【モバマス】LiPPS「虹光の花束」 2スレ目

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322 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:37:01.85 ID:Hr5KE0bL0

Chapter Final「Under the Moon」
323 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:38:41.69 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「そっか。私達、負けちゃったか」

千夜「ッ.....申し訳ございません、お嬢様」

ちとせ「謝らないで千夜ちゃん。負けたのは千夜ちゃんのせいじゃないでしょ?」

ちとせ「私達は全員で力を合わせて、これ以上ないってくらい全力で挑んで、その上で負けた。だから、誰のせいとかじゃないわ。みんなで頑張って、みんなで負けたの。だから、反省するならみんなでね」

颯「そうだよ千夜ちゃん!みんなでこの悔しさを分け合って、いつかきっとリベンジしよう!はー達で力を合わせれば、きっと大丈夫だから!」

颯「だから........................う、うわああああああああああああああああん!!!!やっぱり悔しいよー!!!!!!」

凪「おや、はーちゃんがここまで泣くのは久しぶりですね。私がはーちゃんのプリンを間違って食べてしまった時以来でしょうか」

千夜「.......気づいていないようだが凪、お前も泣いているぞ」

凪「えっ.....?」

ちとせ「いいのよ二人とも、今日はみんなで泣いて、みんなで乗り越えましょう?」

颯「うぅぅ....ごめんねちとせちゃん.....!ちとせちゃん、ずっとはー達の為に頑張ってくれてたのに......!」

ちとせ「もう、はーちゃんも謝らないの。私はこの道を選んだこと、ちっとも後悔なんてしてないんだから」

ちとせ「だって、負けちゃったけど楽しかったもの。『黒埼ちとせ』の最後のステージを、こんなにも夢のある終わりにする事が出来たんだから」

ちとせ「本当に......よかっ、た.......」










ドサッ


『お嬢様((ちとせちゃん))!?』
324 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:39:31.36 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「あはは.....やっぱり、無理し過ぎちゃったかな。身体、動かないや」

千夜「お嬢様、しっかりしてください!」

ちとせ「ごめんね、みんな........私、これが本当に最期のステージになっちゃったみたい」

凪「最期.....?そんな、まるで死ぬ前みたいな.....」

ちとせ「すぐ死んじゃうわけじないと思う。でも、もうアイドルを続けるのは、無理かな.......」

颯「何言ってるのちとせちゃん!まだ、まだあと一年はあるんでしょ!?あたしたち、これからなんだよ!?今度こそ胸を張れるアイドルとして、みんなで頑張っていこうって言ったじゃん!」

ちとせ「実はね.....一年っていうのは、激しい運動をせず、安静に日々を過ごしていたらって話だったの。今までずっと誤魔化してきたけど、正直、このIGが私の最期になるってことは、なんとなく分かってた」

颯「そんな........」

ちとせ「でも、本当に後悔はないわ。最期まで貴方たちといられたから、だから、私は幸せなの」

ちとせ「最期にして最高の舞台で、私が生きた証を残せた.....本当にもう、十分よ........」
325 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:40:15.72 ID:Hr5KE0bL0
最期なんて言うには、まだ早いんじゃないかにゃー?
326 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:41:02.02 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「えっ....?」

千夜「お前たちは......」

ちとせ「ふふっ....LiPPSも、私を看取りに来てくれたの?」

奏「違うわ。貴方に伝えなきゃいけない事があるの」

ちとせ「伝えなきゃ、いけない事?」

志希「ちとせちゃん、これを見て」スマホ








[不治の奇病、MITの一ノ瀬教授がついに特効薬を完成]
327 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:41:37.65 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「えっ......」

千夜「この病は、お嬢様の.......」

奏「貴方の病気は今、"不治の病"から"治る病"に変わったの。だから、最期だなんて言わないで」

周子「しっかり病気を治してさ、また一緒にステージに立とうよ。リベンジ待ってるからさ」

颯「ほ、本当に....?本当にちとせちゃんは治るの?あたし達と一緒に、アイドル続けられるの......?」

志希「本当だよ。なんたって作ったのは、あたしのパパだからね!」

凪「そうなんですか......」

颯「よ、よ.......」







颯&凪「「よがっだアァァァァァ!!!!!!!!」」


『!?』
328 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:42:50.64 ID:Hr5KE0bL0
凪「よがっだでずねはーちゃん!本当に......本当に!」

颯「うん!うん!本当によかったよお"お"お"!!!!!!!!」

千夜「お前たち......普段の性格は違う癖に、泣く姿はそっくりだな......」


千夜「でも.....本当に、よかった........」

ちとせ「夢じゃ、ないの....?本当に私、まだ生きられるの.....?こんな奇跡、本当に起こっていいの....?」

美嘉「確かに奇跡だけど、偶然起きた奇跡じゃないよ。自分が誇れる生き方で必死に生きぬいてきたからこそ、自分の手で掴み取る事が出来た"報酬"だよ」

フレデリカ「きっとちとせちゃんが頑張ったから、神サマがご褒美をくれたんだよ!"もっとアイドルとして輝く姿を、わしに見せてくれー!"って♪」

フレデリカ「だから、治ったらまたみんなで一緒に遊ぼうね♪約束だよ」
329 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:44:43.91 ID:Hr5KE0bL0
千夜「それにしても、よくお嬢様の病の事を知っていましたね?」

志希「ママが、同じ病気だったんだ。だからちとせちゃんを見た時すぐ分かったよ」

志希「......今度こそ、助けられた」

千夜「そう、だったのですか......」

ちとせ「なら、"明日の為に"、私達も残ってる仕事を片付けなきゃね。みんな、一緒に来てくれる?」

千夜「もちろん。どこまでもお供しますよ、お嬢様」

凪「いつ出発する?私も同行する」

颯「4人全員そろっての『Project,Queen』だからね!」


奏「........貴方たち、まさか」

周子「大丈夫なん?きっと今後の活動に差し支えるよ?」

ちとせ「いいの、これは私達が新しい道を歩むために必要なことだから」

ちとせ「それより、貴方たちもまだやり残したことがあるんじゃない?」

奏「.....そうね、まだ最後の仕事が残ってる」

ちとせ「なら、この世界の頂点に立った貴方たちの手で、引導を渡してきて。アイドルの世界の"夜"を、終わらせて」










この世界の新しい夜明けを、迎え入れるために............
330 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:45:29.34 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「クソッ、どいつもこいつもしくじりおって!」

屋久井「......だが、まだ終わったわけじゃない。邪魔者を排除し、今度こそ私がこの世界の覇権を......」










???「いいや、これで終わりだ」
331 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:46:13.51 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「ッ貴様は!?」

P「おっちゃん、もうやめにしよう」

891P(縛られ状態)「くっ.....」

ベテトレ「891プロのプロデューサーは抑えた」

早苗「あんたが渡した拳銃もばっちり証拠として確保してある。もう逃げられないわよ」


屋久井「......なんの事かね?891P君の犯罪と私に、一体何の関係が?」

891P「なっ!?」

屋久井「彼は先程解雇したのだよ。その後に彼が何をしたところで、私とは無関係だ」

891P「そんな!?話が違います!?」

P「とぼけても無駄だぞ、あんたらの会話はばっちり録音してある。拳銃だって、詳しく調べれば入手ルートも指紋も出てくる。これだけ証拠があれば.....」

屋久井「フン、それがどうしたというんだね?」

P「なんだと......?」
332 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:47:01.04 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「忘れたのか?そこの婦警が謹慎を言い渡された理由を」

早苗「あんたが警察の上層部に圧力をかけたからでしょ?でも、いくらなんでもここまで証拠がそろえば......」

屋久井「甘いな、貴様らは本当に甘い!」

早苗「はぁ....?」

屋久井「私の警察組織の"顧客"が誰だと思う?『警視総監』だよ」

早苗「なんですって!?」

ベテトレ「警視総監?」

早苗「......警視庁のトップ、警察組織のナンバー1よ」

ベテトレ「なるほど、だがそれが一体どうした?この男と一緒に、その警視総監とやらも吊り上げられるだけだろう」

早苗「ッ.........」ギリッ

P「片桐さん....?」
333 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:48:12.42 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「どうやら気付いたようだな」

早苗「警察組織のトップが犯罪に加担していたとなれば、警察という組織そのものの信用は失墜する。そのような事態になるなら.....」

屋久井「そうだ、私が何もしなくとも警察は勝手に証拠隠滅を図るだろう。当然、その秘密を握る私を逮捕することなどできやしない!」


P「だがっ!俺たちがこの証拠をどこかにリークすれば......ッ!?」

屋久井「流石の君でも分かるか。それこそ無駄なことだよ、私に逆らえるマスコミなど存在しない。どんな情報を持って行ったところで握りつぶされるだけだ」

屋久井「むしろ、"我が社を陥れるために811プロが工作した"とでも書き替えられるんじゃないかね?」

P「くそっ.......」

屋久井「残念だねぇ、ここまで無駄な努力を重ねた結果が、こんなつまらない結末だなんて!アーッハハハハハハハ!!!!」
334 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:48:52.51 ID:Hr5KE0bL0
奏「いいえ、最高のエンディングよ」
335 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:50:30.56 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「何.....?」

奏「これを見なさい」




私は自分のスマホを屋久井に投げ渡す

そこに映し出された、悪魔を穿つ最期の弾丸と共に




ヨーツーブLIVE

【Project,Queen 重大発表】



ちとせ『みんな、聞いてくれているかな?』


屋久井「黒埼.....?」


ちとせ『それじゃあ、話させてもらうわね.....891プロがこれまで行ってきた悪事、その真実を』






『!?』
336 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:51:13.40 ID:Hr5KE0bL0
千夜『891プロは今まで屋久井社長の先導の元、買収、枕、ステージの妨害.......この芸能界において悪とされることの全てを行っていました』

千夜『先日の覇王エンジェルズの事故も、891プロが仕込んだものです。これまでに悪事を裏付ける証拠も、既に811プロが握っています』

凪『ソースは私達。LiPPSが立ち向かってくれなければ、芸能界は吐き気を催す邪悪に堕ちていた。私達も何も知らぬまま、間違ったアイドルを続けていたでしょう』

颯『知らなかったとはいえ、私達のせいでひどい目に合った人達はたくさんいると思う......本当に、ごめんなさい!』






屋久井「なんだ、これは....一体どうなっている....クソッ!」


屋久井「くっ、クソっ!」ピポパポパ

屋久井「おい!あいつらの行動は監視しておけと言っただろう!?今すぐ放送を止めろ!」

スタッフ『む、無理です!止めようにも大量のファンたちの妨害を受けて、見動きが取れません!』
337 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:52:29.10 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「なんだと!?ええい!なら動画サイトの方に強制終了するよう要請を」

周子「無駄だよ、もう現場に駆け付けたファンの皆が拡散してる」

周子「『大事な話をしたいから、みんな私たちを守りに来て』.....たったそれだけのツイートで、今これが放送されている場所には何千、何万の人達が集まってる。流石トップアイドルだよ」

美嘉「これだけじゃないよ、あんたが利用してた元061プロのアイドル.....あたしの仲間達も今、あんたにやらされた枕営業の話を暴露してる」

美嘉「みんなもしもの時の為に、ちゃんと証拠を握っていたんだよ。でも、ずっとあんたからの報復が怖くて抱え込んでたんだ。それを、また自分たちが酷い目に合うかもしれないって覚悟の上で、みんなであんたを倒す為に公表してるんだ!」

奏「耳を傾けてみなさい、聞こえるでしょ?貴方への怒りの声が」

屋久井「何....?」







ファン1「出て来い屋久井!アイドルを食い物にしやがって!」

ファン2「よくも俺たちのアイドルに手を出してくれたな.....万死に値する!」

ファン3「絶対に放送を止めさせるな!LiPPSとProject,Queenの覚悟を無駄にするなァ!ファンなら推しを死んでも守れェ!!!!」


ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!
338 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:53:27.76 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「こんな、こんな事が.....!?」

美嘉「見たか!アイドルを舐めないでよね!」

周子「ちなみに〜、今志希ちゃんとフレちゃんも生配信してるとこだよ。今まであたしたちが集めた証拠を大公開中♪志希ちゃんの科学的な解説付きでね。ほら」




志希『とゆーわけで、状況証拠的にも科学的にも、最近の阿苦都苦出版は891プロとイリーガルな取引をしてたのは確実ってワケ』

フレデリカ『すごーい!フレちゃん難しい話全然分かんないけど!』

志希『だいじょーぶだいじょーぶ、分かる人にはちゃんとわかってもらえるから♪』




屋久井「き、貴様ら........」

周子「勿論止めようったって無駄だよ、あっちにもいっぱいファンが集まってるからね」
339 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:53:58.63 ID:Hr5KE0bL0
奏「警察でもマスコミでも、どうぞ自由に使ってちょうだい。そんなものを積み重ねたところで、私達が火をつけた心の束には勝てないわ」

奏「貴方は最後の最後で、自分が利用し続けてきた『アイドル』に敗れるのよ」
340 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:54:43.80 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「..........なら」




早苗「ッ!奏ちゃん危ない!」

奏「えっ?」

屋久井「貴様も道連れだ!!」チャキッ





拳銃!?もう一丁持っていたの!?

逃げなきゃいけない、なのに、突然眼前に突き付けられた死の恐怖に、足が固まってしまう






早苗(しまった、間に合わない.....!)
341 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:55:12.70 ID:Hr5KE0bL0
パァン!!
342 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:56:13.11 ID:Hr5KE0bL0
P「ッ......」ポタ......ポタ......

奏周美「「「プロデューサー(P)さん!!!」」」

早苗「ッ!そおりゃっ!」

屋久井「ぐはっ!」




早苗さんが銃を蹴り飛ばし、屋久井を抑える

でも、今はそんな事より!




奏「そんな、私をかばって!」

P「大丈夫、かすり傷だ.......」

美嘉「そんな訳ないじゃん!早く血を抑えて!」

P「大丈夫だって...それに、俺も終わらせないといけないから.....」

周子「終わらせるって、何を......」
343 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:56:59.45 ID:Hr5KE0bL0
プロデューサーさんが足元に転がった拳銃を拾い上げる

そして私達の顔を見つめて、可細い声で、だけど確かに意思のこもった声で囁いた



P「もう、大丈夫だ。だからどうか、見守っていてくれ......」

奏「プロデューサーさん........」



......そっか

今度は私達が、彼を信じる番なのね
344 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 21:59:14.83 ID:Hr5KE0bL0
奏「分かったわ。でも、必ず帰ってきてね」



彼は小さく頷き、柔らかく微笑む

そして屋久井にフラフラと近づき、その頭に銃口を突きつける



早苗「P君!?」

ベテトレ「P!止めるんだ!」

奏「待って二人とも!」

早苗「奏ちゃん!?でも!」

奏「お願い。彼を、信じて.........」
345 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:00:29.45 ID:Hr5KE0bL0
屋久井「や、やめろ!撃つな!」

P「おっちゃん.........俺はあの日からずっと、あの子を貶めた犯人をどうやってぶっ殺すか考えてきた」

P「頭の中で何度も何度も、犯人を殺し続けた。そして今、その妄想が現実になろうとしている」

屋久井「ヒ、ヒィ......」


P「怖いのかおっちゃん?それとも、見下してた人間に陥れられたのが屈辱的か?」

P「でもな......あんたが食い物にしてきた人達が味わった恐怖も屈辱も、こんなもんじゃないだろう。あんたへの怨嗟は、あんたを殺したくらいじゃ収まることはないだろう.....!」


ギチリ、とプロデューサーさんが拳を握りしめる音が聞こえた

それと同時に、引き金にかけた指がピクリと震える















でも、プロデューサーさんは引き金を引くことなく、その手に握っていた殺意を投げ捨てた
346 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:01:31.46 ID:Hr5KE0bL0
P「だが、俺はもうLiPPSのプロデューサーなんだ。アイドルを泣かせるような真似は、もう出来ない」

P「だから...............!」バゴォン

屋久井「ぐごぉ!」



プロデューサーさんが屋久井の頭を蹴り飛ばす

サッカーボールのように蹴り飛ばされた顔から鼻血が噴き出たけど、意識までは飛ばなかったようで、プロデューサーさんもそれ以上追撃しない




屋久井「がっ、っはぁ.......はぁ......い、生きてる.....?」

P「俺は、これで勘弁してやる。だが後の分はしっかり法の裁きを受けて、一生かけて償え。あんたが潰してきた夢全部に、一つ一つ懺悔しながらな」









P「これで、俺の復讐は終わり、だ........」バタッ
347 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:02:27.88 ID:Hr5KE0bL0
奏「プロデューサーさん!」

周子「何が大丈夫だよ!やっぱり傷酷いじゃんか!」

P「大丈、夫....ちょっと貧血なだけだ......死には、しねぇよ......」

美嘉「そんな消えそうな声言われても説得力ないって!待ってて、今救急車呼ぶから!」

P「ああ、頼んだ.......それと.......」
348 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:02:54.59 ID:Hr5KE0bL0
P「俺を信じてくれて、ありがとう....」
349 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:03:53.60 ID:Hr5KE0bL0
奏「.....当然よ。だって私達は........」






あなたが信じてくれた、あなたが選んだアイドルだもの...........
350 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:05:31.94 ID:Hr5KE0bL0
その後、駆けつけた救急車がプロデューサーさんを病院まで運んで行った

一時はどうなることかと思ったけど、幸い撃たれた場所が良かったらしく、命にかかわるようなことにはならずにすぐ退院することができた

屋久井も無事逮捕され、同時に屋久井と繋がっていた人間たちも日が立つにつれ次々と検挙されていった

その中には警視総監を始めとした有力者もいて、一時期世間は大パニックになったけど.......多くの事務所のアイドル達が必死にみんなを勇気づけたおかげで、芸能界を中心に沢山の人が一丸となり、今回の事件の事後処理に励むことができた




そして、IGの決勝から2週間が経ち、世間がいつも通りの落ち着きを取り戻してきたころ.....
351 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:06:41.60 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜クルージング、パーティ会場〜〜〜



司会「それでは、IGの終了と激戦を繰り広げたアイドルの皆さん、そして見事Sランクアイドルのを手にしたLiPPSの皆さんに!」

『かんぱーい!!』







美嘉「Sランク授与式が船上パーティなんて、なんかテンション上がるね★」

周子「ほんとにねー♪料理も出演者もめっちゃ豪華やし♪」

美嘉「....って、あれっ?そういえば志希ちゃんとフレちゃんは?」

奏「二人ならさっき他の事務所の子達と遊んでくるって走ってたわよ?」

美嘉「.....なんか心配だし、あたし見てきたほうがいいかな?」

周子「まぁ大丈夫でしょ、それより......」
352 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:09:31.88 ID:Hr5KE0bL0
加蓮「やっほー♪」

奏「加蓮!それに凛と奈緒も!」

奈緒「おっす!優勝おめでとう!」

凛「ちゃんと約束、守ってくれたね。ありがとう」

周子「そっちもありがとね、あたし達がピンチの時にファンレター送ってくれたでしょ?」

加蓮「なんかじっとしていられなかったからね。ちょっとでもあんた達の力になりたくてさ」

奈緒「ウチのプロデューサーさんも結構頑張ってくれてたんだぞ?010や811プロになるべく被害が出ないように、色んなところを走り回ってさ」

美嘉「そうなの?それじゃあ後でお礼を言っとかないとね★」

奏「それで?貴方たちのプロデューサーさんは何処に行ったの?」

凛「船酔いでダウンしてるよ」

奏「えぇ......」

加蓮「プロデューサーったら船に乗るとアタシより病弱になるんだから、笑っちゃうよね♪」

奈緒「ってワケで、あたし達プロデューサーにご飯とか持っていってやんなきゃだから、また今度な!」

凛「私達もすぐに追いついて、今度こそ私達が勝つから、それまで待っててよね」

美嘉「もちろん!いつでも挑戦待ってるよ★」




手を振りながらトライアドプリムスの3人が去って行く

彼女たちを見送った後、次に現れたのは.....
353 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:10:31.14 ID:Hr5KE0bL0
ちとせ「ごきげんよう、みんな」

美嘉「ちとせちゃん!もう大丈夫なの?」

ちとせ「まだ車椅子が無いとだめだけどね。千夜ちゃんにはまた迷惑かけちゃうかな」

千夜「いいえお嬢様、こうしてともに居られることが、私の何よりの喜びですよ」

ちとせ「ありがとう。でも、段々良くなってきてるし、きっともう少しの辛抱だから」

ちとせ「その証拠に.....」スクッ

周子「おお!」

ちとせ「っとっと.....ほら、もうちゃんと自分の足で立てるよ」

千夜「ですが、まだ無理をしてはいけないと言われたでしょう。ほら、座ってください。ちゃんとどこまでも付き添いますから」

ちとせ「ふふっ、ありがとね千夜ちゃん♪」
354 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:11:38.11 ID:Hr5KE0bL0
美嘉「ところで、颯ちゃんと凪ちゃんは?」

ちとせ「二人なら、あっちの方で志希ちゃんとフレちゃんと一緒に遊んでるわよ。実はあの二人、前からレイジレイジ―のファンだったから、一緒にのステージに立って、もっと好きになっちゃったみたいね♪」

美嘉「そっか、あの二人が一緒なら志希ちゃんとフレちゃんも大丈夫かな★」

千夜(実はなにかとんでもない事を仕出かしそうな会話が聞こえていましたが.....まぁ大丈夫でしょう)


奏「そういえば貴方たち、これからの活動はどうするの?」

ちとせ「とりあえず、今まで通り891プロで続けていくことにしたわ。あんなことがあったけど、それでもずっと私達と一緒に頑張ってきたアイドルががいっぱいいるから、その子達の応援にも答えたくて、ね」

ちとせ「だから、私が療養してる間3人で活動を続けてもらおうと思ったんだけど.....」

千夜「お嬢様が復帰するまでは、私達も活動を休止することにしました」

ちとせ「もう!私の事なんて気にしなくていいのに」

千夜「お嬢様、私達は4人そろって『Project,Queen』ですよ。それに、新しいプロデューサーも付きましたし、きっとなんとかなりますよ」

周子「新しいプロデューサー?誰なん?」
355 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:12:43.58 ID:Hr5KE0bL0
ちひろ「私ですよ!」

周子「って、ちひろさん!?」

ちひろ「891プロの上層部が沢山捕まってしまって、その穴埋めのために私を含めていろんな人に声がかかったんですよ。だから私もこれを機に過去を振り切って、もう一度プロデューサーに戻ることにしたんです」

美嘉「ちひろさんって、プロデューサーのプロデューサーだったんだよね?じゃあ次に『Project,Queen』と会う時は、きっともっと凄いアイドルになってるね★」

ちひろ「勿論です!新しくなった『Project,Queen』の皆で、今度こそ貴方たちに勝ちますから、P君にも伝えといてくださいね!」

奏「ええ、必ずつt『ドカアアアアンン!!!!!』!?」







美嘉「.....何、今の音?なんか、すっごく嫌な予感がするんだけど.......」
356 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:13:28.11 ID:Hr5KE0bL0
志希「にゃははー♪シージャックごっこだー!」

颯「この船は、あたし達レイジーレイジーwithなーはーが頂いたよ!」

凪「手始めにフレちゃんさんが飲み過ぎてしまったので、お水持ってきてください」

フレデリカ「えへへー!海賊王に、俺はなる!!」





美嘉&ちひろ「」

千夜「ああ、やっぱりこうなりましたか」
357 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:14:38.81 ID:Hr5KE0bL0
美嘉「どうすんのツッコミ不在だよあの4人!」

ちひろ「と、とりあえず止めに行きましょう!なんでいきなり問題起こすんですかもー!!」

ちとせ「一応私達も止めなかった責任あるし、手助けしに行きましょうか♪」

千夜「かしこまりました、お嬢様」

周子「んじゃ、あたしも混ざってこようかな。奏ちゃんは?」

奏「私は、そうね....少し行きたいところがあるから遠慮しとくわ」

奏「ところで.....混ざるって、どっちに?」

周子「やだなー、そんなのもちろん決まってるやろ?んじゃ、行ってきまーす」





コラー!アンタタチナニヤッテンノー!

ヤバッ!ママニミツカッタ!

ママジャナイシ!

イケーシュウコチャン!

リョーカーイ♪

チョッ、シュウコチャンマデ!

ダマシテワルイガコレモシゴトナンデネ






奏「.........ふふっ!」
358 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:15:31.55 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜船、デッキ上〜〜〜




P「...............」

奏「プロデューサーさん、こんな所に一人でどうしたの?」

P「奏か、いやなに、月が綺麗だったからさ。なんかずっと眺めちまってたよ」

奏「......プロデューサーさん、夏目漱石って知ってる?」

P「?」

奏「.....いや、なんでもないわ」
359 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:16:13.50 ID:Hr5KE0bL0
P「というか奏こそどうしたんだ?他の皆は?」

奏「みんな思い思いパーティーを楽しんでるわよ。私は、そうね.........月が見たくなったの」

奏「ほら、だって今日はこんなにも、月が綺麗だもの」

P「ああ、ホントにな!」

奏「....................ばか」

P「えっ?」

奏「何でもないわよ」
360 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:17:03.41 ID:Hr5KE0bL0
P「それにしても、こうして海を一緒に眺めてると、最初にあった時の事を思い出すな」

奏「そうね。あの時海に映りこんでいたのは、月じゃなくて夕陽だったけど、確かにあの時と一緒ね.......」

P「あの時、奏をスカウトしたときさ、俺はあの子が自分の為に復讐を遂げてくれって、背中を押してくれたんだと思った」

奏「...............」


P「だけど、今なら分かる。あの子は復讐の為に俺とお前達を引き合わせたんじゃない。復讐なんて暗いもの、人に笑顔を届けるアイドルだったあの子は、初めから望んじゃいなかったんだ」

P「きっとあの子は、過去に縛られた俺の心を救うために、俺とお前たちを引き合わせてくれたんだ..........」

奏「.......ええ、きっと」


P「だからさ......みんな、俺と一緒にアイドルを続けてくれて、俺をプロデューサーにしてくれて........俺を救ってくれて、本当にありがとな」






P「ほんとうに......ありがとう.........」
361 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:17:35.38 ID:Hr5KE0bL0
奏「ねぇ、プロデューサーさん。顔を上げて」

P「奏...............ッ!?」










奏「ん............ぷはぁ」
362 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:18:12.05 ID:Hr5KE0bL0
P「ちょっ!おまっ、奏!?」

奏「ふふっ!ファーストよ、責任とってね♪」

P「ファーストって、マジで何やってんだ!こんなとこ誰かに見られたら..........」

奏「大丈夫よ、だって.......」








月しか、見ていないもの..........
363 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:20:32.12 ID:Hr5KE0bL0
EDテーマ 「if」(歌:速水奏)

https://youtu.be/IIrIA-nJTDM
364 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:21:04.35 ID:Hr5KE0bL0
周子「まっ、見てるんだけどね〜♪」

美嘉「は、はわわわ////////」

志希「やるねぇ〜奏ちゃん」

フレデリカ「ヒューヒュー♪」
365 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:21:37.73 ID:Hr5KE0bL0
エピローグ 「未来へキスを」
366 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:22:53.92 ID:Hr5KE0bL0
あれから、色んなことがあった

IGが終わった後、私達にはまた多くの仕事が舞い込んできた

IG優勝、Sランクアイドルという肩書の力は、それはそれは凄まじかったわ


私は女優としてのオファーが多く舞い込んできて、ほぼ毎日のように出演作が流れている

まだ新年度が始まったっばかりだけど、既に5つの作品で主演が決まった


周子は京都を代表するアイドルになり、地元の観光客が以前の3倍に増加

特に実家の和菓子屋は売れすぎて商品が完全になくなってしまい、嬉しい悲鳴を上げてるんだとか


美嘉はカリスマJK改めカリスマJDとして、これまで以上に世の中の女子の憧れとなっている

特にファッションの情報を扱うものは、テレビだろうと雑誌だろうと至る場所に美嘉がいた


フレデリカは念願だったパリでの仕事を手に入れた

亀裂が入っていた祖父母と母親の関係も、フレちゃんのパリでの活躍のおかげで見事修復されたらしい


志希はその歌の実力をメキメキと上達させ、日本が誇る歌姫の地位を欲しいままにしている

新曲が発売すると一時間もしないうちにCDショップからその姿が消えることから、巷ではCDにまで失踪癖が移っているのではと噂になっている


そんな風に、慌ただしくも充実した日々を送っていた811プロだったけど.............
367 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:24:25.56 ID:Hr5KE0bL0
〜〜〜811プロ、事務所〜〜〜



P「というわけで、今日は新しいアイドルが来ます!」

フレデリカ「ホント!?」

P「ああ!お前らにも遂に後輩ができたんだ、先輩として色々教えながら支えてやってくれよ!」

周子「じゃ最初に、アレだけは教えてあげなくちゃね♪」

奏「そうね、811プロ社訓、そしてアイドルをする上で最も重要なことだもの」





P「なんて事言ってたら来たみたいだぞ。よし、お前ら!今日も全力で楽しんで、楽しませるぞ!」







『ようこそ811プロへ!!』
368 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:26:29.25 ID:Hr5KE0bL0
頂上にはたどり着いたけど、道はまだまだ続いていく

私達が前を向いて歩き続ける限り、未来はずっと続いていく



アイドルの道に、終わりはない

人生を楽しむ心があれば、きっと、どこまでも.................
369 : ◆FuHrdA/9sY [saga]:2019/05/05(日) 22:32:36.71 ID:Hr5KE0bL0
これにて完結です


いや〜ホント疲れました.....安易な気持ちで長編なんて書くもんじゃないですね......

予定してた891プロ絡みの枕営業シーンがほぼカットされたせいで、完全にR板で建てた意味が無くなってしまったのが本当に申し訳ないです

キャラのブレやシナリオの粗さなど、至らぬ点が多々あったとは思いますが、その上でここまで付き合って下さった皆様に、心からの感謝を申し上げます

渋の加筆修正版の方はこれからもちょくちょく更新していこうと思いますので、もしよければそちらもお楽しみいただけると幸いです


それではまた、いつの日か
370 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/05(日) 22:34:46.77 ID:P5/+DSvh0
感想おっつおっつだにぃ!
いいところで切るものだから続きが気になって仕方なかったぞ...
楽しませていただきました!
371 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/05/05(日) 23:53:52.95 ID:Uc6gnWGDO


長いようで短い間だったけど、いままでありがとう



ではまた頑張ってねぇん!
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