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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】
- 602 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/21(水) 22:25:27.76 ID:x1fOSZT8O
- 乙ですー
久遠さん早く元気になるといいなぁ
- 603 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/22(木) 22:30:11.97 ID:v2grASeko
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 604 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 22:40:16.93 ID:LmK9KU3EO
- あいあいさ
- 605 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/22(木) 22:51:24.82 ID:v2grASeko
-
夏凜「私のは噂というか、風習というか……そういう手法」
風「つまり伝統。と」
夏凜「そんな決め台詞みたいに言われてもね」
伝統という言葉に重きを置いた発音
茶化しているような風の自慢気な顔を一瞥しながら、
夏凜は言い返しながらも、否定はしない
噂か伝統かで言えば、伝統が近いだろう
少なくとも、桜の木の下での告白は成功するみたいな迷信とは違う
実際に行われている……という話は聞いたし
クラスメイトの中にも、卒業が近づくにつれてそのようなことを口にする子がいなくもない
中には、天乃の名前もあがったり上がらなかったり。
久しく姿を見せていないことで、余計に話題になりやすかったと言うのも、影響しているだろう
夏凜達が通うことが出来ていた数ヶ月前でそうなのだから、
今はどうなっているのか
友奈「でも、なんか……うん。素敵だよね」
- 606 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/22(木) 23:08:53.83 ID:v2grASeko
-
自分と誰か―言うまでもないが―を相手に想像したのか
それとも、自分とは関係のない人たちで考えたのか
囁くような、独り言のような呟き
感慨深さを感じるような羨望を抱いた友奈の瞳は光を見せる
疚しい気持ちの一端がなかったとも言えない東郷は
僅かばかり気まずさを滲ませた笑みを浮かべた
東郷「そうね、友奈ちゃん。取り合いなんてもってのほかだわ」
樹「そんなことは誰も言ってないんじゃ……」
東郷「それはそうだけど、久遠先輩があげるなんて口にした日には大騒ぎになるわ」
なるでしょう?
そう、威圧的な声色で述べた東郷だが、
樹は否定も肯定もせずに困った表情を見せると
考える素振りを見せて「そうかもしれませんね」と譲歩する
確かに、永遠の結びともいえるようなお呪いは魅力的だが
天乃本人と一緒に居られるだけで十二分に幸せだと思える樹からしてみれば、
それ以上望むようなことでもないと言うのが、本当のところだった
- 607 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/22(木) 23:43:41.51 ID:v2grASeko
-
風「何はともあれ……明日を生き残らなくちゃ何にもならない」
ふと、前触れを感じさせることなく切り出した風は比較的明るい声ではあったものの
緊張感を忘れるべきではないと言いたげな表情は、唇が引き締められている
樹「そうだね」
東郷「どれだけ厳しい戦いであるのだとしても、今の私達なら、きっと」
東郷のしっかりとした声からは、
慢心と呼ぶにはまだ薄く、けれども確かな自信が垣間見える
佳境にはいつだって、想像を絶する何かがあった
だから、自信を持つなとは言わないが、持ちすぎるのも危険だと東郷は良く分かっているし
みんなもそれは分かっているのだろう
不安こそ見せないが、明日の厳しさを忘れたわけではない緊張感を噛みしめる
樹「………」
何の気なしに持ってきていたタロットカードを軽くシャッフルする
束になった山をぐるりと回転さえ、正と逆を入れ替え、これからを思いながら一番上をめくる
威厳を感じさせる風貌の女性、希望を与えてくれるような輝かしさを見せる後光
下の方には【THE EMPRESS】と書かれているカード
それが意味するのは正しく、求めているものだった
- 608 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/22(木) 23:46:53.37 ID:v2grASeko
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
THE EMPRESS・・・女帝(努力の結実、成功、結婚、愛に満ちた生活)
- 609 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:52:20.28 ID:Be00TsV5O
- 乙
占いもいい結果だしもう怖いものは何もないな
- 610 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/22(木) 23:56:57.53 ID:LmK9KU3EO
- 乙
まさに久遠さんたちのためのカードじゃないか…
もう負ける気がしないな
- 611 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/23(金) 08:05:33.42 ID:eMjFM092O
- 乙
長かった三周目も展開的にもう終盤なんだなって…
気が早いかも知れないが原作と共に追いかけ続けてる身としてはくあゆシリーズはこれからも続いてほしいなぁ
- 612 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 22:39:10.90 ID:as3IBVMsO
- 今日も休載?
- 613 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/24(土) 23:04:38.57 ID:7fR3LhY2o
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 614 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 23:07:10.77 ID:CCQV5P5YO
- おk
- 615 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/24(土) 23:26:09.65 ID:7fR3LhY2o
-
√ 2月11日目 夜 (病院) ※土曜日
01〜10
11〜20 夏凜
21〜30
31〜40
41〜50 若葉
51〜60 九尾
61〜70
71〜80
81〜90
91〜00 千景
↓1
※ぞろ目
- 616 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/24(土) 23:28:36.29 ID:CCQV5P5YO
- あ
- 617 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 00:01:54.58 ID:uL3vvW/vo
-
√ 2月11日目 夜 (病院) ※土曜日
夜になってみんな解散するかと思えば、夏凜だけが病室に残っている
もう一人追加するくらいの余裕はあるし、
明日のこともあって天乃を置いて行くのは少し不安があった風達から
どうせなら。と、指名を受けたのだ
天乃の精神的な問題は、みんなを呼べたこともあってそこまででもないが
大赦がいつこの部屋を訪れ、連れ出そうとするのか
それが定かではないため、警戒する必要があった
夏凜「ここまで来て、大赦が強引な手段を取るとも思えないけどね」
天乃「………」
夏凜「そうする理由もないし」
どうして? と
問いかけるような目を向けてきた天乃に、素直に答える
瞳が送迎の任を受けていると聞いていないけれど
恐らくは、その担当は瞳に回ってくることになるだろう
天乃は神婚に対して消極的な姿勢ではあったが、
強い反発はしていないし、絶対にやらない。なんていう絶交染みた返答をしたわけでもない
そんな相手に強硬策を取るほど、落ちぶれていないはずだ
- 618 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 00:15:25.97 ID:uL3vvW/vo
-
天乃「……ん」
夏凜「寒い?」
天乃「っ」
夏凜「あぁ……無理しないで寝たら?」
僅かに身を捩った天乃の口から洩れた小さな呻き
一瞬、まだ肌寒い気温のせいかと思ったが、
何とか話そうとしているのだと察して、夏凜は困ったように言う
今無理をしても、明日に響く
居ないと寂しいが、いると無理をしてしまう
そんな天乃には困ったものだと思いながら、
夏凜は向かい合う少女の瞳を見据える
綺麗な琥珀色に見えるが
もちろん、実際は少し違う橙色だ
かすかな光が当たっているおかげか輝いて見えて
いつもよりも深みがないように感じるのだろう
語弊があるかもしれないが、この方が綺麗だと……ちょっとだけ思ってしまう
- 619 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 01:04:40.61 ID:uL3vvW/vo
-
天乃「?」
じっと見つめられる天乃は
困った表情を作ろうとするだけに止めて、見つめ返す
なんで見てくるのか
そう思えば、夏凜は察して気まずそうな笑みを見せる
後ろめたいことがあるのではなく、気恥ずかしい
そんな表情の夏凜はゆっくりと口を開く
夏凜「良い目、してる」
天乃「………」
夏凜「どういうことって、聞かれてもね」
そう簡単には答えられないと言うような含みのある言い方だが、
ただ、恥ずかしいだけなのは顔を見れば良く分かる
普段なら突くその部分を、
今は見ていることだけしかできないのが、
少しばかり、もどかしさを感じた
- 620 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 01:05:46.96 ID:uL3vvW/vo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
- 621 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 01:10:46.10 ID:yw6HHkgbO
- 乙
夏凜ちゃんと過ごす前夜か…
- 622 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 01:16:47.65 ID:rC6TvMfbO
- 乙
いよいよ明日だな
- 623 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 17:46:21.55 ID:uL3vvW/vo
-
では少しずつ
- 624 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 17:47:29.27 ID:QIqN9n5uO
- よっしゃ
- 625 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 18:12:56.18 ID:uL3vvW/vo
-
天乃「ぁ……」
夏凜「………」
天乃「……っ」
声が出ない
少しだけ頑張ろうとした天乃を夏凜は咎めることなく見守るけれど、
やはり、出せるほどの回復はしていない
それどころか、痛みが増してしまう
それが顔に出た……わけではないはずだが、
夏凜は手で天乃の口元に制止を促すと、
優しく笑って、わずかに首を振って見せる
枕と頭の擦れる音
ほのかなシャンプーの匂いが流れてくる
夏凜「ちょっと頑張るくらいは良いけど、無理はしない」
天乃「………」
夏凜「……口を開きたくなるようなことを言った私にも責任はあるけど」
- 626 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 18:52:53.56 ID:uL3vvW/vo
-
夏凜「明日、もしかしたら早いかもしれないんだし寝ておいた方がいいわよ」
天乃「………」
夏凜「明日、終わればまたいつでも話せるでしょ」
明日がダメだと思うのなら
明日に不安があると言うのなら
多少なりとも夜更かしをして、会話をすることもあるだろう
だが、明日を乗り越える自信があるのなら
その先も続いていけると信じているのなら
ここで、無理に話を続ける必要はない
何より、嫌な予感というものを作りたくはないと、夏凜は思う
以前呼んだことのある物語にはそういうものがあって。
現実と区別するべき架空の事象ではあるが
感覚に頼ることもある夏凜としては……切り捨てられない要素だ
1、なら、抱いて
2、もう少しだけ
3、なら、全部が終わったらまた……二人になりたい
↓2
- 627 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 19:27:28.13 ID:QIqN9n5uO
- 3
- 628 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 19:32:45.84 ID:PktAvF9h0
- 1
- 629 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 19:47:21.80 ID:uL3vvW/vo
-
天乃「………」
なら、抱いて
言葉で言うか、行動で示すか
いつもならどちらかでするはずのことを、今は思うだけ
けれども夏凜なら分かってくれる
いや、友奈たちでも分かってくれる
だから……夏凜はしかたがないなんて笑い方ではなく、
壊れてしまいそうな体をどう扱うべきかと悩ましそうな表情で、
優しく触れる
これなら痛くない? 辛くない?
そんな気遣いをしながら、
天乃を抱き寄せるのではなく、自分から近づいていく
息遣いが耳元にまで差し掛かると
夏凜の右手がそうっと……天乃の頭に触れた
- 630 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 20:29:18.10 ID:uL3vvW/vo
-
夏凜「寝るときじゃないなら、肩に抱き寄せることもするんだけど」
天乃「………」
夏凜「起きなくていいわよ」
体を起こしていたほうがいろいろできるが
抱いているのは眠りやすくするためだ
それでは本末転倒だろう
抱きしめると、より密着する肌の感触が妙に生々しさが増す
密着しているおかげでこれ以上に触れたいと思うことこそないが、
もう少し強く。と思わないでもない
天乃に比べるとシャープな体つきの夏凜だが
その天乃の膨らみもあって、距離は残念にも開いてしまう
それを縮めるためにはもう少し力強く……なのだが。
それをすると、天乃の華奢な体が傷ついてしまいかねない
そこまでするのは、と、夏凜はためらってしまう
だからこそ、頭に触れるだけに止めた
- 631 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 20:48:12.60 ID:uL3vvW/vo
-
夏凜「……全部終わったらね」
天乃「………」
良いことも、悪いことも
楽しいことも、つまらないことも
好きなだけ話そう
頭も、髪も、頬にも
肩にも……体のどこにだって、触れよう
終わればそれができる
戦いさえ終わってしまえば、後は体を癒すだけ
世界の危うさは大人が何とかしてくれる
そう、丸投げしてしまうのはいかがなものかと思いもするが
神樹様の力が尽きることでただの少女になってしまう夏凜達にはどうしようもない
何より、
今まで勇者として頑張ってきたのだから
終わった後に子供の我儘を使うことくらい許してほしいものだ
- 632 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 21:18:02.35 ID:uL3vvW/vo
-
夏凜「天乃、やりたいことを聞かれたとき、私は結婚式って言ったでしょ?」
天乃「………」
夏凜「でも、個人的なことを言うなら天乃を思いっきり抱いてやりたいって思ってる」
今は弱弱しすぎて、力を入れるのが怖い
そのせいであんまり実感できない
柔らかさと、温もりと
ちゃんと生きていることは感じているけど
でも、それだけでは少し物足りない
だから、力強く
かつての強い人ならば、少し苦しいという程度の力で
夏凜「だから早く良くなってよね」
天乃「………」
夏凜「天乃なら、体さえ治れば日々の鍛錬の相手くらいなら務まるでしょ?」
天乃「………」
夏凜「必要かって? 鍛錬はこれからも続けるわよ。決まってるでしょ」
- 633 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 21:28:18.80 ID:uL3vvW/vo
-
勇者の力が無くなってしまったとしても、
これからも、夏凜は強い自分を保持し続けていく
そのために、鍛錬を続ける
それは、勇者にすべてを捧げてきたからではない
その力で、これからも守るべきものを守っていきたいからだ
これから、世界は広がっていくだろう
何もない
もしかしたら、何かがある大きな世界に、戻っていくことだろう
そうなれば、今まで通りというのは難しくて
大赦がどうなるかは分からないが
神樹様を失うとなれば、治安に影響があるかもしれない
そうなったときに、女だから、子供だから
そんな理由だけで失ってしまうものがあるのは、我慢ならない
例え、世界の勇者ではなくなるのだとしても。
夏凜「私は、天乃の勇者であり続けたい」
天乃がそうだから。とは、口にしなかった
それはもう少しばかり、勇気が必要なのだ
- 634 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 21:51:56.70 ID:uL3vvW/vo
- 1日のまとめ
・ 乃木園子:交流有(戦いの後、卒業式)
・ 犬吠埼風:交流有(戦いの後、卒業式)
・ 犬吠埼樹:交流有(戦いの後、卒業式)
・ 結城友奈:交流有(戦いの後、卒業式)
・ 東郷美森:交流有(戦いの後、卒業式)
・ 三好夏凜:交流有(表情、みんなのところに、卒業式、抱いて)
・ 乃木若葉:交流無()
・ 土居球子:交流無()
・ 白鳥歌野:交流無()
・ 藤森水都:交流無()
・ 郡千景:交流無()
・ 伊集院沙織:交流無()
・ 九尾:交流無()
・ 神樹:交流無()
2月12日目 終了時点
乃木園子との絆 108(かなり高い)
犬吠埼風との絆 134(かなり高い)
犬吠埼樹との絆 117(かなり高い)
結城友奈との絆 148(かなり高い)
東郷美森との絆 145(かなり高い)
三好夏凜との絆 170(最高値)
乃木若葉との絆 113(かなり高い)
土居球子との絆 59(中々良い)
白鳥歌野との絆 57(中々良い)
藤森水都との絆 50(中々良い)
郡千景との絆 62(中々良い)
沙織との絆 146(かなり高い)
九尾との絆 80(高い)
神樹との絆 ??(低い)
- 635 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 22:12:08.54 ID:uL3vvW/vo
-
√ 2月12日目 朝 (病院) ※日曜日
01〜10 若葉
11〜20
21〜30
31〜40 芽吹
41〜50
51〜60
61〜70 大赦
71〜80
81〜90 九尾
91〜00
↓1
※ぞろ目
- 636 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 22:13:14.53 ID:QIqN9n5uO
- あ
- 637 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/25(日) 22:25:24.47 ID:uL3vvW/vo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
東郷「そういえば、諸説あるのですが」
東郷「生命の危機に陥ると、子孫を残したいと言う欲求が高まるとかなんとか」
天乃「っ」
夏凜「下腹部を撫でるな、下腹部を」
- 638 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 22:37:08.18 ID:QIqN9n5uO
- 乙
夏凜ちゃんの抱くって下心があまり感じないところがいいよね
そしていよいよ当日…無事に終われますように
- 639 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/25(日) 23:18:04.69 ID:rC6TvMfbO
- 乙
開幕大赦じゃなくてよかった
- 640 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 19:47:48.26 ID:0nYbfZilo
-
では少しだけ
- 641 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 20:21:56.80 ID:0nYbfZilo
-
√ 2月12日目 朝 (病院) ※日曜日
運命の日曜日は、日差しの良い天気だった
太陽を遮るようなものは薄雲一つなく、
横切る鳥すら、火を恐れているかのように一羽も飛ばない
天乃「………」
神婚に出る事までは伝わっていないだろうが
何か重要な任につくことは伝わっているのだろう
外出許可を得て屋上に上がっていた天乃は、
目を奪うような陽の光を遮るように、右手で影を作る
夏凜「戻る?」
天乃「ん……」
軽く、首を振る
やはり、声を出すのはまだ難しいが
ゆっくりとなら、体を動かせる
あと数日もあれば、無事の声も回復するだろう
- 642 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 20:28:03.36 ID:38k1qOXAO
- 来てたか
- 643 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 20:47:00.61 ID:0nYbfZilo
-
夏凜「いよいよね」
天乃「ん」
夏凜「あと、何時間か」
大赦にいる夏凜の兄、春信
そして、天乃の送迎係を務めていた瞳から通達があったのだ
昼頃に新婚の儀へと出発する
夕方になる前に準備は完了し、
そしてそのまま……神婚の儀が行われることになっている
バーテックスそして、その親玉である天の神は、
これを阻止するために、姿を見せるだろう
結界の外の詳細な情報は入ってきてはいないが
酷い状況である。ということだけは歌野達から伝わってきている
精霊である歌野達ですら、様子見ででも外に出られない状況
ただ事ではないことだけは確実だ
- 644 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 21:39:12.71 ID:0nYbfZilo
-
夏凜「怖くない?」
天乃「………」
夏凜「流石に、嫌な質問よね」
悪かったわ。と夏凜は困ったように言うと、髪を梳く
撫でるような弱い風が二人の間を通りすぎて、
梳いた髪は瞬く間に荒れて、乱れてしまう
それでも、夏凜の力強さ
天乃の吹き飛ばされてしまいそうな体はその場に残る
夏凜「本当は、一緒に行ってやりたい」
天乃「………」
夏凜「でも、外で戦わなきゃ守れない」
一人にするのは不安だ
天乃がだめかもしれないとかではなく、
何をされるのかが分からないからだ
神様だ。記憶を書き換えることも出来るだろう
夏凜「怖いのは私なのよ」
負けることが。ではない
天乃が待っているだけではないことが。
- 645 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 22:10:43.29 ID:0nYbfZilo
-
天乃は少し頑張りすぎてしまうきらいがある
今回ばかりは、無理する余地もないとは思うが、
神樹様を救うという話だ
多少、無茶は必要になってくる可能性はないとは言い切れない
それこそ……体の一部を明け渡す。など
天乃の声は治りつつあるが、
左足だけは、神樹様の種を用いてなお治しきれなかった部分だ
悪く言えば……好都合ではないか
夏凜はそんな気がして、嫌だった
夏凜「自分を大事にして」
天乃「………」
夏凜「分かってる。だから、天乃も」
1、神樹様、何とかしてみるわ
2、天火明命。貴女が連れて行って
3、ここで好きと言ったら、フラグっていうものが立つかしら?
4、夏凜、抱っこ
5、子供の名前。まだ考えていないの。分かるでしょ?
↓2
- 646 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 22:13:51.37 ID:38k1qOXAO
- 5
- 647 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 22:17:57.15 ID:1sCfi1wH0
- 1
- 648 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/26(月) 22:20:04.22 ID:0nYbfZilo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 649 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 22:23:43.10 ID:fYJ3gzhvO
- 乙
頼もしい久遠さん
- 650 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/26(月) 22:30:15.96 ID:38k1qOXAO
- 乙
ついに覚悟が決まったか…
まだ喋れないけど久々に頼れる久遠さん復活くるかな?
- 651 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 08:32:56.13 ID:ro05gPPlO
- 乙
忘れてたけど「天火明命」って天照大神に近い神様なんですよねぇ…
つまり久遠さんはすでに神様を…
- 652 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/27(火) 22:23:48.50 ID:x12qtyyvo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
可能であれば明日、通常時間から
- 653 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/27(火) 22:28:47.96 ID:QusyIQrWO
- 了解、乙ですー
- 654 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 20:25:46.95 ID:M1Lm1NZ9o
-
では少しだけ
- 655 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 20:30:39.72 ID:yiucmAW7O
- かもーん
- 656 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 21:05:43.23 ID:M1Lm1NZ9o
-
天乃はしばらく夏凜を見つめると、
車椅子に備え付けていた電子パッドを取り出し、文字を書く
ペンを握る力も、以前よりは少し強くなっている
久しぶりに込める力のせいか、
乱れた文字は読みにくいが、書き直しても無駄だろうと
そのまま夏凜に向ける
天乃『神樹様、なんとかしてみるわ』
夏凜「天乃……」
天乃『無理をするわけじゃない。わかるでしょう?』
電子パッドを下げて、夏凜の目を直接見る
ふざけていないと、本気なんだと
それは決して、不可能ではないと
天乃『神樹様よりも意地の悪い精霊、いるのよ?』
- 657 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 21:15:36.18 ID:M1Lm1NZ9o
-
天乃は、出来る限りの笑顔を見せる
まだおぼつかない、口元に震えも残る
けれど、確かな笑顔
夏凜は下唇を噛み、無意識に逸らしてしまいそうな目を天乃へと留める
言っても聞かない
本気なのは分かる
それが不可能とは言い切れないことも分かる
けれど、それに何か代償があるのではないか
それが、気がかりだった
しかしそれさえも、天乃は分かってのことなのだろう
口元は笑みのまま、眉だけが困ったように歪む
天乃『ありがとう』
夏凜「っ」
天乃『夏凜は、やさしいわ』
- 658 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 21:53:38.52 ID:M1Lm1NZ9o
-
どれだけ自信を持っていても
心配してくれているのは、
それだけ、思ってくれているからこそだ。と、
天乃は前向きにとらえて、微笑む
天乃『ここでありがとうって言うと、嫌な感じになる?』
夏凜「別れっぽい」
天乃『なら、言わないでおく』
そう言って笑おうとした天乃は、
震える喉の痛みを覚えて飲み込み、【言えないけどね】、と文字を書く
明日は、話せるだろうか
明日はダメでも、明後日はどうだろうか
天乃「………」
くっくっと夏凜の袖をつまんで引く
気を引こうとする子供のようで恥ずかしくもあるのか、
天乃はほんのりと頬を赤らめる
天乃『声、好き?』
夏凜「はぁっ!?」
- 659 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 22:33:34.57 ID:M1Lm1NZ9o
-
夏凜「な、何言ってるのよ」
天乃『ちょっと気になって』
天乃にとってはただの興味で
特に探るような他意はないのだろう
精神的な先立ちに似合わず純粋な視線から逃れるように
物理的に距離を置いた夏凜だったが、
天乃の手が寂しそうに空を切ったのが見えて、二歩目は躊躇う
天乃『嫌い?』
夏凜「そんなことは、ないけど」
夏凜として、こういうことは考えた上で言いたい
もちろん、深く考えていない率直な言葉も大事だとは思うが、
自分のそれが、想いを伝えるにはあまりにも不器用であることは自覚している
だから、出来ればふいうちは避けて欲しいと思いつつ、
頭だけはフル稼働で思案する
夏凜「……急に聞かれると、困るわ」
天乃『急でも答えてくれるのが夏凜ちゃんでしょ?』
夏凜「無茶ぶりされてもね」
呆れつつも、夏凜は笑顔で呟いた
- 660 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/28(水) 22:36:57.14 ID:M1Lm1NZ9o
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
- 661 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 22:41:40.38 ID:yiucmAW7O
- 乙
久遠さん恋する乙女全開だなぁw
あまにぼ尊い
- 662 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/28(水) 22:46:17.63 ID:N7ifPuM+O
- 乙
かわいい
- 663 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/29(木) 21:02:39.26 ID:HPQRziEdo
-
では少しだけ
- 664 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/29(木) 21:06:43.20 ID:tJJMHsN4O
- よしきた
- 665 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/29(木) 21:18:16.31 ID:HPQRziEdo
-
夏凜「なんで急に気になったのよ」
天乃『声、出せないから』
夏凜「だからって――」
なぜ、唐突に好きか嫌いかの話になるのか
夏凜の口にしかけたその言葉を分かっているかのように眉を顰める素振りを見せた天乃は
手元の電子パッドを操作する
天乃『治るか分からない』
夏凜「足とは違うでしょ」
天乃の視線がふと左足に落ちる
満開による代償となった左足
それも治ってはおらず、動かせないまま
だが、それとは違うと否定する夏凜だが、
天乃とて、同じだと考えているわけではない
天乃『代償じゃないからこそ』
むしろ、超常的な事象による機能不全ではない分
人間の回復力を超えてしまっていた場合、取り戻せない可能性は極めて高いと天乃は思っていた
- 666 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/29(木) 21:53:53.84 ID:HPQRziEdo
-
天乃『病は気から』
夏凜「そう思うんなら、治るって思っておきなさいよ」
天乃『バカって書けばいい?』
夏凜「書いてるんだけど……」
電子パッドの画面、8割近くを占有する大きさで書かれたカタカナ2文字
なぜそうなるのか、言われなければならないのか
察しが悪いからなのだろうと、原因を分かっていても
その理由までは分からずに、夏凜は天乃を観察する
甘い香りが感じられそうな桜色の髪
光の宿る橙色の瞳
赤らんだ頬は、ちょっぴりふっくらとしていて
僅かとはいえ、不満を抱かせてしまっていることは、察する
天乃『治りたい。でも、不安はある』
夏凜「だから――」
天乃『だから』
殴り書きしてまで上回った勢いに遮られ、言葉を詰まらせた夏凜を天乃は一瞥すると
電子パッドをひっくり返して内容を消し、改めて書く
天乃『夏凜が好きだって言ってくれるなら、もう少し強く思える』
- 667 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/29(木) 22:22:22.06 ID:HPQRziEdo
-
夏凜「ごめん……ほんっと、ごめん」
ここまで言われてしまえば―実際には書かれたのだが―嫌でも分かってしまう
見せつけるように電子パッドを突き出している一方で
さっきまで見せていたはずの顔を隠していれば、なおさらだ
治ると思うべきと夏凜は言ったが、そんなことは当たり前で
けれども、それに匹敵しかねない不安が常に渦巻いている
だから、夏凜がどう思っているのかを聞きたかったのだ
好きだと言ってくれれば、当然嬉しい
治りたいと思うし、治るべきだと思うし
病が気からというのであれば、根性のみで治癒能力を高めることも出来るかもしれないほどに
そうでもないと言うのなら、諦めもつく
幸いとは言うべきではないが、
電子パッドがあれば意思疎通は可能だし、表情を作ることくらいは出来るため、
必ずしも発声でのコミュニケーションが必要というわけではない
天乃『謝って欲しいわけじゃない』
夏凜「それはそう、なんだけど……まぁ、その……あれよ」
仮にも恋人であるなら、察して答えるのが普通だった
いや、考えるまでもなく伝えるべきだった
夏凜「もはや言っても遅いかもしれないけど、名前を呼ぶ嬉しそうな声がもう一度聞きたい」
天乃「っ」
夏凜「なんて、思ってたり……して、る。けど」
片言、あわせない視線
嘘ついているとも捉えられかねないみっともなさではあるものの
夏凜にとっては、不意を突かれればそれが最大限なのだろう
天乃『ばーか』
ひらがな一言
電子パッドの裏で、きゅっと瞼と唇を閉じる少女の顔色は、影に覆われていても色づいているのが分かるものだった
- 668 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/29(木) 22:28:46.54 ID:HPQRziEdo
-
では途中ですが、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 669 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/29(木) 22:33:58.11 ID:tJJMHsN4O
- 乙
久遠さんの体が完全に戻らなかったら報われないよな…
なんとかしてくれ神樹様
- 670 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/30(金) 08:03:11.15 ID:zStyRnsYO
- 乙
園子が見てたら昇天しそうなイチャイチャだな
- 671 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 21:43:34.86 ID:TJKp0r+So
-
では少しだけ
- 672 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/30(金) 21:46:25.88 ID:vTQiDTTyO
- よっしゃ
- 673 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 22:45:13.59 ID:TJKp0r+So
-
夏凜「馬鹿なのは、否定できないわ」
察しは良いが、察しが悪すぎた
その弁明はする理由もないだろうと、夏凜は嘲笑じみた笑みを浮かべる
とはいえ、今この時間から鬱屈とした空気に浸る意味もなく。
なにより、天乃が空気を悪くするつもりがないのは分かり切っているため
自虐しても仕方がない
夏凜「でも、無茶ぶりはダメって、分かったでしょ?」
天乃『いばられても』
夏凜「事実だから」
戦闘ならばともかく、
こと恋愛において、夏凜は自分が勝っているとは思っていない
素直ではない発言を好意的に受け取ってくれる相手が必要だし
その言葉を素直に叩き直す余裕が必要だ
夏凜「正直、苦手なのよ」
- 674 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 23:08:53.30 ID:TJKp0r+So
-
でも、それを心から喜んでくれる人がいる
たまに、からかう対象として弄ばれることもないではないが
それも、嫌味な感じではない
ほんのりと温かみを感じる柔らかい笑顔を携えている
なら、口下手なことも決して短所とも言えないのではないか
そんなことを考えて、夏凜は天乃を見る
電子パッドの裏に隠れていた顔はいつの間にか出てきていて
赤く染まっているような様子もない
天乃『素直になりたい夏凜ちゃんも好き』
夏凜「……そういうこと平気で言えるあんたが、少しだけうらやましい。なんてね」
天乃『思ってることを言うだけ。いつも思ってることは、意外と簡単に言えるものよ』
夏凜「そういうものなのね」
天乃『そう』
そういうものよ。と、
天乃は音もなく口を動かして、笑みを見せた
- 675 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 23:46:04.61 ID:TJKp0r+So
-
夏凜「それにしても、ずいぶん余裕が出てきたんじゃない?」
天乃『そんなにないわ』
夏凜「戦いの方じゃなくて、そっち」
天乃『多少はね』
夏凜の向けてきた指が電子パッドに向かっているのを辿った天乃は
苦笑しながら、頷く
手に力が戻ってきていることもあって、
不慣れさは感じられるものの、書きやすい
意思疎通もやりやすいし、リハビリにもなる
長く書いたり、漢字を使おうとするのはそれが理由だ
余裕があるかないかで言えば、多少疲れも感じるため、そんなにあるわけではない
天乃『もうすぐだから、言い忘れがないようにしないと』
夏凜「今生の別れじゃないんだから、終わった後に言い忘れたとでも笑えばいいじゃない」
天乃『金曜日にお弁当箱を学校に置き忘れたとして、笑い話で済む?』
夏凜「取りに帰るわね。間違いなく」
例えが悪いのよ。例えが
夏凜は笑って、天乃も小さく笑う
そんな、日常的な時間は退屈などではなく……瞬く間に過ぎて行ってしまうのだった
- 676 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 23:47:03.82 ID:TJKp0r+So
-
√ 2月12日目 昼 (病院) ※日曜日
01〜10 若葉
11〜20
21〜30
31〜40 芽吹
41〜50
51〜60
61〜70 九尾
71〜80
81〜90
91〜00 沙織
↓1
※空白は神婚
- 677 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/30(金) 23:50:30.05 ID:vTQiDTTyO
- あ
- 678 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/30(金) 23:55:32.35 ID:TJKp0r+So
-
ではここまでとさせていただきます
明日はできれば少し早い時間から
若葉と交流後、神婚の儀
- 679 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 00:00:01.95 ID:kTQguUB2O
- 乙
ついに神婚突入か…
直前に若葉はどんな会話するのだろうか
- 680 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 00:39:15.48 ID:Ojth9NjuO
- 乙
いよいよか
勇者部は戦いに行くからそばにいないってことで直前まで若葉が居てくれるのかな
- 681 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/31(土) 21:46:00.36 ID:YmH74cato
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 682 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 21:47:58.82 ID:CwUvKGuTO
- あいよー
- 683 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/31(土) 22:17:53.78 ID:YmH74cato
-
√ 2月12日目 昼 (病院) ※日曜日
大赦からの命令を受けて迎えに来た瞳に連れられて、
久しく乗ることのできなかった車椅子を積むことのできる車に乗り込む
車椅子を積んではいるが、
神婚の儀に連れて行かれる天乃は
自分の足でそこに向かうわけではないだろう
それと一緒に、若葉が車に乗り込む
千景たちは、勇者部のみんなと一緒で、
水都達は一足先に、天乃が向かう先の巫女に紛れ込んでいる
若葉「夏凜達も、来れたらよかったんだが」
天乃『良いのよ。別れじゃないもの』
これは見送りではない
戦いに行くことにはなるが、別れではない
だから、名残惜しむような見送りは必要などないと、
天乃は精一杯の笑みを浮かべて見せる
- 684 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/31(土) 22:53:26.78 ID:YmH74cato
-
若葉「……不安はないか?」
天乃『少しだけ』
若葉「このまま逸れると言う道もある」
天乃『運転してるのは貴女じゃないでしょ?』
若葉「そうだが……」
若葉は静かに呟くと、
手元にあった柄を握り、わずかに刃を露出させる
それがミラー越しに見えたのだろう
瞳が目を見開いた
瞳「ちょ、ちょっと待って! 事故る、事故るから!」
若葉「案ずるな、人を斬るつもりはない」
瞳「なら抜刀する必要ないですよね!?」
若葉「指示に従ってくれれば、不要だ」
瞳「ちょっとぉーっ!」
天乃『冗談はそこまでにしなさい』
- 685 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/31(土) 23:25:04.69 ID:YmH74cato
-
これから向かう場所の厳粛な存在感をぶち壊すかのような賑やかさに満ちていく車内に、
電子パッドを叩く音が響く
ただ書き記すだけでは意味がない
だからこその殴打だが
存外に痛みがあったようで、
天乃は痛みを噛みしめるような表情を見せる
それが効いたのか、若葉は【すまない】と囁き、天乃の手を握る
若葉「大丈夫か?」
天乃「ん」
若葉「……そうは、見えないが」
天乃は大丈夫と頷くけれど
電子パッドに書かない辺り、
手の痛みは見えている以上に刺激が強かったのだろうと若葉は目を細める
ほんの冗談みたいなものだったとはいえ、
やりすぎたと悔いるが、天乃は笑みを見せて首を振る
- 686 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/31(土) 23:52:38.35 ID:YmH74cato
-
天乃『好きよ』
若葉「なっ」
天乃『こういう、空気』
若葉「……だろうと思った」
電子パッドの上でふらつくペンを握る手は、震えている
ただでさえ弱い手が、電子パッドを叩いて傷ついた
そのせいで震える手は、とても儚げに見える
若葉「最後まで一緒にいるわけにはいかないが……心配はいらない」
天乃「?」
若葉「話しただろう? みんなと」
捨てきれない不安はあるが、しかし、未来に希望を持っている勇者部のみんなと
なら、天乃は怯えているわけではないだろう
若葉「きっと、迎えに行くよ」
天乃「………」
1、じゃぁ、私が行くはめになったら、責任とってね?
2、ええ、待ってるわ
3、大丈夫よ。私はそこまで弱くはないわ
4、神樹様を、信じてあげて
↓2
- 687 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 23:57:43.85 ID:Ojth9NjuO
- 1
- 688 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/31(土) 23:59:14.17 ID:CwUvKGuTO
- 1
- 689 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 00:01:52.70 ID:ByjBWaYOo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
- 690 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 00:09:41.02 ID:sxfhvPLvO
- 乙
責任とって結婚だな
- 691 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 00:13:55.49 ID:Zk2Fkz2lO
- 乙
大事な時こそリラックスは重要だよな
あと瞳さんおひさー
- 692 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 15:53:38.99 ID:ByjBWaYOo
-
では少しずつ
- 693 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 16:05:11.70 ID:CB5vxoxcO
- きてたか
- 694 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 16:22:33.62 ID:ByjBWaYOo
-
天乃『じゃぁ、私がいくはめになったら、責任とってね』
若葉「何言ってるんだ。責任は元より取るつもりだぞ」
意味がうまく伝わっていないのだろう
若葉は別の意味での責任を引っ張り出して、困った顔をする
責任を取らないと思っていたのだろうか
そもそも、子供を作っていないのに、責任云々の話になるのだろうか
そんなことを考えて、天乃を見る
天乃『その責任じゃない』
若葉「ん……ん゛ん゛っ!」
咳払い
あからさまな誤魔化しの余韻が消える前に、
若葉は羞恥心に彩られた目を伏せる
若葉「そうか。まぁ、そうだな……すまない」
天乃『でも、合わせて責任とってくれてもいいのよ』
- 695 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 16:42:31.07 ID:ByjBWaYOo
-
天乃『精霊になった若葉なら、子供を作る器官も作れたりするんじゃない?』
若葉「何を言ってるんだ……まったく」
そんなことは無理だ
出来るはずがない
若葉はそう考え、自分の下腹部に目を向ける
若葉は女だ
過去も、今も
それはゆるぎない真実のはずだが、
精霊となった今ならば、生物の枠にとらわれることなく
それを歪めることが出来るのではないか。と
若葉「でも、その可能性も無きにしも非ず。か」
天乃『うん』
若葉「なら、どうだろう? 全てが終わったら試してみる。というのは」
天乃「………」
若葉「出来れば良いのか悪いのか。それは分からないが……なに、天乃は私の子供を産みたいのだろう?」
天乃『そんなこと言ってない』
若葉「言ってるようなものじゃないか」
- 696 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 16:58:02.53 ID:ByjBWaYOo
-
今から穢れを祓うための禊を行おうとしている英雄を
性的な意味で汚そうとしている過去の英霊
それが映る鏡を横目に見る瞳は
車の中で性的な行為を行うようなものあったような気がする。と
夏凜の勉強の一部を覗いた時のことを想起して、苦笑する
夏凜もやろうと思えば、出来るだろう
というより、誘えば乗ってくるかもしれない
だが。
瞳「そういうのは自分の車でやろう? ねっ、誤解される、私が誤解されるからっ!」
若葉「これから戦いに行くんだ。下手に疲れるつもりはない。冗談ですよ」
天乃『えっち』
若葉「するとしても終わってからだ」
天乃『そういうことじゃない』
若葉「子供を作る。というのも冗談だから安心してくれ」
それが無理とは思っていないが、
双子を妊娠している際の天乃の苦しみを知っていては
子供を産ませるなんて、出来ない
- 697 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 17:43:32.31 ID:ByjBWaYOo
-
若葉「天乃、神樹様を救うのは、有難い」
天乃「?」
若葉「だが、くれぐれも無理はしないで欲しい」
神樹様が無理難題を押し付けてくるとは思っていない
しかし、人間の基準と、
神様の基準には、どうしようもない差があることだろう
だから、無理だと思ったら諦めて欲しい
若葉は悪いと思いつつも、
天乃が天乃自身のことを優先してくれるようにと、願う
夏凜には、自信を感じる表情を見せていた
だとしても。
若葉「世界はあまりにも、天乃に厳しすぎる」
天乃「………」
若葉「それは神様も例外ではない。それを、忘れないで欲しい」
- 698 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 18:02:09.83 ID:ByjBWaYOo
-
天乃『大丈夫、みんながいるもの』
若葉「……そうか」
そうだな。と、若葉は微笑む
杞憂であることを願う
だがきっと、この戦いは一筋縄ではいかないことだろう
大赦は天乃が神婚の儀を受け入れ
何事もなく終わると考えているだろうか?
考えていようが、いまいが
きっと、成立するという想定で動くはず
若葉「頑張ってくれ。なんて言葉は相応しくないな」
天乃『愛してる。とでも言って抱いてくれてもいいのよ?』
若葉「別れみたいで、好きじゃないな」
ロマンがあるかないかで言えばあるかもしれないけれど
命を懸けるべき戦いの前で、それは少し不謹慎だからと、
若葉は天乃の手を握るのみに、控えた
- 699 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 18:30:43.31 ID:ByjBWaYOo
-
√ 2月12日目 昼 () ※日曜日
運転手である瞳、精霊である若葉
二人の手を離れた天乃は、身を清め、整える手伝いをする巫女と
連れ立って歩く神官たちの担ぐ神輿に納められ、
禊を行うための場所へと向かう
車椅子は俗世の物
それでは不敬であるとされたのだろうが、
乗りなれない神輿の揺れは不安定で、
天乃は乗り物酔いでもしそうだと、顔を顰める
電子パッドも取り上げられてしまった
水都と沙織が紛れているが、
それ以外の巫女や神官には、
天乃の表情だけでは意思を伝えるなど不可能だろう
天乃「…………」
若葉の触れてくれていた手の温もりがだんだんと薄れていく
でも、不安に満ちてしまうことは、ない
- 700 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 19:12:35.50 ID:ByjBWaYOo
-
天乃「っ」
禊を行うために衣服を脱がされ、
流れ落ちる滝によってため込まれた冷たい水の中へと、落とされる
身を清めるための神聖な水
だが、汚れに満ちているはずの天乃の体は拒絶するような反応もなく
ただ、水の冷たい刺激が神経を震わせる
天乃「………」
水都「……体を清めます。従ってください」
沙織「あたしたちがやるから、安心してね」
他の人たちには絶対に触らせまいとしたのだろう
何があったのかは分からないが、
力が不足していて満足に身を清められない天乃と連れたって入ってきた巫女の二人は
天乃の精霊である、水都と沙織だった
真面目に緊張感のある声を出す水都の一方で
沙織は殆どいつもと変わらない調子だ
天乃「…………」
沙織「……やばい、ちょっとエッチな気分になりそう」
水都「自重してください。今はふざけてる場合じゃないんですから」
沙織「だって、こんな大自然で全裸なんだよ? ほら、この珠の――」
水都「一応、神聖な場所なんですから、煩悩を静めてください」
- 701 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 19:30:49.91 ID:ByjBWaYOo
-
こそこそとした話し声は水の流れる音にかき消されているのか、
は織物の準備に移っているほかの巫女たちの耳には届いているような様子はなく
煩悩が横にあると知ってしまった水都だけが
心労を感じるため息をつく
緊張感を持つべき場面だ
ここで粗相があれば、神樹様が神婚自体を受け入れない可能性がある
沙織からしてみれば
天乃の神婚が無くなると言うことで、
歓喜もするようなことなのだろうが。
それでは、神樹様を救うと言うことは夢物語に終わってしまう
それは、望む結末ではない
水都「久遠さんの体が魅力いっぱいなのは理解してますが、ここは、ね?」
沙織「……分かってる」
天乃「ん……」
分かっていると言いながら、
手つきがいやらしいのは指摘すべきかしないべきか
天乃は沙織のいつもらしさに、甘んじることにした
- 702 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 20:00:07.04 ID:ByjBWaYOo
-
√ 2月12日目 昼 () ※日曜日
01〜10
11〜20
21〜30 九尾
31〜40
41〜50
51〜60
61〜70
71〜80 千景
81〜90
91〜00
↓1
- 703 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 20:02:21.01 ID:CB5vxoxcO
- あ
- 704 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 20:11:06.08 ID:ByjBWaYOo
-
では、少し中断します
21時頃に再開する予定です
- 705 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 20:14:15.06 ID:CB5vxoxcO
- 一旦乙
安定のさおりん
- 706 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 21:09:40.53 ID:ByjBWaYOo
-
ではもう少しだけ
- 707 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 21:25:15.00 ID:ByjBWaYOo
-
「では、久遠様」
ここから先は、一人で向かわなければならないと、送り出される
左足が動かせなくても、松葉杖はない
もちろん、車椅子もない
神婚の儀に向かうための装束に着替えさせられた天乃は、
右足に体重をかける形で、無理やりに地に立つ
水都「久遠さん……」
沙織「大丈夫」
禊の時とは打って変わって
不安そうな声を絞り出す水都を、沙織は抱き寄せる
歌野を見送った記憶が、想起されているのかもしれない
だけど、その時とは違う
一人じゃない
みんながいる。希望がある
だから
天乃「………」
天乃は何とか振り返ると、
二人に向かって微笑み、手を振る
大丈夫。そう、想いを届けるために
- 708 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 21:42:13.35 ID:ByjBWaYOo
-
天乃が神婚の儀に向かう一方で、
夏凜達はかつて、天乃達が護ろうとした大橋へと向かう
九尾や歌野達の観測から敵が現れるであろう方角を推測し、
その最も適した場所が、大橋であると考えたのだ
夏凜「今頃、天乃は禊を終えてる頃よね」
東郷「沙織さん達が、少しうらやましいわね」
友奈「じゃぁ、全部終わったら、みんなで温泉に行こうよ」
風「あぁ……いいわね。自腹になるかもだけど」
体を自由に動かすほどの力がない天乃は、
禊でさえも、人の手を借りなければ行うことは出来ない
それに手を貸すのは、きっと、あの二人
だから、東郷達は全部終わった後の温泉で、
天乃の体に触れようと画策する
そんなことしなくても、天乃ならば求めれば受け入れてくれるだろうが、
やはり、驚く顔も愛らしいと思う東郷としてはそういうこともやめられない
樹「久遠先輩の体って、東郷先輩と同じくらい白いですよね」
東郷「でも、久遠先輩の方が綺麗よ。何というか、こう……」
夏凜「東郷はバラ、天乃は百合だしね」
東郷「それは、貶されているの?」
今日滅ぶか否かの瀬戸際の世界で、
それを知りながら、バカげたことを考えている勇者を咎める声はない
- 709 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 21:51:03.08 ID:ByjBWaYOo
-
樹「百合の花言葉って、久遠先輩にぴったりな気がします」
どんな色であっても
百合は純粋と、無垢、白百合は純潔と、威厳
黄色の百合は、陽気、オレンジ色は、華麗
そして、天乃の髪色でもあるピンク色の百合は……虚栄
いい意味でも、悪い意味でも
天乃はそんな人だった
風「なによ夏凜、あんた花言葉の勉強してるの?」
夏凜「勉強なんてしてないわよ。見たことあるだけ」
東郷「夏凜ちゃんは勤勉だものね」
夏凜「なによ。その顔」
ちょっとばかり悪い笑顔を見せる東郷に、
夏凜はにらみを利かせた視線を送るが、
間にいた園子の笑顔が、遮る
園子「女の子同士の【ユリ】を調べてたんだよね〜?」
夏凜「んなっ」
樹「あっ図星だ」
風「ずぼっしーだ」
夏凜「活きの良い喧嘩じゃない、よし表出ろぉっ!」
- 710 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 22:15:39.03 ID:ByjBWaYOo
-
天乃が神婚の儀に向かっている不安をかき消そうとしているかのような、賑やかさ
笑顔はあるが、恐れもある
しかし、そればかりではいられない
なにより、多少の余裕がある方が、勇者部は最も力を発揮できる
園子「天さんには聞かせられないねぇ〜」
夏凜「天乃は天乃で、ああ見えてボケに回ると言うか……全力で楽しみに来るから」
困ったものだと、夏凜が悪態をついた瞬間に……それは訪れた
夏凜「なに!?」
地を割くような、轟き
天をも穿つような、轟音
夏凜達の乗っていたバスは突然の揺れにハンドルを抑えきれず、
ブレーキがかかる前にガードレールに突っ込んでいく
友奈「きゃぁぁぁぁっ」
風「ちょっ、友奈っ!」
園子「だめっ!」
衝突は衝突を生み
バスの中には悲鳴と荷物が飛び交い
小さな体の子供さえ、座席から浮き上がる
樹「間に合ってッ!」
樹が慌てて勇者の力を展開し、
車外に吹き飛びそうな子供や、友奈の体を捉える
だが、それでバスが停まるわけではない
勢いを殺しきれず電柱へと衝突し、横転へと傾く
けれど、バスは倒れることなく斜めのままに停まる
恐る恐ると顔を上げた人々の視界の先で、
大きな狐がバスを支え、赤い瞳が車内を覗く
天乃の精霊である、九尾だ
九尾「呆けるな小娘共! 奴が来ておる。さっさと出てこんか!」
九尾が本来の姿で姿を見せたということは――つまり、戦いが始まることを示していた
- 711 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/01(日) 22:20:52.06 ID:ByjBWaYOo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 712 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 22:26:16.75 ID:VSUjA16aO
- 乙
煩悩じみた話から一転、決戦の時が…
久遠さんと勇者部の視点どちらも気になるなぁ
- 713 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/01(日) 23:59:33.97 ID:sxfhvPLvO
- 乙
まさかのバス直接攻撃
- 714 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/02(月) 22:40:21.70 ID:UzHDRn3io
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日は出来れば、通常時間から
- 715 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/02(月) 23:16:33.47 ID:xGQg39/mO
- 乙ですー
- 716 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 20:52:23.53 ID:jHir5TOjo
-
では少しだけ
- 717 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/03(火) 20:58:21.16 ID:tjdhlT4JO
- あいあいさ
- 718 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 21:11:37.02 ID:jHir5TOjo
-
焼け爛れていく肌のような不気味な空模様
傷口から溢れ出てくる血にも似た悍ましさを感じさせる何かが、ゆっくり、ゆっくりと
世界の縁、神樹様の根が作る壁の向こう側から、入り込んでくる
空を覆うその姿は、まさしく……天の神のようで
息を飲む人々の傍ら、勇者部の面々の傍に姿を見せた若葉達は各々の手にする武器を強く握る
かつて、絶望が空を覆いつくした
人々の心に大きな爪痕を残したその出来事は、天空恐怖症候群と呼ばれた
しかし、それは子供のお遊びでしかなかったのかと、若葉は歯を食いしばる
吹く風は結界外の炎を巻き込んだのか、熱く
肌に纏わりつくようにして抜けていく
総毛立つ空気感、目を覆いたくなるような超常的な現象
事態を飲み込めない人々の、しかし、本能的に畏れを抱く心の小さな呟きが聞こえてくる
若葉「ぐ……」
勝てるのか?
無事で済むのか?
生半可な未来像など、抱いている余裕なんてなかったんじゃないか?
強く持とうとしていた心に、皹が入る
だが――
歌野「ノープロブレム!」
若葉「!」
その絶望的状況の中、たった一人の勇者として人々を守り続けた勇者、白鳥歌野の声が轟く
歌野「みんながいる。そうでしょ? 若葉!」
- 719 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 21:32:29.27 ID:jHir5TOjo
-
力強い言葉を裏付けるように、千景が、球子が、
そして、今を生きている勇者部の面々が頷く
夏凜「私達が目指してることが簡単なことじゃないってことくらい、初めから分かってたことじゃない」
球子「それでも、タマ達はやるって決めた。そうだろ?」
若葉「………ああ」
柄を強く握りしめていた手を解き、胸に押し当てて……握りこむ
恐れに膨れ上がっていた心臓の音が鎮まっていくのが伝わってくる
確かに、天を覆う恐怖は絶大だ
だが、天はこちらにある
そして、ここで負ければその天までもが天の神によって奪われてしまう
人間は弱い
勇者とて、力をあるだけの人間であり
弱者である事には変わりがないだろう
しかし、だけど、だとしても
隣に友がいるのならば
心に想う人がいるのならば
若葉「そうだ。そうだな……何を、恐れる必要がある」
園子「怖い思いはもう、こりごりだねぇ〜」
若葉「全てはこの日の為にあったんだ――行くぞッ!」
立ち向かえない道理など、あるはずもなかった
- 720 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 21:59:08.52 ID:jHir5TOjo
-
天の神の力は絶大で、
天の神の姿を現した世界は追い込まれるように樹海化していき、
やがて、世界は完全に、いつもの戦いの場へと変化した
千景「………」
神樹様の樹海化は間に合わず、その姿は人々の目に映り
その存在は明るみに出た
樹海化するまでほんの数分間だったし、
戦いが無事に終われば、人々にとっては瞬く間に終わった出来事でしかないかもしれない
これが架空の世界であれば
人々の祈りが、願いが、勇者の力になることだろう
しかし、この戦いは人類の存亡をかけたものではあるが
勇者達にあるのは、自分たちの我儘だけだ
千景「……最終決戦が、ヒーローの我儘の戦いなんてクレームものよね」
樹「そうでしょうか」
ヒーローだから
勇者だから
我儘なんて言うなと、心に蓋をさせるのなら
もし、人々がそんな物語を望んでいるのだとしたら
それは、神々に滅ぼされても仕方がないのではないかと、樹は思う
友奈「ヒーローだって人なんだ。生きてるんだ……だから、おかしくなんてないよ」
- 721 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 22:30:50.61 ID:jHir5TOjo
-
隣に立つ友奈の優しく、力のある声に樹は目を向ける
最終決戦と呼ぶべき過去最大の敵を前にしての笑顔は、
勇者となっているときの桃色の髪も相極まって、追い続けている先輩のようで
樹は、思わず笑みを浮かべる
樹「そうですね。きっと、久遠先輩も同じようなこと言うと思います」
千景「久遠さんなら、どう言うかしら」
無欲がヒーローの条件だと言うのなら、私は悪役で良い
もしかしたら、あっけらかんとそんなことを言いながら、満面の笑みを浮かべてくるかもしれない
そしてきっと、「私は大赦に嫌われてるし」なんて、皮肉をぼやくのだ
風「ありえる」
球子「なんだなんだ何の話してるんだ?」
夏凜「不真面目な話でしょ。どうせ」
気を引き締めてかかるべきこの場面で、この気軽さ
けれど、各々に責任を感じていて、重みを感じていて
だからこそ、隣り合う勇者達との、勇者部らしい他愛のなさを欲しているのだろう
それを思い、本来ならば自分の前に、あるいは傍らにいたはずの愛すべき勇者をその目に見て
夏凜はいないと分かっていながら、微笑みを向ける
夏凜「ま、なんとかなるでしょ」
軽口一つ、両手にそれぞれ刀を握り
心の内から燃え上がっていきそうな活力を胸に秘めて
夏凜「古今無双、久遠天乃が伴侶――三好夏凜、参る!」
周囲から「ここぞとばかりに」というような笑い交じりの呟きが聞こえたが
夏凜は天の神が最も忌まわしく思っているであろう存在であり、
自分が心に抱く想い人の名を力強く告げ、切っ先を天を覆う存在へと差し向けた
- 722 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/03(火) 22:39:27.91 ID:jHir5TOjo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から
- 723 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/03(火) 22:47:44.06 ID:umClreUmO
- 乙
いよいよ始まったか
- 724 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/03(火) 22:50:02.11 ID:tjdhlT4JO
- 乙
ついに天の神がお出ましか…
久々に戦闘パートになるのかな
- 725 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/04(水) 08:01:58.79 ID:GvlaeNrWO
- 乙
全員ではないが精霊とはいえ天の神との戦いに西暦勇者も参戦するのは熱い展開だな
- 726 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 22:10:14.26 ID:vodSlRkjo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 727 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/05(木) 22:13:29.25 ID:3F4itjXkO
- やったぜ
- 728 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 22:36:16.70 ID:vodSlRkjo
-
若葉「天乃は神樹様にたどり着いては……ないな」
千景「まだ、神樹様と距離はあるわね」
球子「防人か?」
風「天乃に何かあった?」
歌野「神樹様に近づくスピードが変わらないのよ」
結界の中というのもあって、
神樹様の力は全体に満ち満ちているが、
それでも、神樹様の源がある場所は目に見えているし、
一際強い力も感じる
そこに近づく主たる天乃の力はそこまで強くはないが
ゆっくりと、しかし一定の速度で移動を続けている
何らかのサポートがあるのは確実だが
それが何なのか、掴めない
夏凜「防人なら集団でしょ? 点々と力を感じないなら、神樹様本人……本木? じゃないの?」
友奈「意外に、木の根っこが移動してたり」
園子「そんな感じはするね〜」
- 729 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 23:01:01.68 ID:vodSlRkjo
-
目の前の難敵よりも、天乃の心配
遅れはしたものの、
樹海化したことで、生身の一般人が直接傷を負うことこそなくなったが
今は微弱な力となっている天乃が狙われやすく、危うさが増したのは、不安になってしまう
だからと言って、そればかりに気を取られているわけにもいかない
夏凜「東郷達は後ろから援護、満開を使った組は出来る限り後ろにいる事。いい?」
風「出し惜しみしてられないでしょ」
樹「でも、満開を使っちゃってると、精霊に守って貰えないよ」
東郷「そうね……でも、私や球子さんはともかく、そのっちや風先輩……特に夏凜ちゃんや友奈ちゃんは無理だわ」
遠距離や中距離組ならば
まだ、何とか戦うすべを持っているが、
近距離である夏凜達や、拳というほぼ0距離で戦わなければならない友奈なんかは、
満開をしたからと言って後ろに下がっていては、戦いようがない
それに、近づかなければどうとでもなる。なんて、安易な相手ではないだろう
- 730 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 23:27:09.90 ID:vodSlRkjo
-
風「みんな、準備は良い?」
ここから先は、チームとしての連携も必要な場面はあるが
個々の能力でしのがなければならない場面が多くあることだろう
だが、みんなの表情は力強い
必ず勝つと、生き残ると
若葉「西暦に散った身なれど、魂はここにある。ならば、果たすべき誓いもまた、ここにある」
球子「今度は、絶対に守って見せる」
千景「……そうね。負ける気はないわ」
歌野「ワンフォーオール、オールフォーワン。何とかなるわ」
西暦に生きた、勇者達
各々の思いを抱く先代の頼もしさを背に、
現代を生きる友奈たちは前を向く
友奈「久遠先輩が帰ってくるまでが戦いです」
風「別に、アレを倒して終わらせてもいいんでしょ?」
夏凜「出来るならね。まぁ……一筋縄にはいかないでしょうけど」
樹「それでも、やれることをやりつくすまで、戦うだけです」
園子「ボロボロになってもいい。でも、死んだりするのは……駄目だよ」
東郷「そのっちの言う通り」
あの日、銀を失った悲しみを、嘆きを
もう二度と、味わうことがないように
この世界が滅び、もう二度と、楽しむことが出来なくなってしまわないように
風「勇者部……ッ!」
ファイト!!! と、全員が口をそろえて、声を上げた
- 731 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 23:39:49.11 ID:vodSlRkjo
-
1、移動
2、作戦
3、一時待機(敵が先攻)
4、戦闘おまかせ(久遠さん側に移ります)
↓2
※3、4以外は再度安価
※MAP:https://i.imgur.com/V35FniC.png
- 732 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/05(木) 23:43:52.76 ID:3F4itjXkO
- 2
- 733 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/05(木) 23:48:08.45 ID:LrBOyj/z0
- 2
- 734 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/05(木) 23:48:28.69 ID:vodSlRkjo
-
1、ガンガン攻める
2、散開し、包囲する
3、慎重に行動する(移動マスを少なく、敵の動きに合わせて変動)
4、命を大事に(移動を控え、敵の動きに合わせる)
↓2
- 735 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/05(木) 23:50:54.03 ID:LrBOyj/z0
- 2
- 736 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/05(木) 23:53:03.54 ID:FKJ5UHBQO
- 4
- 737 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/06(金) 00:01:48.97 ID:RVgcAOBFo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 738 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/06(金) 00:07:27.18 ID:M3gvj3upO
- 乙
絶対に生きて帰るぞ…!
あと戦闘の合間に久遠さんパートもあるのだろうか
- 739 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/06(金) 07:59:16.31 ID:S12e0145O
- 乙
1ターン目から侵食率ヤバくね…?
- 740 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/06(金) 23:21:43.83 ID:RVgcAOBFo
-
すみませんが本日はお休みとなります
明日、出来れば少し早い時間から
- 741 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/07(土) 05:55:48.70 ID:HNCqS6P+O
- 乙
- 742 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/07(土) 21:30:26.15 ID:oyZg6/seo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 743 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/07(土) 21:38:29.55 ID:bRy/Kgs0O
- きてたか
- 744 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/07(土) 22:33:23.92 ID:oyZg6/seo
-
言わずもがな、作戦は命を大事に
敵の動き、攻撃
些細なことにも油断せずに、確実に生き残るための行動に徹する
単独での行動は控えるべきだが、
まとまっていると、それだけ攻撃も集中することになる
程よく散開し、カバーしあえる程度の距離を保って戦うべきだろう
夏凜「……とはいえ、初見。なのよね」
戦い慣れた……というほどではないけれど、
見覚えのあるバーテックスであれば
多少、適切な戦い方というのも分かっているし、考えることも出来る
しかし、大ボスたる天の神の化身が相手では
こんな攻撃をしてくる。こう動けばいい
ここが弱点だ。という話もない
そんな状況で、精霊に守って貰えなくなることもあるのだから
満開もここぞという状況まで温存すべきか
風「夏凜、どう?」
夏凜「どうも何も、下手に攻撃すべきじゃないでしょうね」
- 745 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/07(土) 23:09:42.57 ID:oyZg6/seo
-
勇者は普通、空を飛ぶことは出来ない
各々が満開を使うことで、
ある程度空中戦に対応することも不可能ではないが、
基本は跳躍での戦闘になってしまう
それでは、天を戴く神の力に抗うことは出来ない
友奈「どんどん進んでくる……このままじゃ、久遠先輩のところに行かれちゃうよ」
東郷「まだ、私の最大出力よりも遠いわ」
威嚇射撃――神様に威嚇というのもおかしな話だが、
牽制する攻撃も不可能だ
高く、遠すぎる
では、どうするか
夏凜「さっき話した通り、回避優先。し過ぎずやらなすぎずの散開でr程度の距離を保つ。できる?」
東郷「努力する」
一番、移動力のない東郷は、目を向けてきた夏凜に頷いて答える
広範囲の集中砲火を浴びせられた場合、高確率で回避が難しい
もっとも、足が動かせるようになったことで
以前と比べればだいぶマシではあるが、治ってからさほどリハビリできていない現状
全力での行動は避けたいのが心情だ
もちろん、必要であれば、壊れてしまうほどの全力も辞さないが。
- 746 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/07(土) 23:50:12.87 ID:oyZg6/seo
-
若葉「行くか、待つか」
球子「好機は寝て待てっていうけどな」
千景「果報は寝て待て。よ。土居さん」
樹「運に任せていたら、神様には勝てないと思います」
とても自然に、樹はそう口にした
最近はおどおどすることもなく、
中学生というより、もうちょっと大人びた雰囲気を感じさせる樹は
神を見上げ、力のある瞳でそれをしっかりと見つめる
樹「待つのは、久遠先輩でこりごりです」
風「……立派なこと言うと思ったら、それが本音?」
樹「えへへ」
歌野「じゃぁ、どうする? 行く?」
夏凜「慎重にって、話したばっかりなんだけど」
1、移動
2、敵の行動を待つ
3、精神:加速(移動力+2)
↓2
- 747 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/07(土) 23:54:52.73 ID:Xx1zTkB7O
- 3
- 748 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/07(土) 23:58:08.03 ID:OZ3BWMKI0
- 3
- 749 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 00:10:32.45 ID:g8fALRkeo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば昼頃から
戦闘開始
- 750 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 00:21:40.02 ID:0QP2y7soO
- 乙
久遠さんが神樹様のところにたどり着くにはどれくらいかかるんだろうか
天の神が倒せなくても久遠さんが間に合えばなんとかなる?
- 751 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 03:26:19.84 ID:iytGA+Q8O
- 乙
久遠さんの情報が入ってこなくてドキドキするな
逆にピンチもあり得るのでは?
- 752 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 14:15:32.18 ID:g8fALRkeo
-
では少しずつ
- 753 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 14:16:20.88 ID:LcVDtdC5O
- よしきた
- 754 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 14:45:13.16 ID:g8fALRkeo
-
夏凜「とにかく、集中」
体の中に廻る力に意識を集中していく
神樹様の力と、天乃から分け与えられた力
目に見える場所にいなくとも
すぐそばで支えてくれる、とても強い力
夏凜「天乃、私は、私のできることを」
足へと力を集中し、自分の出せる限界を超えさせる
逃げ切れない、届かない
そんな後悔するわけにはいかない
なれば、力の限りを尽くそう
踏みしめる樹海の根が、ミシリと音を立てる
そこまで強く踏んだつもりはない
けれど、込めた力が想像を超えていく
夏凜「……成せば、なる」
- 755 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 14:59:53.82 ID:g8fALRkeo
-
1、移動
2、敵の行動を待つ
↓2
https://i.imgur.com/bF7UmMj.png
- 756 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 15:14:38.81 ID:LcVDtdC5O
- 2
- 757 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 15:17:41.15 ID:7GW8t2I6O
- 1
- 758 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 15:26:54.57 ID:g8fALRkeo
-
1、最前線(J7:最大距離)
2、その他(マップより指定)
↓2
→MAP:https://i.imgur.com/bF7UmMj.png
- 759 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 15:33:31.87 ID:2nagK/VYO
- 1
- 760 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 15:34:21.78 ID:0PfFQUZS0
- 1
- 761 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 16:06:32.85 ID:g8fALRkeo
-
夏凜「私が先攻する! 友奈たちは様子を見ながら散開!」
風「ちょっ、夏凜!」
風達の声を置き去りに、駆け抜けていく
みんなに慎重にと言っておきながら
一人先行して抜けていくのは裏切り行為だろうか
いや、愚かな行為だろうか
だが、一人駆け抜けていけば、敵の目はそこに向く
嫌でもだ
例え神であり、人間など虫けらのようなものだと認識しているとしても
僅かでも神の力を借り受けた勇者を無視は出来ないだろう
満開を使うのが一番だが、それはここぞと言うときに取っておきたい
園子「にぼっしーっ!」
夏凜「………」
園子の声は、良く聞こえる
悲痛さのある叫びは、三ノ輪銀を重ねてのことだろう
だが、止まるわけにはいかない
- 762 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 16:51:32.96 ID:g8fALRkeo
-
近づくにつれて、天の神の化身の姿がより大きくなっていくように感じる
空を覆う姿はまさしく神だ
だとして、だからと言って、止まる足はない
天乃と約束をしたのだ
必ず生き残ると
夏凜「はっ……」
若葉達だけでなく、
友奈たちがどこに向かっていくのかを、感じる
満ち満ちた神樹様の力ではなく、譲り受けた天乃の力のおかげだろう
若葉達精霊が天乃の力で互いの位置を把握していたのと同じ効果が、
今は、夏凜達に与えられているのだ
夏凜「……助かる」
歌野と樹が右翼、園子は中寄りの右翼
友奈、若葉、千景が左翼
風は中央突破で夏凜の後ろに続き、
東郷は後衛に少し下がって、最終的な防衛ラインを築く
球子はその東郷を守るように立つ
- 763 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 17:50:36.46 ID:g8fALRkeo
-
園子「にぼっしー……」
独断専行、天乃に告げ口すれば叱って貰えるだろうか
そんなことを考えながら、急いで夏凜の後を追う園子は、
先に見える紅き勇者に、かつての友を幻視する
まだ、精霊による加護も無い頃の戦い
当たれば大怪我では済まない中、
武器の効果を前回にまで引き出し
降り注ぐ死の雨を傘のように広げた槍で防ぎ続けていたのだから
無力だったとは言えないだろう
けれど、園子は自分が有力だったとは思えない
力があれば、守れたのだ
力がなかったから、失ったのだ
けれど、それを気負って死に向かうことなどする気はない
背負って一人、駆け抜けていった友がいた
その背を負うように、罪を背負って迷わず歩いていく先輩がいた
園子「だからね、その背中は晒しちゃいけない」
背中を任せる人が必要なのだ
戦場だろうと、日常だろうと
どこでだって、その手に余ることがあるのだから
一緒に抱えてくれる仲間が、必要なのだ
- 764 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 18:15:53.82 ID:g8fALRkeo
-
全力で追いかける
追いかけ、辿り着いても敵の攻撃が一度は挟まってしまうかもしれない
夏凜の早さなら、回避できないこともないだろうが
敵の攻撃が全く予想もつかない以上
絶対はないと思っていたほうが良いだろう
だが、ある程度の推測ができる
バーテックスの集合体たるレオ・スタークラスターは
吸収したバーテックスの技を使用することが出来る
であれば、親玉であるあの円盤はすべての攻撃を可能とし、
その威力も、範囲も、何も
全てを超越していることだろう
園子「……ゆーゆたちは反対側、うたのんいっつんの師弟ペアが私達を追いかけてきてる。か」
どこを狙ってくるか
煩わしさで言えば、真っ先に向かってきている夏凜かもしれないが
合理的に考えれば、まとまって潰せるところを狙ってくるだろう
園子「にぼっしー、無理はしないで」
- 765 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 18:24:48.29 ID:g8fALRkeo
-
それぞれが、配置につき始める
回避を捨てる覚悟で刀を手に突貫すれば、攻撃の一つも放てるだろう
だが、届くだろうか
天を戴く神々の化身に
夏凜「…………」
単独で先行しておきながら。とは思うが、
怖気づいているわけじゃない
無茶はしても無理はしない
そうしなければ、守り抜くことは出来ないが、生き残ることも出来ないのだ
満開を使っていなければ、精霊の加護が与えられる
だが、それも完全ではなく、万全でもない
もはやひび割れた盾だ
夏凜「どうする」
動くか、留まるか
先手必勝とは言うが、後手必敗とは限らない
1、攻撃(突撃:威力300)
2、待機(回避+5)
↓2
- 766 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 18:30:12.77 ID:n9rV/PnbO
- 2
- 767 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 18:33:48.00 ID:xV4f9159O
- 2
- 768 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 19:20:06.93 ID:g8fALRkeo
-
????→夏凜 命中判定↓1 01〜49 命中 ぞろ目切り払い
- 769 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 19:20:46.49 ID:M+OYUvyOO
- あ
- 770 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 19:56:19.56 ID:g8fALRkeo
-
血生臭く染まった空
台風の目のような中心部が、光を放つ
夏凜「!」
何かが来る
直観的に判断した夏凜が下がった瞬間、目の前を一筋の光が貫く
それは、精錬されたスコーピオンの槍のように凶悪な輝きを放ち、
撃ち貫いた樹海の根の命を削り取る
夏凜「来い……こっちにこいッ!」
その声が届いたのか、届いていないのか
定かなのは、敵の目は夏凜に向いていると言うことだ
一筋だった光は、流星群のように降り注ぐ
ごくりと息を飲み、肺の時間を止める
日本刀を握る左右の手に呑み神経を集中させる
回避をすべく足を止めたが、回避は無理だ
であれば、すべきことはただ一つ
杭を打ったように足を止め、枯れた木の根がぐりゅりと抉れるのを足に感じる
- 771 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 20:12:43.25 ID:g8fALRkeo
- 夏凜に203ダメージ
夏凜「ふっ……ッ!」
右手の一振りで、数本の槍を薙ぎ払う
次の数本を、左手で薙ぎ払う
少しずつ、少しずつ
切り払う速度を上げていく
夏凜「このぉぉぉぉッ!」
切り払う速度を上回って降り注ぐ残酷な光の雨が、
だんだんと疲弊した夏凜の刀を――砕く
夏凜「くっ」
頬を掠り、手首を貫き、足を穿つ
精霊の加護はあるが、それを容赦なく貫いてくるのだ
夏凜「まだっ、まだっ、まだだぁぁぁぁぁッ!」
追加で呼び出した刀の鍔元が穿たれ、吹き飛ぶ
武器一つとなった夏凜は、防ぎきれない一撃を受け、膝をつく
滴るのは汗ではなく、夏凜の血
まだ赤く、汗で少しばかり薄れた血
夏凜「かふっ……ふっ……わ、たしは……ッ!」
穢れ切った樹海の根を踏み、力を込めて、ふらつく体を起こしていく
まだ、終われない。始まったばかりなのだ
たった一撃に屈していたら、勝つことなど、出来ない
- 772 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 20:34:38.14 ID:g8fALRkeo
-
夏凜「……っ」
左手が、震える
手首を貫かれたせいだろう
力を入れようとすると痛みが鋭く迸り
木を強く持っていないと、刀を取りこぼしてしまいそうな不安が残る
足も痛い
呼吸するのも、辛い
夏凜「だと……してもっ……ごぷっ」
これが、本当の戦い
体は実際に傷つくし
簡単に血が流れてしまう
そして、同じくらいに容易く、命を落としてしまうのだろう
夏凜「わたしは……私は」
刀を突きさし、体を支える
たった一度の攻撃で、酷く、弱ってしまった
だが、だとしても
夏凜「……まだ、死ねないッ!」
- 773 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 21:25:16.53 ID:g8fALRkeo
-
友奈「夏凜ちゃん……」
夏凜の中に感じる力が、大きく削がれたのを感じた
きっと、血が流れたのだ
みんなもそうだが、夏凜の中に宿る力は二種類ある
一つは元々借り受けている神樹様の力
そしてもう一つが、久遠家という【血族】の力
友奈「久遠先輩の力、怪我すると弱るんだ」
流れる血液は、ある意味では生命力ともいえるだろう
天乃の力は、その生命力を消費しての行使に近いため
怪我をすればするほど、その力は弱まっていく
天乃のように、自ら作り出すわけではない夏凜達だからこその、欠点だ
若葉「友奈! 無理に先行するな! 相手の出方を待て!」
友奈「無理に攻撃はしません」
若葉「天乃はきっと戻ってくる。戻るまで耐えれば、私達の勝ちだ」
友奈「倒せませんか?」
若葉「口だけでなら」
友奈「……そうですか」
これが夏凜ならあるいは、天乃なら
油断はしたくないからとかいうだろうし、にこやかな笑みを浮かべているかもしれない
だが、若葉は真剣な表情を崩さない
だから、それは偽りなく本心だと友奈は感じた
- 774 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 21:47:51.58 ID:g8fALRkeo
-
若葉「………」
友奈には、嘘をついてよかったのかもしれないと、
その背中を見ながら、若葉は口惜しむ
だが、その小さな嘘で何が護れるのか
たった一瞬、士気を維持できたからと言って
戦局を覆されることなく、
天乃が戻ってくるまでの時間稼ぎを完遂できるだろうか
答えは、否だ
若葉「……不甲斐ない先輩で済まない」
だが、不甲斐ないなりに先輩だ
そして、天乃の力を色濃く借り受けている勇者
この場で最も、力を発揮できるのだ
それは、後ろからついてきている千景が一番ではあるのだろうが、
それでも、負けるつもりはない
若葉「欲するは命、ならば、懸けるべくもこの命だろうッ!」
勇者たちの満開
それと匹敵するほどの力を得られる切り札
それを胸に、若葉は駆け抜けていく
- 775 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 21:56:11.85 ID:g8fALRkeo
-
1、剣撃(威力1200・CRT+15)
2、精神コマンド
3、待機
→MAP:https://i.imgur.com/jQP1nn9.png
↓2
- 776 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 22:04:35.81 ID:M+OYUvyOO
- 1
- 777 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 22:06:43.56 ID:0PfFQUZS0
- 1
- 778 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 22:09:53.61 ID:g8fALRkeo
-
夏凜→???? 命中判定↓1 01~95命中 ぞろ目・01~15CRT 85~95撃ち落とし
- 779 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 22:14:13.31 ID:M+OYUvyOO
- あ
- 780 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/08(日) 22:17:02.39 ID:g8fALRkeo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
????に1232ダメージ
- 781 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/08(日) 22:24:11.21 ID:M+OYUvyOO
- 乙
夏凜ちゃん良くも悪くも久遠さんが憑依してる感じがするな
久遠さんが戻るまで持ちこたえてほしいところだが…
- 782 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/09(月) 07:59:35.55 ID:DuKk5BD+O
- 乙
久遠さん不在のせいか園子のヒロイン感がすごいな
- 783 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 20:13:39.38 ID:votGoLiLo
-
では少しだけ
- 784 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/09(月) 20:36:33.86 ID:a9kWbBGDO
- きてたー
- 785 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 20:50:13.14 ID:votGoLiLo
-
夏凜「よく、来たじゃないの……」
ほんのわずかではあるが、距離が縮まった
跳躍することが必須にはなるが
この距離ならば、刃が届く
夏凜「ぶった切ってやるッ!」
園子「待ってにぼっしーっ!」
滾る紅蓮の思いを胸に、
すぐ隣にまで来ていた園子の手を振り切って、跳ぶ
跳躍中は非常に無防備になってしまう
接近してくる勇者の気配を察知しての対地迎撃として生み出された無数の火の玉が、
夏凜めがけて降り注ぐ
夏凜「くっ」
二手三手切り払おうと、
襲い来る火炎は勢いをそがれることなく、むしろ増えていく
空中で久留里と身をひるがえした夏凜は、
一度、樹海の根へと降りたち――前転
園子「っわぁ!?」
背後の爆発を助走として一気に体を起こして駆ける
- 786 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 21:06:32.82 ID:votGoLiLo
-
夏凜「っは……」
園子の悲鳴が聞こえた
痛みによる叫びというよりは、驚きによる声
特に問題はないだろうと、
前を見、天を仰いで討つべき相手を見定める
夏凜「天の神ぃッ!」
迫りくる火球をそのままに、
樹海の根を駆け巡り、
上り坂の代用品を駆け上がって、力強く蹴り上がる
夏凜「とどけぇぇぇぇッ!」
火の玉を切り払い、
その力を奪い取ったかのような断罪の焔を、その刀は身に纏う
左手に握る刀を消滅させ、右手の刀にすべてを委ねる
夏凜「せぇぁッ!」
力を集中させたことで、
包む炎はその勢いを増して、天の神の赤さと相対してなお輝きを損なうことなく――引き裂く
- 787 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 21:18:55.81 ID:votGoLiLo
-
神の力と神の力が衝突し、爆発を巻き起こす
吹き飛ばされた夏凜は、
勢いよく回転しながら頃合いを見計らって
刀を樹海の根に突き立て、手首を痛める前に手放して転がる
夏凜「かはっ……はっ……はぁっ」
敵の直接的な攻撃を受けたわけではないとはいえ、
間近での爆風は衝撃が強く
根への衝突も相まって、骨の髄まで痛みが響く
夏凜「げほっ」
血の味が広がる
血を吐いたのは、見なくとも分かる
これが天乃の痛みなのか
いや、違う。この程度ではない
夏凜「まだ……まだ戦える」
天乃はもっと苦しんだ
天乃はもっと痛かった
それでも、戦いに身を投じて生き残り
退いてなお、尋常ではない苦しみにもがいていた
夏凜「私はまだ、戦える」
満開だって、残しているのだから
- 788 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 21:46:55.13 ID:votGoLiLo
-
園子「にぼっしーっ!」
夏凜「っ」
園子「慎重に戦うんじゃなかったの? 生き残るんじゃなかったの?」
夏凜「けふっ……痛い」
園子「みんな無事ならそれで良い。は、天さんの悪い癖だよ!」
駄目だったころとは言えないが、良かったとも言えない
自分の命を切り崩して、一心不乱に守り抜いて
確かに救われた
けれど、それ以上に苦しまされた
自分はそこにいない時間が多かった
目の前で見ていられなかった
傍で寄り添ってあげる事すらできなかった
だから、傍で見てきた夏凜達のすべてを分かるとは言えないのかもしれない
だけど大橋を破壊される結果に終わってしまったあの戦いと変わらなかったのなら
また、新たに巻き込むことになってしまったことを背負っていたのなら
それはどんなに、頑固な強さだったか
園子「頑張るのは良いよ。でも、だからってそんなに無理してたら死んじゃう」
そっと、夏凜を抱く
本当は天乃の役目だが、いないからこそこうなっているのだから仕方がない
園子「お願いにぼっしー……天さんが好きなら分かって」
- 789 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 22:05:04.75 ID:votGoLiLo
-
夏凜「っ……」
別に、気負っているわけではない
口でそういうことは出来るけれど
実際にそうであるのかなんて、こんな非常時に抱きしめられている現状を鑑みれば
残念ながら否であることは、確かだ
夏凜「無理、してた?」
園子「してた」
夏凜「いなくなりそうだった?」
園子「……うん」
夏凜「そっか……ごめん」
戦える間はまだ大丈夫
だけど、大丈夫なのは自分だけ
一心不乱な戦いは、死に一直線に見えたことだろう
園子「あとで、天さんに告げ口する」
夏凜「示談で済まない?」
園子「済ませない」
夏凜「分かってた、はずなんだけど」
無理をし過ぎれば、三ノ輪銀を彷彿とさせ、園子と東郷
そして、天乃を苦しませることになると
夏凜「はぁ……」
園子「神婚の八つ当たりもいいけど、天さんの笑顔、見たくないの?」
夏凜「見たい……というか、そのためだったのよ」
本末転倒とはこのことかと、夏凜は呆れたように天を仰ぐ
少しばかり、気圧されてしまっていたようだ
- 790 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/09(月) 22:13:03.04 ID:votGoLiLo
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 791 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/09(月) 22:23:19.30 ID:a9kWbBGDO
- 乙
夏凜ちゃんのダメージが思ったよりキツそう
だけどそのっちのおかげで久遠さんの二の舞にならずに済んでよかった…
- 792 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/09(月) 23:37:04.96 ID:EisS90b1O
- 乙
まあ戦いはまだ長いからな
じっくり行こう
- 793 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 08:03:34.12 ID:3Vt3pTINO
- 乙
みんな無事ならそれでいい(自分除く)とかいう事故犠牲のかたまり
久遠さん告げ口されても強く言えなそう
- 794 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/10(火) 22:13:33.84 ID:yf2FVwFzo
-
では、少しだけ
- 795 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/10(火) 22:21:20.32 ID:yf2FVwFzo
-
歌野「三好さんは……ストップしたかしら」
燃え盛る炎の衝突
それによって生み出された爆発
吹き抜けていった肌を焼く風の名残を払うように頭を振った歌野は
静まった中心付近を一瞥し、呟く
向こうには園子がいる
普段は物腰柔らかな子だが
その実、芯のしっかりした子だと歌野は思っており、
園子が一緒にいるなら大丈夫だろうと迷いを拭い、振りかえる
歌野「樹、満開はトランプ。出来る限り使わないで」
樹「分かってます……けど、出し惜しみもしてられないと思います」
命を捨てる覚悟で戦うのは間違っていると思いつつも
それくらいの覚悟を持って戦わなければ、天の神を討ち果たすことなどできはしないだろう
むしろ、それだけの覚悟をもってしても
圧倒的な力量の差を前に、敗北の可能性さえあるのではないかと、
樹は心の片隅に不安を残す
負ける気はないが、絶対に勝てるとは言わせない
それほどの強大さが、目の前にはある
- 796 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 22:24:14.70 ID:lCBSjBMlO
- きてたか
- 797 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/10(火) 22:37:33.00 ID:yf2FVwFzo
-
樹「出来ることのすべてを、尽くすべきなんじゃないかって、思うんです」
歌野「それで死んだら、元も子もないわ」
樹「それはそうですけど、でも、命懸けで立ち向かわなきゃ本気なんだって伝わらないこともあるのかなって」
天乃は常に、命懸けだった
その背中は偉大で、憧れで
けれど、その道を進むことはしてはいけない
それは険しいのではなく、死の道だ
天乃が使役し、今は千景となっている伊邪那美
彼女がいたとされる黄泉の国
そこへと至る黄泉比良坂
まさしく、天乃が歩んできた道そのものだ
しかし、そこに踏み入る覚悟なくば、神をも下す人間の強さは証明することは叶わないのではないか
樹は、神様の理不尽さゆえに、示すべきものの遠さを思う
樹「満開は、そのあとによっては死ぬ可能性もあると思います。でも、そこで怖気づいていたら、本気だって、言えるんでしょうか?」
歌野「……それを分からないとは思わない。ミーもシンキングしたわ」
樹「大事なのは、それをどう扱うかですよね?」
同意を求める樹の瞳を見つめ、
歌野はふっと息を吐いて、藤蔓を握る手に力を籠める
- 798 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/10(火) 22:47:32.98 ID:yf2FVwFzo
-
あの日の自分は、どうだったろうか
絶望し、諦め、屈したか
いいや、そんなことはない
確かに敗北した
守るべきものを守り切れず、奪われ、自らも損なった
けれど、その胸に希望はあった
託したものがあった
死を覚悟しながらも、生への希望を抱いていた
歌野「………」
満開も、同等の力を発揮する切り札も
すべからく危険な代物であることは確かだ
だが、だからと言ってそれを封じ、限界ぎりぎりまで行使しない
そんな生半可な戦い方でしのぎ切れる相手だろうか
歌野「そうね。正しいジャッジメント……大事なのは、スピリッツ」
命を懸けるとは、魂を懸けると言うことだ
それの宿っていない力で、神を屈せるだろうか
1、為せば成るかもしれない
2、出し尽くしてこそ、誠意だ
↓2
- 799 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 22:48:37.70 ID:lCBSjBMlO
- 1
- 800 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 22:52:14.31 ID:5ZLiB94F0
- 1
- 801 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/10(火) 22:54:31.66 ID:yf2FVwFzo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば、通常時間から
死ぬ気で戦うか、生きる気で戦うか
- 802 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 23:03:24.73 ID:+yxtzqSxO
- 乙
樹が特に心配だな
呪い解けてないし
- 803 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/10(火) 23:07:25.75 ID:lCBSjBMlO
- 乙
樹ちゃんは唯一久遠さんの力をもらってないという不安が…
この場に久遠さんいたら寿命が凄い勢いで縮みそう
- 804 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/11(水) 02:42:43.27 ID:emkoeSUqO
- 乙
夏凜、トランザムは使うなよ
- 805 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/11(水) 22:31:29.67 ID:v/NEcLk1o
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
今週は所用で厳しいので、場合によっては再開は土曜日となってしまう場合がありますが
出来れば明日、通常時間から
- 806 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/11(水) 22:36:02.42 ID:gNc8Y/vsO
- 乙ですー
無理せずに待ってます
- 807 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/14(土) 21:02:17.33 ID:h1GWe0WCo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 808 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/14(土) 21:28:47.17 ID:zReYKj0FO
- 三日間長かったぜ…
- 809 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/14(土) 23:26:07.89 ID:6DnHbCjFO
- ?
- 810 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/14(土) 23:58:22.80 ID:5LtlamQ4O
- 寝落ちした?
- 811 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 02:49:03.93 ID:+Uq+6yLqo
-
歌野「……為せば成る」
それを絶対的な言葉として扱うつもりは毛頭ないし、
勇者部のみんなの説得をショートカット出来る便利な合言葉とするつもりもない
けれど、この時はそれが適切だと歌野は思った
樹に対してではなく、
自分の中にある不安要素に対して、
それをねじ伏せるのではなく、
それでもなんとなるかもしれないだろう。という、宥めるための言葉
ある意味では自信
ある意味では信頼
自分なら、自分達ならどうにかできるのではないかと。
歌野「別に、スピリッツが宿っていないわけじゃないから」
命を懸けるとは、魂を懸けると言うことで
しかしながら、魂が宿っている力というのは
命を懸けている力というわけではない
歌野「例え、満開を使わなくても、私は、本気だって言えると思うわ」
- 812 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 03:28:26.96 ID:+Uq+6yLqo
-
樹「どうして、ですか?」
歌野「生きていたいからこそ、だから」
生きていたいからこそ、満開を使わない
それを甘く見てると言われればそれまでだけれど
天の神という最大級の敵を前にしても
勝利ではなく、生き残ることを最優先に考えているのだから
それはそれで、本気だと言うことになる
圧倒的な相手、簡単にはいかない
樹の言うように決死の覚悟というものが必要な中で
それを選ばないという、数ある手段の中で最も叶え難い選択をするのだ
命を賭さない
ただそれだけで、本気ではないと言われる程度の覚悟しかないだろうか?
いや、むしろ逆だろう
だからこそ、本気だと言えるのだ
歌野「私は、帰りを待つ人のエン……不安と安心を知ってるわ」
そして、それをことごとく失ってしまったことの後悔も
だから、安心させるために本気で
だから、失わないためにも本気で
それは、ただただ命を懸ける事よりも本気でなければ出来ないことだ
- 813 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 04:58:15.01 ID:+Uq+6yLqo
-
歌野「だからこそ、為せば成ると、ミーはビリーブ」
樹「みんなが、本気だから」
歌野「イエス」
樹「……歌野さんの、言う通りですね」
覚悟を疑ったわけではない
命を捨てる覚悟のない戦いが厳しいことであることは、
今までさんざん、語ったことだと樹は思っている
しかし、命を懸けるほどの思いがなければならないのではないかと思ってしまった
それは多分、天の神が畏怖すべきものであると本能的に退いてしまっているからだ
樹「無理をしないことは難しいです。でも、だからこそみんなが本気で、みんなが信じられる」
みんなが生きたいと思っているのなら、それだけ強い意志と覚悟があると言うことで
それは、【為せば成る】なんて、曖昧な願掛けにも力を与えてくれることだろう
樹「でも、出来る限り……が精いっぱいでしょうか」
歌野「そうね……」
樹の命懸けを否定したものの、
それなしに勝ち得ることが出来る状況であると思っているわけでもなく
考えまでもなく、頷く
歌野「なるべく、諦めない」
それもまた、勇者部五箇条の一つ
便利なものとして扱いたくはないが
便利なものと言わざるを得ないのではないかと、歌野はちょっぴり困った笑みを浮かべると
すぐにまた、引き締めた表情で、空を見上げた
- 814 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 05:33:52.26 ID:+Uq+6yLqo
-
歌野「私達にも満開に似たパワーがあるわ。出来れば、満開はそのあとで」
樹「……それを使って、消えちゃうなんてことはないですよね?」
歌野「使い切れば。あるいは」
持ちうる力のすべてを放出してしまえば
当然ながら、維持する力も使うこととなり、消滅は避けられないだろう
しかしその力を残しておけば、消滅は避けられるかもしれない
天乃から供給される力は微弱になりつつあるが
天乃の回復次第では、
その問題だって解決できるかもしれない
何はともあれ、生き残れなければ考えも無駄になる
歌野「ミーは稲荷神。仮にも神の力……豊穣を司り、それは命を活性化させることでもある」
稲荷神からの戦闘力という点においては、
大天狗の力を所持し、刀を用いれば魂の譲渡先となっていた素戔嗚の力を使うことのできる若葉や、
死神の力で神々を討つことのできる千景などには勝ち目がない
しかしながら、
みんなを支援する立場としてならば、歌野以上に加護の力を持っているのは精霊
そして、天乃の力くらいだろう
歌野「郡さん曰く、私はバッファーというらしいわ。支援は任せて」
樹「お願いします。歌野さん」
- 815 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 05:43:04.02 ID:+Uq+6yLqo
-
すみません、寝落ちしていました
予定としてはこの辺りまでだったので
一先ずここまでとさせていただきます
再開は出来れば早い時間から
- 816 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 06:01:06.59 ID:+IQ/M7H8O
- 乙
- 817 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 21:09:10.66 ID:+Uq+6yLqo
-
では少しだけ
- 818 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 21:22:39.67 ID:J12ejDofO
- よしきた
- 819 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 21:43:51.07 ID:+Uq+6yLqo
-
風「なーにやってんのかしらねぇ、夏凜は」
目と鼻の先というほど近くはないが、
眼前で戦いを繰り広げる夏凜を目で追いながら、風は悪態をつく
園子が一直線に向かっていったこともあって、
これ以上のことにはならないだろうと安堵してはいるものの、
いつ、だれが焦って無理をするに至ってしまうのかという不安がある
天乃の望みを知っていれば、無理をすることもないとは思う一方で
だからこそ、天乃のいない今、頑張らなければ補うに等しい働きは出来ないと思ってしまわないだろうか
風「…………」
勇者部の部長として、風はあえて、前衛であるみんなの背後に回って全体を見る
最初こそ、怠惰半分で部長という役割を押し付けられたに過ぎないが、
それでも、勇者部の部長としてみんなをまとめなければならないと思っている
いくつもの願いであり、たった一つの収束した願いたる未来のため、
頼りない先見の明を頼り、結果の為に全力を尽くしかねないある意味では愚かな友人であり、仲間であり
いずれは家族と言えるであろうみんなを繋ぎ合わせなければならない
風「夏凜には園子がいる。樹には歌野がいる。それと、若葉には友奈と千景」
適当にばらけた感じがあるが、
意外にうまく、それぞれが適した動きをしてくれている
風「あたしの大立ち回りは、そこまで必要ないのかもね」
- 820 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 22:22:56.67 ID:+Uq+6yLqo
-
取りまとめる部長という役割があるとはいえ、
風も結局は、一回の女子中学生に過ぎない
名高い軍師のような働きができるとは思っていないし
大立ち回り。などと言ってはみたが
それほどの働きが可能とも、風は思っていない
風「……どうする」
敵はあまりにも強大だ
時間とともに浮かんでは沈んでいく太陽のように
ゆっくりとした動きで、少しずつ入り込んでくる
そのために、樹海が侵されていく
一思いに侵攻してくるのなら全力の相手も出来るが、
相手が余力を残している状況で
自分たちだけが全力での抵抗というのは、分が悪い
風「いつ、切り札を切るか……切らないで済むならそれでいい」
でもきっと、そういうわけにはいかないことだろう
夏凜はそこに焦って無理をしそうになったし、
樹はもしかしたら、満開が必要なのではないか。と、考えているかもしれない
- 821 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 22:45:24.06 ID:+Uq+6yLqo
-
風はそこまで考えて、若葉達が向かった方角に向けた目を細める
若葉達は、どうだろうか
友奈は前向きだ
しかし、以前のようにネガティブな考えの一切排除するような雰囲気はなく、
それらを両立させたうえで【それでも】という考えを選ぼうとする
満開も必要ならするだろう
風「それよりも先行しそうなのは、若葉ね」
ここぞ。と思ったが早いか、満開と銅との力を振るうことを躊躇わないはずだ
そのストッパーには千景がなれるだろうか?
風「考えるまでもないか」
千景は絶対に止める
最初こそ良く分からない雰囲気だった千景も
天乃の影響を受けてか、とてもお人好しな感じだ
天乃を優先して、止める
友奈だって、止める
風「東郷は?」
友奈のことも大事にしているが、この戦いにおいては天乃を最優先にしている
無理に満開を使うことはしないだろう
天乃に怒られてもいいと考えるが、悲しませるようなことは極力避けたい
そのあたりに関しては、信頼しているのだ
- 822 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 23:00:10.38 ID:+Uq+6yLqo
-
みんなの戦い方は専守防衛
夏凜だけが、中央での攻撃を行う程度
回避を優先し、神婚の成立……というのは語弊が生じるだろうか
天乃が話を終えるまでの時間稼ぎを行う
風「あたしも前に行くべき?」
満開が使えれば、一石を投じると言える一撃を見舞えるが
残念ながら、それは無理だ
なら、もはや精霊の加護がない自分は後衛に徹するべきだと判断する
何もしなければきっと、
その目が向けられることはないだろう
風「………」
園子がいるが、夏凜は手負い
天の神の目を、別のところに向けさせる必要は……あるだろうか?
1、若葉達に連絡
2、歌野達に連絡
3、まだ任せておく
↓2
- 823 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 23:01:00.68 ID:Js6MPw1wO
- 1
- 824 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 23:01:12.43 ID:J12ejDofO
- 3
- 825 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/15(日) 23:17:28.22 ID:+Uq+6yLqo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日は出来れば、少し早い時間から
- 826 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/15(日) 23:24:46.97 ID:J12ejDofO
- 乙
みんなが焦りがちなところをお互いにどうフォローするかが勝敗のカギになりそうだな
- 827 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/16(月) 00:33:13.45 ID:9KSRTJhZO
- 乙
総力戦だからなあ
ドキドキするわ
- 828 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/16(月) 06:57:05.17 ID:6ILil9YAO
- 乙
東郷さんの満開って巫女救出の回で使ってなかった?
- 829 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 22:02:43.47 ID:g1yWBVoYo
-
遅くなりましたが、少しだけ
>>828
失礼しました、その通りです
- 830 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/16(月) 22:06:25.81 ID:JWg1o9WaO
- どんまい
- 831 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 22:30:32.53 ID:g1yWBVoYo
-
風「いや、まだ任せておいていい」
夏凜のことは、園子が落ち着けてくれたはず
なら、無茶をすことはない
そして、その状態なら、あの二人が力を合わせればある程度のことは打破できる
だったら、余計な手を入れる必要は、まだないだろう
風「………」
夏凜は負傷したが、まだそれだけ
順調というべきではないが、
敵のことを考えれば、この程度なら順調と言ってもいいだろうか
風は不安とともにため息をついて、
天乃が向かったであろう神樹様の方角を見つめる
天乃は順調だろうか
神樹様にとりこまれてしまっていないだろうか
風「大丈夫……」
言い聞かせるように呟いて、首を振る
夏凜達のことは何とか見渡せるから対応出来るが、
天乃にはできない
その分の不安が、ぬぐえなかった
- 832 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 22:51:33.49 ID:g1yWBVoYo
-
友奈「攻撃、しなくていいのかな」
出方を待つという話にはなったが、
現状、狙われているのは夏凜だ
夏凜が一点突破で攻め込んでいるから
そのわずらわしさから、友奈たちに矛先が向けられないだけのこと
攻撃を仕掛ければ、
その存在は天の神の目に入るだろう
しかし、夏凜ばかりに任せていて良いのか
傷ついていく仲間を、そのまま見ているだけで良いのか
友奈「園ちゃんは、もう満開を使っちゃったから、精霊の加護がない」
若葉「ああ、そうだな」
友奈「若葉さん、本当に仕掛けなくていいのかな?」
若葉「………」
友奈「夏凜ちゃんは怪我してて、園ちゃんは精霊に守って貰えない。このまま狙われていたら、大変なことになりそうな気がする」
- 833 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 23:03:03.44 ID:g1yWBVoYo
-
若葉「………」
友奈の心配にも、一理ある
園子が、守られることの戦いを経験し、
その当時の恐怖を身をもって知っているとしても
天の神の力を持っているであろう天を覆う驚異の猛攻を耐えきれるとは限らない
火の玉の一粒でさえ
生身で食らえば焼け落ちる覚悟もしなければならない
槍で防ぐ、刀で防ぐ
それが出来たとしても、身を焦がす灼熱は遮ることが出来ない
若葉「くっ」
切り札を切るか?
いや、まだ早いだろう
しかし、天を穿つほどの力は、切り札を切らなければ得られない
若葉「友奈の言う通りかもしれないな……だが、友奈は難しいだろう?」
- 834 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 23:16:31.71 ID:g1yWBVoYo
-
友奈「!」
若葉「責めるつもりはない。頼りにもしている」
しかし、拳なのだ
西暦に生きた友奈である、高嶋友奈
彼女と同等の力を持っているならば、
神にも届く拳であることだろう
しかしながら、この状況では相討ちにも至れない
若葉「だが、ただでは撃ち落とされてしまう」
友奈「……はい」
若葉「だからと言って、満開を使うのは了承できん」
今はまだその時ではない
だからこそ、園子は夏凜を止めたし、
歌野は樹を制している
若葉「………」
かといって、夏凜と園子にすべてを委ねているのは
死にに行かせるようなものだ
1、友奈は下がってくれ。私が行く
2、攻めるぞ。友奈
3、千景の合流を待とう。それからだ
↓2
- 835 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/16(月) 23:22:00.44 ID:JWg1o9WaO
- 3
- 836 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします :2019/09/16(月) 23:28:11.64 ID:9KSRTJhZO
- 2
- 837 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/16(月) 23:30:00.89 ID:g1yWBVoYo
-
では、ここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
ダメージ判定は再開時
- 838 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/16(月) 23:42:34.71 ID:JWg1o9WaO
- 乙
ここをあえて攻めるか…
まあ夏凜ちゃんたちが危ないから致し方ないのもあるけど
- 839 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/17(火) 00:44:06.76 ID:Uo+rXAG+O
- 乙
さてどうなるかな
- 840 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 20:31:33.26 ID:iMNRY77No
-
では少しだけ
- 841 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/17(火) 20:52:21.24 ID:NY8vH0o9O
- きてたか
- 842 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 21:09:22.35 ID:iMNRY77No
-
若葉「………」
考える。
考えて、刀の柄を力強く握りしめる
たった一つの判断ミスが、死に直結するのが戦場だ
だからこそ慎重であるべきで、臆病であるべきで
しかしながら、吉報を待つばかりでは得られないものもあるのだ
ここでの勝利は、その得ることが出来ないものなのではないかと、若葉は思う
天乃が戻ってくるまでの時間稼ぎ
戻ってきてくれさえすれば、この戦いを終わらせて貰えるかもしれない
しかし……
それで良いのか? いや、良くないだろう
いくら天乃とはいえ、天の神を討つには相当の力を必要とするはずで
そうなれば、消耗は計り知れない
倒しきることは出来なかったとしても
可能な限りのダメージを与えなければ、精霊としてこの場に立っている意味がない
はっきり言って、役立たずだ
若葉「攻めるぞ、友奈」
- 843 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 21:29:31.99 ID:iMNRY77No
-
若葉「友奈の拳が届くように援護するから、迷わず突っ切ってくれ」
友奈「千景さんを待たなくて大丈夫なのかな?」
若葉「可能なら待ちたいが、そんな猶予がないかもしれない」
迷って失敗するくらいなら
攻勢に出て失敗したほうがまだマシだろう
ここで手を出さなければ、夏凜達が狙われる可能性が高い
そして、夏凜達に再度攻撃が降り注げば
次は、もう無事では済まないかもしれないのだ
たとえ傷つけられるほどの力がなかったとしても
少しでも気を引ければ、それで十分だ
若葉「……もし、不安なら下がっていてくれていい」
友奈「そんなことっ」
若葉「これはあくまで牽制なんだ。友奈が無理をする必要はない」
友奈「ううん、行く!」
- 844 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 21:56:11.64 ID:iMNRY77No
-
あとで合流する千景には何か言われてしまうかもしれないけれど、
攻めなくていいのかと切り出したのは自分だ
若葉は頼りになるけれど、
だからこそ、一人で無理させてしまうわけにはいかない
精霊だから、多少のダメージならば生身である友奈たちよりは被害が少ないだろう
しかし、力を喪えば失うほど若葉達精霊の存在は危ういものとなっていき
消滅も覚悟しなければならなくなる
決して、ノーリスクというわけではないのだ
友奈「若葉さんは援護をお願いします」
若葉「……行けるのか?」
友奈「大丈夫、です」
怖くないと言えば嘘だけれど
でも、もっと怖いものがある
もっと恐ろしかったことがある
友奈「はぁ……ふぅ……」
右手を、左手を
交互に拳を作っては解き、
だんだんと込める力を強くして、おもむろに力を抜き……深々と息を吐く
右半身をそのままに、左足を前へと出す
力を乗せるのではなく、体重をかけて蹴りだすための勢いをつける
友奈「行きます!」
そして――信頼を胸に、突っ込む
- 845 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 22:01:26.52 ID:iMNRY77No
-
若葉→???? 命中判定↓1 01〜95 撃ち落とし 85〜95 ぞろ目CRT
友奈→???? 命中判定↓2 06〜00 撃ち落とし 75〜85 ぞろ目、11〜20 CRT
- 846 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/17(火) 22:02:24.36 ID:NY8vH0o9O
- あ
- 847 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/17(火) 22:03:26.72 ID:N5gW6OTO0
- あ
- 848 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/17(火) 22:16:18.29 ID:iMNRY77No
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
1215ダメージ、750ダメージ
合計1965ダメージ
- 849 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/17(火) 22:29:34.42 ID:NY8vH0o9O
- 乙
夏凜ちゃんのも含めれば3000超えのダメージか…
これで天の神にどの程度通用してるのか気になるところだな
- 850 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 00:07:08.18 ID:Wp/wxnXjO
- 乙
珍しい組み合わせだけどこのコンビもなかなかいいな
- 851 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/18(水) 22:03:25.01 ID:yybVhOX9o
-
では少しだけ
- 852 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 22:09:08.53 ID:biCGXRrtO
- あいよー
- 853 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/18(水) 22:21:51.35 ID:yybVhOX9o
-
真っ先に飛び出していく友奈を追うように、若葉も駆け出す
友奈を援護するなら前にいたほうが良いが、
友奈とて、ただ守られるだけのか弱い少女ではない
直撃するようなものであれば身を挺して庇う心持ではあるが
そうでなければ任せておいた方が安全だろうと、その背を見て思う
若葉「来るぞ!」
友奈「!」
空が、禍々しく染まっていく
夕暮れのようにも見える赤色
しかし、曇天の中のひび割れた血の色は
どことなく不気味な雰囲気を帯びて――無数の火の玉を産み落とす
友奈「っ!」
若葉「っは――はぁッ!」
友奈の前に進み出て、一閃
降りかかる火の粉を切り開いた隙間から、友奈が飛び出していく
友奈「まだ……まだ、もう少し!」
- 854 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/18(水) 22:43:14.27 ID:yybVhOX9o
-
火の玉を潜り抜け、樹海に着地
背後の爆風を受けて、わずかに足元が揺らぐ
侵略を受け、枯れていく樹海の痛々しさが目に映る
友奈「………」
時間をかければかけるほど
樹海は飲み込まれ、街への被害は大きなものとなっていく
友奈「っ」
歯噛みする
踏み切った足が、樹海を抉る
傷ついているとはいえ、さらに傷つけて行ってしまうことに、友奈は躊躇いを持たない
自分たちの我儘か、世界の命運か
その考えるまでもない天秤を弾き飛ばして、我儘を貫き通すと決めたのだ
友奈「ここじゃない……もっと、もっとっ!」
樹海の形状、天の神動き、降り注ぐ火の玉の流れ
一つとして見逃すことがないように、
ただ、足だけは止まらないようにと動き続ける
左と同時に右を見て、下を見ずに前を向き上を睨む
若葉と友奈を狙う火の玉が、若葉へと傾いていく
樹海に潜る友奈の一方、若葉がその上を駆け抜けていくからだろう
どちらを狙うべきかは明白で
だからこそ、当たり前に風向きは変わる
友奈「ここだっ!」
その僅かな流れを、友奈は掴むと決めた
- 855 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/18(水) 23:07:25.74 ID:yybVhOX9o
-
若葉へと集まっていた火の玉が爆発した直後、
樹海に潜っていた友奈が、飛び出していく
若葉さんなら大丈夫
そう信じ、横に置き去りにしていく戦友の姿に振り向くことなく突き進む
友奈「ぐっ」
拳を固く、固く作りこむ
想いを抱くと言うならば、この手に握るのは何だろうか
勝利は違う
これはそう、ただの願いだ
道を切り開いてくれた若葉、共に戦う勇者部のみんな
そして、戦いを委ねてくれた、天乃の願い
我儘な拳には、かつての英霊たちの力は宿っていないかもしれない
今を生きる人々の心の中にある希望は、力を与えてはくれないかもしれない
それでも。
そのすべてを背負う覚悟を決めた拳は
たった一人の少女の力というには大きすぎるものが、秘められている
友奈「てぇぇぇぇあぁぁぁぁぁぁぁっ!」
一度、二度
火の玉が体をかすめていくが、友奈はものともせずに突き進んでいく
友奈「勇者ぁっ……パーンチッ!」
そして――穿つ
決死の一撃は天の神を貫き、抑え込むべき力を解放する
若葉「よくやった! 追撃は任せろッ!」
- 856 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/18(水) 23:09:54.88 ID:yybVhOX9o
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
若葉の攻撃、天の神の範囲攻撃、3ターン目
- 857 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 23:14:00.38 ID:Wp/wxnXjO
- 乙
渾身の一撃!
- 858 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/18(水) 23:19:42.68 ID:biCGXRrtO
- 乙
凄い重みのある拳だ…!
友奈ちゃんも色々辛いことを乗り越えてきたもんな
- 859 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/19(木) 02:38:54.92 ID:RmTKxn/jO
- 乙
や、やったか!?
冗談はさておいて無茶だとは思うけど熱い展開だな
これが戦いの口火を切ってどう戦況に影響するか楽しみ
- 860 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/19(木) 22:33:14.72 ID:UbpuX/wMo
-
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
出来れば明日、通常時間から
- 861 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/19(木) 22:35:41.40 ID:hIAT0nUyO
- 了解、乙ですー
- 862 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/20(金) 22:26:29.19 ID:tY6gMs4ko
-
遅くなりましたが、少しだけ
若葉の戦闘部分
安価を出すところは明日になるかと思います
- 863 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/20(金) 22:30:42.07 ID:cqISjWW4O
- おk
- 864 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/21(土) 00:02:27.56 ID:rj29o3N4O
- 疲れてる?
- 865 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 00:03:00.81 ID:HxY5gT3Wo
-
友奈の一撃は、しっかりと天を貫いた
赤黒く変色した空、中心部の瞳のような蠢く何か
そこに変化は見られないが
友奈の拳は確かに届き、一瞬とはいえ雲を割いたのだ
若葉「……動揺は、してないだろうな」
人間の思わぬ抵抗に業を煮やすことこそあるだろうけれど、
友奈の思いに驚くなんてことは、きっと。
若葉「決めるには、遠いな」
若葉が最も得意とする居合は、
敵が空にいては、やすやすと放つことは出来ない
一閃、切り込むことが出来たとしても、
非常に弱い力でしかないだろう
若葉「だが、それでも出来ることはある」
何より、友奈に続かなければいけない
友奈の一度きりの攻撃で終わらせてはいけない
若葉「神に届く刃であると、自負はないが」
届かせる。何が何でも
- 866 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 00:23:11.95 ID:HxY5gT3Wo
-
友奈の攻撃を受けてか、
寄せ付けまいとする猛火は勢いを増していく
背後での爆発、吹きつける熱風は
精霊としての力、身に纏う装束
それすらも関係なく熱し、肌を焼く
ひりひりと、痛む
刀を握る手が震えるのを感じ、鞘へと納めて樹海の陰に潜んで、深呼吸
若葉「………」
獅子座などが行ってきていた、追尾性能を兼ね備えた攻撃だろう
樹海の根が阻んでくれてはいるが、
天の神の化身が降らせる火の雨は、的確に若葉は友奈たちを狙っている
隠れていては、じり貧だ
それどころか、被害は増す一方だ
この戦いに勝利して、結果、半数以上の死人が出たなどと言われては幸せなど、得られるものではない
- 867 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 00:36:24.42 ID:HxY5gT3Wo
-
夏凜に及ばなくとも抜き身刀での戦闘の心得もある
むしろ、今でこそ星屑と呼ばれる有象無象との戦いにおいて、
常に居合で切り伏せていたことなど数えるほどにもない
それでも、空の敵、居合の届かぬ専門外
向こうから向かってきていた星屑と違い、
天の神の化身は、その場から降りることなく大地を喰らい、木々を焼く
自らが神であることの証明のように
それが、あたかも神罰であると説くように
若葉「大天狗の力を使えば、容易ではあるが……」
それはまだ早計だろうと、若葉は目を閉じる
耳をすませば、炸裂する爆発音
友奈の駆けまわる足音、乱れる呼吸音
吹き飛ばされる音はしていないから、まだ無事だ
ゆっくり、柄に手のひらを置く
存外に籠る力の重みが、鞘に添えられた左手にのしかかる
若葉「……そうじゃないだろう? 乃木若葉」
- 868 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 00:45:40.85 ID:HxY5gT3Wo
-
確かに、背負うものは大きい
今この手に乗っている重みなんて軽いと思えるほど、多くの命を委ねられている
しかし、だからこそ。
この手は軽くなければならない
命がかかっている、未来を担っている
しかし、それが枷であってはならない
捉えるべきなのは己の足ではなく、今まさに遠ざからんとする未来
あるいは、消え去ってしまった過去
三百年もの間囚われている、人々が生きていた世界
握るのは刀ではない
切り開くのは敵ではない
若葉「全ては、儚くも貴き未来だ」
神に届く刃であるなど、傲慢だ
そんなものでなくともいい
天を穿ち、覆いかぶさる雲を晴らす一刀でなくたっていい
ただその瞬きが、戦場を駆ける友の導となればいい
- 869 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 01:09:33.48 ID:HxY5gT3Wo
-
若葉「……ふぅ」
体の力が、抜けていく
右足が滑るように前へと流れ、
引き摺られていく重心によって、前かがみに近い形へとスタイルは変移する
研ぎ澄まされた耳に、外界の音は聞こえない
跳ねるように大きな鼓動は子守唄のように安らかに
乱れ気味だった呼吸は、深々と広く
閉じた瞼の裏に、敵が見える
若葉「………」
すでに散り、誇れる英雄譚などないが
未来に悔いを遺す愚かな先祖ではあるが
今一度、この手が握ることのできるものがあるならば。
若葉「逃す道理はない……そうだろう?」
若葉は微笑む
たった一度、たった一瞬
されど、それこそが、神にも阻めぬ人の希望だ
若葉「ひなたッ!」
かつて、己を支え続けてくれた勇者足りえる親友の笑みを胸に
若葉は精霊の力を用いて天の神の化身のもとへとその身を現し――晴れることのない空を、割いた
- 870 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/21(土) 01:15:58.41 ID:HxY5gT3Wo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば少し早い時間から
- 871 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/21(土) 05:43:06.43 ID:OMT3tAbfO
- 乙
この戦闘は若葉たち西暦組のリベンジ戦でもあるな
- 872 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/21(土) 08:04:05.56 ID:RjKkREzzO
- 乙
若葉も色々なものを背負ってここまできたからな…
絶対勝って帰って来てほしい
- 873 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 20:08:24.94 ID:/GD1ahjOo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 874 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 20:11:55.92 ID:qzpNSUokO
- よっしゃ
- 875 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 21:05:42.48 ID:/GD1ahjOo
-
千景「乃木さん……貴女という人は」
天を穿つ勇者の輝きは蒼く
しかし、純然たる想いゆえに、それは澄んだ青色よりも美しい
みんなの目に、あれは映っただろうか
きっと映ったはずだと、千景は断ずる
あまりにも強大で、凶悪で、抗うことに畏怖を覚える存在
しかしながら、それに届くだけの力がここにはあるのだと、若葉は見せてくれたのだ
千景「やっぱり、貴女は私達のリーダーよ」
西暦時代の勇者
そのみんなを引っ張り上げてくれていた
自分が憧れ、嫉妬し、過ちを犯してしまった相手
千景「ほんと、本当に……貴女と陽乃さんを信じるべきだった」
あの頃、もしも信じられていれば
頼ることが出来ていれば
きっと、もっと違うことが出来た
もっと良い過去があり、良い未来があったはずだ
千景「けれど、だからこそ本当の勇者たちに会えたのなら……悪くはなかったのかもしれないわ」
- 876 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 21:21:15.66 ID:/GD1ahjOo
-
千景「私は……」
入り組んだ樹海
上に出れば、敵の集中砲火
選ぶべきは前者だが、そのせいで急いでも、数分はかかる
単独行動となっているのは自分と風だ
大剣を持っている風は、
遠距離攻撃専門の東郷と、
中遠距離であり、盾としても活躍できる球子の手前の防衛ラインとして孤立している
あの大きな剣がどれだけの攻撃を阻めるのかは分からないが、
侵攻も阻めるとは思えない
当初は、若葉と友奈に合流する予定だったけれど
風と合流して、一緒に攻撃に回る方がいいかもしれない
ただ、自分たちの攻撃がどれだけ通じているのか分からないと言うのが、問題だ
- 877 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 21:43:32.70 ID:/GD1ahjOo
-
真正面から切り込んだ夏凜
左翼から殴りこんだ友奈と、若葉
それぞれの一撃一撃は、バーテックスを屠るだけの力がある
にもかかわらず、打ち抜かれた雲も
切り開かれた空も、元通りになっている
目に見えるダメージが一瞬というのは中々に、疲弊する
まるで終わりが見えないからだ
だからこそ、風と一緒に切り込むべきではと思うわけで。
千景「私……ううん、久遠さんの力がどれだけ通用するか」
神々をも殺せる穢れの力
果たして、それがあの神にも通用するのかどうか
自らの手に収まる大鎌を握りしめながら、考える
そもそも、本当にあそこに本体はあるのだろうか?
千景が使うことのできる七人ミサキのように
分身がそこにいるだけで、攻撃は全く通っていないのかもしれない
千景「乃木さんの力を無駄だとは言いたくないけれど……」
合流は止めて、真正面から切り込んで様子を見るべきだろうか?
1、若葉達に合流
2、風を呼んで合流する
3、真正面から切り込む
↓2
- 878 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 21:49:12.18 ID:qzpNSUokO
- 2
- 879 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 21:51:19.67 ID:23v4rGcz0
- 2
- 880 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 22:42:08.71 ID:/GD1ahjOo
-
千景「犬吠埼さんを呼んだほうがよさそうね」
後方で下がっている分には問題ないが、
前に出ると言うなら話は別だ
団体行動も過ぎればいい的になってしまうが
単独行動は厳しいだろう
風『千景?』
電話をかけると、
戦闘中とは思えないほどに早く、風が出た
レスポンスが早いのは悪くないけど、と
少し思いつつ、言葉を選ぶ
千景「犬吠埼さん。貴女の力を借りたいわ」
風『あたし? どうしたらいい?』
千景「リーダーなのに、悩まないの?」
風『ここにいてもできることは少ない。なら、必要なところに力を貸すわ』
千景「……私も前に出たい。犬吠埼さん、一緒に来て」
風『りょーかい。一人で行くかと思った』
千景「乃木さんは大丈夫。貴女も、あれを見て思ったでしょ?」
風『そうねぇ。少し待ってて、すぐに行く』
千景「待ってるわ」
- 881 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 23:17:51.35 ID:/GD1ahjOo
-
千景「これで――っ!」
千景は風を待つが、天の神が合流を待つわけではない
濁り切った空が割れ、禍々しい赤色がより濃くなっていく
降り注いでいた赤い光に、白さが混じる
千景「あれは……」
丸みを帯びた白い体
大きく開いた口のように、仰々しく並ぶ歯が見える
それは紛れもなく、星屑だった
千景「乃木さん! 結城さんッ!」
二人は気付いているだろうか
二人は間に合うだろうか
爆裂する火の玉ではなく、質量のある赤白い悪夢に
天乃の力ゆえの精霊の繋がりを持って、若葉に警告を告げる
千景「お願い……喰われないで」
精霊による障壁が薄い
それはつまり――四肢も頭も喰われる可能性があると言うことだ
- 882 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 23:25:21.24 ID:/GD1ahjOo
-
????→友奈 命中判定↓1 01〜85 ぞろ目CRT(精霊ゲージ消費大)
????→若葉 命中判定↓2 01〜70 切り払い 01〜10 ぞろ目CRT
- 883 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 23:27:33.17 ID:qzpNSUokO
- たのむ
- 884 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 23:29:08.69 ID:23v4rGcz0
- あ
- 885 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/22(日) 23:52:59.09 ID:/GD1ahjOo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば早い時間から
ダメージ計算は再開時
- 886 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/22(日) 23:56:55.13 ID:qzpNSUokO
- 乙
うーむ避けられないな…クリティカル出ないだけマシと見るべきか
ダメージ次第じゃいよいよ満開の出番がきそう
- 887 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/23(月) 00:28:24.07 ID:S8UradAOO
- 乙
若葉惜しかったな
あとちょっとで避けれたのに
- 888 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 20:47:06.15 ID:tV+zyd8Ko
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 889 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/23(月) 20:54:14.30 ID:d7pK/5uWO
- かもん
- 890 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 21:03:02.57 ID:tV+zyd8Ko
-
友奈に241ダメージ
若葉に252ダメージ
- 891 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 21:31:29.26 ID:tV+zyd8Ko
-
千景から緊急の警告を受けてすぐに空を見上げた若葉は
即座に、声を張り上げた
若葉「友奈、頭上だ!」
友奈「!」
降り注ぐ紅い光には、
さっきまでとは段違いに不気味な力が込められている
まだ天高く、熱量もあって歪んで見えるそこには
確かに、かつての敵がいるように感じた
白い体、大きな口
建物を容易く破壊し、生きたまま人を喰らう異形
かつてバーテックスと呼ばれ、若葉達が散々苦しめられた悪夢
西暦時代とさほど変わらない状態な今、
友奈たちの体が食いちぎら羅れてしまう可能性がある。と
千景と同じ危惧していた若葉は
最悪、自分の身を犠牲にしてでもと、考える
精霊である若葉は、力を著しく消費するという欠点こそあれ
欠損した体の部位を治すことが出来る
だが、友奈たちはそれが出来ない
若葉「樹海に潜れ! 殿は私が務める!」
- 892 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 21:50:46.92 ID:tV+zyd8Ko
-
友奈「若葉さんも一緒に来てください!」
若葉「な゛――」
友奈「ここで若葉さんを失うわけにはいかないんです!」
横を抜けていく友奈に腕を掴まれ、そのまま樹海へと引っ張り込まれた若葉は
二度三度躓きながらなんとか立て直す
友奈に引っ張られながらだと、足並み揃えるのが難しいが
それでも十分な速度はあったのだろう
入り口とした樹海の根に、次から次へと衝突して神の肉片がいくつも飛び散っていく
若葉「友奈、手を放せ!」
友奈「でもっ」
若葉「消えるつもりはないが、このままでは共倒れだ」
友奈「………」
その蹂躙がこじ開けた隙間から、十数匹の化け物が入り込む
遮る根に躊躇なく衝突し、道を喰らいつくして、
後続が追いかけてくる
過去に学んだ大和魂とでもほざくつもりかと、
若葉は歯を食いしばって、友奈に目を向けた
若葉「友奈、生き残るんだろう?」
友奈「……分かりました。二手に分かれます!」
- 893 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 22:32:47.24 ID:tV+zyd8Ko
-
手を放され、つんのめった勢いをそのまま借りてさらに下へと転がり落ちる
友奈はそのまま直進し、さらに入り組んだ場所へと入り込んでいく
それを追うのに十数匹、若葉の側にも十数匹
どちらも逃がす気はないと言う貪欲な殺意を感じて、
若葉は思わず、笑みを浮かべる
若葉「それだけ私達が目に余るか、天の神!」
牙を剥き、剣を立て、あまつさえ傷をつけた愚か者ども
目に余ると言う言葉では足らないほどの、罪人
若葉「逃げ切る術は――っ!」
上での爆発に続き、友奈が逃げて行った方でも爆発が起こった瞬間、
枯れ始めていた樹海の根が砕け、バラバラと降り注ぐ
砕けてこまごまとしていても、重量のある根に潰されればただでは済まない
若葉「くっ!」
背後に迫る灼熱に包まれた星屑、頭上から降り注いでくる樹海の根
走り、滑り、身を翻し、転がり込んで回避していく
だが――
友奈「きゃぁぁぁぁぁっ!」
ひと際大きな爆発と、友奈の悲鳴
そのゆれに躓き、浮いた体
残った右足に樹海の根が叩き込まれ、
伸びた滞空時間を狙ったかのように星屑が突っ込み――大爆発を起こした
- 894 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/23(月) 22:36:42.29 ID:tV+zyd8Ko
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 895 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/23(月) 22:46:10.83 ID:d7pK/5uWO
- 乙
世の中そんなに甘くないシビアさがゆゆゆらしいが…
体力がそこまで高くない友奈ちゃんにとってはかなり痛手になりそう
- 896 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/23(月) 23:30:03.13 ID:S8UradAOO
- 乙
友奈ー!
大丈夫かこれ
- 897 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage saga]:2019/09/24(火) 00:13:37.87 ID:EWkx9B8f0
- 乙み
- 898 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 21:47:45.63 ID:NmV3YzoQo
-
では少しだけ
- 899 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/24(火) 21:48:31.53 ID:Kklhq28rO
- よしきた
- 900 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 22:27:12.83 ID:NmV3YzoQo
-
友奈「げほっけほっ……っあぁっ!」
木片に埋もれた左足を引きずり出して、
庇いきれなかった肌の引き裂かれるような痛みに呻く
星屑の爆発こそ防ぐことが出来たが、
吹きつけた爆風、根への衝突と砕けた木片の雪崩までは防ぎきることが出来なかった
勇者としての立派な装束の一部は破けてどこかへと消滅し、
薄桃色に、生々しい赤が染み込む
友奈「ぅ……あぁ……あっ」
たった一度の爆発だった
それでも、
樹海の根への衝突、揺さぶられた内臓、潰れかけた左足
どこかの骨が折れたかもしれない
友奈「痛い、苦しい……かふっぁっ……はっ……はっ」
息苦しい、足も痛い
体育座りに引っ張り込むだけでも、猛烈な痛みと熱を感じる
- 901 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 22:41:46.03 ID:NmV3YzoQo
-
口元から、血が流れる
ぶつかったときに口の中を傷つけたわけではないのだと、喉奥の痛みが訴える
肺か、胃か、心臓か
内臓のどこかが傷つき、咳き込んだ時に逆流してきてしまったのだろう
上を向くと、胸やけのような不快感が、喉を下っていく
友奈「これが、生身で戦うってことなんだ」
覚悟をしていた
けれど、していたつもりだったのだ
今までも生身と言えば生身だったが
絶対に死ぬことはない、確実な精霊の加護が常にあった
それが無くなって、ようやく、本当の戦いに身を投じたのだ
ただの爆発、されど爆発
直撃ではなくとも、それに吹き飛ばされたと言うだけで
気を失ってしまいそうな痛みに襲われている
友奈「けほっ……けほっ」
血の味しかしない、口の中
動こうとする意志とは裏腹に、動きそうにない体
ぶつかった根を支えにしながら、何とか立ち上がる
- 902 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 23:01:36.54 ID:NmV3YzoQo
-
友奈「……足は」
すり足気味に前に出すと
ズキズキとした痛みを感じ、思わず顔を顰める
根性で走ることは出来るだろうけれど
少し気を抜けば途端に崩れ落ちてしまいそうなほどに、余裕がない
友奈「捻挫、じゃ……ないよね」
崩れた樹海の根に巻き込まれた左足
足首の部分が赤く腫れあがっていて、普通じゃないのは一目瞭然だった
友奈「勇者の回復力でも、すぐには無理かな……」
ここにいることは、天の神には筒抜けだろう
だからと言って、逃げ切れるほどの力があるとは思えない
友奈「若葉さんは、逃げ切れたかな?」
別れた方向でも爆発を感じた
若葉の悲鳴は聞こえなかったが、
聞き取るだけの余裕がなかったと思っていたほうが良いだろう。と、友奈は目を閉じる
- 903 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 23:20:18.63 ID:NmV3YzoQo
-
友奈「痛いけど、苦しいけど。でも、ここで折れるわけにはいかない」
まだまだ戦いは続く
一人減ればその分の負担がみんなに向かう
そして、その負担に耐えかねた誰かが脱落して、
より大きな負担がみんなに襲い掛かることになるだろう
友奈「少しだけ、少しだけ」
本来縋るべき神様は、もはや敵だ
ゆえに神様ではなく
最も憧れ、最も信じ、最も頼れる背中に祈る
友奈「少しだけ、力を貸して下さい」
袖を唇に当て、血を拭う
その反動だけで体はふらついて、立ち塞がる根に、背中を預ける
友奈「無理はしないから。させたくないから……だから、少しだけ」
体に流れる天乃の力
そこに、その存在をはっきりと感じて。
友奈「もう――少しだけっ!」
傷ついた左足でしっかりと、踏みしめる
痛みはある。けれど、歩みを止めるほどではない
- 904 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/24(火) 23:20:53.75 ID:NmV3YzoQo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
明日は3ターン目、夏凜
- 905 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/24(火) 23:32:50.85 ID:Kklhq28rO
- 乙
夏凜ちゃんの時と同じく負傷の描写が痛々しいな…
久遠さんが見てたら精神ゴリゴリ削られそうだ
- 906 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/24(火) 23:47:38.33 ID:ymmSmAhcO
- 乙
ダメージいっぱい食らったら欠損判定とかありそうで怖いな
まあ生きて帰ってきてさえくれれば充分なんだけど
- 907 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/26(木) 22:40:10.51 ID:2A+cehxFO
- 今日も休載?
- 908 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/26(木) 23:18:28.38 ID:YKn6CiQmo
-
遅くなりましたが、少しだけ
時間も時間なので
安価を出すところは明日にするかと思います
- 909 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/26(木) 23:49:07.79 ID:YKn6CiQmo
-
東郷「友奈ちゃんのところ……」
空を埋め尽くす光
それによる爆発音は、後方に控えている東郷たちのところにまで轟いていた
しかし、
その分を消耗したかのように
二人から感じる天乃の力が極端に減少したのだ
若葉の力による輝き
その少し前に、友奈の力と思われる―東郷は確信しているが―光が一瞬見えた
つまり、タイミング的に力を用いての攻撃を行ったわけではないだろう。と
東郷は推測し、顔を顰める
攻撃のタイミングではないということは、攻撃をされたタイミングだからだ
もちろん、
東郷の目にも見えた猛攻からして、それを否定できるとは思えなかったが
その場合の力の減少を、東郷はあまり考えたくはなかった
- 910 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/27(金) 00:06:20.52 ID:ES/zuwQAo
-
攻撃での力の消費ならば、
それを力として正しく使ったからということになるが、
受け身での消費ならば、怪我をしたことになる
消耗が激しければ激しいほど、大怪我だ
夏凜も若葉も友奈も
致命傷と言えるほどのダメージではなかったはずだ
それでも、生身での戦いである以上
相応の怪我を負うことになっただろうし
その分のペナルティを抱えることになってしまったかもしれない
東郷「……少し、頑張れば」
東郷は満開こそ使えないが
園子と同じように、生身での戦いの経験がある
そして、友奈たちと違って
遠距離での攻撃を主としている
少しだけなら接近しても、友奈たち程の危険はないかもしれない
- 911 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/27(金) 00:24:59.23 ID:ES/zuwQAo
-
しかし、天の神の化身が
曲がりなりにも天の名を冠し、神の力を持っているのであれば
対象がどこにいようと関係なく
無差別に攻撃できるかもしれない
東郷「我が身可愛さ……なんて、ことはないけれど」
天乃の願いもあって、
身を切り捨てるなんてことをするつもりは毛頭ない
だが、かといって
ここで何もしない、ただ見ているだけというのはもどかしい
しかし、最終的な防衛ラインに穴をあけるようなことをして良いのだろうかとも思う
なにより、進んで危険な前衛を担ってくれているみんなを信じずに
後衛であるはずの自分が出るべきなのだろうか
東郷「夏凜ちゃん、若葉さん、友奈ちゃん……」
みんな、傷を負った
そのことを一番気にしているのは、同じく前衛として出ている樹達ではないだろうか
仲間たちが傷ついていく中、自分たちが無傷なのだから
東郷「焦らないで、樹ちゃん」
そうつぶやき、東郷は思わず笑みを浮かべた
- 912 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/27(金) 00:41:04.88 ID:ES/zuwQAo
-
天乃が酷く傷つけられ続けてしまうこの世界
天乃が失われる可能性があった
そんな未来しか残されていないのかもしれないと悩み
もしもそれしかないのならば、
そんな世界など終わらせてしまおうと考えさえもした
東郷「だけど」
だけど、樹はそれは諦めただけだと言った
もっとできることがあるはずだと
友奈も、風も、夏凜も
誰も諦めることがないのだと、はっきり言って見せた
そんな、犬吠埼樹が先走ってしまうことなどあるのだろうか
東郷「ない……わね。ないわ。樹ちゃんだもの」
あの子がそんな弱い心であるはずがない
東郷はそう信じ、自らの武器をしっかりと構える
東郷「樹先輩……そっちは任せるわ」
自分のやるべきこと
やれることを最大限に、確実に
そうしなければならないのが、この戦いなのだ
- 913 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/27(金) 00:45:22.43 ID:ES/zuwQAo
-
ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 914 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/27(金) 02:21:58.87 ID:WCDg2sgcO
- 乙
東郷さん結構冷静だなあ
- 915 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/27(金) 06:55:38.25 ID:+WMcvCuRO
- 乙
友奈負傷で少し心配だったけどここは冷静な判断をしたか
まだ心に余裕のある東郷さんが頼もしく見えるな
- 916 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/28(土) 20:50:33.00 ID:n26uTMwUo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 917 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 20:51:29.01 ID:i5VPG6+TO
- やったぜ
- 918 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/28(土) 21:52:08.84 ID:n26uTMwUo
-
夏凜「友奈も若葉も生きてる」
東郷と同じように、力の減少を感じとった夏凜は
それが完全に消滅していないことに安堵する
天乃の力が完全に消失してしまったとしても、
それが死んでしまったということにはならないが、
その確率は非常に高まってくる
園子「本当は天の神の力に対抗するための力だったんだけどね」
夏凜「良い副産物だったわね」
しかし、
勇者部の中では、樹だけがその恩恵を受けられていない
天の神の呪いもそうだが、
どれだけのダメージを受けているのかというのを、感じ取ることができないのは
聊か、不安を覚えてしまう
それを感じてか、園子は眉をひそめたが、
夏凜は軽く手を振る
夏凜「分かってる。向こうには歌野がいるんでしょ?」
なら大丈夫だと、頷く
不安はあるが、心配は要らないだろう
なにせ、西暦の勇者である白鳥歌野が、いるのだから
- 919 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/28(土) 22:41:59.56 ID:n26uTMwUo
-
夏凜「園子、天乃が戻るまでどのくらいか推測できない?」
園子「すぐに戻ってくることが出来るような状態じゃないことだけは……確かだよ」
天乃が神婚を請け負うという話になった時とはまるで違うコンディション
あの状態では、神樹様にたどり着くだけで相当な消耗をすることになるし、
対話もすんなりとは、行えないだろう
最悪、数時間は天の神の化身と戦い続けなければならない
園子「………」
夏凜「その顔……簡単じゃなさそうだけど」
園子「数時間は覚悟した方がいいかもしれない」
夏凜「……まぁ、そうだろうとは思ったわ」
あんな化け物と数時間戦う必要があるというのも大げさではなく、
攻撃をしてもダメージが蓄積されている様子の全くないアレは、倒す方法などないのかもしれないとさえ、思えてしまうからだ
もしもそうなら、この戦いは耐久戦になる
そうなれば、数時間でも数十時間でも
自分たち以外の何かによる介入がなければ、終わることはない
夏凜「やれること、やるべき。か」
園子「にぼっしーそれは、まだ早いよ」
夏凜「一瞬でしかない輝き。だとしても、それが無意味とは限らないわよ」
- 920 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/28(土) 23:28:29.60 ID:n26uTMwUo
-
園子「無意味なんて言わないけど、それはまだ早いと思う」
夏凜「………」
園子「ゆーゆも、ご先祖さまも頑張ってる」
樹も、歌野も
千景も、そこに近づいている風も
その後ろに控えてくれている東郷と球子も
東郷なんかは、隣人として、親友として、
友奈にも相当入れ込んでいる
その東郷が、怒り任せに突っ込んでこない事からしても、ただ、戦いに対して頑張っているだけではないというのは、明白だろう
園子「にぼっしーは、天さんのいない私達にとっては切り札も同然。よく考えて」
夏凜「それでも、満開を使うべきだって言ったら?」
園子「その時は……仕方がない。かも」
園子としては早いと思うが
それが最善というのなら、最善かもしれない
夏凜が言ったように、
若葉が見せてくれたように
例え一瞬の輝きであろうと、それが無意味なことなどはないのだから
正直なところ、
ちまちまとした攻撃だけではどうにもならない可能性が高い
であれば、今もまだ力を残している皆もそれを使う必要があるかもしれない
園子「カモカモカモ。カルガモ大行進だねぇ」
嫌な意味で、可能性は無限大だ
1、満開
2、攻撃(威力700)
3、精神(必中・熱血・根性)
4、出方を待つ
↓2
- 921 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 23:29:40.05 ID:wUoA/OBrO
- 2
- 922 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 23:29:57.66 ID:wcfkJKUCO
- 4
- 923 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/28(土) 23:50:00.35 ID:n26uTMwUo
-
ではここまでとさせていただきます
明日は出来れば、お昼ごろから
- 924 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 23:51:52.80 ID:wUoA/OBrO
- 乙
長期戦必至か
久遠さんがどうなってるのか気になるな
- 925 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/28(土) 23:58:32.49 ID:wcfkJKUCO
- 乙
久遠さんまだ神樹様のところにたどり着いてない可能性もあるのか…
普通の攻撃で倒せそうにない以上、できるだけ時間稼ぎして本当に危なくなったら満開だな
- 926 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 17:09:29.33 ID:MXHmHzZPo
-
遅くなりましたが、少しずつ
- 927 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 17:15:39.05 ID:OLPz9q4hO
- かもーん
- 928 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 18:25:13.34 ID:MXHmHzZPo
-
夏凜「園子、相手の動きを待ちましょ」
園子「天の神が迎撃してくるだけだから?」
夏凜「それもあるけど、むやみに攻撃して余計に被害の出る攻撃でもされたらたまらないからよ」
今のところ、
被害が出ているのは攻撃したメンバーだけだ
最初は夏凜、次は友奈と若葉
園子も言った通り、天の神は今のところ攻撃してきた相手に対し、
その一帯を巻き込む攻撃をするのみに徹している
もちろん、神様である天の神の力がその程度なわけがない
あえて使っていないだけだろう
夏凜はそう考え、ぐっとこらえて息を吐く
夏凜「友奈達が攻撃した後、私達を巻き込んでもおかしくなかったのに、しなかった」
園子「ただ手加減してくれてるだけだって思う?」
夏凜「思えない」
園子「それに、出方を見るだけだったらゆーゆ達がもう一度狙われる可能性もあるよ」
夏凜「だからって、下手に手出しは出来ないわ」
夏凜にはまだ加護があるが、園子にはない
その状態での戦闘経験があると言っても、安易に巻き込むことは避けたい
- 929 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 18:47:00.77 ID:MXHmHzZPo
-
夏凜「満開でも使って、一気に攻めたいって気持ちはある。友奈達が危ないから何とかしたいって思いもする」
けれど、圧倒的に手が足りないのだ
満開で天の神の気を引くことに成功しても
それを凌ぎきるだけの力がなければ、友奈を助けた意味がなくなる
友奈を助けられても、自分が犠牲になればそれで終わりだ
散々、天乃に言ってきた周りが助かれば自分がどうなってもいいの典型的なパターン
夏凜「………」
園子「私に何かできることある?」
目を向ければ、園子は力強く見返してくる
勇者らしいたたずまいで、そばにいてくれている
きっと、満開を使って気を引くことになっても
園子が守ってくれるだろう
だけど、だからこそ駄目なのだ
慣れているからという理由で真っ先に満開を使った園子は、
夏凜からしてみれば、天乃に近い危うい人間だと言わざるを得ない
あの場では仕方がないことだったけれど
でも、そう考えざるを得ないのは
自分が勇者でいられるのは、三ノ輪銀という先駆者がいたからこそだと分かっているからだ
- 930 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 19:40:05.08 ID:MXHmHzZPo
-
夏凜「真っ先に、私のところに来たわよね。園子」
園子「……うん」
夏凜「三ノ輪銀と被るから?」
園子「違うよ」
即答しながらも、園子は言葉を続けずに夏凜を見て、
天の神が動かないことを確認してから
夏凜へと向き直る
園子「でも、絶対に違うとは言えない」
友奈と若葉が一緒に向かった
歌野は樹を追いかけて、東郷と球子は残り、風は中間地点で待機
千景も中央に着てはいるが、今は立ち止まっている
なるべくしてなったと言えばそうだし
もしそうなっていなくても、自分はここにきていたかもしれない
だけど、それが銀と被るからではない
どちらかと言えば、
今の夏凜が似ているのは天乃だ
血を分けたこともあって、雰囲気まで似てしまっている
その危うさもあれば、真っ先に向かうのも道理だ
園子「ミノさんも、とても熱かった。にぼっしーと同じくらい」
夏凜「だから、こっちに来た?」
園子「もう二度と、天さんにあんな思いはさせたくないから」
- 931 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 20:08:14.77 ID:MXHmHzZPo
-
園子「夏凜ちゃんも。だよね?」
夏凜「そうね」
園子「だったら、無理は出来なよね?」
夏凜「しなくていい状況を作ってくれればね」
夏凜の視線を受けて、園子が小さく笑みを浮かべると
夏凜も軽く笑みを零して、刀を振るう
今は戦いの真っただ中
何を下らないことをとは思うが、
天乃はきっと、その程度の余裕を求める事だろう
夏凜「天乃がいれば、呑気な会話の一つや二つしながら、そんな場合じゃないのよ。って、困った顔するわ」
園子「誰かが危険な時は、そんなことできないのが天さんだよ」
そして、
そんな時こそ、元気を出してと笑うのが、三ノ輪銀という友人だった
園子「天さんは遅くなってごめんねって言うから、遅いって。怒ってあげよう」
夏凜「賛成」
そんなことないと慰めるよりも
遅いと軽口をたたく方が、天乃には効果がある
夏凜「樹と歌野が動きそうね。風も千景と合流する。ここからが、本番よ」
園子「私はにぼっしーについていくよ」
夏凜「別にいいけど、追い越さないで」
園子「うんっ」
- 932 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 20:25:29.57 ID:MXHmHzZPo
-
樹「お姉ちゃんから連絡です。千景さんと合流してから向かうって」
歌野「乃木さんも問題ないって、結城さんも確認できたらしいわ」
精霊としての連絡網と
樹たちが使っている携帯電話
それぞれで回ってくる情報を受け取り、
樹たちはひとまず、友奈達の無事に安堵する
樹には夏凜を狙った時よりも強力な攻撃に見えたが、
歌野には、それほど強い力ではなかったように感じたらしく
上には上がある
体についた虫を払う仕草程度。と、不安がっていたのだ
次はどこが狙われるのか
誰を狙うのか
夏凜は攻撃したから狙われた
友奈達も攻撃したから狙われた
自分たちが無事なのは何もしていないからだろう
では、このまま誰も攻撃せずに待ち続けたら?
歌野「神樹様に、むくんじゃないかしら」
樹「その場合、標的になるのはお姉ちゃんたち……です」
- 933 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 21:10:08.95 ID:MXHmHzZPo
-
標的になるというよりも、
間に割って入るというのが正しいかもしれない
近くにいる夏凜達が狙われず、
中間地点にいる風達を優先して狙う理由がないからだ
樹「何もしなければ、直接神樹様を狙うかもしれません。でも」
歌野「また、結城さんたちが狙われる可能性もあるわ」
もしかしたら、夏凜達かもしれない
そうなった場合の危険性を考えれば、
ここで動いて、確実に自分たちが狙われておくべきだ
だが、だんだんと威力を上げてきていることを考えれば、
狙われるには非常に高いリスクを伴っている
歌野「その刻印、なんともない?」
樹「……そうですね。特には」
痛みはないが、
天の神の攻撃を受けた際に、何らかの効果があるかもしれない
神樹様に守られた世界で、間接的に天の神の力を受けただけであんなことになるのだから
直接、その力を受けたら大変なことになる可能性は高い
歌野「何ともないなら、動くべきかもしれないけど」
1、出方を待つ
2、樹は下がる
3、攻撃を仕掛ける
↓2
- 934 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 21:13:33.55 ID:kxahsz6BO
- 2
- 935 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 21:15:58.71 ID:WNooWcii0
- 2
- 936 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 21:51:04.36 ID:MXHmHzZPo
-
歌野「樹は後ろに下がるべきね」
樹「これのせい、ですか?」
樹が自分の胸元に手を宛がうと、
歌野は少し顔を顰めて、頷く
いつもの英語交じりではない時点で、
歌野がただ本気なだけではないというのは、樹も考えていた
そんな時に、大丈夫なのかと聞かれれば、
樹だけが残すことになってしまった天の神のタタリを懸念して退くことを指示されるのは、
流石に、分かってしまう
樹「タタリにタタリが合わされば、神樹様……精霊の加護なんて意味がないかもしれない」
歌野「そう。フィフティフィフティなんて話じゃない。100パーセント」
それは、樹だって身をもって体験したことだ
神樹様に守られた世界で
精霊の加護がある状態で
それでもなお、あんなことになってしまった経験が。
- 937 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 22:03:31.39 ID:MXHmHzZPo
-
樹「歌野さんは?」
歌野「私は残るわ」
樹「一人に、するんですか?」
歌野「意地悪な事言うわね」
手を引かない、訴えるような目もしていない
けれど、求めるような声に、
歌野は困り果てた末のような笑みを浮かべながら、樹を見る
一人にしないで。なんてことを言いたいのではなく
一人にならないで欲しいと、言いたいのだろう
自分が力になれるかどうかではなく、
ただ、その瞬間、必要な場面で求めることも求められることもできないというのが、
樹は嫌なのだろう
歌野「よくシンキング。樹はリスクが高すぎる。犬吠埼さんと郡さんがもうすぐ来る。それ以上、何か理由が必要?」
樹のそれは、
満開を使うよりも危険があると、歌野は考えているのだ
嫌がらせでは言っていない
樹「それ以前に、久遠先輩が悲しみます」
歌野の思いがあってこその言葉だから、
樹はあえて、笑顔で呟いた
- 938 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/09/29(日) 22:07:12.75 ID:MXHmHzZPo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
- 939 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 22:14:47.44 ID:kxahsz6BO
- 乙
樹ちゃんの場合は祟りのリスクが高過ぎるから致し方ないが…
みんなの思考がだんだんと久遠さん寄りになってきてて心配だな
- 940 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/29(日) 22:58:56.82 ID:PIiEj335O
- 乙
特に祟りが怖いから仕方ないよなあ樹は
- 941 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/09/30(月) 12:22:07.15 ID:tMF3LL/QO
- 久遠さんみたいな思考は血を分けたせいかな
無理をしないと踏み留まってはいるけど危なくなったら駄目そう
- 942 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 20:44:09.38 ID:hIKqjXe3o
-
では少しだけ
- 943 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 20:53:13.40 ID:+p8VkOIaO
- よしきた
- 944 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 21:49:20.19 ID:hIKqjXe3o
-
本当なら、力になるべく前線に留まりたいが
その力になれる部分よりも、足手まといになる部分の方が多いかもしれないと、
樹は少し悔やみつつ、半歩下がる
天乃が予定通りだったなら
何も問題が起こらないままだったなら
考えるべきことではないが、
万全だった場合のことが脳裏をよぎった樹は
頭を振って嫌な気持ちを払う
樹「久遠先輩は無理をしようとしてくれた……それを、断ったのはほかでもない私だから」
歌野「ハッピーエンドの為に、無理はノー。それは結局、バッドエンドを迎えることになるわ」
樹「歌野さんは無理をしませんか?」
歌野「消えるほどの無理をする気はないわ。それだけの力を使いたくないとは、思ってる」
樹「いくら歌野さんでも、一人でしのぎ切るのは無理があるんじゃないですか?」
歌野「隠れておくから、大丈夫」
樹「見つかっちゃうかも、しれませんよ?」
歌野「その時は、師匠としてのパワーを見せてあげるわ」
- 945 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 22:23:56.98 ID:hIKqjXe3o
-
決して余裕があるわけではないけれど、
余裕がありそうな表情を見せてくれる歌野に、
樹は少し困った表情を見せて、身を翻す
樹「分かりました。信じます」
歌野「ごめんね」
樹「いえ、気にしないでください」
仲間と一緒にいる事
背中を守り合うことのできる相手がすぐそばにいる事
それを一番心強く思っていたのも、
一番喜んでいたのも、歌野だ
その歌野が、少しの時間とはいえ、独りになることを選び
それに対して、ごめんねと言う
辛いのは、歌野も同じなのだろうと、樹は思う
樹「歌野さん、約束ですよ」
歌野「イエス、プロミス」
樹「………」
天乃のようにではないけれど、
安心させるためならと、無理をしてしまいそうな気がして、樹は念を押す
対する明るい声に、安どすることは少し、難しかった
- 946 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 22:35:30.18 ID:hIKqjXe3o
-
01〜10 若葉・友奈
11〜20 風・千景
21〜30 夏凜・園子
31〜40 樹
41〜50 歌野
51〜60 夏凜・風
61〜70 歌野・樹
71〜80 東郷・球子
81〜90 樹
91〜00 若葉・友奈
↓1
※対象判定
- 947 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 22:36:22.05 ID:+p8VkOIaO
- あ
- 948 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 22:41:13.54 ID:hIKqjXe3o
-
????→友奈 命中判定↓1 01〜90 01〜10・ぞろ目CRT(精霊ゲージ消費大)
????→若葉 命中判定↓2 01〜75 切り払い 01〜05 ぞろ目CRT
※命中後判定のため、若干の回避減少
- 949 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 22:47:02.85 ID:+p8VkOIaO
- あ
- 950 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 22:48:36.29 ID:R7P7n3zu0
- あ
- 951 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/01(火) 22:49:42.90 ID:hIKqjXe3o
-
では短いですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
可能であれば、3ターン目終了。
- 952 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/01(火) 22:53:21.47 ID:+p8VkOIaO
- 乙
一番弱ってそうなところから狙ってくる天の神マジ外道
友奈ちゃん、満開するしかないか…?
- 953 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 02:17:12.28 ID:jwXpGZDFO
- 乙
追撃エグくてワロタ
友奈の足もげそうで怖いわ
- 954 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 20:49:16.21 ID:OADGY1y+o
-
では少しだけ
- 955 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 21:00:49.98 ID:KL7dgy5zO
- あいよー
- 956 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 21:12:53.85 ID:OADGY1y+o
-
友奈に268ダメージ
若葉に279ダメージ
- 957 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 21:36:26.84 ID:OADGY1y+o
-
友奈「っ……」
空を覆う暗雲の中、大きく見開かれた瞳のような模様を見上げた友奈は
それに見返されたような気がして、奥歯を噛む
狙われていると、培ってきた戦闘の経験が感じ取る
いままで、精霊によって匿われてきた死の空気が肌に纏わりつき、
地獄か、天国か
死へと引きずり込もうとしているように錯覚する
足が震えているのは、ダメージのせいだけではない
怖いのだ、純粋に
友奈「久遠先輩……」
大丈夫。と、口にしても
皆がいるから。と、信じても
安心できるような状況に、友奈はいない
一つ、また一つ
無数の火の玉が生み出されていく
それはそう見えているのか、事実そうなのか
非情に、ゆったりと、焦らしているように友奈には見えた
- 958 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 21:48:28.30 ID:OADGY1y+o
-
友奈「……避け、られる。かな」
恐怖に震える声は頼りなく、
歯のぶつかり合う警笛が、必死に動こうとするものの、
傷を負った足はまともに動かず、
無事な右足ですら、笑ってしまっている
友奈「………」
友繰後ろに重心をずらしていくと、
少しいびつな形をした根に支えられてしまう
友奈「いっそ……」
幸い、樹海の最深部に至っていない友奈は
下を覗けば、まだまだ入り組んだ樹海の隔たりが見える
転がり落ちれば、天の神の猛攻を防ぎきれるかもしれない
だが、まともに庇うことのできないこの生身で転げ落ちていったらどうなるか
考えるまでもない
言ってしまえば、絶体絶命だった
友奈「だめ」
だとしても、諦めたくない
友奈「いやだ」
諦めるわけにはいかない
友奈「いやだッ!」
こんなところで、こんな場所で
終わってしまうわけには、いかない
- 959 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 22:35:57.27 ID:OADGY1y+o
-
擦るように動かした左足で半歩、動く
まだ震えている右足でさらに一歩、動く
崩れかねない体の支えを樹海から自分の足と、抱く腕に変え
静かに、ゆっくり、動き始め、
無数の光の照り付ける熱さに息が詰まる
焦りと恐怖に勇者の装束が張り付いてくる
生身ゆえの弊害、身体の重さがより鮮明になっていく
友奈「んっ」
息を呑み、踏みしめれば痛みの走る左足で、
もう一度、強く地面に叩きつけるかの如く、踏み込む
友奈「生きるんだッ!」
踏み込んだ痛みに躓くように前のめりになった友奈は、
その勢いのままに、駆け出す
痛みを誤魔化すための力強さが樹海の表面を削り取る
それを皮きりに、漂うだけだった無数の火の玉が友奈達のいる場所目掛けて降り始めた
- 960 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 22:50:55.71 ID:OADGY1y+o
-
追尾性能を与えられた火の玉は確実に友奈を狙う
樹海の中に潜ろうと、
走る速度が落ちようと、早まろうと
友奈が向かう先に的確に落ちるべく突撃しては、樹海の根を吹き飛ばす
背中を殴る爆風がだんだんと勢いを増していくのを感じ、
逸る心が足元をおろそかにさせ、速度を殺してしまう
爆風で吹き飛ばされても、躓いてもだめだ
友奈「っはっ……はぁっ……」
直撃の隙を与えれば、その時点で終わる
死なないかもしれない
だけど、絶対に無事では済まない
喉が渇きを訴え、吐き出す空気に痛みを感じ、
飲み込んだ唾液に血が混じる
友奈「それでも」
立ち止まれない
挫けるわけにはいかない――
若葉「右だぁぁぁッ!」
若葉の叫びに押されるように目を向けた先で
あざ笑うように開いた口のような模様が、とても大きく見えた
友奈「先輩……っ」
――無理だとしても、無駄だとしても、それが現実になるまでは。
- 961 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/02(水) 22:56:26.22 ID:OADGY1y+o
-
では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
明日、再開時友奈側判定
結城友奈 HP391/900(残り約4割)
乃木若葉 HP699/1230(残り約6割)
- 962 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:01:25.00 ID:CUTPwV0ZO
- 乙
大丈夫かこれ
- 963 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/02(水) 23:05:13.35 ID:KL7dgy5zO
- 乙
このままじゃ友奈ちゃんが死んじゃう…
最悪友奈ちゃんだけでも撤退させるべきか
- 964 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/03(木) 12:23:05.70 ID:G6jb4jg2O
- 東郷さん発狂不可避
- 965 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/04(金) 21:34:07.39 ID:/47/8NY2o
-
では少しだけ
- 966 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/04(金) 21:35:54.66 ID:EXo1mRtuO
- やったぜ
- 967 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/04(金) 21:57:24.00 ID:/47/8NY2o
-
友奈の傷度
1最低 0最大(+2)
判定↓1
- 968 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/04(金) 21:58:47.15 ID:EXo1mRtuO
- たのむ
- 969 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/04(金) 23:07:29.34 ID:/47/8NY2o
-
若葉「友奈っ!」
真横の爆発が生んだ赤い瞬きに包まれた友奈は
その数瞬後にはすぐそばにあった樹海の根に衝突し、
転がるように、深くへと落ちていく
若葉「くっ」
爆発は直撃、
衝突音は鈍く、木々の枝が折れる音が生々しく聞こえ、
転がり落ちる友奈は身体的な抵抗感など全くない糸の切れた人形のようだった
若葉「くそっ!」
後を追おうにも、若葉とて狙われている
助けに行って、攻撃が集中して
それがまた、友奈に傷を負わせる結果になるのではないかと、
身を翻した若葉は、あえて上へと向かう
少しでも目立ち、
少しでも自分に矛先が向かうように
勢いよく飛び出した若葉は、あえて直撃しかねない距離を保って駆けていく
- 970 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/04(金) 23:47:36.25 ID:/47/8NY2o
-
若葉「………」
あれはまずい。と、若葉は駆け抜けながら友奈の落ちて行った方向へと目を向ける
最初の攻撃で負傷したであろう左足に不安を抱えていたせいもあって、
横からの攻撃に無防備だった
転がり落ちていくのを横目に見たとき、
四肢の欠損をしているようには見られなかったのが、唯一の救いだろう
まだ精霊の加護があるから、ギリギリの部分で救われている
大きなけがを負うことになっても、一線を越えることはないのかもしれない
だが、それはあくまで希望的観測だ
友奈が落ちて行った先で
体の一部を失うしかないほどの傷を負っている可能性がある
若葉「友奈……」
自分がいながら何という体たらくか
口惜しくつぶやいた若葉は、
不意に一歩後ろに飛んで、無理やりに右に曲がる
その瞬間、
本来向かっているはずだった場所で爆発が起き、樹海の根がはじけ飛ぶ
- 971 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/05(土) 00:41:13.60 ID:7d4KB+7to
-
若葉「本気か……ッ」
若葉達が最初に 受けた攻撃よりも
精度は確かで、威力は上がっている
怪我をしてしまった友奈が回避しきれなかったのも当然だろう
若葉「っ」
精霊である若葉には、
スタミナ切れなんていうものは存在しないが、
精神的な疲弊はある
そして、心の疲れが体を不安定にさせてしまう
若葉「しまっ」
天の神の攻撃によって、
ただでさえ弱っている樹海がさらに傷を負い、変わった地形
蹴り上げた根の枝は浮かず、蹴った右足が宙を踏む
タイミングをずらされた左足の踏み込みは嫌なほどに強く
次の一歩は前のめり気味にバランスが悪く、
無理やりな調整は時間を無駄にかけさせ、たった一撃
されど……一撃の猶予を与えてしまう
- 972 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/05(土) 00:54:36.10 ID:7d4KB+7to
-
短いですが、ここまでとさせていただきます
出来れば明日、少し早い時間から
- 973 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 00:57:33.54 ID:tB/7pQHEO
- 乙
ここんとこずっと不安なシーンが続いて不安だ……(語彙の死)
- 974 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 06:29:22.47 ID:KG9zYxz3O
- 乙
若葉ですら苦戦してるな…
そろそろ切り札の使いどきだろうか
- 975 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/05(土) 22:11:50.59 ID:7d4KB+7to
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 976 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/05(土) 22:28:30.77 ID:+K5rVYxmO
- きてたー
- 977 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/05(土) 23:49:33.26 ID:7d4KB+7to
-
友奈「ぅ……」
薄れていく意識が、爆発音で引き戻される
目を向けたいのに瞼が重い
体中の痛みに脳が動くことを拒絶してしまう
血が出てしまっているのか
所々の嫌な熱がじわじわと痛みを帯び始める
友奈「ぅ゛」
声は出ないのに、血が流れる
若葉さんはどうなってしまったのか
みんなはどうなっているのか
久遠先輩は?
色んな考えが浮かんでは消えて
だんだんと、頭の中が空っぽになっていく
友奈「じ……ぅ゛」
体の下敷きになっているせいか、感覚のない右手
体を起こすのを諦めて左手に集中すると、
ずずっ……と、左手が擦り動く
- 978 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 00:32:15.92 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「………」
勇者としての力があって、精霊の加護が残っていて
それでも、二度目の攻撃を受けきるには、力不足だったのだろう
爆発に巻き込まれ、爆風に飛ばされ、
転げ落ちて、ボロボロになってしまった
右手は感覚がなく、左手は動くが、上がらない
両足もまったく動く気配がない
このまま死んでもおかしくない
そう思いながら、
半分だけ見えるようになった視界に映る左手を見つめる
手甲の武具は砕けてひび割れ、
手を包んでいた白く薄い装束は破れて素肌が見え、
土と血で汚れてしまっている
震えているそれは握るほどの力はなく、開くことも出来ない
- 979 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 00:57:33.55 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「………」
みんなが頑張っているのに、
自分だけが、倒れ伏してしまっている
力があるはずなのに、何もできないもどかしさ
弱い自分への不満と怒り
あの頃の天乃が抱いていた気持ちはこういうものなのかと
溢れ出てきそうな涙を堪えるように、瞼を閉じる
友奈「ごほっ」
勇者の回復力をもってしても
動けるようになるのかどうか怪しい
地面に付いた左手は滑って、体が傾く
もう一度左手を動かしても、
また、体を起こそうとする力に負けて、滑ってしまう
支えることすら、出来ないのだ
- 980 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 01:22:57.25 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「………」
この状態で追撃を受ければ、
回避はもちろん、直撃は免れない
そうなれば、体が動くか動かない以前に
考えるまでもなく……死ぬ
友奈「ぁ……」
出来る限りの力を振り絞り、
力強く左手を地面に叩きつけて、体を仰向けにする
目に入った世界は枯れた樹海の根に阻まれて
天の神の覆う空は見えない
友奈「はっ……はっ……っ」
下敷きになってしまっていた右手は
強いしびれを感じるものの、
完全に失われたわけではないのだと、痛みが伝わってくる
今の状態では、
動けるようになるにはかなりの時間を要することになる
若葉がいれば、一緒に逃げて貰うことも出来るが
いないなら……このまま囮になるか
満開でも使って、無理やりに動けるようになるしかないだろう
- 981 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 01:23:45.31 ID:k8OGxPeOo
-
では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
- 982 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 02:59:54.41 ID:JRH9cJGUO
- 乙
友奈…「命大事に」だぞ
死んだらなんにもならないからな
- 983 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 06:43:38.63 ID:5NGoADcXO
- 乙
ズタボロにされていく友奈を見てるのはかなり辛いな…
- 984 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 19:24:35.51 ID:k8OGxPeOo
-
遅くなりましたが、少しだけ
- 985 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 19:32:51.20 ID:/Ft6Pe47O
- かもーん
- 986 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 19:53:38.38 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「げほっかひゅ……はーっはっはぁ……ごふっ」
呼吸を整えようとすると、
内臓の痛みがより鮮明に感じるような気がして、
収まりそうになるたびに、早まってしまう
早鐘を打つ心臓が容量を超えるのも時間の問題だと
激しい痛みが訴えてくる
友奈「はぁっはっはっはっはぁ……んっげほげほっ」
このまま放置されても、死ぬのではないか
囮にすらなれず
周りが苦しめられ、傷つけられ
奪われていくのを見せられながら息絶えることになるのではないかと
嫌な考えばかりが、浮かんでくる
友奈「いやだ……やだ……やだよぉ……」
そんな死に方は嫌だ
そんなみっともない、最低で最悪の終わりは絶対に嫌だ
その絶望感に押し流されていく涙が、頬を伝う
前向きになれるのが、友奈の強みだった
だが、それだけではだめだと教えられた
ネガティブになることを悪とせず、受け入れ
それでも。と、言える勇気と強さを持つことの大切さを知った
だからこそ、この戦いの場にいるはずなのに
強いと思っていたのはただの自惚れだったのではないかと、自信が霞む
- 987 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 20:10:53.93 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「死にたくな゛い……終わりたくない……っ」
強い言葉が、出てこない
助けを求める言葉よりも、藻掻く弱さが這い出てくる
泣くなと止めた涙が溢れてきて
潤って薄まった血の唾液が喉を下っては
咳き込む勢いに吐き出される
回復が見込めない
このままでは死ぬ
可能性だと思っていたことが、【確信】になっていく
友奈「久遠先輩……せんぱい……ごほっ」
助けて。と、叫びたい
神婚なんて、神樹様なんて
放っておいていいから、今すぐにここに来て欲しい
そんな考えにまで至りそうになる弱さに、友奈は目を開く
友奈「わ……たし……は……」
1、まだ、頑張れる
2、もう無理だ
3、満開を使おう
4、しばらく、動くのを止める
↓2
- 988 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 20:11:35.29 ID:/Ft6Pe47O
- 3
- 989 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 20:15:31.43 ID:UeUdx1Qs0
- 3
- 990 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 20:53:13.21 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「まだ……おわれ……ないっ」
ゆっくりと左手を掲げた友奈は、
胸元に下ろしたままの右手の方へと持っていくと、
まだ動かせない右手の指を、
小指から親指まで、一つずつ、しっかりと曲げて握り拳を作っていく
強く、固く、はっきりと握り拳を形作り、
左手を動かすための力を、右手へと移す
友奈「はーっはーっはぁっはぁっ……っ」
力の流れが、変わる
閉じた瞼の奥で
体の中に流れる力を感じ取り、制御する
友奈「ふぅ……」
体が痛むのを承知で、無理やりに息を整える
いざというときの為に、残しておいた力
使えばもう、後戻りの利かない力
友奈「――満開ッ!」
その叫びに呼応したかのように、
力が、どこからともなくあふれ出した
- 991 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 21:14:44.87 ID:k8OGxPeOo
-
友奈「はぁ……はっ……こほっ」
満開で力がみなぎっていると言っても、
満身創痍な体が完治するわけではないのか
その反動による回復力をもってしても、
治しきれる傷ではなかったのか
反動で血を吐いた友奈は、立派に治った手甲を一瞥し、
人差し指で口元を拭う
綺麗になったばかりの純白が、赤黒く汚れていく
友奈「足は、動く……手も」
踏みしめる力も、握りしめる力もある
これなら戦えると、安堵はしない
満開を使ってようやく動ける体など
攻撃を喰らえばひとたまりもないだろう
戦うための力だ
だけど、逃げるために使うのが最も得策なのではないかと
友奈は考えられるだけ考えた頭で、答えを出す
- 992 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/10/06(日) 21:38:38.53 ID:k8OGxPeOo
- 次スレ
続きは、次スレ
【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【二十輪目】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssr/1570364671/
- 993 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 21:40:23.36 ID:/Ft6Pe47O
- 了解
- 994 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:46:10.91 ID:qcSGEgVpO
- じゃ、埋めるか
- 995 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:46:41.10 ID:qcSGEgVpO
- 埋め
- 996 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:47:25.28 ID:qcSGEgVpO
- 埋め
- 997 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:47:56.02 ID:qcSGEgVpO
- 埋め
- 998 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:48:38.51 ID:qcSGEgVpO
- 埋め
- 999 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:49:07.01 ID:qcSGEgVpO
- 埋め
- 1000 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/10/06(日) 22:50:02.77 ID:qcSGEgVpO
- 乙
- 1001 :1001 :Over 1000 Thread
- ___, - 、
/_____)
. | | / ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
|_| ┃ ┃ ||
(/ ⊂⊃ ヽ) /  ̄ ̄ ̄ \
! \_/ ! ( ( (ヽ ヽ
,\ _____ /、 | −、ヽ\ !
ゝ/  ̄ ̄ ̄ \ /. \/ ̄\/ .\ | ・ |─ |__ /
/ _____ヽ | | _┌l⊂⊃l | | ┌ - ′ ) /
| | / ─ 、−、! | | / ∋ |__| | | ヽ / ヽ <
|__|─ | ・| ・ | | /`, ──── 、 | | ` ─┐ ?h ̄
( ` ─ o−i ヽ / \ .ノ_ .j ̄ ̄ |
ヽ、 ┬─┬ノ / ̄ ./ ヽ- 、\ /  ̄ ヽ\
// /ヽ─| | ♯| / i | ..) ) \ i ./ |\\
| | / `i'lノ))┘/ , ─│ !-l⊂⊃l┐__ヽ__/\ / | | |
| | | ̄| / /| / ( (... .ヽ / |____|∈ __./ .| | |
|_|/ヽ、_/ ./ ` ─ /\ /ヽ  ̄ \-──| \|_|
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