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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
- 2 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/06/16(日) 16:06:59.81 ID:8lYPOtYoo
- √ 2月6日目 昼 (病院) ※火曜日
天乃「っふ……げほっ……けほっ」
咳に引き摺り出されたように戻ってきた意識
身体の奥底の痛みと、息苦しさ
味覚に染みる血の味を感じて、天乃は顔をしかめる
意識を失ったのだ
それも、園子の時とは比べものにならない、負担によって
天乃「風、東郷……」
園子を除けば、友奈と風と東郷の3人
それで、園子以上の負荷がかかった
あと1人
そんな我儘は許されるだろうかと、握り拳を作るだけで震える手を見つめる
天乃「ぅ……」
ベッドに手をつき、何とか状態だけでも起こそうと、試みる
キシキシと軋むベッド、ビキビキと痛む腕
自分を支える力すら、今は奪われているのだと
天乃は起きるのを諦めて、目を瞑る
その瞬間、額に冷たい何かが触れた
- 3 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 16:16:53.17 ID:Es+h+y4aO
- 立て乙
- 4 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 16:19:54.73 ID:8lYPOtYoo
-
千景「無理して起きるのは良くないわ」
天乃「千景……」
若葉「私もいるぞ」
天乃「わか……げほっ……かふっ……ふーっ」
若葉「無理して話さないでくれ」
声をかけてすまない。と、
若葉は申し訳なさそうに言って、天乃の口元を拭う
瞬く間に赤く染まっていくタオルを折って、拭って、また折る
喉の奥を切ってしまったのだろう
呼吸だけでも痛みに顔をしかめる天乃を、千景は優しくなでて汗を拭う
千景「目を覚ますのは早くてよかったわ」
天乃「………」
千景「まだ、お昼よ」
気を失った時間から考えれば、
数時間経過してはいるものの
半日や、一日
長く昏睡状態には陥っていない
ただ、吐血したりしたこともあって、油断は出来ない
- 5 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 16:43:15.86 ID:8lYPOtYoo
-
若葉「明日は、休んだ方がいいと思うぞ」
少なくとも、今日このあともう一人。なんていうことは絶対にない
それに加えて、明日も力を渡す行為はしないべきだと、若葉は言う
どうして力を渡す必要があるのかは重々承知しているつもりだし、
天乃の多少に無茶にも目を瞑るつもりではあった
しかし、血を吐くような状態になってなおの無茶は、させられない
その分、勇者部の誰かが無理をすることになってしまう
それは分かっている
天乃「ぅ」
若葉「そう、不満そうな顔をしないでくれ」
天乃「ゎか……」
千景「無理をしないで」
だが、
守ることが出来るかもしれない勇者部の無理と、
守ることなどできない天乃の無理
どちらを止めるべきかは迷わない
- 6 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 17:22:18.51 ID:8lYPOtYoo
-
千景「久遠さんが言いたいことは、良く分かっているつもりよ」
その思いを、その願いを
挫きたいわけじゃない
けれど、止めなければならない
これ以上の無理は、天乃を殺すことになる
守るのが精霊の役目であり、みんなの願いだ
千景「分かっていたはずよ。無茶を重ねればこうなるって」
若葉「千景、それでもやらなければならなかったことだ」
千景「ええ、そう。だから、分かっていたはずなのよ」
天乃「ぇぇ……そうね」
分かっていた
無茶をすれば、体を壊す
身体を壊してなお無理をすれば、命を落とす
だが、このままでは夏凜と樹が非常に辛くなる
1、あと一度だけ、見逃して
2、あと、二人なの……二人だけ頑張れば、終わるのよ
3、今ここで頑張らないで、いつ頑張るのよ
↓2
- 7 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 17:29:06.39 ID:+eG3HsmmO
- 1
- 8 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 17:30:20.53 ID:QcPM7YKj0
- 3
- 9 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 17:42:55.40 ID:8lYPOtYoo
-
天乃「今ここで頑張らないで、いつ頑張るのよ」
千景「十分頑張ったはずよ」
天乃「過去じゃなくて、これからの話」
今まで頑張ったから、もう頑張らなくていい
そんなわけがない
大事なのは、今だ
千景「いいえ、今までも含めた話よ」
天乃「………」
千景「そんなに見ても、変えないわ」
頑張ったから、頑張ってきたから
だから、これからの無茶を許すわけにはいかない
千景「頑張りすぎて、死んで。それで何が残るの?」
天乃「死なないわ」
千景「その可能性がある」
天乃「可能性に……っ……くっ」
千景「……可能性にしか過ぎない? わけがない」
血を吐きそうな天乃を一瞥して、言う
- 10 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 18:41:24.35 ID:8lYPOtYoo
-
千景「自分の痛みにも気づけないような、鈍感なの?」
若葉「それは分かっていることだろう。だが、そうしなければならない理由があるんだ」
千景「……乃木さんなら、そう言うと思ったわ」
かつて裏切り、刃を向けた愚か者
そんな人間を守り、傷つくことを選んだ乃木若葉
彼女であれば、すべき無茶であると判断すると
千景「でも、それで死んだら無意味よ」
若葉「分かっている。だが……それで守るべき者を失ったら、生きている意味がない」
千景「それで死なれたら……いえ、それはないわね」
それで死なれたら生きている意味がない
そう言いかけた口を閉じて、首を振る
生きている意味はある
それの良し悪しは別だが。
千景「乃木さん、貴女は久遠さんを死なせる可能性を選ぶのね」
若葉「妥協案だ」
千景「妥協案?」
若葉「ああ……あと一人、あと一回。その無茶だけは許してやろう」
- 11 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 18:53:59.30 ID:8lYPOtYoo
-
若葉「二人は無理だが、日数的に考えればあと一人くらいは出来るかもしれない」
千景「確かに、明日休むのは当然として明後日休んでもあと一人くらいの時間はある」
二日間の猶予と言うものを考えなくていいのならば
もう少し休む時間を用意できる
そうすれば、より万全にあと一人を救うことは出来る
一人を救うのを諦めるからこそ、より確実に救える
嫌な話だ、皮肉な話だ
だが、それが今だ
若葉「天乃、一人だけ。と言うのならば、私は味方になる」
天乃「…………」
若葉「二人を求めるのなら、千景と同じ答えだ」
申し訳ないが。
そう続けた若葉は天乃を見る
優しく、申し訳なく
若葉「少なくとも今日は休むだろう? 良く考えてくれ」
若葉はそういった
- 12 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 19:03:13.80 ID:8lYPOtYoo
-
√ 2月6日目 夕 (病院) ※火曜日
01〜10
11〜20 園子
21〜30
31〜40
41〜50 夏凜
51〜60
61〜70
71〜80 樹
81〜90
91〜00 東郷
↓1のコンマ
- 13 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/06/16(日) 19:06:03.75 ID:caBHvEkC0
- はい
- 14 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 19:50:08.79 ID:8lYPOtYoo
-
√ 2月6日目 夕 (病院) ※火曜日
樹「久遠先輩、お体の方はどうですか?」
天乃「樹……」
ゆっくりと横を向く
うすぼんやりとした視界に映る樹は、
天乃の小さな声に耳を傾け、微笑む
まだ弱弱しい
だけれど、ちゃんと生きている
だから、笑みを見せた
樹「しばらく休めば、問題なさそうですね」
天乃「ううん、少しで大丈夫よ」
樹「また、そういうこと言うんですから」
少しで大丈夫なわけがない
それでも気丈に……無理をする
そんな天乃を困ったように見つめて、
樹は「ダメですよ」と、言い放つ
- 15 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 20:07:13.32 ID:8lYPOtYoo
-
樹「久遠先輩、もう無理です」
天乃「無理じゃないわ」
樹「無理ですよ。もう」
天乃の頬に、触れる
本人は気付いていないのかもしれないが、
平均的な体温よりもずっと熱い
穢れの力が不足して、補給され、
その間の力の乱れが体を蝕んで、補われている分の熱量が体を焼き尽くそうとしている
今回は、大丈夫
しばらく休めば落ち着いて、治る
だが、次は? その次は?
きっと、無事では済まないだろう
樹「私と夏凜さんの二人に力を渡すのは無理ですよ。久遠先輩」
天乃「どうして、そんなことを言うの?」
樹「私達が断らないと、久遠先輩は聞いてくれないと思ったからです」
- 16 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 20:28:24.69 ID:8lYPOtYoo
-
他の誰がなんて言おうと、
天乃は二人を救うために頑張ろうとする
だから、夏凜や樹が断る必要がある
当人から拒絶されれば、
流石に、強行はしなくなってくれる……はずだ
樹「久遠先輩、死んだら駄目なんです」
天乃「その可能性があるのは、二人なのよ?」
樹「私達は、まだ、皆さんがいてくれます」
樹たちが行う戦いは、
勇者部や、若葉達精霊の努力次第で何とかなる
しかし、天乃の戦いはそうではない
努力をしても無意味
それでどうにかなるようなものではない
若葉と似たようなことを言う樹を、
天乃はじっと見つめて……枕に顔を埋める
天乃「みんながいても、どうにもならないことはならないわ」
- 17 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 20:50:24.79 ID:8lYPOtYoo
-
樹「……久遠先輩の体よりは、どうにかなります」
天乃「だからって、無茶をするの?」
樹「だからって、無理をするんですか?」
天乃「………」
樹「どちらかしか、ないんです」
天乃が無理をするか、夏凜達が無理をするのか
夏凜か、樹
そのどちらが無理をするのか
樹「ここに来たのは、お願いのためです。久遠先輩」
天乃の体を押して、自分に目を向けさせて
樹はずきりと痛む胸に手を宛がって、笑みを浮かべる
ここで痛みを見せたら
苦しみを感じさせたら、
天乃が選べるのは一つだけになる
樹「久遠先輩、私のことを……諦めてください」
だから、言う
苦しさと痛みをかみ砕いて、願う
樹「それが、みんなが生き残る最善策です」
- 18 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 21:18:51.18 ID:8lYPOtYoo
-
天乃「ふざっ……げっけっ……っ」
血が溢れ出る
怒鳴ろうと無理をした喉は
閉じかけた傷口を開いてしまったのだ
天乃「けぁ……ぇ……」
涎と交わって薄まった赤色が枕を濡らす
飲み込もうとしても、痛みがそれを許さない
樹「久遠先輩っ」
天乃「ぅ」
心配する樹に手を向けて制し、
垂れるだけだった唾液を何とか飲み込む
天乃「……それは、みんなの?」
樹「みんなの考えです」
傷を心配しながら答える樹を横目に、
口元を拭って、恐る恐る息を吐く
1、二人を、助けたい
2、……樹は、それで平気なの?
3、夏凜は何も言わなかったの?
4、分かった。でも、貴女を諦めるつもりはないわ
↓2
- 19 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 21:21:07.32 ID:FtPuNuKlO
- 1
- 20 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 21:22:54.42 ID:qs0LxU0n0
- 1
- 21 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 21:28:51.28 ID:aGtIeMG7O
- そりゃ認めたくないだろうな…でも…
- 22 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/16(日) 21:36:49.82 ID:8lYPOtYoo
-
では、少し早いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
若葉「一人だけなら」
樹「一人だけなら」
風「一人だけなら」
夏凜「一人だけなら」
天乃「……二人を、助けたい」
沙織「死ぬよ。久遠さん」
天乃「それでも、助けたいの」
- 23 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 21:44:42.04 ID:aGtIeMG7O
- 乙
元々の優しさとアクシデントで冷静さを失って二人を助けることに頭がいっぱいになってるな…
樹ちゃんがどこまで粘って説得できるかにかかってそう
- 24 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/16(日) 23:40:58.44 ID:VrtNzP0OO
- 乙
樹の活躍に期待
- 25 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 20:38:59.83 ID:hVyj7C0Co
-
では少しだけ
- 26 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/17(月) 20:43:01.69 ID:7ybkHUpaO
- おk
- 27 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 20:53:19.55 ID:hVyj7C0Co
-
天乃「私は――」
樹「駄目です」
天乃「っ……」
聞くまでもなく分かるのだろう
樹は、申し訳なさそうな顔はせずにはっきりと言う
ここは退けない
退くわけにはいかない
その力強い意志を感じる瞳を、天乃はぼやけた瞳で見返す
天乃「二人を、助けたい」
樹「駄目です、久遠先輩」
天乃「樹っ」
樹「久遠先輩……駄目なものは、駄目なんです」
天乃に負荷がかかる
それはみんな分かっていたことだ
それを承知の上で、力を分け与えることを承諾した
けれど、やっていいのはあくまで無茶だけだ
無理までさせるわけにはいかない
- 28 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 21:22:33.16 ID:hVyj7C0Co
-
樹「私か夏凜さんのどっちかだけなら、時間もあるので大丈夫だと思います」
でも、二人はダメだと樹は思う
力を与える時間はあっても、与えた力を回復する時間がない
それでは、神婚に差し支えるし
それよりも前に命を落としてしまう危険だってある
天乃が戦いに行く樹たちの負担を少しでも減らしたい
みんなが生きて帰れるように万全にしたい
そう思っていることは分かっているし、気持ちは痛いほど理解できているつもりだ
だが、それでも
樹「私たち二人にどうしても力を返したいって言うなら、病院から出ていきます」
天乃「それはダメ……」
樹「駄目と言われても、出ていきます」
天乃「やめてっ」
樹「止めません。荷物はもう、まとめてあります」
天乃「樹っ――っくふぇっ……ぁっあっ……かっ」
強く言おうとして、血を吐く
喉の痛み、舌の熱
こみあげてくる吐き気と不快感
天乃「けほっげほっ……っふ……ふーっ……はっはぁっ……ごぷっ」
強く咳き込めば、悪化して
顎を伝って首回りが赤く染まり、シーツに滴って滲んでいく
- 29 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 21:34:32.00 ID:hVyj7C0Co
-
樹「……それでも」
天乃に聞こえるか聞こえないか
そのくらいの小さな声で呟いた樹は、
苦しさからうつむき気味の天乃をまっすぐ見る
口元のガリッっという音
じわじわと広がる熱と痛み
耐え忍ぶように拳を握って、握って、爪を立てる
病院を出ていく。
それを言えば天乃がどう思うのか、どれだけ必死になるのか
今のボロボロの体にだって鞭を打つことになるだろう
だが、それも覚悟のうえでだ
樹「譲歩は、しません……どれだけ苦しんでいても、私を見捨ててくれないのなら、出ていきます」
天乃「っ!」
樹「泣いても駄目です。嫌がってもダメです……」
首を振る天乃に触れようとした手を、引っ込める
ここで触れたら抱きしめてしまう
自分の包み込んだ心をさらしてしまう
駄目なのだ
二人を救うには、あまりにも時間がなさすぎる
何を代価に求められたとしても、その願いを叶えるわけには行かない
それは、たとえ嫌われることになってもだ
樹「あれだけ我儘になってくださいって言ったのに最低ですよね……? 嫌いに、なりませんか?」
- 30 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 21:42:13.09 ID:hVyj7C0Co
-
笑う、嘲笑する
天乃が少しでも憤りを覚えてくれるように
勝手にして。と、吐き捨てられるように
知らない。と、無関心になってくれるように
大嫌いだと、救う理由を失ってくれるように
樹「っ」
目を瞑る。
息を飲む。
飛び出しそうな感情を、ねじ伏せる
樹「明日の夜までに決めてください」
天乃「ぅ……」
樹「見捨てるか、失うか」
天乃「いっ」
離れていく手に手を伸ばしても、届かない
空を切った手の落ちたベッドの音に、一瞬立ち止まりかけけれど
樹はそのまま振り返らずに、歩く
呻く声が聞こえても、まるで聞こえなかったかのように、出ていく
- 31 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 21:51:34.69 ID:hVyj7C0Co
-
天乃「なんぇ……なんで」
上手くろれつの回らないままに、喘ぐ
握り新た赤いシーツは不快な生温さで
下手に薄められた鉄臭さが鼻を衝く
天乃「なんで……止ぇないのッ!」
そこにいるのは分かる
若葉も、千景も、球子も、九尾も、歌野も、水都も
なのに、誰も出てこなかった
天乃「げほっかふっ……ぅ……ごほっ」
耐え切れなくて、唾を吐くように血を吐き出す
消耗して、憔悴して
起こしていられなくなった頭が枕に落ちて、
意識は勝手に離れていく
ナースコールを押さないといけないのに
それさえも出来そうもないほど朦朧とした中、
ふと現れた黒い影が、ベッドのわきに置かれたナースコールを押す
天乃「いぁ……なの……」
気を失う直前、
助けを求めて伸ばした手を、その影は掴まなかった
- 32 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 21:52:39.61 ID:hVyj7C0Co
-
√ 2月6日目 夜 (病院) ※火曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40
41〜50 東郷
51〜60 九尾
61〜70
71〜80 沙織
81〜90
91〜00 歌野
↓1のコンマ
- 33 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/17(月) 21:53:28.83 ID:VUFRXjPbO
- どうだ
- 34 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/17(月) 21:53:45.24 ID:7ybkHUpaO
- あ
- 35 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/17(月) 22:06:26.49 ID:hVyj7C0Co
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
樹「……ごめんなさい」
千景「喉に負担がかかっただけよ。心配はいらないわ」
樹「でも、千景さん……私っ久遠先輩にっ」
千景「酷いことをしてしまったと思うのなら、成し遂げなさい」ギュッ
千景「生きていれば何度だって、謝ることは出来るのだから」
- 36 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/17(月) 22:11:46.07 ID:7ybkHUpaO
- 乙
なんてお互いに辛い展開なんだ…
それでも樹ちゃん本当に強くなったなぁ…流されずによく頑張ったよ
- 37 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 01:01:05.51 ID:L8rAmQ2CO
- 乙
樹の覚悟がよくわかった
樹助けるのは最終決戦後だな
- 38 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/18(火) 21:28:05.33 ID:CK+aLGCVo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
再開は明日、出来れば通常時間から
- 39 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/18(火) 21:30:32.04 ID:1U4OxMfYO
- 乙ですー
久遠さんのメンタルが心配だが果たして…?
- 40 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/19(水) 20:41:24.03 ID:NhsGdkZ/o
-
では少しだけ
- 41 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 20:45:52.12 ID:Pyd/Mmk/O
- よっしゃ
- 42 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/19(水) 20:50:36.26 ID:NhsGdkZ/o
-
「話すのも駄目」
天乃「…………」
「喉を傷つけるようなことしちゃうからよ」
検査を行った女性医師は、
困ったように言って、電子パッドを持つ天乃を見る
本来なら、大きな声を出さずにいれば落ち着くはずだった
しかし樹達のこともあって無理に話し、
大きな声を出そうとして喉は傷ついてしまって
ただ大きな声を出さない。と言うだけではだめになってしまったのだ
これ以上無理をするなら手術が必要になってくるし
最悪の場合、完全に話せなくなってしまう可能性があると言う
もちろん、勇者の回復力を持つ天乃なら
それでも、時間さえあれば治るだろうけれど
「その電子パッド、壊さないようにね? 簡単に折れちゃうから」
使ったまま寝落ちして
ベッドの上から落ちたり、
身体の下敷きにしたまま寝返りを打ったりしたら、
壊れてしまう可能性がある。と、女性は言って
「辛いだろうけどしばらく我慢。ね?」
天乃『分かりました』
- 43 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/19(水) 21:12:28.25 ID:NhsGdkZ/o
-
天乃『来週?』
「身体の努力次第ね」
天乃『治りは早い方です』
「傷つくのも早いでしょ。貴女は」
せかすように書こうとする天乃の手を制して、
女性医師は少し厳しい声色で言う
大きな声さえ出さなければという話をしていたのに
事情があったにせよ、傷つくようなことをしてしまったのだ
二度目は軽く言うだけでは済まない
「早く治りたかったらとにかく安静にして絶対に喋らないこと。約束できる?」
天乃『分かりました』
「不満そうな顔しちゃって」
笑い交じりに言って、
もう戻っていいわよ。と声をかけると
すぐそばに控えていた大人しそうな少女―千景―が車椅子を引き、連れて行く
二人を見送った女性医師は、
勇者部の子達にも話をしておかないと。と、困ったように眉を顰めた
- 44 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/19(水) 21:36:20.90 ID:NhsGdkZ/o
-
天乃「…………」
千景「…………」
天乃が話せないこともあるけれど
樹を止めなかったことが尾を引いているのだろう
病室へと戻る間の道は沈黙に包まれていて
車椅子の車輪の音だけが、廊下に響く
天乃「………」
いつもなら、
みんなのところに寄る? とでも声をかけるが
話すことは出来ないし
樹のこともあって、それは少し気まずい
殴りこむ勢いでみんなのところに行って
話し合ってもいいのだが……
みんなで決めたことである以上
樹たちの意思は変わらないだろう
1、病室に戻る
2、精霊組
3、みんなのところへ
4、イベント判定
↓2
- 45 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 21:42:19.35 ID:Pyd/Mmk/O
- 4
- 46 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 21:43:02.77 ID:r0ozJ/YY0
- 3
- 47 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/19(水) 22:07:58.94 ID:NhsGdkZ/o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「久遠先輩、ちょっとお願いが」
天乃「……」カキカキ
天乃『なに?』
東郷「コソコソ」
天乃「……」
天乃『えっち!』
東郷「文字のやり取りもいいですね!」グッ
夏凜「あんたってやっぱり凄いわ」
- 48 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 22:19:00.40 ID:Pyd/Mmk/O
- 乙
しゃべれない久遠さんかわいい
- 49 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/19(水) 23:13:35.14 ID:XLvMJvVNO
- 乙
喋れない久遠さん懐かしいな
- 50 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 20:08:50.04 ID:1CUEQbDno
-
では少しだけ
- 51 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 20:31:12.19 ID:1CUEQbDno
-
天乃『みんなのところに連れて行って』
千景「……本気で言ってるの?」
天乃「………」
明らかに渋った表情を見せる千景を見つめた天乃は、
電子パッドのボタンを押して首を振ると、
書こうとしていた手を止めて、頷く
千景「あの子達はみんなで決めたこと……話しても無駄よ」
天乃『分かってる』
千景「……悪いけれど、今度ばかりは味方にはなれないわ」
天乃『分かってる』
同じものをそのまま見せて、
胸に抱えるようにパッドを抱えながら、次の言葉を書いていく
書き出す手の動きは早く、悩みがない
天乃『樹を止めてくれなかった』
千景「樹に同意件だったからよ」
天乃『連れて行きたくないなら置いて行って良い』
- 52 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 20:35:44.46 ID:9NhXyeU9O
- きてたか
- 53 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 20:52:46.30 ID:1CUEQbDno
-
千景が答えるよりも早く次の言葉を書き出している天乃は、
樹を止めてくれなかったことが不服なのだろう
睨むような鋭い目を向けて、パッドを見せる
天乃『私は見捨てたくない』
千景「その気持ちは分かるわ。でも――」
天乃『聞きたくない』
聞き終える前に見せて、背を向ける
これ以上の会話をする気はないと言う天乃の姿勢
背中を見る千景は
開いていた口を閉じて、目を瞑る
覚悟の上……だ
千景「連れて行くわ」
天乃「……」
千景「でも、これだけは言っておく」
踵を返し、天乃の病室からみんなの病室への道を進む
千景「この件で、貴女の味方はいないと思ったほうが良い」
期待しているかどうかはともかく
しているのならば。と、出ていそうな杭を打つ
千景「みんな、久遠さんを大事に思ってるから」
- 54 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 21:23:19.26 ID:1CUEQbDno
-
天乃『そうね』
千景「……なんだか、それでのやり取りだと変な感じね」
普段の天乃と違って、
感情豊かではない―怒っているからかもしれないが―せいか
電子パッドに書かれる文字だけでは
天乃の感情を読み切れなくて
無機質で、無感情で
ちょっとだけ、怖く感じてしまう
でも、良くなると良いわね。などとは口が裂けても言えない
声が聞けるといい。とも、言えない
樹を止めていれば天乃が無理して声を出すことなんてなくて
それがなければ、小さいながらも話すことは出来たはずだから。
互いを思うがゆえの、傷
その気まずさを飲み込んで、千景は足早にみんなのいる病室へと向かった
- 55 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 21:46:14.39 ID:1CUEQbDno
-
天乃を連れた千景が病室を訪ねると、
起こされた様子もなく、みんなが起きていた
一応、消灯時間まで一時間程度ではあるのだが、
誰一人として寝ようともしていなかったのは他の精霊が伝えたか
それとも、天乃のことで寝るに寝れなかったか。
天乃が電子パッドを手に持っているのを見た夏凜はわずかに顔を顰めた
夏凜「それ、なに持ってるのよ」
天乃「…………」
友奈「久遠先輩?」
すぐに答えるのではなく、文字を書く
いつもとは全く違う姿に不安そうな友奈の声がぶつかる
天乃『暫く話せなくなった』
樹「っ」
天乃『喉、傷めた』
隠すようなことはせず、
かといって、樹に見せつけるわけでもなく理由を見せると
すぐに決して、新しく書き込んでいく
天乃『治るまで、これを使う』
夏凜「……そう」
- 56 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 22:03:51.09 ID:1CUEQbDno
-
そんなった理由は、喉を傷めたことだが
その原因は、樹が自分を見捨てるように言ったことであると
夏凜達はみんな、分かっている
だから、千景のように言葉にはできなくて
身を案じる言葉をかみ砕く
刺々しい言葉の一つ一つに、樹たちはチクチクと痛みを覚えた
東郷「それなら、早くお休みになられた方が良かったのでは?」
天乃『会いたくなかった?』
東郷「そんなことは……」
友奈「あの……その……」
言い淀む東郷への助け舟
そのつもりだった言葉は出てくる直前で乱されて、消えてしまう
辛そうな天乃に懸けられる言葉は案じる言葉
でも天乃はそれを望んでいないし受け取らない
それをひしひしと感じる目を、向けられているからだ
1、樹から話は聞いてる?
2、私は諦めないわよ
3、夏凜、力を渡すわ
4、東郷、調子は?
↓2
- 57 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:05:44.01 ID:9NhXyeU9O
- 4
- 58 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:10:28.83 ID:cTs1l5hP0
- 4
- 59 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/20(木) 22:17:45.90 ID:1CUEQbDno
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
天乃『東郷、調子は?』
東郷「!」
東郷(これは……試されてるの?)
東郷(良いと答えれば、私は悪いけど。と返ってくる?)
東郷(口に出した言葉じゃないのが、悟りにくいわ……!)
夏凜「エロいことを口にしないから調子悪そうね」
東郷「ちょっと待って夏凜ちゃん、それどういう意味?」
- 60 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 22:25:42.02 ID:9NhXyeU9O
- 乙
終盤だけあって重たい展開が続いてる分オマケが癒しパートになってきてる気がする…
それはそうと今の久遠さんの状況ってアニメ版勇者の章の友奈ちゃんみたいだな
- 61 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/20(木) 23:42:50.84 ID:lXdZ8qm3O
- 乙
緊張感あるな
- 62 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 01:30:24.77 ID:/mpkU8iaO
- 乙
まあ樹を助けるのは最終決戦後でも出来るからな
逆に言うと樹のためにも絶対帰ってこなくちゃいけないという気力になる
帰ってこれないと祟で死亡?だし
- 63 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 08:14:28.24 ID:2r7Rf4eGO
- 乙
祟り背負わせたまま戦わせられないって話だから後では駄目なんよ
樹海化で強制的に連れてかれるから
- 64 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 21:36:36.62 ID:+far0habo
-
では少しだけ
- 65 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 21:37:26.57 ID:nkahLulSO
- やったぜ
- 66 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 21:59:33.19 ID:+far0habo
-
天乃『東郷、調子はどう?』
東郷「……多少、感覚の違いは感じますが問題はありません」
天乃『寝た?』
東郷「いえ、特に眠くもなかったので」
東郷としては自分よりも天乃の体調なのだろう
自分のことを聞かれて答えに躊躇う様子を見せつつも、
質問にだけ答えて、余計なことを付け足しそうな考えを飲み込む
天乃『友奈達は寝たから寝たほうが良い』
東郷「ですが……」
渋る東郷に顔を顰めながら電子パッドに書き込んで、
若干、不機嫌そうに見せつける
天乃『感覚の違いは寝てないから。馴染まない』
電子パッドを指で叩き、
その指で東郷を指さしてもう一度パッドを指さす
貴女に言ってるのよ。
そう示す動きに、東郷は「分かっていますが」と、歯切れ悪く答える
東郷「寝て、いられなかったんです」
- 67 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 22:33:02.97 ID:+far0habo
-
東郷「休息が必要なのは良く分かっています」
でも。と、続ける
東郷「寝て待つなんてことは出来ませんでした」
むしろ、したくなかったというのが正しいと、東郷は思う
目の前で天乃が傷つくのを見てしまった
沈んでいくのを見てしまった
それなのに、どうして眠れるだろうか
目を瞑れば、あの姿が浮かぶ
楽し気な姿ではなく、苦しむ姿
力なく沈んでいく姿
恐ろしくて、寝ることなんて出来ない
たとえ、夏凜達が大丈夫と言ってくれていても
風「天乃が意識を失うのを見ちゃったのよ。簡単に寝れるはずないでしょ?」
夏凜「私も経験あるけど、寝ようと思って寝れるものではないわ」
自分より心は強く感じたから、大丈夫かもしれないけど。と
すこし歩み寄るそぶりを見せて、夏凜は天乃を見る
天乃『体調を崩されたら困る』
取り付く島もないとみんなが思い、
それは自分たちもだと、言葉を飲んだ
- 68 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:07:42.36 ID:+far0habo
-
夏凜「体調崩されたら困るのはこっちもなんだけど」
天乃『話すことはないって?』
友奈「夏凜ちゃんはそんなこと――」
夏凜「言ってるようなものだし」
庇おうとする友奈を制して、
夏凜はあくまで堂々とした態度で視線を受ける
後ろめたいことではないとは、少し言いにくいけれど
だからと言って身を引けることでもない
樹「久遠先輩、さっき話した通りです」
血を吐かせるほどに、
話を出来なくなってしまうほどに追い詰めてしまったこと
それを再度話すのはと思いながらも、意を決して口にする
樹「みんなで話し合って決めたことなので」
話したいことはある
叶うならばいっしょに居たい
でも、互いの想いがぶつかり合う今、それは叶わないことだ
樹「その話なら、頷いてくれる以外は無駄だと思います」
- 69 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:28:33.90 ID:+far0habo
-
天乃『知ってる』
さっきまでと違って、
やや殴り書きに近い字で答えた天乃は、
視界の端、樹のベッドのそばにある荷物を見て顔を顰める
天乃『みんな敵』
風「敵って言い方はちょっと違うんじゃない?」
天乃『違わない』
異議を述べて、首を振る
もの申したいという風の視線を受けつつ樹を見て
電子パッドのボタンを押す
天乃『樹が死んで平気?』
風「平気なわけ、ないじゃない」
そんなわけがない
そんなわけがないが、天乃だって死んで平気なわけがない
天乃が夏凜と樹の両方を救いたいように
風達だって、天乃と樹達の両方を救いたい
だが、どちらかを選ばなければならない
その中で、樹は自ら自分を切り捨てるように進言したのだ
その考えと、覚悟
姉として止めたい気持ちもあるが、止められない
風「樹は覚悟を決めてる。なら、あたしは、あたし達は姉として仲間として、樹を絶対に守るだけよ」
- 70 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/21(金) 23:30:08.89 ID:+far0habo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 71 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/21(金) 23:35:50.60 ID:nkahLulSO
- 乙
二人とも救おうとして暴走する久遠さん…
勇者部は久遠さんを止めることができるのだろうか
- 72 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 01:18:45.70 ID:yk6nY4XP0
- 乙
風の決意もすごいなあ
- 73 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:16:44.02 ID:7N0rURjSo
-
では少しだけ
- 74 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 21:17:31.14 ID:DQ4jz5BfO
- あいあいさ
- 75 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:41:56.18 ID:7N0rURjSo
-
天乃『今度は死ぬ』
戦いを甘く見ていないことくらいは分かっているけれど
あえて明示する
以前のように、死から守ってくれるわけではない
致命的なダメージを防いでくれるのも回数制限があって、
満開を使えば、それは一瞬にして消費されてしまう
そうなれば、勇者の力を持つだけの生身の人間だ
加護がない以上、当然ながら叩き飛ばされれば死ぬ
爆発をまともに食らえば死ぬ
そんな戦場に、祟りを持って臨まなければならない
そんなハンデのある人を守りながら、今までにない最大級の敵と戦わなければならない
天乃『覚悟ではどうにもならない』
東郷「それは、久遠先輩も同じでは?」
- 76 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 21:55:20.71 ID:7N0rURjSo
-
風「分かってるでしょ? 天乃も樹も状況はほぼ同じ」
天乃『違う』
風「違わない」
どちらも命懸けだ
一瞬たりとも気の抜けない危険な戦いに身を投じることになる樹も
己の限界を超えて力を分け与えようとする天乃
二人ともが命がけで、死のリスクが非常に高い
それは一緒だと風は繰り返す
風「それでも樹にリスクを背負わせるのは抵抗できるから」
夏凜「あんたが考えてるように、守って貰えるのには限度があるわ。でも、満開を使わなければ一気に消費しない」
そうすれば、傷つくことはあっても死ぬ可能性は大きく減少する
そしてその樹をみんなで守り、みんなで支え合う
友奈「私達は、私達で抵抗することが出来るんです」
天乃「………」
樹「そこが久遠先輩との違いで、とても大事なポイントです」
- 77 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 22:39:24.60 ID:7N0rURjSo
-
天乃『認めない』
夏凜「認めるとか認めないとかそういう話じゃないでしょ」
頑なに認めないと言うのなら、樹は出ていく
天乃に話したことは、みんなにも話していて決定事項だ
明日の時間になっても二人を救うと言うのなら
樹に無理させるくらいなら自分は死んでもかまわないと言うのなら
そう考えて、
夏凜は天乃の批判的な視線を見つめ返す
夏凜「いい加減にしないと、私も出てくわよ」
樹「え?」
風「夏凜、それは――」
夏凜「あんただけ完全に助けたいとかフェアじゃないし、二人を助けなきゃ万全になれるでしょ?」
驚く二人をよそに
夏凜は一人、堂々とした態度で言った
1、いい加減にして
2、どうしてそういうこと言うの?
3、最低
4、意地っ張り
5、馬鹿
6、大嫌い
↓2
- 78 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 22:43:41.43 ID:DQ4jz5BfO
- 1
- 79 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 22:46:55.09 ID:PmnTC7/O0
- 2
- 80 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/22(土) 23:03:14.53 ID:7N0rURjSo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼頃から
天乃『最低、馬鹿、意地っ張り、大っ嫌い』トントン
東郷(考えられる限りの暴言、注視を促す画面を叩く指の動き)
東郷(怒ってるけれど、それ以上にされたら困ると言う不安の見える表情)
東郷「あっ」
夏凜「あっ。って何? あんたまた良くないことを考えたわね!?」
友奈(分からないほうが良いけど、分かっちゃう自分はもう駄目なのかなーって)
樹(私も分かってるのでセーフです)
千景「アウトよ」
- 81 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 23:16:59.34 ID:DQ4jz5BfO
- 乙
選択肢の罵倒で久遠さんの心に全く余裕がないことが分かるな…
まぁ久遠さんからしたら戦えないわ力すら満足に分けられないわで必死なんだろうけどね
- 82 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/22(土) 23:26:59.40 ID:qbne8cv4O
- 乙
夏凜つよい
- 83 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 03:07:16.35 ID:yPfBY2/TO
- 乙
最後の戦いが控えてるのに心がバラバラになるのは見ててつらいな
- 84 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 12:27:04.94 ID:rE34aQU80
- 久遠さんどうしようもなく追い詰められてるな…
せめて精神的に全盛だったら代案出すなりもうすこしうまく話し合えたりできると思うのだが…
- 85 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 19:23:56.72 ID:KFbkxXM/o
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 86 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 19:38:07.39 ID:/XX0qcJBO
- あいよー
- 87 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 19:49:12.19 ID:KFbkxXM/o
-
天乃『どうしてそういうことを言うの』
夏凜「あんたが死のうとしてるから」
天乃『二人も』
夏凜「でも、私達には可能性がある」
そのリスクを背負っていたとしても、
無事で済む可能性がある
それは、樹達が言うようにみんなが一緒に頑張ることだからだ
けれど天乃は違う
他の誰かが一緒に頑張るなんてことは出来ない
天乃だけがリスクを背負い、その代償を支払わなければならない
夏凜「あんたのそれは努力でどうにかなるようなものじゃないでしょ」
天乃『でもあ』
夏凜「だからこそ」
天乃の電子パッドを手で押さえて、
まだ書いている途中だった言葉を消し去る
夏凜「リスクを背負うのは私達であるべきだって言ってるのよ」
- 88 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:15:43.34 ID:KFbkxXM/o
-
夏凜「悪いけど、樹は本気だし私も本気」
天乃「っ」
夏凜「あくまで樹と私の両方を求めるなら、出ていく」
一緒には居られない
抗議しようとする天乃の電子パッドを押さえつけながら、言う
必死に持ち上げようとしてるのが伝わってくる
邪魔しないでと、睨んで来る瞳が見える
でも、いつか見たあの目よりはずっと優しかった
怒っているからではなく、心配だからこそ、不安だからこそ
相手を想うからこその怒りはとても優しくて
夏凜は目を逸らすことはないが、首を振る
夏凜「あんたが考えを変えないのなら、これ以上話すことはないわ」
夏凜の手が離れ、
天乃はすぐに、電子パッドへと文字を書き込んでいく
天乃『考え直して』
樹「それは久遠先輩にお願いしてることなんです」
すみません。そう続けかけた口を閉じると、
樹は病室の隅に目を向けた
- 89 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:43:54.04 ID:KFbkxXM/o
-
樹「千景さん、お願いします」
千景「……そうね」
天乃『待って』
千景「待たないわ」
天乃『ちかげ』
漢字を書くよりも早く、ひらがなで書かれた名
それを一瞥しつつも千景はそれは出来ないと首を振る
これ以上ここにいても何も決まらない
夏凜達が退くことはないし
今の天乃の様子では、考えを改めるつもりもないだろう
千景「時間よ。連れ帰るわ」
天乃『だめ』
千景「睡眠時間を削るつもり?」
少しきつく言い放って、
千景は強制的に車いすを動かして、天乃を連れ戻す
考える時間は少ないかもしれないが、
だからと言って眠る時間……体を休める時間を削っては本末転倒
何も救えなくなってしまうからだ
- 90 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 20:58:21.54 ID:KFbkxXM/o
- 1日のまとめ
・ 乃木園子:交流無()
・ 犬吠埼風:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・ 犬吠埼樹:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・ 結城友奈:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・ 東郷美森:交流有(力の譲渡、二人を救いたい、話し合い)
・ 三好夏凜:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・ 乃木若葉:交流有(一人だけなら)
・ 土居球子:交流無()
・ 白鳥歌野:交流無()
・ 藤森水都:交流無()
・ 郡千景:交流有(一人だけなら、二人を救いたい)
・ 伊集院沙織:交流有(二人を救いたい、話し合い)
・ 九尾:交流無()
・ 神樹:交流無()
2月6日目 終了時点
乃木園子との絆 106(かなり高い)
犬吠埼風との絆 130(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 112(かなり高い)
結城友奈との絆 144(かなり高い)
東郷美森との絆 143(かなり高い)
三好夏凜との絆 170(最高値)
乃木若葉との絆 112(かなり高い)
土居球子との絆 59(中々良い)
白鳥歌野との絆 57(中々良い)
藤森水都との絆 49(中々良い)
郡千景との絆 59(中々良い)
沙織との絆 146(かなり高い)
九尾との絆 80(高い)
神樹との絆 ??(低い)
- 91 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 21:05:19.04 ID:KFbkxXM/o
-
√ 2月7日目 朝 (病院) ※水曜日
01〜10
11〜20 沙織
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 歌野
81〜90
91〜00 園子
↓1のコンマ
- 92 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 21:06:38.18 ID:/XX0qcJBO
- あ
- 93 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 21:59:01.38 ID:KFbkxXM/o
-
√ 2月7日目 朝 (病院) ※水曜日
樹たちの提示した、約束の日
神婚の儀を行うまではまだ時間はある
でも、当初考えていた休息期間
みんなに力を分け与えること
それを考えれば、この考える時間の少なさも致し方ないかもしれない
沙織「……」
沙織は少し考えて、精霊のいる空間から、
現実の世界へと出ていく
沙織「久遠さん、大丈夫?」
天乃『平気』
沙織「喉の違和感は?」
天乃「………」
喉を軽く擦って、首を振る
まだまだ違和感はある
こみあげる吐き気のような、不快感
火を間近にあてられているような熱さ
軽く咳き込みたくなるけれど、そんなことをしたら吐血することになるだろう
- 94 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:23:16.15 ID:KFbkxXM/o
-
沙織「なら、まだ平気じゃないよ」
天乃「………」
沙織「体調で嘘はダメ」
沙織は困ったように言うと
小さく笑みを浮かべて、天乃の電子パッドに触れる
沙織「もう少し寝てた方がいい」
天乃『 | ' . ゛ 』
沙織「昨日も遅かったのに」
沙織が抑えるせいで、言葉にならない文字が刻まれていく
それでも天乃の言いたいことを察した沙織の言葉に、目を向ける
時間がない
今日の夜までに決めなければ、話をつけなければ
二人ともいなくなってしまう
寝ている暇なんてない
沙織の手に触れて、話すように促す
天乃『いっそ苦しめばいい』
沙織「そんなこと言わないで……」
- 95 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:48:59.66 ID:KFbkxXM/o
-
夏凜達が苦しめばいいということではなく、
天乃自身が苦しめばいいという考え
夏凜達は自分が苦しむことになっても、考えは変わらないだろう
だが、天乃が苦しむのであれば変わるかもしれない
けれど、それは解決策としては悪手だ
沙織「久遠さんが苦しむのはみんな嫌だけど、でもそれで解決はしないと思うよ」
みんな覚悟している
天乃に嫌な思いをさせること
辛い思いをさせること
笑顔にさせたいと言っていた夏凜でさえ、泣かせるようなことに手を出している
その苦渋の決断は、天乃を死なせないためのもの
自分たちが嫌われることよりも、天乃を生かすことを選んでいるのだ
沙織「樹ちゃんだけ、諦めることは出来ない?」
1、出来るわけないでしょ
2、貴女までそんなこと言うのね
3、嫌よ
4、樹が死ぬのよ?
↓2
- 96 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 22:51:07.61 ID:02e3nONE0
- 2
- 97 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 22:52:14.39 ID:Kdis8I5xO
- 4
- 98 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/06/23(日) 22:56:33.26 ID:KFbkxXM/o
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
夏凜「だからこそ、私達がリスクを背負うのよ」
天乃「………」
天乃「……」グスッ
球子「あー! 夏凜が泣かせたー!」
風「ちょっとー女子ー!」
夏凜「手のひら返すなっ!」
- 99 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 23:06:06.26 ID:Kdis8I5xO
- 乙
夏凜も意思が揺るがないのかっこいいな
- 100 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/23(日) 23:11:03.97 ID:/XX0qcJBO
- 乙
久遠さん夏凜ちゃんにあれだけ脅されてなお諦めようとしないのか
最早なるべく諦めないの域を飛び越えてる気がする…
- 101 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/06/24(月) 02:42:08.45 ID:LVPuqA4ZO
- 乙
久遠さんはかなり危険域だけど樹は死ぬと決まったわけじゃないからなあ
樹の根性みたいなの信頼してもいいのでは?
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