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【安価でゆゆゆ】久遠天乃は勇者である2nd【十九輪目】

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502 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/10(土) 23:46:51.74 ID:1MPdWFt4O
乙
久遠さんの失ったもの…絶対全て取り戻してやりたいな
503 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 16:57:25.66 ID:nUvN/mzjo

では少しずつ
504 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 17:14:43.88 ID:39OH5a5pO
きてたー
505 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 18:07:26.24 ID:nUvN/mzjo

天乃「………」

夏凜「心配するなとは言わないから、信じなさいよ」

悲しそうな顔を見せようとする天乃の頬にそっと触れる

感覚があるのなら手を握ってあげるのも良かったかもしれない

でも四肢は愚か、ほとんど全ての感覚が停止してしまっている今の天乃には

頬に触れても意味があるのかは分からないが、

笑おうとしたり悲しそうにしようとしたり。

他と比べればまだ感覚が残っている方だろう

夏凜「くすぐったい?」

天乃「………」

夏凜「あんたにしては、珍しく正直なんじゃない?」

天乃「………」

夏凜「あんた、寂しいのが苦手なんだったっけ」

別に馬鹿にしてるわけじゃないわよ。と、言っておく

誰にだって苦手なこと、弱いこと、嫌いなことくらいある

天乃は特にそれが顕著だが

失うということを知っている

ただの空白ではなく、喪失を知っている

だからこそのトラウマだ

夏凜「何のためにこの時間に来たと思ってんのよ」

天乃「………」

夏凜「察しなさいよ。出来るでしょ?」
506 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 18:48:04.81 ID:nUvN/mzjo

天乃「…………」

天乃はゆっくりと、目を閉じる

夏凜がなぜ、この時間に会いに来たのか

体調の回復をしようとしていたから。なんて言ったら

夏凜は怒るかもしれないと、考えてみる

普段なら、苦笑していただろう

そして、夏凜が文句を言って……また笑う

それが今は出来ない

口を動かしているつもりでも、しびれているように動かない

それが少し悲しくなるのだが、

動かせなくても、目の前の人は察してくれる

察してくれてしまう

もしかしたらもう、隠し事は出来ないかもしれない

夏凜「なに?」

天乃「………」

夏凜「言いたくないなら、まぁ、聞かないけど」

目を開けてみると、

夏凜は本当に分かっているのか苦笑いを浮かべながら

仕方がないとでも言いたげに、見つめてくる
507 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 19:13:18.79 ID:nUvN/mzjo

天乃「………」

手を動かせるのなら、触れたい

声を出せるのなら、願いたい

でも、手は上がらず声は出ない

だけど、触れてくれる。声をかけてくれる

思った言葉に答えてくれる

だから――

夏凜「あと二日だし、出来る限り付き合うわよ」

天乃「………」

夏凜「千景に任せっきりになっちゃってたしね」

天乃「………」

傍に居て欲しいと。

そう、声をかけなくても夏凜は答えてくれる

夏凜「……それに、ここで一人にしたら瞳に怒られるわよ」

なんで一人にしたのか

どうしてそこでこうしなかったのか

色々と。

夏凜「天乃は知らないかもしれないけど、瞳って結構面倒くさいのよ。ほんと、ちょっとしたことで」

天乃「………」

夏凜「だからまぁ、一緒にいてあげる……わけじゃない」

天乃「っ」

自分の意志で、ここに来た

かつては雪辱を果たすため

今は、立てた誓いを果たすために

夏凜「私がいたいから、ここにいる。それだけよ」
508 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 19:30:53.94 ID:nUvN/mzjo

1日のまとめ

・   乃木園子:交流無()
・   犬吠埼風:交流無()
・   犬吠埼樹:交流無()
・   結城友奈:交流無()
・   東郷美森:交流無()
・   三好夏凜:交流有(自分の意志で)
・   乃木若葉:交流無()
・   土居球子:交流無()
・   白鳥歌野:交流無()
・   藤森水都:交流無()
・     郡千景:交流有(代わりに)
・ 伊集院沙織:交流無()
・      九尾:交流無()
・      神樹:交流無()


2月10日目 終了時点

乃木園子との絆  106(かなり高い)
犬吠埼風との絆  132(かなり高い)
犬吠埼樹との絆  115(かなり高い)
結城友奈との絆  146(かなり高い)
東郷美森との絆  145(かなり高い)
三好夏凜との絆  170(最高値)
乃木若葉との絆  113(かなり高い)
土居球子との絆  59(中々良い)
白鳥歌野との絆  57(中々良い)
藤森水都との絆  50(中々良い)
  郡千景との絆  62(中々良い)
   沙織との絆  146(かなり高い)
   九尾との絆  80(高い)
    神樹との絆   ??(低い)
509 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 19:35:16.71 ID:nUvN/mzjo

√ 2月11日目 朝 (病院) ※土曜日


01〜10
11〜20 千景
21〜30
31〜40
41〜50 九尾
51〜60
61〜70
71〜80 夏凜
81〜90
91〜00 沙織

↓1

※ぞろ目
510 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 19:37:08.25 ID:39OH5a5pO
あ
511 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 20:42:17.82 ID:nUvN/mzjo

√ 2月11日目 朝 (病院) ※土曜日


神婚の儀、前日

夏凜はすぐ横で眠る天乃を見つめると、微笑む

声を出しても起きなさそうな雰囲気ではあるけれど

起こしてしまうのは可哀想だ

元々静かに寝る天乃だが、まだ声が感じられない

やはり、治りきることは難しいのかもしれない。と

天乃に見られていないことを好機とみて、不安を顔に出す

夏凜「でもまぁ……」

明日は無理でも、

明後日には治っているかもしれない

出来れば明日、出る前には声を聴きたいと思いはするが

無理をすることになるのなら望まない

夏凜「………」

垂れる髪を退けようと手を伸ばして、止める

触れる温もりと、

久しぶりに見る、穏やかな寝顔

どちらがいいかと問われれば、言うまでもなく後者だからだ
512 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 21:07:32.65 ID:nUvN/mzjo

夏凜「ほんと、黙ってたら可愛いのよね」

もちろん、黙っていなくても。

東郷がいたら「エッチの時も」などと言い出しそうだなんて考えつつ

それを想像できてしまうことに自分の変化を感じる

勇者としてではなく、人として

一人の、女として。

異性が相手ではないことが少し異質なような気もするが

それは考えても仕方がないことだろう

自分を惚れさせてくれる男がいなかっただけなのだから。

そしてそれはきっと、これからも現れることはない

夏凜「あんた以上に、命懸けられるやつじゃないとね」

もっとも、ただ命をかけられるからといって

なびくようなこともないけれど。

夏凜「……感覚、ないんだっけ」

少し考えて、頬ではなく手に触れる

握ってみると、柔らかい

硬直しているわけではないが、筋力も低下している……ように感じる

鍛錬も何もできていないのだから、それも無理はない

夏凜「それでいいのよ。もう、あんたは」

戦えなくてもいい

帰りを待っててくれるだけでもいい

そう思い、もう一つの手を握る手に重ねる

夏凜「あんたは私達の、ヒロインなんだから」
513 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 22:21:59.33 ID:nUvN/mzjo

天乃はそれで満足してくれないけれど、

力があろうとなかろうと、待ってくれているだけの存在でもいい

昨夜は戻ってくれると信じていると言ったが、

それは何も戦線にという話ではない

明日の戦いの結果次第では、戦う必要はなくなるかもしれないが

今まで通りとはいかなくなるだろう

大人はきっと、子供は何も心配しなくていいというかもしれない

だが、大赦が行っているような情報統制は不可能だろうし、

現実が目の前にある

そんな中で変らずにいてくれる存在は大切だ

出かけるときに、行ってらっしゃいと

帰ってきたときに、おかえりと

外での話を聞いてくれて、それに対する言葉をくれて

夏凜「ただの夫婦かっ」

押し殺した声で、叫ぶ

天乃がいるせいでじたばたすることも出来ず

悶絶するような体の熱をごまかすことも出来なかった
514 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 22:59:33.00 ID:nUvN/mzjo

天乃「………」

夏凜「ぁっ」

天乃「………」

夏凜「……おはよ」

ゆっくり開いた瞳に声をかける

天乃は声を出そうとしたが、やはり、声は出ない

それでも困ったように眉は動き、表情に変化があった

少しずつ、本当に少しずつ回復していっているように見える

勇者としては治癒が遅すぎるかもしれないが

人としてならば、この回復速度も納得がいくような気がしなくもない

夏凜「笑える?」

天乃「っ」

夏凜「ぎこちないわね、その顔」

天乃「………」

夏凜「怒った?」

そんな顔してる。なんて、からかう夏凜に

ムッとして見せたつもりだが、まだぎこちないようで

それでも伝わっているはずなのだが……笑顔は絶えない


1、怒る
2、無視する
3、イベント判定

↓2
515 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 23:00:28.99 ID:39OH5a5pO
1
516 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 23:04:46.98 ID:pzIBtXsq0
1
517 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 23:06:00.18 ID:KuI2sNP3O
1
518 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/11(日) 23:08:17.71 ID:nUvN/mzjo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば少し早い時間から
519 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 23:18:06.39 ID:39OH5a5pO
乙
久遠さん、反応ができる分まだ救いがありそうで良かった…
あと悶絶する夏凜ちゃんかわいい
520 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/11(日) 23:19:03.50 ID:KuI2sNP3O
乙
やっぱり夏凜との絡みはいいな
521 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 04:33:48.08 ID:qBBjXa7jO
乙
久しぶりの夏凜とのイチャイチャタイムが長くて満足
522 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 20:16:08.73 ID:XX9BtBIzo

遅くなりましたが少しだけ
523 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 20:19:47.53 ID:vOXbsFIJO
よしきた
524 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 20:42:33.71 ID:XX9BtBIzo

ムッとする。

ただ、そうしただろうという感覚だけで

実際にそういう表情が出来ているという自信はなかった

というのも、しびれの残る不安を感じるのみで

ちゃんとした感覚を得られているわけではないせいだ

夏凜「やっぱり、怒った」

ぼやけたように感じる視界に映る夏凜は、笑顔だった

怒ったことは分かっているのに

楽しそうに笑いながら、頬に触れてくる

不安のあるしびれは消えないけれど

でも、確かな温もりは感じられる

柔らかいとか、硬いとか

ざらざらしてるとか、つるつるしてるとか、すべすべだとか

細かい感覚の一切が分からないのに

それが夏凜の手だと分かるのは、目が見えているからというだけではないだろう

だから。

夏凜「……あぁ、もう」

天乃「っ」

夏凜「私がからかわれるんだから、止めてよ」

夏凜の指が、頬を撫でる

何度も何度も

だから余計に、押し寄せてくるものがある
525 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 21:02:29.39 ID:XX9BtBIzo

嫌なことばかり続いている中で、

体が一切動かせない不安

一人になってしまう怖さ

それらを体感させられていただろう天乃にとっては、

自分のではない温もりを感じられるのが、気を許させる

それが分かっているから夏凜も強くは言わない

いや、分かっていなくても、強く言うようなことはしない

夏凜「怒ってたんじゃないの?」

天乃「………」

夏凜「いや、まぁ……そりゃ、効果的だけど」

泣けば夏凜が絶対悪になる

そんなことを言いたいと察した夏凜は困ったように呟く

自分のプライドを捨てているように思えるが、

天乃の場合、からかっているように思われるため被害は別にない

けれど、今の天乃は本当に泣いているから

東郷ではなく、風に見られてもなんやかんや言われてしまうだろう

友奈や樹は、言わずとも察してくれるだろうけど

東郷なんかは分かっていても天乃の味方をしてくるから質が悪い
526 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 21:23:16.68 ID:XX9BtBIzo

夏凜「……まぁ、東郷がいてくれた方がいいかもね」

天乃「………」

夏凜「私の代わりじゃなくて、プラスでって意味よ」

東郷がいれば、くだらない会話の相手になってくれる

書庫のような頭の中を、無駄使いしてくれる

そうすれば天乃の心も穏やかになるだろうし、

この場の空気も良くなることだろう

しっかり笑うことは出来ないけれど、笑ってくれるはずだから

天乃「………」

夏凜「ん? あー……どうかしら」

東郷とは仲が良いのか悪いのか

悪ければ仲間として一緒にやれているわけがなく

恋人の一人としての確執やらなんやらで面倒くさいことになっているかもしれない

夏凜「普通に仲が良い。というか、うまく言えないわね」

ただの友人ではしないような会話も多い

戦友という意味ではないそれは、親友と言っていいのかもしれない

互いに一つのことに命を懸けた戦友であり、

互いに愛する人を持つ身としては。

夏凜「多少言い合いすることはあるけど、あれはあれで助かるのよね」
527 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 21:56:23.81 ID:XX9BtBIzo

夏凜は嬉しそうに笑う

自分で自分の笑顔が分かっているのだろうか

その心に、気付いているのだろうか

天乃はそれを見ながら、何も言わない

言えないのではなく、言う必要がない

夏凜が東郷が一緒に居たらと言うのも頷ける

きっと、賑やかになってくれることだろう

だからこそ、みんながいる病室に戻れることを望む

もっと言えば、みんなと過ごすことのできるあの家に帰りたい

そのためには。

天乃「………」

夏凜「そうね」

天乃「………」

乗り越えなければならないことがある

だからこそ、

こんな場所で挫けているわけにはいかないのだ
528 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 21:58:54.21 ID:XX9BtBIzo

√ 2月11日目 昼 (病院) ※土曜日


01〜10 友奈
11〜20 
21〜30
31〜40 九尾
41〜50
51〜60 沙織
61〜70
71〜80
81〜90 東郷
91〜00

↓1

※ぞろ目
529 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 22:01:43.41 ID:rUGfLnugO
あ
530 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/12(月) 22:17:33.61 ID:XX9BtBIzo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


東郷「確かに、同じ身体を貪った身友ね」

夏凜「貪ったとか止めなさいよ」

東郷「じゃぁ、味わったにしておく?」

夏凜「生々しさが増すんですけど」

東郷「分かった。分かったわ。性ゆ――」

夏凜「何も分かってないんだけどっ!?」
531 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 22:32:53.39 ID:vOXbsFIJO
乙
もうこの二人の関係は恋人とか夫婦とかそういう次元では語れないところに来た感じがするな
そして久遠さんの意識が戻った途端にイキイキし出すとーごーせんせー…
532 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/12(月) 23:37:43.02 ID:rUGfLnugO
乙
3Pしてたしな
533 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 20:19:53.54 ID:GFw76cZ0o

では少しずつ
534 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 20:30:03.60 ID:dcO2iBFXO
かもーん
535 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 20:55:08.13 ID:GFw76cZ0o

√ 2月11日目 昼 (病院) ※土曜日


昼になっても夏凜は天乃の傍にいる

明日は全力の戦いになるというのもそうだが、

また天乃を一人にしてしまうのが心配だったからだ

精霊たちが頼りにならないわけではないけれど

千景達は夏凜を頼りにしている

何か用事がないのなら一緒にいてあげて欲しいと、引き留められるだろう

多少、自意識過剰な気もするが

実際にそう言われてここに来たのだから仕方がない

天乃「………」

夏凜「……暇じゃないかって?」

どちらかと言われれば暇だが、入院生活といえば暇なものだ

天乃ほど重度ではないけど入院生活の長い夏凜は

漠然とそんな思いを抱いて、天乃を見る

寝返りのために体を動かす以外ではずっと自分へと向いたままの瞳

以前のようなオッドアイではない橙色の瞳は

とても澄んでいるように見えた
536 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 21:28:44.33 ID:GFw76cZ0o

夏凜「つい最近まで色々大変だったし、明日は全力だし……」

今までの自分ならだからどうした。と

明日のための鍛錬に勤しんでいたことだろう

だけど、鍛錬ばかりが重要ではないと知った

それだけでは決して辿り着くことのできない頂を見た

そんな方便を頭に並べつつ

自分がここに居たいだけだという思いを言葉にはしない

しても天乃が悪くいったりなんだりしないのは分かっているけれど

少し、変な空気になりそうな気がしたからだ

夏凜「良いんじゃないの? ゆっくりしてても」

天乃「………」

夏凜「衰えるほど軟な鍛え方してないわよ」

天乃「っ」

夏凜「大丈夫」

心配そうな顔をしている……ように見える天乃に笑みを見せ、

軽く頭を撫でる

明日の戦いが厳しい分、余裕はないのではないかと天乃は不安に思うだろうが、

たった一日、されど一日

けれどもやはり、心の保養は大切だ


1、みんなのところに行きたい
2、戦いの後は
3、イベント判定


↓2
537 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 21:30:57.84 ID:dcO2iBFXO
1
538 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 21:31:03.70 ID:Wg4KwJsE0
1
539 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 22:14:24.61 ID:GFw76cZ0o

みんなのところに行きたい

今の自分の状態では、我儘だということは百も承知だけれど

明日が大事な日であるなら、多少の無茶は承知で会いに行きたいと思う

その欲求は夏凜にも伝わったようで、

困った笑みが答えだった

夏凜「会いに行くのは無理でしょ」

天乃「………」

夏凜「気持ちは分かるけど」

天乃の気持ちも、

東郷達みんなの気持ちも夏凜は分かっている

けれど、天乃がみんなのところに行くのは無茶だ

今は繋がっている医療機器は外しても問題はないが

いつまた体調を崩すか分からない現状では、

むやみに出かけさせるわけにはいかない

夏凜「友奈たちを呼べばいいんじゃない?」

祟りの影響がある樹は少し怖いが

みんながいれば、問題はないだろう
540 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 22:35:02.43 ID:GFw76cZ0o

夏凜「そう言えば話したっけ? 園子、もう病室戻ったのよ」

まだ多少不安要素はあるが

病室は戻っても問題はないだろうし

みんなと一緒にいる方が精神的にも落ちお付けるだろうから。と

判断されたためだ

それなら天乃もといいたいところだが、程度が違うため許可はおりていない

夏凜「目を覚ましたことは聞いてたのね」

天乃「………」

夏凜「園子はずっと眠ったままだったし、療養期間も天乃より長かったから」

その分、苦しんだけれど

ちゃんと回復出来たし、力を馴染ませることも出来ただろうから、一概に悪いことだとは言えない

夏凜「あんたは間隔が短すぎたのよ」

一日一人

無理があることも承知ではあったが、それでも十分譲歩した条件だと最初は考えていた

けれど、結果は御覧のありさまだ

夏凜「それでもこれで済んでるんだから……良かったわよ」

天乃「……」

夏凜「別に責めてるわけじゃないから、謝らなくていい」
541 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/13(火) 22:37:35.10 ID:GFw76cZ0o

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
542 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 22:41:41.96 ID:dcO2iBFXO
乙
みんな呼び出したら案外一気に回復したりして
543 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/13(火) 22:55:38.62 ID:zGq5Fc2XO
乙
もう明日か緊張してきたな
544 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/14(水) 22:32:29.53 ID:iyShzT1jo
すみませんが本日はお休みとさせていただきます
明日、出来れば通常時間から
545 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/14(水) 22:37:00.72 ID:wVJbPcPtO
乙ですー
546 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 20:47:49.33 ID:lnGNku7vo

では少しだけ
547 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 20:49:53.84 ID:YHrNeeMMO
やったぜ
548 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 21:13:51.54 ID:lnGNku7vo

少しばかり空気が悪くなったように感じた夏凜は、

仕方がないと言いたげな表情で、天乃の頬に触れる

顔色も、表情も

変わりは微妙だが、少しは落ち着いただろうか

緩んだように感じるのは気のせいではないはずだ

夏凜「みんなに会いたいなら、呼んでくるけど?」

話を戻そうと切り出したつもりだったが、ムッとされたように感じて、苦笑する

意地悪なことを言わないで。と、言ったつもりなのだろう

口が動いていなくても、音を発していなくても

分かってしまう

夏凜「若葉達をこき使うのは止めてあげたら? いずれ反抗されるわよ」

天乃「………」

夏凜「まぁ、しないでしょうね」

天乃「………」

夏凜「若葉達なら言わなくてもやるし、言われれば喜んでやってくれるでしょ。心配しなくても」
549 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 21:28:44.93 ID:lnGNku7vo

一度気にしてしまうと、

本当にそんなことは無いだろうかと考えてしまう天乃の心配性

悪く言えば、ネガティブさ

体が弱くなってから増し増しになってきていたそれも

ここまで来ると、本当に? と、沈まない

少しは落ち着いたものになってきている

まだ一年……いや、まだまだ短い関係ではあるが

長さに勝る濃密な機関だったことを考えれば、

培った信頼はその不安を取り除くのには十分なのだ

夏凜「………」

天乃「?」

夏凜「……いや、なんでも」

別に不安ではないし、怒っていないし、特別なんやかんやの思いもない

だけど

だけどもし、【自分の言うことだから】だったとしたらと一瞬でも考えてしまったのが

少しだけ恥ずかしかった
550 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 21:48:00.25 ID:lnGNku7vo

夏凜「で、呼んでもらう?」

天乃「………」

夏凜「っていう話らしいから、お願い」

誰もいない空間へと声をかける

これで本当に誰もいなかったなら

夏凜は少し恥ずかしい子になってしまうが、

その空間が少し揺らいだかと思えば、精霊の一人である千景が姿を見せた

千景「分かったわ。少し待っていて」

夏凜「宜しく」

夏凜の軽い言葉に笑みを見せた千景は、

自分に背を向ける形になっている天乃を一瞥する

夏凜がいるときといないときとでは、空気が違う

呼んできたのは間違いではなかったと、少し安堵して

千景は病室を出て行った
551 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 22:01:51.48 ID:lnGNku7vo

天乃「………」

夏凜「ん? 心配する必要あると思う?」

天乃「………」

夏凜「でしょ?」

みんなはこっちに来てくれるだろうか

そんなことを思っただろう天乃に否定の言葉を向ける

天乃がみんなに逢いたいと思うのと同じように

あるいは、それ以上に

みんなは天乃に会いたいと思っているはずだ

それでも天乃が療養に集中しなければならないという理由で会いに来ない中

会いに来て欲しいと願われれば、

我先にと、会いに来てくれることだろう

夏凜「だから心配しなくても大丈夫」

天乃「………」

夏凜「不安になるなら少し寝てなさいよ。みんなが来たら起こしてあげるから」

優しく告げて、少しだけ抱く

頭を抱え込むようにして……学んだ赤子の抱き方を真似るように撫でた
552 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 22:02:50.70 ID:lnGNku7vo

√ 2月11日目 夕 (病院) ※土曜日


01〜10
11〜20 九尾
21〜30
31〜40
41〜50 大赦
51〜60
61〜70
71〜80 九尾
81〜90
91〜00

↓1

※ぞろ目
553 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 22:03:31.67 ID:YHrNeeMMO
あ
554 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/15(木) 22:22:03.25 ID:lnGNku7vo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から


勇者部との交流
555 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 22:42:37.15 ID:YHrNeeMMO
乙
やっと勇者部のみんなと再会か…神婚前にできてよかったなぁ
556 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/15(木) 23:09:03.56 ID:9OFvb2S3O
乙
何話すのかな
557 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/16(金) 03:48:32.93 ID:nAroLfWTO
乙
久しぶりの勇者部全員集合になるのか?
いろいろ大変だったよなあ
558 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/17(土) 20:56:19.60 ID:suHDnbpNo

では少しだけ
559 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/17(土) 20:59:33.84 ID:yYqAhsVjO
あいよー
560 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/17(土) 22:16:50.46 ID:suHDnbpNo

√ 2月11日目 夕 (病院) ※土曜日


すんなりと、勇者部の面々は病室にやってきた

まだ大事を取ってだろうか

東郷の雄車椅子に乗った園子は、

快活な笑みを見せつつも、

一つのベッドで横になっている天乃と夏凜を嬉しそうに見つめる

園子「お邪魔かな〜?」

夏凜「邪魔じゃないから呼ばれたのよ」

園子「途中で考えが――」

夏凜「変わってない」

園子「でも本心は――」

風「はいはいそこまでそこまで」

からかっているというか

今まで我慢してきたことを解放しているというか

楽し気に言葉を並べ立てる園子は、

夏凜の少し強い反論にも笑顔のままだ

園子の性格を理解している夏凜も、怒った様子はなく

東郷達もまんざらではないような表情を見せた

友奈「久遠先輩はどう?」

夏凜「まだ話せるほどじゃないみたい」

樹「そうですか……」

夏凜「樹が気に病むようなことじゃないわよ。というか、天乃の前でそんな雰囲気出さない方がいいんじゃない?」
561 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/17(土) 22:51:35.55 ID:suHDnbpNo

風「呼んだのは天乃だしね」

謝って欲しいから呼んだわけじゃないでしょ。と言う風に

天乃は答えようとして、諦める

口も顔も動かない

意思疎通もまともにできない

けれど、動かせる瞳で夏凜を捉えれば

ちょっとしたため息のあとに、言葉が続く

夏凜「明日が大事な日だし、園子も快調だから一度みんなで集まっておきたかったのよ」

東郷「なるほど……若葉さん達はお呼びしなくていいのですか?」

夏凜「若葉達もいるっちゃいるし」

風「それもそうね」

必要なら席を外してくれるだろう

少なくとも、病室の中で繋がりを感じられる精霊は唯一、千景だけだ

それも病室の扉の傍に感じる
562 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/17(土) 23:56:24.58 ID:suHDnbpNo

天乃「………」

風「戦いが終わったら何がしたいとか話す?」

樹「フラグをたてようとするの止めようよお姉ちゃん」

風「フラグも立てすぎれば倒れるって噂だし」

夏凜「足りなかったら倒れないんだけど?」

ちょっとした笑いが、病室に満ちていく

天乃一人だった時とは違い、

とても明るく感じるのは勘違いではないはずだ

直接的ではなく、

間接的な参加になってしまっているのが惜しいが、

でも、暗い気持ちにならずに済むみんなとの空気感は、

今の天乃にとってはこれ以上ない程の救いだった

東郷「ですが、戦後の夢を語るのは生きる希望でもあります。生きたいという、力になります」

友奈「なら、私はとりあえず学校に行きたいです! もちろん、みんなで」

当然と言うべきか

真っ先に切り出したのは、友奈だった
563 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 00:12:12.79 ID:fFdXJGyDo

では途中ですがここまでとさせていただきます
明日は出来ればお昼ごろから
564 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 00:23:23.58 ID:LY7+wD9iO
乙
学校行事も卒業式を残すのみか…
後半はずっと入院したままであまり青春イベントができなかったのが悔やまれるなぁ
565 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 00:32:07.41 ID:Qylax23tO
乙
フラグに関しちゃ若葉が戦い終わったらえっちな事したいって約束してる時点でもうアウトだから
立てまくって倒す方に注力するしかない
566 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 17:41:04.75 ID:fFdXJGyDo

では少しずつ
567 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 17:50:33.69 ID:WKXcVutUO
きてたか
568 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 18:21:31.14 ID:fFdXJGyDo

友奈「時期的に卒業式……ですけど、でもみんなで学校に行きたいです」

今は二月それも半ばに差し掛かっている

約一か月後には、三年生である天乃や風は卒業するのが通常の流れだ

楽しみたかった行事のほとんどを堪能できなかった天乃にとっては

卒業式なんて、思い入れを感じるようなものではないかもしれないが

それでも、中学生として行う最後の行事

残る者達が送り、行く者達が贈る行事

友奈は、それに参加して欲しいと言う

樹「私は……どうだろう。戦いが終わったら、とりあえずお勉強……します」

風「樹が勉強……っ!?」

樹「私だって勉強するもんっ」

ムッとした表情で言い返した樹は、少しだけ考えて「でもね」と笑う

樹「まずは、ちゃんとお片付けしようかな」

風「かっ、片づけぇっ!?」

樹「お姉ちゃんっ!」
569 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 18:44:35.01 ID:fFdXJGyDo

東郷「夏凜ちゃんは?」

夏凜「あんたじゃなく、私に聞くのね」

東郷「ちょっと、気になって」

東郷の笑みは見る人が見れば綺麗だと感じるだけだが

見る人が見れば企みがあると分かる

夏凜は後者だ

いぶかし気な表情で東郷を見返し、ため息をつく

言うだけ無駄だと思ったのだろう

東郷は夏凜が戦闘のあとに何を言うのか気になっていると言った

であれば、言ってくれるだろうと言う何かしらの期待が込められた言葉があると言うことになる

それは何なのか

東郷の頭を覗けば簡単だが、覗くこと自体が難しい

夏凜「何を期待してるのか知らないけど、私は別に欲なんて大してないわよ」

東郷「良いからいいから」

夏凜「なんで東郷が急かしてるのよ」
570 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 19:17:10.10 ID:fFdXJGyDo

夏凜の目を覗く

戦いの後にしたいこと

それを言うことを渋っているように感じたからだ

けれど、夏凜は困ったように笑みを見せると

頭を軽く掻いて、「馬鹿にしたりしないでよ?」と前置きをする

夏凜「前から話してたことだけど……やっぱり、結婚式じゃない?」

東郷「!」

天乃「………」

夏凜「戦いが終わってすぐってわけじゃないけど、色々な望みを込めてのものって言うと結婚式になる」

みんなが無事でなければ果たされない

みんなが幸せでなければ果たされない

だからこそ、それを望む

夏凜「東郷もどうせ、それを考えてたんでしょ?」

東郷「流石、夏凜ちゃん」

友奈「結婚式はもっと先の話だって考えてた」

樹「私も……だから」

夏凜「別に言わなかったのが悪いとかじゃないんだから、反省会みたいな雰囲気止めない?」
571 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 19:48:55.59 ID:fFdXJGyDo

樹「そっ、そういうわけじゃないですよっ」

ただ、自分が言わなかったと言うのが、残念だった

言うことが出来たのに言わなかったことを、少しだけ後悔する

友奈「言っておけばよかったかなぁって」

風「まぁその気持ちは分かる」

東郷「まさか、夏凜ちゃんがそんな欲深いことを言うなんて……」

夏凜「東郷は私をどんな奴だと考えてるんだか」

東郷「欲のない人」

夏凜「はっきり言ってくれるわね」

困ったように言いつつも、理解はしているのだろう

呆れた笑み以上のことはしなかった

やはり、東郷と夏凜は仲が良いのだ

夏凜「で、風はどう考えてる?」

風「え? 煮干し?」

夏凜「私のことじゃなくて」
572 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 20:08:06.13 ID:fFdXJGyDo

風「あたしかぁ……あたしは……う〜ん」

戦いを終えた後に待つ行事が卒業式なのは、

友奈たち三年生以下の生徒達と一部の三年生だけだ

風には、まだ残されている行事がある

避けて通ることも出来るが

出来る限り避けてはいけない行事――高校受験

自己推薦はすでに終わってしまっており、

そもそも、風はそれでの応募をする余裕がなかったため、

一般枠での受験になる

完全な一発勝負、大して勉強も出来ていない中での集大成

風「勉強……かなぁ」

園子「世知辛いねぇ」

風「受験生には戦後の戦争が待っているんですよ」

夏凜「私達も来年受験だし、いい先生がいてよかったわね」

友奈「いい先生……?」

風「反面教師か? 反面教師って言いたいのかぁっ!」
573 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 20:37:02.83 ID:fFdXJGyDo

賑やかだ。とても

落ち込んだり、怒ったり、困ったり

色々と感情が入り乱れてしまっているけれど

だからこその賑やかさ

園子「私は天さんとデート! これ以外ないよ〜っ」

びしっとピースサインを天乃へと突きつける

出かけられなかった

ほとんど何もできなかった

だけど、これからは出来るようになる

だから、一番したいと思うこと言う

園子「お洋服選んで天さんに着て貰ったり〜適当に選んだようで実は念入りに調べたお店の美味しいデザートを食べさせあったり〜」

えへへ〜と

園子は一人浸って嬉しそうな笑みを浮かべる

きっと、とても楽しい夢だ

園子が待ち望んだ、幸せな未来の話だ
574 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 20:50:17.00 ID:fFdXJGyDo

東郷「みんな、色々ね」

夏凜「天乃のこととか、自分のこととか」

疎かにしてしまったことは沢山ある

だからこそ、やりたいことは沢山あって、

叶えたい夢がたくさんあって

でもきっと、そのすべてをやり切ることは出来なくて

どれにしようか、何をしようか

自分の中での優先順位をつけていく

東郷はみんなの話を聞いて、答えを決める

少し狡いとは思うけれど

真っ先に答えを出せるほど、東郷は無欲ではない

もちろん、みんなもだが。

東郷「私は打ち上げかしら」

戦いのあとでなくてもいい

何かをやり遂げた後

みんなで小さな宴会のような打ち上げを催すのは、よくあることだ

よくあることだからこそすぐには出にくいこと。

でも、夏凜が言った結婚式のように、

様々な幸福の条件がそろっていない限りしないことだから。

東郷「みんなで、かめやに行きたいです」
575 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 21:28:09.33 ID:fFdXJGyDo

天乃を見て、東郷は言う

言葉はしっかりと、天乃に向けたものになっている

真実を知った今、

東郷美森の記憶の中にある天乃は、

味覚を含めて食事を楽しんでいたことは一度もない

その顔に笑顔はあっても、その一部は偽りだ

だから、

楽しめるようになったこれからは

一つ一つを、楽しんでもらいたい

樹「ぼた餅じゃないんですか?」

東郷「ぼた餅は、かめやのあとのデザートかしら?」

友奈「東郷さんのぼた餅っ」

久しく口にしていない、東郷の作るぼた餅

天乃「………」

夏凜「天乃も楽しみだって」

東郷「次こそは、久遠先輩が幸せになれるものを提供させていただきます」
576 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 21:53:27.81 ID:fFdXJGyDo

それぞれが、それぞれの思うことを口にする

思い思いのことだけれど

みんなが通して、みんなが無事だからこその望みだった

風や樹の勉強や片付けもまた

みんなが無事でなければやらないことだ

無事でなければ、そんなことをする精神的な余裕はないし

そもそも、世界が滅ぶからだ

夏凜「天乃は?」

天乃「…………」

東郷「そうですよ久遠先輩、久遠先輩も。です」

天乃「……」

友奈「声が聞こえなくても、表情が動かなくても久遠先輩が言いそうなことはみんな分かると思います」

ネガティブなことも、ポジティブなことも

何となくという不確かなものではあるけれど、

こう言いたいのだろうと友奈たちは分かる気がした

樹「久遠先輩は、したいことありますか?」



1、卒業式
2、ちゃんとした挨拶
3、みんなとのデート
4、結婚式
5、お話


↓2
577 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 21:54:58.70 ID:53mP7ge30
3
578 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 21:55:19.04 ID:WKXcVutUO
1
579 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/18(日) 22:08:02.53 ID:fFdXJGyDo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
580 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 22:27:19.91 ID:WKXcVutUO
乙
決戦の、その後の物語か…
今まで録なことできなかった分色々と埋め合わせしたいところだな
581 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/18(日) 22:29:17.46 ID:Qylax23tO
乙
結婚式楽しみだなあ
582 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 01:43:43.80 ID:EzoKb6uOO
乙
これはもう全部するしかあるまいな
583 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 12:26:29.16 ID:6rhoO4etO
もし神樹様が生存できたら何か融通きかせてくれるとかあるかな?
584 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/19(月) 21:28:46.45 ID:jQlA3K0jo

では少しだけ
585 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 21:52:42.42 ID:2QEHRl9FO
きてたかー
586 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/19(月) 22:12:02.97 ID:jQlA3K0jo

したいこと

戦いの後でしたいことというのなら、

やはり、卒業式だろうかと天乃は思う

色んな行事がある中で、天乃が参加できたのは一握り

だからこその卒業式

天乃「………」

夏凜「そっか」

園子「おぉ〜そのアイコンタクトで察するか〜」

夏凜「園子達だって分かってるでしょ?」

風「何となくは分かっても、はっきりとは分からない。もちろん、学校のことだろうとは思うけどね」

夏凜「それが分かってるって言ってんのよ」

友奈「夏凜ちゃんみたいに話すのは難しいかなぁ」
587 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/19(月) 22:36:41.58 ID:jQlA3K0jo

夏凜「今は私じゃなくて天乃の話でしょ」

天乃と自分のことについて

深く突き詰められてしまいそうな気がして、夏凜は手をひらひらと振って促す

天乃は卒業式に出たい

学校に関することだと察しがついた風達も、

天乃がそう望んでいることを分かっている

園子「私も卒業式に出たいな〜」

東郷「そのっちはもちろん、私も卒業式は微妙なところだったから」

ちゃんと参加したい。

しんみりと、感慨深く

はっきりと口にした東郷と園子

樹は少し考えて、【戦いの後】という条件を振り払う

まともに卒業式が行われるのか

多少の不安はあるが、言葉にする意味はないからだ
588 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/19(月) 22:59:31.82 ID:jQlA3K0jo

樹「正直に言うと、私は卒業式が嫌です」

風「樹?」

樹「だって、やりたいこと……全然できなかったじゃないですか」

樹は今年中学生になったばかり

いや、今ならば去年だろうか

いずれにしても、一年生である樹にとっては出来ないことが多かったことだろう

けれどもその中でも、さらに多くの出来ないことがあった

出来なくなってしまったことが多かった

だから、切り取られてしまったかのように不足する

だから、卒業式を求められるのは、少しさびしさがある

東郷「樹ちゃんの気持ちは分かるけど、でも、久遠先輩が卒業しなかったら、留年よ?」

樹「そうなんです。我儘でしかないんです」

東郷「でも、私も久遠先輩が留年してくれたら。と、我儘を思うわ」

友奈「久遠先輩が留年したら、一緒に卒業できるから。だよね?」

東郷「……もうっ、友奈ちゃんったら」

言いたかったことを奪われたのに、東郷は嬉しそうに言う

悪いことではあるけれど、ただただ口にするだけの我儘だからこそ、

想いが同じであればこその望みだから、嬉しさが勝る

風「あんたたちなんていうこと言ってるのよ……」

園子「でも、天さんは少し、嬉しそうだよ」
589 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/19(月) 23:02:37.27 ID:jQlA3K0jo

では、途中ですがここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
590 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 23:07:05.18 ID:7PNFOQspO
乙
久遠さんは卒業したら永久就職になるのかな
591 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/19(月) 23:14:47.51 ID:2QEHRl9FO
乙
残り時間が少ない久遠さんたちをゆゆゆい時空にでも招待したいなぁ
592 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 02:46:22.85 ID:c+cWT5vkO
乙
卒業はともかく受験はもう今年は無理よなあ久遠さん
なんなら風もちょっと怪しい
593 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/20(火) 21:16:16.99 ID:kTS6M9cgo

では少しだけ
594 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 21:20:48.85 ID:TJWXlMXSO
よっしゃ
595 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/20(火) 21:27:32.84 ID:kTS6M9cgo

友奈「でも、久遠先輩が留年しちゃうのは、なんかちょっと、違う気がする」

留年してくれれば……というのは語弊が生じるだろうか

友奈からしてみれば悪意はないし、天乃もそれを悪く取ることはない

けれども、少しばかり悪く聞こえそうな言葉は飲み込みながら、友奈は口を開く

友奈「もう一年学校に通うことが出来れば、出来なかった沢山のことが出来ると思います。でも、それは、違うんですよね?」

天乃「………」

風「あたしがいな――」

夏凜「風がいるかいないかはともかく、色々違うことはあるんじゃない?」

風がいないのはもちろん、沙織だっていない

クラスメイトだってみんながいない

そもそもの話として、天乃には子供がいる

勇者としての戦いもあった、久遠家としての責務があった

要求すれば、もしかしたら叶えて貰える程度のことかもしれない

しかしながら、それを考えられるはずの天乃がそれを口にはしなかった

そういうことなのだろうと、友奈の代わりに東郷が頷く
596 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/20(火) 22:07:31.83 ID:kTS6M9cgo

東郷「久遠先輩が同級生なのは魅力にあふれるお話だけれど……夢は夢であるからこそ。ね」

それを叶える事は簡単だろう

しかし、叶えたあとどうなるかもまた、想像は容易い

それを考えれば、留年しましょうなどと言えるはずもなく、

なにより軽口で言うからこそ、良いのだ

先輩は先輩だ

同級生になったからと言ってどうということはないけれど

やっぱり、東郷達からしてみても、それは少し違うような気がするのだ

言葉ではうまく言えないのは、感覚的なものだからだろう

樹「卒業式までには、全部ちゃんと終わらせたいですね」

風「そうねぇ」

戦いも、体の問題も

一年生の頃は問題なかった天乃の体

学校を卒業する時もまた、そのころと同じようであったなら

簡単ではないけれど、そう願う
597 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/20(火) 22:42:56.20 ID:kTS6M9cgo

風「うちの中学の伝統知ってる?」

友奈「伝統ですか……?」

風「そう。伝統」

ニヤリと、風が笑う

明らかに企んでいると分かる表情から、

樹と夏凜はまたくだらないことを考えついたんだろうなぁ。と

半ば呆れを感じていたが、

以外にも―東郷を信じるならばだが―ただの冗談ではなかったらしい

東郷「制服のリボンのことですよね?」

風「知ってるんだ?」

東郷「狙っては……いましたので」

風よりも悪っぽく、

しかしながら妖艶な笑みを浮かべて見せる東郷の瞳は天乃の姿を捉える

東郷「よくある話……と言っても、これは限られた話なのだけど」

そう切り出した東郷は、

制服にボタンがあるならば、第二ボタンを意中の相手に渡す、あるいは受け取ると言う迷信めいたものがあると言う

ボタンではない讃州中学においては、それがリボンらしいと東郷は微笑む

東郷「リボンは……私達が使うものは特殊ではあるけれど、結ぶものということもあって、似通ったものがあるらしいですよ」

友奈「なるほど〜」

夏凜「いやいやいや、ボタン云々は男子の話じゃ――」

東郷「あら。夏凜ちゃんもその手の噂は知ってるのね」

夏凜「ジャンル次第では数冊に一回くらい、そういう場面も出てくることはあるわよ」
598 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/20(火) 22:47:19.42 ID:kTS6M9cgo

ではここまでとさせていただきます
明日もできれば通常時間から
599 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 22:56:53.21 ID:LK/ZUrxlO
乙
希望が見えてきたな
600 :以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします [sage]:2019/08/20(火) 22:57:51.97 ID:TJWXlMXSO
乙
久々の全員トークなせいか色々盛り上がってるな
久遠さんには卒業までにまた制服が着られるようにさせてあげたい
601 : ◆QhFDI08WfRWv [saga]:2019/08/21(水) 22:20:21.16 ID:utw05PEgo

すみませんが、本日はお休みとさせていただきます
明日は出来れば通常時間から
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