で何か別の音が入っているような.......!?」

P「これ、『O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!』だ!予選の時の、久川姉妹のデュエット曲!」


美嘉「まさか、マッシュアップ!?あの二つ、全然曲調違うのに!」

志希「でも全然違和感ない.....ううん、もう完全に新しい一曲として生まれ変わってる。すっごく面白くて、興味深い面白い反応だね〜!」

周子「"秘策"があるのは、あたし達だけじゃなかったって事か。こりゃ本格的にやばくなってきたね」

奏「この土壇場で、何度も進化を重ねる.......本当に凄いアイドル達ね。でも、勝機が無くなったわけじゃない」
282 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:09:08.78 ID:OPAh6Vca0
奏「向こうが戦いの中で成長するのなら、私達もそれより一歩先へ進化すれば、きっと勝てる。私達の力を合わせれば、きっとそれが出来る!」

奏「そうよね、プロデューサーさん?」


P「....ああ!俺たちにだってまだ最後の秘策が残ってるしな!」

P「それに、俺たちの一番の武器は、今もずっと胸の内で輝いてるだろ?」

周子「あたしたちの.......」

美嘉「一番の武器......?」



P「目を閉じて、自分の鼓動に耳を澄ませてみろ。感じるだろ?いつだってお前たちの心で燃えているものが」

P「思い出せ、どんな逆境の上でもブレることなかった、俺たち811プロの信念の炎を!」
283 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:10:21.33 ID:OPAh6Vca0
志希「........楽しむこと」

フレデリカ「それに楽しんで、みんなを楽しませる事!」

P「お見事!」

美嘉「うん、確かに感じる.....ステージに立つのが楽しみ過ぎて、待ちきれなくなってる自分が!」

周子「こんなに期待で心がバクバク脈打ってるの、人生で初めてだわ。でもこういうの、嫌いじゃないかな♪」


奏「どんなステージでも、私達は"楽しみたい"という気持ちを貫いてきた。なら今回も.....ううん、この大舞台でこそ、全力で楽しみましょう」

奏「そうすればきっと、ファンのみんなにこの炎が伝わる.....みんなの"楽しむ心"を、燃え上がらせることができる!」

奏「このセカイの感情を、"楽"一色に変えてみせましょう。それが、"トップアイドル"だから!!」





自分の心の内に、眩く輝くものがあることを確かに感じ取った私達の心が、今一つに繋がる

繋がった心が、私達の胸の奥に灯った炎を、聖火の如く熱く大きく燃え上がらせる!!
284 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:11:14.84 ID:OPAh6Vca0
P「よし、じゃあ最後のステージをしっかり楽しむためにも、今は彼女達のステージを楽しもう!」

『はーい!』


ソウダ!セッカクペンライトアルンダカラコレフッテオウエンシヨウヨ

イイネー!アタシタチモカンキャクニナッタミタイ!

イエーイ!ブンブン♪

スゴッ!フレチャンフリツケカンペキヤン!






P(だが、ここまで計画が崩れている以上、向こうも何も手を打たないなんてことはないだろう。きっとちとせちゃんが出してくれた手紙の内容から外れた行動を取ってくる)

P(俺もプロデューサーとして、全力で彼女達を守らなければ.......)
285 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:12:10.77 ID:OPAh6Vca0
ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!



颯「みんなー!盛り上げてくれて、本当にありがとー!!」

千夜「はい、今回ばかりは本当に、お前たちに感謝していますよ」

凪「千夜ちゃんがデレた、だと......?会場の皆さん、今です!シャッターチャンス!」

千夜「お、おい!やめろ!茶化すな!」

ちとせ「いいじゃない千夜ちゃん♪ほら、最後なんだし、ここまで私達を応援してくれたファンのみんなに、今日一番の笑顔を送りましょう?」

ちとせ「大丈夫だよ、千夜ちゃんの笑顔の可愛さは、私が一番知ってるから♪」

千夜「お、お嬢様まで......」

颯「あはは!それじゃあみんな、いっくよー!」



『Project,Queenを応援してくれて、本当にありがとう!!』



ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!
286 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:12:58.81 ID:OPAh6Vca0
〜〜〜 ステージ裏 〜〜〜


『ハァ....ハァ.....』

颯「なんとか、やりきったね.....」

凪「ここまで疲れたのは、人生で初めてです。マジで倒れる5秒前です。早く控室で休みに行きたいですね」




息を切らしながら、震える手で握ったスマホの内カメラで、今の自分の顔を確かめて見る

あはは......疲れ切ってる。今にも死んじゃいそうな顔



でも、我ながら綺麗な顔してるね



まだ胸に火が灯っている内にこの鼓動を伝えようと、1つずつ指を動かしていく
287 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:14:43.00 ID:OPAh6Vca0
屋久井「いやー、凄かったよ君たち」

891P「......お疲れさまです、皆さん」

千夜「ッ!?お前達は!」


屋久井「まさか君たちの代表曲2つをマッシュアップするとは!そんな練習していたとは知らなかったよ。891P君にも秘密にしていたのかい?」

ちとせ「そうよ、驚かせてあげようと思って」

屋久井「ああ、本当に驚かされた.........色んな意味でな」

屋久井「だが、君たちには本当に感謝しているよ。おかげで我が891プロはついに、芸能界の覇権を握ることができる」

凪「嬉しくはありませんが、どういたしまして」

颯「はー達頑張ってこんなにファンのみんなの心掴んだんだし、もう十分でしょ?LiPPSの邪魔しないでよね」

屋久井「そうだね.....まぁ、いいだろう。"私"はもう、811プロに手を出さない事を約束しよう」

千夜「信用できるとでも?」

屋久井「安心しなさい。私だって"最期"のステージを華々しく飾ってくれた英雄に嘘はつかない」

ちとせ「そう......ならいいわ。私達は控室で休ませてもらうから、またね」
288 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:15:34.82 ID:OPAh6Vca0
肩の力を抜きながら悪魔の横をすりぬけつつ、がくがくになった足で滑稽に、されど自分の力で歩く


そのすれ違いざま、指先のまで込めていた力を抜いて心を落ち着かせ、呪文を唱えた

誘惑するような甘い声で、だけど銀の弾丸の様に冷たい呪文を





ちとせ「これで、貴方たちも終わりよ」
289 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:16:11.06 ID:OPAh6Vca0
屋久井「フン、生意気な小娘だ」

891P「しかし、ある意味嬉しい誤算でしたね。これだけ斬新かつハイクオリティのパフォーマンスなら、わざわざ妨害しなくても」

屋久井「いや、万が一という事もある。やはり811プロにはここで散ってもらおう」

891P「ということは、やはり811プロに手を出さないというのは嘘ですか?」

屋久井「約束したのは"私"が手を出さないという事だけだ。君が手を出す分には嘘をついたことにならないだろう?」

891P「ああ、そういう事ですか。では、私はどうすれば?」

屋久井「当初予定していたセリを落とす妨害は読まれているだろうから、手を変える。ちょうど今日はいいものを持ってきていてね」ガサゴソ

屋久井「.......これだ」

891P「これって....なっ!?」








891P「拳銃じゃないですか!?」
290 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:17:11.92 ID:OPAh6Vca0
屋久井「人に恨まれることも多い立場だからねぇ。もしもの時の為に取り寄せておいたのさ。なんとなく今日は嫌な予感がしたから持ってきていたんだけど、まさか本当に使う時が来るとはねぇ」

屋久井「というわけだ、君はステージの奥からこれで奴等の頭をぶち抜いてくれたまえ」

891P「さ、流石に殺人はマズイですよ!」

屋久井「大丈夫だよ、スタッフにはちゃんと話を付けておくから」

891P「で、ですが!」



屋久井「断ってもいいが、その時は......分かっているだろう?」

891P「ッ!?」
291 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:17:57.43 ID:OPAh6Vca0
屋久井「君が今の様な暮らしをする事が出来るのは、私の力あってこそだ。もしそれが無くなれば、君に待ち受けているのは破滅のみ。Project,Queenを制御できなかった責任は、ちゃあんと取らないとねぇ?」

891P「そ、そんな........」

屋久井「なぁに安心なさい。ステージの奥は暗い上にセットの陰に隠れて客席からはほとんど見えないから、売った後すぐに逃げればバレやしない。仮に怪しまれても、私が何とか警察に口利きしてあげよう」

屋久井「それにまぁ、最悪当てられなくてもいい。銃声一つ聞こえるだけで、奴らも観客もパニックになるだろうからな。そうすればどの道勝つのは私達だ」

891P「ほ、本当ですか?」

屋久井「891P君。私が聞きたいのはやるかやらないか、どっちなのかだ」









891P「........やります」
292 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:18:44.62 ID:OPAh6Vca0
屋久井「良い返事だ。私は部下に恵まれて嬉しいよ」

屋久井「撃つタイミングはそうだなぁ.....やはり銃声が綺麗に響くように、曲が始まる直前にしよう。ターゲットは誰でも構わないが、そうだなぁ........どうせならあいつがいい」

891P「あいつ、とは?」

屋久井「LiPPSのリーダーの、速水奏君だよ。最後の審査が始まる直前、リーダーが非業の死を遂げる!奴等にとって、これ以上ないくらい相応しい結末じゃないか!」





屋久井「811プロ、それにP.........散々私をコケにしてくれたが、もう、貴様らは終わりだ。あの時のように、目の前で貴様の大切なものを奪ってやる!アーハッハッハッハッ!!!」
293 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:19:40.69 ID:OPAh6Vca0
奏「みんな、準備は出来てるわね?」

周子「もちろん!今日はあたしたちの本気、出しつくすよ!」

フレデリカ「だいじょーぶ♪みんなの背中はフレちゃんにお任せ!」

美嘉「じゃあ、フレちゃんの背中はあたし達が!みんなで支え合えば、あたし達きっとムテキだよ★」

志希「この先に広がるのは、誰も見たことのない未知の世界!楽しみ過ぎて、あたし飛んでいっちゃいそうだよ!」

奏「OK!じゃあ、行くわよ!!!」





大勢の人間が、私達を、『LiPPS』を求めて待っている場所へ

人々の夢が花となり、鮮やかに狂い咲き誇る、あの輝かしい『花園』(ステージ)へ!!!!
294 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:21:13.78 ID:OPAh6Vca0
891P「も、もうすぐ奴らのステージが始まっちまう.....クソッ!」

891P「でも、や、殺るんだ.....殺らないと、終わりだ.....!大丈夫、すぐに逃げれば、守ってもらえる....きっと.....」


スタッフ1「君、891Pか?」

891P「ひっ!?は、はいそうです!あ、貴方達は....?」

スタッフ2「891プロの息のかかったスタッフ、ってところかしら?」

スタッフ3「話は聞いてます。ライバルのLiPPSのステージを間近で見て研究する為に、LiPPSの舞台の奥に隠れさせてほしいんですね?」

891P「そ、その通りです!」

スタッフ3「いや〜素晴らしく仕事熱心な方なんですね〜!なにせ」










スタッフ3(P)「891プロの為に、人殺しにまでなるんだから」
295 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:22:14.00 ID:OPAh6Vca0
891P「へっ?」


スタッフ1(ベテトレ)「せいっ!」

891P「ぐはぁ!」

P「うひょー、相変わらず見事な技だこと」

ベテトレ「青木家直伝、確実に男をオトす108の奥義さ」

スタッフ2(早苗)「物理的に落としてどうすんのよ。でも、有り難いわね。そのままシメといて」

ベテトレ「ああ」ギチギチ

891P「あだだだだだだだだ!!!!!」


早苗「じゃあ荷物改めさせてもらうわね.......ハイ拳銃みっけ、証拠として押さえさせて貰うわよ」

早苗「んでついでに手錠をガチャリと、銃刀法違反及び殺人未遂で現行犯逮捕よ」


891P「な、何で計画がばれたんだ!?」

P「お前らの敗因はただ一つだよ。お前ら、自分の担当舐めすぎ」

891P「な、なんだと......?」
296 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:23:37.61 ID:OPAh6Vca0
〜〜〜 ProjectQueenのステージ終了直後 〜〜〜


P「一応青木さんと片桐さんに連絡してあちこち警戒してもらっているが、891プロがどこから攻めてくるか分からねぇな.......」トゥルルルルル

P「こんな時に電話か。二人が何か見つけたか......って、鳴ってたのは仕事用の携帯か。なんだこの番号?」ピッ




『そうだね.....まぁ、いいだろう。"私"はもう、811プロに手を出さない事を約束しよう』




P「!?」
297 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:24:20.84 ID:OPAh6Vca0
この声、おっちゃん!?




『信用できるとでも?』

『安心しなさい。私だって"最期"のステージを華々しく飾ってくれた英雄に嘘はつかない』

『そう......ならいいわ。私達は控室で休ませてもらうわ、また後でね』




この電話をかけてきた当人であろう少女の声と、その仲間たちの声がどんどん小さくなっていく

だが、残った二人の男の狂った会話は依然、スピーカーを通して漏れ続けている





P「......成程ねぇ。これ、意外と常套手段だったみたいだな」
298 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:24:57.72 ID:OPAh6Vca0
891P「まさか、また黒埼が....!」

P「あんた達が奏を撃ち抜く前に、彼女の放った銀の弾丸が、悪魔に魂売ったあんた達の心臓をぶち抜いたってわけさ」

P「そうだ、ついでにちょっとあんたの携帯借りるな」ピポパポ

891P「ふざけるな、返せ!」

ベテトレ「少し黙っていろ」ギチギチ

891P「あばばばばばば!!!!」

早苗「覚悟しなさいよ〜?青木ちゃん、『あの子』を売ったあんたの事めっちゃくちゃ恨んでるから」

ベテトレ「『あの子』の分も含めて、しっかり利子を付けて返させてもらうぞ」ギチギチギチ!!

891P「あががががががgっがあg!!」
299 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:26:13.11 ID:OPAh6Vca0
ガチャッ


屋久井『891P君、急に電話をかけてきてどうしたんだい?』

P「891P?誰それ?俺Pです!」

屋久井『なんだと......?』

P「まぁそういうこった、あんたらの作戦は失敗したんだよ」

屋久井『貴様、一体何故!?』

P「答えは、あんたのポケットの中」

屋久井『はぁ?.......これは黒埼君のスマホ!?まさか、あの時に!』


P「つまり、あんたは2回もちとせちゃんに嵌められたって事。同じ女、しかも担当アイドルに二度ひっかけられるとか、おっちゃんって"救いようのない馬鹿"だな」

屋久井『P、貴様ァ!』

P「まぁそうカッカせずにさ、ウチのLiPPSのステージを楽しんでくれよそんでもって、しっかり噛み締めるんだな」








あんたたちが今まで、どれだけ尊いものを壊し続けていたのかを!
300 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:26:51.76 ID:OPAh6Vca0
〜〜〜 2週間前 〜〜〜


P「レッスン始まる直前で悪いが、お前たちに大事な話がある」

周子「なんなん急に改まって?というか、今の時期に出る話って全部重要やと思うけど」

P「昨日一晩ずっと考えてある結論にたどり着いたんだが.....率直に言うと、このままじゃお前らはIGの頂点を掴めない」

奏「それは、一体何故?」

P「今のお前らは、確かにトップアイドルに相応しい技術と精神を見につけている。だが、IGっつー特別な舞台では、それだけじゃ勝てない。なんつーか多分、もっとドデカいインパクトを観客に与えれないといけないんだ」

P「だが安心しろ、俺もちゃんとプロデューサーとして、最後の秘策を考えてきた」

フレデリカ「その気になる秘策とは.......CMの後で♪」

美嘉「いやいや!CMとかないから!」



P「最後の秘策、それは............」
301 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:27:40.82 ID:OPAh6Vca0
最後のステージの衣装は、ちょっと特別

特別といっても、胸に一つ花を差し込んだだけだけど

それでもこの一輪は、何よりも特別な意味がある

『思いやり』の花言葉を持つそれは、どんな花より私達に勇気をくれる!
302 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:28:12.87 ID:OPAh6Vca0
奏「みんなー!私達、このIGという大舞台の為に、ここまで私達を応援してくれたみんなの為に!とっておきのプレゼントを用意してきたわ!」

周子「ほうほう!それじゃ、気になるプレゼントの正体、さくっと発表しちゃいましょうか♪」

奏「ええ!それじゃあ行くわよ、皆に送るプレゼントの正体、そして、IGという最高の舞台をを締めくくるフィナーレの正体は!」



パチン、と指を鳴らす

それを合図に、モニターに"プレゼント"の正体が映し出される

同時に、会場を狂喜の嵐が包み込んだ
303 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:28:51.64 ID:OPAh6Vca0
それは、たった5文字のアルファベット

だけど、このキラキラ輝く素晴らしき世界に、『私達』が捧げるとっておきの贈り物!!
304 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:29:18.65 ID:OPAh6Vca0

奏「みんな、準備はいいかしら?IG決勝、最後の最後で初公開する、とっておきの完全新曲、その名も.......」
305 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:29:44.63 ID:OPAh6Vca0



Capter24 「Tulip」



306 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:30:57.81 ID:OPAh6Vca0
   ・
   ・
   ・
   ・



P「どうだ、この曲の感想は?」

美嘉「凄い.....まだ声が入ってないのに、凄く引き込まれる」

志希「歌詞もなかなか興味深いねー。確かにしゃべるだけなら唇っていらないし。でも」

奏「キスするために、咲いている。ロマンチックでいいじゃない」

周子「Pさんったら、よくこんなすごい曲持ってこれたね?いつの間に用意してたん?」

P「用意してたって言うか、元からあったんだよ」

美嘉「元からあった?」



P「この曲はな........俺が歌を教えてた、『あの子』が作った曲なんだ」


『!!!』
307 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:32:27.81 ID:OPAh6Vca0
P「『あの子』は、この曲に自分自身の歌を付ける事を夢に抱いてたんだ。でも結局、それが叶うことはなかった........」

周子「それで、お蔵入りになっちゃったんやね」

P「実はな、あの子が死んでからずっと、ずっとこの曲が嫌いだった」

奏「それは、思い出してしまうから?」

P「ああ、この曲を聞くと思いだしちまうんだ。『あの子』の事を......だから、必死に忘れようとしていたんだ、でも」

フレデリカ「忘れられなかったんでしょ?思い出すと苦しくなっても、プロデューサーの大事な思い出だもんね。そんなの、忘れられる訳ないよね」

P「その通りだ。どれだけ苦しむとしても、どれだけ逃げ出したくっても、この曲のことだけは、あの子の夢が詰まったこの曲のことだけは!忘れる事が出来なかった.......俺にとって『Tulip』は、大嫌いな曲だけど、何よりも愛おしい、思い出の曲だったんだ........」


P「だからみんな、頼む!」
308 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:34:15.92 ID:OPAh6Vca0
P「お前らの手で、この曲を完成させてやってくれ!『あの子』の夢を、あの子が何より憧れていたあの舞台へ、一緒に持っていってやってくれ!」


『任せて!!!』




奏「プロデューサーさん、私達この曲も、この曲に込められた夢も、必ず最高のステージで、何よりも華やかに咲かせてみせるから!」




だから、『あなた』もプロデューサーさんと一緒に見ていて頂戴

『あなた』と私達の夢が、花開く瞬間を!
309 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:35:04.21 ID:OPAh6Vca0
チューリップの花言葉の由来は、オランダのある物語から来ているらしい


その昔、ある村に住む一人の少女が三人の騎士にプロポーズされた

騎士たちはそれぞれ家宝の王冠、剣、黄金を少女に贈ったが、優しい少女は自分を愛してくれた三人の騎士を思いやるあまり、一人を選ぶことができなかった

そしてとうとう結論を出すことができなかった少女は、花の女神に自分を花に変えてくれるよう頼んだ

女神は少女の願いを聞き入れ、少女をチューリップの姿に変えた

チューリップの姿は、彼女へと贈られた家宝から形作られている




その葉は剣、芸能界に吹き荒れた悪意の嵐に真っ向から立ち向かった、彼女達の覚悟

その球根は黄金、黄金の様に眩い輝きを放つ、彼女達の抱いたトップアイドルという夢

その花は王冠、今まさにアイドルの頂点を掴もうとするあの子達へ贈られる、トップアイドルになったことの証




そして、チューリップにはもう一つ花言葉がある

それは.....................
310 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:36:36.16 ID:OPAh6Vca0
トレーナーさんに早苗さん、ちひろさんにトライアドプリムス、ProjectQueenに、ずっと支え続けてくれたプロデューサーさん

そして、私達とプロデューサーさんを引き合わせてくれて、私たちに夢を託してくれた、顔も知らない『あなた』



見て、いま私達は、このドームに集まった全ての人達の心は、一つに繋がっている

心の揺らめきに合わせて、その手のサイリウムを揺らめかせる

その光景はまるで、優しい風が吹き抜ける色鮮やかな花園のよう



性別も出自も年齢も思想も、彼らの放つ光の色は、みんな何もかも違うはずなのに

一つ一つの光が、必ずほかの誰かと繋がっていって、一つの大きな束となっていく




これが、私達の抱いた"愛"そのもの



どんな嵐が吹き荒れようと、私たちはここに咲いていられる。隣を一緒に歩んでくれた仲間たちがいるから、その嵐の先に、淡く光る希望を見つけられる

だって私達はアイドルという人生の舞台を、本当に愛しているから!
311 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:37:41.07 ID:OPAh6Vca0

奏(そう、これが『私達』全員で作りあげた.......)
312 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:38:21.68 ID:OPAh6Vca0

P「虹光の花束........」
313 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:38:53.66 ID:OPAh6Vca0
ああ、ちくしょう。分かってた、分かってたよ

『あの子達』の夢が花咲く瞬間を見れば、こうなるって分かってたんだけどなぁ








涙が、止まらねぇや................
314 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:39:55.59 ID:OPAh6Vca0
司会「いやー......本当に、本当に、どちらも素晴らしいステージでした!わたくし、感動して、涙が止まりません.......!」

司会「しかし、ついにこのIGも最後の結果発表、終わりの時間となってしまいました。激戦に続く激戦の末、トップアイドルの称号、Sランクアイドルの座を手にするのは果たしてどちらのユニットか!!」





奏(やれることは、全部やった。全力を出しきった)

ちとせ(だからあとは、ただ、受け入れるだけ)






司会「それでは発表します!IDOL OF GRATESTに優勝し、名実ともにアイドル界の王者の座を手にしたのは!」
315 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:40:56.97 ID:OPAh6Vca0
      最終結果




LiPPS      1333590票(累計2946811票)    






Project,Queen  1260901票(累計2893569票)










優勝 LiPPS(811プロ)
316 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:41:39.83 ID:OPAh6Vca0
早苗「やっ....」

ベテトレ「やっ....」







P「やっ、た.....?」










『いやったあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』
317 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:42:07.64 ID:OPAh6Vca0

to be continued






and,the time of Ending........
318 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/04/29(月) 20:43:27.34 ID:OPAh6Vca0
Chapter24終了したところで、今回はここまで〜


次回、最終回



更新は.....多分元号変わった後
319 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/04/29(月) 23:18:03.94 ID:+aBUU3YDO


ちーちゃんの命も気になります……あとは奏を食べちゃうのかどうかも

とりま、最後まで頑張ってねぇん(それはもういい)
320 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/04(土) 22:26:48.20 ID:1s/7cv3T0
長らくお待たせして申し訳ございません

GW中予定やら色んなソシャゲのイベントやらに囲まれたせいで執筆が滞っていました

明日の21時〜22時頃最終話投下予定です
321 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:36:33.58 ID:Hr5KE0bL0
お待たせいたしました

エンディングの投下を開始します
322 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:37:01.85 ID:Hr5KE0bL0

Chapter Final「Under the Moon」
323 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:38:41.69 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「そっか。私達、負けちゃったか」

千夜「ッ.....申し訳ございません、お嬢様」

ちとせ「謝らないで千夜ちゃん。負けたのは千夜ちゃんのせいじゃないでしょ?」

ちとせ「私達は全員で力を合わせて、これ以上ないってくらい全力で挑んで、その上で負けた。だから、誰のせいとかじゃないわ。みんなで頑張って、みんなで負けたの。だから、反省するならみんなでね」

颯「そうだよ千夜ちゃん!みんなでこの悔しさを分け合って、いつかきっとリベンジしよう!はー達で力を合わせれば、きっと大丈夫だから!」

颯「だから........................う、うわああああああああああああああああん!!!!やっぱり悔しいよー!!!!!!」

凪「おや、はーちゃんがここまで泣くのは久しぶりですね。私がはーちゃんのプリンを間違って食べてしまった時以来でしょうか」

千夜「.......気づいていないようだが凪、お前も泣いているぞ」

凪「えっ.....?」

ちとせ「いいのよ二人とも、今日はみんなで泣いて、みんなで乗り越えましょう?」

颯「うぅぅ....ごめんねちとせちゃん.....!ちとせちゃん、ずっとはー達の為に頑張ってくれてたのに......!」

ちとせ「もう、はーちゃんも謝らないの。私はこの道を選んだこと、ちっとも後悔なんてしてないんだから」

ちとせ「だって、負けちゃったけど楽しかったもの。『黒埼ちとせ』の最後のステージを、こんなにも夢のある終わりにする事が出来たんだから」

ちとせ「本当に......よかっ、た.......」










ドサッ


『お嬢様((ちとせちゃん))!?』
324 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:39:31.36 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「あはは.....やっぱり、無理し過ぎちゃったかな。身体、動かないや」

千夜「お嬢様、しっかりしてください!」

ちとせ「ごめんね、みんな........私、これが本当に最期のステージになっちゃったみたい」

凪「最期.....?そんな、まるで死ぬ前みたいな.....」

ちとせ「すぐ死んじゃうわけじないと思う。でも、もうアイドルを続けるのは、無理かな.......」

颯「何言ってるのちとせちゃん!まだ、まだあと一年はあるんでしょ!?あたしたち、これからなんだよ!?今度こそ胸を張れるアイドルとして、みんなで頑張っていこうって言ったじゃん!」

ちとせ「実はね.....一年っていうのは、激しい運動をせず、安静に日々を過ごしていたらって話だったの。今までずっと誤魔化してきたけど、正直、このIGが私の最期になるってことは、なんとなく分かってた」

颯「そんな........」

ちとせ「でも、本当に後悔はないわ。最期まで貴方たちといられたから、だから、私は幸せなの」

ちとせ「最期にして最高の舞台で、私が生きた証を残せた.....本当にもう、十分よ........」
325 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:40:15.72 ID:Hr5KE0bL0
最期なんて言うには、まだ早いんじゃないかにゃー?
326 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:41:02.02 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「えっ....?」

千夜「お前たちは......」

ちとせ「ふふっ....LiPPSも、私を看取りに来てくれたの?」

奏「違うわ。貴方に伝えなきゃいけない事があるの」

ちとせ「伝えなきゃ、いけない事?」

志希「ちとせちゃん、これを見て」スマホ








[不治の奇病、MITの一ノ瀬教授がついに特効薬を完成]
327 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:41:37.65 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「えっ......」

千夜「この病は、お嬢様の.......」

奏「貴方の病気は今、"不治の病"から"治る病"に変わったの。だから、最期だなんて言わないで」

周子「しっかり病気を治してさ、また一緒にステージに立とうよ。リベンジ待ってるからさ」

颯「ほ、本当に....?本当にちとせちゃんは治るの?あたし達と一緒に、アイドル続けられるの......?」

志希「本当だよ。なんたって作ったのは、あたしのパパだからね!」

凪「そうなんですか......」

颯「よ、よ.......」







颯&凪「「よがっだアァァァァァ!!!!!!!!」」


『!?』
328 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:42:50.64 ID:Hr5KE0bL0
凪「よがっだでずねはーちゃん!本当に......本当に!」

颯「うん!うん!本当によかったよお"お"お"!!!!!!!!」

千夜「お前たち......普段の性格は違う癖に、泣く姿はそっくりだな......」


千夜「でも.....本当に、よかった........」

ちとせ「夢じゃ、ないの....?本当に私、まだ生きられるの.....?こんな奇跡、本当に起こっていいの....?」

美嘉「確かに奇跡だけど、偶然起きた奇跡じゃないよ。自分が誇れる生き方で必死に生きぬいてきたからこそ、自分の手で掴み取る事が出来た"報酬"だよ」

フレデリカ「きっとちとせちゃんが頑張ったから、神サマがご褒美をくれたんだよ!"もっとアイドルとして輝く姿を、わしに見せてくれー!"って♪」

フレデリカ「だから、治ったらまたみんなで一緒に遊ぼうね♪約束だよ」
329 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:44:43.91 ID:Hr5KE0bL0
千夜「それにしても、よくお嬢様の病の事を知っていましたね?」

志希「ママが、同じ病気だったんだ。だからちとせちゃんを見た時すぐ分かったよ」

志希「......今度こそ、助けられた」

千夜「そう、だったのですか......」

ちとせ「なら、"明日の為に"、私達も残ってる仕事を片付けなきゃね。みんな、一緒に来てくれる?」

千夜「もちろん。どこまでもお供しますよ、お嬢様」

凪「いつ出発する?私も同行する」

颯「4人全員そろっての『Project,Queen』だからね!」


奏「........貴方たち、まさか」

周子「大丈夫なん?きっと今後の活動に差し支えるよ?」

ちとせ「いいの、これは私達が新しい道を歩むために必要なことだから」

ちとせ「それより、貴方たちもまだやり残したことがあるんじゃない?」

奏「.....そうね、まだ最後の仕事が残ってる」

ちとせ「なら、この世界の頂点に立った貴方たちの手で、引導を渡してきて。アイドルの世界の"夜"を、終わらせて」










この世界の新しい夜明けを、迎え入れるために............
330 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:45:29.34 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「クソッ、どいつもこいつもしくじりおって!」

屋久井「......だが、まだ終わったわけじゃない。邪魔者を排除し、今度こそ私がこの世界の覇権を......」










???「いいや、これで終わりだ」
331 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:46:13.51 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「ッ貴様は!?」

P「おっちゃん、もうやめにしよう」

891P(縛られ状態)「くっ.....」

ベテトレ「891プロのプロデューサーは抑えた」

早苗「あんたが渡した拳銃もばっちり証拠として確保してある。もう逃げられないわよ」


屋久井「......なんの事かね?891P君の犯罪と私に、一体何の関係が?」

891P「なっ!?」

屋久井「彼は先程解雇したのだよ。その後に彼が何をしたところで、私とは無関係だ」

891P「そんな!?話が違います!?」

P「とぼけても無駄だぞ、あんたらの会話はばっちり録音してある。拳銃だって、詳しく調べれば入手ルートも指紋も出てくる。これだけ証拠があれば.....」

屋久井「フン、それがどうしたというんだね?」

P「なんだと......?」
332 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:47:01.04 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「忘れたのか?そこの婦警が謹慎を言い渡された理由を」

早苗「あんたが警察の上層部に圧力をかけたからでしょ?でも、いくらなんでもここまで証拠がそろえば......」

屋久井「甘いな、貴様らは本当に甘い!」

早苗「はぁ....?」

屋久井「私の警察組織の"顧客"が誰だと思う?『警視総監』だよ」

早苗「なんですって!?」

ベテトレ「警視総監?」

早苗「......警視庁のトップ、警察組織のナンバー1よ」

ベテトレ「なるほど、だがそれが一体どうした?この男と一緒に、その警視総監とやらも吊り上げられるだけだろう」

早苗「ッ.........」ギリッ

P「片桐さん....?」
333 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:48:12.42 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「どうやら気付いたようだな」

早苗「警察組織のトップが犯罪に加担していたとなれば、警察という組織そのものの信用は失墜する。そのような事態になるなら.....」

屋久井「そうだ、私が何もしなくとも警察は勝手に証拠隠滅を図るだろう。当然、その秘密を握る私を逮捕することなどできやしない!」


P「だがっ!俺たちがこの証拠をどこかにリークすれば......ッ!?」

屋久井「流石の君でも分かるか。それこそ無駄なことだよ、私に逆らえるマスコミなど存在しない。どんな情報を持って行ったところで握りつぶされるだけだ」

屋久井「むしろ、"我が社を陥れるために811プロが工作した"とでも書き替えられるんじゃないかね?」

P「くそっ.......」

屋久井「残念だねぇ、ここまで無駄な努力を重ねた結果が、こんなつまらない結末だなんて!アーッハハハハハハハ!!!!」
334 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:48:52.51 ID:Hr5KE0bL0
奏「いいえ、最高のエンディングよ」
335 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:50:30.56 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「何.....?」

奏「これを見なさい」




私は自分のスマホを屋久井に投げ渡す

そこに映し出された、悪魔を穿つ最期の弾丸と共に




ヨーツーブLIVE

【Project,Queen 重大発表】



ちとせ『みんな、聞いてくれているかな?』


屋久井「黒埼.....?」


ちとせ『それじゃあ、話させてもらうわね.....891プロがこれまで行ってきた悪事、その真実を』






『!?』
336 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:51:13.40 ID:Hr5KE0bL0
千夜『891プロは今まで屋久井社長の先導の元、買収、枕、ステージの妨害.......この芸能界において悪とされることの全てを行っていました』

千夜『先日の覇王エンジェルズの事故も、891プロが仕込んだものです。これまでに悪事を裏付ける証拠も、既に811プロが握っています』

凪『ソースは私達。LiPPSが立ち向かってくれなければ、芸能界は吐き気を催す邪悪に堕ちていた。私達も何も知らぬまま、間違ったアイドルを続けていたでしょう』

颯『知らなかったとはいえ、私達のせいでひどい目に合った人達はたくさんいると思う......本当に、ごめんなさい!』






屋久井「なんだ、これは....一体どうなっている....クソッ!」


屋久井「くっ、クソっ!」ピポパポパ

屋久井「おい!あいつらの行動は監視しておけと言っただろう!?今すぐ放送を止めろ!」

スタッフ『む、無理です!止めようにも大量のファンたちの妨害を受けて、見動きが取れません!』
337 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:52:29.10 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「なんだと!?ええい!なら動画サイトの方に強制終了するよう要請を」

周子「無駄だよ、もう現場に駆け付けたファンの皆が拡散してる」

周子「『大事な話をしたいから、みんな私たちを守りに来て』.....たったそれだけのツイートで、今これが放送されている場所には何千、何万の人達が集まってる。流石トップアイドルだよ」

美嘉「これだけじゃないよ、あんたが利用してた元061プロのアイドル.....あたしの仲間達も今、あんたにやらされた枕営業の話を暴露してる」

美嘉「みんなもしもの時の為に、ちゃんと証拠を握っていたんだよ。でも、ずっとあんたからの報復が怖くて抱え込んでたんだ。それを、また自分たちが酷い目に合うかもしれないって覚悟の上で、みんなであんたを倒す為に公表してるんだ!」

奏「耳を傾けてみなさい、聞こえるでしょ?貴方への怒りの声が」

屋久井「何....?」







ファン1「出て来い屋久井!アイドルを食い物にしやがって!」

ファン2「よくも俺たちのアイドルに手を出してくれたな.....万死に値する!」

ファン3「絶対に放送を止めさせるな!LiPPSとProject,Queenの覚悟を無駄にするなァ!ファンなら推しを死んでも守れェ!!!!」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!
338 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:53:27.76 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「こんな、こんな事が.....!?」

美嘉「見たか!アイドルを舐めないでよね!」

周子「ちなみに〜、今志希ちゃんとフレちゃんも生配信してるとこだよ。今まであたしたちが集めた証拠を大公開中♪志希ちゃんの科学的な解説付きでね。ほら」




志希『とゆーわけで、状況証拠的にも科学的にも、最近の阿苦都苦出版は891プロとイリーガルな取引をしてたのは確実ってワケ』

フレデリカ『すごーい!フレちゃん難しい話全然分かんないけど!』

志希『だいじょーぶだいじょーぶ、分かる人にはちゃんとわかってもらえるから♪』




屋久井「き、貴様ら........」

周子「勿論止めようったって無駄だよ、あっちにもいっぱいファンが集まってるからね」
339 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:53:58.63 ID:Hr5KE0bL0
奏「警察でもマスコミでも、どうぞ自由に使ってちょうだい。そんなものを積み重ねたところで、私達が火をつけた心の束には勝てないわ」

奏「貴方は最後の最後で、自分が利用し続けてきた『アイドル』に敗れるのよ」
340 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:54:43.80 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「..........なら」




早苗「ッ!奏ちゃん危ない!」

奏「えっ?」

屋久井「貴様も道連れだ!!」チャキッ





拳銃!?もう一丁持っていたの!?

逃げなきゃいけない、なのに、突然眼前に突き付けられた死の恐怖に、足が固まってしまう






早苗(しまった、間に合わない.....!)
341 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:55:12.70 ID:Hr5KE0bL0
パァン!!
342 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:56:13.11 ID:Hr5KE0bL0
P「ッ......」ポタ......ポタ......

奏周美「「「プロデューサー(P)さん!!!」」」

早苗「ッ!そおりゃっ!」

屋久井「ぐはっ!」




早苗さんが銃を蹴り飛ばし、屋久井を抑える

でも、今はそんな事より!




奏「そんな、私をかばって!」

P「大丈夫、かすり傷だ.......」

美嘉「そんな訳ないじゃん!早く血を抑えて!」

P「大丈夫だって...それに、俺も終わらせないといけないから.....」

周子「終わらせるって、何を......」
343 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:56:59.45 ID:Hr5KE0bL0
プロデューサーさんが足元に転がった拳銃を拾い上げる

そして私達の顔を見つめて、可細い声で、だけど確かに意思のこもった声で囁いた



P「もう、大丈夫だ。だからどうか、見守っていてくれ......」

奏「プロデューサーさん........」



......そっか

今度は私達が、彼を信じる番なのね
344 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:59:14.83 ID:Hr5KE0bL0
奏「分かったわ。でも、必ず帰ってきてね」



彼は小さく頷き、柔らかく微笑む

そして屋久井にフラフラと近づき、その頭に銃口を突きつける



早苗「P君!?」

ベテトレ「P!止めるんだ!」

奏「待って二人とも!」

早苗「奏ちゃん!?でも!」

奏「お願い。彼を、信じて.........」
345 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:00:29.45 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「や、やめろ!撃つな!」

P「おっちゃん.........俺はあの日からずっと、あの子を貶めた犯人をどうやってぶっ殺すか考えてきた」

P「頭の中で何度も何度も、犯人を殺し続けた。そして今、その妄想が現実になろうとしている」

屋久井「ヒ、ヒィ......」


P「怖いのかおっちゃん?それとも、見下してた人間に陥れられたのが屈辱的か?」

P「でもな......あんたが食い物にしてきた人達が味わった恐怖も屈辱も、こんなもんじゃないだろう。あんたへの怨嗟は、あんたを殺したくらいじゃ収まることはないだろう.....!」


ギチリ、とプロデューサーさんが拳を握りしめる音が聞こえた

それと同時に、引き金にかけた指がピクリと震える















でも、プロデューサーさんは引き金を引くことなく、その手に握っていた殺意を投げ捨てた
346 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:01:31.46 ID:Hr5KE0bL0
P「だが、俺はもうLiPPSのプロデューサーなんだ。アイドルを泣かせるような真似は、もう出来ない」

P「だから...............!」バゴォン

屋久井「ぐごぉ!」



プロデューサーさんが屋久井の頭を蹴り飛ばす

サッカーボールのように蹴り飛ばされた顔から鼻血が噴き出たけど、意識までは飛ばなかったようで、プロデューサーさんもそれ以上追撃しない




屋久井「がっ、っはぁ.......はぁ......い、生きてる.....?」

P「俺は、これで勘弁してやる。だが後の分はしっかり法の裁きを受けて、一生かけて償え。あんたが潰してきた夢全部に、一つ一つ懺悔しながらな」









P「これで、俺の復讐は終わり、だ........」バタッ
347 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:02:27.88 ID:Hr5KE0bL0
奏「プロデューサーさん!」

周子「何が大丈夫だよ!やっぱり傷酷いじゃんか!」

P「大丈、夫....ちょっと貧血なだけだ......死には、しねぇよ......」

美嘉「そんな消えそうな声言われても説得力ないって!待ってて、今救急車呼ぶから!」

P「ああ、頼んだ.......それと.......」
348 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:02:54.59 ID:Hr5KE0bL0
P「俺を信じてくれて、ありがとう....」
349 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:03:53.60 ID:Hr5KE0bL0
奏「.....当然よ。だって私達は........」






あなたが信じてくれた、あなたが選んだアイドルだもの...........
350 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:05:31.94 ID:Hr5KE0bL0
その後、駆けつけた救急車がプロデューサーさんを病院まで運んで行った

一時はどうなることかと思ったけど、幸い撃たれた場所が良かったらしく、命にかかわるようなことにはならずにすぐ退院することができた

屋久井も無事逮捕され、同時に屋久井と繋がっていた人間たちも日が立つにつれ次々と検挙されていった

その中には警視総監を始めとした有力者もいて、一時期世間は大パニックになったけど.......多くの事務所のアイドル達が必死にみんなを勇気づけたおかげで、芸能界を中心に沢山の人が一丸となり、今回の事件の事後処理に励むことができた




そして、IGの決勝から2週間が経ち、世間がいつも通りの落ち着きを取り戻してきたころ.....
351 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:06:41.60 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜クルージング、パーティ会場〜〜〜



司会「それでは、IGの終了と激戦を繰り広げたアイドルの皆さん、そして見事Sランクアイドルのを手にしたLiPPSの皆さんに!」

『かんぱーい!!』







美嘉「Sランク授与式が船上パーティなんて、なんかテンション上がるね★」

周子「ほんとにねー♪料理も出演者もめっちゃ豪華やし♪」

美嘉「....って、あれっ?そういえば志希ちゃんとフレちゃんは?」

奏「二人ならさっき他の事務所の子達と遊んでくるって走ってたわよ?」

美嘉「.....なんか心配だし、あたし見てきたほうがいいかな?」

周子「まぁ大丈夫でしょ、それより......」
352 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:09:31.88 ID:Hr5KE0bL0
加蓮「やっほー♪」

奏「加蓮!それに凛と奈緒も!」

奈緒「おっす!優勝おめでとう!」

凛「ちゃんと約束、守ってくれたね。ありがとう」

周子「そっちもありがとね、あたし達がピンチの時にファンレター送ってくれたでしょ?」

加蓮「なんかじっとしていられなかったからね。ちょっとでもあんた達の力になりたくてさ」

奈緒「ウチのプロデューサーさんも結構頑張ってくれてたんだぞ?010や811プロになるべく被害が出ないように、色んなところを走り回ってさ」

美嘉「そうなの?それじゃあ後でお礼を言っとかないとね★」

奏「それで?貴方たちのプロデューサーさんは何処に行ったの?」

凛「船酔いでダウンしてるよ」

奏「えぇ......」

加蓮「プロデューサーったら船に乗るとアタシより病弱になるんだから、笑っちゃうよね♪」

奈緒「ってワケで、あたし達プロデューサーにご飯とか持っていってやんなきゃだから、また今度な!」

凛「私達もすぐに追いついて、今度こそ私達が勝つから、それまで待っててよね」

美嘉「もちろん!いつでも挑戦待ってるよ★」




手を振りながらトライアドプリムスの3人が去って行く

彼女たちを見送った後、次に現れたのは.....
353 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:10:31.14 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「ごきげんよう、みんな」

美嘉「ちとせちゃん!もう大丈夫なの?」

ちとせ「まだ車椅子が無いとだめだけどね。千夜ちゃんにはまた迷惑かけちゃうかな」

千夜「いいえお嬢様、こうしてともに居られることが、私の何よりの喜びですよ」

ちとせ「ありがとう。でも、段々良くなってきてるし、きっともう少しの辛抱だから」

ちとせ「その証拠に.....」スクッ

周子「おお!」

ちとせ「っとっと.....ほら、もうちゃんと自分の足で立てるよ」

千夜「ですが、まだ無理をしてはいけないと言われたでしょう。ほら、座ってください。ちゃんとどこまでも付き添いますから」

ちとせ「ふふっ、ありがとね千夜ちゃん♪」
354 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:11:38.11 ID:Hr5KE0bL0
美嘉「ところで、颯ちゃんと凪ちゃんは?」

ちとせ「二人なら、あっちの方で志希ちゃんとフレちゃんと一緒に遊んでるわよ。実はあの二人、前からレイジレイジ―のファンだったから、一緒にのステージに立って、もっと好きになっちゃったみたいね♪」

美嘉「そっか、あの二人が一緒なら志希ちゃんとフレちゃんも大丈夫かな★」

千夜(実はなにかとんでもない事を仕出かしそうな会話が聞こえていましたが.....まぁ大丈夫でしょう)


奏「そういえば貴方たち、これからの活動はどうするの?」

ちとせ「とりあえず、今まで通り891プロで続けていくことにしたわ。あんなことがあったけど、それでもずっと私達と一緒に頑張ってきたアイドルががいっぱいいるから、その子達の応援にも答えたくて、ね」

ちとせ「だから、私が療養してる間3人で活動を続けてもらおうと思ったんだけど.....」

千夜「お嬢様が復帰するまでは、私達も活動を休止することにしました」

ちとせ「もう!私の事なんて気にしなくていいのに」

千夜「お嬢様、私達は4人そろって『Project,Queen』ですよ。それに、新しいプロデューサーも付きましたし、きっとなんとかなりますよ」

周子「新しいプロデューサー?誰なん?」
355 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:12:43.58 ID:Hr5KE0bL0
ちひろ「私ですよ!」

周子「って、ちひろさん!?」

ちひろ「891プロの上層部が沢山捕まってしまって、その穴埋めのために私を含めていろんな人に声がかかったんですよ。だから私もこれを機に過去を振り切って、もう一度プロデューサーに戻ることにしたんです」

美嘉「ちひろさんって、プロデューサーのプロデューサーだったんだよね?じゃあ次に『Project,Queen』と会う時は、きっともっと凄いアイドルになってるね★」

ちひろ「勿論です!新しくなった『Project,Queen』の皆で、今度こそ貴方たちに勝ちますから、P君にも伝えといてくださいね!」

奏「ええ、必ずつt『ドカアアアアンン!!!!!』!?」







美嘉「.....何、今の音?なんか、すっごく嫌な予感がするんだけど.......」
356 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:13:28.11 ID:Hr5KE0bL0
志希「にゃははー♪シージャックごっこだー!」

颯「この船は、あたし達レイジーレイジーwithなーはーが頂いたよ!」

凪「手始めにフレちゃんさんが飲み過ぎてしまったので、お水持ってきてください」

フレデリカ「えへへー!海賊王に、俺はなる!!」





美嘉&ちひろ「」

千夜「ああ、やっぱりこうなりましたか」
357 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:14:38.81 ID:Hr5KE0bL0
美嘉「どうすんのツッコミ不在だよあの4人!」

ちひろ「と、とりあえず止めに行きましょう!なんでいきなり問題起こすんですかもー!!」

ちとせ「一応私達も止めなかった責任あるし、手助けしに行きましょうか♪」

千夜「かしこまりました、お嬢様」

周子「んじゃ、あたしも混ざってこようかな。奏ちゃんは?」

奏「私は、そうね....少し行きたいところがあるから遠慮しとくわ」

奏「ところで.....混ざるって、どっちに?」

周子「やだなー、そんなのもちろん決まってるやろ?んじゃ、行ってきまーす」





コラー!アンタタチナニヤッテンノー!

ヤバッ!ママニミツカッタ!

ママジャナイシ!

イケーシュウコチャン!

リョーカーイ♪

チョッ、シュウコチャンマデ!

ダマシテワルイガコレモシゴトナンデネ






奏「.........ふふっ!」
358 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:15:31.55 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜船、デッキ上〜〜〜




P「...............」

奏「プロデューサーさん、こんな所に一人でどうしたの?」

P「奏か、いやなに、月が綺麗だったからさ。なんかずっと眺めちまってたよ」

奏「......プロデューサーさん、夏目漱石って知ってる?」

P「?」

奏「.....いや、なんでもないわ」
359 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:16:13.50 ID:Hr5KE0bL0
P「というか奏こそどうしたんだ?他の皆は?」

奏「みんな思い思いパーティーを楽しんでるわよ。私は、そうね.........月が見たくなったの」

奏「ほら、だって今日はこんなにも、月が綺麗だもの」

P「ああ、ホントにな!」

奏「....................ばか」

P「えっ?」

奏「何でもないわよ」
360 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:17:03.41 ID:Hr5KE0bL0
P「それにしても、こうして海を一緒に眺めてると、最初にあった時の事を思い出すな」

奏「そうね。あの時海に映りこんでいたのは、月じゃなくて夕陽だったけど、確かにあの時と一緒ね.......」

P「あの時、奏をスカウトしたときさ、俺はあの子が自分の為に復讐を遂げてくれって、背中を押してくれたんだと思った」

奏「...............」


P「だけど、今なら分かる。あの子は復讐の為に俺とお前達を引き合わせたんじゃない。復讐なんて暗いもの、人に笑顔を届けるアイドルだったあの子は、初めから望んじゃいなかったんだ」

P「きっとあの子は、過去に縛られた俺の心を救うために、俺とお前たちを引き合わせてくれたんだ..........」

奏「.......ええ、きっと」


P「だからさ......みんな、俺と一緒にアイドルを続けてくれて、俺をプロデューサーにしてくれて........俺を救ってくれて、本当にありがとな」






P「ほんとうに......ありがとう.........」
361 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:17:35.38 ID:Hr5KE0bL0
奏「ねぇ、プロデューサーさん。顔を上げて」

P「奏...............ッ!?」










奏「ん............ぷはぁ」
362 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:18:12.05 ID:Hr5KE0bL0
P「ちょっ!おまっ、奏!?」

奏「ふふっ!ファーストよ、責任とってね♪」

P「ファーストって、マジで何やってんだ!こんなとこ誰かに見られたら..........」

奏「大丈夫よ、だって.......」








月しか、見ていないもの..........
363 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:20:32.12 ID:Hr5KE0bL0
EDテーマ 「if」(歌:速水奏)

https://youtu.be/IIrIA-nJTDM
364 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:21:04.35 ID:Hr5KE0bL0
周子「まっ、見てるんだけどね〜♪」

美嘉「は、はわわわ////////」

志希「やるねぇ〜奏ちゃん」

フレデリカ「ヒューヒュー♪」
365 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:21:37.73 ID:Hr5KE0bL0
エピローグ 「未来へキスを」
366 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:22:53.92 ID:Hr5KE0bL0
あれから、色んなことがあった

IGが終わった後、私達にはまた多くの仕事が舞い込んできた

IG優勝、Sランクアイドルという肩書の力は、それはそれは凄まじかったわ


私は女優としてのオファーが多く舞い込んできて、ほぼ毎日のように出演作が流れている

まだ新年度が始まったっばかりだけど、既に5つの作品で主演が決まった


周子は京都を代表するアイドルになり、地元の観光客が以前の3倍に増加

特に実家の和菓子屋は売れすぎて商品が完全になくなってしまい、嬉しい悲鳴を上げてるんだとか


美嘉はカリスマJK改めカリスマJDとして、これまで以上に世の中の女子の憧れとなっている

特にファッションの情報を扱うものは、テレビだろうと雑誌だろうと至る場所に美嘉がいた


フレデリカは念願だったパリでの仕事を手に入れた

亀裂が入っていた祖父母と母親の関係も、フレちゃんのパリでの活躍のおかげで見事修復されたらしい


志希はその歌の実力をメキメキと上達させ、日本が誇る歌姫の地位を欲しいままにしている

新曲が発売すると一時間もしないうちにCDショップからその姿が消えることから、巷ではCDにまで失踪癖が移っているのではと噂になっている


そんな風に、慌ただしくも充実した日々を送っていた811プロだったけど.............
367 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:24:25.56 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜811プロ、事務所〜〜〜



P「というわけで、今日は新しいアイドルが来ます!」

フレデリカ「ホント!?」

P「ああ!お前らにも遂に後輩ができたんだ、先輩として色々教えながら支えてやってくれよ!」

周子「じゃ最初に、アレだけは教えてあげなくちゃね♪」

奏「そうね、811プロ社訓、そしてアイドルをする上で最も重要なことだもの」





P「なんて事言ってたら来たみたいだぞ。よし、お前ら!今日も全力で楽しんで、楽しませるぞ!」







『ようこそ811プロへ!!』
368 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:26:29.25 ID:Hr5KE0bL0
頂上にはたどり着いたけど、道はまだまだ続いていく

私達が前を向いて歩き続ける限り、未来はずっと続いていく



アイドルの道に、終わりはない

人生を楽しむ心があれば、きっと、どこまでも.................
369 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:32:36.71 ID:Hr5KE0bL0
これにて完結です


いや〜ホント疲れました.....安易な気持ちで長編なんて書くもんじゃないですね......

予定してた891プロ絡みの枕営業シーンがほぼカットされたせいで、完全にR板で建てた意味が無くなってしまったのが本当に申し訳ないです

キャラのブレやシナリオの粗さなど、至らぬ点が多々あったとは思いますが、その上でここまで付き合って下さった皆様に、心からの感謝を申し上げます

渋の加筆修正版の方はこれからもちょくちょく更新していこうと思いますので、もしよければそちらもお楽しみいただけると幸いです


それではまた、いつの日か
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/05(日) 22:34:46.77 ID:P5/+DSvh0
感想おっつおっつだにぃ!
いいところで切るものだから続きが気になって仕方なかったぞ...
楽しませていただきました!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/05(日) 23:53:52.95 ID:Uc6gnWGDO


長いようで短い間だったけど、いままでありがとう



ではまた頑張ってねぇん!
247.35 KB Speed:0.2   VIP Service SS速報R 更新 専用ブラウザ 検索 全部 前100 次100 最新50 新着レスを表示
名前: E-mail(省略可)

256ビットSSL暗号化送信っぽいです 最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!(http://fsmから始まるひらめアップローダからの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)


スポンサードリンク


Check このエントリーをはてなブックマークに追加 Tweet

荒巻@中の人 ★ VIP(Powered By VIP Service) read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By http://www.toshinari.net/ @Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)